JP2022178431A - 減圧弁装置、減圧弁装置の通電制御装置及び通電制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ソレノイドコイルの発熱を抑制する減圧弁装置を提供する。【解決手段】弁体20は、弁座部15に着座又は弁座部15から離間する弁部21、及び、弁部21に対し弁座部15とは反対側で弁部21と一体に軸方向に摺動する摺動部22を有する。出口圧室131は、弁座部15に対し弁部21と反対側に設けられ、弁体20の開弁時に室間接続孔14を経由して流入圧室12と連通する。吐出通路18は、供給先装置に吐出される気体燃料が通る。ソレノイド部401のソレノイドコイル42は、通電により発生する磁気吸引力によって可動子45を移動させる。プッシュロッド30は、可動子45に固定されて室間接続孔14に挿通され、一端が弁体20の弁部21に当接する。出口圧室131から吐出通路18に至る気体燃料の経路は、ソレノイドコイル42の内側においてソレノイドコイル42の軸方向位置に対応する範囲の少なくとも一部を通る。【選択図】図2
Description
本発明は、減圧弁装置、減圧弁装置の通電制御装置及び通電制御方法に関する。
従来、気体燃料を燃料消費器に供給するシステムにおいて、気体燃料を正確に目標圧力に減圧する装置が知られている。例えば特許文献1に開示されたガス用調圧弁は、ソレノイドコイルに電流を流すと、弁体が押圧部材によって押されて開弁し、気体燃料が一次ポート(流入側)から二次ポート(吐出側)に流れる。弁体が弁座部に着座する部分の面積は、弁体の摺動部の断面積と同等に設定されている。弁体及び押圧部材の軸方向に作用する荷重をバランスさせた状態でリフト量を制御することで、圧力制御性が高くなり、高圧の気体燃料を正確に目標圧力に調圧することができると記載されている。
特許文献1のガス用調圧弁の作動中、ソレノイドコイルは、常時通電されて発熱する。しかし特許文献1には、ソレノイドコイルの発熱に対する対策は記載されていない。
また、気体燃料供給システムの停止時に減圧弁装置の上流の燃料供給通路内に残圧が残ることや、始動時に燃料供給通路の圧力が急激に上昇することは好ましくない。特許文献1には、このような観点での減圧弁装置の通電制御に関して何ら言及されていない。
本発明は上述の課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、ソレノイドコイルの発熱を抑制する減圧弁装置を提供することにある。
また別の目的は、燃料供給通路の圧力が適切な値となるようにコイルへの通電を制御する減圧弁装置の通電制御装置及び通電制御方法を提供することにある。
本発明の第一の態様は、気体燃料を供給元装置(81)から燃料供給通路(83、84)を介して供給先装置(88)に供給する気体燃料供給システム(900)において、燃料供給通路の途中に設けられ、気体燃料の圧力を減圧する減圧弁装置である。
この減圧弁装置は、弁体(20)と、弁体付勢部材(26)と、減圧弁ハウジング(191-195)と、ソレノイド部(401、404、405)と、を備える。弁体は、弁座部(15)に着座又は弁座部から離間する弁部(21)、及び、弁部に対し弁座部とは反対側で弁部と一体に軸方向に摺動する摺動部(22)を有する。弁体付勢部材は、弁部とは反対側の弁体の端部が収容された背圧室(27)に設けられ、弁体を閉弁方向に付勢する。
減圧弁ハウジングは、流入圧室(12)、流入通路(11)、出口圧室(131、134)、及び吐出通路(18)が形成されている。流入圧室は、弁部及び摺動部の周りの空間である。流入通路は、流入圧室に流入する気体燃料が通る。出口圧室は、弁座部に対し弁部と反対側に設けられ、弁体の開弁時に室間接続孔(14)を経由して流入圧室と連通する。吐出通路は、供給先装置に吐出される気体燃料が通る。
ソレノイド部は、固定子(44)、可動子(45)、ソレノイドコイル(42)、プッシュロッド(30)、及びロッド付勢部材(46)を含む。固定子は、出口圧室に連通するソレノイド室(47)を内側に有する。可動子は、ソレノイド室に収容されている。ソレノイドコイルは、通電により発生する磁気吸引力によって可動子を移動させる。プッシュロッドは、可動子に固定されて室間接続孔に挿通され、一端が弁体の弁部に当接する。ロッド付勢部材は、プッシュロッドを弁体側に付勢する。
背圧室と出口圧室とは、摺動部の外周において気密にシールされ、且つ、弁体に形成された弁体連通路(23)を経由して連通する。弁体の軸方向に投影した弁部と弁座部とのシート面の面積(A1)と摺動部の断面積(A2)とは同等に設定されている。したがって、特許文献1に記載の装置と同様に正確な調圧が可能である。
出口圧室から吐出通路に至る気体燃料の経路は、ソレノイドコイルの内側または外側においてソレノイドコイルの軸方向位置に対応する範囲の少なくとも一部を通る。これにより、本発明の第一の態様の減圧弁装置は、吐出される気体燃料を用いてソレノイドコイルを冷却することで発熱を抑制し、発熱による焼損を防止することができる。
本発明の第二の態様は、上記の減圧弁装置におけるソレノイドコイルへの通電を制御する通電制御装置である。この通電制御装置は、減圧弁装置の構成がノーマリークローズ式であるかノーマリーオープン式であるかに応じて場合分けされる。
(A.減圧弁装置がノーマリークローズ式の場合)
減圧弁装置は、ロッド付勢部材がプッシュロッドを弁体側に付勢するロッド付勢力(Fr)よりも弁体付勢部材が弁体を閉弁方向に付勢する閉弁付勢力(Fv)が大きく、且つ、ソレノイドコイルの通電時に磁気吸引力が弁体を開弁させる方向に作用する。
減圧弁装置は、ロッド付勢部材がプッシュロッドを弁体側に付勢するロッド付勢力(Fr)よりも弁体付勢部材が弁体を閉弁方向に付勢する閉弁付勢力(Fv)が大きく、且つ、ソレノイドコイルの通電時に磁気吸引力が弁体を開弁させる方向に作用する。
気体燃料供給システムは、供給元装置からの気体燃料の供給又は遮断を切り替える主止弁(82)と、供給先装置に供給される気体燃料の圧力を検出する圧力センサ(85)と、をさらに備える。
気体燃料供給システムを停止するとき、通電制御装置は、主止弁が閉弁した後、供給先装置が残存燃料を消費するまで供給先装置及び減圧弁装置の作動を継続してからソレノイドコイルへの通電を停止する。これにより、システム停止時に燃料供給通路の残圧を低減することができる。
(B.減圧弁装置がノーマリーオープン式の場合)
減圧弁装置は、ロッド付勢部材がプッシュロッドを弁体側に付勢するロッド付勢力(Fr)よりも弁体付勢部材が弁体を閉弁方向に付勢する閉弁付勢力(Fv)が小さく、且つ、ソレノイドコイルの通電時に磁気吸引力が弁体を閉弁させる方向に作用する。
減圧弁装置は、ロッド付勢部材がプッシュロッドを弁体側に付勢するロッド付勢力(Fr)よりも弁体付勢部材が弁体を閉弁方向に付勢する閉弁付勢力(Fv)が小さく、且つ、ソレノイドコイルの通電時に磁気吸引力が弁体を閉弁させる方向に作用する。
気体燃料供給システムは、供給元装置からの気体燃料の供給又は遮断を切り替える主止弁(82)と、減圧弁装置が吐出する気体燃料の吐出圧を検出する圧力センサ(85)と、をさらに備える。
気体燃料供給システムによる燃料供給始動時、通電制御装置は、主止弁が開弁する前に通電を開始し、弁座部からの弁体のリフト量が通常作動時の値よりも小さい所定値となるようにソレノイドコイルへ通電する電流を制限する。主止弁が開弁して減圧弁装置の吐出圧が移行閾値に達した後、通電制御装置は、ソレノイドコイルの電流制限を解除する。これにより、システム始動時に燃料供給通路の圧力が急激に上昇することを回避できる。
本発明の第三の態様は、上記の減圧弁装置におけるソレノイドコイルへの通電を制御する通電制御方法である。第二の態様と同様に、この通電制御方法は、減圧弁装置の構成がノーマリークローズ式であるかノーマリーオープン式であるかに応じて場合分けされる。
(A.減圧弁装置がノーマリークローズ式の場合)
減圧弁装置及び気体燃料供給システムに係る特定事項は第二の態様と同様である。この通電制御方法は、気体燃料供給システムを停止するとき、主止弁が閉弁する主止弁閉弁段階(SC1)と、主止弁閉弁段階の後、供給先装置が残存燃料を消費するまで供給先装置及び減圧弁装置の作動を継続してからソレノイドコイルへの通電を停止する通電停止段階(SC2)と、を含む。
減圧弁装置及び気体燃料供給システムに係る特定事項は第二の態様と同様である。この通電制御方法は、気体燃料供給システムを停止するとき、主止弁が閉弁する主止弁閉弁段階(SC1)と、主止弁閉弁段階の後、供給先装置が残存燃料を消費するまで供給先装置及び減圧弁装置の作動を継続してからソレノイドコイルへの通電を停止する通電停止段階(SC2)と、を含む。
(B.減圧弁装置がノーマリーオープン式の場合)
減圧弁装置及び気体燃料供給システムに係る特定事項は第二の態様と同様である。この通電制御方法は、気体燃料供給システムを始動するとき、主止弁が開弁する前に通電を開始し、弁座部からの弁体のリフト量が通常作動時の値よりも小さい所定値となるようにソレノイドコイルへ通電する電流を制限する電流制限段階(SO1)と、主止弁が開弁して減圧弁装置の吐出圧が移行閾値に達した後、ソレノイドコイルへ通電する電流の制限を解除する解除段階(SO2)と、を含む。
減圧弁装置及び気体燃料供給システムに係る特定事項は第二の態様と同様である。この通電制御方法は、気体燃料供給システムを始動するとき、主止弁が開弁する前に通電を開始し、弁座部からの弁体のリフト量が通常作動時の値よりも小さい所定値となるようにソレノイドコイルへ通電する電流を制限する電流制限段階(SO1)と、主止弁が開弁して減圧弁装置の吐出圧が移行閾値に達した後、ソレノイドコイルへ通電する電流の制限を解除する解除段階(SO2)と、を含む。
以下、本発明による減圧弁装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。複数の実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第1~第5実施形態を包括して「本実施形態」という。本実施形態の減圧弁装置は、気体燃料を供給元装置から燃料供給通路を介して供給先装置に供給する気体燃料供給システムにおいて、燃料供給通路の途中に設けられ、気体燃料の圧力を減圧する装置である。
[気体燃料供給システム]
図1を参照し、気体燃料供給システム900の構成例について説明する。この種の気体燃料供給システムは、特開2014-5729号公報等に開示されており、例えば水素や圧縮天然ガスを燃料とする車両に搭載される。気体燃料供給システム900は、「供給元装置」である燃料タンク81に貯留された気体燃料を、燃料供給通路83、84を介して「供給先装置」である気体燃料用インジェクタ88に供給するシステムである。
図1を参照し、気体燃料供給システム900の構成例について説明する。この種の気体燃料供給システムは、特開2014-5729号公報等に開示されており、例えば水素や圧縮天然ガスを燃料とする車両に搭載される。気体燃料供給システム900は、「供給元装置」である燃料タンク81に貯留された気体燃料を、燃料供給通路83、84を介して「供給先装置」である気体燃料用インジェクタ88に供給するシステムである。
減圧弁装置100は、燃料供給通路83、84の途中に設けられ、気体燃料の圧力を、例えば水素の場合、70MPa程度から1~10MPa程度まで減圧する。燃料供給通路のうち、燃料タンク81から減圧弁装置100までの通路を上流供給通路83とし、減圧弁装置100から気体燃料用インジェクタ88までの通路を下流供給通路84とする。
燃料タンク81は、逆流防止機能を有する供給管(図示しない)を通って外部から供給された気体燃料を貯留する。上流供給通路83には、燃料タンク81からの気体燃料の供給又は遮断を切り替える主止弁82が設けられている。主止弁82は、逆流防止機能、過流防止機能、加圧防止安全機能等の機能を有する。
減圧弁装置100は、ECU70からの指令に従って弁体を開閉作動することで、上流供給通路83から流入した気体燃料を目標圧力に減圧して吐出する。下流供給通路84には、減圧弁装置100が吐出し気体燃料用インジェクタ88に供給される気体燃料の圧力を検出する圧力センサ85が設けられている。ECU70は、圧力センサ85が検出した圧力が目標圧力に追従するようにフィードバック制御する。
ECU70は、気体燃料の圧力の他、気体燃料の温度や車両の走行に関する情報に基づき、減圧弁装置100の目標圧力を設定し、目標圧力に応じて減圧弁装置100を作動させる。具体的にはECU70は、減圧弁装置100のソレノイドコイルへの通電を制御する「通電制御装置」として機能する。通電電流を大きくするほどソレノイドコイルの磁気吸引力が大きくなり、弁体のリフト量を制御することができる。したがって、吐出圧の精度の向上や、システムの運転状態に応じた吐出圧の制御が可能となる。ECU70による通電制御方法の詳細は後述する。
気体燃料用インジェクタ88は、ECU70の指示に応じて吸気管89内に気体燃料を噴射する。吸気管89内に噴射された気体燃料は、大気から導入される空気と混合され、エンジン90の吸気ポートからシリンダ内に導入される。
ところで、特許文献1(国際公開第2012/017667号)に記載された調圧弁のように、弁体及び押圧部材の軸方向に作用する荷重をバランスさせる構成では、作動中、ソレノイドコイルは常時通電されて発熱する。そこで本実施形態では、ソレノイドコイルの発熱を適切に抑制する減圧弁装置100を提供する。以下、減圧弁装置100の詳細な構成について実施形態毎に説明する。各実施形態の減圧弁装置及び減圧弁ハウジングの符号は、それぞれ「10」及び「19」に続く3桁目に実施形態の番号を付す。
[減圧弁装置]
(第1実施形態)
図2~図5を参照し、第1実施形態の減圧弁装置101について説明する。図2に減圧弁装置101の断面を示す。以下の実施形態の説明において、便宜上、断面図の上側に図示されるソレノイド部401(又は404、405)側を「上側」と表し、断面図の下側に図示される弁機構部200側を「下側」と表す場合がある。
(第1実施形態)
図2~図5を参照し、第1実施形態の減圧弁装置101について説明する。図2に減圧弁装置101の断面を示す。以下の実施形態の説明において、便宜上、断面図の上側に図示されるソレノイド部401(又は404、405)側を「上側」と表し、断面図の下側に図示される弁機構部200側を「下側」と表す場合がある。
弁体20は、断面図の上下方向に移動する。図3に示すように弁体20が上昇した状態が閉弁状態である。図4に示すように弁体20が下降した状態が開弁状態である。図2には弁体20の閉弁状態を示す。また、基本的に第1~第5実施形態では、ソレノイドコイル42の非通電時に弁体20が閉弁するノーマリークローズ式の減圧弁装置を想定する。ノーマリーオープン式の減圧弁装置については通電制御方法のところで後述する。
減圧弁装置101は、減圧弁ハウジング191に気体燃料が通る通路や室(空間)が形成され、弁機構部200及びソレノイド部401が構築されている。特にソレノイド部401は、減圧弁ハウジング191とは別体のサブアッセンブリとして構成されている。したがって、複数種類のうちから選択されたソレノイド部サブアッセンブリを共通の減圧弁ハウジング191に組み付けることにより、配管仕様等の異なるバリエーションを容易に製造することができる。
弁体20は、棒状の摺動部22、及び、摺動部22の上端に設けられた弁部21を有する。弁部21は、弁座部15に着座して閉弁し、又は弁座部15から離間して開弁する。摺動部22は、弁部21に対し弁座部15とは反対側で弁部21と一体に軸方向に摺動する。弁体20には弁体連通路23が形成されている。弁体連通路23は軸方向に延びる縦通路237と、縦通路237と交差し背圧室27に連通する横通路238とを含む。
弁機構部200は、摺動孔形成部材24、摺動シール25、弁体付勢部材26、背圧室形成部材28を含む。摺動孔形成部材24は、摺動部22が摺動する摺動孔を形成する。摺動シール25は、摺動孔形成部材24に装着され、摺動部22の外周を気密にシールする。
背圧室形成部材28は、弁部21とは反対側の弁体20の端部が収容された背圧室27を形成する。コイルスプリング等で構成された弁体付勢部材26は、背圧室27に設けられ、弁体20を閉弁方向に付勢する。
減圧弁ハウジング191は、流入通路11、流入圧室12、出口圧室131、室間接続孔14、弁座部15、接続通路17、吐出通路18等が形成されている。出口圧室131については第4実施形態と構成が異なるため、符号の3桁目に第1実施形態の「1」を付して区別する。流入通路11及び吐出通路18は、減圧弁ハウジング191に直接形成された部分と、減圧弁ハウジング191に取り付けられたカプラの内部通路とを含む。
流入通路11は、上流供給通路83から流入圧室12に流入する気体燃料が通る通路である。流入圧室12は、弁部21及び摺動部22の周りの空間である。出口圧室131は、弁座部15に対し弁体20とは反対側(すなわち上側)に設けられる。出口圧室131は、弁体21の開弁時に室間接続孔14を経由して流入圧室12と連通する。室間接続孔14は、弁体20の軸方向に沿って流入圧室12と出口圧室131とを接続する。室間接続孔14の出口圧室131側の角部に弁座部15が形成されている。
背圧室27と流入圧室12とは、摺動シール25により摺動部22の外周において気密にシールされる。また、背圧室27と出口圧室131とは、弁体20に形成された弁体連通路23を経由して連通する。図5に示すように、弁体20の軸方向に投影した弁部21と弁座部15とのシート面の面積A1と、摺動部22の断面積A2とは同等に設定されている。これにより、高圧の気体燃料を目標圧力に正確に減圧することができる。
接続通路17は、第1~第3実施形態で用いられ、後述のハウジング内通路51と吐出通路18とを接続する通路である。吐出通路18は、下流供給通路84を経由して気体燃料用インジェクタ88に吐出される気体燃料が通る通路である。
ソレノイド部401は、ソレノイドハウジング411、ソレノイドコイル42、固定子44、可動子45、プッシュロッド30、及びロッド付勢部材46を含む。ソレノイドハウジング411については第4、第5実施形態と構成が異なるため、符号の3桁目に第1実施形態の「1」を付して区別する。
ソレノイドハウジング411は、ソレノイドコイル42の出口圧室131側(すなわち下側)に設けられ、ソレノイドコイル42を支持するとともに出口圧室131のソレノイド部401側を塞いでいる。第1~第3実施形態では、ソレノイドハウジング411にソレノイド室47と接続通路17とを連通するハウジング内通路51が形成されている。
ソレノイドコイル42は、通電により発生する磁気吸引力によって可動子45をソレノイドハウジング411に対して移動させる。固定子44、可動子45、ソレノイドハウジング411及びソレノイドコイル42の外側の部材は、鉄等の軟磁性材料で形成されており、ソレノイドコイル42の通電時に磁気回路を形成する。固定子44とソレノイドハウジング411との間には、磁気回路を遮断する非磁性部43が設けられている。固定子44は内側にソレノイド室47を有し、可動子45はソレノイド室47に収容されている。ソレノイド室47は、プッシュロッド30のロッド連通路33を経由して出口圧室131に連通する。
プッシュロッド30は、弁体20とは反対側(すなわち上側)が可動子45に固定されており、弁体20側が室間接続孔14に挿通されている。プッシュロッド30の弁体20側の一端は、弁体20の弁部21に当接する。プッシュロッド30にはロッド連通路33が形成されている。ロッド連通路33は軸方向に貫通する縦通路337と、縦通路337と交差し出口圧室131に連通する横通路338とを含む。
プッシュロッド30が弁体20に当接した状態で、ロッド連通路33の縦通路337と弁体20の縦通路237とが一直線上に連なる。コイルスプリング等で構成されたロッド付勢部材46は、ソレノイド室47に設けられ、プッシュロッド30を弁体20側に付勢する。
図3及び図4に、閉弁時及び開弁時における弁部21付近の状態を示す。閉弁時には弁部21が弁座部15に着座する。開弁時にはプッシュロッド30が弁体20の弁部21を押し下げることで、弁部21が弁座部15から離間する。図10を参照して後述するように、ノーマリークローズ式では、非通電時に閉弁し、通電時に開弁する。逆にノーマリーオープン式では、非通電時に開弁し、通電時に閉弁する。
図2に戻り、弁体20の開弁時に気体燃料が出口圧室131から吐出通路18に流れる経路である「第1経路」について説明する。第1実施形態では、一点鎖線で示す第1経路が唯一の経路となる。第1経路は、まず、出口圧室131からプッシュロッド30に形成されたロッド連通路33の横通路338から縦通路337を通ってソレノイド室47に至る。次に、ソレノイド室47から、ソレノイドコイル42の内側において可動子45の外周と固定子44の内周との隙間49を通る。さらに、ソレノイドハウジング411に形成されたハウジング内通路51、及び減圧弁ハウジング191に形成された接続通路17を通って吐出通路18に至る。
第1経路のうち、ロッド連通路33の一部、可動子45と固定子44との隙間49及びハウジング内通路51の一部は、ソレノイドコイル42の内側においてソレノイドコイル42の軸方向位置に対応する範囲の少なくとも一部に該当する。つまり、第1経路は、ソレノイドコイル42の内側においてソレノイドコイル42の軸方向位置に対応する範囲の少なくとも一部を通る。
これにより、第1実施形態の減圧弁装置101は、吐出される気体燃料を用いてソレノイドコイル42を冷却することができる。よって、ソレノイドコイル42の発熱を抑制し、発熱による焼損を防止することができる。また、ソレノイド部401がサブアッセンブリで構成されているため、共通の減圧弁ハウジングを用いて、配管仕様等の異なるバリエーションを容易に製造することができる。
(第2実施形態)
図6を参照し、第2実施形態の減圧弁装置102について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対し、二点鎖線で示す第2経路(すなわちバイパス経路)を有する。減圧弁ハウジング192は、出口圧室131から吐出通路18に直接連通する直接通路52が形成されている。弁体20の開弁時、気体燃料は、出口圧室131から吐出通路18まで、第1経路と、直接通路52を経由する第2経路とに分かれて流れる。
図6を参照し、第2実施形態の減圧弁装置102について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対し、二点鎖線で示す第2経路(すなわちバイパス経路)を有する。減圧弁ハウジング192は、出口圧室131から吐出通路18に直接連通する直接通路52が形成されている。弁体20の開弁時、気体燃料は、出口圧室131から吐出通路18まで、第1経路と、直接通路52を経由する第2経路とに分かれて流れる。
第1経路を流れる気体燃料はソレノイドコイル42の冷却に用いられる。一方、第2経路を流れる気体燃料は冷却に用いられないが、直接吐出されるため吐出通路18の圧力損失が低減する。したがって第2実施形態では、ソレノイドコイル42の冷却と、吐出通路18の圧力損失低減とを両立することができる。
(第3実施形態)
図7を参照し、第3実施形態の減圧弁装置103について説明する。第3実施形態は、第2実施形態に対し、減圧弁ハウジング193の直接通路52に、第2経路を流れる気体燃料の流量を調整する絞り53が設けられている。これにより、ソレノイドコイル42の冷却と、吐出通路18の圧力損失低減との適切なバランス調整が可能となる。
図7を参照し、第3実施形態の減圧弁装置103について説明する。第3実施形態は、第2実施形態に対し、減圧弁ハウジング193の直接通路52に、第2経路を流れる気体燃料の流量を調整する絞り53が設けられている。これにより、ソレノイドコイル42の冷却と、吐出通路18の圧力損失低減との適切なバランス調整が可能となる。
(第4実施形態)
図8を参照し、第4実施形態の減圧弁装置104について説明する。第4実施形態は、第1実施形態に対し、減圧弁ハウジング194に形成された出口圧室134の形状、及び、出口圧室134から吐出通路18に至る気体燃料の経路が異なる。出口圧室134は、ソレノイド部404におけるソレノイドコイル42の下側を支持するソレノイドハウジング414を収容している。さらに出口圧室134は、ソレノイドコイル42の外側においてソレノイドコイル42の軸方向位置に対応する範囲を含むように形成されている。
図8を参照し、第4実施形態の減圧弁装置104について説明する。第4実施形態は、第1実施形態に対し、減圧弁ハウジング194に形成された出口圧室134の形状、及び、出口圧室134から吐出通路18に至る気体燃料の経路が異なる。出口圧室134は、ソレノイド部404におけるソレノイドコイル42の下側を支持するソレノイドハウジング414を収容している。さらに出口圧室134は、ソレノイドコイル42の外側においてソレノイドコイル42の軸方向位置に対応する範囲を含むように形成されている。
吐出通路18は、出口圧室134の上端付近に形成されており、気体燃料は、出口圧室134から通路54を通って直接吐出通路18に流出する。つまり、吐出通路18は、気体燃料がソレノイドコイル42の軸方向位置に対応する範囲の少なくとも一部を通って出口圧室134から吐出通路18に流れる位置に形成されている。したがって上記実施形態と同様に、吐出される気体燃料を用いてソレノイドコイル42を冷却することができる。
(第5実施形態)
図9を参照し、第5実施形態の減圧弁装置105について説明する。第5実施形態は、第1実施形態に対し吐出通路18の位置が異なる。減圧弁ハウジング195には接続通路17や吐出通路18は形成されていない。ソレノイド部405は、ソレノイドコイル42の軸方向における弁体20とは反対側(図の上側)に、ソレノイド室47と連通する吐出通路18を有する。またソレノイドハウジング415にはハウジング内通路は形成されていない。弁体20の開弁時、気体燃料は、出口圧室13からロッド連通路33及びソレノイド室47を経由して吐出通路18から吐出される。
図9を参照し、第5実施形態の減圧弁装置105について説明する。第5実施形態は、第1実施形態に対し吐出通路18の位置が異なる。減圧弁ハウジング195には接続通路17や吐出通路18は形成されていない。ソレノイド部405は、ソレノイドコイル42の軸方向における弁体20とは反対側(図の上側)に、ソレノイド室47と連通する吐出通路18を有する。またソレノイドハウジング415にはハウジング内通路は形成されていない。弁体20の開弁時、気体燃料は、出口圧室13からロッド連通路33及びソレノイド室47を経由して吐出通路18から吐出される。
気体燃料は、ロッド連通路33の縦通路337を流れるとき、ソレノイドコイル42の内側においてソレノイドコイル42の軸方向位置に対応する範囲の全部を通る。したがって上記実施形態と同様に、吐出される気体燃料を用いてソレノイドコイル42を冷却することができる。また、ソレノイド部405は、吐出通路18のカプラを含むサブアッセンブリとして設けられているため、、組付け性が向上する。
[通電制御方法]
次に、図10~図12を参照し、減圧弁装置におけるソレノイドコイル42への通電制御方法について説明する。この通電制御方法は、「通電制御装置」として機能するECU70によって実行され、減圧弁装置の構成がノーマリークローズ式であるかノーマリーオープン式であるかに応じて場合分けされる。通電制御方法の説明では減圧弁装置の符号を省略する。
次に、図10~図12を参照し、減圧弁装置におけるソレノイドコイル42への通電制御方法について説明する。この通電制御方法は、「通電制御装置」として機能するECU70によって実行され、減圧弁装置の構成がノーマリークローズ式であるかノーマリーオープン式であるかに応じて場合分けされる。通電制御方法の説明では減圧弁装置の符号を省略する。
図10を参照し、ノーマリークローズ式及びノーマリーオープン式の減圧弁装置について、ソレノイドコイル42の非通電時/通電時の作動を比較する。ソレノイドコイル42の磁気吸引力の方向を反転し、弁体付勢部材26及びロッド付勢部材46の付勢力を調整することで、ノーマリークローズ式及びノーマリーオープン式の構成を変更可能である。
ノーマリークローズ式の減圧弁装置では、ロッド付勢部材46がプッシュロッド30を弁体20側に付勢するロッド付勢力Frよりも弁体付勢部材26が弁体20を閉弁方向に付勢する閉弁付勢力Fvが大きく設定されている(Fv>Fr)。そのため、ソレノイドコイル42の非通電時に弁体20は閉弁する。
ソレノイドコイル42の通電時、磁気吸引力Fmが弁体20を開弁させる方向に作用する。すると、ロッド付勢力Frと磁気吸引力Fmとの和が閉弁付勢力Fvを上回る(Fv<Fr+Fm)ため、弁体20は開弁する。
ノーマリーオープン式の減圧弁装置では、ロッド付勢部材46がプッシュロッド30を弁体20側に付勢するロッド付勢力Frよりも弁体付勢部材26が弁体20を閉弁方向に付勢する閉弁付勢力Fvが小さく設定されている(Fv<Fr)。そのため、ソレノイドコイル42の非通電時に弁体20は開弁する。
ソレノイドコイル42の通電時、磁気吸引力Fmが弁体20を閉弁させる方向に作用する。すると、ロッド付勢力Frから磁気吸引力Fmを引いた差が閉弁付勢力Fvを下回る(Fv>Fr-Fm)ため、弁体20は閉弁する。
図11のタイムチャート及びフローチャートを参照し、ノーマリークローズ式減圧弁装置の通電制御について説明する。図1を参照して上述したように、気体燃料供給システム900の供給元装置である燃料タンク81の出口には主止弁82が設けられている。また、下流供給通路84には、供給先装置88に供給される気体燃料の圧力を検出する圧力センサ85が設けられている。この部分の説明では、供給先装置として「気体燃料用インジェクタ88」の例を用いず、一般に「供給先装置(消費器)88」として記載する。
タイムチャートに、供給先装置(消費器)88の作動状態、減圧弁装置の作動状態、及び、燃料供給通路83、84の圧力を示す。ここで、気体燃料供給システム900が駆動状態から停止する状況を想定する。初期には供給先装置及び減圧弁装置が作動している。通常作動時の上流供給通路83の圧力Piを破線で示し、下流供給通路84の圧力(すなわち減圧弁装置の吐出圧)Poを実線で示す。
時刻t11にECU70は、システム停止指令により主止弁82を遮断する。このとき減圧弁装置の作動を同時に停止すると閉弁状態となり、上流供給通路83に残圧が残る。すると、高残圧による配管やシール材などへの負荷や配管内残燃料の無駄が問題となるおそれがある。
そこでECU70は、供給先装置88が残存燃料を消費して圧力が十分に下がるまで供給先装置88及び減圧弁装置の作動を継続する。上流供給通路83の圧力Piが減圧弁装置の吐出圧まで低下した後、圧力Piと圧力Poとは一致する。ECU70は、圧力が十分に低下してから、時刻t12に供給先装置88の作動を停止し、時刻t13にソレノイドコイル42への通電を停止する。時刻t13は時刻t12と同時以後であればよい。
フローチャートに示すように、通電制御方法は、SC1及びSC2のステップを含む。主止弁閉弁段階SC1では、主止弁82が閉弁する。通電停止段階SC2では、主止弁閉弁段階の後、供給先装置88が残存燃料を消費するまで供給先装置88及び減圧弁装置の作動を継続してからソレノイドコイル42への通電を停止する。これにより、システム停止時に燃料供給通路の残圧を低減することができる。
図12のタイムチャート及びフローチャートを参照し、ノーマリーオープン式減圧弁装置の通電制御について説明する。図1を参照して上述したように、気体燃料供給システム900の供給元装置である燃料タンク81の出口には主止弁82が設けられている。また、下流供給通路84には、減圧弁装置が吐出する気体燃料の吐出圧を検出する圧力センサ85が設けられている。
タイムチャートに、主止弁82の開閉状態、減圧弁装置の作動状態、及び、圧力センサ85が検出した吐出圧を示す。ここで、気体燃料供給システム900を始動する状況を想定する。初期には減圧弁装置の作動は停止しており、フルリフトの開弁状態である。吐出圧は配管内の残圧により0に近い値になっている。
仮に減圧弁装置が開弁状態のまま主止弁82を開弁すると、燃料供給通路83、84の圧力が急激に上昇し、特に減圧弁装置の下流にある部品を破損させるおそれがある。そこでECU70は、時刻t21にシステム始動指令が発生すると、主止弁82が開弁する前に通電を開始する。このときECU70は、弁座部15からの弁体20のリフト量が通常作動時の値よりも小さい所定値となるように、すなわち弁体20が半開状態となるようにソレノイドコイル42へ通電する電流を制限する。
t22に主止弁82が開弁すると吐出圧は一次遅れ曲線に沿って増加する。t23に吐出圧が移行閾値Pthに達した後、ECU70は、ソレノイドコイル42の電流制限を解除し、通常作動時の通電制御に移行する。その後、ECU70は、吐出圧を目標圧力に追従させるフィードバック制御により、ソレノイドコイル42への通電を制御する。
フローチャートに示すように、通電制御方法は、SO1及びSO2のステップを含む。電流制限段階SO1では、主止弁82が開弁する前にECU70が通電を開始し、弁座部15からの弁体20のリフト量が通常作動時の値よりも小さい所定値となるようにソレノイドコイル42へ通電する電流を制限する。解除段階SO2では、主止弁82が開弁して減圧弁装置の吐出圧が移行閾値に達した後、ECU70は、ソレノイドコイル42の電流制限を解除する。これにより、システム始動時に燃料供給通路の圧力が急激に上昇することを回避できる。
(その他の実施形態)
(a)気体燃料供給システムにおける「供給元装置」は外部から供給された気体燃料を貯留する燃料タンク81に限らず、それ自体が気体燃料を生成して送出可能な装置であってもよい。「供給先装置」は気体燃料用インジェクタ88に限らず、気体燃料を消費する消費器であればよい。
(a)気体燃料供給システムにおける「供給元装置」は外部から供給された気体燃料を貯留する燃料タンク81に限らず、それ自体が気体燃料を生成して送出可能な装置であってもよい。「供給先装置」は気体燃料用インジェクタ88に限らず、気体燃料を消費する消費器であればよい。
(b)上流供給通路83から減圧弁装置100の流入通路11に直接接続する構成に限らず、流入通路11の上流側に別の一次減圧弁が設けられ、二段階で減圧する構成としてもよい。その場合、共通の減圧弁ハウジングに二種類の減圧弁機構が設けられてもよい。このような構成では、複数種類のソレノイド部をサブアッセンブリとして組み付け可能とすることで、バリエーション展開により有効である。
(c)製造上の理由等によりソレノイド部をサブアッセンブリとするメリットが小さい場合、ソレノイド部をサブアッセンブリとせず、各部品を減圧弁ハウジングに順に組み付ける構造にしてもよい。或いは、例えばプッシュロッド30以外のソレノイド部の部品がサブアッセンブリとして構成され、プッシュロッド30のみ別に組み付けられてもよい。
(d)上記実施形態によるソレノイドコイルの通電制御について、他の条件と組み合わせて各所定値を変更したり、制御の実施又は非実施を切り替えたりしてもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
100(101-105)・・・減圧弁装置、
11:流入通路、 12:流入圧室、 131、134:出口圧室、
14:室間接続孔、 15:弁座部、 18:吐出通路、
191-195:減圧弁ハウジング、
20:弁体、 21:弁部、 22:摺動部、 23:弁体連通路、
26:弁体付勢部材、 27:背圧室、 30:プッシュロッド、
401、404、405:ソレノイド部、 42:ソレノイドコイル、
44:固定子、 45:可動子、 46:ロッド付勢部材、 47:ソレノイド室、
70:ECU(通電制御装置)、
81:燃料タンク(供給元装置)、 82:主止弁、
83:上流供給通路(燃料供給通路)、 84:下流供給通路(燃料供給通路)、
85:圧力センサ、 88:気体燃料用インジェクタ(供給先装置)、
900:気体燃料供給システム。
11:流入通路、 12:流入圧室、 131、134:出口圧室、
14:室間接続孔、 15:弁座部、 18:吐出通路、
191-195:減圧弁ハウジング、
20:弁体、 21:弁部、 22:摺動部、 23:弁体連通路、
26:弁体付勢部材、 27:背圧室、 30:プッシュロッド、
401、404、405:ソレノイド部、 42:ソレノイドコイル、
44:固定子、 45:可動子、 46:ロッド付勢部材、 47:ソレノイド室、
70:ECU(通電制御装置)、
81:燃料タンク(供給元装置)、 82:主止弁、
83:上流供給通路(燃料供給通路)、 84:下流供給通路(燃料供給通路)、
85:圧力センサ、 88:気体燃料用インジェクタ(供給先装置)、
900:気体燃料供給システム。
Claims (11)
- 気体燃料を供給元装置(81)から燃料供給通路(83、84)を介して供給先装置(88)に供給する気体燃料供給システム(900)において、前記燃料供給通路の途中に設けられ、気体燃料の圧力を減圧する減圧弁装置であって、
弁座部(15)に着座又は前記弁座部から離間する弁部(21)、及び、前記弁部に対し前記弁座部とは反対側で前記弁部と一体に軸方向に摺動する摺動部(22)を有する弁体(20)と、
前記弁部とは反対側の前記弁体の端部が収容された背圧室(27)に設けられ、前記弁体を閉弁方向に付勢する弁体付勢部材(26)と、
前記弁部及び前記摺動部の周りの空間である流入圧室(12)、前記流入圧室に流入する気体燃料が通る流入通路(11)、前記弁座部に対し前記弁部と反対側に設けられ、前記弁体の開弁時に室間接続孔(14)を経由して前記流入圧室と連通する出口圧室(131、134)、及び、前記供給先装置に吐出される気体燃料が通る吐出通路(18)、が形成された減圧弁ハウジング(191-195)と、
前記出口圧室に連通するソレノイド室(47)を内側に有する固定子(44)、前記ソレノイド室に収容された可動子(45)、通電により発生する磁気吸引力によって前記可動子を移動させるソレノイドコイル(42)、前記可動子に固定されて前記室間接続孔に挿通され、一端が前記弁体の前記弁部に当接するプッシュロッド(30)、及び、前記プッシュロッドを前記弁体側に付勢するロッド付勢部材(46)、を含むソレノイド部(401、404、405)と、
を備え、
前記背圧室と前記出口圧室とは、前記摺動部の外周において気密にシールされ、且つ、前記弁体に形成された弁体連通路(23)を経由して連通し、
前記弁体の軸方向に投影した前記弁部と前記弁座部とのシート面の面積(A1)と前記摺動部の断面積(A2)とは同等に設定されており、
前記出口圧室から前記吐出通路に至る気体燃料の経路は、前記ソレノイドコイルの内側または外側において前記ソレノイドコイルの軸方向位置に対応する範囲の少なくとも一部を通る減圧弁装置。 - 前記弁体の開弁時、気体燃料は、前記出口圧室から前記プッシュロッドに形成されたロッド連通路(33)を通って前記ソレノイド室に至り、前記ソレノイド室から、前記ソレノイドコイルの内側において前記可動子の外周と前記固定子の内周との隙間(49)を通り、前記ソレノイドハウジングに形成されたハウジング内通路(51)、及び前記減圧弁ハウジングに形成された接続通路(17)を通って前記吐出通路に至る第1経路を経由して流れる請求項1に記載の減圧弁装置。
- 前記減圧弁ハウジングは、前記出口圧室(131)から前記吐出通路に直接連通する直接通路(52)が形成されており、
前記弁体の開弁時、気体燃料は、前記出口圧室から前記吐出通路まで、前記第1経路と、前記直接通路を経由する第2経路とに分かれて流れる請求項2に記載の減圧弁装置。 - 前記直接通路に、前記第2経路を流れる気体燃料の流量を調整する絞り(53)が設けられている請求項3に記載の減圧弁装置。
- 前記出口圧室(134)は、前記ソレノイドコイルの外側において前記ソレノイドコイルの軸方向位置に対応する範囲を含むように形成されており、
前記吐出通路は、気体燃料が前記ソレノイドコイルの軸方向位置に対応する範囲の少なくとも一部を通って前記出口圧室から前記吐出通路に流れる位置に形成されている請求項1に記載の減圧弁装置。 - 前記ソレノイド部(405)は、前記ソレノイドコイルの軸方向における前記弁体とは反対側に、前記ソレノイド室と連通する前記吐出通路を有する請求項1に記載の減圧弁装置。
- 前記ソレノイド部は、前記減圧弁ハウジングとは別体のサブアッセンブリとして構成されている請求項1~6のいずれか一項に記載の減圧弁装置。
- 請求項1~7のいずれか一項に記載の減圧弁装置における前記ソレノイドコイルへの通電を制御する通電制御装置であって、
前記減圧弁装置は、前記ロッド付勢部材が前記プッシュロッドを前記弁体側に付勢するロッド付勢力(Fr)よりも前記弁体付勢部材が前記弁体を閉弁方向に付勢する閉弁付勢力(Fv)が大きく、且つ、前記ソレノイドコイルの通電時に磁気吸引力が前記弁体を開弁させる方向に作用するノーマリークローズ式であり、
前記気体燃料供給システムは、
前記供給元装置からの気体燃料の供給又は遮断を切り替える主止弁(82)と、
前記供給先装置に供給される気体燃料の圧力を検出する圧力センサ(85)と、
をさらに備え、
前記気体燃料供給システムを停止するとき、
前記通電制御装置は、前記主止弁が閉弁した後、前記供給先装置が残存燃料を消費するまで前記供給先装置及び前記減圧弁装置の作動を継続してから前記ソレノイドコイルへの通電を停止する減圧弁装置の通電制御装置。 - 請求項1~7のいずれか一項に記載の減圧弁装置における前記ソレノイドコイルへの通電を制御する通電制御装置であって、
前記減圧弁装置は、前記ロッド付勢部材が前記プッシュロッドを前記弁体側に付勢するロッド付勢力(Fr)よりも前記弁体付勢部材が前記弁体を閉弁方向に付勢する閉弁付勢力(Fv)が小さく、且つ、前記ソレノイドコイルの通電時に磁気吸引力が前記弁体を閉弁させる方向に作用するノーマリーオープン式であり、
前記気体燃料供給システムは、
前記供給元装置からの気体燃料の供給又は遮断を切り替える主止弁(82)と、
前記減圧弁装置が吐出する気体燃料の吐出圧を検出する圧力センサ(85)と、
をさらに備え、
前記気体燃料供給システムを始動するとき、
前記通電制御装置は、前記主止弁が開弁する前に通電を開始し、前記弁座部からの前記弁体のリフト量が通常作動時の値よりも小さい所定値となるように前記ソレノイドコイルへ通電する電流を制限し、前記主止弁が開弁して前記減圧弁装置の吐出圧が移行閾値に達した後、前記ソレノイドコイルの電流制限を解除する減圧弁装置の通電制御装置。 - 請求項1~7のいずれか一項に記載の減圧弁装置における前記ソレノイドコイルへの通電を制御する通電制御方法であって、
前記減圧弁装置は、前記ロッド付勢部材が前記プッシュロッドを前記弁体側に付勢するロッド付勢力(Fr)よりも前記弁体付勢部材が前記弁体を閉弁方向に付勢する閉弁付勢力(Fv)が大きく、且つ、前記ソレノイドコイルの通電時に磁気吸引力が前記弁体を開弁させる方向に作用するノーマリークローズ式であり、
前記気体燃料供給システムは、
前記供給元装置からの気体燃料の供給又は遮断を切り替える主止弁(82)と、
前記供給先装置に供給される気体燃料の圧力を検出する圧力センサ(85)と、
をさらに備え、
前記気体燃料供給システムを停止するとき、
前記主止弁が閉弁する主止弁閉弁段階(SC1)と、
前記主止弁閉弁段階の後、前記供給先装置が残存燃料を消費するまで前記供給先装置及び前記減圧弁装置の作動を継続してから前記ソレノイドコイルへの通電を停止する通電停止段階(SC2)と、
を含む減圧弁装置の通電制御方法。 - 請求項1~7のいずれか一項に記載の減圧弁装置における前記ソレノイドコイルへの通電を制御する通電制御方法であって、
前記減圧弁装置は、前記ロッド付勢部材が前記プッシュロッドを前記弁体側に付勢するロッド付勢力(Fr)よりも前記弁体付勢部材が前記弁体を閉弁方向に付勢する閉弁付勢力(Fv)が小さく、且つ、前記ソレノイドコイルの通電時に磁気吸引力が前記弁体を閉弁させる方向に作用するノーマリーオープン式であり、
前記気体燃料供給システムは、
前記供給元装置からの気体燃料の供給又は遮断を切り替える主止弁(82)と、
前記減圧弁装置が吐出する気体燃料の吐出圧を検出する圧力センサ(85)と、
をさらに備え、
前記気体燃料供給システムを始動するとき、
前記主止弁が開弁する前に通電を開始し、前記弁座部からの前記弁体のリフト量が通常作動時の値よりも小さい所定値となるように前記ソレノイドコイルへ通電する電流を制限する電流制限段階(SO1)と、
前記主止弁が開弁して前記減圧弁装置の吐出圧が移行閾値に達した後、前記ソレノイドコイルの電流制限を解除する解除段階(SO2)と、
を含む減圧弁装置の通電制御方法。
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JP2021085225A Pending JP2022178431A (ja) | 2021-05-20 | 2021-05-20 | 減圧弁装置、減圧弁装置の通電制御装置及び通電制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022178431A (ja) |
-
2021
- 2021-05-20 JP JP2021085225A patent/JP2022178431A/ja active Pending
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
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