JP2022516639A - ネオエピトープを標的とするワクチン - Google Patents

ネオエピトープを標的とするワクチン Download PDF

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Abstract

本発明は、少なくとも1つのネオエピトープ、および溶媒と混合したカチオン性リポソームアジュバントを利用したワクチン接種方法を提供するものである。また、当該方法で使用するための単位用量および組成物も提供する

Description

発明の分野
本発明は、免疫療法の分野に関する。特に、本発明は腫瘍性疾患の処置のための治療免疫技術に関する。
発明の背景
患者における悪性腫瘍の処置は、伝統的に外科手術、放射線治療、および/または、非悪性細胞の死滅を上回って悪性細胞を優先的に死滅させることを狙いとした投与レジメンにおける、細胞傷害性薬剤を用いた化学療法によって、悪性組織の根絶/除去することに焦点を当ててきた
細胞傷害性薬剤の使用に加えて、より最近のアプローチでは、従来の化学療法によって現れる全身の副作用を軽減するために、がん細胞において特異的な生物学的なマーカーを標的とすることに焦点を当てている。がん関連抗原を標的としたモノクローナル抗体療法は、多くの悪性腫瘍において、平均余命の延長に非常に効果的であることを示した。成功した薬ではあるが、がん関連抗原を標的とするモノクローナル抗体は、その性質上、知られた、複数の患者で見られる発現産物を標的とするようにのみ開発され得る、つまり、下記を参照するように、多くのがん特異的抗原は、一人の患者由来の腫瘍においてのみでしか見られないため、がん特異的抗原の大多数はこの種の治療法で取り扱うことができない。
早くも1950年代後半に、BurnetおよびThomasによって提唱された免疫監視理論では、リンパ球が、変化した抗原決定基を示す自家細胞-がん細胞を含む-を認識および排除する事を示唆し、および今日では免疫系が発がんを高度に阻害することが一般的に受け入れられている。しかし、免疫監視は100%有効ではなく、がん細胞を排除する免疫系の能力を改善する/刺激するような、がん療法を考案する事は継続的な課題である。
1つのアプローチは、がん関連抗原に対する免疫を導入する事であり、このアプローチは有効な可能性が有るが、限られた数の抗原しか対処できないという、抗体療法と同様の欠点を負っている。
全てとは言わないが、多くの腫瘍は変異を発現している。これらの変異は、新規の標的抗原(ネオ抗原)を作りだす可能性があり、臨床的に適切な時間内にネオ抗原およびその抗原決定基を同定する事が可能であれば、ネオ抗原は、特異的T細胞免疫療法において有効である可能性がある。現代技術では、細胞のゲノムをすべてシーケンスする事、および、変化した、または新たな発現産物の存在を解析する事が可能であるため、ネオ抗原に基づく個別化ワクチンの設計が可能である。しかし、満足のいく臨床的なエンドポイントを提供しようとする試みは、今日まで失敗に終わっている。
よって、ワクチン接種した個体において、ネオ抗原を効果的に標的とし得る、および臨床的に顕著な免疫応答を誘導し得る抗ガンワクチンを提供する必要がある。
発明の目的
ネオエピトープを含むネオ抗原に対する、治療に有効な免疫応答を誘導するための方法を提供する事は、本発明の実施形態の目的である。さらに、がん免疫療法に使用され得るネオエピトープ材料を含む組成物を提供する事もまた目的である。
発明の概要
ネオペプチドを特定のカチオン性リポソームアジュバントと一緒に製剤化する事、および、かかる製剤を比較的高い投与量のネオペプチドを用いて投与する事によって、ワクチン接種した個体において、免疫応答が改善する事を本発明者らは見出した。これにより、発現産物を含むネオエピトープの発現によって特徴づけられるがんの、がん免疫療法における改善が供されると考えられる。
よって、第1の態様において、本発明は、哺乳類の患者において腫瘍、例えば悪性腫瘍を処置する方法に関し、ここで腫瘍は、患者において、非腫瘍性細胞では示されないT細胞エピトープ(ネオエピトープ)を示し、ここで、該方法は以下を含むリポソーム組成物を免疫学的有効量投与する事を含む:
1)患者の腫瘍細胞のネオエピトープのアミノ酸配列を含む、少なくとも1つのペプチド(ネオペプチド)、
2)溶媒、および
3)カチオン性リポソームアジュバント。
本発明の第2の態様は免疫原性組成物の単位用量に関し、上記単位用量には、患者の腫瘍細胞のネオエピトープのアミノ酸配列を含む、免疫学的有効量の少なくとも1つのペプチド(ネオペプチド)、カチオン性リポソームアジュバント、および溶媒を含む。
本発明の第3の態様は本発明の第1の態様の部分として投与されるリポソーム組成物の特徴を持つリポソーム組成物に関する。
関連する態様は、治療および予防療法における使用のための、特に本発明の第1の態様の方法における使用のための、第2の態様の単位用量ならびに第3の態様の組成物に関する。
図面のレジェンド
図1:実施例1における免疫試験の実験計画。 マウスは連続した日における免疫を含むクラスタープライミングを受けるか、または従来のプライム-ブーストレジメンに従って免疫された。C22の投与量および免疫の日数を図に示した。Ip:腹腔内投与
図2:MHCI多量体アッセイの概要。 MHCクラスI分子を生産し、および、該分子をUV光にさらすことによってC22最小エピトープKFKASRASIと交換された、安定化ペプチドをロードした。該MHCI分子を蛍光標識されたストレプトアビジンに結合させ、多量体化した。ネオペプチドにポジティブなCD8+T細胞を同定するために、血液細胞を、多量体で、ならびに蛍光色素をコンジュゲートした抗CD3、抗CD4、および抗CD8抗体で共染色した。そしてサンプルをフローサイトメトリーで解析し、およびMHC:C22ポジティブなCD8+のフラクションを算出した。
図3:21日目の全血におけるネオペプチド特異的なCD8+T細胞の検出。 図3Aは、初回免疫から21日後の各群の2匹のマウス由来の血液中の、多量体ポジティブなCD8+の割合を示す。巡回しているC22特異的なCD8+T細胞は、CAF09bと共に配合された10.0および50.0μgのC22で免疫されたマウスにおいて、免疫スケジュールとは無関係に、検出された。各群の2匹のマウス由来の血液のみを染色した。図3BおよびCでは、フローサイトメトリー解析からの代表的なプロットを示し、図3Bではコントロールを示した。 同上。
図4:エンドポイントである28日目における全血中のネオペプチド特異的なCD8+T細胞の検出。 図4Aは、初回免疫から28日後の各群の2匹のマウス由来の血液中の、多量体ポジティブなCD8+の割合を示す。巡回しているC22特異的なCD8+T細胞は、CAF09bと共に配合された10.0および50.0μgのC22で免疫されたマウスにおいて、免疫スケジュールとは無関係に、検出された。また、2.0μgのC22でクラスタープライミングされたマウスのフラクションにおける少しの増加が見られた。図4BおよびCは、フローサイトメトリー解析からの代表的なプロットを示し、図4Bではコントロールを示した。 同上。
図5:ネオペプチド特異的な脾臓のCD8+T細胞の検出。 図5Aは、クラスタープライミングされたマウスのエンドポイント(初回免疫から28日後)における、多量体ポジティブな脾臓CD8+T細胞の割合を示す。C22特異的なCD8+T細胞は、CAF09bと共に配合された10.0および50.0μgのC22で免疫されたマウスにおいて検出された。図5BおよびCはフローサイトメトリー解析からの代表的なプロットを示し、図5Bではネガティブコントロールを示した。 同上。
図6:「患者1」での免疫のデータ。 A:ネオエピトープを含むワクチンの9ペプチドで刺激した、免疫後のPBMCからのIFN-γ放出を示すELISPOTデータ。健康コントロール群は、コントロールドナー由来のPBMCを用いた並行実験のデータ。CA019は2倍量で投与した。 B:腹腔内免疫後に得られたPBMCのフローサイトメトリーデータ。左側のパネルは非刺激PBMCからのTNF-αおよびIFN-γ放出を示し、中央のパネルは無関係なペプチドで刺激したPBMCからのTNF-αおよびIFN-γ放出を示し、右側のパネルはワクチンの9つのペプチドで刺激したPBMCからのTNF-αおよびIFN-γ放出を示す。
図7:「患者2」での免疫のデータ。 A:免疫前に得られたPBMCをネオエピトープ含有ワクチンの5つのペプチドで刺激したときのIFN-γ放出を示すELISPOTデータ。健康コントロールは、コントロールドナーのPBMCを用いた並行実験のデータ。B:腹腔内免疫後およびネオエピトープ含有ワクチンの5つのペプチドで刺激した後に得られたPBMCからのIFN-γ放出を示すELISPOTデータ。健康コントロール群は、コントロールドナーのPBMCを用いた並行実験のデータ。 C:免疫前に得られたPBMCからの、TNF-αおよびIFN-γ放出のフローサイトメトリーデータ。左側のパネルは非刺激のPBMCからの放出を示し、中央のパネルは無関係なペプチドで刺激したPBMCからの放出を示し、右側のパネルはワクチンの5つのペプチドで刺激したPBMCからの放出を示す。D:腹腔内免疫後に得られたPBMCからの、TNF-αおよびIFN-γ放出のフローサイトメトリーデータ。左側のパネルは非刺激のPBMCからの放出を示し、中央のパネルは無関係なペプチドで刺激したPBMCからの放出を示し、右側のパネルはワクチンの5つのペプチドで刺激したPBMCからの放出を示す。
本発明の詳細な開示
定義
「がん特異的」抗原とは、個体の非腫瘍体細胞において発現産物として現れないが、個体のがん細胞においては発現産物として現れる抗原である。これは「がん関連の」抗原とは対照的であり、「がん関連の」抗原は、正常な体細胞にも低濃度で現れるが、少なくとも一部の腫瘍細胞には高濃度で見られる抗原のことである。
「アジュバント」という用語は、ワクチン技術におけるその通常の意味を有する、すなわち、1)自身ではワクチンの免疫原に対する特異的な免疫応答を起こすことができないが、2)にも関わらず免疫原に対する免疫応答を増強し得る、物質または物質の組成物である。言い換えると、アジュバント単体でのワクチン接種では免疫原に対する免疫応答を引き起こさず、免疫原によるワクチン接種は免疫原に対する免疫応答を亢進し得る、またはし得ない場合もあるが、しかし免疫原とアジュバントを併用したワクチン接種は免疫原単体に誘導されるよりも強い免疫原に対する免疫応答を誘導する。
「CAF09」(カチオン性アジュバント製剤09)は免疫学的アジュバントリポソーム製剤であり、第4級アンモニウム界面活性剤であるN,N-ジメチル-N,N-ジオクタデシルアンモニウム(DDA)、C型レクチン受容体(CLR)のリガンドとして作用する合成3-ヒドロキシ-2-テトラデシル-オクタデカン酸-2,3-ジヒドロキシプロピルエステル(モノミコリルグリセロール、「MMG」)、およびトール様受容体(TLR)のリガンドとして作用するポリイノシン酸-ポリシチジル酸(ナトリウム塩)(「polyIC」または「poly(I:C)」)を含む。CAF09を含む多数のCAFファミリーアジュバントは、US2014/0112979およびUS2016/0228528に詳細に開示されている。DDA:MMG:Poly(I:C)の相対量(w:w:w)は、5:1:1である。
「CAF09b」はCAF09の、poly(I:C)の相対量をUS2014/0112979に開示されるCAF09においての約1/4の量にまで減らしたバージョンであって、DDA:MMG:poly(I:C)の相対量(w:w:w)はよって20:4:1であり、典型的なヒトへの用量にはDDA625μg、MMG125μg、poly(I:C)31.25μgがそれぞれ含まれる。
「ネオエピトープ」は、ネオエピトープをコードする遺伝子の欠失によって、個体における通常の体細胞由来の発現産物として存在しないが、同個体の変異した細胞(例えばがん細胞)において発現産物として存在する、抗原決定基(典型的にはMHCクラスIまたはIIに拘束されるエピトープ)である。その結果、ネオエピトープは免疫学的な観点からみて、自己起源にも関わらず真に非自己であって、およびそのためネオエピトープが発現産物を構成する個体において、ネオエピトープは、がん特異的抗原として特徴づけられ得る。非自己であるため、ネオエピトープは、個体において特異的な適応免疫応答を引き起こし得る可能性があり、その際、誘発される免疫応答はネオエピトープを有する抗原および細胞に対して特異的である。一方、ネオエピトープは、同じネオエピトープが他の個体で発現産物となる可能性が低いため、個体に対して特異的である。このように、ネオエピトープは、例えばがん特異的抗原のエピトープ、とは異なるいくつかの特徴がある:後者は典型的に、同じ種類の複数の癌に見られる(活性化されたがん遺伝子からの発現産物である可能性があるため)、および/または、がん細胞における関連遺伝子の過剰発現によって、わずかな量ではあるが、非悪性細胞において存在し得る。
「ネオペプチド」は自身の配列内に本文中で定義されるネオエピトープを含むペプチド(すなわち約50アミノ酸残基までのポリアミノ酸)である。ネオペプチドは典型的には「天然」である、すなわち該ネオペプチドのアミノ酸配列全体が個体から単離され得る発現産物のフラグメントを構成するが、しかしネオペプチドはまた、「人工的」なもので有り得る、つまりネオエピトープの配列、および少なくとも1つが該ネオエピトープの配列と天然に関連していない1つまたは2つの付加アミノ酸配列によって構成されることを意味する。後者の場合において、付加アミノ酸配列は、単にネオエピトープの担体として働くか、またはさらにネオエピトープの免疫原性を向上させ得る(例えば、ネオペプチドの生物学的な半減期を改善する、または可溶性を変える事で、抗原提示細胞によるネオペプチドの処理を促進する。)
「アミノ酸配列」という用語は、ペプチドおよびタンパク質中で、ペプチド結合によって連結した、アミノ酸残基の順番である。配列は慣習的にN末端からC末端の方向に記載される。
「免疫原性の担体」は免疫原/ハプテンに対する免疫応答の誘発を増強するまたは可能にするために、免疫原またはハプテンと結合し得る分子または部分である。免疫原性の担体は、従来的には、自身の権能では免疫原性が不十分な免疫原/ハプテンに融合またはコンジュゲートし得る比較的大きな分子(例えば、破傷風トキソイド、KLH、ジフテリアトキソイドなど)であって、典型的には、免疫原性の担体は、免疫原および免疫原性の担体によって構成される、Tヘルパーリンパ球に結合した物質に対する強力なTヘルパーリンパ球の応答を誘発し得る、よってこれはBリンパ球および細胞傷害性リンパ球による免疫原に対しての増強した応答を供する。より最近では、大きな担体分子は、無差別(promiscuous) Tヘルパーエピトープと呼ばれる、すなわち、集団のHLAハプロタイプの大部分に認識される、およびTヘルパーリンパ球の応答を誘発する、より短いペプチドにある程度代替されている。
「Tヘルパーリンパ球応答」は、ペプチドによって誘発される免疫応答であって、該ペプチドは抗原提示細胞におけるMHCクラスII分子(例えば、HLAクラスII分子)に結合する事ができ、および、該ペプチドおよび該ペプチドを提示するMHCクラスII分子の複合体を、T細胞受容体が認識する結果として、動物種においてTヘルパーリンパ球を刺激する。
「免疫原」は宿主の免疫系が免疫原に直面している宿主において、適応免疫応答を誘導し得る物質である。このように、免疫原はより大きな「抗原」族のサブセットであって、免疫系によって特異的に認識され得る(例えば、抗体に結合される場合、または代わりにMHC分子に結合した抗原のフラグメントが、T細胞受容体に認識される場合)物質であるが、免疫応答を誘導できる必要はない、しかし、抗原は常に免疫を誘発し得る、つまり抗原に対しての確立した免疫記憶を有する宿主は、該抗原に対して特異的な免疫応答を起こすことになる。
「ハプテン」とは、免疫応答を誘導および誘発できないが、免疫原性の担体とコンジュゲートすると、該ハプテンを認識する抗体またはTCRが、免疫系とハプテン担体コンジュゲートの接触によって誘導され得る、小分子である。
「適応免疫応答」とは抗原または免疫原との接触に対応した免疫応答であって、免疫応答は、抗原/免疫原の抗原決定基に特異的である。適応免疫応答の例は、抗原特異的抗体の生産の誘導、またはTヘルパーリンパ球または細胞傷害性リンパ球の抗原特異的な誘導/活性化である。
「防御的、適応免疫応答」とは抗原による免疫(人工的または天然に)への反応として対象内で誘導される抗原特異的免疫応答であって、該免疫応答はその後の抗原、または抗原を含む病理関連剤の挑戦から対象を防御し得る。典型的には、予防接種は1つまたはいくつかの病原に対する防御的適応免疫応答を確立することを目的とする。
「免疫系の刺激」とは、物質または物質の組成物が一般的で非特異的な免疫刺激作用を示すことを意味する。多くのアジュバントおよび推定アジュバント(例えば特定のサイトカイン)は免疫系を刺激する能力を共有する。免疫刺激剤を使用した結果として、免疫系の「覚醒度(alertness)」が高まる、つまり、免疫原を単独で使用した場合と比較して、同時またはその後の免疫原による免疫が、顕著により効果的な免疫応答を誘導する。
「ポリペプチド」という用語は、本文の文脈において、2から50アミノ酸残基の短いペプチド、50から100アミノ酸残基のオリゴペプチド、および100アミノ酸残基以上のポリぺプチドのいずれもを意味することを意図する。さらに、該用語はまた、タンパク質、すなわち、少なくとも1つのポリペプチドを含む機能性生体分子を含むことも意図しており、機能性生体分子が、少なくとも2つのポリペプチドを含む場合には、これらは複合体を形成していても、共有結合をしていても、非共有結合をしていてもよい。また、タンパク質中のポリペプチドは、グリコシル化され得る、および/または脂質化され得る、および/または、補欠分子族を有し得る。
本発明の特定の実施形態。
本発明の処置方法-第1の態様
本発明の第1の態様の方法は、一般的に免疫の導入に関し、およびそのようなものとしてまた、疾患の処置、予防、改善に関する方法を伴い、特に、がんの処置および改善に関する方法を伴う。つまり、本発明の第1の態様は一般的に、哺乳類患者における腫瘍性疾患、例えば悪性腫瘍性疾患を処置する方法に関し、ここで、該腫瘍の細胞は、患者において、非腫瘍性の細胞は示さないT細胞エピトープ(ネオエピトープ)を示し、該方法は、
1)患者の腫瘍細胞のネオエピトープのアミノ酸配列を含む少なくとも1つのペプチド(ネオペプチド)、
2)溶媒、および
3)カチオン性リポソームアジュバント
を含むリポソーム組成物を免疫学的有効量投与することを含む。
多くのカチオン性リポソームアジュバントが知られている。これらの内、本発明において好ましいものは、デンマークのStatens Serum Instituteで開発され、およびCAF(カチオン性アジュバント製剤)として知られる免疫アジュバントのラインの一部である;最近のレビューにはCAFラインのアジュバントの一般的な特徴が記載されている:Pedersen GK et al.(2018),Semin Immunol 39:4-13.doi:10.1016/j.smim.2018.10.00.。全てのCAFは界面活性剤ジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDA)を含むことで特徴づけられ、およびほとんどのCAFはリポソーム製剤(CAF01、CAF04、CAF05、CAF06、CAF09、CAF10、およびCAF11)として存在するが、少数の最近開発されたCAFは油(スクワレン)を含むエマルジョンの形態(CAF19およびCAF24)である。
特に興味深いカチオン性リポソームアジュバントは、本発明において、DDA、poly(I:C)、およびMMG(3-ヒドロキシ-2-テトラデシル-オクタデカン酸-2,3-ジヒドロキシプロピルエステルなどの、MMGの合成アナログを含む)を含む、またはそれからなるものである。言い換えると、それらはCAF09アジュバントである。
好ましいカチオン性リポソームアジュバントにおいて、DDA:MMG比は5:1(w/w)であり、およびDDA:poly(I:C)比は5:1から20:1(w/w)の間である。例えば、本発明において、「伝統的な」CAF09の場合には、DDA:MMG:poly(I:C)の相対重量は5:1:1で有り得る、およびCAF09bアジュバントの場合には、DDA:MMG:poly(I:C)の相対重量は20:4:1で有り得る。
ネオペプチドのワクチンへの製剤化を促進するために、ネオペプチドは水溶性であることが好ましい。この目的のために、ネオペプチドは、それらをワクチン製剤に包含する前に、特定の溶解度基準を満たすよう慎重に選択される。例えば、少なくとも1つのネオペプチドが、NTU(nephelometric turbidity unit)を欧州薬局方のセクション2.2.1に従って測定した場合に、5%(v/v)DMSOを含む25mM TRIS pH7.4中の1.0mg/mlネオペプチドが、最大で50のNTUを呈する、および25mM TRIS pH7.4 および0.5%(v/v)DMSO中の0.1mg/mlのネオペプチドが最大で25NTUを呈する、という意味で水溶性であることは好ましい。
より具体的には、ネオペプチドを、620nmにおける分光光度測定に関するアッセイにおいて試験し、様々な濃度でのTRIS緩衝液中のペプチド溶液のオパレセンス(opalescence)(すなわち濁度)の程度を決定し、およびそこから、対応するNTU値(Primary Opalescent Suspension, Fisher Scientific; EPPOS01を用いた参照懸濁液測定からの検量線を使用)を計算する。これは、所定のネオペプチドが「可溶性」(0.1mg/mLの濃度でNTU<25;1.0mg/mLの濃度でNTU<50)であるか、「不溶性」(0.1mg/mLの濃度でNTU>25;1.0mg/mLの濃度でNTU>50)であるか評価するために使用し得る。この方法は,天然のL-アミノ酸(典型的にはシステイン残基を除く)からなるHPLC精製(純度>95%)された直鎖状ペプチドを,TRIS緩衝液(0.5%DMSOを含む)に、各試験ペプチドを0.1mg/mlとして配合し,その溶解度を決定するために使用される。また、試験サンプルは0.1~4.0mg/mlの濃度範囲で測定され得る。例えば、この場合、ネオペプチドを20mg/mlでDMSOに溶解し、その後5倍、10倍、20倍、および200倍に段階希釈して、TRIS緩衝液で4.0、2.0、1.0、0.1mg/mlになるようにする。
そして、比濁法アッセイはPh Eur 2.2.1に基づいてサンプルの透明度を決定する。ネオペプチドが不溶性であれば、凝集または粒子が形成され、これらは、光が620nmにおいてサンプルを通過する際の散乱の増加を調べることによって測定される。そして測定値は標準曲線と比較され、単一ペプチドの可溶性を示す最終的なNTUスコアが決定される。単一ペプチドの可溶性を決定するための1つの手順は以下である
単一ペプチドの重量を測定し、20mg/mlでDMSOに溶解する。
1.0mg/mLサンプル:25μlの20mg/mlサンプルを475μlの25mM TRIS pH=7.4中に希釈し、1、0mg/ml(最終5%DMSO)にする。
0.1mg/mLサンプル:2.5μlの20mg/mlサンプルを497、5μlの25mM TRIS pH=7.4中に希釈し、0.1mg/ml(最終0.5%DMSO)にする。
ELISAプレートに100μlの希釈したサンプルをいれ、凝集を示す620nmにおける光学濃度を測定する。
標準曲線の線形回帰によってNTU値を算出する。
リポソーム組成物における好ましいネオペプチドを提供するために、複数のネオペプチドの混合物においてさらなる溶解度アッセイを行う:少なくとも1つのネオペプチドが、複数のネオペプチドと、5%(v/v)DMSOを含む25mM TRIS pH7.4との混合物中に存在している場合に、滅菌濾過の対象にすると、その濃度が最大で50%減少を示し、ここで、各複数のペプチドが、滅菌濾過前の混合物中で0.1mg/mlの濃度であることが好ましい。このアプローチは、他のネオペプチドと凝集し得るためにワクチンにより適さないと示され得るネオペプチドのリポソーム組成物からの排除を提供するが、このことを立証するために、上記の単一のネオペプチドに対する比濁法を容易には使用できない。
一般的に、ワクチンを可能な限り効果的にするために、本方法は複数のネオペプチドの使用に基づく。典型的には、リポソーム組成物中のネオペプチドの数は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30個のネオペプチドから選択されるが、原理的には、リポソーム組成物の物理化学的特性が許す限り、その数は多くてもよい。
複数のネオペプチドは当業者に知られたいくつかの方法のうちの1つで同定される。最も単純なアプローチは、患者の悪性細胞のサンプル由来のゲノムをシーケンス(典型的には、「ディープシーケンシング」による)し、およびin slicoで患者の通常細胞、または標準の「健康な」ゲノムから得た全ゲノムシーケンス(同様に、典型的には、「ディープシーケンシング」によって)と比較することである。その後、2つのシーケンスデータセットにおける違いを解析し、1)発現する(すなわちオープンリーディングフレームの部分である)、および2)通常、患者で見られないT細胞エピトープを含む発現産物を供する、変異候補を探す。このために、T細胞エピトープの予測が、MHCに拘束された配列のみを正しく提供することを保証するために、一般的に患者のMHC型に関するデータが含まれる。MHC結合予測を含むT細胞エピトープ予測法の概要は、例えば、Desay DV and Kulkami-Kale U (2014), Methods Mol Biol 1184: 333-364 (doi: 10.1007/978-1-4939-1115-8_19) および、Soria-Guerra RE et al. (2015), Journal of Biomedical Informatics 53: 405-414 (doi: 10.1016/j.jbi.2014.11.003)において見ることができる。
ネオエピトープの同定と選択を最適化するために、この目的のために利用できる任意の予測方法が実際に有効である。最先端の予測アルゴリズムの1例は、NetMHCpan-4.0(www.cbs.dtu.dk/services/NetMHCpan-4.0/;Jurtz V et al.,J Immunol(2017),ji1700893;DOI:10.4049/jimmunol.1700893)である。この方法は、従来のMS由来リガンドおよびpMHC親和性データの組み合わせにおいて学習される。他の例は、NetMHCstabpan-1.0(www.cbs.dtu.dk/services/NetMHCstabpan-1.0/;Rasmussen M et al.,Accepted for J of Immunol,June 2016)である。この方法は、各ペプチドを合成する、およびin vitroでMHC分子に複合体化させるアッセイを用いたin vitro pMHC安定性測定のデータセットで学習される。このアッセイにおいて細胞処理は行われず、およびpMHC安定性が測定される環境は幾分か人工的である。本方法は、一般的にはNetMHCpan-4.0よりも精度が低い。米国特許10、055、540号は従来のMSで検出されたリガンドを用いたネオエピトープの同定のための方法を記載する。同様の技術を用いたその他の特許出願は、WO2019/104203、WO2019/075112、WO2018/195357(MHCクラスII特異的)、およびWO2017106638である。最後に、MHCflurry:(DOI: doi.org/10.1016/j.cels.2018.05.014;https://github.com/openvax/mhcflurry)は、MSで検出されたリガンドデータとpMHC親和性で学習されたNetMHCpanのようなものである。また、ペプチド-MHCクラスII相互作用予測法は、最近の出版物であるGarde C et al., Immunogenetics, DOI: doi.org/10.1007/s00251-019-01122-zに開示される。この出版物では、MHCクラスIIから溶出した天然処理ペプチドを学習のセットの一部として使用し、およびリガンドとして確認された場合は1、ネガティブな場合は0の結合対象値を割り当てる。
一般的に、これらの予測システムは人工ニューラルネットワーク(ANN)を採用している:ANNは非線形の相関関係を同定し得る:非線形の相関関係の定量化は、単純な計算では計算が困難であるため、容易な仕事ではない。これは主に、非線形の相関関係が、線形の相関関係よりも多くのパラメーターで記述され、およびおそらく全ての特徴をまとめて考慮した際に初めて現れるためである。よって、特徴間の依存関係を捉えるためには、全ての特徴を考慮に入れる必要がある。
選択されたネオエピトープが効果的な免疫応答を供する可能性をさらに向上させるために、どちらも2019年9月13日に出願された欧州特許出願番号19197295.9および19197306.4に開示される技術を好ましくは使用し得る。これらの出願は、ペプチドとMHC分子間の結合の安定性が決定され得ることを可能にする、およびネオエピトープの検出および選択の一部として、ネオエピトープのMHC結合安定性を決定することを可能にする、技術を開示する。簡単に言うと、安定性の決定から得られたデータは、例えばANNの学習セットに用いる、およびANNはその後、関連したMHC分子に対する予測された結合安定性にしたがって、同定されたペプチドを順位付けし得る。
したがって、本発明において、本文中で議論された少なくとも一つのネオペプチドが、腫瘍細胞中で同定されたネオエピトープの中から、平均以上、例えば、上位1/4以上のMHC結合安定性を示すネオエピトープを含むことは、好ましい。このネオペプチドに含まれるネオエピトープの特定の選択は、欧州特許出願番号19197295.9および19197306.4に開示される技術によって促進される。本発明において、同定された(長い)ネオペプチドは、最終的に患者に投与される最終製品の特徴および/または製造および/または安定性を最適化するために、都合のよい場合には、切断されたバージョンとして調製し得る。したがって、この好ましい実施形態では、任意の同定されたネオペプチドに対して、以下の切断規則が一般的に適用される。
もしもネオペプチドが配列中のどこかにCを含んでいたなら、該Cを取り除くように、好ましくは元のネオエピトープの最長断片を残すように切断する。例えば、以下のように:QIETQRKFKASRASILSEMKMLKEKR(配列番号17)
→RKFKASRASILSEMKMLKEKR(配列番号18)
もしもN末端にQかNがあるときは、該Q/Nを取り除く。例えば、以下のように:
IETQQRKFKASRASILSEMKMLKEKR(配列番号19)
→IETQQRKFKASRASILSEMKMLKEKR(配列番号20)、
およびIETQQRKFKASRASILSEMKMLKEKR(配列番号21)
→IETQQRKFKASRASILSEMKMLKEKR(配列番号20)。
もしもネオペプチドが、N末端にDGモチーフを含む場合、Gを残したまま、Dを取り除く、例えば、以下のように:
DGETQQRKFKASRASILSEMKMLKEKR (配列番号22)
→GETQQRKFKASRASILSEMKMLKEKR (配列番号23)
その結果、本文中で開示される組成物中の有用な免疫原として本文中で議論されるネオペプチドは、システイン残基を含まず、および/またはN末端のアミノ酸残基としてQおよびNを含まず、および/またはN末端にアミノ酸配列DGを含まないことになる。特に好ましい実施形態では、組成物中のどのネオペプチドもシステイン残基を含まず、組成物中のどのネオペプチドもN末端のアミノ酸残基としてQまたはNを含まず、組成物中のどのネオペプチドもそのN末端にアミノ酸配列DGを含まない。
同定に続いて、(複数の)ネオペプチドは合成され、および好ましくは上記で議論された、リポソーム製剤中への組み込みの前に可溶性を決定するための方法の対象となる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのネオペプチドはリポソーム組成物中の不連続相と優先的に関連している、すなわち、少なくとも1つのネオペプチドは、それらが連続相(溶媒)中に存在しているよりも顕著に高い程度で、リポソームに捉えられている、または結合している。その他の実施形態では、少なくとも1つのネオペプチドは、リポソーム組成物中のリポソームに関連するまたは結合する代わりに、リポソーム組成物の連続相に優先的に溶解している。
典型的には、免疫学的有効量は、複数回患者に投与される;典型的には、これは免疫学的有効量が、少なくとも1日隔てられた1連の別々の投与で投与されることを伴う。この態様の好ましい実施形態では、免疫スキームは哺乳類(例えば、ヒト)が1回のプライミング投与および1回以上の後のブースター投与を受ける事を含むが、同等に魅力的な代替案は「クラスター免疫」、すなわち、記憶免疫応答が確立する前に、免疫レジメンの初期に、短い間隔で免疫原の用量を繰り返し投与する;そしてその後、プライム-ブースト免疫レジメンにおいて使用される従来のブースター免疫に似た、遅くの免疫を行う、という免疫スキームを使用することである。
免疫学的有効量が本文中で議論される組成物の比較的大きな容積を構成するような場合において、免疫学的有効量を何度かの「サブ投与」として投与する事が有利である、すなわち、免疫学的有効量を2以上の部分に分割し、それぞれが典型的には患者の別の位置に投与される。例えば、2000μlの容積の免疫原性組成物を、注射によって投与する場合、異なる注射部位での、2回の実質的に同時な(すなわち同じ12時間以内に)注射として行うと好都合である。
リポソーム組成物は、医薬的に許容できる担体を含み得る。「医薬的に許容できる担体」という用語は、治療剤、例えばポリペプチド、の投与のための担体を指す。この用語は、それ自体が組成物を受ける個体にとって有害な抗体の生産を誘導しない、および過度な毒性なしに投与され得る、任意の医薬的な担体を指す。適切な担体は、例えばタンパク質、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、高分子アミノ酸、アミノ酸共重合体、および不活化ウイルス粒子などの、大きく、ゆっくりと代謝される高分子であってよい。かかる担体は当業者によく知られている。
医薬的に許容できる塩もまた、賦形剤として使用され得る、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩などの鉱酸塩や、酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩などの有機酸塩。医薬的に許容できる賦形剤の詳細な議論は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(MackPub.Co.,NJ. 1991)から入手できる。
リポソーム組成物中の医薬的に許容できる担体は、例えば水、生理食塩水、グリセロールおよびエタノールなどの液体を含んでいてよい。加えて、例えば湿潤剤または乳化剤、pH緩衝物質などの補助物質が、かかるビヒクル中に存在してよい。典型的には、リポソーム組成物は液体溶液または懸濁液のどちらかとして、注射剤として調製される;注射の前に液体ビヒクル中に溶解させる、または懸濁させるのに適した固体の形状としても調製されてよい。リポソームは、医薬的に許容できる担体の定義内に含まれる。
本発明の第1の態様において、リポソーム組成物中の溶媒は典型的には水性であり、および好ましくはヒトの生理的な範囲にpHを保持する緩衝溶媒である。ネオペプチドは好都合には保存され、DMSO(ジメチルスルホキシド)に最初に溶解されるので、この溶媒成分は、好ましくは比較的小さな濃度ではあるが、リポソーム組成物中の溶媒中に存在する。さらに、水性溶媒中に使用される緩衝剤は典型的にはTRIS(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)緩衝水性溶媒である。最後に、この溶媒は好都合には少量のグリセロールを含み得る。よって、好ましいリポソーム組成物は、15%以下のDMSO例えば10%以下のDMSO、好ましくは5%未満のDMSO(v/v)および約2%(v/v)のグリセロールを含む。さらに、リポソーム組成物は好都合には15から18mMの間の、好ましくは16.1から16.4mMの間の濃度のTRISを含むが、TRIS濃度は必須ではなく、例えば5から50mMの間で変化し得ることを強調しておきたい。
典型的には、リポソーム組成物は7.0から7.6の間の範囲の、好ましくは約7.4のpHを有する。
本発明の第1の態様の方法において使用される特に好ましいリポソーム組成物は以下を含む、またはそれからなる:
1)ネオペプチドあたりの濃度が100μg/mlである複数のネオペプチド
2)5%(v/v)未満の濃度である、DMSO
3)約1250μg/ml DDA、
4)約250μg/ml MMG、
5)約62.5μg/ml poly(I:C)、
6)約2%(v/v)グリセロール、および
7)約16.25mM 、pH約7.4のTRIS。
第1の態様の方法を実行する際、投与される各ネオペプチドの免疫学的有効量は、好ましくは少なくとも10μg、例えば、少なくともまたは多くとも15、少なくともまたは多くとも20、少なくともまたは多くとも25、少なくともまたは多くとも30、少なくともまたは多くとも35、少なくともまたは多くとも40、少なくともまたは多くとも45、少なくともまたは多くとも50、少なくともまたは多くとも少なくともまたは多くとも55、少なくともまたは多くとも60、少なくともまたは多くとも65、少なくともまたは多くとも70、少なくともまたは多くとも75、少なくともまたは多くとも80、少なくともまたは多くとも85、少なくともまたは多くとも90、少なくともまたは多くとも95、少なくともまたは多くとも100、少なくともまたは多くとも105、少なくともまたは多くとも110、少なくともまたは多くとも115、少なくともまたは多くとも120、少なくともまたは多くとも125、少なくともまたは多くとも130、少なくともまたは多くとも135、少なくともまたは多くとも140、少なくともまたは多くとも145、少なくともまたは多くとも150、少なくともまたは多くとも155、少なくともまたは多くとも160、少なくともまたは多くとも165、少なくともまたは多くとも170、少なくともまたは多くとも175、少なくともまたは多くとも180、少なくともまたは多くとも185、少なくともまたは多くとも190、少なくともまたは多くとも195、少なくともまたは多くとも200、少なくともまたは多くとも205、少なくともまたは多くとも210、少なくともまたは多くとも215、少なくともまたは多くとも220、少なくともまたは多くとも225、少なくともまたは多くとも230、少なくともまたは多くとも235、少なくともまたは多くとも240、少なくともまたは多くとも245、少なくともまたは多くとも250、少なくともまたは多くとも255、少なくともまたは多くとも260、少なくともまたは多くとも265、少なくともまたは多くとも270、少なくともまたは多くとも275、少なくともまたは多くとも280、少なくともまたは多くとも285、少なくともまたは多くとも290、少なくともまたは多くとも295、少なくともまたは多くとも300、少なくともまたは多くとも305、少なくともまたは多くとも310、少なくともまたは多くとも315、少なくともまたは多くとも320、少なくともまたは多くとも325、少なくともまたは多くとも330、少なくともまたは多くとも335、少なくともまたは多くとも340、少なくともまたは多くとも345、少なくともまたは多くとも350、少なくともまたは多くとも355、少なくともまたは多くとも360、少なくともまたは多くとも365、少なくともまたは多くとも370、少なくともまたは多くとも375、少なくともまたは多くとも380、少なくともまたは多くとも385、少なくともまたは多くとも390、少なくともまたは多くとも395、および少なくともまたは多くとも400μgである。よって、好ましくは、各投与されるペプチドの免疫学的有効量は、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、398、399、および400μgからなる群より選択される。
これに関して、ヒトへの免疫あたりに投与されるリポソーム組成物の容積は、典型的には400から2000μlの間であり、典型的な容積は、約400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000、1010、1020、1030、1040、1050、1060、1070、1080、1090、1100、1110、1120、1130、1140、1150、1160、1170、1180、1190、1200、1210、1220、1230、1240、1250、1260、1270、1280、1290、1300、1310、1320、1330、1340、1350、1360、1370、1380、1390、1400、1410、1420、1430、1440、1450、1460、1470、1480、1490、1500、1510、1520、1530、1540、1550、1560、1570、1580、1590、1600、1610、1620、1630、1640、1650、1660、1670、1680、1690、1700、1710、1720、1730、1740、1750、1760、1770、1780、1790、1800、1810、1820、1830、1840、1850、1860、1870、1880、1890、1900、1910、1920、1930、1940、1950、1960、1970、1980、1990、および2000μlである。上記で示されるように、免疫学的有効量のリポソーム組成物の各投与は、少なくとも2回のサブ投与、特に1回の免疫あたり2回のサブ投与とすることができる;この場合、免疫学的有効量は関連する数のフラクションに分割され、および各フラクションはよって典型的には異なる部位に投与される。例えば、2000μlを投与する場合、これは好ましくは、1000μlの組成物の2回のサブ投与として、好ましくは患者の異なる位置において行われる。
本文中で言及するように、本発明の好ましいワクチンは細胞性免疫を誘導する、特にCD8+T細胞応答、特にCTL応答を誘導するが、CD4+T細胞応答を誘導することもまた価値がある。
投与経路に関して、ペプチドベースのワクチンの投与に好都合な、および効果的な任意の経路が使用され得る。好ましい経路は皮内、皮下、腹腔内、および筋肉内の経路であるが、肺内、眼内、髄腔内、脳内の経路もまた可能である。
組成物の単位用量-第2の態様
本発明の第2の態様は、(リポソーム)組成物の単位用量に関し、前記単位用量は、患者の腫瘍細胞のネオエピトープのアミノ酸配列を含む免疫学的有効量の少なくとも1つのペプチド(ネオペプチド)、カチオン性リポソームアジュバント、および緩衝溶媒、を含む。一般的に、単位用量の組成物の性質および構成要素は本発明の第1の態様において使用された組成物の性質および構成要素に対応しており、および一般的に、上記に開示されたリポソーム組成物に関連する全ての考察および詳細は、単位用量を形成する組成物に準用される。
したがって、この方法が、上記で議論した特定の好ましい量のネオペプチドの投与を伴うという事実に沿って、単位用量は、好ましくは、少なくとも10μg、例えば、少なくともまたは多くとも15、少なくともまたは多くとも20、少なくともまたは多くとも25、少なくともまたは多くとも30、少なくともまたは多くとも35、少なくともまたは多くとも40、少なくともまたは多くとも45、少なくともまたは多くとも50、少なくともまたは多くとも少なくともまたは多くとも55、少なくともまたは多くとも60、少なくともまたは多くとも65、少なくともまたは多くとも70、少なくともまたは多くとも75、少なくともまたは多くとも80、少なくともまたは多くとも85、少なくともまたは多くとも90、少なくともまたは多くとも95、少なくともまたは多くとも100、少なくともまたは多くとも105、少なくともまたは多くとも110、少なくともまたは多くとも115、少なくともまたは多くとも120、少なくともまたは多くとも125、少なくともまたは多くとも130、少なくともまたは多くとも135、少なくともまたは多くとも140、少なくともまたは多くとも145、少なくともまたは多くとも150、少なくともまたは多くとも155、少なくともまたは多くとも160、少なくともまたは多くとも165、少なくともまたは多くとも170、少なくともまたは多くとも175、少なくともまたは多くとも180、少なくともまたは多くとも185、少なくともまたは多くとも190、少なくともまたは多くとも195、少なくともまたは多くとも200、少なくともまたは多くとも205、少なくともまたは多くとも210、少なくともまたは多くとも215、少なくともまたは多くとも220、少なくともまたは多くとも225、少なくともまたは多くとも230、少なくともまたは多くとも235、少なくともまたは多くとも240、少なくともまたは多くとも245、少なくともまたは多くとも250、少なくともまたは多くとも255、少なくともまたは多くとも260、少なくともまたは多くとも265、少なくともまたは多くとも270、少なくともまたは多くとも275、少なくともまたは多くとも280、少なくともまたは多くとも285、少なくともまたは多くとも290、少なくともまたは多くとも295、少なくともまたは多くとも300、少なくともまたは多くとも305、少なくともまたは多くとも310、少なくともまたは多くとも315、少なくともまたは多くとも320、少なくともまたは多くとも325、少なくともまたは多くとも330、少なくともまたは多くとも335、少なくともまたは多くとも340、少なくともまたは多くとも345、少なくともまたは多くとも350、少なくともまたは多くとも355、少なくともまたは多くとも360、少なくともまたは多くとも365、少なくともまたは多くとも370、少なくともまたは多くとも375、少なくともまたは多くとも380、少なくともまたは多くとも385、少なくともまたは多くとも390、少なくともまたは多くとも395、および少なくともまたは多くとも400μgの各ネオペプチドを含み、および好ましくは11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、398、399、および400μgから選択された量の各ネオペプチドを含む-ただし、含まれるネオペプチドの総質量の上限は、組成物の物理化学的特性によって設定されることを再度記す。
同様に、投与されるリポソーム組成物の好ましい容積に沿って、単位用量は、好ましくは400から2000μlの間、例えば400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000、1010、1020、1030、1040、1050、1060、1070、1080、1090、1100、1110、1120、1130、1140、1150、1160、1170、1180、1190、1200、1210、1220、1230、1240、1250、1260、1270、1280、1290、1300、1310、1320、1330、1340、1350、1360、1370、1380、1390、1400、1410、1420、1430、1440、1450、1460、1470、1480、1490、1500、1510、1520、1530、1540、1550、1560、1570、1580、1590、1600、1610、1620、1630、1640、1650、1660、1670、1680、1690、1700、1710、1720、1730、1740、1750、1760、1770、1780、1790、1800、1810、1820、1830、1840、1850、1860、1870、1880、1890、1900、1910、1920、1930、1940、1950、1960、1970、1980、1990、および2000μlからなる。
同様に、単位用量には多くのネオペプチドを含み、好ましくは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30個から選択される数のネオペプチドを含むが、リポソーム組成物の物理化学的性質が許容するならばその数は多くてもよい。
本発明の組成物-第3の態様
本発明の第1の態様で使用されるリポソーム組成物は、それ自体が発明であると考えられる。したがって、本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様の文脈において開示されるリポソーム組成物に関し、および第1の態様においてなされた全ての開示が、それらがリポソーム組成物の性質および構成要素に関する限り、本発明の第3の態様に準用される。
その他の態様
特許請求の範囲から明らかなように、本発明はまた、治療において使用するための、特に、第1の態様の方法において使用するための、第2の態様の単位用量、または第3の態様の組成物に関する。同様に、本発明は、本発明の第1の態様の任意の方法において使用するための医薬組成物の製造のための、第2の態様の単位用量または第3の態様のリポソーム組成物の使用を含む。
実施例1
CAF09bアジュバント中のペプチドによる、ネオエピトープ特異的なT細胞の誘導
近年の非公開の2つの前臨床腫瘍試験では(データは非提示)、予測されるいくつかのネオペプチド各2.0μgと混合したアジュバントCAF09bからなるワクチンによる免疫は、該ネオペプチドの由来である腫瘍の成長を阻害しないことがわかった。
本研究では、1つのネオペプチド(本文中でC22と呼ぶ)をさらに高い用量で試験した。C22の最小エピトープが定義されており、よってMHCI多量体染色によってネオペプチド特異的なCD8+T細胞の検出が可能である。C22はアミノ酸配列QIETQQRKFKASRASILSEMKMLKEKR(配列番号1)を有し、最小MHCクラスI拘束エピトープは、下線を引いた9アミノ酸KFKASRASI(配列番号2)によって構成される。
よって本研究の目的は以下である
i)CAF09bと混合した高いネオペプチドの用量が、ネオペプチド特異的な脾臓T細胞を誘導するのかを試験する。
ii)ネオペプチド特異的なCD8+細胞を、非濃縮全血サンプルにおいて検出し得るかを試験することであり、これは経時的な応答の追跡を可能にする。
iii)「クラスタープライミング」が、標準的なプライム-ブースト免疫よりも優れているか試験する。
ペプチドベースワクチンによるCD8+T細胞免疫応答を促進するという観点から、Statens Serum Institute (SSI)は、CD4+およびCD8+T細胞の両者で誘導が見られた、カチオン性リポソームアジュバントCAF09bを開発した。このリポソームは、反発/安定および細胞への侵入を促進するための、正電荷のジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDA)、CD4+細胞生成のためのPAMPシグナルとしてのモノミコイルグリセロール(MMG)、および反応性細胞傷害性T細胞を誘導する可能性のあるトール様受容体3アゴニスト、ポリイノシン酸:ポリシチジル酸(「poly(I:C)」)からなる。
ネオペプチドを、マウスの大腸がん細胞株CT26およびBALB/cマウス由来の通常組織サンプルの全エキソンシーケンシングによって、およびがん細胞でのみ見られたペプチドを選択することによって、同定した。
本実験の目的は、CAF09bアジュバントと混合した予測されるネオペプチドがマウスにおいて反応性T細胞を誘導し得るか試験する事である。
Wick DA et al.(2011)の論文、Vaccine29(5):984-993によると、poly(I:C)と混合した、3.7μgのHPV E7由来の19アミノ酸残基のペプチドによるクラスタープライミングは従来のプライム-ブースト免疫よりも優れていたことが報告されている。加えて、Ott PA et al.(2017)による最近の論文、Nature 547(7662):217-221によると、Hiltonolアジュバントとネオペプチドによってクラスタープライミングした黒色腫患者において臨床的な応答が報告されている。
したがって、ネオペプチドによるクラスタープライミングは、標準的なプライムブースト免疫と比較してより強い応答を引き起こすという仮説が立てられた。
材料および方法
BALB/cマウス
6-8週齢のBALB/c JrJ メスのマウスを、Janvier Labsから入手した。このマウスを、実験の開始前に1週間順化させた。このマウスは、水と標準的な飼料へのアクセスは自由であった。実験は、欧州指令(2010/63/EU)よりも厳格であり、よってこれに完全に準拠している、デンマーク動物実験法に基づき、デンマーク動物実験検査局からのライセンス2017-15-0201-01338に基づいて実施された。マウスには個体識別のために耳タグが付けられた。
実験設計-マウスの割り当ておよび処置
「ケージ効果」を避けるため、全処置群を各ケージに入れた。第1、第2、第3、および第4群(クラスター免疫群)のマウスを、0日目、1日目、2日目、3日目、7日目、14日目、および21日目に、CAF09bと混合したC22をそれぞれ0.4、2.0、10.0、および50.0μg、腹腔内(i.p.)で免疫した。対応するグループ(5、6、7、および8)には、0、14、21日目に、第1、第2、第3、および第4群が受けたものと同一の溶液を用いて、従来のプライム-ブースト戦略に従ってワクチン接種を行った。マウスへの投与量は、すべてのワクチンで200μlとした。詳細は図1を参照。
ワクチンの配合
C22ペプチドはGenScript社によって合成され、凍結乾燥品として0.8mgずつに分注された。該ペプチドは、各分注に80μlのDMSOを加えて、10mg/mlの濃度になるようにDMSOに溶解させた。そして、保存ペプチドを滅菌水で10倍に希釈した(80μlの保存ペプチド+720μlの滅菌水)。各投与日ごとにペプチドを調製し、使用するまで-20℃で保存した。免疫当日、ペプチドを解凍し、TRIS緩衝液およびCAF09bを示した容量で添加した。マウスへの最終的なワクチンは、1回あたり200μgのDDA、40μgのMMG、10μgのPoly(I:C)を含んでいた。ワクチンの配合のさらなる詳細については、以下の表を参照。
Figure 2022516639000001
脾臓由来の単一細胞懸濁液の作成
エンドポイントでは、試験に参加した全マウスの脾臓を回収した。以下のプロトコルに従って、単一細胞の懸濁液を作成した。
材料
RPMI (Gibco RPMI 1640)
FCS (Gibco)
10xRBC溶解緩衝液(BioLegend、#420301)
70μmセルストレーナー(Corning、#43175)
GentleMACS C チューブ(Miltenyi、#130-093-237)
50mlチューブ
クライオバイアル
器具
GentleMACSディソシエーター(Miltenyi)
LAFベンチ
Mr.Frostyまたはその他の凍結用ボックス
手順
1:組織を、R10(10%FCSを含むRPMI)を入れた、あらかじめラベルしたCチューブに回収する。
推奨:脾臓1個あたり3mlの培地を用いる。処理するまで氷上で保管する。無菌状態を保つ。
2:Cチューブをしっかりと閉め、逆さにしてgentleMACSディソシエーターのスリーブに装着する。プログラムm_spleen_01を実行する(チューブあたり1-2個の脾臓の場合)。
3:(任意)ディソシエーション後にCチューブの短時間の遠心分離を行い、チューブの底に溜まったサンプル材料を回収する。
4:70μmのセルストレーナーを、あらかじめラベルした50mlチューブの上に置き、R10でプレウェットする。
5:Cチューブに入ったサンプルを再懸濁し、細胞懸濁液を70μmセルストレーナーにアプライする。
6:(任意)2mlのR10でCチューブを洗浄し、セルストレーナーにアプライして残留細胞を得る。
7:5mlのR10でセルストレーナーを洗浄する。残った液をフィルターの底からピペッティングすることを忘れずに行う。
8:細胞を遠心分離する:1500rpm、5分、4℃。上澄み液を捨てる。ペレットを砕く。
9:(任意)1mlの1xRBCL緩衝液(10xストック、PBSで希釈)を用いて赤血球の溶解を2分間行う。5mlのR10で洗浄し、RBCL緩衝液から細胞を取り出します。
10:1mlのR10で再懸濁し、細胞を数える。
11:再度、5mlのR10で洗浄する。
(任意)追加で70μmのセルストレーナーでろ過し、ゴミがあれば取り除く。
12:細胞を、FCS+10%DMSOに、適切な濃度(例:20x10細胞/ml)で再懸濁する。
13:1mlの細胞懸濁液をあらかじめラベルしたクライオバイアルに分注する。
14:細胞をMr.Frostyに移し、-80℃で24時間置いた後、窒素保存に移す。
C22特異的なCD8+T細胞を検出するために、全EDTA血液サンプルおよび脾細胞を、C22配列の27アミノ酸中に埋め込まれた最も強いMHCI結合体、として同定されたC22由来の最小ペプチドKFKASRASI(配列番号2)、をロードした、蛍光標識したMHCI多量体を用いて染色した。MHCI多量体アッセイを図2に示す。詳細な染色プロトコルは以下である。
材料
エッペンドルフチューブ
ディープ96ウェルプレート(2ml、Sigma、#575653)
10x溶解溶液(BD#349202)
C22 APCおよびPEで標識したMHC多量体、ならびに無関係(C30) APCおよびPEで標識したMHC多量体
FACS緩衝液(PBS+2%FCS)
手順
1:マウスから採血する:静脈穿刺(尾または伏在静脈)をEDTAコーティングチューブ-BDバキュテイナEDTA採血管に入れる
2:ディープ96ウェルプレートに入れた血液50μlを、プレートの設定に従って染色する。
3:解凍後の多量体をスピンする(クイックスピン)。
4:エッペンドルフチューブで、各多量体1μlを29μlのFACS緩衝液(1サンプルあたり)で希釈する。
5:多量体をエッペンドルフチューブでスピンする(3300g、5分)。
6:プレートの設定に従って、30μlの希釈した多量体を加える。プレートの設定に従い、30μl FACS緩衝液を「多量体なしのサンプル」に加える。
6.1:多量体チューブ内のペレットは、MHC多量体の凝集体を含んでいる可能性があるので避ける。
7:プレートの設定にしたがって、設定サンプルに50μlのFACS緩衝液を加える。
8:暗所で15分間、37℃でインキュベートする。
9:1μlの抗CD16/CD32を加えてFCの結合をブロックし、暗所で10分間、室温でインキュベートする。
10:抗体マスターミックスを計算通りに作成する-付録2参照
11:プレートの設定に従い、20μlの抗体マスターミックスをウェルに加えて染色します。
12:4℃で30分インキュベートする。
13:赤血球を溶解するために、ウェルあたり1mlの溶解/固定液(H2Oで希釈)を加えます。暗所で5-10分、室温でインキュベートする。
14:FACS緩衝液で2回洗浄する(1500rpmで5分間スピン)。
15:200μlのFACS緩衝液でFACSチューブに移す。
16:フローサイトメーターで解析する。
結果
循環しているネオペプチド特異的なCD8+T細胞の検出
21日目に、EDTA血液を採取し、上記および図2に概説するアッセイに従って、MHCI多量体で染色した。全血サンプルでネオペプチド特異的CD8+T細胞を検出する初めての試みであったため、各群2匹のマウスのサンプルのみを解析した;したがって、この解析はパイロット実験と考えられた。エンドポイント(28日目)には、実験におけるすべてのマウスの血液をサンプルとした。
21日目において、クラスタープライミングおよび標準プライム-ブーストスケジュールの両者で用量依存的な応答が観察された;ネオペプチド特異的なCD8+T細胞は、CAF09bと混合した10.0および50.0μgのC22を投与したマウスにおいて検出され、より低用量ではネオペプチド特異的なCD8+T細胞を全く引き起こさなかった(図3)。エンドポイントにおいて、マウスはさらに1度ブーストされたにも関わらず、応答は21日目と同様であった(図4)。注目すべきことに、エンドポイントにおいて、標準プライム-ブーストスケジュールではペプチド特異的なCD8+細胞はほとんど見られなかったのに対して、2.0μgのC22をクラスタープライミングしたマウスの血液中に、低頻度のMHC:C22ポジティブなCD8+細胞が検出された
アッセイの特異性を調べるため、CAF09bを投与したマウスの血液を、MHC:C22多量体で染色した。これらのサンプルにおいて、シグナルは検出されなかった。同様に、ネオペプチド由来の無関係なペプチド(「C25」と呼ぶ)をロードしたMHCI4量体で染色した血液サンプルもネガティブであり、アッセイの特異性が高いことを示す。
ネオペプチド特異的な脾臓のCD8+T細胞の検出
初回免疫後、28日の終了日に、マウス由来の脾臓を回収し、単一細胞懸濁液を調製し、-80℃で保存した。加えて、脾臓は、2匹のナイーブマウスおよび2匹のCAF09bをi.p.投与されたマウス由来のものを含む。
終了日に、クラスタープライミングマウス由来の脾細胞のみを解析した。
ネオペプチド特異的なCD8+T細胞は、10.0および50.0μgのC22+CAF09bで免疫されたマウス由来の脾臓において検出され、一方より低用量では検出可能な応答を誘導しなかった。全血サンプルにおいて観察結果と同様に、ネオペプチド特異的なCD8+T細胞はCAF09b投与マウスでは検出されなかった。加えて、無関係なペプチド(「C25」と呼ぶ)をロードしたMHC4量体で脾細胞を染色した際、シグナルは観察されなかった。図5を参照。
動物の健康状態
ワクチンがマウスの一般的な健康状態に与える影響をモニターするため、ワクチン接種後、動物を注意深く検査し、実験全体を通して少なくとも週に3回体重を測定した。免疫直後、マウスは腹痛の兆候を示したが、1-2時間以内には収まり、その後それらは通常のふるまいに戻った。連続した日における免疫が、標準プライム-ブーストに比べて、マウスの健康状態に顕著な影響を与える事はなかった。両方の実験設定において、マウスは、1回目の免疫後に初期体重の約5%を失ったが、その後の免疫は体重に影響を与えなかった(データは非提示)。
ディスカッション
CAF09bと混合した10.0および50.0μgのC22による免疫は、MHCI4量体染色によって同定されるネオペプチド特異的なCD8+細胞を強く誘導したが、低用量では意外にも誘導しなかった。一方、従来のプライム-ブーストスケジュールと比較して、クラスタープライミングの顕著な利点は観察されなかった。しかし、2.0μgのC22への応答において、従来のプライム-ブーストと比較して、クラスタープライミングで少し増加することが観察された。
CAF09bを含むワクチンを免疫されたマウスは、それらの初期体重の約5%を失ったが、これはワクチン中に生理活性成分が含まれる事を示唆する。ワクチンの一般的なマウスの健康への影響は、クラスタープライミングおよびプライム-ブースト方法の両方において、体重の減少は一時的なものであり、3-4日以内に全マウスが基準値に戻ったことから、許容できるものであると考えられる。
実施例2
臨床試験の予備データ
ネオエピトープを標的とした本発明のアプローチを試験する、第1/2a相の臨床試験が、2019年3月に患者への最初の投与をもって開始された。この試験は悪性黒色腫、非小細胞肺がん(NSCLC)、および膀胱がんの患者を含む。
簡単に説明すると、処置は、悪性細胞由来の一群のネオエピトープが各登録した患者において同定され、その後本発明に従ってネオエピトープが合成され、配合され、および患者に投与されることを伴う;最初に、腹腔内に2週間の間隔をおいて3回免疫し、およびその後、最後の腹腔内への投与から2週間の休止を挟んで、2週間の間隔をおいて3回の筋肉内への免疫を行う。よって、全てのワクチン接種は好ましい2週間の間隔で行われる。
以下のデータは、腹腔内への免疫の終了後であり、筋肉内への免疫の前の、2人の患者から取得した。
Figure 2022516639000002
患者1および2それぞれは、患者の悪性組織におけるアミノ酸配列を含むネオエピトープとして同定されたペプチドのプールから調製されたワクチンを用いて3回の腹腔内への免疫を受けた。
患者1について、ペプチドプールは、DMSOに溶解させた以下の9ペプチド(配列番号3-11)を含む。
Figure 2022516639000003
患者2について、ペプチドプールは、DMSOに溶解させた以下の5ペプチド(配列番号12-16)を含む。
Figure 2022516639000004
アスタリスクでマークしたペプチドは、残りのペプチドと比べて、約2倍の濃度で各プールに含まれていた。低濃度のペプチドの測定濃度は1.6から1.8mg/mlの間の範囲であったが、高濃度のペプチドは、3.1から3.5mg/mlの間の範囲の濃度であった。
ワクチンを、0.12mlの患者のペプチドプール組成物を、1.08mlの25mM TRIS緩衝液で希釈する事により調製した。この溶液から、1mlのTRIS緩衝プール希釈溶液を1mlのCAF09bと混合し、ワクチン組成物を作成した。1×用量でのIP投与として、免疫あたり0.50mlのワクチン組成物を腹腔内に注入した。
最初の腹腔内への免疫の直前に、各患者から血液を採取し、3回の腹腔内への免疫後、最初の筋肉内への免疫の直前においても同様に血液を採取した。そしてこれらの血液サンプル由来のPBMC細胞を免疫前および腹腔内免疫後のELISPOTアッセイおよびICS/再刺激アッセイの対象とした。
ELISPOTアッセイは反応性T細胞を間接的に検出するための標準的な技術であり、患者から単離された末梢血単核細胞(PBMC)をワクチンの各ペプチドで刺激する、ELISA法に似た設定において、分泌されたサイトカイン(この場合、IFN-γ)が測定される。
ICS/再刺激アッセイでは、患者由来のPBMCが、ワクチンペプチドのプール全体によって刺激され、およびその後フローサイトメトリーによる細胞計数の対象となるが、これは、それらにおいて細胞表面マーカー(CD3、CD4、CD8)およびサイトカイン(IFN-γおよびTNF-α)の存在を試験することで、サイトカインを放出するT細胞の亜集団の存在を検出する。
これらの実験から得られた結果を以下にまとめる:
患者1:免疫前の実験では、IFN-γのELISPOTおよびICS/再刺激アッセイのいずれも、ポジティブコントロールと比較して、顕著な数の、任意のワクチンペプチドに対する反応性T細胞の存在を示さなかった(データは非提示)。対照的に、腹腔内免疫後の実験では、ELISPOTアッセイにおいて、9つのワクチンペプチドの内の4つに対する反応性T細胞の存在が示され(図6A)、およびICS/再刺激アッセイにおいてはCD8+細胞(データは非提示)ではなく、INFγおよびTNF-α CD4+細胞(図6B)の存在を示した。倍の用量のペプチドについて、ELISPOTで最も強いIFN-γ応答が見られた。
患者2:免疫前の実験では、IFN-γ ELISPOTおよびICS/再刺激アッセイのいずれも、ポジティブコントロールと比較して、顕著な数の、任意のワクチンペプチドに対する反応性T細胞の存在を示さなかった(図7Aおよび7C、後者はCD4+細胞についてのデータのみを示す)。対照的に、腹腔内免疫後の実験では、ELISPOTアッセイにおいて、5つのワクチンペプチドの内の3つに対する反応性T細胞の存在が示され(図7B)、およびICS/再刺激アッセイにおいてはCD8+細胞(データは非提示)ではなく、INFγおよびTNF-α CD4+細胞(図7D)の存在を示した。倍の用量のペプチドについて、ELISPOTで最も強いIFN-γ応答が見られた。
いずれの患者においても、ネオエピトープを含むカクテルワクチンは、適応免疫応答を誘導すると結論付ける事ができる。

Claims (34)

  1. 哺乳類患者における腫瘍、例えば悪性腫瘍を処置する方法であって、ここで、該腫瘍は患者における非腫瘍性の細胞は示さないT細胞エピトープ(ネオエピトープ)を示し、ここで、該方法は
    1)患者の腫瘍性細胞のネオエピトープのアミノ酸配列を含む少なくとも1つのペプチド(ネオペプチド)、
    2)溶媒、および
    3)カチオン性リポソームアジュバント
    を含むリポソーム組成物を免疫学的有効量投与することを含む、方法。
  2. 該カチオン性リポソームアジュバントは、ジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDA)、ポリイノシン酸:ポリシチジル酸(poly(I:C))、およびモノミコリルグリセロール(MMG)またはその合成アナログ、例えば3-ヒドロキシ-2-テトラデシル-オクタデカン酸-2,3-ジヒドロキシプロピルエステルなどを含むまたはそれからなる、請求項1に記載の方法。
  3. DDA:MMG比が5:1(w/w)であり、およびDDA:poly(I:C)比が5:1から20:1(w/w)の間である、請求項2に記載の方法。
  4. DDA:MMG:poly(I:C)の相対重量が5:1:1である、請求項3に記載の方法。
  5. DDA:MMG:poly(I:C)の相対重量が20:4:1である、請求項3に記載の方法。
  6. NTU(nephelometric turbidity unit)を欧州薬局方のセクション2.2.1に従って測定した場合に、該少なくとも1つのネオペプチドが
    5%(v/v)DMSOを含む25mM TRIS pH7.4中の1.0mg/mlネオペプチドが、最大で50のNTUを呈する、および
    25mM TRIS pH7.4 および0.5%(v/v)DMSO中の0.1mg/mlのネオペプチドが最大で25のNTUを呈する、という意味で水溶性である、前述の請求項の何れか1項に記載の方法。
  7. 該少なくとも1つのネオペプチドが、複数のネオペプチドおよび5%(v/v)DMSOを含む25mM TRIS pH7.4との混合物中に存在している場合に、滅菌濾過の対象にすると、その濃度が最大で50%の減少を示す、前述の請求項の何れか1項に記載の方法であって、ここで、該複数のペプチドのそれぞれが、滅菌濾過前の混合物中で0.1mg/mlの濃度である、方法。
  8. ネオペプチドの数が、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30個のネオペプチドから選択される、前述の請求項の何れか1項に記載の方法。
  9. 該少なくとも1つのネオペプチドが、腫瘍細胞において同定されたネオエピトープの中で平均以上、例えば上位4分の1に入る、MHC結合安定性を示すネオエピトープを含む、前述の請求項の何れか1項に記載の方法。
  10. 該少なくとも1つのネオペプチドがシステイン残基を含まない、前述の請求項の何れか1項に記載の方法。
  11. 該少なくとも1つのネオペプチドが、N末端アミノ酸残基としてQおよびNを含まない、前述の請求項の何れか1項に記載の方法。
  12. 該少なくとも1つのネオペプチドがN末端においてアミノ酸配列DGを含まない、前述の請求項の何れか1項に記載の方法。
  13. 該少なくとも1つのネオペプチドがリポソーム組成物中の不連続相と優先的に関連する、前述の請求項の何れか1項に記載の方法。
  14. 該少なくとも1つのネオペプチドがリポソーム組成物の連続相中に優先的に溶解される、請求項1-13の何れか1項に記載の方法。
  15. 該免疫学的有効量が患者に複数回投与される、前述の請求項の何れか1項に記載の方法。
  16. 別々の投与が少なくとも1日隔てられる、請求項15に記載の方法。
  17. 該溶媒がTRIS緩衝液中にDMSOおよびグリセロールを含む、前述の請求項の何れか1項に記載の方法。
  18. 該リポソーム組成物が、15%未満のDMSO(v/v)および約2%(v/v)グリセロール、例えば、10%以下のDMSOおよび約2%グリセロール、または5%未満のDMSOおよび約2%グリセロールを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 該リポソーム組成物が、20から50mMの間の、例えば15から18mMの間の、好ましくは16.1から16.4mMの間の濃度のTRISを含む、請求項17または18に記載の方法。
  20. 該リポソーム組成物が、7.0から7.6の間の範囲の、好ましくは約7.4のpHを有する、前述の請求項の何れか1項に記載の方法。
  21. 該リポソーム組成物が以下を含む、またはそれからなる前述の請求項の何れか1項に記載の方法:
    1)ネオペプチドあたりの濃度が100μg/mlである複数のネオペプチド
    2)5%(v/v)未満の濃度である、DMSO
    3)約1250μg/ml DDA、
    4)約250μg/ml MMG、
    5)約62.5μg/ml poly(I:C)、
    6)約2%(v/v)グリセロール、および
    7)16.25mM TRIS pH7.4。
  22. 投与される各ネオペプチドの免疫学的有効量が少なくとも10μg、例えば、少なくともまたは多くとも15、少なくともまたは多くとも20、少なくともまたは多くとも25、少なくともまたは多くとも30、少なくともまたは多くとも35、少なくともまたは多くとも40、少なくともまたは多くとも45、少なくともまたは多くとも50、少なくともまたは多くとも少なくともまたは多くとも55、少なくともまたは多くとも60、少なくともまたは多くとも65、少なくともまたは多くとも70、少なくともまたは多くとも75、少なくともまたは多くとも80、少なくともまたは多くとも85、少なくともまたは多くとも90、少なくともまたは多くとも95、少なくともまたは多くとも100、少なくともまたは多くとも105、少なくともまたは多くとも110、少なくともまたは多くとも115、少なくともまたは多くとも120、少なくともまたは多くとも125、少なくともまたは多くとも130、少なくともまたは多くとも135、少なくともまたは多くとも140、少なくともまたは多くとも145、少なくともまたは多くとも150、少なくともまたは多くとも155、少なくともまたは多くとも160、少なくともまたは多くとも165、少なくともまたは多くとも170、少なくともまたは多くとも175、少なくともまたは多くとも180、少なくともまたは多くとも185、少なくともまたは多くとも190、少なくともまたは多くとも195、少なくともまたは多くとも200、少なくともまたは多くとも205、少なくともまたは多くとも210、少なくともまたは多くとも215、少なくともまたは多くとも220、少なくともまたは多くとも225、少なくともまたは多くとも230、少なくともまたは多くとも235、少なくともまたは多くとも240、少なくともまたは多くとも245、少なくともまたは多くとも250、少なくともまたは多くとも255、少なくともまたは多くとも260、少なくともまたは多くとも265、少なくともまたは多くとも270、少なくともまたは多くとも275、少なくともまたは多くとも280、少なくともまたは多くとも285、少なくともまたは多くとも290、少なくともまたは多くとも295、少なくともまたは多くとも300、少なくともまたは多くとも305、少なくともまたは多くとも310、少なくともまたは多くとも315、少なくともまたは多くとも320、少なくともまたは多くとも325、少なくともまたは多くとも330、少なくともまたは多くとも335、少なくともまたは多くとも340、少なくともまたは多くとも345、少なくともまたは多くとも350、少なくともまたは多くとも355、少なくともまたは多くとも360、少なくともまたは多くとも365、少なくともまたは多くとも370、少なくともまたは多くとも375、少なくともまたは多くとも380、少なくともまたは多くとも385、少なくともまたは多くとも390、少なくともまたは多くとも395、および少なくともまたは多くとも400μgである、前述の請求項の何れか1項に記載の方法。
  23. 投与される各ペプチドの免疫学的有効量が、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、398、399、および400μgからなる群より選択される、請求項22に記載の方法。
  24. リポソーム組成物の免疫学的有効量が400から2000μlの間、例えば、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000、1010、1020、1030、1040、1050、1060、1070、1080、1090、1100、1110、1120、1130、1140、1150、1160、1170、1180、1190、1200、1210、1220、1230、1240、1250、1260、1270、1280、1290、1300、1310、1320、1330、1340、1350、1360、1370、1380、1390、1400、1410、1420、1430、1440、1450、1460、1470、1480、1490、1500、1510、1520、1530、1540、1550、1560、1570、1580、1590、1600、1610、1620、1630、1640、1650、1660、1670、1680、1690、1700、1710、1720、1730、1740、1750、1760、1770、1780、1790、1800、1810、1820、1830、1840、1850、1860、1870、1880、1890、1900、1910、1920、1930、1940、1950、1960、1970、1980、1990、および2000μlである、前述の請求項の何れか1項に記載の方法。
  25. 免疫学的有効量のリポソーム組成物の各投与が少なくとも2回のサブ投与、特に1回の免疫あたり2回のサブ投与である、請求項24に記載の方法。
  26. 1000μlの2回のサブ投与として、2000μlが投与される請求項25に記載の方法。
  27. 免疫原性の組成物の単位用量であって、前記単位用量が、患者の腫瘍性の細胞のネオエピトープのアミノ酸配列、カチオン性リポソームアジュバント、および溶媒を含む、免疫学的有効量の少なくとも1つのペプチド(ネオペプチド)を含む、単位用量。
  28. 該組成物が請求項2-21の何れか1項で定義される、請求項27に記載の単位用量。
  29. 少なくとも10μg、例えば、少なくともまたは多くとも15、少なくともまたは多くとも20、少なくともまたは多くとも25、少なくともまたは多くとも30、少なくともまたは多くとも35、少なくともまたは多くとも40、少なくともまたは多くとも45、少なくともまたは多くとも50、少なくともまたは多くとも少なくともまたは多くとも55、少なくともまたは多くとも60、少なくともまたは多くとも65、少なくともまたは多くとも70、少なくともまたは多くとも75、少なくともまたは多くとも80、少なくともまたは多くとも85、少なくともまたは多くとも90、少なくともまたは多くとも95、少なくともまたは多くとも100、少なくともまたは多くとも105、少なくともまたは多くとも110、少なくともまたは多くとも115、少なくともまたは多くとも120、少なくともまたは多くとも125、少なくともまたは多くとも130、少なくともまたは多くとも135、少なくともまたは多くとも140、少なくともまたは多くとも145、少なくともまたは多くとも150、少なくともまたは多くとも155、少なくともまたは多くとも160、少なくともまたは多くとも165、少なくともまたは多くとも170、少なくともまたは多くとも175、少なくともまたは多くとも180、少なくともまたは多くとも185、少なくともまたは多くとも190、少なくともまたは多くとも195、少なくともまたは多くとも200、少なくともまたは多くとも205、少なくともまたは多くとも210、少なくともまたは多くとも215、少なくともまたは多くとも220、少なくともまたは多くとも225、少なくともまたは多くとも230、少なくともまたは多くとも235、少なくともまたは多くとも240、少なくともまたは多くとも245、少なくともまたは多くとも250、少なくともまたは多くとも255、少なくともまたは多くとも260、少なくともまたは多くとも265、少なくともまたは多くとも270、少なくともまたは多くとも275、少なくともまたは多くとも280、少なくともまたは多くとも285、少なくともまたは多くとも290、少なくともまたは多くとも295、少なくともまたは多くとも300、少なくともまたは多くとも305、少なくともまたは多くとも310、少なくともまたは多くとも315、少なくともまたは多くとも320、少なくともまたは多くとも325、少なくともまたは多くとも330、少なくともまたは多くとも335、少なくともまたは多くとも340、少なくともまたは多くとも345、少なくともまたは多くとも350、少なくともまたは多くとも355、少なくともまたは多くとも360、少なくともまたは多くとも365、少なくともまたは多くとも370、少なくともまたは多くとも375、少なくともまたは多くとも380、少なくともまたは多くとも385、少なくともまたは多くとも390、少なくともまたは多くとも395、および少なくともまたは多くとも400μgの各ネオペプチドを含み、および好ましくは、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、398、399、および400μgの各ネオペプチドの量から選択される量を含む、請求項27-28に記載の単位用量。
  30. 400から2000μlの間、例えば、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000、1010、1020、1030、1040、1050、1060、1070、1080、1090、1100、1110、1120、1130、1140、1150、1160、1170、1180、1190、1200、1210、1220、1230、1240、1250、1260、1270、1280、1290、1300、1310、1320、1330、1340、1350、1360、1370、1380、1390、1400、1410、1420、1430、1440、1450、1460、1470、1480、1490、1500、1510、1520、1530、1540、1550、1560、1570、1580、1590、1600、1610、1620、1630、1640、1650、1660、1670、1680、1690、1700、1710、1720、1730、1740、1750、1760、1770、1780、1790、1800、1810、1820、1830、1840、1850、1860、1870、1880、1890、1900、1910、1920、1930、1940、1950、1960、1970、1980、1990、および2000μlからなる、請求項27-29の何れか1項に記載の単位用量。
  31. ネオペプチドの数が2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30から選択される、請求項27-30の何れか1項に記載の単位用量。
  32. 請求項1-21の何れか1項で定義される組成物。
  33. 医薬としての使用のための請求項27-31の何れか1項に記載の単位用量または請求項32に記載の組成物。
  34. 請求項1-24の何れか1項に記載の方法における使用のための請求項27-31の何れか1項に記載の単位用量または請求項32に記載の組成物。
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