JP2022154579A - 締結体並びにこれを用いた接合構造体および接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦撹拌部への圧入時に所望の形状に容易に変形可能な締結体を提供し、もって当該締結体を用いた接合構造体の接合強度を向上させる。【解決手段】締結体(1)は、第1部材41と第2部材42との重なり部45に形成される摩擦撹拌部50に第1部材41側から圧入される。締結体(1)は、摩擦撹拌部50の表面に配置される頭部11と、頭部11から第2部材42側に延びる筒状の軸部42とを備える。軸部12は、圧入時に当該軸部12の先端部12aが拡径するのを促進する促進部(15)を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、摩擦撹拌部を介して接合される第1部材および第2部材における前記摩擦撹拌部に前記第1部材側から圧入される締結体、並びに当該締結体を用いた接合構造体および接合方法に関する。
航空機、鉄道車両、または自動車などの構造物の製造時に、金属または樹脂等からなる二以上の部材を重ね合わせて接合する作業が必要になる場合がある。この接合の一方法として、リベット(締結体)を用いた接合が知られている。
例えば、下記特許文献1には、リベットと熱溶融とを併用した方法で二以上の樹脂部材を接合することが開示されている。具体的に、特許文献1では、熱可塑性の2つの樹脂部材を上下に重ねるとともに両者の間に導電性の金属板を配置するステップと、配置された金属板を通電、加熱することにより各樹脂部材と金属板とを融着させるステップと、上側の樹脂部材と金属板とを貫通するようにリベットを打設(圧入)するステップとを含む方法により、前記両樹脂部材が接合される。
特開2013-002505号公報
前記特許文献1の接合方法は、樹脂部材の間に導電性の金属板を別途配置する必要があるため、重量および製造コストの増大を招き易いという問題がある。そこで、当該問題を解決し得る代替の方法として、摩擦撹拌接合を採用することが提案される。なお、摩擦撹拌接合とは、回転ツールを接合対象に圧入する摩擦撹拌により二以上の部材を接合する方法のことである。この摩擦撹拌接合とリベットとを併用した接合方法によれば、導電性金属板が必須要素でなくなるため、重量および製造コストを抑制することが可能になる。
上述した接合方法による場合、リベットは、摩擦撹拌された領域である摩擦撹拌部に圧入されることになる。ただしこの場合、圧入時にリベットの先端部が期待通りに拡径せず、求められる接合強度が得られない可能性がある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、摩擦撹拌部への圧入時に所望の形状に容易に変形可能な締結体を提供し、もって当該締結体を用いた接合構造体の接合強度を向上させることを目的とする。
前記課題を解決するためのものとして、本発明の一局面に係る締結体は、第1部材と第2部材との重なり部に前記第1部材側からの回転ツールの圧入により形成される摩擦撹拌部に、前記第1部材側から圧入される締結体であって、前記摩擦撹拌部の表面に配置される頭部と、前記頭部から前記第2部材側に延びる筒状の軸部とを備え、前記軸部は、圧入時に当該軸部の先端部が拡径するのを促進する促進部を有するものである。
本発明の他の局面に係る接合構造体は、前記第1部材および前記第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との重なり部に形成された前記摩擦撹拌部と、前記摩擦撹拌部に圧入された前記締結体とを備えるものである。
本発明のさらに他の局面に係る接合方法は、前記締結体を用いて前記第1部材と前記第2部材とを接合する方法であって、前記第1部材と前記第2部材との重なり部に前記第1部材側から前記回転ツールを圧入する摩擦撹拌を行うことにより前記重なり部に前記摩擦撹拌部を形成する摩擦撹拌ステップと、前記第1部材側から前記摩擦撹拌部に前記締結体を圧入する締結ステップとを含むものである。
以上説明したように、本発明によれば、摩擦撹拌部への圧入時に所望の形状に容易に変形可能な締結体を提供することができ、当該締結体を用いた接合構造体の接合強度を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るリベットを単体で示す断面図である。 前記リベットを接合対象に打設(圧入)した状態を示す図であり、当該リベットの打設により得られる接合構造体の構造を示す断面図である。 前記接合構造体の製造時に使用される摩擦撹拌接合装置の全体構成を示す模式図である。 前記接合構造体を製造する第1の過程(準備工程)を示す断面図である。 前記接合構造体を製造する第2の過程(位置決め工程)を示す断面図である。 前記接合構造体を製造する第3の過程(摩擦撹拌工程)を示す断面図である。 前記接合構造体を製造する第4の過程(打設工程)を示す断面図である。 接合品質の合否を判定する手順を示すフローチャートである。 前記実施形態の変形例を示す図1相当図である。
[リベットの構造]
図1は、本発明の一実施形態に係るリベット1を単体で示す断面図である。本図に示すように、リベット1は、円板状の頭部11と、頭部11から同心状に延びる円筒状の軸部12とを備えた締結体である。リベット1は、本実施形態では、下穴をもたない材料に非貫通で打設されるセルフピアスリベットである。なお、以下では、リベット1の軸方向のうち頭部11の側を「上」、軸部12の側を「下」というが、これは説明の便宜のためであり、リベット1の使用姿勢を限定する趣旨ではない。
頭部11は、軸部12の上端の開口を閉塞する中実の円板状に形成されている。頭部11の外径をR1、軸部12の外径をR2とすると、外径R1は外径R2よりも大きい値に設定される。これにより、頭部11は、軸部12の上端に対し径方向外側に突出する部分を有する円板状に形成される。
軸部12は、頭部11と同一の軸心に沿って上下方向に延びるように形成されている。軸部12は、頭部11よりも小さい一定の外径をもってストレート状に延びる円筒体であり、頭部11と反対側(下端側)に開放された中空部を内部に有している。軸部12および頭部11を含んだリベット1の軸方向の全体長さ(全長)をLとすると、この全長Lは、頭部11の厚さ(軸方向長さ)よりも十分に大きい値に設定される。
軸部12における頭部11と反対側の端部(下端部)つまり先端部12aは、先鋭状に形成されている。すなわち、軸部12の先端部12aは、先端側ほど(頭部11から遠ざかるほど)内径が大きくなるテーパ状の内周面12sを有している。当該内周面12sを含む先端部12aは、軸部12の先端(下端)の開口縁でもある。
軸部12の外周面における軸方向(上下方向)の途中部には、凹溝15が形成されている。凹溝15は、軸部12の外周壁を局所的に減肉して得られる溝であり、断面視でU字状またはV字状等の所定の凹形状を有している。凹溝15は、軸部12の外周面において周方向に連続して延びるように形成されている。凹溝15の溝中心から軸部12の最先端位置12tまでの軸方向の距離をGとすると、この距離Gは、後述するリベット1の打設時に拡径する軸部12の拡径後の形状を左右するパラメータとなる。
リベット1の材質は、接合対象に打設可能な強度を有するものであればよく、適宜の材料から選択可能である。例えば、チタンや高張力鋼等の金属材、もしくは熱可塑性樹脂や熱可塑性複合材等の樹脂材を、リベット1の材質として用いることができる。なお、本実施形態のように繊維強化樹脂材の接合のためにチタン製のリベット1を用いる場合は、例えばTi-6AL-4V等のチタン合金製のリベットが好適である。
[接合構造体の構造]
図2は、リベット1を接合対象に打設(圧入)した状態を示す図であり、当該リベット1の打設により得られる接合構造体30の構造を示す断面図である。本図に示すように、接合構造体30は、互いに重なり合った第1部材41および第2部材42と、両部材41,42の重なり部45に形成された摩擦撹拌部50と、摩擦撹拌部50に打設された上述のリベット1とを備える。接合構造体30は、例えば、航空機、鉄道車両、または自動車などの構造物に使用され得る。
第1部材41および第2部材42は、いずれも板状の部材であり、第1部材41が上に(第2部材42が下に)なる姿勢で互いに上下方向に重なり合っている。重なり合った第1部材41および第2部材42は、摩擦撹拌部50が形成される予定の位置に重なり部45を形成する。
第1部材41および第2部材42は、いずれも熱可塑性複合材により構成されている。具体的に、第1部材41および第2部材42は、熱可塑性樹脂からなる基材と当該基材に含浸された多数の強化繊維とを含む繊維強化熱可塑性樹脂により構成されている。第2部材42の厚さは、第1部材41の厚さと同一でもよいし、異なっていてもよい。
第1部材41および第2部材42の基材として用いることが可能な熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリスチレン(PS)、ポリアリールエーテルケトン(PEAK)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ABS樹脂、熱可塑性のエポキシ樹脂などを例示することができる。また、当該基材に含浸される強化繊維としては、例えば炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、金属繊維、もしくは有機繊維を例示することができる。
摩擦撹拌部50は、重なり部45において摩擦撹拌された材料が硬化することで形成された接合部である。摩擦撹拌部50は、後述する回転ツール101が圧入された領域に対応する円柱状に形成される。すなわち、摩擦撹拌部50は、円形の上面50aおよび底面50bと、円筒状の側周面50cとを有する。上面50aは、第1部材41の上面41aと略面一になる高さ位置に形成される。底面50bは、摩擦撹拌部50とその下側の非摩擦撹拌部(母材領域)との境界に相当する位置に形成される。側周面50cは、摩擦撹拌部50とその外周側の非摩擦撹拌部(母材領域)との境界に相当する位置に形成される。摩擦撹拌部50は、必ずしも下側の第2部材42まで達している必要はないが、本実施形態では、摩擦撹拌部50が第2部材42まで達するように、その深さが第1部材41の厚さよりも大きい値に設定されている。
リベット1は、第1部材41と第2部材42とを機械的に接合するように摩擦撹拌部50に打設(圧入)される。すなわち、リベット1は、後述する回転ツール101による重なり部45の摩擦撹拌後に、当該重なり部45(摩擦撹拌部50)に打設されることにより、第1部材41と第2部材42とを機械的に接合する。この打設後の状態において、リベット1の頭部11は、摩擦撹拌部50の上面50a(表面)に当接する。また、前記打設により、リベット1の軸部12は、その先端部12aの外径が拡大した先拡がり状の形状に変化する。具体的に、前記打設後の軸部12は、第1部材41を貫通しかつ第2部材42の厚さ方向の途中まで延びるように配置され、かつ、先端側ほど(頭部11から遠ざかるほど)外径が拡大するように形成される。この状態における軸部12の先端部12aは、摩擦撹拌部50の外側まで突出し、第1部材41と第2部材42とを締結するインターロック部として機能する。すなわち、第1部材41と第2部材42とは、摩擦撹拌部50の外側まで突出する先端部12aからなるインターロック部と、摩擦撹拌部50の上面50aに配置される頭部11との間に挟まれることにより、互いに固定される。
[摩擦撹拌接合装置]
上述したリベット1および摩擦撹拌部50を含む接合構造体30は、図3に示される摩擦撹拌接合装置Mを用いて製造される。本図に示すように、摩擦撹拌接合装置Mは、複動式の回転ツール101と、回転ツール101を回転および昇降駆動するツール駆動部102と、ツール駆動部102の動作を制御するコントローラCとを含む。なお、図3には「上」「下」の方向表示を付しているが、これは説明の便宜のためであり、実際の回転ツール101の使用姿勢を限定する趣旨ではない。
回転ツール101は、図略のツール固定部によって支持される。このツール固定部は、例えば多関節ロボットの先端部とすることができる。回転ツール101の下端面に対向して、バックアップ部材115が配置されている。回転ツール101とバックアップ部材115との間には、接合対象である第1部材41および第2部材42が配置される。
回転ツール101は、ピン部材111と、ショルダ部材112と、クランプ部材113と、スプリング114とを備える。ピン部材111は円柱状に形成された部材であり、その軸線が上下方向に延びるように配置されている。ピン部材111は、前記軸線を回転軸Rとして回転することが可能であり、かつ、回転軸Rに沿って上下方向に昇降(進退移動)することが可能である。
ショルダ部材112は、ピン部材111の外周を覆うように配置されている。すなわち、ショルダ部材112は、ピン部材111が内挿される中空部を備えた円筒状の部材である。ショルダ部材112の軸線は、ピン部材111の軸線(回転軸R)と同軸上にある。ショルダ部材112は、ピン部材111と同一の回転軸R回りに回転し、かつ回転軸Rに沿って上下方向に昇降(進退移動)することが可能である。このように、ショルダ部材112とその中空部に内挿されたピン部材111とは、いずれも回転軸R回りに回転しかつ当該回転軸Rに沿って相対移動することが可能である。すなわち、ピン部材111およびショルダ部材112は、回転軸Rに沿って同時に昇降するだけでなく、一方が下降し他方が上昇するという独立移動が可能である。
クランプ部材113は、ショルダ部材112の外周を覆うように配置されている。すなわち、クランプ部材113は、ショルダ部材112が内挿される中空部を備えた円筒状の部材である。クランプ部材113の軸線も、回転軸Rと同軸上にある。クランプ部材113は、軸回りに回転はしないが、回転軸Rに沿って上下方向に昇降(進退)することが可能である。クランプ部材113は、ピン部材111またはショルダ部材112が摩擦撹拌を行う際に、これらの外周を囲う役目を果たす。クランプ部材113の囲いによって、摩擦撹拌材料を四散させず、摩擦撹拌部を平滑に仕上げることができる。
スプリング114は、クランプ部材113の上端側に取り付けられ、クランプ部材113を接合対象に向かう方向(下方)に付勢している。クランプ部材113は、スプリング114を介して、前記ツール固定部に取り付けられている。
バックアップ部材115は、接合対象の下面に当接する上面(支持面)を備える。すなわち、バックアップ部材115は、ピン部材111またはショルダ部材112が接合対象に圧入される際に、当該接合対象を支持する裏当て部材である。スプリング114で付勢されたクランプ部材113は、接合対象をバックアップ部材115に押し当てる。
ツール駆動部102は、回転駆動部121、ピン駆動部122、ショルダ駆動部123およびクランプ駆動部124を含む。回転駆動部121は、ピン部材111およびショルダ部材112を回転軸R回りに回転駆動する機構である。ピン駆動部122は、回転軸Rに沿ってピン部材111を進退移動(昇降)させる機構である。ピン駆動部122は、ピン部材111の接合対象への圧入並びに接合対象からの退避を行うように、ピン部材111を駆動する。ショルダ駆動部123は、回転軸Rに沿ってショルダ部材112を進退移動させる機構であって、ショルダ部材112の接合対象への圧入並びに退避を行わせる。クランプ駆動部124は、回転軸Rに沿ってクランプ部材113を進退移動させる機構である。クランプ駆動部124は、クランプ部材113を接合対象に向けて移動させ、接合対象をバックアップ部材115に押圧させる。この際、スプリング114の付勢力が作用する。各駆動部121~124は、それぞれサーボモータおよび伝達ギア等を含み、当該サーボモータの回転に応じてそれぞれの駆動対象に所望の動作を行わせる。
コントローラCは、マイクロコンピュータ等からなり、所定の制御プログラムを実行することでツール駆動部102の各部の動作を制御する。具体的に、コントローラCは、回転駆動部121を制御して、ピン部材111およびショルダ部材112に所要の回転動作を行わせる。また、コントローラCは、ピン駆動部122、ショルダ駆動部123、およびクランプ駆動部124を制御して、ピン部材111、ショルダ部材112、およびクランプ部材113に所要の進退移動動作を行わせる。
以上のような構造の摩擦撹拌接合装置Mは、通常、二以上の部材を摩擦撹拌接合により接合するために使用される。この摩擦撹拌接合装置Mを用いた摩擦撹拌接合は、ショルダ先行プロセスによる接合方法と、ピン先行プロセスによる接合方法とに大別することができる。
ショルダ先行プロセスによる接合方法では、前記二以上の部材の重なり部に対し回転ツール101のショルダ部材112を先行して圧入させて摩擦撹拌を行うとともに、ピン部材111を前記重なり部から退避させる。その後、ショルダ部材112を退避(上昇)させつつピン部材111を下降させることにより、前記重なり部の上面を平滑化する。これに対し、ピン先行プロセスによる接合方法では、前記重なり部に対し回転ツール101のピン部材111を先行して圧入させて摩擦撹拌を行うとともに、ショルダ部材112を前記重なり部から退避させる。その後、ピン部材111を退避(上昇)させつつショルダ部材112を下降させることにより、前記重なり部の上面を平滑化する。
[接合方法]
次に、上述した摩擦撹拌接合装置Mを用いて第1部材41および第2部材42を接合する方法について詳しく説明する。本実施形態において第1部材41および第2部材42を接合する際には、リベット1の打設と摩擦撹拌接合とを組み合わせたリベット併用摩擦撹拌接合が用いられる。リベット併用摩擦撹拌接合は、接合手段としてリベットが追加される点で通常の摩擦撹拌接合とは異なるが、本実施形態では上述したショルダ先行プロセスを応用することにより、図3に示した摩擦撹拌接合装置Mのみを用いて(リベット1を打設するための別の装置を追加することなく)リベット併用摩擦撹拌接合を実現することが可能である。すなわち、第1部材41および第2部材42の接合時には、両者の重なり部45に対し回転ツール101のショルダ部材112が圧入されて摩擦撹拌が実行されるとともに、当該摩擦撹拌後の重なり部45(摩擦撹拌部50)にピン部材111を用いてリベット1が打設される。これにより、第1部材41と第2部材42とが接合されてなる接合構造体30が製造される。詳しくは、第1・第2部材41,42の接合方法には、下記の4つの工程P1~P4が含まれる。
工程P1は、図4に示すように、リベット1を回転ツール101に装着する準備工程である。この準備工程P1において回転ツール101に装着されるリベット1は、重なり部45に打設される前のリベット1であり、その軸部12は未だ拡径していない。すなわち、準備工程P1で用いられるリベット1は、頭部11と、当該頭部11からストレート状に延びる円筒形の軸部12とを備えている。
リベット1を回転ツール101に装着するため、コントローラC(図3)は、ピン駆動部122を駆動してピン部材111を上昇させ、ショルダ部材112の内部にリベット1の収容空間Vを創出する。すなわち、コントローラCは、ピン部材111の先端(下端)111aを、リベット1の全長L(図1)以上のストロークだけショルダ部材112の先端(下端)112aに対し上昇させることにより、ショルダ部材112の下端開口に連なる収容空間Vを形成する。この収容空間Vにリベット1を収容可能とするため、リベット1としては、ショルダ部材112の内径よりもわずかに小さい外径を有するものが選択される。
工程P2は、図5に示すように、第1部材41と第2部材42とが上から順に重ねられた重なり部45に対し、リベット1が装着された回転ツール101を位置決めする位置決め工程である。この位置決め工程P2において、コントローラCは、バックアップ部材115上に支持された重なり部45の中心に回転ツール101の回転軸R(図3)が一致するように位置決めした上で、ショルダ部材112およびクランプ部材113の各先端112a,113aが第1部材41の上面41aに当接するようにショルダ駆動部123およびクランプ駆動部124を制御する。また、コントローラCは、ピン部材111の先端111aと第1部材41の上面41aとの間にリベット1が収容されるように、ピン部材111とショルダ部材112との軸方向の相対位置関係(ピン先端111aがショルダ先端112aに対し所定量上方に退避した状態)を保持する。
工程P3は、図6に示すように、ショルダ部材112を回転させつつ圧入する摩擦撹拌工程である。この摩擦撹拌工程P3において、コントローラCは、回転駆動部121を制御してピン部材111およびショルダ部材112を高速回転させつつ、ショルダ駆動部123を制御してショルダ部材112を下降させ、当該ショルダ部材112を重なり部45に圧入する。また、コントローラCは、ピン駆動部122を制御してピン部材111を上昇させる。この動作により、重なり部45が摩擦撹拌されて、材料の軟化および塑性流動が生じ、軟化した材料Q1がショルダ部材112の圧入領域から溢れ出す。溢れ出した軟化材料Q1は、ピン部材111の上昇(退避)により生じたショルダ部材112内の中空空間に逃がされる(矢印b1参照)。なお、摩擦撹拌工程P3の開始時において、既に収容空間V(図4)が形成されるほどピン部材111は上方に退避しているので、前記のピン部材111の退避動作は省いてもよい。
ショルダ部材112の圧入深さをh1とすると、この圧入深さh1は、ショルダ部材112が少なくとも上側の第1部材41を貫通するような値に設定される。本実施形態では、ショルダ部材112が上側の第1部材41を貫通しかつ下側の第2部材42を貫通しないような値に圧入深さh1を設定した例が示される。言い換えると、本実施形態における圧入深さh1は、第1部材41の厚さt1よりも大きく、かつ、当該厚さt1と第2部材42の厚さt2との合計(t1+t2)よりも小さい値に設定されている。
本実施形態において、第1部材41および第2部材42は熱可塑性複合材であるから、前記摩擦撹拌により軟化した材料Q1には強化繊維が含まれている。ただし、この軟化材料Q1中の強化繊維は、摩擦撹拌によって細かく切断されている。このことは、後続するリベット1の打設を容易とする。
工程P4は、図7(a)(b)に示すように、リベット1を重なり部45に打設する打設工程である。この打設工程P4において、コントローラCは、回転駆動部121を制御してピン部材111およびショルダ部材112を高速回転させつつ、ショルダ駆動部123を制御してショルダ部材112を上昇させる。また、このショルダ部材112の上昇に続けて、コントローラCは、ピン駆動部122を制御してピン部材111を下降させる。この動作により、重なり部45に円柱状の摩擦撹拌部50が形成されるとともに、この摩擦撹拌部50を含む領域にリベット1が打設される。以下、摩擦撹拌部50の形成およびリベット1の打設について詳しく説明する。
まず、打設工程P4による摩擦撹拌部50の形成について説明する。打設工程P4では、ショルダ部材112が上昇しかつピン部材111が下降することにより、前記中空空間に逃がされていた軟化材料Q1(図6)が、ショルダ部材112が圧入されていた領域へと移動し、材料の埋め戻しが行われる。埋め戻された材料は、前記中空空間に存在していた材料と共に、重なり部45に摩擦撹拌部50を形成する。摩擦撹拌部50は、重なり部45において摩擦撹拌を経験した材料により構成され、ショルダ部材112の外径ds(図7(b))に略一致する外径Srと、ショルダ部材112の圧入深さh1(図6)に略一致する高さSdとを有した円柱状に形成される。すなわち、摩擦撹拌部50は、高さSd(≒h1)の円筒形の側周面50cと、外径Sr(≒ds)の円形の上面50aおよび底面50bとを有する。摩擦撹拌部50では材料が軟化している一方で、摩擦撹拌部50の周囲の母材領域では、第1部材41および第2部材42の本来の硬度が維持され、強化繊維による補強構造も維持されている。
次に、打設工程P4によるリベット1の打設について説明する。打設工程P4では、ピン部材111の下降に応じてリベット1が下方に押圧され、押圧されたリベット1が重なり部45に押し込まれる。言い換えると、打設工程P4では、回転ツール101に備わる既存の部品(ピン部材111)を用いてリベット1が打設される。このため、本実施形態では、リベット1を打設する工具を別途準備することなく、リベット1および摩擦撹拌部50の組合せからなる接合部を重なり部45に形成することが可能である。
具体的に、打設工程P4では、ピン駆動部122がピン部材111を下降させてリベット1の頭部11に押圧力を与え、リベット1を重なり部45へ押し込む(図7(a)参照)。リベット1は、ピン部材111の先端111aに頭部11の頂面が対向するように、予め収容空間V(図4)に装填されている。したがって、ピン部材111が下降すると、リベット1も下降し、その軸部12が先端側から摩擦撹拌部50の内部へ進入してゆく。このようなリベット1の進入(ピン部材111の押下)が進行すると、やがて軸部12の先端部12aが摩擦撹拌部50の底面50bに到達する。
ここで、底面50bよりも下方の領域は未軟化の母材領域であるから、先端部12aが底面50bに到達すると、軸部12に作用する軸方向の抵抗力が増大する。したがって、少なくとも先端部12aが底面50bに到達した状態において、軸部12には、その先端部12aを拡径させる力が作用する。このような拡径力の発生は、先端部12aに形成されたテーパ状の内周面12sによって助長される。すなわち、先端部12aが底面50bに到達することによる抵抗力の増大と、先端部12aの内周面12sのテーパ形状との相乗効果により、軸部12の先端部12aを拡径させる大きな力が作用する。この拡径力を受けた軸部12は、その外周面に形成された凹溝15を起点に座屈変形し、これによって図7(b)に示すように、軸部12が先拡がり状に変形して、先端部12aの外径が拡大する。言い換えると、凹溝15は、軸部12の圧入時(リベット1の打設時)に当該軸部12の先端部12aが拡径するのを促進する促進部として機能する。
図7(b)は、リベット1の頭部11が重なり部45の上面(摩擦撹拌部50の上面50a)に到達した状態、つまりリベット1の打設が完了した状態を示している。本図に示すように、リベット1の打設完了時、その軸部12の先端部12aは、摩擦撹拌部50の底面50bを越えてその下方の前記母材領域へ圧入されるだけでなく、摩擦撹拌部50の側周面50cを越えてその外側の母材領域へも圧入されるようになる。このように摩擦撹拌部50の外側に圧入された先端部12aは、第1部材41と第2部材42とを引き剥がす力に抗するアンカー効果を発揮する。すなわち、先端部12aは、第1部材41と第2部材42とを締結するインターロック部として機能する。
以上の工程P1~P4により、重なり部45に摩擦撹拌部50が形成されかつリベット1が打設される。リベット1および摩擦撹拌部50の組合せは、第1部材41と第2部材42とを重なり部45において比較的強固に接合する。
[合否判定]
次に、上述した接合方法による第1・第2部材41,42の接合時にリベット1が適切に打設されたか否かを確認する方法、つまりリベット1による接合品質の合否を判定する方法について説明する。図8は、この合否判定の具体的手順を示すフローチャートである。本図に示す制御は、図4~図7に示したリベット併用摩擦撹拌接合の本制御と並行してコントローラCにより実行される。図8の制御がスタートすると、コントローラCは、リベット1の各部の寸法を取得する(ステップS1)。具体的に、コントローラCは、図1に示したリベット1の全長L、軸部12の外径R2、および凹溝15の軸方向位置を表す距離Gを、それぞれ取得する。これらの寸法は、コントローラCに内蔵された記憶部に予め格納されている。
次いで、コントローラCは、回転ツール101を重なり部45に圧入する摩擦撹拌を実行する(ステップS2)。すなわち、コントローラCは、ショルダ部材112を高速回転させつつ重なり部45に圧入し(図6参照)、その後ショルダ部材112を上昇(退避)させることにより、重なり部45に摩擦撹拌部50(図7(a))を形成する。
次いで、コントローラCは、摩擦撹拌部50の外径Sr(図7(b))を取得する(ステップS3)。以下、摩擦撹拌部50の外径Srのことを摩擦撹拌径Srと略称する。摩擦撹拌径Srは、ショルダ部材112の外径dsに略一致する値として予め前記記憶部に記憶されている。
次いで、コントローラCは、摩擦撹拌部50の高さSdを算出する(ステップS4)。以下、摩擦撹拌部50の高さSdのことを摩擦撹拌深さSdと略称する。摩擦撹拌深さSdは、例えば、ショルダ駆動部123のサーボモータに内蔵されるエンコーダからの出力値に基づき算出することができる。すなわち、コントローラCは、摩擦撹拌を開始したときのショルダ部材112の軸値(上下方向の座標)と、摩擦撹拌中にショルダ部材112が最も下降したときの軸値とを前記エンコーダの出力値からそれぞれ特定し、特定した両軸値の差分、つまりショルダ部材112の重なり部45への圧入深さを、摩擦撹拌深さSdとして算出する。
次いで、コントローラCは、摩擦撹拌部50にリベット1を打設する(ステップS5)。すなわち、コントローラCは、ピン部材111を下降させてリベット1を押し下げることにより、リベット1の軸部12を摩擦撹拌部50に圧入する(図7(b)参照)。
次いで、コントローラCは、摩擦撹拌部50の上面50aからの頭部11の突出量Hを算出する(ステップS6)。例えば、コントローラCは、ピン駆動部122およびショルダ駆動部123に内蔵されるエンコーダからの出力値から、ピン部材111の下降が完了した図7(b)の時点におけるピン部材111の軸値とショルダ部材112の軸値とをそれぞれ特定し、特定した両軸値の差分を頭部11の突出量Hとして算出する。
次いで、コントローラCは、軸部12の先端部12aの外径である先端径Rdを推定する(ステップS7)。具体的に、コントローラCは、前記ステップS1で取得されたリベット1の寸法(リベット1の全長L、軸部12の外径R2、凹溝15の軸方向位置を表す距離G)と、前記ステップS4で算出された摩擦撹拌深さSdと、前記ステップS6で算出された頭部11の突出量Hとに基づいて、軸部12の先端径Rdを推定する。すなわち、リベット1の打設後の軸部12の先端径Rdは、軸部12が摩擦撹拌部50に圧入される過程で生じる当該軸部12の拡径、特に当該軸部12が凹溝15を起点に座屈することで生じる拡径がもたらす寸法であるから、このような先端径Rdは、リベット1の大きさ(全長Lおよび外径R2)と、凹溝15の軸方向位置(距離G)と、摩擦撹拌深さSdとによってそれぞれ変化する。また、頭部11の突出量Hは、リベット1が適切に打設されたか否かによって変化し、打設が不十分な場合には突出量Hが頭部11の厚さよりも大きくなる。不十分な打設はやはり上述の先端径Rdを狂わせるので、その意味において先端径Rdは突出量Hによっても変化する。以上の事情から、ステップS7では、上述の各パラメータL,R2,G,Sd,Hに基づき先端径Rdが推定される。この推定にあたっては、例えば、実験等により予め定められたモデル演算式を用いることができる。
次いで、コントローラCは、前記ステップS7で推定された軸部12の先端径Rdが、前記ステップS3で取得された摩擦撹拌径Srよりも大きいか否かを判定する(ステップS8)。
前記ステップS8でYESと判定されて先端径Rdが摩擦撹拌径Srよりも大きいことが確認された場合、コントローラCは、リベット1の打設(圧入)が適切に行われたものと判定し、その判定(OK判定)の結果を作業者に提供するなどの所定の処理を行う(ステップS9)。すなわち、先端径Rdが摩擦撹拌径Srよりも大きいということ(Rd>Sr)は、軸部12の先端部12aが摩擦撹拌部50の外側の母材領域まで食い込んでいること、つまりインターロック部が適切に形成されたことを意味する。このようなインターロック部の形成は、リベット1による接合品質が良好であることを示唆している。そこで、コントローラCは、ステップS9においてOK判定を提示する。
一方、前記ステップS8でNOと判定されて先端径Rdが摩擦撹拌径Sr以下であることが確認された場合、コントローラCは、リベット1の打設(圧入)が適切に行われなかったものと判定し、その判定(NG判定)の結果を作業者に提供するなどの所定の処理を行う(ステップS10)。すなわち、先端径Rdが摩擦撹拌径Sr以下ということ(Rd≦Sr)は、軸部12の先端部12aが摩擦撹拌部50の外側の母材領域まで食い込んでいないこと、つまりインターロック部の形成が未達であることを意味する。このようなインターロック部の非形成は、リベット1による接合品質が不良であることを示唆している。そこで、コントローラCは、ステップS10においてNG判定を提示する。
[作用効果]
以上説明したように、本実施形態では、第1部材41と第2部材42との接合時に、両者の重なり部45が回転ツール101により摩擦撹拌されるとともに、それによって形成された摩擦撹拌部50に対しさらにリベット1が圧入されるので、摩擦撹拌部50とリベット1との組合せにより、第1部材41と第2部材42とを十分な強度で接合することができる。
特に、本実施形態において用いられるリベット1は、周方向に延びる凹溝15が外周面に形成された軸部12を含むので、当該リベット1の摩擦撹拌部50への圧入時に、凹溝15を起点に軸部12を座屈させて当該軸部12の先端部12aを容易に拡径させることができる。これにより、摩擦撹拌部50の外側の母材領域まで軸部12の先端部12aが食い込んだ状態を高い確率で得ることができ、当該母材領域に食い込んだ先端部12aからなるインターロック部の機能により第1部材41と第2部材42とを機械的に適切に接合することができる。このことは、摩擦撹拌部50による接合との組合せにより、第1部材41と第2部材42とを十分な強度で接合することを可能にし、接合品質を向上させることができる。
ここで、本実施形態では、軸部12の拡径を促進するための手段(促進部)として、軸部12の外周壁が局所的に減肉されてなる凹溝15が用いられるため、この凹溝15の深さによってはリベット1自体の耐荷重が有意に低下するおそれがある。すなわち、凹溝15の深さをむやみに大きくすると、前記インターロック部は確実に得られたとしても、接合強度の向上代が限定的になるおそれがある。このことから、凹溝15の深さは、前記インターロック部の形成に必要な程度に前記拡径を促進する効果が得られる範囲においてできるだけ小さくすることが望ましい。言い換えると、凹溝15の深さは、軸部12の拡径促進とリベット1の耐荷重(もしくは接合強度)とを良好にバランスし得る値に決定することが望ましい。
また、本実施形態では、軸部12の先端部12aにテーパ状の(先端側ほど内径が大きくなる)内周面12sが形成されるので、リベット1の圧入時に軸部12に作用する抵抗力を、テーパ状の内周面12sを介して拡径力に変換することができる。このことは、上述した凹溝15の作用との相乗効果により、先端部12aの拡径を十分に促進することにつながる。これにより、前記インターロック部が形成される確率をより高めることができ、接合品質を十分に向上させることができる。
また、本実施形態では、リベット1の圧入前の各寸法(図1のL,R2,G)と、摩擦撹拌部50の深さである摩擦撹拌深さSdと、摩擦撹拌部50の上面50aに対するリベット1の頭部11の突出量Hとに基づいて、圧入後の軸部12の先端径Rdが推定されるとともに、推定された先端径Rdと所定の閾値(ここでは摩擦撹拌部50の外径である摩擦撹拌径Sr)との比較に基づいて接合品質の合否が判定される。このような構成によれば、特殊な検査装置(例えばX線やサーモグラフィ等を用いた検査装置)を必要としない簡便な方法で、リベット1による接合品質を保障することができる。
特に、本実施形態では、軸部12の先端径Rdを推定するための寸法パラメータの1つとして、凹溝15の軸方向の位置を表す距離G(図1)が用いられるので、凹溝15を起点に軸部12が座屈する現象を考慮した適切な先端径Rdの推定値を得ることができ、当該先端径Rdの推定精度を高めることができる。
[変形例]
前記実施形態では、リベット1の軸部12の先端部12aが拡径するのを促進する手段つまり促進部として、軸部12の外周面に凹溝15を形成したが、促進部は、先端部12aの拡径を促進し得るものであればよく、凹溝15に限定されない。例えば、図9に示すように、内周壁および外周壁の双方を減肉させてなる減肉部65を軸部12の途中部に設け、当該減肉部65を促進部として機能させることも可能である。また、図示を省略するが、軸部12を軸方向に並ぶ第1部分と第2部分とに2分割し、当該第1部分および第2部分を相対的に強度の低い溶着金属等を用いて同軸に接合するようにしてもよい。このようにすれば、前記第1部分と前記第2部分との接合部(溶着部)を促進部として機能させることができる。
前記実施形態では、第1部材41と第2部材42とを直接重ね合わせて接合したが、第1部材41と第2部材42との間に一以上の他の部材を介在させた状態で第1部材41と第2部材42とを接合してもよい。
前記実施形態では、第1部材41および第2部材42の双方を、熱可塑性樹脂製の基材と当該基材に含浸された多数の強化繊維とを含む熱可塑性複合材によって構成したが、第1部材41および第2部材42の材質は互いに異なるものであってもよい。例えば、第1部材41および第2部材42の一方が熱可塑性樹脂の成形体で、他方が繊維強化複合材の成形体であってもよい。あるいは、第1部材41および第2部材42の一方が金属の成形体で、他方がこれとは異質の金属または熱可塑性樹脂の成形体であってもよい。
[まとめ]
上述した実施形態およびその変形例には主に以下の発明が含まれている。
本発明の一局面に係る締結体は、第1部材と第2部材との重なり部に前記第1部材側からの回転ツールの圧入により形成される摩擦撹拌部に、前記第1部材側から圧入される締結体であって、前記摩擦撹拌部の表面に配置される頭部と、前記頭部から前記第2部材側に延びる筒状の軸部とを備え、前記軸部は、圧入時に当該軸部の先端部が拡径するのを促進する促進部を有するものである。
本発明によれば、締結体を摩擦撹拌部に圧入する際に、締結体の軸部を促進部を起点に座屈させて当該軸部の先端部を容易に拡径させることができる。これにより、摩擦撹拌部の外側の母材領域まで軸部の先端部が食い込んだ状態を高い確率で得ることができ、当該母材領域に食い込んだ先端部からなるインターロック部の機能により接合対象を機械的に適切に接合することができる。このことは、摩擦撹拌部による接合との組合せにより、接合対象を十分な強度で接合することを可能にし、接合品質を向上させることができる。
前記促進部は、例えば、前記軸部の外周面に形成された周方向に延びる凹溝とすることができる。
この構成によれば、軸部の外周面に凹溝を設けるだけの簡単な構成で、軸部の先端部の拡径を促進することができる。また、凹溝の深さを調整することにより、軸部の拡径促進と締結体の耐荷重(もしくは接合強度)とを良好にバランスさせることができる。
好ましくは、前記軸部の先端部は、先端側ほど内径が拡大するテーパ状の内周面を有する。
この構成によれば、締結体の圧入時にその軸部に作用する抵抗力が、テーパ状の内周面を介して拡径力に変換されるので、上述した促進部の作用との相乗効果により、先端部の拡径を十分に促進することができる。これにより、前記インターロック部が形成される確率をより高めることができ、接合品質を十分に向上させることができる。
本発明の他の局面に係る接合構造体は、前記第1部材および前記第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との重なり部に形成された前記摩擦撹拌部と、前記摩擦撹拌部に圧入された前記締結体とを備えるものである。
本発明の接合構造体は、前記締結体と前記摩擦撹拌部との組合せに基づく十分な接合強度を有する。
本発明のさらに他の局面に係る接合方法は、前記締結体を用いて前記第1部材と前記第2部材とを接合する方法であって、前記第1部材と前記第2部材との重なり部に前記第1部材側から前記回転ツールを圧入する摩擦撹拌を行うことにより前記重なり部に前記摩擦撹拌部を形成する摩擦撹拌ステップと、前記第1部材側から前記摩擦撹拌部に前記締結体を圧入する締結ステップとを含むものである。
本発明の接合方法によれば、前記締結体と前記摩擦撹拌部との組合せに基づく十分な接合強度をもった接合構造体を得ることができる。
前記接合方法は、好ましくは、前記締結体の圧入前の寸法と、前記摩擦撹拌ステップでの摩擦撹拌深さと、前記締結ステップ後における前記摩擦撹拌部の上面からの前記頭部の突出量とに基づいて、前記締結ステップ後の前記軸部の先端径を推定し、推定した当該先端径が所定の閾値よりも大きい場合に良好な接合が行われたと判定する判定ステップをさらに含む。
この構成によれば、特殊な検査装置(例えばX線やサーモグラフィ等を用いた検査装置)を必要としない簡便な方法で、締結体による接合品質を保障することができる。
前記圧入前の寸法には、例えば、前記締結体の軸方向長さと、前記軸部の外径と、前記促進部の軸方向の位置を表す距離とが含まれ得る。
この構成によれば、促進部を起点に軸部が座屈する現象を考慮した適切な先端径の推定値を得ることができ、当該先端径の推定精度を高めることができる。
1 :リベット(締結体)
11 :頭部
12 :軸部
12a :(軸部の)先端部
12s :(テーパ状の)内周面
15 :凹溝(促進部)
30 :接合構造体
41 :第1部材
42 :第2部材
45 :重なり部
50 :摩擦撹拌部
50a :(摩擦撹拌部の)上面
65 :減肉部(促進部)
L :(リベットの)全長
R2 :(軸部の)外径
G :(凹溝の軸方向の位置を表す)距離
H :(頭部の)突出量
Sd :摩擦撹拌深さ
Sr :摩擦撹拌径(閾値)
Rd :(軸部の)先端径

Claims (7)

  1. 第1部材と第2部材との重なり部に前記第1部材側からの回転ツールの圧入により形成される摩擦撹拌部に、前記第1部材側から圧入される締結体であって、
    前記摩擦撹拌部の表面に配置される頭部と、
    前記頭部から前記第2部材側に延びる筒状の軸部とを備え、
    前記軸部は、圧入時に当該軸部の先端部が拡径するのを促進する促進部を有する、締結体。
  2. 請求項1に記載の締結体において、
    前記促進部は、前記軸部の外周面に形成された周方向に延びる凹溝である、締結体。
  3. 請求項1または2に記載の締結体において、
    前記軸部の先端部は、先端側ほど内径が拡大するテーパ状の内周面を有する、締結体。
  4. 前記第1部材および前記第2部材と、
    前記第1部材と前記第2部材との重なり部に形成された前記摩擦撹拌部と、
    前記摩擦撹拌部に圧入された請求項1~3のいずれか1項に記載の締結体とを備えた、接合構造体。
  5. 請求項1~3のいずれか1項に記載の締結体を用いて前記第1部材と前記第2部材とを接合する方法であって、
    前記第1部材と前記第2部材との重なり部に前記第1部材側から前記回転ツールを圧入する摩擦撹拌を行うことにより前記重なり部に前記摩擦撹拌部を形成する摩擦撹拌ステップと、
    前記第1部材側から前記摩擦撹拌部に前記締結体を圧入する締結ステップとを含む、接合方法。
  6. 請求項5に記載の接合方法において、
    前記締結体の圧入前の寸法と、前記摩擦撹拌ステップでの摩擦撹拌深さと、前記締結ステップ後における前記摩擦撹拌部の上面からの前記頭部の突出量とに基づいて、前記締結ステップ後の前記軸部の先端径を推定し、推定した当該先端径が所定の閾値よりも大きい場合に良好な接合が行われたと判定する判定ステップをさらに含む、接合方法。
  7. 請求項6に記載の接合方法において、
    前記圧入前の寸法には、前記締結体の軸方向長さと、前記軸部の外径と、前記促進部の軸方向の位置を表す距離とが含まれる、接合方法。
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