JP2022175246A - 樹脂成形品 - Google Patents

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Shunsuke Inagaki
将典 坪田
Masanori Tsubota
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【課題】高い着色濃度と耐擦傷性とを備えた樹脂成形品を、簡易な製造工程で提供する。【解決手段】第一の色に着色された樹脂基材の表面の少なくとも一部に、前記第一の色と同系色である第二の色に着色された着色保護層が積層されており、前記着色保護層は一次粒子径分布が20~170nmの範囲内である色材を1.0~11.0質量%含有する光硬化型アクリル樹脂からなり、前記着色保護層の厚さが5.0μm以下であることを特徴とする、樹脂成形品。【選択図】図1

Description

本発明は樹脂成形品に関する。本発明の樹脂成形品は、樹脂基材の表面の少なくとも一部に着色保護層を有している。
ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂などを原材料とする樹脂成形品は、その加工性の高さや軽量性に加え、高い機械的強度を有するため、様々な用途で利用されている。しかしながら、これら樹脂成形品は、擦れによって傷がつき易いという欠点を有している。また、樹脂成形品を着色する場合には、原材料中に染料や顔料などの色材を添加する。濃度の高い色を得るためには色材の添加量を増やす必要があるが、多量の色材添加は樹脂成形品の機械的強度を損なう結果となる。そのため、十分な着色濃度が得られず、一般的に樹脂成形品は白ボケ感や色ムラがあるなど、高級感が不足した仕上がりとなる傾向にあった。
特許文献1では、ベースフィルム上の剥離層上にハードコート層が形成され、このハードコート層の上に着色層が形成されたインモールド成形用フィルムが開示されている。着色層の側から成形樹脂を流し込んだのち、剥離層とともにベースフィルムを取り除くことで、表面に着色層とハードコート層とが積層されたインモールド成形品が得られるとしている。特許文献2では、基材上に着色層、プライマー層及び表面保護層をこの順で有する加飾シートが記載されている。
これらの先行技術によれば、十分な着色濃度が得られるとともに、耐擦傷性を向上できる。しかし、積層構造を形成するために製造工程が多いという欠点を有している。
特開2015-199199号公報 特開2017-052290号公報
上記の問題を解決し、簡易な工程で製造することが可能であり、高級感と耐擦傷性とを備えた樹脂成形品を提供することを本発明の課題とする。
本発明の樹脂成形品は、第一の色に着色された樹脂基材の表面の少なくとも一部に、前記第一の色と同系色である第二の色に着色された着色保護層が積層されており、前記着色保護層は一次粒子径分布が20~170nmの範囲内である色材を1.0~11.0質量%含有する光硬化型アクリル樹脂からなり、前記着色保護層の厚さが5.0μm以下であることを特徴とする、樹脂成形品である。
これによれば、表面の着色濃度が高く耐擦傷性に優れた樹脂成形品を得ることができる。得られた樹脂成形品は意匠性と高級感とを備えたものとすることができる。
前記光硬化型アクリル樹脂が、単官能(メタ)アクリレート、二官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種または2種以上の混合物であることが好ましい。
本発明によれば、高級感と耐擦傷性とを備えた樹脂成形品を得ることができる。本発明の樹脂成形品は、着色保護層を有する構成であるため、簡易な工程で製造することができる。
本発明の樹脂成形品の断面構造を示す模式図である。
本発明の樹脂成形品は、第一の色に着色された樹脂基材をベースとする。前記樹脂基材を構成する樹脂としては特に限定されないが、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。なかでも、機械強度・物性強度が優れているという観点から、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂であることが好ましい。
前記樹脂基材はフィルム状、板状、ブロック状などの形状であってもよいし、所望の形状に成形された立体的な形状であってもよい。立体的な形状に成形する方法は、公知の成形方法を採用することができる。
前記樹脂基材は、前記第一の色に着色されている。着色方法は特に制限されないが、原料となる樹脂組成物中に顔料や染料などの色材を配合することによって着色されていることが好ましい。その理由としては、均一な着色が可能であり、着色の耐久性も高いことが挙げられる。前記樹脂基材を前記第一の色に着色するための顔料や染料は特に限定されず、公知の染料、顔料を使用することができる。染料、顔料の配合量については、前記樹脂基材の機械的強度が所望の水準を満たす限り特に制限はない。
前記樹脂基材の表面には、少なくとも一部に着色保護層が積層される。前記着色保護層は、前記第一の色と同系色である第二の色に着色されている。ここで同系色とは、JIS Z8721(色の表示方法-三属性による表示)において、色相環において隣り合う色相であって、且つ明度、彩度がそれぞれ+3~-3の範囲にあるものである。例えば第一の色が5R4/6(色相5R、明度4、彩度6)である場合、本願における同系色としての第二の色は、色相が2.5Rから7.5Rの範囲であって、明度が1~7、彩度が3~9の範囲である色である。また、前記第一の色が無彩色(Nで表される)である場合については、第二の色は無彩色であって第一の色に対して明度が+3~-3の範囲にあるものを同系色とする。
前記着色保護層は、光硬化型アクリル樹脂を主な成分とする。前記光硬化型アクリル樹脂は、紫外線硬化型アクリル樹脂であることが好ましい。紫外線硬化型アクリル樹脂としては、アクリロイル基やメタクリロイル基を含むモノマーやオリゴマーを用いることができる。
モノマーとしては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートやそれらの変性体などの6官能(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレートなどの5官能(メタ)アクリレート;ペンタジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの4官能(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリルトリ(メタ)アクリレートなどの3官能(メタ)アクリレート;ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートなどの2官能(メタ)アクリレート;および、カプロラクトン(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル-ジグリコールジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ネオペンチルフリコール(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ-ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ-トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ-ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ-ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-コハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-フタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチル-フタル酸などの単官能(メタ)アクリレートがあげられる。
オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、シリコン(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、特に限定されない。
前記着色保護層を形成する紫外線硬化型アクリル樹脂には、前記モノマーや前記オリゴマーとともに、光重合開始剤が配合される。光重合開始剤としてはアセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。
アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-〔4-(1-メチルビニル)フェニル〕プロパン-1-オンのオリゴマーなどが挙げられる。
ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’-テトラ(tert-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
チオキサントン系化合物としては、例えば、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
トリアジン系化合物としては、例えば、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシナフチル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシスチリル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(5-メチルフラン-2-イル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(フラン-2-イル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル〕-1,3,5-トリアジンなどが挙げられる。
前記光硬化型アクリル樹脂が、単官能(メタ)アクリレート、二官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種または2種以上の混合物であることが好ましい。これによれば、得られる前記着色保護層は、高硬度であり、且つ、適度な伸縮性を有するという効果が得られる。なかでも、高い耐擦傷性が得られるという点で、ウレタン(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
前記着色保護層を前記第二の色に着色するための色材は、公知の染料や顔料を用いることができるが、前記色材の一次粒子径分布が20~170nmの範囲内であり、前記色材の含有量が、1.0~11.0質量%であることが肝要である。前記色材の一次粒子径分布が20~170nmの範囲内であれば、前記光硬化型アクリル樹脂の光硬化に対する影響を最小化することができる。すなわち、前記光硬化型アクリル樹脂の硬化を阻害するほどに前記色材が光を吸収してしまうことがない。一次粒子径分布の最小値と最大値とが共に20~170nmの範囲内である必要がある。前記着色保護層における前記色材の含有量が1.0~11.0質量%の範囲内であれば、白ボケ感が抑えられるとともに、前記光硬化型アクリル樹脂の光硬化に対する影響をより小さくすることが可能となる。
前記色材として、染料の例は分散染料、カチオン染料、酸性染料などが挙げられる。顔料の例は、カーボンブラック、鉄黒、チタンホワイト、酸化亜鉛、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー、フタロシアニン青などが挙げられる。
前記着色保護層の厚さは5μm以下である。これによれば、厚さ方向について均一な光硬化性が得られ、加工性が良く、色ムラの発生も抑制できる。また、得られる樹脂成形品の質量を抑えることができる。
前記着色保護層は、前記樹脂基材の表面全体を被覆するように形成されていてもよい。また、前記着色保護層は、前記樹脂基材の表面の一部に形成されていてもよい。更に、前記着色保護層は、前記樹脂基材の表面の一部に、複数個所形成されていてもよい。前記着色保護層が複数形成されている場合、各々の着色保護層の色は同じであってもよいし、異なっていてもよい。ただし、各々の前記着色保護層の色は、いずれも前記樹脂基材の前記第一の色と同系色である。前記樹脂基材の表面の一部に形成される、複数の前記着色保護層は、互いに離間して形成されていてもよいし、その一部または全部が重なるように形成されていてもよい。
本発明の樹脂成形品を製造する方法は、従来公知の成形方法を採用することができる。例えば、フィルム状または板状の樹脂基材に対し、前記光硬化型アクリル樹脂からなる液状組成物を印刷などの手法で付与し、光照射して硬化させて着色保護層となし、その後公知のプレス成形法を用いて樹脂成形品を製造してもよい。或いは、離型性のシートに前記光硬化型アクリル樹脂からなる液状組成物を塗布した後に光照射して硬化させ、着色保護層が形成された離型性シートを得る。この離型性シートを用いてフィルムインサート成形を行って樹脂成形品を製造してもよい。
本発明の樹脂成形品を製造する方法としては、予め成形された樹脂基材に対し、前記光硬化型アクリル樹脂を含むインクを用いて印刷を行い、その後光照射をして前記インクを硬化させ着色保護層を形成する方法が好ましい。この方法によれば、前記着色保護層の厚さを、樹脂成形品の表面形状に関わらず均一に形成することが可能となる。前記着色保護層の厚さが均一であることにより、色ムラがなく、高い品位の樹脂成形品を得ることができる。印刷方法としては、複雑な形状を有する成形された樹脂基材に対しても高い精度で、高速に、自由度の高い形状で印刷が可能なインクジェット印刷法を採用することが好ましい。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何らの制限を受けるものではない。
[測色方法]
樹脂基材については、その表面を分光測色機(コニカミノルタ株式会社製、CM-2600d)により、測色を行った。また、着色保護層は、透過率が99%以上の無色透明なアクリル樹脂板(厚さ2.0mm、株式会社クラレ製MT3LTR)の一方の表面に対して、厚さが5μmの着色保護層を形成し、前記分光測色機により測色を行った。Lab表示系のa値、b値、L値として出力された測定データ値から、マンセル表示系の色相(H値)、明度(V値)、彩度(C値)に変換した。
[耐擦傷性]
着色保護層表面について、JIS K5600-5-4(750g荷重)に準じて鉛筆高度を測定し、耐擦傷性の評価とした。HB以上を〇、HB未満を×とする。
[白ボケ感、色ムラ評価]
作製した樹脂成形品を、検査用3波長蛍光灯(パナソニック株式会社製、FL30S)を用いて照度800~900luxで照らし、照明に対する樹脂成形品の角度を変えて観察して、白ボケ感、色ムラを目視観察にて評価した。評価の基準は、以下の4段階とする。
A:白ボケ感、色ムラが視認されない
B:色ムラが視認される
C:白ボケ感が視認される
D:白ボケ感、色ムラが共に視認される
[実施例1]
(処方A1)
主剤:光硬化性アクリル樹脂組成物(日本ペイント株式会社製) 46.0部
色剤:カーボンブラック分散体(一次粒子径分布 40~70nm) 3.2部
溶剤:ジアセトンアルコール 50.8部

樹脂基材として黒色色材で着色されたポリカーボネート-ABS混在樹脂基材(マルチロン、帝人株式会社製)を用いた。この樹脂基材の色(第一の色)はマンセル表色系においてN2であった。上記の処方A1にて光硬化性アクリル樹脂インクを作製した。これを樹脂基材の表面に、ウェット塗工量が20μmになるようにインクジェット法にて塗布し、乾燥機にて65℃で6分間処理後、UV照射(高圧水銀)により照度100mW以上、積算光量230mJ/cm以上となるように紫外線照射を行った。これによって形成された着色保護層は、色材含有量が2.4質量%であり、厚さが5.0μmであった。着色保護層の色(第二の色)はマンセル表色系においてN3であった。得られた樹脂成形品について耐擦傷性、白ボケ感、色ムラについて評価し、結果を表1に示す。
[実施例2]
(処方A2)
主剤:光硬化性アクリル樹脂組成物(日本ペイント株式会社製) 46.0部
色剤:カーボンブラック分散体(一次粒子径分布 40~70nm) 6.0部
溶剤:ジアセトンアルコール 48.0部

処方A1に替えて、上記の処方A2による光硬化性アクリル樹脂インクを用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂成形品を作製した。形成された着色保護層は、色材含有量4.2質量%であり、厚さが5.0μmであった。着色保護層の色(第二の色)はマンセル表色系においてN3であった。得られた樹脂成形品について耐擦傷性、白ボケ感、色ムラについて評価し、結果を表1に示す。
[実施例3]
(処方A3)
主剤:光硬化性アクリル樹脂組成物(日本ペイント株式会社製) 42.0部
色剤:カーボンブラック分散体(一次粒子径分布 100~150nm) 7.5部
溶剤:ジアセトンアルコール 50.5部

樹脂基材として黒色色材で着色されたアクリル樹脂基材(MT3LTR、株式会社クラレ製)を用いたこと、処方A1に替えて上記の処方A3による光硬化性アクリル樹脂インクを用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂成形品を作製した。樹脂基材の色(第一の色)はマンセル表色系においてN2であった。形成された着色保護層は、色材含有量4.2質量%であり、厚さが5.0μmであった。着色保護層の色(第二の色)はマンセル表色系においてN3であった。得られた樹脂成形品について耐擦傷性、白ボケ感、色ムラについて評価し、結果を表1に示す。
[実施例4]
(処方A4)
主剤:光硬化性アクリル樹脂組成物(日本ペイント株式会社製) 43.5部
色剤:銅フタロシアニンブルー分散体(一次粒子径分布50~120nm) 14.0部
溶剤:ジアセトンアルコール 42.5部

樹脂基材として青色色材で着色されたアクリル樹脂基材(MT3LTR、株式会社クラレ製)を用いたこと、処方A1に替えて上記の処方A4による光硬化性アクリル樹脂インクを用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂成形品を作製した。樹脂基材の色(第一の色)はマンセル表色系において2.5PB3/8であった。形成された着色保護層は、色材含有量10.5質量%であり、厚さが5.0μmであった。着色保護層の色(第二の色)はマンセル表色系において5PB5/10であった。得られた樹脂成形品について耐擦傷性、白ボケ感、色ムラについて評価し、結果を表1に示す。
[比較例1]
(処方B1)
主剤:光硬化性アクリル樹脂組成物(日本ペイント株式会社製) 46.0部
色剤:カーボンブラック分散体(一次粒子径分布 40~70nm) 21.0部
溶剤:ジアセトンアルコール 33.0部

処方A3に替えて、上記の処方B1による光硬化性アクリル樹脂インクを用いた以外は、実施例3と同様にして樹脂成形品を作製した。形成された着色保護層は、色材含有量11.8質量%であり、厚さが5.0μmであった。着色保護層の色(第二の色)はマンセル表色系においてN3であった。得られた樹脂成形品について耐擦傷性、白ボケ感、色ムラについて評価し、結果を表2に示す。
[比較例2]
(処方C1)
主剤:光硬化性アクリル樹脂組成物(日本ペイント株式会社製) 43.3部
色剤:カーボンブラック分散体(一次粒子径分布 150~200nm) 5.1部
溶剤:ジアセトンアルコール 51.6部

処方A3に替えて、上記の処方C1による光硬化性アクリル樹脂インクを用いた以外は、実施例3と同様にして樹脂成形品を作製した。形成された着色保護層は、色材含有量4.2質量%であり、厚さが5.0μmであった。着色保護層の色(第二の色)はマンセル表色系においてN3であった。得られた樹脂成形品について耐擦傷性、白ボケ感、色ムラについて評価し、結果を表2に示す。
[比較例3]
処方A3に替えて、上記の処方A4による光硬化性アクリル樹脂インクを用いた以外は、実施例3と同様にして樹脂成形品を作製した。形成された着色保護層は、色材含有量4.2質量%であり、厚さが5.0μmであった。着色保護層の色(第二の色)はマンセル表色系において5PB5/10であり、樹脂基材の色(第一の色:N3)に対して同系色ではなかった。得られた樹脂成形品について耐擦傷性、白ボケ感、色ムラについて評価し、結果を表2に示す。
[比較例4]
処方A3に替えて、上記の処方A2による光硬化性アクリル樹脂インクをウェット塗工量が40μmになるように塗布したこと以外は、実施例3と同様にして樹脂成形品を作製した。形成された着色保護層は、色材含有量4.2質量%であり、厚さが10.0μmであった。着色保護層の色(第二の色)はマンセル表色系においてN3であった。得られた樹脂成形品について耐擦傷性、白ボケ感、色ムラについて評価し、結果を表2に示す。
Figure 2022175246000002
Figure 2022175246000003
本発明の樹脂成形品は、家具、インテリア、家電の筐体、車輌の内外装品などに利用できる。
1:樹脂成形品
2:樹脂基材
3:着色保護層

Claims (2)

  1. 第一の色に着色された樹脂基材の表面の少なくとも一部に、前記第一の色と同系色である第二の色に着色された着色保護層が積層されており、前記着色保護層は一次粒子径分布が20~170nmの範囲内である色材を1.0~11.0質量%含有する光硬化型アクリル樹脂からなり、前記着色保護層の厚さが5.0μm以下であることを特徴とする、樹脂成形品。
  2. 前記光硬化型アクリル樹脂が、単官能(メタ)アクリレート、二官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種または2種以上の混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂成形品。
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