JP2022140160A - 亜鉛二次電池 - Google Patents

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朋大 高橋
Tomohiro Takahashi
淳宣 松矢
Junki Matsuya
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Abstract

【課題】クリープ現象を効果的に阻止可能な亜鉛二次電池を提供する。【解決手段】(a)正極板、正極集電部材、負極板、負極集電部材、水酸化物イオン伝導セパレータ及び電解液を含む単位セルと、(b)単位セルを収容する電池容器と、(c1)正極集電部材に接続し、電池容器から突出する正極端子と、(c2)負極集電部材に接続し、電池容器から突出する負極端子とを備えた亜鉛二次電池。集電部材及び/又は電極端子は、端子の先端と電極板との間の、電解液に浸漬されない区間の一部において、その全周にわたって、表面改質及び/又は気相成膜により不導体化された表面で構成されるクリープ阻止領域を有する。不導体化された表面は、更なるコーティングが設けられることなく露出している。【選択図】図1

Description

本発明は、亜鉛二次電池に関するものである。
アルカリ系電池において、クリープと呼ばれる現象(以下、クリープ現象という)が知られている。クリープ現象とは、電極端子の表面を電解液中のアルカリ成分が這い上がり電池容器の外部に漏出する現象である。そこで、クリープ現象に対処した電池が幾つか提案されている。例えば、特許文献1(特開平7-254396号公報)には、負極活物質として無水銀の亜鉛を用いるボタン型アルカリ電池において、負極端子板の内面を錫又は錫合金で10~100μm被覆してその表面を研摩することで、表面の錫酸化物の量を所定量に制御することが開示されている。また、特許文献2(特許第6561915号公報)には、電極端子の表面に不導体層を形成し、この不導体層上にニッケル及び/又はニッケル鉄合金を含む金属層を積層したニッケル水素電池が開示されている。
ところで、ニッケル亜鉛二次電池、空気亜鉛二次電池等の亜鉛二次電池では、充電時に負極から金属亜鉛がデンドライト状に析出し、不織布等のセパレータの空隙を貫通して正極に到達し、その結果、短絡を引き起こすことが知られている。このような亜鉛デンドライトに起因する短絡は繰り返し充放電寿命の短縮を招く。この問題に対処すべく、水酸化物イオンを選択的に透過させながら、亜鉛デンドライトの貫通を阻止する、層状複水酸化物(LDH)セパレータを備えた電池が提案されている(例えば、特許文献3(国際公開第2016/076047号)、特許文献4(国際公開第2019/124270号)参照)。また、LDHとは呼べないもののそれに類する層状結晶構造の水酸化物及び/又は酸化物としてLDH様化合物が知られており、LDHとともに水酸化物イオン伝導層状化合物と総称できる程に類似した水酸化物イオン伝導特性を呈する。例えば、特許文献5(国際公開第2020/255856号)には、多孔質基材と、前記多孔質基材の孔を塞ぐ層状複水酸化物(LDH)様化合物とを含む、水酸化物イオン伝導セパレータが開示されている。特許文献6(国際公開第2019/069760号)及び特許文献7(国際公開第2019/077953号)には、負極活物質層の全体を保液部材及びLDHセパレータで覆う又は包み込み、かつ、正極活物質層を保液部材で覆う又は包み込んだ構成の亜鉛二次電池が提案されている。保液部材としては不織布が用いられている。かかる構成によれば、LDHセパレータと電池容器との煩雑な封止接合を不要にして、亜鉛デンドライト伸展を防止可能な亜鉛二次電池(特にその積層電池)を極めて簡便にかつ高い生産性で作製することができるとされている。
特開平7-254396号公報 特許第6561915号公報 国際公開第2016/076047号 国際公開第2019/124270号 国際公開第2020/255856号 国際公開第2019/069760号 国際公開第2019/077953号
特許文献1及び2に開示されるような従来のクリープ対策は、金属層等の被膜を端子の表面に設けるものであるが、そのような手法を採用しても、クリープ現象を阻止できる効果は不十分である。このため、クリープ現象をより効果的に阻止できる手法が求められている。
本発明者らは、今般、集電部材ないし電極端子の所定の一部区間において、その全周にわたって表面改質及び/又は気相成膜により不導体化することにより、亜鉛二次電池におけるクリープ現象を効果的に阻止できるとの知見を得た。
したがって、本発明の目的は、クリープ現象を効果的に阻止可能な亜鉛二次電池を提供することにある。
本発明の一態様によれば、
(a)正極活物質層及び正極集電体を含む正極板と、
前記正極集電体から延出する又はそれに接続する金属製の正極集電部材と、
亜鉛、酸化亜鉛、亜鉛合金及び亜鉛化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む負極活物質層、及び負極集電体を含む負極板と、
前記負極集電体から延出する又はそれに接続する金属製の負極集電部材と、
前記正極板及び前記負極板を水酸化物イオン伝導可能に隔離する水酸化物イオン伝導セパレータと、
電解液と、
を含む単位セルと、
(b)前記単位セルを収容する電池容器と、
(c1)前記正極集電部材に接続し、前記電池容器から突出する正極端子と、
(c2)前記負極集電部材に接続し、前記電池容器から突出する負極端子と、
を備えた、亜鉛二次電池であって、
前記正極集電部材及び/又は前記正極端子が、前記正極端子の先端と前記正極板との間の、前記電解液に浸漬されない区間の一部において、その全周にわたって、表面改質及び/又は気相成膜により不導体化された表面で構成されるクリープ阻止領域を有し、かつ、
前記負極集電部材及び/又は前記負極端子が、前記負極端子の先端と前記負極板との間の、前記電解液に浸漬されない区間の一部において、その全周にわたって、表面改質及び/又は気相成膜により不導体化された表面で構成されるクリープ阻止領域を有し、
前記不導体化された表面は、その上に更なるコーティングが設けられることなく露出している、亜鉛二次電池が提供される。
本発明による亜鉛二次電池の一例を示す模式断面図である。 図1に示される亜鉛二次電池のA-A’線断面を模式的に示す図である。 図1に示される亜鉛二次電池の電池要素を模式的に示す斜視図である。 図1に示される亜鉛二次電池の電池要素を模式的に示す断面図である。 本発明の亜鉛二次電池における、集電部材の不導体化された表面(クリープ阻止領域)でクリープ現象が阻止されるメカニズムを説明するための概念図である。 本発明の亜鉛二次電池における、集電部材のクリープ阻止領域における表面状態を模式的に示す断面図である。 実施例におけるクリープ抑制効果の評価試験に用いた測定系における、集電部材の配置を模式的に示す図である。 従来技術におけるクリープ現象のメカニズムを説明するための概念図である。 従来技術におけるクリープ現象対策として、絶縁テープで集電部材を巻いた例をその推定される表面状態とともに模式的に示す断面図である。 従来技術におけるクリープ現象対策として、塗料を集電部材にコーティングした例をその推定される表面状態とともに模式的に示す断面図である。
亜鉛二次電池
本発明の亜鉛二次電池は、亜鉛を負極として用い、かつ、アルカリ電解液(典型的にはアルカリ金属水酸化物水溶液)を用いた二次電池であれば特に限定されない。したがって、ニッケル亜鉛二次電池、酸化銀亜鉛二次電池、酸化マンガン亜鉛二次電池、空気亜鉛二次電池、その他各種のアルカリ亜鉛二次電池であることができる。例えば、正極活物質層が水酸化ニッケル及び/又はオキシ水酸化ニッケルを含み、それにより亜鉛二次電池がニッケル亜鉛二次電池をなすのが好ましい。あるいは、正極活物質層が空気極層であり、それにより亜鉛二次電池が空気亜鉛二次電池をなしてもよい。
図1~4に本発明による亜鉛二次電池及びその内部構造の一態様を示す。これらの図に示される亜鉛二次電池10は、(a)正極板12、正極集電部材13、負極板14、負極集電部材15、水酸化物イオン伝導セパレータ16、及び電解液18を含む単位セル10aと、(b)電池容器20と、(c1)正極端子26と、(c2)負極端子28とを備える。正極板12は、正極活物質層12a及び正極集電体(図示せず)を含む。正極集電部材13は、正極集電体から延出する又はそれに接続する金属製の部材である。負極板14は負極活物質層14a及び負極集電体を含む14bを含む。負極活物質層14aは、亜鉛、酸化亜鉛、亜鉛合金及び亜鉛化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む。負極集電部材15は、負極集電体14bから延出する又はそれに接続する金属製の部材である。水酸化物イオン伝導セパレータ16は、正極板12及び負極板14を水酸化物イオン伝導可能に隔離する。電池容器20は、単位セル10aを収容する。正極端子26は、正極集電部材13に接続し、電池容器20から突出する。負極端子28は、負極集電部材15に接続し、電池容器20から突出する。
そして、正極集電部材13及び/又は正極端子26が、正極端子26の先端と正極板12との間の、電解液18に浸漬されない区間の一部において、その全周にわたって、表面改質及び/又は気相成膜により不導体化された表面で構成されるクリープ阻止領域Cを有する。それにより、正極集電部材13及び/又は正極端子26の、正極端子26又はその先端寄りの領域と、正極集電部材13及び/又は正極端子26の、正極板12寄りの領域とがクリープ阻止領域Cで隔離されている。同様に、負極集電部材15及び/又は負極端子28が、負極端子28の先端と負極板14との間の、電解液18に浸漬されない区間の一部において、その全周にわたって、表面改質及び/又は気相成膜により不導体化された表面で構成されるクリープ阻止領域Cを有する。それにより、負極集電部材15及び/又は負極端子28の、負極端子28又はその先端寄りの領域と、負極集電部材15及び/又は負極端子28の、負極板14寄りの領域とがクリープ阻止領域Cで隔離されている。これらの不導体化された表面は、その上に更なるコーティングが設けられることなく露出している。このように、電極端子と電極板との間に存在する集電部材の所定の一部区間において、その全周にわたって表面改質及び/又は気相成膜により不導体化された表面で構成されるクリープ阻止領域Cを形成することにより、亜鉛二次電池10におけるクリープ現象を効果的に阻止することができる。
ところで、クリープ現象とは、電極端子の表面を電解液が這い上がって電解液が電池容器の外部に漏出する現象である。図8に金属部材30(電極端子や集電部材を想定したもの)の一部を電解液18(水酸化カリウム水溶液を想定)に浸漬した場合におけるクリープ現象のメカニズムを概念的に示す。図8に示されるように、クリープ現象は、1)周囲環境に由来するHO分子と金属部材30に存在する電子eが結合してOHを生成し、2)このOHに電解液18中のKが引き寄せられ、3)KとOHが結合して塩(KOH)が生成することにより進展する。こうして、電解液18の存在しない金属部材30の領域に電解液18の成分(KOH)が生成するため、結果として、この現象は、電解液18が金属部材30を這い上がる現象として観察される。この点、前述したとおり、クリープ現象に対処する従来技術として、被膜を端子の表面に設けるものが知られているが、そのような手法を採用しても、クリープ現象を阻止できる効果は不十分である。これは、被覆層と金属部材の間の隙間や被覆層の欠陥を経てOHが電解液から端子に向かう方向に通過できてしまうためではないかと考えられる。例えば、図9に示されるように、金属部材30を絶縁テープ32で巻くことでクリープ対策を施した場合、絶縁テープ32と金属部材30との間には僅かな隙間が生じる。また、図10に示されるように金属部材30に塗料を塗布することでクリープ対策を施した場合、塗料34と金属部材30との間に隙間が生じるのみならず、熱膨張率の差による塗料34の部分的な割れや剥がれが進行して欠陥が生じる。このような隙間や欠陥の存在が、従来のクリープ対策では効果が不十分になる理由であると推察される。
これに対して、本発明においては、正極集電部材13及び/又は正極端子26が所定の区画の一部において、その全周にわたって不導体化された表面で構成されるクリープ阻止領域Cを有する。同様に、負極集電部材15及び/又は負極端子28が所定の区間の一部において、その全周にわたって、表面改質及び/又は気相成膜により不導体化された表面で構成されるクリープ阻止領域Cを有する。そして、この不導体化された表面は、表面改質及び/又は気相成膜により実現されたものであり、その上に更なるコーティングが設けられることなく露出している。かかる構成によれば、亜鉛二次電池10におけるクリープ現象が効果的に阻止される。図5に、本発明による不導体化された表面30aがクリープ阻止領域Cとして形成された金属部材30(電極端子や集電部材を想定したもの)を電解液18に浸漬した場合における現象の推定メカニズムを概念的に示す。この構成においては、図5に示されるように、空気由来のHOと電子eが出会わないため、OHが生成されない。その結果、クリープ阻止領域CではKとOHが結合する機会が失われて、塩(KOH)が生成されないことになる。つまり、クリープ阻止領域Cの直下までしか塩の析出及び進展(すなわち電解液18の這い上がり)は進行せず、それ故、クリープ阻止領域Cでクリープ現象が効果的に阻止されるものと考えられる。これは、本発明による不導体化された表面30aは、(従来技術による被覆ではなく)表面改質及び/又は気相成膜により形成されたものであり、しかもその上に更なるコーティングが設けられることなく露出しているためである。このため、図6に示されるように、クリープ阻止領域Cにおける、金属部材30の金属母材と不導体化された表面の間には分子レベルでの空隙も存在しないと考えられる。換言すれば、表面改質や気相成膜によれば、金属部材30の表面凹凸に完全に密着させた状態の絶縁層を形成できるといえる。その結果、電解液由来OHが端子に向かう方向への通過を許容する隙間が無いことになるため、図6における×印の所でOHの移動が阻止されると考えられる。
上述のとおり、クリープ阻止領域Cは、正極集電部材13や負極集電部材15に形成してもよいし、正極端子26や負極端子28に形成してもよい。また、クリープ阻止領域Cは、電池容器20の内部、外部、又はそれらの両方のいずれに存在してもよいが、電池機能の維持及び確保の観点から、電池容器20の内部に存在するのが好ましい。電池容器20の内部におけるクリープ阻止領域Cは、典型的には、正極集電部材13及び負極集電部材15に形成されるが、正極端子26や負極端子28が電池容器20の内部にまで到達している場合、正極端子26や負極端子28の電池容器20内部に位置する部分にクリープ阻止領域Cを形成してもよい。電池容器20の外部におけるクリープ阻止領域Cは、典型的には、正極端子26や負極端子28(望ましくは上蓋20a近傍の根元部分)に形成されるが、正極集電部材13や負極集電部材15が電池容器20の外部に到達している場合、正極集電部材13や負極集電部材15の電池容器20の外部に位置する部分(望ましくは上蓋20a近傍の根元部分)にクリープ阻止領域Cを形成してもよい。いずれにしても、クリープ阻止領域Cは、クリープ現象を阻止するのに適した幅を有することが望まれる。かかる観点から、クリープ阻止領域Cの好ましい幅(電流が流れる方向と平行な方向の長さ)は、1~20mmであり、より好ましくは1~15mm、さらに好ましくは1~10mm、1~5mm、又は1~2mmである。
不導体化された表面は、表面改質及び/又は気相成膜により形成されたものである。表面改質による不導体化は、正極集電部材13、正極端子26、負極集電部材15及び負極端子28の少なくとも1つを構成する金属の窒化又は酸化であるのが好ましい。窒化又は酸化は公知の様々な手法により行うことができ特に限定されない。特に好ましい窒化又は酸化は、均一性の観点から、プラズマ窒化又はプラズマ酸化である。この場合、市販のプラズマ処理装置内で電極間にプロセスガスを供給してプラズマを発生させることにより窒化又は酸化を行うことができる。この装置の電源は高周波が一般的であるが、マイクロ波も使用可能である。また、装置内は低圧及び高圧(大気圧)のいずれも使用可能である。また、プラズマ源として、プラズマジェットや、液中で処理する液中プラズマも使用可能である。あるいは、別の酸化手法として、集電部材や端子の表面に存在しうる防食めっきを部分的に剥離して、当該剥離部分の酸化(例えば自然酸化)を促すことで不導体化された表面を形成することも可能である。一方、気相成膜による不導体化も公知の様々な手法により行うことができ特に限定されないが、例えば、スパッタリングにより絶縁膜を形成することにより行うのが好ましい。
正極板12は、正極活物質層12aを含む。正極活物質層12aを構成する正極活物質は、亜鉛二次電池の種類に応じて公知の正極材料を適宜選択すればよく、特に限定されない。例えば、ニッケル亜鉛二次電池の場合には、水酸化ニッケル及び/又はオキシ水酸化ニッケルを含む正極を用いればよい。あるいは、空気亜鉛二次電池の場合には、空気極を正極として用いればよい。正極板12は正極集電体(図示せず)をさらに含んでおり、正極集電体から(例えば上方向に)延出する又はそれに接続する金属製の正極集電部材13がさらに設けられる。正極集電体の好ましい例としては、発泡ニッケル板等のニッケル製多孔質基板が挙げられる。この場合、例えば、ニッケル製多孔質基板上に水酸化ニッケル等の電極活物質を含むペーストを均一に塗布して乾燥させることにより正極/正極集電体からなる正極板を好ましく作製することができる。その際、乾燥後の正極板(すなわち正極/正極集電体)にプレス処理を施して、電極活物質の脱落防止や電極密度の向上を図ることも好ましい。なお、図5に示される正極板12は正極集電体(例えば発泡ニッケル)を含むものであるが図示されていない。これは、ニッケル亜鉛二次電池の場合、正極集電体が正極活物質と渾然一体化しているため、正極集電体を個別に描出できないためである。正極集電部材13は正極集電体と同じ材料で構成されていてもよいし、異なる材料で構成されていてもよい。正極集電体が発泡ニッケル板等のニッケル製多孔質基板の場合、これをプレスすることでタブ状に加工することができる。いずれにしても、そのようなタブにタブリード等の別の集電部材を継ぎ足して正極集電部材13を延長してもよい。いずれにしても、複数枚の正極集電部材13が1つの正極端子26又はそれと電気的に接続された更なる正極集電部材13に接合されるのが好ましい。
正極板12は、銀化合物、マンガン化合物、及びチタン化合物からなる群から選択される少なくとも1種である添加剤を含んでいてもよく、これにより自己放電反応により発生する水素ガスを吸収する正極反応を促進することができる。また、正極板12は、コバルトをさらに含んでいてもよい。コバルトは、オキシ水酸化コバルトの形態で正極板12に含まれるのが好ましい。正極板12において、コバルトは導電助剤として機能することで、充放電容量の向上に寄与する。
負極板14は負極活物質層14aを含む。負極活物質層14aを構成する負極活物質は、亜鉛、酸化亜鉛、亜鉛合金及び亜鉛化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む。亜鉛は、負極に適した電気化学的活性を有するものであれば、亜鉛金属、亜鉛化合物及び亜鉛合金のいずれの形態で含まれていてもよい。負極材料の好ましい例としては、酸化亜鉛、亜鉛金属、亜鉛酸カルシウム等が挙げられるが、亜鉛金属及び酸化亜鉛の混合物がより好ましい。負極活物質はゲル状に構成してもよいし、電解液18と混合して負極合材としてもよい。例えば、負極活物質に電解液及び増粘剤を添加することにより容易にゲル化した負極を得ることができる。増粘剤の例としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、CMC、アルギン酸等が挙げられるが、ポリアクリル酸が強アルカリに対する耐薬品性に優れているため好ましい。
亜鉛合金として、無汞化亜鉛合金として知られている水銀及び鉛を含まない亜鉛合金を用いることができる。例えば、インジウムを0.01~0.1質量%、ビスマスを0.005~0.02質量%、アルミニウムを0.0035~0.015質量%を含む亜鉛合金が水素ガス発生の抑制効果があるので好ましい。とりわけ、インジウムやビスマスは放電性能を向上させる点で有利である。亜鉛合金の負極への使用は、アルカリ性電解液中での自己溶解速度を遅くすることで、水素ガス発生を抑制して安全性を向上できる。
負極材料の形状は特に限定されないが、粉末状とすることが好ましく、それにより表面積が増大して大電流放電に対応可能となる。好ましい負極材料の平均粒径は、亜鉛合金の場合、短径で3~100μmの範囲であり、この範囲内であると表面積が大きいことから大電流放電への対応に適するとともに、電解液及びゲル化剤と均一に混合しやすく、電池組み立て時の取り扱い性も良い。
負極板14は、負極集電体14bをさらに含む。負極集電体14bは、負極集電部材15として延出する部分を除いて、負極活物質層14aの内部及び/又は表面に設けられる。すなわち、負極集電体14bの両面に負極活物質層14aが配置される構成であってもよいし、負極集電体14bの片面にのみ負極活物質層14aが配置される構成であってもよい。そして、負極集電体14bから(例えば上方向に)延出する又はそれに接続する金属製の負極集電部材15がさらに設けられる。負極集電部材15は、正極集電部材13と重ならない位置に設けられるのが好ましい。負極集電部材15は負極集電体14bと同じ材料で構成されていてもよいし、異なる材料で構成されていてもよい。いずれにしても、そのようなタブにタブリード等の別の集電部材を継ぎ足して負極集電部材15を延長してもよい。いずれにしても、複数枚の負極集電部材15が1つの負極端子28又はそれと電気的に接続された更なる負極集電部材15に接合されるのが好ましい。
負極集電体14bは複数(又は多数)の開口部を有する金属板を用いるのが、活物質密着性の観点から好ましい。そのような負極集電体14bの好ましい例としては、エキスパンドメタル、パンチングメタル、及びメタルメッシュ、及びそれらの組合せが挙げられ、より好ましくは、銅エキスパンドメタル、銅パンチングメタル、及びそれらの組合せ、特に好ましくは銅エキスパンドメタルが挙げられる。この場合、例えば、銅エキスパンドメタル上に、酸化亜鉛粉末及び/又は亜鉛粉末、並びに所望によりバインダー(例えばポリテトラフルオロエチレン粒子)を含んでなる混合物を塗布して負極/負極集電体からなる負極板を好ましく作製することができる。その際、乾燥後の負極板(すなわち負極/負極集電体)にプレス処理を施して、電極活物質の脱落防止や電極密度の向上を図ることも好ましい。なお、エキスパンドメタルとは、金属板をエキスパンド製造機によって千鳥状に切れ目を入れながら押し広げ、その切れ目を菱形や亀甲形に成形したメッシュ状の金属板である。パンチングメタルは、打抜金網(perforated metal)とも呼ばれ、金属板に打ち抜き加工により孔を開けたものである。メタルメッシュとは、金網構造の金属製品であり、エキスパンドメタルやパンチングメタルとは異なるものである。
水酸化物イオン伝導セパレータ16は、正極板12及び負極板14を水酸化物イオン伝導可能に隔離するように設けられる。例えば、図4に示されるように、負極板14が、水酸化物イオン伝導セパレータ16で覆われ又は包み込まれる構成としてもよい。こうすることで、水酸化物イオン伝導セパレータ16と電池容器との煩雑な封止接合を不要にして、亜鉛デンドライト伸展を防止可能なニッケル亜鉛二次電池(特にその積層電池)を極めて簡便にかつ高い生産性で作製することが可能となる。もっとも、正極板12又は負極板14の一面側に水酸化物イオン伝導セパレータ16が配置されるシンプルな構成であってもよい。
水酸化物イオン伝導セパレータ16は、正極板12及び負極板14を水酸化物イオン伝導可能に隔離可能なセパレータであれば特に限定されないが、典型的には、水酸化物イオン伝導固体電解質を含み、専ら水酸化物イオン伝導性を利用して水酸化物イオンを選択的に通すセパレータである。好ましい水酸化物イオン伝導固体電解質は、層状複水酸化物(LDH)及び/又はLDH様化合物である。したがって、水酸化物イオン伝導セパレータ16はLDHセパレータであるのが好ましい。本明細書において「LDHセパレータ」は、LDH及び/又はLDH様化合物を含むセパレータであって、専らLDH及び/又はLDH様化合物の水酸化物イオン伝導性を利用して水酸化物イオンを選択的に通すものとして定義される。本明細書において「LDH様化合物」は、LDHとは呼べないかもしれないがLDHに類する層状結晶構造の水酸化物及び/又は酸化物であり、LDHの均等物といえるものである。もっとも、広義の定義として、「LDH」はLDHのみならずLDH様化合物を包含するものとして解釈することも可能である。LDHセパレータは多孔質基材と複合化されているのが好ましい。したがって、LDHセパレータは、多孔質基材を更に含み、LDH及び/又はLDH様化合物が多孔質基材の孔に充填された形態で多孔質基材と複合化されているのが好ましい。すなわち、好ましいLDHセパレータは、水酸化物イオン伝導性及びガス不透過性を呈するように(それ故水酸化物イオン伝導性を呈するLDHセパレータとして機能するように)LDH及び/又はLDH様化合物が多孔質基材の孔を塞いでいる。多孔質基材は高分子材料製であるのが好ましく、LDHは高分子材料製多孔質基材の厚さ方向の全域にわたって組み込まれているのが特に好ましい。例えば、特許文献1~7に開示されるような公知のLDHセパレータが使用可能である。LDHセパレータの厚さは、5~100μmが好ましく、より好ましくは5~80μm、さらに好ましくは5~60μm、特に好ましくは5~40μmである。
図1、2及び4に示されるように、正極板12、正極集電部材13、負極板14、負極集電部材15、及び水酸化物イオン伝導セパレータ16の各々が縦向きに配置され、正極端子26及び負極端子28が電池容器20の上蓋20aに設けられているのが好ましい。したがって、多層セルの場合、セルが横方向に多層化されているのが好ましい。また、正極集電部材13及び負極集電部材15が上向きに延在しているのが好ましい。
亜鉛二次電池10は、正極板12及び/又は負極板14に接触する保液部材17を更に備えていてもよい。例えば、正極板12及び負極板14の間に、水酸化物イオン伝導セパレータ16のみならず、保液部材17が介在されているのが好ましい。そして、図4に示されるように、正極板12及び/又は負極板14が保液部材17で覆われる又は包み込まれているのが好ましい。もっとも、正極板12又は負極板14の一面側に保液部材17が配置するシンプルな構成であってもよい。いずれにしても、保液部材17を介在させることで、正極板12及び/負極板14と水酸化物イオン伝導セパレータ16の間に電解液18を万遍なく存在させることができ、正極板12及び/負極板14と水酸化物イオン伝導セパレータ16との間における水酸化物イオンの授受を効率良く行うことができる。保液部材17は電解液18を保持可能な部材であれば特に限定されないが、シート状の部材であるのが好ましい。保液部材17の好ましい例としては不織布、吸水性樹脂、保液性樹脂、多孔シート、各種スペーサが挙げられるが、特に好ましくは、低コストで性能の良い負極構造体を作製できる点で不織布である。保液部材17ないし不織布は10~200μmの厚さを有するのが好ましく、より好ましくは20~200μmであり、さらに好ましくは20~150μmであり、特に好ましくは20~100μmであり、最も好ましくは20~60μmである。上記範囲内の厚さであると、正極構造体及び/又は負極構造体の全体サイズを無駄無くコンパクトに抑えながら、保液部材17内に十分な量の電解液18を保持させることができる。
正極板12及び/又は負極板14が、保液部材17及び/又はセパレータ16で覆われる又は包み込まれる場合、それらの外縁が(正極集電部材13や負極集電部材15が延出される辺を除いて)閉じられているのが好ましい。この場合、保液部材17及び/又はセパレータ16の外縁の閉じられた辺が、保液部材17及び/又はセパレータ16の折り曲げや、保液部材17同士及び/又はセパレータ16同士の封止により実現されているのが好ましい。封止手法の好ましい例としては、接着剤、熱溶着、超音波溶着、接着テープ、封止テープ、及びそれらの組合せが挙げられる。特に、高分子材料製の多孔質基材を含むLDHセパレータはフレキシブル性を有するが故に折り曲げやすいとの利点を有するため、LDHセパレータを長尺状に形成してそれを折り曲げることで、外縁の1辺が閉じた状態を形成するのが好ましい。熱溶着及び超音波溶着は市販のヒートシーラー等を用いて行えばよいが、LDHセパレータ同士の封止の場合、外周部分を構成するLDHセパレータの間に保液部材17の外周部分を挟み込むようにして熱溶着及び超音波溶着を行うのが、より効果的な封止を行える点で好ましい。一方、接着剤、接着テープ及び封止テープは市販品を用いればよいが、アルカリ電解液中での劣化を防ぐため、耐アルカリ性を有する樹脂を含むものが好ましい。かかる観点から、好ましい接着剤の例としては、エポキシ樹脂系接着剤、天然樹脂系接着剤、変性オレフィン樹脂系接着剤、及び変成シリコーン樹脂系接着剤が挙げられ、中でもエポキシ樹脂系接着剤が耐アルカリ性に特に優れる点でより好ましい。エポキシ樹脂系接着剤の製品例としては、エポキシ接着剤Hysol(登録商標)(Henkel製)が挙げられる。
セパレータ16の上端となる1辺の外縁は開放されているのが好ましい。この上部開放型の構成はニッケル亜鉛電池等における過充電時の問題への対処を可能とするものである。すなわち、ニッケル亜鉛電池等において過充電されると正極板12で酸素(O)が発生しうるが、LDHセパレータは水酸化物イオンしか実質的に通さないといった高度な緻密性を有するが故に、Oを通さない。この点、上部開放型の構成によれば、電池容器20内において、Oを正極板12の上方に逃がして上部開放部を介して負極板14側へと送り込むことができ、それによってOで負極活物質のZnを酸化してZnOへと戻すことができる。このような酸素反応サイクルを経ることで、上部開放型の電池要素11を密閉型亜鉛二次電池に用いることで過充電耐性を向上させることができる。なお、セパレータ16や保液部材17の上端となる1辺の外縁が閉じられている場合であっても、閉じられた外縁の一部に通気孔を設けることで上記開放型の構成と同様の効果が期待できる。例えば、LDHセパレータの上端となる1辺の外縁を封止した後に通気孔を開けてもよいし、封止の際、通気孔が形成されるように上記外縁の一部を非封止としてもよい。
電解液18はアルカリ金属水酸化物水溶液を含むのが好ましい。図4において電解液18は局所的にしか図示されていないが、これは正極板12及び負極板14の全体に行き渡っているためである。アルカリ金属水酸化物の例としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム等が挙げられるが、水酸化カリウムがより好ましい。亜鉛及び/又は酸化亜鉛の自己溶解を抑制するために、電解液中に酸化亜鉛、水酸化亜鉛等の亜鉛化合物を添加してもよい。前述のとおり、電解液は正極活物質及び/又は負極活物質と混合させて正極合材及び/又は負極合材の形態で存在させてもよい。また、電解液の漏洩を防止するために電解液をゲル化してもよい。ゲル化剤としては電解液の溶媒を吸収して膨潤するようなポリマーを用いるのが望ましく、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドなどのポリマーやデンプンが用いられる。
電池要素11は、図3及び4に示されるように、複数枚の正極板12と、複数枚の負極板14、複数枚のセパレータ16を備え、正極板12/セパレータ16/負極板14の単位が繰り返されるように積層された正負極積層体の形態とされる。すなわち、亜鉛二次電池10は、単位セル10aを複数個有し、それにより複数個の単位セル10aが全体として多層セルをなしている。これはいわゆる組電池ないし積層電池の構成であり、高電圧や大電流が得られる点で有利である。
電池容器20は樹脂製であるのが好ましい。電池容器20を構成する樹脂は水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物に対する耐性を有する樹脂であるのが好ましく、より好ましくはポリオレフィン樹脂、ABS樹脂、又は変性ポリフェニレンエーテルであり、さらに好ましくはABS樹脂又は変性ポリフェニレンエーテルである。電池容器20は上蓋20aを有する。電池容器20(例えば上蓋20a)はガスを放出するための放圧弁を有していてもよい。また、2以上の電池容器20が配列された容器群を外枠内に収容して、電池モジュールの構成としてもよい。
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。
例1(比較)
集電体として長尺状の金属板(銅製、サイズ:10mm×150mm、厚さ:0.5mm)を用意した。この金属板の長尺方向の一端及びその近傍を電解液(0.4mol/LのZnOを溶解させた5.4mol/LのKOH水溶液)に縦に浸漬して-1.2V(対SHE(標準水素電極))の印加電圧で電子を供給しながら24時間放置した後、金属板表面に沿った電解液の這い上がりを観察した。本例の金属板はクリープ阻止領域が存在しないため、電解液の這い上がりが顕著に観察された。
例2(比較)
図10に示されるように、上記長尺状の金属板の中央部分の全周にわたって、フッ素樹脂系塗料としてエポキシ系樹脂(製品名:アラルダイト、スイスCIBA社製)を塗布して乾燥させた。こうして金属板の一端側の領域と、金属板の他端の領域とが隔離されるように、フッ素樹脂系塗料で被覆されたクリープ阻止領域を形成した。この金属板の長尺方向の一端及びその近傍を、クリープ阻止領域が接触しないように、電解液(0.4mol/LのZnOを溶解させた5.4mol/LのKOH水溶液)に縦に浸漬して-1.2V(vsSHE:標準水素電極)の印加電圧で電子を供給しながら24時間放置した後、金属板表面に沿った電解液の這い上がりがクリープ阻止領域で阻止されるかどうかを観察した。
例3(比較)
フッ素樹脂系塗料として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂(製品名:ニューTFEコート、ファインケミカルジャパン製)を用いてクリープ阻止領域を形成したこと以外は例2と同様にして、試験片の作製及び評価を行った。
例4(比較)
フッ素樹脂系塗料として、ポリオレフィン接着剤(製品名:アローベース、ユニチカ株式会社製)を用いてクリープ阻止領域を形成したこと以外は例2と同様にして、試験片の作製及び評価を行った。
例5(比較)
図9に示されるように、フッ素樹脂系塗料の塗布を行う代わりに、ブチルゴム製テープ(日東電工株式会社製)を金属板の中央部分の全周にわたって貼り付けることでクリープ阻止領域したこと以外は例2と同様にして、試験片の作製及び評価を行った。
例6
フッ素樹脂系塗料の塗布を行う代わりに、上記長尺状の金属板の中央部分の全周にわたって、大気暴露による自然酸化で表面に錆を形成させて(すなわち不導体化して)クリープ阻止領域を形成したこと以外は例2と同様にして、試験片の作製及び評価を行った。
結果
例1~6の結果を以下の基準に従って格付け評価した。表1に各例の処理条件及び評価結果を示す。
評価A:クリープ阻止領域で電解液の這い上がりが確実に阻止された。すなわち、顕著なクリープ抑制効果が安定して見られた。
評価B:クリープ阻止領域で電解液の這い上がりがある程度抑制されたものの、そうでもないものもあり、界面状態によるばらつきが大きかった。すなわち、クリープ抑制効果は限定的であり、安定的に得られるものではなかった。
評価C:クリープ阻止領域で電解液の這い上がりが少ししか抑制されなかった。すなわち、クリープ抑制効果が小さかった。
評価D:電解液の這い上がりが顕著に見られた。すなわち、クリープ抑制防止効果が全く見られなかった。
Figure 2022140160000002
10 亜鉛二次電池
10a 単位セル
11 電池要素
12 正極板
12a 正極活物質層
13 正極集電部材
14 負極板
14a 負極活物質層
14b 負極集電体
15 負極集電部材
16 水酸化物イオン伝導セパレータ
17 保液部材
18 電解液
20 電池容器
20a 上蓋
26 正極端子
28 負極端子
30 金属部材
30a 不導体化された表面
32 絶縁テープ
34 塗料
C クリープ阻止領域

Claims (13)

  1. (a)正極活物質層及び正極集電体を含む正極板と、
    前記正極集電体から延出する又はそれに接続する金属製の正極集電部材と、
    亜鉛、酸化亜鉛、亜鉛合金及び亜鉛化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む負極活物質層、及び負極集電体を含む負極板と、
    前記負極集電体から延出する又はそれに接続する金属製の負極集電部材と、
    前記正極板及び前記負極板を水酸化物イオン伝導可能に隔離する水酸化物イオン伝導セパレータと、
    電解液と、
    を含む単位セルと、
    (b)前記単位セルを収容する電池容器と、
    (c1)前記正極集電部材に接続し、前記電池容器から突出する正極端子と、
    (c2)前記負極集電部材に接続し、前記電池容器から突出する負極端子と、
    を備えた、亜鉛二次電池であって、
    前記正極集電部材及び/又は前記正極端子が、前記正極端子の先端と前記正極板との間の、前記電解液に浸漬されない区間の一部において、その全周にわたって、表面改質及び/又は気相成膜により不導体化された表面で構成されるクリープ阻止領域を有し、かつ、
    前記負極集電部材及び/又は前記負極端子が、前記負極端子の先端と前記負極板との間の、前記電解液に浸漬されない区間の一部において、その全周にわたって、表面改質及び/又は気相成膜により不導体化された表面で構成されるクリープ阻止領域を有し、
    前記不導体化された表面は、その上に更なるコーティングが設けられることなく露出している、亜鉛二次電池。
  2. 前記正極板、前記正極集電部材、前記負極板、前記負極集電部材、及び前記水酸化物イオン伝導セパレータの各々が縦向きに配置され、前記正極端子及び前記負極端子が前記電池容器の上蓋に設けられている、請求項1に記載の亜鉛二次電池。
  3. 前記表面改質による不導体化が、前記正極集電部材、前記正極端子、前記負極集電部材及び前記負極端子の少なくとも1つを構成する金属の窒化又は酸化である、請求項1又は2に記載の亜鉛二次電池。
  4. 前記窒化又は酸化が、プラズマ窒化又はプラズマ酸化である、請求項3に記載の亜鉛二次電池。
  5. 前記気相成膜による不導体化が、スパッタリングによる絶縁膜の形成である、請求項1~4のいずれか一項に記載の亜鉛二次電池。
  6. 前記クリープ阻止領域が、1~20mmの幅を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の亜鉛二次電池。
  7. 前記クリープ阻止領域が前記電池容器の内部に存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の亜鉛二次電池。
  8. 前記水酸化物イオン伝導セパレータが、層状複水酸化物(LDH)及び/又はLDH様化合物を含むLDHセパレータである、請求項1~7のいずれか一項に記載の亜鉛二次電池。
  9. 前記LDHセパレータが、多孔質基材を更に含み、前記LDH及び/又はLDH様化合物が前記多孔質基材の孔に充填された形態で前記多孔質基材と複合化されている、請求項8に記載の亜鉛二次電池。
  10. 前記多孔質基材が高分子材料製である、請求項9に記載の亜鉛二次電池。
  11. 前記正極活物質層が水酸化ニッケル及び/又はオキシ水酸化ニッケルを含み、それにより前記亜鉛二次電池がニッケル亜鉛二次電池をなす、請求項1~10のいずれか一項に記載の亜鉛二次電池。
  12. 前記正極活物質層が空気極層であり、それにより前記亜鉛二次電池が空気亜鉛二次電池をなす、請求項1~10のいずれか一項に記載の亜鉛二次電池。
  13. 前記電池容器内に前記単位セルを複数個有し、それにより複数個の前記単位セルが全体として多層セルを成している、請求項1~12のいずれか一項に記載の亜鉛二次電池。

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