JP2022188716A - 磁壁移動素子及び磁気アレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】MR比が大きく、多値データ記録のビット数が多い磁壁移動素子及び磁気アレイを提供する。【解決手段】磁壁移動素子103は、参照層3及び磁壁移動層1と、参照層と磁壁移動層の間に位置する非磁性層2と、がX方向に積層された磁気抵抗効果部10を備える。磁壁移動層は、x方向と直交するy方向に延在し、磁化方向が固定された第1領域A1及び第2領域A2と、y方向において第1領域と第2領域に挟まれる位置にあり磁化方向が可変な第3領域A3と、を含む。磁壁移動素子はさらに、第1領域に電気的に接続される第1電極41と、第2領域に電気的に接続される第2電極42と、参照層に電気的に接続される第3電極40Aと、第1領域と第1電極の間に位置し第1領域の磁化を固定する第1磁化固定層20と、第2領域と第2電極の間に位置し第2領域の磁化を固定する第2磁化固定層30と、を備える。【選択図】図7

Description

本発明は、磁壁移動素子及び磁気アレイに関する。
微細化に限界が見えてきたフラッシュメモリ等に代わる次世代の不揮発性メモリに注目が集まっている。例えば、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、ReRAM(Resistive Random Access Memory)、PCRAM(Phase Change Random Access Memory)等が次世代の不揮発性メモリとして知られている。
MRAMは、磁化の向きの変化によって生じる抵抗値変化をデータ記録に利用している。記録メモリの大容量化を実現するために、メモリを構成する素子の小型化、メモリを構成する素子一つあたりの記録ビットの多値化が検討されている。
特許文献1には、磁壁を移動させることで抵抗値を変化させ、多値又はデジタルにデータを記録することができる磁壁移動素子が記載されている。また特許文献1には、データ記録層(磁壁移動層)に、磁壁が移動可能な磁壁移動領域と、磁壁の移動範囲を制限する磁化固定領域を設けることが記載されている。
特開2010-219104号公報
磁壁移動素子は集積して用いる場合が多い。磁壁移動素子の集積性を高めるために、磁壁移動層の両端に設けられる磁化固定領域は磁壁移動素子の参照層と重畳していることが好ましい。しかしながら、そのような構造においては、磁壁移動素子の抵抗値を読み出す際に磁壁移動領域を経由しない経路に電流が流れることにより、最大抵抗値と最小抵抗値の比であるMR比が低下する。MR比が低下すると、磁壁位置を細かく制御しても抵抗値の変化を検出できず、多値データ記録のビット数が減少してしまう。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、MR比が大きく、多値データ記録のビット数が多い磁壁移動素子及び磁気アレイを提供することを目的とする。
(1)第1の態様にかかる磁壁移動素子は、それぞれ強磁性体を含む参照層及び磁壁移動層と、前記参照層と前記磁壁移動層の間に位置する非磁性層と、が第1方向に積層された磁気抵抗効果部を備え、前記磁壁移動層は、前記第1方向と直交する第2方向に延在し、磁化方向が固定された第1領域と、前記第1領域の磁化方向とは異なる方向に磁化方向が固定された第2領域と、前記第2方向において前記第1領域と前記第2領域に挟まれる位置にあり磁化方向が可変な第3領域と、を含み、前記第1領域に電気的に接続される第1電極と、前記第2領域に電気的に接続される第2電極と、前記第1方向において前記参照層を基準として前記非磁性層と反対側に位置し前記参照層に電気的に接続される第3電極と、を備え、前記第1領域と前記第1電極の間に位置し前記第1領域の磁化を固定する第1磁化固定層と、前記第2領域と前記第2電極の間に位置し前記第2領域の磁化を固定する第2磁化固定層と、を備え、前記参照層は前記第1方向からの平面視で前記第1領域及び前記第2領域の少なくとも一部と重畳し、前記第1領域と前記第2領域のうち少なくとも一方は、前記第3領域よりも前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向の長さが短い部分を有する。
(2)上記態様にかかる磁壁移動素子は、前記第1方向において前記第3電極を基準として前記参照層と反対側に基板を備えてもよい。
(3)上記態様にかかる磁壁移動素子において、前記第1領域と前記第2領域のうち少なくとも一方は、前記第2方向の長さが前記第3方向の長さよりも長くてもよい。
(4)上記態様にかかる磁壁移動素子は、前記第1領域と前記第2領域のうち少なくとも一方は、前記第3領域よりも前記第3方向の長さが長い第1部分と、前記第3領域よりも前記第3方向の長さが短い第2部分とを有し、前記第1部分は前記第2方向において前記第2部分よりも前記第3領域側に位置してもよい。
(5)上記態様にかかる磁壁移動素子において、前記第1領域と前記第2領域のうち少なくとも一方の前記第3方向の長さは、前記第3領域と接する端部から前記第2方向における反対側の端部に向かって徐々に短くなってもよい。
(6)上記態様にかかる磁壁移動素子において、前記第3領域は、前記第2方向における中央部の膜厚よりも前記第2方向における端部の膜厚が厚く、前記中央部の前記第3方向の長さよりも前記端部の前記第3方向の長さの方が短くてもよい。
(7)上記態様にかかる磁壁移動素子において、前記第1方向からの平面視で、前記第3電極の前記参照層に最も近い面である第1面の外周が、前記第1領域と前記第2領域のうち少なくとも一方と重畳してもよい。
(8)上記態様にかかる磁壁移動素子において、前記第1方向からの平面視で、前記第3電極の前記参照層に最も近い面である第1面が、前記磁壁移動層の全体と重畳してもよい。
(9)上記態様にかかる磁壁移動素子において、前記第3電極の前記参照層に最も近い面である第1面は、前記第3方向に最も長い部分の長さが前記第2方向に最も長い部分の長さよりも短くてもよい。
(10)上記態様にかかる磁壁移動素子において、前記第1磁化固定層の膜厚は前記第2磁化固定層の膜厚よりも厚く、前記第1方向からの平面視で、前記第3電極の前記参照層に最も近い面である第1面の幾何中心から前記第1磁化固定層までの距離は、前記第1面の幾何中心から前記第2磁化固定層までの距離よりも短くてもよい。
(11)上記態様にかかる磁壁移動素子において、前記第1方向からの平面視で、前記第1領域の全体は前記第1電極と重畳し、前記第1領域から前記第1電極の外周までの距離は、ある一点で最も短くてもよい。
(12)第2の態様にかかる磁気アレイは、上記態様にかかる磁壁移動素子を複数有する。
上記態様にかかる磁壁移動素子及び磁気アレイは、MR比が大きく、多値データ記録のビット数を多くできる。
第1実施形態に係る磁気アレイの構成図である。 第1実施形態に係る磁気アレイの磁壁移動素子の近傍の断面図である。 第1実施形態に係る磁壁移動素子の断面図である。 第1実施形態に係る磁壁移動素子の平面図である。 第2実施形態に係る磁壁移動素子の平面図である。 第3実施形態に係る磁壁移動素子の平面図である。 第4実施形態に係る磁壁移動素子の断面図である。 第4実施形態に係る磁壁移動素子の平面図である。 第5実施形態に係る磁壁移動素子の平面図である。 第6実施形態に係る磁壁移動素子の平面図である。 第7実施形態に係る磁壁移動素子の断面図である。 第7実施形態に係る磁壁移動素子の平面図である。 第8実施形態に係る磁壁移動素子の平面図である。 変形例1に係る磁壁移動素子の断面図である。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
まず方向について定義する。x方向及びy方向は、後述する基板Sub(図2参照)の一面と略平行な方向である。x方向は、後述する磁壁移動層1が延びる方向である。x方向は、第1方向の一例である。y方向は、x方向と直交する方向である。z方向は、後述する基板Subから磁壁移動素子へ向かう方向である。本明細書において、+z方向を「上」、-z方向を「下」として表す場合があるが、これら表現は便宜上のものであり、重力方向を規定するものではない。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態にかかる磁気アレイの構成図である。磁気アレイ200は、複数の磁壁移動素子100と、複数の第1配線WLと、複数の第2配線CLと、複数の第3配線RLと、複数の第1スイッチング素子SW1と、複数の第2スイッチング素子SW2と、複数の第3スイッチング素子SW3と、を備える。磁気アレイ200は、例えば、磁気メモリ、積和演算器、ニューロモーフィックデバイス、スピンメモリスタ、磁気光学素子に利用できる。
第1配線WLのそれぞれは、書き込み配線である。第1配線WLはそれぞれ、電源と1つ以上の磁壁移動素子100とを電気的に接続する。電源は、使用時に磁気アレイ200の一端に接続される。
第2配線CLのそれぞれは、共通配線である。共通配線は、データの書き込み時及び読み出し時の両方に用いることができる配線である。第2配線CLのそれぞれは、基準電位と1つ以上の磁壁移動素子100とを電気的に接続する。基準電位は、例えば、グラウンドである。第2配線CLは、複数の磁壁移動素子100のそれぞれに設けられてもよいし、複数の磁壁移動素子100に亘って設けられてもよい。
第3配線RLのそれぞれは、読み出し配線である。第3配線RLはそれぞれ、電源と1つ以上の磁壁移動素子100とを電気的に接続する。電源は、使用時に磁気アレイ200の一端に接続される。
図1において、複数の磁壁移動素子100のそれぞれに、第1スイッチング素子SW1、第2スイッチング素子SW2、第3スイッチング素子SW3が接続されている。第1スイッチング素子SW1は、磁壁移動素子100と第1配線WLとの間に接続されている。第2スイッチング素子SW2は、磁壁移動素子100と第2配線CLとの間に接続されている。第3スイッチング素子SW3は、磁壁移動素子100と第3配線RLとの間に接続されている。
第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2をONにすると、所定の磁壁移動素子100に接続された第1配線WLと第2配線CLとの間に書き込み電流が流れる。第2スイッチング素子SW2及び第3スイッチング素子SW3をONにすると、所定の磁壁移動素子100に接続された第2配線CLと第3配線RLとの間に読み出し電流が流れる。
第1スイッチング素子SW1、第2スイッチング素子SW2及び第3スイッチング素子SW3は、電流の流れを制御する素子である。第1スイッチング素子SW1、第2スイッチング素子SW2及び第3スイッチング素子SW3は、例えば、トランジスタ、オボニック閾値スイッチ(OTS:Ovonic Threshold Switch)のように結晶層の相変化を利用した素子、金属絶縁体転移(MIT)スイッチのようにバンド構造の変化を利用した素子、ツェナーダイオード及びアバランシェダイオードのように降伏電圧を利用した素子、原子位置の変化に伴い伝導性が変化する素子である。
第1スイッチング素子SW1、第2スイッチング素子SW2、第3スイッチング素子SW3のいずれかは、同じ配線に接続された磁壁移動素子100で、共用してもよい。例えば、第1スイッチング素子SW1を共有する場合は、第1配線WLの上流(一端)に一つの第1スイッチング素子SW1を設ける。例えば、第2スイッチング素子SW2を共有する場合は、第2配線CLの上流(一端)に一つの第2スイッチング素子SW2を設ける。例えば、第3スイッチング素子SW3を共有する場合は、第3配線RLの上流(一端)に一つの第3スイッチング素子SW3を設ける。
図2は、第1実施形態に係る磁気アレイ200の磁壁移動素子100の近傍の断面図である。図2は、図1における一つの磁壁移動素子100を磁壁移動層1のy方向の幅の中心を通るxz平面で切断した断面である。
図2に示す第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2は、トランジスタTrである。トランジスタTrは、ゲート電極Gと、ゲート絶縁膜GIと、基板Subに形成されたソースS及びドレインDと、を有する。ソースSとドレインDは、電流の流れ方向によって既定されるものであり、いずれも活性領域である。図2は一例を示しただけであり、ソースSとドレインDの位置関係は反転していてもよい。基板Subは、例えば、半導体基板である。第3スイッチング素子SW3は、第3配線RLと電気的に接続され、例えば、図2においてy方向にずれた位置にある。
トランジスタTrのそれぞれと磁壁移動素子100とは、配線w1、w2を介して、電気的に接続されている。配線w1、w2は、導電性を有する材料を含む。配線w1は、z方向に延びるビア配線である。配線w2は、xy面内のいずれかの方向に延びる面内配線である。配線w1、w2は、絶縁層90の開口内に形成される。
絶縁層90は、多層配線の配線間や素子間を絶縁する絶縁層である。絶縁層90は、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC)、窒化クロム(CrN)、炭窒化シリコン(SiCN)、酸窒化シリコン(SiON)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化マグネシウム(MgO)等である。
図2では、磁壁移動素子100が絶縁層90を挟んで基板Subの上方にある例を示したが、磁壁移動素子100は基板Sub上にあってもよい。
「磁壁移動素子」
図3は、磁壁移動素子100を磁壁移動層1のy方向の中心を通るxz平面で切断した断面図である。図3は、図4のA-A線に沿った断面である。図4は、磁壁移動素子100をz方向から平面視した平面図である。図4は第1電極41及び第2電極42と、第3電極40の磁気抵抗効果部10と重なる部分を破線で示している。図に示す矢印は、強磁性体の磁化の配向方向の一例である。
磁壁移動素子100は、例えば、磁気抵抗効果部10と第1磁化固定層20と第2磁化固定層30と第1電極41と第2電極42と第3電極40とを有する3端子型の素子である。磁壁移動素子100の周囲は、絶縁層90で覆われている。
磁気抵抗効果部10は、磁壁移動層1と非磁性層2と参照層3とを備える。磁壁移動素子100は、例えば、基板Subに近い側から第3電極40、参照層3、非磁性層2、磁壁移動層1、第1磁化固定層20及び第2磁化固定層30、第1電極41及び第2電極42の順に備える。磁気抵抗効果部10にデータを書き込む際は、磁壁移動層1に沿って書き込み電流を流す。磁気抵抗効果素子10からデータを読み出す際は、第3電極40と第1電極41又は第2電極42との間に読み出し電流を流し、磁気抵抗効果素子10のz方向に電流を印加する。
磁壁移動層1は、x方向に延びる。磁壁移動層1は、内部に複数の磁区を有し、複数の磁区の境界に磁壁DWを有する。磁壁移動層1は、例えば、磁気的な状態の変化により多値データを磁気記録可能な層である。磁壁移動層1は、アナログ層、磁気記録層と呼ばれる場合がある。
磁壁移動層1は、第1領域A1と第2領域A2と第3領域A3を有する。第1領域A1は、例えば、x方向における磁壁移動層1の第1端から第1磁化固定層20の素子内側端部と重なる位置までの領域である。第2領域A2は、例えば、x方向における磁壁移動層1の第1端とは反対側の第2端から第2磁化固定層30の素子内側端部と重なる位置までの領域である。第3領域A3は、x方向に第1領域A1と第2領域A2とに挟まれる領域である。
第1領域A1の磁化MA1は、例えば、第1磁化固定層20の磁化M20と同方向に固定されている。第2領域A2の磁化MA2は、例えば、第2磁化固定層30の磁化M30と同方向に固定されている。磁化が固定されているとは、磁壁移動素子100の通常の動作(想定を超える外力が印加されていない)において、磁化が反転しないことをいう。第1領域A1の磁化MA1と第2領域A2の磁化MA2とは、例えば、配向方向が反対である。
第3領域A3は、磁化の向きが変化し、磁壁DWが移動できる領域である。第3領域A3は、例えば、y方向の長さが略一定である。第3領域A3は、例えば、x方向における中央部の膜厚tCよりも、x方向における端部の膜厚tEの方が厚い。第3領域A3の膜厚は、例えば、x方向における中央部からx方向における端部に向かって連続的に増大する。第3領域A3は、第1磁区A3aと第2磁区A3bとを有する。第1磁区A3aの磁化MA3aと第2磁区A3bの磁化MA3bとは、例えば、配向方向が反対である。第1磁区A3aと第2磁区A3bとの境界が磁壁DWである。第1磁区A3aの磁化MA3aは、例えば、第1領域A1の磁化MA1と同じ方向に配向する。第2磁区A3bの磁化MA3bは、例えば、第2領域A2の磁化MA2と同じ方向に配向する。磁壁DWは、原則、第3領域A3内を移動し、第1領域A1及び第2領域A2には侵入しない。
図4に示すように、第1領域A1のy方向の長さWA1は、第3領域A3のy方向の長さWA3よりも短い。ここで、各領域のy方向の長さとは、各領域の下面におけるy方向の長さと各領域の上面におけるy方向の長さの平均である。第1領域A1は、例えば、x方向の長さがy方向の長さよりも長い。第1領域A1と第3領域A3の境界及び第2領域A2と第3領域A3の境界は、例えば、磁壁移動層1の延在方向であるx方向とそれぞれ略直交する。
第3領域A3内における第1磁区A3aと第2磁区A3bとの体積の比率が変化すると、磁壁DWが移動する。磁壁DWは、第3領域A3のx方向に書き込み電流を流すことによって移動する。例えば、第3領域A3に+x方向の書き込み電流(例えば、電流パルス)を印加すると、電子は電流と逆の-x方向に流れるため、磁壁DWは-x方向に移動する。第1磁区A3aから第2磁区A3bに向って電流が流れる場合、第2磁区A3bでスピン偏極した電子は、第1磁区A3aの磁化を磁化反転させる。第1磁区A3aの磁化が反転することで、磁壁DWは-x方向に移動する。
磁壁移動層1における第1磁区A3aと第2磁区A3bとの体積の比率が変化すると、磁壁移動素子100の抵抗値が変化する。磁壁移動素子100の抵抗値は、非磁性層2を挟む強磁性層の磁化の相対角に応じて変化する。図3に示す磁壁移動素子100の場合、磁壁移動層1の磁化MA1、A3a、A3b、A2と参照層3の磁化Mとの相対角に応じて変化する。第1磁区A3aの比率が高くなると、磁壁移動素子100の抵抗値は小さくなり、第2磁区A3bの比率が高くなると、磁壁移動素子100の抵抗値は大きくなる。磁壁DWの位置を細かく制御することで抵抗値を細かく制御することができ、アナログ的な多値データ記録ができる。
磁壁移動素子100は、参照層3が非磁性層2を挟んで第1領域A1及び第2領域A2と重畳している。磁化が固定されている第1領域A1と第2領域A2は、磁壁移動素子100の抵抗値変化に寄与しない。すなわち、磁壁移動層1において第1領域A1と第2領域A2が占める比率が高くなると、磁壁移動素子100は最大抵抗値と最小抵抗値の比であるMR比が低下する。
磁壁移動層1は、磁性体を含む。磁壁移動層1は、強磁性体、フェリ磁性体、又はこれらと電流により磁気状態を変化させることが可能な反強磁性体との組み合わせでもよい。磁壁移動層1は、Co、Ni、Fe、Pt、Pd、Gd、Tb、Mn、Ge、Gaからなる群から選択される少なくとも一つの元素を有することが好ましい。磁壁移動層1に用いられる材料として、例えば、CoとNiの積層膜、CoとPtの積層膜、CoとPdの積層膜、CoFeとPdの積層膜、MnGa系材料、GdCo系材料、TbCo系材料が挙げられる。MnGa系材料、GdCo系材料、TbCo系材料等のフェリ磁性体は飽和磁化が小さく、磁壁DWを移動するために必要な閾値電流が小さくなる。またCoとNiの積層膜、CoとPtの積層膜、CoとPdの積層膜は、保磁力が大きく、磁壁DWの移動速度が遅くなる。反強磁性体は、例えば、MnX(XはSn、Ge、Ga、Pt、Ir等)、CuMnAs、MnAu等である。磁壁移動層1は、複数の層からなってもよい。磁壁移動層1は、後述する参照層3と同様の材料を適用することもできる。
非磁性層2は、磁壁移動層1と参照層3との間に位置する。非磁性層2は、例えば、参照層3の一面に積層される。
非磁性層2は、例えば、非磁性の絶縁体、半導体又は金属からなる。非磁性の絶縁体は、例えば、Al、SiO、MgO、MgAl、およびこれらのAl、Si、Mgの一部がZn、Be等に置換された材料である。これらの材料は、バンドギャップが大きく、絶縁性に優れる。非磁性層2が非磁性の絶縁体からなる場合、非磁性層2はトンネルバリア層である。非磁性の金属は、例えば、Cu、Au、Ag等である。非磁性の半導体は、例えば、Si、Ge、CuInSe、CuGaSe、Cu(In,Ga)Se等である。
非磁性層2の厚みは、例えば、20Å以上であり、25Å以上でもよい。非磁性層2の厚みが厚いと、磁壁移動素子100の抵抗面積積(RA)が大きくなる。磁壁移動素子100の抵抗面積積(RA)は、1×10Ωμm以上であることが好ましく、5×10Ωμm以上であることがより好ましい。磁壁移動素子100の抵抗面積積(RA)は、一つの磁壁移動素子100の素子抵抗と磁壁移動素子100の素子断面積(非磁性層2をxy平面で切断した切断面の面積)の積で表される。
参照層3は、磁壁移動層1と共に、非磁性層2を挟む。参照層3は、例えば、第3電極40上に積層される。参照層3は、磁壁移動層1とz方向に重なる位置にある。参照層3は、第1領域A1、第2領域A2、第3領域A3のそれぞれと少なくとも一部がz方向に重なる位置にある。参照層3の磁化Mは、磁壁移動層1の第3領域A3の磁化MA3a、MA3bより反転しにくい。参照層3の磁化Mは、第3領域A3の磁化MA3a、MA3bが反転する程度の外力が印加された際に向きが変化せず、固定されている。参照層3は、磁化固定層と言われる場合がある。参照層3は、複数の層からなってもよい。例えば、複数の強磁性層と、複数の強磁性層に挟まれる中間層とを有してもよい。中間層を挟む2つの強磁性層は磁気的に結合し、シンセティック反強磁性構造(SAF)となっていてもよい。
参照層3は、強磁性体を含む。参照層3は、例えば、磁壁移動層1との間で、コヒーレントトンネル効果を得やすい材料を含む。参照層3は、例えば、Cr、Mn、Co、Fe及びNiからなる群から選択される金属、これらの金属を1種以上含む合金、これらの金属とB、C、及びNの少なくとも1種以上の元素とが含まれる合金等を含む。参照層3は、例えば、Co-Fe、Co-Fe-B、Ni-Feである。
参照層3は、例えば、ホイスラー合金でもよい。ホイスラー合金はハーフメタルであり、高いスピン分極率を有する。ホイスラー合金は、XYZ又はXYZの化学組成をもつ金属間化合物であり、Xは周期表上でCo、Fe、Ni、あるいはCu族の遷移金属元素または貴金属元素であり、YはMn、V、CrあるいはTi族の遷移金属又はXの元素種であり、ZはIII族からV族の典型元素である。ホイスラー合金として例えば、CoFeSi、CoFeGe、CoFeGa、CoMnSi、CoMn1-aFeAlSi1-b、CoFeGe1-cGa等が挙げられる。
第1磁化固定層20及び第2磁化固定層30は、磁壁移動層1に直接的又は間接的に接続される。間接的に接続されるとは、第1磁化固定層20と磁壁移動層1との間、第2磁化固定層30と磁壁移動層1との間に他の層を挟むことを意味する。第1磁化固定層20及び第2磁化固定層30は、例えば、磁壁移動層1上にある。第1磁化固定層20と第2磁化固定層30とは、x方向に離間している。第1磁化固定層20は、第1領域A1の磁化MA1を固定する。第2磁化固定層30は、第2領域A2の磁化MA2を固定する。第1磁化固定層20と第2磁化固定層30は、例えば、非磁性層2及び参照層3とz方向に重なる位置にある。
第1磁化固定層20及び第2磁化固定層30は、例えば、強磁性層を含む。第1磁化固定層20及び第2磁化固定層30は、例えば、磁壁移動層1とは異なる材料を含み膜構成が異なる。また、第1磁化固定層20及び第2磁化固定層30は、例えば、複数の層からなってもよい。例えば、複数の強磁性層と、複数の強磁性層に挟まれる中間層とを有してもよい。中間層を挟む2つの強磁性層は磁気的に結合し、シンセティック反強磁性構造(SAF)となっていてもよい。また、第1磁化固定層20と第2磁化固定層30は、互いに膜構成が異なっていてもよい。
第3電極40は、参照層3に電気的に接続されている。第3電極40は、例えば、参照層3よりも基板Sub側に位置する。第1電極41は、例えば、第1磁化固定層20を介して第1領域A1と電気的に接続されている。第2電極42は、例えば、第2磁化固定層30を介して第2領域A2と電気的に接続されている。第3電極40、第1電極41、第2電極42は、例えば、非磁性の導電性材料を含み、磁壁移動層1及び参照層3よりも熱伝導率が高い材料を含む。また、第3電極40、第1電極41、第2電極42は、例えば、互いに異なる材料から形成されていてもよい。第3電極40、第1電極41、第2電極42は、例えば、z方向に延びるビア配線である。
第1実施形態に係る磁壁移動素子100はMR比が大きく、多値データ記録のビット数を多くできる。
磁壁移動素子100は、上述したように、集積性を高めるため第1領域A1と第2領域A2が非磁性層2を挟んで参照層3とz方向に重なる位置にある。第1領域A1と第2領域A2は、第3領域A3よりもy方向の長さが短い。このような構造にすることで、磁壁移動層1において、抵抗値の変化に寄与しない第1領域A1と第2領域A2が占める比率を低くできる。つまり、磁壁移動素子100の最大抵抗値と最小抵抗値の比であるMR比を大きくし、多値データ記録のビット数を多くできる。なお、本実施形態に係る磁壁移動素子のような、多値データ記録のビット数を多くとるために磁化固定領域の幅を磁壁移動領域の幅よりも細く形成するという発想は、磁化固定機能の安定化を図るために磁化固定領域の幅を磁壁移動領域の幅よりも太く形成する従来の技術常識とは逆行するものである。
また、第1実施形態に係る磁壁移動素子100の第1領域A1と第2領域A2は、x方向の長さがy方向の長さよりも長い。第1領域A1と第2領域A2のy方向の長さを第3領域A3よりも短くすると、データ書き込み時の電流密度は、第1領域A1と第2領域A2において第3領域A3よりも高くなる。磁壁DWは電流密度が高まると高速に動いてしまう。第1領域A1と第2領域A2のx方向の長さをy方向の長さよりも長くすることで、磁壁移動層1における第1領域A1と第2領域A2が占める比率を低くしつつ、磁壁DWが第1領域A1及び第2領域A2の素子外側端部まで到達して磁壁移動層1全体が単磁区化することを防ぐことができる。
また、第1実施形態に係る磁壁移動素子100において、第1領域A1と第3領域A3の境界及び第2領域A2と第3領域A3の境界は、磁壁移動層1の延在方向であるx方向とそれぞれ略直交する。第1領域A1と第3領域A3の境界及び第2領域A2と第3領域A3の境界が直交することにより、磁壁DWを常にy方向に平行に近い状態で移動させることができる。磁壁DWが常にy方向に平行に近い状態で移動すると、磁壁DWの位置を細かく制御して抵抗値をアナログ的に変化させる際にも、抵抗値の変化量を常に一定にできる。
磁壁移動素子100の各層の磁化の向きは、例えば磁化曲線を測定することにより確認できる。磁化曲線は、例えば、MOKE(Magneto Optical Kerr Effect)を用いて測定できる。MOKEによる測定は、直線偏光を測定対象物に入射させ、その偏光方向の回転等が起こる磁気光学効果(磁気Kerr効果)を用いることにより行う測定方法である。
磁壁移動素子100は、公知の方法で作製できる。磁壁移動素子100の各層を成膜し、所定の形状に加工する。各層の成膜は、スパッタリング法、化学気相成長(CVD)法、電子ビーム蒸着法(EB蒸着法)、原子レーザデポジッション法等を用いることができる。各層の加工は、フォトリソグラフィー及びエッチング(例えば、Arエッチング)等の技術を用いて行うことができる。
「第2実施形態」
図5は、第2実施形態にかかる磁壁移動素子101をz方向から平面視した平面図である。図5は第1電極41及び第2電極42と、第3電極40の磁気抵抗効果部10と重なる部分を破線で示している。第2実施形態にかかる磁壁移動素子101は、第1領域A1の構成が第1実施形態と異なる。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省く。
図5に示すように、第1領域A1Aは、第1部分A1Aaと第2部分A1Abからなる。第1部分A1Aaのy方向の長さWA1Aaは、第3領域A3のy方向の長さWA3よりも長い。第2部分A1Abのy方向の長さWA1Abは、第3領域A3のy方向の長さWA3よりも短い。第1部分A1Aaはx方向において第2部分A1Abよりも第3領域A3側に位置する。
第2実施形態に係る磁壁移動素子101は、第1実施形態にかかる磁壁移動素子100と同様の効果が得られる。また、第1領域A1Aにおいて、第3領域A3側にy方向の長さが第3領域A3よりも長い第1部分A1Aaを設けてデータ書き込み時の電流密度を下げることで、磁壁DWが第1領域A1Aの内部に侵入することを防ぐことができる。
「第3実施形態」
図6は、第3実施形態にかかる磁壁移動素子102をz方向から平面視した平面図である。図6は第1電極41及び第2電極42と、第3電極40の磁気抵抗効果部10と重なる部分を破線で示している。第3実施形態にかかる磁壁移動素子102は、第1領域A1の構成と第3領域A3の構成が第1実施形態と異なる。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省く。
図6に示すように、第1領域A1Bのy方向の長さは、第3領域A3Aと接する端部からx方向における反対側の端部に向かって徐々に短くなる。第1領域A1Bのy方向の長さは、例えば、第3領域A3Aと接する端部からx方向における反対側の端部に向かって連続的に変化する。また第3領域A3Aは、x方向における中央部のy方向の長さWA3ACよりも、x方向における端部のy方向の長さWA3AEの方が短い。また、第3領域A3Aは、例えば、図3に示した第3領域A3と同様にx方向における中央部の膜厚tCよりも、x方向における端部の膜厚tEの方が厚く、x方向における中央部からx方向における端部に向かって膜厚が連続的に増大する。
第3実施形態に係る磁壁移動素子102は、第1実施形態にかかる磁壁移動素子100と同様の効果が得られる。また第1領域A1Bのy方向の長さを第3領域A3Aと接する端部からx方向における反対側の端部に向かって徐々に短くすることで、データ書き込み時の電流密度が第1領域A1B内で急激に増大することを抑制し、磁壁DWが素子外側端部まで到達して磁壁移動層1全体が単磁区化することを防ぐことができる。また、第3領域A3のx方向における中央部から端部に向かって膜厚を連続的に増大させることで、角部へ電流が集中することによる発熱を抑制できる。また、第3領域A3のx方向における中央部のy方向の長さWA3ACよりもx方向における端部のy方向の長さWA3AEを短くすることで、膜厚を増大させたことによる第3領域A3の端部におけるデータ書き込み時の電流密度の低下を抑制できる。第3領域A3の端部におけるデータ書き込み時の電流密度が中央部と比べて低い場合、端部で磁壁DWがトラップされる恐れがある。
「第4実施形態」
図7は、第4実施形態にかかる磁壁移動素子103を磁壁移動層1のy方向の中心を通るxz平面で切断した断面図である。図7は、図8のA’-A’線に沿った断面である。図8は、磁壁移動素子103をz方向から平面視した平面図である。図8は、第1電極41及び第2電極42と、第3電極40Aの磁気抵抗効果部10と重なる部分を破線で示している。図に示す矢印は、強磁性体の磁化の配向方向の一例である。第4実施形態にかかる磁壁移動素子103は、第3電極40の構成が第1実施形態と異なる。第4実施形態において、第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省く。
図7、図8に示すように、第3電極40Aのうち参照層3に最も近い面である第1面40aは、z方向からの平面視で、第3領域A3の全体と重なり、外周部分が第1領域A1及び第2領域A2と重なる。
第4実施形態に係る磁壁移動素子103は、第1実施形態にかかる磁壁移動素子100と同様の効果が得られる。また、第3電極40Aの第1面40aを、z方向からの平面視で第3領域A3の全体と重なるように配置することで、第3領域A3の平坦性が向上し、磁壁DWがスムーズに移動する。
ビア径の寸法は製造プロセスによって固定されている場合が多い。つまり、ビア径の選択には制約があり、大きくできない場合がある。第3領域A3は、多値データ記録のビット数を多くとるため、できるだけ長いことが好ましい。第3電極40Aの第1面40aの外周部分が、z方向からの平面視で第1領域A1及び第2領域A2と重なるように配置することで、上述した第3領域A3の平坦性を高める効果を得つつ、ビア径の制約の中で第3領域A3を最も長くすることができる。
「第5実施形態」
図9は、第5実施形態にかかる磁壁移動素子104をz方向から平面視した平面図である。図9は、第1電極41及び第2電極42を破線で示している。第5実施形態にかかる磁壁移動素子104は、第3電極40の構成が第1実施形態と異なる。第5実施形態において、第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省く。
図9に示すように、第3電極40Bのうち参照層3に最も近い面である第1面40bは、z方向からの平面視で磁壁移動層1の全体と重なる。
第5実施形態に係る磁壁移動素子104は、第1実施形態にかかる磁壁移動素子100と同様の効果が得られる。また導電性材料を含む第3電極40Bの第1面40bがz方向からの平面視で磁壁移動層1の全体と重なるように配置することで、第1領域A1及び第2領域A2を含めた磁壁移動層1全体の放熱性が向上する。磁壁移動層1全体の放熱性が向上すると第1領域A1及び第2領域A2の磁化固定機能が安定し、データ記録の信頼性が向上する。
「第6実施形態」
図10は、第6実施形態にかかる磁壁移動素子105をz方向から平面視した平面図である。図10は、第1電極41及び第2電極42を破線で示している。第6実施形態にかかる磁壁移動素子105は、第3電極40の構成が第1実施形態と異なる。第6実施形態において、第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省く。
図10に示すように、第3電極40Cのうち参照層3に最も近い面である第1面40cは、z方向からの平面視で磁壁移動層1の全体と重なり、y方向の最大の長さLがx方向の最大の長さLよりも短い。
第6実施形態に係る磁壁移動素子105は、第1実施形態にかかる磁壁移動素子100と同様の効果が得られる。多値データ記録のビット数を多くとるために、磁壁移動素子は一方向に長い形状であることが好ましい。第3電極40Cの第1面40cをz方向からの平面視で磁壁移動層1の全体と重なるように配置し、y方向の最大の長さLが、磁壁移動層1が延びる方向であるx方向の最大の長さLよりも短い形状とすることで、磁壁移動層1全体の放熱性を向上しつつ、第1面40cが磁壁移動層1に沿う形状となり、磁壁移動素子の集積性が向上する。
「第7実施形態」
図11は、第7実施形態にかかる磁壁移動素子106を磁壁移動層1のy方向の中心を通るxz平面で切断した断面図である。図11は、図12のA’’-A’’線に沿った断面である。図12は、磁壁移動素子106をz方向から平面視した平面図である。図12は、第1電極41及び第2電極42と、第3電極40Dの磁気抵抗効果部10と重なる部分を破線で示している。図に示す矢印は、強磁性体の磁化の配向方向の一例である。第7実施形態にかかる磁壁移動素子106は、第1磁化固定層20と第3電極40の構成が第1実施形態と異なる。第7実施形態において、第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省く。
図11に示すように、第1磁化固定層20Aの膜厚t20Aは第2磁化固定層30の膜厚t30よりも厚い。第1磁化固定層20Aの膜厚t20Aと第2磁化固定層30の膜厚t30が異なると、保磁力差を利用して互いに異なる向きの磁化を固定しやすくなる。
第7実施形態に係る磁壁移動素子106は、第1実施形態にかかる磁壁移動素子100と同様の効果が得られる。図12に示すように、z方向からの平面視において、第3電極40Dと磁壁移動層1の重心はずれている。図12に示すように、z方向からの平面視で、第3電極40Dのうち参照層3に最も近い面である第1面40dの幾何中心Оと第1磁化固定層20Aとの距離Lは、第1面40dの幾何中心Оと第3磁化固定層30との距離Lよりも短い。第2磁化固定層30よりも膜厚が厚い第1磁化固定層20Aは、第2磁化固定層30よりも抵抗値が高くなり、データ書き込み時に発熱しやすくなる。導電性材料を含む第3電極40Dの第1面40dを第1磁化固定層20A側に寄せることで、磁壁移動層1の第1領域A1側と第2領域A2側との間に生じる熱分布を抑制でき、データ記録の信頼性が向上する。図11、図12では、z方向からの平面視で、第1面40dが第1領域A1と重畳する例を示したが、第1面40dは第1領域A1及び第2領域A2と重畳してもよく、第1面40dは第1領域A1及び第2領域A2のどちらとも重畳しなくてもよい。
「第8実施形態」
図13は、第8実施形態にかかる磁壁移動素子107の第1領域A1C近傍をz方向から平面視した平面図である。図13は、第1電極41を破線で示している。第8実施形態にかかる磁壁移動素子107は、第1領域A1の構成が第1実施形態と異なる。第8実施形態において、第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省く。
図13に示すように、第1電極41はz方向からの平面視で、第1領域A1Cの全体と重畳する。z方向からの平面視で、第1電極41の外周と第1領域A1Cの外周との距離は、例えば、第1領域A1Cのうち第3領域A3と接する端部とx方向における反対側の端部において最も短い(Lmin)。第1領域A1Cは、例えば、z方向からの平面視で第3領域A3と接する辺以外の外周部分が曲線状である。
第8実施形態に係る磁壁移動素子107は、第1実施形態にかかる磁壁移動素子100と同様の効果が得られる。第1領域A1Cは第1電極41と重畳させることにより、放熱性が向上する。しかし、第1電極41の外周部は絶縁層90に接するため第1電極41の中央部に比べて放熱性が悪い。第1領域A1Cのうち、第1電極41の外周部との距離が短くなる箇所を最小限にすることで、発熱による第1領域A1Cの磁化の揺らぎを抑制することができ、データ記録の信頼性が向上する。図13では、第1電極41の外周と第1領域A1Cの外周との距離は、第1領域A1Cのうち第3領域A3と接する端部とx方向における反対側の端部において最も短くなる例を示したが、第1電極41の外周と第1領域A1Cの外周との距離が最も短くなる箇所は他の任意の箇所でもよい。
ここまでいくつかの実施形態を提示して、磁壁移動素子の一例を提示した。しかしながら、本発明は当該実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、ここまで参照層3が磁壁移動層1より基板Subに近い側にある例を示したが、図14に示す変形例1のように、参照層3が磁壁移動層1より基板Subから離れた位置にあってもよい。図14は、変形例1にかかる磁壁移動素子108のy方向の中心を通るxz平面で切断した断面図である。図14の参照層3が磁壁移動層1より基板から離れた側にある構造は、トップピン構造と称される。
またこの他、上記の実施形態及び変形例の特徴的な構成をそれぞれ組み合わせてもよい。
1…磁壁移動層
2…非磁性層
3…参照層
10…磁気抵抗効果部
20,20A…第1磁化固定層
30…第2磁化固定層
40,40A,40B,40C,40D…第3電極
40a,40b,40c,40d…第1面
41…第1電極
42…第2電極
90…絶縁層
100,101,102,103,104,105,106,107,108…磁壁移動素子
200…磁気アレイ
A1,A1A,A1B,A1C…第1領域
A1Aa…第1部分
A1Ab…第2部分
A2…第2領域
A3,A3A…第3領域
CL…第2配線
DW…磁壁
RL…第3配線
Sub…基板
SW1…第1スイッチング素子
SW2…第2スイッチング素子
SW3…第3スイッチング素子
w1,w2…配線
WL…第1配線

Claims (12)

  1. それぞれ強磁性体を含む参照層及び磁壁移動層と、前記参照層と前記磁壁移動層の間に位置する非磁性層と、が第1方向に積層された磁気抵抗効果部を備え、
    前記磁壁移動層は、前記第1方向と直交する第2方向に延在し、磁化方向が固定された第1領域と、前記第1領域の磁化方向とは異なる方向に磁化方向が固定された第2領域と、前記第2方向において前記第1領域と前記第2領域に挟まれる位置にあり磁化方向が可変な第3領域と、を含み、
    前記第1領域に電気的に接続される第1電極と、
    前記第2領域に電気的に接続される第2電極と、
    前記第1方向において前記参照層を基準として前記非磁性層と反対側に位置し前記参照層に電気的に接続される第3電極と、を備え、
    前記第1領域と前記第1電極の間に位置し前記第1領域の磁化を固定する第1磁化固定層と、
    前記第2領域と前記第2電極の間に位置し前記第2領域の磁化を固定する第2磁化固定層と、を備え、
    前記参照層は前記第1方向からの平面視で前記第1領域及び前記第2領域の少なくとも一部と重畳し、
    前記第1領域と前記第2領域のうち少なくとも一方は、前記第3領域よりも前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向の長さが短い部分を有する、磁壁移動素子。
  2. 前記第1方向において前記第3電極を基準として前記参照層と反対側に基板を備える、請求項1に記載の磁壁移動素子。
  3. 前記第1領域と前記第2領域のうち少なくとも一方は、前記第2方向の長さが前記第3方向の長さよりも長い、請求項1又は2に記載の磁壁移動素子。
  4. 前記第1領域と前記第2領域のうち少なくとも一方は、前記第3領域よりも前記第3方向の長さが長い第1部分と、前記第3領域よりも前記第3方向の長さが短い第2部分とを有し、
    前記第1部分は前記第2方向において前記第2部分よりも前記第3領域側に位置する、請求項1~3のいずれか一項に記載の磁壁移動素子。
  5. 前記第1領域と前記第2領域のうち少なくとも一方の前記第3方向の長さは、前記第3領域と接する端部から前記第2方向における反対側の端部に向かって徐々に短くなる、請求項1~4のいずれか一項に記載の磁壁移動素子。
  6. 前記第3領域は、前記第2方向における中央部の膜厚よりも前記第2方向における端部の膜厚が厚く、前記中央部の前記第3方向の長さよりも前記端部の前記第3方向の長さの方が短い、請求項1~5のいずれか一項に記載の磁壁移動素子。
  7. 前記第1方向からの平面視で、前記第3電極の前記参照層に最も近い面である第1面の外周が、前記第1領域と前記第2領域のうち少なくとも一方と重畳する、請求項1~6のいずれか一項に記載の磁壁移動素子。
  8. 前記第1方向からの平面視で、前記第3電極の前記参照層に最も近い面である第1面が、前記磁壁移動層の全体と重畳する、請求項1~6のいずれか一項に記載の磁壁移動素子。
  9. 前記第3電極の前記参照層に最も近い面である第1面は、前記第3方向に最も長い部分の長さが前記第2方向に最も長い部分の長さよりも短い、請求項1~8のいずれか一項に記載の磁壁移動素子。
  10. 前記第1磁化固定層の膜厚は前記第2磁化固定層の膜厚よりも厚く、前記第1方向からの平面視で、前記第3電極の前記参照層に最も近い面である第1面の幾何中心から前記第1磁化固定層までの距離は、前記第1面の幾何中心から前記第2磁化固定層までの距離よりも短い、請求項1~9のいずれか一項に記載の磁壁移動素子。
  11. 前記第1方向からの平面視で、前記第1領域の全体は前記第1電極と重畳し、前記第1領域から前記第1電極の外周までの距離は、ある一点で最も短い、請求項1~10のいずれか一項に記載の磁壁移動素子。
  12. 請求項1~11のいずれか一項に記載の磁壁移動素子を複数備える磁気記録アレイ。
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