JP2022143562A - リアクトル構造体、コンバータ、及び電力変換装置 - Google Patents

リアクトル構造体、コンバータ、及び電力変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】生産性に優れるリアクトル構造体、コンバータ、及び電力変換装置を提供する。【解決手段】リアクトル構造体αは、リアクトル1とバスバ4とを備える。バスバ4は、コイルの巻線端部21に重ねられた状態で接続される第一片41と、第一片からX方向に離れた位置に配置される第二片42と、第一片と第二片とをつなぐ本体片40と、本体片又は第二片に設けられるピン孔4hとを備える。本体片40は、Y方向におけるリアクトル1から離れる方向に弾性変形されている。リアクトル1は、バスバ4の位置を決める固定部8と、Y方向又はZ方向に突出し、ピン孔4hを貫通するピン5とを備える。本体片40は、固定部8に保持される第一領域と、リアクトル1における固定部8からX2方向に離れた部分を押圧する第二領域とを有する。【選択図】図1

Description

本開示は、リアクトル構造体、コンバータ、及び電力変換装置に関する。
ハイブリッド自動車などに備わるコンバータの構成部品として、リアクトル構造体が挙げられる。例えば特許文献1に開示されるリアクトル構造体は、リアクトルと端子部材とを備える。リアクトルは、コイル及びコアを備える。コイルは、巻線が螺旋状に巻回されることで形成される。特許文献1に記載されるリアクトルは更に、枠状ボビンと内側ボビンとケースとを備える。枠状ボビンと内側ボビンは、コイルとコアとの絶縁を確保する絶縁部材である。ケースは、コイルとコアと絶縁部材の組物を収納する。
リアクトル構造体に備わる端子部材はバスバとも呼ばれる。バスバは、コイルと外部機器とを電気的に接続する。バスバの端部は、コイルの端部に溶接などで接続される。特許文献1に記載されるバスバの中間部は、リアクトルを構成するケースにネジ止めされている。バスバがケースにネジ止めされることで、リアクトルに対するバスバの位置が決まるので、バスバの端部とコイルの端部との接続が容易になる。
特開2014-130949公報
特許文献1のリアクトル構造体では、バスバをネジ止めする手間がかかる。また、リアクトル構造体を構成する部品点数が増加する。従って、特許文献1のリアクトル構造体の生産性が芳しくない。
そこで、本開示は、生産性に優れるリアクトル構造体を提供することを目的の一つとする。また、本開示は、生産性に優れるコンバータ、及び電力変換装置を提供することを目的の一つとする。
本開示のリアクトル構造体は、
コイル及びコアを有するリアクトルと、
前記コイルを外部機器に電気的に接続するバスバと、を備えるリアクトル構造体であって、
前記バスバは、
前記コイルの巻線端部に重ねられた状態で接続される第一片と、
前記第一片からX方向に離れた位置に配置され、前記外部機器と接続される第二片と、
前記第一片と前記第二片とをつなぐ本体片と、
前記本体片又は前記第二片に設けられるピン孔とを備え、
前記本体片は、Y方向における前記リアクトルから離れる方向に弾性変形されており、
前記リアクトルは、
前記第一片が前記巻線端部に当接した状態となるように前記バスバの位置を決める固定部と、
前記Y方向又はZ方向に突出し、前記ピン孔に貫通されるピンとを備え、
前記本体片は、
前記固定部に保持される第一領域と、
前記リアクトルにおける前記固定部から前記X方向に離れた部分を押圧する第二領域とを有し、
前記X方向は、前記巻線端部と前記第一片とが並列される方向であり、
前記Y方向は、前記X方向に交差し、かつ前記巻線端部の延伸方向に沿った方向であり、
前記Z方向は、前記X方向と前記Y方向とに交差する方向である。
本開示のコンバーターは、
本開示のリアクトル構造体を備える。
本開示の電力変換装置は、
本開示のコンバーターを備える。
本開示のリアクトル構造体、本開示のコンバーター、及び本開示の電力変換装置は、生産性に優れる。
図1は、実施形態1に係るリアクトル構造体の概略斜視図である。 図2は、実施形態1に係るリアクトル構造体に備わる組物の概略斜視図である。 図3は、実施形態1に係るリアクトル構造体に備わるバスバの概略斜視図である。 図4は、実施形態1に係るリアクトル構造体に備わるバスバの概略上面図である。 図5は、実施形態1に係るリアクトル構造体の製造手順を示す説明図である。 図6は、変形例1に係るリアクトル構造体の概略部分上面図である。 図7は、実施形態2に係るリアクトル構造体の概略部分上面図である。 図8は、実施形態3に係るリアクトル構造体に備わるバスバの概略斜視図である。 図9は、実施形態4に係るリアクトル構造体に備わるリアクトルの概略正面図である。 図10は、実施形態5に係るハイブリッド自動車の電源系統を模式的に示す構成図である。 図11は、実施形態5に係るコンバータを備える電力変換装置の一例の概略を示す回路図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
<1>実施形態に係るリアクトル構造体は、
コイル及びコアを有するリアクトルと、
前記コイルを外部機器に電気的に接続するバスバと、を備えるリアクトル構造体であって、
前記バスバは、
前記コイルの巻線端部に重ねられた状態で接続される第一片と、
前記第一片からX方向に離れた位置に配置され、前記外部機器と接続される第二片と、
前記第一片と前記第二片とをつなぐ本体片と、
前記本体片又は前記第二片に設けられるピン孔とを備え、
前記本体片は、Y方向における前記リアクトルから離れる方向に弾性変形されており、
前記リアクトルは、
前記第一片が前記巻線端部に当接した状態となるように前記バスバの位置を決める固定部と、
前記Y方向又はZ方向に突出し、前記ピン孔に貫通されるピンとを備え、
前記本体片は、
前記固定部に保持される第一領域と、
前記リアクトルにおける前記固定部から前記X方向に離れた部分を押圧する第二領域とを有し、
前記X方向は、前記巻線端部と前記第一片とが並列される方向であり、
前記Y方向は、前記X方向に交差し、かつ前記巻線端部の延伸方向に沿った方向であり、
前記Z方向は、前記X方向と前記Y方向とに交差する方向である。
上記リアクトル構造体では、リアクトルに設けられる固定部によってリアクトルに対するバスバの位置が決められている。リアクトルにバスバが取り付けられる際、バスバの一部が固定部に配置されるだけで、リアクトルの所定位置にバスバが配置される。従って、上記リアクトル構造体は生産性に優れる。
上記リアクトル構造体では、バスバの本体片がY方向におけるリアクトルから離れる方向に弾性変形された状態になっている。本体片の弾性変形の反力は、Y方向におけるリアクトルに近づく方向に作用する。従って、弾性変形された本体片のうちの第二領域が、リアクトルにおける固定部からX方向に離れた部分を押圧する。その結果、リアクトルに対してバスバが動き難くなっている。更に、上記リアクトル構造体では、リアクトルのピンがバスバのピン孔に貫通されていることで、ピンによってリアクトルに対するバスバの動きが規制されている。上述したように、上記リアクトル構造体では、リアクトルに対するバスバの動きが十分に規制されているため、上記リアクトル構造体は、バスバをリアクトルに固定するネジを必要としない。このように、バスバを固定するネジを必要とせず、ネジを取り付ける作業も必要としない上記リアクトル構造体は生産性に優れる。
<2>実施形態に係るリアクトル構造体の一形態として、
前記ピン孔の軸線は、前記Y方向に延びる形態が挙げられる。
上記形態<2>の構成では、バスバがY方向に交差するX方向に動くと、ピンの外周面にピン孔の内周面が引っ掛かるので、バスバのX方向の振動が抑制される。同様に、バスバがY方向に交差するZ方向に動くと、ピンの外周面にピン孔の内周面が引っ掛かるので、バスバのZ方向の振動が抑制される。従って、上記形態<2>の構成では、バスバのX方向の振動とZ方向の振動とが効果的に抑制される。
<3>実施形態に係るリアクトル構造体の一形態として、
前記リアクトルは、前記リアクトルを設置対象に固定するネジが貫通される貫通孔を備え、
前記貫通孔の軸線は、前記Z方向に一致する形態が挙げられる。
一般的に、設置対象に固定されるリアクトルは、その使用時に貫通孔の軸線に沿った方向に振動し易い。貫通孔の軸線がX方向に一致していると、バスバの第一片と巻線端部とを引き離す方向にバスバが激しく振動することになるので、バスバの第一片と巻線端部との接続箇所に強い応力が作用し易い。これに対して、上記形態<3>の構成では、貫通孔の軸線がX方向に交差するように配置されているので、上記接続箇所に強い応力が作用し難い。
<4>実施形態に係るリアクトル構造体の一形態として、
前記リアクトルは、前記ピンの根元に設けられる台座部を備え、
前記台座部は、前記バスバの前記第二領域に当接する形態が挙げられる。
ピンの根元に台座部が設けられることで、バスバがリアクトルを押圧する力が台座部に集中する。その結果、バスバがリアクトルを強く押圧し、リアクトルに対するバスバの保持状態が安定する。
<5>実施形態に係るリアクトル構造体の一形態として、
前記バスバは、前記本体片の一部が屈曲されることで構成される弾性変形部を備える形態が挙げられる。
弾性変形部は、屈曲によってY方向へのばね性が付与された箇所である。この弾性変形部は、弾性変形部以外の箇所よりもY方向に弾性変形し易い。バスバが弾性変形部を有することで、本体片がY方向に曲げられたとき、本体片が塑性変形する可能性が低減される。
<6>上記形態<5>のリアクトル構造体として、
前記弾性変形部は、前記Z方向から見てS字状に屈曲された形状を備える形態が挙げられる。
Z方向から見てS字状に屈曲された弾性変形部は、Y方向の弾性変形能に優れる。バスバの弾性変形量が大きくなると、バスバの第二領域がリアクトルを押圧する力も大きくなる。その結果、バスバがリアクトルに強く押し付けられるので、リアクトルに対してバスバが動き難くなる。
<7>上記形態<6>のリアクトル構造体として、
前記固定部は、前記Z方向に延びるロッドを備え、
前記弾性変形部のS字状に屈曲された部分が、前記ロッドに引っ掛けられる形態が挙げられる。
上記形態<7>の構成では、S字状に屈曲された弾性変形部が固定部に固定される第一領域を構成する。この構成では、弾性変形部がロッドに引っ掛けられるだけで、巻線端部に対する第一片の位置が決まる。従って、リアクトルに対するバスバの取付け作業が容易になる。
また、Z方向に延びるロッドにバスバを引っ掛ける構成では、バスバのX方向とY方向の動きがロッドによって規制される。また、バスバのZ方向の動きは、ロッドの外周面とS字屈曲部との摩擦によって規制される。従って、上記形成<7>の構成では、リアクトルに対するバスバの振動が抑制され易い。
<8>実施形態に係るリアクトル構造体の一形態として、
前記リアクトルは、前記コイルと前記コアとの相対的な位置を決める絶縁部材を備え、
前記ピン及び前記固定部は、前記絶縁部材に設けられる形態が挙げられる。
バスバは導電部材であるため、バスバとコアとの間の絶縁を確保する必要がある。上記形態<8>では、ピンと固定部が絶縁部材の一部によって構成されるため、上記絶縁が確保される。ここで、コイルとコアとの相対的な位置を決める絶縁部材として、例えばコイルの端部とコアとの間に配置される保持部材が挙げられる。また、上記絶縁部材として、コイルとコアとを一体化する樹脂モールド部が挙げられる。
<9>上記形態<8>のリアクトル構造体として、
前記絶縁部材は、前記コイルと前記コアとを一体化する樹脂モールド部である形態が挙げられる。
樹脂モールド部によってコイルとコアとが分解し難くなる。従って、コイルとコアとの組物が扱い易くなる。
<10>実施形態に係るリアクトル構造体の一形態として、
前記リアクトルは、前記コアと前記コイルの組物を収納するケースを備え、
前記ケースは、絶縁材料によって構成される樹脂部を備え、
前記ピン及び前記固定部は、前記樹脂部に設けられる形態が挙げられる。
ピンと固定部がケースの樹脂部の一部によって構成されていることで、バスバとコアとの間の絶縁が確保される。ケース全体が絶縁材料によって構成されていても良いし、ケースの一部が絶縁材料によって構成されていても良い。
<11>実施形態に係るコンバータは、
上記形態<1>から形態<10>のいずれかのリアクトル構造体を備える。
上記コンバーターは、生産性に優れる実施形態のリアクトル構造体を備える。従って、上記コンバーターは、生産性に優れる。
<12>実施形態に係る電力変換装置は、
上記形態<11>のコンバータを備える。
上記電力変換装置は、生産性に優れる実施形態のコンバーターを備える。従って、上記電力変換装置は、生産性に優れる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示のリアクトル構造体、コンバータ、及び電力変換装置の実施形態を図面に基づいて説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、本発明は実施形態に示される構成に限定されるわけではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内の全ての変更が含まれることを意図する。
<実施形態1>
実施形態1では、図1から図5に基づいてリアクトル構造体αの構成を説明する。図1に示されるリアクトル構造体αは、コイル2及びコア3(図2)を有するリアクトル1と、コイル2を外部機器に電気的に接続するバスバ4とを備える。このリアクトル構造体αの特徴の一つとして、バスバ4の構成が挙げられる。以下、リアクトル構造体αに備わる各構成を詳細に説明する。
≪リアクトル≫
本例のリアクトル1は、組物10(図2)と絶縁部材9とを備える。組物10は、図2に示されるように、コイル2とコア3との組み合わせたものである。絶縁部材9は、コイル2とコア3との相対的な位置を決めるものである。
[コイル]
本例のコイル2は、巻線を巻回してなる巻回部20を備える。巻線には公知の巻線が利用可能である。本例の巻線は、被覆平角線である。被覆平角線の導体線は、銅製の平角線で構成されている。被覆平角線の絶縁被覆は、エナメルからなる。巻回部20は、被覆平角線をエッジワイズ巻きしたエッジワイズコイルで構成されている。本例に用いるコイル2では、一つの巻回部20を備える。本例とは異なり、コイル2は、複数の巻回部20を備えていても良い。例えば、互いに並列される二つの巻回部20を備えるコイル2が挙げられる。
巻回部20の形状は、矩形筒状である。矩形には、正方形が含まれる。即ち、巻回部20の端面形状は、矩形枠状である。巻回部20の形状が矩形筒状であることで、巻回部が同じ断面積の円筒状である場合に比較して、巻回部20と設置対象との接触面積が大きくなり易い。その結果、巻回部20を介してリアクトル構造体αの熱が設置対象に放熱され易い。更に、設置対象に対する巻回部20の安定性が向上する。巻回部20の角部は丸められていることが好ましい。
コイル2の巻線端部21,22はそれぞれ、巻回部20の外周側へ引き伸ばされている。巻線端部21及び巻線端部22では絶縁被覆が剥がされて導体線が露出している。露出した導体線には、バスバ4が接続される。本例の図では、巻線端部21に取り付けられるバスバ4のみ図示する。巻線端部22に取り付けられるバスバの構成は、図示されるバスバ4と同じであっても良いし、異なっていても良い。コイル2にはバスバ4を介して外部装置が接続される。外部装置の図示は省略する。外部装置としては、コイル2に電力供給を行なう電源などが挙げられる。
ここで、コイル2及びバスバ4を基準にしてリアクトル構造体αにおける方向を規定する。まず、コイル2の巻線端部21と、バスバ4の第一片41とが並列される方向をX方向とする。第一片41は、バスバ4のうち、巻線端部21に重ねられた状態で接続される部分である。第一片41の詳細な構成については後述する。このX方向に交差し、巻線端部21の延伸方向に沿った方向をY方向とする。本例では、Y方向はX方向に直交している。そして、X方向とY方向の両方に交差する方向をZ方向とする。本例では、Z方向は、X方向とY方向とに直交している。更に、以下に示す方向を規定する。
・X1方向…X方向のうち、バスバ4から見て巻線端部21に向う方向
・X2方向…X1方向の反対方向
・Y1方向…Y方向のうち、巻線端部21の先端に向う方向
・Y2方向…Y1方向の反対方向
・Z1方向…Z方向のうち、リアクトル1の設置対象から離れる方向(紙面上方向)
・Z2方向…Z1方向の反対方向
[コア]
コア3は、その内部に閉磁路が形成される磁性体である。コア3は、圧粉成形体及び複合材料の成形体などで構成される。圧粉成形体は、軟磁性粉末を含む原料粉末を加圧成形したものである。軟磁性粉末としては、純鉄及び鉄合金などが挙げられる。複合材料の成形体は、軟磁性粉末と未固化の樹脂との混合物を金型に充填し、樹脂を固化させたものである。複合材料の成形体では、軟磁性粉末が樹脂中に分散されている。
コア3は、内側コア部31と外側コア部32とを備える。内側コア部31は、コイル2の巻回部20の内部に配置され、巻回部20の軸方向に沿った部分である。本例では、コア3のうち、巻回部20の軸方向に沿った部分の両端部が巻回部20の端面から突出している。その突出する部分も内側コア部31の一部である。
内側コア部31の形状は、巻回部20の内部形状に沿った形状であれば特に限定されない。本例の内側コア部31は、略直方体状である。内側コア部31は、複数の分割コアとギャップ板とを連結した構成としても良いし、一つの部材としても良い。
外側コア部32は、コア3のうち、巻回部20の外部に配置される部分である。外側コア部32の形状は、内側コア部31の端部を繋ぐ形状であれば特に限定されない。本例の外側コア部32は、巻回部20におけるY1方向の端面に臨むエンドコア片と、巻回部20におけるY2方向の端面に臨むエンドコア片と、巻回部20におけるX1方向の側面に臨むサイドコア片と、巻回部20におけるX2方向の側面に臨むサイドコア片とを備える。従って、本例の外側コア部32は、Z方向から見たときに矩形環状である。
本例のコア3は、二つの分割コア3A,3Bによって構成される。分割コア3Aは、Z方向から見て略T字形状である。分割コア3Bは、Z方向から見て略E字形状である。分割コア3A,3Bの形状は特に限定されない。例えば、内側コア部31となる略I字型の分割コアと、外側コア部32となる略O字型の分割コアとの組み合わせが挙げられる。コア3は、三つ以上の分割コアから構成されていても良い。例えば、内側コア部31となる略I字型の分割コアと、外側コア部32となる二つの略U字型の分割コアとの組み合わせが挙げられる。
[絶縁部材]
本例の絶縁部材9は、コイル2とコア3とを一体化する樹脂モールド部6である。樹脂モールド部6は、コイル2及びコア3を外部環境から保護する機能も有する。本例の樹脂モールド部6は、巻回部20におけるZ方向の外面を覆っていない。つまり、巻回部20のZ方向の外面が樹脂モールド部6から露出している。その結果、コイル2で発生した熱が外部に放出され易くなる。
樹脂モールド部6は、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ポリアミド(PA)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂などの熱可塑性樹脂によって構成される。その他、樹脂モールド部6は、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂などで構成されていても良い。これらの樹脂にセラミックスフィラーが含有されることで、樹脂モールド部6の放熱性が向上される。セラミックスフィラーとしては、例えば、アルミナやシリカなどの非磁性粉末などが挙げられる。
樹脂モールド部6は、端子台61を備える。端子台61は、図示しない外部機器の接続端子を支持するための台座である。接続端子がバスバ4のZ1方向に臨む面に重ねられ、ネジ止めされる。端子台61には、接続端子を固定するネジが取り付けられるネジ孔61hが設けられている。本例のネジ孔61hは、Z方向に延びている。本例では端子台61にナットが埋設されている。このナットの内周面がネジ孔61hを構成している。このネジ孔61hの軸線は、後述するバスバ4の端子孔42hの軸線に一致している。従って、接続端子がネジ止めされることで、接続端子が端子台61に固定されると共に、接続端子がバスバ4に電気的に接続される。ここで、ナットは必須では無い。また、ネジ孔61hの軸線はZ方向に交差する方向に延びていても良い。
樹脂モールド部6は、組物10の全体を覆っていなくても良い。例えば、樹脂モールド部6は、組物10の下方側の部分のみを覆う構成であっても良い。樹脂モールド部6の下面は、リアクトル1を図示しない設置対象に面接触することが好ましい。樹脂モールド部6は、図示しない取付部を備えることが好ましい。取付部には、リアクトル1を設置対象に固定するネジが貫通される貫通孔が設けられていることが好ましい。この場合、貫通孔の軸線はZ方向に一致していることが好ましい。
樹脂モールド部6は、巻線端部21に対するバスバ4の位置を決める固定部8を備える。固定部8は、巻線端部21とバスバ4の第一片41とが当接した状態となるようにバスバ4の位置を決める。本例の固定部8は、Z1方向に沿って延びる二つのロッド81,82を備える。二つのロッド81,82は互いに間隔をあけて平行に配置されている。ロッド81,82の先端は先細り形状となっている。本例の構成では、二つのロッド81,82が、バスバ4の本体片40を挟み込むことで、巻線端部21に対するバスバ4の第一片41の位置が決まる。第一片41の詳細については後述する。
樹脂モールド部6は、図5に示されるように、ピン5を有する台座部60を備える。台座部60は、Y1方向を向く第一面6aに設けられている。台座部60におけるY1方向に臨む面は、X-Z平面に平行になっている。台座部60は、バスバ4の第二領域R2に面接触し、弾性変形したバスバ4に押圧される部分である。バスバ4の弾性変形の状態、及び第二領域R2については後述する。これら台座部60とピン5は、樹脂モールド部6に一体に設けられている。ここで、台座部60は必須ではない。台座部60が無い場合、バスバ4の第二領域R2は第一面6aに面接触する。
ピン5は、台座部60からY1方向に突出する。ピン5は、リアクトル1に対するバスバ4の第二片42の位置を決める部材であって、リアクトル1に対するバスバ4の振動を抑制する部材でもある。ピン5の機能の詳細は、バスバ4を説明する際に説明する。
本例のピン5は、先細り形状を備える。より具体的には、ピン5は、太さが一様な根元部と、太さが徐々に小さくなる先端部とを備える。本例の根元部は円柱である。本例の先端部は円錐台である。根元部の外寸は、後述するバスバ4のピン孔4hよりも若干小さい。例えば、根元部の外径はピン孔4hの内径よりも0.5mmから1.0mm程度小さい。
[その他]
リアクトル1は、図2に示されるコイル2とコア3とを保持する保持部材(図示せず)を備えていても良い。保持部材は、巻回部20の端面と外側コア部32との間に介在され、コイル2とコア3との間の絶縁を確保する機能を有する。保持部材は、樹脂モールド部6の製造に利用可能な絶縁材料によって形成される。つまり、保持部材は、コイル2とコア3との相対的な位置を決める絶縁部材9である。リアクトル1が保持部材を備える場合、樹脂モールド部6は無くても構わない。その場合、ピン5は保持部材に設けられることが好ましい。
≪バスバ≫
バスバ4は、図1に示されるように、コイル2と外部機器(図示せず)とを電気的に接続する部材である。従って、バスバ4は、導電性に優れる金属によって構成される。そのような金属として、銅、銅合金、アルミニウム、又はアルミニウム合金などが挙げられる。バスバ4は、図3,4に示されるように、第一片41と第二片42と本体片40とを備える。
第一片41は、コイル2の巻線端部21に重ねられた状態で接続される部分である。本例の第一片41は矩形板状である。矩形板状の第一片41の厚み方向はX方向に一致している。また、平角線からなる巻線端部21の厚み方向もX方向に一致している。従って、第一片41のX1方向に臨む面と、巻線端部21のX2方向に臨む面とが面接触する。第一片41と巻線端部21とは、溶接又は圧接などによって接続される。溶接としてはTIG溶接などが挙げられる。圧接としては摩擦撹拌接合などが挙げられる。その他、第一片41と巻線端部21を外周から締め付ける環状の留め具などで第一片41と巻線端部21とが接続されていても良い。
第二片42は、外部機器と接続される部分である。第二片42は、第一片41からX2方向に離れた位置に配置される。本例の第二片42は、外部機器の接続端子と接続される平板状に形成されている。第二片42の厚み方向はZ方向に一致している。第二片42には、第二片42を厚み方向に貫通する端子孔42hが設けられている。端子孔42hの軸線はZ方向に一致している。この端子孔42hは、樹脂モールド部6の端子台61のネジ孔61hに一致している。第二片42のZ1方向に臨む面に、外部機器の接続端子を重ね合わせてネジ止めすることで、第二片42と接続端子とが電気的に接続される。
本体片40は、第一片41と第二片42とをつなぐ部分である。本例の本体片40は概略X方向に沿って延びる板状片である。より具体的には、本体片40は、板状片の一部を板状片の厚み方向に屈曲させることで構成されている。この本体片40は、第一領域R1と第二領域R2とに分けられる。第一領域R1は第一片41につながり、固定部8(図1,5参照)に接触する部分である。第一領域R1は、図1に示されるように、固定部8に保持される。本例の第一領域R1は、Z方向から見てS字状に屈曲されている。そのS字状に屈曲された部分がロッド81,82に引っ掛けられている。より具体的には、S字状に屈曲された部分における二つの湾曲部の内周側にそれぞれ、ロッド81,82が配置されている。
S字状に屈曲された本例の第一領域R1は、本体片40をY方向に弾性変形し易くする弾性変形部40sとしても機能する。第一領域R1が弾性変形部40sとなっていることで、本体片40がY方向に曲げられたときに、本体片40が塑性変形し難い。
第二領域R2は、第一領域R1と第二片42との間の部分である。つまり、第二領域R2は、本体片40における第一領域R1を除く部分である。本例の第二領域R2は、第一領域R1からX2方向とY2方向の間の方向に延びる部分と、X1方向とY2方向の間の方向に凸となるように湾曲する部分と、概略X2方向に延びる部分とで構成されている。第二領域R2における湾曲部分は、本体片40をY方向に弾性変形し易くする機能を有するものの、弾性変形部40sよりも弾性変形し難い。
無負荷におけるバスバ4をZ方向から見た本例の第二領域R2の直線部は、図4に示されるように、第一片41から離れるに従ってY2方向に延びている。つまり、バスバ4をZ方向から見て、第一片41に沿った仮想線と、第二領域R2の直線部に沿った仮想線とのなす角は90°超である。本体片40の第二領域R2は、図1に示されるように、バスバ4がリアクトル1に取り付けられたときに、X-Z平面に平行な台座部60に当接する。リアクトル構造体αにおける本体片40はY1方向に弾性変形され、X-Z平面にほぼ平行になっている。本体片40の弾性変形の反力は、Y2方向に作用する。第二領域R2は台座部60にのみ当接しているため、第二領域R2は台座部60をY2方向に強く押圧する。その結果、リアクトル1に対してバスバ4が動き難くなる。
ここで、Z方向から見た第一片41と第二領域R2とのなす角は90°超に限定されるわけではない。リアクトル構造体αにおいて本体片40がY1方向に弾性変形された状態となるのであれば、第一片41に沿った仮想線と、第二領域R2に沿った仮想線とのなす角は90°以下であっても良い。
図3に示されるように、第二領域R2における第二片42寄りの部分は、局所的に幅広になっている。この幅広部分にはピン孔4hが設けれている。ピン孔4hは、第二領域R2を厚み方向に貫通する貫通孔である。図1に示されるように、ピン孔4hにはピン5が貫通される。ピン孔4hの内径は、ピン5の外径よりも若干大きくなっている。ピン5にピン孔4hが嵌め込まれることで、X方向及びZ方向におけるバスバ4の第二片42の位置が決まる。Y方向における第二片42の位置は、バスバ4が台座部60に当接することによって決まる。
ピン5がY1方向に突出する構成では、バスバ4がY方向に交差するX方向に動くと、ピン5の外周面にピン孔4hの内周面に引っ掛かるので、バスバ4のX方向の振動が抑制される。同様に、バスバ4がY方向に交差するZ方向に動くと、ピン5の外周面にピン孔4hの内周面が引っ掛かるので、バスバ4のZ方向の振動が抑制される。
[バスバの取付け手順]
バスバ4の取付け手順を図5に基づいて説明する。まず、図5に示されるように、バスバ4におけるS字に屈曲された第一領域R1が、二本のロッド81,82の間に差し込まれる。バスバ4は、Z1方向からZ2方向に向かって差し込まれる。その際、バスバ4の第二片42は、下向きの白抜き矢印に示すように、Y1方向に引っ張られている。本体片40はY1方向に弾性変形された状態になっている。
ロッド81,82が設けられる台座の端面に第一領域R1が当接すると、バスバ4のピン孔4hがピン5に一致する位置に配置される。その状態において、第二片42の引っ張りが解放されると、ピン5がピン孔4hに貫通され、バスバ4の第二領域R2が台座部60に押し付けられる。その結果、第一片41が巻線端部21に当接した状態となり、かつ第二片42の端子孔42hが端子台61のネジ孔61hと同軸に配置される。
最後に、第一片41と巻線端部21とが溶接などで接合される。このとき、バスバ4のY方向の動きは、バスバ4の弾性によって規制される。バスバ4のX方向及びZ方向の動きはピン5に規制される。巻線端部21に対して第一片41の位置がずれ難いため、バスバ4の第一片41と巻線端部21とを容易に接合させられる。
≪リアクトル構造体の設置手順≫
図1のリアクトル構造体αは、例えば設置対象にネジ止めされる。設置対象としては、例えばコンバータを収納するコンバータケースなどが挙げられる。設置対象にネジ止めされたリアクトル構造体αに対して、外部機器の接続端子が取り付けられる。ここで、端子台61に接続端子をネジ止めする際、ネジ軸回りにバスバ4を回転させるトルクが発生する。本例の構成では、固定部8とピン5によってバスバ4の動きが規制されているため、第一片41と巻線端部21の接続箇所に過大なトルクが作用することが抑制される。
≪効果≫
本例のリアクトル構造体αでは、バスバ4をリアクトル1に固定するネジが必要ない。このように、リアクトル構造体αは、バスバ4を固定するネジを必要とせず、ネジを取り付ける作業も必要としない。従って、本例のリアクトル構造体αは生産性に優れる。
本例のリアクトル構造体αでは、X方向、Y方向、及びZ方向へのバスバ4の振動が抑制されている。そのため、バスバ4の振動に起因する応力が第一片41と巻線端部21との接続箇所に作用し難い。従って、従来技術のようにバスバ4の中間部がネジ止めされていなくても、接続箇所の信頼性が確保される。
<変形例1>
図6に示されるように、バスバ4の第一領域R1を保持するロッド81は一本でも良い。ロッド81の代わりに、実施形態1のロッド82のみが設けられる構成であっても良い。
<変形例2>
ピン5は、コア3に設けられていても良い。例えば、コア3の外側コア部32にピンが設けられていても良い。その場合、ピン5とバスバ4との絶縁を確保する必要がある。例えば、ピン5全体を絶縁材料によって構成することが挙げられる。その他、ピン5の外周及びバスバ4の外周の少なくとも一方に絶縁被覆を形成することが挙げられる。コア3が複合材料の成形体で構成される場合、ピン5の形成が容易である。
<実施形態2>
実施形態2では、バスバ4の形状、及び固定部8の形状が実施形態1と異なるリアクトル構造体を図7に基づいて説明する。
本例の固定部8は、X方向に延びる直線状の溝83を備える。この溝83にバスバ4の第一領域R1が嵌め込まれることで、バスバ4の位置が決められる。
本例のバスバ4の第一領域R1は、第一片41に直角につながっている。本例の第一領域R1はほとんど弾性変形しない。本例の第一領域R1はもっぱら、第一片41の位置を決めるためのものである。
本例のバスバ4の第二領域R2は、第二領域R2の一部が屈曲されることで構成される弾性変形部40sを備える。弾性変形部40sは、第一領域R1につながっている。本例の弾性変形部40sは、X1方向からX2方向に向かうに従って、Y2方向側に湾曲した後、X2方向に湾曲した箇所である。第二領域R2が弾性変形部40sを有することで、本体片40が塑性変形することなくY1方向に弾性変形できる。
本例の構成によっても実施形態1と同様の効果が得られる。
<実施形態3>
実施形態3では、ピン孔4hが第二片42に設けられたリアクトル構造体を図8に基づいて説明する。図8には、バスバ4のみが図示されている。
図8に示されるように、本例のバスバ4のピン孔4hは、第二片42に設けられている。従って、ピン孔4hの軸線は、Z方向に一致している。このピン孔4hに貫通される図示しないピンはZ1方向に延びる。本例の構成では、バスバ4のX方向の振動とY方向の振動が、ピンによって効果的に抑制される。
<実施形態4>
実施形態4では、組物10を収納するケース7を備えるリアクトル構造体αを図9に基づいて説明する。ケース7はリアクトル1の一部である。
ケース7は、少なくともバスバ4が接触する部分が絶縁材料によって構成される樹脂部70を備える。本例のケース7は、組物10が載置される底板部71と、組物10の側面を覆う側壁部72とを備える。本例の場合、側壁部72全体が樹脂部70によって構成されている。
本例の側壁部72は、組物10のZ1方向の端部よりも高い。従って、組物10全体が、ケース7内に収納される。この側壁部72には、ケース7内に収納される組物10の巻線端部21をケース7外に導くスリット72sが設けられている。本例の構成では、ピン5と端子台61と固定部8とが側壁部72の外周面に設けられている。ピン5と端子台61と固定部8の構成は、実施形態1と同じである。
底板部71は、絶縁材料で構成されていても良いし、金属で構成されていても良い。金属製の底板部71は、剛性と熱伝導性に優れる。金属製の底板部71と組物10との間には絶縁シートが配置されていることが好ましい。底板部71は、複数の取付部76が設けられている。底板部71の取付部76は、ケース7を設置対象に固定するためのものである。取付部76には貫通孔76hが設けられている。貫通孔76hの軸線はZ方向に一致している。貫通孔76hには、ケース7を設置対象に固定するネジが配置される。
本例の構成によっても、バスバ4がリアクトル1に安定して取り付けられる。バスバ4の中間部をネジで止める必要もない。
<実施形態5>
≪コンバータ・電力変換装置≫
実施形態に係るリアクトル構造体αは、以下の通電条件を満たす用途に利用できる。通電条件としては、例えば、最大直流電流が100A以上1000A以下程度であり、平均電圧が100V以上1000V以下程度であり、使用周波数が5kHz以上100kHz以下程度であることが挙げられる。実施形態に係るリアクトル構造体αは、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車両などに載置されるコンバータの構成部品や、このコンバータを備える電力変換装置の構成部品に利用できる。
ハイブリッド自動車や電気自動車などの車両1200は、図10に示すようにメインバッテリ1210と、メインバッテリ1210に接続される電力変換装置1100と、メインバッテリ1210からの供給電力により駆動して走行に利用されるモータ1220とを備える。モータ1220は、代表的には、3相交流モータであり、走行時、車輪1250を駆動し、回生時、発電機として機能する。ハイブリッド自動車の場合、車両1200は、モータ1220に加えてエンジン1300を備える。図10では、車両1200の充電箇所としてインレットを示すが、プラグを備える形態とすることができる。
電力変換装置1100は、メインバッテリ1210に接続されるコンバータ1110と、コンバータ1110に接続されて、直流と交流との相互変換を行うインバータ1120とを有する。この例に示すコンバータ1110は、車両1200の走行時、200V以上300V以下程度のメインバッテリ1210の入力電圧を400V以上700V以下程度にまで昇圧して、インバータ1120に給電する。コンバータ1110は、回生時、モータ1220からインバータ1120を介して出力される入力電圧をメインバッテリ1210に適合した直流電圧に降圧して、メインバッテリ1210に充電させている。入力電圧は、直流電圧である。インバータ1120は、車両1200の走行時、コンバータ1110で昇圧された直流を所定の交流に変換してモータ1220に給電し、回生時、モータ1220からの交流出力を直流に変換してコンバータ1110に出力している。
コンバータ1110は、図11に示すように複数のスイッチング素子1111と、スイッチング素子1111の動作を制御する駆動回路1112と、リアクトル構造体1115とを備え、ON/OFFの繰り返しにより入力電圧の変換を行う。入力電圧の変換とは、ここでは昇降圧を行う。スイッチング素子1111には、電界効果トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタなどのパワーデバイスが利用される。リアクトル構造体1115は、回路に流れようとする電流の変化を妨げようとするコイルの性質を利用し、スイッチング動作によって電流が増減しようとしたとき、その変化を滑らかにする機能を有する。リアクトル構造体1115として、実施形態1から実施形態4のいずれかのリアクトル構造体αを備える。生産性に優れるリアクトル構造体αなどを備えることで、電力変換装置1100やコンバータ1110は、生産性に優れる。
車両1200は、コンバータ1110の他、メインバッテリ1210に接続された給電装置用コンバータ1150や、補機類1240の電力源となるサブバッテリ1230とメインバッテリ1210とに接続され、メインバッテリ1210の高圧を低圧に変換する補機電源用コンバータ1160を備える。コンバータ1110は、代表的には、DC-DC変換を行うが、給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160は、AC-DC変換を行う。給電装置用コンバータ1150のなかには、DC-DC変換を行うものもある。給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160のリアクトル構造体1115に、実施形態1から実施形態4のいずれかのリアクトル構造体αなどと同様の構成を備え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトル構造体を利用できる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、実施形態1から実施形態4のいずれかのリアクトル構造体αなどを利用することもできる。
α リアクトル構造体
1 リアクトル
10 組物
2 コイル
20 巻回部、21,22 巻線端部
3 コア
3A,3B 分割コア
31 内側コア部、32 外側コア部
4 バスバ
40 本体片、R1 第一領域、R2 第二領域、40s 弾性変形部
41 第一片
42 第二片、42h 端子孔
4h ピン孔
5 ピン
6 樹脂モールド部
6a 第一面
60 台座部
61 端子台、61h ネジ孔
7 ケース
70 樹脂部、71 底板部、72 側壁部、72s スリット
76 取付部、76h 貫通孔
8 固定部
81,82 ロッド、83 溝
9 絶縁部材
1100 電力変換装置
1110 コンバータ、1111 スイッチング素子、1112 駆動回路
1115 リアクトル構造体、1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ、1160 補機電源用コンバータ
1200 車両
1210 メインバッテリ、1220 モータ、1230 サブバッテリ
1240 補機類、1250 車輪
1300 エンジン

Claims (12)

  1. コイル及びコアを有するリアクトルと、
    前記コイルを外部機器に電気的に接続するバスバと、を備えるリアクトル構造体であって、
    前記バスバは、
    前記コイルの巻線端部に重ねられた状態で接続される第一片と、
    前記第一片からX方向に離れた位置に配置され、前記外部機器と接続される第二片と、
    前記第一片と前記第二片とをつなぐ本体片と、
    前記本体片又は前記第二片に設けられるピン孔とを備え、
    前記本体片は、Y方向における前記リアクトルから離れる方向に弾性変形されており、
    前記リアクトルは、
    前記第一片が前記巻線端部に当接した状態となるように前記バスバの位置を決める固定部と、
    前記Y方向又はZ方向に突出し、前記ピン孔に貫通されるピンとを備え、
    前記本体片は、
    前記固定部に保持される第一領域と、
    前記リアクトルにおける前記固定部から前記X方向に離れた部分を押圧する第二領域とを有し、
    前記X方向は、前記巻線端部と前記第一片とが並列される方向であり、
    前記Y方向は、前記X方向に交差し、かつ前記巻線端部の延伸方向に沿った方向であり、
    前記Z方向は、前記X方向と前記Y方向とに交差する方向である、
    リアクトル構造体。
  2. 前記ピン孔の軸線は、前記Y方向に延びる請求項1に記載のリアクトル構造体。
  3. 前記リアクトルは、前記リアクトルを設置対象に固定するネジが貫通される貫通孔を備え、
    前記貫通孔の軸線は、前記Z方向に一致する請求項1又は請求項2に記載のリアクトル構造体。
  4. 前記リアクトルは、前記ピンの根元に設けられる台座部を備え、
    前記台座部は、前記バスバの前記第二領域に当接する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル構造体。
  5. 前記バスバは、前記本体片の一部が屈曲されることで構成される弾性変形部を備える
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル構造体。
  6. 前記弾性変形部は、前記Z方向から見てS字状に屈曲された形状を備える請求項5に記載のリアクトル構造体。
  7. 前記固定部は、前記Z方向に延びるロッドを備え、
    前記弾性変形部のS字状に屈曲された部分が、前記ロッドに引っ掛けられる請求項6に記載のリアクトル構造体。
  8. 前記リアクトルは、前記コイルと前記コアとの相対的な位置を決める絶縁部材を備え、
    前記ピン及び前記固定部は、前記絶縁部材に設けられる請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のリアクトル構造体。
  9. 前記絶縁部材は、前記コイルと前記コアとを一体化する樹脂モールド部である請求項8に記載のリアクトル構造体。
  10. 前記リアクトルは、前記コアと前記コイルの組物を収納するケースを備え、
    前記ケースは、絶縁材料によって構成される樹脂部を備え、
    前記ピン及び前記固定部は、前記樹脂部に設けられる請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のリアクトル構造体。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のリアクトル構造体を備える、
    コンバータ。
  12. 請求項11に記載のコンバータを備える、
    電力変換装置。
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