JP2022180162A - 極低温流体タンクとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】極低温流体を内部に溜めることができ、大幅に軽量化が可能であり、かつ外部からの入熱を大幅に低減することができる極低温流体タンクとその製造方法を提供する。【解決手段】極低温流体タンク100は、内殻10、外殻シート20、及び真空断熱層30を備える。内殻10は、極低温流体Lを内部に溜める中空空間11と、中空空間と外部を連通する開口部12とを有し、極低温流体Lの内圧P1及び外気圧P2により生じる内部応力を超える引張強度を有する。外殻シート20は、開口部12を除く内殻10の外面を間隔を隔てて囲みその間に密閉空間21を形成する。外殻シート20は、真空断熱層の変形に追従可能な柔軟性とガスバリア性を有する。真空断熱層30は、内殻10と外殻シート20の間の密閉空間21に位置し、内部が真空引きされている。真空断熱層30は、外気圧P2を内殻10に伝達可能な圧縮強度を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、極低温流体を内部に溜めるための極低温流体タンクとその製造方法に関する。
極低温流体(例えば、液体水素など)を内部に溜めるための極低温流体タンクは、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1の「低温液体貯蔵用タンク」は、低温液体を貯蔵する内槽と、内槽を囲繞して内包するように配設される外槽と、内槽と外槽の間に設けられる真空断熱層とを備え、且つ、真空断熱層の中間部に板状の輻射シールド材を配設して構成している。
しかし、特許文献1のタンクは、-253℃(約20K)の超低温の液化水素を貯蔵できるものの、内槽及び外槽が金属製であり、タンク自体の重量(質量)が大きいため、航空宇宙分野(航空機、宇宙船、人工衛星、など)には適用できない。
また、医療用などで低温液体を貯蔵するために小型のクライオタンクが用いられている。
しかし、従来のクライオタンクは金属製であり、重量が大きい。そのため、航空宇宙分野に適用可能な軽量のタンクが求められている。この要望を満たすために、例えば特許文献2が提案されている。
特許文献2の「極低温複合材圧力容器」は、内殻及び外殻を有する耐圧層と、内殻の内面に形成された気密樹脂層と、を備える。また、気密樹脂層の融点以上の加熱に耐え得る繊維強化樹脂複合材で内殻を成形し、内殻の内面に熱可塑型気密性樹脂フィルムを融着することにより気密樹脂層を形成し、気密樹脂層の融点未満の温度で成形される繊維強化樹脂複合材で外殻を成形している。
特開2017-186018号公報 特開2006-62320号公報
上述した特許文献2の極低温複合材圧力容器は、内殻及び外殻はいずれも繊維強化樹脂複合材で成形されるため、容器の軽量化ができる。
しかし、特許文献2の極低温複合材圧力容器には、以下の問題点があった。
(1)外殻は、タンク内に充填される極低温流体の圧力に耐える耐圧用部材であり、かつ内殻よりも大型となる。そのため、外殻の肉厚が大きく、外殻を十分に軽量化できない。
(2)外殻は、内殻の面上にプリプレグを積層し、プリプレグを加圧・加熱して硬化させることにより成形するので、外殻と内殻が一体化している。そのため、外部から外殻及び内殻を通して極低温流体(例えば20Kの液化水素)に入る入熱(熱伝導)が大きい。
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、極低温流体(例えば、液体水素)を内部に溜めることができ、従来よりも大幅に軽量化が可能であり、かつ外部からの入熱を大幅に低減することができる極低温流体タンクとその製造方法を提供することにある。
本発明によれば、極低温流体を内部に溜める中空空間と、該中空空間と外部を連通する開口部とを有し、前記極低温流体の内圧及び外気圧に耐える剛性を有する内殻と、
前記開口部を除く前記内殻の外面を間隔を隔てて囲みその間に密閉空間を形成する外殻シートと、
前記内殻と前記外殻シートの間の前記密閉空間に位置し、内部が真空引きされた真空断熱層と、を備える極低温流体タンクであって、
前記内殻は、前記内圧及び前記外気圧により生じる内部応力を超える引張強度を有し、
前記真空断熱層は、前記外気圧を前記内殻に伝達可能な圧縮強度を有し、
前記外殻シートは、前記真空断熱層の変形に追従可能な柔軟性とガスバリア性を有する、ことを特徴とする極低温流体タンクが提供される。
また本発明によれば、上記の極低温流体タンクの製造方法であって、
(A)前記中空空間に相当する形状を有し分解可能なマンドレルを準備し、
(B)前記マンドレルの外面に前記内殻を成形し、
(C)前記開口部を除く前記内殻の外面に前記真空断熱層を取り付け、
(D)前記外殻シートを、前記真空断熱層の外面に沿って位置決めして、前記内殻に固定して取り付け、
(E)前記真空断熱層を真空引きする、極低温流体タンクの製造方法が提供される
本発明によれば、内殻が、中空空間と開口部を有し、極低温流体の内圧及び外気圧により生じる内部応力を超える引張強度を有するので、極低温流体(例えば、液体水素)を内部の中空空間に溜めることができる。
また、本発明によれば、真空断熱層が外気圧を内殻に伝達可能な圧縮強度を有し、外殻シートが真空断熱層の変形に追従可能な柔軟性とガスバリア性を有する。
この構成により、極低温流体タンクに作用する外気圧(例えば大気圧)は、外殻シートと真空断熱層を介して内殻に作用するため、耐圧用部材は内殻のみであり、極低温流体タンクを従来よりも大幅に軽量化できる。
さらに、内殻と外殻シートの間に位置し内部が真空引きされた真空断熱層を有するので、外部からの入熱を大幅に低減することができる。
本発明による極低温流体タンクの全体断面図である。 図1のA部拡大図である。 本発明による極低温流体タンクの製造方法の第1工程を示す模式図である。 本発明による極低温流体タンクの製造方法の第2工程を示す模式図である。 フィラメントワインディング工程の説明図(一例)である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明による極低温流体タンク100の全体断面図である。
この図において、極低温流体タンク100は、内殻10、外殻シート20、及び真空断熱層30を備える。
内殻10は、極低温流体Lを内部に溜める中空空間11と、中空空間11と外部を連通する開口部12とを有し、極低温流体Lの内圧P1及び外気圧P2に耐える剛性を有する。
内殻10は、内圧P1及び外気圧P2により生じる内部応力を超える引張強度を有する。
極低温流体Lは、この例では液体水素(LH2)である。液体水素の温度は約-253℃の極低温である。
外殻シート20は、開口部12を除く内殻10の外面を間隔を隔てて囲み、その間に密閉空間21を形成する。
外殻シート20は、真空断熱層30の変形に追従可能な柔軟性とガスバリア性を有する。
外殻シート20は、高気密性プラスチックシートである、ポリエチレンビニルアルコール(EVOH)系シート、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)系シート、又はナイロン系シートである、のがよい。ナイロン系シートは、ポリアミド6(ナイロン6)、又はポリアミドMXD6(ナイロンMXD6)であるのがよい。
これらの高気密性プラスチックシートを用いることにより、例えば航空機の水素燃料タンクとして極低温流体タンク100を用いる場合に、航空機の連続使用時間(例えば24hr)の間、真空断熱層30の真空度を所望の範囲に維持することができる。
真空断熱層30は、内殻10と外殻シート20の間の密閉空間21に位置し、内部が真空引きされている。また、真空断熱層30は、外気圧P2を内殻10に伝達可能な圧縮強度を有する。
内部の真空度は、航空機の連続使用時間の間に気化する液体水素(LH2)の比率が例えば10%未満になるように設定する。
図2は、図1のA部拡大図である。
この図において、内殻10は、中空容器14と口金16を有する。
口金16は、金属、繊維強化プラスチックP、又は、スーパーエンジニアリングプラスチックであるのがよい。また、中空容器14は、繊維強化プラスチックPからなるのがよい。
繊維強化プラスチックPは、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)であることが好ましい。
なお、繊維強化プラスチックPは、ガラス繊維強化プラスチック、アラミド繊維強化プラスチック、等であってもよい。
中空容器14は、極低温流体Lを内部に溜める容器である。またこの例で、中空容器14は、軸心Zを中心とする中空回転体である。
口金16は、中空容器14に連結されその内側に内殻10の開口部12を有する。開口部12は例えば極低温流体Lの流路である。
口金16と中空容器14の連結手段は、液密ライナ42(後述する)が熱可塑性樹脂の場合、あるいは、ライナレスで中空容器14が熱可塑性CFRPの場合は溶着であるのがよい。また、熱硬化性CFRPの場合は接着であるのがよい。
口金16は、真空断熱層30と口金外面16aとを連通し、真空断熱層30を真空引きするための真空引き通路16bを有する。この例で、口金16は、中空回転体(中空容器14)の軸心上に位置し軸心Zを中心とする中空円筒部材である。
なお、真空引き通路16bは図の左右どちらか一方の口金16にだけ設けても良い。また、口金16は図の左右両端ではなく一方だけに配置しても良い。
図2において、極低温流体タンク100は、さらに液密ライナ42を有する。
液密ライナ42は、中空容器14の内面に接して位置し極低温流体Lに対する液密性を有する。
すなわち液密ライナ42と中空容器14は、極低温に冷却された際に自由に収縮できるように互いに接着されず、単に接している。
また、液密ライナ42は、極低温流体Lに対する耐食性を有し、かつ中空容器14の変形に追従可能な柔軟性を有する耐食性樹脂Rからなる。
耐食性樹脂Rは、好ましくはフッ素シートであるが、これに限定されす、テープワインディングによる熱可塑性樹脂のシートであってもよい。
なお、液密ライナ42は必須ではなく、中空容器14が液密性と耐食性を有する限りで、省略してもよい。
図2において、真空断熱層30は、断熱繊維布32とハニカム材34とを有する。
断熱繊維布32は、極低温用であり、中空容器14の外面に沿って位置し連続空隙を有する。断熱繊維布32は、例えばガラスクロス、又はガラス繊維であり、内殻10からハニカム材34への入熱を低減する断熱材として機能する。断熱繊維布32の役割は、熱伝達を遮ることと、真空引きする際の空気流路の確保、の2点にある。
断熱繊維布32は、フィラメントワインディングによるガラス繊維の層であってもよい。
ハニカム材34は、単層又は複数層であり、断熱繊維布32の表面に沿って位置する。
ハニカム材34は、樹脂、FRP、アルミ等からなるのがよい。ハニカム材34は、薄板又は薄片からなる中空多角形柱(好ましくは6角形)の集合体であり、薄板又は薄片が内殻10から外殻シート20の方向に向くように位置する。この構成により、薄板又は薄片を介する伝熱を小さくできる。
薄板又は薄片の厚さは、外気圧P2を内殻10に伝達可能な圧縮強度を有する限りで、極薄に形成されている。薄板又は薄片の厚さは、10~100μmであるのがよい。
ハニカム材34は、断熱繊維布32の表面に沿った形状に予め例えば3Dプリンタで形成する。また、平板状のハニカム材から断熱繊維布32の表面に沿うセグメントを切り出してもよい。
なお、断熱繊維布32は必須ではなく、真空断熱層30の断熱性能を満たす限りで、省略してもよい。
また、複数層のハニカム材34の間に、輻射伝熱を低減するための輻射シールド(例えば、アルミ蒸着フィルム等)を設けてもよい。
図2において、極低温流体タンク100は、さらに、真空断熱層30と外殻シート20の間に、外殻シート20を支持する支持層44を有する。
支持層44は、例えば樹脂を含まない炭素繊維布である。支持層44は、外気圧P2によりハニカム材34の中空多角形の開口内に外殻シート20が凹むのを低減する。この構成により、真空断熱層30の変形に追従して外殻シート20が容易に変形することができ、外殻シート20の損傷を低減することができる。
真空断熱層30は、極低温流体Lの内圧P1及び外気圧P2による内殻10の変形に追従する。
また真空断熱層30の変形に伴う外殻シート20の変形は許容する。すなわち、外殻シート20は、真空断熱層30の変形に追随するような伸びがある材質を選定するか、あらかじめ変形に追随するしわやたわみを設けて施工する。これにより、外殻シート20の損傷を防ぐことができる。
なお、支持層44は必須ではなく、外殻シート20が容易に変形できる限りで、省略してもよい。
また、極低温流体タンク100は、さらに、外殻シート20の外面に輻射シールド46を有する。この構成により、外部からの輻射伝熱を低減することができる。
なお輻射シールド46を外殻シート20の支持層44の代わりとしてハニカム材34の上に配置しても良い。
図2において、口金16は、内側口金52、外側口金54、及び連結部材56を有する。
内側口金52は、液密ライナ42に連結されている。なお、ライナレス(液密ライナ42を用いない)の場合は中空容器14に液密に連結されている。
この例で内側口金52は、半径方向外方に延びる内側円盤部53を有する。内側円盤部53は、中空容器14の内面に沿って外方に延びる内側外面53aと、内側外面53aの先端から半径方向内方に延びる内側内面53bと、を有する。
この例で液密ライナ42は、内側口金52の内側円盤部53を挟持する挟持部43を有する。
挟持部43は、ライナ端部43aと分岐部43bを有する。ライナ端部43aは、中空容器14の内面と内側口金52の内側外面53aとの間に挟持されている。また分岐部43bは、ライナ端部43aから分岐し内側口金52の内側内面53bに沿って延びる。
この構成により、ライナ端部43aと分岐部43bで、内側口金52の内側円盤部53を挟持することができ、内側口金52と挟持部43との結合力を高め、その間の液密性を高めることができる。
外側口金54は、真空引き通路16bを有し、外殻シート20に気密に連結されている。
外側口金54と外殻シート20の連結手段は、溶着、あるいは、シーリング材(シーリングコンパウンド)で密着させるのがよい。
この例で外側口金54は、半径方向外方に延びる外側円盤部55を有する。外側円盤部55は、外殻シート20の内面に沿って外方に延びる外側外面55aと、外側外面55aの先端から半径方向内方に延びる外側内面55bと、を有する。
また、真空断熱層30の端部は外側円盤部55と内側円盤部53の間に位置する。
外側円盤部55の外側外面55aに外殻シート20を接合することで、外殻シート20の端部に作用する外気圧P2を外側円盤部55で支持することができ、外側口金54と外殻シート20との結合力を高め、外殻シート20のガスバリア性を高めることができる。
また、真空断熱層30の端部が外側円盤部55と内側円盤部53の間に位置することで、真空断熱層30(ハニカム材34)の端部に作用する外気圧P2を口金16に直接伝達することができ、ハニカム材34の端部の変形を低減することができる。
連結部材56は、内側口金52と外側口金54を液密に連結する。
この例で連結部材56は、内側口金52と外側口金54の間に挟持されたシール材56a(Oリング)と、内側口金52と外側口金54を連結するボルト56bである。
本発明の極低温流体タンクの製造方法は、第1工程と第2工程からなる。
図3は、本発明による極低温流体タンクの製造方法の第1工程を示す模式図である。
第1工程は、S1~S3の各ステップ(工程)からなる。
ステップS1では、図3(A)に示すように、中空空間11に相当する外面形状を有するマンドレル60を準備する。マンドレル60は、上述した開口部12から外部に取り出せる大きさに分解可能に構成する。
ステップS2、S3では、マンドレル60の外面に内殻10を成形する。
ステップS2において、図3(B)に示すように、マンドレル60に口金16の内側口金52を固定する。この際、挟持部43の分岐部43bを予め内側口金52の内側内面53bに液密に固着しておくのがよい。
次に、ステップS3において、図3(C)に示すように、マンドレル60及び口金16(内側口金52)の外面に液密ライナ42を成形し、次いで、口金16(内側口金52)及び液密ライナ42の外面に中空容器14を成形する。
マンドレル60の分解、除去は、好ましくはステップS3の後がよいが、ステップS4以降であってもよい。
中空容器14の成形は、熱硬化性プリプレグ又は熱可塑性プリプレグを用いたFW法(Filament Winding)、又は、熱可塑性プリプレグを用いたAFP法(Automated Fiber Placement)による、のがよい。
例えば、中空容器14は、口金16の軸心Zを中心にマンドレル60を回転させながら口金16及び液密ライナ42の外面にフィラメントワインディングにより成形する。
図5は、フィラメントワインディング工程の説明図(一例)である。
この図において、口金16の軸心Zを中心にマンドレル60を回転させながら口金16及び液密ライナ42の外面にフィラメントワインディングにより繊維強化プラスチックPからなる中空容器14を成形する。
図4は、本発明による極低温流体タンクの製造方法の第2工程を示す模式図である。
第2工程は、S4~S6の各ステップ(工程)からなる。
ステップS4において、図4(A)に示すように、開口部12を除く内殻10の外面に真空断熱層30のハニカム材34を取り付ける。この際、断熱繊維布32を中空容器14の外面に沿って位置決めし、ハニカム材34を断熱繊維布32の表面に沿って位置決めして取り付けるのがよい。次いで、連結部材56を用いて内側口金52に外側口金54を固定する。
ステップS5において、図4(B)に示すように、外殻シート20を、真空断熱層30のハニカム材34の外面に沿って位置決めし、内殻10の外側口金54に固定して取り付ける。この際、ハニカム材34の外面に、支持層44(図示せず)を取り付けるのがよい。
ステップS6において、図4(C)に示すように、真空引き通路16bを用いて真空断熱層30を真空引きする。
ステップS1~S6により、極低温流体タンク100を製造することができる。
上述した本発明の実施形態によれば、内殻10が、中空空間11と開口部12を有し、極低温流体Lの内圧P1及び外気圧P2に耐える剛性を有するので、極低温流体L(例えば、液体水素)を内部の中空空間11に溜めることができる。
また、真空断熱層30が外気圧P2を内殻10に伝達可能な圧縮強度を有し、外殻シート20が真空断熱層30の変形に追従可能な柔軟性とガスバリア性を有する。
この構成により、極低温流体タンク100に作用する外気圧P2(例えば大気圧)は、外殻シート20と真空断熱層30を介して内殻10に作用するため、耐圧用部材は内殻10のみであり、極低温流体タンク100を従来よりも大幅に軽量化できる。
すなわち、従来の場合、外殻にも内殻と同程度の耐圧性能が求められるため、耐圧用部材は内殻と外殻の両方となり、本発明よりも大きな重量が必要になる。
さらに、本発明では、内殻10と外殻シート20の間に位置し内部が真空引きされた真空断熱層30を有するので、外部からの入熱を大幅に低減することができる。
なお本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
L 極低温流体、P 繊維強化プラスチック、R 耐食性樹脂、Z 軸心、
10 内殻、11 中空空間、12 開口部、14 中空容器、16 口金、
16a 口金外面、16b 真空引き通路、20 外殻シート、21 密閉空間、
30 真空断熱層、32 断熱繊維布、34 ハニカム材、42 液密ライナ、
43 挟持部、43a ライナ端部、43b 分岐部、44 支持層、
46 輻射シールド、52 内側口金、53 内側円盤部、53a 内側外面、
53b 内側内面、54 外側口金、55 外側円盤部、55a 外側外面、
55b 外側内面、56 連結部材、56a シール材(Oリング)、
56b ボルト、60 マンドレル、100 極低温流体タンク

Claims (15)

  1. 極低温流体を内部に溜める中空空間と、該中空空間と外部を連通する開口部とを有し、前記極低温流体の内圧及び外気圧に耐える剛性を有する内殻と、
    前記開口部を除く前記内殻の外面を間隔を隔てて囲みその間に密閉空間を形成する外殻シートと、
    前記内殻と前記外殻シートの間の前記密閉空間に位置し、内部が真空引きされた真空断熱層と、を備える極低温流体タンクであって、
    前記内殻は、前記内圧及び前記外気圧により生じる内部応力を超える引張強度を有し、
    前記真空断熱層は、前記外気圧を前記内殻に伝達可能な圧縮強度を有し、
    前記外殻シートは、前記真空断熱層の変形に追従可能な柔軟性とガスバリア性を有する、ことを特徴とする極低温流体タンク。
  2. 前記内殻は、前記極低温流体を内部に溜める中空容器と、
    前記中空容器に連結されその内側に前記開口部を有する口金と、を有し、
    前記口金は、前記真空断熱層と口金外面とを連通し、前記真空断熱層を真空引きするための真空引き通路を有する、請求項1に記載の極低温流体タンク。
  3. 前記中空容器の内面に接して位置し液密性を有する液密ライナを有し、
    前記液密ライナは、前記極低温流体に対する耐食性を有し、かつ前記中空容器の変形に追従可能な柔軟性を有する耐食性樹脂からなる、請求項2に記載の極低温流体タンク。
  4. 前記真空断熱層は、前記中空容器の外面に沿って位置する極低温用の断熱繊維布と、
    前記断熱繊維布の表面に沿って位置する単層又は複数層のハニカム材と、を有する、請求項2に記載の極低温流体タンク。
  5. 前記真空断熱層と前記外殻シートの間に、前記外殻シートを支持する支持層を有する、請求項1に記載の極低温流体タンク。
  6. 前記外殻シートの外面に輻射シールドを有する、請求項1に記載の極低温流体タンク。
  7. 前記極低温流体は、液体水素である、請求項1に記載の極低温流体タンク。
  8. 前記繊維強化プラスチックは、炭素繊維強化プラスチック、ガラス繊維強化プラスチック、又は、アラミド繊維強化プラスチックであり、
    前記外殻シートは、EVOH系シート、PVDC系シート、又はナイロン系シートである、請求項1に記載の極低温流体タンク。
  9. 前記中空容器は、軸心を中心とする中空回転体であり、
    前記口金は、前記中空回転体の軸心上に位置し前記軸心を中心とする中空円筒部材であり、
    前記口金は、前記中空容器に液密に連結される内側口金と、前記外殻シートに気密に連結され前記真空引き通路を有する外側口金と、
    前記内側口金と前記外側口金を液密に連結する連結部材と、を有する、請求項3に記載の極低温流体タンク。
  10. 前記内側口金は、半径方向外方に延びる内側円盤部を有し、該内側円盤部は、前記中空容器の前記内面に沿って外方に延びる内側外面と、該内側外面の先端から半径方向内方に延びる内側内面と、を有し、
    前記液密ライナは、前記内側口金の前記内側円盤部を挟持する挟持部を有し、該挟持部は、前記中空容器の前記内面と前記内側口金の前記内側外面との間に挟持されたライナ端部と、該ライナ端部から分岐し前記内側口金の前記内側内面に沿って延びる分岐部と、を有する、請求項9に記載の極低温流体タンク。
  11. 前記外側口金は、半径方向外方に延びる外側円盤部を有し、該外側円盤部は、前記外殻シートの内面に沿って外方に延びる外側外面と、該外側外面の先端から半径方向内方に延びる外側内面と、を有する、請求項10に記載の極低温流体タンク。
  12. 前記真空断熱層の端部は前記外側円盤部と前記内側円盤部の間に位置する、請求項11に記載の極低温流体タンク。
  13. 請求項1に記載の極低温流体タンクの製造方法であって、
    (A)前記中空空間に相当する形状を有し分解可能なマンドレルを準備し、
    (B)前記マンドレルの外面に前記内殻を成形し、
    (C)前記開口部を除く前記内殻の外面に前記真空断熱層を取り付け、
    (D)前記外殻シートを、前記真空断熱層の外面に沿って位置決めして、前記内殻に固定して取り付け、
    (E)前記真空断熱層を真空引きする、極低温流体タンクの製造方法。
  14. 前記(B)において、
    前記マンドレルに口金を固定し、
    前記マンドレル及び前記口金の外面に液密ライナを成形し、
    前記口金及び前記液密ライナの外面に繊維強化プラスチックからなる中空容器を成形する、請求項13に記載の極低温流体タンクの製造方法。
  15. 前記中空容器の成形は、熱硬化性プリプレグ又は熱可塑性プリプレグを用いたFW法、又は、熱可塑性プリプレグを用いたAFP法による、請求項14に記載の極低温流体タンクの製造方法。


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