JP2022156388A - ワーク加工用シート - Google Patents

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周平 渡辺
Shuhei Watanabe
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Abstract

【課題】優れた帯電防止性を発揮しながらも、基材と粘着剤層との密着性に優れたワーク加工用シートを提供する。【解決手段】帯電防止剤を含有する層を備える基材11と、側鎖に活性エネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A)およびイソシアネート系架橋剤(B)を含有する粘着性組成物から形成された粘着剤層12とを備えるワーク加工用シート1であって、前記架橋剤(B)の含有量が2質量部以上10質量部以下であり、前記重合体(A)が、所定の有機金属触媒の存在下における、官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)と活性エネルギー線硬化性基含有化合物(A3)との反応で得られるものであり、前記重合体(AP)が所定の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A1)およびアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A2)の少なくとも一種を含むワーク加工用シート。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウエハ等のワークの加工に使用されるワーク加工用シートに関するものである。
シリコン、ガリウムヒ素などの半導体ウエハや各種パッケージ類は、大径の状態で製造され、チップに切断(ダイシング)され、剥離(ピックアップ)された後に、次の工程であるマウント工程に移される。この際、半導体ウエハ等のワークは、基材および粘着剤層を備える粘着シート(以下、「ワーク加工用シート」という場合がある。)上に積層された状態で、バックグラインド、ダイシング、洗浄、乾燥、エキスパンディング、ピックアップ、マウンティング等の加工が行われる。
上記ワーク加工用シートは、所定の処理工程が終了すると、加工後のワークから剥離されるが、このときに、ワーク加工用シートと被着体との間で剥離帯電と呼ばれる静電気が発生することがある。このような静電気は、ワークや装置に埃等が付着する原因となるとともに、ワーク等の破壊の原因となる。そのため、ワーク加工用シートには、帯電防止性が求められている。
特許文献1および2には、帯電防止性を有するワーク加工用シートを提供することを目的として、所定の帯電防止剤を配合して成る基材を使用することが開示されている。
特開2014-207355号公報 特開2008-244377号公報
ところで、上記ワーク加工用シートとしては、活性エネルギー線硬化性を有する粘着剤によって構成される粘着剤層を備えたものが使用されることがある。この場合、ワーク加工用シート上にてワークの加工を行った後、当該加工後のワークをワーク加工用シートから分離する前に、粘着剤層に対して活性エネルギー線を照射することがある。活性エネルギー線を照射された粘着剤層は硬化し、それにより、加工後のワークに対する密着性が低下する。そのため、加工後のワークのワーク加工用シートからの分離を容易に行うことが可能となる。
しかしながら、活性エネルギー線の照射によって硬化した粘着剤層は、加工後のワークのみならず、基材に対しても密着性が低下することがある。特に、特許文献1および2に開示されるような帯電防止剤が配合された基材に対しては密着性の低下が著しく、ワーク加工用シートから加工後のワークを分離する際における、基材からの粘着剤層の剥がれが生じ易いという問題があった。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、優れた帯電防止性を発揮しながらも、基材と粘着剤層との密着性に優れたワーク加工用シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、基材と、前記基材における片面側に積層された粘着剤層とを備えるワーク加工用シートであって、前記基材が、前記粘着剤層に対して近位に位置する表面層と、前記粘着剤層に対して遠位に位置する裏面層と、前記表面層と前記裏面層との間に位置する中間層とを備え、前記表面層、前記中間層および前記裏面層の少なくとも一層が、帯電防止剤を含有し、前記粘着剤層が、側鎖に活性エネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A)およびイソシアネート系架橋剤(B)を含有する粘着性組成物から形成された活性エネルギー線硬化性の粘着剤から構成され、前記粘着性組成物中における前記イソシアネート系架橋剤(B)の含有量が、前記アクリル系重合体(A)100質量部に対して、2質量部以上、10質量部以下であり、前記アクリル系重合体(A)が、有機錫化合物、ジルコニウム錯体、亜鉛錯体およびジルコニウム含有金属石鹸から選択される少なくとも1種の有機金属触媒の存在下で、官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)と、当該官能基と反応可能な官能基を有する活性エネルギー線硬化性基含有化合物(A3)とを反応させて得られるものであり、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)が、当該重合体を構成するモノマー単位として、ホモポリマーとしてのガラス転移温度(Tg)が-20℃以下であり且つアルキル基の炭素数が4個以下である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A1)、および、ホモポリマーとしてのガラス転移温度(Tg)が-20℃以下であり且つアルコキシアルキル基の炭素数が4個以下であるアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A2)の少なくとも一種を含むことを特徴とするワーク加工用シートを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)に係るワーク加工用シートは、基材が上述した3層を備え、そのいずれかの層が帯電防止剤を含有することで、優れた帯電防止性を発揮する。その一方で、粘着剤層が上述した条件を満たすものであることで、活性エネルギー線の照射によって粘着剤層を硬化させた後であっても、基材と粘着剤層との密着性に優れる。
上記発明(発明1)において、前記表面層および前記裏面層は、前記帯電防止剤を含有し、前記中間層は、前記帯電防止剤を含有していないか、または、前記中間層は、前記表面層および前記裏面層の各々よりも少ない含有量(単位:質量%)で前記帯電防止剤を含有していることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)において、前記帯電防止剤が、ポリエーテルポリオレフィンブロック共重合体であることが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1~3)において、前記有機金属触媒は、前記有機錫化合物であり、前記粘着性組成物中における有機錫化合物の含有量は、前記アクリル系重合体(A)100質量部に対して、0.001質量部以上、0.13質量部未満であることが好ましい(発明4)。
上記発明(発明1~4)において、前記表面層の厚さが、1μm以上、10μm以下であることが好ましい(発明5)。
上記発明(発明1~5)においては、ダイシングシートであることが好ましい(発明6)。
本発明に係るワーク加工用シートは、優れた帯電防止性を発揮しながらも、基材と粘着剤層との密着性に優れる。
本発明の一実施形態に係るワーク加工用シートの断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1には、一実施形態に係るワーク加工用シートの断面図が示される。図1に示されるワーク加工用シート1は、基材11と、基材11における片面側に積層された粘着剤層12とを備える。
上記基材11は、図1に示されるように、粘着剤層12に対して近位に位置する表面層111と、粘着剤層12に対して遠位に位置する裏面層113と、表面層111と裏面層113との間に位置する中間層112とを備える。そして、基材11においては、表面層111、中間層112および裏面層113の少なくとも一層が、帯電防止剤を含有する。
上記の通り、基材11が帯電防止剤を含有する層を備えることにより、本実施形態に係るワーク加工用シート1は、優れた帯電防止性を有するものとなる。そのため、ワーク加工用シート1から剥離シートやワークを分離する際における剥離帯電を良好に抑制することができる。
さらに、本実施形態に係るワーク加工用シート1では、粘着剤層12が、側鎖に活性エネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A)およびイソシアネート系架橋剤(B)を含有する粘着性組成物から形成された活性エネルギー線硬化性の粘着剤から構成されたものとなっている。
そして、上記粘着性組成物中におけるイソシアネート系架橋剤(B)の含有量は、アクリル系重合体(A)100質量部に対して、2質量部以上、10質量部以下となっている。
また、上記アクリル系重合体(A)は、有機錫化合物、ジルコニウム錯体、亜鉛錯体およびジルコニウム含有金属石鹸から選択される少なくとも1種の有機金属触媒の存在下で、官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)と、当該官能基と反応可能な官能基を有する活性エネルギー線硬化性基含有化合物(A3)とを反応させて得られるものとなっている。
さらに、上記(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、ホモポリマーとしてのガラス転移温度(Tg)が-20℃以下であり且つアルキル基の炭素数が4個以下である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A1)、および、ホモポリマーとしてのガラス転移温度(Tg)が-20℃以下であり且つアルコキシアルキル基の炭素数が4個以下であるアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A2)の少なくとも一種を含むものとなっている。
本実施形態に係るワーク加工用シート1は、粘着剤層12が上述した条件を満たすものであることで、基材11と粘着剤層12との密着性に優れたものとなる。特に、活性エネルギー線の照射によって粘着剤層12を硬化させた後であっても、基材11と粘着剤層12とが高い密着性を示す。そのため、加工後のワークをワーク加工用シート1から分離する際に、たとえ活性エネルギー線の照射によって粘着剤層12を硬化させた場合であっても、粘着剤層12が基材11から分離することなく、加工後のワークを良好にワーク加工用シート1から分離することができる。
一般的に、ワーク加工用シート1上にてウエハをダイシングする場合、当該ウエハとともに粘着剤層12が切断されることがある。この場合、得られたチップをワーク加工用シート1からピックアップする際に、分断された粘着剤層12がチップに付着した状態でピックアップされる可能性が非常に高まる。しかしながら、本実施形態に係るワーク加工用シート1によれば、このような場合であっても、粘着剤層12のチップへの付着を良好に抑制することができる。
1.ワーク加工用シートの構成
(1)基材
本実施形態における基材11は、上述の通り、表面層111、中間層112および裏面層113を備える。これらの層の組成に関しては、表面層111、中間層112および裏面層113の少なくとも一層が帯電防止剤を含有する限り、特に限定されない。
基材11を構成する各層における帯電防止剤以外の材料としては、それらの層を形成することができるものである限り特に限定されず、例えば樹脂を使用することが好ましい。特に、エキスパンド性や切削片の抑制といったワーク加工用シートに求められる性能を発揮し易いという観点から、ポリオレフィン系樹脂、および熱可塑性エラストマーの少なくとも一種を主材として使用することが好ましい。なお、表面層111と裏面層113とは、異なる組成であってもよく、全く同一の組成であってもよい。
(1-1)ポリオレフィン系樹脂
上述したポリオレフィン系樹脂の具体例は、特に限定されない。なお、本明細書において、ポリオレフィン系樹脂とは、オレフィンを単量体とするホモポリマーもしくはコポリマー、またはオレフィンとオレフィン以外の分子とを単量体とするコポリマーであって重合後の樹脂におけるオレフィン単位に基づく部分の質量比率が1.0質量%以上である樹脂をいう。
上記ポリオレフィン系樹脂を構成する高分子は直鎖状であってもよいし、側鎖を有していてもよい。また、当該高分子は、芳香環、脂肪族環を有していてもよい。
ポリオレフィン系樹脂を構成するオレフィン単量体としては、炭素数2~8のオレフィン単量体、炭素数3~18のα-オレフィン単量体、環状構造を有するオレフィン単量体などが例示される。炭素数2~8のオレフィン単量体としては、エチレン、プロピレン、2-ブテン、オクテンなどが例示される。炭素数3~18のα-オレフィン単量体としては、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-オクタデセンなどが例示される。環状構造を有するオレフィン単量体としては、ノルボルネン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエンおよびテトラシクロドデセンならびにこれらの誘導体などが例示される。
ポリオレフィン系樹脂は、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
上述したポリオレフィン系樹脂の具体例の中でも、エチレンを主な重合単位として含むポリエチレンおよびプロピレンを主な重合単位として含むポリプロピレンの少なくとも一方を使用することが好ましい。
上記ポリプリピレンとしては、例えば、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレンおよびブロックポリプロピレンを使用することが好ましい。これらは、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。特に、ホモポリプロピレンとランダムポリプロピレンとを混合して使用することが好ましい。
上述したホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレンおよびブロックポリプロピレンとしては、それぞれ、上市されている市販品を用いてもよい。ホモポリプロピレンの市販品の例としては、いずれもプライムポリマー社製の製品名「プライムポリプロ E111G」、製品名「プライムポリプロ E-100GV」、製品名「プライムポリプロ E-100GPL」、製品名「プライムポリプロ E-200GP」等が挙げられる。ランダムポリプロピレンの市販品の例としては、いずれもプライムポリマー社製の製品名「プライムポリプロ B221WA」、製品名「プライムポリプロ B241」、製品名「プライムポリプロ E222」、製品名「プライムポリプロ E-333GV」等が挙げられる。ブロックポリプロピレンの市販品の例としては、いずれもプライムポリマー社製の製品名「プライムポリプロ E701G」、製品名「プライムポリプロ E702G」、製品名「プライムポリプロ E702MG」等が挙げられる。
上記ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンのいずれであってもよいし、これらの2種以上の混合物であってもよい。
特に、上記ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレンを使用することが好ましく、その市販品の例としては、三菱ケミカル社製の製品名「ノバテックLL」、プライムポリマー社製のネオゼックスシリーズやウルトラゼックスシリーズ等が挙げられる。
基材11を構成する層のいずれかがポリオレフィン系樹脂を含有する場合、当該層中におけるポリオレフィン系樹脂の含有量は、10質量%以上であることが好ましく、特に15質量%以上であることが好ましく、さらには20質量%以上であることが好ましい。また、上記含有量は、100質量%以下であることが好ましく、特に95質量%以下であることが好ましく、さらには90質量%以下であることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂の含有量が上記範囲であることで、本実施形態に係るワーク加工用シート1がより良好なエキスパンド性を有し易いものとなる。
(1-2)熱可塑性エラストマー
前述した熱可塑性エラストマーとしては、上記ポリオレフィン系樹脂以外のものであって、基材11の形成を可能とするものである限り、特に限定されない。熱可塑性エラストマーの例としては、例えば、オレフィン系エラストマー、ゴムエラストマー、ウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上述したエラストマーの中でも、良好なエキスパンド性を得易いという観点からは、オレフィン系エラストマーが好ましい。特に、表面層111および裏面層113の少なくとも一方が、オレフィン系エラストマーを含有することが好ましい。なお、本明細書において「オレフィン系エラストマー」とは、オレフィンまたはその誘導体(オレフィン系化合物)に由来する構造単位を含む共重合体であって、常温を含む温度域ではゴム状の弾性を有するとともに、熱可塑性を有する材料を意味する。
オレフィン系エラストマーの例としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・α-オレフィン共重合体、プロピレン・α-オレフィン共重合体、ブテン・α-オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・α-オレフィン共重合体、エチレン・ブテン・α-オレフィン共重合体、プロピレン・ブテン・α-オレフィン共重合体およびエチレン・プロピレン・ブテン・α-オレフィン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むものが挙げられる。これらの中でも、エチレン・プロピレン共重合体が好ましい。
基材11を構成する層のいずれかがオレフィン系エラストマーを含有する場合、当該層中におけるオレフィン系エラストマーの含有量は、1質量%以上であることが好ましく、特に10質量%以上であることが好ましく、さらには15質量%以上であることが好ましい。また、上記含有量は、90質量%以下であることが好ましく、特に80質量%以下であることが好ましく、さらには70質量%以下であることが好ましい。オレフィン系エラストマーの含有量が上記範囲であることで、本実施形態に係るワーク加工用シート1がより良好なエキスパンド性を得易いものとなる。
また、良好なエキスパンド性を得易いという観点からは、スチレン系エラストマーを使用することも好ましい。特に、中間層112が、スチレン系エラストマーを含有することが好ましい。なお、本明細書において「スチレン系エラストマー」とは、スチレンまたはその誘導体(スチレン系化合物)に由来する構造単位を含む共重合体であって、常温を含む温度域ではゴム状の弾性を有するとともに、熱可塑性を有する材料を意味する。
スチレン系エラストマーとしては、スチレン-共役ジエン共重合体およびスチレン-オレフィン共重合体などが挙げられ、中でもスチレン-共役ジエン共重合体が好ましい。スチレン-共役ジエン共重合体の具体例としては、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SBS)、スチレン-ブタジエン-ブチレン-スチレン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体(SIS)、スチレン-エチレン-イソプレン-スチレン共重合体等の未水添スチレン-共役ジエン共重合体;スチレン-エチレン/プロピレン-スチレン共重合体(SEPS:スチレン-イソプレン-スチレン共重合体の水素添加物)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体(SEBS:スチレン-ブタジエン共重合体の水素添加物)等の水添スチレン-共役ジエン共重合体などを挙げることができる。スチレン系熱可塑性エラストマーは、水素添加物(水添物)でも未水添物であってもよいが、水素添加物であることが好ましい。上記の中でも、良好なエキスパンド性を得易いという観点から、水添スチレン-共役ジエン共重合体が好ましく、特にスチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体(SEBS)が好ましい。
スチレン系エラストマーにおけるスチレンまたはスチレン系化合物に由来する構造単位の含有量(スチレン比率)は、1質量%以上であることが好ましく、特に5質量%以上であることが好ましく、さらには10質量%以上であることが好ましい。また、上記構造単位の含有量は、製膜性の観点から、80質量%以下であることが好ましく、特に70質量%以下であることが好ましく、さらには60質量%以下であることが好ましい。これにより、優れたエキスパンド性を達成し易くなる。
基材11を構成する層のいずれかがスチレン系エラストマーを含有する場合、当該層中におけるスチレン系エラストマーの含有量は、1質量%以上であることが好ましく、特に10質量%以上であることが好ましく、さらには15質量%以上であることが好ましい。また、上記含有量は、90質量%以下であることが好ましく、特に80質量%以下であることが好ましく、さらには70質量%以下であることが好ましい。スチレン系エラストマーの含有量が上記範囲であることで、本実施形態に係るワーク加工用シート1がより良好なエキスパンド性を得易いものとなる。
(1-3)帯電防止剤
本実施形態における帯電防止剤は特に限定されず、公知のものを使用することができる。帯電防止剤の例としては、低分子型帯電防止剤や高分子型帯電防止剤等が挙げられるが、切削片の発生を抑制し易く、また、基材11からのブリードアウトが生じ難く、それにより基材11と粘着剤層12とのより高い密着性を実現し易いという観点から、高分子型帯電防止剤が好ましい。
高分子型帯電防止剤としては、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルポリオレフィンブロック共重合体など、ポリエーテルユニットを有する共重合体が挙げられ、これら共重合体にはアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの金属塩や、イオン液体が含まれていても良い。これらの中でも、十分な帯電防止性を実現しつつも、基材11と粘着剤層12との高い密着性を達成し易いという観点からは、ポリエーテルポリオレフィンブロック共重合体が好ましい。
ポリエーテルポリオレフィンブロック共重合体とは、ポリエーテル部位とポリオレフィン部位のそれぞれのユニットを備える共重合体である。ポリエーテル部がイオン伝導性を示すことで、帯電防止性が発揮され、ポリオレフィン部によって、ポリオレフィン系樹脂との分散性に優れたものとなる。
ポリエーテルポリオレフィンブロック共重合体の市販品の例としては、いずれも三洋化成社製の製品名「ペレスタット300」、「ペレスタット230」、「ペレクトロンPVH」、「ペレクトロンPVL」、「ペレクトロンHS」、「ペレスタット201」、「ペレクトロンUC」等や、三光化学工業社製の製品名「サンコノールTBX-310」等が挙げられる。
本実施形態における基材11では、前述の通り、表面層111、中間層112および裏面層113の少なくとも一層が帯電防止剤を含有するものの、特に、表面層111および裏面層113の各々が帯電防止剤を含有することが好ましい。これにより、本実施形態に係るワーク加工用シート1は、優れた帯電防止性を有し易いものとなり、ワーク加工用シート1から剥離シートやワークを分離する際における剥離帯電を良好に抑制することができる。
なお、中間層112も帯電防止剤を含有してよいものの、ダイシング時の切削片の発生を抑制し易いという観点からは、中間層112は、帯電防止剤を含有していないか、または、中間層112は、表面層111および裏面層113の各々よりも少ない含有量(単位:質量%)で帯電防止剤を含有していることが好ましい。このように、帯電防止剤を含有していないか、またはその含有量が少ない中間層112が、表面層111と裏面層113との間に存在することにより、ダイシングの際に、ダイシングブレードが中間層112に到達した場合に、中間層112からの切削片の発生を良好に抑制することができる。
表面層111中における帯電防止剤の含有量は、3質量%以上であることが好ましく、特に5質量%以上であることが好ましく、さらには10質量%以上であることが好ましい。帯電防止剤の含有量が3質量%以上であることで、良好な帯電防止性を発揮し易いものとなる。また、表面層111中における帯電防止剤の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、特に35質量%以下であることが好ましく、さらには30質量%以下であることが好ましい。帯電防止剤の含有量が40質量%以下であることで、基材11と粘着剤層12との密着性をより向上させ易いものとなる。
裏面層113中における帯電防止剤の含有量は、10質量%以上であることが好ましく、特に20質量%以上であることが好ましく、さらには30質量%以上であることが好ましい。帯電防止剤の含有量が10質量%以上であることで、良好な帯電防止性を発揮し易いものとなる。また、裏面層113中における帯電防止剤の含有量は、50質量%以下であることが好ましく、特に45質量%以下であることが好ましく、さらには40質量%以下であることが好ましい。帯電防止剤の含有量が50質量%以下であることで、基材11と粘着剤層12との密着性をより向上させ易いものとなる。
なお、前述の通り、中間層112は、帯電防止剤を含有していないか、または、中間層112は、表面層111および裏面層113の各々よりも少ない含有量(単位:質量%)で帯電防止剤を含有していることが好ましい。中間層112が帯電防止剤を含有する場合、中間層112中におけるその含有量は、10質量%以下であることが好ましく、特に5質量%以下であることが好ましく、さらには3質量%以下であることが好ましい。中間層112中の帯電防止剤の含有量が10質量%以下であることで、切削片の発生を抑制し易いものとなる。なお、上記含有量の下限値としては、例えば、0.01質量%以上であってよい。
(1-4)酸変性樹脂
基材11を構成する各層は、酸変性樹脂を含有することも好ましい。特に、表面層111が、酸変性樹脂を含有することが好ましい。本明細書において「酸変性樹脂」とは、酸成分に由来する構造が高分子鎖に付加されたものを意味する。酸成分に由来する構造は、酸無水物の形態になっていてもよいし、カルボキシ基を有するものであってもよい。表面層111が上記のように酸変性樹脂を含有することにより、基材11と粘着剤層12との密着性がより向上し、ピックアップ時に粘着剤がチップ側に残ることをさらに抑制することができる。
酸性樹脂の主鎖としては、例えば、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン-アクリル系共重合体が好ましく挙げられる。かかる樹脂によれば、表面層111と粘着剤層12との密着性を向上し易いものとなる。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を意味する。他の類似用語も同様である。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、アルキル基の炭素数が1~4の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル等が好ましく挙げられる。中でも(メタ)アクリル酸エチルがより好ましく、特にアクリル酸エチルが好ましい。
エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体における(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、特に3質量%以上であることが好ましい。また、当該含有量は、20質量%以下であることが好ましく、特に15質量%以下であることが好ましく、さらには10質量%以下であることが好ましい。
樹脂を酸変性するには、樹脂に不飽和カルボン酸を反応させることが好ましい。不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、テトラヒドロフタル酸、アコニット酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸、ノルボルネンジカルボン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物等が挙げられる。これらは、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。上記の中でも、粘着剤層12との密着性の観点から、無水マレイン酸が特に好ましい。
上記酸変性樹脂における酸成分量(酸成分に由来する構造の量)は、1質量%以上であることが好ましく、特に2質量%以上であることが好ましい。また、当該酸成分量は、7質量%以下であることが好ましく、特に5質量%以下であることが好ましい。上記酸成分量が上記の範囲にあることにより、表面層111と粘着剤層12との密着性がより向上する。
表面層111が酸変性樹脂を含有する場合、表面層111中における酸変性樹脂の含有量は、5質量%以上であることが好ましく、特に10質量%以上であることが好ましい。これにより、表面層111と粘着剤層12との密着性がより向上する。また、当該含有量は、30質量%以下であることが好ましく、特に25質量%以下であることが好ましく、さらには20質量%以下であることが好ましい。
(1-5)その他の成分
基材11を構成する層は、上述した成分以外のその他の成分を含有してもよい。特に、当該樹脂組成物には、一般的なワーク加工用シートの基材に用いられる成分を含有させてもよい。
そのような成分の例としては、難燃剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、着色剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、イオン捕捉剤等の各種添加剤が挙げられる。これらの添加剤の含有量としては、特に限定されないものの、基材が所望の機能を発揮する範囲とすることが好ましい。
(1-6)基材の表面処理
基材11における粘着剤層12が積層される面には、当該粘着剤層12との密着性を高めるために、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、粗面化処理(マット加工)等の表面処理が施されてもよい。粗面化処理としては、例えば、エンボス加工法、サンドブラスト加工法等が挙げられる。これらの中でも、コロナ処理を施すことが好ましい。
(1-7)基材の製法
本実施形態における基材11の製造方法は特に限定されず、例えば、Tダイ法、丸ダイ法等の溶融押出法;カレンダー法;乾式法、湿式法等の溶液法などを使用することができる。これらの中でも、効率良く基材を製造する観点から、溶融押出法を採用することが好ましく、特にTダイ法を採用することが好ましい。
また、基材11を溶融押出法により製造する場合、各層を構成する成分をそれぞれ混練し、得られた混練物から直接、または一旦ペレットを製造したのち、公知の押出機を用いて、複数層を同時に押し出して製膜すればよい。
(1-8)基材の物性等
基材11における表面層111側の面の表面抵抗率は、1.0×1013Ω/□以下であることが好ましく、特に1.0×1012Ω/□以下であることが好ましく、さらには1.0×1011Ω/□以下であることが好ましい。上記表面抵抗率が1.0×1013Ω/□以下であることで、本実施形態に係るワーク加工用シート1が良好な帯電防止性を有し易いものとなる。なお、上記表面抵抗率の下限値は特に限定されず、例えば、1.0×10Ω/□以上であってよく、特に1.0×10Ω/□以上であってよい。上記表面抵抗率の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載の通りである。
本実施形態における表面層111の厚さは、1μm以上であることが好ましく、特に2μm以上であることが好ましく、さらには4μm以上であることが好ましい。また、表面層111の厚さは、10μm以下であることが好ましく、特に8μm以下であることが好ましく、さらには4μm以下であることが好ましい。表面層111の厚さが上記範囲であることで、ワーク加工用シート1が優れたエキスパンド性を達成し易くなるとともに、ワーク加工用シート1に所望の性能を付与し易いものとなる。また、表面層111の厚さが10μm以下であることで、基材11と粘着剤層12との密着性をより向上させ易いものとなる。
本実施形態における中間層112の厚さは、40μm以上であることが好ましく、特に50μm以上であることが好ましく、さらには60μm以上であることが好ましい。また、中間層112の厚さは、100μm以下であることが好ましく、特に90μm以下であることが好ましく、さらには80μm以下であることが好ましい。中間層112の厚さが上記範囲であることで、ワーク加工用シート1が優れたエキスパンド性を達成し易くなるとともに、ワーク加工用シート1に所望の性能を付与し易いものとなる。
本実施形態における裏面層113の厚さは、2μm以上であることが好ましく、特に4μm以上であることが好ましく、さらには8μm以上であることが好ましい。また、裏面層113の厚さは、40μm以下であることが好ましく、特に30μm以下であることが好ましく、さらには25μm以下であることが好ましい。裏面層112の厚さが上記範囲であることで、ワーク加工用シート1が優れたエキスパンド性を達成し易くなるとともに、ワーク加工用シート1に所望の性能を付与し易いものとなる。
(2)粘着剤層
本実施形態における粘着剤層12は、前述した通り、側鎖に活性エネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A)およびイソシアネート系架橋剤(B)を含有する粘着性組成物から形成された活性エネルギー線硬化性の粘着剤から構成される。
(2-1)側鎖に活性エネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A)
側鎖に活性エネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A)は、前述した通り、有機錫化合物、ジルコニウム錯体、亜鉛錯体およびジルコニウム含有金属石鹸から選択される少なくとも1種の有機金属触媒の存在下で、官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)と、当該官能基と反応可能な官能基を有する活性エネルギー線硬化性基含有化合物(A3)とを反応させて得られるものである。
そして、上記(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、ホモポリマーとしてのガラス転移温度(Tg)が-20℃以下であり且つアルキル基の炭素数が4個以下である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A1)、および、ホモポリマーとしてのガラス転移温度(Tg)が-20℃以下であり且つアルコキシアルキル基の炭素数が4個以下であるアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A2)の少なくとも一種を含む。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)が上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A1)および上記アルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A2)の少なくとも一種を含むことで、得られる粘着剤が、活性エネルギー線照射によって硬化した場合であっても、基材に対して良好な密着性を維持できるものとなる。なお、本明細書におけるガラス転移温度(Tg)は、Foxの式より求められる計算値である。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A1)の例としては、アクリル酸n-ブチル(Tg=-54℃)、アクリル酸エチル(Tg=-22℃)、アクリル酸イソブチル(Tg=-26℃)等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸n-ブチルを使用することが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)が上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A1)を含む場合、(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)中における上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A1)由来の構造部分の質量の割合は、30質量%以上であることが好ましく、特に40質量%以上であることが好ましく、さらには50質量%以上であることが好ましい。上記割合が30質量%以上であることにより、得られる粘着剤が、基材11に対してより良好な密着性を維持できるものとなる。また上記割合は、90質量%以下であることが好ましく、特に80質量%以下であることが好ましく、さらには70質量%以下であることが好ましい。上記割合が90質量%以下であることにより、その他の所望のモノマーの割合を確保し易くなり、得られる粘着剤が所望の性能を有し易いものとなる。
上記アルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A2)の例としては、アクリル酸メトキシメチル(Tg=-50℃)が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸メトキシメチルを使用することが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)が上記アルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A2)を含む場合、(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)中における上記アルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A2)由来の構造部分の質量の割合は、5質量%以上であることが好ましく、特に10質量%以上であることが好ましく、さらには15質量%以上であることが好ましい。上記割合が5質量%以上であることにより、得られる粘着剤が、基材11に対してより良好な密着性を維持できるものとなる。また上記割合は、70質量%以下であることが好ましく、特に60質量%以下であることが好ましく、さらには50質量%以下であることが好ましい。上記割合が70質量%以下であることにより、その他の所望のモノマーの割合を確保し易くなり、得られる粘着剤が所望の性能を有し易いものとなる。
また、上記(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)は、反応性の官能基を有する官能基含有モノマーを含むことも好ましい。当該官能基は、上述した活性エネルギー線硬化性基含有化合物(A3)との反応のために利用することができる。
上記官能基含有モノマーとしては、活性エネルギー線硬化性基含有化合物(A3)が有する官能基と反応可能な反応性の官能基を有するものが好ましい。当該官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基等が挙げられ、中でも水酸基またはカルボキシ基が好ましく、特に水酸基が好ましい。なお、イソシアネート系架橋剤(B)を使用する場合、官能基含有モノマーが有する反応性の官能基は、当該イソシアネート系架橋剤(B)と反応することも好ましい。
官能基含有モノマーとして水酸基を有するモノマー(水酸基含有モノマー)を使用する場合、その例としては(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられ、その具体例としては、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチルが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
官能基含有モノマーとしてカルボキシ基を有するモノマー(カルボキシ基含有モノマー)を使用する場合、その例としてはエチレン性不飽和カルボン酸が挙げられ、その具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)が官能基含有モノマーを含む場合、(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)における官能基含有モノマー由来の構造部分の質量の割合は、10質量%以上であることが好ましく、特に15質量%以上であることが好ましく、さらには20質量%以上であることが好ましい。また当該割合は、70質量%以下であることが好ましく、特に60質量%以下であることが好ましく、さらには50質量%以下であることが好ましい。官能基含有モノマー由来の構造部分の質量の割合が上記範囲にあることにより、側鎖にエネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A)への活性エネルギー線硬化性基含有化合物(A3)の導入量を好適な範囲にすることができる。また、イソシアネート系架橋剤(B)を使用して、官能基含有モノマーとイソシアネート系架橋剤(B)とを反応させる場合には、当該イソシアネート系架橋剤(B)による架橋の度合い、すなわちゲル分率を好適な範囲にすることができ、粘着剤層12の凝集力等の物性をコントロールし易いものとなる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)は、上述したモノマーとともに、その他のモノマーを共重合したものであってもよい。例えば、(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A1)以外のその他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含んでもよい
当該その他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1~18であるものが好ましく、特に炭素数が1~4であるものが好ましい。
上記その他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの中でも、メタクリル酸メチルが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)が上記その他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む場合、(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)における上記その他の(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構造部分の質量の割合は、1質量%以上であることが好ましく、特に5質量%以上であることが好ましく、さらには10質量%以上であることが好ましい。また当該割合は、60質量%以下であることが好ましく、特に50質量%以下であることが好ましく、さらには40質量%以下であることが好ましい。上記その他の(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構造部分の質量の割合が上記範囲にあることにより、得られる粘着剤が所望の性能を有し易いものとなる。
また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、上記アルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A2)以外のその他のアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルを含んでもよい。その例としては、メタクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル等が挙げられる。
さらに、(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステル;N-(メタ)アクリロイルモルホリン、N-ビニル-2-ピロリドン、N-(メタ)アクリロイルピロリドン等の窒素含有複素環を有するモノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド等の非架橋性のアクリルアミド;(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノプロピル等の非架橋性の3級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル;酢酸ビニル;スチレン等を含んでもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)の重合態様は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。また、重合法に関しては特に限定されず、一般的な重合法、例えば溶液重合法により重合することができる。
一方、活性エネルギー線硬化性基含有化合物(A3)は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)が有する官能基と反応可能な官能基、および活性エネルギー線の照射によって開裂する炭素-炭素二重結合を含む活性エネルギー線硬化性基を含有するものである。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)が有する官能基と反応可能な官能基としては、例えば、イソシアネート基、エポキシ基等が挙げられ、中でも水酸基との反応性の高いイソシアネート基が好ましい。
炭素-炭素二重結合を含む活性エネルギー線硬化性基としては、(メタ)アクリロイル基等が好ましい。なお、活性エネルギー線の照射によって開裂する炭素-炭素二重結合は、活性エネルギー線硬化性基含有化合物(A3)1分子中に1~5個存在することが好ましく、特に1~3個存在することが好ましい。
活性エネルギー線硬化性基含有化合物(A3)の例としては、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタ-イソプロペニル-α,α-ジメチルベンジルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート、アリルイソシアネート、1,1-(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート;ジイソシアネート化合物またはポリイソシアネート化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物;ジイソシアネート化合物またはポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物などが挙げられる。これらの中でも、特に2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネートが好ましい。なお、活性エネルギー線硬化性基含有化合物(A3)は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
得られるアクリル系重合体(A)中において、(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)が有する官能基の量に対する、活性エネルギー線硬化性基含有化合物(A3)の量は、60モル%以上であることが好ましく、特に70モル%以上であることが好ましい。また、当該活性エネルギー線硬化性基含有化合物(A3)の量は、99モル%以下であることが好ましく、特に95%以下であることが好ましく、さらには90モル%以下であることが好ましい。
アクリル系重合体(A)を調製する上で、(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)の調製、および(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)と活性エネルギー線硬化性基含有化合物(A3)との反応は、常法によって行うことができる。この反応工程においては、(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)中の官能基含有モノマー(A2)に由来する反応性の官能基と、活性エネルギー線硬化性基含有化合物(A3)中の官能基とが反応する。これにより、側鎖にエネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A)が得られる。
なお、(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)と活性エネルギー線硬化性基含有化合物(A3)との反応は、前述の通り、有機錫化合物、ジルコニウム錯体、亜鉛錯体およびジルコニウム含有金属石鹸から選択される少なくとも1種の有機金属触媒の存在下で行われる。アクリル系重合体(A)がこのような有機金属触媒の作用によって作製されたものであることにより、得られる粘着剤が基材11に対してより優れた密着性を示すものとなる。
上記有機錫化合物の例としては、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジオクチル錫ジラウレート(DOTDL)、ジブチル錫ジアセテート(DBTDA)、ジオクチル錫ジアセテート(DOTDA)、ジオクチル錫マレート(DOTM)、ジブチル錫マレート(DBTM)等が挙げられる。これらの中でも、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)を使用することが好ましい。
上記有機金属触媒として有機錫化合物を使用する場合、粘着性組成物中における有機錫化合物の含有量は、アクリル系重合体(A)100質量部に対して、0.001質量部以上であることが好ましく、特に0.01質量部以上であることが好ましく、さらには0.02質量部以上であることが好ましい。また、当該含有量は、0.13質量部未満であることが好ましく、特に0.1質量部以下であることが好ましく、さらには0.07質量部以下であることが好ましい。有機錫化合物がこれらの範囲で使用されることで、得られる粘着剤が基材11に対してより優れた密着性を示すものとなる。
上記ジルコニウム錯体の例としては、ジルコニウム(IV)アセチルアセトナート、酢酸ジルコニウム、ジルコニウム(IV)イソプロポキシドイソプロパノール、ジルコニウム(IV)エトキシド、ジルコニウム(IV)ブトキシド、ジルコニウム(IV)プロポキシド、ジルコニウムアクリレート、ジルコニウムカルボキシエチルアクリレート等が挙げられる。これらの中でも、ジルコニウム(IV)アセチルアセトナートを使用することが好ましい。
上記有機金属触媒としてジルコニウム錯体を使用する場合、粘着性組成物中におけるジルコニウム錯体の含有量は、アクリル系重合体(A)100質量部に対して、0.001質量部以上であることが好ましく、特に0.01質量部以上であることが好ましく、さらには0.02質量部以上であることが好ましい。また、当該含有量は、0.2質量部以下であることが好ましく、特に0.15質量部以下であることが好ましく、さらには0.1質量部以下であることが好ましい。ジルコニウム錯体がこれらの範囲で使用されることで、得られる粘着剤が基材11に対してより優れた密着性を示すものとなる。
上記亜鉛錯体の例としては、アセチルアセトン亜鉛(II)一水和物、酢酸亜鉛、トリフルオロ酢酸、メタクリル酸亜鉛等が挙げられる。これらの中でも、アセチルアセトン亜鉛(II)一水和物を使用することが好ましい。
上記有機金属触媒として亜鉛錯体を使用する場合、粘着性組成物中における亜鉛錯体の含有量は、アクリル系重合体(A)100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、特に0.03質量部以上であることが好ましく、さらには0.05質量部以上であることが好ましい。また、当該含有量は、0.5質量部以下であることが好ましく、特に0.3質量部以下であることが好ましく、さらには0.2質量部以下であることが好ましい。亜鉛錯体がこれらの範囲で使用されることで、得られる粘着剤が基材11に対してより優れた密着性を示すものとなる。
上記ジルコニウム含有金属石鹸の例としては、(2-エチルヘキサン酸)酸化ジルコニウムIV、オクチル酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、オレイン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でも、(2-エチルヘキサン酸)酸化ジルコニウムIVを使用することが好ましい。
上記有機金属触媒としてジルコニウム含有金属石鹸を使用する場合、粘着性組成物中におけるジルコニウム含有金属石鹸の含有量は、アクリル系重合体(A)100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、特に0.03質量部以上であることが好ましく、さらには0.05質量部以上であることが好ましい。また、当該含有量は、0.5質量部以下であることが好ましく、特に0.3質量部以下であることが好ましく、さらには0.15質量部以下であることが好ましい。ジルコニウム含有金属石鹸がこれらの範囲で使用されることで、得られる粘着剤が基材11に対してより優れた密着性を示すものとなる。
アクリル系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、10万以上であることが好ましく、特に20万以上であることが好ましく、さらには30万以上であることが好ましい。また、当該重量平均分子量(Mw)は、120万以下であることが好ましく、特に100万以下であることが好ましく、さらには80万以下であることが好ましい。アクリル系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が上記の範囲にあることで、得られる粘着剤が塗工に適した粘度に調整しやすく、また適切な粘着物性を発現しやすい。
(2-2)イソシアネート系架橋剤(B)
イソシアネート系架橋剤(B)としては、1分子当たりイソシアネート基を2個以上有する化合物を使用することが好ましい。具体例としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート等が挙げられる。さらには、これらのビウレット体、イソシアヌレート体、アダクト体等が挙げられる。アダクト体としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物が挙げられる。これらの中でも、トリメチロールプロパン変性へキサメチレンジイソシアネートおよびトリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートの少なくとも一種を使用することが好ましい。
イソシアネート系架橋剤(B)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、イソシアネート系架橋剤(B)とともにその他の架橋剤を組み合わせて使用してもよい。その他の架橋剤の例としては、エポキシ系化合物、金属キレート系化合物、アジリジン系化合物等のポリイミン系化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、金属アルコキシド、金属塩等が挙げられる。
粘着性組成物中におけるイソシアネート系架橋剤(B)の含有量は、アクリル系重合体(A)100質量部に対して、2質量部以上であり、3質量部以上であることが好ましく、特に4質量部以上であることが好ましい。また、上記含有量は、10質量部以下であり、9質量部以下であることが好ましく、特に8質量部以下であることが好ましい。イソシアネート系架橋剤(B)の含有量が上記範囲であることで、得られる粘着剤が基材11に対してより優れた密着性を示すものとなる。
(2-3)光重合開始剤(C)
活性エネルギー線硬化性の粘着剤を硬化させるのに使用する活性エネルギー線として紫外線を用いる場合には、前述した粘着性組成物は、さらに光重合開始剤(C)を含有することも好ましい。このように光重合開始剤(C)を含有することにより、側鎖にエネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A)を効率良く重合・硬化させることができ、また重合硬化時間および活性エネルギー線の照射量を少なくすることができる。
光重合開始剤(C)としては、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4-ジエチルチオキサンソン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、β-クロールアンスラキノン、(2,4,6-トリメチルベンジルジフェニル)フォスフィンオキサイド、2-ベンゾチアゾール-N,N-ジエチルジチオカルバメート、オリゴ{2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-プロペニル)フェニル]プロパノン}、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘着性組成物中における光重合開始剤(C)の含有量は、側鎖にエネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A)100質量部に対し、0.1質量部以上であることが好ましく、特に0.5質量部以上であることが好ましい。また、光重合開始剤(C)の含有量は、側鎖にエネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A)100質量部に対し、10質量部以下であることが好ましく、特に8質量部以下であることが好ましい。
(2-4)その他の成分
本実施形態における粘着性組成物P、本実施形態に係るワーク加工用粘着シート1による前述した効果を損なわない限り、所望の添加剤、例えば帯電防止剤、粘着付与剤、酸化防止剤、光安定剤、軟化剤、充填剤などを添加することができる。なお、後述の希釈溶剤は、粘着性組成物Pを構成する添加剤に含まれないものとする。
(2-5)粘着性組成物の調製
本実施形態における粘着性組成物は、アクリル系重合体(A)を製造し、得られたアクリル系重合体(A)に、イソシアネート系架橋剤(B)と、所望により、光重合開始剤(C)と、添加剤とを混合することで製造することができる。このとき、所望により希釈溶剤を添加して、粘着性組成物の塗布液を得てもよい。
上記希釈溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2-ペンタノン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤などが用いられる。
このようにして調製された塗布液の濃度・粘度としては、コーティング可能な範囲であればよく、特に制限されず、状況に応じて適宜選定することができる。例えば、粘着性組成物の濃度が10質量%以上、60質量%以下となるように希釈する。なお、塗布液を得るに際して、希釈溶剤等の添加は必要条件ではなく、粘着性組成物がコーティング可能な粘度等であれば、希釈溶剤を添加しなくてもよい。この場合、粘着性組成物は、アクリル系重合体(A)の重合溶媒をそのまま希釈溶剤とする塗布液となる。
(2-6)粘着剤層の厚さ
本実施形態における粘着剤層12の厚さは、1μm以上であることが好ましく、特に3μm以上であることが好ましく、さらには5μm以上であることが好ましい。また、粘着剤層12の厚さは、70μm以下であることが好ましく、特に30μm以下であることが好ましく、さらには15μm以下であることが好ましい。粘着剤層12の厚さが上述した範囲であることで、本実施形態に係るワーク加工用シート1が所望の粘着性を発揮し易いものとなるとともに、基材11との密着性により優れたものとなる。
(3)剥離シート
本実施形態に係るワーク加工用シート1では、粘着剤層12における基材11とは反対側の面(以下、「粘着面」という場合がある。)をワークに貼付するまでの間、当該面を保護する目的で、当該面に剥離シートが積層されていてもよい。
上記剥離シートの構成は任意であり、プラスチックフィルムを剥離剤等により剥離処理したものが例示される。当該プラスチックフィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、およびポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。上記剥離剤としては、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル、ゴム系等を用いることができ、これらの中でも、安価で安定した性能が得られるシリコーン系が好ましい。
上記剥離シートの厚さについては特に制限はなく、例えば、16μm以上、250μm以下であってよい。
(4)その他
本実施形態に係るワーク加工用シート1では、粘着剤層12における基材11とは反対側の面に接着剤層が積層されていてもよい。この場合、本実施形態に係るワーク加工用シート1は、ダイシング・ダイボンディングシートとして使用することができる。当該シートでは、接着剤層における粘着剤層12とは反対側の面にワークを貼付し、当該ワークとともに接着剤層をダイシングすることで、個片化された接着剤層が積層されたチップを得ることができる。当該チップは、この個片化された接着剤層によって、当該チップが搭載される対象に対して容易に固定することが可能となる。上述した接着剤層を構成する材料としては、熱可塑性樹脂と低分子量の熱硬化性接着成分とを含有するものや、Bステージ(半硬化状)の熱硬化型接着成分を含有するもの等を用いることが好ましい。
また、本実施形態に係るワーク加工用シート1では、粘着剤層12における粘着面に保護膜形成層が積層されていてもよい。この場合、本実施形態に係るワーク加工用シート1は、保護膜形成兼ダイシング用シートとして使用することができる。このようなシートでは、保護膜形成層における粘着剤層12とは反対側の面にワークを貼付し、当該ワークとともに保護膜形成層をダイシングすることで、個片化された保護膜形成層が積層されたチップを得ることができる。当該ワークとしては、片面に回路が形成されたものが使用されることが好ましく、この場合、通常、当該回路が形成された面とは反対側の面に保護膜形成層が積層される。個片化された保護膜形成層は、所定のタイミングで硬化させることで、十分な耐久性を有する保護膜をチップに形成することができる。保護膜形成層は、未硬化の硬化性接着剤からなることが好ましい。
2.ワーク加工用シートの製造方法
本実施形態に係るワーク加工用シート1の製造方法は特に限定されない。例えば、剥離シート上に粘着剤層12を形成した後、当該粘着剤層12における剥離シートとは反対側の面に基材11の片面を積層することで、ワーク加工用シート1を得ることが好ましい。
上述した粘着剤層12の形成は、公知の方法により行うことができる。例えば、粘着剤層12を形成するための粘着性組成物、および所望によりさらに溶媒または分散媒を含有する塗布液を調製する。そして、剥離シートの剥離性を有する面(以下、「剥離面」という場合がある。)に上記塗布液を塗布する。続いて、得られた塗膜を乾燥させることで、粘着剤層12を形成することができる。
上述した塗布液の塗布は公知の方法により行うことができ、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等により行うことができる。なお、塗布液は、塗布を行うことが可能であればその性状は特に限定されず、粘着剤層12を形成するための成分を溶質として含有する場合もあれば、分散質として含有する場合もある。また、剥離シートは工程材料として剥離してもよいし、被着体に貼付するまでの間、粘着剤層12を保護していてもよい。
粘着剤層12を形成するための粘着性組成物が前述した架橋剤を含有する場合には、上記の乾燥の条件(温度、時間など)を変えることにより、または加熱処理を別途設けることにより、塗膜内のポリマー成分と架橋剤との架橋反応を進行させ、粘着剤層12内に所望の存在密度で架橋構造を形成することが好ましい。さらに、上述した架橋反応を十分に進行させるために、粘着剤層12と基材11とを貼り合わせた後、例えば23℃、相対湿度50%の環境に数日間静置するといった養生を行ってもよい。
3.ワーク加工用シートの使用方法
本実施形態に係るワーク加工用シート1は、半導体ウエハ等のワークの加工のために使用することができる。すなわち、本実施形態に係るワーク加工用シート1の粘着面をワークに貼付した後、ワーク加工用シート1上にてワークの加工を行うことができる。当該加工に応じて、本実施形態に係るワーク加工用シート1は、バックグラインドシート、ダイシングシート、エキスパンドシート、ピックアップシート等として使用されることとなる。ここで、ワークの例としては、半導体ウエハ、半導体パッケージ等の半導体部材、ガラス板等のガラス部材が挙げられる。
本実施形態に係るワーク加工用シート1は、前述した通り、基材11と粘着剤層12との密着性に優れ、加工後のワークをワーク加工用シート1から分離する際に、粘着剤層12が基材11から剥がれて上記ワークに付着することを効果的に抑制することができる。そのため、本実施形態に係るワーク加工用シート1は、上述したワーク加工用シートの中でも、特にダイシングシートおよびピックアップシートとして使用することが好適である。
さらに、本実施形態に係るワーク加工用シート1は、前述した通り、優れた帯電防止性を有する。本実施形態に係るワーク加工用シート1は、剥離シートを分離する際や、ワークを分離する際の剥離帯電を抑制することができる。
なお、本実施形態に係るワーク加工用シート1が前述した接着剤層を備える場合には、当該ワーク加工用シート1は、ダイシング・ダイボンディングシートとして使用することができる。さらに、本実施形態に係るワーク加工用シート1が前述した保護膜形成層を備える場合には、当該ワーク加工用シート1は、保護膜形成兼ダイシング用シートとして使用することができる。
また、本実施形態に係るワーク加工用シート1における粘着剤層12は、前述した活性エネルギー線硬化性粘着剤から構成されているため、使用の際に、次のような活性エネルギー線の照射することも好ましい。すなわち、ワーク加工用シート1上にてワークの加工が完了し、加工後のワークをワーク加工用シート1から分離する場合に、当該分離の前に粘着剤層12に対して活性エネルギー線を照射することが好ましい。これにより、粘着剤層12が硬化して、加工後のワークに対する粘着シートの粘着力が良好に低下し、加工後のワークの分離が容易となる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、本実施形態に係るワーク加工用シート1における基材11と粘着剤層12との間、または基材11における粘着剤層12とは反対側の面には、他の層が積層されていてもよい。また、表面層111における中間層112とは反対側の面、表面層111と中間層112との間、中間層112と裏面層113との間、および、裏面層113における中間層112とは反対側の面には、それぞれ他の層が積層されていてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔基材Aの作製〕
ランダムポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製,製品名「ノバテック FX3B」)45質量部、オレフィン系熱可塑性エラストマー(日本ポリプロ社製,製品名「ウェルネクス RFX4V」)16質量部、酸変性樹脂(SK functional polymer社製,製品名「BONDINE LX4110」,アクリル酸エチル含有量:5質量%,酸成分量:3質量%)15質量部、および帯電防止剤(三洋化成社製,製品名「ペレクトロンPVH」)25質量部を、各々乾燥させた後、二軸混錬機にて混錬することで、表面層用のペレットを得た。
また、ランダムポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製,製品名「ノバテック FX3B」)28質量部、オレフィン系熱可塑性エラストマー(日本ポリプロ社製,製品名「ウェルネクス RFX4V」)39質量部、およびスチレン系熱可塑性エラストマー(旭化成社製,製品名「タフテックH1041」,スチレン・エチレン/ブチレン・スチレン共重合体,スチレン比率:30wt%)33質量を、各々乾燥させた後、二軸混錬機にて混錬することで、中間層用ペレットを得た。
さらに、オレフィン系熱可塑性エラストマー(日本ポリプロ社製,製品名「ウェルネクス RFX4V」)70質量部、および帯電防止剤(三洋化成社製,製品名「ペレクトロンPVH」)30質量部を、各々乾燥させた後、二軸混錬機にて混錬することで、裏面層用のペレットを得た。
上記の通り得られた3種のペレットを用いて、小型Tダイ押出機(東洋精機製作所社製,製品名「ラボプラストミル」)によって共押出成形し、厚さ4μmの表面層と、厚さ64μmの中間層と、厚さ12μmの裏面層とが順に積層されてなる3層構造の基材Aを得た。
〔基材Bおよび基材Cの作製〕
表1に示すように組成を変更して調製した各層のためのペレットを使用するとともに、各層の厚さを表1に示すように変更した以外、基材Aと同様に、基材Bおよび基材Cを作製した。
〔実施例1〕
(1)粘着性組成物の調製
アクリル酸n-ブチル62質量部と、メタクリル酸メチル10質量部と、アクリル酸2-ヒドロキシエチル28質量部とを、溶液重合法により重合させて、官能基(水酸基)を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)を得た。
続いて、上記(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)を構成するアクリル酸2-ヒドロキシエチルに対して80モル%に相当する量の2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)を添加するとともに、有機金属触媒としてのジブチル錫ジラウレート(DBTDL)を、上記(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)100質量部に対して0.03質量部の量で添加した。その後、50℃で24時間反応させることで、側鎖に活性エネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A)を得た。当該側鎖に活性エネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A)を後述の方法によって測定したところ、50万であった。
上記で得られた、側鎖に活性エネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A)100質量部(固形分換算,以下同じ)と、光重合開始剤としての2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン(BASF社製,製品名「オムニラッド127」)2質量部と、イソシアネート系架橋剤としてのヘキサメチレンジイソシアネート(東ソー社製,製品名「コロネートHL」)5.7質量部とを溶媒中で混合し、粘着性組成物の塗布液を得た。
(2)粘着剤層の形成
厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にシリコーン系の剥離剤層が形成されてなる剥離シート(リンテック社製,製品名「SP-PET381031」)の剥離面に対して、上記工程(2)で得られた粘着性組成物の塗布液を塗布し、90℃で1分間乾燥させることで、剥離シート上に、コンマコーターを用いて、厚さ5μmの粘着剤層が形成されてなる積層体を得た。
(3)ワーク加工用シートの作製
前述の通り作製した基材Aにおける表面層側の面にコロナ処理を施した後、当該コロナ処理面と、上記工程(2)で得られた積層体における粘着剤層側の面とを貼り合わせた後、温度23℃、相対湿度50%の環境下に2週間保管することでで、ワーク加工用シートを得た。
ここで、前述した重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定(GPC測定)した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
<測定条件>
・測定装置:東ソー社製,HLC-8320
・GPCカラム(以下の順に通過):東ソー社製
TSK gel superH-H
TSK gel superHM-H
TSK gel superH2000
・測定溶媒:テトラヒドロフラン
・測定温度:40℃
〔実施例2~7,比較例1~2〕
基材の種類、アクリル系重合体(A)の組成、有機金属触媒の種類および含有量、ならびに、イソシアネート系架橋剤(B)の種類および含有量を表2に記載の通り変更した以外、実施例1と同様にしてワーク加工用シートを得た。
〔試験例1〕(表面抵抗率の測定)
実施例および比較例にて製造した基材を、23℃、50%相対湿度下で24時間調湿したのち、表面層側の面の表面抵抗率を、DIGITAL ELECTROMETER(ADVANTEST社製)を用いて印加電圧100Vで測定した。結果を表2に示す。
〔試験例2〕(密着性の評価)
実施例および比較例で得られたワーク加工用シートの粘着剤層に対し、紫外線照射装置(リンテック社製,製品名「RAD-2000」)を用いて、基材を介して、窒素雰囲気下で紫外線を照射し(光量160mJ/cm)、粘着剤層を硬化させた。
続いて、剥離シートを剥離して露出した粘着剤層に対し、JIS K5400に準じた碁盤目試験法を行い、基材から剥離せずに残ったマス目の個数(100個中)を測定した。そして、以下に示す基準にて密着性を評価した。マス目の数(個)および表か結果を表2に示す。
◎:残ったマス目の数が、100であった。
○:残ったマス目の数が、80~99個であった。
△:残ったマス目の数が、50~79個であった。
×:残ったマス目の数が、0~49個であった。
なお、表1に記載の略号等の詳細は以下の通りである。
<有機金属触媒>
DBTDL:ジブチル錫ジラウレート
ジルコニウム(IV)アセチルアセトナート:ジルコニウム(IV)アセチルアセトナート(日本化学産業社製,製品名「ナーセム ジルコニウム化合物」)
(2-エチルヘキサン酸)酸化ジルコニウムIV:(2-エチルヘキサン酸)酸化ジルコニウムIV(富士フィルム和光純薬,製品名「ビス(2-エチルヘキサン酸)酸化ジルコニウムIV・ミネラススピリット溶液(Zr:12%)」)
アセチルアセトン亜鉛(II)一水和物:アセチルアセトン亜鉛(II)一水和物(富士フィルム和光純薬株式会社製,製品名「アセチルアセトン亜鉛(II)一水和物」)
<イソシアネート系架橋剤>
コロネートHL:トリメチロールプロパン変性へキサメチレンジイソシアネート(東ソー社製,製品名「コロネートHL」)
コロネートL:トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(東ソー社製,製品名「コロネートL」)
Figure 2022156388000002
Figure 2022156388000003
表2から明らかなように、実施例で製造したワーク加工用シートは、活性エネルギー線の照射によって粘着剤層を硬化させて後においても、基材と粘着剤層との密着性に優れていた。
本発明のワーク加工用シートは、半導体ウエハ等のワークの加工に好適に使用することができる。
1…ワーク加工用シート
11…基材
111…表面層
112…中間層
113…裏面層
12…粘着剤層

Claims (6)

  1. 基材と、前記基材における片面側に積層された粘着剤層とを備えるワーク加工用シートであって、
    前記基材が、前記粘着剤層に対して近位に位置する表面層と、前記粘着剤層に対して遠位に位置する裏面層と、前記表面層と前記裏面層との間に位置する中間層とを備え、
    前記表面層、前記中間層および前記裏面層の少なくとも一層が、帯電防止剤を含有し、
    前記粘着剤層が、側鎖に活性エネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A)およびイソシアネート系架橋剤(B)を含有する粘着性組成物から形成された活性エネルギー線硬化性の粘着剤から構成され、
    前記粘着性組成物中における前記イソシアネート系架橋剤(B)の含有量が、前記アクリル系重合体(A)100質量部に対して、2質量部以上、10質量部以下であり、
    前記アクリル系重合体(A)が、有機錫化合物、ジルコニウム錯体、亜鉛錯体およびジルコニウム含有金属石鹸から選択される少なくとも1種の有機金属触媒の存在下で、官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)と、当該官能基と反応可能な官能基を有する活性エネルギー線硬化性基含有化合物(A3)とを反応させて得られるものであり、
    前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(AP)が、当該重合体を構成するモノマー単位として、ホモポリマーとしてのガラス転移温度(Tg)が-20℃以下であり且つアルキル基の炭素数が4個以下である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A1)、および、ホモポリマーとしてのガラス転移温度(Tg)が-20℃以下であり且つアルコキシアルキル基の炭素数が4個以下であるアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル(A2)の少なくとも一種を含む
    ことを特徴とするワーク加工用シート。
  2. 前記表面層および前記裏面層は、前記帯電防止剤を含有し、
    前記中間層は、前記帯電防止剤を含有していないか、または、前記中間層は、前記表面層および前記裏面層の各々よりも少ない含有量(単位:質量%)で前記帯電防止剤を含有している
    ことを特徴とする請求項1に記載のワーク加工用シート。
  3. 前記帯電防止剤が、ポリエーテルポリオレフィンブロック共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載のワーク加工用シート。
  4. 前記有機金属触媒は、前記有機錫化合物であり、
    前記粘着性組成物中における有機錫化合物の含有量は、前記アクリル系重合体(A)100質量部に対して、0.001質量部以上、0.13質量部未満である
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のワーク加工用シート。
  5. 前記表面層の厚さが、1μm以上、10μm以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のワーク加工用シート。
  6. ダイシングシートであることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のワーク加工用シート。
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