JP2022154771A - 車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリの配置部を増やしながら、正面衝突時における車室部分の過度な変形及びバッテリに入力する衝撃荷重を低減する。【解決手段】車体構造1Aは、フロアパネル3の車両前部から上方へ延びるダッシュパネル7と、ダッシュパネル7の下部よりも車両前方で車幅方向に延びる中空状に形成され、フロアパネル3に取り付けられる剛性部材60とを備えている。剛性部材60の内部には、バッテリ5が配置された前側バッテリ配置部51が設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、例えばフロアパネルを備えた車体構造に関する。
例えば走行用モータを備えた自動車の場合、走行用モータに電力を供給するためのバッテリユニットが搭載されており、このバッテリユニットは走行用モータによる航続可能距離を伸ばすために大容量化されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1の車体構造では、前部から後部まで水平に延びるフロアパネルの下方にバッテリユニットが搭載されている。
特開2019-18686号公報
ところで、航続可能距離はバッテリの容量に大きく依存しており、バッテリの搭載容量を増大させて航続可能距離を長くしたいので、バッテリの配置部を車体のどこに設けるかが大きな課題となっている。
一方、自動車の正面衝突時を想定すると、前方からの衝撃荷重を受けつつ、車体に伝達して車体の各部に分散させることにより、車室部分の過度な変形を抑制しながら、衝撃荷重を効果的に吸収したいという要求がある。このとき、バッテリが搭載されている車両では当該バッテリに入力する衝撃荷重をできるだけ低減したいという要求もある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、バッテリの配置部を増やして搭載容量を増大させながら、正面衝突時における車室部分の過度な変形を抑制するとともに、バッテリに入力する衝撃荷重を低減することにある。
上記目的を達成するために、本開示の第1の側面では、車室の床面を構成するフロアパネルと、走行用モータと、該走行用モータに電力を供給するバッテリとを備えた自動車の車体構造を前提とすることができる。車体構造は、前記フロアパネルの車両前部から上方へ延びるダッシュパネルと、前記フロアパネルに取り付けられると共に前記ダッシュパネルの下部よりも車両前方で車幅方向に延び、内部に前側バッテリ配置部が形成される剛性部材とを備えている。
この構成によれば、例えば正面衝突時の前方からの衝撃荷重が剛性部材に入力されると、この剛性部材が車幅方向に延びているので、当該衝撃荷重を剛性部材で受けることができる。剛性部材は、高剛性なフロアパネルに取り付けられているので、衝撃荷重がフロアパネルの車幅方向に分散されて吸収される。これにより、車室部分の過度な変形が抑制される。
一方、剛性部材の内部に前側バッテリ配置部を設けているので、バッテリの搭載容量を増大させることができる。また、剛性部材はフロアパネルに取り付けられていて、フロアパネルによっても剛性が高められているので、上記衝撃荷重による剛性部材の変形が抑制される。よって、剛性部材の内部に配置したバッテリに入力される衝撃荷重が低減される。
本開示の第2の側面では、前記フロアパネルの車幅方向両端部において車両前後方向に延びるように配設される左右一対のサイドシルと、左右一対の前記サイドシルの車両前部からそれぞれ上方に延びる左右一対のピラーとを備えている。前記剛性部材の両端部は、前記ピラーの各々の下部に対して固定されている。
この構成によれば、剛性部材の左右両側をそれぞれ左右のピラーに固定することができるので、正面衝突時に剛性部材に入力した衝撃荷重を左右のピラーにも分散させることができる。これにより、車室部分の変形抑制効果がより一層高まる。
本開示の第3の側面では、前記フロアパネルは、車両前方側に設けられた前部フロアパネルと、前記前部フロアパネルの車両後方に設けられた後部フロアパネルとを備え、前記前部フロアパネルは、前記後部フロアパネルよりも上に位置付けられ、前記前部フロアパネルの下方には、前記バッテリが配置されたフロア下バッテリ配置部が設けられている。
この構成によれば、前部フロアパネルの下方空間を利用してバッテリを配置できるので、バッテリの搭載容量をより一層増大できる。
本開示の第4の側面では、前記前部フロアパネルの車両前部の下面には、前記剛性部材が固定される固定部が設けられている。
この構成によれば、剛性部材を前部フロアパネルの車両前部に対して固定部を介して強固に固定することができる。
本開示の第5の側面では、前記剛性部材は、前記ダッシュパネルの下部から車両前方へ延びる上壁部と、該上壁部の車両前部から下方へ延びる前壁部と、該前壁部の下部から車両後方へ延びる下壁部とを備えている。前記上壁部、前記前壁部及び前記下壁部で囲まれた空間に前記前側バッテリ配置部が設けられ、前記上壁部の車両後部が前記ダッシュパネルの下部に固定され、前記下壁部の車両後部が前記固定部に固定されている。
この構成によれば、剛性部材がダッシュパネルとフロアパネルの両方に固定されているので、正面衝突時に剛性部材に入力した衝撃荷重をダッシュパネルにも分散させることができ、車室部分の変形抑制効果がより一層高まる。また、ダッシュパネルとフロアパネルを剛性部材で連結することができ、車体前部の剛性をより一層高めることができる。
本開示の第6の側面では、前記剛性部材の前記上壁部と前記下壁部との間は車両後方に開放する開放部とされており、前記フロア下バッテリ配置部と、前記前側バッテリ配置部とは、前記開放部を介して接続されている。
この構成によれば、前側バッテリ配置部からフロア下バッテリ配置部まで連続してバッテリを配置することができるので、スペース効率が向上する。
以上説明したように、ダッシュパネルの下部よりも車両前方で車幅方向に延びる剛性部材を設け、この剛性部材の内部にバッテリを配置可能にしたので、バッテリの配置部を増やしながら、正面衝突時における車室部分の過度な変形及びバッテリに入力する衝撃荷重を低減することができる。
本発明の実施形態に係る自動車の側面図である。 自動車のダッシュパネル及びフロアパネルの部分断面であり、ブレーキペダルの位置を示す図である。 図2におけるIII-III線断面図である。 自動車のダッシュパネル及びフロアパネルの部分断面であり、アクセルペダルの位置を示す図である。 フロアパネルの構造例を示す前後方向の断面図である。 剛性部材の斜視図である。 剛性部材の平面図であり、他の車体構成部材との位置関係を示す図である。 ペダル操作時を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る自動車1の左側面図である。自動車1は、いわゆる乗用自動車である。尚、この実施形態の説明では、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」といい、車両右側を単に「右」といい、車両左側を単に「左」というものとする。車両の左右方向が車幅方向である。
自動車1の前部には、動力室Sが設けられている。動力室Sには、走行用モータM等からなるパワートレイン(図示せず)が格納されている。従って、動力室Sは、例えばパワートレイン格納室、モータルーム等と呼ぶこともできる。自動車1は電気自動車であってもよいし、ハイブリッド自動車(プラグインハイブリッド自動車も含む)であってもよい。自動車1が電気自動車である場合には、動力室Sに走行用モータMが搭載される。自動車1がハイブリッド自動車の場合には、動力室Sに走行用モータMと、図示しないが内燃機関(エンジン)が搭載される。また、図示しないが、走行用モータは自動車1の後部に搭載されていてもよいし、車輪(ホイール)の内側に搭載されたインホイールモータであってもよい。
動力室Sの上部には、ボンネットフード2が設けられている。自動車1は、動力室Sに搭載されたエンジンや走行用モータM等で後輪Rを駆動するフロントエンジンリヤドライブ車(以下、FR車という)であってもよいし、動力室Sに搭載されたエンジンや走行用モータM等で前輪Fを駆動するフロントエンジンフロントドライブ車(以下、FF車という)であってもよい。自動車1は、FR車とFF車以外にも、4輪を駆動する4輪駆動車であってもよい。
図2に示すように、自動車1には、動力室Sの後方に車室Rが設けられている。車室Rの底面は、フロアパネル3で構成されており、従って、このフロアパネル3の上方空間が車室Rとなる。車室Rの上部にはルーフ4が設けられている。また、図1に示すように、自動車1の左側部には、フロントドア5と、リヤドア6とが開閉自在に配設されている。尚、図示しないが、自動車1の右側にもフロントドアと、リヤドアとが開閉自在に配設されている。
図2に示すように、自動車1は、本発明に係る車体構造1Aを備えている。車体構造1Aは、フロアパネル3とダッシュパネル7を備えている。車室Rと動力室Sとを前後方向に仕切っている部材がダッシュパネル7である。ダッシュパネル7は、例えば鋼板等で構成されており、左右方向に延びるとともに上下方向にも延びている。ダッシュパネル7の下側部分は、下端部へ近づくほど後に位置するように傾斜ないし湾曲しており、ダッシュパネル7の下端部がフロアパネル3の前端部に接続されている。したがって、フロアパネル3は、ダッシュパネル7の下端部から後方へ延びるように設けられ、また、ダッシュパネル3は、フロアパネル3の前部から上方へ延びるように設けられる。
この実施形態では、車室Rの右側が運転席側であり、車室Rの左側が助手席側である。図2は、自動車1の運転席側の断面であり、フロアパネル3及びダッシュパネル7の断面と、フロアパネル3に取り付けられている運転席シート8及び後席シート10、ダッシュパネル7に取り付けられているブレーキペダルBの概略構造を示している。運転席シート8は、車室Rの左右方向中央部よりも右側に設けられる一方、車室Rの左右方向中央部よりも左側には助手席シート9(図1に示す)が設けられている。尚、これに限らず、車室Rの左側が運転席側、車室Rの右側が助手席側であってもよい。また、車室Rの後席が2列以上設けられていてもよい。
自動車1の車体構造1Aについてさらに具体的に説明すると、図1に破線で示すように、自動車1の左側部及び右側部には、それぞれ、フロントドア5によって開閉される前部ドア開口部40と、リヤドア6によって開閉される後部ドア開口部41とが形成されている。図3に示すように、車体構造1Aは、フロアパネル3の左右方向両端部において前後方向に延びるように配設される左右一対のサイドシル42を備えている。また、車体構造1Aは、フロアパネル3の前部を構成している前部フロアパネル30の左右方向両端部において上下方向に延びるように配設される左右一対のヒンジピラー43(図7に仮想線で示す)も備えている。このヒンジピラー43の下部は、サイドシル42の前部近傍に接続されており、ヒンジピラー43はそこから上方へ延びている。このヒンジピラー43の上部にはフロントピラー44(図1に示す)の下部が接続されている。フロントピラー44は、上側へ行くほど後に位置するように傾斜しながら延びており、ルーフ4の前部と接続されている。さらに、車体構造1Aは、サイドシル42の前後方向中間部から上方へ延びるセンターピラー45を備えている。前部ドア開口部40は、ヒンジピラー43の後縁部、フロントピラー44の下縁部、サイドシル42の上縁部、センターピラー45の前縁部及びルーフ4によって形成されている。フロントドア5はヒンジピラー43に支持され、リヤドア6はセンターピラー45に支持されている。尚、リヤドア6は省略される場合もあり、この場合は後部ドア開口部41も省略される。
図2に示すように、ダッシュパネル7には、ブレーキペダルBが揺動自在に設けられている。すなわち、ダッシュパネル7の右側における車室R内側には、運転席シート8と対向する部分に、ペダルブラケット11が取り付けられている。ペダルブラケット11は、フロアパネル3の上面から上方へ離れて設けられている。ペダルブラケット11には、左右方向に延びる支軸11aが設けられている。この支軸11aには、ブレーキペダルBの上端部が軸支されている。
ブレーキペダルBは、支軸11aに支持された部分から下方へ延びている。ブレーキペダルBの下端部が乗員によって踏み込まれる部分である。ブレーキペダルBには、ロッドB1の後端部が連結されている。ロッドB1の前端部は、ブレーキ倍力装置12の入力部に接続されている。尚、ブレーキ倍力装置12以外のブレーキ力発生装置にロッドB1の前端部を連結してもよい。
尚、ブレーキペダルBの支持構造は上述した構造に限られるものではなく、図示しないが、いわゆるオルガンペダルタイプのブレーキペダルであってもよい。この場合、ブレーキペダルの下部が左右方向に延びる支軸を介してフロアパネル3に対して揺動自在に支持されることになる。
図4は、アクセルペダルAの位置を示すダッシュパネル7及びフロアパネル3の断面図である。アクセルペダルAは、いわゆるオルガンペダルタイプであり、当該アクセルペダルAの下部が左右方向に延びる支軸A1を介してフロアパネル3に対して揺動自在に支持されている。尚、アクセルペダルAは、図示しないが吊り下げタイプであってもよい。この場合、アクセルペダルAの上部が左右方向に延びる支軸を介してダッシュパネル7に揺動自在に支持される。走行用モータMで走行する自動車1の場合も加速時に操作するペダルを備えており、本明細書では、このペダルもアクセルペダルと呼ぶことにする。
また、図示しないが、車室Rに設けられた操作レバー(図示せず)によって乗員がギヤ比を変更するマニュアルトランスミッションを搭載している場合、クラッチを操作するためのペダルが車室Rに設けられる。通常、アクセルペダルAが一番右、ブレーキペダルBがアクセルペダルAの左側方、クラッチペダルがブレーキペダルBの左側方に位置している。
また、図示しないが、例えば自動車の運転教習等に使用される教習車では、助手席側にもアクセルペダル及びブレーキペダルが運転席側と同様に設けられている。この教習車にも本発明を適用することができる。
(フロアパネルの構成)
図5に示すように、フロアパネル3は、前部フロアパネル30と、シート載置フロアパネル34と、接続パネル35(詳細は後述する)とを備えている。前部フロアパネル30、シート載置フロアパネル34及び接続パネル35は、運転席側だけでなく、助手席側にも設けられている。例えば、前部フロアパネル30、シート載置フロアパネル34及び接続パネル35は、運転席側から助手席側まで連続していてもよいし、運転席側と助手席側とで別部材で構成されていてもよい。
前部フロアパネル30、シート載置フロアパネル34及び接続パネル35は、別部材で構成されており、互いに接合されて1つのフロアパネル3を構成している。さらに、シート載置フロアパネル34は、当該シート載置フロアパネル34の前側部分を構成する第1フロアパネル(後部フロアパネル)31と、当該シート載置フロアパネル34の後側部分を構成する第2フロアパネル32とを備えている。第1フロアパネル31及び第2フロアパネル32は、別部材で構成されており、互いに接合されることによってシート載置フロアパネル34が構成されている。
図3に示すように、前部フロアパネル30、接続パネル35及び第1フロアパネル31には、フロアトンネル部30cが形成されていてもよい。フロアトンネル部30cは、前部フロアパネル30と接続パネル35と第1フロアパネル31の左右方向中央部(運転席と助手席との間の部分)を上方へ膨出させることによって形成することができ、例えば前部フロアパネル30の前部から第1フロアパネル31の後部まで前後方向に連続して延びる形状とすることができる。
図2に示すように、前部フロアパネル30は、ダッシュパネル7の下端部から後方へ延びるとともに左右方向に延びている。図5に示すように、前部フロアパネル30には、ブレーキペダルB及びアクセルペダルAを操作するペダル操作者の踵が置かれる踵載置部30aが設けられている。踵載置部30aは、アクセルペダルAやブレーキペダルBを操作する際に、乗員の踵が自然に置かれる部分であり、乗員の体格や運転姿勢等によって多少異なるが、概ね図5に示す範囲(領域)である。すなわち、踵載置部30aは、前部フロアパネル30における前端部から後方に離れた部分から前部フロアパネル30における後端部から前方に離れた部分までの連続した領域と定義することができ、前部フロアパネル30の前後方向中間部ということもできる。
図2に示すように、第2フロアパネル32は、前部フロアパネル30から後方に離れて設けられ、後席シート10が取り付けられる部材である。後席シート10は、座面を構成する後席シートクッション部10aと、背もたれ部を構成する後席シートバック部10bとを備えている。後席シートクッション部10aは、第2フロアパネル32の上面に固定されている。
第2フロアパネル32は、少なくとも、後席シートクッション部10aの前端部に対応する部分から後端部に対応するまで連続しているが、後席シートクッション部10aの後端部よりも後方まで延長されていてもよい。この場合、後席シート10の後方に2列目となる後席シートを設置することや、荷物を載置する荷室を設けることが可能になる。
また、第1フロアパネル31は、接続パネル35の後部から第2フロアパネル32の前部まで延びている。そして、第1フロアパネル31は、前部フロアパネル30よりも下に位置付けられている。例えば前部フロアパネル30が略水平に前後方向に延びるとともに、第1フロアパネル31も略水平に前後方向に延びる形状とすることができる。
また、第2フロアパネル32も略水平に前後方向に延びる形状とすることができる。第2フロアパネル32は第1フロアパネル31よりも上に位置している。このことで、第2フロアパネル32の前部から第1フロアパネル31の後部まで上下方向に延びる後部板部3Bをフロアパネル3が備えている。後部板部3Bを介して第2フロアパネル32と第1フロアパネル31とが接続されることになるので、第2フロアパネル32と第1フロアパネル31との間には段差が形成されることになる。
以上の構成により、第1フロアパネル31が前部フロアパネル30及び第2フロアパネル32に比べて一段下に位置することになる。前部フロアパネル30及び第2フロアパネル32と、第1フロアパネル31との高さの差は、例えば5cm以上または10cm以上に設定することができ、また15cm以上に設定してもよい。前部フロアパネル30と第2フロアパネル32とは、同じ高さであってもよいし、前部フロアパネル30が第2フロアパネル32より低くてもよいし、高くてもよい。また、前部フロアパネル30、第1フロアパネル31及び第2フロアパネル32は、厳密に水平でなくてもよく、後側へ行くほど下に位置するように傾斜していてもよい。また、前部フロアパネル30、第1フロアパネル31及び第2フロアパネル32の一部のみ傾斜し、他の部分が略水平であってもよい。さらに、第2フロアパネル32は第1フロアパネル31と同じ高さであってもよい。
上記後部板部3Bは、第2フロアパネル32に一体成形されていてもよいし、第1フロアパネル31に一体成形されていてもよいし、これらフロアパネル31、32とは別体に成形されていてもよい。また、後部板部3Bは略鉛直に延びていてもよいし、傾斜ないし湾曲していてもよい。例えば、後部板部3Bは、下へ行くほど前に位置するように傾斜ないし湾曲させることができる。
図2に示すように、第1フロアパネル31には、前席シート8を固定するための第1前席シート固定部(前部シート固定部)31a及び第2前席シート固定部(後部シート固定部)31bが設けられている。第1前席シート固定部31aは、第1フロアパネル31の前後方向中央部よりも前に設けられており、例えば第1フロアパネル31に固定された左右方向に長いメンバ等で構成されている。第2前席シート固定部31bも同様に、左右方向に長いメンバ等で構成されており、第1前席シート固定部31aから後方に所定距離だけ離れて設けられている。第1前席シート固定部31a及び第2前席シート固定部31bの構成は、メンバに限られるものではなく、板材等で構成された各種形状のものを用いることができる。尚、この実施形態では、第1前席シート固定部31aの方が第2前席シート固定部31bに比べて高く形成されているが、第1前席シート固定部31a及び第2前席シート固定部31bの高さは同じであってもよい。
第2フロアパネル32の少なくとも前部には、後席シート10を固定するための後席用シート固定部32aが設けられている。この後席用シート固定部32aは、前席シート固定部31a、31bと同様に構成されていてもよいし、別構造であってもよい。第2フロアパネル32と第1フロアパネル31とが同じ高さに配置されている場合には、前席シート8と後席シート10とを同じ高さに配置することができる。
(前席シート)
前席シート8は、前席シートクッション部8aと、前席シートバック部8bと、前席シートクッション部8aの前後方向の位置調整を行うシートスライド機構8cとを備えている。前席シートクッション部8aは、前席乗員の座面を構成する部分であり、図示しないが、例えば前席シートクッション部8a内に設けられているシートフレームと、該シートフレームに支持されたクッション材、クッション材を覆う表皮材等で構成されている。また、前席シートバック部8bは、前席乗員の背もたれ部を構成する部分であり、図示しないが、シートフレームと、クッション材、表皮材等で構成されている。
前席シートバック部8bの下部は、前席シートクッション部8aの後部に対してリクライニング機構8dを介して取り付けられている。リクライニング機構8dは、従来から周知のものであり、前席シートバック部8bを任意の傾斜角度にして固定状態にするための機構である。
シートスライド機構8cは、従来から周知の機構を用いることができ、例えば、前席シートクッション部8aの下部に固定される可動部材8eと、第1フロアパネル31の第1前席シート固定部31a及び第2前席シート固定部31bに固定されるレール8fとを備えている。レール8fは前席シートクッション部8aを前後方向に案内するための部材であり、前後方向に延びている。レール8fの前部が第1前席シート固定部31aに固定され、後部が第2前席シート固定部31bに固定されている。第1前席シート固定部31aが第2前席シート固定部31bに比べて高いので、レール8fは前へ行くほど上に位置するように傾斜している。レール8fは略水平であってもよい。
可動部材8eは、レール8fに係合した状態で当該レール8fに対して前後方向に相対移動可能な部材である。可動部材8eのレール8fに対する前後方向の位置は、所定範囲内であれば任意の位置にすることができ、その位置で可動部材8eをレール8fにロックすることができる。
上記シートスライド機構8cの高さは、第1フロアパネル31の高さ、第1前席シート固定部31a及び第2前席シート固定部31bの高さによって設定することができる。この実施形態では、前部フロアパネル30と比較した時、前部フロアパネル30がシートスライド機構8cよりも上に位置付けられているように、シートスライド機構8cの高さが設定されている。
(後席シート)
後席シート10は、後席シートクッション部10aと、後席シートバック部10bとを備えている。後席シートクッション部10a及び後席シートバック部10bは前席シート8のものと同様に構成することができる。後席シートクッション部10aが、第2フロアパネル32の後席用シート固定部32aに固定されている。尚、後席シート10にも前席シート8と同様なシートスライド機構やリクライニング機構を設けてもよい。
(接続パネル)
図5に示すように、接続パネル35は、前部フロアパネル30と第1フロアパネル31とを接続する部材であり、前部フロアパネル30の後部から第1フロアパネル31の前部まで連続して延びている。この実施形態では、前部フロアパネル30が第1フロアパネル31よりも上に位置していることで、これらを接続する接続パネル35は、後側へ行くほど下に位置するように傾斜ないし湾曲した形状になる。
接続パネル35は、前部フロアパネル30の後部から第1フロアパネル31の前部まで同じ傾斜角度で傾斜した部材であってもよいし、前後方向の一部分が他の部分と異なる傾斜角度で傾斜していてもよい。また、接続パネル35は、前部フロアパネル30の後部から第1フロアパネル31の前部まで同じ曲率で湾曲した部材であってもよいし、前後方向の一部分が他の部分と異なる曲率で湾曲していてもよい。また、接続パネル35の前後方向の一部分が傾斜し、他の部分が湾曲していてもよい。接続パネル35の前後方向の一部分のみが略水平な水平部であってもよいし、接続パネル35の前後方向の一部分に段差があってもよい。
尚、接続パネル35は、鉛直方向に延びていてもよい。この場合、接続パネル35の上部が前部フロアパネル30の後部に接続され、接続パネル35の下部が第1フロアパネル31の前部に接続される。
(バッテリ)
図2に示すように、この自動車1のフロアパネル3の下方には、走行用モータMに電力を供給するための複数のバッテリ50が搭載されている。バッテリ50の種類は、特に限定されるものではなく、例えばリチウムイオン電池、全固体電池等であってもよいし、他の二次電池であってもよい。
上記バッテリ50の搭載にあたり、車体構造1Aには、バッテリ50を配置するスペース(バッテリ配置用空間)として、前側バッテリ配置部51、第1フロア下バッテリ配置部52及び第2フロア下バッテリ配置部53が設けられている。前側バッテリ配置部51は、複数のバッテリ50のうち、一部が配置される部分であり、また、第1フロア下バッテリ配置部52は、バッテリ50のうちの残りの一部が配置される部分であり、また、第2フロア下バッテリ配置部53は、バッテリ50のうちの残りが配置される部分である。
図2では、前側バッテリ配置部51、第1フロア下バッテリ配置部52及び第2フロア下バッテリ配置部53の大きさ及び形状の概略を仮想線で示しており、図示した形状よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。まず、第1フロア下バッテリ配置部52及び第2フロア下バッテリ配置部53について説明し、その後、前側バッテリ配置部51について説明する。
第1フロア下バッテリ配置部52は、前部フロアパネル30の下方に設けられている。具体的には、図3に示すように、第1フロア下バッテリ配置部52は、前部フロアパネル30の運転席側(右側)の下方から前部フロアパネル30の助手席側(左側)の下方に達している。第1フロア下バッテリ配置部52の左右方向中央部は、フロアトンネル部30cに対応しており、フロアトンネル部30c内へ向けて上方へ突出した形状になっている。図2に示すように、第1フロア下バッテリ配置部52の前部は、前部フロアパネル30の前部の下方に位置しており、また、第1フロア下バッテリ配置部52の後部は、接続パネル35の後部に位置している。これにより、第1フロア下バッテリ配置部52は、前部フロアパネル30の前部の下方から接続パネル35の後部の下方まで連続して形成されることになる。尚、第1フロア下バッテリ配置部52の後部は、前部フロアパネル30の後部の下方に位置していてもよい。
第1フロア下バッテリ配置部52の運転席側は、右側のヒンジピラー43近傍の車幅方向内側に設けられている。また、第1フロア下バッテリ配置部52の助手席側は、左側のヒンジピラー43近傍の車幅方向内側に設けられている。図2に示すように、側面視で、ヒンジピラー43の下部と、第1フロア下バッテリ配置部52の少なくとも一部とが重複する位置関係にある。
ここで、ヒンジピラー43はフロントドア5を開閉可能に支持する部材であることから高剛性である。このヒンジピラー43の下端部は前部フロアパネル30近傍に位置している。例えば自動車1の側方から衝撃荷重が作用した時(側面衝突時等)には、その荷重が高剛性なヒンジピラー43を介して車体に伝達されることになる。この時、側面視でヒンジピラー43と、第1フロア下バッテリ配置部52に配置されているバッテリ50とが重複していることで、当該バッテリ50をヒンジピラー43によって保護することができ、当該バッテリ50への入力荷重を低減できる。
第2フロアパネル32の下方には、第2フロア下バッテリ配置部53が設けられている。この第2フロア下バッテリ配置部53も第1フロア下バッテリ配置部52と同様であり、運転席側から助手席側まで設けられている。尚、第2フロア下バッテリ配置部53は必要に応じて設ければよく、省略してもよい。
上述した第1フロア下バッテリ配置部52及び第2フロア下バッテリ配置部53は、バッテリ50の配置スペースであり、これら配置スペースにバッテリ50を配置するためには、バッテリ50を所定位置から動かないようにするためのバッテリ保持手段が必要になる。このバッテリ保持手段と一例として、バッテリ50を収容する前側バッテリケース54と後側バッテリケース55を用いている。したがって、車体構造1Aは、前側バッテリケース54及び後側バッテリケース55を備えている。
前側バッテリケース54は、例えばフロアパネル3及びサイドシル42の少なくとも一方に固定されて車体と一体化されている。前側バッテリケース54を構成する部材としては、例えば鋼板や押出材等を挙げることができ、これら部材によって単一の前側バッテリケース54が構成されている。「単一」とは、車体へ固定する前の構造体として見たときに1つとなっているということであり、前側バッテリケース54が複数の部材で分離可能に構成されていたとしても、例えば自動車1の製造ラインにおいて車体へ固定する直前の状態で部材同士が分離しないように一体になっているということである。バッテリ50と前側バッテリケース54とを合わせてバッテリユニット等と呼ぶことができる。
前側バッテリケース54の内部や外部には補強用のメンバ等が設けられている。このようにして前側バッテリケース54の剛性を高めることができる。剛性の高い前側バッテリケース54をフロアパネル3やサイドシル42に固定することで、前側バッテリケース54の剛性を利用して車体剛性を高めることができる。前側バッテリケース54の固定構造は、特に限定されるものではないが、例えばボルト、ナット、ネジ等の締結部材を使用した固定構造を挙げることができる。
図3に示すように、前側バッテリケース54の左右方向中央部には上方へ膨出する膨出部54aが形成されている。この膨出部54aは、フロアトンネル部30c内に位置している。膨出部54a内にもバッテリ50を収容することができる。これにより、前部フロアパネル30の下方空間だけでなく、フロアトンネル部30cの内部空間もバッテリ50の収容空間として有効利用することができ、バッテリ50の搭載容量を高めることができる。したがって、前側バッテリケース54の内部空間は第1フロア下バッテリ配置部52である。第1フロア下バッテリ配置部52内に前側バッテリケース54が収まっていてもよいし、第1フロア下バッテリ配置部52と前側バッテリケース54とが同じ形状であってもよい。
後側バッテリケース55は、前側バッテリケース54と同様に構成することができる。前側バッテリケース54と後側バッテリケース55とが一体に構成されていてもよい。後側バッテリケース55の内部空間は第2フロア下バッテリ配置部53である。これにより、第2フロアパネル32の下方空間もバッテリ50の収容空間として有効利用することができる。第2フロア下バッテリ配置部53内に後側バッテリケース55が収まっていてもよいし、第2フロア下バッテリ配置部53と後側バッテリケース55とが同じ形状であってもよい。
(剛性部材及び前側バッテリ配置部)
この実施形態に係る車体構造1Aは、図6や図7に示すような剛性部材60を備えている。図2に示すように、剛性部材60は、ダッシュパネル7の下部よりも前方で左右方向に延びる中空状に形成され、フロアパネル3に取り付けられる高剛性な部材である。「高剛性」とは、例えば自動車1が正面衝突して剛性部材60に対して衝撃荷重が加わった時、剛性部材60が容易に変形することなく、剛性部材60に加わった衝撃荷重を少なくともフロアパネル3に伝達して吸収可能にする程度の剛性である。このような剛性は、剛性部材60を構成する材料の種類や各部の寸法設定によって得ることができる。剛性部材60の材料は特に限定されるものではないが、例えば鋼板等を挙げることができる。この剛性部材60の内部には、前側バッテリ配置部51を設けることができる。したがって、剛性部材60も、バッテリ50を所定位置から動かないようにするためのバッテリ保持手段の一形態と呼ぶことができる。
図7に示すように、剛性部材60は、左側のヒンジピラー43の下部から右側のヒンジピラー43の下部まで延びている。剛性部材60の左側が左側のヒンジピラー43の下部に固定され、また、剛性部材60の右側が右側のヒンジピラー43の下部に固定されている。剛性部材60は、ヒンジピラー43に対して溶接されていてもよいし、ボルト、ナット、ネジ等による締結部材で固定されていてもよい。また、剛性部材60は、ヒンジピラー43に対してブラケット(図示せず)等を介して固定されていてもよい。
尚、剛性部材60は、左右方向に連続していなくてもよく、例えば左側のヒンジピラー43の下部からフロアトンネル部30c近傍まで延びる部材と、右側のヒンジピラー43の下部からフロアトンネル部30c近傍まで延びる部材とで構成されていてもよい。
図2に示すように、剛性部材60は、ダッシュパネル7の下部から前方へ延びる上壁部61と、該上壁部61の前部から下方へ延びる前壁部62と、該前壁部62の下部から後方へ延びる下壁部63とを備えている。上壁部61及び下壁部63は、略水平であってもよいし、傾斜していてもよい。また、前壁部62は、略鉛直であってもよいし、傾斜していてもよい。また、剛性部材60の内部には左右方向に延びるリブ(図示せず)が設けられていてもよい。また、剛性部材60には左右方向に延びる補強用ビード等が設けられていてもよい。また、剛性部材60は、一体成形品であってもよいし、別部材が組み合わされて構成されていてもよい。
上壁部61、前壁部62及び下壁部63で囲まれた空間に、バッテリ50が配置された前側バッテリ配置部51が設けられている。配置するバッテリ50の寸法に対応するように、上壁部61及び下壁部63の間隔や前後方向の寸法が設定されている。尚、前側バッテリ配置部51内に剛性部材60が収まっていてもよいし、前側バッテリ配置部51と剛性部材60とが同じ形状であってもよい。
図6に示すように、剛性部材60の上壁部61の後部と下壁部63の後部とは上下方向に互いに間隔をあけて配置されている。上壁部61の後部と下壁部63の後部との間は、後方に開放する開放部とされている。また、図2に示すように、前側バッテリケース54の前部は前方に開放されており、前側バッテリケース54の前方に剛性部材60が配置されている。前側バッテリケース54内の第1フロア下バッテリ配置部52と、剛性部材60内の前側バッテリ配置部51とは、前記開放部を介して接続されている。このため、バッテリ50は、前側バッテリ配置部51から第1フロア下バッテリ配置部52に渡って並べることが可能になる。尚、第1フロア下バッテリ配置部52と、前側バッテリ配置部51とは区画されていてもよい。
上壁部61の後部には、ダッシュパネル7に固定される固定板部61aが上方へ突出するように設けられている。固定板部61aがダッシュパネル7の前面に重ねられた状態で、当該ダッシュパネル7に対して溶接ないし締結固定されている。締結固定する場合には、図示しないが例えばボルト、ナット、ネジ等を用いることができる。固定板部61aは下方へ突出するように設けられていてもよい。上壁部61の固定構造は、図示した構造に限られるものではなく、例えば別体の固定具やブラケット等を用いてダッシュパネル7に固定してもよい。
図6に示すように、下壁部63の後部には、上下方向に貫通する複数の貫通孔63aが左右方向に互いに間隔をあけて形成されている。一方、図2に示すように、前部フロアパネル30の前部の下面には、剛性部材60が固定される複数の固定部64が左右方向に互いに間隔をあけて設けられている。固定部64の位置は、下壁部63の貫通孔63aの形成位置と対応している。固定部64は、例えば上下方向に延びる柱状または軸状に形成されており、固定部64の上端部が前部フロアパネル30の前部の下面に対して固定されている。固定部64には、下方に向けて開口するネジ孔(図示せず)が形成されている。下壁部63の後部を固定部64の下端面に重ねると、下壁部63の貫通孔63aと固定部64のネジ孔とが一致する。両者を一致させた状態で、ボルト66を下方から貫通孔63aに挿通させて固定部64のネジ孔に螺合させることで、下壁部63の後部を固定部64に固定することができる。尚、下壁部63の固定構造は図示した構造に限られるものではなく、図示しないブラケットを固定部64とし、このブラケットを介して下壁部63の後部を固定部64に固定してもよい。また、固定部64と前部フロアパネル30とは一体成形されていてもよい。
剛性部材60の上壁部61をダッシュパネル7に固定し、下壁部63をフロアパネル3に固定することで、ダッシュパネル7とフロアパネル3とを剛性部材60で連結することができる。これにより、剛性部材60を含めて、ダッシュパネル7の下部、フロアパネル3の前部の強度及び剛性をより一層高めることができる。
図7に示すように、剛性部材60の右側の前方には右前輪Fが位置しており、また、剛性部材60の左側の前方には左前輪Fが位置している。さらに、剛性部材60の左右方向中央部の前方には、走行用モータMが位置している。正面衝突時には、右前輪Fが剛性部材60の右側の当たることや、左前輪Fが剛性部材60の左側の当たること、また、走行用モータMが剛性部材60の左右方向中央部に当たることがある。このような障害物が剛性部材60に当たることで、剛性部材60には衝撃荷重が入力される。つまり、剛性部材60が左右方向方向に延びているので、当該衝撃荷重を剛性部材60で受けることができる。剛性部材60は、高剛性なフロアパネル3に固定されているので、衝撃荷重がフロアパネル3に伝達される。このとき、剛性部材60が左右方向に長いので、フロアパネル3には局所的に衝撃荷重が伝達されることなく、左右方向の広い範囲に伝達されることになる。これにより、衝撃荷重を吸収することができる。また、剛性部材60は、ダッシュパネル7にも固定されているので、衝撃荷重がダッシュパネル7にも伝達されて吸収される。さらに、剛性部材60の左右両側は、ヒンジピラー43にそれぞれ固定されているので、衝撃荷重が左右のヒンジピラー43にも伝達されて吸収される。これにより、車室部分の過度な変形が抑制される。
しかも、剛性部材60が高剛性であることから、正面衝突時に剛性部材60自体の変形が十分に抑制される。したがって、剛性部材60の内部に配置しているバッテリ50に入力する衝撃荷重を低減することができる。
(前席乗員の姿勢及びペダル操作)
図8は、前席シート8に着座している前席乗員(ペダル操作者)の下肢100とフロアパネル3及びダッシュパネル7、ブレーキペダルBと、その近傍を示す図である。この実施形態では、前席シート8の固定部31a、31bが前部フロアパネル30の上面よりも下に位置付けられているので、ペダル操作者のヒップポイントを低くすることができる。ペダル操作者のヒップポイントが低くなるということは、ペダル操作者の着座位置が下がるということであり、これにより、乗車状態における車両の重心高が下がる。
そして、ペダル操作者の踵101が置かれる前部フロアパネル30が第1フロアパネル31に比べて上に位置付けられるので、ペダル操作者の踵101が、一般的な操作姿勢に比べて高い位置に置かれることになる。このようなレイアウトにより、ペダル操作者の上腿102と下腿103とが大きく開いた姿勢となる。図8における符号200は、ペダル操作者の上腿102の中心線を示し、符号201は、下腿103の中心線を示しており、中心線200と、中心線201とのなす角度(上腿102と下腿103との開角α)が125゜~150゜の範囲となるように、前部フロアパネル30と第1フロアパネル31との高さの差を設定している。
このように高さの差を設定することで、下腿100と前部フロアパネル30とのなす角度(中心線201と前部フロアパネル30とのなす角度β)が小さくなるので、ペダル操作時に踵101に入力される上下方向の分力が小さくなり、ブレーキペダルBの操作性が向上する。具体的に説明すると、ペダル操作者がブレーキペダルBを踏み込むときには、斜め下向きの力Fを踵101が前部フロアパネル30に対して作用させることになる。この力Fを鉛直方向の力と水平方向の力とに分けると、それぞれ力F1と力F2となる。上述したように、角度βが小さくなっているので、踵101から入力される上下方向の分力F1が小さくなる。このことで、例えばブレーキペダルBからアクセルペダルAへの踏み替え操作やその反対の踏み替え操作等が素早く、かつ、正確に行えるようになり、その結果、ペダルA、Bの操作性が向上する。
(後席乗員の居住性)
尚、この実施形態では後席乗員の居住性を向上させることができる。図2に示すように、後席シート10が取り付けられる第2フロアパネル32は、第1フロアパネル31よりも上に位置付けられるので、後席シート10の乗員は比較的高いところに着座することになり、視界が良好になる。その後席乗員は足を第1フロアパネル31に置くことになるが、この第1フロアパネル31が第2フロアパネル32よりも下に位置付けられるので、後席乗員の足元空間は特に高さ方向に広く確保される。
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態によれば、ダッシュパネル7の下部よりも前方で左右方向に延びる剛性部材60を設け、この剛性部材60の内部にバッテリ50を配置可能にしたので、バッテリ50の搭載容量を増やしながら、正面衝突時における車室部分の過度な変形及びバッテリ50に入力する衝撃荷重を低減することができる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る車体構造は、例えばフロアパネルを備えた自動車で利用することができる。
1A 車体構造
3 フロアパネル
30 前部フロアパネル
31 第1フロアパネル(後部フロアパネル)
42 サイドシル
43 ヒンジピラー
50 バッテリ
51 前側バッテリ配置部
52 フロア下バッテリ配置部
60 剛性部材
61 上壁部
62 前壁部
63 下壁部
64 固定部
B ブレーキペダル
R 車室

Claims (6)

  1. 車室の床面を構成するフロアパネルと、走行用モータと、該走行用モータに電力を供給するバッテリとを備えた自動車の車体構造において、
    前記フロアパネルの車両前部から上方へ延びるダッシュパネルと、
    前記フロアパネルに取り付けられると共に前記ダッシュパネルの下部よりも車両前方で車幅方向に延び、内部に前側バッテリ配置部が形成される剛性部材とを備えている車体構造。
  2. 請求項1に記載の車体構造において、
    前記フロアパネルの車幅方向両端部において車両前後方向に延びるように配設される左右一対のサイドシルと、
    左右一対の前記サイドシルの車両前部からそれぞれ上方に延びる左右一対のピラーとを備え、
    前記剛性部材の両端部は、前記ピラーの各々の下部に対して固定されている車体構造。
  3. 請求項1または2に記載の車体構造において、
    前記フロアパネルは、
    車両前方側に設けられた前部フロアパネルと、
    前記前部フロアパネルの車両後方に設けられた後部フロアパネルとを備え、
    前記前部フロアパネルは、前記後部フロアパネルよりも上に位置付けられ、
    前記前部フロアパネルの下方には、前記バッテリが配置されたフロア下バッテリ配置部が設けられている車体構造。
  4. 請求項3に記載の車体構造において、
    前記前部フロアパネルの車両前部の下面には、前記剛性部材が固定される固定部が設けられている車体構造。
  5. 請求項4に記載の車体構造において、
    前記剛性部材は、前記ダッシュパネルの下部から車両前方へ延びる上壁部と、該上壁部の車両前部から下方へ延びる前壁部と、該前壁部の下部から車両後方へ延びる下壁部とを備え、
    前記上壁部、前記前壁部及び前記下壁部で囲まれた空間に前記前側バッテリ配置部が設けられ、
    前記上壁部の車両後部が前記ダッシュパネルの下部に固定され、
    前記下壁部の車両後部が前記固定部に固定されている車体構造。
  6. 請求項5に記載の車体構造において、
    前記剛性部材の前記上壁部と前記下壁部との間は車両後方に開放する開放部とされており、
    前記フロア下バッテリ配置部と、前記前側バッテリ配置部とは、前記開放部を介して接続されている車体構造。
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