JP2022177697A - 中間転写体及び画像形成装置 - Google Patents

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真路 瀬古
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Abstract

【課題】ゴーストの発生を抑制する中間転写体を提供する。【解決手段】中間転写体は、基層と、前記基層上に配置された表面層と、を有し、温度22℃且つ相対湿度55%における印加電圧100Vの体積抵抗率と印加電圧500kVの体積抵抗率との差が2.0logΩ・cm以下であり、温度28℃且つ相対湿度85%における印加電圧500kVの体積抵抗率と温度10℃且つ相対湿度30%における印加電圧500kVの体積抵抗率との差が1.0logΩ・cm以下である。【選択図】図1

Description

本開示は、中間転写体及び画像形成装置を提供する。
特許文献1には、表面抵抗率が1×10Ω/□以上、体積抵抗率が1×1012Ω・cm以下である中間転写ベルトであって、ポリエーテルエーテルケトンとカーボンブラックとを含有する層を有し、前記層におけるカーボンブラックの重量比率が22.5~28.5重量%であり、前記層が含有するカーボンブラックのうち、DBP吸油量が93~127ml/100gである第1のカーボンブラックの重量比率が50~90重量%であり、DBP吸油量が36~79ml/100gである第2のカーボンブラックの重量比率が10~50重量%である中間転写ベルトが開示されている。
特許文献2には、ポリエーテルエーテルケトン及び導電剤を含む導電性基体と、高分子型イオン導電性材料を含むイオン導電層と、疎水性合成樹脂を含む保護層とを有する中間転写体であって、印加電圧を100V、印加時間を5秒としたときの体積抵抗率が1×10Ω・cm~1×1013.5Ω・cmであり、印加電圧を500V、印加時間を5秒としたときの表面抵抗率が1×10Ω/□~1×1013.5Ω/□である中間転写体が開示されている。
特開2020-012919号公報 特開2019-159229号公報
本開示の実施形態は、温度22℃且つ相対湿度55%における印加電圧100Vの体積抵抗率と印加電圧500kVの体積抵抗率との差が2.0logΩ・cm超である中間転写体又は温度28℃且つ相対湿度85%における印加電圧500kVの体積抵抗率と温度10℃且つ相対湿度30%における印加電圧500kVの体積抵抗率との差が1.0logΩ・cm超である中間転写体に比べて、ゴーストの発生を抑制する中間転写体を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 基層と、前記基層上に配置された表面層と、を有し、
温度22℃且つ相対湿度55%における印加電圧100Vの体積抵抗率と印加電圧500kVの体積抵抗率との差が2.0logΩ・cm以下であり、
温度28℃且つ相対湿度85%における印加電圧500kVの体積抵抗率と温度10℃且つ相対湿度30%における印加電圧500kVの体積抵抗率との差が1.0logΩ・cm以下である、中間転写体。
<2> 温度22℃且つ相対湿度55%における印加電圧100Vの体積抵抗率と印加電圧500kVの体積抵抗率との差が1.8logΩ・cm以下である、<1>に記載の中間転写体。
<3> 温度28℃且つ相対湿度85%における印加電圧500kVの体積抵抗率と温度10℃且つ相対湿度30%における印加電圧500kVの体積抵抗率との差が0.8logΩ・cm以下である、<1>又は<2>に記載の中間転写体。
<4> 前記表面層が樹脂、イオン導電性高分子及び導電性フィラーを含有する、<1>~<3>のいずれか1項に記載の中間転写体。
<5> 前記イオン導電性高分子がポリアニリン及びポリエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、<4>に記載の中間転写体。
<6> 前記導電性フィラーがカーボンブラックを含み、
前記表面層におけるカーボンブラックの平均分散粒径が30nm以下である、<4>又は<5>に記載の中間転写体。
<7> 前記樹脂がポリアミック酸のイミド化物を含む、<4>~<6>のいずれか1項に記載の中間転写体。
<8> 感光体と、前記感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記感光体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤を用いて前記感光体の表面に形成された静電荷像を現像しトナー像を形成する現像手段と、<1>~<7>のいずれか1項に記載の中間転写体と、前記トナー像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、を備える画像形成装置。
<1>、<4>、<5>又は<7>によれば、温度22℃且つ相対湿度55%における印加電圧100Vの体積抵抗率と印加電圧500kVの体積抵抗率との差が2.0logΩ・cm超である中間転写体又は温度28℃且つ相対湿度85%における印加電圧500kVの体積抵抗率と温度10℃且つ相対湿度30%における印加電圧500kVの体積抵抗率との差が1.0logΩ・cm超である中間転写体に比べて、ゴーストの発生を抑制する中間転写体が提供される。
<2>によれば、温度22℃且つ相対湿度55%における印加電圧100Vの体積抵抗率と印加電圧500kVの体積抵抗率との差が1.8logΩ・cm超である中間転写体に比べて、ゴーストの発生を抑制する中間転写体が提供される。
<3>によれば、温度28℃且つ相対湿度85%における印加電圧500kVの体積抵抗率と温度10℃且つ相対湿度30%における印加電圧500kVの体積抵抗率との差が0.8logΩ・cm超である中間転写体に比べて、ゴーストの発生を抑制する中間転写体が提供される。
<6>によれば、表面層におけるカーボンブラックの平均分散粒径が30nm超である場合に比べて、ゴーストの発生を抑制する中間転写体が提供される。
<8>によれば、温度22℃且つ相対湿度55%における印加電圧100Vの体積抵抗率と印加電圧500kVの体積抵抗率との差が2.0logΩ・cm超である中間転写体を備える画像形成装置又は温度28℃且つ相対湿度85%における印加電圧500kVの体積抵抗率と温度10℃且つ相対湿度30%における印加電圧500kVの体積抵抗率との差が1.0logΩ・cm超である中間転写体を備える画像形成装置に比べて、ゴーストの発生を抑制する画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る中間転写体の一例を示す概略斜視図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 実施例において画質を評価するために形成した画像の概略図である。
以下に、本開示の実施形態について説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において実施形態を、図面を参照して説明する場合、当該実施形態の構成は図面に示された構成に限定されない。また、各図における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。本開示において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
<中間転写体>
本実施形態に係る中間転写体は、基層と、前記基層上に配置された表面層と、を有し、温度22℃且つ相対湿度55%における印加電圧100Vの体積抵抗率と印加電圧500kVの体積抵抗率との差が2.0logΩ・cm以下であり、
温度28℃且つ相対湿度85%における印加電圧500kVの体積抵抗率と温度10℃且つ相対湿度30%における印加電圧500kVの体積抵抗率との差が1.0logΩ・cm以下である。
本開示において、温度22℃且つ相対湿度55%における印加電圧100Vの体積抵抗率と印加電圧500kVの体積抵抗率との差を「Dρ1」(単位:logΩ・cm)といい、温度28℃且つ相対湿度85%における印加電圧500kVの体積抵抗率と温度10℃且つ相対湿度30%における印加電圧500kVの体積抵抗率との差を「Dρ2」(単位:logΩ・cm)という。
Dρ1は、電圧変動に対する中間転写体の電気的安定性を意味する。
Dρ2は、環境変動に対する中間転写体の電気的安定性を意味する。
本実施形態に係る中間転写体は、Dρ1が2.0以下であり且つDρ2が1.0以下であることにより、ゴースト(前の画像が次の画像に現れる現象)の発生を抑制する。
Dρ1が2.0超であると、残留電荷によって中間転写体の表面電位の減衰に要する時間が長くなり、ゴーストが発生することがある。また、表層での転写手段との間に生じる異常放電が悪化しやすく、その放電によって中間転写部材の表面の劣化が悪化する場合がある。この観点から、本実施形態においてDρ1は、2.0以下であり、1.8以下が好ましく、理想的には0が好ましい。
温度22℃且つ相対湿度55%における印加電圧100Vの体積抵抗率と、温度22℃且つ相対湿度55%における印加電圧500kVの体積抵抗率とは、どちらが大きくてもよい。温度22℃且つ相対湿度55%における印加電圧100Vの体積抵抗率が、温度22℃且つ相対湿度55%における印加電圧500kVの体積抵抗率よりも大きいことが好ましい。
温度22℃且つ相対湿度55%における印加電圧100Vの体積抵抗率(単位:logΩ・cm)は、9.5以上13.5以下が好ましく、10.0以上12.5以下がより好ましく、10.5以上12.0以下が更に好ましい。
温度22℃且つ相対湿度55%における印加電圧500kVの体積抵抗率(単位:logΩ・cm)は、7.5以上11.5以下が好ましく、8.0以上11.0以下がより好ましく、8.5以上10.0以下が更に好ましい。
Dρ2が1.0超であると、印加電圧を高くする必要がある高速領域においては、残留電荷にムラが生じることで中間転写体上の残留電荷の影響を受け、ゴーストが発生することがある。この観点から、本実施形態においてDρ2は、1.0以下であり、0.8以下であることが好ましく、理想的には0が好ましい。
温度28℃且つ相対湿度85%における印加電圧500kVの体積抵抗率と、温度10℃且つ相対湿度30%における印加電圧500kVの体積抵抗率とは、どちらが大きくてもよい。温度10℃且つ相対湿度30%における印加電圧500kVの体積抵抗率が、温度28℃且つ相対湿度85%における印加電圧500kVの体積抵抗率よりも大きいことが好ましい。
温度28℃且つ相対湿度85%における印加電圧500kVの体積抵抗率(単位:logΩ・cm)は、7.5以上11.0以下が好ましく、8.0以上10.0以下がより好ましく、8.5以上9.0以下が更に好ましい。
温度10℃且つ相対湿度30%における印加電圧500kVの体積抵抗率(単位:logΩ・cm)は、8.5以上12.0以下が好ましく、9.0以上11.0以下がより好ましく、9.5以上10.5以下が更に好ましい。
中間転写体のDρ1及びDρ2は、例えば、表面層に含まれる成分の種類及び含有量により制御することができる。そして、中間転写体の体積抵抗率を測定し、Dρ1及びDρ2を確認して本実施形態に係る中間転写体を選択する。
本実施形態において体積抵抗率の測定は下記のとおり行う。
測定環境は、温度22℃且つ相対湿度55%、温度28℃且つ相対湿度85%、又は温度10℃且つ相対湿度30%である。中間転写体を測定環境に24時間以上置き、調温調湿を行う。
抵抗測定機は微小電流計(Advantest社製R8430A)、プローブはURプローブ(三菱ケミカル(株)製)である。
印加電圧100V又は500kV、印加時間5秒間、荷重1kgfである。
測定点は、中間転写体の周方向に等間隔で6点、中間転写体の幅方向に中央部及び両端部の3点、合計18点である。18点の測定値を算術平均する。
図1は、本実施形態に係る中間転写体の一例を示す概略斜視図である。図1に図示された中間転写体50は、無端のベルト状部材である。本実施形態に係る中間転写体は、これに限られず、ロール状であってもよい。
図1に図示された中間転写体50は、基層52と、表面層54とを有する。表面層54は、中間転写体50の外周面を構成する層である。
以下に、中間転写体の各層の詳細を説明する。
[基層]
基層は、樹脂に導電剤を含有させた半導電性のフィルム又はシートであることが好ましい。
樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニルサルホン、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステルが挙げられる。基層の強度と耐久性の観点から、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトンが好ましい。樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電剤としては、例えば、ケッチェンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;アルミニウム、ニッケル等の金属;酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化チタン、酸化イットリウム等の金属酸化物;チタン酸カリウム、塩化カリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム等のイオン導電性物質;ポリアニリン、ポリエーテル、ポリピロール、ポリサルフォン、ポリアセチレン等の導電性高分子;などが挙げられる。導電剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
基層の導電剤としては、カーボンブラックが好ましい。基層の導電剤として用いるカーボンブラックの平均一次粒径は、10nm以上40nm以下が好ましい。
導電剤の含有量は、導電剤の種類によるが、導電剤としてカーボンブラックを用いた場合、樹脂100質量部に対して5質量部以上40質量部以下が好ましい。
基層は、酸化防止剤、架橋剤、難燃剤、着色剤、界面活性剤、分散剤、フィラー等の添加剤を含んでいてもよい。
基層の厚さは、30μm以上150μm以下が好ましい。
[表面層]
表面層は、例えば、樹脂と導電剤とを含有する半導電性の層であることが好ましい。
樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニルサルホン、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテル、ポリビニルブチラール、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂としては、表面層の強度と耐久性の観点から、ポリイミドが好ましい。ポリイミドとしては、表面層が導電性フィラーを含有する場合において導電性フィラーの分散性を高める観点から、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの重合体であるポリアミド酸(ポリアミック酸)のイミド化物が好ましい。
導電剤としては、例えば、ポリアニリン、ポリエーテル、ポリピロール、ポリサルフォン、ポリアセチレン等のイオン導電性高分子;チタン酸カリウム、塩化カリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム等のイオン導電性物質;ケッチェンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;アルミニウム、ニッケル等の金属;酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化チタン、酸化イットリウム等の金属酸化物;などが挙げられる。導電剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本開示において、カーボンブラック、金属、金属酸化物などの粒子状の導電剤を「導電性フィラー」という。
導電剤としては、電圧変動に対する電気的安定性が高い観点から、イオン導電性高分子が好ましく、イオン導電性高分子の中でも、ポリアニリン及びポリエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
表面層に含まれるイオン導電性高分子の含有量は、表面層の全質量に対して3質量%以上7.5質量%以下が好ましい。
導電剤としては、表面層に電荷が残留しにくく転写効率に優れる観点から、導電性フィラーが好ましく、導電性フィラーの中でも、カーボンブラックが好ましい。
表面層がカーボンブラックを含有する場合、表面層に電荷が残留しにくく転写効率に優れる観点から、表面層におけるカーボンブラックの平均分散粒径は30nm以下であることが好ましく、より好ましくは20nm以下、更に好ましくは15nm以下である。表面層におけるカーボンブラックの平均分散粒径の下限値は、制限されるものではないが、例えば10nm以上である。
表面層におけるカーボンブラックの平均分散粒径の測定は、下記の方法により行う。
クライオミクロトーム法により表面層を厚さ方向に切って、表面層の切片試料を作製する。切片試料を走査型電子顕微鏡により撮像する。
画像内において4μm四方の領域を無作為に10領域選択し、合計160μmを観察する。表面層の厚さが4μmに満たない場合は、観察面積が合計160μmとなるように、観察する領域数を増やす。
観察する領域に見出されるすべてのカーボンブラックの長径(nm)を計測し、その算術平均を平均分散粒径(nm)とする。カーボンブラックが一次粒子の状態で見出される場合は一次粒子の長径を測定し、カーボンブラックが二次粒子の状態で見出される場合は二次粒子の長径を測定する。長径とは、輪郭線上の2点を結ぶすべての直線のうち最も長い直線の長さである。
表面層に含まれるカーボンブラックの含有量は、表面層の全質量に対して、10質量%以上35質量%以下が好ましく、15質量%以上30質量%以下がより好ましく、17質量%以上28質量%以下が更に好ましい。
中間転写体のDρ1及びDρ2を制御する観点と、表面層に電荷が残留しにくく転写効率に優れる観点とから、表面層はイオン導電性高分子とカーボンブラックとを含有することが好ましい。
表面層におけるイオン導電性高分子の含有量M1とカーボンブラックの含有量M2と比M1/M2は、0.5以上1.5以下が好ましく、0.6以上1.3以下がより好ましい。
表面層は、酸化防止剤、架橋剤、難燃剤、着色剤、フィラー等の添加剤を含んでいてもよい。
表面層の厚さは、表面層の耐摩耗性の観点から、1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましく、中間転写体の耐屈曲性の観点から、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。
[その他の層]
本実施形態に係る中間転写体は、基層及び表面層以外の層を有していてもよい。例えば、基層と表面層との間に金属層又は金属酸化物層を有していてもよい。
[中間転写体の製造方法]
本実施形態に係る中間転写体を製造する方法としては、例えば、基層となる管状部材を用意する第一の工程と、管状部材上に表面層を形成する第二の工程と、を有する製造方法が挙げられる。
第一の工程によって用意される管状部材は、樹脂及び導電剤を含有する樹脂組成物を溶融し、ダイスからベルト状に押し出して固化させた押出成形品;樹脂及び導電剤を含有する樹脂組成物を溶融し、ベルト状の金型に入れて固化させた射出成形品;樹脂、樹脂前駆体又は単量体と導電剤とを含有する液体組成物を芯体に塗布し固化させた塗布成形品;などのいずれでもよい。
第二の工程は、例えば、樹脂、樹脂前駆体又は単量体と導電剤とを含有する液体組成物を管状部材の外周面に塗布し固化させる工程;樹脂、樹脂前駆体又は単量体と導電剤とを含有する液体組成物を芯体に塗布し固化させて管状フィルムを作製し、管状フィルムを管状部材に積層する工程;などである。液体組成物を固化させるために、成分の種類に応じて、乾燥、加熱、電子線照射又は紫外線照射を行ってもよい。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、感光体と、感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した感光体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを含む現像剤を収容し、現像剤を用いて感光体の表面に形成された静電荷像を現像しトナー像を形成する現像手段と、中間転写体と、トナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、を備える。そして、中間転写体として、本実施形態に係る中間転写体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段;トナー像の転写後、帯電前の感光体の表面をクリーニングする感光体クリーニング手段;トナー像の転写後、帯電前に感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段;等をさらに備えていてもよい。本実施形態に係る画像形成装置は、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を説明するが、これに限定されるわけではない。以下の説明においては、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図2に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して着脱されるプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの上方には、各ユニットを通して中間転写ベルト(中間転写体の一例)20が延設されている。中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20の内面に接する、駆動ロール22及び支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行するようになっている。支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。中間転写ベルト20の像保持面側には、駆動ロール22と対向して中間転写ベルトクリーニング装置30が備えられている。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段の一例)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーの供給がなされる。
第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成及び動作を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエローの画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。
第1のユニット10Yは、感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール(一次転写手段の一例)5Y、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置6Yが順に配置されている。
一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。各ユニットの一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。
二次転写ロール(二次転写手段の一例)26は、中間転写ベルト20の外側に配置され、支持ロール24に対向した位置に設けられている。二次転写ロール26には、二次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)が接続されている。
以下、第1のユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が-600V乃至-800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率1×10-6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線が照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3からレーザ光線3Yを照射する。それにより、イエローの画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転する。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー像として現像され可視化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして、感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエローのトナー像が一次転写位置へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー像に作用し、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と逆極性の(+)極性であり、第1のユニット10Yでは制御部(図示せず)によって例えば+10μAに制御されている。
第2ユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエローのトナー像が転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と、支持ロール24と、二次転写ロール26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と同極性の(-)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用し、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
トナー像が転写された記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれ、トナー像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
トナー像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体としては、記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
以下、実施例を例示することで本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。合成、処理、製造などは、特に断りのない限り、室温(25℃±3℃)で行った。
<実施例1>
[基層形成用液体組成物の調製]
3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’-ジアミノジフェニルエーテルとからなるポリアミック酸のN-メチル-2-ピロリドン溶液(イミド転化後の固形分率が18質量%)に、イミド転化後の固形分100質量部に対し、カーボンブラック粒子(製品名「FW200」、オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を22質量部になるよう添加し、混合及び攪拌し、基層形成用液体組成物を得た。
[基層となる管状部材の作製]
外径278mm且つ長さ600mmのアルミニウム製円筒体を用意した。アルミニウム製円筒体を回転させ、中央部の幅500mmにディスペンサーを介して基層形成用液体組成物を吐出した。アルミニウム製円筒体を水平の姿勢に保ち、140℃で30分間加熱乾燥させ、次いで、最高温度が320℃となるように120分間加熱し、アルミニウム製円筒体上にポリイミド製の管状部材を作製した。
[ポリアミック酸溶液の調製]
攪拌棒、温度計及び滴下ロートを取り付けたフラスコ中に、五酸化リンによって乾燥した窒素ガスを通じ、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.42g(0.1モル)とN-メチル-2-ピロリドン117.68gとを注入した。十分に攪拌し溶解した後、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル20.02g(0.1モル)をN-メチル-2-ピロリドン80.08gに溶解させた溶液を、10℃に保持したフラスコ内に徐々に滴下した。ジアミン溶液の滴下終了後、10℃~15℃に保持して攪拌し重合を行った。反応溶液を大量のメタノール中に注ぎ、再沈殿精製を行った。析出した白色ポリマーを、濾別及び乾燥した後、N-メチル-2-ピロリドンに再溶解させて20質量%ポリアミック酸溶液(a)を得た。
[ポリアニリンの合成]
10Lのセパラブルフラスコに、イオン交換水6000g、35%塩酸400mL及びアニリン400g(4.295モル)を仕込み、攪拌を行ってアニリンを溶解させた。ビーカーにイオン交換水1493gを入れ、氷水にて冷却しながら98%濃硫酸434g(4.295モル)を添加し混合して、硫酸水溶液を調製した。硫酸水溶液をアニリン溶液に氷冷しながら徐々に加えた。
次いで、ペルオキソ二硫酸アンモニウム980g(4.295モル)をイオン交換2300gに溶解させた酸化剤水溶液を、アニリン溶液に氷冷しながら徐々に滴下した。ペルオキソ二硫酸アンモニウム水溶液の滴下終了後、さらに1時間攪拌を続けた。滴下終了後、無色透明の溶液は、重合の進行に伴って緑青色から黒緑色となり、次いで、黒緑色の粉末が析出した。得られた粉末を濾別し、水洗及びアセトン洗浄し、室温で真空乾燥して、硫酸にてドープされた導電性ポリアニリン430gを黒緑色の粉末として得た。
次いで、ドープ状態の導電性ポリアニリン粉末350gを、2Nアンモニア水4Lに添加し、ホモミキサーにて回転数5000rpmにて5時間攪拌した。混合物は、黒緑色から青紫色に変化した。粉末を濾別し、水洗及びアセトン洗浄し、室温にて10時間真空乾燥して、黒褐色の脱ドープされたポリアニリン粉末280gを得た。
[ポリアニリン液の調製]
脱ドープ状態のポリアニリン粉末18.22g(0.10モル)をヒドラジンを用いて還元したのち、N-メチル-2-ピロリドン180gに溶解させて、ポリアニリン液を得た。
[ポリアミック酸組成物の調製]
ポリアニリン液に、ドーパントとしてフェノールスルホン酸17.42g(0.10モル)を添加した。これを、20質量%ポリアミック酸溶液(a)500gに、攪拌しながら徐々に添加した。次いで、孔径50μmの金属メッシュにて凝集物を除去して、ポリアミック酸組成物を得た。ポリアミック酸組成物の組成は以下のとおりである。
-ポリアミック酸組成物の組成-
・ポリアミック酸:100g
・ポリアニリン :18.22g(0.05モル。ポリアミック酸100質量部に対して18.22質量部)
・ドーパント :17.42g(0.1モル。ポリアニリン構成ユニット1モルに対して1モル当量)
・溶媒 :580g
[表面層形成用液体組成物の調製]
ポリアミック酸組成物100質量部に、カーボンブラック粒子(COLOR BLACK FW1、オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を20質量部添加し、攪拌して混合した。次いで、対向衝突型高圧ホモジナイザー(常光社製)を100MPaで5度通過させ、表面層形成用液体組成物を得た。
[表面層の形成]
アルミニウム製円筒体上の管状部材の外周面に、表面層形成用液体組成物を、長さ500mm且つスリット0.4mmのTダイを用いてキャスティングした。45分間かけて40℃から150℃に加熱し、次いで、庫内温度320℃から350℃のオーブンを20分間かけて通過させ、ポリアミック酸をポリイミドに硬化させた。
[無端ベルトの作製]
基層と表面層との積層体をアルミニウム製円筒体から抜き取り、幅363mmに裁断し、中間転写体として無端ベルトを得た。中間転写体は、幅363mm、基層の厚さ100μm、表面層の厚さ5μmであった。
<実施例2~4及び比較例1~3>
実施例1と同様にして、ただし、カーボンブラックの平均分散粒径又は表面層の厚さを表1に記載の仕様に変更し、中間転写体を作製した。
<性能評価>
[ゴースト]
各実施例又は各比較例の中間転写体を、電子写真方式の画像形成装置(富士ゼロックス社製DocuCentreColor500改造機)に搭載した。温度22℃且つ相対湿度55%の環境下、図3に示す画像(画像濃度100%の黒色画像中に白抜きの文字「G」を5個有する領域と画像濃度40%の黒色ハーフトーン画像の領域とを有する画像)をA4紙で10枚連続出力した。1枚目と10枚目とを目視で比較し、ゴーストを下記のとおり分類した。
A:文字「G」上に濃度変化がない。
B:文字「G」上に濃度変化がごくわずかに感じられる。
C:文字「G」上に濃度変化が若干あるが、実使用上許容できる。
D:文字「G」上に濃度変化があり、実使用上許容できない。
[転写効率]
各実施例又は各比較例の中間転写体を、電子写真方式の画像形成装置(富士ゼロックス社製DocuCentreColor500改造機)に搭載した。温度22℃且つ相対湿度55%の環境下、A4紙に画像密度1%の画像を1万枚出力した。次いで、3cm×4cmのソリッドパッチを現像及び転写し、中間転写体上の転写トナー像を粘着テープ表面の粘着性を利用して採取し、転写トナー像の重量W1を測定した。次いで、3cm×4cmのソリッドパッチをA4紙に画像形成し、画像の重量W2を測定した。これら重量から転写効率(W2÷W1×100、単位:%)を算出し、転写効率を下記のとおり分類した。
A:転写効率が95%以上
B:転写効率が90%以上95%未満
C:転写効率が85%以上90%未満
D:転写効率が85%未満
[中間転写体の表面の劣化]
各実施例又は各比較例の中間転写体を、電子写真方式の画像形成装置(富士ゼロックス社製DocuCentreColor500改造機)に搭載した。温度22℃且つ相対湿度55%の環境下、A4紙に黒色ベタ画像を20万枚出力した。5万枚ごとに中間転写体の表面を目視で観察し、表面の荒れの有無を確認した。荒れが確認できた出力枚数を指標にして、中間転写体の表面の劣化を下記のとおり分類した。
A:20万枚において荒れがない。
B:15万枚において荒れがなく、20万枚において荒れがある。
C:10万枚において荒れがなく、15万枚において荒れがある。
D:10万枚において荒れがある。
Figure 2022177697000002
50 中間転写体、52 基層、54 表面層
1Y、1M、1C、1K 感光体
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
28 定着装置(定着手段の一例)
30 中間転写ベルトクリーニング装置
P 記録紙(記録媒体の一例)

Claims (8)

  1. 基層と、前記基層上に配置された表面層と、を有し、
    温度22℃且つ相対湿度55%における印加電圧100Vの体積抵抗率と印加電圧500kVの体積抵抗率との差が2.0logΩ・cm以下であり、
    温度28℃且つ相対湿度85%における印加電圧500kVの体積抵抗率と温度10℃且つ相対湿度30%における印加電圧500kVの体積抵抗率との差が1.0logΩ・cm以下である、
    中間転写体。
  2. 温度22℃且つ相対湿度55%における印加電圧100Vの体積抵抗率と印加電圧500kVの体積抵抗率との差が1.8logΩ・cm以下である、請求項1に記載の中間転写体。
  3. 温度28℃且つ相対湿度85%における印加電圧500kVの体積抵抗率と温度10℃且つ相対湿度30%における印加電圧500kVの体積抵抗率との差が0.8logΩ・cm以下である、請求項1又は請求項2に記載の中間転写体。
  4. 前記表面層が樹脂、イオン導電性高分子及び導電性フィラーを含有する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の中間転写体。
  5. 前記イオン導電性高分子がポリアニリン及びポリエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項4に記載の中間転写体。
  6. 前記導電性フィラーがカーボンブラックを含み、
    前記表面層におけるカーボンブラックの平均分散粒径が30nm以下である、請求項4又は請求項5に記載の中間転写体。
  7. 前記樹脂がポリアミック酸のイミド化物を含む、請求項4~請求項6のいずれか1項に記載の中間転写体。
  8. 感光体と、
    前記感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記感光体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    トナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤を用いて前記感光体の表面に形成された静電荷像を現像しトナー像を形成する現像手段と、
    請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の中間転写体と、
    前記トナー像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、
    前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、
    を備える画像形成装置。
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