JP2022505524A - 投薬 - Google Patents
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Abstract
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月22日に出願された米国仮出願第62/748,595号、2019年2月20日に出願された同第62/807,897号、2019年4月23日に出願された同第62/837,385号、2019年9月3日に出願された同第62/895,229号、および2019年9月19日に出願された同第62/902,444号の利益を主張するものであり、その開示は、参照によりそれらの全体として本明細書に組み入れられる。
本出願は、2018年10月22日に出願された米国仮出願第62/748,595号、2019年2月20日に出願された同第62/807,897号、2019年4月23日に出願された同第62/837,385号、2019年9月3日に出願された同第62/895,229号、および2019年9月19日に出願された同第62/902,444号の利益を主張するものであり、その開示は、参照によりそれらの全体として本明細書に組み入れられる。
本発明は、哺乳類における癌を治療する方法に関する。特に、本発明は、抗ICOS抗体の投薬、ならびに抗ICOS抗体およびPD1アンタゴニストの組合せの投薬に関する。
癌を含めた過剰増殖性障害の効果的な治療は、腫瘍学分野における継続的目標である。一般的に、癌は、細胞***、分化、およびアポトーシス細胞死を制御する正常な過程の脱調節により生じ、限りない成長、局所的拡大、および全身転移の潜在性を有する悪性細胞の増殖によって特徴付けられる。正常な過程の脱調節には、シグナル伝達経路の異常、および正常細胞に見出されるものとは異なる因子への応答が含まれる。
免疫療法は、過剰増殖性障害を治療する1つの手法である。科学者および臨床医が様々なタイプの癌免疫療法の開発において直面している大きな障壁は、腫瘍退縮につながる堅牢な抗腫瘍応答を始めるために、自己抗原(癌)への耐性を破壊することである。腫瘍を標的にする小分子および大分子作用物質の伝統的な開発とは異なり、癌免疫療法は、数ある中でも、エフェクター細胞のメモリープールを作り出す潜在性を有する免疫系の細胞を標的にして、より永続的な効果を誘導し得および再発を最小限に抑え得る。
癌の治療において多くの近年の進歩があるものの、癌の影響を受けている個体のより効果的でかつ/または増強した治療の必要性が残る。抗腫瘍免疫を増強するために治療的手法を組み合わせることに関する本明細書における方法は、この必要性に応える。
1つの態様において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分を約0.08mg~約240mgの用量でヒトに投与するステップを含む、癌を治療する方法が提供される。
1つの態様において、それを必要とするヒトにおける癌を治療する方法であって、方法は、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分を約0.08mg~約240mgの用量でヒトに投与するステップを含む、方法が提供される。
別の態様において、癌を治療することにおける使用のためのアゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分であって、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、約0.08mg~約240mgの用量で投与されるものである、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分が提供される。
1つの態様において、癌を治療するための医薬の製造におけるアゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の使用であって、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、約0.08mg~約240mgの用量で投与されるものである、使用が提供される。
1つの態様において、約0.08mg~約240mgのICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分を含む医薬キットが提供される。
ICOSに結合する抗原結合タンパク質および抗体
「抗原結合タンパク質(ABP)」とは、抗体または抗体と同様に機能する操作された分子を含めた、抗原に結合するタンパク質を意味する。そのような代替的な抗体形式には、トリアボディ、テトラボディ、ミニ抗体、およびミニボディが含まれる。本開示に従った任意の分子の1つまたは複数のCDRが、アフィボディ(affibody)、SpA足場、LDL受容体クラスAドメイン、アビマー(avimer)(例えば、米国特許出願公開第2005/0053973号明細書、同第2005/0089932号明細書、同第2005/0164301号明細書を参照されたい)、またはEGFドメイン等の適切な非免疫グロブリンタンパク質足場または骨格に配置され得る、代替的な足場も含まれる。ABPは、そのような抗体または他の分子の抗原結合フラグメントも含む。さらに、ABPは、適当な軽鎖と対合した場合に、全長抗体、(Fab’)2フラグメント、Fabフラグメント、二重特異性もしくはバイパラトピック(biparatopic)分子、またはその同等物(scFV、バイ-、トリ-、またはテトラ-ボディ、Tandab等)にフォーマットされる、本発明のVH領域を含み得る。ABPは、IgG1、IgG2、IgG3、もしくはIgG4;またはIgM;IgA、IgE、もしくはIgD、あるいはその改変されたバリアントである抗体を含み得る。抗体重鎖の定常ドメインが、それに従って選択され得る。軽鎖定常ドメインは、カッパまたはラムダ定常ドメインであり得る。ABPは、抗原結合領域および非免疫グロブリン領域を含む、国際公開第86/01533号パンフレットに記載されるタイプのキメラ抗体でもあり得る。「ABP」、「抗原結合タンパク質」、および「結合タンパク質」という用語は、本明細書において互換可能に使用される。
「抗原結合タンパク質(ABP)」とは、抗体または抗体と同様に機能する操作された分子を含めた、抗原に結合するタンパク質を意味する。そのような代替的な抗体形式には、トリアボディ、テトラボディ、ミニ抗体、およびミニボディが含まれる。本開示に従った任意の分子の1つまたは複数のCDRが、アフィボディ(affibody)、SpA足場、LDL受容体クラスAドメイン、アビマー(avimer)(例えば、米国特許出願公開第2005/0053973号明細書、同第2005/0089932号明細書、同第2005/0164301号明細書を参照されたい)、またはEGFドメイン等の適切な非免疫グロブリンタンパク質足場または骨格に配置され得る、代替的な足場も含まれる。ABPは、そのような抗体または他の分子の抗原結合フラグメントも含む。さらに、ABPは、適当な軽鎖と対合した場合に、全長抗体、(Fab’)2フラグメント、Fabフラグメント、二重特異性もしくはバイパラトピック(biparatopic)分子、またはその同等物(scFV、バイ-、トリ-、またはテトラ-ボディ、Tandab等)にフォーマットされる、本発明のVH領域を含み得る。ABPは、IgG1、IgG2、IgG3、もしくはIgG4;またはIgM;IgA、IgE、もしくはIgD、あるいはその改変されたバリアントである抗体を含み得る。抗体重鎖の定常ドメインが、それに従って選択され得る。軽鎖定常ドメインは、カッパまたはラムダ定常ドメインであり得る。ABPは、抗原結合領域および非免疫グロブリン領域を含む、国際公開第86/01533号パンフレットに記載されるタイプのキメラ抗体でもあり得る。「ABP」、「抗原結合タンパク質」、および「結合タンパク質」という用語は、本明細書において互換可能に使用される。
本明細書において使用するとき、「ICOS」とは、任意の誘導性T細胞共刺激タンパク質を意味する。ICOS(誘導性T細胞協刺激因子(Inducible T-cell COStimulator))の仮名には、AILIM;CD278;CVID1、JTT-1もしくはJTT-2、MGC39850、または8F4が含まれる。ICOSは、活性化T細胞上で発現される、CD28スーパーファミリー共刺激分子である。この遺伝子によってコードされるタンパク質は、CD28およびCTLA-4細胞表面受容体ファミリーに属する。それはホモ二量体を形成し、細胞-細胞シグナル伝達、免疫応答、および細胞増殖の調節において重要な役割を果たす。ヒトICOSのアミノ酸配列(アイソフォーム2)(アクセッション番号:UniProtKB-Q9Y6W8-2)が、配列番号9として下に示される。
ヒトICOSのアミノ酸配列(アイソフォーム1)(アクセッション番号:UniProtKB-Q9Y6W8-1)が、配列番号10として下に示される。
ICOSの活性化は、ICOS-L(B7RP-1/B7-H2)による結合を通じて生じる。B7-1もB7-2も(CD28およびCTLA4に対するリガンド)、ICOSに結合しないまたは活性化しない。しかしながら、ICOS-Lは、CD28およびCTLA-4の両方に弱く結合することが示されている(Yao S et al., “B7-H2 is a costimulatory ligand for CD28 in human”, Immunity, 34(5); 729-40 (2011))。ICOSの発現は、T細胞に制限されているように見える。ICOS発現レベルは、種々のT細胞サブセット間でおよびT細胞活性化状態で異なる。ICOS発現は、休止TH17、T濾胞性ヘルパー(TFH)および調節性T(Treg)細胞で示されている;しかしながら、CD28とは異なり、それは、ナイーブTH1およびTH2エフェクターT細胞集団では高発現されない(Paulos CM et al., “The inducible costimulator (ICOS) is critical for the development of human Th17 cells”, Sci Transl Med, 2(55); 55ra78 (2010))。ICOS発現は、TCR関与(engagement)を通じた活性化の後、CD4+およびCD8+エフェクターT細胞上で高度に誘導される(Wakamatsu E, et al., “Convergent and divergent effects of costimulatory molecules in conventional and regulatory CD4+ T cells”, Proc Natl Acad Sci USA, 110(3); 1023-8 (2013))。ICOS受容体を通じた共刺激シグナル伝達は、同時TCR活性化シグナルを受けたT細胞においてのみ生じる(Sharpe AH and Freeman GJ. “The B7-CD28 Superfamily”, Nat. Rev Immunol, 2(2); 116-26 (2002))。活性化された抗原特異的T細胞において、ICOSは、IFN-γ、TNF-α、IL-10、IL-4、IL-13、およびその他を含めた、TH1およびTH2サイトカインの両方の産生を調節する。ICOSは、CD28よりも低い程度ではあるが、エフェクターT細胞増殖も刺激する(Sharpe AH and Freeman GJ. “The B7-CD28 Superfamily”, Nat. Rev Immunol, 2(2); 116-26 (2002))。ICOSに対する抗体および疾患の治療において使用する方法は、例えば国際公開第2012/131004号パンフレット、米国特許出願公開第20110243929号明細書および第20160215059号明細書に記載される。米国特許出願公開第20160215059号明細書は、参照により本明細書に組み入れられる。アゴニスト活性を有するヒトICOSに対するマウス抗体に対するCDRは、PCT/EP2012/055735(国際公開第2012/131004号パンフレット)に示される。ICOSに対する抗体は、国際公開第2008/137915号パンフレット、国際公開第2010/056804号パンフレット、欧州特許第1374902号明細書、欧州特許第1374901号明細書、および欧州特許第1125585号明細書にも開示される。ICOSまたはICOS結合タンパク質に対するアゴニスト抗体は、国際公開第2012/13004号パンフレット、国際公開第2014/033327号パンフレット、国際公開第2016/120789号パンフレット、米国特許出願公開第20160215059号明細書、および米国特許出願公開第20160304610号明細書に開示される。米国特許出願公開第2016/0304610号明細書における例示的な抗体には、37A10S713が含まれる。37A10S713の配列は、配列番号14~21として下に再現される。
37A10S713 VH CDR1:GFTFSDYWMD(配列番号14)
37A10S713 VH CDR2:NIDEDGSITEYSPFVKG(配列番号15)
37A10S713 VH CDR3:WGRFGFDS(配列番号16)
37A10S713 VL CDR1:KSSQSLLSGSFNYLT(配列番号17)
37A10S713 VL CDR2:YASTRHT(配列番号18)
37A10S713 VL CDR3:HHHYNAPPT(配列番号19)
37A10S713 VH CDR2:NIDEDGSITEYSPFVKG(配列番号15)
37A10S713 VH CDR3:WGRFGFDS(配列番号16)
37A10S713 VL CDR1:KSSQSLLSGSFNYLT(配列番号17)
37A10S713 VL CDR2:YASTRHT(配列番号18)
37A10S713 VL CDR3:HHHYNAPPT(配列番号19)
37A10S713重鎖可変領域:
37A10S713軽鎖可変領域:
米国特許出願公開第2018/0289790号明細書における例示的な抗体には、ICOS.33 IgG1f S267Eが含まれる。ICOS.33 IgG1f S267Eの配列は、配列番号22~23として下に再現される。
ICOS.33 IgG1f S267E重鎖可変ドメイン
ICOS.33 IgG1f S267E軽鎖可変ドメイン
国際公開第2018/029474号パンフレットにおける例示的な抗体には、STIM003が含まれる。STIM003の配列は、配列番号24~25として下に再現される。
STIM003重鎖可変ドメイン
STIM003軽鎖可変ドメイン
国際公開第2018/049497号パンフレットにおける例示的な抗体には、XENP23104が含まれる。XENP23104のICOS結合Fab側([ICOS]_H0.66_L0)の配列が、配列番号26~33として下に再現される。
XENP23104[ICOS]_H0.66_L0重鎖可変ドメイン
XENP23104[ICOS]_H0.66_L0 VH CDR1:GYYMH(配列番号27)
XENP23104[ICOS]_H0.66_L0 VH CDR2:WINPHSGETIYAQKFQG(配列番号28)
XENP23104[ICOS]_H0.66_L0 VH CDR3:TYYYDTSGYYHDAFDV(配列番号29)
XENP23104[ICOS]_H0.66_L0 VH CDR2:WINPHSGETIYAQKFQG(配列番号28)
XENP23104[ICOS]_H0.66_L0 VH CDR3:TYYYDTSGYYHDAFDV(配列番号29)
XENP23104[ICOS]_H0.66_L0軽鎖可変ドメイン
XENP23104[ICOS]_H0.66_L0 VL CDR1:RASQGISRLLA(配列番号31)
XENP23104[ICOS]_H0.66_L0 VL CDR2:VASSLQS(配列番号32)
XENP23104[ICOS]_H0.66_L0 VL CDR3:QQANSFPWT(配列番号33)
XENP23104[ICOS]_H0.66_L0 VL CDR2:VASSLQS(配列番号32)
XENP23104[ICOS]_H0.66_L0 VL CDR3:QQANSFPWT(配列番号33)
「ICOSに向けられた作用物質」によって、ICOSに結合し得る任意の化学的化合物または生物学的分子を意味する。一部の実施形態において、ICOSに向けられた作用物質はICOS結合タンパク質である。一部の他の実施形態において、ICOSに向けられた作用物質はICOSアゴニストである。一部の実施形態において、ICOS結合タンパク質はアゴニストICOS結合タンパク質である。
本明細書において使用される「ICOS結合タンパク質」という用語は、ICOSに結合し得る、抗体、およびドメイン等の他のタンパク質構築物を指す。一部の場合には、ICOSはヒトICOSである。「ICOS結合タンパク質」という用語は、「ICOS抗原結合タンパク質」と互換可能に使用され得る。ゆえに、当技術分野において理解されるように、抗ICOS抗体および/またはICOS抗原結合タンパク質は、ICOS結合タンパク質と見なされるであろう。本明細書において使用するとき、「抗原結合タンパク質」とは、ICOS等の抗原に結合する、本明細書において記載される抗体、ドメイン、および他の構築物を含むがそれらに限定されない任意のタンパク質である。本明細書において使用するとき、ICOS結合タンパク質の「抗原結合部分」は、抗原結合抗体フラグメントを含むがそれに限定されない、ICOSに結合し得る、ICOS結合タンパク質の任意の部分を含むであろう。
1つの実施形態において、本発明のICOS抗体は、以下のCDRの任意の1つまたは組合せを含む。
CDRH1:DYAMH(配列番号1)
CDRH2:LISIYSDHTNYNQKFQG(配列番号2)
CDRH3:NNYGNYGWYFDV(配列番号3)
CDRL1:SASSSVSYMH(配列番号4)
CDRL2:DTSKLAS(配列番号5)
CDRL3:FQGSGYPYT(配列番号6)
CDRH2:LISIYSDHTNYNQKFQG(配列番号2)
CDRH3:NNYGNYGWYFDV(配列番号3)
CDRL1:SASSSVSYMH(配列番号4)
CDRL2:DTSKLAS(配列番号5)
CDRL3:FQGSGYPYT(配列番号6)
一部の実施形態において、本発明の抗ICOS抗体は、配列番号7と少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変領域を含む。適切には、本発明のICOS結合タンパク質は、配列番号7と約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖可変領域を含み得る。
ヒト化重鎖(VH)可変領域(H2):
本発明の1つの実施形態において、ICOS抗体は、配列番号8に記載されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域にCDRL1(配列番号4)、CDRL2(配列番号5)、およびCDRL3(配列番号6)を含む。配列番号8に記載されるヒト化軽鎖可変領域を含む本発明のICOS結合タンパク質は、「L5」と指定される。ゆえに、配列番号7の重鎖可変領域および配列番号8の軽鎖可変領域を含む本発明のICOS結合タンパク質は、本明細書においてH2L5と指定され得る。
一部の実施形態において、本発明のICOS結合タンパク質は、配列番号8に記載されるアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。適切には、本発明のICOS結合タンパク質は、配列番号8と約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含み得る。
ヒト化軽鎖(VL)可変領域(L5)
1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号34に記載されるアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖アミノ酸配列を含むヒト化モノクローナル抗体である。
1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号35に記載されるアミノ酸配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖アミノ酸配列を含むヒト化モノクローナル抗体である。
CDRまたは最小結合単位は、少なくとも1つのアミノ酸置換、欠失、または付加によって改変され得、バリアント抗原結合タンパク質は、配列番号7および配列番号8を含む抗体等の非改変タンパク質の生物学的特徴を実質的に保持する。
CDR H1、H2、H3、L1、L2、L3のそれぞれは、単独で、または任意の順列もしくは組合せでの他の任意のCDRとの組合せで改変され得ることが解されるであろう。1つの実施形態において、CDRは、最高3つのアミノ酸、例えば1つまたは2つのアミノ酸、例えば1つのアミノ酸の置換、欠失、または付加によって改変される。典型的に、改変は置換、例えば下の表1に示される、特に保存的置換(本明細書において直接同等物とも称される)である。
抗体のサブクラスは、補体活性化またはFc受容体(FcR)結合および抗体依存性細胞傷害(ADCC)等、二次的エフェクター機能を部分的に決定する(Huber, et al., Nature 229(5284): 419-20 (1971);Brunhouse, et al., Mol Immunol 16(11): 907-17 (1979))。特定の適用に対する抗体の最適なタイプを同定することにおいて、抗体のエフェクター機能が考慮に入れられ得る。例えば、hIgG1抗体は、比較的長い半減期を有し、補体を固定することにおいて非常に効果的であり、それらはFcγRIおよびFcγRIIの両方に結合する。対照的に、ヒトIgG4抗体は、より短い半減期を有し、補体を固定せず、FcRに対するより低いアフィニティーを有する。IgG4のFc領域におけるセリン228のプロリンでの置き換え(S228P)は、hIgG4に関して観察される不均一性を低下させ、血清半減期を延ばす(Kabat, et al., “Sequences of proteins of immunological interest” 5.sup.th Edition (1991);Angal, et al., Mol Immunol 30(1): 105-8 (1993))。ロイシン235をグルタミン酸で置き換える第2の変異(L235E)は、残余のFcR結合および補体結合活性を排除する(Alegre, et al., J Immunol 148(11): 3461-8 (1992))。両変異を有する、結果として生じる抗体は、IgG4PEと称される。hIgG4アミノ酸の番号付けは、EU番号付け参考文献:Edelman, G.M. et al., Proc. Natl. Acad. USA, 63, 78-85 (1969)に由来した。PMID:5257969。本発明の1つの実施形態において、ICOS抗体はIgG4アイソタイプである。1つの実施形態において、ICOS抗体は、S228PおよびL235E置き換えを含むIgG4 Fc領域を含み、IgG4PEという名称を有し得る。
本明細書において使用するとき、「ICOS-L」および「ICOSリガンド」は互換可能に使用され、ヒトICOSの膜結合天然リガンドを指す。ICOSリガンドは、ヒトではICOSLG遺伝子によってコードされるタンパク質である。ICOSLGは、CD275(分化抗原群(cluster of differentiation)275)としても指定されている。ICOS-Lの仮名には、B7RP-1およびB7-H2が含まれる。
PD1アンタゴニスト
本明細書において使用するとき、「PD-1に向けられた作用物質」または「PD1に向けられた作用物質」とは、PD1に結合し得る任意の化学的化合物または生物学的分子を意味する。一部の実施形態において、PD1に向けられた作用物質はPD1アンタゴニストである。
本明細書において使用するとき、「PD-1に向けられた作用物質」または「PD1に向けられた作用物質」とは、PD1に結合し得る任意の化学的化合物または生物学的分子を意味する。一部の実施形態において、PD1に向けられた作用物質はPD1アンタゴニストである。
本明細書において使用される「PD1結合タンパク質」または「PD-1結合タンパク質」という用語は、PD1に結合し得る、抗体、およびドメイン等の他のタンパク質構築物を指す。一部の場合には、PD1はヒトPD1である。「PD1結合タンパク質」という用語は、「PD1抗原結合タンパク質」と互換可能に使用され得る。ゆえに、当技術分野において理解されるように、抗PD1抗体および/またはPD1抗原結合タンパク質は、PD1結合タンパク質と見なされるであろう。本明細書において使用するとき、「抗原結合タンパク質」とは、PD1等の抗原に結合する、本明細書において記載される抗体、ドメイン、および他の構築物を含むがそれらに限定されない任意のタンパク質である。本明細書において使用するとき、PD1結合タンパク質の「抗原結合部分」は、抗原結合抗体フラグメントを含むがそれに限定されない、PD1に結合し得る、PD1結合タンパク質の任意の部分を含むであろう。
プログラム死1(PD-1)タンパク質は、CD28、CTLA-4、ICOS、およびBTLAも含む、受容体のCD28ファミリーの阻害性メンバーである。PD-1は、活性化B細胞、T細胞、および骨髄系細胞上で発現される(Agata et al.、上記;Okazaki et al. (2002) Curr. Opin. Immunol 14:391779-82;Bennett et al. (2003) J Immunol 170:711-8)。ファミリーの最初のメンバーであるCD28およびICOSは、モノクローナル抗体の添加後にT細胞増殖を高めることに対する機能的効果によって発見された(Hutloff et al. (1999) Nature 397:263-266;Hansen et al. (1980) Immunogenics 10:247-260)。PD-1は、アポトーシス細胞における差異的発現についてのスクリーニングを通じて発見された(Ishida et al. (1992) EMBO J 11:3887-95)。ファミリーの他のメンバーであるCTLA-4およびBTLAは、それぞれ細胞傷害性Tリンパ球およびTH1細胞における差異的発現についてのスクリーニングを通じて発見された。CD28、ICOS、およびCTLA-4はすべて、ホモ二量体化を可能にする不対システイン残基を有する。対照的に、PD-1は、単量体として存在することが示唆され、他のCD28ファミリーメンバーにおいて特徴的な不対システイン残基を欠如する。PD-1抗体および疾患の治療において使用する方法は、米国特許第7,595,048号明細書;米国特許第8,168,179号明細書;米国特許第8,728,474号明細書;米国特許第7,722,868号明細書;米国特許第8,008,449号明細書;米国特許第7,488,802号明細書;米国特許第7,521,051号明細書;米国特許第8,088,905号明細書;米国特許第8,168,757号明細書;米国特許第8,354,509号明細書;ならびに米国特許出願公開第20110171220号明細書;米国特許出願公開第20110171215号明細書;および米国特許出願公開第20110271358号明細書に記載される。CTLA-4およびPD-1抗体の組合せは、米国特許第9,084,776号明細書に記載される。
PD1に向けられた作用物質はPD1アンタゴニストであり、免疫細胞(T細胞、B細胞、またはNKT細胞)上で発現されるPD-1への、癌細胞上で発現されるPD-L1の結合を遮断し、免疫細胞で発現されるPD-1への、癌細胞上で発現されるPD-L2の結合も遮断し得る。PD-1およびそのリガンドに対する代替的な名前または同義語には、PD-1に対するPDCD1、PD1、CD279、およびSLEB2;PD-L1に対するPDCD1L1、PDL1、B7H1、B7-4、CD274、およびB7-H;ならびにPD-L2に対するPDCD1L2、PDL2、B7-DC、Btdc、およびCD273が含まれる。ヒトPD-1アミノ酸配列は、NCBI Locus番号:NP_005009に見出され得る。NCBI Locus番号:NP_005009におけるアミノ酸配列は下に再現される。
ヒトPD-L1およびPD-L2アミノ酸配列は、それぞれNCBI Locus番号:NP_054862およびNP_079515に見出され得る。
NCBI Locus番号:NP_054862におけるアミノ酸配列は下に再現される。
NCBI Locus番号:NP_079515におけるアミノ酸配列が下に再現される。
本発明の態様または実施形態のいずれかにおけるPD-1に向けられた作用物質には、PD-1に特異的に結合するモノクローナル抗体(mAb)またはその抗原結合フラグメントが含まれる。一部の実施形態において、PD-1に対するmAbは、ヒトPD-1に特異的に結合する。mAbは、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体であり得、ヒト定常領域を含み得る。ヒト定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4定常領域からなる群より選択され、好ましい実施形態において、ヒト定常領域は、IgG1またはIgG4定常領域である。抗原結合フラグメントは、Fab、Fab’-SH、F(ab’)2、scFv、およびFvフラグメントからなる群より選択され得る。
ヒトPD-1に結合するmAbの例は、米国特許第8,552,154号明細書;米国特許第8,354,509号明細書;米国特許第8,168,757号明細書;米国特許第8,008,449号明細書;米国特許第7,521,051号明細書;米国特許第7,488,802号明細書;国際公開第2004072286号パンフレット;国際公開第2004056875号パンフレット;および国際公開第2004004771号パンフレットに記載される。
他のPD-1結合タンパク質には、PD-1に特異的に結合し、好ましくはヒトPD-1に特異的に結合するイムノアドヘシン、例えば、免疫グロブリン分子のFc領域等の定常領域に融合した、PD-L1またはPD-L2の細胞外またはPD-1結合部分を含有する融合タンパク質が含まれる。PD-1に特異的に結合するイムノアドヘシン分子の例は、国際公開第2010027827号パンフレットおよび国際公開第2011066342号パンフレットに記載される。本発明の治療方法、医薬、および使用におけるPD-1アンタゴニストとして有用な具体的な融合タンパク質にはAMP-224(B7-DCIgとしても知られる)が含まれ、それはPD-L2-FC融合タンパク質であり、ヒトPD-1に結合する。
オプジーボ(OPDIVO)/ニボルマブは、免疫強化活性を有する、負の免疫調節性ヒト細胞表面受容体PD-1(プログラム死-1またはプログラム細胞死-1/PCD-1)に向けられた、Bristol Myers Squibbによって販売される完全ヒトモノクローナル抗体である。ニボルマブは、Igスーパーファミリー膜貫通タンパク質であるPD-1に結合し、そのリガンドであるPD-L1およびPD-L2によるPD-1の活性化を遮断し、腫瘍細胞または病原体に対するT細胞の活性化および細胞性免疫応答をもたらす。活性化されたPD-1は、P13k/Akt経路活性化の抑制を通じて、T細胞活性化およびエフェクター機能を負に調節する。ニボルマブの他の名前には、BMS-936558、MDX-1106、およびONO-4538が含まれる。ニボルマブに対するアミノ酸配列、ならびに使用するおよび作製する方法は、米国特許第8,008,449号明細書に開示される。
キイトルーダ(KEYTRUDA)/ペムブロリズマブは、Merckによって肺癌の治療のために販売される抗PD-1抗体である。ペムブロリズマブのアミノ酸配列および使用する方法は、米国特許第8,168,757号明細書に開示される。
LIBTAYO/セミプリマブ-rwlcは、進行性皮膚扁平上皮細胞癌腫の治療のために、RegeneronおよびSanofiによって販売される抗PD-1抗体である。
「PD-L1に向けられた作用物質」によって、PD-L1に結合し得る任意の化学的化合物または生物学的分子を意味する。一部の実施形態において、PD-L1に向けられた作用物質はPD-L1結合タンパク質である。本明細書において使用される「PDL1結合タンパク質」または「PD-L1結合タンパク質」という用語は、PD-L1に結合し得る、抗体、およびドメイン等の他のタンパク質構築物を指す。一部の場合には、PD-L1はヒトPD1である。「PD-L1結合タンパク質」という用語は、「PD-L1抗原結合タンパク質」と互換可能に使用され得る。ゆえに、当技術分野において理解されるように、抗PD-L1抗体および/またはPD-L1抗原結合タンパク質は、PD-L1結合タンパク質と見なされるであろう。本明細書において使用するとき、「抗原結合タンパク質」とは、PD-L1等の抗原に結合する、本明細書において記載される抗体、ドメイン、および他の構築物を含むがそれらに限定されない任意のタンパク質である。本明細書において使用するとき、PD-L1結合タンパク質の「抗原結合部分」は、抗原結合抗体フラグメントを含むがそれに限定されない、PD-L1に結合し得る、PD-L1結合タンパク質の任意の部分を含むであろう。
PD-L1に向けられた作用物質はPD1アンタゴニストであり得、免疫細胞(T細胞、B細胞、またはNKT細胞)上で発現されるPD-1への、癌細胞上で発現されるPD-L1の結合を遮断し得、免疫細胞で発現されるPD-1への、癌細胞上で発現されるPD-L2の結合も遮断し得る。
PD-L1は、APCおよび活性化T細胞を含めた、多くの細胞タイプで発現されるB7ファミリーメンバーである(Yamazaki et al. (2002) J. Immunol. 169:5538)。PD-L1は、PD-1およびB7-1の両方に結合する。T細胞で発現されるB7-1のPD-L1による結合、およびT細胞で発現されるPD-L1のB7-1による結合の両方とも、T細胞阻害をもたらす(Butte et al. (2007) Immunity 27:111)。他のB7ファミリーメンバーのように、PD-L1は、T細胞に共刺激シグナルを提供もし得るという証拠もある(Subudhi et al. (2004) J. Clin. Invest. 113:694;Tamura et al. (2001) Blood 97:1809)。PD-1のリガンドであるPD-L1(ヒトPD-L1 cDNAは、EMBL/GenBankアクセッション番号AF233516によって示される基本配列から構成され、マウスPD-L1 cDNAは、NM.sub.--021893によって示される基本配列から構成される)は、活性化された単球および樹状細胞等のいわゆる抗原提示細胞(APC)において発現される(Journal of Experimental Medicine (2000), vol. 19, issue 7, p 1027-1034)。これらの細胞は、多様な免疫誘導シグナルを誘導する相互作用分子をTリンパ球に提示し、PD-L1は、PD-1による阻害シグナルを誘導するこれらの分子の1つである。PD-L1リガンド刺激は、PD-1発現Tリンパ球の活性化(細胞増殖、および様々なサイトカイン産生の誘導)を抑制したことが明らかになっている。PD-L1発現は、免疫能力のある細胞だけでなく、ある特定の種類の腫瘍細胞株(単球性白血病に由来する細胞株、肥満細胞に由来する細胞株、肝癌腫に由来する細胞株、神経芽細胞に由来する細胞株、および乳癌腫に由来する細胞株)においても確認されている(Nature Immunology (2001), vol. 2, issue 3, p. 261-267)。
抗PD-L1抗体およびそれを作製する方法は、当技術分野において公知である。PD-L1に対するそのような抗体は、ポリクローナルもしくはモノクローナル、および/または組み換え、および/またはヒト化、および/または完全ヒトであり得る。PD-L1抗体は、癌の治療のための免疫変調作用物質として開発中である。
PD-L1抗体は、米国特許第9,212,224号明細書;米国特許第8,779,108号明細書;米国特許第8,552,154号明細書;米国特許第8,383,796号明細書;米国特許第8,217,149号明細書;米国特許出願公開第20110280877号明細書;国際公開第2013079174号パンフレット;および国際公開第2013019906号パンフレットに開示される。PD-L1(CD274またはB7-H1とも称される)に対する付加的な例示的な抗体および使用のための方法は、米国特許第8,168,179号明細書;米国特許第7,943,743号明細書;米国特許第7,595,048号明細書;国際公開第2014055897号パンフレット;国際公開第2013019906号パンフレット;および国際公開第2010077634号パンフレットに開示される。本発明の治療方法、医薬、および使用におけるPD-1アンタゴニストとして有用な具体的な抗ヒトPD-L1モノクローナル抗体には、MPDL3280A、BMS-936559、MEDI4736、MSB0010718Cが含まれる。
アテゾリズマブは、テセントリク(TECENTRIQ)として市販される完全ヒト化モノクローナル抗PD-L1抗体である。アテゾリズマブは、一部の局所進行性または転移性の尿路上皮癌腫の治療に適応される。アテゾリズマブは、PD-L1とPD-1およびCD80との相互作用を遮断する。アベルマブは、バベンチオ(BAVENCIO)として市販される抗PD-L1抗体である。
デュルバルマブ(以前はMEDI4736として知られる)は、PD-L1に向けられたヒトモノクローナル抗体である。デュルバルマブは、PD-L1とPD-1およびCD80との相互作用を遮断する。デュルバルマブは、IMFINZI(商標)として市販される。
PD-L1(CD274またはB7-H1とも称される)に対する抗体および使用のための方法は、米国特許第7,943,743号明細書;米国特許第8,383,796号明細書;米国特許出願公開第20130034559号明細書、国際公開第2014055897号パンフレット、米国特許第8,168,179号明細書;および米国特許第7,595,048号明細書に開示される。PD-L1抗体は、癌の治療のための免疫変調作用物質として開発中である。
本明細書において使用するとき、「免疫変調因子」または「免疫変調作用物質」とは、免疫系に影響を及ぼす、モノクローナル抗体を含めた任意の物質を指す。一部の実施形態において、免疫変調因子または免疫変調作用物質は、免疫系を上方調節する。免疫変調因子は、癌の治療のための抗新生物剤として使用され得る。例えば、免疫変調因子には、抗PD-1抗体(オプジーボ/ニボルマブおよびキイトルーダ/ペムブロリズマブ)、イピリムマブ(ヤーボイ(YERVOY))等の抗CTLA-4抗体、および抗ICOS抗体が含まれるが、それらに限定されるわけではない。
本明細書において使用するとき、「アゴニスト」という用語は、共シグナル伝達受容体と接触すると以下のこと:(1)受容体を刺激するもしくは活性化する、(2)受容体の活性、機能、もしくは存在を増強する、増加させるもしくは促進する、誘導するもしくは延長する、および/または(3)受容体の発現を増強する、増加させる、促進する、もしくは誘導する、のうちの1つまたは複数を引き起こす、抗体を含むがそれに限定されない抗原結合タンパク質を指す。アゴニスト活性は、細胞シグナル伝達、細胞増殖、免疫細胞活性化マーカー、サイトカイン産生の測定等であるがそれらに限定されない、当技術分野において公知の様々なアッセイによってインビトロで測定され得る。アゴニスト活性は、T細胞増殖またはサイトカイン産生の測定等であるがそれらに限定されない、代理評価項目を測定する様々なアッセイによってインビボでも測定され得る。
本明細書において使用するとき、「アンタゴニスト」という用語は、共シグナル伝達受容体と接触すると以下のこと:(1)受容体を弱める、遮断する、もしくは不活性化する、および/または受容体のその天然リガンドによる活性化を遮断する、(2)受容体の活性、機能、または存在を低下させる、減少させる、または短縮する、ならびに/あるいは(3)受容体の発現を低下させる、減少させる、廃止する、のうちの1つまたは複数を引き起こす、抗体を含むがそれに限定されない抗原結合タンパク質を指す。アンタゴニスト活性は、細胞シグナル伝達、細胞増殖、免疫細胞活性化マーカー、サイトカイン産生の増加または減少の測定等であるがそれらに限定されない、当技術分野において公知の様々なアッセイによってインビトロで測定され得る。アンタゴニスト活性は、T細胞増殖またはサイトカイン産生の測定等であるがそれらに限定されない、代理評価項目を測定する様々なアッセイによってインビボでも測定され得る。
「抗体」という用語は、免疫グロブリン様ドメイン(例えば、IgG、IgM、IgA、IgD、またはIgE)を有する分子を指すために本明細書において最も広い意味で使用され、モノクローナル、組み換え、ポリクローナル、キメラ、ヒト、ヒト化、二重特異性抗体を含めた多特異性抗体、およびヘテロコンジュゲート抗体;単一可変ドメイン(例えば、VH、VHH、VL、ドメイン抗体(dAb(商標)))、抗原結合抗体フラグメント、Fab、F(ab’)2、Fv、ジスルフィド連結Fv、一本鎖Fv、ジスルフィド連結scFv、ダイアボディ、TANDABS(商標)等、ならびに前述のもののいずれかの改変型を含む(代替的な「抗体」形式の概要に関しては、例えばHolliger and Hudson, Nature Biotechnology, 2005, Vol 23, No. 9, 1126-1136を参照されたい)。
代替的な抗体形式には、抗原結合タンパク質の1つまたは複数のCDRが、アフィボディ、SpA足場、LDL受容体クラスAドメイン、アビマー(例えば、米国特許出願公開第2005/0053973号明細書、第2005/0089932号明細書、第2005/0164301号明細書を参照されたい)、またはEGFドメイン等の適切な非免疫グロブリンタンパク質足場または骨格に配置され得る、代替的な足場が含まれる。
「ドメイン」という用語は、タンパク質の残部から独立してその三次構造を保持する、折り畳まれたタンパク質構造を指す。一般的に、ドメインは、タンパク質の個別の機能的特性に関わり、多くの場合、タンパク質および/またはドメインの残りの部分の機能の喪失なく、他のタンパク質に付加され得る、除去され得る、または移行され得る。
「単一可変ドメイン」という用語は、抗体可変ドメインに特徴的な配列を含む、折り畳まれたポリペプチドドメインを指す。それゆえ、それには、VH、VHH、およびVL等の完全な抗体可変ドメイン、ならびに例えば1つまたは複数のループが抗体可変ドメインに特徴的でない配列によって置き換えられている改変された抗体可変ドメイン、あるいは切り取られているまたはNもしくはC末端伸長を含む抗体可変ドメイン、それだけでなく、全長ドメインの少なくとも結合活性および特異性を保持する、可変ドメインの折り畳まれたフラグメントが含まれる。単一可変ドメインは、異なる可変領域またはドメインから独立して、抗原またはエピトープに結合し得る。「ドメイン抗体」または「dAb(商標)」は、「単一可変ドメイン」と同じと見なされ得る。単一可変ドメインはヒト単一可変ドメインであり得るが、齧歯類テンジクザメおよびラクダ科VHH dAb(商標)等の他の種由来の単一可変ドメインも含む。ラクダ科VHHは、ラクダ、ラマ、アルパカ、ヒトコブラクダ、およびグアナコを含めた種に由来する免疫グロブリン単一可変ドメインポリペプチドであり、それは、軽鎖を天然に欠いている重鎖抗体をもたらす。そのようなVHHドメインは、当技術分野において利用可能な標準的技法に従ってヒト化され得、そのようなドメインは「単一可変ドメイン」であると見なされる。本明細書において使用するとき、VHにはラクダ科VHHドメインが含まれる。
抗原結合フラグメントは、非抗体タンパク質足場上での1つまたは複数のCDRの配置によって提供され得る。本明細書において使用される「タンパク質足場」には、4本鎖または2本鎖抗体であり得る、あるいは抗体のFc領域のみを含み得る、あるいは抗体由来の1つまたは複数の定常領域を含み得、定常領域はヒトもしくは霊長類起源のものであり得る、またはヒトおよび霊長類定常領域の人工キメラであり得る、免疫グロブリン(Ig)足場、例えばIgG足場が含まれるが、それらに限定されるわけではない。
タンパク質足場は、Ig足場、例えばIgGまたはIgA足場であり得る。IgG足場は、抗体の一部またはすべてのドメイン(すなわち、CH1、CH2、CH3、VH、VL)を含み得る。抗原結合タンパク質は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、またはIgG4PEから選択されるIgG足場を含み得る。例えば、足場はIgG1であり得る。足場は、抗体のFc領域からなり得るもしくはそれを含み得る、またはその一部である。
アフィニティーとは、一方の分子、例えば本発明の抗原結合タンパク質の、もう一方のもの、例えばその標的抗原への、単一結合部位における結合の強度である。抗原結合タンパク質のその標的への結合アフィニティーは、平衡法(例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)またはラジオイムノアッセイ(RIA))、または反応速度論(例えば、BIACORE(商標)分析)によって判定され得る。アビディティーとは、例えば相互作用の原子価を考慮に入れた、2つの分子の互いへの複数の部位における結合の強度の総計である。
「単離された」によって、抗原結合タンパク質または核酸等の分子が、それが天然において見出され得る環境から取り出されることが意図される。例えば、分子は、それが天然において通常ではともに存在するであろう物質から精製され得る。例えば、サンプル中の分子の質量は、総質量の95%であり得る。
本明細書において使用される「発現ベクター」という用語は、真核細胞もしくは原核細胞等の細胞に、または関心対象の核酸配列がタンパク質等のペプチド鎖として発現される無細胞発現システムに、関心対象の核酸を導入するために使用され得る単離された核酸を意味する。そのような発現ベクターは、関心対象の核酸を含む、例えばコスミド、プラスミド、ウイルス配列、トランスポゾン、および直鎖状核酸であり得る。発現ベクターが細胞または無細胞発現システム(例えば、網状赤血球溶解物)に導入され次第、関心対象の核酸によってコードされるタンパク質は、転写/翻訳機構によって産生される。本開示の範囲内にある発現ベクターは、真核性または原核性発現のための必要なエレメントを提供し得、CMVプロモーター推進ベクター等のウイルスプロモーター推進ベクター、例えばpcDNA3.1、pCEP4、およびそれらの誘導体、バキュロウイルス発現ベクター、ショウジョウバエ(Drosophila)発現ベクター、ならびにヒトIg遺伝子プロモーター等の哺乳類遺伝子プロモーターによって推進される発現ベクターを含み得る。他の例には、T7プロモーター推進ベクター、例えばpET41、ラクトースプロモーター推進ベクター、およびアラビノース遺伝子プロモーター推進ベクター等の原核生物発現ベクターが含まれる。当業者であれば、他の多くの適切な発現ベクターおよび発現システムを認識するであろう。
本明細書において使用される「組み換え宿主細胞」という用語は、細胞へのその導入前に単離された関心対象の核酸配列を含む細胞を意味する。例えば、関心対象の核酸配列は発現ベクター内にあり得、一方で細胞は原核性または真核性であり得る。例示的な真核細胞は、COS-1、COS-7、HEK293、BHK21、CHO、BSC-1、HepG2、653、SP2/0、NS0、293、HeLa、骨髄腫、リンパ腫細胞、またはその任意の誘導体等であるがそれらに限定されない哺乳類細胞である。最も好ましくは、真核細胞は、HEK293、NS0、SP2/0、またはCHO細胞である。大腸菌(E. coli)は、例示的な原核細胞である。本開示に従った組み換え細胞は、トランスフェクション、細胞融合、不死化、または当技術分野において周知の他の手順によって作出され得る。細胞にトランスフェクトされた発現ベクター等の関心対象の核酸配列は、染色体外であり得るまたは細胞の染色体に安定に組み込まれ得る。
「キメラ抗体」とは、アクセプター抗体に由来する軽鎖および重鎖定常領域と結び付いた、ドナー抗体に由来する天然に存在する可変領域(軽鎖および重鎖)を含有する、操作された抗体の1タイプを指す。
「ヒト化抗体」とは、非ヒトドナー免疫グロブリンに由来するそのCDRを有し、分子の残りの免疫グロブリン由来の部分は1つまたは複数のヒト免疫グロブリンに由来する、操作された抗体の1タイプを指す。加えて、フレームワーク支持残基は、結合アフィニティーを保つように変更され得る(例えば、Queen et al. Proc. Natl Acad Sci USA, 86:10029-10032 (1989)、Hodgson, et al., Bio/Technology, 9:421 (1991)を参照されたい)。適切なヒトアクセプター抗体は、ドナー抗体のヌクレオチドおよびアミノ酸配列との相同性によって、従来のデータベース、例えばKABAT(商標)データベース、Los Alamosデータベース、およびSwiss Proteinデータベースから選択されたものであり得る。ドナー抗体のフレームワーク領域との相同性(アミノ酸での)によって特徴付けられるヒト抗体は、ドナーCDRの挿入のための重鎖定常領域および/または重鎖可変フレームワーク領域を提供するのに適切であり得る。軽鎖定常または可変フレームワーク領域を寄贈し得る適切なアクセプター抗体は、同様の様式で選択され得る。アクセプター抗体重鎖および軽鎖は、同じアクセプター抗体を起源とする必要はないことに留意すべきである。先行技術は、そのようなヒト化抗体を産生するいくつかの手段を記載しており、例えば欧州特許出願公開第0239400号明細書および欧州特許出願公開第054951号明細書を参照されたい。
「完全ヒト抗体」という用語は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来する可変および定常領域(存在する場合)を有する抗体を含む。本発明のヒト配列抗体は、ヒト生殖細胞系列配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロでのランダムもしくは部位特異的変異誘発によって、またはインビボでの体細胞変異によって導入された変異)を含み得る。完全ヒト抗体は、究極的にはヒト起源のものであるポリヌクレオチドによってのみコードされるアミノ酸配列、またはそのような配列と同一であるアミノ酸配列を含む。本明細書において意図されるように、トランスジェニックマウスにおいて産生される、マウスゲノムに挿入されたヒト免疫グロブリンコードDNAによってコードされる抗体は、それらが、究極的にはヒト起源のものであるDNAによってコードされることから、完全ヒト抗体である。この場合、ヒト免疫グロブリンコードDNAは、マウス内で(抗体をコードするように)再編成され得、体細胞変異も生じ得る。本明細書において意図されるように、マウスにおいてそのような変化を受けている元々はヒトDNAによってコードされる抗体は、完全ヒト抗体である。そのようなトランスジェニックマウスの使用により、ヒト抗原に対する完全ヒト抗体を選択することが可能となる。当技術分野において理解されるように、完全ヒト抗体は、ヒト生殖細胞系列DNA配列を含む抗体の作出のためにヒトDNAライブラリーがファージに挿入される、ファージディスプレイ技術を使用して作製され得る。
「ドナー抗体」という用語は、その可変領域、CDR、もしくは他の機能的フラグメント、またはその類似体のアミノ酸配列を第1の免疫グロブリンパートナーに与える抗体を指す。それゆえ、ドナーは、変更された免疫グロブリンコード領域および結果として生じる発現される変更された抗体に、ドナー抗体に特徴的な抗原特異性および中和活性を提供する。
「アクセプター抗体」という用語は、ドナー抗体に対して異種であり、その重鎖および/もしくは軽鎖フレームワーク領域ならびに/またはその重鎖および/もしくは軽鎖定常領域をコードするアミノ酸配列のすべて(または任意の部分)を第1の免疫グロブリンパートナーに与える抗体を指す。ヒト抗体はアクセプター抗体であり得る。
「VH」および「VL」という用語は、抗原結合タンパク質のそれぞれ重鎖可変領域および軽鎖可変領域を指すために本明細書において使用される。
「CDR」は、抗原結合タンパク質の相補性決定領域アミノ酸配列として定義される。これらは、免疫グロブリン重鎖および軽鎖の超可変領域である。免疫グロブリンの可変部分には、3つの重鎖および3つの軽鎖CDR(またはCDR領域)がある。ゆえに本明細書において使用される「CDR」は、3つすべての重鎖CDR、3つすべての軽鎖CDR、すべての重鎖および軽鎖CDR、または少なくとも2つのCDRを指す。
本明細書を通して、可変ドメイン配列および全長抗体配列におけるアミノ酸残基は、Kabat番号付け慣習に従って番号付けされる。同様に、実施例において使用される「CDR」、「CDRL1」、「CDRL2」、「CDRL3」、「CDRH1」、「CDRH2」、「CDRH3」という用語は、Kabat番号付け慣習に従う。さらなる情報に関しては、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed., U.S. Department of Health and Human Services, National Institutes of Health (1991)を参照されたい。
可変ドメイン配列および全長抗体配列におけるアミノ酸残基に対して、代替的な番号付け慣習があることは当業者に明白であろう。CDR配列に対する代替的な番号付け慣習、例えばChothia et al. (1989) Nature 342: 877-883に記載されるものもある。抗体の構造およびタンパク質折り畳みは、他の残基がCDR配列の一部と見なされることを意味し得、当業者によってそうであると理解されるであろう。
当業者に利用可能な、CDR配列に対する他の番号付け慣習には、「AbM」(バース大学)および「contact」(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)法が含まれる。Kabat、Chothia、AbM、およびcontact法のうちの少なくとも2つを使用した最小重複領域を判定して、「最小結合単位」を提供し得る。最小結合単位は、CDRの小部分であり得る。
クエリーアミノ酸配列と対象アミノ酸配列との間の「同一性パーセント」とは、ペアワイズグローバル配列アラインメントが、BLASTP、FASTA、ClustalW、MUSCLE、MAFFT、EMBOSS Needle、T-Coffee、およびDNASTAR Lasergene等の適切なアルゴリズム/ソフトウェアを使用して実施された後、クエリー配列の長さ全体にわたる、BLASTP、FASTA、DNASTAR Lasergene、GeneDoc、Bioedit、EMBOSS needle、またはEMBOSS infoalign等の適切なアルゴリズムまたはソフトウェアを使用して算出される、パーセンテージとして表現される「同一性」値である。重要なことには、クエリーアミノ酸配列は、本明細書における1つまたは複数の請求項において特定されたアミノ酸配列によって記載され得る。
クエリー配列は、対象配列と100%同一であり得る、またはそれは、対象配列と比較して最高である特定の整数までのアミノ酸もしくはヌクレオチド変更を含み得、それにより同一性%は100%未満である。例えば、クエリー配列は、対象配列と少なくとも50、60、70、75、80、85、90、95、96、97、98、または99%同一である。そのような変更には、少なくとも1つのアミノ酸欠失、置換(保存的および非保存的置換を含む)、または挿入が含まれ、変更は、クエリー配列のアミノまたはカルボキシ末端位置で、あるいはクエリー配列におけるまたはクエリー配列内の1つもしくは複数の隣接基におけるアミノ酸またはヌクレオチドの間に個々に散在した、そうした末端位置の間のどこかで生じ得る。
同一性%は、CDRを含めた、クエリー配列の長さ全体にわたって判定され得る。あるいは、同一性%は、CDRの1つもしくは複数またはすべてを除外し得、例えばCDRのすべては対象配列と100%同一であり、同一性変動%はクエリー配列の残りの部分、例えばフレームワーク配列におけるものであり、そのためCDR配列は固定され無傷である。
バリアント配列は、ICOSに対するアゴニスト等、非改変タンパク質の生物学的特徴を実質的に保持する。
治療の方法
1つの態様において、癌を治療する方法であって、方法は、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分を約0.08mg~約240mgの用量でヒトに投与するステップを含む、方法が提供される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質または抗原結合部分はICOSアゴニストである。さらに別の実施形態において、癌を治療する方法は、それを必要とするヒトにおける癌を治療するステップを含む。別の実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、8mg、24mg、または80mgの用量で投与される。
1つの態様において、癌を治療する方法であって、方法は、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分を約0.08mg~約240mgの用量でヒトに投与するステップを含む、方法が提供される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質または抗原結合部分はICOSアゴニストである。さらに別の実施形態において、癌を治療する方法は、それを必要とするヒトにおける癌を治療するステップを含む。別の実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、8mg、24mg、または80mgの用量で投与される。
1つの態様において、癌を有するヒトを治療する方法であって、方法は、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分を約0.08mg~約240mgの用量でヒトに投与するステップを含む、方法が提供される。
1つの態様において、それを必要とするヒトにおける癌を治療する方法であって、方法は、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分を約0.08mg~約240mgの用量でヒトに投与するステップを含む、方法が提供される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、8mg、24mg、または80mgの用量で投与される。
別の態様において、癌を治療することにおける使用のためのアゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分であって、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、約0.08mg~約240mgの用量で投与されるものである、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分が提供される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、8mg、24mg、または80mgの用量で投与される。
1つの態様において、癌を治療するための医薬の製造におけるアゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の使用であって、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、約0.08mg~約240mgの用量で投与されるものである、使用が提供される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、8mg、24mg、または80mgの用量で投与される。
別の態様において、約0.08mg~約240mgのICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分を含む医薬キットが提供される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、8mg、24mg、または80mgの用量で投与される。1つの実施形態において、医薬キットは、10mg/mlの濃度でICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分を含む。
別の態様において、10mg/mlの濃度でICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分を含む医薬製剤が提供される。
本明細書において開示される組合せの個々の構成要素は、任意の好都合な経路によって、別個のまたは組合せの医薬製剤で投与され得る。
1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の用量は、約0.08mg~約800mgの値域内にある。別の実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の用量は、約0.8mg~約240mgの値域内にある。別の実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の用量は、約8mg~約80mgの値域内にある。別の実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の用量は、約0.08mg、約0.24mg、約0.8mg、約2.4mg、約8mg、約24mg、約80mg、または約240mgである。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の用量は、約8mg、約24mg、または約80mgである。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の用量は、少なくとも240mgである。1つの実施形態において、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の用量は、少なくとも80mgである。
mg/kgが使用される場合、これはmg/kg体重であると理解されるべきである。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の用量は、約0.001mg/kg~約3.0mg/kgである。別の実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の用量は、約0.001mg/kg、約0.003mg/kg、約0.01mg/kg、約0.03mg/kg、約0.1mg/kg、約0.3mg/kg、約1.0mg/kg、約3.0mg/kg、または約10mg/kgである。別の実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の用量は、少なくとも3.0mg/kgである。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の用量は、約0.001mg/kg~約10mg/kgの値域内にある。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の用量は、約0.1mg/kg~約1.0mg/kgである。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の用量は、約0.1mg/kgである。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の用量は、少なくとも0.1mg/kgである。別の実施形態において、ICOS結合タンパク質の用量は、約0.3mg/kgである。別の実施形態において、ICOS結合タンパク質の用量は、約1mg/kgである。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質の用量は、約3mg/kgである。1つの実施形態において、80kgの典型的な重量中央値を想定して、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の固定用量が投与され得る。
1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の用量は、治療レジメンの間に増加される。1つの実施形態において、約0.001mg/kg、約0.003mg/kg、約0.01mg/kg、約0.03mg/kg、約0.1mg/kg、約0.3mg/kg、約1.0mg/kgの初回用量は、約0.003mg/kg、約0.01mg/kg、約0.03mg/kg、約0.1mg/kg、約0.3mg/kg、約1.0mg/kg、約3.0mg/kg、または少なくとも3.0mg/kgに増加される。1つの実施形態において、0.1mg/kgの初回用量は1mg/kgに増加される。1つの実施形態において、0.3mg/kgの初回用量は1mg/kgに増加される。
1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、0.1mg/kg×3回の投薬、次いで1mg/kgで投与される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、約0.001mg/kg、約0.003mg/kg、約0.01mg/kg、約0.03mg/kg、約0.1mg/kg、約0.3mg/kg、約1.0mg/kg、または約3.0mg/kgで投与され、次いで約0.01mg/kg、約0.03mg/kg、約0.1mg/kg、約0.3mg/kg、約1.0mg/kg、約3.0mg/kg、または約10mg/kgに増加される。
固定用量は、80kgの典型的な重量中央値を想定してテストされ得る。
治療用モノクローナル抗体は、これにより薬物曝露における対象間変動が低下するという概念に起因して、身体サイズに基づいて投薬されることが多い。しかしながら、PKパラメーターの体重依存性は、モノクローナル抗体の曝露における観察される変動を必ずしも説明するわけではない(Zhao X, Suryawanshi, S; Hruska, M. Assessment of nivolumab benefit-risk profile of a 240-mg flat dose relative to a 3 mg/kg dosing regimen in patient with advanced tumors. Annals of Oncology. 2017;28:2002-2008)。実施例で提供される試験における体重に基づく投薬対固定の投薬の利点を、集団PKモデリングおよびシミュレーション努力により評価した。予備的集団PKモデルを、単独療法用量漸増から開発した(最高1mg/kgの用量;n=19人の対象のデータ)。
シミュレーションにおける体重分布は、予備的データセットにおける観察された分布に基づくことを考慮することによって、シミュレーションを実施した。体重の5パーセンタイル(40~47kg)では、定常状態AUC(0-)中央値の70~100%の増加があり;これらの増加よりも高いH2L5 IgG4PE曝露が、3mg/kg用量レジメンを用いた現時点の第1相試験において評価されている。体重の95パーセンタイル(107~118kg)では、曝露の最小限の低減とともに適度な受容体占有率(RO)を提供する80kg曝露中央値と比較して、定常状態AUC(0-)中央値の23~32%の減少があった。定常状態Cmaxに対して、ならびに体重に基づく投薬と固定の投薬との間の濃度を通じて、同様の結果が予想される。
全体として、これらの予備的集団PKシミュレーションは、固定の投薬を使用することが、体重に基づく投薬のものと同程度の域の曝露をもたらすであろうことを示す。また、固定の投薬は、投薬エラーの低下、薬物消耗の低下、調製時間の短縮、および投与の容易さの向上という利点を付与する。ゆえに、80kgの参照体重に基づく固定用量に切り替えることは合理的でありかつ適当である。
80kg重量を使用した重量に基づくH2L5 IgG4PE用量レベルの固定用量同等値が、表3に提示される。
1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、IV注入により投与される。1つの実施形態において、PD1アンタゴニストは、IV注入により投与される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号7に記載されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むVHドメイン、および/または配列番号8に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むVLドメインを含み、ICOS結合タンパク質はヒトICOSに特異的に結合する。1つの実施形態において、PD1アンタゴニストはペムブロリズマブである。
1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、32日、33日、34日、35日、36日、37日、38日、39日、または40日に1回投与される。
1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または4週間に1回投与される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、3週間に1回投与される。1つの実施形態において、PD1アンタゴニストは、3週間に1回投与される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、疾患進行まで3週間に1回投与される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、3週間に1回35サイクル投与される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、3週間ごとに約0.08mg、約0.24mg、約0.8mg、約2.4mg、約8mg、約24mg、約80mg、または約240mgの用量でIV注入により投与される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原は、3週間ごとに24mgの用量でIV注入により投与される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質もしくはその抗原結合部分および/またはPD1アンタゴニストは、疾患進行まで3週間ごとに投与される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質もしくはその抗原結合部分および/またはPD1アンタゴニストは、3週間ごとに最高3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40サイクル投与される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質もしくはその抗原結合部分および/またはPD1アンタゴニストは、3週間ごとに最高35サイクル投与される。
一部の実施形態において、患者は、まず単独療法レジメンとしてICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分を、次いで併用療法レジメンとしてPD1アンタゴニストとともにICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分を投与される。一部の実施形態において、患者は、単独療法レジメンとしてICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分を投与される。
1つの態様において、それを必要とするヒトにおける癌を治療する方法であって、方法は、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分を約8mg~約80mgの用量でヒトに投与するステップを含み、ICOS結合タンパク質は、配列番号7に記載されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むVHドメイン、および/または配列番号8に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むVLドメインを含み、ICOS結合タンパク質はヒトICOSに特異的に結合する、方法が提供される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、8mg、24mg、または80mgの用量で投与される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号1に記載のCDRH1;配列番号2に記載のCDRH2;配列番号3に記載のCDRH3;配列番号4に記載のCDRL1;配列番号5に記載のCDRL2;および/もしくは配列番号6に記載のCDRL3、または各CDRの直接同等物、のうちの1つまたは複数を含み、直接同等物は、CDRに多くとも(no more than)2つのアミノ酸置換を有する。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号1;配列番号2;および配列番号3のうちの1つまたは複数を含む重鎖可変領域を含み、ICOS結合タンパク質は、配列番号4;配列番号5;および配列番号6のうちの1つまたは複数を含む軽鎖可変領域を含む。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号1;配列番号2;および配列番号3を含む重鎖可変領域を含み、ICOS結合タンパク質は、配列番号4;配列番号5;および配列番号6を含む軽鎖可変領域を含む。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号7に記載されるアミノ酸配列を含むVHドメイン、および配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号34に記載されるアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号35に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
別の態様において、癌を治療することにおける使用のためのアゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分であって、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、約8mg~約80mgの用量で投与されるものであり、ICOS結合タンパク質は、配列番号7に記載されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むVHドメイン、および/または配列番号8に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むVLドメインを含み、ICOS結合タンパク質はヒトICOSに特異的に結合する、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分が提供される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、8mg、24mg、または80mgの用量で投与される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号1に記載のCDRH1;配列番号2に記載のCDRH2;配列番号3に記載のCDRH3;配列番号4に記載のCDRL1;配列番号5に記載のCDRL2;および/もしくは配列番号6に記載のCDRL3、または各CDRの直接同等物、のうちの1つまたは複数を含み、直接同等物は、CDRに多くとも2つのアミノ酸置換を有する。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号1;配列番号2;および配列番号3のうちの1つまたは複数を含む重鎖可変領域を含み、ICOS結合タンパク質は、配列番号4;配列番号5;および配列番号6のうちの1つまたは複数を含む軽鎖可変領域を含む。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号1;配列番号2;および配列番号3を含む重鎖可変領域を含み、ICOS結合タンパク質は、配列番号4;配列番号5;および配列番号6を含む軽鎖可変領域を含む。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号7に記載されるアミノ酸配列を含むVHドメイン、および配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号34に記載されるアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号35に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。別の態様において、癌を治療するための医薬の製造におけるアゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の使用であって、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、約8mg~約80mgの用量で投与されるものであり、ICOS結合タンパク質は、配列番号7に記載されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むVHドメイン、および/または配列番号8に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むVLドメインを含み、ICOS結合タンパク質はヒトICOSに特異的に結合する、使用が提供される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、8mg、24mg、または80mgの用量で投与される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号1に記載のCDRH1;配列番号2に記載のCDRH2;配列番号3に記載のCDRH3;配列番号4に記載のCDRL1;配列番号5に記載のCDRL2;および/もしくは配列番号6に記載のCDRL3、または各CDRの直接同等物、のうちの1つまたは複数を含み、直接同等物は、CDRに多くとも2つのアミノ酸置換を有する。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号1;配列番号2;および配列番号3のうちの1つまたは複数を含む重鎖可変領域を含み、ICOS結合タンパク質は、配列番号4;配列番号5;および配列番号6のうちの1つまたは複数を含む軽鎖可変領域を含む。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号1;配列番号2;および配列番号3を含む重鎖可変領域を含み、ICOS結合タンパク質は、配列番号4;配列番号5;および配列番号6を含む軽鎖可変領域を含む。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号7に記載されるアミノ酸配列を含むVHドメイン、および配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号34に記載されるアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号35に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
さらに別の態様において、約8mg~約80mgのICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分を含む医薬キットであって、ICOS結合タンパク質は、配列番号7に記載されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むVHドメイン、および/または配列番号8に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むVLドメインを含み、ICOS結合タンパク質はヒトICOSに特異的に結合する、医薬キットが提供される。1つの実施形態において、キットは、8mg、24mg、または80mgのICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分を含む。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号1に記載のCDRH1;配列番号2に記載のCDRH2;配列番号3に記載のCDRH3;配列番号4に記載のCDRL1;配列番号5に記載のCDRL2;および/もしくは配列番号6に記載のCDRL3、または各CDRの直接同等物、のうちの1つまたは複数を含み、直接同等物は、CDRに多くとも2つのアミノ酸置換を有する。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号1;配列番号2;および配列番号3のうちの1つまたは複数を含む重鎖可変領域を含み、ICOS結合タンパク質は、配列番号4;配列番号5;および配列番号6のうちの1つまたは複数を含む軽鎖可変領域を含む。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号1;配列番号2;および配列番号3を含む重鎖可変領域を含み、ICOS結合タンパク質は、配列番号4;配列番号5;および配列番号6を含む軽鎖可変領域を含む。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号7に記載されるアミノ酸配列を含むVHドメイン、および配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号34に記載されるアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号35に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
1つの態様において、癌を治療する方法であって、方法は、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントを、アゴニストICOS結合タンパク質の血漿濃度中央値が最初の投薬後少なくとも7日間100μg/ml~0.1μg/mlである用量でヒトに投与するステップを含む、方法が提供される。
1つの態様において、癌の治療における使用のためのアゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントであって、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントは、アゴニストICOS結合タンパク質の血漿濃度中央値が最初の投薬後少なくとも7日間100μg/ml~0.1μg/mlである用量で投与される、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントが提供される。
別の態様において、癌を治療するための医薬の製造におけるアゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントの使用であって、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントは、アゴニストICOS結合タンパク質の血漿濃度中央値が最初の投薬後少なくとも7日間100μg/ml~0.1μg/mlである用量で投与される、使用が提供される。
1つの実施形態において、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントは、アゴニストICOS結合タンパク質の血漿濃度中央値が、最初の投薬後少なくとも1、2.5、4.5、7、14、または21日間、100μg/ml、10μg/ml、1μg/ml、または0.1μg/ml~10μg/ml、1μg/ml、または0.1μg/mlである用量で投与される。
1つの実施形態において、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントは、アゴニストICOS結合タンパク質の血漿濃度中央値が、最初の投薬後少なくとも1、2、2.5、3、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または21日間、100μg/ml、90μg/ml、80μg/ml、70μg/ml、60μg/ml、50μg/ml、40μg/ml、30μg/ml、20μg/ml、10μg/ml、9μg/ml、8μg/ml、7μg/ml、6μg/ml、5μg/ml、4μg/ml、3μg/ml、2μg/ml、1μg/ml、0.9μg/ml、0.8μg/ml、0.7μg/ml、0.6μg/ml、0.5μg/ml、0.4μg/ml、0.3μg/ml、または0.2μg/ml~90μg/ml、80μg/ml、70μg/ml、60μg/ml、50μg/ml、40μg/ml、30μg/ml、20μg/ml、10μg/ml、9μg/ml、8μg/ml、7μg/ml、6μg/ml、5μg/ml、4μg/ml、3μg/ml、2μg/ml、1μg/ml、0.9μg/ml、0.8μg/ml、0.7μg/ml、0.6μg/ml、0.5μg/ml、0.4μg/ml、0.3μg/ml、0.2μg/ml、または0.1 10μg/mlである用量で投与される。
1つの実施形態において、ヒトは、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントを、アゴニストICOS結合タンパク質の血漿濃度中央値が最初の投薬後21日の時点で10μg/ml~1μg/mlである用量で投与される。1つの実施形態において、ヒトは、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントを、アゴニストICOS結合タンパク質の血漿濃度中央値が最初の投薬後21日の時点で10μg/ml~0.1μg/mlである用量で投与される。
1つの実施形態において、ヒトは、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントを、アゴニストICOS結合タンパク質の血漿濃度中央値が最初の投薬後21日の時点で100μg/ml~1μg/mlである用量で投与される。1つの実施形態において、ヒトは、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントを、アゴニストICOS結合タンパク質の血漿濃度中央値が最初の投薬後21日の時点で100μg/ml~10μg/mlである用量で投与される。
1つの態様において、癌を治療する方法であって、方法は、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントを、ヒトにおけるICOS受容体飽和が最初の投薬後少なくとも7日間ほぼ50%にあるまたはそれを上回る用量でヒトに投与するステップを含む、方法が提供される。
1つの態様において、癌の治療における使用のためのアゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントであって、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントは、ヒトにおけるICOS受容体飽和が最初の投薬後少なくとも7日間ほぼ50%にあるまたはそれを上回る用量でヒトに投与される、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントが提供される。
別の態様において、癌を治療するための医薬の製造におけるアゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントの使用であって、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントは、ヒトにおけるICOS受容体飽和が最初の投薬後少なくとも7日間ほぼ50%にあるまたはそれを上回る用量でヒトに投与される、使用が提供される。
1つの実施形態において、ヒトは、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントを、ヒトにおけるICOS受容体飽和(すなわち、受容体占有率)が、最初の投薬後少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または21日間、ほぼ50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%にあるまたはそれを上回る用量で投与される。
1つの態様において、癌を治療する方法であって、方法は、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントを、末梢CD4+またはCD8+T細胞受容体占有率が最初の投薬後少なくとも7日間50%にあるまたはそれを上回る用量でヒトに投与するステップを含む、方法が提供される。
1つの態様において、癌の治療における使用のためのアゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントであって、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントは、末梢CD4+またはCD8+T細胞受容体占有率が最初の投薬後少なくとも7日間50%にあるまたはそれを上回る用量でヒトに投与される、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントが提供される。
別の態様において、癌を治療するための医薬の製造におけるアゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントの使用であって、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントは、末梢CD4+またはCD8+T細胞受容体占有率が最初の投薬後少なくとも7日間50%にあるまたはそれを上回る用量でヒトに投与される、使用が提供される。
CD4+受容体占有率(RO)ピークは、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原フラグメント最大血漿濃度に相当する。CD8+受容体占有率(RO)ピークは、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原フラグメント最大血漿濃度に相当する。
1つの実施形態において、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントは、末梢CD4+またはCD8+T細胞受容体占有率が、最初の投薬後少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または21日間、ほぼ50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%にあるまたはそれを上回る用量で投与される。
1つの実施形態において、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントは、末梢CD4+またはCD8+T細胞受容体占有率が最初の投薬後少なくとも21日間ほぼ60%にあるまたはそれを上回る用量で投与される。1つの実施形態において、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントは、末梢CD4+またはCD8+T細胞受容体占有率が最初の投薬後少なくとも21日間ほぼ70%にあるまたはそれを上回る用量で投与される。1つの実施形態において、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントは、末梢CD4+またはCD8+T細胞受容体占有率が最初の投薬後少なくとも21日間ほぼ80%にあるまたはそれを上回る用量で投与される。1つの実施形態において、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントは、末梢CD4+またはCD8+T細胞受容体占有率が最初の投薬後少なくとも21日間ほぼ90%にあるまたはそれを上回る用量で投与される。
1つの態様において、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントを含む医薬組成物であって、組成物は、単回投薬後に、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントの37mg/mL×日~255mg/mL×日の曲線下面積値を提供する、医薬組成物が提供される。1つの実施形態において、組成物はPD1アンタゴニストをさらに提供する。1つの実施形態において、組成物はPD1アンタゴニストをさらに提供する。1つの実施形態において、組成物は、単回投薬後に、ICOS結合タンパク質またはその抗原フラグメントの62mg/mL×日~220mg/mL×日のAUC値を提供する。
1つの態様において、それを必要とするヒトにおける癌を治療する方法であって、方法は、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分をヒトに投与するステップを含む、方法が提供される。別の態様において、癌を治療することにおける使用のためのアゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分が提供される。さらなる態様において、癌を治療するための医薬の製造におけるアゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の使用が提供される。ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分を含む医薬キットが開示される。
1つの態様において、それを必要とするヒトにおける癌を治療する方法であって、方法は、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分およびPD1アンタゴニストをヒトに投与するステップを含む、方法が提供される。さらなる態様において、癌を治療することにおける同時のまたは逐次的な使用のための、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分およびPD1アンタゴニストが提供される。別の態様において、癌を治療することにおける使用のためのICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分であって、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、PD1アンタゴニストと同時にまたは逐次的に投与されるものである、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分が提供される。1つの態様において、癌を治療するための医薬の製造におけるアゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の使用であって、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、PD1アンタゴニストと同時にまたは逐次的に投与されるものである、使用が提供される。別の態様において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分およびPD1アンタゴニストを含む医薬キットが提供される。
1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号7に記載されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むVHドメイン、および/または配列番号8に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むVLドメインを含み、ICOS結合タンパク質はヒトICOSに特異的に結合する。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号1に記載のCDRH1;配列番号2に記載のCDRH2;配列番号3に記載のCDRH3;配列番号4に記載のCDRL1;配列番号5に記載のCDRL2;および/もしくは配列番号6に記載のCDRL3、または各CDRの直接同等物、のうちの1つまたは複数を含み、直接同等物は、CDRに多くとも2つのアミノ酸置換を有する。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号1;配列番号2;および配列番号3のうちの1つまたは複数を含む重鎖可変領域を含み、ICOS結合タンパク質は、配列番号4;配列番号5;および配列番号6のうちの1つまたは複数を含む軽鎖可変領域を含む。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号1;配列番号2;および配列番号3を含む重鎖可変領域を含み、ICOS結合タンパク質は、配列番号4;配列番号5;および配列番号6を含む軽鎖可変領域を含む。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号7に記載されるアミノ酸配列を含むVHドメイン、および配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質は、配列番号34に記載されるアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号35に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
1つの実施形態において、癌は頭頸部癌である。1つの実施形態において、癌は頭頸部扁平上皮細胞癌腫(HNSCC)である。1つの実施形態において、癌は再発性/転移性(R/M)HNSCCである。1つの実施形態において、癌は再発性/難治性(R/R)HNSCCである。1つの実施形態において、癌は、HPV陰性またはHPV陽性のHNSCCである。1つの実施形態において、癌は局所進行性HNSCCである。1つの実施形態において、癌は、PD-L1 CPS(組合せ陽性スコア)陽性(CPS≧1)患者における(R/M)HNSCCである。組合せ陽性スコアは、FDAにより承認されたテストによって判定されるとおりである。PD-L1 CPSとは、生存腫瘍細胞の総数で割り、100を掛けた、PD-L1染色細胞(腫瘍細胞、リンパ球、マクロファージ)の数である。1つの実施形態において、PD-L1 CPSは、PharmDx 22C3を使用して判定される。1つの実施形態において、癌は、PD-1アンタゴニスト/PD-L1結合タンパク質を経験した、またはPD-1アンタゴニスト/PD-L1結合タンパク質ナイーブの患者におけるHNSCCである。
1つの実施形態において、アゴニストICOS結合タンパク質もしくはその抗原結合部分および/またはPD1アンタゴニストと同時にまたは逐次的に、化学療法がさらに投与される。1つの実施形態において、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分およびPD1アンタゴニストと同時にまたは逐次的に、化学療法がさらに投与される。1つの実施形態において、化学療法は、白金に基づく化学療法である。1つの実施形態において、化学療法は、白金に基づく化学療法およびフルオロウラシルである。1つの実施形態において、白金に基づく化学療法は、パクリタキセル、ドセタキセル、シスプラチン、カルボプラチン、またはその任意の組合せである。1つの実施形態において、PD-1アンタゴニスト/PD-L1結合タンパク質ナイーブの患者に、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分およびPD1アンタゴニストと同時にまたは逐次的に、化学療法がさらに投与される。
1つの実施形態において、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分およびPD1アンタゴニストは、PD-L1陽性患者に同時にまたは逐次的に投与される。
1つの実施形態において、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、約0.08mg~約240mgの用量で投与される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、8mg、24mg、または80mgの用量で投与される。
別の実施形態において、癌を治療することにおける使用のためのアゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分であって、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、約0.08mg~約240mgの用量で投与されるものである、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分が提供される。1つの実施形態において、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、8mg、24mg、または80mgの用量で投与される。
1つの実施形態において、治療は、HNSCCの一次または二次治療である。1つの実施形態において、治療は、再発性/転移性HNSCCの一次または二次治療である。1つの実施形態において、治療は、再発性/転移性(1L R/M)HNSCCの一次治療である。1つの実施形態において、治療は、PD-L1 CPS(組合せ陽性スコア)陽性(CPS≧1)患者における1L R/M HNSCCの一次治療である。1つの実施形態において、治療は、再発性/転移性(2L R/M)HNSCCの二次治療である。
1つの実施形態において、治療は、PD-1/PD-L1ナイーブHNSCCの一次、二次、三次、四次、または五次治療である。1つの実施形態において、治療は、PD-1/PD-L1を経験したHNSCCの一次、二次、三次、四次、または五次治療である。
一部の実施形態において、治療は、治療前のレベル(例えば、ベースラインレベル)と比較して、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、およびNK細胞を含めた腫瘍浸潤リンパ球の増加、T細胞の増加、グランザイムB+細胞の増加、増殖性腫瘍細胞の低下、ならびに活性化T細胞の増加、のうちの1つまたは複数をもたらす。活性化T細胞は、より大きなOX40およびヒト白血球抗原DR発現によって観察され得る。一部の実施形態において、治療は、治療前のレベル(例えば、ベースラインレベル)と比較して、PD1および/またはPD-L1の上方調節をもたらす。
1つの実施形態において、ヒトは固形腫瘍を有する。1つの実施形態において、固形腫瘍は進行性固形腫瘍である。1つの実施形態において、癌は、頭頸部癌、頭頸部の扁平上皮細胞癌腫(SCCHNまたはHNSCC)、胃癌、黒色腫、腎細胞癌腫(RCC)、食道癌、非小細胞肺癌腫、前立腺癌、結腸直腸癌、卵巣癌、および膵臓癌から選択される。1つの実施形態において、癌は、結腸直腸癌、子宮頸癌、膀胱癌、尿路上皮癌、頭頸部癌、黒色腫、中皮腫、非小細胞肺癌腫、前立腺癌、食道癌、および食道扁平上皮細胞癌腫からなる群より選択される。1つの態様において、ヒトは、以下のもの:SCCHN、結腸直腸癌(CRC)、食道、子宮頸部、膀胱、***、頭頸部、卵巣、黒色腫、腎細胞癌腫(RCC)、EC扁平上皮細胞、非小細胞肺癌腫、中皮腫、および前立腺癌、のうちの1つまたは複数を有する。別の態様において、ヒトは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、多発性骨髄腫、慢性リンパ芽球性(lyphomblastic)白血病(CLL)、濾胞性リンパ腫、急性骨髄性(myeloid)白血病、および慢性骨髄性(myelogenous)白血病等の液性腫瘍を有する。1つの実施形態において、癌は、頭頸部の再発性/転移性扁平上皮細胞癌腫(HNSCC)である。1つの実施形態において、癌は局所進行性HNSCCである。1つの実施形態において、癌はR/M HNSCCである。1つの実施形態において、癌はR/R HNSCCである。1つの実施形態において、癌は、PD-L1 CPS(組合せ陽性スコア)陽性(CPS≧1)患者におけるR/M HNSCCである。1つの実施形態において、癌は、PD-1アンタゴニスト/PD-L1結合タンパク質を経験した、またはPD-1アンタゴニスト/PD-L1結合タンパク質ナイーブの患者におけるHNSCCである。
1つの実施形態において、癌は頭頸部癌である。1つの実施形態において、癌はHNSCCである。扁平上皮細胞癌腫とは、扁平上皮細胞と呼ばれる特定の細胞から生じる癌である。扁平上皮細胞は、気道および腸等の体腔を裏打ちする湿潤組織である皮膚の外層におよび粘膜に見出される。頭頸部扁平上皮細胞癌腫(HNSCC)は、口、鼻、および喉の粘膜において発症する。HNSCCは、SCCHNおよび頭頸部の扁平上皮細胞癌腫としても知られる。
HNSCCは、口(口腔)、口付近の喉の中間部(中咽頭)、鼻の裏の空間(鼻腔および副鼻腔)、鼻腔付近の喉の上部(鼻咽頭)、喉頭(voicebox)(喉頭(larynx))、または喉頭付近の喉の下部(下咽頭)において生じ得る。場所に応じて、癌は、口および喉における異常な斑点もしくは開放創(潰瘍)、口における珍しい出血もしくは痛み、消えてなくならない鼻詰まり、咽頭痛、耳痛、嚥下時の痛みもしくは嚥下困難、しわがれ声、呼吸困難、または肥大リンパ節を引き起こし得る。
HNSCCは、リンパ節、肺、または肝臓等、身体の他の部分に転移し得る。
喫煙およびアルコール消費は、HNSCCの発症の2つの最も重要な危険因子であり、危険性へのそれらの寄与は相乗的である。加えて、ヒトパピローマウイルス(HPV)、とりわけHPV-16は、現在十分に確立された独立危険因子である。HNSCCを有する患者は、比較的不良な予後を有する。再発性/転移性(R/M)HNSCCは、ヒトパピローマウイルス(HPV)状態にかかわらずとりわけ厳しく、現時点で、当技術分野において利用可能である効果的な治療選択肢はほとんどない。HPV陰性HNSCCは、HPV陽性HNSCCに対するそれぞれ9~18%および5~12%の比率と比較して、標準治療後の19~35%の局所領域再燃率および14~22%の遠隔転移率と関連する。R/M疾患を有する患者に関する全生存期間中央値は、一次化学療法の背景において10~13ヶ月、および二次背景において6ヶ月である。現時点での標準治療は、セツキシマブの有無での白金に基づく二重化学療法である。二次標準治療選択肢には、セツキシマブ、メトトレキサート、およびタキサンが含まれる。これら化学療法剤のすべては重大な副作用と関連し、患者の10~13%のみが治療に応答する。既存の全身療法からのHNSCC退縮は一時的であり、寿命の有意な増加を加えず、ほとんどすべての患者は彼らの悪性腫瘍に屈する。
1つの実施形態において、癌は再発性/転移性(R/M)HNSCCである。1つの実施形態において、癌は、HPV陰性またはHPV陽性のHNSCCである。1つの実施形態において、癌は局所進行性HNSCCである。1つの実施形態において、癌は、PD-L1 CPS(組合せ陽性スコア)陽性(CPS≧1)患者におけるR/M HNSCCである。1つの実施形態において、癌は、PD-1アンタゴニスト/PD-L1結合タンパク質を経験した、またはPD-1アンタゴニスト/PD-L1結合タンパク質ナイーブの患者におけるHNSCCである。
一部の実施形態において、癌の治療は癌の一次治療である。1つの実施形態において、癌の治療は癌の二次治療である。一部の実施形態において、治療は癌の三次治療である。一部の実施形態において、治療は癌の四次治療である。一部の実施形態において、治療は癌の五次治療である。一部の実施形態において、癌の二次、三次、四次、または五次治療に対する先行治療は、放射線療法、化学療法、外科手術、または放射線化学療法のうちの1つまたは複数を含む。
1つの実施形態において、先行治療は、パクリタキセルもしくはドセタキセル等のジテルペノイド;ビンブラスチン、ビンクリスチン、もしくはビノレルビン等のビンカアルカロイド;シスプラチンもしくはカルボプラチン等の白金配位錯体;シクロホスファミド、メルファラン、もしくはクロラムブシル等のナイトロジェンマスタード;ブスルファン等のスルホン酸アルキル;カルムスチン等のニトロソウレア;ダカルバジン等のトリアゼン;ダクチノマイシン等のアクチノマイシン;ダウノルビシンもしくはドキソルビシン等のアントラサイクリン(anthrocyclin);ブレオマイシン;エトポシドもしくはテニポシド等のエピポドフィロトキシン;フルオロウラシル、メトトレキサート、シタラビン、メルカプトプリン(mecaptopurine)、チオグアニン、もしくはゲムシタビン等の代謝拮抗性抗新生物剤;メトトレキサート;イリノテカンもしくはトポテカン等のカンプトテシン;リツキシマブ;オファツムマブ;トラスツズマブ;セツキシマブ;ベキサロテン;ソラフェニブ;ラパチニブ、エルロチニブ、もしくはゲフィチニブ等のerbB阻害剤;ペルツズマブ;イピリムマブ;ニボルマブ;フォルフォックス(FOLFOX);カペシタビン;フォルフィリ(FOLFIRI);ベバシズマブ;アテゾリズマブ;セリクレルマブ;オビヌツズマブ(obinotuzumab);またはその任意の組合せ、を用いた治療を含む。1つの実施形態において、癌の二次治療、三次、四次、または五次治療に対する先行治療は、イピリムマブおよびニボルマブを含む。1つの実施形態において、癌の二次治療、三次、四次、または五次治療に対する先行治療は、フォルフォックス、カペシタビン、フォルフィリ/ベバシズマブ、およびアテゾリズマブ/セリクレルマブを含む。1つの実施形態において、癌の二次治療、三次、四次、または五次治療に対する先行治療は、カルボプラチン/Nab-パクリタキセルを含む。1つの実施形態において、癌の二次治療、三次、四次、または五次治療に対する先行治療は、ニボルマブおよび電気化学療法を含む。1つの実施形態において、癌の二次治療、三次、四次、または五次治療に対する先行治療は、放射線療法、シスプラチン、およびカルボプラチン/パクリタキセルを含む。
1つの実施形態において、治療は、HNSCCの一次または二次治療である。1つの実施形態において、治療は、再発性/転移性HNSCCの一次または二次治療である。1つの実施形態において、治療は、再発性/転移性(1L R/M)HNSCCの一次治療である。1つの実施形態において、治療は、PD-L1 CPS(組合せ陽性スコア)陽性(CPS≧1)患者における1L R/M HNSCCの一次治療である。1つの実施形態において、治療は、再発性/転移性(2L R/M)HNSCCの二次治療である。
1つの実施形態において、治療は、PD-1/PD-L1ナイーブHNSCCの一次、二次、三次、四次、または五次治療である。1つの実施形態において、治療は、PD-1/PD-L1を経験したHNSCCの一次、二次、三次、四次、または五次治療である。
一部の実施形態において、治療は、治療前のレベル(例えば、ベースラインレベル)と比較して、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、およびNK細胞を含めた腫瘍浸潤リンパ球の増加、T細胞の増加、グランザイムB+細胞の増加、増殖性腫瘍細胞の低下、ならびに活性化T細胞の増加、のうちの1つまたは複数をもたらす。活性化T細胞は、より大きなOX40およびヒト白血球抗原DR発現によって観察され得る。一部の実施形態において、治療は、治療前のレベル(例えば、ベースラインレベル)と比較して、PD1および/またはPD-L1の上方調節をもたらす。
本開示は、脳(神経膠腫)、膠芽細胞腫、バナヤン・ゾナナ(Bannayan-Zonana)症候群、カウデン病、レルミット・ダクロス病、***、炎症性乳癌、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、上衣腫、髄芽腫、結腸、頭頸部、腎臓、肺、肝臓、黒色腫、卵巣、膵臓、前立腺、肉腫、骨肉腫、骨巨細胞腫、甲状腺、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、有毛細胞性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性好中球性白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞型白血病、マントル細胞白血病、多発性骨髄腫巨核芽球性白血病、多発性骨髄腫、急性巨核球性白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、悪性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、神経芽細胞腫、膀胱癌、尿路上皮癌、肺癌、外陰癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、中皮腫、食道癌、唾液腺癌、肝細胞癌、胃癌、鼻咽頭(nasopharangeal)癌、口腔癌、口の癌、GIST(消化管間質腫瘍)、および精巣癌から選択される癌を治療するまたはその重症度を軽減するための方法にも関する。1つの実施形態において、癌はマイクロサテライト不安定性(MSI)を呈する。1つの実施形態において、癌は、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)を阻害する。
本明細書において使用される「治療すること」という用語およびその文法的変形によって、治療的療法が意味される。特定の病状に関して、治療することは、(1)病状の生物学的兆候の1つもしくは複数についての病状を改善することもしくはその重症度を軽減すること、(2)(a)病状につながるもしくはその原因となる生物学的カスケードにおける1つもしくは複数の地点、または(b)病状の生物学的兆候の1つもしくは複数、を妨げること、(3)病状もしくはその治療に伴う症状もしくは徴候、効果もしくは副作用の1つもしくは複数を緩和すること、(4)病状の進行を遅らせる、つまり生存期間を延長する、または病状の生物学的兆候の1つもしくは複数を遅らせること、および/あるいは(5)病状の生物学的兆候の1つもしくは複数を、その兆候に対する寛解の状態であると見なされる期間、寛解の期間にわたる付加的な治療なしで取り除くもしくは検出不能なレベルまで低下させることによって、病状または病状の生物学的兆候の1つもしくは複数を治癒すること、を意味する。当業者であれば、特定の疾患または病状に対する寛解であると見なされる時間の継続期間を理解するであろう。予防的療法もそれによって企図される。当業者であれば、「阻止」は絶対的な用語ではないことを解するであろう。医学において、「阻止」とは、病状もしくはその生物学的兆候の可能性もしくは重症度を実質的に減らすための、またはそのような病状もしくはその生物学的兆候の発生を遅延させるための、薬物の予防的投与を指すと理解される。例えば、対象が癌の強い家族歴を有する場合または対象が発がん物質に曝露されている場合等、対象が癌を発症する高い危険性にあると見なされる場合には、予防的療法が適当である。
本明細書において使用するとき、「癌」、「新生物」、「悪性腫瘍」、および「腫瘍」という用語は互換可能に使用され、単数形または複数形のいずれかで、それらを宿主生物にとって病的にする悪性形質転換を受けている細胞を指す。原発性癌細胞は、十分に確立された技法、特に組織学的検査によって非癌性細胞と容易に区別され得る。本明細書において使用される癌細胞の定義には、原発性癌細胞だけでなく、癌細胞祖先に由来する任意の細胞も含まれる。これには、転移性癌細胞、ならびに癌細胞に由来するインビトロ培養物および細胞株が含まれる。通常では固形腫瘍として現れる癌のタイプに言及する場合、「臨床的に検出可能な」腫瘍とは、例えば、コンピューター断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴イメージング(MRI)、X線、超音波、もしくは身体検査での触診等の手順によって、腫瘤に基づいて検出可能であるもの、および/または患者から獲得可能なサンプルにおける1つもしくは複数の癌特異的抗原の発現が原因で検出可能であるものである。腫瘍は、造血系の(または血液学的な(hematologic)または血液学的な(hematological)または血液に関連する)癌、例えば血液細胞または免疫細胞に由来する癌であり得、それは「液性腫瘍」と称され得る。血液学的腫瘍に基づく臨床状態の具体的な例には、慢性骨髄球性白血病、急性骨髄球性白血病、慢性リンパ球性白血病、および急性リンパ球性白血病等の白血病;多発性骨髄腫、MGUS、およびワルデンシュトレームマクログロブリン血症等の形質細胞悪性腫瘍;非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫等のリンパ腫;等が含まれる。
癌は、異常な数の芽細胞もしくは不要な細胞増殖が存在する、またはリンパ系および骨髄性悪性腫瘍の両方を含めた血液学的癌として診断される、任意の癌であり得る。骨髄性悪性腫瘍には、急性骨髄性(myeloid)(または骨髄球性または骨髄性(myelogenous)または骨髄芽球性)白血病(未分化または分化)、急性前骨髄性(promyeloid)(または前骨髄球性または前骨髄性(promyelogenous)または前骨髄芽球性)白血病、急性骨髄単球性(または骨髄単芽球性)白血病、急性単球性(または単芽球性)白血病、赤白血病、および巨核球性(または巨核芽球性)白血病が含まれるが、それらに限定されるわけではない。これらの白血病は、急性骨髄性(myeloid)(または骨髄球性または骨髄性(myelogenous))白血病(AML)としてともに称され得る。骨髄性悪性腫瘍には、慢性骨髄性(myelogenous)(または骨髄性(myeloid))白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、本態性血小板増加症(または血小板血症)、および真性多血症(PCV)を含むがそれらに限定されない骨髄増殖性障害(MPD)も含まれる。骨髄性悪性腫瘍には、不応性貧血(RA)、芽球増加を伴う不応性貧血(refractory anemia with excess blasts)(RAEB)、および移行期の芽球増加を伴う不応性貧血(refractory anemia with excess blasts in transformation)(RAEBT)と称され得る、骨髄異形成(または骨髄異形成症候群またはMDS);ならびに特発性骨髄化生を伴うまたは伴わない骨髄線維症(MFS)も含まれる。
造血系癌には、リンパ節、脾臓、骨髄、末梢血、および/または節外部位に影響を及ぼし得るリンパ系悪性腫瘍も含まれる。リンパ系癌には、B細胞非ホジキンリンパ腫(B-NHL)を含むがそれに限定されないB細胞悪性腫瘍が含まれる。B-NHLは、無痛性(または低悪性度)、中悪性度(または侵攻性)、または高悪性度(極侵攻性)であり得る。無痛性B細胞リンパ腫には、濾胞性リンパ腫(FL);小リンパ球性リンパ腫(SLL);節性辺縁帯リンパ腫(MZL)、節外性MZL、脾性MZL、および有毛リンパ球を有する脾性MZLを含めたMZL;リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL);ならびに粘膜関連リンパ組織(MALTまたは節外性辺縁帯)リンパ腫が含まれる。中悪性度B-NHLには、白血病関与を有するまたは有しないマントル細胞リンパ腫(MCL)、びまん性大細胞型リンパ腫(DLBCL)、濾胞性大細胞(または悪性度3または悪性度3B)リンパ腫、および縦隔原発リンパ腫(PML)が含まれる。高悪性度B-NHLには、バーキットリンパ腫(BL)、バーキット様リンパ腫、小型非切れ込み核細胞性リンパ腫(small non-cleaved cell lymphoma)(SNCCL)、およびリンパ芽球性リンパ腫が含まれる。他のB-NHLには、免疫芽球性リンパ腫(または免疫細胞腫)、原発性滲出性リンパ腫、HIV関連(またはAIDS関連)リンパ腫、および移植後リンパ増殖性障害(PTLD)またはリンパ腫が含まれる。B細胞悪性腫瘍には、慢性リンパ球性白血病(CLL)、前リンパ球性白血病(PLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、有毛細胞性白血病(HCL)、大型顆粒リンパ球(LGL)白血病、急性リンパ性(またはリンパ球性またはリンパ芽球性)白血病、およびキャッスルマン病も含まれるが、それらに限定されるわけではない。NHLには、特定不能(NOS)のT細胞非ホジキンリンパ腫を含むがそれに限定されないT細胞非ホジキンリンパ腫(T-NHL)、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、血管免疫芽球性リンパ系障害(AILD)、鼻性ナチュラルキラー(NK)細胞/T細胞リンパ腫、ガンマ/デルタリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、菌状息肉腫、およびセザリー症候群も含まれ得る。
造血系癌には、古典的ホジキンリンパ腫、結節硬化型ホジキンリンパ腫、混合細胞型ホジキンリンパ腫、リンパ球優位型(LP)ホジキンリンパ腫、結節性LPホジキンリンパ腫、およびリンパ球減少型ホジキンリンパ腫を含めたホジキンリンパ腫(またはホジキン病)も含まれる。造血系癌には、くすぶり型多発性骨髄腫(MM)を含めたMM、意義不明(または未知または不明瞭)の単クローン性免疫グロブリン異常症(MGUS)、形質細胞腫(骨、髄外)、リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、形質細胞性白血病、および原発性アミロイドーシス(AL)等の形質細胞性疾患または癌も含まれる。造血系癌には、多形核白血球(または好中球)、好塩基球、好酸球、樹状細胞、血小板、赤血球、およびナチュラルキラー細胞を含めた、付加的な造血細胞の他の癌も含まれ得る。本明細書において「造血細胞組織」と称される造血細胞を含む組織には、骨髄;末梢血;胸腺;ならびに脾臓、リンパ節、粘膜と関連したリンパ組織(胃腸関連リンパ組織等)、扁桃腺、パイエル板、および虫垂等の末梢リンパ組織、ならびに他の粘膜、例えば気管支内膜と関連したリンパ組織が含まれる。
1つの実施形態において、本発明の方法は、少なくとも1つの新生物剤または癌アジュバントをヒトに投与するステップをさらに含む。本発明の方法は、癌治療の他の治療的方法とともに採用もされ得る。
典型的に、治療されている感受性腫瘍等の腫瘍に対して活性を有する任意の抗新生物剤または癌アジュバントは、本発明における癌の治療において共投与され得る。そのような作用物質の例は、Cancer Principles and Practice of Oncology by V.T. Devita, T.S. Lawrence, and S.A. Rosenberg (editors), 10th edition (December 5, 2014), Lippincott Williams & Wilkins Publishersに見出され得る。
癌の治療の方法についての実施形態は、それが投薬量、治療レジメン、ならびに投薬量および治療レジメンの効果に関する限りにおいて、癌の治療における使用のためのアゴニストICOS結合タンパク質もしくはその抗原結合部分、または癌を治療するための医薬の製造におけるアゴニストICOS結合タンパク質もしくはその抗原結合部分の使用についての実施形態およびその逆としても受け取られることに気付くであろう。癌の治療の方法、癌の治療における使用のためのアゴニストICOS結合タンパク質もしくはその抗原結合部分、または癌を治療するための医薬の製造におけるアゴニストICOS結合タンパク質もしくはその抗原結合部分の使用についての実施形態は、それが投薬量、治療レジメン、ならびに投薬量および治療レジメンの効果に関する限りにおいて、医薬組成物、医薬製剤、または医薬キットについての実施形態としても受け取られることにも気付くであろう。
以下の実施例は、例示のみを意図されるものであり、本発明の範囲を限定することを意図されるものでは決してない。
[実施例1]
H2L5 IgG4PEは、その強力な結合性、ヒトICOSに対するアゴニスト活性、および低い枯渇効果/枯渇効果なしに対して選択されたヒト化IgG4抗体である。H2L5 IgG4PEの固有のメカニズムプロファイルは、単独でおよびペムブロリズマブとの併用で、T細胞共刺激因子を標的にする抗腫瘍潜在性を調査する機会を付与する。H2L5 IgG4PEは、配列番号1~6に示されるCDR配列、ならびにそれぞれ配列番号7および配列番号8に示される可変重鎖および可変軽鎖配列を含む。
H2L5 IgG4PEは、その強力な結合性、ヒトICOSに対するアゴニスト活性、および低い枯渇効果/枯渇効果なしに対して選択されたヒト化IgG4抗体である。H2L5 IgG4PEの固有のメカニズムプロファイルは、単独でおよびペムブロリズマブとの併用で、T細胞共刺激因子を標的にする抗腫瘍潜在性を調査する機会を付与する。H2L5 IgG4PEは、配列番号1~6に示されるCDR配列、ならびにそれぞれ配列番号7および配列番号8に示される可変重鎖および可変軽鎖配列を含む。
選択された固形腫瘍における、単独でのおよびペムブロリズマブとの併用での、H2L5 IgG4PEの安全性、薬物動態(PK)、薬力学(PD)、および抗腫瘍活性を評価した初めてのヒトにおける試験が本明細書において記載される。
試験は用量漸増およびコホート拡大の相からなり;コホート拡大相はいくつかの腫瘍タイプにおいて現在進行中である。
試験の目的は以下のとおりである。
一次
・単独療法としてのおよびペムブロリズマブとの併用での、H2L5 IgG4PEの安全性、耐容性、および最大耐容/投与用量を判定する。
・単独療法としてのおよびペムブロリズマブとの併用での、H2L5 IgG4PEの安全性、耐容性、および最大耐容/投与用量を判定する。
二次
・さらなる探索のための推奨されるH2L5 IgG4PE用量を判定する。
・予備的抗腫瘍活性を評価する;PKを特徴付けする;免疫原性を評価する。
・さらなる探索のための推奨されるH2L5 IgG4PE用量を判定する。
・予備的抗腫瘍活性を評価する;PKを特徴付けする;免疫原性を評価する。
探索的
・PD効果を評価する。
・組織および血液における抗腫瘍活性、PK、およびバイオマーカーの間の関連性を探索する。
・PD効果を評価する。
・組織および血液における抗腫瘍活性、PK、およびバイオマーカーの間の関連性を探索する。
方法
試験は、単独での(パート1)およびペムブロリズマブとの併用での(パート2)、H2L5 IgG4PEの用量漸増(DE)および現在進行中の拡大相試験である。改変された毒性発現確率区間(toxicity probability interval)は、用量レベル(DL)ごとに登録された≧3人の患者を用いたDE決定に情報を与えた。H2L5 IgG4PEは、3週間ごと(Q3W)の静脈内注入±200mgのペムブロリズマブQ3Wとして投与され;治療は、最高2年間または進行もしくは許容されない毒性まで継続する。患者は、転移性または再燃性の浸潤性悪性腫瘍、測定可能な疾患を有し、進行した背景において≦5ラインの先行療法を受け、十分な臓器機能を有し、治療を要する活動性自己免疫疾患を有してはならず;PK/PDコホートは、治療前および43日目の治療中の腫瘍生検を要する。一次目的は、安全性、耐容性、および最大耐容(MTD)H2L5 IgG4PE用量を判定することである。
試験は、単独での(パート1)およびペムブロリズマブとの併用での(パート2)、H2L5 IgG4PEの用量漸増(DE)および現在進行中の拡大相試験である。改変された毒性発現確率区間(toxicity probability interval)は、用量レベル(DL)ごとに登録された≧3人の患者を用いたDE決定に情報を与えた。H2L5 IgG4PEは、3週間ごと(Q3W)の静脈内注入±200mgのペムブロリズマブQ3Wとして投与され;治療は、最高2年間または進行もしくは許容されない毒性まで継続する。患者は、転移性または再燃性の浸潤性悪性腫瘍、測定可能な疾患を有し、進行した背景において≦5ラインの先行療法を受け、十分な臓器機能を有し、治療を要する活動性自己免疫疾患を有してはならず;PK/PDコホートは、治療前および43日目の治療中の腫瘍生検を要する。一次目的は、安全性、耐容性、および最大耐容(MTD)H2L5 IgG4PE用量を判定することである。
患者-主要な組み入れ基準
・進行性/転移性または再発性の浸潤性悪性腫瘍の組織学的または細胞学的書類
・特異的腫瘍タイプに対する標準療法の後に進行している、または標準療法が無効であると証明されている、耐容不能である、もしくは不適当と見なされる、もしくはさらなる標準療法が存在しない場合の、疾患。
・標準治療および調査的療法の両方を含めた、進行性疾患に対する≦5つの先行ラインの療法。
・RECIST v1.1ガイドラインに従った測定可能な疾患;米国東海岸癌臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group)パフォーマンスステータス0~1;十分な臓器機能。
・治療前および治療中の生検を受けることに同意し、PK/PD用量拡大コホートにおいて要される生検に適している疾患を有する。
・進行性/転移性または再発性の浸潤性悪性腫瘍の組織学的または細胞学的書類
・特異的腫瘍タイプに対する標準療法の後に進行している、または標準療法が無効であると証明されている、耐容不能である、もしくは不適当と見なされる、もしくはさらなる標準療法が存在しない場合の、疾患。
・標準治療および調査的療法の両方を含めた、進行性疾患に対する≦5つの先行ラインの療法。
・RECIST v1.1ガイドラインに従った測定可能な疾患;米国東海岸癌臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group)パフォーマンスステータス0~1;十分な臓器機能。
・治療前および治療中の生検を受けることに同意し、PK/PD用量拡大コホートにおいて要される生検に適している疾患を有する。
患者-主要な除外基準
・30日以内または5半減期以内のどちらか短いほうの、先行する抗癌または調査的療法。
・先行免疫療法に関連したおよび治療中断につながる、≧グレード3の毒性。
・≧2年間の無病である場合を除いて、試験中の疾患以外の浸潤性悪性腫瘍の病歴。
・中枢神経系(CNS)転移;例外は、無症状性でありかつ試験治療の最初の投薬前少なくとも14日間ステロイドの要件を有しない、以前に治療されたCNS転移を含む。
・過去2年以内に全身治療を要した活動性自己免疫疾患。
・特発性肺線維症、ステロイドを要する肺炎、間質性肺疾患、または器質化肺炎の病歴。
・30日以内または5半減期以内のどちらか短いほうの、先行する抗癌または調査的療法。
・先行免疫療法に関連したおよび治療中断につながる、≧グレード3の毒性。
・≧2年間の無病である場合を除いて、試験中の疾患以外の浸潤性悪性腫瘍の病歴。
・中枢神経系(CNS)転移;例外は、無症状性でありかつ試験治療の最初の投薬前少なくとも14日間ステロイドの要件を有しない、以前に治療されたCNS転移を含む。
・過去2年以内に全身治療を要した活動性自己免疫疾患。
・特発性肺線維症、ステロイドを要する肺炎、間質性肺疾患、または器質化肺炎の病歴。
試験デザインは図1に示される
・パート1Aにおける、最初の3つの用量レベルに対する加速漸増デザイン(Accelerated titration design);1人の患者が各用量レベルに登録した。
・パート1A/2Aにおいて、改変された毒性発現確率区間法は、後続の用量漸増決定に情報を与えた(用量レベルごとに最小3人の患者)。
・0.001mg/kgの開始用量:前臨床試験において観察された最小限に予測される生物学的効果に基づく推定ヒト用量。
・パート1Aにおける、最初の3つの用量レベルに対する加速漸増デザイン(Accelerated titration design);1人の患者が各用量レベルに登録した。
・パート1A/2Aにおいて、改変された毒性発現確率区間法は、後続の用量漸増決定に情報を与えた(用量レベルごとに最小3人の患者)。
・0.001mg/kgの開始用量:前臨床試験において観察された最小限に予測される生物学的効果に基づく推定ヒト用量。
これは、安全性、耐容性、薬理学、PK、予備的臨床活性を調査し、およびさらなる探索のためのH2L5 IgG4PEの推奨用量を確立するためにデザインされた、ヒトにおいて初めての(FTIH)、非盲検の、多施設試験である。
図1に図解されるように、試験は2つのパート(パート1 H2L5 IgG4PE単独療法、およびパート2 H2L5 IgG4PE併用療法)で行われ、各パートは、用量漸増相、それに続くコホート拡大相からなる。
パート1Aの用量漸増相は、選択された再燃性および/または難治性固形腫瘍を有する対象に3週間に1回(Q3W)静脈内投与される単独療法H2L5 IgG4PEの重量に基づく用量レベルを漸増することを評価する。安全性および耐容性、ならびに分子のPK/薬力学的特徴に基づき、推奨される1つまたは複数の単独療法用量レベルが、拡大コホート(パート1B)においてさらに調査され得る。
H2L5 IgG4PEの単独療法用量レベルが安全であると判断され、一貫した用量応答性の薬力学的活性を実証した場合に、パート2Aのペムブロリズマブ併用用量漸増相が始動される;この用量レベルを下回る2つの用量レベルは、200mg固定用量のペムブロリズマブとの併用で調査される開始用量になるであろう。
パート2Aにおいて評価されたこれらの併用は、選択された再燃性および/または難治性固形腫瘍を有する対象において調査される。
パート1Bおよびパート2B拡大コホートは、H2L5 IgG4PEの重量に基づく投薬量を用いて始動し得るが、固定投薬量への移行は行われ得る。
途切れないデザインを実行して、毒性および有効性に基づき、用量漸増と用量拡大とを結び付ける(Pan H, Fang X, Liu P, et al. A phase I/II seamless dose escalation/expansion with adaptive randomization scheme (SEARS). Clinical Trials. 2013; 0:1-11)。パート1およびパート2の両方において、用量漸増相が完了する前に、用量拡大相は始動し得る。用量拡大における対象からのすべての利用可能な安全性および耐容性データは、用量漸増の意思決定に組み入れられる。用量レベル/用量の拡大を始動する決定の根拠は、以下の卒業ルールを検討するであろう。
・確立された安全性および耐容性;
・予備的PK/薬力学的特徴(すなわち、標的関与、ならびに受容体占有率およびサイトカイン放出等の機能的効果の測定);および/または
・予備的抗腫瘍活性
・確立された安全性および耐容性;
・予備的PK/薬力学的特徴(すなわち、標的関与、ならびに受容体占有率およびサイトカイン放出等の機能的効果の測定);および/または
・予備的抗腫瘍活性
用量レベルが卒業ルールを通過し次第、選択された用量は、運営委員会の承認後、さらなる調査のための拡大相に入り得;代替H2L5 IgG4PEスケジュールまたは薬物順序付けが拡大相において調査され得る。加えて、現在進行中の単独療法用量漸増相において調査中の用量レベルは、拡大相に生じた、対象からの安全性データ等の情報を組み入れ得る。適当な場合には、ランダム化および/または無益性ルールを拡大相に組み入れて、安全性および抗腫瘍活性の評価に基づき、用量配分を最適化し得る。拡大コホートに対するランダム化スキーマの詳細は、拡大コホートの始動前に文書化されるであろう;無益性ルールの詳細は、中間解析の始動前にRAPに文書化されるであろう(Pan H, Fang X, Liu P, et al. A phase I/II seamless dose escalation/expansion with adaptive randomization scheme (SEARS). Clinical Trials. 2013; 0:1-11)。
試験全体に、固形腫瘍性悪性腫瘍を有すると診断されたおよそ500人の対象を登録させるであろう。
・試験の用量漸増相においておよび薬物動態(PK)/薬理学(PD)拡大コホートにおいて、組み入れに選択された固形腫瘍タイプには、膀胱/尿路上皮癌、子宮頸癌、結腸直腸癌(CRC)、扁平上皮細胞組織構造を有する食道癌、頭頸部(HN)癌、黒色腫、悪性胸膜中皮腫(MPM)、非小細胞肺癌(NSCLC)、および前立腺癌が含まれる。
・試験のコホート拡大相(パート1Bおよびパート2B)において、腫瘍組織構造によって、または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)、DNAミスマッチ修復(dMMR)過程の欠損、もしくはウイルス媒介性病理を呈する腫瘍等の具体的特徴によって、いくつかの拡大コホートが規定されており;これらのコホートへの登録は、前述のリストにおける腫瘍タイプ/組織構造に限定されるわけではない(臓器横断的(tumor agnostic)として規定される)。
・付加的な拡大コホートは、前述のリストから、またはプロトコールで規定されない腫瘍タイプ/組織構造から選択される特異的腫瘍タイプを有する対象を登録させ得;選択の根拠は、証拠に基づき、コホートを規定するプロトコールへの修正によるものであろう。
・試験の用量漸増相においておよび薬物動態(PK)/薬理学(PD)拡大コホートにおいて、組み入れに選択された固形腫瘍タイプには、膀胱/尿路上皮癌、子宮頸癌、結腸直腸癌(CRC)、扁平上皮細胞組織構造を有する食道癌、頭頸部(HN)癌、黒色腫、悪性胸膜中皮腫(MPM)、非小細胞肺癌(NSCLC)、および前立腺癌が含まれる。
・試験のコホート拡大相(パート1Bおよびパート2B)において、腫瘍組織構造によって、または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)、DNAミスマッチ修復(dMMR)過程の欠損、もしくはウイルス媒介性病理を呈する腫瘍等の具体的特徴によって、いくつかの拡大コホートが規定されており;これらのコホートへの登録は、前述のリストにおける腫瘍タイプ/組織構造に限定されるわけではない(臓器横断的(tumor agnostic)として規定される)。
・付加的な拡大コホートは、前述のリストから、またはプロトコールで規定されない腫瘍タイプ/組織構造から選択される特異的腫瘍タイプを有する対象を登録させ得;選択の根拠は、証拠に基づき、コホートを規定するプロトコールへの修正によるものであろう。
拡大相からのデータが拡張登録を支持する場合、または付加的な組合せが調査される場合、試験全体のサイズは、プロトコール修正によって500人を超えて拡張し得る。
疾患状態の査定は、固形腫瘍における応答評価基準(Response Evaluation Criteria In Solid Tumors)(RECIST)v1.1および免疫関連(ir)RECISTに従って治験責任医師によって実施される。疾患進行に起因して治療を中断する決定は、irRECISTに基づく;主要有効性評価項目分析は、irRECISTを使用するであろう。スキャンは中央に回収され、中央判定(central review)の選択肢を可能にするために保管される。
H2L5 IgG4PE固定用量の理論的根拠
パート1A(単独療法)およびパート2A(ペムブロリズマブとの併用)において、H2L5 IgG4PEを、体重に基づく投薬量で投与した。固定用量は、80kgの典型的な重量中央値を想定して、拡大コホートにおいておよび化学療法併用での安全性導入相においてテストされ得る。
パート1A(単独療法)およびパート2A(ペムブロリズマブとの併用)において、H2L5 IgG4PEを、体重に基づく投薬量で投与した。固定用量は、80kgの典型的な重量中央値を想定して、拡大コホートにおいておよび化学療法併用での安全性導入相においてテストされ得る。
治療用モノクローナル抗体は、これにより薬物曝露における対象間変動が低下するという概念に起因して、身体サイズに基づいて投薬されることが多い。しかしながら、PKパラメーターの体重依存性は、モノクローナル抗体の曝露における観察される変動を必ずしも説明するわけではない(Zhao X, Suryawanshi, S; Hruska, M. Assessment of nivolumab benefit-risk profile of a 240-mg flat dose relative to a 3 mg/kg dosing regimen in patient with advanced tumors. Annals of Oncology. 2017;28:2002-2008)。この試験における体重に基づく投薬対固定の投薬の利点を、集団PKモデリングおよびシミュレーション努力により評価した。予備的集団PKモデルを、単独療法用量漸増から開発した(最高1mg/kgの用量;n=19人の対象のデータ)。
シミュレーションにおける体重分布は、予備的データセットにおける観察された分布に基づくことを考慮することによって、シミュレーションを実施した。体重の5パーセンタイル(40~47kg)では、定常状態AUC(0-)中央値の70~100%の増加があり;これらの増加よりも高いH2L5 IgG4PE曝露が、3mg/kg用量レジメンを用いた現時点の第1相試験において評価されている。体重の95パーセンタイル(107~118kg)では、曝露の最小限の低減とともに適度な受容体占有率(RO)を提供する80kg曝露中央値と比較して、定常状態AUC(0-)中央値の23~32%の減少があった。定常状態Cmaxに対して、ならびに体重に基づく投薬と固定の投薬との間の濃度を通じて、同様の結果が予想される。
全体として、これらの予備的集団PKシミュレーションは、固定の投薬を使用することが、体重に基づく投薬のものと同程度の域の曝露をもたらすであろうことを示す。また、固定の投薬は、投薬エラーの低下、薬物消耗の低下、調製時間の短縮、および投与の容易さの向上という利点を付与する。ゆえに、80kgの参照体重に基づく固定用量に切り替えることは合理的でありかつ適当である。
80kg重量を使用した重量に基づくH2L5 IgG4PE用量レベルの固定用量同等値が、表3に提示される。
結果
DE相およびPK/PDコホートにおいて、98人の患者が登録した:パート1:DEにおいて22人、およびPK/PDコホートにおいて40人;パート2:DEにおいて36人。患者の大多数は、マイクロサテライト安定な結腸直腸癌腫(26%)および≧2ベースラインの標的病変(57%)を有した;37%は、進行した背景において≧3つの先行ラインの療法、31%は、先行する抗PD-1/L1療法を受けた。パート1(n=62)では、22人の患者(35%)が少なくとも1つの治療関連の有害事象(TR-AE)を有した。最も頻度の高いTR-AE(≧3人の患者)は、倦怠感(15%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)上昇(5%)、および下痢(3%)であった;AST上昇は、最も頻度の高いグレード3/4のTR-AEであった(N=2[3%])。パート2では、15人の患者(42%)が少なくとも1つのTR-AEを有した;最も頻度の高いTR-AEは、AST上昇(8%)および発熱(8%)であった;グレード3/4のTR-AEは、>1人の患者において生じなかった。1例の用量制限毒性(DLT)がDEにおいて生じた:3mg/kgの最大H2L5 IgG4PE DLで治療されたパート2の患者におけるグレード3の肺炎、それは両薬物の中断につながった。PK/PDコホートにおいて、1人の患者(H2L5 IgG4PE 3mg/kg)における肝臓酵素増加は、DLTおよび唯一のTR AEであり、治療中断につながった。疾患進行は、治療中断の主な原因であった(92%)。0.01~3mg/kg DLを上回る全身H2L5 IgG4PE濃度の、およそ用量に比例した増加が観察された。DL≧0.3mg/kgで、ICOS受容体占有率は、投薬間隔にわたって≧75%であった。腫瘍浸潤リンパ球におけるオンターゲットPD効果、および臨床活性が、パート1および2において観察された;抗PD-1/L1を経験した患者においてを含む。
DE相およびPK/PDコホートにおいて、98人の患者が登録した:パート1:DEにおいて22人、およびPK/PDコホートにおいて40人;パート2:DEにおいて36人。患者の大多数は、マイクロサテライト安定な結腸直腸癌腫(26%)および≧2ベースラインの標的病変(57%)を有した;37%は、進行した背景において≧3つの先行ラインの療法、31%は、先行する抗PD-1/L1療法を受けた。パート1(n=62)では、22人の患者(35%)が少なくとも1つの治療関連の有害事象(TR-AE)を有した。最も頻度の高いTR-AE(≧3人の患者)は、倦怠感(15%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)上昇(5%)、および下痢(3%)であった;AST上昇は、最も頻度の高いグレード3/4のTR-AEであった(N=2[3%])。パート2では、15人の患者(42%)が少なくとも1つのTR-AEを有した;最も頻度の高いTR-AEは、AST上昇(8%)および発熱(8%)であった;グレード3/4のTR-AEは、>1人の患者において生じなかった。1例の用量制限毒性(DLT)がDEにおいて生じた:3mg/kgの最大H2L5 IgG4PE DLで治療されたパート2の患者におけるグレード3の肺炎、それは両薬物の中断につながった。PK/PDコホートにおいて、1人の患者(H2L5 IgG4PE 3mg/kg)における肝臓酵素増加は、DLTおよび唯一のTR AEであり、治療中断につながった。疾患進行は、治療中断の主な原因であった(92%)。0.01~3mg/kg DLを上回る全身H2L5 IgG4PE濃度の、およそ用量に比例した増加が観察された。DL≧0.3mg/kgで、ICOS受容体占有率は、投薬間隔にわたって≧75%であった。腫瘍浸潤リンパ球におけるオンターゲットPD効果、および臨床活性が、パート1および2において観察された;抗PD-1/L1を経験した患者においてを含む。
図2は、コホートおよび用量による患者傾向を示す。図3は、患者および疾患特徴を示す。
図4は、治療関連のAE(≧3人の患者における)を示す。
治療関連の安全性
・中断につながる治療関連の用量制限毒性は、3mg/kgのH2L5 IgG4PE用量レベルで報告された。
・単独療法用量漸増コホートにおける1人の患者は、アラニンアミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、ビリルビン、ガンマ-グルタミルトランスペプチダーゼのグレード3/4の上昇、損なわれた肝臓機能(重篤)、ならびにグレード1のアミラーゼおよびG3のリパーゼを経験した。
・併用コホートにおける1人の患者は、グレード3の肺炎を経験した。
・単独療法群における重篤な有害事象(SAE):1人の患者(3mg/kg)は、損なわれた肝臓機能(グレード3)を有した。
・肝転移の進行およびステント留置術を要する胆管閉塞によって悪化した。
・H2L5 IgG4PE/ペムブロリズマブ群におけるSAE:4人の患者がSAEを有した。
・グレード5の肺高血圧(H2L5 IgG4PE 0.1mg/kg/ペムブロリズマブ 200mg):2ヶ月間の患者試験外治療の後に生じた;患者は、肝炎、膵炎、およびメトヘモグロビン血症(ダプソン関連)を含む併存疾患を有した。
・グレード3の下痢(H2L5 IgG4PE 0.3mg/kg/ペムブロリズマブ 200mg):ステロイドで解消した。
・グレード3の低血圧(H2L5 IgG4PE 1mg/kg/ペムブロリズマブ 200mg):試験治療注入の後に生じた;解消し、治療中断をもたらさなかった。
・同時ではないグレード3の肺炎およびグレード3の下気道感染(H2L5 IgG4PE 3mg/kg/ペムブロリズマブ 200mg):肺炎はステロイドで解消した;下気道感染は、肺炎に起因して広がり得;抗生物質およびステロイドで解消した。
・中断につながる治療関連の用量制限毒性は、3mg/kgのH2L5 IgG4PE用量レベルで報告された。
・単独療法用量漸増コホートにおける1人の患者は、アラニンアミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、ビリルビン、ガンマ-グルタミルトランスペプチダーゼのグレード3/4の上昇、損なわれた肝臓機能(重篤)、ならびにグレード1のアミラーゼおよびG3のリパーゼを経験した。
・併用コホートにおける1人の患者は、グレード3の肺炎を経験した。
・単独療法群における重篤な有害事象(SAE):1人の患者(3mg/kg)は、損なわれた肝臓機能(グレード3)を有した。
・肝転移の進行およびステント留置術を要する胆管閉塞によって悪化した。
・H2L5 IgG4PE/ペムブロリズマブ群におけるSAE:4人の患者がSAEを有した。
・グレード5の肺高血圧(H2L5 IgG4PE 0.1mg/kg/ペムブロリズマブ 200mg):2ヶ月間の患者試験外治療の後に生じた;患者は、肝炎、膵炎、およびメトヘモグロビン血症(ダプソン関連)を含む併存疾患を有した。
・グレード3の下痢(H2L5 IgG4PE 0.3mg/kg/ペムブロリズマブ 200mg):ステロイドで解消した。
・グレード3の低血圧(H2L5 IgG4PE 1mg/kg/ペムブロリズマブ 200mg):試験治療注入の後に生じた;解消し、治療中断をもたらさなかった。
・同時ではないグレード3の肺炎およびグレード3の下気道感染(H2L5 IgG4PE 3mg/kg/ペムブロリズマブ 200mg):肺炎はステロイドで解消した;下気道感染は、肺炎に起因して広がり得;抗生物質およびステロイドで解消した。
図5A~図5Cは、試験治療の継続期間:個々の患者データを示す。
図6A~図6Bは、PKおよび受容体占有率を示す。
図7~図10は、患者ケーススタディからの結果を示す。
患者1:H2L5 IgG4PE単独療法(図7)
病歴:
・53Y男性;ステージIIIcの結節型黒色腫[BRAF/cKIT変異陰性]。
・先行レジメン:イピリムマブ/ニボルマブ 約2ヶ月;ニボルマブ 約1年、SD(安定)最良応答。
・疾患負荷:5つの標的病変(LN、肺、SubQ):SoD(直径の合計)=225mm。複数の非標的病変。
病歴:
・53Y男性;ステージIIIcの結節型黒色腫[BRAF/cKIT変異陰性]。
・先行レジメン:イピリムマブ/ニボルマブ 約2ヶ月;ニボルマブ 約1年、SD(安定)最良応答。
・疾患負荷:5つの標的病変(LN、肺、SubQ):SoD(直径の合計)=225mm。複数の非標的病変。
試験治療:
・48週目までのH2L5 IgG4PE単独療法;0.1mg/kg×Q3Wの3回の投薬、次いで1mg/kg Q3W。
・H2L5 IgG4PE Q3W+200mg Q3W ペムブロリズマブ併用 現在進行中。
・48週目までのH2L5 IgG4PE単独療法;0.1mg/kg×Q3Wの3回の投薬、次いで1mg/kg Q3W。
・H2L5 IgG4PE Q3W+200mg Q3W ペムブロリズマブ併用 現在進行中。
図7は、治療への腫瘍応答を示した、肺病変および皮下病変についてのベースライン(H2L5 IgG4PE単独療法の始動前)からのおよび試験中の治療査定間隔におけるCT画像を示す。肺病変における腫瘍退縮、および永続的である皮下病変における完全奏功/退縮があった。
治療中の43日後に回収された腫瘍生検は、スクリーニング時に獲得された腫瘍組織と比較した場合、
・より多くの数のT細胞
・グランザイム-B発現CD8 Tc細胞の増加
・PD1発現T細胞の増加、および
・より多くの数の増殖性T細胞、一方で
・より少ない増殖性腫瘍細胞
を示した。
・より多くの数のT細胞
・グランザイム-B発現CD8 Tc細胞の増加
・PD1発現T細胞の増加、および
・より多くの数の増殖性T細胞、一方で
・より少ない増殖性腫瘍細胞
を示した。
患者2:H2L5 IgG4PE+ペムブロリズマブ併用療法(図8)
病歴:
・53Y女性、診断:ステージIV KRAS変異、MSI-H CRC。
・先行レジメン:フォルフォックス;カペシタビン;フォルフィリ/ベバシズマブ;アテゾリズマブ/セリクレルマブ 約3ヶ月、BoR(最良総合効果):PD(進行);抗CEA ADC 約2ヶ月、BoR:PD;RO695688/オビヌツズマブ 約2ヶ月、BoR:PD。
病歴:
・53Y女性、診断:ステージIV KRAS変異、MSI-H CRC。
・先行レジメン:フォルフォックス;カペシタビン;フォルフィリ/ベバシズマブ;アテゾリズマブ/セリクレルマブ 約3ヶ月、BoR(最良総合効果):PD(進行);抗CEA ADC 約2ヶ月、BoR:PD;RO695688/オビヌツズマブ 約2ヶ月、BoR:PD。
試験治療:
・H2L5 IgG4PE 1mg/kg Q3W+ペムブロリズマブ 200mg Q3W 現在進行中。
・H2L5 IgG4PE 1mg/kg Q3W+ペムブロリズマブ 200mg Q3W 現在進行中。
図8は、9週目の時点でサイズが増加し、次いで後続の査定時に、試験治療に応答して減少した大きな肝臓病変を示した、ベースラインからのおよび試験中の治療査定間隔におけるCT画像を示しており、偽進行の症例を表す。
患者3:PD変化-頭頸部の腫瘍浸潤リンパ球扁平上皮細胞癌腫-H2L5 IgG4PE 0.3mg/kg Q3W+ペムブロリズマブ 200mg Q3W
治療後のサンプルは、治療前のサンプルと比較して、グランザイムB+およびPD-L1+細胞の増加を示した。スクリーニング時または治療前の腫瘍組織を、6週目の治療中に獲得された新鮮な腫瘍生検と比較した。腫瘍免疫浸潤性またはTILの変化を、16種のマーカーのパネルを使用したMultiOmyxと呼ばれる多重免疫蛍光プラットフォームによって評価した。この患者に対する治療前の腫瘍組織と比較した、6週目の腫瘍のTIL分析は、グランザイムB+ T細胞およびPD-L1+細胞の増加を実証する。
治療後のサンプルは、治療前のサンプルと比較して、グランザイムB+およびPD-L1+細胞の増加を示した。スクリーニング時または治療前の腫瘍組織を、6週目の治療中に獲得された新鮮な腫瘍生検と比較した。腫瘍免疫浸潤性またはTILの変化を、16種のマーカーのパネルを使用したMultiOmyxと呼ばれる多重免疫蛍光プラットフォームによって評価した。この患者に対する治療前の腫瘍組織と比較した、6週目の腫瘍のTIL分析は、グランザイムB+ T細胞およびPD-L1+細胞の増加を実証する。
結論
・単独でのおよびペムブロリズマブとの併用でのH2L5 IgG4PEは、0.001~3mg/kgの用量域で、進行性固形腫瘍を有する患者において十分に耐容された。
・最大耐容用量には達せず;最大投与用量は3mg/kgのH2L5 IgG4PEであった。
・AE(有害事象)の大多数は、グレード1/2であり、試験治療に起因しなかった。
・中断につながるAEは、最も高い用量レベルで、単独療法(n=62人の患者)および併用(n=36人の患者)においてそれぞれ1人の患者において生じた。
・H2L5 IgG4PE濃度の、用量に比例した増加。
・PK/PD分析は、≧0.3mg/kgのH2L5 IgG4PE用量レベルで、投薬間隔にわたって≧75%の総ICOS受容体飽和を示した。
・幅広い用量(≧0.1~1mg/kg)が、生物学的および臨床的な活性を示している(先行する抗PD-1/L1曝露を有する患者においてを含む)。これらの用量は、推奨されるH2L5 IgG4PE用量を確立するために、拡大コホートにおいてさらに調査されているところである。
・予備的な生物学的および臨床的データは、臨床標的としての非枯渇性ICOSアゴニストの作用のメカニズムを裏付ける。
・0.1mg/kgを上回る用量は、推奨されるH2L5 IgG4PE用量を確立するために、拡大コホートにおいてさらに調査されているところである。
・単独でのおよびペムブロリズマブとの併用でのH2L5 IgG4PEは、0.001~3mg/kgの用量域で、進行性固形腫瘍を有する患者において十分に耐容された。
・最大耐容用量には達せず;最大投与用量は3mg/kgのH2L5 IgG4PEであった。
・AE(有害事象)の大多数は、グレード1/2であり、試験治療に起因しなかった。
・中断につながるAEは、最も高い用量レベルで、単独療法(n=62人の患者)および併用(n=36人の患者)においてそれぞれ1人の患者において生じた。
・H2L5 IgG4PE濃度の、用量に比例した増加。
・PK/PD分析は、≧0.3mg/kgのH2L5 IgG4PE用量レベルで、投薬間隔にわたって≧75%の総ICOS受容体飽和を示した。
・幅広い用量(≧0.1~1mg/kg)が、生物学的および臨床的な活性を示している(先行する抗PD-1/L1曝露を有する患者においてを含む)。これらの用量は、推奨されるH2L5 IgG4PE用量を確立するために、拡大コホートにおいてさらに調査されているところである。
・予備的な生物学的および臨床的データは、臨床標的としての非枯渇性ICOSアゴニストの作用のメカニズムを裏付ける。
・0.1mg/kgを上回る用量は、推奨されるH2L5 IgG4PE用量を確立するために、拡大コホートにおいてさらに調査されているところである。
扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)患者
図9は、扁平上皮NSCLC患者のスキャンを示しており、それは、H2L5 IgG4PE(0.3mg/kg Q3W)/ペムブロリズマブ(200mg Q3W)併用療法への応答を示す。
・肺、LN(リンパ節)へのステージIVの扁平上皮細胞癌腫 PD-L1=0%、TMB(腫瘍遺伝子変異量(tumor mutation burden))=8mt/MB(変異/メガベース)、ICOS-高(GSK LDT研究室が開発したテスト)。
・注記:Dako22C3を用いたPD-L1;FoundationOneを用いたTMB。
・Foundation One遺伝子パネル:PIK3CA、TSC1、SOX2、BCL2L2、CARD11、MCL1、PRKCI、SPTA1、TERC、TP53。
・カルボプラチン/Nab-パクリタキセルを用いた先行治療 9/17~2/18。
・H2L5 IgG4PE+ペムブロ(Pembro)での部分奏功(PR)(63%)。
・2/21/19 サイクル17の1日目。
図9は、扁平上皮NSCLC患者のスキャンを示しており、それは、H2L5 IgG4PE(0.3mg/kg Q3W)/ペムブロリズマブ(200mg Q3W)併用療法への応答を示す。
・肺、LN(リンパ節)へのステージIVの扁平上皮細胞癌腫 PD-L1=0%、TMB(腫瘍遺伝子変異量(tumor mutation burden))=8mt/MB(変異/メガベース)、ICOS-高(GSK LDT研究室が開発したテスト)。
・注記:Dako22C3を用いたPD-L1;FoundationOneを用いたTMB。
・Foundation One遺伝子パネル:PIK3CA、TSC1、SOX2、BCL2L2、CARD11、MCL1、PRKCI、SPTA1、TERC、TP53。
・カルボプラチン/Nab-パクリタキセルを用いた先行治療 9/17~2/18。
・H2L5 IgG4PE+ペムブロ(Pembro)での部分奏功(PR)(63%)。
・2/21/19 サイクル17の1日目。
[実施例2]
実施例2は、実施例1に記載される試験からのH2L5 IgG4PEの薬物動態/薬力学(PK/PD)曝露-応答特徴付けを記載する。H2L5 IgG4PEは、免疫刺激および抗新生物活性を有する、誘導性共刺激受容体(ICOS)に対するアゴニストIgG4PE抗体である。実施例1に記載される試験は、ペムブロリズマブとの併用での一次再発性/転移性(1L R/M)HNSCCを含めた、単独でおよび併用でH2L5 IgG4PEを調査した初めてのヒトにおける試験である。
実施例2は、実施例1に記載される試験からのH2L5 IgG4PEの薬物動態/薬力学(PK/PD)曝露-応答特徴付けを記載する。H2L5 IgG4PEは、免疫刺激および抗新生物活性を有する、誘導性共刺激受容体(ICOS)に対するアゴニストIgG4PE抗体である。実施例1に記載される試験は、ペムブロリズマブとの併用での一次再発性/転移性(1L R/M)HNSCCを含めた、単独でおよび併用でH2L5 IgG4PEを調査した初めてのヒトにおける試験である。
方法
H2L5 IgG4PEの安全性、PK、PD、および予備的抗腫瘍活性を、3週間ごと(Q3W)の0.001~10mg/kgの用量で評価した。投薬前および試験中の選択された時点で回収された血液サンプルを、リンパ球に対するPKおよびPD効果、ならびにICOS受容体占有率(RO)について評価した。スクリーニング時および6週目の時点での腫瘍生検を、多重免疫蛍光および遺伝子発現プラットフォームによって、腫瘍免疫浸潤性(TIL)の変化について評価した。
H2L5 IgG4PEの安全性、PK、PD、および予備的抗腫瘍活性を、3週間ごと(Q3W)の0.001~10mg/kgの用量で評価した。投薬前および試験中の選択された時点で回収された血液サンプルを、リンパ球に対するPKおよびPD効果、ならびにICOS受容体占有率(RO)について評価した。スクリーニング時および6週目の時点での腫瘍生検を、多重免疫蛍光および遺伝子発現プラットフォームによって、腫瘍免疫浸潤性(TIL)の変化について評価した。
PK分析
・予備的集団PKデータセットを、すべてのプールされた濃度-時間データを用いて構築した。
・連続する血漿サンプルを全体を通して回収し;PKサンプルを、検証されたELISAアッセイによってアッセイし、濃度-時間データを、NONMEM(商標)において実行される非線形混合効果を使用してモデル化した。
・予備的集団PKデータセットを、すべてのプールされた濃度-時間データを用いて構築した。
・連続する血漿サンプルを全体を通して回収し;PKサンプルを、検証されたELISAアッセイによってアッセイし、濃度-時間データを、NONMEM(商標)において実行される非線形混合効果を使用してモデル化した。
薬力学(PD)分析
・フローサイトメトリーを、試験を通してインストリーム(instream)で実施して、H2L5 IgG4PEによるICOS受容体占有率(RO)を評価した。
・PK/PDおよび拡大コホートに対して、全体的TIL、活性化の変化、増殖、および遺伝子発現変化についての評価のために、腫瘍組織を投薬前の時点および6週目の時点で回収した。
・PK/PD分析のための曝露測定は、集団PKモデルから導き出された濃度を通じて、投薬前6週目として規定した。
・TMEにおける遺伝子発現変化の評価を、Nanostring nCounter(商標)プラットフォームを使用して実施した。
・Multiomyx(商標)多重免疫蛍光を使用して、TILの免疫表現型を特徴付けした。
・フローサイトメトリーを、試験を通してインストリーム(instream)で実施して、H2L5 IgG4PEによるICOS受容体占有率(RO)を評価した。
・PK/PDおよび拡大コホートに対して、全体的TIL、活性化の変化、増殖、および遺伝子発現変化についての評価のために、腫瘍組織を投薬前の時点および6週目の時点で回収した。
・PK/PD分析のための曝露測定は、集団PKモデルから導き出された濃度を通じて、投薬前6週目として規定した。
・TMEにおける遺伝子発現変化の評価を、Nanostring nCounter(商標)プラットフォームを使用して実施した。
・Multiomyx(商標)多重免疫蛍光を使用して、TILの免疫表現型を特徴付けした。
HNSCC曝露-応答分析
・パート2Aの用量漸増またはパート2BのHNSCCコホートのいずれかにおいて試験薬物を受けていた、先行する抗PD1/L1療法にナイーブのHNSCCを有する参加者に対して、曝露-有効性分析を行った。
・探索的回帰分析を実施して、H2L5 IgG4PE曝露と腫瘍長径の合計(SLD)の変化との間の潜在的関連性を評価した。生存率分析は時期尚早であった。
・曝露-応答分析のための曝露測定は、集団PKモデルから導き出された、最初の投薬の曲線下面積として規定した。
・IRECISTにより治験責任医師によって査定された全奏効率(ORR)および病勢制御率(DCR)を、破棄された(binned)曝露推定値によって要約し、従来のロジスティック回帰モデルを使用して記載した。
・パート2Aの用量漸増またはパート2BのHNSCCコホートのいずれかにおいて試験薬物を受けていた、先行する抗PD1/L1療法にナイーブのHNSCCを有する参加者に対して、曝露-有効性分析を行った。
・探索的回帰分析を実施して、H2L5 IgG4PE曝露と腫瘍長径の合計(SLD)の変化との間の潜在的関連性を評価した。生存率分析は時期尚早であった。
・曝露-応答分析のための曝露測定は、集団PKモデルから導き出された、最初の投薬の曲線下面積として規定した。
・IRECISTにより治験責任医師によって査定された全奏効率(ORR)および病勢制御率(DCR)を、破棄された(binned)曝露推定値によって要約し、従来のロジスティック回帰モデルを使用して記載した。
結果
H2L5 IgG4PEの予備的PK傾向は、低いクリアランス、限定された中央コンパートメントの分布容積(central volume of distribution)、および19日間の平均全身半減期を示し、それは他のヒト化mAbのものと一致している。標的関与および腫瘍サイズ低下の証拠は、付随する200mgのペムブロリズマブとともに0.3mg/kgでの1L R/M HNSCC拡大コホートにおいて観察された。用量および濃度-RO分析は、≧0.1mg/kgのH2L5 IgG4PEが、末梢CD4+およびCD8+ T細胞上で高いRO(≧70%)を維持することを示唆する。対の腫瘍生検についての定量的TIL評価は、0.3mg/kg用量で治療された対象において観察された、曝露時の腫瘍における潜在的に望ましい免疫微小環境を実証する。TILおよび腫瘍RNAからの遺伝子発現データは、免疫活性化の選択マーカーの非線形の用量依存的変化を実証する。臨床的な曝露-応答査定は、1L R/M HNSCC拡大コホートにおける曝露にわたる、ベースラインから9週目までの9つの標的病変変化に差がないことを明らかにする。同じように、≧グレード2の重症度のAEについてのコホート間のプールされた曝露-応答分析は、曝露/用量にわたる同様の安全性結果を実証する。集団PKモデリングは、固定用量が、確立された安全性限度内に曝露を維持することを示唆する。
H2L5 IgG4PEの予備的PK傾向は、低いクリアランス、限定された中央コンパートメントの分布容積(central volume of distribution)、および19日間の平均全身半減期を示し、それは他のヒト化mAbのものと一致している。標的関与および腫瘍サイズ低下の証拠は、付随する200mgのペムブロリズマブとともに0.3mg/kgでの1L R/M HNSCC拡大コホートにおいて観察された。用量および濃度-RO分析は、≧0.1mg/kgのH2L5 IgG4PEが、末梢CD4+およびCD8+ T細胞上で高いRO(≧70%)を維持することを示唆する。対の腫瘍生検についての定量的TIL評価は、0.3mg/kg用量で治療された対象において観察された、曝露時の腫瘍における潜在的に望ましい免疫微小環境を実証する。TILおよび腫瘍RNAからの遺伝子発現データは、免疫活性化の選択マーカーの非線形の用量依存的変化を実証する。臨床的な曝露-応答査定は、1L R/M HNSCC拡大コホートにおける曝露にわたる、ベースラインから9週目までの9つの標的病変変化に差がないことを明らかにする。同じように、≧グレード2の重症度のAEについてのコホート間のプールされた曝露-応答分析は、曝露/用量にわたる同様の安全性結果を実証する。集団PKモデリングは、固定用量が、確立された安全性限度内に曝露を維持することを示唆する。
薬物動態および標的関与
・H2L5 IgG4PEのPKおよび標的関与特徴は、先行報告と同様であり、約0.27L/日の集団クリアランス推定値および約3.6Lの中央容積推定値、ならびに全身曝露に対する体重の限定された影響を有する。
・H2L5 IgG4PEの血漿濃度は、明らかなペムブロリズマブ相互作用を有しないで、用量に比例した様式で増加し(図10A)、一方でICOS ROは、0.1mg/kgおよびそれよりも高い濃度のH2L5 IgG4PE用量を用いて約70%を上回って維持された(図10B)。
・0.3mg/kgおよび1.0mg/kgのH2L5 IgG4PE用量に関して、ROの最小限の差がCD4+に対して観察され(図10C)、CD8+に対して同様の結果を有する(データ示さず)。しかしながら、<1.0mg/kgの用量に関して、ROの大きな変動があった(図11)。
・H2L5 IgG4PEのPKおよび標的関与特徴は、先行報告と同様であり、約0.27L/日の集団クリアランス推定値および約3.6Lの中央容積推定値、ならびに全身曝露に対する体重の限定された影響を有する。
・H2L5 IgG4PEの血漿濃度は、明らかなペムブロリズマブ相互作用を有しないで、用量に比例した様式で増加し(図10A)、一方でICOS ROは、0.1mg/kgおよびそれよりも高い濃度のH2L5 IgG4PE用量を用いて約70%を上回って維持された(図10B)。
・0.3mg/kgおよび1.0mg/kgのH2L5 IgG4PE用量に関して、ROの最小限の差がCD4+に対して観察され(図10C)、CD8+に対して同様の結果を有する(データ示さず)。しかしながら、<1.0mg/kgの用量に関して、ROの大きな変動があった(図11)。
曝露-応答特徴付け
・標的関与および腫瘍サイズ低下の証拠は、H2L5 IgG4PE 0.3mg/kgおよび200mgのペムブロリズマブを用いた、再発性/再燃性頭頸部扁平上皮細胞癌腫(R/R HNSCC)拡大コホートにおいて観察される。
・曝露(AUC)と、未確定の最良総合効果(ORR)、DCR(病勢制御率)、および9週目の時点でのSLDの変化パーセントとの間の潜在的関連性が、HNSCCにおいて観察される。各白い/影付きの丸は、頭頸部拡大コホートにおける患者を表す。これら3つの回帰分析からの傾き推定値のいずれも統計的に有意ではない(p値>0.05;図12)。
・標的関与および腫瘍サイズ低下の証拠は、H2L5 IgG4PE 0.3mg/kgおよび200mgのペムブロリズマブを用いた、再発性/再燃性頭頸部扁平上皮細胞癌腫(R/R HNSCC)拡大コホートにおいて観察される。
・曝露(AUC)と、未確定の最良総合効果(ORR)、DCR(病勢制御率)、および9週目の時点でのSLDの変化パーセントとの間の潜在的関連性が、HNSCCにおいて観察される。各白い/影付きの丸は、頭頸部拡大コホートにおける患者を表す。これら3つの回帰分析からの傾き推定値のいずれも統計的に有意ではない(p値>0.05;図12)。
MultiOmyx-H2L5 IgG4PE+/-ペムブロリズマブを用いた、腫瘍における薬力学的変化を実証するための、TILおよび遺伝子発現データについての多重免疫蛍光に基づく評価
・対の腫瘍生検におけるTILの定量的評価は、TILの試験中の変化を実証し、非線形の曝露/用量依存的パターンに従う。
・選択免疫活性化マーカーの変化は、約0.3mg/kg~1mg/kgの用量に相当するC全体で1000~10000ng/mlのH2L5 IgG4PE曝露を用いた、より大きな細胞傷害性T細胞対調節性T細胞比を好む(図13)。
・H2L5 IgG4PEの0.3mg/kgおよびより高い用量を用いたMultiOmyx(商標)免疫蛍光データにおけるベースラインと比較した場合、総TILの非単調な用量依存的変化ならびに他の活性化および増殖性T細胞表現型が、治療中の生検において検出された(図14A)。
・腫瘍における遺伝子発現変化は、≧0.1mg/kgでの最も高い増加および<1mg/kgでの最も大きな低下を有して、非線形の用量応答傾向を示す(データ示さず)。
・調節性T細胞増殖(CD3+CD4+FOXP3+Ki67+)と比べた細胞傷害性T細胞増殖(CD3+CD8+Ki67+)の比は、病勢制御を経験しなかった対象と比較した場合の病勢制御(DC)の恩恵を経験した、H2L5 IgG4PEの0.3~1mg/kg用量での対象に対する治療前腫瘍サンプルと比較した場合、6週目の治療中生検においてより高かった(図14B)。同様のパターンで、調節性T細胞(CD3+CD4+Foxp3+)と比べた細胞傷害性T細胞(CD3+CD8+)の比も、病勢制御を経験しなかった対象と比較した場合の病勢制御(DC)の恩恵を経験した、H2L5 IgG4PEの0.3~1mg/kg用量での対象に対する治療前腫瘍サンプルと比較した場合、6週目の治療中生検においてより高かった(データ示さず)。
・対の腫瘍生検におけるTILの定量的評価は、TILの試験中の変化を実証し、非線形の曝露/用量依存的パターンに従う。
・選択免疫活性化マーカーの変化は、約0.3mg/kg~1mg/kgの用量に相当するC全体で1000~10000ng/mlのH2L5 IgG4PE曝露を用いた、より大きな細胞傷害性T細胞対調節性T細胞比を好む(図13)。
・H2L5 IgG4PEの0.3mg/kgおよびより高い用量を用いたMultiOmyx(商標)免疫蛍光データにおけるベースラインと比較した場合、総TILの非単調な用量依存的変化ならびに他の活性化および増殖性T細胞表現型が、治療中の生検において検出された(図14A)。
・腫瘍における遺伝子発現変化は、≧0.1mg/kgでの最も高い増加および<1mg/kgでの最も大きな低下を有して、非線形の用量応答傾向を示す(データ示さず)。
・調節性T細胞増殖(CD3+CD4+FOXP3+Ki67+)と比べた細胞傷害性T細胞増殖(CD3+CD8+Ki67+)の比は、病勢制御を経験しなかった対象と比較した場合の病勢制御(DC)の恩恵を経験した、H2L5 IgG4PEの0.3~1mg/kg用量での対象に対する治療前腫瘍サンプルと比較した場合、6週目の治療中生検においてより高かった(図14B)。同様のパターンで、調節性T細胞(CD3+CD4+Foxp3+)と比べた細胞傷害性T細胞(CD3+CD8+)の比も、病勢制御を経験しなかった対象と比較した場合の病勢制御(DC)の恩恵を経験した、H2L5 IgG4PEの0.3~1mg/kg用量での対象に対する治療前腫瘍サンプルと比較した場合、6週目の治療中生検においてより高かった(データ示さず)。
患者ケーススタディ
患者4:H2L5 IgG4PE単独療法
病歴
診断:
・初回診断(Dx):2013年3月、BRAF陰性、N/KRAS変異陽性のステージIbの表在拡大型黒色腫
・転移を有するとのDx(診断):2013年1月
患者4:H2L5 IgG4PE単独療法
病歴
診断:
・初回診断(Dx):2013年3月、BRAF陰性、N/KRAS変異陽性のステージIbの表在拡大型黒色腫
・転移を有するとのDx(診断):2013年1月
先行レジメン:
・ニボルマブ(進行性/転移性、2017年8月~2018年6月)
・電気化学療法(2018年3月)
・ニボルマブ(進行性/転移性、2017年8月~2018年6月)
・電気化学療法(2018年3月)
試験治療:
・サイクル1の1日目(Cycle 1 day 1)(C1D1)~2018年7月24日;1mg/kg Q3WでのH2L5 IgG4PE単独療法
・サイクル1の1日目(Cycle 1 day 1)(C1D1)~2018年7月24日;1mg/kg Q3WでのH2L5 IgG4PE単独療法
治療後のサンプルは、
・細胞傷害性、ヘルパーT細胞、およびNK細胞を含めた、より高いTIL
・より多くのグランザイムB+ T細胞およびより少ない増殖性腫瘍細胞
・より多くのOX40およびHLADR発現とともに観察される、活性化T細胞の増加
・H2L5 IgG4PE治療があり次第の、PD1およびPD-L1の上方調節
を示した。
・細胞傷害性、ヘルパーT細胞、およびNK細胞を含めた、より高いTIL
・より多くのグランザイムB+ T細胞およびより少ない増殖性腫瘍細胞
・より多くのOX40およびHLADR発現とともに観察される、活性化T細胞の増加
・H2L5 IgG4PE治療があり次第の、PD1およびPD-L1の上方調節
を示した。
患者ケーススタディ
患者5:H2L5 IgG4PE単独療法
病歴
診断
・49Y女性、粘膜表皮組織構造を有するステージIIIの耳下腺癌(2014年10月20日に診断)および転移(2016年7月に診断)。
・先行レジメン:放射線療法(2014年12月~2015年1月);ドキソルビシン/シクロホスファミド(2015年2月~2015年4月);パクリタキセル(アジュバント)(2015年5月~2016年5月)。
患者5:H2L5 IgG4PE単独療法
病歴
診断
・49Y女性、粘膜表皮組織構造を有するステージIIIの耳下腺癌(2014年10月20日に診断)および転移(2016年7月に診断)。
・先行レジメン:放射線療法(2014年12月~2015年1月);ドキソルビシン/シクロホスファミド(2015年2月~2015年4月);パクリタキセル(アジュバント)(2015年5月~2016年5月)。
試験治療:
・H2L5 IgG4PE単独療法 0.3mg/kg Q3W;疾患進行に起因して24週目の後に中断される。
・27週目にペムブロリズマブ 200mg Q3Wとの併用でのH2L5 IgG4PE 0.3mg/kg Q3Wへの乗り換え;PD(疾患進行)に起因して36週目に中断される。
・多重免疫蛍光を使用した腫瘍の免疫表現型検査は、それらの治療前サンプルと比較して、対象数に対する治療中腫瘍生検におけるTIL活性化、細胞傷害機能、および増殖を表す機能的マーカーの増加を呈する。
・H2L5 IgG4PE単独療法 0.3mg/kg Q3W;疾患進行に起因して24週目の後に中断される。
・27週目にペムブロリズマブ 200mg Q3Wとの併用でのH2L5 IgG4PE 0.3mg/kg Q3Wへの乗り換え;PD(疾患進行)に起因して36週目に中断される。
・多重免疫蛍光を使用した腫瘍の免疫表現型検査は、それらの治療前サンプルと比較して、対象数に対する治療中腫瘍生検におけるTIL活性化、細胞傷害機能、および増殖を表す機能的マーカーの増加を呈する。
治療後のサンプルは、
・細胞傷害性、ヘルパーT細胞、およびNK細胞を含めた、より多くのTIL
・より多くのグランザイムB+ T細胞およびより少ない増殖性腫瘍細胞
・より多くのOX40およびHLADR発現とともに観察される、より多くの活性化T細胞
・H2L5 IgG4PE治療があり次第の、PD1およびPD-L1の上方調節
を示した。
・細胞傷害性、ヘルパーT細胞、およびNK細胞を含めた、より多くのTIL
・より多くのグランザイムB+ T細胞およびより少ない増殖性腫瘍細胞
・より多くのOX40およびHLADR発現とともに観察される、より多くの活性化T細胞
・H2L5 IgG4PE治療があり次第の、PD1およびPD-L1の上方調節
を示した。
結論
・H2L5 IgG4PE PK傾向は、低いクリアランスおよび限定された中央コンパートメントの分布容積を有して、他のヒト化モノクローナル抗体と一致している。H2L5 IgG4PE PKは、ペムブロリズマブによって影響を受けなかった。
・標的関与および腫瘍サイズ低下の証拠は、H2L5 IgG4PEの0.3~1.0mg/kg用量で治療されたR/R HNSCCおよび黒色腫を有する患者において実証される。
・0.3~1.0mg/kgのH2L5 IgG4PE用量域は、CD8:Treg比の増加およびそれらの増殖変化によって実証されるように、望ましい腫瘍微小環境と関連する。データは、臨床的有益性に翻訳され得るこれらの用量でのICOS受容体のアゴニスト刺激についてのさらなる薬理学的証拠を提供する。
・全体として、現時点でのPKおよび非単調なPDデータは、臨床的に耐容される用量でのH2L5 IgG4PE標的関与および生物学的活性についての証拠を提供し、将来の試験における、0.3~1.0mg/kgの域または同等の固定用量域を含めた、H2L5 IgG4PEの継続的な探索を支持する。
・H2L5 IgG4PE PK傾向は、低いクリアランスおよび限定された中央コンパートメントの分布容積を有して、他のヒト化モノクローナル抗体と一致している。H2L5 IgG4PE PKは、ペムブロリズマブによって影響を受けなかった。
・標的関与および腫瘍サイズ低下の証拠は、H2L5 IgG4PEの0.3~1.0mg/kg用量で治療されたR/R HNSCCおよび黒色腫を有する患者において実証される。
・0.3~1.0mg/kgのH2L5 IgG4PE用量域は、CD8:Treg比の増加およびそれらの増殖変化によって実証されるように、望ましい腫瘍微小環境と関連する。データは、臨床的有益性に翻訳され得るこれらの用量でのICOS受容体のアゴニスト刺激についてのさらなる薬理学的証拠を提供する。
・全体として、現時点でのPKおよび非単調なPDデータは、臨床的に耐容される用量でのH2L5 IgG4PE標的関与および生物学的活性についての証拠を提供し、将来の試験における、0.3~1.0mg/kgの域または同等の固定用量域を含めた、H2L5 IgG4PEの継続的な探索を支持する。
[実施例3]
実施例3は、HNSCC(頭頸部扁平上皮細胞癌腫)において、PD-1/L1を経験したおよびPD1/L1ナイーブの患者において、それぞれ単独でおよびペムブロリズマブとの併用で使用されたH2L5 IgG4PEについての、実施例1に記載される試験からの予備的な有効性および安全性の知見を記載する。
実施例3は、HNSCC(頭頸部扁平上皮細胞癌腫)において、PD-1/L1を経験したおよびPD1/L1ナイーブの患者において、それぞれ単独でおよびペムブロリズマブとの併用で使用されたH2L5 IgG4PEについての、実施例1に記載される試験からの予備的な有効性および安全性の知見を記載する。
試験目的
・試験目的および適格性基準は実施例1に記載されている。
・ここで提示される分析の目的は、
・一次:HNSCCを有する患者における、単独療法としてのおよびペムブロリズマブとの併用での、H2L5 IgG4PEの安全性、耐容性を判定する
・二次:iRECISTによって、単独療法としてのおよびペムブロリズマブとの併用での、H2L5 IgG4PEの抗腫瘍活性を評価する
である。
・探索的:受容体占有率、免疫表現型検査、TILおよび遺伝子発現の変化を含むがそれらに限定されない、血液および腫瘍におけるH2L5 IgG4PE単独療法のPD効果は、別個の分析において評価されている。
・試験目的および適格性基準は実施例1に記載されている。
・ここで提示される分析の目的は、
・一次:HNSCCを有する患者における、単独療法としてのおよびペムブロリズマブとの併用での、H2L5 IgG4PEの安全性、耐容性を判定する
・二次:iRECISTによって、単独療法としてのおよびペムブロリズマブとの併用での、H2L5 IgG4PEの抗腫瘍活性を評価する
である。
・探索的:受容体占有率、免疫表現型検査、TILおよび遺伝子発現の変化を含むがそれらに限定されない、血液および腫瘍におけるH2L5 IgG4PE単独療法のPD効果は、別個の分析において評価されている。
方法
試験デザイン
・HNSCCコホート内で、パート1Aおよび2Aからの推奨用量を、パート1Bおよび2B(併用拡大(CE))における安全性、PK、PD活性、および予備的臨床活性についてのさらなる調査のために選択した(図15)。
・疾患査定を、54週目まで9週間ごとに、次いで12週間ごとに実施した。
・全奏効率(ORR)、病勢制御率(DCR)、および無増悪生存期間(PFS)を査定した。
試験デザイン
・HNSCCコホート内で、パート1Aおよび2Aからの推奨用量を、パート1Bおよび2B(併用拡大(CE))における安全性、PK、PD活性、および予備的臨床活性についてのさらなる調査のために選択した(図15)。
・疾患査定を、54週目まで9週間ごとに、次いで12週間ごとに実施した。
・全奏効率(ORR)、病勢制御率(DCR)、および無増悪生存期間(PFS)を査定した。
結果
人口統計
・2019年7月26日時点で、単独療法において17人のPD-1/L1を経験した患者、および併用HNSCC拡大コホート(EC)において34人のPD-1/L1ナイーブの患者が登録した;それぞれ16人および34人の患者が、有効性分析に対して評価可能であった(評価可能な集団は、H2L5 IgG4PEの≧1回の投薬を受け、かつ≧1回のベースライン後の疾患査定を有した、または進行していた、死亡した、もしくは治療を永久的に中断した全参加者を含む)。
・単独療法ECでは、全治療集団における患者(H2L5 IgG4PEの≧1回の投薬を受けた患者)の82%が、転移背景において≧1つの先行ラインを受けた;併用ECでは、53%が、転移背景において≧1つの先行ラインを受けた。
人口統計
・2019年7月26日時点で、単独療法において17人のPD-1/L1を経験した患者、および併用HNSCC拡大コホート(EC)において34人のPD-1/L1ナイーブの患者が登録した;それぞれ16人および34人の患者が、有効性分析に対して評価可能であった(評価可能な集団は、H2L5 IgG4PEの≧1回の投薬を受け、かつ≧1回のベースライン後の疾患査定を有した、または進行していた、死亡した、もしくは治療を永久的に中断した全参加者を含む)。
・単独療法ECでは、全治療集団における患者(H2L5 IgG4PEの≧1回の投薬を受けた患者)の82%が、転移背景において≧1つの先行ラインを受けた;併用ECでは、53%が、転移背景において≧1つの先行ラインを受けた。
有効性
・単独療法コホートにおける16人の評価可能な患者のうち、全奏効率(ORR)は6%(95%CI:0.2、30.2)であり、≧9週間の完全奏功、部分奏功、または安定を有する患者のパーセンテージとして規定される病勢制御率(DCR)は31%(95%CI:11、58.7)であった(図16A)。併用コホートでは、34人の評価可能な患者から、ORRは24%(95%CI:10.7、41.2)であり(図16B)、DCRは65%(95%CI:46.5、80.3)であった。
・併用コホートにおける応答は永続的であり、すべての応答性患者は、≧6ヶ月間の有益性を維持した(中央値に達せず(NR);95%CI[4.2ヶ月、NR])(図17B)。
・併用コホートにおけるPFS中央値は5.6ヶ月であった(95%CI:2.4、7.4)(図18)。
・併用コホートに関して、分析の時点ではOS中央値に達しなかった(95%CI:8.2、NR)(図19);6ヶ月の時点でのOSのカプラン・マイヤー推定値は83%(95%CI:64%、93%)であった。
・DAKO 22C3を用いたPD-L1免疫組織化学検査は現在進行中である(図21)。既知のPD-L1データを有する患者の中で、応答者および安定を有する患者の大多数は、1≦CPS<20のPD-L1状態を有する(≧1かつ<20のCPSを有する10/14人の患者、およびCPS<1を有する1人の患者)。
・単独療法コホートにおける16人の評価可能な患者のうち、全奏効率(ORR)は6%(95%CI:0.2、30.2)であり、≧9週間の完全奏功、部分奏功、または安定を有する患者のパーセンテージとして規定される病勢制御率(DCR)は31%(95%CI:11、58.7)であった(図16A)。併用コホートでは、34人の評価可能な患者から、ORRは24%(95%CI:10.7、41.2)であり(図16B)、DCRは65%(95%CI:46.5、80.3)であった。
・併用コホートにおける応答は永続的であり、すべての応答性患者は、≧6ヶ月間の有益性を維持した(中央値に達せず(NR);95%CI[4.2ヶ月、NR])(図17B)。
・併用コホートにおけるPFS中央値は5.6ヶ月であった(95%CI:2.4、7.4)(図18)。
・併用コホートに関して、分析の時点ではOS中央値に達しなかった(95%CI:8.2、NR)(図19);6ヶ月の時点でのOSのカプラン・マイヤー推定値は83%(95%CI:64%、93%)であった。
・DAKO 22C3を用いたPD-L1免疫組織化学検査は現在進行中である(図21)。既知のPD-L1データを有する患者の中で、応答者および安定を有する患者の大多数は、1≦CPS<20のPD-L1状態を有する(≧1かつ<20のCPSを有する10/14人の患者、およびCPS<1を有する1人の患者)。
安全性
・単独療法および併用集団における全試験コホートにわたる、HNSCCを有する患者における治療関連の有害事象(図20)は、以前に報告されたものと一致しており、単独でのおよびペムブロリズマブとの併用でのH2L5 IgG4PEの両方とも十分に耐容された。
・HNSCCを有する患者(すべての試験コホート)における有害事象(AE)および重篤なAE(SAE)は、表5に記載される。
・単独療法および併用集団における全試験コホートにわたる、HNSCCを有する患者における治療関連の有害事象(図20)は、以前に報告されたものと一致しており、単独でのおよびペムブロリズマブとの併用でのH2L5 IgG4PEの両方とも十分に耐容された。
・HNSCCを有する患者(すべての試験コホート)における有害事象(AE)および重篤なAE(SAE)は、表5に記載される。
患者ケーススタディ
H2L5 IgG4PE/ペムブロリズマブ併用療法:HNSCC患者-61Y男性(図22)
病歴:
診断(Dx):
・初回Dx:2017年11月、ステージIII、HPV+口腔咽頭扁平上皮細胞癌腫
・転移を有するとのDx:2017年12月
H2L5 IgG4PE/ペムブロリズマブ併用療法:HNSCC患者-61Y男性(図22)
病歴:
診断(Dx):
・初回Dx:2017年11月、ステージIII、HPV+口腔咽頭扁平上皮細胞癌腫
・転移を有するとのDx:2017年12月
先行レジメン:
・放射線療法(2018年1月~2月、進行[PD])
・シスプラチン(放射線増感剤、2018年1月)
・カルボプラチン/パクリタキセル(放射線増感剤、2018年2月20日)
・放射線療法(2018年1月~2月、進行[PD])
・シスプラチン(放射線増感剤、2018年1月)
・カルボプラチン/パクリタキセル(放射線増感剤、2018年2月20日)
試験治療:
・C1D1:2018年8月6日;進行(PD)に起因して30週目の後に中断される。
・0.3mg/kg Q3WでのH2L5 IgG4PE+200mgのペムブロリズマブQ3W
・C1D1:2018年8月6日;進行(PD)に起因して30週目の後に中断される。
・0.3mg/kg Q3WでのH2L5 IgG4PE+200mgのペムブロリズマブQ3W
治療後のサンプルは、
・細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、およびNK細胞を含めた、より多くの腫瘍浸潤リンパ球
・より多くの増殖性T細胞、グランザイムB+細胞、およびより少ない増殖性腫瘍細胞
・より多くのOX40およびヒト白血球抗原DR発現とともに観察される、より多くの活性化T細胞
を示した。
・細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、およびNK細胞を含めた、より多くの腫瘍浸潤リンパ球
・より多くの増殖性T細胞、グランザイムB+細胞、およびより少ない増殖性腫瘍細胞
・より多くのOX40およびヒト白血球抗原DR発現とともに観察される、より多くの活性化T細胞
を示した。
図22は、後続の査定によって証明されるように永続的である9週目の時点での病変応答を示した、肺病変についてのベースライン(H2L5 IgG4PE/ペムブロリズマブの始動前)からのおよび試験中の治療査定間隔におけるCT画像を示す。
H2L5 IgG4PE単独療法:HNSCC患者-64Y男性(図23)
病歴:
診断(Dx):
・初回Dx:2013年4月;ステージIvaのHNSCC(口腔)
病歴:
診断(Dx):
・初回Dx:2013年4月;ステージIvaのHNSCC(口腔)
先行レジメン:
・シスプラチン/放射線療法(アジュバント、2013年7月~9月、完全奏功)
・カルボプラチン(2016年12月~2017年3月;進行)→セツキシマブ維持(2017年3月~5月;進行)
・メトトレキサート(2017年6月~8月;進行)
・ニボルマブ(2017年10月~12月;進行)
・シスプラチン/放射線療法(アジュバント、2013年7月~9月、完全奏功)
・カルボプラチン(2016年12月~2017年3月;進行)→セツキシマブ維持(2017年3月~5月;進行)
・メトトレキサート(2017年6月~8月;進行)
・ニボルマブ(2017年10月~12月;進行)
試験治療:
・サイクル1の1日目(C1D1):2018年1月15日
・30週目までの1mg/kg Q3WでのH2L5 IgG4PE単独療法、次いで36週目から51週目までH2L5 IgG4PE+200mgのペムブロリズマブQ3W(乗り換え)を受ける。
・図23は、後続の査定によって証明されるように永続的である9週目の時点での病変サイズの50%近くの減少を示した、肝臓病変についてのベースライン(H2L5 IgG4PE単独療法の始動前)からのおよび試験中の治療査定間隔におけるCT画像を示す。
・サイクル1の1日目(C1D1):2018年1月15日
・30週目までの1mg/kg Q3WでのH2L5 IgG4PE単独療法、次いで36週目から51週目までH2L5 IgG4PE+200mgのペムブロリズマブQ3W(乗り換え)を受ける。
・図23は、後続の査定によって証明されるように永続的である9週目の時点での病変サイズの50%近くの減少を示した、肝臓病変についてのベースライン(H2L5 IgG4PE単独療法の始動前)からのおよび試験中の治療査定間隔におけるCT画像を示す。
結論
・単独療法でのおよびペムブロリズマブとの併用でのH2L5 IgG4PEは、以前に治療されたPD-1/L1ナイーブのHNSCCを有する患者において維持可能な安全性プロファイルを示す。
・H2L5 IgG4PEは、PD-1/L1を経験したHNSCCにおける単剤活性、およびPD-1/L1ナイーブのHNSCCにおけるペムブロリズマブとの併用での活性の両方を実証している;PD-L1発現中央値は、安定を有する人およびCR/PRを有する人と比較して、進行を有する患者においてより低かった。
・臨床トランスレーショナル研究は、HNSCCにおける単独療法としてのおよびペムブロリズマブとの併用でのH2L5 IgG4PEの継続的な探索を支持する。
・単独療法でのおよびペムブロリズマブとの併用でのH2L5 IgG4PEは、以前に治療されたPD-1/L1ナイーブのHNSCCを有する患者において維持可能な安全性プロファイルを示す。
・H2L5 IgG4PEは、PD-1/L1を経験したHNSCCにおける単剤活性、およびPD-1/L1ナイーブのHNSCCにおけるペムブロリズマブとの併用での活性の両方を実証している;PD-L1発現中央値は、安定を有する人およびCR/PRを有する人と比較して、進行を有する患者においてより低かった。
・臨床トランスレーショナル研究は、HNSCCにおける単独療法としてのおよびペムブロリズマブとの併用でのH2L5 IgG4PEの継続的な探索を支持する。
Claims (18)
- それを必要とするヒトにおける癌を治療する方法であって、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分を約0.08mg~約240mgの用量で前記ヒトに投与するステップを含む、方法。
- 癌を治療することにおける使用のためのアゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分であって、約0.08mg~約240mgの用量で投与されるものである、アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分。
- 癌を治療するための医薬の製造におけるアゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分の使用であって、前記アゴニストICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、約0.08mg~約240mgの用量で投与されるものである、使用。
- 10mg/mlの濃度でICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分を含む、医薬キット。
- 前記ICOS結合タンパク質が、配列番号1に記載のCDRH1;配列番号2に記載のCDRH2;配列番号3に記載のCDRH3;配列番号4に記載のCDRL1;配列番号5に記載のCDRL2;配列番号6に記載のCDRL3のうちの1つもしくは複数、ならびに/または多くとも2つのアミノ酸置換を有するCDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2、およびCDRL3のうちの1つもしくは複数を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法、ICOS結合タンパク質、使用、またはキット。
- 前記ICOS結合タンパク質が、配列番号7に記載されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むVHドメイン、および/または配列番号8に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むVLドメインを含み、前記ICOS結合タンパク質が、ヒトICOSに特異的に結合する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法、ICOS結合タンパク質、使用、またはキット。
- 前記ICOS結合タンパク質が、配列番号1;配列番号2;および配列番号3のうちの1つまたは複数を含む重鎖可変領域を含み、前記ICOS結合タンパク質が、配列番号4;配列番号5;および配列番号6のうちの1つまたは複数を含む軽鎖可変領域を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法、ICOS結合タンパク質、使用、またはキット。
- 前記ICOS結合タンパク質が、配列番号7に記載されるアミノ酸配列を含むVHドメイン、および配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法、ICOS結合タンパク質、使用、またはキット。
- 前記ICOS結合タンパク質がhIgG4PE足場を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法、ICOS結合タンパク質、使用、またはキット。
- 前記ICOS結合タンパク質がモノクローナル抗体である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法、ICOS結合タンパク質、使用、またはキット。
- 前記ICOS結合タンパク質がヒト化モノクローナル抗体である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法、ICOS結合タンパク質、使用、またはキット。
- 前記ICOS結合タンパク質が、0.08mg、0.24mg、0.8mg、2.4mg、8mg、24mg、80mg、または240mgの用量で投与される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法、ICOS結合タンパク質、使用、またはキット。
- 前記ICOS結合タンパク質が、8mg、24mg、または80mgの用量で投与される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法、ICOS結合タンパク質、使用、またはキット。
- 前記ICOS結合タンパク質がIV注入により投与される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法、ICOS結合タンパク質、使用、またはキット。
- 前記癌が固形腫瘍である、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法、ICOS結合タンパク質、使用、またはキット。
- 前記癌が、結腸直腸癌、子宮頸癌、膀胱癌、尿路上皮癌、頭頸部癌、HNSCC、黒色腫、中皮腫、非小細胞肺癌腫、前立腺癌、食道癌、および食道扁平上皮細胞癌腫からなる群より選択される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法、ICOS結合タンパク質、使用、またはキット。
- 前記ICOS結合タンパク質が約3週間に1回投与される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法、ICOS結合タンパク質、使用、またはキット。
- 10mg/mlの濃度でICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分を含む、医薬製剤。
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