JP2022134797A - 半導体層の成長方法および半導体層の成長装置 - Google Patents

半導体層の成長方法および半導体層の成長装置 Download PDF

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Akira Tamura
智和 勝山
Tomokazu Katsuyama
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Abstract

【課題】特性のばらつきを抑制することが可能な半導体層の成長方法および半導体層の成長装置を提供する。【解決手段】化学気相成長法によって、サセプタに配置された基板に半導体層を成長する成長方法であって、前記サセプタを加熱する工程と、前記サセプタの上であって、原料ガスの流れる方向において前記基板よりも上流側の領域と前記基板との間に設けられる第1キャップの内部の空洞を冷却するガスを導入する工程と、前記ガスを導入した状態で、前記第1キャップ側から前記基板側に向けて前記原料ガスを導入することで、前記基板上に半導体層を成長する工程と、を有する半導体層の成長方法。【選択図】 図1

Description

本開示は半導体層の成長方法および半導体層の成長装置に関するものである。
III-V族半導体などの化合物半導体は例えば光学素子およびパワー半導体素子などに利用されている。有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)によって化合物半導体をエピタキシャル成長する。成長装置のサセプタにウェハをセットし、装置内の温度を例えば数百度などとする。半導体の原料を含むガス(原料ガス)を装置内に流すことで、半導体層を形成する(例えば特許文献1)。
特開2014-116331号公報
しかし、ウェハ内で半導体装置の特性にばらつきが生じることがある。原料ガスがウェハに到達する前に分解し、ウェハ内で半導体の組成にずれが生じることが、特性のばらつきの原因と推測される。そこで、特性のばらつきを抑制することが可能な半導体層の成長方法および半導体層の成長装置を提供することを目的とする。
本開示に係る半導体層の成長方法は、化学気相成長法によって、サセプタに配置された基板に半導体層を成長する成長方法であって、前記サセプタを加熱する工程と、前記サセプタの上であって、原料ガスの流れる方向において前記基板よりも上流側の領域と前記基板との間に設けられる第1キャップの内部の空洞を冷却するガスを導入する工程と、前記ガスを導入した状態で、前記第1キャップ側から前記基板側に向けて前記原料ガスを導入することで、前記基板上に半導体層を成長する工程と、を有する。
本開示に係る半導体層の成長装置は、化学気相成長法によって、半導体層を成長する成長装置であって、基板が配置されるサセプタと、前記サセプタを加熱する加熱部と、前記サセプタの上であって、原料ガスの流れる方向において前記基板よりも上流側の領域と前記基板との間に設けられ、内部に空洞を有する第1キャップと、前記第1キャップの空洞を冷却するガスを導入するガス導入部と、を具備する。
本開示によれば特性のばらつきを抑制することが可能な半導体層の成長方法および半導体層の成長装置を提供することが可能である。
図1は第1実施形態に係る成長装置を例示する断面図である。 図2は成長装置の拡大図である。 図3は成長装置を例示する平面図である。 図4はウェハに形成される半導体光素子を例示する斜視図である。 図5は半導体層の成長方法を例示するフローチャートである。 図6は成長方法のタイミングチャートである。 図7は比較例1に係る成長装置を例示する図である。 図8はフォトルミネッセンス波長の分布を例示する図である。 図9は第2実施形態に係る成長装置を例示する断面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
本開示の一形態は、(1)化学気相成長法によって、サセプタに配置された基板に半導体層を成長する成長方法であって、前記サセプタを加熱する工程と、前記サセプタの上であって、原料ガスの流れる方向において前記基板よりも上流側の領域と前記基板との間に設けられる第1キャップの内部の空洞を冷却するガスを導入する工程と、前記ガスを導入した状態で、前記第1キャップ側から前記基板側に向けて前記原料ガスを導入することで、前記基板上に半導体層を成長する工程と、を有する半導体層の成長方法である。第1キャップがサセプタよりも低い熱伝導率を有し、かつガスを導入することで、成長装置内の温度上昇を抑制し、原料ガスの分解を抑制する。基板に均一に近い組成の半導体層を成長することができ、半導体層の特性のばらつきを低減することができる。
(2)前記サセプタは、回転機構を有し、前記ガスは前記第1キャップの内部の前記空洞に導入され、前記空洞から排出されてもよい。空洞内のガスが交換されることで、冷却が促進される。
(3)前記第1キャップは石英、炭化シリコン、窒化アルミニウムおよび窒化ホウ素のうち少なくとも1つを含んでもよい。第1キャップがサセプタよりも低い熱伝導率を有することで、成長装置内の温度上昇を抑制し、原料ガスの分解を抑制する。半導体層の特性のばらつきを抑制することができる。
(4)前記サセプタは黒鉛を含んでもよい。第1キャップが黒鉛のサセプタよりも低い熱伝導率を有することで、成長装置内の温度上昇を抑制する。原料ガスの分解を抑制し、半導体層の特性のばらつきを抑制することができる。
(5)前記ガスは水素、窒素、アルゴンおよびヘリウムのうち少なくとも1つを含んでもよい。成長装置内の温度上昇を抑制し、原料ガスの分解を抑制する。半導体層の特性のばらつきを抑制することができる。
(6)前記ガスの温度は26℃以下でもよい。成長装置内の温度上昇を抑制し、原料ガスの分解を抑制する。半導体層の特性のばらつきを抑制することができる。
(7)前記原料ガスはIII-V族化合物半導体の原料ガスでもよい。原料ガスの分解が抑制されることで、III族元素とV族元素との比率が所望の値のIII-V族化合物半導体層を形成することができる。
(8)前記サセプタの上であって、前記基板よりも外側に第2キャップが設けられ、前記第2キャップの内部の空洞を冷却するガスを導入する工程を有してもよい。成長装置内の温度上昇を効果的に抑制し、原料ガスの分解を抑制する。半導体層の特性のばらつきを抑制することができる。
(9)化学気相成長法によって、半導体層を成長する成長装置であって、基板が配置されるサセプタと、前記サセプタを加熱する加熱部と、前記サセプタの上であって、原料ガスの流れる方向において前記基板よりも上流側の領域と前記基板との間に設けられ、内部に空洞を有する第1キャップと、前記第1キャップの空洞を冷却するガスを導入するガス導入部と、を具備する半導体層の成長装置である。キャップがサセプタよりも低い熱伝導率を有し、かつガスを導入することで、成長装置内の温度上昇を抑制し、原料ガスの分解を抑制する。基板に均一に近い組成の半導体層を成長することができ、半導体層の特性のばらつきを抑制することができる。
(10)前記ガス導入部はガス通路を有し、前記第1キャップの空洞の断面積は、前記ガス通路の2倍以上でもよい。空洞に多量のガスを供給することで、温度上昇を効果的に抑制し、特性のばらつきをさらに抑制することができる。
(11)前記サセプタの上であって前記基板よりも外側に設けられ、内側に空洞を有する第2キャップを具備し、前記ガス導入部は、前記第2キャップの空洞を冷却するガスを導入してもよい。成長装置内の温度上昇を効果的に抑制し、原料ガスの分解を抑制する。半導体層の特性のばらつきを抑制することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る半導体層の成長方法および半導体層の成長装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(成長装置)
図1は第1実施形態に係る成長装置100を例示する断面図である。図2は成長装置100の拡大図であり、図1のうち右半分を拡大している。図3は成長装置100を例示する平面図である。図2および図3においては制御部32を省略している。図1および図2は成長装置100の内部を図示するための模式的な図であり、ガスの導入口および排出口などを同一の断面に記載している。
図1に示すように、成長装置100は床部10、壁部14、天板16、蓋18、回転部20、サセプタ22、サテライト24、ガス噴出部26、加熱部28、キャップ30(第1キャップ)、制御部32を備える。図3に示すように、成長装置100の平面形状は円形である。成長装置100は横型のMOCVD装置であり、ウェハ50(基板)の上に化合物半導体層をエピタキシャル成長する装置である。
図1に示す制御部32はコンピュータなどを含む制御装置であり、回転制御部33、温度制御部34、原料ガス制御部35、回転用ガス制御部36、およびガス制御部38として機能する。
原料ガス貯留部80aおよび80bは半導体層の原料ガスを貯留する。半導体層の成長には複数の原料ガスを用いる。原料ガスは種類ごとに、複数の原料ガス貯留部80aおよび80bなどに別々に貯留される。図1には2つの原料ガス貯留部80aおよび80bを図示しているが、原料ガス貯留部は3つ以上でもよい。回転用ガス貯留部82は回転用のガスを貯留する。ガス貯留部84は冷却用のガスを貯留する。
床部10は例えば円形である。壁部14は床部10の外周部に位置し、床部10から例えば垂直に突出する。天板16は床部10から離間し、床部10の上に位置する。蓋18は天板16の上に取り付けられる。床部10、壁部14および蓋18は密閉された空間40を形成する。床部10の上にサセプタ22、サテライト24、ガス噴出部26が配置される。
回転部20(回転機構)は成長装置100の平面内の中央に位置し、サセプタ22に連結され、例えばモータなどを含む。回転部20は、回転部20を中心としてサセプタ22を回転させる。回転制御部33は回転部20の回転数を制御する。
原料ガス貯留部80aとガス噴出部26とを接続する配管にはバルブ81aが設けられている。原料ガス貯留部80bとガス噴出部26とを接続する配管にはバルブ81bが設けられている。原料ガス制御部35は、バルブ81aおよび81bの開閉などを行い、原料ガスの種類ごとに流量を制御する。
ガス噴出部26は、サセプタ22の中央部の上に設けられており、例えば複数の噴出口27を有する。噴出口27はガス噴出部26の側面に開口する。噴出口27から空間40に向けてキャリアガスおよび原料ガスが噴出される。原料ガスが空間40内を流れ、ウェハ50に到達し、半導体層がウェハ50の上にエピタキシャル成長する。キャップ30はガスの上流側に位置し、ウェハ50は下流側に位置する。空間40のうちガス噴出部26からウェハ50までは助走距離区間40aとなる。助走距離区間40aにおいて、原料ガスがキャリアガス中に均一に混合する。
サセプタ22は例えばカーボン(黒鉛)で形成され、床部10の上に設けられ、床部10の中央から外周部まで覆う。サセプタ22の内部には空洞23が設けられている。図3に示すように、サセプタ22の平面形状は円である。
図1および図2に示すように、サセプタ22と床部10との間には加熱部28が設けられている。加熱部28は例えば銅など金属製のコイルなどであり、電流が流れることで発熱する。温度制御部34は加熱部28に流す電流を制御する。
サセプタ22の上面にはキャップ30および複数のサテライト24が配置されている。図3に示すように、例えば12個のサテライト24が配置される。サテライト24は例えば円板状のトレーであり、カーボンで形成される。サテライト24の上面は座繰り加工されており、1つのサテライト24に1枚のウェハ50が搭載される。
図3に示すようにキャップ30は例えば円環状の部材であり、図1および図2に示すようにサセプタ22の中央とウェハ50との間に位置し、助走距離区間40aに延伸する。キャップ30は例えば石英、炭化シリコン(SiC)の焼結体、窒化アルミニウム(AlN)の焼結体、および窒化ホウ素(BN)の焼結体のいずれかなどで形成される。キャップ30は内側に空洞30aを有する。キャップ30の厚さTは例えば5mmである。キャップ30とサテライト24とは離間しており、これらの間の距離Dは例えば2mmである。キャップ30の表面の粗さ(算術平均粗さRa)は例えば12.5μm以上である。
回転部20にガス通路42および44が設けられている。サセプタ22はガス導入口45および48、ガス排出口46を有する。ガス通路42の一端は回転用ガス貯留部82に接続され、他端はサセプタ22の空洞23に接続されている。ガス導入口48はサテライト24の下に位置し、サセプタ22の空洞23に連通する。空洞23は不図示のガス通路を通じて排出口49に接続される。
回転用ガス貯留部82には例えば26℃の水素(H)ガスなどの回転用ガスが貯留されている。回転用ガス貯留部82とガス通路42とを接続する配管にはバルブ83が設けられている。回転用ガス制御部36は、バルブ83を開閉することでガス通路42に導入する回転用ガスの流量を制御する。回転用ガスは、ガス通路42から空洞23に流入し、ガス導入口48からサテライト24の下面に渦を巻くように吹き付けられる。回転用ガスの供給によって、サテライト24はサセプタ22から浮き上がり、平面内で回転する。
ガス通路44の一端は配管を通じてガス貯留部84に接続され、他端はガス導入口45を通じてキャップ30の空洞30aに連通する。ガス排出口46はキャップ30の下に位置し、キャップ30の空洞30aに連通し、かつ不図示のガス通路を通じて排出口49に接続される。ガス通路44およびガス導入口45の断面の径は例えば5mm以上、6mm以下である。ガス貯留部84はガスを貯留する。ガスは例えば水素ガス、窒素(N)ガス、アルゴン(Ar)ガス、およびヘリウム(He)ガス、またはこれらの混合ガスなどであり、空洞30aを冷却するためのガスである。ガス貯留部84とガス通路44とを接続する配管にはバルブ85が設けられている。ガス制御部38は、バルブ85を開閉することで空間40に導入するガスの流量を制御する。
ガスはガス貯留部84からガス通路44に流れ、ガス導入口45からキャップ30の空洞30aに導入される。ガス通路44への導入時点でのガスの温度は例えば26℃以下である。ガスが空洞30aに導入されることで、空洞30aおよび成長装置100の空間40が冷却され、温度上昇が抑制される。サテライト24を回転させる回転ガスの温度は室温である。
(半導体素子52)
図4はウェハ50に形成される半導体光素子52を例示する斜視図である。X軸方向は光の伝搬方向である。Z軸方向は層の積層方向であり、X軸方向に直交する。Y軸方向はX軸方向およびZ軸方向に直交する。図4においては半導体光素子52のうち一部の断面も図示している。
半導体光素子52は、変調器領域54と分布帰還型(DFB:Distributed Feedback)レーザ領域56とを集積した、EML(Electro-absorption Modulator Integrated Laser Diode)素子である。変調器領域54とDFBレーザ領域56とはX軸方向に並ぶ。
半導体光素子52は、基板58、回折格子層60、光吸収層62、活性層64、クラッド層66、埋込層63、電極70、72および74を有する。変調器領域54においては、基板58の上に回折格子層60、光吸収層62、およびクラッド層66が順に積層されている。基板58、回折格子層60、光吸収層62およびクラッド層66は、Z軸方向に突出するメサ55を形成する。X軸方向において変調器領域54のDFBレーザ領域56とは反対側の端面には、不図示の反射防止膜を設ける。
DFBレーザ領域56においては、基板58の上に回折格子層60、活性層64、およびクラッド層66が順に積層されている。基板58、回折格子層60、活性層64およびクラッド層66は、Z軸方向に突出するメサ57を形成する。メサ55および57のY軸方向の両側に埋込層63が設けられている。埋込層63の上に絶縁膜65が設けられている。回折格子層60のうちDFBレーザ領域56内の部分には、X軸方向に延伸する回折格子61が設けられている。X軸方向においてDFBレーザ領域56の変調器領域54とは反対側の端面には、例えば反射防止膜または高反射膜を設ける。
変調器領域54の絶縁膜65の上に電極70が設けられている。DFBレーザ領域56の絶縁膜65の上に電極72が設けられている。電極70および72はクラッド層66に電気的に接続される。電極74は基板58の下に設けられ、基板58に電気的に接続される。
基板58は例えばn型のインジウムリン(n-InP)で形成され、n型のクラッド層として機能する。回折格子層60は例えばインジウムガリウム砒素リン(InGaAsP)などで形成されている。活性層64および光吸収層62は、例えばアンドープのガリウムインジウム砒素(i-GaInAs)で形成された複数の井戸層およびバリア層を含み、多重量子井戸構造(MQW:Multi Quantum Well)を有する。クラッド層66は例えばp-InPで形成されている。埋込層63は、例えば鉄(Fe)をドープされたInPなど、半絶縁性の半導体で形成されている。
絶縁膜65は例えば窒化シリコン(SiN)などの絶縁体で形成されている。電極70および72はp型の電極であり、例えばチタン、白金および金の積層体(Ti/Pt/Au)など、金属で形成される。電極74はn型の電極であり、例えば金、ゲルマニウムおよびNiの合金(AuGeNi)などの金属で形成される。
電極72および74に電圧を印加し、活性層64に電流を注入することで、活性層64からX軸方向に光が出射される。回折格子61により光の波長を調整する。光はDFBレーザ領域56から変調器領域54に入射する。電極70および74に電圧を印加することで、光を変調する。変調された光は変調器領域54の端面からX軸方向に出射される。
(製造方法)
図5は半導体層の成長方法を例示するフローチャートであり、図4の半導体光素子52のうち回折格子層60の結晶成長の工程を示す。図5に示すように、ウェハ50をサテライト24の上に配置する(ステップS10)。キャップ30をサセプタ22の上に配置する(ステップS12)。ステップS10およびS12の順番は逆でもよい。
温度制御部34は加熱部28に通電することで加熱部28を発熱させ、サセプタ22を加熱する(ステップS13)。ガス噴出部26の噴出口27から空間40内にキャリアガスを噴出する(ステップS14)。キャリアガスは例えば水素ガスである。空間40内の圧力が所定の圧力になり、温度が所定の温度になるまで、キャリアガスを流し続け、原料ガスは流さない。
回転用ガス制御部36は、ガス通路42、サセプタ22の空洞23およびガス導入口48を通じて、サテライト24に回転用ガスを導入する(ステップS16)。回転用ガスによりサテライト24は回転する。
ガス制御部38は、ガス通路44、ガス導入口45を通じて、キャップ30の空洞30a内に、冷却用のガスを導入する(ステップS18)。ガスの導入により、空洞30aおよび空間40が冷却される。ガスは空間40には流入せず、成長装置100の外に排出される。
原料ガス制御部35は、ガス噴出部26から空間40に向けて原料ガスを噴出させる(ステップS20)。原料ガスの種類などは後述する。原料ガスは助走距離区間40aを流れ、ウェハ50に到達する。ウェハ50の上面にInGaAsPの回折格子層60がエピタキシャル成長する。成長の実行中にも、空洞30aにガスは供給され続けている。
成長終了後、回転用ガス制御部36は回転用ガスを停止し、ガス制御部38はガスを停止し、原料ガス制御部35は原料ガスを停止する(ステップS22)。空間40内には例えば窒素ガスを流す。温度が室温に到達したのち、ウェハ50を成長装置100から取り出す(ステップS24)。エッチングによる回折格子61の形成、他の半導体層の成長、エッチングによるメサ形成、埋込成長などを行い、半導体光素子52を形成する。
図6は成長方法のタイミングチャートである。横軸は時間、縦軸は空間40内の温度を表す。例えば、t1~t6間の時間は30分であり、t1~t7間の時間は40分であり、t1~t9間の時間は60分である。回折格子層60の原料ガスとしてホスフィン(PH)、トリメチルガリウム(TMGa)、トリメチルインジウム(TMIn)、アルシン(AsH)を用いる。
時間t1から時間t5までの間に、ウェハ50の温度を650℃に上昇させる(図5のステップS13)。時間t2に、キャリアガスである水素ガス(H)を空間40内に流し始める(ステップS14)。時間t3に、ガスである窒素ガス(N)をキャップ30の空洞30a内に流し始める(ステップS18)。時間t4にPHを空間40内に流し始める。
時間t5においてウェハ50の温度は650℃に達し、時間t7まで650℃を維持する。時間t6において、TMGa、TMInおよびASHの導入を開始する。成長条件の一例は以下の通りである。
空間40内の圧力:50mbar(5000Pa)
ガスの総流量:28000sccm
III族元素の流量:4.8sccm
V族元素の分圧:0.6torr(約80Pa)
InとGaの合計に対するInの気相比(In/(In+Ga)):0.69
PとAsの合計に対するPの気相比(P/(P+As)):0.93
時間t7に、TMGa、TMInおよびASH、水素ガスおよびガスを停止し、窒素ガスを空間40に導入する。時間t7から温度は低下し始める。時間t8にPHの流入を停止させる。時間t9に窒素ガスの流入を停止させる。時間t9に温度は室温付近まで低下する。半導体光素子52の他の半導体層も、回折格子層60と同様に、キャップ30の空洞30aにガスを導入しながら成長する。
図7は比較例1に係る成長装置100Rを例示する図であり、図2と同様に拡大図である。成長装置100Rはキャップ30を有さず、板41を有する。板41は例えばカーボンで形成され、サセプタ22の上に設けられている。板41は例えばサセプタ22と一体の部材でもよい。
4インチのウェハ50に回折格子層60を成長し、当該層におけるフォトルミネッセンス(PL:Photoluminesnce)波長の分布を調査した。ウェハ50の外周部から中央部までを5mm間隔の領域に分け、領域ごとにPL波長を測定する。ウェハ50の端部の測定値は他の測定値から大きく外れる可能性があるため除外し、残りの測定値からPL波長の標準偏差を算出する。
図8はPL波長の分布を例示する図である。横軸は層の厚さを表す。縦軸はウェハ50におけるPL波長の標準偏差を表す。図8中の黒丸は比較例1であり、三角は比較例2であり、白丸は第1実施形態の結果である。比較例1は図7の例である。比較例2は図1の成長装置においてガスを導入しない例である。第1実施形態は図1の成長装置において20℃のガスを導入する例である。サセプタ22はカーボン製であり、キャップ30は石英製である。
図8に示すように、いずれの例でも層が厚くなるほどPL波長の分布は増加する。比較例1では、厚さが約7μmのときに分布はおよそ2nmから3nmであり、厚さが20μm以上になると分布は約5nmに増加する。比較例2では、厚さが20nm以上のときの分布が4nm以下に低下する。第1実施形態では、厚さが約7μmのときに分布はおよそ1nmであり、厚さが20μm以上でも分布は約2nmである。
比較例1においては、カーボン製の部材(サセプタ22および板41)から空間40に熱が伝わり、温度が例えば300℃まで上昇する。300℃は、PHの分解が始まる温度である。300℃以上の助走距離区間において、原料ガスがウェハ50に到達する前に分解してしまう。ウェハ50内において半導体層の組成にばらつきが生じ、図8に示したようなPL波長の分布が拡大する。原料ガスの分解によってサセプタ22の上に堆積物が形成されると、サセプタ22の熱伝導率がさらに高くなる。温度がより上昇し、原料ガスの分解がさらに促進される。半導体層を厚く成長させるほど堆積物も厚く積み上がり、原料ガスが分解しやすくなる。この結果、図8に示すように半導体層が厚くなるほどPL波長の分布が大きくなる。原料ガスのPHが分解することで、InGaAsPのうちPの組成比が高くなり、PL波長は短い側にシフトする。半導体層が厚くなるほど、PL波長は次第に短くなっていく。
比較例2では、カーボンより熱伝導率の低い石英のキャップ30をサセプタ22の上に設けることで、空間40の温度上昇を抑制し、助走距離区間40aにおける原料ガスの分解を抑制する。比較例1よりも分布を小さくすることができる。ただし、分解の抑制が不十分であり、PL波長の分布は4nm程度になってしまう。
第1実施形態によれば、サセプタ22を加熱し、キャップ30内の空洞30aにガスを導入した状態で、原料ガスを空間40に導入し、半導体層の成長を行う。キャップ30の熱伝導率はサセプタ22よりも低く、かつガスを導入する。キャップ30によりサセプタ22から空間40への熱の伝達が抑制され、かつガスによって空間40が冷却される。空間40の温度上昇が抑制されることで、助走距離区間40aにおける原料ガスの分解が抑制される。原料ガスが分解されずにウェハ50まで到達することで、ウェハ50の表面に均一に近い組成の半導体層を成長することができる。原料ガスの分解が抑制されるため、半導体層の成長工程を繰り返し実施しても、キャップ30の表面に堆積物が発生しにくい。堆積物による熱伝導率の上昇が起こりにくく、空間40の温度上昇が抑制され、特性がさらに安定する。例えば図8のように、成長を繰り返して膜厚を20μm以上にしても、PL波長の分布がおよそ2nm程度に維持される。
回転部20がサセプタ22を回転させる。半導体層が均一に成長する。空間40に導入されるガスは、空間40から排出される。ガスが交換されることで、冷却が促進される。サセプタ22はカーボンを含み、例えば全体がカーボン製である。キャップ30はサセプタ22よりも熱伝導率が低い材料で形成され、例えば全体が石英製である。キャップ30は例えば石英、炭化シリコン、窒化アルミニウムおよび窒化ホウ素のうち少なくとも1つを含み、これらの組み合わせなどでもよい。キャップ30によって空間40への熱の伝達を抑制し、原料ガスの分解を抑制することができる。サセプタ22およびキャップ30を上記以外の材料で形成してもよい。
ガスは水素、窒素、アルゴンおよびヘリウムのうち少なくとも1つを含み、これらの混合ガスでもよい。空洞30aに導入するガスの温度は26℃以下とすることが好ましい。効果的に冷却することができる。例えばガス貯留部84に液体窒素を貯留し、液体窒素から気化した直後の約-196℃の窒素ガスをガスとして用いることで、温度上昇を効果的に抑制することができる。
キャップ30とサテライト24およびウェハ50とは離間している。キャップ30とサテライト24との間で熱の伝達が抑制され、空間40の温度上昇も効果的に抑制することができる。キャップ30にガスを流すことで、ガスを使用しない場合に比べて、原料ガスの分解を抑制し、キャップ30の表面の堆積物を減少させる。キャップ30の表面粗さ(算術平均粗さRa)は、例えば12.5μm以上であることが好ましい。キャップ30の表面が粗いことで、表面からの堆積物の剥離が抑制される。ウェハ50へのパーティクルの付着を抑制することができる。堆積物がキャップ30の表面に堆積することで、キャップ30の熱伝導率が高くなる。ガスの流量および温度を調整することで、熱伝導率の変化を補い、半導体層の再現性の高いエピタキシャル成長を可能とする。
半導体光素子52の回折格子層60以外の半導体層の成長でも、成長装置100を用いて、キャップ30の空洞30aにガスを供給する。III-V族化合物半導体の原料ガスの分解を抑制することで、ウェハ50の全体にわたってIII族元素とV族元素との比率を所望の値に近づけ、特性のばらつきを抑制する。成長装置100で製造する半導体装置は、発光素子、受光素子、高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)などのトランジスタなどでもよい。ウェハ50に半導体層を成長し、半導体基板を製造してもよい。成長する半導体層はIII-V族化合物半導体層以外の化合物半導体層でもよい。
図1の上下方向における空洞30aの断面積は、例えばガス通路44の断面積の2倍以上であり、3倍以上、4倍以上などでもよい。空洞30a内に多量のガスを供給することで、空間40の温度上昇を効果的に抑制することができる。成長装置100は有機金属化学気相成長法(MOCVD)以外の化学気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)を行ってもよい。
<第2実施形態>
図9は第2実施形態に係る成長装置200を例示する断面図であり、図2と同様に拡大した図である。第1実施形態と同じ構成については説明を省略する。図9に示すように、サセプタ22の上であって、ウェハ50より外側(キャップ30とは反対側)にキャップ31(第2キャップ)が設けられている。ガスの上流側から下流側にかけて、キャップ30、ウェハ50およびキャップ31が並ぶ。キャップ31はキャップ30と同様に例えば石英、炭化シリコン、窒化アルミニウムおよび窒化ホウ素など、サセプタ22よりも熱伝導率が低い材料で形成されている。
第2実施形態によれば、キャップ30の空洞にガスを導入する。さらに、下流側にキャップ31を設ける。ウェハ50の上流側および下流側において空間40の温度上昇を抑制し、原料ガスの分解を防ぐことができる。特性のばらつきをより効果的に抑制することができる。キャップ31の内側の空洞にガスを導入してもよいし、導入しなくてもよい。
以上、本開示の実施形態について詳述したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本開示の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 床部
14 壁部
16 天板
18 蓋
20 回転部
22 サセプタ
24 サテライト
26 ガス噴出部
27 噴出口
28 加熱部
30、31 キャップ
30a 空洞
32 制御部
33 回転制御部
34 温度制御部
35 原料ガス制御部
36 回転用ガス制御部
38 ガス制御部
40 空間
40a 助走距離区間
41 板
42、44 ガス通路
45、48 ガス導入口
46 ガス排出口
50 ウェハ
52 半導体光素子
54 変調器領域
55、57 メサ
56 DFBレーザ領域
58 基板
60 回折格子層
61 回折格子
62 光吸収層
63 埋込層
64 活性層
65 絶縁膜
66 クラッド層
70、72、74 電極
80a、80b 原料ガス貯留部
81a、81b、83、85 バルブ
82 回転用ガス貯留部
84 ガス貯留部
100、100R 成長装置

Claims (11)

  1. 化学気相成長法によって、サセプタに配置された基板に半導体層を成長する成長方法であって、
    前記サセプタを加熱する工程と、
    前記サセプタの上であって、原料ガスの流れる方向において前記基板よりも上流側の領域と前記基板との間に設けられる第1キャップの内部の空洞を冷却するガスを導入する工程と、
    前記ガスを導入した状態で、前記第1キャップ側から前記基板側に向けて前記原料ガスを導入することで、前記基板上に半導体層を成長する工程と、を有する半導体層の成長方法。
  2. 前記サセプタは、回転機構を有し、
    前記ガスは前記第1キャップの内部の前記空洞に導入され、前記空洞から排出される請求項1に記載の半導体層の成長方法。
  3. 前記第1キャップは石英、炭化シリコン、窒化アルミニウムおよび窒化ホウ素のうち少なくとも1つを含む請求項1または請求項2に記載の半導体層の成長方法。
  4. 前記サセプタは黒鉛を含む請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体層の成長方法。
  5. 前記ガスは水素、窒素、アルゴンおよびヘリウムのうち少なくとも1つを含む請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体層の成長方法。
  6. 前記ガスの温度は26℃以下である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の半導体層の成長方法。
  7. 前記原料ガスはIII-V族化合物半導体の原料ガスである請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の半導体層の成長方法。
  8. 前記サセプタの上であって、前記基板よりも外側に第2キャップが設けられ、
    前記第2キャップの内部の空洞を冷却するガスを導入する工程を有する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の半導体層の成長方法。
  9. 化学気相成長法によって、半導体層を成長する成長装置であって、
    基板が配置されるサセプタと、
    前記サセプタを加熱する加熱部と、
    前記サセプタの上であって、原料ガスの流れる方向において前記基板よりも上流側の領域と前記基板との間に設けられ、内部に空洞を有する第1キャップと、
    前記第1キャップの空洞を冷却するガスを導入するガス導入部と、を具備する半導体層の成長装置。
  10. 前記ガス導入部はガス通路を有し、
    前記第1キャップの空洞の断面積は、前記ガス通路の2倍以上である請求項9に記載の半導体層の成長装置。
  11. 前記サセプタの上であって前記基板よりも外側に設けられ、内側に空洞を有する第2キャップを具備し、
    前記ガス導入部は、前記第2キャップの空洞を冷却するガスを導入する請求項9または請求項10に記載の半導体層の成長装置。
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