JP2022513039A - 並流ガス吸収方法及び強化された吸収体を有するシステム - Google Patents

並流ガス吸収方法及び強化された吸収体を有するシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2022513039A
JP2022513039A JP2021526386A JP2021526386A JP2022513039A JP 2022513039 A JP2022513039 A JP 2022513039A JP 2021526386 A JP2021526386 A JP 2021526386A JP 2021526386 A JP2021526386 A JP 2021526386A JP 2022513039 A JP2022513039 A JP 2022513039A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
solvent
flow
stream
parallel flow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021526386A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7421553B2 (ja
Inventor
ジョン ティモシー カリナン
ピー スコット ノースロップ
Original Assignee
エクソンモービル アップストリーム リサーチ カンパニー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エクソンモービル アップストリーム リサーチ カンパニー filed Critical エクソンモービル アップストリーム リサーチ カンパニー
Publication of JP2022513039A publication Critical patent/JP2022513039A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7421553B2 publication Critical patent/JP7421553B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/14Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by absorption
    • B01D53/1406Multiple stage absorption
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/14Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by absorption
    • B01D53/1456Removing acid components
    • B01D53/1468Removing hydrogen sulfide
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/14Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by absorption
    • B01D53/1456Removing acid components
    • B01D53/1475Removing carbon dioxide
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/14Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by absorption
    • B01D53/1493Selection of liquid materials for use as absorbents
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2221/00Applications of separation devices
    • B01D2221/04Separation devices for treating liquids from earth drilling, mining
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2252/00Absorbents, i.e. solvents and liquid materials for gas absorption
    • B01D2252/20Organic absorbents
    • B01D2252/204Amines
    • B01D2252/20478Alkanolamines
    • B01D2252/20484Alkanolamines with one hydroxyl group
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2252/00Absorbents, i.e. solvents and liquid materials for gas absorption
    • B01D2252/20Organic absorbents
    • B01D2252/204Amines
    • B01D2252/20478Alkanolamines
    • B01D2252/20489Alkanolamines with two or more hydroxyl groups
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02CCAPTURE, STORAGE, SEQUESTRATION OR DISPOSAL OF GREENHOUSE GASES [GHG]
    • Y02C20/00Capture or disposal of greenhouse gases
    • Y02C20/40Capture or disposal of greenhouse gases of CO2

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Gas Separation By Absorption (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)

Abstract

ガス処理システムを説明する。ガス処理システムは、酸ガスを含むサワー供給ガス流と溶媒流とを接触させ、部分的にスイートニングしたガス流及び酸ガスを吸収したリッチ溶媒流を生成するように構成した多数の並流接触システムを備える。並流接触システムの少なくとも1つはリッチ溶媒流を再生装置に送るように構成している。再生装置は、吸収した酸ガスをリッチ溶媒流から除去し、リーン溶媒流を生成するように構成している。ガス処理システムは、リーン溶媒流の少なくとも一部を処理して強化溶媒流を生成するように構成した溶媒処理装置、並びに部分的スイートニングガス流と強化溶媒流とを接触させて部分的に負荷を掛けた溶媒流及び最終ガス流を生成するように構成した最終並流接触システムも備える。【選択図】図3

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月19日出願の米国仮特許出願第62/769144号、名称「ENHANCED ACID GAS REMOVAL WITHIN A GAS PROCESSING SYSTEM(ガス処理システム内での酸ガス除去の強化)」の優先的利益を主張するものである。
本技術は、並流フロースキームを備えるガス処理システム内で、処理溶媒を使用し、ガス流からの酸ガスの除去を強化するものである。より具体的には、本技術は、ガス流から酸ガスを選択的に除去する溶媒の能力を強化するために、ガス処理システムの最終段階に関連する溶媒処理装置の使用を提供する。
本項は、本技術の例示的な実施形態に関連する可能性のある、当技術分野の様々な態様を導入することを意図している。この記述は、本技術の特定の態様を良く理解できるような枠組みを提供することに役立つと考えられる。従って、本項はこの観点から読み解くべきであり、必ずしも先行技術を認めるものではないことを理解すべきである。
貯留槽から炭化水素を生成すると、非炭化水素ガスが偶発的に生成されることが多い。このようなガスには硫化水素(H2S)や二酸化炭素(CO2)などの汚染物質が含まれる。H2SやCO2が炭化水素ガス流の一部として生成されると、その原料ガス流は「サワーガス」と呼ぶこともある。H2SとCO2とを合わせて「酸ガス」と呼ぶことも多い。
炭化水素生成流以外に、酸ガスは合成ガス流又は精製所ガス流に付帯する場合もある。酸ガスはガス処理設備における、いわゆるフラッシュガス流中にも存在する場合がある。更に、酸ガスは石炭、天然ガス、又は他の炭素質燃料の燃焼により生成する場合もある。
天然ガス流はH2S及びCO2のみならず、他の「酸性」不純物を含有する場合もある。これら不純物には、メルカプタンや他の微量な硫黄化合物(例えばCOS)が挙げられる。また、天然ガス流は水を含有する場合もある。このような不純物は工業や家庭で使用する前に除去することが多い。例えば、通常、販売前にH2Sは4百万分率(ppm)未満の濃度に、CO2は2~3体積パーセント(vol%)未満の濃度になるように、天然ガス流を精製する。このような不純物をどの程度除去すべきかは、公共の安全を確保すること、及び腐食を抑えてパイプラインの完全性を維持することを支援するパイプライン規制により規定する。
酸ガス除去は高コストかつ設備集約的な工程である。天然ガス流からのH2Sの除去は、毒性のH2Sを扱う際の安全性、健康、及び環境への配慮、並びに硫黄副生成物の固体硫黄への処理、又は酸ガス注入法によるH2Sリッチガスの注入により、特に複雑である。
原料天然ガス流から酸ガスを除去するための様々な方法が考案されている。例えば、原料天然ガス流を溶媒で処理してもよい。溶媒としては、アミンなどの化学溶媒が挙げられる。サワーガス処理に使用するアミンの例としては、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、及びメチルジエタノールアミン(MDEA)が挙げられる。
化学溶媒の代わりに物理溶媒を使用することもある。その例として、SELEXOL(商標)(Dow Chemical Company製)及びRECTISOL(登録商標)(The Linde Group製)が挙げられる。しかし、特に約2.07MPa(約300psia)未満の供給ガス圧力では、一般的に化学溶媒の方が物理溶媒より効果的である。場合によっては、物理溶媒と化学溶媒との混合物であるハイブリッド溶媒を使用することもある。その一例はSulfinol(登録商標)である。
アミン系溶媒などの化学溶媒は天然ガス流内の溶媒と酸ガスとの化学反応に依存する。この反応方法は「ガススイートニング」と呼ぶこともある。一例として、酸ガスと第3級アミン(R123‐N)との反応を以下の式1及び式2に示す。
R‐NH2+H2S→R‐NH2++SH-(非常に速い反応)(式1)
R‐NH2+CO2+H2O→R‐NH2++HCO3 -(遅い反応)(式2)
式1に示すように、H2Sとアミンとの反応は本来非常に速く、拡散や他の速度論的制限に関しては瞬間的であるとみなすことが多い。しかし、式2に示すように、CO2の反応の方はやや遅い。これらの反応速度の差を利用して、ガス処理システム内で1種の不純物を他の不純物から選択的に除去することが可能となる。なお、第一級及び第二級アミンは、カルバメートを形成するCO2との反応経路が速い。従って、これらのアミンは通常、選択的なH2S除去には使用できない。この例外として、CO2がアミノ水素と反応してカルバメートを形成することを防止する「立体障害」アミンが挙げられる。
シェールガスでは、CO2がほとんど除去されないか、全く除去されずにH2Sを除去しなければならないことが多い。従って、選択的H2S除去は、天然ガス資産の処理設備の中心的な部分になりつつある。この選択的H2S除去を達成するために、H2Sに対する高い選択性を有する溶媒を使用してもよい。溶媒の「H2S選択性」はCO2除去に対するH2S除去の比率であると定義しており、これは各々の反応速度の関数である。CO2との反応速度が遅い溶媒を用いることにより、高いH2S選択性が得られる。同様に、気相と液相との接触時間を最小にすることで、CO2より多くH2Sの取り込みを強化できる。
例示的な実施形態では、ガス処理システムを提供する。ガス処理システムは多数の並流接触システムを備え、これらは酸ガスを含むサワー供給ガス流と溶媒流と接触させて、部分的にスイートニングしたガス流、及び吸収された酸ガスを含むリッチ溶媒流を生成するように構成している。並流接触システムの少なくとも1つは、リッチ溶媒流を再生装置に送るように構成している。再生装置は、吸収された酸ガスをリッチ溶媒流から除去し、リーン溶媒流を生成するように構成している。また、ガス処理システムは、リーン溶媒流の少なくとも一部を処理して強化溶媒流を生成するように構成した溶媒処理装置、並びに部分的にスイートニングしたガス流と強化溶媒流とを接触させて、部分的に負荷を掛けた溶媒流及び最終ガス流を生成するように構成した最終並流接触システムも備える。
別の例示的な実施形態では、ガス処理システム内で酸ガス除去を強化する方法を提供する。この方法には、多数の並流接触システム内で酸ガスを含むサワー供給ガス流と溶媒流とを接触させて、部分的にスイートニングしたガス流、及び酸ガスを吸収したリッチ溶媒流を生成する工程が含まれる。この方法には、再生装置内で、吸収された酸ガスをリッチ溶媒流から除去してリーン溶媒流を生成し、溶媒処理装置内でリーン溶媒流の少なくとも一部を処理して強化溶媒流を生成する工程も含まれる。この方法には更に、最終並流接触システム内で、部分的にスイートニングしたガス流と強化溶媒流とを接触させ、部分的に負荷の掛かった溶媒流及び最終ガス流を生成する工程も含まれる。
別の例示的な実施形態では、ガス処理システムを提供する。ガス処理システムは多数の並流接触システムを備え、これらは酸ガスを含むサワー供給ガス流と溶媒流とを接触させて、部分的スイートニングガス流、及び酸ガスの第1部分を含むリッチ溶媒流を生成するように構成している。ガス処理システムは第1再生装置を備え、これは酸ガスの第1部分をリッチ溶媒流から除去して溶媒流を再生し、溶媒流を並流接触システムのうちの少なくとも1つへと再循環させるように構成している。ガス処理システムは最終並流接触システムも備え、これは部分的スイートニングガス流と強化溶媒流とを接触させて、最終ガス流、及び酸ガスの第2部分を含む部分的負荷溶媒流を生成するように構成している。ガス処理システムは更に、部分的負荷溶媒流から酸ガスの第2部分を除去してリーン溶媒流を生成するように構成した第2再生装置、及びリーン溶媒流の少なくとも一部を処理して最終並流接触システム内で部分的スイートニングガス流と接触させる強化溶媒流を生成するように構成した溶媒処理装置を備える。
本技術の利点は、以下の詳細な説明及び添付の図面を参照することにより、更に良く理解される。
並流フロースキームを備え、酸ガス除去を強化するように構成したガス処理システムの工程フロー図である。 並流フロースキームを備え、酸ガス除去を強化するように構成した別のガス処理システムの工程フロー図である。 酸ガス除去を強化するための、多数の並流接触システム及び冷却装置を備える分離システムの工程フロー図である。 多数の並流接触システム及び酸ガス除去を強化するための陰イオン交換床を備える分離システムの工程フロー図である。 多数の並流接触システムを備える第1分離システム、並びに最終並流接触システム及び対応する溶媒処理装置を備える第2分離の工程フロー図である。 並流接触システムの概略図である。 ガス処理システム内で酸ガス除去を強化するための方法を示す工程フロー図である。
以下の詳細な説明の項では、本技術の特定の実施形態を説明する。しかし、以下の説明が本技術の特定の実施形態又は特定の使用に特化する限り、この説明は例示することのみを意図しており、単に例示的な実施形態の説明を提供するに過ぎない。従って、本技術は、以下に説明する特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の真の精神及び範囲内の代替物、修正物、及び等価物全てを包含する。
初めに、参照を容易にするために、本願で使用する特定の用語、及び本文脈で使用するようなその意味を述べる。本明細書で使用する用語が以下で定義されていない場合、その用語は、少なくとも1つの印刷された刊行物又は発行された特許に反映されているように、当業者がその用語に与えてきた最大範囲の定義であると考えるべきである。更に、本技術は、以下に示す用語の使用により限定されるものではなく、全ての等価物、同義語、新開発として、同一又は類似の目的を果たす用語又は技術は、本請求項の範囲内であると考えられる。
「酸ガス」とは、水に溶解して酸性溶液を生成するガス全てを指す。酸ガスの非限定的な例としては、硫化水素(H2S)、二酸化炭素(CO2)、二酸化硫黄(SO2)、二硫化炭素(CS2)、硫化カルボニル(COS)、メルカプタン、又はこれらの混合物が挙げられる。
「並流接触装置」とは、一般的に接触装置内において同じ方向に流れながら気体流と溶媒流とが接触する様式で、気体流及び分離溶媒流を受け入れる容器を指す。
用語「並流」とは、数個のサブセクションに分割可能で、同じ方向に流れる単位操作内の処理流の内部配置を指す。
用語「脱水天然ガス流」とは、脱水工程を経た天然ガス流を指す。通常、脱水天然ガス流は、米国のパイプライン用途では3.18kg(7lb)H2O/百万標準立方フィート未満、又はLNG用途では0.1ppm未満の水分量を有する。天然ガス流を脱水するには、好適な方法であればどのような方法でも利用可能である。好適な脱水法の典型的な例としては、分子篩を用いた天然ガス流の処理(LNG仕様の場合)、又はグリコールもしくはメタノールを用いた脱水(米国のパイプライン仕様の場合)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。あるいは、メタンハイドレートの形成により;例えば、国際公開第2004/070297号に記載されているような脱水工程を利用することにより、天然ガス流を脱水できる。
本明細書で使用しているように、用語「脱水」は、水、及び任意に数種の重炭化水素を供給ガス流から部分的又は完全に除去することにより脱水天然ガス流を得るための原料供給ガス流の前処理を指す。この脱水は、例えば外部の冷却ループ又は低温の内部処理流に対する事前冷却サイクルにより達成できる。水分は、分子篩、例えばゼオライト、シリカゲル、酸化アルミナ、又は他の乾燥剤を用いた前処理でも除去できる。また水分はグリコール、モノエチレングリコール(MEG)、ジエチレングリコール(DEG)もしくはトリエチレングリコール(TEG)、又はグリセロールを使用する洗浄でも除去できる。ガス供給流中の水分量は好適には、1体積パーセント(vol%)未満、好ましくは0.1vol%未満、より好ましくは0.01vol%未満である。
本明細書で使用しているように、用語「流体」は、気体、液体、気体と液体との組み合わせ、気体と固体との組み合わせ、及び液体と固体との組み合わせを指す。
用語「燃焼排ガス」は、炭化水素燃焼の副産物として発生したガス流全てを指す。
用語「ガス」は、「蒸気」と互換的に使用し、液体又は固体状態とは区別される気体状態の物質又は物質の混合物と定義される。同様に、用語「液体」は、気体又は固体状態とは区別される液体状態の物質又は物質の混合物を意味する。
「炭化水素」は主に水素及び炭素の元素を含む有機化合物であるが、窒素、硫黄、酸素、金属、又は任意数の他の元素が少量存在してもよい。本明細書で使用しているように、用語「炭化水素」は一般的に、天然ガス、石油、又は化学処理設備で見られる成分を指す。更に、用語「炭化水素」は、CH4、C26、C3異性体、C4異性体、ベンゼン等の原料天然ガスに見られる成分を指すこともある。
流体処理設備に関し、用語「連続して」は、流体分離を受ける流体流が、ほぼ一定の下流方向の流れを維持しながら、装置の1つの構成単位から次の構成単位へと移動するように、2つ以上の装置がフローラインに沿って配置されることを意味する。同様に、用語「直列に」は、流体混合及び分離装置の2つ以上の構成要素が順次接続されるか、より好ましくは単一の管状装置に一体化されることを意味する。
用語「工業プラント」は、少なくとも1種の炭化水素又は酸ガスを含有するガス流を発生させるプラント全てを指す。1つの非限定的な例としては、石炭動力の発電プラントが挙げられる。別の例としては、低圧でCO2を排出するセメントプラントが挙げられる。
用語「液体溶媒」は、ある成分を別の成分より優先的に吸収するほぼ液相の流体を指す。例えば、液体溶媒は、酸ガスを優先的に吸収する場合もあり、それによって、ガス流から酸ガス成分の少なくとも一部を除去するか、又は「こすり落とす」ことが可能となる。更に、液体溶媒は、ある酸ガスを別の酸ガスより優先的に吸収できる。
「天然ガス」とは、原油井から、又は地下ガス含有形成物から得られる多成分ガスを指す。天然ガスの組成及び圧力は大きく変化する可能性がある。通常の天然ガス流は、主成分として、即ち天然ガス流の50モルパーセント(モル%)を超えるメタン(CH4)を含有する。また、天然ガス流はエタン(C26)、高分子量炭化水素(例えば、C3‐C20炭化水素)、酸ガス(例えば、二酸化炭素及び硫化水素)、又はこれらの任意の組み合わせも含有し得る。また、天然ガスは水、窒素、硫化鉄、ワックス、原油、又はこれらの任意の組み合わせなどの少量の汚染物質も含み得る。毒物として作用する可能性のある化合物を除去するために、本明細書に記載された実施形態で使用する前に、天然ガス流を十分に精製してもよい。
「非吸収性ガス」とは、ガスの処理又は調整工程中に溶媒にあまり吸収されないガスを意味する。
本明細書で使用しているように、「精製」には、下流工程に問題を生じ得る不純物が除去される分離工程が含まれる。
「溶媒」とは、溶液を提供又は形成できるように他の物質を溶解又は分散させることが少なくとも部分的に可能な物質を指す。溶媒は極性、非極性、中性、プロトン性、非プロトン性等であってもよい。溶媒には、メタノール、エタノール、プロパノール、グリコール、エーテル、ケトン、他のアルコール、アミン、塩類溶液等の任意の好適な元素、分子、又は化合物を含んでもよい。溶媒は物理溶媒、化学溶媒等を含んでもよい。溶媒は、物理的吸収、化学的吸収、化学吸着、物理吸着、吸着、圧力スイング吸着、温度スイング吸着等の任意の好適なメカニズムにより作用できる。酸ガス吸収に有用な具体的な溶媒としては、モノエタノールアミン(MEA)、2(2‐アミノエトキシ)エタノール[Diglycolamine(登録商標)(DGA)]、ジエタノールアミン(DEA)、ジイソプロパノールアミン(DIPA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、トリエチレンアミン、FLEXSORB(登録商標)SE、2‐アミノ‐2‐メチル‐1‐プロパノール(AMP)、又はFLEXSORB(登録商標)SE PLUS、UCARSOL(商標)ファミリー製品などの配合アミン、又は配合MDEA溶液が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
材料の数量もしくは量、又はその特定の特徴について用いる場合の「ほぼ」とは、その材料又は特徴が提供するように意図した効果をもたらすのに十分な量を指す。許容可能な逸脱の正確な程度は、特定の文脈に依存する場合もある。
用語「スイートニング天然ガス流」とは、酸ガス成分の少なくとも一部が除去された天然ガス流を指す。
概要
本技術は、並流フロースキームを備えるガス処理システム内で、処理溶媒を用いてサワーガス流からの酸ガス除去を強化するものである。様々な実施形態では、本技術は、サワー天然ガス流からH2Sを選択的に除去するために利用する。具体的には、サワー天然ガス流は、パイプライン規制を満たすために、H2S濃度が4ppm未満になるまで精製してもよい。
並流フロースキームには、導管内に連続して接続した任意数の並流接触システムを利用してもよい。天然ガス流及び液体溶媒流は並流接触システム内を一緒に、即ち並流で移動する。いくつかの実施形態では、天然ガス流及び液体溶媒流は、一般的に並流接触システムの長軸に沿って一緒に移動する。
ガス処理システム内の各並流接触システムは、H2S及びCO2などの酸ガスの溶媒流への吸収を容易にする並流接触装置を備えてもよい。また、各並流接触システムは、酸ガスを吸収した溶媒流から天然ガス流を分離し、スイートニングした液体非含有天然ガス流を生成することが可能な分離装置を備えてもよい。
いくつかの実施形態では、溶媒流は天然ガス流内でH2SやCO2などの酸ガスを吸収することが可能なアミン系溶媒である。例えば溶媒には、モノエタノールアミン(MEA)、2(2-アミノエトキシ)エタノール[Diglycolamine(登録商標)(DGA)]、ジエタノールアミン(DEA)、ジイソプロパノールアミン(DIPA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、トリエチレンアミン、FLEXSORB(登録商標)SE、2‐アミノ‐2‐メチル‐1‐プロパノール(AMP)、又はFLEXSORB(登録商標)SE PLUSやUCARSOL(商標)ファミリー製品などの配合アミン、又は配合MDEA溶液が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
現在の技術によると、溶媒が一連の並流接触システムを流れると、溶媒にはH2SやCO2などの汚染物質で負荷が掛かるようになる。これにより、H2Sのような急速に反応する成分では、熱力学的に吸収に適したCO2がH2Sと置換し始めるため、並流接触システムの流出口付近が締め付け(pinch)状態になる可能性がある。H2Sを1,000ppmまで除去することが望ましい通常のシェールガス用途では、3、4個の並流接触システムを使用してもよい。しかし、溶媒が装置内を流れると、溶媒にはH2S及びCO2による負荷が掛かり、天然ガス流のH2S濃度を更に減少させる溶媒の能力が低下するため、最終段階で4ppmのH2S仕様にすることは特に困難である。
従って、本明細書に記載の実施形態によれば、最終並流接触システムの上流で溶媒処理装置を使用することにより、H2S除去が強化される。図1A、1B、2、3、4、及び6を参照して更に説明するように、溶媒処理装置は最終並流接触システムにおけるH2S吸収を増加させるために溶媒流を修飾するように構成している。
ガス処理システム
図1Aは、並流フロースキームを備え、酸性ガス除去を強化するように構成したガス処理システム100の工程フロー図である。ガス処理システム100は、H2S及びCO2などの酸ガス成分を供給ガス流102から除去するために使用してもよい。また、ガス処理システム100は、供給ガス流102から水又は他の不純物を除去するために使用してもよい。ガス処理システム100には、多数の並流接触システム104A~Fを採用してもよい。例えば、図5を参照して更に述べるように、各並流接触システム104A~Fは並流接触装置及び分離装置を備えてもよい。
供給ガス流102としては、例えば炭化水素生成操作からの天然ガス流、発電所からの燃焼排ガス流、又は合成ガス(シンガス)流が挙げられる。供給ガス流102がシンガス流である場合、供給ガス流102はガス処理システム100に導入される前に冷却及び濾過してもよい。また供給ガス流102は、ガス処理設備自体におけるフラッシュドラムから取り出されたフラッシュガス流である場合もある。また、供給ガス流102は、クラウス硫黄回収法からの排ガス流、又は溶媒再生装置からの不純物流である場合もある。更に、供給ガス流102は、セメントプラント又は他の工業プラントからの排ガス放出流である場合もある。この例では、CO2は過剰な空気から、又は窒素含有燃焼排ガスから吸収されることもある。
供給ガス流102はメタンなどの非吸収性ガス、並びにCO2及びH2Sなどの1種以上の不純物を含む場合もある。いくつかの実施形態では、供給ガス流102は、例えば約1,000ppmのH2Sといった多量のH2Sを含む。ガス処理システム100はCO2及びH2Sを除去することにより供給ガス流102をスイートニングガス流106に変換してもよい。様々な実施形態では、スイートニングガス流106は濃度4ppm未満のH2S及び2~3vol%未満のCO2を含有する。
操作では、供給ガス流102は第1並流接触システム104Aに流入する場合もあり、ここで供給ガス流102は溶媒流108と混合される。様々な実施形態では、溶媒流108は、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)やメチルジエタノールアミン(MDEA)などのアミン溶液を含む。溶媒流108は、酸ガス不純物を除去するための脱着工程を経たリーン溶媒を含んでいる場合もある。例えば、図1Aに示すガス処理システム100では、第1並流接触システム104Aに導入した溶媒流108は、再生装置110の中心部分から取り出した半リーン溶媒を含む。再生装置110から取り出したリーン溶媒流112は、第5及び最終並流接触システム104E及び104Fへの方向に向けてもよい。
様々な実施形態では、ガス処理システム100は、一連の並流接触システム104A~Fを採用している。各並流接触システム104A~Fは、供給ガス流102から酸ガス分の一部を除去し、それにより、スイートニングが進行したガス流は下流方向に放出される。最終並流接触システム104Fは最終スイートニングガス流106を提供する。
第1並流接触システム104Aに流入する前に、供給ガス流102は流入口分離装置114を通ってもよい。流入口分離装置114を用い、塩水や掘削流体などの不純物を濾過することにより供給ガス流102を浄化しもよい。多少の粒子濾過を行ってもよい。供給ガス流102の浄化により、酸ガス処理工程中に溶媒が起泡することを防止できる。
いくつかの実施形態では、供給ガス流102は、流入口分離装置114又は第1並流接触システム104Aの上流で前処理してもよい。例えば、供給ガス流102はグリコール又は他の化学添加物を除去するために水洗浄してもよい。この洗浄は、追加の並流接触システムを介するなど、水をガスに導入する別個の処理ループ(図示せず)を介して実行してもよい。水はグリコールに親和性があり、供給ガス流102からグリコールを引き出すものである。これにより、順次、並流接触システム104A~F内の起泡を制御することが促進される。煙道ガス用途の場合、工程中、O2と鋼鉄との反応を遅らせるために、腐食防止剤を溶媒に添加してもよい。
図1Aに示すように、溶媒流108は第1並流接触システム104Aに流入する。第1並流接触システム104Aへの半リーン溶媒流108の移動は、ポンプ116A及び116B並びに冷却装置117により支援してもよい。冷却装置117により、好適な温度で溶媒流108を第1並流接触システム104Aに流入させてもよく、一方、ポンプ116A及び116Bにより、溶媒流108を、例えば約0.10MPa(15psia)~約10.34MPa(1,500psig)の好適な圧力で第1の並流接触システム104Aに流入させてもよい。
一旦、第1並流接触システム104Aの内部に入ると、供給ガス流102及び溶媒流108は、第1並流接触システム104Aの長軸に沿って移動する。それらが移動すると、液体アミン(又は他の処理溶液)は供給ガス流102中のH2S及びCO2と相互作用し、H2S及びCO2がアミン分子に化学的に付着するか又は吸収される。部分的に負荷が掛かっているか、又は「リッチ」な第1溶媒流118Aは第1並流接触システム104Aの底部から流出してもよい。また、部分的スイートニング第1ガス流120Aは、第1並流接触システム104Aの頂部から流出して第2並流接触システム104Bに流入してもよい。
図1Aの例に示すように、第2並流接触システム104Bの後に第3並流接触システム104Cを設けてもよく、第3並流接触システム104Cの後に第4並流接触システム104Dを設けてもよい。また、第4並流接触システム104Dの後に第5並流接触システム104Eを設けてもよく、第5並流接触システム104Eの後に最終並流接触システム104Fを設けてもよい。第2、第3、第4、及び第5並流接触システム104B、104C、104D、及び104Eはそれぞれ、部分的スイートニングガス流120B、120C、120D、及び120Eそれぞれを生成してもよい。また、第2、第3、第4、第5、及び最終並流接触システム104B、104C、104D、104E、及び104Fはそれぞれ、部分的負荷溶媒流118B、118C、118D、118E、及び118Fそれぞれを生成してもよい。溶媒流108としてアミンを使用する場合、部分的負荷溶媒流118A~Fはリッチアミン溶液を含んでもよい。ガス処理システム100では、第2部分的負荷溶媒流118Bは第1部分的負荷溶媒流118Aと合流し、再生装置110で再生処理する。
スイートニングが進んだガス流120A~Eを生成すると、ガス処理システム100内のガス圧力の低下が進む。これが起こると、対応して、リッチ化が進んだ溶媒流118A~Fの液圧が増加し得る。これは、ガス処理システム100内の液圧を高めるために各並流接触システム104A~Fの間に1つ以上の昇圧ポンプ(図示せず)を配置することにより達成し得る。
ガス処理システム100では、部分的負荷溶媒流118A及び118Bをフラッシュドラム122に流すことにより溶媒流を再生してもよい。吸収した天然ガス124は、フラッシュドラム122内で、部分的負荷溶媒流118A及び118Bからフラッシュ蒸発させてもよく、また塔頂ライン126を介してフラッシュドラム122から流出させてもよい。
得られたリッチ溶媒流128は、フラッシュドラム122から再生装置110に流してもよい。リッチ溶媒流128は、脱着するために再生装置110に導入してよい。再生装置110は、トレイ又は他の内部構造物(図示せず)を備える除去装置部130を備えてもよい。除去装置部130は、再沸装置部132の真上に配置してもよい。熱を発生させるために、再沸装置部132に熱源134を設けてもよい。再生装置110は、再生したリーン溶媒流112を生成し、これは第5及び最終並流接触システム104E及び104Fで再使用するために循環利用する。再生装置110から除去した塔頂ガスは濃縮H2S及びCO2を含んでいる可能性が有り、塔頂不純物流136として再生装置110から流出させてもよい。
塔頂不純物流136は、凝縮装置138に流入し、塔頂不純物流136を冷却してもよい。得られた冷却不純物流140は還流蓄積装置142に流してもよい。この還流蓄積装置142は、不純物流140から、凝縮水などの任意の残留する液体を分離し得る。これにより、ほぼ純粋な酸ガス流144が生成され、この酸ガス流は、塔頂ライン146を経て還流蓄積装置142から流出してもよい。
次いで、いくつかの実施形態では、酸ガス流144中のH2Sを硫黄回収ユニット(図示せず)を用いて元素状硫黄に変換する。硫黄回収ユニットは、いわゆるクラウスユニットであってもよい。当業者であれば、「クラウス法」が、H2S含有ガス流から元素状硫黄を回収するために天然ガス産業及び精油産業で使用する場合もある方法だということは理解している。
実際、H2S、SO2、CO2、N2、及び水蒸気を含み得るクラウス法から得た「排ガス」を反応させて、水素化を経てSO2をH2Sに変換することが可能である。水素化した排ガス流は分圧が高く、多量の、例えば50%を超えるCO2、及び少量の、例えば数%以下のH2Sを含む。通常で大気圧に近いこの種のガス流は、選択的H2S除去ができる。回収したH2Sはクラウスユニットの前段で循環利用するか、又は下流で隔離してもよい。あるいは、ガス分離の分野で公知の様々な方法を利用して、元素状硫黄に変換するH2Sの直接酸化を行ってもよい。
2S反応はCO2反応に比べて瞬時であるため、滞留時間、即ち蒸気相と液相との接触時間を短くすると、溶媒に吸収されるCO2が少なくなる。並流接触システム104A~Fの設計は、装置設計に固有の短い接触時間により、選択的H2S除去を強化している。
図1Aに示すように、残留液体流148は、還流蓄積装置142の底部から流出してもよい。残留液体流148は還流ポンプ150に流してもよい。この還流ポンプ150は残留液体流148の圧力を高め、残留液体流148を再生装置110に吸い上げてもよい。残留液体流148はリーン溶媒流112の一部として、再生装置110から、例えば再沸装置部132の底部から流出してもよい。水をリーン溶媒流112に添加し、スイートニングガス流106及び酸ガス流144への水蒸気の損失の釣り合いをとってもよい。この水は還流ポンプ150の取り入れ口又は吸い込み口で添加してもよい。
リーン溶媒流112は低圧であってもよい。従って、リーン溶媒流112を昇圧ポンプ152に通してもよい。昇圧ポンプ152から、リーン溶媒流112を冷却装置154に流してもよい。冷却装置154は、再生装置110に加熱された後のリーン溶媒流112を冷却して周囲温度付近まで戻してもよい。
いくつかの実施形態では、リーン溶媒流112はその後、溶媒タンク156に流入してもよい。他の実施形態では、溶媒タンク156はラインから離れており、リーン溶媒流112用の貯留槽を提供する。
第5及び最終並流接触システム104E及び104Fに向かうリーン溶媒流112の移動はポンプ158により支援してもよい。ポンプ158によりリーン溶媒流112は、例えば、約0.10MPa(15psia)~約10.34MPa(1,500psig)の好適な圧力で流動してもよい。
リーン溶媒流112の第1部分160は部分的負荷溶媒流118Fと合流し、第5並流接触システム104Eに流入してもよい。リーン溶媒流112の第2部分162は、リーン溶媒流112を処理して強化溶媒流166を生成するように構成した溶媒処理装置164に流入してもよい。本明細書に記載の実施形態によれば、強化溶媒流166はリーン溶媒流112より高濃度の酸ガスを吸収できる処理溶媒流である。強化溶媒流166は、CO2とは対照的に、高濃度のH2Sを選択的に吸収することが可能な、高度にH2S選択性の溶媒流であってもよい。様々な実施形態では、強化溶媒流166を用いて、最終スイートニングガス流106内でH2S濃度を4ppm未満にする。
様々な実施形態では、溶媒処理装置164は、リーン溶媒流112を少なくとも周囲温度付近、例えば約20℃~25℃、又は周囲温度より少なくとも約5℃低い温度、又は周囲温度より少なくとも約10℃低い温度、又は周囲温度より少なくとも約20℃低い温度、又は最終並流接触システム104Fに流入する部分的スイートニングガス流120Eの温度と同等か、もしくはそれよりわずかに低い温度に冷却することにより、強化溶媒流166を生成するように構成した冷却装置である。例えば、溶媒処理装置164は、アンモニア冷却装置、冷却水塔からの冷水流、又は任意の他の好適なタイプの冷却装置であってもよい。
いくつかの実施形態では、図2を参照して更に詳細に説明したように、分析装置(図示せず)及び制御装置(図示せず)を溶媒処理装置164に接続してもよい。当該分析装置は、最終並流接触システム104Fから流出する最終スイートニングガス流106の酸ガス濃度を決定するように構成してもよい。次に、そのスイートニングガス流106の分析に基づいて、当該制御装置により溶媒処理装置164の温度を調整してもよい。
いくつかの実施形態では、溶媒処理装置164は、リーン溶媒流112から残留HS-及びHCO3 -を除去することにより、強化溶媒流166を生成する陰イオン交換床である。他の実施形態では、溶媒処理装置164は、リーン溶媒流112のリーン負荷を低減することにより強化溶媒流166を生成するように構成した電気透析ユニットである。これらの実施形態では、溶媒処理装置164はリーン溶媒流112から熱安定性塩汚染物質を除去するためにも使用してよい。
他の実施形態では、溶媒処理装置164は、強化流体をリーン溶媒流112に注入して酸ガスを選択的に吸収する溶媒の能力を強化することにより、強化溶媒流166を生成する。例えば、液体H2S捕捉剤をリーン溶媒流112に添加して、部分的スイートニングガス流120E内の残留H2Sを除去する溶媒の能力を高めてもよい。いくつかの実施形態では、制御したバイパス(図示せず)を利用して、最終スイートニングガス流106のH2S濃度が、捕捉剤が無駄となってしまう0ppmではなく、3~4ppmに確実になるようにしてもよい。
図1Aの工程フロー図は、ガス処理システム100が図1Aに示す構成要素全てを備えることを示すようには意図していない。更に、特定の実装の詳細に応じて、任意数の構成要素をガス処理システム100内に追加してもよい。例えば、ガス処理システム100は、任意の好適なタイプのヒータ、冷却装置、凝縮装置、液体ポンプ、ガス圧縮装置、送風装置、バイパスライン、他のタイプの分離及び/又は分画装置、バルブ、スイッチ、制御装置、及び圧力測定装置、温度測定装置、レベル測定装置、又は流量測定装置等を備えてもよい。更に、ガス処理システム100には、任意数の並流接触システムを追加してもよい。
いくつかの実施形態では、再生装置110から取り出したリーン溶媒流112は、第5並流接触システム104Eではなく、最終並流接触システム104Fの方向にのみ向けられる。それらの実施形態では、リーン溶媒流112全体を溶媒処理装置164に送り、強化溶媒流166を生成する。
いくつかの実施形態では、リッチ溶媒流128が再生装置110に流入する前に、リッチ溶媒流128の一部を酸性化する。これは、1~2重量パーセント(重量%)のリン酸をリッチ溶媒流128に添加することにより達成できる。リッチ溶媒流128を酸性化すると、再生工程中にリッチ溶媒流128がより多くの酸ガスを放出するようになる。
図1Bは、並流フロースキームを備え、酸ガス除去を強化するように構成した別のガス処理システム168の工程フロー図である。図1Aと同じ番号の構成単位は図1Aを参照して説明した通りである。図1Bのガス処理システム168の操作は図1Aのガス処理システム100の操作と同様である。しかし、図1Bのガス処理システム168では、第1並流接触システム104Aは第2並流接触システム104Bから部分的負荷溶媒流118Bを受け取る。従って、ガス処理システム168は半リーン溶媒流108を含んでいない。
図1Bの第1並流接触システム104Aに受け取られた部分的負荷溶媒流118Bは第2並流接触システム104B内で既に処理されているので、第1並流接触システム104Aに受け取られた部分的負荷溶媒流118Bは非常にリッチになる可能性がある。このため、部分的負荷溶媒流118Bの中間処理は、ある程度行うことが望ましい場合もある。
あるいは、半リーン溶媒流はガス処理システム168内の他のスイートニング操作から取り出し、第1又は第2並流接触システム104A又は104B用のアミン溶液として、少なくとも部分的に使用できる。この点で、ガス処理システム168において一種類の溶媒を複数の設備に用いる状況もある。これは統合ガス処理と称する。例えば、MDEAは高圧かつH2S選択性の酸ガス除去や、クラウス排ガス処理(TGT)法にも使用してよい。TGT法から得るリッチアミン流は、方法が低圧であるため、あまりH2S及びCO2で負荷を受けない。従って、いくつかの実施形態では、TGT法から得るリッチアミン流は第1又は第2並流接触システム104A又は104B用の半リーン流として使用する。半リーン流(図示せず)は好適な圧力になるようにポンプで吸い上げ、第1又は第2並流接触システム104A又は104Bに、場合により後続の並流接触システムからの部分的負荷溶媒流と共に注入してもよい。
更に、図1Bのガス処理システム168では、第1部分的負荷溶媒溶液118Aは、フラッシュドラム122を流れた後、熱交換器170を流れる。熱交換器170内では、再生装置110から取り出したリーン溶媒流112との熱交換を経て、第1部分的負荷溶媒溶液118Aの温度が上昇する。これにより、再生装置110に導入される前に、リーン溶媒流112を冷却しつつ、第1部分的負荷溶媒溶液118Aが加熱される。
図1Bの工程フロー図は、ガス処理システム168が図1Bに示す構成要素全てを備えることを示すようには意図していない。更に、特定の実装の詳細に応じて、任意数の構成要素をガス処理システム168内に追加してもよい。例えば、ガス処理システム168は、任意の好適なタイプのヒータ、冷却装置、凝縮装置、液体ポンプ、ガス圧縮装置、送風装置、バイパスライン、他のタイプの分離及び/又は分画装置、バルブ、スイッチ、制御装置、及び圧力測定装置、温度測定装置、レベル測定装置、又は流量測定装置等を備えてもよい。更に、ガス処理システム168には、任意数の並流接触システムを追加してもよい。
図1A及び1Bに記載の実施形態によれば、ガス処理システム100及び168には並流接触装置の逆流配置が含まれる。しかし、本明細書に記載の実施形態は、生成されたばかりの溶媒流が各段階に供給される並流接触装置の並列構成にも適用されることを理解されたい。更に、個々の並流接触装置は、水平断面及び垂直断面の両方を含む構成、接触直後における段階で直列分離が有る又は無い構成、並びに、単一直列装置の後続部分に脱水、H2S除去、及びCO2除去が発生する構成といった無数の様々な構成で配置してもよい。また、全ての並流接触システムは垂直又は水平に配向した単一の圧力容器内にまとめてもよい。
分離システム
図2は、酸ガス除去を強化するための多数の並流接触システム202A~C及び冷却装置204を備える分離システム200の工程フロー図である。分離システム200は図1A又は1Bを参照して述べたガス処理システム100又は168などのガス処理システムの一部として実装してもよい。ガス処理システムでは、図1A及び1Bを参照して述べた並流接触システム104A~Fのような、連続して接続した多数の並流接触システム202A~Cを利用してもよい。図2に示す例示的な配置では、第1並流接触システム202A、第2並流接触システム202B、及び第3並流接触システム202Cが設けられる。
サワー供給ガス流206は第1並流接触システム202Aに流入してもよい。第1並流接触システム202Aは第1部分的スイートニングガス流208Aを生成してもよく、このガス流は、第1並流接触システム202Aから第2並流接触システム202Bに流してもよい。次に、第2並流接触システム202Bは第2部分的スイートニングガス流208Bを生成してもよく、このガス流は第2並流接触システム202Bから第3並流接触システム202Cに流してもよい。いくつかの実施形態では、第3並流接触システム202Cは最終スイートニングガス流210を生成する。
第1、第2、及び第3並流接触システム202A~Cの各々はそれぞれのリッチ溶媒流212A~Cも生成する。第3リッチ溶媒流212Cは第2並流接触システム202Bに戻る方向に向け、第2リッチ溶媒流212Bは第1並流接触システム202Aに戻る方向に向けてもよい。また、第1リッチ溶媒流212Aは再生装置214に戻してもよい。いくつかの実施形態では、再生装置214は図1A及び1Bを参照して述べた再生装置110と同一であるか、又は類似している。
再生装置214は、吸収した酸ガス及び他の不純物を第1リッチ溶媒流212Aから除去し、リーン溶媒流216を生成してもよい。その後、リーン溶媒流216を冷却装置204に送り、冷却装置204はリーン溶媒流216の温度を下げ、強化溶媒流218を生成してもよい。様々な実施形態では、冷却装置204は図1A及び1Bを参照して説明した溶媒処理装置164に対応する。更に、様々な実施形態では、強化溶媒流218は第2部分的スイートニングガス流208Bから、濃度がより高い酸ガスを吸収することが可能な溶媒流である。例えば、強化溶媒流218は、CO2とは対照的に、濃度がより高いH2Sを吸収することが可能な高度にH2S選択的な溶媒流であってもよい。
冷却装置204は、リーン溶媒流216の温度を周囲より少なくとも-12℃(10°F)低い温度に、又は第3並流接触システム202Cに流入する第2部分的スイートニングガス流208Bの温度と同等か又はわずかに低い温度に下げることが可能な任意の好適なタイプの冷却装置であってもよい。例えば、冷却装置204はアンモニア冷却装置又は水塔からの冷水流であってもよい。更に、いくつかの実施形態では、冷却装置204は、リーン溶媒流216に強化流体を注入するための小型添加システムを備える。
強化溶媒流218は、冷却装置204から第3並流接触システム202Cに流入してもよい。第3並流接触システム202C内で、強化溶媒流218は、第2部分的スイートニングガス流208Bと接触し、第2部分的スイートニングガス流208Bから増加量のH2Sなどの酸ガスを吸収する。得られたスイートニングガス流210は、例えば4ppm未満のH2Sなどの低濃度酸ガスを含んでもよい。
分離システム200は分析装置220及び制御装置222も備えてよい。分析装置220は、第3並流接触システム202Cから流出する最終スイートニングガス流210の外部分析を行い、最終スイートニングガス流210のH2S及びCO2濃度などの酸ガス濃度を決定するように構成してもよい。次いで、制御装置222は、スイートニングガス流210の分析に基づいて冷却装置204の温度を調整してもよい。いくつかの実施形態では、最終スイートニングガス流210の酸ガス濃度に応じて冷却装置204を様々な温度で操作してよいため、分離システム200内で分析装置220及び制御装置222を使用すると、エネルギーの節約につながる。
図2の工程フロー図は、分離システム200が図2に示す構成要素全てを備えることを示すようには意図していない。更に、特定の実装の詳細に応じて、任意数の構成要素を分離システム200内に追加してもよい。例えば、任意数の並流接触システムを分離システム200内に追加してもよい。
図3は、多数の並流接触システム302A~C、及び酸ガス除去を強化するための陰イオン交換床304を備える分離システム300の工程フロー図である。分離システム300は、図1A又は1Bを参照して述べたガス処理システム100又は168などのガス処理システムの一部として実装してもよい。ガス処理システムには、図1A及び1Bを参照して述べた並流接触システム104A~Fのような、連続して接続した多数の並流接触システム302A~Cを利用してもよい。図3に示す例示的な配置では、第1並流接触システム302A、第2並流接触システム302B、及び第3並流接触システム302Cが提供される。
サワー供給ガス流306は、第1並流接触システム302Aに流入してもよい。第1並流接触システム302Aは第1部分的スイートニングガス流308Aを生成してもよく、このガス流は第1並流接触システム302Aから第2並流接触システム302Bに流してもよい。次に、第2並流接触システム302Bは第2部分的スイートニングガス流308Bを生成してもよく、このガス流は第2並流接触システム302Bから第3並流接触システム302Cに流してもよい。いくつかの実施形態では、第3並流接触システム302Cは最終スイートニングガス流310を生成する。
第1、第2、及び第3並流接触システム302A~Cの各々は、それぞれのリッチ溶媒流312A~Cも生成する。第3リッチ溶媒流312Cは第2並流接触システム302Bに戻る方向に向け、第2リッチ溶媒流312Bは第1並流接触システム302Aに戻る方向に向けてもよい。また、第1リッチ溶媒流312Aは再生装置314に戻してもよい。いくつかの実施形態では、再生装置314は図1A及び1Bを参照して述べた再生装置110と同一であるか、又は類似している。
再生装置314は、吸収した酸ガス及び他の不純物を第1リッチ溶媒流312Aから除去し、リーン溶媒流316を生成してもよい。その後、リーン溶媒流316を陰イオン交換床304に送ってもよい。様々な実施形態では、陰イオン交換床304は図1A及び1Bを参照して説明した溶媒処理装置164に対応する。
リーン溶媒流316から残留酸ガスを除去することにより、陰イオン交換床304は強化溶媒流318を生成し得る。また、陰イオン交換床304は、熱安定性塩汚染物質をリーン溶媒流316から除去し得る。
本明細書に記載の実施形態によれば、強化溶媒流318は、第2部分的スイートニングガス流308Bから、濃度がより高い酸ガスを吸収することが可能な溶媒流である。例えば、いくつかの実施形態では、強化溶媒流318は、CO2より速くH2Sを吸収することが可能な、高度にH2S選択的な溶媒流であってもよい。これらの実施形態では、リーン溶媒流316から残留HS-及びHCO3 -を除去することにより、陰イオン交換床304は強化溶媒流318を生成する。
図3の工程フロー図は、分離システム300が図3に示す構成要素全てを備えることを示すようには意図していない。更に、特定の実装の詳細に応じて、任意数の構成要素を分離システム300内に追加してもよい。例えば、任意数の並流接触システムを分離システム300内に追加してもよい。
図4は、多数の並流接触システム402A~Cを備える第1分離システム400、並びに最終並流接触システム406及び対応する溶媒処理装置408を備える第2分離システム404の工程フロー図である。第1及び第2分離システム400及び404は、図1A又は1Bを参照して述べたガス処理システム100又は168に類似したガス処理システムなどのガス処理システムの一部として実装してもよい。ガス処理システムには、図1A及び1Bを参照して述べた並流接触システム104A~Fのような、連続して接続した多数の並流接触システム402A~Cおよび406を利用してもよい。図4に示す例示的な配置では、第1分離システム400は第1並流接触システム402A、第2並流接触システム402B、及び第3並流接触システム402Cを備え、第2分離システム404は最終並流接触システム406を備える。
第1分離システム400内では、サワー供給ガス流410は第1並流接触システム402Aに流入してもよい。第1並流接触システム402Aは第1部分的スイートニングガス流412Aを生成してもよく、このガス流は、第1並流接触システム402Aから第2並流接触システム402Bに流してもよい。次に、第2並流接触システム402Bは第2部分的スイートニングガス流412Bを生成してもよく、このガス流は第2並流接触システム402Bから第3並流接触システム402Cに流してもよい。次に、第3並流接触システム402Cは第3部分的スイートニングガス流412Cを生成してもよく、このガス流は第2分離システム404内で第2並流接触システム402Bから最終並流接触システム406に流してもよい。
第1、第2、及び第3並流接触システム402A~Cの各々は、それぞれのリッチ溶媒流414A~Cも生成する。第3リッチ溶媒流414Cは第2並流接触システム402Bに戻る方向に向け、第2リッチ溶媒流414Bは第1並流接触システム402Aに戻る方向に向けてもよい。また、第1リッチ溶媒流414Aは第1再生装置416に戻してもよい。いくつかの実施形態では、第1再生装置416は図1A及び1Bを参照して述べた再生装置110と同一であるか、又は類似している。
第1再生装置416は、吸収した酸ガス及び他の不純物を第1リッチ溶媒流414Aから除去し、第1リーン溶媒流418を生成してもよい。その後、第1リーン溶媒流418を第3並流接触システム402Cへと再循環させてもよい。
最終並流接触システム406内では、第3部分的スイートニングガス流412Cを強化溶媒流420と接触させ、最終スイートニングガス流422を生成する。本明細書に記載の実施形態によれば、強化溶媒流420は高濃度の酸ガスを吸収することが可能な処理溶媒流である。従って、最終スイートニングガス流422は例えば4ppm未満のH2Sなどの低濃度の酸ガスを含んでもよい。
最終並流接触システム406は部分的負荷溶媒流424も生成する。部分的負荷溶媒流424は第2再生装置426に送ってもよい。いくつかの実施形態では、第2再生装置426は、図1A及び1Bを参照して述べた再生装置110と同一であるか、又は類似している。第2再生装置426は、吸収した酸ガス及び他の不純物を部分的負荷溶媒流424から除去し、第2リーン溶媒流428を生成してもよい。
本明細書に記載の実施形態によれば、第2リーン溶媒流428は次に、溶媒処理装置408に送る。溶媒処理装置408は第2のリーン溶媒流428を処理し、強化溶媒流420を生成するように構成している。様々な実施形態では、溶媒処理装置408は、図1A及び1Bを参照して説明した溶媒処理装置164と同一であるか、又は類似している。その後、強化溶媒流420は、最終並流接触システム406に戻る方向に向ける前に、昇圧ポンプ430に送ってもよい。
図4の工程フロー図は、第1及び第2分離システム400及び404が図4に示す構成要素全てを備えることを示すようには意図していない。更に、特定の実装の詳細に応じて、任意数の構成要素を第1及び第2分離システム400及び404内に追加してもよい。例えば、任意数の並流接触システムを第1分離システム400又は第2分離システム404内に追加してもよい。
並流接触システム
図5は、並流接触システム500の概略図である。並流接触システム500によりガス流内の成分を分離してもよい。また、並流接触システム500は、成分の迅速な分離が要求される図1A及び1Bのガス処理システム100及び168などの様々なガス処理システムの実装を支援し得る。いくつかの実施形態では、並流接触システム500は、図1A、1B、2、3、及び4を参照して述べた並流接触システム104A~F、202A~C、302A~C、402A~C、及び406のうちの1つである。
並流接触システム500は、導管504内で直列に配置する並流接触装置502を備えてもよい。並流接触装置502は、液体溶媒流と流動ガス流506との接触を効率化するための多数の構成要素を備えてもよい。液体溶媒流はガス流506からH2S及びCO2などの不純物を分離するために使用できる。
様々な実施形態では、並流接触装置502は、ミキサー508及び物質移動部510を備える。図5に示すように、ガス流506は、導管504を通ってミキサー508に流入してもよい。液体溶媒流512は、例えばミキサー508内の流路516に接続した中空空間514を通ってミキサー508に流入してもよい。
流路516から、液体溶媒流512は微小液滴として、注入開口部518を通ってガス流506中に放出され、その後、物質移動部510に流入する。これにより、質量移動部510内に処理ガス流520が生成し得る。処理ガス流520は、気相中に分散した小さな液滴を含む場合もある。液滴は、液体溶媒流512に吸収又は溶解したガス流506由来の不純物を含む場合もある。
処理ガス流520は、物質移動部510から、サイクロン式分離装置、メッシュスクリーンや、沈降容器などの分離装置522に流してもよい。分離装置522は気相から液滴を除去する。液滴は、不純物524を吸収した元の液体溶媒流を含んでいてもよく、気相は精製ガス流526を含んでいてもよい。様々な実施形態では、精製ガス流526はH2S及びCO2の除去により精製したガス流である。
ガス処置システム内で酸ガス除去を強化する方法
図6は、ガス処理システム内で酸ガス除去を強化するための方法600を示す工程フロー図である。方法600は、図1A及び1Bを参照して述べたガス処理システム100及び168などのガス処理システムにより実施する。また、ガス処理システムは、図2、3、及び4を参照して述べた分離システム200、300、400、及び404などの1つ以上の分離システムを備えてもよい。更に、ガス処理システムは多数の並流接触システムを備えてもよい。様々な実施形態では、並流接触システムは、図5を参照して説明した並流接触システム500に対応する。
本方法は、ブロック602から開始し、このブロックでは、多数の並流接触システム内で、酸ガスを含むサワー供給ガス流と溶媒流とを接触させ、部分的スイートニングガス流、及び酸ガスを吸収したリッチ溶媒流を生成する。並流接触システムのうちの少なくとも1つは、リッチ溶媒流を再生装置に送るように構成している。また、いくつかの実施形態では、それぞれの並流接触システムは、対応する溶媒流を並流接触システムのうちの先行する1つへと再循環させるように構成している。
様々な実施形態では、サワー供給ガス流はサワー天然ガス流である。更に、様々な実施形態では、サワー供給ガス流は少なくとも1,000ppmのH2Sを含む。これらの実施形態では、吸収した酸ガスは主にH2Sであり、部分的スイートニングガス流は、H2Sの一部を除去したガス流である。
ブロック604では、吸収した酸ガスを再生装置内でリッチ溶媒流から除去し、リーン溶媒流を生成する。いくつかの実施形態では、再生装置は、図1A及び1Bを参照して説明した再生装置110に対応してもよい。
ブロック606では、リーン溶媒流の少なくとも一部を溶媒処理装置内で処理し、強化溶媒流を生成する。溶媒処理装置は、図1A及び1Bを参照して説明した溶媒処理装置164に対応させてもよい。いくつかの実施形態では、溶媒処理装置は、リーン溶媒流の温度を下げることにより強化溶媒流を生成する冷却装置である。他の実施形態では、溶媒処理装置は、残留HS-、HCO3 -、及び熱安定性塩汚染物質をリーン溶媒流から除去することにより強化溶媒流を生成する陰イオン交換床である。他の実施形態では、溶媒処理装置は、リーン溶媒流のリーン負荷を低減し、リーン溶媒流から熱安定性塩汚染物質を除去することにより強化溶媒流を生成する電気透析ユニットである。更に、他の実施形態では、溶媒処理装置は、強化流体をリーン溶媒流に注入して酸ガスを吸収する溶媒の能力を高めることにより強化溶媒流を生成する。
ブロック608では、部分的スイートニングガス流を、最終並流接触システム内で強化溶媒流と接触させ、部分的負荷溶媒流及び最終ガス流を生成する。様々な実施形態では、最終ガス流は、濃度4ppm未満のH2S及び2~3vol%未満のCO2を含む。
図6の工程フロー図は、方法600の工程が任意の特定の順序で実行されること、又は方法600の全工程があらゆる例に包含されることを示すようには意図していない。更に、特定の実装の詳細に応じて、図6に示されていない任意数の工程を方法600に追加してもよい。例えば、溶媒処理装置が冷却装置である実施形態では、方法600には、分析装置を用いて最終ガス流の酸ガス濃度を決定し、次いで、制御装置を用いて最終ガス流の酸ガス濃度に基づいて冷却装置の温度を増減させることも含まれてよい。
いくつかの実施形態では、方法600は、図4を参照して説明した第1及び第2分離システム400及び404などの2つの別個の分離システムを用いて実施する。これらの実施形態では、最終並流接触システムには、別個の再生装置を使用して、自身の溶媒流の段階内循環利用を採用してもよい。具体的には、最終並流接触システムを出る部分的負荷溶媒流を再生装置に送り、この再生装置はリーン溶媒流を生成してもよい。次に、リーン溶媒流を溶媒処理装置に送り、この溶媒処理装置は強化溶媒流を生成してもよい。その後、強化溶媒流を最終並流接触システム内で循環利用し、最終ガス流を生成してもよい。
本技術は様々な修正や代替的形成がし易く、上述の実施形態は例示としてのみ示している。しかし、本技術が本明細書に開示した特定の実施形態に限定されることを意図したものではないことは改めて理解すべきである。実際、本技術には、添付の特許請求の範囲の真の精神及び範囲内に該当する全ての代替物、修正物、及び等価物が含まれる。
図6の工程フロー図は、方法600の工程が任意の特定の順序で実行されること、又は方法600の全工程があらゆる例に包含されることを示すようには意図していない。更に、特定の実装の詳細に応じて、図6に示されていない任意数の工程を方法600に追加してもよい。例えば、溶媒処理装置が冷却装置である実施形態では、方法600には、分析装置を用いて最終ガス流の酸ガス濃度を決定し、次いで、制御装置を用いて最終ガス流の酸ガス濃度に基づいて冷却装置の温度を増減させることも含まれてよい。
いくつかの実施形態では、方法600は、図4を参照して説明した第1及び第2分離システム400及び404などの2つの別個の分離システムを用いて実施する。これらの実施形態では、最終並流接触システムには、別個の再生装置を使用して、自身の溶媒流の段階内循環利用を採用してもよい。具体的には、最終並流接触システムを出る部分的負荷溶媒流を再生装置に送り、この再生装置はリーン溶媒流を生成してもよい。次に、リーン溶媒流を溶媒処理装置に送り、この溶媒処理装置は強化溶媒流を生成してもよい。その後、強化溶媒流を最終並流接触システム内で循環利用し、最終ガス流を生成してもよい。
本技術は様々な修正や代替的形成がし易く、上述の実施形態は例示としてのみ示している。しかし、本技術が本明細書に開示した特定の実施形態に限定されることを意図したものではないことは改めて理解すべきである。実際、本技術には、添付の特許請求の範囲の真の精神及び範囲内に該当する全ての代替物、修正物、及び等価物が含まれる。
(付記)
本発明は以下のようにとらえることが可能である。
(付記1)
ガス処理システムであって:
酸ガスを含むサワー供給ガス流と溶媒流とを接触させ、部分的にスイートニングしたガス流及び酸ガスを吸収したリッチ溶媒流を生成するように構成した複数の並流接触システムであって、前記複数の並流接触システムのうちの少なくとも1つは前記リッチ溶媒流を再生装置に送るように構成している、複数の並流接触システム;
前記吸収した酸ガスを前記リッチ溶媒流から除去し、リーン溶媒流を生成するように構成した前記再生装置;
前記リーン溶媒流の少なくとも一部を処理し、強化溶媒流を生成するように構成した溶媒処理装置;並びに
前記部分的スイートニングガス流と前記強化溶媒流とを接触させ、部分的に負荷を掛けた溶媒流及び最終ガス流を生成するように構成した最終並流接触システム
を備えることを特徴とするガス処理システム。
(付記2)
前記サワー供給ガス流はサワー天然ガス流を含む、付記1に記載のガス処理システム。
(付記3)
前記吸収した酸ガスは硫化水素(H S)を含む、付記1に記載のガス処理システム。
(付記4)
前記最終ガス流は4百万分率(ppm)以下のH Sを含む、付記3に記載のガス処理システム。
(付記5)
前記複数の並流接触システムのそれぞれは、対応する溶媒流を前記複数の並流接触システムのうちの先行する1つへと再循環させるように構成し、前記最終並流接触システムは前記部分的負荷溶媒流を前記複数の並流接触システムのうちの先行する1つへと再循環させるように構成している、付記1に記載のガス処理システム。
(付記6)
前記溶媒処理装置は、前記リーン溶媒流の温度を下げて前記強化溶媒流を生成するように構成した冷却装置を備える、付記1に記載のガス処理システム。
(付記7)
前記最終ガス流の酸ガス濃度を決定するように構成した分析装置;及び
前記分析装置により決定した前記酸ガス濃度に基づいて前記冷却装置の温度を上下させるように構成した制御装置
を備える付記6に記載のガス処理システム。
(付記8)
前記溶媒処理装置は陰イオン交換床を備える、付記1に記載のガス処理システム。
(付記9)
前記溶媒処理装置は電気透析ユニットを備える、付記1に記載のガス処理システム。
(付記10)
前記溶媒処理装置は、強化流体を前記リーン溶媒流に注入することにより前記強化溶媒流を生成するように構成している、付記1に記載のガス処理システム。
(付記11)
前記複数の並流接触システムのそれぞれは:
導管内に直列に配置した並流接触装置であって、前記並流接触装置は:
前記並流接触装置を前記導管内に維持するように構成した環状支持リング;
前記溶媒流を前記並流接触装置に流入させるように構成した多数の放射状ブレード;及び
前記並流接触装置内で前記サワー供給ガス流を中空部に流すように構成した中心ガス導入コーン
を備え、
前記並流接触装置は、前記溶媒流から形成した液滴のサワー供給ガス流への取り込みを効率化する、並流接触装置;並びに
前記液滴を前記サワー供給ガス流から除去するように構成した分離装置
を備える、付記1に記載のガス処理システム。
(付記12)
ガス処理システム内で酸ガス除去を強化するための方法であって、前記方法には:
複数の並流接触システム内で酸ガスを含むサワー供給ガス流と溶媒流とを接触させ、部分的にスイートニングしたガス流、及び酸ガスを吸収したリッチ溶媒流を生成する工程;
再生装置内で、前記吸収した酸ガスを前記リッチ溶媒流から除去してリーン溶媒流を生成する工程;
溶媒処理装置内で前記リーン溶媒流の少なくとも一部を処理して強化溶媒流を生成する工程;並びに
最終並流接触システム内で、前記部分的スイートニングガス流と前記強化溶媒流とを接触させて、部分的に負荷の掛かった溶媒流及び最終ガス流を生成する工程
が含まれることを特徴とする方法。
(付記13)
前記サワー供給ガス流はサワー天然ガス流を含む、付記12に記載の方法。
(付記14)
前記吸収した酸ガスは硫化水素(H S)を含む、付記12に記載の方法。
(付記15)
前記最終ガス流は4百万分率(ppm)以下のH Sを含む、付記14に記載の方法。
(付記16)
対応する溶媒流を、前記複数の並流接触システムのそれぞれから前記複数の並流接触システムのうちの先行する1つへと再循環させる工程;及び
前記部分的負荷溶媒流を、前記最終並流接触システムから前記複数の並流接触システムのうちの先行する1つへと再循環させる工程
が含まれる付記12に記載の方法。
(付記17)
前記溶媒処理装置は、前記リーン溶媒流の温度を下げて前記強化溶媒流を生成するように構成した冷却装置を備える、付記12に記載の方法。
(付記18)
前記最終ガス流を分析して、前記最終ガス流の酸ガス濃度を決定する工程;及び
前記最終ガス流の前記酸ガス濃度に基づいて、前記冷却装置の温度を上下させる工程
が含まれる付記17に記載の方法。
(付記19)
前記溶媒処理装置は陰イオン交換床を備える、付記12に記載の方法。
(付記20)
前記溶媒処理装置は電気透析ユニットを備える、付記12に記載の方法。
(付記21)
前記溶媒処理装置内で前記リーン溶媒流の少なくとも一部を処理する工程には、前記リーン溶媒流に強化流体を注入することにより前記強化溶媒流を生成する工程が含まれる、付記12に記載の方法。
(付記22)
前記複数の並流接触システム内で前記サワー供給ガス流と前記溶媒流とを接触させる工程には:
環状支持リング、及び前記環状支持リングから延在する複数の放射状ブレードを介して、前記溶媒流を並流接触装置に流入させる工程であって、前記環状支持リングは前記並流接触装置を導管内で直列に確保する工程;
前記複数の放射状ブレードに支持される中心ガス導入コーンを介して、前記並流接触装置に前記サワー供給ガス流を流す工程であって、前記サワー供給ガス流の第1部分は前記中心ガス導入コーンを流れ、前記サワー供給ガス流の第2部分は前記複数の放射状ブレード間の前記中心ガス導入コーンの周囲を流れる工程;
前記サワー供給ガス流と前記溶媒流とを接触させて、前記溶媒流から形成した液滴をサワー供給ガス流に取り込ませる工程;並びに
分離装置内で前記サワー供給ガス流から前記液滴を分離する工程
が含まれる、付記12に記載の方法。
(付記23)
ガス処理システムであって:
酸ガスを含むサワー供給ガス流と溶媒流とを接触させて、部分的スイートニングガス流、及び前記酸ガスの第1部分を含むリッチ溶媒流を生成するように構成した複数の並流接触システム;
前記リッチ溶媒流から前記酸ガスの第1部分を除去して前記溶媒流を生成し;前記溶媒流を、前記複数の並流接触システムの少なくとも1つへと再循環させるように構成した第1再生装置;
前記部分的スイートニングガス流と強化溶媒流とを接触させ、最終ガス流、及び前記酸ガスの第2部分を含む部分的負荷溶媒流を生成するように構成した最終並流接触システム;
前記部分的負荷溶媒流から前記酸ガスの前記第2部分を除去し、リーン溶媒流を生成するように構成した第2再生装置;並びに
前記リーン溶媒流の少なくとも一部を処理し、前記最終並流接触システム内で前記部分的スイートニングガス流と接触する前記強化溶媒流を生成するように構成した溶媒処理装置
を備えることを特徴とするガス処理システム。
(付記24)
前記サワー供給ガス流はサワー天然ガス流を含む、付記23に記載のガス処理システム。
(付記25)
前記酸ガスは硫化水素(H S)を含む、付記23に記載のガス処理システム。
(付記26)
前記最終ガス流は4百万分率(ppm)以下のH Sを含む、付記25に記載のガス処理システム。
(付記27)
前記複数の並流接触システムのそれぞれは、対応する溶媒流を前記複数の並流接触システムのうちの先行する1つへと再循環させるように構成している、付記23に記載のガス処理システム。
(付記28)
前記溶媒処理装置は、前記リーン溶媒流の温度を下げて前記強化溶媒流を生成するように構成した冷却装置を備える、付記23に記載のガス処理システム。
(付記29)
前記最終ガス流の酸ガス濃度を決定するように構成した分析装置;及び
前記分析装置により決定した前記酸ガス濃度に基づいて前記冷却装置の温度を上下させるように構成した制御装置
を備える付記28に記載のガス処理システム。
(付記30)
前記溶媒処理装置は陰イオン交換床を備える、付記23に記載のガス処理システム。
(付記31)
前記溶媒処理装置は電気透析ユニットを備える、付記23に記載のガス処理システム。
(付記32)
前記溶媒処理装置は、強化流体を前記リーン溶媒流の少なくとも一部に注入することにより前記強化溶媒流を生成するように構成している、付記23に記載のガス処理システム。
(付記33)
前記複数の並流接触システムのそれぞれは:
導管内に直列に配置した並流接触装置であって、前記並流接触装置は:
前記並流接触装置を前記導管内に維持するように構成した環状支持リング;
前記溶媒流を前記並流接触装置に流入させるように構成した多数の放射状ブレード;及び
前記並流接触装置内で前記サワー供給ガス流を中空部に流すように構成した中心ガス導入コーン
を備え、
前記並流接触装置は、前記溶媒流から形成した液滴のサワー供給ガス流への取り込みを効率化する、並流接触装置;並びに
前記液滴を前記サワー供給ガス流から除去するように構成した分離装置
を備える、付記23に記載のガス処理システム。

Claims (33)

  1. ガス処理システムであって:
    酸ガスを含むサワー供給ガス流と溶媒流とを接触させ、部分的にスイートニングしたガス流及び酸ガスを吸収したリッチ溶媒流を生成するように構成した複数の並流接触システムであって、前記複数の並流接触システムのうちの少なくとも1つは前記リッチ溶媒流を再生装置に送るように構成している、複数の並流接触システム;
    前記吸収した酸ガスを前記リッチ溶媒流から除去し、リーン溶媒流を生成するように構成した前記再生装置;
    前記リーン溶媒流の少なくとも一部を処理し、強化溶媒流を生成するように構成した溶媒処理装置;並びに
    前記部分的スイートニングガス流と前記強化溶媒流とを接触させ、部分的に負荷を掛けた溶媒流及び最終ガス流を生成するように構成した最終並流接触システム
    を備えることを特徴とするガス処理システム。
  2. 前記サワー供給ガス流はサワー天然ガス流を含む、請求項1に記載のガス処理システム。
  3. 前記吸収した酸ガスは硫化水素(H2S)を含む、請求項1に記載のガス処理システム。
  4. 前記最終ガス流は4百万分率(ppm)以下のH2Sを含む、請求項3に記載のガス処理システム。
  5. 前記複数の並流接触システムのそれぞれは、対応する溶媒流を前記複数の並流接触システムのうちの先行する1つへと再循環させるように構成し、前記最終並流接触システムは前記部分的負荷溶媒流を前記複数の並流接触システムのうちの先行する1つへと再循環させるように構成している、請求項1に記載のガス処理システム。
  6. 前記溶媒処理装置は、前記リーン溶媒流の温度を下げて前記強化溶媒流を生成するように構成した冷却装置を備える、請求項1に記載のガス処理システム。
  7. 前記最終ガス流の酸ガス濃度を決定するように構成した分析装置;及び
    前記分析装置により決定した前記酸ガス濃度に基づいて前記冷却装置の温度を上下させるように構成した制御装置
    を備える請求項6に記載のガス処理システム。
  8. 前記溶媒処理装置は陰イオン交換床を備える、請求項1に記載のガス処理システム。
  9. 前記溶媒処理装置は電気透析ユニットを備える、請求項1に記載のガス処理システム。
  10. 前記溶媒処理装置は、強化流体を前記リーン溶媒流に注入することにより前記強化溶媒流を生成するように構成している、請求項1に記載のガス処理システム。
  11. 前記複数の並流接触システムのそれぞれは:
    導管内に直列に配置した並流接触装置であって、前記並流接触装置は:
    前記並流接触装置を前記導管内に維持するように構成した環状支持リング;
    前記溶媒流を前記並流接触装置に流入させるように構成した多数の放射状ブレード;及び
    前記並流接触装置内で前記サワー供給ガス流を中空部に流すように構成した中心ガス導入コーン
    を備え、
    前記並流接触装置は、前記溶媒流から形成した液滴のサワー供給ガス流への取り込みを効率化する、並流接触装置;並びに
    前記液滴を前記サワー供給ガス流から除去するように構成した分離装置
    を備える、請求項1に記載のガス処理システム。
  12. ガス処理システム内で酸ガス除去を強化するための方法であって、前記方法には:
    複数の並流接触システム内で酸ガスを含むサワー供給ガス流と溶媒流とを接触させ、部分的にスイートニングしたガス流、及び酸ガスを吸収したリッチ溶媒流を生成する工程;
    再生装置内で、前記吸収した酸ガスを前記リッチ溶媒流から除去してリーン溶媒流を生成する工程;
    溶媒処理装置内で前記リーン溶媒流の少なくとも一部を処理して強化溶媒流を生成する工程;並びに
    最終並流接触システム内で、前記部分的スイートニングガス流と前記強化溶媒流とを接触させて、部分的に負荷の掛かった溶媒流及び最終ガス流を生成する工程
    が含まれることを特徴とする方法。
  13. 前記サワー供給ガス流はサワー天然ガス流を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記吸収した酸ガスは硫化水素(H2S)を含む、請求項12に記載の方法。
  15. 前記最終ガス流は4百万分率(ppm)以下のH2Sを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 対応する溶媒流を、前記複数の並流接触システムのそれぞれから前記複数の並流接触システムのうちの先行する1つへと再循環させる工程;及び
    前記部分的負荷溶媒流を、前記最終並流接触システムから前記複数の並流接触システムのうちの先行する1つへと再循環させる工程
    が含まれる請求項12に記載の方法。
  17. 前記溶媒処理装置は、前記リーン溶媒流の温度を下げて前記強化溶媒流を生成するように構成した冷却装置を備える、請求項12に記載の方法。
  18. 前記最終ガス流を分析して、前記最終ガス流の酸ガス濃度を決定する工程;及び
    前記最終ガス流の前記酸ガス濃度に基づいて、前記冷却装置の温度を上下させる工程
    が含まれる請求項17に記載の方法。
  19. 前記溶媒処理装置は陰イオン交換床を備える、請求項12に記載の方法。
  20. 前記溶媒処理装置は電気透析ユニットを備える、請求項12に記載の方法。
  21. 前記溶媒処理装置内で前記リーン溶媒流の少なくとも一部を処理する工程には、前記リーン溶媒流に強化流体を注入することにより前記強化溶媒流を生成する工程が含まれる、請求項12に記載の方法。
  22. 前記複数の並流接触システム内で前記サワー供給ガス流と前記溶媒流とを接触させる工程には:
    環状支持リング、及び前記環状支持リングから延在する複数の放射状ブレードを介して、前記溶媒流を並流接触装置に流入させる工程であって、前記環状支持リングは前記並流接触装置を導管内で直列に確保する工程;
    前記複数の放射状ブレードに支持される中心ガス導入コーンを介して、前記並流接触装置に前記サワー供給ガス流を流す工程であって、前記サワー供給ガス流の第1部分は前記中心ガス導入コーンを流れ、前記サワー供給ガス流の第2部分は前記複数の放射状ブレード間の前記中心ガス導入コーンの周囲を流れる工程;
    前記サワー供給ガス流と前記溶媒流とを接触させて、前記溶媒流から形成した液滴をサワー供給ガス流に取り込ませる工程;並びに
    分離装置内で前記サワー供給ガス流から前記液滴を分離する工程
    が含まれる、請求項12に記載の方法。
  23. ガス処理システムであって:
    酸ガスを含むサワー供給ガス流と溶媒流とを接触させて、部分的スイートニングガス流、及び前記酸ガスの第1部分を含むリッチ溶媒流を生成するように構成した複数の並流接触システム;
    前記リッチ溶媒流から前記酸ガスの第1部分を除去して前記溶媒流を再生し;前記溶媒流を、前記複数の並流接触システムの少なくとも1つへと再循環させるように構成した第1再生装置;
    前記部分的スイートニングガス流と強化溶媒流とを接触させ、最終ガス流、及び前記酸ガスの第2部分を含む部分的負荷溶媒流を生成するように構成した最終並流接触システム;
    前記部分的負荷溶媒流から前記酸ガスの前記第2部分を除去し、リーン溶媒流を生成するように構成した第2再生装置;並びに
    前記リーン溶媒流の少なくとも一部を処理し、前記最終並流接触システム内で前記部分的スイートニングガス流と接触する前記強化溶媒流を生成するように構成した溶媒処理装置
    を備えることを特徴とするガス処理システム。
  24. 前記サワー供給ガス流はサワー天然ガス流を含む、請求項23に記載のガス処理システム。
  25. 前記酸ガスは硫化水素(H2S)を含む、請求項23に記載のガス処理システム。
  26. 前記最終ガス流は4百万分率(ppm)以下のH2Sを含む、請求項25に記載のガス処理システム。
  27. 前記複数の並流接触システムのそれぞれは、対応する溶媒流を前記複数の並流接触システムのうちの先行する1つへと再循環させるように構成している、請求項23に記載のガス処理システム。
  28. 前記溶媒処理装置は、前記リーン溶媒流の温度を下げて前記強化溶媒流を生成するように構成した冷却装置を備える、請求項23に記載のガス処理システム。
  29. 前記最終ガス流の酸ガス濃度を決定するように構成した分析装置;及び
    前記分析装置により決定した前記酸ガス濃度に基づいて前記冷却装置の温度を上下させるように構成した制御装置
    を備える請求項28に記載のガス処理システム。
  30. 前記溶媒処理装置は陰イオン交換床を備える、請求項23に記載のガス処理システム。
  31. 前記溶媒処理装置は電気透析ユニットを備える、請求項23に記載のガス処理システム。
  32. 前記溶媒処理装置は、強化流体を前記リーン溶媒流の少なくとも一部に注入することにより前記強化溶媒流を生成するように構成している、請求項23に記載のガス処理システム。
  33. 前記複数の並流接触システムのそれぞれは:
    導管内に直列に配置した並流接触装置であって、前記並流接触装置は:
    前記並流接触装置を前記導管内に維持するように構成した環状支持リング;
    前記溶媒流を前記並流接触装置に流入させるように構成した多数の放射状ブレード;及び
    前記並流接触装置内で前記サワー供給ガス流を中空部に流すように構成した中心ガス導入コーン
    を備え、
    前記並流接触装置は、前記溶媒流から形成した液滴のサワー供給ガス流への取り込みを効率化する、並流接触装置;並びに
    前記液滴を前記サワー供給ガス流から除去するように構成した分離装置
    を備える、請求項23に記載のガス処理システム。
JP2021526386A 2018-11-19 2019-10-22 並流ガス吸収方法及び強化された吸収体を有するシステム Active JP7421553B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201862769144P 2018-11-19 2018-11-19
US62/769,144 2018-11-19
PCT/US2019/057396 WO2020106396A1 (en) 2018-11-19 2019-10-22 Co-current gas absortion method and system with an enhanced absorbent

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022513039A true JP2022513039A (ja) 2022-02-07
JP7421553B2 JP7421553B2 (ja) 2024-01-24

Family

ID=68582330

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021526386A Active JP7421553B2 (ja) 2018-11-19 2019-10-22 並流ガス吸収方法及び強化された吸収体を有するシステム

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP3883670A1 (ja)
JP (1) JP7421553B2 (ja)
BR (1) BR112021008013A2 (ja)
SG (1) SG11202104587VA (ja)
WO (1) WO2020106396A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022165451A1 (en) * 2021-01-28 2022-08-04 Exxonmobil Upstream Research Company Control of acid gas loading within gas processing system

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003220316A (ja) * 2002-01-30 2003-08-05 Ebara Corp ガス精製方法、ガス精製システム及び発電システム
JP2005532157A (ja) * 2002-07-03 2005-10-27 フルー・コーポレイシヨン 改良型分流法および装置
JP2012505747A (ja) * 2008-10-14 2012-03-08 エクソンモービル アップストリーム リサーチ カンパニー ガス流からの酸性ガスの除去
WO2014182563A2 (en) * 2013-05-09 2014-11-13 Exxonmobil Upstream Research Company Separating impurities from a gas stream using a vertically oriented co-current contacting system
US8899557B2 (en) * 2011-03-16 2014-12-02 Exxonmobil Upstream Research Company In-line device for gas-liquid contacting, and gas processing facility employing co-current contactors

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5622681A (en) * 1992-01-21 1997-04-22 The Dow Chemical Company Dialysis separation of heat stable organic amine salts in an acid gas absorption process
AU2003900534A0 (en) 2003-02-07 2003-02-20 Shell Internationale Research Maatschappij B.V. Process and apparatus for removal of a contaminant from a natural gas feed stream
CN105658306A (zh) * 2013-10-30 2016-06-08 陶氏环球技术有限责任公司 用于总有机硫去除和总酸性气体去除的混合溶剂调配物
KR101564165B1 (ko) * 2014-03-07 2015-10-28 한국에너지기술연구원 자가발전 수단을 이용한 이산화탄소 포집 장치 및 방법
US11167241B2 (en) * 2017-03-06 2021-11-09 Dow Global Technologies Llc Energy efficient process for separating hydrogen sulfide from gaseous mixtures using a hybrid solvent mixture

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003220316A (ja) * 2002-01-30 2003-08-05 Ebara Corp ガス精製方法、ガス精製システム及び発電システム
JP2005532157A (ja) * 2002-07-03 2005-10-27 フルー・コーポレイシヨン 改良型分流法および装置
JP2012505747A (ja) * 2008-10-14 2012-03-08 エクソンモービル アップストリーム リサーチ カンパニー ガス流からの酸性ガスの除去
US8899557B2 (en) * 2011-03-16 2014-12-02 Exxonmobil Upstream Research Company In-line device for gas-liquid contacting, and gas processing facility employing co-current contactors
WO2014182563A2 (en) * 2013-05-09 2014-11-13 Exxonmobil Upstream Research Company Separating impurities from a gas stream using a vertically oriented co-current contacting system

Also Published As

Publication number Publication date
BR112021008013A2 (pt) 2021-08-03
JP7421553B2 (ja) 2024-01-24
EP3883670A1 (en) 2021-09-29
WO2020106396A1 (en) 2020-05-28
SG11202104587VA (en) 2021-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8821615B2 (en) Sour gas treatment process
US10130897B2 (en) Contacting a gas stream with a liquid stream
CA2674874C (en) Method for purifying a gas mixture containing acid gases
RU2626850C2 (ru) Система сдвоенного потока и способ производства диоксида углерода
EP1914294A1 (en) Method for removal of sulfur-containing compound from natural gas
JP2011528993A (ja) N,n,n’,n’−テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミンと第1級または第2級アミン官能基を有する特定のアミンとに基づく吸収溶液、およびガス状流出物から酸性化合物を除去する方法
US20180272269A1 (en) Acid gas removal with an absorption liquid that separates in two liquid phases
JP2019532802A (ja) 選択的汚染物質除去を強化するための装置、システム、及び関連するプロセス
SG195532A1 (en) Removal of acid gases from a gas stream
Ghasem CO2 removal from natural gas
KR20160058826A (ko) 풍부/희박 용매 재생을 위한 스트리퍼 공급 장치의 최적화
US11413571B2 (en) Removing impurities from a gas stream
US11090604B2 (en) Enhanced acid gas removal within a gas processing system
JP7421553B2 (ja) 並流ガス吸収方法及び強化された吸収体を有するシステム
WO2017189297A1 (en) Process for selective removal of acid gases from fluid streams using a hybrid solvent mixture
AU2011320717B2 (en) Use of 2-(3-aminopropoxy)ethan-1-ol as an absorbent to remove acidic gases
US11535515B2 (en) Sulfur recovery within a gas processing system
EA017639B1 (ru) Способ осушки и демеркаптанизации газовых смесей
KR20140054340A (ko) 물리적 용매 산 기체 흡수 공정에서의 포메이트계 열안정성 염의 경감
WO2022099234A1 (en) Methods for treating gas streams

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210513

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210513

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221109

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20230127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230718

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231016

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7421553

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150