JP2022516120A - 有機金属連鎖移動剤 - Google Patents

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Abstract

実施形態はオレフィン重合中の連鎖移動反応に有益な有機金属組成物に関する。こうした組成物は、式Al(CH2CH(Y2)A2)3の有機アルミニウム化合物及び式Zn(CH2CH(Y2)A2)2の有機亜鉛化合物を含む連鎖移動剤である。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年12月28日に出願された米国仮特許出願第62/786,110号の優先権の利益を主張するものであり、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
実施形態は、オレフィン重合中の連鎖移動反応に有益な有機金属組成物に関する。
ポリオレフィンは、世界で最も重要でかつ最も広範に使用されている高分子材料のうちの1つである。特定のポリオレフィンは、連鎖移動剤を組み合わせた活性触媒の使用による不飽和モノマーの重合によって調製される。ジエチル亜鉛などの単純な連鎖移動剤が既知であるが、より複雑な連鎖移動剤により、新規テレケリックポリオレフィンといった新規ポリオレフィンが調製可能である。本開示は、かかる新規ポリオレフィンの調製に有益な高級連鎖移動剤に関する。
本開示は、式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物及び式Zn(CHCH(Y)Aの有機亜鉛化合物を含む連鎖移動剤に関し、式中、
それぞれが独立して出現するYは、水素又はC-C30ヒドロカルビル基であり、
それぞれが独立して出現するAは、嵩高い二重結合を含むヒドロカルビル基である。
本開示は、式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物及び式Zn(CHCH(Y)Aの有機亜鉛化合物を含む連鎖移動剤を調製するプロセスにさらに関する。
CTA1の合成に関する1H NMR及びGC/MSスペクトルを提供する。 CTA1の合成に関する1H NMR及びGC/MSスペクトルを提供する。 CTA2の合成に関する1H NMRスペクトルを提供する。 CTA6の合成に関する1H NMRスペクトルを提供する。
定義
本明細書における元素周期表への全ての言及は、CRC Press,Inc.によって2003年に出版及び著作権化されている元素周期表を指すものとする。また、族(複数可)へのいずれの参照も、族の付番のためにIUPACシステムを使用して、元素のこの周期表に反映された族(複数可)に対するものとする。反対のことが記載されないか、文脈から示唆されないか、又は当該技術分野で慣習的でない限り、全ての部及びパーセントは、重量に基づく。米国特許実務の目的のため、本明細書で参照される任意の特許、特許出願、又は刊行物の内容は、特に当該技術分野における合成技法、定義(本明細書に提供される任意の定義と矛盾しない程度において)、及び一般的な知識に関して、参照によってそれらの全体が本明細書に組み込まれる(又は、それらの同等の米国版が、参照によってそのように組み込まれる)。
本明細書に開示されている数値範囲は、下限値及び上限値を含む、下限値から上限値の全ての値を含む。明確な数値(例えば、1又は2、又は3~5、又は6、又は7)を含む範囲については、いずれかの2つの明確な数値間の任意の部分範囲が含まれる(例えば、1~2、2~6、5~7、3~7、5~6など)。本明細書に開示される数値範囲は、任意の2つの明示的な値の間の分数をさらに含む。
「備える」、「含む」、「有する」という用語、及びそれらの派生語は、それが具体的に開示されているかどうかに関わらず、任意の追加の構成成分、工程、又は手順の存在を除外することを意図しない。疑義を回避するために、「含む(comprising)」という用語の使用を通じて特許請求される全ての組成物は、反対の記載がない限り、ポリマーであろうとなかろうと、任意の追加の添加剤、アジュバント、成分、又は化合物を含み得る。対照的に、「~から本質的になる」という用語は、任意の後続の詳述の範囲から、操作性に必要不可欠ではないものを除き、任意の他の構成成分、工程、又は手順を除外する。「~からなる(consisting of)」という用語は、具体的に記述又は列挙されていない任意の成分、工程、又は手順を除外する。「又は」という用語は、別途記載がない限り、列挙された部材を個々に、及び任意の組合せで指す。
「嵩高い二重結合」という用語は、配位重合に容易に関与できない炭素-炭素二重結合を指す。換言すると、嵩高い二重結合は、配位重合に関係するにはごくわずかな反応度しか有さない。嵩高い二重結合の例には、ビニリデン基の二重結合、ビニレン基の二重結合、三置換アルケンの二重結合及び分岐アルファ炭素に結合されるビニル基の二重結合が含まれるがこれらに限定されない。「嵩高い二重結合」という用語は、本明細書において使用される場合、配位重合に容易に関与可能である歪みのある環状オレフィンの二重結合を除外する。当業者が理解するように、こうした歪みのある環状オレフィンには、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン(ENB)、5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)、ジシクロペンタジエン、ノルボルナジエン、5-メチレン-2-ノルボルネン(MNB)、5-プロペニル-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、5-(4-シクロペンテニル)-2-ノルボルネン、5-シクロヘキシリデン-2-ノルボルネンなどが含まれるがこれらに限定されない。「嵩高い二重結合」という用語は、本明細書において使用される場合、非分岐アルファ炭素に結合されるビニル基の二重結合をさらに除外する。
「組成物」という用語は、組成物を含む物質又は成分の混合物を指す。したがって、「~を含む組成物(composition comprising)」という用語及びその類似語は、同様のものが具体的に開示されているかどうかに関わらず、組成物の任意の追加成分の存在を除外しようとするものではない。
「非環状」という用語は、ポリマー又は化合物中の連続する原子を指し、この場合こうした連続する原子は線状又は分枝状である。したがって、「非環状ヒドロカルビル基」という用語は、線状又は分枝状であるヒドロカルビル基を指す。
「環状」という用語は、ポリマー又は化合物中の連続する原子を指し、この場合こうした連続する原子は1つ又は複数の環を含む。したがって、「環状ヒドロカルビル基」は、1つ又は複数の環を含有するヒドロカルビル基を指す。「環状ヒドロカルビル基」といった用語は、本明細書において使用される場合、1つ又は複数の環に加えて非環状(線状又は分枝状)部分を含有してよい。
「置換された」という用語は、例えばアルキル基を用いた1つ又は複数の水素基の置換を指す。「非置換」という用語は、こうした置換の不在を指す。
「ヘテロ原子」という用語は、当業者は理解するように、炭素又は水素ではない任意の主要な族原子を指す。好適なヘテロ原子には、窒素、酸素、硫黄、リン及びハロゲンが含まれるがこれらに限定されない。
本明細書において使用される場合、「ヒドロカルビル」、「ヒドロカルビル基」という用語及び同様の用語は、脂肪族化合物、芳香族化合物、非環状化合物、多環状化合物、分枝化合物、非分枝化合物、飽和化合物及び不飽和化合物を含む、水素及び炭素から完全に構成された化合物を指す。
「ヒドロカルビル」、「ヒドロカルビル基」、「アルキル」、「アルキル基」、「アリール」、「アリール基」、「シクロアルケン」及び同様の用語は、全ての構造異性体又は立体異性体を含む、全ての可能性のある異性体を含むことを意図している。同じことは、ヘテロヒドロカルビル、ヒドロカルビレン、ヘテロヒドロカルビレン、アルキレン、ヘテロアルキル、ヘテロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、シクロアルキル、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル及びヘテロシクロアルキレンなどを含むがこれらに限定されない同様の用語にあてはまる。
「環内二重結合」という用語は、環の一員である2つの炭素原子間の二重結合を指す。「環外二重結合」という用語は、炭素原子のうち1つのみが環の一員である場合に2つの炭素原子間の二重結合を指す。
「活性触媒」、「活性触媒組成物」及び同様の用語は、助触媒の有無に関わらず、不飽和モノマーの重合が可能である遷移金属化合物を指す。活性触媒は、助触媒なしで不飽和モノマーを重合するのに活性となる「プロ触媒」であってよい。代替的には、活性触媒は、助触媒と組み合わせ、不飽和モノマーを重合するのに活性となる「プロ触媒」であってよい。
「プロ触媒」という用語は、「触媒」、「プレ触媒」、「触媒前駆体」、「遷移金属触媒」、「遷移金属触媒前駆体」、「重合触媒」、「重合触媒前駆体」、「遷移金属錯体」、「遷移金属化合物」、「金属錯体」、「金属化合物」、「錯体」、「金属-配位子錯体」及び同様の用語と互換的に使用される。
「助触媒」とは、特定のプロ触媒を活性化して、不飽和モノマーの重合が可能な活性触媒を形成することができる化合物を指す。「助触媒」という用語は、「活性剤」及び同様の用語と互換的に使用される。
「ポリマー」は、同じ種類であるか異なる種類であるかに関わらず、モノマーを重合することによって調製される化合物を指す。それ故、「ポリマー」という総称は、1種類のみのモノマーから調製されるポリマーを指す「ホモポリマー」という用語、及び本明細書において定義されるような「インターポリマー」又は「コポリマー」という用語を包含する。微量の不純物、例えば、触媒残渣が、ポリマー中及び/又はポリマー内に組み込まれ得る。
「インターポリマー」又は「コポリマー」は、少なくとも2つの異なるタイプのモノマーを重合することによって調製されたポリマーを指す。これらの総称には、コポリマー、すなわち、2つの異なる種類のモノマーから調製されるポリマー、及び2つ超の異なる種類のモノマーから調製されるポリマー(例えば、ターポリマー、テトラポリマーなど)の両方が含まれる。これらの総称には、例えばランダム、ブロック、均一、不均一などの、全ての形態のインターポリマー又はコポリマーを包含する。
「エチレン系ポリマー」又は「エチレンポリマー」は、ポリマーの重量に基づいて、過半量(50重量%超)の重合エチレンを含有するポリマーであり、任意で、少なくとも1つのコモノマーの重合単位をさらに含有しうる。「エチレン系インターポリマー」は、インターポリマーの重量に基づいて、過半量(50重量%超)の重合エチレン、及び少なくとも1つのコモノマーの重合単位をさらに含有するインターポリマーである。好ましくは、エチレン系インターポリマーは、ランダムインターポリマーである(すなわち、そのモノマー構成物のランダム分布を含む)。「エチレンホモポリマー」は、エチレンに由来する繰り返し単位を含むが、残存量の他の成分を除外しないポリマーである。
「プロピレン系ポリマー」又は「プロピレンポリマー」は、ポリマーの重量に基づいて、過半量(50重量%超)の重合プロピレンを含有するポリマーであり、任意で、少なくとも1つのコモノマーの重合単位をさらに含有しうる。「プロピレン系インターポリマー」は、インターポリマーの重量に基づいて、過半量(50重量%超)の重合プロピレン、及び少なくとも1つのコモノマーの重合単位をさらに含有するインターポリマーである。好ましくは、プロピレン系インターポリマーは、ランダムインターポリマーである(すなわち、そのモノマー構成物のランダム分布を含む)。「プロピレンホモポリマー」は、プロピレンに由来する繰り返し単位を含むが、残存量の他の成分を除外しないポリマーである。
「エチレン/α-オレフィンインターポリマー」は、インターポリマーの重量に基づいて、過半量(50重量%超)の重合エチレンを含有し、少なくとも1つのα-オレフィンの重合単位をさらに含有するインターポリマーである。好ましくは、エチレン/α-オレフィンインターポリマーは、ランダムインターポリマーである(すなわち、そのモノマー構成物のランダム分布を含む)。「エチレン/α-オレフィンコポリマー」は、コポリマーの重量に基づいて、過半量(50重量%超)の重合エチレンを含有し、α-オレフィンの重合単位をさらに含有するコポリマーである。好ましくは、エチレン/α-オレフィンコポリマーは、ランダムコポリマーである(すなわち、そのモノマー構成物のランダム分布を含む)。
「プロピレン/α-オレフィンインターポリマー」は、インターポリマーの重量に基づいて、過半量(50重量%超)の重合プロピレンを含有し、少なくとも1つのα-オレフィンの重合単位をさらに含有するインターポリマーである。好ましくは、プロピレン/α-オレフィンインターポリマーは、ランダムインターポリマーである(すなわち、そのモノマー構成物のランダム分布を含む)。「プロピレン/α-オレフィンコポリマー」は、コポリマーの重量に基づいて、過半量(50重量%超)の重合プロピレンを含有し、αオレフィンの重合単位をさらに含有するインターポリマーである。好ましくは、プロピレン/α-オレフィンコポリマーは、ランダムコポリマーである(すなわち、そのモノマー構成物のランダム分布を含む)。
「ポリオレフィン」は、オレフィンモノマーから生成されたポリマーを指し、この場合、オレフィンモノマー(アルケンとも呼ばれる)は、少なくとも1つの二重結合を有する炭素及び水素の線状化合物、分枝化合物又は環状化合物である。
本明細書において使用される場合、「連鎖移動剤成分」及び「連鎖移動剤」という用語は、活性触媒部位にて可逆的又は不可逆的なポリメリル交換を引き起こすことが可能な化合物又は化合物の混合物を指す。不可逆的連鎖移動反応は、ポリマー鎖生長の末端に生じる、生長ポリマー鎖の活性触媒から連鎖移動剤への移動を指す。可逆的連鎖移動反応は、活性触媒と連鎖移動剤との間でポリマー鎖が前後に生長する移動を指す。
「オレフィンブロックコポリマー」又は「OBC」という用語は、エチレン/α-オレフィンマルチブロックインターポリマーを指し、エチレンと、ブロック又はセグメントが、化学的又は物理的性質において異なっている、2つ以上(好ましくは、3つ以上)の重合モノマー単位の複数のブロック又はセグメントを特徴とする、1つ又は複数の共重合性α-オレフィンコモノマーとを重合形態で含む。具体的には、「オレフィンブロックコポリマー(block copolymer)」という用語は、直鎖状に結合した2つ以上(好ましくは3つ以上)の化学的に異なる領域又はセグメント(「ブロック」と呼ばれる)を含むポリマー、すなわち、ペンダント型又はグラフト化形態ではなく、重合した官能基に関して(共有結合で)端から端まで結合した化学的に区別される単位を含むポリマーを指す。ブロックは、そこに組み込まれるコモノマーの量もしくは種類、密度、結晶化度の量、結晶化度の種類(例えば、ポリエチレン対ポリプロピレン)、そのような組成のポリマーに起因する結晶のサイズ、立体規則性の種類もしくは程度(アイソタクチックもしくはシンジオタクチック)、部位規則性もしくは部位不規則性、長鎖分岐もしくは超分岐を含む分岐の量、均一性、及び/又は任意の他の化学的もしくは物理的特性において異なる。ブロックコポリマーは、例えば、触媒系と組み合わせたシャトリング剤(複数可)の使用効果に基づいて、ポリマー分子量分布(PDI又はMw/Mn)及びブロック長分布の両方において固有の分布を持つことを特徴とする。本開示のオレフィンブロックコポリマーの非限定的な例、及びこれを調製するプロセスは、米国特許番号第7,858,706号(B2)、8,198,374号(B2)、8,318,864号(B2)、8,609,779号(B2)、8,710,143号(B2)、8,785,551号(B2)及び9,243,090号(B2)に開示されており、その全体が参照として全て本明細書に組み入れられる。
「ブロック複合体」(「BC」)という用語は、3つのポリマー成分:(i)エチレン系ポリマー(EP)における重合モノマー単位の総モルに基づいて、10mol%~90mol%のエチレン含有量を有するエチレン系ポリマー(EP)(ソフトコポリマー);(ii)α-オレフィン系ポリマー(AOP)における重合モノマー単位の総モルに基づいて、90mol%超のα-オレフィン含有量を有するα-オレフィン系ポリマー(AOP)(ハードコポリマー);ならびに(iii)エチレンブロック(EB)及びα-オレフィンブロック(AOB)を有するブロックコポリマー(ジブロックコポリマー)を含むポリマーを指し、ブロックコポリマーのエチレンブロックは、ブロック複合体の成分(i)であるEPと同様の組成であり、ブロックコポリマーのα-オレフィンブロックは、ブロック複合体の成分(ii)であるAOPと同様の組成である。追加的に、ブロック複合体において、EPの量とAOPの量の間の組成***は、ブロックコポリマー中の対応するブロック間の組成分と本質的に同じである。本開示のブロック複合体の非限定的な例、及びこれを調製するプロセスは、米国特許番号第8,686,087号及び8,716,400号に開示されており、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
「特定のブロック複合体」(「SBC」)という用語は、3つのポリマー成分:(i)エチレン系ポリマー(EP)における重合モノマー単位の総モルに基づいて、78mol%~90mol%のエチレン含有量を有するエチレン系ポリマー(EP)(ソフトコポリマー);(ii)α-オレフィン系ポリマー(AOP)における重合モノマー単位の総モルに基づいて、61mol%~90mol%超のα-オレフィン含有量を有するα-オレフィン系ポリマー(AOP)(ハードコポリマー);ならびに(iii)エチレンブロック(EB)及びα-オレフィンブロック(AOB)を有するブロックコポリマー(ジブロックコポリマー)を含むポリマーを指し、ブロックコポリマーのエチレンブロックは、特定のブロック複合体の成分(i)であるEPと同様の組成であり、ブロックコポリマーのα-オレフィンブロックは、特定のブロック複合体の成分(ii)であるAOPと同様の組成である。追加的に、特定のブロック複合体において、EPの量とAOPの量の間の組成***は、ブロックコポリマー中の対応するブロック間の組成分と本質的に同じである。本開示の特定のブロック複合体の非限定的な例、及びこれを調製するプロセスは、国際公開公報第2017/044547号に開示されており、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
「結晶性ブロック複合体」(「CBC」)という用語は、3つのポリマー成分:(i)結晶性エチレン系ポリマー(CEP)における重合モノマー単位の総モルに基づいて、90mol%超のエチレン含有量を有する結晶性エチレン系ポリマー(CEP);(ii)結晶性α-オレフィン系コポリマー(CAOP)における重合モノマー単位の総モルに基づいて、90mol%超のα-オレフィン含有量を有する結晶性α-オレフィン系コポリマー(CAOP);ならびに(iii)結晶性エチレンブロック(CEB)及び結晶性α-オレフィンブロック(CAOB)を含むブロックコポリマーを含むポリマーを指し、ブロックコポリマーのCEBは、結晶性ブロック複合体の成分(i)であるCEPと同様の組成であり、ブロックコポリマーのCAOBは、結晶性ブロック複合体の成分(ii)であるCAOPと同様の組成である。追加的に、結晶性ブロック複合体において、CEPの量とCAOPの量の間の組成***は、ブロックコポリマー中の対応するブロック間の組成***と本質的に同じである。本開示の結晶性ブロック複合体の非限定的な例、及びこれを調製するプロセスは、米国特許第8,822,598号(B2)及び国際公開公報第2016/01028961号(A1)に開示されており、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
「結晶性」という用語は、示差走査熱量測定(DSC)又は同等の技法によって決定して、第1次転移又は結晶融点(Tm)を保有するポリマーを指す。この用語は、「半結晶性」という用語と互換的に使用されてよい。「非晶質」という用語は、示差走査熱量測定(DSC)又は同等の技法によって決定されるような結晶融点を欠いているポリマーを指す。
連鎖移動剤
本開示の連鎖移動剤は、式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物及び式Zn(CHCH(Y)Aの有機亜鉛化合物を含む連鎖移動剤を含み、式中、それぞれが独立して出現するYは、水素又はC-C30ヒドロカルビル基であり、それぞれが独立して出現するAは、嵩高い二重結合を含むヒドロカルビル基である。特定の実施形態において、連鎖移動剤は、1:99~80:20、又は10:90~60:40、又は20:80~40:60である、式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物と式Zn(CHCH(Y)Aとの有機亜鉛化合物の比率を含む。
特定の実施形態において、それぞれが独立して出現するY基は、水素である。さらなる実施形態において、それぞれが独立して出現するY基は、C-C10アルキル基、又はC-Cアルキル基、又はC-Cアルキル基である。
いくつかの実施形態において、それぞれが出現するAは、嵩高い二重結合を含むヒドロカルビル基である。さらなる実施形態において、それぞれが出現するAは、2つ以上の嵩高い二重結合を含むヒドロカルビル基である。
いくつかの実施形態において、それぞれが出現するAは、嵩高い二重結合を含むヒドロカルビル基であり、該嵩高い二重結合は、ビニリデン基の二重結合、ビニレン基の二重結合、三置換アルケンの二重結合及び分岐アルファ炭素に結合されるビニル基の二重結合からなる群から選択される。
さらなる実施形態において、それぞれが出現するAは、2つ以上の嵩高い二重結合を含むヒドロカルビル基であり、各嵩高い二重結合は、ビニリデン基の二重結合、ビニレン基の二重結合、三置換アルケンの二重結合及び分岐アルファ炭素に結合されるビニル基の二重結合からなる群から独立して選択される。
特定の実施形態において、それぞれが出現するAは、官能基を含むヒドロカルビル基であり、該官能基は、ビニリデン基、ビニレン基、三置換アルケン、及び分岐アルファ炭素に結合されるビニル基からなる群から選択される。
さらなる実施形態において、それぞれが出現するAは、2つ以上の官能基を含むヒドロカルビル基であり、各官能基は、ビニリデン基、ビニレン基、三置換アルケン、及び分岐アルファ炭素に結合されるビニル基からなる群から独立して選択される。
それぞれが出現するA基は、環状又は非環状(線状又は分枝状)ヒドロカルビル基であってよい。仮にAが環状ヒドロカルビル基である場合、Aは1つ又は複数の環を含んでよく、各環は単環、二環、又は多環であり、各環は1つ又は複数の二重結合を含んでよい。
さらには、仮にAが環状ヒドロカルビル基である場合、各嵩高い二重結合又はその中の官能基は、環内二重結合、環外二重結合、又は非環状二重結合であってよい。例えば、Aはビニレン基を含む環状ヒドロカルビル基であってよく、ビニレン基の二重結合は、環内二重結合又は非環状二重結合であってよい。さらなる実施形態において、Aは、ビニリデン基を含む環状ヒドロカルビル基であってよく、ビニリデン基の二重結合は、環外二重結合又は非環状二重結合であってよい。さらなる実施形態において、Aは、三置換アルケンを含む環状ヒドロカルビル基であってよく、三置換アルケンの二重結合は、環内二重結合、環外二重結合、又は非環状二重結合であり得る。さらなる実施形態において、Aは、分岐アルファ炭素に結合されるビニル基を含む環状ヒドロカルビル基であってよく、分岐アルファ炭素に結合されるビニル基は、非環状二重結合である。
本明細書に記載の実施形態のうちいずれかにおいて、それぞれが出現するAは、3~30個の炭素原子、又は3~25個の炭素原子、又は3~20個の炭素原子、又は3~15個の炭素原子、又は3~10個の炭素原子、又は3~9個の炭素原子、又は3~8個の炭素原子、又は3~7個の炭素原子、又は3~6個の炭素原子、又は3~5個の炭素原子、又は3~4個の炭素原子、又は3個の炭素原子を含んでよい。
特定の実施形態において、それぞれが出現するAは、アルキル置換シクロアルケン又は非置換シクロアルケンを含むC-C30環状ヒドロカルビル基である。さらなる実施形態において、それぞれが出現するAは、3~30個の炭素原子、又は3~25個の炭素原子、又は3~20個の炭素原子、又は3~15個の炭素原子、又は3~10個の炭素原子、又は3~9個の炭素原子、又は3~8個の炭素原子、又は3~7個の炭素原子、又は3~6個の炭素原子を含む、アルキル置換シクロアルケン又は非置換シクロアルケンである。
例示的な非置換シクロアルケンとしては、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、1,3-シクロヘキサジエン、1,4-シクロヘキサジエン、及び1,5-シクロオクタジエンが挙げられるが、これらに限定されない。例示的なアルキル置換シクロアルケンとしては、アルキル置換シクロヘキセン、アルキル置換シクロヘプテン、アルキル置換シクロオクテン、アルキル置換1,3-シクロヘキサジエン、アルキル置換1,4-シクロヘキサジエン、及びアルキル置換1,5-シクロオクタジエンが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、それぞれが出現するAは、メチル置換シクロヘキサン又は非置換シクロヘキセン、メチル置換シクロヘプテン又は非置換シクロヘプテン、及びメチル置換シクロオクテン又は非置換シクロオクテンからなる群から選択されるメチル置換シクロアルケン又は非置換シクロアルケンである。いくつかの実施形態において、それぞれが出現するAは、メチル置換シクロヘキセン又は非置換シクロヘキセンである。
いくつかの実施形態において、それぞれが出現するAは、C-C10非環状アルキル基、又はC-C10非環状アルキル基、又はC-C非環状アルキル基である。
例示的なA基には、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2022516120000002


(AA)~(AZ)及び(AZ1)のそれぞれに関して、
Figure 2022516120000003
記号(波線記号)は、水素ならびにAl(CHCH(Y)A及び式Zn(CHCH(Y)Aの連鎖移動剤中のYに結合される炭素への結合点を表す。
(AA)~(AF)のそれぞれに関して、環内二重結合は、環員である任意の2つの隣接する炭素原子の間にあってよい。
(AD)~(AF)のそれぞれに関して、ペンダントメチル基は、環員である任意の炭素原子に結合されてよい。
(AG)~(AL)のそれぞれに関して、環外二重結合は、2つを超える炭素原子にまだ結合されていない任意の環員炭素原子に結合されてよい。
連鎖移動剤の調製方法
連鎖移動剤は、式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物から構成され、式中、それぞれが出現するYは、水素又はC-C30ヒドロカルビル基であり、それぞれが独立して出現するAは、嵩高い二重結合を含むヒドロカルビル基である。特定の実施形態において、式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物のYは、水素、メチル基及びエチル基からなる群から選択されてよい。特定の実施形態において、式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物のAは、前述の(AA)~(AZ)及び(AZ1)の中から選択されてよい。さらなる実施形態において、式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物のAは、(AC)、(AF)、(AM)、(AO)、(AP)、(AS)及び(AZ1)からなる群から選択される。(AF)のペンダントメチル基は、環員である任意の炭素原子に結合されてよい。
連鎖移動剤は、式Zn(CHCH(Y)Aの有機亜鉛化合物からさらに構成され、式中、それぞれが独立して出現するYは、水素又はC-C30ヒドロカルビル基であり、それぞれが独立して出現するAは、嵩高い二重結合を含むヒドロカルビル基である。特定の実施形態において、式Zn(CHCH(Y)Aの有機亜鉛化合物のYはC-C30ヒドロカルビル基であり、一方でAは、前述の(AA)~(AZ)及び(AZ1)の中から選択されてよい。さらなる実施形態において、式Zn(CHCH(Y)Aの有機亜鉛化合物のAは、(AC)、(AF)、(AM)、(AO)、(AP)、(AS)及び(AZ1)からなる群から選択される。(AF)のペンダントメチル基は、環員である任意の炭素原子に結合されてよい。
連鎖移動剤は、式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物及び式Zn(CHCH(Y)Aの有機亜鉛化合物は、式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物及び式Zn(CHCH(Y)Aの有機亜鉛化合物をそれぞれ独立して調製し、次に1:99~80:20、又は10:90~60:40、又は20:80~40:60である式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物と式Zn(CHCH(Y)Aの有機亜鉛化合物との比率で2つを共に混合することによって調製されてよい。
式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物は、(a)炭化水素である式CH=C(Y)Aを含む出発物質、式Al(d)のアルミニウムアルキル、及び任意の溶媒を組み合わせ、有機アルミニウム溶液を形成すること、(b)有機アルミニウム溶液を、60~200℃、又は80~180℃、又は100~150℃、又は110~130℃の温度に加熱し、60~200℃、又は80~180℃、又は100~150℃又は110~130℃の温度で、30分~200時間、又は30分~100時間、又は30分~50時間、又は30分~25時間、又は1時間~10時間、又は1時間~5時間、又は3時間~5時間にわたって有機アルミニウム溶液を維持すること、ならびに(c)式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物であって、式中、それぞれが独立して出現するdは、水素又はC-C10アルキル基であり、それぞれが独立して出現するYは、水素又はC-C30ヒドロカルビル基であり、それぞれが独立して出現するAは、嵩高い二重結合を含むヒドロカルビル基である、有機アルミニウム化合物を含む生成物を回収することを含む熱プロセスによって調製されてよい。特定の実施形態において、Alに結合されるdの炭素は、三級炭素に結合される炭素である。例えば、特定の実施形態において、式Al(d)のアルミニウムアルキルは、トリイソブチルアルミニウムである。
式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物を調製する熱プロセスに関して、Y及びAは、Y及びAの前述の実施形態のいずれかであってよい。任意の溶媒は、本明細書において述べられるいずれかであってよい。工程(a)における出発物質は、1:10、又は1:5、又は1:3である、式Al(d)のアルミニウムアルキルと式CH=C(Y)Aとの炭化水素の比率を含んでよい。工程(a)における出発物質は、式CH=C(Y)Aである1つ又は複数の炭化水素であって、式中、それぞれが独立して出現するYは、水素又はC-C30ヒドロカルビル基であり、それぞれが出現するAは、嵩高い二重結合を含むヒドロカルビル基である1つ又は複数の炭化水素を含んでよく、出発物質は、式Al(d)であるアルミニウムアルキルと式CH=C(Y)Aである1つ又は複数の炭化水素とが、1:10、又は1:5、又は1:3である比率を含む。特定の実施形態において、Yは、水素、メチル基及びエチル基からなる基から選択されてよく、Aは、前述の(AA)~(AZ)及び(AZ1)の中から選択されてよい。さらなる実施形態において、Aは、(AC)、(AF)、(AM)、(AO)、(AP)、(AS)、及び(AZ1)からなる群から選択されてよい。(AF)のペンダントメチル基は、環員である任意の炭素原子に結合されてよい。式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物を調製するこのプロセスにおいて、式CH=C(Y)Aは、真空及び任意の加熱の使用により除去されてよい。
代替的には、式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物は、(a)式CH=CHAである炭化水素を含む出発物質、式Al(Yであるアルミニウムアルキル、プロ触媒及び任意の助触媒を含む触媒成分、及び任意の溶媒を組み合わせること、ならびに(b)式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物を含む生成物を回収することを含む、触媒プロセスを調製してよく、工程(a)は、1~50時間、又は10~40時間、又は15~25時間の時間にわたって1℃~50℃、又は10℃~40℃、又は20℃~30℃の温度で実施され、式中、それぞれが独立して出現するYは、水素又はC-C30ヒドロカルビル基であり、それぞれが独立して出現するAは、嵩高い二重結合を含むヒドロカルビル基である。
式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物を調製する触媒プロセスに関して、YはC-C30ヒドロカルビル基である一方、Aは前述の実施形態のいずれかであってよい。プロ触媒、任意の助触媒、及び任意の溶媒のそれぞれは、本明細書において述べられるいずれかであってよい。工程(a)における出発物質は、1:10、又は1:5、又は1:3である、式Al(Yのアルミニウムアルキルと式CH=CHAとの炭化水素の比率を含んでよい。工程(a)における出発物質は、式CH=CHAである1つ又は複数の炭化水素を含んでよく、式中、各炭化水素のそれぞれが独立して出現するAは、嵩高い二重結合を含むヒドロカルビル基であり、出発物質は、1:10、又は1:5、又は1:3である式Al(Yであるアルミニウムアルキルと式CH=C(Y)Aである1つ又は複数の炭化水素との比率を含む。特定の実施形態において、Yは、C-C10アルキル基であってよく、Aは、前述の(AA)~(AZ)及び(AZ1)の中から選択されてよい。さらなる実施形態において、Aは、(AC)、(AF)、(AM)、(AO)、(AP)、(AS)、及び(AZ1)からなる群から選択されてよい。(AF)のペンダントメチル基は、環員である任意の炭素原子に結合されてよい。
式Zn(CHCH(Y)Aの有機亜鉛化合物は、(a)式CH=CHAである炭化水素を含む出発物質、式Zn(Yである亜鉛アルキル、プロ触媒及び任意の助触媒を含む触媒成分、及び任意の溶媒を組み合わせること、ならびに(b)式Zn(CHCH(Y)Aの有機亜鉛化合物を含む生成物を回収することを含む、触媒プロセスを調製してよく、工程(a)は、1~50時間、又は10~40時間、又は15~25時間の時間にわたって1℃~50℃、又は10℃~40℃、又は20℃~30℃の温度で実施され、式中、それぞれが独立して出現するYは、水素又はC-C30ヒドロカルビル基であり、それぞれが独立して出現するAは、嵩高い二重結合を含むヒドロカルビル基である。
式Zn(CHCH(Y)Aの有機亜鉛化合物を調製する触媒プロセスに関して、YはC-C30ヒドロカルビル基である一方、Aは前述の実施形態のいずれかであってよい。プロ触媒、任意の助触媒、及び任意の溶媒のそれぞれは、本明細書において述べられるいずれかであってよい。工程(a)における出発物質は、1:10、又は1:5、又は1:2である、式Zn(Yの亜鉛アルキルと式CH=CHAとの炭化水素の比率を含んでよい。工程(a)における出発物質は、式CH=CHAである1つ又は複数の炭化水素を含んでよく、式中、各炭化水素のそれぞれが独立して出現するAは、嵩高い二重結合を含むヒドロカルビル基であり、出発物質は、1:10、又は1:5、又は1:2である式Zn(Yである亜鉛アルキルと式CH=C(Y)Aである1つ又は複数の炭化水素との比率を含む。特定の実施形態において、Yは、C-C10アルキル基であってよく、Aは、前述の(AA)~(AZ)及び(AZ1)の中から選択されてよい。さらなる実施形態において、Aは、(AC)、(AF)、(AM)、(AO)、(AP)、(AS)、及び(AZ1)からなる群から選択されてよい。(AF)のペンダントメチル基は、環員である任意の炭素原子に結合されてよい。
代替的には、式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物及び式Zn(CHCH(Y)Aの有機亜鉛化合物を含む連鎖移動剤は、有機アルミニウム化合物及び有機亜鉛化合物を独立して調製し、それらを混合するよりも、触媒プロセスによって調製されてよい。具体的には、式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物及び式Zn(CHCH(Y)Aの有機亜鉛化合物を含む連鎖移動剤は、(a)式CH=CHAである炭化水素を含む出発物質、式Al(Yであるアルミニウムアルキル、式Zn(Yである亜鉛アルキル、プロ触媒及び任意の助触媒を含む触媒成分、及び任意の溶媒を組み合わせること、及び(b)式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物及び式Zn(CHCH(Y)Aの有機亜鉛化合物を含む(B)連鎖移動剤を含む生成物を回収することを含み、式中、工程(a)は、1~50時間、又は10~40時間、又は15~25時間の時間にわたって1℃~50℃、又は10℃~40℃、又は20℃~30℃の温度で実施され、式中、それぞれが独立して出現するYは、水素又はC-C30ヒドロカルビル基であり、それぞれが独立して出現するAは、嵩高い二重結合を含むヒドロカルビル基である。
式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物及び式Zn(CHCH(Y)Aの有機亜鉛化合物を含む連鎖移動剤を調製する触媒プロセスに対して、YはC-C30ヒドロカルビル基である一方、Aは前述の実施形態のいずれかであってよい。プロ触媒、任意の助触媒、及び任意の溶媒のそれぞれは、本明細書において述べられるいずれかであってよい。工程(a)における出発物質は、1:1である、式Al(Yであるアルミニウムアルキル及び式Zn(Yの亜鉛アルキルと式CH=CHAである炭化水素との比率を含んでよい。工程(a)における出発物質は、1:99~80:20、又は10:90~60:40、又は20:80~40:60である、式Zn(Yの亜鉛アルキルと式Al(Yであるアルミニウムアルキルとの比率を含んでよい。工程(a)における出発物質は、式CH=CHAである1つ又は複数の炭化水素を含んでよく、式中、各炭化水素のそれぞれが独立して出現するAは、嵩高い二重結合を含むヒドロカルビル基であり、出発物質は、1:1である、式Al(Yであるアルミニウムアルキル及び式Zn(Yである亜鉛アルキルと式CH=CHAである1つ又は複数の炭化水素との比率ならびに1:99~80:20、又は10:90~60:40、又は20:80~40:60である、式Zn(Yである亜鉛アルキル対式Al(Yであるアルミニウムアルキルの比率を含む。特定の実施形態において、Yは、C-C10アルキル基であってよく、Aは、前述の(AA)~(AZ)及び(AZ1)の中から選択されてよい。さらなる実施形態において、Aは、(AC)、(AF)、(AM)、(AO)、(AP)、(AS)、及び(AZ1)からなる群から選択されてよい。(AF)のペンダントメチル基は、環員である任意の炭素原子に結合されてよい。
さらなる実施形態において、(B)式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物及び式Zn(CHCH(Y)Aの有機亜鉛化合物を含む連鎖移動剤成分は、熱プロセスによって調製されてよい。
好適なプロ触媒としては、国際公開公報第2005/090426号、国際公開公報第2005/090427号、国際公開公報第2007/035485号、国際公開公報第2009/012215号、国際公開公報第2014/105411号、国際公開公報第2017/173080号、米国特許出願公開番号第2006/0199930号、同第2007/0167578号、同第2008/0311812号、ならびに米国特許第7,858,706(B2)号、同第7,355,089(B2)号、同第8,058,373(B2)号、及び同第8,785,554(B2)号に開示されているものが挙げられるが、それらに限定されない。以下の段落を参照すると、「プロ触媒」という用語は、「触媒」、「プレ触媒」、「触媒前駆体」、「遷移金属触媒」、「遷移金属触媒前駆体」、「重合触媒」、「重合触媒前駆体」、「遷移金属錯体」、「遷移金属化合物」、「金属錯体」、「金属化合物」、「錯体」及び「金属-配位子錯体」及び同様の用語と互換的である。
不均一系触媒及び均一系触媒の両方が使用され得る。不均一系触媒の例としては、周知のチーグラー・ナッタ組成物、特に2族金属ハライド又は混合ハライド上に担持された4族金属ハライド、及びアルコキシド、ならびに周知のクロム又はバナジウム系触媒が挙げられる。好ましくは、本明細書で使用するための触媒は、比較的純粋な有機金属化合物又は金属錯体、特に3~10族又は元素周期表のランタニド系列から選択される金属をベースとする化合物又は錯体を含む、均一系触媒である。
本明細書で使用するための金属錯体は、1つ又は複数の非局在化π結合配位子又は多価ルイス塩基配位子を含有する元素周期表の3~15族から選択することができる。例としては、メタロセン、ハーフメタロセン、束縛幾何、及び多価ピリジルアミン、又は他のポリキレート化塩基錯体が挙げられる。錯体は、一般的に、式:MKによって表されるか、又はその二量体であり、式中、
Mは、元素周期表の3~15族、好ましくは3~10族、より好ましくは4~10族、最も好ましくは4族から選択される金属であり、
それぞれが独立して出現するKは、KがMに結合される非局在化π電子又は1つ又は複数の電子対を含有する基であり、該K基は、水素原子を含まない最大50個の原子を含有し、任意で、2個以上のK基は、一緒になって接合して架橋構造を形成してもよく、さらに任意選択で1個又は複数のK基は、Z、X又はZとXの両方に結合してもよく、
それぞれが独立して出現するXは、最大40個の非水素原子を有する一価のアニオン性部分であり、任意に1つ又は複数のX基が一緒に結合することによって二価又は多価アニオン基を形成してもよく、さらに任意で、1つ又は複数のX基及び1つ又は複数のZ基が互いに結合することによって、Mに共有結合し、かつそれに配位している部分を形成してもよく、あるいは+2つのX基が一緒になって、最大40個の非水素原子の二価アニオン性配位子基を形成するか、あるいは一緒に非局在化Π電子によってMに結合した4~30個の非水素原子を有する共役ジエンであり、その際、Mは、+2形式的な酸化状態にあり、
それぞれが独立して出現するZは、ZがMに配位する少なくとも1つの非共有電子対を含有する最大50個の非水素原子の中性ルイス塩基ドナー配位子であり、
kは、0~3の整数であり、xは、1~4の整数であり、zは、0~3の数であり、
和、k+xは、Mの形式酸化状態に等しい。
好適な金属錯体としては、環状又は非環状の非局在化π結合アニオン配位子基であり得る、1~3個のπ結合アニオン又は中性配位子基を含有するものが挙げられる。このようなπ結合基の例は、共役又は非共役の、環状又は非環状のジエン及びジエニル基、アリール基、ボラタベンゼン基、ホスホール、ならびにアレーン基である。「π結合」という用語は、部分的に非局在化したπ結合からの電子を共有することによって、配位子基が遷移金属に結合していることを意味する。
非局在化結合基中の各原子は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル、ヒドロカルビル置換ヘテロ原子からなる群から選択されるラジカルで置換され得、このヘテロ原子は、元素周期表の14~16族から選択され、このようなヒドロカルビル置換ヘテロ原子ラジカルは、15族又は16族のヘテロ原子含有部分でさらに置換される。さらに、2個以上のそのような基が一緒になって、部分的に又は完全に水素化された縮合環系を含む縮合環系を形成してもよく、又はそれらは金属と共に金属環を形成してもよい。「ヒドロカルビル」という用語に含まれるのは、C1-20直鎖、分岐鎖及び環状のアルキルラジカル、C6-20芳香族ラジカル、C7-20アルキル置換芳香族ラジカル、及びC7-20アリール置換アルキルラジカルである。好適なヒドロカルビル置換ヘテロ原子ラジカルとしては、各々のヒドロカルビル基が1~20個の炭素原子を含有する、ホウ素、シリコン、ゲルマニウム、窒素、リン又は酸素の一置換、二置換及び三置換ラジカルが挙げられる。例としては、N、N-ジメチルアミノ、ピロリジニル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、メチルジ(t-ブチル)シリル、トリフェニルゲルミル、及びトリメチルゲルミル基が挙げられる。15族又は16族ヘテロ原子含有部分の例としては、アミノ、ホスフィノ、アルコキシ、又はアルキルチオ部分もしくはそれらの二価誘導体、例えば遷移金属又はランタニド金属に結合し、かつヒドロカルビル基、π結合基、又はヒドロカルビル置換ヘテロ原子に結合したアミド、ホスフィド、アルキレンオキシ又はアルキレンチオ基が挙げられる。
好適なアニオン性、非局在化π-結合基の例には、シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル、テトラヒドロインデニル、テトラヒドロフルオレニル、オクタヒドロフルオレニル、ペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、ジヒドロアントラセニル、ヘキサヒドロアントラセニル、デカヒドロアントラセニル基、ホスホール、及びボラタベンジル基、ならびにそれらの不活性に置換された誘導体、特にそれらのC1-10ヒドロカルビル置換又はトリス(C1-10ヒドロカルビル)シリル置換誘導体が含まれる。好ましいアニオン性非局在化π結合基は、シクロペンタジエニル、ペンタメチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシリルシクロペンタジエニル、インデニル、2,3-ジメチルインデニル、フルオレニル、2-メチルインデニル、2-メチル-4-フェニルインデニル、テトラヒドロフルオレニル、オクタヒドロフルオレニル、1-インダセニル、3-ピロリジノインデン-1-イル、3,4-(シクロペンタ(1)フェナントレン-1-イル、及びテトラヒドロインデニルである。
ボラタベンゼニル配位子は、ベンゼンに対するホウ素含有類似体であるアニオン配位子である。これらは、G.Herberich,et al.,in Organometallics,14,1,471-480(1995)に記載されていることで、当該技術分野において以前から既知である。好ましいボラタベンゼニル配位子は、以下の式に対応し、
Figure 2022516120000004
式中、Rは、好ましくは、水素、ヒドロカルビル、シリル、ハロ又はゲルミルからなる群から選択される不活性置換基であり、当該Rは、水素を含まない最大20個の原子を有し、任意で、隣接する2つのR基は、一緒に結合されていてもよい。このような非局在化π結合基の二価誘導体を含む錯体において、その1つの原子は、共有結合又は共有結合した二価基によって錯体の他の原子に結合し、それによって架橋系を形成する。
ホスホールは、シクロペンタジエニル基に対するリン含有類似体であるアニオン性配位子である。これらは、国際公開公報第98/50392号、及び他の箇所に記載されている当該技術分野において以前から既知である。好ましいホスホール配位子は、以下の式に対応し、
Figure 2022516120000005
式中、Rは先に定義したとおりである。
本明細書における使用に好適な遷移金属錯体は、式:MK又はその二量体に対応し、式中、
Mは、4族の金属であり、
Kは、KがMに結合される非局在化π電子を含有する基であり、該K基は、水素原子を含まない最大50個の原子を含有し、任意で、2つのK基は、一緒になって接合して架橋構造を形成してもよく、さらに任意で1個のK基は、X又はZに結合してもよく、
それぞれが出現するXは、最大40個の非水素原子を有する一価のアニオン性部分であり、任意で1つ又は複数のX及び1つ又は複数のK基は、一緒になって結合して金属環を形成し、さらに任意選択で1つ又は複数のX基及び1つ又は複数のZ基は一緒になって結合することによって、Mに共有結合し、かつそれに配位している部分を形成し、
それぞれが独立して出現するZは、ZがMに配位する少なくとも1つの非共有電子対を含有する最大50個の非水素原子の中性ルイス塩基ドナー配位子であり、
kは、0~3の整数であり、xは、1~4の整数であり、zは、0~3の数であり、和、k+xは、Mの形式酸化状態に等しい。
好適な錯体は、1個又は2個のK基を含有するものを含む。後者の錯体は、2個のK基を連結する架橋基を含むものを含む。好適な架橋基は、式(ER’に相当するものであり、式中、Eは、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、又は炭素であり、それぞれが独立して出現するR’は、水素、又はシリル、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、及びこれらの組合せから選択される基であり、該R’は、最大30個の炭素又はケイ素原子を有し、eは、1~8である。例示的には、それぞれが独立して出現するR’は、メチル、エチル、プロピル、ベンジル、tert-ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ又はフェノキシである。
2個のK基を含有する錯体の例は、以下の式:
Figure 2022516120000006
に対応する化合物であり、式中、
Mは、+2又は+4のホルマール酸化状態にある、チタン、ジルコニウム、又はハフニウム、好ましくは、ジルコニウム又はハフニウムであり、それぞれが独立して出現するRは、水素、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、シアノ、ハロ、及びそれらの組合せからなる群から選択され、該Rは、最大20個の非水素原子を有するか、あるいは隣接するR基は、一緒になって、二価誘導体(すなわち、ヒドロカルバジイル、シラジイル、又はゲルマジイル基)を形成することで、縮合環系を形成し、
それぞれが独立して出現するX’’は、40個までの非水素原子のアニオン性配位子基であり、又は、2個のX’’基が一緒になって最大40個の非水素原子の二価アニオン性配位子基を形成し、もしくは一緒になって、非局在化π電子によりMに結合した4~30個の非水素原子を有する共役ジエンであり、Mは、+2の形式酸化状態にあり、
R’、E、及びeは、先に定義されたとおりである。
2つのπ結合基を含有する例示的な架橋配位子は、ジメチルビス(シクロペンタジエニル)シラン、ジメチルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)シラン、ジメチルビス(2-エチルシクロペンタジエン-1-イル)シラン、ジメチルビス(2-t-ブチルシクロペンタジエン-1-イル)シラン、2,2-ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)プロパン、ジメチルビス(インデン-1-イル)シラン、ジメチルビス(テトラヒドロインデン-1-イル)シラン、ジメチルビス(フルオレン-1-イル)シラン、ジメチルビス(テトラヒドロフルオレン-1-イル)シラン、ジメチルビス(2-メチル-4-フェニルインデン-1-イル)-シラン、ジメチルビス(2-メチルインデン-1-イル)シラン、ジメチル(シクロペンタジエニル)(フルオレン-1-イル)シラン、ジメチル(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレン-1-イル)シラン、ジメチル(シクロペンタジエニル)(テトラヒドロフルオレン-1-イル)シラン、(1,1,2,2-テトラメチル)-1,2-ビス(シクロペンタジエニル)ジシラン、(1,2-ビス(シクロペンタジエニル)エタン)、及びジメチル(シクロペンタジエニル)-1-(フルオレン-1-イル)メタンである。
好適なX’’基は、ヒドリド、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、ハロヒドロカルビル、ハロシリル、シリルヒドロカルビル、及びアミノヒドロカルビル基から選択されるか、又は2個のX’’基は、一緒になって、共役ジエンの二価誘導体を形成するか、さもなければこれらは、一緒になって、中性のπ結合した共役ジエンを形成する。例示的なX’’基は、C1-20ヒドロカルビル基である。
本開示において利用されるさらなるクラスの金属錯体は、前述の式MKZ又はその二量体に対応し、式中、M、K、X、x、及びzは、先に定義されたとおりであり、Zは、Kと一緒になってMを伴う金属環を形成する、最大50個の非水素原子の置換基である。
好適なZ置換基は、酸素、硫黄、ホウ素、又はKに直接結合される元素周期表の14族の構成要素である少なくとも1個の原子を含む、最大30個の非水素原子と、Mに共有結合している窒素、リン、酸素、又は硫黄からなる群から選択される異なる原子とを含有する基を含む。
より具体的には、本発明に従って使用されるこのクラスの4族の金属錯体には、以下の式に対応する「束縛幾何触媒」が含まれ、
Figure 2022516120000007
式中、Mは、チタン又はジルコニウム、好ましくは+2、+3、又は+4の形式酸化状態のチタンであり、
は、1~5個のR基で任意で置換された非局在化π結合配位子基であり、
それぞれが独立して出現するRは、水素、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、シアノ、ハロ及びそれらの組合せからなる群から選択され、該Rは、20個までの非水素原子を有し、又は、隣接R基が一緒になって二価誘導体(すなわち、ヒドロカルバジイル、シラジイル又はゲルマジイル基)を形成し、それにより縮合環系を形成し、
各Xは、ハロ、ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ又はシリル基であり、該基は、20個までの非水素原子を有し、又は、2個のX基が一緒になって中性C5-30共役ジエンもしくはその二価誘導体を形成し、
xは、1又は2であり、
Yは、-O-、-S-、-NR’-、-PR’-であり、
X’は、SiR’、CR’、SiR’SiR’、CR’CR’、CR’=CR’、CR’SiR’、又はGeR’であり、式中、
それぞれが独立して出現するR’は、水素、又はシリル、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、及びそれらの組合せから選択される基であり、該R’は、最大30個の炭素原子又はシリコン原子を有する。
前述の束縛幾何構造の金属錯体の具体例としては、以下の式に対応する化合物が挙げられ、
Figure 2022516120000008
式中、
Arは、水素を含まない6~30個の原子のアリール基であり、
それぞれが独立して出現するRは、水素、Ar、又はヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル、トリヒドロカルビルゲルミル、ハライド、ヒドロカルビルオキシ、トリヒドロカルビルシロキシ、ビス(トリヒドロカルビルシリル)アミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ヒドロカルビルアミノ、ヒドロカルビルイミノ、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ、ヒドロカルバジイルホスフィノ、ヒドロカルビルスルフィド、ハロ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル置換ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシロキシ置換ヒドロカルビル、ビス(トリヒドロカルビルシリル)アミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)アミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレンアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレンホスフィノ置換ヒドロカルビル、又はヒドロカルビルスルフィド置換ヒドロカルビルから選択されるAr以外の基であり、該R基は、水素原子を含まない最大40個の原子を有し、任意で、2つの隣接するR基は、一緒になって接合されて、多環式縮合環基を形成してもよく、
Mは、チタンであり、
X’は、SiR 、CR 、SiR SiR 、CR CR 、CR=CR、CR SiR 、BR、BRL’’、又はGeR であり、
Yは、-O-、-S-、-NR-、-PR-;-NR -、又はPR -であり、
それぞれが独立して出現するRは、ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル、又はトリヒドロカルビルシリルヒドロカルビルであり、該Rは、水素以外の最大20個の原子を有し、任意で、2つのR基が、又はRがY又はZと一緒になって、環系を形成し、
それぞれが独立して出現するRは、水素、又はヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、シリル、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール、-NR 及びそれらの組合せから選択されるメンバーであり、該Rは、20個までの非水素原子を有し、任意で2つのR基又はRとZとが一緒になって環系を形成し、
Zは、任意でR、R、又はXに結合した中性ジエン又は単座もしくは多座ルイス塩基であり、
Xは、水素原子、水素原子を含まない最大60個の原子を有する一価のアニオン性配位子基、又は2個のX基が、一緒になって接合して、二価配位子基を形成し、
xは、1又は2であり、
zは、0、1、又は2である。
本明細書における好適な金属錯体の追加の例は、以下の式に対応する多環式錯体であり、
Figure 2022516120000009
式中、Mは、+2、+3、又は+4の形式酸化状態のチタンであり、
それぞれが独立して出現するRは、ヒドリド、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、ハライド、ヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルビルシロキシ、ヒドロカルビルシリルアミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ヒドロカルビレンアミノ、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ、ヒドロカルビレンホスフィノ、ヒドロカルビルスルフィド、ハロ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、シリル置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシロキシ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリルアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)アミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレンアミノ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビレンホスフィノ置換ヒドロカルビル、又はヒドロカルビルスルフィド置換ヒドロカルビルであり、該R基は、水素を含まない最大40個の原子を有し、任意で2個以上の前述の基のうちの2つ以上が一緒になって、二価誘導体を形成してもよく、
は、金属錯体の残りの部分と縮合系を形成する二価ヒドロカルビレン又は置換ヒドロカルビレン基であり、該Rは、水素を含まない1~30個の原子を含み、
は、二価部分、又は1つのΠ結合及びMと配位共有結合を形成することができる中性の2つの電子対とを含む部分であり、該Xは、ホウ素、又は元素周期表の14族の員を含み、またさらに窒素、リン、硫黄又は酸素を含み、
Xは、環式、非局在化、π結合配位子基である配位子のクラスを除く60個までの原子を有する一価のアニオン性配位子基であり、任意で2つのX基が一緒になって二価配位子基を形成し、
それぞれが独立して出現するZは、20個までの原子を有する中性配位化合物であり、
xは、0、1、又は2であり、
zは、ゼロ又は1である。
触媒として有益に用いられる金属錯体の追加の例は、多価ルイス塩基の錯体、例えば、以下の式:
Figure 2022516120000010
に対応する化合物であり、式中、Tは、好ましくは水素以外の原子を2つ以上含有する、架橋基であり、
及びYは、各々独立して、窒素、硫黄、酸素及びリンからなる群から選択され、より好ましくは、X及びYの両方が窒素であり、
及びR’は、それぞれが独立して出現し、水素又は1個以上のヘテロ原子を任意で含むC1-50ヒドロカルビル基もしくはそれらの不活性に置換された誘導体である。好適なR及びR’基の非限定的な例としては、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、(ポリ)アルキルアリール、及びシクロアルキル基、ならびにそれらの窒素、リン、酸素、及びハロゲン置換誘導体が挙げられる。好適なR及びR’基の具体例には、メチル、エチル、イソプロピル、オクチル、フェニル、2,6-ジメチルフェニル、2,6-ジ(イソプロピル)フェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ペンタフルオロフェニル、3,5-トリフルオロメチルフェニル、及びベンジルが挙げられ、
g及びg’は、それぞれ独立して、0又は1であり、
は、第3~15族から選択される金属元素、又は元素周期表のランタニド系列である。好ましくは、Mは、3~13族金属であり、より好ましくは、Mは、4~10族金属であり、
は、水素を含まない1~50個の原子を含む一価、二価、又は三価のアニオン性配位子である。好適なL基の例には、ハライド;水素化物;ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、ジ(ヒドロカルビル)アミド、ヒドロカルビレンアミド、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィド、ヒドロカルビルスルフィド;ヒドロカルビルオキシ、トリ(ヒドロカルビルシリル)アルキル;及びカルボキシレートが含まれる。より好ましいL基は、C1-20アルキル、C7-20アラルキル、及びクロリドであり、
h及びh’は、それぞれ独立して、1~6、好ましくは1~4、より好ましくは1~3の整数であり、jは、1又は2であり、h×jの値は、電荷平衡を提供するように選択され、
は、Mに配位した中性配位子基であり、水素を含まない原子を最大50個含有する。好ましいZ基には、脂肪族及び芳香族アミン、ホスフィン、ならびにエーテル、アルケン、アルカジエン、及びそれらの不活性に置換された誘導体が含まれる。好適な不活性置換基としては、ハロゲン、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ジ(ヒドロカルビル)アミン、トリ(ヒドロカルビル)シリル、及びニトリル基が挙げられる。好ましいZ基には、トリフェニルホスフィン、テトラヒドロフラン、ピリジン、及び1,4-ジフェニルブタジエンが挙げられる。
fは、1~3の整数であり、
、R、及びR’のうちの2つ又は3つは、一緒になって接合して、単一又は複数の環構造を形成してもよく、
hは、1~6、好ましくは1~4、より好ましくは1~3の整数であり、
一実施形態において、Rは、Xに関して比較的低い立体障害を有することが好ましい。この実施形態において、最も好ましいR基は、直鎖アルキル基、直鎖アルケニル基、最も近い分岐点がXから除去された少なくとも3個の原子である分岐鎖アルキル基、及びそれらのハロ、ジヒドロカルビルアミノ、アルコキシ又はトリヒドロカルビルシリル置換誘導体である。この実施形態において極めて好ましいR基は、C1-8直鎖アルキル基である。
同時に、この実施形態において、R’は、好ましくは、Yに関して比較的高い立体障害を有する。この実施形態に好適なR’基の非限定的な例には、1つ以上の二級又は三級炭素中心を含有するアルキル又はアルケニル基、シクロアルキル、アリール、アルカリール、脂肪族又は芳香族複素環式基、有機又は無機オリゴマー、ポリマー又は環式基、及びそれらのハロ、ジヒドロカルビルアミノ、アルコキシ、又はトリヒドロカルビルシリル置換誘導体が挙げられる。この実施形態における好ましいR’基は、水素を含まない3~40個、より好ましくは3~30個、最も好ましくは4~20個の原子を含み、分岐鎖又は環状である。好ましいT基の例は、以下の式:
Figure 2022516120000011
に対応する構造であり、式中、
各Rは、C1-10ヒドロカルビル基、好ましくはメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、t-ブチル、フェニル、2,6-ジメチルフェニル、ベンジル、又はトリルである。各Rは、C1-10ヒドロカルビル、好ましくはメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、t-ブチル、フェニル、2,6-ジメチルフェニル、ベンジル、又はトリルである。さらに、2つ以上のR基もしくはR基、又はRd基及びRe基の混合物が一緒になってヒドロカルビル基の二価誘導体又は多価誘導体、例えば1,4-ブチレン、1,5-ペンチレン、又は環状環、又は多環式基、縮合環、多価ヒドロカルビル又はヘテロヒドロカルビル基、例えばナフタレン-1,8-ジイルを形成してもよい。
前述の多価ルイス塩基錯体の好適な例としては、以下が挙げられ、
Figure 2022516120000012
それぞれが出現するR’は、水素、任意選択で1つ以上のヘテロ原子を含有するC1-50ヒドロカルビル基、もしくはそれらの不活性に置換された誘導体からなる基から独立して選択されるか、又はさらに任意で、2つの隣接するRd’基は、一緒になって、二価架橋基を形成してもよく、
d’は、4であり、
’は、第4族の金属、好ましくは、チタンもしくはハフニウム、又は第10族の金属、好ましくは、NiもしくはPdであり、
’は、水素を含まない最大50個の原子の一価配位子、好ましくは、ハライドもしくはヒドロカルビルであるか、2つのL’基が一緒になって、二価もしくは中性配位子基、好ましくは、C2-50ヒドロカルビレン、ヒドロカルバジイル、もしくはジエン基である。
本発明において使用するための多価ルイス塩基錯体としては、特に、4族の金属誘導体、特に、以下の式に対応するヒドロカルビルアミン置換ヘテロアリール化合物のハフニウム誘導体が挙げられ、
Figure 2022516120000013
に対応する化合物であり、式中、
11は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、及び水素を含まない原子を1~30個含有するそれらの不活性に置換された誘導体、又はそれらの二価誘導体から選択され、
は、水素以外の1~41個の原子、好ましくは水素以外の1~20個の原子の二価架橋基、最も好ましくはモノ-又はジ-C1-20ヒドロカルビル置換メチレン又はシラン基であり、
12は、ルイス塩基官能基を含むC5-20ヘテロアリール基、特にピリジン-2-イル-もしくは置換ピリジン-2-イル基、又はそれらの二価誘導体であり、
は、4族金属、好ましくはハフニウムであり、
は、アニオン性、中性又はジアニオン性の配位子基であり、
x’は、そのようなX基の数を示す0~5の数であり、結合、任意の結合及び電子供与性相互作用は、それぞれ線、点線及び矢印で表される。
好適な錯体は、配位子形成が、アミン基からの、及び任意で1つ以上の追加の基、特にR12からの水素脱離から生じる錯体である。さらに、ルイス塩基官能基、好ましくは電子対からの電子供与は、金属中心に追加の安定性を提供する。好適な金属錯体は、以下の式に対応し、
Figure 2022516120000014
式中、M、X、x’、R11、及びTは、先に定義したとおりであり、
13、R14、R15、及びR16は、水素、ハロ、又は水素を含まない20個までの原子のアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはシリル基であり、又は隣接するR13、R14、R15、又はR16基が、一緒になって接合して縮合環誘導体を形成してもよく、結合、任意選択の結合、及び電子対供与性相互作用は、それぞれ線、点線、及び矢印で表される。前述の金属錯体の好適例は、以下の式:
Figure 2022516120000015
に対応する構造であり、式中、
、X、及びx’は、先に定義されたとおりであり、
13、R14、R15及びR16は、先に定義されたとおりであり、好ましくは、R13、R14、及びR15は、水素、又はC1-4アルキルであり、R16は、C6-20アリール、最も好ましくはナフタレニルであり、
それぞれが独立して出現するRは、C1-4アルキルであり、aは、1~5であり、最も好ましくは、窒素に対して2つのオルト位置にあるRは、イソプロピル又はt-ブチルであり、
それぞれが独立して出現するR17及びR18は、水素、ハロゲン、又はC1-20アルキルもしくはアリール基であり、最も好ましくは、R17及びR18の一方が水素であり、他方がC6-20アリール基、特に2-イソプロピル、フェニル又は縮合多環式アリール基、最も好ましくはアントラセニル基であり、結合、任意選択の結合及び電子対供与性相互作用は、それぞれ線、点線及び矢印で表される。
触媒として本明細書で使用するための例示的な金属錯体は、以下の式に対応し、
Figure 2022516120000016
式中、それぞれが出現するXは、ハライド、N,N-ジメチルアミド、又はC1-4アルキルであり、好ましくは、それぞれが出現するXは、メチルであり、
それぞれが独立して出現するRは、水素、ハロゲン、C1-20アルキル、もしくはC6-20アリールであるか、又は2つの隣接するR基が一緒になって接合して環を形成し、fは1~5であり、
それぞれが独立して出現するRは、水素、ハロゲン、C1-20アルキル、もしくはC6-20アリールであるか、又は2つの隣接するR基が一緒になって接合して環を形成し、cは1~5である。
本発明に従う触媒として使用するための金属錯体の好適な例は、以下の式の錯体であり、
Figure 2022516120000017
式中、Rは、C1-4アルキル又はシクロアルキル、好ましくは、メチル、イソプロピル、t-ブチル、又はシクロヘキシルであり、
それぞれが出現するXは、ハライド、N,N-ジメチルアミド、又はC1-4アルキル、好ましくはメチルである。
本発明に従う触媒として有用に用いられる金属錯体の例としては、以下:
[N-(2,6-ジ(1-メチルエチル)フェニル)アミド(o-トリル)(α-ナフタレン-2-ジイル(6-ピリジン-2-ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル;
[N-(2,6-ジ(1-メチルエチル)フェニル)アミド(o-トリル)(α-ナフタレン-2-ジイル(6-ピリジン-2-ジイル)メタン)]ハフニウムジ(N,N-ジメチルアミド);
[N-(2,6-ジ(1-メチルエチル)フェニル)アミド(o-トリル)(α-ナフタレン-2-ジイル(6-ピリジン-2-ジイル)メタン)]ハフニウムジクロリド;
[N-(2,6-ジ(1-メチルエチル)フェニル)アミド)(2-イソプロピルフェニル)(α-ナフタレン-2-ジイル(6-ピリジン-2-ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル、
[N-(2,6-ジ(1-メチルエチル)フェニル)アミド)(2-イソプロピルフェニル)(α-ナフタレン-2-ジイル(6-ピリジン-2-ジイル)メタン)]ハフニウム(N,N-ジメチルアミド)、
[N-(2,6-ジ(1-メチルエチル)フェニル)アミド)(2-イソプロピルフェニル)(α-ナフタレン-2-ジイル(6-ピリジン-2-ジイル)メタン)]ハフニウムジクロリド、
[N-(2,6-ジ(1-メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン-5-イル)(α-ナフタレン-2-ジイル(6-ピリジン-2-ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル;
[N-(2,6-ジ(1-メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン-5-イル)(α-ナフタレン-2-ジイル(6-ピリジン-2-ジイル)メタン)]ハフニウムジ(N,N-ジメチルアミド);及び
[N-(2,6-ジ(1-メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン-5-イル)(α-ナフタレン-2-ジイル(6-ピリジン-2-ジイル)メタン)]ハフニウムジクロリドが挙げられる。
本開示において使用される金属錯体を調製するために使用される反応条件下で、ピリジン-2-イル基の6位で置換されたα-ナフタレン基の2位の水素は、脱離に供され、それによって、得られたアミド基とα-ナフタレニル基の2位との両方に金属が共有結合し、かつ窒素原子の電子対を介してピリジニル窒素原子に配位することにより安定化された、金属錯体を形成する。
好適なさらなるプロ触媒には、国際公開公報第2007/130307号(A2)、国際公開公報第2007/130306号(A2)及び米国特許出願号第20090306318号(A1)に開示されるプロ触媒に対応するイミダゾールアミン化合物が挙げられ、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。かかるイミダゾールアミン化合物には、式:
Figure 2022516120000018
に対応するものが挙げられ、式中、
それぞれが独立して出現するXは、独立してアニオン性配位子であるか、又は2つのX基は、ジアニオン性配位子基、又は中性ジエンを共に形成し、Tは1つ又は複数の環を含有する脂環式基又は芳香族基であり;それぞれが独立して出現するRは、水素、ハロゲン、又は1価である、多原子アニオン性配位子であるか、又は2つもしくは複数のR基は、共に結合されることで多価の縮合環系を形成し;それぞれが独立して出現するRは、水素、ハロゲン、又は1価である、多原子アニオン性配位子であるか、又は2つもしくは複数のR基は、共に結合されることで多価の縮合環系を形成し;Rは、水素、アルキル、アリール、アラルキル、トリヒドロカルビルシリル、又は1~20個の炭素によるトリヒドロカルビルシリルメチルである。
かかるイミダゾールアミン化合物のさらなる例には、以下:
Figure 2022516120000019
が挙げられるがこれらに限定されず、式中、
それぞれが独立して出現するRは、C3-12アルキル基であり、この場合、フェニル基に結合される炭素は二次置換又は三次置換され;それぞれが独立して出現するRは、水素又はC1-2アルキル基であり;Rはメチル又はイソプロピルであり;Rは水素又はC1-6アルキル基であり;Rは水素、C1-6アルキル基又はシクロアルキル、又は2つの共に隣接するR基が縮合芳香族環を形成し;Tは、酸素、硫黄、又はC1-20ヒドロカルビル置換窒素基又はC1-20ヒドロカルビル置換リン基であり;T’’は窒素又はリンであり、Xはメチル又はベンジルである。
本明細書で使用するための多価ルイス塩基の追加の好適な金属錯体としては、以下の式に対する化合物が挙げられ、
Figure 2022516120000020
、式中、
20は、水素を含まない5~20個の原子を含有する芳香族基もしくは不活性に置換された芳香族基、又はそれらの多価誘導体であり、
は、水素を含まない1~20個の原子を有するヒドロカルビレンもしくはヒドロカルビルシラン基、又はそれらの不活性に置換された誘導体であり、
は、第4族金属、好ましくはジルコニウム又はハフニウムであり、
Gは、アニオン性、中性又はジアニオン性配位基;好ましくは、水素を含まない20個までの原子を有するハライド、ヒドロカルビル、シラン、トリヒドロカルビルシリルヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル、又はジヒドロカルビルアミド基であり、
gは、そのようなG基の数を示す1~5の数であり、結合及び電子供与性相互作用は、それぞれ、線及び矢印で表される。
例示的に、そのような錯体は、以下の式:
Figure 2022516120000021
に対応し、式中、
は、水素を含まない2~20個の原子の二価架橋基、好ましくは置換又は非置換のC3-6アルキレン基であり、
それぞれが独立して出現するArは、水素を含まない6~20個の原子のアリーレン又はアルキルもしくはアリール置換アリーレン基であり、
は、第4族の金属、好ましくはハフニウム又はジルコニウムであり、
それぞれが独立して出現するGは、アニオン性、中性又はジアニオン性配位基であり、
gは、そのようなX基の数を示す1~5の数であり、電子供与性相互作用は矢印で表される。
前述の式の金属錯体の好適な例としては、以下の化合物が挙げられ、
Figure 2022516120000022
式中、Mは、Hf又はZrであり、
Arは、C6-20アリール又はその不活性に置換された誘導体、特に3,5-ジ(イソプロピル)フェニル、3,5-ジ(イソブチル)フェニル、ジベンゾ-1H-ピロール-1-イル、又はアントラセン-5-イルであり、
それぞれが独立して出現するTは、C3-6アルキレン基、C3-6シクロアルキレン基、又はそれらの不活性に置換された誘導体を含み、
それぞれが独立して出現するR21は、水素、ハロ、ヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル、又は水素を含まない50個までの原子のトリヒドロカルビルシリルヒドロカルビルであり、
それぞれが独立して出現するGは、ハロ、又は水素を含まない最大20個の原子のヒドロカルビルもしくはトリヒドロカルビルシリル基であるか、あるいは2個のG基は、一緒になって、前述のヒドロカルビル又はトリヒドロカルビルシリル基の二価誘導体である。
好適な化合物は、以下の式の化合物であり、
Figure 2022516120000023
式中、Arは、3,5-ジ(イソプロピル)フェニル、3,5-ジ(イソブチル)フェニル、ジベンゾ-1H-ピロール-1-イル、又はアントラセン-5-イルであり、
21は、水素、ハロ、又はC1-4アルキル、特にメチルであり、
は、プロパン-1,3-ジイル又はブタン-1,4-ジイルであり、
Gは、クロロ、メチル、又はベンジルである。
前述の式の例示的な金属錯体は、
Figure 2022516120000024
本開示に従う使用のための好適な金属錯体として、以下の式:
Figure 2022516120000025
に対応する化合物がさらに挙げられ、式中、
Mが、ジルコニウム又はハフニウムであり、
それぞれが独立して出現するR20は、水素を含まない5~20個の原子を含有する二価の芳香族基又は不活性に置換された芳香族基であり、
は、水素を含まない3~20個の原子を有する二価の炭化水素もしくはシラン基、又はそれらの不活性に置換された誘導体であり、
それぞれが独立して出現するRは、水素を含まない1~20個の原子の一価配位子基であるか、又は2つのR基は、一緒になって、水素を含まない1~20個の原子の二価配位子基である。
そのような錯体は、以下の式に対応してもよく、
Figure 2022516120000026
式中、
それぞれが独立して出現するArは、水素を含まない6~20個の原子又は任意の置換基の任意の原子の、アリーレン、又はアルキル、アリール、アルコキシ、もしくはアミノ置換アリーレン基であり、
は、水素を含まない3~20個の原子の二価炭化水素架橋基、好ましくは、酸素原子を隔てる少なくとも3個の炭素原子を有する二価の置換又は非置換C3-6脂肪族、脂環式、又はビス(アルキレン)置換脂環式の基であり、
それぞれが独立して出現するRは、水素を含まない1~20個の原子の一価配位子基であるか、又は2つのR基は、一緒になって、水素を含まない1~40個の原子の二価配位子基である。
本明細書における使用に好適な金属錯体のさらなる例には、以下の式:
Figure 2022516120000027
の化合物が挙げられ、この場合、
それぞれが独立して出現するArは、C6-20アリール又はその不活性に置換された誘導体、特に、3,5-ジ(イソプロピル)フェニル、3,5-ジ(イソブチル)フェニル、ジベンゾ-1H-ピロール-1-イル、ナフチル、アントラセン-5-イル、1,2,3,4,6,7,8,9-オクタヒドロアントラセン-5-イルであり、
それぞれが独立して出現するTは、プロピレン-1,3-ジイル基、ビス(アルキレン)シクロヘキサン-1,2-ジイル基、又は各々最大20個の炭素を有する1~5個のアルキル、アリール、もしくはアラルキル置換基で置換された、それらの不活性に置換された誘導体であり、
それぞれが独立して出現するR21は、水素、ハロ、水素を含まない最大50個の原子のヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル、トリヒドロカルビルシリルヒドロカルビル、アルコキシ、又はアミノであり、
それぞれが独立して出現するRは、ハロ、又は水素を含まない最大20個の原子のヒドロカルビルもしくはトリヒドロカルビルシリル基であるか、あるいは2つのR基は、一緒になって、水素を含まない最大40個の原子の二価ヒドロカルビレン、ヒドロカルバジイル、又はトリヒドロカルビルシリル基である。
例示的な金属錯体は、以下の式:
Figure 2022516120000028
の化合物であり、
式中、それぞれが独立して出現するArは、3,5-ジ(イソプロピル)フェニル、3,5-ジ(イソブチル)フェニル、ジベンゾ-1H-ピロール-1-イル、又はアントラセン-5-イルであり、
それぞれが独立して出現するR21は、水素、ハロ、水素を含まない最大50個の原子のヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル、トリヒドロカルビルシリルヒドロカルビル、アルコキシ、又はアミノであり、
は、プロパン-1,3-ジイル又はビス(メチレン)シクロヘキサン-1,2-ジイルであり、
それぞれが独立して出現するRは、ハロ、又は水素を含まない最大20個の原子のヒドロカルビルもしくはトリヒドロカルビルシリル基であるか、あるいは2つのR基は、一緒になって、水素を含まない最大40個の原子のヒドロカルビレン、ヒドロカルバジイル、又はヒドロカルビルシランジイル基である。
本開示に従う好適な金属錯体は、以下の式:
Figure 2022516120000029
に対応し、
式中、それぞれが独立して出現するRは、クロロ、メチル、又はベンジルである。
好適な金属錯体の具体例は、以下の化合物:
A)ビス((2-オキソイル-3-(1,2,3,4,6,7,8,9-オクタヒドロアントラセン-5-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシ)-1,3-プロパンジイルハフニウム(IV)ジメチル、
ビス((2-オキソイル-3-(1,2,3,4,6,7,8,9-オクタヒドロアントラセン-5-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシ)-1,3-プロパンジイルハフニウム(IV)ジクロリド、
ビス((2-オキソイル-3-(1,2,3,4,6,7,8,9-オクタヒドロアントラセン-5-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシ)-1,3-プロパンジイルハフニウム(IV)ジベンジル、
ビス((2-オキソイル-3-(ジベンゾ-1H-ピロール-1-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシ)-1,3-プロパンジイルハフニウム(IV)ジメチル、
ビス((2-オキソイル-3-(ジベンゾ-1H-ピロール-1-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシ)-1,3-プロパンジイルハフニウム(IV)ジクロリド、
ビス((2-オキソイル-3-(ジベンゾ-1H-ピロール-1-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシ)-1,3-プロパンジイルハフニウム(IV)ジベンジル、
B)ビス((2-オキソイル-3-(1,2,3,4,6,7,8,9-オクタヒドロアントラセン-5-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシメチル)-1,4-ブタンジイルハフニウム(IV)ジメチル、
ビス((2-オキソイル-3-(1,2,3,4,6,7,8,9-オクタヒドロアントラセン-5-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシメチル)-1,4-ブタンジイルハフニウム(IV)ジクロリド、
ビス((2-オキソイル-3-(1,2,3,4,6,7,8,9-オクタヒドロアントラセン-5-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシメチル)-1,4-ブタンジイルハフニウム(IV)ジベンジル、
ビス((2-オキソイル-3-(ジベンゾ-1H-ピロール-1-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシメチル)-1,4-ブタンジイルハフニウム(IV)ジメチル、
ビス((2-オキソイル-3-(ジベンゾ-1H-ピロール-1-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシメチル)-1,4-ブタンジイルハフニウム(IV)ジクロリド、
ビス((2-オキソイル-3-(ジベンゾ-1H-ピロール-1-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシメチル)-1,4-ブタンジイルハフニウム(IV)ジベンジル、
C)ビス((2-オキソイル-3-(1,2,3,4,6,7,8,9-オクタヒドロアントラセン-5-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシ)-2,4-ペンタンジイルハフニウム(IV)ジメチル、
ビス((2-オキソイル-3-(1,2,3,4,6,7,8,9-オクタヒドロアントラセン-5-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシ)-2,4-ペンタンジイルハフニウム(IV)ジクロリド、
ビス((2-オキソイル-3-(1,2,3,4,6,7,8,9-オクタヒドロアントラセン-5-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシ)-2,4-ペンタンジイルハフニウム(IV)ジベンジル、
ビス((2-オキソイル-3-(ジベンゾ-1H-ピロール-1-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシ)-2,4-ペンタンジイルハフニウム(IV)ジメチル、
ビス((2-オキソイル-3-(ジベンゾ-1H-ピロール-1-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシ)-2,4-ペンタンジイルハフニウム(IV)ジクロリド、
ビス((2-オキソイル-3-(ジベンゾ-1H-ピロール-1-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシ)-2,4-ペンタンジイルハフニウム(IV)ジベンジル、
D)ビス((2-オキソイル-3-(1,2,3,4,6,7,8,9-オクタヒドロアントラセン-5-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシメチル)-メチレントランス-1,2-シクロヘキサンジイルハフニウム(IV)ジメチル、
ビス((2-オキソイル-3-(1,2,3,4,6,7,8,9-オクタヒドロアントラセン-5-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシメチル)--メチレントランス-1,2-シクロヘキサンジイルハフニウム(IV)ジクロリド、
ビス((2-オキソイル-3-(1,2,3,4,6,7,8,9-オクタヒドロアントラセン-5-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシメチル)--メチレントランス-1,2-シクロヘキサンジイルハフニウム(IV)ジベンジル、
ビス((2-オキソイル-3-(ジベンゾ-1H-ピロール-1-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシメチル)-メチレントランス-1,2-シクロヘキサンジイルハフニウム(IV)ジメチル、
ビス((2-オキソイル-3-(ジベンゾ-1H-ピロール-1-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシメチル)-メチレントランス-1,2-シクロヘキサンジイルハフニウム(IV)ジクロリド、
ビス((2-オキソイル-3-(ジベンゾ-1H-ピロール-1-イル)-5-(メチル)フェニル)-2-フェノキシメチル)-メチレントランス-1,2-シクロヘキサンジイルハフニウム(IV)ジベンジルである。
前述の金属錯体は、遷移金属源及び中性多官能配位子源を含む標準的な金属化及び配位子交換手順によって都合よく調製され得る。使用される技術は、USP6,827,976及び米国特許第2004/0010103号、ならびに他の場所で開示されているものと同じであるか、又は類似している。
前述の多価ルイス塩基錯体は、(周期表の)4族金属源及び中性多官能配位子源を含む標準的な金属化及び配位子交換手順によって都合よく調製され得る。さらに、錯体はまた、対応する4族金属テトラアミド及びトリメチルアルミニウムのようなヒドロカルビル化剤から出発するアミド除去及びヒドロカルビル化プロセスによっても調製され得る。他の技術も同様に使用され得る。これらの錯体は、とりわけ、米国特許第6,320,005号、同第6,103,657号、国際公開公報第02/38628号、国際公開公報第03/40195号、及び米国特許第04/0220050号の開示から知られている。
高いコモノマー組み込み特性を有する触媒はまた、重合中にβ-ヒドリドの除去及び成長中のポリマーの連鎖停止を介して偶然に生じる、その場で調製された長鎖オレフィンを再組み込みすること、又は他の方法で知られる。このような長鎖オレフィンの濃度は、高い転化率、特に95%以上のエチレン転化率、より好ましくは97%以上のエチレン転化率での連続溶液重合条件の使用により特に高められる。このような条件下では、少量だが検出可能な量のオレフィン末端ポリマーが成長中のポリマー鎖に再組み込みされ、長鎖分岐、すなわち他の意図的に添加されたコモノマーから生じるよりも長い炭素長の分岐の形成をもたらす。さらに、このような鎖は反応混合物中に存在する他のコモノマーの存在を反映している。すなわち、鎖は、反応混合物のコモノマー組成に応じて、短鎖又は長鎖分岐も同様に含み得る。オレフィンポリマーの長鎖分岐は、USP5,272,236、5,278,272、及び5,665,800においてさらに説明されている。
代替的には、超分岐を含む分岐は、得られるポリマーに「連鎖移動(chain-walking)」をもたらすことが知られている特定の触媒を使用することによって、本マルチブロックコポリマーの特定のセグメントに誘導され得る。例えば、Kaminski、et al.,J.Mol.Catal.A:Chemical,102(1995)59-65;Zambelli,et al.,Macromolecules,1988,21,617-622、又はDias,et al.,J.Mol.Catal.A:Chemical,185(2002)57-64によって開示されたある特定の均一架橋ビスインデニル-又は部分的水素化ビスインデニル-ジルコニウム触媒を使用して、エチレンを含む単一のモノマーから分岐コポリマーを調製することができる。
使用に適したさらなる錯体としては、以下の式:
Figure 2022516120000030
に対応する4~10族の誘導体が挙げられ、式中、
は、元素周期表の4~10族の金属、好ましくは4族の金属、Ni(II)又はPd(II)、最も好ましくはジルコニウムであり、
は、窒素、酸素又はリン含有基であり、
は、ハロ、ヒドロカルビル、又はヒドロカルビルオキシであり、
tは、1又は2であり、
x’’は、電荷平衡を提供するように選択される数であり、
及びNは、架橋配位子によって連結されている。
かかる触媒は、開示されているものの中でも、J.Am.Chem.Soc.,118,267-268(1996),J.Am.Chem.Soc.,117,6414-6415(1995)及びOrganometallics,16,1514-1516,(1997)に以前に開示されている。
触媒としての使用のための前述の金属錯体の好適な例は、以下の式:
Figure 2022516120000031
に対応する4族金属、特にジルコニウムの芳香族ジイミン又は芳香族ジオキシイミン錯体であり、式中、
、X、及びTは、先に定義されたとおりであり、
は、それぞれの出現時に独立して、水素、ハロゲン、又はRであり、
は、それぞれの出現時に独立して、C1-20ヒドロカルビル又はそのヘテロ原子、特にそのF、N、S又はP置換誘導体、より好ましくはC1-20ヒドロカルビル又はそのF又はN置換誘導体、最も好ましくはアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ピロリル、ピペリデニル、ペルフルオロフェニル、シクロアルキル、(ポリ)アルキルアリール、又はアラルキルである。
触媒として使用するための前述の金属錯体の好適な例は、以下の式に対応するジルコニウムの芳香族ジオキシイミン錯体であり、
Figure 2022516120000032
に対応する4族金属、特にジルコニウムの芳香族ジイミン又は芳香族ジオキシイミン錯体であり、式中、
は、先に定義されたとおりであり、好ましくはC1-10ヒドロカルビル、最も好ましくはメチル又はベンジルであり;
’は、メチル、イソプロピル、t-ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2-メチルシクロヘキシル、2,4-ジメチルシクロヘキシル、2-ピロリル、N-メチル-2-ピロリル、2-ピペリデニル、N-メチル-2-ピペリデニル、ベンジル、o-トリル、2,6-ジメチルフェニル、ペルフルオロフェニル、2,6-ジ(イソプロピル)フェニル、又は2,4,6-トリメチルフェニルである。
特定のホスフィンイミン錯体も含むものとして使用するための前述の錯体は、EP-A-890581に開示されている。これらの錯体は、式:[(R-P=N]M(K)(R3-fに相当し、式中、Rは、一価配位子であり、又は2つのR基が一緒になって、二価の配位子であり、好ましくは、Rは、水素又はC1-4アルキルであり、
Mは、4族金属であり、
は、それを介してKがMに結合される非局在化π電子を含有する基であり、該K基は、水素原子を含まない最大50個の原子を含有し、fは1又は2である。
さらに適切なプロ触媒には、参照によりその全体に組み込まれる、国際公開公報第2017/173080号(A1)に開示されているものが含まれる。かかるプロ触媒には、式(i):
Figure 2022516120000033
の金属-配位子錯体が含まれ、
式中、Mは、チタン、ジルコニウム、又はハフニウムであり、
各Z1は、独立して、中性、モノアニオン性、又はジアニオン性の単座又は多座配位子であり、nnは整数であり、Z1及びnnは、式(i)の金属-配位子錯体が全体として中性であるように選択され、
各Q及びQ10は、独立して、(C-C40)アリール、置換(C-C40)アリール、(C-C40)ヘテロアリール、及び置換(C-C40)ヘテロアリールからなる群から選択され、
各Q、Q、Q、Q、Q、及びQは、独立して、水素、(C-C40)ヒドロカルビル、置換(C-C40)ヒドロカルビル、(C-C40)ヘテロヒドロカルビル、置換(C-C40)ヘテロヒドロカルビル、ハロゲン、及びニトロ(NO)からなる群から選択され、
各Q及びQは、独立して、(C-C40)アルキル、置換(C-C40)アルキル、及び[(Si)-(C+Si)40]置換オルガノシリルからなる群から選択され、
各Nは、独立して、窒素であり、
任意で、Q1-5基のうちの2つ以上は、一緒に組み合わさって、環構造を形成することができ、かかる環構造は、いずれの水素原子も除いて環中に5~16個の原子を有し、
任意で、Q6-10基のうちの2つ以上は、一緒に組み合わさって、環構造を形成することができ、かかる環構造は、いずれの水素原子も除いて環中に5~16個の原子を有する。
上記の式(i)の金属配位子錯体及び本明細書のその全ての特定の実施形態は、その配位異性体を含む全ての可能性のある立体異性体を含むことが意図される。
上記の式(i)の金属配位子錯体は、ホモレプティックプロ触媒成分及びヘテロレプティックプロ触媒成分を提供する。
代替的な実施形態において、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、及びQ10のうちのいずれか1つ以上の(C-C40)ヒドロカルビル及び(C-C40)ヘテロヒドロカルビルの各々は、それぞれ独立して、非置換又は1つ以上のR置換基で置換され、各Rは、独立して、ハロゲン原子、ポリフルオロ置換、ペルフルオロ置換、非置換(C-C18)アルキル、(C-C18)アリール、FC、FCHO、FHCO、FCO、(RC1Si、(RC1Ge、(RC1)O、(RC1)S、(RC1)S(O)、(RC1)S(O)、(RC1P、(RC1N、(RC1C=N、NC、NO、(RC1)C(O)O、(RC1)OC(O)、(RC1)C(O)N(RC1)、又は(RC1NC(O)であるか、あるいはRのうちの2つは、一緒になって、非置換(C-C18)アルキレンを形成し、各Rは、独立して、非置換(C-C18)アルキルであり、独立して、各RC1は、水素、非置換(C-C18)ヒドロカルビル、又は非置換(C-C18)ヘテロヒドロカルビルであるか、又は存在しない(例えば、Nが-N=を含む場合、存在しない)。特定の実施形態において、Q及びQは、各々独立して、親配位子構造のアミン窒素へのその接続に関して、(C-C40)の一級又は二級アルキル基である。一級及び二級アルキル基という用語は、本明細書ではそれらの通常の慣習的な意味を持ち、すなわち、一級は、配位子窒素に直接連結した炭素原子が少なくとも2つの水素原子を担持することを示し、二級は、配位子窒素に直接連結した炭素原子が1つのみの水素原子を担持することを示す。
任意で、2つ以上のQ1-5基又は2つ以上のQ6-10基は、それぞれ独立して、一緒に組み合わさって、環構造を形成し、かかる環構造は、いずれの水素原子も除いて環中に5~16個の原子を有する。
好ましい実施形態において、Q及びQは、それぞれ独立して、(C-C40)の一級又は二級アルキル基であり、最も好ましくは、Q及びQは、それぞれ独立して、プロピル、イソプロピル、ネオペンチル、ヘキシル、イソブチル、及びベンジルである。
特定の実施形態において、式(i)のオレフィン重合プロ触媒のQ及びQ10は、式(ii):
Figure 2022516120000034
に示されるような置換フェニル基であり、
式中、J-J10は、R置換基及び水素からなる群からそれぞれ独立して選択され、式中、各Rは、独立して、ハロゲン原子、ポリフルオロ置換、ペルフルオロ置換、非置換(C-C18)アルキル、(C-C18)アリール、FC、FCHO、FHCO、FCO、(RC1Si、(RC1Ge、(RC1)O、(RC1)S、(RC1)S(O)、(RC1)S(O)、(RC1P、(RC1N、(RC1C=N、NC、NO、(RC1)C(O)O、(RC1)OC(O)、(RC1)C(O)N(RC1)、又は(RC1NC(O)であるか、あるいはRのうちの2つは、一緒になって、非置換(C-C18)アルキレンを形成し、各Rは、独立して、非置換(C-C18)アルキルであり、独立して、各RC1は、水素、非置換(C-C18)ヒドロカルビル、又は非置換(C-C18)ヘテロヒドロカルビルであるか、又は存在しない(例えば、Nが-N=を含む場合、存在しない)。より好ましくは、式(ii)のJ、J、J、及びJ10は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、(C-C)アルキル基、及び(C-C)アルコキシル基からなる群から選択される。最も好ましくは、式(ii)のJ、J、J、及びJ10は、それぞれ独立して、メチル、エチル、又はイソプロピルである。
「[(Si)-(C+Si)40]置換オルガノシリル」は、炭素原子とシリコン原子との合計数が1~40になるように、1~40個のシリコン原子と0~39個の炭素原子とを有する置換シリルラジカルを意味する。[(Si)-(C+Si)40]置換オルガノシリルの例としては、トリメチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、及びトリエチルシリルが挙げられる。
好ましくは、式(i)の金属-配位子錯体において、S(O)又はS(O)2ジラジカル官能基中のO-S結合以外に、O-O、S-S、又はO-S結合は存在しない。より好ましくは、式(i)の金属-配位子錯体において、S(O)又はS(O)ジラジカル官能基中のO-S結合以外に、O-O、P-P、S-S、又はO-S結合は存在しない。
Mは、チタン、ジルコニウム、又はハフニウムである。一実施形態において、Mはチタンである。別の実施形態において、Mはジルコニウムである。別の実施形態において、Mはハフニウムである。いくつかの実施形態において、Mは、+2、+3、又は+4の形式酸化状態にある。各Z1は、独立して、中性、モノアニオン性、又はジアニオン性の単座又は多座配位子である。Z1及びnnは、式(i)の金属-配位子錯体が全体として中性であるように選択される。いくつかの実施形態において、各Z1は、独立して、単座配位子である。一実施形態において、2つ以上のZ1単座配位子がある場合、各Z1は同一である。いくつかの実施形態において、単座配位子は、モノアニオン性配位子である。モノアニオン性配位子は、-1の正味形式酸化状態を有する。各モノアニオン性配位子は独立して、水素化物、(C-C40)ヒドロカルビルカルバニオン、(C-C40)ヘテロヒドロカルビルカルバニオン、ハライド、硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、水素化ホウ素、硫酸塩、HC(O)O-、アルコキシドもしくはアリールオキシド(RO)、(C-C40)ヒドロカルビルC(O)O-、HC(O)N(H)-、(C-C40)ヒドロカルビルC(O)N(H)-、(C-C40)ヒドロカルビルC(O)N((C-C20)ヒドロカルビル)-、RB-、RN-、RO-、RS-、RP-、又はRSi-であってよく、各R、R、及びRは独立して、水素、(C-C40)ヒドロカルビルもしくは(C-C40)ヘテロヒドロカルビル、又はRであり、Rは、一緒になって(C-C40)ヒドロカルビレン又は(C-C40)ヘテロヒドロカルビレンを形成し、Rは、先に定義したとおりである。
いくつかの実施形態において、Z1の少なくとも1つの単座配位子は、独立して、中性配位子である。一実施形態において、中性配位子は、RX1NR、ROR、RSR、又はRX1PRである中性ルイス塩基基であり、式中、各RX1は、独立して、水素、(C-C40)ヒドロカルビル、[(C-C10)ヒドロカルビル]3Si、[(C-C10)ヒドロカルビル]3Si(C-C10)ヒドロカルビル、又は(C-C40)ヘテロヒドロカルビルであり、各R及びRは、独立して、上記に定義されたとおりである。
いくつかの実施形態において、各Z1は独立して、ハロゲン原子、非置換(C-C20)ヒドロカルビル、非置換(C-C20)ヒドロカルビルC(O)O-、又はRN-である単座配位子であり、R及びRのそれぞれは独立して、非置換(C-C20)ヒドロカルビルである。いくつかの実施形態において、各単座配位子Z1は、塩素原子、(C-C10)ヒドロカルビル(例えば、(C-C)アルキルもしくはベンジル)、非置換(C-C10)ヒドロカルビルC(O)O-、又はRN-であり、R及びRのそれぞれは独立して、非置換(C-C10)ヒドロカルビルである。
いくつかの実施形態において、少なくとも2つのZ1が存在し、2つのZ1は、一緒になって二座配位子を形成する。いくつかの実施形態において、二座配位子は、中性二座配位子である。一実施形態において、中性二座配位子は、式(RD1C=C(RD1)-C(RD1)=C(RD1のジエンであり、式中、各RD1は、独立して、H、非置換(C-C)アルキル、フェニル、又はナフチルである。いくつかの実施形態において、二座配位子は、モノアニオン性-モノ(ルイス塩基)配位子である。モノアニオン性モノ(ルイス塩基)配位子は、式(D):RE1-C(O-)=CH-C(=O)-RE1(D)である1,3-ジオナートであってよく、式中、RE1は、独立して、H、非置換(C-C)アルキル、フェニル、又はナフチルである。いくつかの実施形態において、二座配位子は、ジアニオン性配位子である。ジアニオン性配位子は、-2の正味の形式酸化状態を有する。一実施形態において、各ジアニオン性配位子は、独立して、カーボネート、オキサレート(すなわち、-OCC(O)O-)、(C-C40)ヒドロカルビレンジカルバニオン、(C-C40)ヘテロヒドロカルビレンジカルバニオン、ホスフェート、又はスルフェートである。
前述のように、Z1の数及び電荷(中性、モノアニオン性、ジアニオン性)は、式(i)の金属-配位子錯体が全体として中性になるように、Mの形式的酸化状態に応じて選択される。
いくつかの実施形態において、各Z1は同一であり、各Z1は、メチル、イソブチル、ネオペンチル、ネオフィル、トリメチルシリルメチル、フェニル、ベンジル、又はクロロである。いくつかの実施形態において、nnは2であり、各Z1は同一である。
いくつかの実施形態において、少なくとも2つのZ1は異なる。いくつかの実施形態において、各Z1は、メチル、イソブチル、ネオペンチル、ネオフィル、トリメチルシリルメチル、フェニル、ベンジル、及びクロロのうちの異なるものである。
一実施形態において、式(i)の金属-配位子錯体は、単核金属錯体である。
さらに好適なプロ触媒には、Acc.Chem.Res.,2015,48(8),pp2209-2220に開示されるものが挙げられ、以下の構造:のものを含むがこれらに限定されない。
Figure 2022516120000035
好適なプロ触媒には、助触媒の使用なしにオレフィン重合を触媒可能である「単一成分触媒」がさらに挙げられる。かかる単一触媒成分には、Acc.Chem.Res.,2015,48(8),pp2209-2220 Watson,P.L.J.Am.Chem.Soc.1982,104,337-339;Yasuda,H.;Ihara,E.Adv.Polym.Sci.1997,133,53-101;Ihara,E.;Nodono,M.;Katsura,K.;Adachi,Y.;Yasuda,H.;Yamagashira,M.;Hashimoto,H.;Kanehisa,N.;及びKai,Y.Organometallics 1998,17,3945-3956;Long,D.P.;Bianconi,P.A.J.Am.Chem.Soc.1996,118,12453-12454;Gilchrist,J.H.;Bercaw,J.E.J.Am.Chem.Soc.1996,118,12021-12028;Mitchell,J.P.;Hajela,S.;Brookhart,S.K.;Hardcastle,K.I.;Henling,L.M.;Bercaw,J.E.J.Am.Chem.Soc.1996,118,1045-1053;Evans,W.J.;DeCoster,D.M.;Greaves,J.Organometallics 1996,15,3210-3221;Evans,W.J.;DeCoster,D.M.;Greaves,J.Macromolecules 1995,28,7929-7936;Shapiro,P.J.;Cotter,W.D.;Schaefer,W.P.;Labinger,J.A.;Bercaw,J.E.J.Am.Chem.Soc.1994,116,4623-4640;Schaverien,C.J.Organometallics 1994,13,69-82;Coughlin,E.B.J.Am.Chem.Soc.1992,114,7606-7607;Piers,W.E.;Bercaw,J.E.J.Am.Chem.Soc.1990,112,9406-9407;Burger,B.J.;Thompson,M.E.,Cotter,W.D.;Bercaw,J.E.J.Am.Chem.Soc.1990,112,1566-1577;Shapiro,P.J.;Bunel,E.;Schaefer,W.P.Organometallics 1990,9,867-869;Jeske,G.;Lauke,H.;Mauermann,H.;Swepston,P.N.;Schumann,H.;Marks,T.J.J.Am.Chem.Soc.1985,107,8091-8103;Jeske,G.;Schock,L.E.;Swepston,P.N.;Schumann,H.;Marks,T.J.J.Am.Chem.Soc.1985,107,8103-8110;及びOrganometallics,2001,20(9),pp1752-1761に開示されるものが挙げられる。かかる単一成分触媒の例示的で非限定的な式には、
Figure 2022516120000036
が挙げられ、式中:
MはSm又はYであり;Rは、水素を数えない最大50原子の一価配位子、好ましくはハロゲン化物又はヒドロカルビルである。
適切なプロ触媒には、(触媒1)から(触媒17)と名付けられた以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
(触媒1)は、国際公開公報第03/40195号及び米国特許第6,953,764号(B2号)の教示に従って調製されてよく、以下の構造:
Figure 2022516120000037
を有する。
(触媒2)は、国際公開公報第03/40195号及び国際公開公報第04/24740号の教示に従って調製されてよく、以下の構造:
Figure 2022516120000038
を有する。
(触媒3)は、当技術分野で既知である方法に従って調製されてよく、以下の構造:
Figure 2022516120000039
を有する。
(触媒4)は、米国特許出願公開番号第2004/0010103号の教示に従って調製されてよく、以下の構造:
Figure 2022516120000040
を有する。
(触媒5)は、米国特許第7,858,706号(B2)号の教示に従って調製されてよく、以下の構造:
Figure 2022516120000041
を有する。
(触媒6)は、米国特許第7,858,706号(B2)号の教示に従って調製されてよく、以下の構造:
Figure 2022516120000042
を有する。
(触媒7)は、米国特許第6,268,444号の教示に従って調製されてよく、以下の構造:
Figure 2022516120000043
を有する。
(触媒8)は、米国特許公開番号第2003/004286号の教示に従って調製されてよく、以下の構造:
Figure 2022516120000044
を有する。
(触媒9)は、米国特許公開番号第2003/004286号の教示に従って調製されてよく、以下の構造:
Figure 2022516120000045
を有する。
(触媒10)は、Sigma-Aldrichから市販されており、以下の構造:
Figure 2022516120000046
を有する。
(触媒11)は、国際公開公報第2017/173080号(A1)の教示に従って調製されてよく、以下の構造:
Figure 2022516120000047
を有する。
(触媒12)は、国際公開公報第2017/173080号(A1)の教示に従って調製されてよく、以下の構造:
Figure 2022516120000048
を有する。
(触媒13)は、Macromolecules(Washington,DC,United States),43(19),7903-7904(2010)の教示に従って調製されてよく、以下の構造:
Figure 2022516120000049
を有する。
(触媒14)は、国際公開公報第2011/102989号(A1)の教示に従って調製されてよく、以下の構造:
Figure 2022516120000050
を有する。
(触媒15)は、米国特許第8,101,696号(B2)の教示に従って調製されてよく、以下の構造:
Figure 2022516120000051
を有する。
(触媒16)は、国際公開公報第2018/170138号(A1)の教示に従って調製されてよく、以下の構造:
Figure 2022516120000052
を有する。
(触媒17)は、国際公開公報第2018/170138号(A1)の教示に従って調製されてよく、以下の構造:
Figure 2022516120000053
を有する。
特定の実施形態において、(c1)触媒成分は、プロ触媒及び助触媒を含む。これらの実施形態において、プロ触媒は、助触媒(活性化剤)、好ましくはカチオン形成助触媒、強ルイス酸、又はこれらの組合せと組み合わせることによって活性化され、活性触媒を形成することができる。
好適なカチオン形成助触媒としては、金属オレフィン重合錯体について当該技術分野において以前から知られているものが挙げられる。例としては、中性ルイス酸、例えばC1-30ヒドロカルビル置換13族化合物、特にトリ(ヒドロカルビル)ホウ素化合物及び各ヒドロカルビルもしくはハロゲン化ヒドロカルビル基中に1~10個の炭素を有するそのハロゲン化(過ハロゲン化を含む)誘導体、より特にペルフルオロ化トリ(アリール)ホウ素化合物、とりわけトリス(ペンタフルオロ-フェニル)ボラン;非ポリマー性、相溶性、非配位性、イオン形成性化合物(酸化条件下でのこのような化合物の使用を含む)、特に相溶性、非配位性アニオンのアンモニウム塩、ホスホニウム塩、オキソニウム塩、カルボニウム塩、シリリウム塩又はスルホニウム塩の使用、もしくは相溶性の非配位性アニオンのフェロセニウム-、鉛-又は銀塩;ならびに前述のカチオン形成助触媒及び技術の組合せが挙げられる。前述の活性化助触媒及び活性化技術は、オレフィン重合用の種々の金属錯体に関して以下の参考文献:EP-A-277,003、米国特許第5,153,157号、同第5,064,802号、同第5,321,106号、同第5,721,185号、同第5,350,723号、同第5,425,872号、同第5,625,087号、同第5,883,204号、同第5,919,983号、同第5,783,512号、国際公開公報第99/15534号、及び国際公開公報第99/42467号中で以前に教示されている
中性ルイス酸の組合せ、特に各アルキル基中に1~4個の炭素を有するトリアルキルアルミニウム化合物及び各ヒドロカルビル基中に1~20個の炭素を有するハロゲン化トリ(ヒドロカルビル)ホウ素化合物、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの組合せ、このような中性ルイス酸混合物とポリマー又はオリゴマーアルモキサンとのさらなる組合せ、及び単一の中性ルイス酸、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとポリマー又はオリゴマーアルモキサンとの組合せを、活性化助触媒として使用することができる。金属錯体:トリス(ペンタフルオロフェニル-ボラン:アルモキサン)の例示的なモル比は、1:1:1~1:5:20、例えば1:1:1.5~1:5:10である。
本開示の一実施形態において助触媒として有用な好適なイオン形成化合物は、プロトンを供与することができるブレンステッド酸であるカチオン、及び相溶性の非配位アニオン、Aを含む。本明細書で使用されるとき、「非配位性」という用語は、4族金属含有前駆体錯体及びそれから誘導される触媒誘導体に配位しないか、又はそのような錯体に弱く配位するだけで、それによって、中性ルイス塩基によって置き換えられるには十分に不安定なままである、アニオン又は物質を指す。非配位アニオンは、カチオン性金属錯体中で電荷均衡アニオンとして機能するときに、アニオン性置換基又はそのフラグメントを該カチオンに移動させず、それによって中性錯体を形成しないアニオンを具体的に指す。「相溶性アニオン」は、最初に形成された錯体が分解した場合に中性に分解されず、所望のその後の重合又は錯体の他の用途を妨げないアニオンである。
好適なアニオンは、2つの成分が組み合わされるときに形成され得る活性触媒種(金属カチオン)の電荷を均衡させることができる電荷保有金属又は半金属コアを含む単一配位錯体を含有するものである。また、該アニオンは、オレフィン系、ジオレフィン系及びアセチレン系不飽和化合物、又は他の中性ルイス塩基、例えばエーテル又はニトリルによって置換されるのに十分に不安定であるべきである。好適な金属としては、アルミニウム、金及び白金が挙げられるが、これらに限定されない。好適な半金属としては、ホウ素、リン、及びケイ素が挙げられるが、これらに限定されない。単一の金属原子又は半金属原子を含む配位錯体を含むアニオンを含有する化合物は、もちろんよく知られており、そして多くの、特にアニオン部分に単一のホウ素原子を含有するこのような化合物は市販されている。
一態様において、好適な助触媒は、以下の一般式:
(L-H) (A)g-であり、式中:
は、中性ルイス塩基であり、
(L-H)は、Lの共役ブレンステッド酸であり、
g-は、g-の電荷を有する非配位性の相溶性アニオンであり、gは1~3の整数である。
より具体的には、Ag-は式:[M’Qであり;式中、
M’は、+3の形式的な酸化状態のホウ素又はアルミニウムであり、
Qは、それぞれの出現時に独立して、ヒドリド、ジアルキルアミド、ハロゲン化物、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシド、ハロ置換ヒドロカルビル、ハロ置換ヒドロカルビルオキシ、及びハロ置換シリルヒドロカルビルラジカル(ペルハロゲン化ヒドロカルビル-ペルハロゲン化ヒドロカルビルオキシ-及びペルハロゲン化シリルヒドロカルビルラジカルを含む)から選ばれ、各Qは、1回以下の出現において、Qがハロゲン化物であるという条件で、最大20個の炭素を有する。好適なヒドロカルビルオキシドQ基の例は、米国特許第5,296,433号に開示されている。
例示的な実施形態において、gは1、すなわち、対イオンは単一の負電荷を有し、Aである。本開示の触媒の調製において特に有用であるホウ素を含む活性化助触媒は、以下の一般式:
(L-H)(BQにより表されてよく、式中:
は、先に定義されるとおりであり;
Bは、3の形式的なホルマール酸化状態のホウ素であり、
Qは、最大20個の非水素原子のヒドロカルビル-、ヒドロカルビルオキシ-、フッ素化ヒドロカルビル-、フッ素化ヒドロカルビルオキシ-、又はフッ素化シリルヒドロカルビル基である(ただし、1度限りにおいて、Qはヒドロカルビルである)。
特に有用なルイス塩基塩は、アンモニウム塩であり、より好ましくは、1つ以上のC12-40アルキル基を含有するトリアルキル-アンモニウム塩である。この態様では、例えばQは、それぞれの出現時に、フッ素化アリール基、特にペンタフルオロフェニル基であり得る。
本開示の改良された触媒の調製において活性化助触媒として使用され得るホウ素化合物の例示的であるが、限定されない例としては、三置換アンモニウム塩、例えば、
トリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリ(sec-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N-ジメチルアニリニウムn-ブチルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N-ジメチルアニリニウムベンジルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(4-(t-ブチルジメチルシリル)-2,3,5,6テトラフルオロフェニル)ボレート、
N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(4-(トリイソプロピルシリル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ボレート、
N,N-ジメチルアニリニウムペンタフルオロフェノキシトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N-ジメチル-2,4,6-トリメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジメチルオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルジオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
多くのジアルキルアンモニウム塩、例えば、
ジ-(i-プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルオクタドデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及び
ジオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
様々な三置換ホスホニウム塩、例えば、
トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルジオクタデシルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及び
トリ(2,6-ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
二置換オキソニウム塩、例えば、
ジフェニルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジ(o-トリル)オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジ(オクタデシル)オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ならびに
二置換スルホニウム塩、例えば、
ジ(o-トリル)スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及び
メチルコタデシルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
本開示のこの態様に加えて、有用な(L-H)カチオンの例には、メチルジオクタデシルアンモニウムカチオン、ジメチルオクタデシルアンモニウムカチオン、及び1又は2個のC14-18アルキル基を含有するトリアルキルアミンの混合物から誘導されるアンモニウムカチオンが含まれるが、これらに限定されない。
他の好適なイオン形成性活性化助触媒は、カチオン性酸化剤の塩と、下記式:
(Oxh+(Ag-によって表される、非配位性の相溶性アニオンを含み、式中、
Oxh+は、h+の電荷を有するカチオン性酸化剤であり、
hは、1~3の整数であり、
g-及びgは、先に定義したとおりである。
カチオン性酸化剤の例としては、フェロセニウム、ヒドロカルビル置換フェロセニウム、Ag、又はPb+2が挙げられる。Ag-の特に有用な例は、ブレンステッド酸含有活性化助触媒に関して先に定義されたアニオン、特にテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
他の好適なイオン形成性活性化助触媒は、カルベニウムイオンと以下の式:
[C]によって表される、非配位性の相溶性アニオンの塩である化合物であり得、
式中、
[C]は、C1-20カルベニウムイオンであり、
これは、-1の電荷を有する非配位性の、相溶性アニオンである。例えば、うまく機能する1つのカルベニウムイオンは、トリチルカチオン、すなわちトリフェニルメチリウムである。
さらなる好適なイオン形成性活性化助触媒は、シリリウムイオンと以下の式:
(Q Si)Aによって表される非配位性の相溶性アニオンとの塩である化合物を含み、
に対応する化合物であり、式中、
は、C1-10ヒドロカルビルであり、Aは先に定義したとおりである。
好適なシリリウム塩活性化助触媒としては、トリメチルシリルテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トリエチルシリリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、及びそれらのエーテル置換付加物が挙げられる。シリリウム塩は、以前にJ.Chem.Soc.Chem.Comm.1993,383-384、ならびにLambert,J.B.,et al.,Organometallics 1994,13,2430-2443に先に一般的に開示されている。付加重合触媒用の活性化助触媒としての上記シリリウム塩の使用は、米国特許第5,625,087号にも記載されている。
アルコール、メルカプタン、シラノール、及びオキシムと、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとの特定の錯体も有効な触媒活性剤であり、本開示に従って使用することができる。かかる助触媒は、米国特許第5,296,433号に開示される。
本明細書での使用に適した活性化助触媒はまた、ポリマー又はオリゴマーアルモキサン(アルミノキサンとも呼ばれる)、特にメチルアルモキサン(MAO)、トリイソブチルアルミニウム変性メチルアルモキサン(MMAO)、又はイソブチルアルモキサン;ルイス酸変性アルモキサン、特に、各ヒドロカルビル又はハロゲン化ヒドロカルビル基中に1~10個の炭素を有する、ペルハロゲン化トリ(ヒドロカルビル)アルミニウム-又はペルハロゲン化トリ(ヒドロカルビル)ホウ素変性アルモキサン、及びとりわけ、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン変性アルモキサンも含む。かかる助触媒は、米国特許第6,214,760号、同第6,160,146号、同第6,140,521号、及び同第6,696,379号に先に開示されている。
米国特許第6,395,671号にさらに開示されている、一般に膨張アニオンと呼ばれる非配位性アニオンを含む助触媒の部類は、オレフィン重合のために本開示の金属錯体を活性化するために好適に使用され得る。一般に、これらの助触媒(イミダゾリド、置換イミダゾリド、イミダゾリニド、置換イミダゾリニド、ベンズイミダゾリド、又は置換ベンズイミダゾリドアニオンを有するものによって例示される)は、以下:
Figure 2022516120000054
のように表すことができ、式中、
*+はカチオン、特にプロトン含有カチオンであり、1又は2個のC10-40アルキル基を含有するトリヒドロカルビルアンモニウムカチオン、特にメチルジ(C14-20アルキル)アンモニウムカチオンであることができ、
は、それぞれの出現時に独立して、水素、又は水素を含まない最大30個の原子のハロ、ヒドロカルビル、ハロカルビル、ハロヒドロカルビル、シリルヒドロカルビル、又はシリル(例えば、モノ-、ジ-及びトリ(ヒドロカルビル)シリル)基、例えば、C1-20アルキルなどであり、
は、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、又はトリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)である。
これらの触媒活性化剤の例としては、トリヒドロカルビルアンモニウム塩、特に、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)-2-ウンデシルイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)-2-ヘプタデシルイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)-4,5-ビス(ウンデシル)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)-4,5-ビス(ヘプタデシル)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)-2-ウンデシルイミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)-2-ヘプタデシルイミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)-4,5-ビス(ウンデシル)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)-4,5-ビス(ヘプタデシル)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)-5,6-ジメチルベンズイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)-5,6-ビス(ウンデシル)ベンズイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)-2-ウンデシルイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)-2-ヘプタデシルイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)-4,5-ビス(ウンデシル)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)-4,5-ビス(ヘプタデシル)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)-2-ウンデシルイミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)-2-ヘプタデシルイミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)-4,5-ビス(ウンデシル)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)-4,5-ビス(ヘプタデシル)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)-5,6-ジメチルベンズイミダゾリド、及び
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)-5,6-ビス(ウンデシル)ベンズイミダゾリドであるメチルジ(Ci4-20アルキル)アンモニウム塩である。
他の活性剤としては、トリス(2,2’,2’’-ノナフルオロビフェニル)フルオロアルミネートなどのPCT公開WO98/07515に記載されているものが挙げられる。活性化剤の組合せ、例えば、アルモキサンとイオン化活性化剤との組合せもまた本開示によって企図されており、例えば、EP-A-0 573120、PCT公開WO94/07928及びWO95/14044、ならびに米国特許第5,153,157号及び同第5,453,410号を参照されたい。例えば、そして一般論として、国際公開公報第98/09996号は、過塩素酸塩、過ヨウ素酸塩及びヨウ素酸塩(それらの水和物を含む)を用いて触媒化合物を活性化することを記載している。国際公開公報第99/18135号は、有機ホウ素アルミニウム活性剤の使用を記載している。国際公開公報第03/10171号は、ブレンステッド酸とルイス酸との付加物である触媒活性剤を開示している。触媒化合物を活性化するための他の活性剤又は方法は、例えば、米国特許第5,849,852号、同第5,859,653号、及び同第5,869,723号に、EP-A-615981に、ならびにPCT公開WO98/32775に記載されている。本開示によれば、前述の触媒活性化剤の全てならびに遷移金属錯体触媒用の他の任意の既知の活性化剤を、単独で又は組み合わせて使用することができる。しかしながら、一態様において、助触媒はアルモキサンを含まなくてもよい。別の態様では、例えば、助触媒は、本明細書に開示されるように、いかなる具体的に命名された活性剤又は活性剤の部類も含まないことがあり得る。
さらなる態様では、使用されるプロ触媒/助触媒のモル比は、一般に、1:10,000~100:1の範囲、例えば1:5000~10:1、又は1:1000~1:1の範囲である。アルモキサンは、活性化助触媒としてそれ自体で使用される場合、大量に、一般にモル基準で金属錯体の量の少なくとも100倍の量で使用することができる。
活性化助触媒として使用される場合、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランは、一般に0.5:1~10:1、例えば1:1~6:1及び1:1~5:1の金属錯体に対するモル比で使用することができる。残りの活性化助触媒は、一般に金属錯体とほぼ等モル量で使用される。
本開示の例示的実施形態において、助触媒は[(C16-1833-37CHNH]テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩である。
好適な助触媒には、米国仮特許出願番号第62650423号、同62650412号及び同62650453号に開示されたものも含まれ、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。かかる助触媒は、アニオン及び対カチオンを含むイオン性錯体であるものを含み、該アニオンは構造:
Figure 2022516120000055
を有し、式中、Mは、アルミニウム、ホウ素、又はガリウムであり、nは2、3又は4であり、各Rは、ラジカル(II)及びラジカル(III):
Figure 2022516120000056
からなる群から独立して選択され、各Yは独立して炭素又はケイ素であり、各R11、R12、R13、R21、R22、R23、R24及びR25は、(C-C40)アルキル、(C-C40)アリール、-OR-、-O-、-SR、-H又はFから独立して選択され、式中、Rがラジカル(III)によるラジカルである場合、少なくとも1つのR21-25は、ハロゲン置換(C-C40)アルキル、ハロゲン置換(C-C40)アリール、もしくは-Fであり、各Rがラジカル(II)であり、かつYが炭素の場合、少なくとも1つのR11-13は、ハロゲン置換(C-C40)アルキル、ハロゲン置換(C-C40)アリール、もしくは-Fであり、又はMがアルミニウムであり、nが4であり、各Rがラジカル(II)であり、各Yは炭素であり、各Rの各R11、R12及びR13はハロゲン置換(C-C40)アルキル、ハロゲン置換(C-C40)アリール、もしくは-Fであり、又は各RのR11、R12及びR13におけるハロゲン原子の総数は、少なくとも6であり、各Xはハロゲン置換(C-C20)アルキル、(C-C20)アルキル、ハロゲン置換(C-C40)アリール、(C-C40)アリール、トリフレート、もしくは-S(O)から独立して選択される単座配位子であり、任意で2つの基であるRは共有結合され、各R及びRは独立して、(C-C30)ヒドロカルビルもしくは-Hである。
かかる助触媒は、アニオン及び対カチオンを含むバイメタル活性化剤錯体をさらに含み、該アニオンは、構造:
Figure 2022516120000057
を有し、この場合、各Mは、独立してアルミニウム、ホウ素、又はガリウムであり;Lは少なくとも2つのルイス塩基部位を有する種から選択され;各Qは、独立して単座配位子であり;nは、0、1、又は2であり、式中、nが0である場合、Qは存在せず;xは0、1又は2であり、式中、xが0である場合、Qは存在せず;各Rは、独立してラジカル(II)及びラジカル(III):
Figure 2022516120000058
からなる群から選択され、各Yは独立して炭素又はケイ素であり、各R11、R12、R13、R21、R22、R23、R24及びR25は、(C-C40)アルキル、(C-C40)アリール、-H、-NR 、-OR、-SR又はハロゲンから選択され、式中、Rがラジカル(II)である場合、少なくとも1つのR11-13はペルハロゲン化(C-C40)アルキル、ペルハロゲン化(C-C40)アリール、又はFであり、Rがラジカル(III)である場合、少なくとも1つのR21-25は、ペルハロゲン化(C-C40)アルキル、ペルハロゲン化(C-C40)アリール、又はFであり、任意では、nが0又は1の場合、2つのR基は共有結合され、各R及びRは独立して、(C-C30)ヒドロカルビルもしくは-Hである。
かかる助触媒は、アニオン及び対カチオンを含む金属活性化剤をさらに含み、該アニオンは、構造:
Figure 2022516120000059
を有し、この場合、nは0又は1であり;各Rは独立してラジカル(II)及びラジカル(III):
Figure 2022516120000060
からなる群から選択され、各Yは独立して炭素又はケイ素であり;各R11、R12、R13、R21、R22、R23、R24及びR25は、(C-C40)アルキル、ハロゲン置換(C-C40)アルキル、(C-C40)アリール、ハロゲン置換(C-C40)アリール、-OR、-SR、-H、-F又はClから独立して選択され、式中、R11-13の少なくとも1つ及びR21-25の少なくとも1つは、ハロゲン置換(C-C40)アルキル、ハロゲン置換(C-C40)アリール、又はFであり、各Xは、ハロゲン置換(C-C20)アルキル又はハロゲン置換(C-C40)アリールから独立して選択される単座配位子であり;任意で、2つのX基は共有結合され;各Rは独立して、ハロゲン置換(C-C30)ヒドロカルビルである。ただし、これは対カチオンが(Ph)であり、アニオンがAl(Cである場合である。
用途及び最終使用
本開示の連鎖移動剤は、ポリオレフィンの重合に使用され得る。特定の実施形態において、連鎖移動剤は、式(I):A2(I)の新規テレケリックポリオレフィンを調製するためのプロセス中に使用されてよく、式中、
は、ポリオレフィンであり;
は、ビニル基、式CH=C(Y)-であるビニリデン基、式YCH=CH-であるビニレン基、ビニル基と式YCH=CH-であるビニレン基の混合物、ビニル基と式CH=C(Y)-であるビニリデン基、式CH=C(Y)-であるビニリデン基と式YCH=CH-であるビニレン基の混合物、及びビニル基と、式CH=C(Y)-であるビニリデン基と、式YCH=CH-であるビニレン基との混合物からなる群から選択され;
それぞれが独立して出現するYは、C-C30ヒドロカルビル基であり;
は、C-C32ヒドロカルビレン基であり;
は、嵩高い二重結合を含むヒドロカルビル基である。
特定の実施形態において、Lは-CHCH(Y)-であり、この結果、式(I)のテレケリックポリオレフィンは、ACHCH()Aであり、式Y中、Yは水素又はC-C30ヒドロカルビル基である。特定の実施形態において、Y基は水素である。さらなる実施形態において、Y基は、C-C10アルキル基、又はC-Cアルキル基、又はC-Cアルキル基である。さらなる実施形態において、Y基はエチル基である。
当業者は、式Aといった観点において理解するように、Aは炭素-炭素単結合を介してLに共有結合され、Lは炭素-炭素単結合を介してLに共有結合され、Lは炭素-炭素単結合を介してAに共有結合される。したがって、式AのLがポリオレフィンであると本明細書に記載される場合、Lは、炭素-炭素単結合を介してA及びLのそれぞれに共有結合される2価のポリオレフィニル基(2つの水素を欠損しているポリオレフィン)であることが理解される。同様に、式AのLがポリマーであると記載される場合、Lは、炭素-炭素単結合を介してA及びLのそれぞれに共有結合される2価のポリメリル基(2つの水素を欠損しているポリマー)であることが理解される。例えば、Lがエチレンホモポリマーであると記載される場合、Lは、炭素-炭素単結合を介してA及びLのそれぞれに共有結合される2価のエチレンホモポリメリル基(2つの水素を欠損しているエチレンホモポリマー)であることが理解される。さらなる例として、Lがエチレン/α-オレフィンコポリマーであると記載される場合、Lは、炭素-炭素単結合を介してA及びLのそれぞれに共有結合される2価のエチレン/α-オレフィンコポリメリル基(2つの水素を欠損しているエチレン/α-オレフィンコポリマー)であることが理解される。
いくつかの実施形態において、式(I)のLは、不飽和モノマー(及びコモノマー)の配位重合から生じるポリオレフィンである。好適なモノマー(及びコモノマー)の例には、3~30個の炭素原子、好ましくは、例えばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、3,5,5-トリメチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、5-エチル-1-ノネン、1-オクタデセン及び1-エイコセンといった3~20個の炭素原子のエチレン及びα-オレフィン;例えばブタジエン、イソプレン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ペンタジエン、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、1,3-ヘキサジエン、1,5-ヘプタジエン、1,6-ヘプタジエン、1,3-オクタジエン、1,4-オクタジエン、1,5-オクタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン、及び5,9-ジメチル-1,4,8-デカトリエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン、3,7-ジメチル-1,7-オクタジエン及びジヒドロミルセンとジヒドロシメンの混合された異性体といった共役ジエン又は非共役ジエン;例えば、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-プロペニル-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、5-(4-シクロペンテニル)-2-ノルボルネン、5-シクロヘキリデン-2-ノルボルネン、及びノルボルナジエンといったノルボルネン及びアルケニル、アルキリデン、シクロアルケニル及びシクロアルキリデンノルボルネン;ならびにスチレン、モノ又はポリアルキルスチレン(スチレン、o-メチルスチレン、t-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、o,p-ジメチルスチレン、o-エチルスチレン、m-エチルスチレン及びp-エチルスチレンを含む)といった芳香族ビニル化合物が挙げられるがこれらに限定されない。
であるポリオレフィンは、線状(非分枝状)、分枝状、又は環状であってよい。Lにおける分岐の有無、及び(仮に分岐が存在する場合の)分岐の量は、広範囲に変化し得、所望の処理条件及び所望のポリマー特性に依存してよい。分岐がL中に存在する場合、分岐は短鎖分岐又は長鎖分枝であってもよい。L中に存在する可能性のある長鎖分岐の例示的なタイプには、T型分岐及びH型分岐が含まれるが、これらに限定されない。したがって、いくつかの実施形態において、Lは長鎖分岐を含んでよい。換言すると、いくつかの実施形態において、Lは1つ又は複数の長鎖分岐を含んでよく、各長鎖分岐は、式(I)に関して、本明細書において定義されるようなA基を任意で含む。
いくつかの実施形態において、式(I)のAは、モノマー及びコモノマーの配位重合に基づき、末尾の挿入されたモノマー又はコモノマーと相関してLを形成する。したがって、Lの配位重合のためのモノマー及びコモノマーの選択は、A基及びY基が何であり得るかを示す。いくつかの実施形態において、A基はビニル基である。いくつかの実施形態において、A基は式CH=C(Y)-であるビニリデン基であり、式中、YはC-C30ヒドロカルビル基である。いくつかの実施形態において、A基は式YCH=CH-であるビニレン基であり、式中、YはC-C30ヒドロカルビル基である。いくつかの実施形態において、A基はビニル基と、式YCH=CH-であるビニレン基との混合物であり、式中、YはC-C30ヒドロカルビル基である。いくつかの実施形態において、A基は、ビニル基と式CH=C(Y)-であるビニリデン基との混合物であり、式中、YはC-C30ヒドロカルビル基である。いくつかの実施形態において、A基は、式CH=C(Y)-であるビニリデン基と、式YCH=CH-であるビニレン基との混合物であり、式中、YはC-C30ヒドロカルビル基である。いくつかの実施形態において、A基は、ビニル基と、式CH=C(Y)-であるビニリデン基と、式YCH=CH-であるビニレン基との混合物であり、式中、YはC-C30ヒドロカルビル基である。
さらなる実施形態において、A基は、ビニル基と、式YCH=CH-であるビニレン基との混合物であり、式中、Aは、0.99:0.01~0.01:0.99であるビニル基と式YCH=CH-であるビニレン基との比率を含み、式中、YはC-C30ヒドロカルビル基である。
さらなる実施形態において、A基は、ビニル基と、式CH=C(Y)-であるビニリデン基との混合物であり、式中、Aは、0.99:0.01~0.01:0.99であるビニル基と式CH=C(Y)-であるビニリデン基との比率を含み、式中、YはC-C30ヒドロカルビル基である。
さらなる実施形態において、A基は、式CH=C(Y)-であるビニリデン基と式YCH=CH-であるビニレン基との混合物であり、式中、Aは、0.99:0.01~0.01:0.99である式CH=C(Y)-であるビニリデン基と式YCH=CH-であるビニレン基との比率を含み、式中、YはC-C30ヒドロカルビル基である。
さらなる実施形態において、A基は、ビニル基と、式CH=C(Y)-であるビニリデン基と式YCH=CH-であるビニレン基との混合物であり、式中、Aは、0.99:0.01~0.01:0.99である、ビニル基と式YCH=CH-であるビニレン基、式CH=C(Y)-であるビニリデン基及びビニル基の総計との比率を含み、式中、YはC-C30ヒドロカルビル基である。
特定の実施形態において、Lは1つのモノマーから誘導された単位を含むホモポリマーである。モノマーは、前述の好適なモノマーのいずれかから選択されてよい。さらなる実施形態において、Lは、エチレンから誘導された単位を含むエチレンホモポリマーである。さらなる実施形態において、Lは、プロピレンから誘導された単位を含むプロピレンホモポリマーである。
いくつかの実施形態において、Lは、例えばモノマー及びコモノマーといった少なくとも2つの異なるタイプのモノマーから誘導された単位を含むインターポリマーである。したがって、特定の実施形態において、Lは、モノマー及び該モノマーとは異なる少なくとも1つのコモノマーから誘導された単位を含むインターポリマーである。該モノマー及び該モノマーとは異なる少なくとも1つの該コモノマーのそれぞれは、前述の好適なモノマーのいずれかから選択されてよい。
さらなる実施形態において、Lは、例えばモノマー及びコモノマーといった2つの異なるタイプのモノマーから誘導された単位を含むコポリマーである。したがって、特定の実施形態において、Lは、モノマーから誘導された単位及び該モノマーとは異なるコモノマーを含むコポリマーである。該モノマー及び該コモノマーのそれぞれは、前述の好適なモノマーのいずれかから選択されてよい。
特定の実施形態において、Lは、エチレン/α-オレフィンコポリマーである。いくつかの実施形態において、Lは、エチレンから誘導された単位を含むエチレン/α-オレフィンコポリマー及びC-C30α-オレフィンであり、式中、式(I)のテレケリックポリオレフィンは、式(I)のテレケリックポリオレフィンの総重量に基づき、50重量%以上、又は60重量%以上、又は70重量%、又は75重量%以上、又は80重量%以上、又は85重量%以上、又は88重量%以上、又は89重量%以上、又は90重量%以上であるエチレンの量を含む。C-C30α-オレフィンは、前述の好適なα-オレフィンのいずれかから選択されてよい。特定の実施形態において、C-C30α-オレフィンは、プロピレン、イソブチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセンなどであってよい。いくつかの実施形態において、Lは、エチレンから誘導された単位を含むエチレン/α-オレフィンコポリマー及びC-C30α-オレフィンであり、この場合、C-C30α-オレフィンは、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、及び1-オクテンからなる群から選択される。
さらなる実施形態において、Lは、プロピレン/α-オレフィンコポリマーである。いくつかの実施形態において、Lは、プロピレンから誘導された単位を含むプロピレン/α-オレフィンコポリマー及びエチレン又はC-C30α-オレフィンのいずれかであり、式中、式(I)のテレケリックポリオレフィンは、式(I)のテレケリックポリオレフィンの総重量に基づき、50重量%以上、又は60重量%以上、又は70重量%、又は75重量%以上、又は80重量%以上、又は85重量%以上、又は88重量%以上、又は89重量%以上、又は90重量%以上であるプロピレンの量を含む。C-C30α-オレフィンは、前述の好適なα-オレフィンのいずれかから選択されてよい。特定の実施形態において、C-C30α-オレフィンは、イソブチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセンなどであってよい。特定の実施形態において、Lは、プロピレンから誘導された単位を含むプロピレン/α-オレフィンコポリマー及びC-C30α-オレフィンであり、この場合、C-C30α-オレフィンは、1-ブテン、1-ヘキセン、及び1-オクテンからなる群から選択される。
特定の実施形態において、Lは、3つの異なるタイプのモノマーから誘導された単位を含むターポリマーであり、そのそれぞれが、前述の好適なモノマーのいずれかから選択されてよい。さらなる実施形態において、Lは第1モノマーとしてエチレン又はプロピレン、第2モノマーとしてC-C30α-オレフィン又はスチレン、及び第3モノマーとしてジエン又は極性ポリマーを含むターポリマーである。
いくつかの実施形態において、Lは、式(I)のテレケリックポリオレフィンの総重量に基づき、ジエンモノマーから誘導された0~10重量%の単位から構成される。例えば、Lは、式(I)のテレケリックポリオレフィンの総重量に基づき、1~8重量%、又は1~5重量%、又は1~3重量%のジエンモノマーから誘導された単位を含んでよい。さらなる実施形態において、Lは、ジエンモノマーから誘導された単位を実質的に含まなくてよい。例えば、特定の実施形態において、Lは、式(I)のテレケリックポリオレフィンの総重量に基づき、0~1重量%、又は0~0.2重量%、又は0~0.01重量%、又は0~0.001重量%、又は0~0.0001重量%のジエンモノマーから誘導された単位を含んでよい。
特定の実施形態において、Lは本明細書に定義されるようなオレフィンブロックコポリマーである。さらなる実施形態において、Lは、本明細書に定義されるようなブロック複合体、特定のブロック複合体、又は結晶性ブロック複合体である。
材料の調製
特に明記されていない限り、全ての出発試薬及び材料をSigma-Aldrichから入手した。以下の実施例で使用されるプロ触媒である(触媒1)、(触媒13)、(触媒14)及び(触媒17)、ならびにその他のものは、前述のものと同じものであり、前述の方法に従ってこれを調製した。プロ触媒(触媒1)は、[N-(2,6-ジ(1-メチルエチル)フェニル)アミド)(2-イソプロピルフェニル)(α-ナフタレン-2-ジイル(6-ピリジン-2-ジイル)メタン)]ハフニウムジメチルとしても認識され得る。「助触媒A」は、以下の実施例で使用される助触媒であり、ビス(水素化タロアルキル)メチル、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(1-)アミンである。
トリス(2-(シクロヘキサ-3-エン-1-イル)エチル)アルミニウム(「CTA1」)の合成。本開示の例示的な連鎖移動剤を以下のように調製した。ドライボックス内に、4-ビニル-1-シクロヘキセン(3.2mL、24.6mmol)及びトリイソブチルアルミニウム(2.0mL、7.92mmol)を、撹拌棒及びキャップ上に通気針を備えたバイアル中の5mLのデカンに加えた。この混合物を3時間撹拌させながら120℃で加熱した。3時間後、サンプルをH NMR解析のためにベンゼン-d6に溶解させ、別のアリコートを水で加水分解し、GC/MSにより解析した。H NMRは、全てのビニル基が反応し、かつ内部の二重結合が残存していることを示した(図1A)。GC/MSは、エチルシクロヘキセンの分子量と一致する、110のm/zで明瞭なピークを示した(図1B)。したがって、H NMR及びGC/MSにより、非限定的なスキーム1によるトリス(2-(シクロヘキセ-3-エン-イル)エチル)アルミニウム(「CTA 1」)の合成を確認した。
Figure 2022516120000061
スキーム1
トリス(3,7-ジメチルオクテ-6-エン-1-イル)アルミニウム(「CTA 2」)の合成:窒素で満たされたドライボックス内に、40mLのバイアルに撹拌棒を備えつけ、DIBAL-H(8.10mL、9.64mmol、20重量%のトルエン溶液)及びシトロネレン(4.00g、28.93mmol;異性体の混合物)を加えた。バイアルを加熱ブロックに配置し、通気針を上部空間へと挿入した。溶液を110~112℃で9時間加熱し、無色透明な溶液を生じさせた([Al]=0.88M)。物質を、C中に溶解されたアリコートのH NMR(図2)及び加水分解されたアリコートのGC/MS(m/z=140)により、所望の生成物であると測定した。したがって、H NMR及びGC/MSにより、非限定的なスキーム2によるトリス(3,7-(ジメチルオクテ-6-エン-1-イル)アルミニウム(「CTA 2」)の合成を確認した。
Figure 2022516120000062
スキーム2
ヘキセ-4-エン-1-イルジイソブチルアルミニウム(「CTA 3」)の合成:本開示の例示的な連鎖移動剤を以下のように調製した。窒素で満たされたドライボックス内で、DIBAL-H(0.800g、5.63mmol)と1,4-ヘキサジエン(0.65mL、5.63mmol、d 0.710;シス異性体及びトランス異性体の混合物)を、3mLの、乾燥させ、脱ガスされたトルエンに加えた。反応混合物を、14時間にわたり25℃で撹拌した。加水分解されたサンプルのH NMR解析(以下で加水分解手順を確認されたい)は、何ら反応を示さなかった。溶液を、22時間にわたり60℃で加熱した。バイアルを25℃まで冷却させた後、アリコートを加水分解させて解析した。反応の完了を、出発ジエンの消失ならびに加水分解生成物であるイソブタン及びに2-ヘキセンと一致する信号の出現により、提示されるH NMRにより観察した。解析のため、バイアルの中で、Cで約0.1mLのサンプルを約2mLに希釈することにより加水分解を行い、グローブボックスからサンプルを取り出し、約0.1mLの窒素パージした水をシリンジで加えた。バイアルを振盪した後、この混合物を0.45μmのシリンジフィルタに通した。有機相は水相よりも容易に通ることから、解析のために有機相を迅速に単離することが可能である。次に、このサンプルを少量のシリカゲルと混合させ、再びろ過した。これにより、ゲル化を引き起こし得る残留Al種を除去する。したがって、H NMRにより、非限定的なスキーム3によるヘキセ-4-エン-1-イルジイソブチルアルミニウム(「CTA 3」)の合成を確認した。
Figure 2022516120000063
スキーム3
ビス(-2-エチルヘキセ-4-エン-1-イル)亜鉛(「CTA 4」)の合成:窒素で満たされたドロップボックス内で、ジエチル亜鉛(3.40mL、5.00mmol、トルエン中20重量%)、1,4-ヘキサジエン(1.16mL、10.00mmol、d 0.710;シス異性体及びトランス異性体の混合物)、及び活性化剤[HNMe(C1837][B(C](1.40mL、0.09mmol、メチルシクロヘキサン中0.064M)をバイアル中で混合した。(触媒13)(0.045g、0.08mmol)を固体として加え、反応混合物を25℃で20時間撹拌させた。加水分解されたサンプル(以下で加水分解手順を確認されたい)のH NMR及びGC/MS解析は、完全な反応を示した。H NMRは、出発ジエンの消失及び加水分解生成物である5-メチルヘプト-2-エンと一致する信号の出現により示した。GC/MSは、予測される同じ加水分解生成物を示した。したがって、H NMR及びGC/MSにより、非限定的なスキーム4によるビス(-2-エチルヘキセ-4-エン-1-イル)亜鉛(「CTA 4」)の合成を確認した。
Figure 2022516120000064
スキーム4
「CTA 5」の合成:ジエチル亜鉛(0.66mL、0.97mmol、1.47Mのトルエン溶液)、4-ビニルシクロヘキセン(1.77mL、13.58mmol;d 0.832)、活性化剤([HNMe(C1837][B(C]のメチルシクロヘキサン(0.60mL、0.039mmol;0.0644M)溶液及びトリエチルアルミニウム(0.53mL、3.88mmol;原液、93%)をトルエン(~10mL)に溶解させた。(触媒13)(0.023g、0.039mmol)を固体として加え、反応混合物を25℃で14時間撹拌させた。アリコートをC中に溶解させ、水でクエンチした。GC/MS及びH NMRは、4-ビシクロヘキセンの消費及び所望の生成物(m/z=138)の形成を確認した。したがって、これにより、CTA5が非限定的なスキーム5によって調製されたことを確認する。
Figure 2022516120000065
スキーム5
「CTA 6」の合成:トリス(2-(シクロヘキセ-3-エン-1-イル)エチル)アルミニウム(10mL、[Al]=0.424M)のトルエン溶液を、ジイソブチル亜鉛(0.286g、1.59mmol)及び4-ビニルシクロヘキセン(0.416mL、3.19mmol;d 0.830)と混合させた。この溶液を、通気針がバイアルのセプタム付キャップを通して挿入された状態で4時間にわたり110℃で加熱し、イソブチレンを排出させた。この処理中、DIBZからのiBu基はAlに移動し、4-ビニルシクロヘキセンの挿入に続いてイソブチレンを熱除去することで、確実にAl及びZn上の全てのアルキル基がシクロヘキセニルエチル基である状態とした。この混合物のアリコート(0.1mL)を、C(0.5mL)で希釈し、H NMR解析のために加水分解した。H NMR分析(図3)は、CTAを非限定的なスキーム6により合成することを確認した。
Figure 2022516120000066
スキーム6.
「CTA 7」の合成:CTA 7の合成は、非限定的なスキーム7に例示され、以下に記載される。これを2つの工程で実施した。第1工程では、トリビニルシクロヘキサン(TVCH)を、触媒量のDIBAL-Hが存在する状態で分子内環化によりジエンに転換し、第2工程では、追加のDIBAL-Hを加えてCTAを形成した。このようにして、窒素で満たされたドライボックス内で、DIBAL-H(0.30g、2.11mmol)をTVCH(4.09mL、21.1mmol、d 0.836)に加えた。混合物を160℃で加熱し、2時間撹拌して環化TVCHを形成した。別個のバイアル中に、追加のDIBAL-H(0.35g、2.46mmol)をデカン(5mL)中に溶解させ、上で得られた環化TVCH(2.05mL、10.5mmol)を一部加えた。この溶液を130℃で2時間維持し、Al-TVCH溶液を得た。
Figure 2022516120000067
スキーム7
「CTA 8」の合成:CTA 8の合成は、非限定的なスキーム8に例示され、以下に記載される。窒素で満たされたドライボックス内に、20mLのバイアルに撹拌棒を備えつけ、DIBAL-H(2.00mL、2.39mmol)、20重量%のトルエン溶液(1.196M)及び(R)-(+)-リモネン(2.32mL、14.35mmol;d 0.842)を加えた。バイアルを加熱ブロックに配置し、通気針を、セプタム付キャップを通して挿入し、この溶液を110~112℃で11時間にわたって加熱した。溶媒及び過剰なリモネンを真空下で50℃にて一晩除去し、無色の粘性油として所望の生成物を得た(0.870g、83%)。
Figure 2022516120000068
スキーム8
「CTA 9」の合成:CTA 9の合成は、非限定的なスキーム9に例示され、以下に記載される。窒素で満たされたドライボックス内に、40mLのバイアルに撹拌棒を備えつけ、DIBAL-H(2.00g、14.06mmol)、トルエン(9.2mL)及び7-メチル-1,6-オクタジエン(5.24g、42.19mmol)を加えた。即時の発熱(いくらか泡立ちを伴う)を観察した。バイアルを加熱ブロックに配置し、通気針を、セプタム付キャップを通して挿入し、この溶液を110~112℃で3時間にわたって加熱した。3時間の反応時間後、アリコートは反応の進行を示した。この溶液は、少量の懸濁した白色固体粒子を含有した。反応をさらに22時間継続させた。反応をほぼ完了させた。アルケン試薬からの少量の二量体形成を観察した。反応をさらに16時間継続させた。アリコートの分析は、著しい変化を何ら示さなかった。
Figure 2022516120000069
スキーム9
テレケリックポリオレフィンのバッチリアクタ合成
本開示の例示的なポリオレフィン及びテレケリックポリオレフィンを、以下に従いバッチリアクタにより合成した。
表1に従い、CTA 5(触媒1)及び助触媒Aを用いてバッチリアクタの運転を実施した。表1を参照すると、B1は、1:1.2:10である(触媒1):助触媒A:スカベンジャー比率を有する、スカベンジャーMMAO-3Aを使用した。運転B2~B7は、1:1.2のプロ触媒:助触媒比率を使用した。表1中の全ての運転を水素なしで実施した。全ての運転は、以下:エチレン(g):20、1-オクテン(g):60、圧力(psi):55、溶媒(Isopar E、g):1325といった条件を有した。CTA 5の装填は、移動可能な基の数に基づいていた。運転B1、B2、B4及びB6は120℃で10分間であった。運転B3、B5及びB7は、20分間にわたって200℃への追加の加熱工程を含んだ(120~200℃の遷移時間は除外)。以下の手順に従い、バッチリアクタの運転を実施した。
各運転にて、1ガロンの撹拌オートクレーブリアクタに、Isopar(商標)E混合アルカン溶媒、所望の質量のプロピレン及びCTA 5を加えた。リアクタを120℃に加熱し、エチレンを加えた。(触媒1)と活性化剤混合物(1.2等量の助触媒A及び10等量の変性メチルアルミノキサン(MMAO-3A)の混合物)を混合することにより、不活性雰囲気下にてドライボックス内にて活性触媒溶液を調製する。この場合、活性触媒溶液は、1:1.2である(触媒1)と助触媒Aとの比率を有する。活性触媒溶液をリアクタに投入し、重合を開始させる。リアクタの圧力及び温度を、重合中にエチレンを供給し、かつ必要に応じてリアクタを冷却することにより一定に保つ。10分後、リアクタを200℃に加熱し、この温度で20分間維持した。エチレンの供給を遮断し、ポリマー溶液を窒素パージした樹脂製ケトルに移動させた。リン安定化剤及びフェノール抗酸化剤を含有する添加溶液(トルエン中の重量が2:1の比率であるIrgafos(登録商標)168及びIrganox(登録商標)1010)を加え、ポリマー中約0.1%の総添加量を得た。ポリマーを真空オーブン内で十分乾燥させる。
Figure 2022516120000070
表2に見られるように、CTA 6を用いた同様のバッチリアクタの運転を行った。ここでは、プロ触媒は触媒1であり、活性化剤は[HNMe(C1837][B(C]であった。以下:プロ触媒:活性化剤=1:2、MMAO-3Aは、エントリー1のみで使用した(プロ触媒:活性化剤:MMAO=1:1.2:10)、全ての運転を水素なしで実施、エチレン(g):20、プロピレン(g):60、圧力(psig):155、溶媒(Isopar E、g):1325といった条件を報告した。
Figure 2022516120000071

Claims (5)

  1. 式Al(CHCH(Y)Aの有機アルミニウム化合物及び式Zn(CHCH(Y)Aの有機亜鉛化合物を含む有機金属組成物であって、式中、
    それぞれが独立して出現するYは、水素又はC-C30ヒドロカルビル基であり、
    それぞれが独立して出現するAは、嵩高い二重結合を含むヒドロカルビル基である、組成物。
  2. 前記嵩高い二重結合が、ビニリデン基の二重結合、ビニレン基の二重結合、三置換アルケンの二重結合、及び分岐アルファ炭素に結合されるビニル基の二重結合からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. が、C-C30環状ヒドロカルビル基又はC-C30非環状ヒドロカルビル基である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. が、非置換シクロアルケン基、アルキル置換シクロアルケン基、及び非環状アルキル基からなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. が、
    Figure 2022516120000072
    からなる群から選択され、
    (AC)及び(AF)中の環内二重結合が、環員である任意の2つの隣接する炭素原子の間にあり得、(AF)のペンダントメチル基が、環員である任意の炭素原子に結合され得る、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
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