JP2022163680A - マルチ電子ビーム画像取得方法、マルチ電子ビーム画像取得装置、及びマルチ電子ビーム検査装置 - Google Patents

マルチ電子ビーム画像取得方法、マルチ電子ビーム画像取得装置、及びマルチ電子ビーム検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】マルチ1次電子ビームの走査に伴う、マルチ2次電子ビームの位置移動を相殺する方法を提供する。【解決手段】マルチ1次電子ビームから選択された代表1次電子ビームを、予め設定された偏向範囲の複数の位置に照射し、代表1次ビーム偏向範囲の複数の位置毎に放出される代表2次電子ビームを、仮の2次ビーム偏向条件で走査し、マルチ検出器の所定の検出エレメントで検出された代表2次電子ビームの検出画像に基づいて、複数の位置に対応した複数の座標を取得し、取得された複数の座標を用いて、1次ビーム偏向範囲内での代表1次電子ビームの移動に起因する代表2次電子ビームの移動が相殺されるように、2次ビーム偏向条件を演算する。【選択図】図6

Description

本発明の実施形態は、マルチ電子ビーム画像取得方法、マルチ電子ビーム画像取得装置、及びマルチ電子ビーム検査装置に関し、マルチ1次電子ビームを基板に照射して、基板から放出されるマルチ2次電子ビームを検出して画像を得る手法に関する。
近年、大規模集積回路(LSI)の高集積化及び大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路線幅はますます狭くなってきている。そして、多大な製造コストのかかるLSIの製造にとって、歩留まりの向上は欠かせない。しかし、1ギガビット級のDRAM(ランダムアクセスメモリ)に代表されるように、LSIを構成するパターンは、サブミクロンからナノメータのオーダーになっている。近年、半導体ウェハ上に形成されるLSIパターン寸法の微細化に伴って、パターン欠陥として検出しなければならない寸法も極めて小さいものとなっている。よって、半導体ウェハ上に転写された超微細パターンの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。その他、歩留まりを低下させる大きな要因の一つとして、半導体ウェハ上に超微細パターンをフォトリソグラフィ技術で露光、転写する際に使用されるマスクのパターン欠陥があげられる。そのため、LSI製造に使用される転写用マスクの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。
検査装置では、例えば、電子ビームを使ったマルチビームを検査対象基板に照射して、検査対象基板から放出される各ビームに対応する2次電子を検出して、パターン画像を撮像する。そして撮像された測定画像と、設計データ、あるいは基板上の同一パターンを撮像した測定画像と比較することにより検査を行う方法が知られている。例えば、同一基板上の異なる場所の同一パターンを撮像した測定画像データ同士を比較する「die to die(ダイ-ダイ)検査」や、パターン設計された設計データをベースに設計画像データ(参照画像)を生成して、それとパターンを撮像した測定データとなる測定画像とを比較する「die to database(ダイ-データベース)検査」がある。撮像された画像は測定データとして比較回路へ送られる。比較回路では、画像同士の位置合わせの後、測定データと参照データとを適切なアルゴリズムに従って比較し、一致しない場合には、パターン欠陥有りと判定する。
マルチビームを用いて撮像する場合、マルチ1次電子ビームを所定の範囲で走査する。よって、各2次電子ビームの放出位置は刻々と変化する。放出位置が変化した各2次電子ビームをマルチ検出器の対応する検出領域内に照射させるためには、放出位置の変化に起因するマルチ2次電子ビームの位置移動を振り戻す偏向が必要となる。
マルチビームではないが、電子顕微鏡において、試料を電子ビームで走査して、試料を透過した電子ビームを振り戻しコイルで振り戻した上で、検出器で検出する。振り戻しコイルの振り戻し量は、検出器とは別のカメラで事前に撮像した画像の変化量から計算することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。かかる手法では、画像を取得するための検出器とは別の高解像度の撮像素子が必要になってしまうといった問題があった。そのため、2種類の検出器を設置する必要が生じ、装置の大型化、高コスト化に繋がってしまう。また、調整の精度が不十分になる場合も生じ得る。
特開2006-196236号公報
本発明の実施形態では、画像を撮像するための検出器とは別の測定手段を用いることなく、マルチ1次電子ビームの走査に伴うマルチ2次電子ビームの位置移動を相殺するマルチ2次電子ビームの偏向調整が成された画像を取得可能な装置および方法を提供する。
本発明の一態様のマルチ電子ビーム画像取得方法は、
マルチ1次電子ビームから選択された代表1次電子ビームを、基板を載置するステージ上の予め設定される1次ビーム偏向範囲の複数の位置に照射する工程と、
代表1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、代表1次電子ビームの照射に起因して当該位置から放出される代表2次電子ビームを仮の2次ビーム偏向条件で走査する工程と、
代表1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、仮の2次ビーム偏向条件で走査された代表2次電子ビームを複数の検出エレメントを有するマルチ検出器の所定の検出エレメントで検出する工程と、
1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に検出された代表2次電子ビームの検出画像に基づいて複数の位置に対応した複数の座標を取得する工程と、
取得された複数の座標を用いて、1次ビーム偏向範囲内での代表1次電子ビームの移動に起因する代表2次電子ビームの移動が相殺され、所定の検出エレメントへの代表2次電子ビームの照射位置が固定されるように、2次ビーム偏向条件を演算する工程と、
ステージ上に載置された基板上を1次電子ビーム偏向範囲でマルチ1次電子ビームを用いて走査すると共に、演算された2次ビーム偏向条件に沿ったビーム偏向により基板から放出されたマルチ2次電子ビームを走査しながら、マルチ検出器でマルチ2次電子ビームを検出することにより基板の2次電子画像を取得する工程と、
を備えたことを特徴とする。
また、複数の位置として、1次電子ビーム偏向範囲の4隅の位置を用いると好適である。
また、2次電子ビームの偏向条件は、偏向倍率と偏向回転角とを有すると好適である。
また、代表1次電子ビームとして、マルチ1次電子ビームの中心ビームを用いると好適である。
或いは、代表1次電子ビームとして、マルチ1次電子ビームの4隅のビームを用い、
2次ビーム偏向条件は、4隅のビームのビーム毎に演算され、ビーム毎に演算された値の統計値が用いられると好適である。
また、1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に検出された代表2次電子ビームの検出画像を合成する工程をさらに備え、
複数の座標は、合成された合成画像を用いて取得されると好適である。
本発明の一態様のマルチ電子ビーム画像取得装置は、
基板を載置するステージと、
マルチ1次電子ビームから選択された代表1次電子ビームを、ステージ上の予め設定される1次ビーム偏向範囲の複数の位置に照射する1次系偏向器と、
代表1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、代表1次電子ビームの照射に起因して当該位置から放出される代表2次電子ビームを仮の2次ビーム偏向条件で走査する2次系偏向器と、
複数の検出エレメントを有し、代表1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、仮の2次ビーム偏向条件で走査された代表2次電子ビームを複数の検出エレメントの所定の検出エレメントで検出するマルチ検出器と、
1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に検出された代表2次電子ビームの検出画像に基づいて複数の位置に対応した複数の座標を取得する座標取得部と、
取得された複数の座標を用いて、1次ビーム偏向範囲内での代表1次電子ビームの移動に起因する代表2次電子ビームの移動が相殺され、所定の検出エレメントへの代表2次電子ビームの照射位置が固定されるように、2次ビーム偏向条件を演算する偏向条件演算部と、
を備え、
1次系偏向器によりステージ上に載置された基板上を1次電子ビーム偏向範囲でマルチ1次電子ビームを用いて走査すると共に、演算された2次ビーム偏向条件に沿った2次系偏向器によるビーム偏向により前記基板から放出されたマルチ2次電子ビームを走査しながら、マルチ検出器でマルチ2次電子ビームを検出することにより基板の2次電子画像を取得することを特徴とする。
本発明の一態様のマルチ電子ビーム検査装置は、
基板を載置するステージと、
マルチ1次電子ビームから選択された代表1次電子ビームを、ステージ上の予め設定される1次ビーム偏向範囲の複数の位置に照射する1次系偏向器と、
代表1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、代表1次電子ビームの照射に起因して当該位置から放出される代表2次電子ビームを仮の2次ビーム偏向条件で走査する2次系偏向器と、
複数の検出エレメントを有し、代表1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、仮の2次ビーム偏向条件で走査された代表2次電子ビームを複数の検出エレメントの所定の検出エレメントで検出するマルチ検出器と、
1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に検出された代表2次電子ビームの検出画像に基づいて複数の位置に対応した複数の座標を取得する座標取得部と、
取得された複数の座標を用いて、1次ビーム偏向範囲内での代表1次電子ビームの移動に起因する代表2次電子ビームの移動が相殺され、所定の検出エレメントへの代表2次電子ビームの照射位置が固定されるように、2次ビーム偏向条件を演算する偏向条件演算部と、
を備え、
1次系偏向器によりステージ上に載置された基板上を1次電子ビーム偏向範囲でマルチ1次電子ビームを用いて走査すると共に、演算された2次ビーム偏向条件に沿った2次系偏向器によるビーム偏向により基板から放出されたマルチ2次電子ビームを走査しながら、マルチ検出器でマルチ2次電子ビームを検出することにより基板の2次電子画像を取得し、
取得された2次電子画像の少なくとも一部と所定の画像とを比較する比較部をさらに備えたことを特徴とする。
本発明の他の態様のマルチ電子ビーム画像取得装置は、
基板を載置するステージと、
マルチ1次電子ビームを代表する代表1次電子ビームを、ステージ上の予め設定される1次ビーム偏向範囲の複数の位置に時期をずらして順に照射する1次系偏向器と、
代表1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、代表1次電子ビームの照射に起因して当該位置から放出される代表2次電子ビームを仮の2次ビーム偏向条件で走査する2次系偏向器と、
複数の検出エレメントを有し、代表1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、仮の2次ビーム偏向条件で走査された代表2次電子ビームを複数の検出エレメントの所定の検出エレメントで検出するマルチ検出器と、
1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に検出された代表2次電子ビームの検出画像を合成する画像合成部と、
合成された合成画像を用いて、1次ビーム偏向範囲内での代表1次電子ビームの移動に起因する代表2次電子ビームの移動が相殺され、所定の検出エレメントへの代表2次電子ビームの照射位置が固定されるように、2次ビーム偏向条件を演算する偏向条件演算部と、
を備え、
1次系偏向器によりステージ上に載置された基板上を1次電子ビーム偏向範囲でマルチ1次電子ビームを用いて走査すると共に、演算された2次ビーム偏向条件に沿った2次系偏向器によるビーム偏向により基板から放出されたマルチ2次電子ビームを走査しながら、マルチ検出器でマルチ2次電子ビームを検出することにより基板の2次電子画像を取得することを特徴とする。
本発明の他の態様のマルチ電子ビーム検査装置は、
基板を載置するステージと、
マルチ1次電子ビームを代表する代表1次電子ビームを、ステージ上の予め設定される1次ビーム偏向範囲の複数の位置に時期をずらして順に照射する1次系偏向器と、
代表1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、代表1次電子ビームの照射に起因して当該位置から放出される代表2次電子ビームを仮の2次ビーム偏向条件で走査する2次系偏向器と、
複数の検出エレメントを有し、代表1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、仮の2次ビーム偏向条件で走査された代表2次電子ビームを複数の検出エレメントの所定の検出エレメントで検出するマルチ検出器と、
1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に検出された代表2次電子ビームの検出画像を合成する画像合成部と、
合成された合成画像を用いて、1次ビーム偏向範囲内での代表1次電子ビームの移動に起因する代表2次電子ビームの移動が相殺され、所定の検出エレメントへの代表2次電子ビームの照射位置が固定されるように、2次ビーム偏向条件を演算する偏向条件演算部と、
を備え、
1次系偏向器によりステージ上に載置された基板上を1次電子ビーム偏向範囲でマルチ1次電子ビームを用いて走査すると共に、演算された2次ビーム偏向条件に沿った2次系偏向器によるビーム偏向により基板から放出されたマルチ2次電子ビームを走査しながら、マルチ検出器でマルチ2次電子ビームを検出することにより基板の2次電子画像を取得し、
取得された2次電子画像の少なくとも一部と所定の画像とを比較する比較部をさらに備えたことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、画像を撮像するための検出器とは別の測定手段を用いることなく、マルチ1次電子ビームの走査に伴うマルチ2次電子ビームの位置移動を相殺するマルチ2次電子ビームの偏向調整が成された画像を取得できる。
実施の形態1における検査装置の構成を示す構成図である。 実施の形態1における成形アパーチャアレイ基板の構成を示す概念図である。 実施の形態1における半導体基板に形成される複数のチップ領域の一例を示す図である。 実施の形態1における検査処理を説明するための図である。 実施の形態1における偏向調整回路の内部構成の一例を示す図である。 実施の形態1における検査方法の要部工程の一例を示すフローチャート図である。 実施の形態1におけるビーム選択の仕方を説明するための図である。 実施の形態1における1次電子ビームの走査範囲のスキャン中心に代表1次電子ビームを照射した場合の代表2次電子ビームの位置を説明するための図である。 実施の形態1における1次電子ビームの走査範囲の左下コーナー位置に代表1次電子ビームを照射した場合の代表2次電子ビームの位置の一例を説明するための図である。 実施の形態1における1次電子ビームの走査範囲の右下コーナー位置に代表1次電子ビームを照射した場合の代表2次電子ビームの位置の一例を説明するための図である。 実施の形態1における1次電子ビームの走査範囲の右上コーナー位置に代表1次電子ビームを照射した場合の代表2次電子ビームの位置の一例を説明するための図である。 実施の形態1における1次電子ビームの走査範囲の左上コーナー位置に代表1次電子ビームを照射した場合の代表2次電子ビームの位置の一例を説明するための図である。 実施の形態1における合成画像の一例を示す図である。 実施の形態1における1次ビーム走査範囲と2次ビーム走査範囲との相対関係の一例を示す図である。 実施の形態1における調整後の合成画像の一例を示す図である。 実施の形態1における比較回路内の構成の一例を示す構成図である。 実施の形態2における代表1次電子ビームを説明するための図である。 実施の形態2における1次電子ビームの走査範囲の左下コーナー位置に代表1次電子ビームを照射した場合の代表2次電子ビームの位置の一例を説明するための図である。 実施の形態2における1次電子ビームの走査範囲の右下コーナー位置に代表1次電子ビームを照射した場合の代表2次電子ビームの位置の一例を説明するための図である。 実施の形態2における1次電子ビームの走査範囲の左上コーナー位置に代表1次電子ビームを照射した場合の代表2次電子ビームの位置の一例を説明するための図である。 実施の形態2における1次電子ビームの走査範囲の右上コーナー位置に代表1次電子ビームを照射した場合の代表2次電子ビームの位置の一例を説明するための図である。
以下、実施の形態では、マルチ電子ビーム画像取得装置の一例として、マルチ電子ビームを用いた検査装置について説明する。但し、これに限るものではない。マルチ1次電子ビームを照射して、基板から放出されるマルチ2次電子ビームを用いて画像を取得する装置であればよい。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における検査装置の構成を示す構成図である。図1において、基板に形成されたパターンを検査する検査装置100は、マルチ電子ビーム検査装置の一例である。検査装置100は、画像取得機構150、及び制御系回路160を備えている。画像取得機構150は、電子ビームカラム102(電子鏡筒)及び検査室103を備えている。電子ビームカラム102内には、電子銃201、電磁レンズ202、成形アパーチャアレイ基板203、ビーム選択アパーチャ基板232、駆動機構234、電磁レンズ205、一括ブランキング偏向器212、制限アパーチャ基板213、電磁レンズ206、電磁レンズ207(対物レンズ)、主偏向器208、副偏向器209、E×B分離器214(ビームセパレーター)、偏向器218、電磁レンズ224、偏向器226、検出器アパーチャアレイ基板228、及びマルチ検出器222が配置されている。電子銃201、電磁レンズ202、成形アパーチャアレイ基板203、電磁レンズ205、一括ブランキング偏向器212、制限アパーチャ基板213、ビーム選択アパーチャ基板232、電磁レンズ206、電磁レンズ207(対物レンズ)、主偏向器208、及び副偏向器209によって1次電子光学系151(照明光学系)を構成する。また、電磁レンズ207、E×B分離器214、偏向器218、電磁レンズ224、及び偏向器226によって2次電子光学系152(検出光学系)を構成する。
検査室103内には、少なくともXY方向に移動可能なステージ105が配置される。ステージ105上には、検査対象となる基板101(試料)が配置される。基板101には、露光用マスク基板、及びシリコンウェハ等の半導体基板が含まれる。基板101が半導体基板である場合、半導体基板には複数のチップパターン(ウェハダイ)が形成されている。基板101が露光用マスク基板である場合、露光用マスク基板には、チップパターンが形成されている。チップパターンは、複数の図形パターンによって構成される。かかる露光用マスク基板に形成されたチップパターンが半導体基板上に複数回露光転写されることで、半導体基板には複数のチップパターン(ウェハダイ)が形成されることになる。以下、基板101が半導体基板である場合を主として説明する。基板101は、例えば、パターン形成面を上側に向けてステージ105に配置される。また、ステージ105上には、検査室103の外部に配置されたレーザ測長システム122から照射されるレーザ測長用のレーザ光を反射するミラー216が配置されている。また、ステージ105上には、基板101面と同じ高さ位置に調整されるマーク111が配置される。マーク111として、例えば、十字パターンが形成される。
また、マルチ検出器222は、電子ビームカラム102の外部で検出回路106に接続される。検出回路106は、チップパターンメモリ123に接続される。
マルチ検出器222は、アレイ状に配置される複数の検出エレメントを有する。検出器アパーチャアレイ基板228には、複数の検出エレメントの配列ピッチで複数の開口部が形成される。複数の開口部は、例えば、円形に形成される。各開口部の中心位置は、対応する検出エレメントの中心位置に合わせて形成される。また、開口部のサイズは、検出エレメントの電子検出面の領域サイズよりも小さく形成される。検出器アパーチャアレイ基板228は、マルチ検出器222の構成の一部として一体に構成されていても良い。
制御系回路160では、検査装置100全体を制御する制御計算機110が、バス120を介して、位置回路107、比較回路108、参照画像作成回路112、ステージ制御回路114、レンズ制御回路124、ブランキング制御回路126、偏向制御回路128、E×B制御回路133、偏向調整回路134、ビーム選択アパーチャ制御回路136、画像合成回路138、磁気ディスク装置等の記憶装置109、メモリ118、及びプリンタ119に接続されている。また、偏向制御回路128は、DAC(デジタルアナログ変換)アンプ144,146,148,149に接続される。DACアンプ146は、主偏向器208に接続され、DACアンプ144は、副偏向器209に接続される。DACアンプ148は、偏向器218に接続される。DACアンプ149は、偏向器226に接続される。
また、チップパターンメモリ123は、比較回路108及び画像合成回路132に接続されている。また、ステージ105は、ステージ制御回路114の制御の下に駆動機構142により駆動される。駆動機構142では、例えば、ステージ座標系におけるX方向、Y方向、θ方向に駆動する3軸(X-Y-θ)モータの様な駆動系が構成され、XYθ方向にステージ105が移動可能となっている。これらの、図示しないXモータ、Yモータ、θモータは、例えばステップモータを用いることができる。ステージ105は、XYθ各軸のモータによって水平方向及び回転方向に移動可能である。そして、ステージ105の移動位置はレーザ測長システム122により測定され、位置回路107に供給される。レーザ測長システム122は、ミラー216からの反射光を受光することによって、レーザ干渉法の原理でステージ105の位置を測長する。ステージ座標系は、例えば、マルチ1次電子ビーム20の光軸に直交する面に対して、1次座標系のX方向、Y方向、θ方向が設定される。
電磁レンズ202、電磁レンズ205、電磁レンズ206、電磁レンズ207、及び電磁レンズ224は、レンズ制御回路124により制御される。E×B分離器214は、E×B制御回路133により制御される。また、一括偏向器212は、2極以上の電極により構成される静電型の偏向器であって、電極毎に図示しないDACアンプを介してブランキング制御回路126により制御される。副偏向器209は、4極以上の電極により構成される静電型の偏向器であって、電極毎にDACアンプ144を介して偏向制御回路128により制御される。主偏向器208は、4極以上の電極により構成される静電型の偏向器であって、電極毎にDACアンプ146を介して偏向制御回路128により制御される。偏向器218は、4極以上の電極により構成される静電型の偏向器であって、電極毎にDACアンプ148を介して偏向制御回路128により制御される。また、偏向器226は、4極以上の電極により構成される静電型の偏向器であって、電極毎にDACアンプ149を介して偏向制御回路128により制御される。
ビーム選択アパーチャ基板232は、駆動機構234により駆動され、駆動機構234は、ビーム選択アパーチャ制御回路136により制御される。
電子銃201には、図示しない高圧電源回路が接続され、電子銃201内の図示しないフィラメント(カソード)と引出電極(アノード)間への高圧電源回路からの加速電圧の印加と共に、別の引出電極(ウェネルト)の電圧の印加と所定の温度のカソードの加熱によって、カソードから放出された電子群が加速させられ、電子ビーム200となって放出される。
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。検査装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。
図2は、実施の形態1における成形アパーチャアレイ基板の構成を示す概念図である。図2において、成形アパーチャアレイ基板203には、2次元状の横(x方向)m列×縦(y方向)n段(m,nは2以上の整数)の穴(開口部)22がx,y方向に所定の配列ピッチで形成されている。図2の例では、23×23の穴(開口部)22が形成されている場合を示している。各穴22は、共に同じ寸法形状の矩形で形成される。或いは、同じ外径の円形であっても構わない。これらの複数の穴22を電子ビーム200の一部がそれぞれ通過することで、マルチ1次電子ビーム20が形成されることになる。次に、2次電子画像を取得する場合における画像取得機構150の動作について説明する。1次電子光学系151は、基板101をマルチ1次電子ビーム20で照射する。具体的には、以下のように動作する。
電子銃201(放出源)から放出された電子ビーム200は、電磁レンズ202によって屈折させられ、成形アパーチャアレイ基板203全体を照明する。成形アパーチャアレイ基板203には、図2に示すように、複数の穴22(開口部)が形成され、電子ビーム200は、すべての複数の穴22が含まれる領域を照明する。複数の穴22の位置に照射された電子ビーム200の各一部が、かかる成形アパーチャアレイ基板203の複数の穴22をそれぞれ通過することによって、マルチ1次電子ビーム20が形成される。
形成されたマルチ1次電子ビーム20は、電磁レンズ205、及び電磁レンズ206によってそれぞれ屈折させられ、中間像およびクロスオーバーを繰り返しながら、マルチ1次電子ビーム20の各ビームの中間像面に配置されたE×B分離器214を通過して電磁レンズ207(対物レンズ)に進む。
マルチ1次電子ビーム20が電磁レンズ207(対物レンズ)に入射すると、電磁レンズ207は、マルチ1次電子ビーム20を基板101にフォーカスする。対物レンズ207により基板101(試料)面上に焦点が合わされ(合焦され)たマルチ1次電子ビーム20は、主偏向器208及び副偏向器209によって一括して偏向され、各ビームの基板101上のそれぞれの照射位置に照射される。なお、一括ブランキング偏向器212によって、マルチ1次電子ビーム20全体が一括して偏向された場合には、制限アパーチャ基板213の中心の穴から位置がはずれ、制限アパーチャ基板213によってマルチ1次電子ビーム20全体が遮蔽される。一方、一括ブランキング偏向器212によって偏向されなかったマルチ1次電子ビーム20は、図1に示すように制限アパーチャ基板213の中心の穴を通過する。かかる一括ブランキング偏向器212のON/OFFによって、ブランキング制御が行われ、ビームのON/OFFが一括制御される。このように、制限アパーチャ基板213は、一括ブランキング偏向器212によってビームOFFの状態になるように偏向されたマルチ1次電子ビーム20を遮蔽する。そして、ビームONになってからビームOFFになるまでに形成された、制限アパーチャ基板213を通過したビーム群により、画像取得用のマルチ1次電子ビーム20が形成される。
基板101の所望する位置にマルチ1次電子ビーム20が照射されると、かかるマルチ1次電子ビーム20が照射されたことに起因して基板101からマルチ1次電子ビーム20の各ビームに対応する、反射電子を含む2次電子の束(マルチ2次電子ビーム300)が放出される。
基板101から放出されたマルチ2次電子ビーム300は、電磁レンズ207を通って、E×B分離器214に進む。E×B分離器214は、コイルを用いた2極以上の複数の磁極と、2極以上の複数の電極とを有する。例えば、90°ずつ位相をずらした4極の磁極(電磁偏向コイル)と、同じく90°ずつ位相をずらした4極の電極(静電偏向電極)とを有する。そして、例えば対向する2極の磁極をN極とS極とに設定することで、かかる複数の磁極によって指向性の磁界を発生させる。同様に、例えば対向する2極の電極に符号が逆の電位Vを印加することで、かかる複数の電極によって指向性の電界を発生させる。具体的には、E×B分離器214は、マルチ1次電子ビーム20の中心ビームが進む方向(軌道中心軸)に直交する面上において電界と磁界を直交する方向に発生させる。電界は電子の進行方向に関わりなく同じ方向に力を及ぼす。これに対して、磁界はフレミング左手の法則に従って力を及ぼす。そのため電子の侵入方向によって電子に作用する力の向きを変化させることができる。E×B分離器214に上側から侵入してくるマルチ1次電子ビーム20には、電界による力と磁界による力が打ち消し合い、マルチ1次電子ビーム20は下方に直進する。これに対して、E×B分離器214に下側から侵入してくるマルチ2次電子ビーム300には、電界による力と磁界による力がどちらも同じ方向に働き、マルチ2次電子ビーム300は斜め上方に曲げられ、マルチ1次電子ビーム20の軌道上から分離する。
斜め上方に曲げられたマルチ2次電子ビーム300は、偏向器218によって、さらに曲げられ、電磁レンズ224によって、屈折させられながらマルチ検出器222に投影される。マルチ検出器222は、検出器アパーチャアレイ基板228の開口部を通過して投影されたマルチ2次電子ビーム300を検出する。マルチ1次電子ビーム20の各ビームは、マルチ検出器222の検出面において、マルチ2次電子ビーム300の各2次電子ビームに対応する検出エレメントに衝突して、電子を増幅発生させ、2次電子画像データを画素毎に生成する。マルチ検出器222にて検出された強度信号は、検出回路106に出力される。各1次電子ビームは、基板101上における自身のビームが位置するx方向のビーム間ピッチとy方向のビーム間ピッチとで囲まれるサブ照射領域内に照射され、当該サブ照射領域内を走査(スキャン動作)する。
図3は、実施の形態1における半導体基板に形成される複数のチップ領域の一例を示す図である。図3において、基板101が半導体基板(ウェハ)である場合、半導体基板(ウェハ)の検査領域330には、複数のチップ(ウェハダイ)332が2次元のアレイ状に形成されている。各チップ332には、露光用マスク基板に形成された1チップ分のマスクパターンが図示しない露光装置(ステッパ)によって例えば1/4に縮小されて転写されている。1チップ分のマスクパターンは、一般に、複数の図形パターンにより構成される。
図4は、実施の形態1における検査処理を説明するための図である。図4に示すように、各チップ332の領域は、例えばy方向に向かって所定の幅で複数のストライプ領域32に分割される。画像取得機構150によるスキャン動作は、例えば、ストライプ領域32毎に実施される。例えば、-x方向にステージ105を移動させながら、相対的にx方向にストライプ領域32のスキャン動作を進めていく。各ストライプ領域32は、長手方向に向かって複数の矩形領域33に分割される。対象となる矩形領域33へのビームの移動は、主偏向器208によるマルチ1次電子ビーム20全体での一括偏向によって行われる。
図4の例では、例えば、5×5列のマルチ1次電子ビーム20の場合を示している。1回のマルチ1次電子ビーム20の照射で照射可能な照射領域34は、(基板101面上におけるマルチ1次電子ビーム20のx方向のビーム間ピッチにx方向のビーム数を乗じたx方向サイズ)×(基板101面上におけるマルチ1次電子ビーム20のy方向のビーム間ピッチにy方向のビーム数を乗じたy方向サイズ)で定義される。照射領域34が、マルチ1次電子ビーム20の視野となる。そして、マルチ1次電子ビーム20を構成する各1次電子ビーム8は、自身のビームが位置するx方向のビーム間ピッチとy方向のビーム間ピッチとで囲まれるサブ照射領域29内に照射され、当該サブ照射領域29内を走査(スキャン動作)する。各1次電子ビーム8は、互いに異なるいずれかのサブ照射領域29を担当することになる。そして、各ショット時に、各1次電子ビーム8は、担当サブ照射領域29内の同じ位置を照射することになる。サブ照射領域29内の1次電子ビーム8の移動は、副偏向器209によるマルチ1次電子ビーム20全体での一括偏向によって行われる。かかる動作を繰り返し、1つの1次電子ビーム8で1つのサブ照射領域29内を順に照射していく。
各ストライプ領域32の幅は、照射領域34のy方向サイズと同様、或いはスキャンマージン分狭くしたサイズに設定すると好適である。図4の例では、照射領域34が矩形領域33と同じサイズの場合を示している。但し、これに限るものではない。照射領域34が矩形領域33よりも小さくても良い。或いは大きくても構わない。そして、マルチ1次電子ビーム20を構成する各1次電子ビーム8は、自身のビームが位置するサブ照射領域29内に照射され、副偏向器209によるマルチ1次電子ビーム20全体での一括偏向によって当該サブ照射領域29内を走査(スキャン動作)する。そして、1つのサブ照射領域29のスキャンが終了したら、主偏向器208によるマルチ1次電子ビーム20全体での一括偏向によって照射位置が同じストライプ領域32内の隣接する矩形領域33へと移動する。かかる動作を繰り返し、ストライプ領域32内を順に照射していく。1つのストライプ領域32のスキャンが終了したら、ステージ105の移動或いは/及び主偏向器208によるマルチ1次電子ビーム20全体での一括偏向によって照射領域34が次のストライプ領域32へと移動する。以上のように各1次電子ビーム8の照射によってサブ照射領域29毎のスキャン動作および2次電子画像の取得が行われる。これらのサブ照射領域29毎の2次電子画像を組み合わせることで、矩形領域33の2次電子画像、ストライプ領域32の2次電子画像、或いはチップ332の2次電子画像が構成される。また、実際に画像比較を行う場合には、各矩形領域33内のサブ照射領域29をさらに複数のフレーム領域30に分割して、フレーム領域30毎のフレーム画像31について比較することになる。図4の例では、1つの1次電子ビーム8によってスキャンされるサブ照射領域29を例えばx,y方向にそれぞれ2分割することによって形成される4つのフレーム領域30に分割する場合を示している。
以上のように、画像取得機構150は、ストライプ領域32毎に、スキャン動作をすすめていく。上述したように、マルチ1次電子ビーム20を照射して、マルチ1次電子ビーム20の照射に起因して基板101から放出されるマルチ2次電子ビーム300は、マルチ検出器222で検出される。検出されるマルチ2次電子ビーム300には、反射電子が含まれていても構わない。或いは、反射電子は、2次電子光学系152を移動中に分離され、マルチ検出器222まで到達しない場合であっても構わない。マルチ検出器222によって検出された各サブ照射領域29内の画素毎の2次電子の検出データ(測定画像データ:2次電子画像データ:被検査画像データ)は、測定順に検出回路106に出力される。検出回路106内では、図示しないA/D変換器によって、アナログの検出データがデジタルデータに変換され、チップパターンメモリ123に格納される。そして、得られた測定画像データは、位置回路107からの各位置を示す情報と共に、比較回路108に転送される。
ここで、マルチ1次電子ビーム20は、サブ照射領域29内をスキャンするので、各2次電子ビームの放出位置は、サブ照射領域29内で刻々と変化する。よって、そのままでは、各2次電子ビームがマルチ検出器222の対応する検出エレメントからずれた位置に投影されてしまう。そこで、このように放出位置が変化した各2次電子ビームをマルチ検出器222の対応する検出領域内に照射させるように、偏向器226は、マルチ2次電子ビーム300を一括偏向する必要がある。各2次電子ビームをマルチ検出器222の対応する検出領域内に照射させるためには、放出位置の変化に起因するマルチ2次電子ビームの位置移動を振り戻す(相殺する)偏向が必要となる。よって、マルチ1次電子ビーム20の各1次電子ビームの偏向範囲(走査範囲)とマルチ2次電子ビーム300の各2次電子ビームの偏向範囲(走査範囲)とを合わせることが求められる。
図5は、実施の形態1における偏向調整回路の内部構成の一例を示す図である。図5において、偏向調整回路134内には、磁気ディスク装置等の記憶装置67,69、ビーム選択部60、1次系走査条件設定部61、2次系走査条件設定部62、コーナー位置設定部63、判定部64、判定部65、合成画像取得部66、座標取得部70、及び偏向条件演算部68が配置される。ビーム選択部60、1次系走査条件設定部61、2次系走査条件設定部62、コーナー位置設定部63、判定部64、判定部65、合成画像取得部66、座標取得部70、及び偏向条件演算部68といった各「~部」は、処理回路を含み、その処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「~部」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。ビーム選択部60、1次系走査条件設定部61、2次系走査条件設定部62、コーナー位置設定部63、判定部64、判定部65、合成画像取得部66、座標取得部70、及び偏向条件演算部68内に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度図示しないメモリ、或いはメモリ118に記憶される。
図6は、実施の形態1における検査方法の要部工程の一例を示すフローチャート図である。図6において、実施の形態1における検査方法の要部工程は、ビーム選択工程(S102)と、走査条件設定工程(S104)と、1次ビーム位置設定工程(S106)と、1次ビーム照射工程(S108)と、2次ビームスキャン工程(S110)と、2次ビーム検出(画像取得)工程(S112)と、判定工程(S114)と、判定工程(S116)と、画像合成工程(S120)と、座標取得工程(S121)と、2次ビーム偏向条件演算工程(S122)と、2次ビーム偏向条件設定工程(S124)と、被検査画像取得工程(S130)と、参照画像作成工程(S132)と、比較工程(S140)と、いう一連の工程を実施する。
ビーム選択工程(S102)として、ビーム選択部60は、マルチ1次電子ビーム200の中から代表1次電子ビーム10を選択する。例えば、マルチ1次電子ビーム200の中心ビームを代表1次電子ビーム10として選択する。代表1次電子ビーム10は、1本に限るものではない。2本以上選択しても構わない。2本以上選択する場合には、1本ずつ順に照射する。
図7は、実施の形態1におけるビーム選択の仕方を説明するための図である。図7において、小開口13は、1次電子ビームが1本通過可能なサイズに形成される。大開口11は、マルチ1次電子ビーム20全体が通過可能なサイズに形成される。ビーム選択アパーチャ制御回路136の制御のもと、駆動機構234は、ビーム選択アパーチャ基板232を水平移動させることによって、マルチ1次電子ビーム20のうち1本の1次電子ビームの軌道上に小開口13の位置を合わせることで、かかる1本の1次電子ビームを選択的に通過させる。残りのビームは、ビーム選択アパーチャ基板232により遮蔽される。
走査条件設定工程(S104)として、1次系走査条件設定部61は、マルチ1次電子ビーム20の走査条件を設定する。マルチ1次電子ビーム20の走査条件として、x,y方向のスキャン幅が設定される。ここでは、サブ照射領域29のx,y方向の幅が設定される。或いは、さらに、マージン分を付加した幅であっても良い。その他、マーク111との相対角度が設定されても良い。
また、2次系走査条件設定部62は、マルチ2次電子ビーム300の仮の走査条件を設定する。マルチ2次電子ビーム300の仮の走査条件として、x,y方向のスキャン幅が設定される。
マルチ1次電子ビーム20の各1次電子ビームの偏向範囲(走査範囲)とマルチ2次電子ビーム300の各2次電子ビームの偏向範囲(走査範囲)とを合わせるには、1次電子ビームの走査範囲の4隅の位置(4つのコーナーの位置)と、対応する2次電子ビームの走査範囲の4隅の位置(4つのコーナーの位置)とを合わせればよい。
1次ビーム位置設定工程(S106)として、コーナー位置設定部63は、1次電子ビームの走査範囲の4つのコーナーの位置の1つを設定する。例えば、1次電子ビームの走査範囲の左下のコーナー位置を設定する。
1次ビーム照射工程(S108)として、画像取得機構150は、代表1次電子ビームをステージ105上に照射する。その際、主偏向器208は、マルチ1次電子ビームの中心をマルチ1次電子ビームの軌道中心軸の位置に合わせる。偏向しなくてもマルチ1次電子ビームの軌道中心軸に位置する場合には偏向無しでも良い。これにより、各1次電子ビームは、各自の1次電子ビームの走査範囲のスキャン中心位置に照射されることになる。ここでは、代表1次電子ビーム以外のビームはビーム選択アパーチャ基板232によって遮蔽されているので、ステージ105上まで到達するのは代表1次電子ビームだけとなる。ここで、ステージ105上の照射位置には、評価用基板が配置される。或いは、マーク111が配置されても良い。或いはステージ105の上面であっても構わない。
図8は、実施の形態1における1次電子ビームの走査範囲のスキャン中心に代表1次電子ビームを照射した場合の代表2次電子ビームの位置を説明するための図である。図8(a)において、代表1次電子ビーム21が走査範囲のスキャン中心に照射されると、代表1次電子ビーム21に対応する代表2次電子ビーム301がステージ105上から放出される。代表2次電子ビーム301は、2次電子光学系152により検出器アパーチャアレイ基板228を介してマルチ検出器222に投影される。かかる状態で偏向器226によって代表2次電子ビーム301に対して現在設定されている2次ビーム走査範囲のスキャン動作を行う。これにより、対応する検出エレメントでは、検出器アパーチャアレイ基板228のアパーチャ像が撮像される。代表1次電子ビーム21がマルチ1次電子ビーム20の中心ビームであれば、対応エレメントは、マルチ検出器222の中心検出エレメントになる。代表1次電子ビーム21が当該1次電子ビームの走査範囲のスキャン中心に照射される場合、図8(b)に示すように、代表2次電子ビーム301の走査範囲のスキャン中心と検出エレメントの検出領域中心とが一致する。よって、図8(c)に示すように、検出エレメントで撮像されるアパーチャ像は、画像の中心に位置することになる。
次に、副偏向器209(1次系偏向器)は、代表1次電子ビーム21を、ステージ105上の予め設定される1次ビーム偏向範囲(走査範囲)の複数の位置に時期をずらして順に照射する。ここでは、設定された1次電子ビームの走査範囲の左下のコーナー位置を照射するように代表1次電子ビームを偏向する。
図9は、実施の形態1における1次電子ビームの走査範囲の左下コーナー位置に代表1次電子ビーム21を照射した場合の代表2次電子ビーム301の位置の一例を説明するための図である。図9(a)に示すように、副偏向器209によるビーム偏向によって、代表1次電子ビーム21が走査範囲の左下コーナー位置に照射される。
2次ビームスキャン工程(S110)として、偏向器226(2次系偏向器)は、代表1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、代表1次電子ビーム21の照射に起因して当該位置から放出される代表2次電子ビーム301を仮の2次ビーム偏向条件で走査する。ここでは、代表1次ビーム偏向範囲の複数の位置として、上述したように、4つのコーナー位置を用いている。ここでは、代表1次ビーム偏向範囲の左下コーナー位置について、代表2次電子ビーム301を偏向器226でスキャンする。仮の2次ビーム偏向条件とは、現在設定されているマルチ2次電子ビーム300の仮の走査条件である。
図9(a)において、代表1次電子ビーム21が走査範囲の左下コーナー位置に照射されると、代表1次電子ビーム21に対応する代表2次電子ビーム301がステージ105上から放出される。代表2次電子ビーム301は、2次電子光学系152により検出器アパーチャアレイ基板228を介してマルチ検出器222に投影される。代表1次電子ビーム21がスキャン中心を照射していないので、代表2次電子ビーム301のスキャン中心位置は、対応する検出エレメントの検出領域中心からずれる。図9(b)では、検出エレメントの検出領域中心に対して、例えば、左上側に代表2次電子ビーム301のスキャン中心位置がずれる場合を示している。かかる状態で偏向器226によって代表2次電子ビーム301に対して現在設定されている2次ビーム走査範囲のスキャン動作を行う。
2次ビーム検出(画像取得)工程(S112)として、マルチ検出器222の対応する検出エレメント(所定の検出エレメント)は、代表1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、仮の2次ビーム偏向条件で走査された代表2次電子ビーム301を検出する。ここでは、代表1次ビーム偏向範囲の左下コーナー位置について、走査された代表2次電子ビーム301を検出する。代表1次ビーム21が走査範囲の左下コーナー位置に照射された場合に、発生した代表2次ビームが対応する検出エレメントの左上に到達する。そして、スキャン動作によって検出器アパーチャアレイ基板228の開口部上を通過した場合にだけ代表2次電子ビーム301が検出エレメントに到達し、この検出エレメントによって検出される。これにより、対応する検出エレメントでは、検出器アパーチャアレイ基板228のアパーチャ像が撮像される。代表2次電子ビーム301のスキャン中心に対して、検出領域が右下側に位置するので、図9(c)に示すように、検出エレメントで撮像されるアパーチャ像は、画像の中心から右下側に位置することになる。検出画像の矩形枠が2次ビーム走査範囲を示している。代表2次電子ビーム301の検出画像は、画像合成回路138に出力される。
判定工程(S114)として、判定部64は、アパーチャ像(2次ビーム像)が得られたかどうかを判定する。アパーチャ像が得られない場合には、走査条件設定工程(S104)に戻り、走査条件を変更して設定し直す。例えば、2次ビームの走査範囲が狭すぎることにより2次電子ビームが検出器アパーチャアレイ基板228の開口部を横切らない場合がある。その場合には、スキャン幅を拡大すればよい。そして、アパーチャ像が得られるまで、走査条件設定工程(S104)から判定工程(S114)を繰り返す。アパーチャ像が得られる場合、判定工程(S116)に進む。
判定工程(S116)として、判定部65は、全コーナー位置でのアパーチャ像の撮像が終了したかどうかを判定する。全コーナー位置で終了した場合には画像合成工程(S120)に進む。全コーナー位置で終了していない場合には、1次ビーム位置設定工程(S106)に戻り、全コーナー位置で終了するまで、1次ビーム位置設定工程(S106)から判定工程(S116)までを繰り返す。
図10は、実施の形態1における1次電子ビームの走査範囲の右下コーナー位置に代表1次電子ビームを照射した場合の代表2次電子ビーム301の位置の一例を説明するための図である。図10(a)に示すように、副偏向器209によるビーム偏向によって、代表1次電子ビームが走査範囲の右下コーナー位置に照射される。
図10(a)において、代表1次電子ビーム21が走査範囲の右下コーナー位置に照射されると、代表1次電子ビーム21に対応する代表2次電子ビーム301がステージ105上から放出される。代表2次電子ビーム301は、2次電子光学系152により検出器アパーチャアレイ基板228を介してマルチ検出器222に投影される。代表1次電子ビーム21がスキャン中心を照射していないので、代表2次電子ビーム301のスキャン中心位置は、対応する検出エレメントの検出領域中心からずれる。図10(b)では、検出エレメントの検出領域中心に対して、例えば、右上側に代表2次電子ビーム301のスキャン中心位置がずれる場合を示している。かかる状態で偏向器226によって代表2次電子ビーム301に対して現在設定されている2次ビーム走査範囲のスキャン動作を行う。
代表1次ビーム21が走査範囲の右下コーナー位置に照射された場合に、発生した代表2次ビームが対応する検出エレメントの右上に到達する。そして、スキャン動作によって検出器アパーチャアレイ基板228の開口部上を通過した場合にだけ代表2次電子ビーム301が検出エレメントに到達し、この検出エレメントによって検出される。これにより、対応する検出エレメントでは、検出器アパーチャアレイ基板228のアパーチャ像が撮像される。代表2次電子ビーム301のスキャン中心に対して、検出領域が左下側に位置するので、図10(c)に示すように、検出エレメントで撮像されるアパーチャ像は、画像の中心から左下側に位置することになる。検出画像の矩形枠が2次ビーム走査範囲を示している。代表2次電子ビーム301の検出画像は、画像合成回路138に出力される。
図11は、実施の形態1における1次電子ビームの走査範囲の右上コーナー位置に代表1次電子ビーム21を照射した場合の代表2次電子ビーム301の位置の一例を説明するための図である。図11(a)に示すように、副偏向器209によるビーム偏向によって、代表1次電子ビーム21が走査範囲の右上コーナー位置に照射される。
図11(a)において、代表1次電子ビーム21が走査範囲の右上コーナー位置に照射されると、代表1次電子ビーム21に対応する代表2次電子ビーム301がステージ105上から放出される。代表2次電子ビーム301は、2次電子光学系152により検出器アパーチャアレイ基板228を介してマルチ検出器222に投影される。代表1次電子ビーム21がスキャン中心を照射していないので、代表2次電子ビーム301のスキャン中心位置は、対応する検出エレメントの検出領域中心からずれる。図11(b)では、検出エレメントの検出領域中心に対して、例えば、右下側に代表2次電子ビーム301のスキャン中心位置がずれる場合を示している。かかる状態で偏向器226によって代表2次電子ビーム301に対して現在設定されている2次ビーム走査範囲のスキャン動作を行う。
代表1次ビーム21が走査範囲の右上コーナー位置に照射された場合に、発生した代表2次ビームが対応する検出エレメントの右下に到達する。そして、スキャン動作によって検出器アパーチャアレイ基板228の開口部上を通過した場合にだけ代表2次電子ビーム301が検出エレメントに到達し、この検出エレメントによって検出される。これにより、対応する検出エレメントでは、検出器アパーチャアレイ基板228のアパーチャ像が撮像される。代表2次電子ビーム301のスキャン中心に対して、検出領域が左上側に位置するので、図11(c)に示すように、検出エレメントで撮像されるアパーチャ像は、画像の中心から左上側に位置することになる。検出画像の矩形枠が2次ビーム走査範囲を示している。代表2次電子ビーム301の検出画像は、画像合成回路138に出力される。
図12は、実施の形態1における1次電子ビームの走査範囲の左上コーナー位置に代表1次電子ビーム21を照射した場合の代表2次電子ビーム301の位置の一例を説明するための図である。図12(a)に示すように、副偏向器209によるビーム偏向によって、代表1次電子ビーム21が走査範囲の左上コーナー位置に照射される。
図12(a)において、代表1次電子ビーム21が走査範囲の左上コーナー位置に照射されると、代表1次電子ビーム21に対応する代表2次電子ビーム301がステージ105上から放出される。代表2次電子ビーム301は、2次電子光学系152により検出器アパーチャアレイ基板228を介してマルチ検出器222に投影される。代表1次電子ビーム21がスキャン中心を照射していないので、代表2次電子ビーム301のスキャン中心位置は、対応する検出エレメントの検出領域中心からずれる。図12(b)では、検出エレメントの検出領域中心に対して、例えば、左下側に代表2次電子ビーム301のスキャン中心位置がずれる場合を示している。かかる状態で偏向器226によって代表2次電子ビーム301に対して現在設定されている2次ビーム走査範囲のスキャン動作を行う。
代表1次ビーム21が走査範囲の左上コーナー位置に照射された場合に、発生した代表2次ビームが対応する検出エレメントの左下に到達する。そして、スキャン動作によって検出器アパーチャアレイ基板228の開口部上を通過した場合にだけ代表2次電子ビーム301が検出エレメントに到達し、この検出エレメントによって検出される。これにより、対応する検出エレメントでは、検出器アパーチャアレイ基板228のアパーチャ像が撮像される。代表2次電子ビーム301のスキャン中心に対して、検出領域が右上側に位置するので、図12(c)に示すように、検出エレメントで撮像されるアパーチャ像は、画像の中心から右上側に位置することになる。検出画像の矩形枠が2次ビーム走査範囲を示している。代表2次電子ビーム301の検出画像は、画像合成回路138に出力される。
画像合成工程(S120)として、画像合成回路138は、1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に検出された代表2次電子ビーム301の検出画像を合成する。
図13は、実施の形態1における合成画像の一例を示す図である。図13(a)では、4つのコーナー位置で撮像されたアパーチャ像を合成した合成画像の一例が示されている。図13(b)に示すように、合成画像の矩形枠が2次ビーム走査範囲を示している。また、4つのアパーチャ像の中心を結ぶことで形成される矩形枠が1次ビーム走査範囲を示している。例えば、1次電子ビームのスキャン方向が1次ビーム走査範囲の左側から右側に向かう方向である場合、2次電子ビームのスキャン方向は、1次電子ビームのスキャンを相殺するように反対方向になる。図13(b)の例において、合成画像から1次ビーム走査範囲と2次ビーム走査範囲との倍率ずれが生じていることがわかる。また、1次ビーム走査範囲と2次ビーム走査範囲との回転ずれが生じていることがわかる。
合成画像取得部66は、画像合成回路138から作成された合成画像を取得し、記憶装置67に一時的に格納する。
座標取得工程(S121)として、座標取得部70は、1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に検出された代表2次電子ビームの検出画像に基づいて複数の位置に対応した複数の座標を取得する。具体的には、座標取得部70は、合成された合成画像を用いて、複数の位置に対応した複数の座標を取得する。例えば、2次電子ビームのスキャン中心となる検出画像の画像中心から各アパーチャ像までのベクトルを計算する。検出画像の画像中心の位置は、対応する検出エレメントの位置である。マルチ検出器222の各検出エレメントの位置は予めわかっている。よって、対応する検出エレメントの位置に対応する検出エレメントの位置からの相対位置を加算することにより各座標を求めることができる。或いは、画像の左上を座標(0,0)とした時の各ビーム中心座標に相当する位置の左上からの画素数を求めることで座標を算出しても良い。
2次ビーム偏向条件演算工程(S122)として、偏向条件演算部68は、取得された複数の座標を用いて、1次ビーム走査範囲内での代表1次電子ビーム21の移動に起因する代表2次電子ビーム301の移動が相殺され、対応する検出エレメントへの代表2次電子ビーム301の照射位置が固定されるように、2次ビーム偏向条件を演算する。複数の座標は、合成された合成画像から取得される。
ここで、複数の位置に対応した複数の座標は、合成画像から取得する場合に限るものではない。例えば、合成前の4つの各位置の検出画像におけるビーム位置を同じ原点(例えば画像の左上)を基準にした座標で算出しておけば、比較により4つのビーム間の相対座標が得られる。
偏向条件演算部68は、偏向条件の各パラメータを演算する。2次電子ビームの偏向条件のパラメータとして、偏向倍率と偏向回転角とを有する。具体的には、以下のように動作する。
図14は、実施の形態1における1次ビーム走査範囲と2次ビーム走査範囲との相対関係の一例を示す図である。偏向条件演算部68は、2次ビーム走査範囲のx方向の偏向倍率Mag(sx)と、2次ビーム走査範囲のy方向の偏向倍率Mag(sy)と、1次ビーム走査範囲と2次ビーム走査範囲との偏向回転角θとを演算する。図14の例において、2次ビーム走査範囲のx方向の偏向倍率Mag(sx)は、2次ビーム走査範囲のx方向の幅Sxを1次ビーム走査範囲のx方向の幅Pxで割った値で定義される。2次ビーム走査範囲のy方向の偏向倍率Mag(sy)は、2次ビーム走査範囲のy方向の幅Syを1次ビーム走査範囲のy方向の幅Pyで割った値で定義される。偏向条件演算部68は、2次ビーム走査範囲に対する1次ビーム走査範囲のx方向のスキューSkew(φx)とy方向のスキューSkew(φy)とをさらに演算するとなお良い。スキューSkew(φx)は、矩形がx方向に傾く歪量を示す。スキューSkew(φy)は、矩形がy方向に傾く歪量を示す。図14に例では、Skew(φx)=0、Skew(φy)=0の場合を示している。
2次ビーム偏向条件設定工程(S124)として、偏向制御回路128は、演算された2次電子ビームの偏向条件を設定する。言い換えれば、偏向器226の偏向条件を設定する。具体的には、x方向の仮のスキャン幅を偏向倍率Mag(sx)で割った値に設定する。y方向の仮のスキャン幅を偏向倍率Mag(sy)で割った値に設定する。また、偏向範囲を偏向回転角θだけ回転させる。Skew(φx)、Skew(φy)が有限値であれば、Skew(φx)、Skew(φy)がゼロになるように偏向する。
図15は、実施の形態1における調整後の合成画像の一例を示す図である。1次ビーム走査範囲と2次ビーム走査範囲とが一致する場合、図15に示すように、合成画像において4つのアパーチャ像の中心が、4つのコーナーに位置することになる。演算された2次電子ビームの偏向条件を設定することにより、図15に示すように1次ビーム走査範囲と2次ビーム走査範囲とを一致させることができる。
被検査画像取得工程(S130)として、画像取得機構150は、マルチ1次電子ビーム20を基板に照射して、基板から放出されたマルチ2次電子ビーム300による基板101の2次電子画像を取得する。言い換えれば、副偏向器208によりステージ105上に載置された基板101上を1次電子ビーム走査範囲でマルチ1次電子ビーム20を用いて走査する。そして、演算された2次ビーム偏向条件に沿った偏向器226によるビーム偏向により基板101から放出されたマルチ2次電子ビーム300を走査しながら、マルチ検出器222でマルチ2次電子ビームを検出する。これにより基板101の2次電子画像を取得する。
そして、画像取得機構150は、上述したように、ストライプ領域32毎に、スキャン動作をすすめていく。検出されるマルチ2次電子ビーム300には、反射電子が含まれていても構わない。或いは、反射電子は、2次電子光学系152を移動中に分離され、マルチ検出器222まで到達しない場合であっても構わない。マルチ検出器222によって検出された各サブ照射領域29内の画素毎の2次電子の検出データ(測定画像データ:2次電子画像データ:被検査画像データ)は、測定順に検出回路106に出力される。検出回路106内では、図示しないA/D変換器によって、アナログの検出データがデジタルデータに変換され、チップパターンメモリ123に格納される。そして、得られた測定画像データは、位置回路107からの各位置を示す情報と共に、比較回路108に転送される。
上述した画像取得動作として、ステージ105が停止した状態でマルチ1次電子ビーム20を基板101に照射し、スキャン動作終了後に位置を移動するステップアンドリピート動作を行っても良い。或いは、ステージ105が連続移動しながらマルチ1次電子ビーム20を基板101に照射する場合であってもよい。ステージ105が連続移動しながらマルチ1次電子ビーム20を基板101に照射する場合、マルチ1次電子ビーム20の照射位置がステージ105の移動に追従するように主偏向器208によって一括偏向によるトラッキング動作が行われる。そのため、マルチ2次電子ビーム300の放出位置がマルチ1次電子ビーム20の軌道中心軸に対して刻々と変化する。偏向器226では、かかるトラッキング動作による放出位置が変化した各2次電子ビームをマルチ検出器222の対応する検出領域内に照射させるように、さらに、マルチ2次電子ビーム300を一括偏向すると良い。
図16は、実施の形態1における比較回路内の構成の一例を示す構成図である。図16において、比較回路108内には、磁気ディスク装置等の記憶装置50,52,56、フレーム画像作成部54、位置合わせ部57、及び比較部58が配置される。フレーム画像作成部54、位置合わせ部57、及び比較部58といった各「~部」は、処理回路を含み、その処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「~部」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。フレーム画像作成部54、位置合わせ部57、及び比較部58内に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度図示しないメモリ、或いはメモリ118に記憶される。
比較回路108内に転送された測定画像データ(ビーム画像)は、記憶装置50に格納される。
そして、フレーム画像作成部54は、各1次電子ビーム8のスキャン動作によって取得されたサブ照射領域29の画像データをさらに分割した複数のフレーム領域30のフレーム領域30毎のフレーム画像31を作成する。そして、フレーム領域30を被検査画像の単位領域として使用する。なお、各フレーム領域30は、画像の抜けが無いように、互いにマージン領域が重なり合うように構成されると好適である。作成されたフレーム画像31は、記憶装置56に格納される。
参照画像作成工程(S132)として、参照画像作成回路112は、基板101に形成された複数の図形パターンの元になる設計データに基づいて、フレーム領域30毎に、フレーム画像31に対応する参照画像を作成する。具体的には、以下のように動作する。まず、記憶装置109から制御計算機110を通して設計パターンデータを読み出し、この読み出された設計パターンデータに定義された各図形パターンを2値ないしは多値のイメージデータに変換する。
上述したように、設計パターンデータに定義される図形は、例えば長方形や三角形を基本図形としたもので、例えば、図形の基準位置における座標(x、y)、辺の長さ、長方形や三角形等の図形種を区別する識別子となる図形コードといった情報で各パターン図形の形、大きさ、位置等を定義した図形データが格納されている。
かかる図形データとなる設計パターンデータが参照画像作成回路112に入力されると図形ごとのデータにまで展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとして2値ないしは多値の設計パターン画像データに展開し、出力する。言い換えれば、設計データを読み込み、検査領域を所定の寸法を単位とするマス目として仮想分割してできたマス目毎に設計パターンにおける図形が占める占有率を演算し、nビットの占有率データを出力する。例えば、1つのマス目を1画素として設定すると好適である。そして、1画素に1/2(=1/256)の分解能を持たせるとすると、画素内に配置されている図形の領域分だけ1/256の小領域を割り付けて画素内の占有率を演算する。そして、8ビットの占有率データとなる。かかるマス目(検査画素)は、測定データの画素に合わせればよい。
次に、参照画像作成回路112は、図形のイメージデータである設計パターンの設計画像データに、所定のフィルタ関数を使ってフィルタ処理を施す。これにより、画像強度(濃淡値)がデジタル値の設計側のイメージデータである設計画像データをマルチ1次電子ビーム20の照射によって得られる像生成特性に合わせることができる。作成された参照画像の画素毎の画像データは比較回路108に出力される。比較回路108内に転送された参照画像データは、記憶装置52に格納される。
比較工程(S140)として、まず、位置合わせ部57は、被検査画像となるフレーム画像31と、当該フレーム画像31に対応する参照画像とを読み出し、画素より小さいサブ画素単位で、両画像を位置合わせする。例えば、最小2乗法で位置合わせを行えばよい。
そして、比較部58は、取得された2次電子画像の少なくとも一部と所定の画像とを比較する。ここでは、ビーム毎に取得されたサブ照射領域29の画像をさらに分割したフレーム画像を用いる。そこで、比較部58は、フレーム画像31と参照画像とを画素毎に比較する。比較部58は、所定の判定条件に従って画素毎に両者を比較し、例えば形状欠陥といった欠陥の有無を判定する。例えば、画素毎の階調値差が判定閾値Thよりも大きければ欠陥と判定する。そして、比較結果が出力される。比較結果は、記憶装置109、若しくはメモリ118に出力される、或いはプリンタ119より出力されればよい。
なお、上述した例では、ダイ-データベース検査について説明したが、これに限るものではない。ダイ-ダイ検査を行う場合であっても良い。ダイ-ダイ検査を行う場合、対象となるフレーム画像31(ダイ1)と、当該フレーム画像31と同じパターンが形成されたフレーム画像31(ダイ2)(参照画像の他の一例)との間で、上述した位置合わせと比較処理を行えばよい。
以上のように、実施の形態1によれば、画像を撮像するためのマルチ検出器222とは別の測定手段を用いることなく、マルチ1次電子ビームの走査に伴うマルチ2次電子ビームの位置移動を相殺するマルチ2次電子ビームの偏向調整が成された画像を取得できる。
実施の形態2.
実施の形態1では、マルチ1次電子ビーム20から代表1次電子ビーム21を選択するために、ビーム選択アパーチャ基板232で残りのビームアレイを遮蔽する構成について説明した。実施の形態2では、マルチ1次電子ビーム20の一部を遮蔽することなく、全体を照射する構成について説明する。実施の形態2における検査装置100の構成は図1と同様で良い。但し、ビーム選択アパーチャ基板232、駆動機構234、及びビーム選択アパーチャ制御回路136は省略しても構わない。実施の形態2における検査方法の要部工程は図6と同様で良い。その他、特に説明する点以外の内容は実施の形態1と同様で構わない。
図17は、実施の形態2における代表1次電子ビームを説明するための図である。図17の例では、4×4本のマルチ1次電子ビーム20を用いる場合を示している。実施の形態1において照射するビームを限定する理由は、得られる画像においてどのビームが対象ビームなのかを識別するためである。しかし、マルチ1次電子ビーム20全体を照射する場合、ビームアレイの中央部の領域で得られる画像では、どのビームが対象ビームなのかを識別することが困難である。これに対して、図17に示すように、マルチ1次電子ビーム20の4隅の4つのコーナービームA11,A14,A41,A44は、その配列関係から識別可能である。そこで、実施の形態2では、4つのコーナービームの少なくとも1つを用いて2次電子ビームの偏向条件を求める。
ビーム選択工程(S102)として、ビーム選択部60は、マルチ1次電子ビーム200の中から代表1次電子ビームを選択する。ここでは、図17に示す4つのコーナービームA11,A14,A41,A44の中から1つを選択する。ここでは、例えば、コーナービームA14を選択する。但し、実施の形態2では、マルチ1次電子ビーム20の残りのビームを遮蔽する必要はない。
走査条件設定工程(S104)の内容は実施の形態1と同様である。
1次ビーム位置設定工程(S106)として、コーナー位置設定部63は、1次電子ビームの走査範囲の4つのコーナーの位置の1つを設定する。例えば、1次電子ビームの走査範囲の左下のコーナー位置を設定する。
1次ビーム照射工程(S108)として、画像取得機構150は、代表1次電子ビームを含むマルチ1次電子ビーム20をステージ105上に照射する。その際、主偏向器208は、マルチ1次電子ビームの中心をマルチ1次電子ビームの軌道中心軸の位置に合わせる。偏向しなくてもマルチ1次電子ビームの軌道中心軸に位置する場合には偏向無しでも良い。
次に、副偏向器209(1次系偏向器)は、代表1次電子ビームを、ステージ105上の予め設定される1次ビーム偏向範囲(走査範囲)の複数の位置に時期をずらして順に照射する。ここでは、設定された1次電子ビームの走査範囲の左下のコーナー位置を照射するように代表1次電子ビームを偏向する。かかる偏向によって、マルチ1次電子ビーム20の残りのビームアレイについても、それぞれの1次電子ビームの走査範囲の左下のコーナー位置を照射することになる。
図18は、実施の形態2における1次電子ビームの走査範囲の左下コーナー位置に代表1次電子ビームを照射した場合の代表2次電子ビームの位置の一例を説明するための図である。図18(a)に示すように、副偏向器209によるビーム偏向によって、代表1次電子ビームA14が走査範囲の左下コーナー位置に照射される。
2次ビームスキャン工程(S110)として、偏向器226(2次系偏向器)は、代表1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、代表1次電子ビームの照射に起因して当該位置から放出される代表2次電子ビームを仮の2次ビーム偏向条件で走査する。ここでは、代表1次ビーム偏向範囲の複数の位置として、上述したように、4つのコーナー位置を用いている。ここでは、代表1次ビーム偏向範囲の左下コーナー位置について、代表2次電子ビームA14を含むマルチ1次電子ビーム20を偏向器226で一括偏向によりスキャンする。
図18(a)において、代表1次電子ビームが走査範囲の左下コーナー位置に照射されると、代表1次電子ビームに対応する代表2次電子ビームB14がステージ105上から放出される。同時に、他の各1次電子ビームに対応する2次電子ビームがステージ105上から放出される。これらのマルチ2次電子ビーム300は、2次電子光学系152により検出器アパーチャアレイ基板228を介してマルチ検出器222に投影される。代表1次電子ビームA14がスキャン中心を照射していないので、代表2次電子ビームB14のスキャン中心位置は、対応する検出エレメントD14の検出領域中心からずれる。図18(b)では、検出エレメントの検出領域中心に対して、例えば、左上側に代表2次電子ビームB14のスキャン中心位置がずれる場合を示している。かかる状態で偏向器226によって代表2次電子ビームを含むマルチ2次電子ビーム300に対して現在設定されている2次ビーム走査範囲のスキャン動作を行う。
2次ビーム検出(画像取得)工程(S112)として、マルチ検出器222の対応する検出エレメントD14は、代表1次ビームA14の偏向範囲の複数の位置の位置毎に、仮の2次ビーム偏向条件で走査された代表2次電子ビームB14を検出する。ここでは、代表1次ビーム偏向範囲の左下コーナー位置について、走査された代表2次電子ビームB14を検出する。スキャン動作によって検出器アパーチャアレイ基板228の開口部上を通過した場合にだけ代表2次電子ビームB14が検出エレメントD14に到達し、この検出エレメントD14によって検出される。
ここで、実施の形態2では、代表2次電子ビームB14がコーナービームであることを識別できるように、検出エレメントD14がx,y方向にそれぞれ2つ以上の2次電子ビームが検出されるように2次ビーム走査範囲を設定しておく。よって、2次電子ビームのスキャン中心からx,y方向に2ビームピッチ分の走査が可能な範囲に設定する。図18(b)の例では、2次ビーム走査範囲のx,y方向のスキャン幅がビームピッチの4倍の値に設定されている場合を示している。これにより、対応する検出エレメントD14では、検出器アパーチャアレイ基板228のアパーチャ像が複数のビーム分撮像される。代表2次電子ビームB14のスキャン中心に対して、検出領域が右下側に位置するので、図18(c)に示すように、検出エレメントD14で撮像される代表2次電子ビームB14に対応するアパーチャ像は、画像の中心から右下側に位置することになる。残りの検出された2次電子ビームB13,B24,B23,B34,B33,B44,B43のアパーチャ像は、ビームアレイの配列に沿って、それぞれの位置に配列される。代表2次電子ビームB14は、コーナービームなので、複数の2次電子ビームのアパーチャ像が一緒に写っていても、コーナーのアパーチャ像が代表2次電子ビームB14のアパーチャ像であることを識別できる。検出画像の矩形枠が2次ビーム走査範囲を示している。代表2次電子ビームB14の検出画像は、画像合成回路138に出力される。
判定工程(S114)と判定工程(S116)との内容は、実施の形態1と同様である。
図19は、実施の形態2における1次電子ビームの走査範囲の右下コーナー位置に代表1次電子ビームを照射した場合の代表2次電子ビームの位置の一例を説明するための図である。図19(a)に示すように、副偏向器209によるビーム偏向によって、代表1次電子ビームA14が走査範囲の右下コーナー位置に照射される。
図19(a)において、代表1次電子ビームA14が走査範囲の右下コーナー位置に照射されると、代表1次電子ビームA14に対応する代表2次電子ビームB14がステージ105上から放出される。同時に、他の各1次電子ビームに対応する2次電子ビームがステージ105上から放出される。これらのマルチ2次電子ビーム300は、2次電子光学系152により検出器アパーチャアレイ基板228を介してマルチ検出器222に投影される。代表1次電子ビームA14がスキャン中心を照射していないので、代表2次電子ビームB14のスキャン中心位置は、対応する検出エレメントD14の検出領域中心からずれる。図19(b)では、検出エレメントD14の検出領域中心に対して、例えば、右上側に代表2次電子ビームB14のスキャン中心位置がずれる場合を示している。かかる状態で偏向器226によって代表2次電子ビームを含むマルチ2次電子ビーム300に対して現在設定されている2次ビーム走査範囲のスキャン動作を行う。
2次ビーム検出(画像取得)工程(S112)として、ここでは、代表1次ビーム偏向範囲の右下コーナー位置について、走査された代表2次電子ビームB14を検出する。図19(b)の例では、2次ビーム走査範囲のx,y方向のスキャン幅がビームピッチの4倍の値に設定されている場合を示している。これにより、対応する検出エレメントD14では、検出器アパーチャアレイ基板228のアパーチャ像が複数のビーム分撮像される。代表2次電子ビームB14のスキャン中心に対して、検出領域が左下側に位置するので、図19(c)に示すように、検出エレメントD14で撮像される代表2次電子ビームB14に対応するアパーチャ像は、画像の中心から左下側に位置することになる。残りの検出された2次電子ビームB11~B13,B21~B24,B31~B34,B41~B44のアパーチャ像は、ビームアレイの配列に沿って、それぞれの位置に配列される。代表2次電子ビームB14は、コーナービームなので、複数の2次電子ビームのアパーチャ像が一緒に写っていても、コーナーのアパーチャ像が代表2次電子ビームB14のアパーチャ像であることを識別できる。検出画像の矩形枠が2次ビーム走査範囲を示している。代表2次電子ビームB14の検出画像は、画像合成回路138に出力される。
図20は、実施の形態2における1次電子ビームの走査範囲の左上コーナー位置に代表1次電子ビームを照射した場合の代表2次電子ビームの位置の一例を説明するための図である。図20(a)に示すように、副偏向器209によるビーム偏向によって、代表1次電子ビームA14が走査範囲の左上コーナー位置に照射される。
図20(a)において、代表1次電子ビームA14が走査範囲の左上コーナー位置に照射されると、代表1次電子ビームA14に対応する代表2次電子ビームB14がステージ105上から放出される。同時に、他の各1次電子ビームに対応する2次電子ビームがステージ105上から放出される。これらのマルチ2次電子ビーム300は、2次電子光学系152により検出器アパーチャアレイ基板228を介してマルチ検出器222に投影される。代表1次電子ビームA14がスキャン中心を照射していないので、代表2次電子ビームB14のスキャン中心位置は、対応する検出エレメントD14の検出領域中心からずれる。図20(b)では、検出エレメントD14の検出領域中心に対して、例えば、左下側に代表2次電子ビームB14のスキャン中心位置がずれる場合を示している。かかる状態で偏向器226によって代表2次電子ビームを含むマルチ2次電子ビーム300に対して現在設定されている2次ビーム走査範囲のスキャン動作を行う。
2次ビーム検出(画像取得)工程(S112)として、ここでは、代表1次ビーム偏向範囲の左上コーナー位置について、走査された代表2次電子ビームB14を検出する。図20(b)の例では、2次ビーム走査範囲のx,y方向のスキャン幅がビームピッチの4倍の値に設定されている場合を示している。これにより、対応する検出エレメントD14では、検出器アパーチャアレイ基板228のアパーチャ像が複数のビーム分撮像される。代表2次電子ビームB14のスキャン中心に対して、検出領域が右上側に位置するので、図20(c)に示すように、検出エレメントD14で撮像される代表2次電子ビームB14に対応するアパーチャ像は、画像の中心から右上側に位置することになる。残りの検出された2次電子ビームB13,B24,B23のアパーチャ像は、ビームアレイの配列に沿って、それぞれの位置に配列される。代表2次電子ビームB14は、コーナービームなので、複数の2次電子ビームのアパーチャ像が一緒に写っていても、コーナーのアパーチャ像が代表2次電子ビームB14のアパーチャ像であることを識別できる。検出画像の矩形枠が2次ビーム走査範囲を示している。代表2次電子ビームB14の検出画像は、画像合成回路138に出力される。
図21は、実施の形態2における1次電子ビームの走査範囲の右上コーナー位置に代表1次電子ビームを照射した場合の代表2次電子ビームの位置の一例を説明するための図である。図21(a)に示すように、副偏向器209によるビーム偏向によって、代表1次電子ビームA14が走査範囲の右上コーナー位置に照射される。
図21(a)において、代表1次電子ビームA14が走査範囲の右上コーナー位置に照射されると、代表1次電子ビームA14に対応する代表2次電子ビームB14がステージ105上から放出される。同時に、他の各1次電子ビームに対応する2次電子ビームがステージ105上から放出される。これらのマルチ2次電子ビーム300は、2次電子光学系152により検出器アパーチャアレイ基板228を介してマルチ検出器222に投影される。代表1次電子ビームA14がスキャン中心を照射していないので、代表2次電子ビームB14のスキャン中心位置は、対応する検出エレメントD14の検出領域中心からずれる。図21(b)では、検出エレメントD14の検出領域中心に対して、例えば、右下側に代表2次電子ビームB14のスキャン中心位置がずれる場合を示している。かかる状態で偏向器226によって代表2次電子ビームを含むマルチ2次電子ビーム300に対して現在設定されている2次ビーム走査範囲のスキャン動作を行う。
2次ビーム検出(画像取得)工程(S112)として、ここでは、代表1次ビーム偏向範囲の右上コーナー位置について、走査された代表2次電子ビームB14を検出する。図21(b)の例では、2次ビーム走査範囲のx,y方向のスキャン幅がビームピッチの4倍の値に設定されている場合を示している。これにより、対応する検出エレメントD14では、検出器アパーチャアレイ基板228のアパーチャ像が複数のビーム分撮像される。代表2次電子ビームB14のスキャン中心に対して、検出領域が右上側に位置するので、図21(c)に示すように、検出エレメントD14で撮像される代表2次電子ビームB14に対応するアパーチャ像は、画像の中心から左上側に位置することになる。残りの検出された2次電子ビームB11~B13,B21~24のアパーチャ像は、ビームアレイの配列に沿って、それぞれの位置に配列される。代表2次電子ビームB14は、コーナービームなので、複数の2次電子ビームのアパーチャ像が一緒に写っていても、コーナーのアパーチャ像が代表2次電子ビームB14のアパーチャ像であることを識別できる。検出画像の矩形枠が2次ビーム走査範囲を示している。代表2次電子ビームB14の検出画像は、画像合成回路138に出力される。
画像合成工程(S120)として、画像合成回路138は、1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に検出された代表2次電子ビームB14の検出画像を合成する。これにより、図13(a)に示したように、4つのコーナー位置で撮像されたアパーチャ像を合成した合成画像の一例が得られる。
以上のように、1次電子ビームを1本に限定して照射しない場合でも、4つのコーナー位置で撮像されたアパーチャ像を合成した合成画像を得ることができる。
以下、画像合成工程(S120)と、座標取得工程(S121)と、2次ビーム偏向条件演算工程(S122)と、2次ビーム偏向条件設定工程(S124)と、被検査画像取得工程(S130)と、参照画像作成工程(S132)と、比較工程(S140)と、の各工程の内容は実施の形態1と同様である。
上述した例では、4つのコーナービームのうち1つについて合成画像を作成し、2次ビーム偏向条件を演算する場合を説明したが、これに限るものではない。代表1次電子ビームとして、マルチ1次電子ビーム20の4隅のビームを用いる。そして、合成画像は、4隅のビームのビーム毎に作成する。そして、2次ビーム偏向条件は、4隅のビームのビーム毎に演算する。そして、2次ビーム偏向条件の各パラメータについて、ビーム毎に演算された値の統計値を求めても好適である。例えば、平均値を求める。或いは中央値を求める。これにより、1本のビームで演算する場合よりも誤差を低減できる。よって、2次ビーム偏向条件の各パラメータの精度を高めることができる。
以上のように、実施の形態2によれば、照射される1次電子ビームを1本に制限することなく、マルチ1次電子ビームの走査に伴うマルチ2次電子ビームの位置移動を相殺するマルチ2次電子ビームの偏向調整が成された画像を取得できる。
以上の説明において、一連の「~回路」は、処理回路を含み、その処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「~回路」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。プロセッサ等を実行させるプログラムは、磁気ディスク装置、磁気テープ装置、FD、或いはROM(リードオンリメモリ)等の記録媒体に記録されればよい。例えば、位位置回路107、比較回路108、参照画像作成回路112、ステージ制御回路114、レンズ制御回路124、ブランキング制御回路126、偏向制御回路128、検出器ステージ制御回路130、ビーム位置探索回路134、及びビーム選択アパーチャ制御回路136は、上述した少なくとも1つの処理回路で構成されても良い。例えば、これらの回路内での処理を制御計算機110で実施しても良い。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。図1の例では、1つの照射源となる電子銃201から照射された1本のビームから成形アパーチャアレイ基板203によりマルチ1次電子ビーム20を形成する場合を示しているが、これに限るものではない。複数の照射源からそれぞれ1次電子ビームを照射することによってマルチ1次電子ビーム20を形成する態様であっても構わない。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのマルチ荷電粒子ビーム位置合わせ方法及びマルチ荷電粒子ビーム検査装置は、本発明の範囲に包含される。
8 1次電子ビーム
11 大開口
13 小開口
20 マルチ1次電子ビーム
21 代表1次電子ビーム
22 穴
29 サブ照射領域
30 フレーム領域
31 フレーム画像
32 ストライプ領域
33 矩形領域
34 照射領域
50,52,56 記憶装置
54 フレーム画像作成部
57 位置合わせ部
58 比較部
60 ビーム選択部
61 1次系走査条件設定部
62 2次系走査条件設定部
63 コーナー位置設定部
64 判定部
65 判定部
66 合成画像取得部
67,69 記憶装置
68 偏向条件演算部
70 座標取得部
100 検査装置
101 基板
102 電子ビームカラム
103 検査室
105 ステージ
106 検出回路
107 位置回路
108 比較回路
109 記憶装置
110 制御計算機
111 マーク
112 参照画像作成回路
114 ステージ制御回路
117 モニタ
118 メモリ
119 プリンタ
120 バス
122 レーザ測長システム
123 チップパターンメモリ
124 レンズ制御回路
126 ブランキング制御回路
128 偏向制御回路
133 E×B制御回路
134 偏向調整回路
136 ビーム選択アパーチャ制御回路
138 画像合成回路
142 駆動機構
144,146,148,149 DACアンプ
150 画像取得機構
151 1次電子光学系
152 2次電子光学系
160 制御系回路
201 電子銃
202 電磁レンズ
203 成形アパーチャアレイ基板
205,206,207,224 電磁レンズ
208 主偏向器
209 副偏向器
212 一括ブランキング偏向器
213 制限アパーチャ基板
214 E×B分離器
216 ミラー
218 偏向器
222 マルチ検出器
226 偏向器
228 検出器アパーチャアレイ基板
232 ビーム選択アパーチャ基板
234 駆動機構
300 マルチ2次電子ビーム
301 代表2次電子ビーム
330 検査領域
332 チップ
本発明の一態様のマルチ電子ビーム画像取得方法は、
マルチ1次電子ビームから選択された代表1次電子ビームを、基板を載置するステージ上の予め設定される代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置に照射する工程と、
代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、代表1次電子ビームの照射に起因して当該位置から放出される代表2次電子ビームを用いて仮の2次ビーム偏向条件で走査する工程と、
代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、仮の2次ビーム偏向条件で走査された代表2次電子ビームを複数の検出エレメントを有するマルチ検出器の所定の検出エレメントで検出する工程と、
代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に検出された代表2次電子ビームの検出画像に基づいて複数の位置に対応した複数の座標を取得する工程と、
取得された複数の座標を用いて、代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲内での代表1次電子ビームの移動に起因する代表2次電子ビームの移動が相殺され、所定の検出エレメントへの代表2次電子ビームの照射位置が固定されるように、2次ビーム偏向条件を演算する工程と、
ステージ上に載置された基板上をマルチ1次電子ビームの1次電子ビーム偏向範囲でマルチ1次電子ビームを用いて走査すると共に、演算された2次ビーム偏向条件に沿ったビーム偏向により基板から放出されたマルチ2次電子ビームを用いて走査しながら、マルチ検出器でマルチ2次電子ビームを検出することにより基板の2次電子画像を取得する工程と、
を備えたことを特徴とする。
また、複数の位置として、代表1次ビームの1次電子ビーム偏向範囲の4隅の位置を用いると好適である。
また、代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に検出された代表2次電子ビームの検出画像を合成する工程をさらに備え、
複数の座標は、合成された合成画像を用いて取得されると好適である。
本発明の一態様のマルチ電子ビーム画像取得装置は、
基板を載置するステージと、
マルチ1次電子ビームから選択された代表1次電子ビームを、ステージ上の予め設定される代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置に照射する1次系偏向器と、
代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、代表1次電子ビームの照射に起因して当該位置から放出される代表2次電子ビームを仮の2次ビーム偏向条件で走査する2次系偏向器と、
複数の検出エレメントを有し、代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、仮の2次ビーム偏向条件で走査された代表2次電子ビームを複数の検出エレメントの所定の検出エレメントで検出するマルチ検出器と、
代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に検出された代表2次電子ビームの検出画像に基づいて複数の位置に対応した複数の座標を取得する座標取得部と、
取得された複数の座標を用いて、代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲内での代表1次電子ビームの移動に起因する代表2次電子ビームの移動が相殺され、所定の検出エレメントへの代表2次電子ビームの照射位置が固定されるように、2次ビーム偏向条件を演算する偏向条件演算部と、
を備え、
1次系偏向器によりステージ上に載置された基板上をマルチ1次電子ビームの1次電子ビーム偏向範囲でマルチ1次電子ビームを用いて走査すると共に、演算された2次ビーム偏向条件に沿った2次系偏向器によるビーム偏向により前記基板から放出されたマルチ2次電子ビームを用いて走査しながら、マルチ検出器でマルチ2次電子ビームを検出することにより基板の2次電子画像を取得することを特徴とする。
本発明の一態様のマルチ電子ビーム検査装置は、
基板を載置するステージと、
マルチ1次電子ビームから選択された代表1次電子ビームを、ステージ上の予め設定される代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置に照射する1次系偏向器と、
代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、代表1次電子ビームの照射に起因して当該位置から放出される代表2次電子ビームを用いて仮の2次ビーム偏向条件で走査する2次系偏向器と、
複数の検出エレメントを有し、代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、仮の2次ビーム偏向条件で走査された代表2次電子ビームを複数の検出エレメントの所定の検出エレメントで検出するマルチ検出器と、
代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に検出された代表2次電子ビームの検出画像に基づいて複数の位置に対応した複数の座標を取得する座標取得部と、
取得された複数の座標を用いて、代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲内での代表1次電子ビームの移動に起因する代表2次電子ビームの移動が相殺され、所定の検出エレメントへの代表2次電子ビームの照射位置が固定されるように、2次ビーム偏向条件を演算する偏向条件演算部と、
を備え、
1次系偏向器によりステージ上に載置された基板上をマルチ1次電子ビームの1次電子ビーム偏向範囲でマルチ1次電子ビームを用いて走査すると共に、演算された2次ビーム偏向条件に沿った2次系偏向器によるビーム偏向により基板から放出されたマルチ2次電子ビームを用いて走査しながら、マルチ検出器でマルチ2次電子ビームを検出することにより基板の2次電子画像を取得し、
取得された2次電子画像の少なくとも一部と所定の画像とを比較する比較部をさらに備えたことを特徴とする。
本発明の他の態様のマルチ電子ビーム画像取得装置は、
基板を載置するステージと、
マルチ1次電子ビームを代表する代表1次電子ビームを、ステージ上の予め設定される代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置に時期をずらして順に照射する1次系偏向器と、
代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、代表1次電子ビームの照射に起因して当該位置から放出される代表2次電子ビームを用いて仮の2次ビーム偏向条件で走査する2次系偏向器と、
複数の検出エレメントを有し、代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、仮の2次ビーム偏向条件で走査された代表2次電子ビームを複数の検出エレメントの所定の検出エレメントで検出するマルチ検出器と、
代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に検出された代表2次電子ビームの検出画像を合成する画像合成部と、
合成された合成画像を用いて、代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲内での代表1次電子ビームの移動に起因する代表2次電子ビームの移動が相殺され、所定の検出エレメントへの代表2次電子ビームの照射位置が固定されるように、2次ビーム偏向条件を演算する偏向条件演算部と、
を備え、
1次系偏向器によりステージ上に載置された基板上をマルチ1次電子ビームの1次電子ビーム偏向範囲でマルチ1次電子ビームを用いて走査すると共に、演算された2次ビーム偏向条件に沿った2次系偏向器によるビーム偏向により基板から放出されたマルチ2次電子ビームを用いて走査しながら、マルチ検出器でマルチ2次電子ビームを検出することにより基板の2次電子画像を取得することを特徴とする。
本発明の他の態様のマルチ電子ビーム検査装置は、
基板を載置するステージと、
マルチ1次電子ビームを代表する代表1次電子ビームを、ステージ上の予め設定される代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置に時期をずらして順に照射する1次系偏向器と、
代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、代表1次電子ビームの照射に起因して当該位置から放出される代表2次電子ビームを用いて仮の2次ビーム偏向条件で走査する2次系偏向器と、
複数の検出エレメントを有し、代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に、仮の2次ビーム偏向条件で走査された代表2次電子ビームを複数の検出エレメントの所定の検出エレメントで検出するマルチ検出器と、
代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲の複数の位置の位置毎に検出された代表2次電子ビームの検出画像を合成する画像合成部と、
合成された合成画像を用いて、代表1次ビームの1次ビーム偏向範囲内での代表1次電子ビームの移動に起因する代表2次電子ビームの移動が相殺され、所定の検出エレメントへの代表2次電子ビームの照射位置が固定されるように、2次ビーム偏向条件を演算する偏向条件演算部と、
を備え、
1次系偏向器によりステージ上に載置された基板上をマルチ1次電子ビームの1次電子ビーム偏向範囲でマルチ1次電子ビームを用いて走査すると共に、演算された2次ビーム偏向条件に沿った2次系偏向器によるビーム偏向により基板から放出されたマルチ2次電子ビームを用いて走査しながら、マルチ検出器でマルチ2次電子ビームを検出することにより基板の2次電子画像を取得し、
取得された2次電子画像の少なくとも一部と所定の画像とを比較する比較部をさらに備えたことを特徴とする。

Claims (12)

  1. マルチ1次電子ビームから選択された代表1次電子ビームを、基板を載置するステージ上の予め設定される1次ビーム偏向範囲の複数の位置に照射する工程と、
    前記代表1次ビーム偏向範囲の前記複数の位置の位置毎に、前記代表1次電子ビームの照射に起因して当該位置から放出される代表2次電子ビームを仮の2次ビーム偏向条件で走査する工程と、
    前記代表1次ビーム偏向範囲の前記複数の位置の位置毎に、仮の2次ビーム偏向条件で走査された前記代表2次電子ビームを複数の検出エレメントを有するマルチ検出器の所定の検出エレメントで検出する工程と、
    前記1次ビーム偏向範囲の前記複数の位置の位置毎に検出された前記代表2次電子ビームの検出画像に基づいて前記複数の位置に対応した複数の座標を取得する工程と、
    取得された複数の座標を用いて、前記1次ビーム偏向範囲内での前記代表1次電子ビームの移動に起因する前記代表2次電子ビームの移動が相殺され、前記所定の検出エレメントへの前記代表2次電子ビームの照射位置が固定されるように、2次ビーム偏向条件を演算する工程と、
    前記ステージ上に載置された基板上を前記1次電子ビーム偏向範囲で前記マルチ1次電子ビームを用いて走査すると共に、演算された前記2次ビーム偏向条件に沿ったビーム偏向により前記基板から放出されたマルチ2次電子ビームを走査しながら、前記マルチ検出器で前記マルチ2次電子ビームを検出することにより前記基板の2次電子画像を取得する工程と、
    を備えたことを特徴とするマルチ電子ビーム画像取得方法。
  2. 前記複数の位置として、前記1次電子ビーム偏向範囲の4隅の位置を用いることを特徴とする請求項1記載のマルチ電子ビーム画像取得方法。
  3. 前記2次電子ビームの偏向条件は、偏向倍率と偏向回転角とを有することを特徴とする請求項1又は2記載のマルチ電子ビーム画像取得方法。
  4. 前記代表1次電子ビームとして、マルチ1次電子ビームの中心ビームを用いることを特徴とする請求項1~3いずれかに記載のマルチ電子ビーム画像取得方法。
  5. 前記代表1次電子ビームとして、マルチ1次電子ビームの4隅のビームを用い、
    前記2次ビーム偏向条件は、前記4隅のビームのビーム毎に演算され、ビーム毎に演算された値の統計値が用いられることを特徴とする請求項1~3いずれかに記載のマルチ電子ビーム画像取得方法。
  6. 前記1次ビーム偏向範囲の前記複数の位置の位置毎に検出された前記代表2次電子ビームの検出画像を合成する工程をさらに備え、
    前記複数の座標は、合成された合成画像を用いて取得されることを特徴とする請求項1~5いずれかに記載のマルチ電子ビーム画像取得方法。
  7. マルチ1次電子ビームから代表1次電子ビームを選択し、残りのビームを遮蔽する工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のマルチ電子ビーム画像取得方法。
  8. 前記代表1次電子ビームを前記複数の位置に照射する場合に、選択されなかった残りのビームを一緒に照射し、
    前記複数の位置の位置毎に検出された前記代表2次電子ビームの検出画像には、複数の2次電子ビームのアパーチャ像が一緒に写り、
    複数の2次電子ビームのアパーチャ像が一緒に写る検出画像を用いて、前記複数の2次電子ビームのアパーチャ像の中から前記代表2次電子ビームが識別されることを特徴とする請求項1記載のマルチ電子ビーム画像取得方法。
  9. 基板を載置するステージと、
    マルチ1次電子ビームから選択された代表1次電子ビームを、前記ステージ上の予め設定される1次ビーム偏向範囲の複数の位置に照射する1次系偏向器と、
    前記代表1次ビーム偏向範囲の前記複数の位置の位置毎に、前記代表1次電子ビームの照射に起因して当該位置から放出される代表2次電子ビームを仮の2次ビーム偏向条件で走査する2次系偏向器と、
    複数の検出エレメントを有し、前記代表1次ビーム偏向範囲の前記複数の位置の位置毎に、仮の2次ビーム偏向条件で走査された前記代表2次電子ビームを前記複数の検出エレメントの所定の検出エレメントで検出するマルチ検出器と、
    前記1次ビーム偏向範囲の前記複数の位置の位置毎に検出された前記代表2次電子ビームの検出画像に基づいて前記複数の位置に対応した複数の座標を取得する座標取得部と、
    取得された複数の座標を用いて、前記1次ビーム偏向範囲内での前記代表1次電子ビームの移動に起因する前記代表2次電子ビームの移動が相殺され、前記所定の検出エレメントへの前記代表2次電子ビームの照射位置が固定されるように、2次ビーム偏向条件を演算する偏向条件演算部と、
    を備え、
    前記1次系偏向器により前記ステージ上に載置された基板上を前記1次電子ビーム偏向範囲で前記マルチ1次電子ビームを用いて走査すると共に、演算された前記2次ビーム偏向条件に沿った前記2次系偏向器によるビーム偏向により前記基板から放出されたマルチ2次電子ビームを走査しながら、前記マルチ検出器で前記マルチ2次電子ビームを検出することにより前記基板の2次電子画像を取得することを特徴とするマルチ電子ビーム画像取得装置。
  10. 基板を載置するステージと、
    マルチ1次電子ビームから選択された代表1次電子ビームを、前記ステージ上の予め設定される1次ビーム偏向範囲の複数の位置に照射する1次系偏向器と、
    前記代表1次ビーム偏向範囲の前記複数の位置の位置毎に、前記代表1次電子ビームの照射に起因して当該位置から放出される代表2次電子ビームを仮の2次ビーム偏向条件で走査する2次系偏向器と、
    複数の検出エレメントを有し、前記代表1次ビーム偏向範囲の前記複数の位置の位置毎に、仮の2次ビーム偏向条件で走査された前記代表2次電子ビームを前記複数の検出エレメントの所定の検出エレメントで検出するマルチ検出器と、
    前記1次ビーム偏向範囲の前記複数の位置の位置毎に検出された前記代表2次電子ビームの検出画像に基づいて前記複数の位置に対応した複数の座標を取得する座標取得部と、
    取得された複数の座標を用いて、前記1次ビーム偏向範囲内での前記代表1次電子ビームの移動に起因する前記代表2次電子ビームの移動が相殺され、前記所定の検出エレメントへの前記代表2次電子ビームの照射位置が固定されるように、2次ビーム偏向条件を演算する偏向条件演算部と、
    を備え、
    前記1次系偏向器により前記ステージ上に載置された基板上を前記1次電子ビーム偏向範囲で前記マルチ1次電子ビームを用いて走査すると共に、演算された前記2次ビーム偏向条件に沿った前記2次系偏向器によるビーム偏向により前記基板から放出されたマルチ2次電子ビームを走査しながら、前記マルチ検出器で前記マルチ2次電子ビームを検出することにより前記基板の2次電子画像を取得し、
    取得された2次電子画像の少なくとも一部と所定の画像とを比較する比較部をさらに備えたことを特徴とするマルチ電子ビーム検査装置。
  11. 基板を載置するステージと、
    マルチ1次電子ビームを代表する代表1次電子ビームを、前記ステージ上の予め設定される1次ビーム偏向範囲の複数の位置に時期をずらして順に照射する1次系偏向器と、
    前記代表1次ビーム偏向範囲の前記複数の位置の位置毎に、前記代表1次電子ビームの照射に起因して当該位置から放出される代表2次電子ビームを仮の2次ビーム偏向条件で走査する2次系偏向器と、
    複数の検出エレメントを有し、前記代表1次ビーム偏向範囲の前記複数の位置の位置毎に、仮の2次ビーム偏向条件で走査された前記代表2次電子ビームを前記複数の検出エレメントの所定の検出エレメントで検出するマルチ検出器と、
    前記1次ビーム偏向範囲の前記複数の位置の位置毎に検出された前記代表2次電子ビームの検出画像を合成する画像合成部と、
    合成された合成画像を用いて、前記1次ビーム偏向範囲内での前記代表1次電子ビームの移動に起因する前記代表2次電子ビームの移動が相殺され、前記所定の検出エレメントへの前記代表2次電子ビームの照射位置が固定されるように、2次ビーム偏向条件を演算する偏向条件演算部と、
    を備え、
    前記1次系偏向器により前記ステージ上に載置された基板上を前記1次電子ビーム偏向範囲で前記マルチ1次電子ビームを用いて走査すると共に、演算された前記2次ビーム偏向条件に沿った前記2次系偏向器によるビーム偏向により前記基板から放出されたマルチ2次電子ビームを走査しながら、前記マルチ検出器で前記マルチ2次電子ビームを検出することにより前記基板の2次電子画像を取得することを特徴とするマルチ電子ビーム画像取得装置。
  12. 基板を載置するステージと、
    マルチ1次電子ビームを代表する代表1次電子ビームを、前記ステージ上の予め設定される1次ビーム偏向範囲の複数の位置に時期をずらして順に照射する1次系偏向器と、
    前記代表1次ビーム偏向範囲の前記複数の位置の位置毎に、前記代表1次電子ビームの照射に起因して当該位置から放出される代表2次電子ビームを仮の2次ビーム偏向条件で走査する2次系偏向器と、
    複数の検出エレメントを有し、前記代表1次ビーム偏向範囲の前記複数の位置の位置毎に、仮の2次ビーム偏向条件で走査された前記代表2次電子ビームを前記複数の検出エレメントの所定の検出エレメントで検出するマルチ検出器と、
    前記1次ビーム偏向範囲の前記複数の位置の位置毎に検出された前記代表2次電子ビームの検出画像を合成する画像合成部と、
    合成された合成画像を用いて、前記1次ビーム偏向範囲内での前記代表1次電子ビームの移動に起因する前記代表2次電子ビームの移動が相殺され、前記所定の検出エレメントへの前記代表2次電子ビームの照射位置が固定されるように、2次ビーム偏向条件を演算する偏向条件演算部と、
    を備え、
    前記1次系偏向器により前記ステージ上に載置された基板上を前記1次電子ビーム偏向範囲で前記マルチ1次電子ビームを用いて走査すると共に、演算された前記2次ビーム偏向条件に沿った前記2次系偏向器によるビーム偏向により前記基板から放出されたマルチ2次電子ビームを走査しながら、前記マルチ検出器で前記マルチ2次電子ビームを検出することにより前記基板の2次電子画像を取得し、
    取得された2次電子画像の少なくとも一部と所定の画像とを比較する比較部をさらに備えたことを特徴とするマルチ電子ビーム検査装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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