JP2022187553A - 積層フィルム - Google Patents

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裕 豊島
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博志 大谷
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Abstract

【課題】本発明は、容器の蓋材などに使用する際、シール条件が変化しても開封強度の変化が小さく、適度な力で容易に開封できる積層フィルムを提供する。【解決手段】ヒートシール層と、1層以上の支持層を有する積層フィルムであって、ヒートシール層とポリプロピレン製シートを200℃で1秒、および、200℃で4秒ヒートシールしたときのヒートシール強度が、いずれも15~27N/15mmで、かつ、その差が7N/15mm以下である積層フィルムである。【選択図】なし

Description

本発明は、優れた開封性を有する積層フィルムに関する。
包装体の本来の目的は内容物を保護することであって、輸送や陳列時の外力に抗して容易に開封されないという性能が重要である。一方で使用時に蓋裂けなどが発生せず正常に、簡単に開封できる易開封性が求められる。
特に近年高齢者人口の増加や個食化が進み、利便性が良い容易に開封できる包装体への要望が高まってきた。易開封性の包装体としては、種々のものが提案されており、イージーピールと呼ばれる包装体は、開封性を付与したシーラントフィルムを用いるものであって、ゼリー、ヨーグルト、プリンなどのデザートや米飯、総菜などのカップ容器の蓋材、ハム、ベーコンなどの畜肉加工品のパックなどに広範囲に用いられている。
シーラントフィルムの易開封性として、特定の比率でポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂を混合したヒートシール層からなる共押出多層フィルムが提案されている。(例えば特許文献1、2参照)
しかし、前記特許文献1、2で提案された共押出多層フィルムをシーラントフィルムとして使用した場合であっても、シール条件が変化した場合、開封強度が強くなり、適度な力で開封できなかったり、開封途中で蓋が裂けてしまったりする問題があった。
特開2012-144015号公報 特開2016-055433号公報
本発明は、容器の蓋材などに使用する際、シール条件が変化しても開封強度の変化が小さく、適度な力で容易に開封できる積層フィルムを提供する。
すなわち、本発明は、
ヒートシール層と、1層以上の支持層を有する積層フィルムであって、ヒートシール層とポリプロピレン製シートを200℃で1秒、および、200℃で4秒ヒートシールしたときのヒートシール強度が、いずれも15~27N/15mmで、かつ、その差が7N/15mm以下である積層フィルムである。
本発明の積層フィルムは、蓋材としてシール条件が変化しても開封強度の変化が小さく、適度な力で容易に開封することができる。
本発明は、容器に蓋材などを使用する際、シール条件が変化しても開封強度の変化が小さく、適度な力で容易に開封できる積層フィルムを提供することにある。さらに二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリエステルフィルム、印刷紙、金属箔などから選ばれる少なくとも1層を前記積層フィルムの支持層側に積層することで、蓋材として適度な力で容易に開封することができる包装体を得ることができる。
本発明の積層フィルムについて具体的に説明する。
本発明の積層フィルムは、ヒートシール可能なヒートシール層と、1層以上の支持層を有する積層フィルムであることが必須であり、ヒートシール層は易開封性をフィルムに与えるため重要である。支持層は、1層以上を積層することで、開封時の蓋裂けの発生がなく正常に開封するために重要である。
本発明の積層フィルムは、ヒートシール層とポリプロピレン製シートを、シール圧力2kg/cm、シール温度200℃、シール時間1秒と4秒ヒートシールしたときのヒートシール強度(引張速度を300mm/minとし、剥離角度は180°で剥離)が、いずれも15~27N/15mmの範囲であることが必要であり、いずれも16~25N/15mmの範囲がより好ましい。
ヒートシール層とポリプロピレン製シート200℃で1秒と4秒ヒートシールしたときのヒートシール強度の差が7N/15mm以下であることが必要であり、6N/15mm以下がより好ましい。200℃で1秒ヒートシールしたときのヒートシール強度と200℃で4秒ヒートシールしたときのヒートシール強度の差が7N/15mm以下であることにより、シール条件に左右されず開封性が安定するため、イージーピール性の包装材として良好となる。
シール圧力2kg/cm、シール時間1秒の条件で、温度150℃のヒートシール強度が10~20N/15mmの範囲であることが好ましく、温度200℃でヒートシールしたときとの、ヒートシール強度の差が10N/15mm以下であることが好ましい。このことで、シール温度依存性が小さく、広い温度範囲でヒートシール性が良好となり、包装材の製造および包装材への内容物充填時の作業性が高くなるので好ましい。
本発明におけるヒートシール層は、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂を混合した樹脂組成物からなり、ポリエチレン系樹脂がポリプロピレン系樹脂より量的に多いことが、シール温度依存性が小さく、広い温度範囲でヒートシール性が良好となり好ましい。ポリエチレン系樹脂が51質量%~95質量%で、ポリプロピレン系樹脂が5質量%~49質量%を混合した樹脂組成物からなることが好ましい。
上記ポリエチレン系樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・α-オレフィンランダム共重合体エラストマーなどの少なくとも1種以上を挙げることができる。中でも特に、直鎖状低密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレンとエチレン・α-オレフィンランダム共重合体エラストマーとの混合樹脂組成が好ましい。
本発明におけるヒートシール層のポリエチレン系樹脂は、直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とすることが好ましい。ここで主成分とは、混合した樹脂組成物に対して50質量%以上含むことをいう。
上記直鎖状低密度ポリエチレンは、密度0.910~0.940g/cm、MFR(190℃)が1.0~40.0g/10分の範囲、高圧法低密度ポリエチレンは、密度0.880~0.930g/cm、MFR(190℃)が1.0~20.0g/10分の範囲、エチレン・α-オレフィンランダム共重合体エラストマーは、密度0.865~0.895g/cmで、MFR(190℃)が0.5~10.0g/10分の範囲であることが、それぞれの混合性が良く、エチレン・プロピレンランダム共重合体への分散性が適度で好ましい。
本発明におけるヒートシール層のポリプロピレン系樹脂は、プロピレンとコモノマーとのエチレン・プロピレンランダム共重合体が好ましく、コモノマーはエチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン等から好ましく選ぶことができ、コモノマーが5質量%未満の範囲のものが好ましい。
前記ポリプロピレン系樹脂には、マルチサイト触媒(チグラー・ナッタ触媒)やメタロセン触媒(カミンスキー触媒)などを用いて重合されたポリプロピレン系樹脂を混合して使用してもよい。
上記エチレン・プロピレンランダム共重合体の密度は、0.90~0.96g/cm、MFR(230℃)が1~30g/分の範囲であることが、製膜性がよく、ヒートシール強度も適度で好ましい。
ヒートシール層の樹脂の混合率は、上記の通り、ポリエチレン系樹脂が51~95質量%とポリプロピレン系樹脂が5質量%~49質量%を混合した樹脂組成物からなることが好ましく、その場合に、蓋材として用いたときにヒートシール層が凝集破壊して、ヒートシール強度が15~27N/15mmの範囲となり、開封時の糸引きがなく開封性が良好なフィルムが得られることがある。
本発明における支持層は、エチレン・プロピレンブロック共重合体とポリエチレン系樹脂を混合した樹脂組成物からなることが好ましい。
本発明における支持層を構成する樹脂は、エチレン・プロピレンブロック共重合体(a)70~97質量%とポリエチレン系樹脂(b)3~30質量%を混合した樹脂組成物からなることが好ましい。ポリエチレン系樹脂(b)の混合量が2質量%未満では柔軟性がなくなることがあり、開封時にフィルム裂けが発生し、容器の蓋材と用いたときに正常に開封できなくなることがあり、30質量%を超えると製膜時のフィルム巻取り時にシワが入りやすくなることがあり、製膜性に劣り、蓋材として打ち抜き性に劣ることがある。
上記プロピレン・エチレンブロック共重合体(a)は、プロピレン重合体(a1)とエチレン系重合体(a2)からなる共重合体であり、密度は0.90~0.96g/cmであることが好ましい。密度が0.90g/cm未満ではフィルムの機械強度が低くなることがあり、製膜後のスリット性や、ラミネート時の工程でフィルムが伸びて、工程通過性が悪化する場合がある。また、密度が0.96g/cmを超えるとフィルムの結晶性が高くなることがあり、耐蓋裂け性が悪化する場合がある。上記ポリエチレン系樹脂は、エチレン・α-オレフィンランダム共重合体エラストマーもしくは直鎖状低密度ポリエチレンの一種以上の樹脂組成物からなることが好ましい。
上記エチレン・α-オレフィンランダム共重合体エラストマーは、密度0.860~0.900g/cmが好ましく、0.865~0.895g/cmがより好ましい。MFR(190℃)は0.2~20.0g/10分が好ましく、0.5~10.0g/10分がより好ましい。α-オレフィンは、プロピレン、1-ブテン、1-オクテンから好ましく選ぶことができ、具体的にはエチレン-プロピレン共重合体、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体が好ましい。
上記直鎖状低密度ポリエチレンは、シングルサイト、マルチサイト何れの触媒を用いて得られたものであってもよく、コモノマーとしては、1―ブテン、1-ヘキセン、4メチル-1-ペンテン、1-オクテンを選ぶことができる。直鎖状低密度ポリエチレンは、高圧法低密度ポリエチレンより融点(Tm)が高くフィルムの耐熱性を向上させ、耐寒性も優れるため耐蓋裂け性が強くなる。通常、密度は0.905~0.95g/cmが好ましく、0.910~0.940g/cmがより好ましい。MFR(190℃)は0.5~100g/10分が好ましく、1~20g/10分がより好ましい。
本発明における支持層、ヒートシール層には本発明の目的を損なわない範囲で、フィルム加工に適した滑り性やラミネート適性を確保するため、特定の添加剤、具体的にはエルカ酸アミドなどの有機滑剤、分子量500以上の酸化防止剤、シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウムなどの無機粒子や、ポリメチルメタクリレート架橋粒子などの有機粒子を選択して使用してもよい。また、製膜性を良好にする酸化防止剤、耐熱安定剤、帯電防止剤等を含むことができる。支持層には本発明の効果を阻害しない範囲であれば、必要に応じて本発明の積層フィルムを生産する際に生じる耳やスリット屑などを混合使用することができる。
また、環境負荷低減を目的として植物由来の樹脂(以下、バイオマス樹脂ということもある。)を選択して使用してもよい。その際、全組成中の植物由来の原料の比率(質量%)を表す指標は、バイオマス度といわれ、植物由来の原料中には一定濃度で含まれ、石油由来の原料中には殆ど存在しない放射性炭素(C14)の濃度を加速器質量分析により測定することで、バイオマス度(%)を算出することができる。しかし、近年は、実際の製品を加速器質量分析しないでも、原料メーカーから各植物由来の原料の最小バイオマス度の値が提供されているので、これら原料メーカーから提供される各植物由来の原料の各最小バイオマス度と、各植物由来の原料の配合量とに基づいて、全組成中の植物由来の原料の比率(%)であるバイオマス度を略正確に算出することができる。
上記植物由来の樹脂としては、ポリテルペン樹脂が好ましい。ポリテルペン樹脂としては、αピネン、βピネン、ジペンテン、スチレン変性テルペンおよびそれらの水素添加品が挙げられる。
上記の植物由来のポリテルペン樹脂の含有量はフィルム全体に対して1~50質量%であることが好ましい。含有量が1質量%未満では添加効果がない場合があり、50質量%を超えるとヒートシール強度が低下する場合がある。
本発明の積層フィルムにおけるバイオマス度は、1%以上45%以下が好ましく、より好ましくは3%以上40%以下である。バイオマス度1%未満では環境負荷低減への貢献度は低く、バイオマス度が高いほど、環境負荷の低減への貢献度が高くなるが45%を超えると製膜性が悪化することがあり、フィルムが脆くなって加工性が悪化する場合がある。本発明の積層フィルムの厚さは15~100μmが好ましい。支持層の厚さは10~70μmが好ましく、更に好ましくは13~60μmの範囲のものが、打ち抜き性がよく好適である。
ヒートシール層の厚さは1~30μm、好ましくは1.5~20μmの範囲が好適である。ヒートシール層の厚さが30μmを超えると剥離する際、糸引き、フェザリング、膜残りと呼ばれる剥離外観不良が発生することがあり、ヒートシール層の厚さが1μm未満であると安定したヒートシール強度が得られないことがある。
ここで、糸引きとは開封時にフィルムが糸のように伸びて剥離する状態をいい、また、フェザリング、膜残りは開封時にフィルムが被着体の容器に残って剥離してしまう状態のことをいう。
本発明の積層フィルムは、支持層側に、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム、印刷紙、金属箔から選ばれる少なくとも1層の他基材層を、必要に応じて、単独、あるいは、組合せて積層して使用するのが好ましい。ポリアミドフィルムとしては、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン66などが挙げられ、なかでも二軸延伸ナイロン66フィルムが、耐熱性、耐湿性の面でより好ましい。ポリエステルフィルムとしては、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETと略称することがある)、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、二軸延伸ポリブチレンテレフタレートフィルムなどが挙げられ、中でも二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが、耐熱性とフィルム価格等で総合的により好ましい。金属箔としては、アルミ箔、銅箔などが挙げられ、なかでもアルミ箔がより好ましい。印刷紙としては、合成紙、上質紙、中質紙、アート紙、コート紙、更紙などが挙げられるが、印刷の出来具合からアート紙が好ましい。
前記ポリアミドフィルムまたはポリエステルフィルムの厚さは、10~100μmの範囲が好ましく、特に、12~50μmの範囲であると印刷加工適性が良く、蓋材とした場合に、耐蓋裂け性と打ち抜き性から好ましい。
前記金属箔の厚さとしては、5~30μmの範囲であることが、蓋材とした場合に、打ち抜き性、取り扱い性および経済性から好ましい。
支持層側にこれらの他基材層を積層する方法としては特に限定されないが、接着剤、ホットメルト剤、低融点の押出ラミネート樹脂を介して積層する方法が挙げられる。
次に、本発明の積層フィルムの製造法の一例を説明する。
2台の押出機を用いて、1台の押出機から、支持層として、密度が0.90~0.96g/cm、MFR(230℃)が1~10g/分の範囲のエチレン・プロピレンブロック共重合体と、ポリエチレン系樹脂として密度が0.865~0.895g/cm、MFR(190℃)が0.5~10.0g/10分の範囲のエチレン・α-オレフィンランダム共重合体エラストマーを混合した樹脂組成物を200~280℃で押出し、もう1台の押出機から、ヒートシール層として、密度が0.910~0.940g/cm、MFR(190℃)が1.0~40.0g/10分の範囲の直鎖状低密度ポリエチレンと、密度が0.880~0.930g/cm、MFR(190℃)が1.0~20.0g/10分の範囲の高圧法低密度ポリエチレンと、密度が0.865~0.895g/cm、MFR(190℃)が0.5~10.0g/10分の範囲のエチレン・α-オレフィンランダム共重合体エラストマーと、密度が0.90~0.96g/cm、MFR(230℃)が1~30g/分の範囲のエチレン・プロピレンランダム共重合体を混合した樹脂組成物を200~250℃で押出して、共押出多層ダイで積層する。ここで、支持層/ヒートシール層の厚みを、例えば、45μm/5μmとなるようにフィルム状に押出し、25~50℃の冷却ロールでキャスト冷却固化し、積層フィルムとする。続いて、必要に応じ支持層の表面にコロナ放電処理を施す。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明における特性の測定方法並びに効果の評価方法は、次の通りである。
(1)樹脂の密度
JIS K 7112(1980)に規定された密度勾配管法に従い密度を測定した。
(2)フィルム厚さ
ダイヤルゲージ式厚さ計(JIS B 7509(1992)、測定子5mmφ平型)を用いて、フィルムの長手方向及び幅方向に10cm間隔で10点測定して、その平均値とした。
(3)各層の厚さ
フィルムの断面をミクロトームにて切り出し、その断面についてデジタルマイクロスコープVHX-5000形(株式会社キーエンス製)を用いて1000倍に拡大観察して撮影した断面写真を用いて、各層の厚さ方向の距離を計測し、拡大倍率から逆算して各層の厚さを求めた。尚、各層の厚さを求めるに当たっては、互いに異なる測定視野から任意に選んだ計5箇所の断面写真計5枚を使用し、それらの平均値として算出した。
(4)メルトフローレート(MFR)
JIS K 7210(1999)に準拠して、ポリエチレン系樹脂は190℃、ポリプロピレン系樹脂は230℃で測定した。
(5)シール用複合フィルムの作成方法
積層フィルムの支持層側に、ポリウレタン接着剤を用いて塗布量2g/mで厚さ12μmのPETをドライラミネートし、40℃、72時間エージングしたサンプルをシール用複合フィルムとした。
(6)評価用ポリプロピレン製シート(被着体)
押出機からホモポリプロピレン(後述のPP-2)樹脂を温度220~230℃で溶融し、ダイよりフィルム状に押し出し、25~50℃の冷却ロールでキャスト冷却固化し、厚さ300μmの評価用ポリプロピレン製シートを作成した。
(7)ヒートシール強度の秒数依存性
(5)で作成したシール用複合フィルムを100mm×15mmに切り出し、ヒートシール層を(6)で作成した300μmの評価用ポリプロピレン製シートに重ねて、テスター産業株式会社製の平板ヒートシールテスター(TP-701B)を使用し、シール温度200℃、シール圧力2kg/cm、シール時間1秒と4秒の条件で行った。PET側から片面加熱してヒートシールしたサンプルを、23℃の室温下で株式会社オリエンテック製のテンシロン(RTC-1210A)を使用して300mm/分の引張速度で、180°剥離したときのヒートシール強度を測定した。そのとき、1試料についてn数10の測定値の平均値をとり、ヒートシール強度が15~27N/15mmの範囲であるものを密封性と剥離性が良好で〇とし、該範囲を外れたものを×とした。また200℃で1秒と4秒の条件で、ヒートシール強度の差異が7N/15mm以下であるものを開封安定性があり良好で○とし、該範囲を外れたものを×とした。
(8)ヒートシール強度の温度依存性
(5)で作成したシール用複合フィルムを100mm×15mmに切り出し、ヒートシール層を(6)で作成した300μmの評価用ポリプロピレン製シートに重ねて、テスター産業株式会社製の平板ヒートシールテスター(TP-701B)を使用し、シール温度150℃と200℃、シール圧力2kg/cm、シール時間1秒の条件で行った。PET側から片面加熱してヒートシールしたサンプルを、23℃の室温下で株式会社オリエンテック製のテンシロン(RTC-1210A)を使用して300mm/分の引張速度で、180°剥離したときのヒートシール強度を測定した。そのとき、1試料についてn数10の測定値の平均値をとり、ヒートシール温度150℃のヒートシール強度が10~20N/15mmの範囲、ヒートシール温度200℃のヒートシール強度が15~27N/15mmの範囲であるものを密封性と剥離性が良好で○とし、該範囲を外れたものを×とした、また150℃で1秒と200℃で1秒のヒートシール強度の差異が10N/15mm以下であるものをシール温度安定性があり良好で○とし、該範囲を外れたものを×とした。
(9)打抜き性
(5)で作成したシール用複合フィルムを50mm×50mmにサンプリングし、直径20mmの穴が開いたサンプルホルダーにセットし、株式会社オリエンテック製テンシロン(RTC-1210A)を使用し、針(直径1.0mm、先端形状0.5mm)を毎分50±5mmの速度で突き刺し、突き刺す際にフィルムの伸びを測定した。フィルムの伸びが3mm未満のものを○とし、3mm以上のものを×とした。
(10)剥離外観
(7)で作成したヒートシール強度測定サンプルを手で剥離したとき、剥離外観を目視で評価し、糸引き、膜残りを下記の通り、判定した。
○:糸引き、膜残りが見られない。×:1.5mm以上の長い糸引き、膜残りが残る。
(11)蓋裂け性
(5)で作成したシール用複合フィルムを100mm×100mmにサンプルを切り出し、ヒートシール層とポリプロピレン製容器(95φ×61.9H、東缶工業株式会社製)に重ねて、エーシンパック工業株式会社製のハンドシーラーを使用し、ヒートシール温度200℃、シール圧力0.3MPa、シール時間2秒の条件でヒートシールしたサンプルを作成し、手で剥離したときに、複合フィルムが裂けないものを○とし、複合フィルムが裂けたものを×とした。
(12)製膜性
積層フィルムを製膜し巻き取る際、フィルム破れがなく、巻き取り張力調整が容易でシワが入らないものを○とし、巻き取り張力調整が難しくシワが酷く発生するものや、フィルムの破断伸度や破断強度が低くて製膜中にフィルム破れが発生するものを×とした。
本実施例で使用した原料は次の通りである。
(1)エチレン・プロピレンブロック重合体(BPP-1)
MFR=2.5g/10分、密度=0.900g/cm3、Tm=163℃
(2)エチレン-α-オレフィンランダム共重合体エラストマー(E-1)
MFR=3.6g/10分、密度=0.885g/cm
(3)1-ブテン共重合直鎖状低密度ポリエチレン(LL-1)
MFR=8.0g/10分、密度=0.920g/cm、Tm=123℃
(4)1-オクテン共重合直鎖状低密度ポリエチレン(LL-2)
MFR=2.2g/10分、密度=0.921g/cm、Tm=120℃
(5)高圧法低密度ポリエチレン(LD-1)
MFR=7.0g/10分、密度0.919g/cm、Tm=106℃
(6)エチレン・プロピレンランダム共重合体(PP-1)
MFR=6.0g/10分、密度=0.900g/cm、Tm=145℃
(7)ホモポリプロピレン(PP-2)
MFR=8.0g/10分、密度=0.900g/cm、Tm=163℃
(8)植物由来のポリテルペン樹脂(PT-1)
軟化点=115℃、バイオマス度=90%。
実施例1
支持層として、エチレン・プロピレン重合体(BPP-1)95質量%とエチレン-α-オレフィンランダム共重合体エラストマー(E-1)5質量%混合した樹脂組成物を用い、ヒートシール層として、エチレン・プロピレンランダムコポリマー(PP-1)30質量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL-1)60質量%と高圧法低密度ポリエチレン(PE-1)5質量%とエチレン-α-オレフィンランダム共重合体エラストマー(E-1)5質量%混合した樹脂組成物を用い、2種2層無延伸フィルム成型機の押出機2台に各々投入し、支持層を260℃、ヒートシール層を200℃の押出温度で溶融混練り後、230℃の2種2層Tダイより押出し、40℃のキャスティングロールで急冷し積層フィルムを成形し、支持層にコロナ放電処理を施した。得られた積層フィルムの総厚さは50μmで、ヒートシール層の厚さが5μmであった。製膜性は良好で、キャスト時のエッジまくれはなく、巻取り時のシワ発生もなく安定して巻き取ることができた。本発明の積層フィルムとして要求特性を全て満足していた。
実施例2
積層フィルムの総厚みを25μmとし、ヒートシール層の厚さを5μmにした以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。本発明の積層フィルムとして要求特性を全て満足していた。
実施例3
実施例1のヒートシール層の直鎖状低密度ポリエチレン(LL-1)を直鎖状低密度ポリエチレン(LL-2)とする以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。本発明の積層フィルムとして要求特性を全て満足していた。
実施例4
ヒートシール層をエチレン・プロピレンランダムコポリマー(PP-1)40質量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL-1)55質量%とエチレン-α-オレフィンランダム共重合体エラストマー(E-1)5質量%混合した樹脂組成物とする以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。本発明の積層フィルムとして要求特性を全て満足していた。
実施例5
支持層をエチレン・プロピレン重合体(BPP-1)80質量%とエチレン-α-オレフィンランダム共重合体エラストマー(E-1)20質量%混合した樹脂組成物とする以外は実施例1と同様に積層フィルムを得た。本発明の積層フィルムとして要求特性を全て満足していた。
実施例6
支持層をエチレン・プロピレン重合体(BPP-1)80質量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL-2)20質量%混合した樹脂組成物とする以外は実施例1と同様に積層フィルムを得た。本発明の積層フィルムとして要求特性を全て満足していた。
実施例7
支持層をエチレン・プロピレン重合体(BPP-1)85質量%とエチレン-α-オレフィンランダム共重合体エラストマー(E-1)5質量%と植物由来のポリテルペン樹脂(PT-1)10質量%混合した樹脂組成物とする以外は実施例1と同様に積層フィルムを得た。本発明の積層フィルムとして要求特性を全て満足していた。
比較例1
ヒートシール層をエチレン・プロピレンランダムコポリマー(PP-1)60質量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL-1)40質量%とする以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。得られたフィルムを実施例1と同様に評価した。ヒートシール層にエチレン・プロピレンランダムコポリマーの添加が多く、秒数依存性のヒートシール強度について、シール温度200℃で4秒ヒートシールした強度が高く、1秒ヒートシールとの強度差が大きくなり、またシール温度150℃、200℃で1秒ヒートシールした強度差が大きく本発明の要求特性を満足するものではなかった。
比較例2
ヒートシール層をホモプロピレン(PP-2)60質量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL-1)40質量%とし、積層フィルムの総厚みは50μmとしヒートシール層の厚さを30μmにした以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。得られたフィルムを実施例1と同様に評価した。ホモポリプロピレンの融点が高いため、150℃で1秒ヒートシールした強度が弱くなり、秒数依存性のヒートシール強度についてもシール温度200℃で4秒ヒートシールした強度が高くなり、1秒ヒートシールとの強度差が大きく、またヒートシール層が厚いため、被着体からの剥離時に酷く糸引きが発生し剥離外観が悪く本発明の要求特性を満足するものではなかった。
比較例3
ヒートシール層をエチレン・プロピレンランダムコポリマー(PP-1)1質量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL-1)99質量%とする以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。得られたフィルムを実施例1と同様に評価した。ヒートシール層にエチレン・プロピレンランダムコポリマーの添加量が少なく、ヒートシール強度が弱すぎて本発明の要求特性を満足するものではなかった。
比較例4
支持層として、エチレン・プロピレン重合体(BPP-1)50質量%とエチレン-α-オレフィンランダム共重合体エラストマー(E-1)50質量%混合した樹脂組成物を用い、ヒートシール層として、エチレン・プロピレンランダムコポリマー(PP-1)60質量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL-1)40質量%とする以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。ヒートシール層にエチレン・プロピレンランダムコポリマーの添加が多く、秒数依存性のヒートシール強度について、強度差が大きくなり本発明の要求特性を満足するものではなく、支持層のエチレン・α-オレフィンランダム共重合体エラストマー(E-1)の割合が多いため、巻取り時にシワが入り、剛性がないため、打ち抜き性が悪く、積層フィルムの要求特性を満足するものではなかった。
比較例5
支持層として、ホモポリプロピレン(PP-2)95質量%とエチレン-α-オレフィンランダム共重合体エラストマー(E-1)5質量%として、ヒートシール層としてエチレン・プロピレンランダムコポリマー(PP-1)60質量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL-1)40質量%とする以外は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。支持層のホモポリプロピレン(PP-2)の結晶性が高いため、製膜中にフィルム破れが起こって製膜性に劣り、開封時に蓋裂けが発生し本発明の要求特性を満足するものではなく、ヒートシール層にエチレン・プロピレンランダムコポリマーの添加が多く、秒数依存性のヒートシール強度について、強度差が大きくなり本発明の要求特性を満足するものではなかった。
Figure 2022187553000001
Figure 2022187553000002

Claims (6)

  1. ヒートシール層と、1層以上の支持層を有する積層フィルムであって、ヒートシール層とポリプロピレン製シートを200℃で1秒、および、200℃で4秒ヒートシールしたときのヒートシール強度が、いずれも15~27N/15mmで、かつ、その差が7N/15mm以下である積層フィルム。
  2. ヒートシール層とポリプロピレン製シートを150℃で1秒ヒートシールしたときのヒートシール強度が10~20N/15mmで、200℃で1秒ヒートシールしたときとの差が10N/15mm以下である請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記ヒートシール層が、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂を混合した樹脂組成物からなり、ポリエチレン系樹脂が51質量%~95質量%、ポリプロピレン系樹脂が5質量%~49質量%である請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 前記支持層が、エチレン・プロピレンブロック共重合体とポリエチレン系樹脂を混合した樹脂組成物からなる請求項1~3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. 前記ヒートシール層の前記ポリエチレン系樹脂が直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とする請求項3に記載の積層フィルム。
  6. 厚みが15~100μmである請求項1~5のいずれかに記載の積層フィルム。
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