JP2022182542A - 光硬化性樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

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Sachiko Takano
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Abstract

【課題】優れた防曇性を有するとともに、長期にわたりその防曇性を持続できる塗膜を形成するために用いられる光硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】式(NB)で表される構造単位と、無水マレイン酸構造単位とを含むポリマーと、光ラジカル重合開始剤と、反応性界面活性剤と、を含む、光硬化性樹脂組成物。TIFF2022182542000043.tif58153(式(NB)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~30の有機基であり、a1は0、1または2である。)【選択図】なし

Description

本発明は、光硬化性樹脂組成物およびその用途に関する。より詳細には、本発明は、防曇コーティング材料として使用される光硬化性樹脂組成物、および当該防曇コーティング材料が塗工された物品に関する。
ガラス板の代替として軽量化や成形性の観点から樹脂成形体が広く用いられている。用途として、自動車部品、家電部品、ハウジング、容器、フィルム、シート等の広い分野で使用されている。特に透明プラスチックは、各種窓、光学用レンズ、ミラー、眼鏡、ゴーグル、遮音壁、信号機灯のレンズ、前照灯レンズ、カーブミラー、風防、銘板等に使用されている。しかし、プラスチック等の樹脂基材は、外気との温湿度差により、基材の一方の面が露点温度以下になった場合や、急激な温湿度変化が生じた場合に基材表面が結露し、表面に微細な水滴が付着し透過光を散乱することがある。そのような場合、樹脂成形体は、透明性が損なわれ、いわゆる曇りが発生する。
上記の曇りの発生を防止する(防曇)方法として基材の表面に、親水性樹脂および界面活性剤などを混合した溶液を塗装し、塗膜(乾燥塗膜あるいは硬化塗膜)を形成させる方法が知られている。
この方法は、塗膜中に含まれる界面活性剤が、付着した水滴の接触角を下げ、基材表面に付着した水分が水滴とはならず水膜となることにより、光の散乱を起こさないことで防曇効果を発現させる。また、当該方法は、界面活性剤による水滴の接触角低下が迅速に起こるため、防曇効果が速やかに発現できる。
しかし、上記の塗膜の実使用を考慮した場合(例えば、長期間使用した場合、または塗膜表面を水拭きした場合など)、塗膜内部中の界面活性剤が容易に流出し、防曇性が低下してしまう。一方、界面活性剤を多量に添加することにより、防曇持続性を多少向上させることができるが、大幅に向上することはできず、また、塗膜が傷つき易くなり、塗膜の外観も低下してしまう問題がある。
このような界面活性剤の流出を防ぐために、水に溶けにくい界面活性剤を使用する方法(特許文献1)が報告されている。
特開2015-86370号公報
しかしながら、特許文献1における技術においても、界面活性剤の流出を完全には防ぐことができず、また長期にわたり界面活性剤の流出を抑制して防曇性を維持する点において改善の余地があった。
本発明は上記課題を鑑みなされたものであり、親水性基を有する特定の構造単位を含むポリマーから得られる塗膜が、優れた防曇性を有するとともに、長期にわたりその防曇性を持続できることを見出し完成されたものである。
本発明によれば、
式(NB)で表される構造単位と、式(1)で表される構造単位とを含むポリマーと、
光ラジカル重合開始剤と、
反応性界面活性剤と、を含む、光硬化性樹脂組成物が提供される。
Figure 2022182542000001
(式(NB)中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~30の有機基であり、aは0、1または2である。)
Figure 2022182542000002
(式(1)中、Rは、2以上の(メタ)アクリロイル基を有する基である。)
また本発明によれば、
熱可塑性樹脂からなる基材と、
前記基材の表面の少なくとも一部に形成された塗膜と、を備え、
前記塗膜は、上記光硬化性樹脂組成物の硬化膜からなる、物品が提供される。
さらにまた本発明によれば、
上記光硬化性樹脂組成物を基材に塗布して、前記基材上に前記光硬化性樹脂組成物の塗布膜を形成する工程と、
前記塗布膜に光照射することにより前記塗布膜を硬化して、硬化膜を得る工程と、を含む、硬化膜の製造方法が提供される。
本発明によれば、優れた防曇性を有するとともに、長期にわたりその防曇性を持続できる塗膜を形成するために用いられる光硬化性樹脂組成物、当該光硬化性樹脂組成物を塗工して得られる物品、および当該光硬化性樹脂組成物を用いて硬化樹脂膜を作製する方法が提供される。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、「a以上b以下」を意味する。例えば、「5~90質量%」とは「5質量%以上90質量%以下」を意味する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものとの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
特に、本明細書における「(メタ)アクリロイル基」とは、-C(=O)-CH=CHで表されるアクリロイル基と、-C(=O)-C(CH)=CHで表されるメタクリロイル基とを包含する概念を表す。
[光硬化性樹脂組成物]
本発明の光硬化性樹脂組成物(明細書中、「樹脂組成物」と称する場合がある)は、
式(NB)で表される構造単位と、式(1)で表される構造単位とを含むポリマーと、
光ラジカル重合開始剤と、
反応性界面活性剤と、を含む。
Figure 2022182542000003
式(NB)中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~30の有機基であり、aは0、1または2である。
Figure 2022182542000004
式(1)中、Rは、2以上の(メタ)アクリロイル基を有する基である。
本実施形態の樹脂組成物は、式(NB)で表される構造単位と、式(1)で表される構造単位とを含むポリマー(本明細書中、「ポリマー(P)」と称する)を含み、このポリマー(P)は、側鎖に2以上の(メタ)アクリロイル基を有する。本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、ポリマー(P)に加え、光ラジカル重合開始剤と、反応性界面活性剤とを含み、この反応性界面活性剤は、光照射により活性化された光ラジカル重合開始剤の作用により、ポリマー(P)が有する(メタ)アクリロイル基や、増感剤が有するチオール基と架橋反応して、架橋構造体を生成する。生成した架橋構造体は、水不溶性である。また反応性界面活性剤は、親水性の官能基を有しているため、生成した架橋構造体は、この反応性界面活性剤由来の親水性官能基を有する。
この架橋構造体は、基材表面に塗工された場合、基材表面上に塗膜を形成する。この架橋構造体は、反応性界面活性剤由来の親水性官能基を有するため、得られる塗膜は親水性を有し、よって、当該塗膜に水(水蒸気)が付着した場合、水は水滴とならずに、水膜を形成する。これにより、当該塗膜が塗工された基材は、防曇性を発現する。またこの架橋構造体は、立体網目構造を有し水不溶性であるため、得られた塗膜が水に晒された場合であっても、水に溶解したり、脱離したりしない。さらに架橋構造体は、その主鎖に、反応性界面活性剤由来の親水性基が共有結合された構造を有する。そのため、架橋構造体からなる塗膜が水に晒された場合であっても、架橋構造体からこの反応性界面活性剤由来の親水性基が脱離しない。よって、架橋構造体からなる塗膜は、優れた防曇維持性を備える。
以下に本実施形態の熱硬化性樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
(ポリマー(P))
本実施形態の樹脂組成物に用いられるポリマー(P)は、式(NB)で表される構造単位と、式(1)で表される構造単位とを含む。
Figure 2022182542000005
式(NB)中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~30の有機基であり、aは0、1または2である。
Figure 2022182542000006
式(1)中、Rは、2以上の(メタ)アクリロイル基を有する基である。
本実施形態の樹脂組成物に用いられるポリマー(P)は、式(1)で表される構造単位を含む。換言すると、ポリマー(P)は、2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する構造単位を含む。これにより、ポリマー(P)は優れた感度を有し、このポリマー(P)は、光照射処理により、反応性界面活性剤と架橋反応し得る。また、ポリマー(P)は、式(NB)で表される構造単位を含む。この構造単位(NB)は、化学的に堅牢である。そのため、これを必須の構成要素として含むポリマー(P)は、耐久性、対候性に優れる。
ポリマーPの全構造単位中の、式(NB)で表される構造単位の割合は、好ましくは10~90モル%、より好ましくは30~70モル%、さらに好ましくは40~60モル%である。
ポリマーPの全構造単位中の、式(1)で表される構造単位の割合は、好ましくは3~40モル%、より好ましくは3~30モル%である。
一実施形態において、ポリマー(P)は、上記構造単位(NB)および構造単位(1)に加え、式(2)で表される構造単位を含んでもよい。
Figure 2022182542000007
式(2)中、Rは、1つの(メタ)アクリロイル基を有する基である。
ポリマー(P)が式(2)で表される構造単位を含む場合、ポリマー(P)の全構造単位中の、式(2)で表される構造単位の割合は、好ましくは5~30モル%、より好ましくは10~25モル%である。
式(2)で表される単位は、1つの(メタ)アクリロイル基を有し、このような構造単位を有するポリマー(P)は、光照射処理に対する感度に優れ、反応性界面活性剤との架橋反応性に優れる。
一実施形態において、ポリマー(P)は、上記構造単位に加え、式(MA)で表される構造単位を含んでもよい。ポリマー(P)が、式(MA)で表される構造単位を含む場合、ポリマー(P)の全構造単位中の、式(MA)で表される構造単位は、好ましくは、10~30モル%、より好ましくは、15~25モル%である。
Figure 2022182542000008
ポリマー(P)を構成する式(NB)で表される構造単位において、R~Rを構成し得る炭素数1~30の有機基としては、置換または無置換の、直鎖または分岐鎖の炭素数1~30のアルキルが挙げられ、より具体的には、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ヘテロ環基、カルボキシル基などが挙げられる。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
アルケニル基としては、例えばアリル基、ペンテニル基、ビニル基などが挙げられる。
アルキニル基としては、例えばエチニル基などが挙げられる。
アルキリデン基としては、例えばメチリデン基、エチリデン基などが挙げられる。
アリール基としては、例えばトリル基、キシリル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基が挙げられる。
アラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
アルカリル基としては、例えばトリル基、キシリル基などが挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基などが挙げられる。
ヘテロ環基としては、例えばエポキシ基、オキセタニル基などが挙げられる。
式(NB)で表される構造単位における、R、R、RおよびRとしては水素またはアルキル基が好ましく、水素がより好ましい。
なお、R、R、RおよびRの炭素数1~30の有機基中の水素原子は、任意の原子団により置換されていてもよい。例えば、フッ素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基などで置換されていてもよい。より具体的には、R、R、RおよびRの炭素数1~30の有機基として、フッ化アルキル基などを選択してもよい。
式(NB)で表される構造単位において、aは好ましくは0または1、より好ましくは0である。
ポリマー(P)を構成する式(1)で表される構造単位において、Rは、2個以上の(メタ)アクリロイル基を含む基であり、好ましくは(メタ)アクリロイル基を2~6個含む基であり、より好ましくは(メタ)アクリロイル基を3~5個含む基である。Rが含む(メタ)アクリロイル基の数を最適にすることで、これを含むポリマー(P)の架橋反応性をより高めることができる。また、ポリマー(P)と架橋剤と反応性界面活性剤との架橋反応により得られる架橋構造体の耐久性を改善することができる。
式(1)におけるRは、式(1b)で表される基、式(1c)で表される基、または式(1d)で表される基であることが好ましい。このような基であることで、上記の各種効果を得やすい傾向がある。
Figure 2022182542000009
式(1b)中、
kは2または3であり、
Rは水素原子またはメチル基であり、複数のRは同じでも異なっていてもよく、
は単結合、炭素数1~6のアルキレン基または-Z-X-で表される基(Zは-O-または-OCO-であり、Xは炭素数1~6のアルキレン基である)であり、複数存在するXは同一であっても異なっていてもよく、
'は単結合、炭素数1~6のアルキレン基または-X'-Z'-で表される基(X'は炭素数1~6のアルキレン基であり、Z'は-O-または-COO-である)であり、
は炭素数1~12のk+1価の有機基である。
Rは、架橋反応性の点などから、水素原子が好ましい。
kは、2でも3でもよいが、原料の入手容易性や架橋反応性の一層の向上の点からは、好ましくは3である。
が炭素数1~6のアルキレン基である場合、アルキレン基は直鎖状であっても分枝状であってもよい。
が炭素数1~6のアルキレン基である場合、Xは好ましくは直鎖状アルキレン基であり、より好ましくは炭素数1~3の直鎖状アルキレン基であり、さらに好ましくは-CH-(メチレン基)である。
が-Z-X-で表される基(Zは-O-または-OCO-であり、Xは炭素数1~6のアルキレン基である)場合の、Xの炭素数1~6のアルキレン基は、直鎖状であっても分枝状であってもよい。
Xの炭素数1~6のアルキレン基は、好ましくは直鎖状アルキレン基であり、より好ましくは炭素数1~3の直鎖状アルキレン基であり、さらに好ましくは-CH-CH-(エチレン基)または-CH-CH(CH)-である。
'が炭素数1~6のアルキレン基である場合、その具体的態様についてはXと同様である。
'が-X'-Z'-で表される基である場合、X'の具体的態様については上記Xと同様である。
の炭素数1~12のk+1価の有機基としては、任意の有機化合物からk+1個の水素原子を除いた任意の基を挙げることができる。ここで、任意の有機化合物としては、例えば分子量300以下、好ましくは200以下、より好ましくは100以下の有機化合物である。
は、例えば、炭素数1~12(好ましくは炭素数1~6)の直鎖状または分枝状炭化水素からk+1個の水素原子を除いた基である。より好ましくは、炭素数1~3の直鎖状炭化水素からk+1個の水素原子を除いた基である。なお、ここでの炭化水素は、酸素原子(例えばエーテル結合やヒドロキシ基など)を含んでもよい。また、炭化水素は飽和炭化水素であることが好ましい。
Figure 2022182542000010
式(1c)中、
k、R、XおよびXは、それぞれ、式(1b)におけるR、k、XおよびXと同義であり、複数のRは互いに同一であっても異なっていてもよく、複数のXは互いに同一であっても異なっていてもよく、
は、炭素数1~6の2価の有機基であり、
およびXは、それぞれ独立に、単結合または炭素数1~6の2価の有機基であり、
は、炭素数1~6の2価の有機基である。
R、k、XおよびXの具体的態様、好ましい態様などについては、一般式(1b)で説明したものと同様である。
およびXの炭素数1~6の2価の有機基としては、例えば、炭素数1~6の直鎖状または分枝状炭化水素から2個の水素原子を除いた基を挙げることができる。なお、ここでの炭化水素は、酸素原子(例えばエーテル結合やヒドロキシ基など)を含んでもよい。また、炭化水素は飽和炭化水素であることが好ましい。
およびXの炭素数1~6の2価の有機基としては、直鎖状または分枝状アルキレン基を挙げることができる。直鎖状または分枝状アルキレン基の炭素数は好ましくは1~3である。
Figure 2022182542000011
式(1d)中、
nは、2~5の整数であり、
Rは、独立して、水素原子またはメチル基である。
式(2)で表される構造単位において、Rは、例えば、以下式(2a)で表される基である。
Figure 2022182542000012
式(2a)において、X10は2価の有機基であり、Rは水素原子またはメチル基である。
10の総炭素数は、好ましくは1~30、より好ましくは1~20である、さらに好ましくは1~10である。
式(2a)において、X10は2価の有機基であり、Rは水素原子またはメチル基である。
10の総炭素数は、好ましくは1~30、より好ましくは1~20である、さらに好ましくは1~10である。
10の2価の有機基としては、例えばアルキレン基が好ましい。このアルキレン基中の一部の-CH-はエーテル基(-O-)となっていてもよい。アルキレン基は、直鎖状でも分枝状でもよいが、直鎖状であることがより好ましい。
10の2価の有機基としてより好ましくは、総炭素数3~6の直鎖状アルキレン基である。X10の炭素数(X10の鎖長)を適切に選択することで、式(2)で表される構造単位が架橋反応に一層関与しやすくなり、架橋反応性を高めることができる。
10の2価の有機基(例えばアルキレン基)は、任意の置換基で置換されていてもよい。置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基などを挙げることができる。
また、X10の2価の有機基は、アルキレン基以外の任意の基であってよい。例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、エーテル基、カルボニル基、カルボキシ基等から選ばれる1種又は2種以上の基を連結して構成される2価の基であってもよい。
なお、ポリマー(P)中に含まれる各構造単位の含有量(比率)は、ポリマーを合成する際に用いる原料の仕込み量(モル量)、合成後に残存する原料の量、各種スペクトル(例えば、IRスペクトル、H-NMRスペクトル、13C-NMRスペクトル)のピークの存在、およびピーク面積などから推定/算出することができる。
ポリマー(P)の重量平均分子量Mwは、例えば、1000~22000であり、好ましくは2000~20000、より好ましくは3000~18000、さらに好ましくは3000~16000である。重量平均分子量を適切に調整することで、ポリマー(P)から得られる架橋構造体の特性を制御することができる。
また、ポリマー(P)の分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、好ましくは1.0~5.0、より好ましくは1.0~3.0、さらに好ましくは1.0~2.0である。分散度を適切に調整することで、ポリマー(P)の物性を均質にすることができ、好ましい。なお、これらの値は、ポリスチレンを標準物質として用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求めることができる。
ポリマー(P)は、本発明が属する分野で公知の方法により製造(合成)することができる。ポリマー(P)は、例えば、
工程(I):式(NB)で表される構造単位と、式(MA)で表される構造単位とを含む原料ポリマーを準備する工程、および
工程(II):工程(I)で得られた原料ポリマーと、ヒドロキシル基および2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(多官能(メタ)アクリルモノマー)および/またはヒドロキシル基および1つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物(単官能(メタ)アクリルモノマー)とを、塩基性触媒の存在下で反応させて、式(NB)で表される構造単位、ならびに式(1)で表される構造単位および/または式(2)で表される構造単位を含み、場合によりさらに式(MA)で表される構造単位を含むポリマー(P)を調製する工程、により製造できる。
(光ラジカル重合開始剤)
本実施形態の樹脂組成物に用いられる光ラジカル重合開始剤としては、公知の化合物を用いることができ、例えば、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシー2-フェニルアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-〔4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-〔(4-メチルフェニル)メチル〕-1-〔4-(4-モルホリニル)フェニル〕-1-ブタノン等のアルキルフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2-カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ等のベンゾイン系化合物;チオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシカルボキニルナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン等のハロメチル化トリアジン系化合物;2-トリクロロメチル-5-(2'-ベンゾフリル)-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-〔β-(2'-ベンゾフリル)ビニル〕-1,3,4-オキサジアゾール、4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-フリル-1,3,4-オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール系化合物;2,2'-ビス(2-クロロフェニル)-4,4',5,5'-テトラフェニル-1,2'-ビイミダゾール、2,2'-ビス(2,4-ジクロロフェニル)-4,4',5,5'-テトラフェニル-1,2'-ビイミダゾール、2,2'-ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)-4,4',5,5'-テトラフェニル-1,2'-ビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物;1-[4-(フェニルチオ)フェニル〕-1,2―オクタンジオン(O-ベンゾイルオキシム)、1-(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)エタノン(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウム等のチタノセン系化合物;p-ジメチルアミノ安息香酸、p-ジエチルアミノ安息香酸等の安息香酸エステル系化合物;9-フェニルアクリジン等のアクリジン系化合物;等が挙げられる。光ラジカル重合開始剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、入手容易性の観点から、1-[4-(フェニルチオ)フェニル〕-1,2―オクタンジオン(O-ベンゾイルオキシム)、1-(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)エタノン(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物が好ましく用いられる。
光ラジカル重合開始剤は、ポリマー(P)100質量部に対し、例えば、1~20質量部の量で、好ましくは、3~10質量部の量で用いられる。
(反応性界面活性剤)
本実施形態の樹脂組成物は反応性界面活性剤を含む。反応性界面活性剤とは、上述のポリマー(P)が有する(メタ)アクリロイル基と重合可能な界面活性剤を指し、具体的には、(メタ)アクリロイル基のエチレン性不飽和結合と重合反応し得る反応性官能基を有する界面活性剤を意味する。ここで反応性官能基は、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられ、好ましくは、ビニル基である。本実施形態の樹脂組成物は、光照射により、これに含まれる光ラジカル開始剤の作用により、上記ポリマー(P)が有する(メタ)アクリロイル基と、反応性界面活性剤が有する反応性官能基とが重合反応して、架橋構造体が生成する。
使用できる反応性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンKH-05、KH-10、KH-20、株式会社ADEKA製アデカリアソープSR-10N、SR-20N、花王製ラテムルPD-104など)、ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩系(市販品としては、第一工業製薬株式会社製アクアロンAR-10、AR-20など)、スルフォコハク酸エステル系(市販品としては、例えば、花王株式会社製ラテムルS-120、S-120A、S-180P、S-180A、三洋化成株式会社製エレミノールJS-2など)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩系もしくはポリオキシエチレンアルキルフェニルエステル硫酸塩系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンHS-10、HS-20、HS-30、BC-10、BC-20、株式会社ADEKA製アデカリアソープSDX-222、SDX-223、SDX-232、SDX-233、SDX-259、SE-10N、SE-20N、など)、(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製アントックスMS-60、MS-2N、三洋化成工業株式会社製エレミノールRS-30など)、リン酸エステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製H-3330PL、株式会社ADEKA製アデカリアソープPP-70など)等のアニオン系反応性界面活性剤;および
ポリオキシエチレンアルキルエーテル系(市販品としては、例えば、株式会社ADEKA製アデカリアソープER-10、ER-20、ER-30、ER-40、花王株式会社製ラテムルPD-420、PD-430、PD-450等)、ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル系(市販品としては、第一工業製薬株式会社製アクアロンAN-10、AN-20等)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンRN-10、RN-20、RN-30、RN-50、株式会社ADEKA製アデカリアソープNE-10、NE-20、NE-30、NE-40等)、(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製RMA-564、RMA-568、RMA-1114)等のノニオン系反応性界面活性剤等が挙げられる。
本実施形態の反応性界面活性剤は、特に、以下の式(sf1)で表されるアニオン性界面活性剤または、以下の式(sf2)で表されるノニオン性界面活性剤であることが好ましい。
Figure 2022182542000013
式(sf1)において、qは、8~35の整数であり、好ましくは、8~20の整数である。式(sf1)中のRは、炭素数1~20のアルキル基であり、好ましくは、炭素数1~15のアルキル基である。
Figure 2022182542000014
式(sf2)において、rは、8~35の整数であり、好ましくは、8~20の整数である。式(sf2)中のRは、炭素数1~20のアルキル基であり、好ましくは、炭素数1~15のアルキル基である。
反応性界面活性剤の量は、ポリマー(P)100質量部に対し、例えば、1~40質量部の量、好ましくは、5~40質量部の量、より好ましくは、10~30質量部の量で用いられる。樹脂組成物中、上記範囲の量でポリマー(P)と反応性界面活性剤とが配合されることにより、これらの架橋反応により生成する架橋構造体は、耐水性を発現するのに十分な高分子量を有するとともに、防曇性を発現するのに十分な親水性官能基を有する。
(増感剤)
一実施形態において、本発明の樹脂組成物は、増感剤を含んでもよく、この増感剤としては少なくとも2つのチオール基を含有する化合物が用いられる。増感剤として使用される化合物としては、以下の式(s-1)~(s-20)が挙げられる。これらの増感剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 2022182542000015
Figure 2022182542000016
Figure 2022182542000017
Figure 2022182542000018
Figure 2022182542000019
Figure 2022182542000020
Figure 2022182542000021
Figure 2022182542000022
Figure 2022182542000023
Figure 2022182542000024
Figure 2022182542000025
Figure 2022182542000026
Figure 2022182542000027
Figure 2022182542000028
Figure 2022182542000029
Figure 2022182542000030
Figure 2022182542000031
Figure 2022182542000032
Figure 2022182542000033
Figure 2022182542000034
本実施形態の樹脂組成物が増感剤を含む場合、その量は、樹脂組成物の固形分全体に対して、例えば、1~30質量%であり、好ましくは、5~20質量%である。
(架橋剤)
一実施形態において、樹脂組成物は架橋剤を含んでもよく、この架橋剤としては少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物(本明細書中、「多官能(メタ)アクリル化合物」と称する)が用いられる。なお、架橋剤としての多官能(メタ)アクリル化合物は、上記ポリマー(P)には該当しない。樹脂組成物の光硬化処理により、上記ポリマー(P)と反応性界面活性剤とこの架橋剤とのアクリル硬化反応が進行して、架橋構造体が生成する。架橋剤一分子あたりの官能数(重合性二重結合の数)の上限は特にないが、例えば8以下、好ましくは6以下である。
架橋剤として具体的には、以下を挙げることができる。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の、多官能(メタ)アクリレート類。
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の、多官能ビニルエーテル類。
(メタ)アクリル酸2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1-メチル-2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5-ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6-ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4-ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p-ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2-(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2-(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル等の、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類。
エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、ブチレングリコールジアリルエーテル、ヘキサンジオールジアリルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジアリルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタアリルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル等の、多官能アリルエーテル類。
(メタ)アクリル酸アリル等の、アリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類。
トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキレンオキシド付加トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキレンオキシド付加トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等の、多官能(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート類。
トリアリルイソシアヌレート等の、多官能アリル基含有イソシアヌレート類。
トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の多官能イソシアネートと(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル等の、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類との反応で得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート類。
ジビニルベンゼン等の、多官能芳香族ビニル類。
なかでも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等の三官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の四官能(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の六官能(メタ)アクリレート等が好ましい。
架橋剤が用いられる場合、その配合量は、上記ポリマー(P)100質量部に対して、例えば、10~60質量部であり、好ましくは、10~50質量部であり、より好ましくは、15~45質量部である。
(密着助剤)
一実施形態において、本発明の樹脂組成物は密着助剤を含んでもよい。密着助剤は、樹脂組成物からなる塗膜とこれが塗布された基材との密着性を向上するために用いられる。密着助剤としては、シランカップリング剤が好ましく用いられ、シランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニルシラン;2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン;p-スチリルトリメトキシシランなどのスチリルシラン;3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのメタクリルシラン;メタクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピル、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリルシラン;N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン;イソシアヌレートシラン;アルキルシラン;3-ウレイドプロピルトリアルコキシシランなどのウレイドシラン;3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシラン;3-イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネートシラン等が挙げられる。シランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
密着助剤を用いる場合、その配合量は、樹脂組成物の固形分全体に対して、例えば、0.01~5質量%であり、好ましくは、0.1質量%~4質量%であり、より好ましくは、1~3質量%である。
(溶剤)
本実施形態の樹脂組成物は、典型的には、溶剤を含む。溶剤としては有機溶剤が好ましく用いられる。具体的には、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ラクトン系溶剤、カーボネート系溶剤などのうち1種または2種以上を用いることができる。
溶剤の例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル、メチルイソブチルカルビノール(MIBC)、ガンマブチロラクトン(GBL)、N-メチルピロリドン(NMP)、メチル-n-アミルケトン(MAK)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、シクロヘキサノン、またはこれらの混合物を挙げることができる。
[光硬化性樹脂組成物の製造]
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、上述のポリマー(P1)、光ラジカル重合開始剤、および反応性界面活性剤、ならびに必要に応じて上述の密着助剤および増感剤を、上記の溶媒に溶解または分散させて、液状またはワニス状の樹脂組成物として提供される。
溶剤の使用量は特に限定されないが、不揮発成分(固形分)の濃度が例えば10~50質量%、好ましくは15~40質量%となるような量で使用される。
本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じて、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、艶消し剤、消泡剤、レベリング剤等のその他の成分を含んでもよい。本実施形態の樹脂組成物が界面活性剤を含む場合、その量は、例えば、樹脂組成物の固形分全体に対して、5質量%以下であり、好ましくは、3質量%以下であり、より好ましくは全く含まない。ここでこの「界面活性剤」は、上述の「反応性界面活性剤」とは別の、本実施形態の樹脂組成物の光硬化物中に導入されない、別途配合された界面活性剤を指す。本実施形態の樹脂組成物は、界面活性剤を含まないため、塗膜が水に晒された場合の界面活性剤のブリードアウトの問題が生じない。よって、外観が優れた塗膜が得られる。
本実施形態の樹脂組成物から得られる塗膜は、優れた防曇性を備える。本実施形態において、防曇性は、塗膜の水に対する接触角を指標として評価することができる。本実施形態の樹脂組成物から得られる塗膜は、高い親水性を有し、よって付着した水滴の接触角を下げ、水膜を形成するように作用する。塗膜上に形成された水膜は、光の散乱を起こさないため、結果として防曇効果が得られる。本実施形態の樹脂組成物から得られる塗膜の水に対する接触角は、60°以下であり、好ましくは、50℃以下であり、より好ましくは40°以下であり、さらに好ましくは30°以下であり、さらにより好ましくは20°以下である。なお、接触角の測定は、本実施形態の樹脂組成物を基材に塗布し、120℃で加熱処理して塗膜を得、当該塗膜について、協和界面化学株式会社製「CA-Z」等の市販の装置を用いて測定することができる。
本実施形態の樹脂組成物から得られる塗膜は、水不溶性であり、水に晒された場合であってもその性能、形状、外観の変化がほとんどまたは全くない。本実施形態において、水不溶性であるとは、樹脂組成物を基材に塗布して120℃で恒量に達するまで乾燥させて、塗膜を得、得られた塗膜を飽和に達するまで25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が10g以下であることをいう。
[用途]
本実施形態の光硬化性樹脂組成物を、当該分野で慣用的に用いられる塗装方法により基材に塗装し、必要に応じて乾燥し、その後光照射処理を行うことによって、基材の表面に防曇性を有する塗膜(硬化樹脂膜)を形成することができる。
基材としては、特に限定されず、公知の樹脂基材(部材)が使用可能である。樹脂基材(部材)としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられる。これらの基材は、目的に応じて、適宜、例えばハードコート処理、反射防止処理、透明導電処理、電磁波遮蔽処理、ガスバリア処理等の表面機能化処理を施してもよい。
基材に樹脂組成物を塗工する方法としては、例えば、バーコーター塗装、はけ塗り、流し塗り、浸漬塗り、スプレー塗り、スピンコート、フローコートなど、公知の方法が採用できる。好ましくは、本実施形態の樹脂組成物は、スプレーコータを用いてスプレー塗りにより塗工される。
基板上に塗布した樹脂組成物の乾燥は、典型的にはホットプレート、熱風、オーブン等で加熱処理することで行われる。加熱温度は、通常80~140℃、好ましくは90~120℃である。また、加熱の時間は、通常30~600秒、好ましくは30~300秒程度である。
続いて、樹脂組成物を乾燥して得られた塗布膜に、活性光線を照射して、架橋(硬化)反応により、硬化樹脂膜を得る。
活性光線としては、例えばX線、電子線、紫外線、可視光線などが挙げられる。波長でいうと200~500nmの光が好ましい。パターンの解像度や取り扱い性の点で、光源は水銀ランプのg線、h線又はi線であることが好ましく、特にi線が好ましい。また、2つ以上の光線を混合して用いてもよい。露光装置としては、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション又はステッパ-が好ましい。
露光の光量は、感光性樹脂膜中の感光剤の量などにより適宜調整すればよいが、例えば100~500mJ/cm程度である。
なお、光照射後、必要に応じて、感光性樹脂膜を再度加熱してもよい(露光後加熱:Post Exposure Bake)。その温度は、例えば70~150℃、好ましくは90~120℃である。また、時間は、例えば30~600秒、好ましくは30~300秒である。露光後加熱をすることで、光ラジカル重合開始剤から発生したラジカルによる反応が促進され、硬化反応が一層促される。
本実施形態の樹脂組成物を塗工、光硬化して得られる塗膜の膜厚は、防曇性を向上させる観点から、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましい。また塗膜の膜厚は、塗膜の平滑性を高める観点から、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物が塗工された基材は、例えば、家具、家庭用品、収納又は備蓄用品、壁又は屋根等の建材、玩具又は遊具、パチンコ面盤等の趣味用品、医療用品、福祉用品、OA機器、AV機器、電池電装用品、電気又は電子用品、照明機器、船舶部品、航空機の構造の車体部品、車両部品、光学部品に使用可能であり、特に好ましくは、車両用途や光学用途に用いることができる。
車両用途では、内外装部品として好適であり、特に、ヘッドライトカバー、メーターカバー、またはテールランプカバー等のLED光源が想定される部材に利用することができる。
光学用途としては、例えば、太陽電池に用いられる透明基盤等が挙げられる。その他にも、光通信システム、光交換システム、光計測システムの分野において、導波路、光ファイバー、光ファイバーの被覆材料、LEDレンズ、LED用レンズ(キャップ)カバー、各種LEDやEL照明等のカバー等にも利用することができる。特に好ましくは、光ファイバー、LEDレンズ、LED用レンズ(キャップ)カバー、各種LEDやEL照明等のカバーに利用することができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例中の使用化合物については、以下の略号または商品名で示す場合がある。
・MA:無水マレイン酸
・NB:2-ノルボルネン
・MEK:メチルエチルケトン
・4-HBA:4-ヒドロキシブチルアクリレート
・A-TMM-3LM-N:以下2種の化合物の混合物、ガスクロマトグラフ測定に基づく混合物中の左の化合物の量は約57%(新中村化学工業株式会社製)
Figure 2022182542000035
(調製例1:ポリマー(P1)の調製)
撹拌機および冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸353.02g(3.6mol)と、2-ノルボルネン338.94g(3.6mol)と、ジメチル2,2´-アゾビス(2-メチルプロピオネート)41.45g(0.180mol)とを計量して入れた。これらを、メチルエチルケトン578.98gおよびトルエン113.0gからなる混合溶媒に溶解させ、溶解液を作製した。
この溶解液に対して、30分間窒素を通気して酸素を除去し、次いで、撹拌しつつ温度63℃で9.5時間加熱することで、無水マレイン酸と、2-ノルボルネンとを重合させ、重合溶液を作製した。
上記で得られた重合溶液をメチルエチルケトン712.92gで希釈した後、メタノール8519.9gに滴下することで白色固体を沈殿させた。得られた白色固体を、温度120℃で真空乾燥することにより、2-ノルボルネンに由来する構造単位と、無水マレイン酸に由来する構造単位とを備えるポリマー(p1)を550.4gを得た。
得られたポリマー(p1)をGPC測定した結果、重量平均分子量Mwは11,600であり、多分散度(重量平均分子量Mw)/(数平均分子量Mn)は1.79であった。
次いで、ポリマー(p1)のMA由来の構造単位を、3官能(メタ)アクリル化合物(A-TMM-3LM-N)および単官能(メタ)アクリル化合物(4-HBA)で開環して、ポリマー(P1)を作製した。
具体的には、まず、ポリマー(p1)90g(MA換算0.468モル)に対して、MEK 150.45gを加えて、溶解液を作製した。次いで、この溶解液に対して、A-TMM-3LM-N 87.18gを加え、その後、トリエチルアミン27.00g(0.267モル)を加え、温度70℃で2時間反応させた。さらにその後、4-HBA 84.41g(0.585モル)を加え、温度70℃で4時間反応させ、反応溶液を作製した。
作製された反応溶液をMEKで希釈し、ギ酸水溶液で処理することで、反応溶液から水相を除去した。その後、以下手順でポリマーを精製した。
・過剰量のトルエンでポリマーを再沈殿させた。
・再沈殿で得られたポリマー粉末を、過剰量のトルエンで洗浄する操作を2回繰り返した。
・上記の2回洗浄後のポリマー粉末を、過剰量の水で洗浄する操作を3回行った。
・得られた反応生成物を、40℃で16時間乾燥させた。
以上により、ポリマー(p1)中の無水マレイン酸に由来する構造単位を、A-TMM-3LM-Nおよび4-HBAで開環したポリマー(P1)を得た。
ポリマー(P1)のGPC測定により、使用した多官能(メタ)アクリル化合物および単官能(メタ)アクリル化合物のピークの消失を確認した。これにより、得られたポリマーP1には、未反応の(メタ)アクリル化合物も、水酸基を有さない(メタ)アクリル化合物も含まれないことを確認した。また、得られたポリマー(P1)の重量平均分子量Mwは14,100であり、多分散度(重量平均分子量Mw)/(数平均分子量Mn)は1.69であった。
H-NMR測定により、ポリマー(P1)が、A-TMM-3LM-Nおよび4-HBAで開環された構造を有することを確認した。
[光硬化性樹脂組成物の作製]
(実施例1~9、比較例1)
表1に記載の各成分を、表1に記載の配合量でプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)に溶解し、固形分濃度22質量%の樹脂組成物を作製した。
表1に記載の各成分の詳細を以下に示す。
(ポリマー(P))
・ポリマー(P1):上記調製例1で得たポリマー(P1)
(光ラジカル重合開始剤)
・光ラジカル重合開始剤1:1-[4-(フェニルチオ)フェニル〕-1,2―オクタンジオン(O-ベンゾイルオキシム)(BASF社製、Irgacure OXE01)
(反応性界面活性剤)
・反応性界面活性剤1:以下の式(SR-10)の化合物(式(SR-10)中のRは炭化水素基、ADEKA社製、製品名アデカリアソープSR-10)
Figure 2022182542000036
・反応性界面活性剤2:以下の式(ER-10)の化合物(式(ER-10)中のRは炭化水素基、ADEKA社製、製品名アデカリアソープER-10)
Figure 2022182542000037
(架橋剤)
・架橋剤1:エトキシ化グリセリントリアクリレート(新中村化学工業株式会社製、A-GLY-3E)
・架橋剤2:ジペンタエリスリトールポリアクリレート(新中村化学工業株式会社製、A-DPH)
(増感剤)
・増感剤1:ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、上記式(s-2)のチオール基含有化合物(SC有機化学株式会社製)
(密着助剤)
・密着助剤1:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM-403)
[塗膜の作製および性能評価]
得られた樹脂組成物を、ポリカーボネート板に、2100rpmでスピンコート塗布した。その後、100℃、120秒間ホットプレートにてベークして、PGMEを乾燥除去し、膜厚2.0μmの塗布膜を得た。この塗布膜に、キヤノン社製g+h+i線マスクアライナー(PLA-501F)にて100mJ/cmの露光量でg+h+i線を照射して、樹脂組成物の光硬化膜(塗膜)を得た。
上述で得た塗膜が塗工されたポリカーボネート板を試験片として用いて、以下の項目について評価した。
(防曇性の評価-吐息による曇りの有無)
試験片の塗膜面に吐息を数回吹きかけ、曇りの有無を目視で確認した。結果を、以下の表記で表1に示す。
〇:曇らない
△:一瞬で曇りが消える
×:曇る
(防曇性の評価-80℃蒸気試験)
80℃温水浴に試験片の塗膜面があたるよう設置し、10秒間蒸気をあてた。蒸気をあてた直後に水膜が形成されるかを目視で確認した。結果を以下の評価基準で表1に示す。
◎:きれいな水膜を張る
〇:水膜は張るが波打ちが観察される
×:水滴が形成されるかまたは曇る
(防曇維持性の評価-繰り返し80℃蒸気試験)
80℃温水浴に試験片の塗膜面があたるよう設置し、10秒間蒸気をあてた後、試験片を傾けて乾燥させた。これを50回繰り返した後、蒸気をあてた直後に水膜が形成されるかを目視で確認した。結果を、以下の評価基準で表1に示す。
◎:きれいな水膜を張る
〇:水膜は張るが波打ちが観察される
×:水滴が形成されるかまたは曇る
Figure 2022182542000038
実施例の樹脂組成物から得られた塗膜はいずれも、防曇性に優れるとともに、防曇維持性においても優れていた。

Claims (13)

  1. 式(NB)で表される構造単位と、式(1)で表される構造単位とを含むポリマーと、
    光ラジカル重合開始剤と、
    反応性界面活性剤と、を含む、
    光硬化性樹脂組成物。
    Figure 2022182542000039
    (式(NB)中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~30の有機基であり、aは0、1または2である。)
    Figure 2022182542000040
    (式(1)中、Rは、2以上の(メタ)アクリロイル基を有する基である。)
  2. 前記反応性界面活性剤が、アニオン性の反応性界面活性剤およびノニオン性の反応性界面活性剤から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. 前記ポリマーが、式(2)で表される構造単位をさらに含む、請求項1または2に記載の光硬化性樹脂組成物。
    Figure 2022182542000041
    (式(2)中、Rは、1つの(メタ)アクリロイル基を有する基である。)
  4. 前記ポリマーが、式(MA)で表される構造単位をさらに含む、請求項1乃至3のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
    Figure 2022182542000042
  5. 架橋剤をさらに含み、
    前記架橋剤が、2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である、請求項1乃至4のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  6. 増感剤をさらに含み、
    前記増感剤が、少なくとも2つのチオール基を含有する化合物である、請求項1乃至5のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  7. 密着助剤をさらに含む、請求項1乃至6のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  8. 溶剤をさらに含む、請求項1乃至7のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  9. 熱可塑性樹脂からなる基材と、
    前記基材の表面の少なくとも一部に形成された塗膜と、を備え、
    前記塗膜は、請求項1乃至8のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物の硬化樹脂膜からなる、物品。
  10. 車両用部材である、請求項9に記載の物品。
  11. 前記車両部材が、ヘッドライトカバー、メーターカバー、またはテールランプカバーである、請求項10に記載の物品。
  12. 請求項1乃至8のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を基材に塗布して、前記基材上に前記光硬化性樹脂組成物の塗布膜を形成する工程と、
    前記塗布膜に光照射することにより前記塗布膜を硬化して、硬化樹脂膜を得る工程と、
    を含む、硬化樹脂膜の製造方法。
  13. 光硬化性樹脂組成物を基材に塗布する前記工程が、スプレー塗装により実施される、請求項12に記載の硬化膜の製造方法。
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