JP2022134107A - 硬化性ウレタン組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Abstract
【課題】硬化後の基材接着性が良好である硬化性ウレタン組成物を提供する。【解決手段】水酸基成分(A)及びイソシアネート成分(B)を含有し、以下の(i)~(iii)のうち少なくとも1つを満たす硬化性ウレタン組成物。(i)前記水酸基成分(A)が下記一般式(1)で表される化合物(S)を含有する。(ii)前記水酸基成分(A)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端に水酸基を有するウレタンプレポリマーを含有する。(iii)前記イソシアネート成分(B)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する。TIFF2022134107000011.tif45140【選択図】なし
Description
本発明は硬化性ウレタン組成物及びその硬化物に関する。
硬化性ウレタン組成物は、ウレタン結合による分子間水素結合により強靭性、耐摩耗性に優れることから、接着剤(バインダー)、粘着剤、封止剤等幅広い分野に使用されており、ポリオール又はポリウレタンポリオールとポリイソシアネートからなる2液硬化性接着剤が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、近年、接着剤、粘着剤の薄膜化が進んでおり、薄膜でも接着力の優れた接着剤及び粘着剤が求められている。
また、硬化性ウレタン組成物中にチタン酸カリウム、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化鉄等の種々の無機フィラーを含有させて、電子材料用のバインダーや接着剤等の用途に用いることが知られている。しかしながら、上記の用途においては、一般的に多量の無機フィラーを含有させなければならない場合が多いものの、硬化性ウレタン組成物中のフィラーの分散性が悪いため、硬化性ウレタン組成物のハンドリング性が悪く、塗工しにくい等の問題がある。そこで、本問題を解決するために硬化性ウレタン組成物中に低分子量界面活性剤や可塑剤等を添加して、ハンドリング性を向上させることが知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、低分子量界面活性剤や可塑剤の添加では、無機フィラーを含む硬化性ウレタン組成物の硬化物の基材接着性が十分でないという問題がある。
また、硬化性ウレタン組成物中にチタン酸カリウム、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化鉄等の種々の無機フィラーを含有させて、電子材料用のバインダーや接着剤等の用途に用いることが知られている。しかしながら、上記の用途においては、一般的に多量の無機フィラーを含有させなければならない場合が多いものの、硬化性ウレタン組成物中のフィラーの分散性が悪いため、硬化性ウレタン組成物のハンドリング性が悪く、塗工しにくい等の問題がある。そこで、本問題を解決するために硬化性ウレタン組成物中に低分子量界面活性剤や可塑剤等を添加して、ハンドリング性を向上させることが知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、低分子量界面活性剤や可塑剤の添加では、無機フィラーを含む硬化性ウレタン組成物の硬化物の基材接着性が十分でないという問題がある。
本発明の課題は、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性が良好である硬化性ウレタン組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、水酸基成分(A)及びイソシアネート成分(B)を含有する硬化性ウレタン組成物であって、以下の(i)~(iii)のうち少なくとも1つを満たす硬化性ウレタン組成物である。
(i)前記水酸基成分(A)が下記一般式(1)で表される化合物(S)を含有する
(ii)前記水酸基成分(A)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端に水酸基を有するウレタンプレポリマーを含有する
(iii)前記イソシアネート成分(B)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する
[一般式(1)中、X1及びX2は水酸基を2個有する化合物から1個の水酸基を除いた残基を表し、X1とX2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Rは炭素数2~10の三価の鎖式飽和炭化水素基を表し;SO3Zはスルホン酸塩基を表す。]
(i)前記水酸基成分(A)が下記一般式(1)で表される化合物(S)を含有する
(ii)前記水酸基成分(A)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端に水酸基を有するウレタンプレポリマーを含有する
(iii)前記イソシアネート成分(B)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する
本発明の硬化性ウレタン組成物は、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性が優れるという効果を奏する。
本発明の硬化性ウレタン組成物は、水酸基成分(A)及びイソシアネート成分(B)を含有する硬化性ウレタン組成物であって、以下の(i)~(iii)のうち少なくとも1つを満たす硬化性ウレタン組成物である。
(i)前記水酸基成分(A)が下記一般式(1)で表される化合物(S)を含有する
(ii)前記水酸基成分(A)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端に水酸基を有するウレタンプレポリマーを含有する
(iii)前記イソシアネート成分(B)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する
[一般式(1)中、X1及びX2は水酸基を2個有する化合物から1個の水酸基を除いた残基を表し、X1とX2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく;Rは炭素数2~10の三価の鎖式飽和炭化水素基を表し;SO3Zはスルホン酸塩基を表す。]
(i)前記水酸基成分(A)が下記一般式(1)で表される化合物(S)を含有する
(ii)前記水酸基成分(A)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端に水酸基を有するウレタンプレポリマーを含有する
(iii)前記イソシアネート成分(B)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する
<化合物(S)>
本発明において、化合物(S)は前記一般式(1)で表される化合物である。本発明においては、上記(i)~(iii)のうち少なくとも1つを満たす硬化性ウレタン組成物であることにより、水酸基成分(A)及び/又はイソシアネート成分(B)中にスルホン酸塩基(-SO3Z)を含有する。
本発明において、化合物(S)は前記一般式(1)で表される化合物である。本発明においては、上記(i)~(iii)のうち少なくとも1つを満たす硬化性ウレタン組成物であることにより、水酸基成分(A)及び/又はイソシアネート成分(B)中にスルホン酸塩基(-SO3Z)を含有する。
一般式(1)におけるX1及びX2は水酸基を2個有する化合物から1個の水酸基を除いた残基を表す。X1とX2はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
一般式(1)におけるRは、炭素数2~10の三価の鎖式飽和炭化水素基を表し、直鎖式又は分岐鎖式のものが含まれる。
Rとしては、基材接着性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、好ましくは炭素数2の三価の炭化水素基である。
Rとしては、基材接着性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、好ましくは炭素数2の三価の炭化水素基である。
化合物(S)は、スルホン酸基を有する脂肪族ジカルボン酸(無水物)の有する2つのカルボキシル基に水酸基を2個有する化合物がそれぞれエステル化し、スルホン酸基をスルホン酸塩とした構造を有するものであり、例えば、不飽和脂肪族ジカルボン酸(無水物){例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、2-ペンテン2酸、メサコン酸、イタコン酸等}1モルに、水酸基を2個有する化合物を2モルエステル化した化合物(S0)(例えば、フマル酸ジエステル、マレイン酸ジエステル等)の有する炭素-炭素二重結合に、スルホン化剤(例えば、亜硫酸水素塩、二ピロ亜硫酸塩等)に由来するスルホン酸塩基(-SO3Z)を付加反応させることにより得ることができる。
不飽和脂肪族ジカルボン酸(無水物)としては、基材接着性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、フマル酸、マレイン酸及び無水マレイン酸が好ましい。
不飽和脂肪族ジカルボン酸(無水物)としては、基材接着性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、フマル酸、マレイン酸及び無水マレイン酸が好ましい。
水酸基を2個有する化合物としては、炭素数2~20の2価アルコール、2価フェノール化合物及びこれらのアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)付加物並びにポリエステルジオール等が挙げられる。水酸基を2個有する化合物は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
炭素数2~20の2価アルコールとしては、炭素数2~20の2価アルコール[脂肪族ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-又は1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,10-デカンジオール等)、脂環式ジオール(シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメタノール等)及び芳香脂肪族ジオール[1,4-ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等]等が挙げられる。
2価フェノール化合物としては、2個の水酸基が芳香族環に結合したものであればどのようなものでもよく、例えば、カテコール、ヒドロキノン等のジヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類、ジヒドロキシナフタレン等の多環芳香族ジヒドロキシ化合物等が挙げられる。
炭素数2~20の2価アルコール及び2価フェノール化合物に付加させるAOとしては、炭素数2~4のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略記)、1,2-プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,3-プロピレンオキサイド、1,2-、1,3-又は2,3-ブチレンオキサイド及びテトラヒドロフラン(以下、THFと略記)等が挙げられる。
これらの内、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性、耐湿熱性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、好ましいのはEO、PO及びTHFであり、更に好ましいのはPO及びTHFであり、特に好ましいのはTHFである。
AOは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよく、AOを2種以上併用する場合の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
これらの内、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性、耐湿熱性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、好ましいのはEO、PO及びTHFであり、更に好ましいのはPO及びTHFであり、特に好ましいのはTHFである。
AOは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよく、AOを2種以上併用する場合の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
ポリエステルジオールとしては、例えば縮合ポリエステルジオール、ポリラクトンジオール及びポリカーボネートジオールが挙げられる。
縮合ポリエステルジオールとしては、前記炭素数2~20の2価アルコール及びこのAO付加物並びに/又は2価フェノール化合物のAO付加物と、ジカルボン酸(酸無水物及び炭素数1~4のアルキルエステル等)との重縮合物等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、具体的には、炭素数2~40又はそれ以上(好ましくは炭素数2~12)の飽和又は不飽和の脂肪族ジカルボン酸[シュウ酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びダイマー酸等];炭素数8~15の芳香族ジカルボン酸[テレフタル酸、イソフタル酸及びフタル酸等のジカルボン酸等);及びスルホ基含有ジカルボン酸[上記ジカルボン酸にスルホ基を導入してなるもの、例えばスルホコハク酸、スルホマロン酸、スルホグルタル酸、スルホアジピン酸及びスルホイソフタル酸及びそれらの塩(例えば金属塩、アンモニウム塩、アミン塩及び4級アンモニウム塩);並びに末端にカルボキシル基を有するポリマー等が挙げられる。
末端にカルボキシル基を有するポリマーとしては、ポリエーテルジカルボン酸[例えば後述のMnが300未満の低分子ポリオール(a1)又は後述のポリエーテルポリオール(a21)等のポリオールのカルボキシメチルエーテル(アルカリの存在下にモノクロル酢酸を反応させて得られるもの等)];ポリアミド及び/又はポリエステルジカルボン酸[例えば上記ジカルボン酸を開始剤として炭素数4~15のラクタム(カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム及びウンデカノラクタム等)又は炭素数4~15のラクトン(γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン及びε-カプロラクトン等)を開環重合させてなるポリラクタムジカルボン酸及びポリラクトンジカルボン酸]等が挙げられる。
ポリラクトンジオールとしては、水、前記炭素数2~20の2価アルコール又はそのAO付加物を開始剤とする炭素数4~15のラクトン(γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン及びε-カプロラクトン等)の開環付加物等が挙げられる。
ポリカーボネートジオールとしては、前記炭素数2~20の2価アルコール又はそのAO付加物を開始剤とするアルキレンカーボネートの開環付加/重縮合物並びに前記炭素数2~20の2価アルコール又はそのAO付加物とジフェニル又はジアルキルカーボネートの重縮合(エステル交換)物等が挙げられる。
化合物(S)において、水酸基を2個有する化合物としては、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性、耐湿熱性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、好ましいのは炭素数2~20の2価アルコールのAO付加物、2価のフェノール化合物のAO付加物及びポリエステルジオールであり、更に好ましいのはポリ(オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ビスフェノールAのAO付加物及び炭素数2~6の2価アルコールと炭素数2~12のポリカルボン酸とからなるポリエステルジオールであり、特に好ましいのはポリ(オキシテトラメチレン)グリコール及びビスフェノールAのAO付加物である。
化合物(S)において、X1及びX2としては、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性、耐湿熱性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、それぞれ独立に、好ましいのは炭素数2~20の2価アルコールのAO付加物から水酸基を1つ除いた残基、2価のフェノール化合物のAO付加物から水酸基を1つ除いた残基及びポリエステルジオールから水酸基を1つ除いた残基であり、更に好ましいのはポリ(オキシプロピレン)グリコールから水酸基を1つ除いた残基、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコールから水酸基を1つ除いた残基、ビスフェノールAのAO付加物から水酸基を1つ除いた残基及び炭素数2~6の2価アルコールと炭素数2~12のポリカルボン酸とからなるポリエステルジオールから水酸基を1つ除いた残基であり、特に好ましいのはポリ(オキシテトラメチレン)グリコールから水酸基を1つ除いた残基及びビスフェノールAのAO付加物から水酸基を1つ除いた残基である。
化合物(S)において、X1及びX2としては、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性、耐湿熱性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、それぞれ独立に、好ましいのは炭素数2~20の2価アルコールのAO付加物から水酸基を1つ除いた残基、2価のフェノール化合物のAO付加物から水酸基を1つ除いた残基及びポリエステルジオールから水酸基を1つ除いた残基であり、更に好ましいのはポリ(オキシプロピレン)グリコールから水酸基を1つ除いた残基、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコールから水酸基を1つ除いた残基、ビスフェノールAのAO付加物から水酸基を1つ除いた残基及び炭素数2~6の2価アルコールと炭素数2~12のポリカルボン酸とからなるポリエステルジオールから水酸基を1つ除いた残基であり、特に好ましいのはポリ(オキシテトラメチレン)グリコールから水酸基を1つ除いた残基及びビスフェノールAのAO付加物から水酸基を1つ除いた残基である。
一般式(1)において、-SO3Zはスルホン酸塩基を表し、Zは対イオンを表し、Zとしては、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム等)イオン、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネシウム等、例えばZ=[Ca2+]1/2等)イオン、オニウム[例えば、アンモニウム、アミン{第1級アミン(炭素数1~50のものが含まれ、例えば、メチルアミン、エチルアミン及びブチルアミン等のアルキルアミン並びにモノエタノールアミン等のモノアルカノールアミン等)、第2級アミン(炭素数2~50のものが含まれ、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン及びジブチルアミン等のジアルキルアミン並びにジエタノールアミン等のジアルカノールアミン等)、第3級アミン(炭素数3~50のものが含まれ、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びトリブチルアミン等のトリアルキルアミン、トリエタノールアミン等のトリアルキルアミン並びにN-メチルジエタノールアミン等のアルキルジアルカノールアミン等)等}のプロトン化によるオニウム、第4級アンモニウム{炭素数4~50のものが含まれ、例えば、テトラメチルアンモニウム等}、ホスホニウム(例えば、テトラブチルホスホニウム、トリブチルベンジルホスホニウム等)等]のイオン等が挙げられる。
これらのうち、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、アルカリ金属イオン及びオニウムイオンが好ましく、更に好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオンであり、特に好ましくはナトリウムイオンである。
これらのうち、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、アルカリ金属イオン及びオニウムイオンが好ましく、更に好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオンであり、特に好ましくはナトリウムイオンである。
化合物(S)において一般式(1)におけるZは、例えば、前記スルホン化剤として用いる亜硫酸水素塩やピロ亜硫酸塩等の塩として、上記アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、オニウム塩等を用いることで調整することができる。
化合物(S)において、水酸基を2個有する化合物の水酸基価は、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、好ましくは50~450mgKOH/g、更に好ましくは80~300mgKOH/gである。水酸基を2個有する化合物の水酸基価が上記範囲であると、化合物(S)中のスルホン酸塩基の濃度が適度となり、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性が良好となる。また、化合物(S)中の水酸基がイソシアネート基と反応して生成する凝集力の高いウレタン基と、化合物(S)中のスルホン酸塩基とが離れて存在することができるため、硬化性ウレタン組成物中でスルホン酸塩基と親和性が高い無機フィラーの分散性が良好になる傾向があると推察される。
尚、本発明において、水酸基価はJIS K1557-1に準拠して測定される。
尚、本発明において、水酸基価はJIS K1557-1に準拠して測定される。
化合物(S)中のスルホン酸塩基の濃度は、0.22~1.8mmol/gが好ましく、更に好ましくは0.3~1.6mmol/g、特に好ましくは0.4~1.5mmol/gである。
スルホン酸塩基の濃度は、アニオン界面活性剤の分相滴定法(エプトン法)に準じて求めることができる。具体的には、化合物(S)をクロロホルムと水との系に分相させ、そこに指示薬としてメチレンブルー塩酸塩水溶液を加え、この状態で1mmоl/lの塩化ベンザルコニウム液(カチオン界面活性剤標準液)を滴下して分相滴定し、この際に該指示薬の移行を肉眼観察することにより終点を決め、かかる終点の滴定量に基づいて下記の式よりスルホン酸濃度を測定する。
スルホン酸塩基の濃度(mmоl/g)=(カチオン界面活性剤標準液の滴定量(ml))×(カチオン界面活性剤標準液の濃度(mmol/l))/(化合物(S)の量(g)×1000)
化合物(S)のスルホン酸塩基の濃度が0.22mmol/g以上であると硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性が良好である傾向があり、1.8mmol/g以下であると硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性が良好である傾向がある。
スルホン酸塩基の濃度は、アニオン界面活性剤の分相滴定法(エプトン法)に準じて求めることができる。具体的には、化合物(S)をクロロホルムと水との系に分相させ、そこに指示薬としてメチレンブルー塩酸塩水溶液を加え、この状態で1mmоl/lの塩化ベンザルコニウム液(カチオン界面活性剤標準液)を滴下して分相滴定し、この際に該指示薬の移行を肉眼観察することにより終点を決め、かかる終点の滴定量に基づいて下記の式よりスルホン酸濃度を測定する。
スルホン酸塩基の濃度(mmоl/g)=(カチオン界面活性剤標準液の滴定量(ml))×(カチオン界面活性剤標準液の濃度(mmol/l))/(化合物(S)の量(g)×1000)
化合物(S)のスルホン酸塩基の濃度が0.22mmol/g以上であると硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性が良好である傾向があり、1.8mmol/g以下であると硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性が良好である傾向がある。
化合物(S)の水酸基価は、25~190mgKOH/gが好ましく、更に好ましくは30~180mgKOH/g、特に好ましくは40~170mgKOH/gである。
化合物(S)の水酸基価が25mgKOH/g以上であると、化合物(S)中のスルホン酸塩基の濃度が適度となり、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性が良好である傾向があり、190mgKOH/g以下であると、化合物(S)中の水酸基がイソシアネート基と反応して生成する凝集力の高いウレタン基と、化合物(S)中のスルホン酸塩基とが離れて存在することができるため、硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性が良好である傾向がある。
化合物(S)の水酸基価が25mgKOH/g以上であると、化合物(S)中のスルホン酸塩基の濃度が適度となり、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性が良好である傾向があり、190mgKOH/g以下であると、化合物(S)中の水酸基がイソシアネート基と反応して生成する凝集力の高いウレタン基と、化合物(S)中のスルホン酸塩基とが離れて存在することができるため、硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性が良好である傾向がある。
化合物(S)の有する水酸基の1級水酸基比率は、硬化性ウレタン組成物の硬化性の観点から、30~100%であることが好ましく、更に好ましくは40~100%である。
1級水酸基比率の測定方法を以下に具体的に説明する。
<試料調製法>
測定試料約30mgを直径5mmのNMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し、分析用試料とする。上記重水素化溶媒としては、例えば、重水、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド及び重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
<NMR測定>
一般的な条件で1H-NMR測定を行う。
1級水酸基比率の測定方法を以下に具体的に説明する。
<試料調製法>
測定試料約30mgを直径5mmのNMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し、分析用試料とする。上記重水素化溶媒としては、例えば、重水、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド及び重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
<NMR測定>
一般的な条件で1H-NMR測定を行う。
<1級水酸基比率の計算方法>
上に述べた前処理の方法により、化合物(S)の水酸基は、添加した無水トリフルオロ酢酸と反応してトリフルオロ酢酸エステルとなる。その結果、1級水酸基が結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基が結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測される(重水素化クロロホルムを溶媒として使用)。1級水酸基比率は次の関係式(2)により算出する。
1級水酸基比率(%)=[a/(a+2×b)]×100 (2)
但し、式中、aは4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値;bは5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値である。
上に述べた前処理の方法により、化合物(S)の水酸基は、添加した無水トリフルオロ酢酸と反応してトリフルオロ酢酸エステルとなる。その結果、1級水酸基が結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基が結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測される(重水素化クロロホルムを溶媒として使用)。1級水酸基比率は次の関係式(2)により算出する。
1級水酸基比率(%)=[a/(a+2×b)]×100 (2)
但し、式中、aは4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値;bは5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値である。
化合物(S)の分子式量又は数平均分子量(Mn)は、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、好ましくは590~4500であり、更に好ましくは620~3700である。
<水酸基成分(A)>
水酸基成分(A)としては、前記化合物(S)及び前記化合物(S)以外のその他の水酸基成分(a)が挙げられる。
その他の水酸基成分(a)としては、数平均分子量(以下、Mnと略記)が300未満の低分子ポリオール(a1)、Mnが300以上の高分子ポリオール(a2)、前記(ii)の「化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー」(a3)、並びに(a3)以外の水酸基を有するウレタンプレポリマー(a4)等が挙げられる。水酸基成分(A)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
水酸基成分(A)としては、前記化合物(S)及び前記化合物(S)以外のその他の水酸基成分(a)が挙げられる。
その他の水酸基成分(a)としては、数平均分子量(以下、Mnと略記)が300未満の低分子ポリオール(a1)、Mnが300以上の高分子ポリオール(a2)、前記(ii)の「化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー」(a3)、並びに(a3)以外の水酸基を有するウレタンプレポリマー(a4)等が挙げられる。水酸基成分(A)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明における化合物(S)及び水酸基成分(A)のMnは、THFを溶媒として用いポリ(オキシエチレン)グリコールを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される。例えば以下の条件で測定することができる。
装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
カラム:「Guardcolumn Super H-L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの」
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:10μl
流量:0.6ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリエチレングリコール
装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
カラム:「Guardcolumn Super H-L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの」
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:10μl
流量:0.6ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリエチレングリコール
Mnが300未満の低分子ポリオール(a1)には、化学式量が300未満のポリオールも含まれ、具体的には、炭素数2~20の2価アルコール、炭素数3~20の3価~8価又はそれ以上の多価アルコール及び水酸基以外の官能基を有する炭素数5~20のポリオール等が挙げられる。
炭素数2~20の2価アルコールとしては、前記化合物(S)における水酸基を2個有する化合物として例示したものと同様のものが挙げられる。
炭素数3~20の3価~8価又はそれ以上の多価アルコールとしては、例えば(シクロ)アルカンポリオール及びそれらの分子内又は分子間脱水物[グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジペンタエリスリトール、1,2,6-ヘキサントリオール、エリスリトール、シクロヘキサントリオール、マンニトール、キシリトール、ソルビタン、ジグリセリンその他のポリグリセリン等]、糖類及びその誘導体[蔗糖、グルコース、フラクトース、マンノース、ラクトース及びグリコシド(メチルグルコシド等)]、並びにN,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等のアルキレンジアミンのAO付加物等が挙げられる。
水酸基以外の官能基を有する炭素数5~20のポリオールとしては、例えばカルボキシル基、スルホン酸基又はこれらの塩等を有するポリオールが挙げられる。
カルボキシル基を有するポリオールとしては、例えば炭素数5~20のポリヒドロキシカルボン酸[例えば3,5-ジヒドロキシ安息香酸、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、2,2-ビス(2-ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2-ビス(3-ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス(4-ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N-ジヒドロキシエチルグリシン及びN,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-カルボキシ-プロピオンアミド]が挙げられる。
スルホン酸基を有するポリオールとしては、前記化合物(S)以外のものであり、例えば炭素数3~20のスルホン酸基を含有するジカルボン酸とポリオールの1種以上とを反応させて得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。スルホン酸基を含有するジカルボン酸としては、例えば5-スルホイソフタル酸及び2-スルホテレフタル酸等が挙げられ、好ましいのは5-スルホイソフタル酸である。ポリオールとしては、炭素数2~12のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール及び1,6-ヘキサンジオール等)等が挙げられる。エステル化の際のポリオールの水酸基とスルホ基を含有するジカルボン酸のカルボキシル基のモル比(OH/COOH)は、好ましくは1.1/1~5/1、更に好ましくは1.5/1~3/1である。
上記カルボキシル基又はスルホン酸基が塩を形成する際の対イオンは特に限定されず、塩としては例えばアルカリ金属(ナトリウム及びカリウム)塩、アンモニウム塩、1級アミン(メチルアミン、エチルアミン及びブチルアミン等のアルキルアミン並びにモノエタノールアミン等のモノアルカノールアミン等)塩、2級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン及びジブチルアミン等のジアルキルアミン並びにジエタノールアミン等のジアルカノールアミン等)塩、3級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン及びトリブチルアミン等のトリアルキルアミン、トリエタノールアミン等のトリアルキルアミン並びにN-メチルジエタノールアミン等のアルキルジアルカノールアミン)塩及び第4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム等)塩である。
Mnが300未満の低分子ポリオール(a1)のうち、反応性の観点から好ましいのは炭素数3~20の3価~8価又はそれ以上の多価アルコールであり、更に好ましいのはグリセリン、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールである。
また、硬化物の基材接着性の観点から好ましいのは、水酸基以外の官能基を有する炭素数5~20のポリオールであり、更に好ましいのはカルボキシル基を有する2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸及び2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸である。
また、硬化物の基材接着性の観点から好ましいのは、水酸基以外の官能基を有する炭素数5~20のポリオールであり、更に好ましいのはカルボキシル基を有する2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸及び2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸である。
Mnが300以上の高分子ポリオール(a2)としては、ポリエーテルポリオール(a21)、ポリエステルポリオール(a22)及びその他のポリオール(a23)等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール(a21)としては、前記低分子ポリオール(a1)のAO付加物が挙げられ、例えばポリ(オキシアルキレン)グリコール[ポリ(オキシエチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール及びポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシ-3-メチルテトラメチレン)グリコール等]、共重合ポリ(オキシアルキレン)ジオール[EO/PO共重合ジオール、THF/EO共重合ジオール及びTHF/3-メチルテトラヒドロフラン共重合ジオール等(重量比は例えば1/9~9/1)]及びビスフェノール系化合物のAO付加物;3官能以上のポリエーテルポリオール、例えば3価以上の多価アルコールのAO付加物[グリセリンのAO付加物及びトリメチロールプロパンのAO付加物等];並びにこれらの1種以上をメチレンジクロライドでカップリングしたもの等が挙げられる。
上記におけるビスフェノール系化合物としては例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールE及びビスフェノールF等、詳しくは特開2008-126108等に記載されたものが挙げられる。
上記におけるAO付加モル数は、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、好ましくは2~100モル、更に好ましくは2~50モル、特に好ましくは2~30モルである。
尚、ビスフェノール系化合物のAO付加物の場合、AO付加モル数は、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から好ましくは2~10モル、更に好ましくは2~6モル、特に好ましくは2~4モルである。
上記におけるAO付加モル数は、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、好ましくは2~100モル、更に好ましくは2~50モル、特に好ましくは2~30モルである。
尚、ビスフェノール系化合物のAO付加物の場合、AO付加モル数は、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から好ましくは2~10モル、更に好ましくは2~6モル、特に好ましくは2~4モルである。
ポリエステルポリオール(a22)としては、前記化合物(S)における水酸基を2個有する化合物として例示したものと同様のものに加えて、ヒマシ油系ポリオール等が挙げられる。
ヒマシ油系ポリオールとしては、ヒマシ油(リシノール酸トリグリセリド)、部分脱水ヒマシ油、部分アシル化ヒマシ油、水添ヒマシ油及びこれらの変性物[ポリエーテルポリオール(a21)若しくはMnが300未満の低分子ポリオール(a1)とヒマシ油、部分脱水ヒマシ油若しくは水添ヒマシ油とのエステル交換反応により得られるエステルポリオール、及びポリエーテルポリオール(a21)若しくはMnが300未満の低分子ポリオール(a1)とヒマシ油脂肪酸若しくは水添ヒマシ油脂肪酸とのエステル化反応により得られるエステル等]等が挙げられる。
その他のポリオール(a23)としては、ポリマーポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアルカジエンポリオール、アクリルポリオール及びアミノ基含有ポリオール等が挙げられる。
ポリマーポリオールとしては、1種以上のポリオール中で炭素数3~24のビニル単量体(例えばスチレン、アクリロニトリル)をラジカル重合開始剤の存在下で重合させた重合体粒子を分散安定化させてなるポリオール(重合体含量は例えば5~30重量%)が挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、ポリイソブテンポリオール等が挙げられる。
ポリアルカジエンポリオールとしては、ポリイソプレンポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添化ポリイソプレンポリオール及び水添化ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、ポリイソブテンポリオール等が挙げられる。
ポリアルカジエンポリオールとしては、ポリイソプレンポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添化ポリイソプレンポリオール及び水添化ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。
アクリルポリオールとしては、(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1~30)エステル[ブチル(メタ)アクリレート等]と水酸基含有アクリルモノマー[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等]との共重合体等が挙げられる。
アミノ基含有ポリオールとしては、例えばポリ(n=2~6)アルキレン(炭素数2~6)ポリ(n=3~7)アミンのAO付加物[N,N,N’,N’,N”-ペンタキス(2-ヒドロキシプロピル)-ジエチレントリアミン等]が挙げられる。
アミノ基含有ポリオールとしては、例えばポリ(n=2~6)アルキレン(炭素数2~6)ポリ(n=3~7)アミンのAO付加物[N,N,N’,N’,N”-ペンタキス(2-ヒドロキシプロピル)-ジエチレントリアミン等]が挙げられる。
前記(ii)の「化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー」(a3)としては、化合物(S)と、必要により用いられる(a1)及び(a2)からなる群から選ばれる少なくとも1種と、後述のイソシアネート(b1)、(b2)、(b3)及びイソシアネート変性体(b4)からなる群から選ばれる少なくとも1種とを反応させて得られる末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー等が挙げられる。
(a3)以外の水酸基を有するウレタンプレポリマー(a4)としては、(a1)及び(a2)からなる群から選ばれる少なくとも1種と、後述のイソシアネート(b1)、(b2)、(b3)及びイソシアネート変性体(b4)からなる群から選ばれる少なくとも1種とを反応させて得られる末端に水酸基を有するウレタンプレポリマーが挙げられる。
(a3)以外の水酸基を有するウレタンプレポリマー(a4)としては、(a1)及び(a2)からなる群から選ばれる少なくとも1種と、後述のイソシアネート(b1)、(b2)、(b3)及びイソシアネート変性体(b4)からなる群から選ばれる少なくとも1種とを反応させて得られる末端に水酸基を有するウレタンプレポリマーが挙げられる。
末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー(a3)及び(a4)を製造する際の後述のイソシアネート(b1)、(b2)、(b3)及びイソシアネート変性体(b4)からなる群から選ばれる少なくとも1種のイソシアネート成分中のイソシアネート基(NCO基)と、化合物(S)、(a1)及び(a2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の水酸基成分中の水酸基とのモル比(NCO/水酸基)は、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、好ましくは0.25/1~0.99/1、更に好ましくは0.5/1~0.95/1、特に好ましくは0.6/1~0.9/1、最も好ましくは0.7/1~0.85/1である。
(a3)及び(a4)の数平均分子量は、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、1,500~100,000が好ましく、更に好ましくは2,000~50,000である。
(a3)及び(a4)の水酸基価は、硬化物の基材接着性の観点から、1~75mgKOH/gが好ましく、更に好ましくは2~60mgKOH/gである。
本発明において、水酸基成分(A)のモル平均官能基数は、硬化性の観点から、2~6又はそれ以上が好ましく、更に好ましくは2~5、特に好ましくは2~4、最も好ましくは2~3である。
<イソシアネート成分(B)>
本発明におけるイソシアネート成分(B)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2~18の脂肪族イソシアネート(b1)、炭素数8~15の芳香脂肪族イソシアネート(b2)、炭素数6~20の芳香族イソシアネート(b3)、これらのイソシアヌレート基、ウレトイミン基、アロファネート基、ビウレット基、ウレトイミン基、カルボジイミド基及び/又はウレトジオン基を有するイソシアネート変性体(b4)、前記(iii)の「化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー」(b5)、前記(b5)以外のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(b6)等が挙げられる。イソシアネート成分(B)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明におけるイソシアネート成分(B)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2~18の脂肪族イソシアネート(b1)、炭素数8~15の芳香脂肪族イソシアネート(b2)、炭素数6~20の芳香族イソシアネート(b3)、これらのイソシアヌレート基、ウレトイミン基、アロファネート基、ビウレット基、ウレトイミン基、カルボジイミド基及び/又はウレトジオン基を有するイソシアネート変性体(b4)、前記(iii)の「化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー」(b5)、前記(b5)以外のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(b6)等が挙げられる。イソシアネート成分(B)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
炭素数2~18の脂肪族イソシアネート(b1)としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4-又は2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6-ジイソシアナトメチルカプロエート、2,6-ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2-イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2-イソシアナトエチル)カーボネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2-イソシアナトエチル)-4-シクロヘキシレン-1,2-ジカルボキシレート及び2,5-又は2,6-ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
炭素数8~15の芳香脂肪族イソシアネート(b2)としては、m-又はp-キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジエチルベンゼンジイソシアネート及びα,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が挙げられる。
炭素数6~20の芳香族イソシアネート(b3)としては、1,3-又は1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-又は2,6-トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’-又は2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、m-又はp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン及び1,5-ナフチレンジイソシアネート等が挙げられる。
イソシアヌレート基、ウレトイミン基、アロファネート基、ビウレット基、ウレトイミン基、カルボジイミド基及び/又はウレトジオン基を有するイソシアネート変性体(b4)としては、MDIのウレトイミン基を有する変成体、HDIのビウレット基を有する変性体及びHDIのイソシアヌレート基を有する変性体等が挙げられる。
前記(iii)の「化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー」(b5)は、前記化合物(S)と、必要により用いられる低分子ポリオール(a1)及び高分子ポリオール(a2)からなる群から選ばれる少なくとも1種と、過剰のイソシアネート(b1)、(b2)、(b3)及びイソシアネート変性体(b4)からなる群から選ばれる少なくとも1種とを反応させることにより得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーが挙げられる。
前記(b5)以外のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(b6)は、低分子ポリオール(a1)及び高分子ポリオール(a2)からなる群から選ばれる少なくとも1種と、過剰のイソシアネート(b1)、(b2)、(b3)及びイソシアネート変性体(b4)からなる群から選ばれる少なくとも1種とを反応させることにより得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーが挙げられる。
(b6)において、(a1)及び(a2)としては、ウレタンプレポリマーの生産性及び硬化物の基材接着性の観点から、水酸基当量(水酸基1つ当りの分子量、以下同じ)が好ましくは1,000以下、更に好ましくは30~500のポリオールを用いることが好ましい。
ウレタンプレポリマー(b6)の具体例としては、例えばグリセリンモノ(メタ)アクリレート(1モル)の水添MDI(2モル)付加体、ペンタエリスリトール(1モル)のTDI(4モル)付加体、トリメチロールプロパン(1モル)のHDI(3モル)又はTDI(3モル)付加体、ビスフェノールAのAO2モル付加物(1モル)の水添MDI(2モル)付加体及びポリ(オキシプロピレン)グリコール(1モル)のMDI(2モル)付加体等が挙げられる。
本発明において、イソシアネート成分(B)として、硬化性ウレタン組成物の凝集力の観点から、3~8価の多価アルコールとイソシアネート(b1)、(b2)及び(b3)からなる群より選ばれる少なくとも1種との反応物であるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有することが好ましい。
3~8価の多価アルコールとイソシアネート(b1)、(b2)及び(b3)からなる群より選ばれる少なくとも1種との反応物であるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有すると、硬化性ウレタン組成物の硬化後の架橋度が高くなり、硬化物の凝集力が高くなる傾向があるため、基材塗工後の接着力が良好になる傾向がある。
3~8価の多価アルコールとイソシアネート(b1)、(b2)及び(b3)からなる群より選ばれる少なくとも1種との反応物であるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有すると、硬化性ウレタン組成物の硬化後の架橋度が高くなり、硬化物の凝集力が高くなる傾向があるため、基材塗工後の接着力が良好になる傾向がある。
末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー(a3)及び(a4)並びに末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(b5)及び(b6)の製造方法としては、既知のウレタンの製造方法が使用でき、例えば溶剤(トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン及びテトラヒドロフラン等)の存在下又は非存在下で、必要な水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させる方法が挙げられる。
反応には、公知の反応装置(撹拌機を備えた混合槽、スタティックミキサー等)が使用でき、反応温度は、反応性及び熱劣化抑制の観点から好ましくは10~160℃、更に好ましくは25~120℃であり、安定性の観点から気相部を窒素で置換するのが好ましい。
本発明において、イソシアネート成分(B)のモル平均官能基数は、硬化性の観点から、2~6又はそれ以上であることが好ましく、更に好ましくは2~5、特に好ましくは2~4である。
イソシアネート成分(B)のNCO当量(NCO基1つ当りの分子量、以下同じ)は、硬化物の基材接着性の観点から、1000以下が好ましく、更に好ましくは500以下、特に好ましくは300以下である。
また、イソシアネート成分(B)中のイソシアネート基含量(イソシアネート成分(B)中に含まれるイソシアネート基の重量割合、以下同じ)は、硬化物の基材接着性の観点から、好ましくは0.5~50重量%、更に好ましくは1~35重量%、特に好ましくは3~30重量%、とりわけ好ましくは4~25重量%、最も好ましくは12~24重量%である。
また、イソシアネート成分(B)中のイソシアネート基含量(イソシアネート成分(B)中に含まれるイソシアネート基の重量割合、以下同じ)は、硬化物の基材接着性の観点から、好ましくは0.5~50重量%、更に好ましくは1~35重量%、特に好ましくは3~30重量%、とりわけ好ましくは4~25重量%、最も好ましくは12~24重量%である。
<硬化性ウレタン組成物>
本発明の硬化性ウレタン組成物は、水酸基成分(A)及びイソシアネート成分(B)を含有する硬化性ウレタン組成物であって、以下の(i)~(iii)のうち少なくとも1つを満たす硬化性ウレタン組成物である。
(i)前記(A)が下記一般式(1)で表される化合物(S)を含有する。
(ii)前記水酸基成分(A)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端に水酸基を有するウレタンプレポリマーを含有する。
(iii)前記イソシアネート成分(B)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する。
本発明の硬化性ウレタン組成物は、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性の観点から、前記水酸基成分(A)を含有する主剤と、イソシアネート成分(B)を含有する硬化剤とからなる2液硬化性ウレタン組成物であることが好ましい。
本発明の硬化性ウレタン組成物は、水酸基成分(A)及びイソシアネート成分(B)を含有する硬化性ウレタン組成物であって、以下の(i)~(iii)のうち少なくとも1つを満たす硬化性ウレタン組成物である。
(i)前記(A)が下記一般式(1)で表される化合物(S)を含有する。
(ii)前記水酸基成分(A)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端に水酸基を有するウレタンプレポリマーを含有する。
(iii)前記イソシアネート成分(B)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する。
本発明の硬化性ウレタン組成物は、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性の観点から、前記水酸基成分(A)を含有する主剤と、イソシアネート成分(B)を含有する硬化剤とからなる2液硬化性ウレタン組成物であることが好ましい。
本発明の硬化性ウレタン組成物中には、水酸基成分(A)及び/又は構成単量体として前記化合物(S)が含まれる。
硬化性ウレタン組成物中の前記化合物(S)の含有量(前記(ii)、(iii)の場合における構成単量体として含有するものを含む)は、水酸基成分(A)及びイソシアネート成分(B)の合計重量を基準として、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、好ましくは0.1~60重量%、更に好ましくは0.5~30重量%、特に好ましくは1~20重量%である。
水酸基成分(A)中の前記化合物(S)の含有量(前記(ii)の場合における構成単量体として含有するものを含む)は、水酸基成分(A)の重量に基づいて、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、好ましくは1~99重量%、更に好ましくは5~70重量%、特に好ましくは10~60重量%である。
硬化性ウレタン組成物中の前記化合物(S)の含有量(前記(ii)、(iii)の場合における構成単量体として含有するものを含む)は、水酸基成分(A)及びイソシアネート成分(B)の合計重量を基準として、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、好ましくは0.1~60重量%、更に好ましくは0.5~30重量%、特に好ましくは1~20重量%である。
水酸基成分(A)中の前記化合物(S)の含有量(前記(ii)の場合における構成単量体として含有するものを含む)は、水酸基成分(A)の重量に基づいて、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、好ましくは1~99重量%、更に好ましくは5~70重量%、特に好ましくは10~60重量%である。
前記水酸基成分(A)及び前記イソシアネート成分(B)の合計重量を基準とする前記化合物(S)のスルホン酸塩基の濃度は、硬化性ウレタン組成物の硬化後の基材接着性及び硬化性ウレタン組成物中での無機フィラーの分散性の観点から、0.01~0.9mmol/gが好ましく、更に好ましくは0.02~0.85mmol/gである。
前記スルホン酸塩基の濃度は、前記化合物(S)中のスルホン酸塩基の濃度、並びに水酸基成分(A)及び前記イソシアネート成分(B)中の前記化合物(S)の含有量((ii)及び(iii)におけるウレタンプレポリマーの構成単量体としての前記化合物(S)を含む)から算出することができる。
前記スルホン酸塩基の濃度は、前記化合物(S)中のスルホン酸塩基の濃度、並びに水酸基成分(A)及び前記イソシアネート成分(B)中の前記化合物(S)の含有量((ii)及び(iii)におけるウレタンプレポリマーの構成単量体としての前記化合物(S)を含む)から算出することができる。
硬化性ウレタン組成物において、イソシアネート成分(B)中のイソシアネート基と水酸基成分(A)中の水酸基とのモル比(NCO基/水酸基)は、好ましくは0.7/1~2/1、更に好ましくは0.8/1~1.5/1、特に好ましくは0.9/1~1.3/1、最も好ましくは1/1~1.2/1である。
本発明の硬化性ウレタン組成物中には、無機フィラー(C)を含有してもよい。
また、硬化性ウレタン組成物が2液硬化性ウレタン組成物である場合、無機フィラー(C)の分散性の観点から、前記化合物(S)を含む(構成単量体として含有するものを含む)成分中に無機フィラー(C)を含有するものであることが好ましい。つまり、前記(i)及び/又は(ii)の場合は主剤中に無機フィラー(C)を含有することが好ましく、(iii)の場合は硬化剤中に無機フィラー(C)を含有することが好ましい。
本発明の硬化性ウレタン組成物が無機フィラーを含むものである場合、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラーの分散性に優れる。これは、無機フィラーは一般的に極性が高いため、高極性のスルホン酸塩基との親和性が高く、水酸基成分(A)及び/又はイソシアネート成分(B)中に化合物(S)に由来するスルホン酸塩基を含有することにより、(A)及び/又は(B)と無機フィラーとの親和性が高くなり、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性が良くなると推定される。また、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性が良くなるため無機フィラー(C)の二次凝集物が少なくなり基材との密着面の平滑性が向上し、接着面積が大きくなり基材接着性が向上すると推定される。
また、硬化性ウレタン組成物が2液硬化性ウレタン組成物である場合、無機フィラー(C)の分散性の観点から、前記化合物(S)を含む(構成単量体として含有するものを含む)成分中に無機フィラー(C)を含有するものであることが好ましい。つまり、前記(i)及び/又は(ii)の場合は主剤中に無機フィラー(C)を含有することが好ましく、(iii)の場合は硬化剤中に無機フィラー(C)を含有することが好ましい。
本発明の硬化性ウレタン組成物が無機フィラーを含むものである場合、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラーの分散性に優れる。これは、無機フィラーは一般的に極性が高いため、高極性のスルホン酸塩基との親和性が高く、水酸基成分(A)及び/又はイソシアネート成分(B)中に化合物(S)に由来するスルホン酸塩基を含有することにより、(A)及び/又は(B)と無機フィラーとの親和性が高くなり、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性が良くなると推定される。また、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性が良くなるため無機フィラー(C)の二次凝集物が少なくなり基材との密着面の平滑性が向上し、接着面積が大きくなり基材接着性が向上すると推定される。
<無機フィラー(C)>
無機フィラー(C)としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、フライアッシュ、脱水汚泥、天然シリカ、合成シリカ、カオリン、クレー、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、水酸化マグネシウム、タルク、マイカ、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、焼成タルク、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、燐酸マグネシウム、セピオライト、ゾノライト、ホウ酸アルミニウム、シリカバルーン、ガラスフレーク、ガラスバルーン、シリカ、製鉄スラグ、銅、鉄、酸化鉄、カーボンブラック、センダスト、アルニコ磁石、各種フェライト等の磁性粉、セメント、ガラス粉末、珪藻土、三酸化アンチモン、マグネシウムオキシサルフェイト、水和アルミニウム、水和石膏、ミョウバン、無機顔料(アルミナホワイト、グラファイト、亜鉛華、鉛白、ホワイトカーボン、モリブデンホワイト、リサージ、リトポン、バライト、カドミウム赤、カドミウム水銀赤、ベンガラ、モリブデン赤、鉛丹、黄鉛、カドミウム黄、バリウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、チタンブラック、酸化クロム緑、酸化コバルト、コバルト緑、コバルト・クロム緑、群青、紺青、コバルト青、セルリアン青、マンガン紫、コバルト紫等)等が挙げられる。
無機フィラー(C)の体積平均粒径は、好ましくは0.01~20μmである。
これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
これらのうち、硬化性ウレタン組成物の硬化性の観点から、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、タルク、ウォラストナイト、シリカ及び酸化鉄が好ましい。
無機フィラー(C)としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、フライアッシュ、脱水汚泥、天然シリカ、合成シリカ、カオリン、クレー、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、水酸化マグネシウム、タルク、マイカ、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、焼成タルク、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、燐酸マグネシウム、セピオライト、ゾノライト、ホウ酸アルミニウム、シリカバルーン、ガラスフレーク、ガラスバルーン、シリカ、製鉄スラグ、銅、鉄、酸化鉄、カーボンブラック、センダスト、アルニコ磁石、各種フェライト等の磁性粉、セメント、ガラス粉末、珪藻土、三酸化アンチモン、マグネシウムオキシサルフェイト、水和アルミニウム、水和石膏、ミョウバン、無機顔料(アルミナホワイト、グラファイト、亜鉛華、鉛白、ホワイトカーボン、モリブデンホワイト、リサージ、リトポン、バライト、カドミウム赤、カドミウム水銀赤、ベンガラ、モリブデン赤、鉛丹、黄鉛、カドミウム黄、バリウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、チタンブラック、酸化クロム緑、酸化コバルト、コバルト緑、コバルト・クロム緑、群青、紺青、コバルト青、セルリアン青、マンガン紫、コバルト紫等)等が挙げられる。
無機フィラー(C)の体積平均粒径は、好ましくは0.01~20μmである。
これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
これらのうち、硬化性ウレタン組成物の硬化性の観点から、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、タルク、ウォラストナイト、シリカ及び酸化鉄が好ましい。
硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の含有量は、硬化性ウレタン組成物の重量を基準として、硬化性ウレタン組成物の基材への塗工性の観点から、好ましくは50~95重量%、更に好ましくは55~90重量%、特に好ましくは60~85重量%である。
硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の重量と前記化合物(S)の重量(前記(ii)、(iii)の場合における構成単量体として含有するものを含む)との重量比率(無機フィラー/化合物(S))は、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性の観点から、2~90が好ましく、更に好ましくは3~85である。
無機フィラー(C)を含む場合、硬化性ウレタン組成物中の前記化合物(S)のスルホン酸塩濃度は、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性の観点から、硬化性ウレタン組成物の重量を基準として、0.005~0.5mmol/gが好ましく、更に好ましくは0.01~0.45mmol/gである。
硬化性ウレタン組成物中の前記化合物(S)のスルホン酸濃度は、前記化合物(S)中のスルホン酸塩基の濃度、及び硬化性ウレタン組成物中の前記化合物(S)の含有量((ii)及び(iii)におけるウレタンプレポリマーの構成単量体としての前記化合物(S)を含む)により算出することができる。
なお、前記硬化性ウレタン組成物の重量には、後述する溶剤の重量は含まない。
硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の重量と前記化合物(S)の重量(前記(ii)、(iii)の場合における構成単量体として含有するものを含む)との重量比率(無機フィラー/化合物(S))は、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性の観点から、2~90が好ましく、更に好ましくは3~85である。
無機フィラー(C)を含む場合、硬化性ウレタン組成物中の前記化合物(S)のスルホン酸塩濃度は、硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の分散性の観点から、硬化性ウレタン組成物の重量を基準として、0.005~0.5mmol/gが好ましく、更に好ましくは0.01~0.45mmol/gである。
硬化性ウレタン組成物中の前記化合物(S)のスルホン酸濃度は、前記化合物(S)中のスルホン酸塩基の濃度、及び硬化性ウレタン組成物中の前記化合物(S)の含有量((ii)及び(iii)におけるウレタンプレポリマーの構成単量体としての前記化合物(S)を含む)により算出することができる。
なお、前記硬化性ウレタン組成物の重量には、後述する溶剤の重量は含まない。
本発明の硬化性ウレタン組成物は、溶剤[例えば芳香族系溶剤(トルエン及びキシレン等)、エステル系溶剤(酢酸エチル及び酢酸ブチル等)、アミド系溶剤(ジメチルホルムアミド等)、ケトン系溶剤(アセトン及びメチルエチルケトン等)及びエーテル系溶剤(テトラヒドロフラン等)]を含有することができる。
溶剤を含有することにより硬化性ウレタン組成物のハンドリング性が向上する。
溶剤の使用量は、水酸基成分(A)、イソシアネート成分(B)及び必要により含有する無機フィラー(C)の合計重量に基づいて、硬化性ウレタン組成物のハンドリング性及びレベリング性の観点から好ましくは80重量%以下、更に好ましくは10~50重量%である。
溶剤の使用量は、水酸基成分(A)、イソシアネート成分(B)及び必要により含有する無機フィラー(C)の合計重量に基づいて、硬化性ウレタン組成物のハンドリング性及びレベリング性の観点から好ましくは80重量%以下、更に好ましくは10~50重量%である。
本発明の硬化性ウレタン組成物は、硬化物の基材接着性向上のために、更に粘着性付与剤(E)を含有することができる。
粘着性付与剤(E)としては、例えばテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノール樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、合成石油樹脂(脂肪族、芳香族又は脂環式合成石油樹脂等)、クマロン-インデン樹脂、キシレン樹脂、スチレン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びこれらの内の水素添加可能な不飽和二重結合を有するものの水素添加物等が挙げられる。粘着性付与剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらの内、接着性の観点から酸価及び/又は水酸基価を有するものが好ましく、ロジン樹脂、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレン樹脂及びこれらの水素添加物が更に好ましく、テルペンフェノール樹脂及びその水素添加物が特に好ましい。
これらの内、接着性の観点から酸価及び/又は水酸基価を有するものが好ましく、ロジン樹脂、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレン樹脂及びこれらの水素添加物が更に好ましく、テルペンフェノール樹脂及びその水素添加物が特に好ましい。
粘着性付与剤(E)の酸価又は水酸基価(分子中に酸基と水酸基を共に有する場合は酸価と水酸基価の合計値)は、硬化性ウレタン組成物に用いる他のポリオール成分との相溶性の観点から、好ましくは10~400mgKOH/g、更に好ましくは20~300mgKOH/g、特に好ましくは50~250mgKOH/g、最も好ましくは100~220mgKOH/gである。
粘着性付与剤(E)の使用量は、硬化性ウレタン組成物の場合は水酸基成分(A)、イソシアネート成分(B)及び無機フィラー(C)の合計重量に基づいて、硬化物の基材接着性及び耐熱性の観点から、好ましくは100重量%以下、更に好ましくは1~50重量%、特に好ましくは3~40重量%、とりわけ好ましくは5~35重量%、最も好ましくは10~30重量%である。
本発明の硬化性ウレタン組成物は、硬化反応促進のため必要により一般的にウレタン化反応に用いられる触媒を含有することができる。触媒の具体例としては、例えば有機金属化合物[ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズラウレート、ビスマスカルボキシレート、ビスマスアルコキシド及びジカルボニル基を有する化合物とビスマスとのキレート化合物等]、無機金属化合物[酸化ビスマス、水酸化ビスマス、ハロゲン化ビスマス等];アミン[トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジアザビシクロウンデセン等]及びこれらの2種以上の併用が挙げられる。
触媒の使用量は特に限定はないが、水酸基成分(A)及びイソシアネート成分(B)の合計重量に基づいて、好ましくは0.0001~0.3重量%、更に好ましくは0.001~0.2重量%、特に好ましくは0.01~0.1重量%である。
触媒の使用量は特に限定はないが、水酸基成分(A)及びイソシアネート成分(B)の合計重量に基づいて、好ましくは0.0001~0.3重量%、更に好ましくは0.001~0.2重量%、特に好ましくは0.01~0.1重量%である。
本発明の硬化性ウレタン組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、充填剤及び顔料等の添加剤を含有することができる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール化合物〔トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2-チオ-ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等〕及び亜リン酸エステル化合物[トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトール-ジ-ホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)4,4’-ビフェニレン-ジ-ホスホナイト等]が挙げられる。これらの酸化防止剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
酸化防止剤の使用量は、水酸基成分(A)、イソシアネート成分(B)及び無機フィラー(C)の合計重量に基づいて、酸化防止効果及び硬化物の基材接着性の観点から、好ましくは5重量%以下、更に好ましくは0.05~1重量%である。
酸化防止剤の使用量は、水酸基成分(A)、イソシアネート成分(B)及び無機フィラー(C)の合計重量に基づいて、酸化防止効果及び硬化物の基材接着性の観点から、好ましくは5重量%以下、更に好ましくは0.05~1重量%である。
紫外線吸収剤としては、サリチル酸誘導体(サリチル酸フェニル、サリチル酸-P-オクチルフェニル、サリチル酸-P-第三ブチルフェニル等)、ベンゾフェノン化合物[2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ-5-スルホベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホベンゾフェノン・トリヒドレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノン、ビス(2-メトキシ-4-ヒドロキシ-5-ベンゾイルフェニル)メタン等]、ベンゾトリアゾール化合物{2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチル-フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾ-ル、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチル-フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4’-n-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-アミルフェニル)ベンゾトリアゾ―ル、2-[2’-ヒ
ドロキシ-3’-(3”,4”,5”,6”-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5’-メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]等}、シアノアクリレート化合物(2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート、エチル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート等)等が挙げられる。紫外線吸収剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
紫外線吸収剤の使用量は、水酸基成分(A)、イソシアネート成分(B)及び無機フィラー(C)の合計重量に基づいて、紫外線吸収効果及び硬化物の基材接着性の観点から、好ましくは5重量%以下、更に好ましくは0.1~1重量%である。
ドロキシ-3’-(3”,4”,5”,6”-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5’-メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]等}、シアノアクリレート化合物(2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート、エチル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート等)等が挙げられる。紫外線吸収剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
紫外線吸収剤の使用量は、水酸基成分(A)、イソシアネート成分(B)及び無機フィラー(C)の合計重量に基づいて、紫外線吸収効果及び硬化物の基材接着性の観点から、好ましくは5重量%以下、更に好ましくは0.1~1重量%である。
可塑剤としては、炭化水素[プロセスオイル、液状ポリブタジエン、液状ポリイソブチレン、液状ポリイソプレン、流動パラフィン、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、エチレンとα-オレフィン(炭素数3~20)の共重合(重量比99.9/0.1~0.1/99.9)オリゴマー(Mw5,000~100,000)、プロピレンとエチレンを除くα-オレフィン(炭素数4~20)の共重合オリゴマー(重量比99.9/0.1~0.1/99.9)オリゴマー(Mw5,000~100,000)];塩素化パラフィン;エステル〔フタル酸エステル[ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジ-2-エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジステアリルフタレート、ジイソノニルフタレート等]、アジピン酸エステル[ジ(2-エチルヘキシル)アジペート(DOA)、ジオクチルアジペート等]及びセバチン酸エステル(ジオクチルセバケート等)等〕;動植物油脂(リノール酸、リノレン酸等);及びこれらの内の水素添加可能な不飽和二重結合を有するものの水素添加物等が挙げられる。可塑剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
可塑剤の使用量は、水酸基成分(A)、イソシアネート成分(B)及び無機フィラー(C)の合計重量に基づいて、硬化物の基材接着性及び凝集力の観点から好ましくは100重量%以下、更に好ましくは0.5~30重量%である。
可塑剤の使用量は、水酸基成分(A)、イソシアネート成分(B)及び無機フィラー(C)の合計重量に基づいて、硬化物の基材接着性及び凝集力の観点から好ましくは100重量%以下、更に好ましくは0.5~30重量%である。
顔料としては、有機顔料(シェラック、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、フタロシアニンブルー、染色レーキ等)が挙げられる。上記顔料は、体積平均粒径が好ましくは0.01~5μm程度の微粒子であり、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
顔料の使用量は、水酸基成分(A)、イソシアネート成分(B)及び無機フィラー(C)の合計重量に基づいて、凝集力の観点から、好ましくは250重量%以下、更に好ましくは0.1~50重量%である。
顔料の使用量は、水酸基成分(A)、イソシアネート成分(B)及び無機フィラー(C)の合計重量に基づいて、凝集力の観点から、好ましくは250重量%以下、更に好ましくは0.1~50重量%である。
上記溶剤、粘着性付与剤(E)、触媒並びに酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、充填剤及び顔料等の添加剤は、主剤及び硬化剤のいずれに添加しても、主剤、硬化剤及び無機フィラー(C)の配合時に添加してもよいが、予め主剤に添加しておくことが好ましい。
<硬化物>
本発明の硬化性ウレタン組成物の硬化物は、前記本発明の硬化性ウレタン組成物をウレタン化反応させて硬化した物である。
本発明の硬化性ウレタン組成物の硬化物のウレタン基濃度は、硬化性ウレタン組成物中に含まれる前記水酸基成分(A)及び前記イソシアネート成分(B)の合計重量を基準として、硬化物の基材接着性及び硬化物の機械物性の観点から、好ましくは0.02~4.5mmol/g、更に好ましくは0.03~4.3mmol/g、特に好ましくは0.04~4.0mmol/gである。
本発明の硬化性ウレタン組成物が無機フィラー(C)を含有する場合の硬化物のウレタン基濃度は、硬化物の基材接着性及び硬化物の機械物性の観点から、硬化物の重量を基準として、好ましくは0.01~1.0mmol/g、更に好ましくは0.02~0.95mmol/g、特に好ましくは0.03~0.90mmol/gである。
本発明の硬化性ウレタン組成物の硬化物は、前記本発明の硬化性ウレタン組成物をウレタン化反応させて硬化した物である。
本発明の硬化性ウレタン組成物の硬化物のウレタン基濃度は、硬化性ウレタン組成物中に含まれる前記水酸基成分(A)及び前記イソシアネート成分(B)の合計重量を基準として、硬化物の基材接着性及び硬化物の機械物性の観点から、好ましくは0.02~4.5mmol/g、更に好ましくは0.03~4.3mmol/g、特に好ましくは0.04~4.0mmol/gである。
本発明の硬化性ウレタン組成物が無機フィラー(C)を含有する場合の硬化物のウレタン基濃度は、硬化物の基材接着性及び硬化物の機械物性の観点から、硬化物の重量を基準として、好ましくは0.01~1.0mmol/g、更に好ましくは0.02~0.95mmol/g、特に好ましくは0.03~0.90mmol/gである。
本発明の硬化性ウレタン組成物の硬化物のウレア基濃度は、硬化性ウレタン組成物中に含まれる前記水酸基成分(A)及び前記イソシアネート成分(B)の合計重量を基準として、硬化物の基材接着性及び硬化物の機械物性の観点から、好ましくは0.02~1.6mmol/g、更に好ましくは0.03~1.5mmol/g、特に好ましくは0.04~1.4mmol/gである。
本発明の硬化性ウレタン組成物が無機フィラー(C)を含有する場合の硬化物のウレア基濃度は、硬化物の基材接着性及び硬化物の機械物性の観点から、硬化物の重量を基準として、好ましくは0.01~0.40mmol/g、更に好ましくは0.03~0.37mmol/g、特に好ましくは0.05~0.35mmol/gである。
本発明の硬化性ウレタン組成物が無機フィラー(C)を含有する場合の硬化物のウレア基濃度は、硬化物の基材接着性及び硬化物の機械物性の観点から、硬化物の重量を基準として、好ましくは0.01~0.40mmol/g、更に好ましくは0.03~0.37mmol/g、特に好ましくは0.05~0.35mmol/gである。
本発明の硬化性ウレタン組成物の硬化物のウレタン基及びウレア基の合計濃度は、硬化性ウレタン組成物中に含まれる前記水酸基成分(A)及び前記イソシアネート成分(B)の合計重量を基準として、硬化物の基材接着性及び硬化物の機械物性の観点から、好ましくは0.04~6.1mmol/g、更に好ましくは0.06~5.8mmol/g、特に好ましくは0.08~5.4mmol/gである。
本発明の硬化性ウレタン組成物が無機フィラー(C)を含有する場合の硬化物のウレタン基及びウレア基の合計濃度は、硬化物の基材接着性及び硬化物の機械物性の観点から、硬化物の重量を基準として、好ましくは0.02~1.2mmol/g、更に好ましくは0.05~1.07mmol/g、特に好ましくは0.08~1.00mmol/gである。
本発明の硬化性ウレタン組成物が無機フィラー(C)を含有する場合の硬化物のウレタン基及びウレア基の合計濃度は、硬化物の基材接着性及び硬化物の機械物性の観点から、硬化物の重量を基準として、好ましくは0.02~1.2mmol/g、更に好ましくは0.05~1.07mmol/g、特に好ましくは0.08~1.00mmol/gである。
本発明において、硬化性ウレタン組成物の硬化物中のウレタン樹脂の架橋点密度(硬化性ウレタン組成物中に含まれる前記水酸基成分(A)及び前記イソシアネート成分(B)の合計重量を基準とする架橋点のモル数)は、硬化物の基材接着性及び硬化物の機械物性の観点から、0.05~1.0mmol/gが好ましく、更に好ましくは0.1~0.9mmol/gである。
架橋点密度とは、ウレタン樹脂中の架橋点のモル濃度を意味し、官能基数3以上の水酸基成分(A)と官能基数3以上のイソシアネート成分(B)の官能基数及びウレタン樹脂中における合計モル濃度(mmol/g)を適切な範囲に設定することにより調整可能である。
架橋点密度は、下記数式(1)から求めることができる。
架橋点密度(mmol/g)={Σ(fa-2)×wa/ma}/W×1000 (1)
fa:ウレタン樹脂の原料として使用する化合物aの官能基数
wa:ウレタン樹脂の原料として使用する化合物aの重量(g)
ma:ウレタン樹脂の原料として使用する化合物aの分子量(g/mоl)
W:水酸基成分(A)及び前記イソシアネート成分(B)の合計重量(g)
架橋点密度とは、ウレタン樹脂中の架橋点のモル濃度を意味し、官能基数3以上の水酸基成分(A)と官能基数3以上のイソシアネート成分(B)の官能基数及びウレタン樹脂中における合計モル濃度(mmol/g)を適切な範囲に設定することにより調整可能である。
架橋点密度は、下記数式(1)から求めることができる。
架橋点密度(mmol/g)={Σ(fa-2)×wa/ma}/W×1000 (1)
fa:ウレタン樹脂の原料として使用する化合物aの官能基数
wa:ウレタン樹脂の原料として使用する化合物aの重量(g)
ma:ウレタン樹脂の原料として使用する化合物aの分子量(g/mоl)
W:水酸基成分(A)及び前記イソシアネート成分(B)の合計重量(g)
硬化温度は、硬化性ウレタン組成物の硬化性及び耐熱性の観点から、好ましくは10~160℃、更に好ましくは25~120℃である。
硬化温度における硬化性ウレタン組成物の粘度(主剤及び硬化剤を混合したものの粘度)は、成形性(厚塗りができ、硬化後に反り及びヒケ等の外観不良がないこと)及び塗工性の観点から、好ましくは0.01~100Pa・s、更に好ましくは0.02~50Pa・s、特に好ましくは0.03~10Pa・sである。
硬化温度における硬化性ウレタン組成物の粘度(主剤及び硬化剤を混合したものの粘度)は、成形性(厚塗りができ、硬化後に反り及びヒケ等の外観不良がないこと)及び塗工性の観点から、好ましくは0.01~100Pa・s、更に好ましくは0.02~50Pa・s、特に好ましくは0.03~10Pa・sである。
本発明の硬化性ウレタン組成物は、注型成形、ロールコート、スリットコート等の手法を用いて用途に応じた様々な形態に成形することが出来る。形態としては、加工容易性の観点や用途範囲の広さの観点から、シートが好ましい。
シートの好ましい厚みは特性や用途によって異なるが、小型化、薄型化の要望の強い部材の場合には10~500μmと薄い方が好ましく、より好ましくは10~300μmである。
シートの好ましい厚みは特性や用途によって異なるが、小型化、薄型化の要望の強い部材の場合には10~500μmと薄い方が好ましく、より好ましくは10~300μmである。
上記シートの成形方法としては、硬化性ウレタン組成物を混練した後、直接Tダイから押し出す方法、ロールで圧延する方法、延伸する方法、硬化性ウレタン組成物を金型に充填した後に加圧プレスする方法、硬化性ウレタン組成物を溶液状態にした後にキャストしたり、他の樹脂や金属シート上にコーティングする方法などを用いることができる。
本発明の硬化性ウレタン組成物の硬化物からなるシートには、粘着剤をコーティングしたり、両面テープを貼り付けることにより、シート自体に粘着層を付与することができる。
本発明の硬化性ウレタン組成物の硬化物からなるシートには、粘着剤をコーティングしたり、両面テープを貼り付けることにより、シート自体に粘着層を付与することができる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1 [化合物(S0-1)の製造]
反応容器中にポリ(オキシテトラメチレン)グリコール[三菱化学(株)製「PTMG250」:Mn=250]250重量部及び無水マレイン酸49重量部を仕込み、窒素雰囲気下、攪拌、混合して常圧下、120±10℃で1時間反応させ酸無水物基部分のハーフエステル化を行った後、さらに減圧下、120±10℃で3時間反応させ残ったカルボキシル基のエステル化を行い、無水マレイン酸1モルにポリ(オキシテトラメチレン)グリコールが2モルエステル化反応した化合物(S0-1)を得た。
反応容器中にポリ(オキシテトラメチレン)グリコール[三菱化学(株)製「PTMG250」:Mn=250]250重量部及び無水マレイン酸49重量部を仕込み、窒素雰囲気下、攪拌、混合して常圧下、120±10℃で1時間反応させ酸無水物基部分のハーフエステル化を行った後、さらに減圧下、120±10℃で3時間反応させ残ったカルボキシル基のエステル化を行い、無水マレイン酸1モルにポリ(オキシテトラメチレン)グリコールが2モルエステル化反応した化合物(S0-1)を得た。
製造例2 [化合物(S0-2)の製造]
ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール250重量部をポリ(オキシテトラメチレン)グリコール[BASF製「PolyTHF650」:Mn=650]650重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S0-2)を得た。
ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール250重量部をポリ(オキシテトラメチレン)グリコール[BASF製「PolyTHF650」:Mn=650]650重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S0-2)を得た。
製造例3 [化合物(S0-3)の製造]
ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール250重量部をポリ(オキシテトラメチレン)グリコール[三菱化学(株)製「PTMG1000」:Mn=1000]1000重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S0-3)を得た。
ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール250重量部をポリ(オキシテトラメチレン)グリコール[三菱化学(株)製「PTMG1000」:Mn=1000]1000重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S0-3)を得た。
製造例4 [化合物(S0-4)の製造]
ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール250重量部をポリ(オキシテトラメチレン)グリコール[三菱化学(株)製「PTMG2000」:Mn=2000]2000重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S0-4)を得た。
ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール250重量部をポリ(オキシテトラメチレン)グリコール[三菱化学(株)製「PTMG2000」:Mn=2000]2000重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S0-4)を得た。
製造例5 [化合物(S0-5)の製造]
ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール250重量部をポリエチレングリコール[三洋化成工業(株)製「PEG400」:Mn=400]400重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S0-5)を得た。
ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール250重量部をポリエチレングリコール[三洋化成工業(株)製「PEG400」:Mn=400]400重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S0-5)を得た。
製造例6 [化合物(S0-6)の製造]
ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール250重量部をポリプロピレングリコール[三洋化成工業(株)製「サンニックスPP600」:Mn=600]600重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S0-6)を得た。
ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール250重量部をポリプロピレングリコール[三洋化成工業(株)製「サンニックスPP600」:Mn=600]600重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S0-6)を得た。
製造例7 [化合物(S0-7)の製造]
ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール250重量部をポリエステルジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター4610」(ポリエチレンブチレンアジペート):Mn=1070]1070重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S0-7)を得た。
ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール250重量部をポリエステルジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター4610」(ポリエチレンブチレンアジペート):Mn=1070]1070重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S0-7)を得た。
製造例8 [化合物(S0-8)の製造]
ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール250重量部をビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物[三洋化成工業(株)製「ニューポールBPE-40」:Mn=410]410重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S0-8)を得た。
ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール250重量部をビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物[三洋化成工業(株)製「ニューポールBPE-40」:Mn=410]410重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(S0-8)を得た。
比較製造例1 [化合物(比S0-1)の製造]
ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール250重量部をオレイルアルコールのエチレンオキサイド付加物[三洋化成工業(株)製「エマルミンNL90」:Mn=582]582重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(比S0-1)を得た。
ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール250重量部をオレイルアルコールのエチレンオキサイド付加物[三洋化成工業(株)製「エマルミンNL90」:Mn=582]582重量部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(比S0-1)を得た。
製造例9 [化合物(S-1)の製造]
反応容器中に化合物(S0-1)580重量部、ピロ亜硫酸ナトリウム95重量部、水300重量部、イソプロパノール100重量部を仕込み、窒素雰囲気下、撹拌、混合して、70℃±10℃、10時間反応させ、化合物(S0-1)の不飽和ジカルボン酸ジエステル化物の不飽和炭素-炭素二重結合部分にスルホン酸塩の付加を行い、未反応の水及びイソプロパノールを減圧下、100℃±10℃、3時間留去して、化合物(S-1)を得た。
反応容器中に化合物(S0-1)580重量部、ピロ亜硫酸ナトリウム95重量部、水300重量部、イソプロパノール100重量部を仕込み、窒素雰囲気下、撹拌、混合して、70℃±10℃、10時間反応させ、化合物(S0-1)の不飽和ジカルボン酸ジエステル化物の不飽和炭素-炭素二重結合部分にスルホン酸塩の付加を行い、未反応の水及びイソプロパノールを減圧下、100℃±10℃、3時間留去して、化合物(S-1)を得た。
製造例10 [化合物(S-2)の製造]
化合物(S0-1)580重量部を化合物(S0-2)1380重量部に変更する以外は製造例9と同様にして化合物(S-2)を得た。
化合物(S0-1)580重量部を化合物(S0-2)1380重量部に変更する以外は製造例9と同様にして化合物(S-2)を得た。
製造例11 [化合物(S-3)の製造]
化合物(S0-1)580重量部を化合物(S0-3)2080重量部に変更する以外は製造例9と同様にして化合物(S-3)を得た。
化合物(S0-1)580重量部を化合物(S0-3)2080重量部に変更する以外は製造例9と同様にして化合物(S-3)を得た。
製造例12 [化合物(S-4)の製造]
化合物(S0-1)580重量部を化合物(S0-4)4080重量部に変更する以外は製造例9と同様にして化合物(S-4)を得た。
化合物(S0-1)580重量部を化合物(S0-4)4080重量部に変更する以外は製造例9と同様にして化合物(S-4)を得た。
製造例13 [化合物(S-5)の製造]
化合物(S0-1)580重量部を化合物(S0-5)480重量部に変更する以外は製造例9と同様にして化合物(S-5)を得た。
化合物(S0-1)580重量部を化合物(S0-5)480重量部に変更する以外は製造例9と同様にして化合物(S-5)を得た。
製造例14 [化合物(S-6)の製造]
化合物(S0-1)580重量部を化合物(S0-6)1280重量部に変更する以外は製造例9と同様にして化合物(S-6)を得た。
化合物(S0-1)580重量部を化合物(S0-6)1280重量部に変更する以外は製造例9と同様にして化合物(S-6)を得た。
製造例15 [化合物(S-7)の製造]
化合物(S0-1)580重量部を化合物(S0-7)2220重量部に変更する以外は製造例9と同様にして化合物(S-7)を得た。
化合物(S0-1)580重量部を化合物(S0-7)2220重量部に変更する以外は製造例9と同様にして化合物(S-7)を得た。
製造例16 [化合物(S-8)の製造]
化合物(S0-1)580重量部を化合物(S0-8)900重量部に変更する以外は製造例9と同様にして化合物(S-8)を得た。
化合物(S0-1)580重量部を化合物(S0-8)900重量部に変更する以外は製造例9と同様にして化合物(S-8)を得た。
製造例17 [化合物(S-9)の製造]
ピロ亜硫酸ナトリウム95重量部をピロ亜硫酸カリウム111重量部に変更する以外は製造例9と同様にして化合物(S-9)を得た。
ピロ亜硫酸ナトリウム95重量部をピロ亜硫酸カリウム111重量部に変更する以外は製造例9と同様にして化合物(S-9)を得た。
製造例18 [化合物(S-10)の製造]
反応容器中に化合物(S0-3)2080重量部、ピロ亜硫酸カリウム111重量部、水300重量部、イソプロパノール100重量部を仕込み、窒素雰囲気下、撹拌、混合して、70℃±10℃、10時間反応させ、化合物(S0-3)の不飽和ジカルボン酸ジエステル化物の不飽和炭素-炭素二重結合部分にスルホン酸塩の付加を行い、未反応の水及びイソプロパノールを減圧下、100℃±10℃、3時間留去して、化合物(S-10)を得た。
反応容器中に化合物(S0-3)2080重量部、ピロ亜硫酸カリウム111重量部、水300重量部、イソプロパノール100重量部を仕込み、窒素雰囲気下、撹拌、混合して、70℃±10℃、10時間反応させ、化合物(S0-3)の不飽和ジカルボン酸ジエステル化物の不飽和炭素-炭素二重結合部分にスルホン酸塩の付加を行い、未反応の水及びイソプロパノールを減圧下、100℃±10℃、3時間留去して、化合物(S-10)を得た。
製造例19 [化合物(S-11)の製造]
反応容器中に化合物(S0-1)580重量部、亜硫酸水素アンモニウム水溶液[大東化学(株)製「重亜硫酸アンモン液」:65重量%水溶液]304重量部、亜硫酸アンモニウム・一水和物[ナカライテスク(株)製「亜硫酸アンモニウム・一水和物」]214重量部、水660重量部を仕込み、空気雰囲気下、撹拌、混合して、60℃±10℃、6時間反応させ、化合物(S0-1)の不飽和ジカルボン酸ジエステル化物の不飽和炭素-炭素二重結合部分にスルホン酸塩の付加を行い、メタノール470重量部を仕込んで反応付加物を析出、濾過を行い化合物(S-11)を得た。
反応容器中に化合物(S0-1)580重量部、亜硫酸水素アンモニウム水溶液[大東化学(株)製「重亜硫酸アンモン液」:65重量%水溶液]304重量部、亜硫酸アンモニウム・一水和物[ナカライテスク(株)製「亜硫酸アンモニウム・一水和物」]214重量部、水660重量部を仕込み、空気雰囲気下、撹拌、混合して、60℃±10℃、6時間反応させ、化合物(S0-1)の不飽和ジカルボン酸ジエステル化物の不飽和炭素-炭素二重結合部分にスルホン酸塩の付加を行い、メタノール470重量部を仕込んで反応付加物を析出、濾過を行い化合物(S-11)を得た。
製造例20 [化合物(S-12)の製造]
反応容器中に化合物(S0-1)580重量部を化合物(S0-3)2080部に変更する以外は製造例19と同様にして化合物(S-12)を得た。
反応容器中に化合物(S0-1)580重量部を化合物(S0-3)2080部に変更する以外は製造例19と同様にして化合物(S-12)を得た。
比較製造例2 [化合物(比S-1)の製造]
反応容器中に化合物(S0-1)580重量部を化合物(比S0-1)1244部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(比S-1)を得た。
反応容器中に化合物(S0-1)580重量部を化合物(比S0-1)1244部に変更する以外は製造例1と同様にして化合物(比S-1)を得た。
製造例9~20、比較製造例2で得られた化合物(S-1)~(S-12)及び(比S-1)の物性値を表1に示す。
製造例21 [水酸基成分(a-1)の製造]
反応容器中にビスフェノールA・エチレンオキサイド[三洋化成工業(株)製「ニューポールBPE-20T」:Mn=320]300重量部、ポリテトラメチレングリコール[三菱化学(株)製「PTMG250」:Mn=250]100重量部、ポリテトラメチレングリコール[三菱化学(株)製「PTMG1000」:Mn=1000]80重量部、化合物(S-1)240重量部、ヘキサメチレンジイソシアネート[旭化成(株)製「デュラネート50M」、NCO含有量50.0重量%]280重量部、メチルエチルケトン2000重量部を仕込み、窒素気流下、撹拌、混合して60~70℃で10時間反応させ、末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー(a-1)を得た。
反応容器中にビスフェノールA・エチレンオキサイド[三洋化成工業(株)製「ニューポールBPE-20T」:Mn=320]300重量部、ポリテトラメチレングリコール[三菱化学(株)製「PTMG250」:Mn=250]100重量部、ポリテトラメチレングリコール[三菱化学(株)製「PTMG1000」:Mn=1000]80重量部、化合物(S-1)240重量部、ヘキサメチレンジイソシアネート[旭化成(株)製「デュラネート50M」、NCO含有量50.0重量%]280重量部、メチルエチルケトン2000重量部を仕込み、窒素気流下、撹拌、混合して60~70℃で10時間反応させ、末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー(a-1)を得た。
製造例22~46 [水酸基成分(a-2)~(a-26)の製造]
製造例21において、表2~3に記載の原料を用いる以外は同様にして、末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー(a-2)~(a-26)を得た。
製造例21において、表2~3に記載の原料を用いる以外は同様にして、末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー(a-2)~(a-26)を得た。
製造例47 [イソシアネート成分(b-1)の製造]
反応容器中にビスフェノールA・エチレンオキサイド付加物[三洋化成工業(株)製「ニューポールBPE-40」:Mn=410]170重量部及び4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート[東ソー(株)製「ミリオネートMT」、NCO含有量33.6重量%]320重量部を仕込み、窒素気流下、攪拌、混合して70~80℃で3時間反応させた後、カルボジイミド変性4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート[BASF INOACポリウレタン(株)製「ルプラネートMM-103」、NCO含有量29.5重量%]510重量部を仕込み、窒素気流下、攪拌、混合して、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(b-1)を得た。
反応容器中にビスフェノールA・エチレンオキサイド付加物[三洋化成工業(株)製「ニューポールBPE-40」:Mn=410]170重量部及び4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート[東ソー(株)製「ミリオネートMT」、NCO含有量33.6重量%]320重量部を仕込み、窒素気流下、攪拌、混合して70~80℃で3時間反応させた後、カルボジイミド変性4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート[BASF INOACポリウレタン(株)製「ルプラネートMM-103」、NCO含有量29.5重量%]510重量部を仕込み、窒素気流下、攪拌、混合して、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(b-1)を得た。
製造例48~50 [イソシアネート成分(b-2)~(b-4)の製造]
製造例47において、表3に記載の原料を用いる以外は同様にして、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(b-2)~(b-4)を得た。
製造例47において、表3に記載の原料を用いる以外は同様にして、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(b-2)~(b-4)を得た。
ウレタンプレポリマー(a-1)~(a-26)、及び(b-1)~(b-4)のイソシアネート含有量、水酸基価、スルホン酸塩基の濃度、モル平均官能基数及びMnは下記表2の通りである。
・ビスフェノールA・EO付加物 Mn=410:三洋化成工業(株)製「ニューポールBPE-40」
・ビスフェノールA・EO付加物 Mn=320:三洋化成工業(株)製「ニューポールBPE-20T」
・ポリテトラメチレングリコール Mn=250:三菱化学(株)製「PTMG250」
・ポリテトラメチレングリコール Mn=1000:三菱化学(株)製「PTMG1000」
・ポリ(オキシプロピレン)グリコール Mn=1000:三洋化成工業(株)製「PP-1000」
・ポリエステルジオール Mn=1070:三洋化成工業(株)製「サンエスター4610」
・ビスフェノールA・PO付加物 Mn=1000:三洋化成工業(株)製「BP-13P」
・ポリ(オキシプロピレン)グリコール Mn=250:三洋化成工業(株)製「サンニックス GP-250」
・トリシクロデカンジメタノール:OQケミカルズジャパン(株)製「TCD alcohol DM」
・化合物S-1~S-12:製造例9~20で得られた化合物
・4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート:東ソー(株)製「ミリオネートMT」、NCO含有量33.6重量%
・カルボジイミド変性MDI:カルボジイミド変性4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート[BASF INOACポリウレタン(株)製「ルプラネートMM-103」、NCO含有量29.5重量%]
・モノメリックMDI-MI:4、4’-ジフェニルメタンジイソシアネートと4、2-ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物[BASF INOAC ポリウレタン(株)製「モノメリックMDI-MI」、NCO含有量33.6重量%]
・ヘキサメチレンジイソシアネート:旭化成(株)製「デュラネート50M」、NCO含有量50.0重量%
・イソホロンジイソシアネート:住化コベストロウレタン(株)「DESMODUR I」、NCO含有量37.8重量%
実施例1~51及び比較例1~2
表4~5に示す部数の各成分を用いて、水酸基成分(A)を主剤とし、イソシアネート成分(B)を硬化剤として、2液硬化性ウレタン組成物(Y1)~(Y51)及び(比Y1)~(比Y2)を得た。得られた2液硬化性ウレタン組成物(Y1)~(Y51)及び(比Y1)~(比Y2)の主剤及び硬化剤と有機溶剤を、表4~5に示す量で、プラネタリーミキサーを用いて混合して硬化性ウレタン組成物を得た。
表4~5に示す部数の各成分を用いて、水酸基成分(A)を主剤とし、イソシアネート成分(B)を硬化剤として、2液硬化性ウレタン組成物(Y1)~(Y51)及び(比Y1)~(比Y2)を得た。得られた2液硬化性ウレタン組成物(Y1)~(Y51)及び(比Y1)~(比Y2)の主剤及び硬化剤と有機溶剤を、表4~5に示す量で、プラネタリーミキサーを用いて混合して硬化性ウレタン組成物を得た。
実施例52~93、95~98及び比較例3~4
表6~7に示す部数の各成分を用いて、水酸基成分(A)と無機フィラー(C)とを混合して主剤とし、イソシアネート成分(B)を硬化剤として、2液硬化性ウレタン組成物(Y52)~(Y93)、(Y95)~(Y98)及び(比Y3)~(比Y4)を得た。得られた2液硬化性ウレタン組成物(Y52)~(Y93)、(Y95)~(Y98)及び(比Y3)~(比Y4)の主剤及び硬化剤と有機溶剤を、表6~7に示す量で、プラネタリーミキサーを用いて混合して硬化性ウレタン組成物を得た。
表6~7に示す部数の各成分を用いて、水酸基成分(A)と無機フィラー(C)とを混合して主剤とし、イソシアネート成分(B)を硬化剤として、2液硬化性ウレタン組成物(Y52)~(Y93)、(Y95)~(Y98)及び(比Y3)~(比Y4)を得た。得られた2液硬化性ウレタン組成物(Y52)~(Y93)、(Y95)~(Y98)及び(比Y3)~(比Y4)の主剤及び硬化剤と有機溶剤を、表6~7に示す量で、プラネタリーミキサーを用いて混合して硬化性ウレタン組成物を得た。
実施例94
表7に示す部数の各成分を用いて、イソシアネート成分(B)と無機フィラー(C)とを混合して硬化剤とし、水酸基成分(A)を主剤として、2液硬化性ウレタン組成物(Y94)を得た。得られた2液硬化性ウレタン組成物(Y94)の主剤及び硬化剤を、表3に示す量で、プラネタリーミキサーを用いて混合して硬化性ウレタン組成物を得た。
表7に示す部数の各成分を用いて、イソシアネート成分(B)と無機フィラー(C)とを混合して硬化剤とし、水酸基成分(A)を主剤として、2液硬化性ウレタン組成物(Y94)を得た。得られた2液硬化性ウレタン組成物(Y94)の主剤及び硬化剤を、表3に示す量で、プラネタリーミキサーを用いて混合して硬化性ウレタン組成物を得た。
尚、表4~7における各成分の詳細は以下の通りである。
・(S-1)~(S-12)及び(比S-1):製造例9~20、比較製造例2で得られた化合物
・(a-1)~(a-26):製造例21~46で得られた末端水酸基を有するウレタンプレポリマー
・(a-27):ポリエーテルジオール[三洋化成工業(株)製「サンニックスPP-1000」:Mn=1000]
・(a-28):ポリテトラメチレングリコール[BASF製「PolyTHF650」:Mn=650]
・(a-29):ポリエステルジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター4610」:Mn=1070]
・(a-30):ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物[三洋化成工業(株)製「ニューポールBPE-40」:Mn=410]
・(a-31):ポリエーテルポリオール[三洋化成工業(株)製「サンニックスGP-250」:Mn=250、水酸基平均3官能]
・(a-32):ポリエーテルポリオール[三洋化成工業(株)製「ニューポールNP-300」:Mn=300、水酸基平均4官能]
・(a-33):ポリエーテルポリオール[三洋化成工業(株)製「サンニックスSP-750」:Mn=750、水酸基平均6官能]
・(b-1)~(b-4):製造例47~50で得られた末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー
・(b-5):イソシアヌレート(ヘキサメチレンジイソシアネート3量体化合物)[旭化成(株)製「デュラネートTPA-100」、イソシアネート基平均3官能]
・(C-1):炭酸カルシウム[備北粉化工業(株)製「ライトンA」平均粒子径:1.8μm]
・(C-2):アルミナ[アドマテックス製「アドマファイン AO-502」粒径:0.2~0.3μm]
・(C-3):酸化鉄[ナカライテスク(株)製「酸化鉄(III)」]
・(S-1)~(S-12)及び(比S-1):製造例9~20、比較製造例2で得られた化合物
・(a-1)~(a-26):製造例21~46で得られた末端水酸基を有するウレタンプレポリマー
・(a-27):ポリエーテルジオール[三洋化成工業(株)製「サンニックスPP-1000」:Mn=1000]
・(a-28):ポリテトラメチレングリコール[BASF製「PolyTHF650」:Mn=650]
・(a-29):ポリエステルジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター4610」:Mn=1070]
・(a-30):ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物[三洋化成工業(株)製「ニューポールBPE-40」:Mn=410]
・(a-31):ポリエーテルポリオール[三洋化成工業(株)製「サンニックスGP-250」:Mn=250、水酸基平均3官能]
・(a-32):ポリエーテルポリオール[三洋化成工業(株)製「ニューポールNP-300」:Mn=300、水酸基平均4官能]
・(a-33):ポリエーテルポリオール[三洋化成工業(株)製「サンニックスSP-750」:Mn=750、水酸基平均6官能]
・(b-1)~(b-4):製造例47~50で得られた末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー
・(b-5):イソシアヌレート(ヘキサメチレンジイソシアネート3量体化合物)[旭化成(株)製「デュラネートTPA-100」、イソシアネート基平均3官能]
・(C-1):炭酸カルシウム[備北粉化工業(株)製「ライトンA」平均粒子径:1.8μm]
・(C-2):アルミナ[アドマテックス製「アドマファイン AO-502」粒径:0.2~0.3μm]
・(C-3):酸化鉄[ナカライテスク(株)製「酸化鉄(III)」]
(1)硬化性ウレタン組成物の硬化物の機械物性
実施例又は比較例で得た硬化性ウレタン組成物を、それぞれ離型箱(縦20cm×横10cm×深さ2.5cm)に硬化後の厚みが2mmとなるように流し込み、100℃の循風乾燥機に10時間乾燥した後、50℃のインキュベーターで3日養生後、ダンベルを作成した。
作成したダンベルを用いて、JIS K7311の引張試験方法に準拠して、引張強度(MPa)を測定し、その値を表4~7に示す。
なお、表6~7においては、引張強度の数値が大きいほど無機フィラーの分散性が良く、(A)及び(B)の硬化物と無機フィラー(C)との界面密着性が高いことを意味する。
実施例又は比較例で得た硬化性ウレタン組成物を、それぞれ離型箱(縦20cm×横10cm×深さ2.5cm)に硬化後の厚みが2mmとなるように流し込み、100℃の循風乾燥機に10時間乾燥した後、50℃のインキュベーターで3日養生後、ダンベルを作成した。
作成したダンベルを用いて、JIS K7311の引張試験方法に準拠して、引張強度(MPa)を測定し、その値を表4~7に示す。
なお、表6~7においては、引張強度の数値が大きいほど無機フィラーの分散性が良く、(A)及び(B)の硬化物と無機フィラー(C)との界面密着性が高いことを意味する。
(2)基材接着力の測定方法
実施例又は比較例で得た硬化性ウレタン組成物を、それぞれPETフィルム(膜厚50μm)に硬化後の厚みが50μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工し、100℃の循風乾燥機で5分乾燥した後、ロールを用いてPETフィルムを貼り合わせて、50℃のインキュベーターで3日間養生し、ラミネートフィルムを得た。
ラミネートフィルムを200mm×25mmの大きさに裁断し、引張試験機を用い、23℃で引っ張り速度300mm/分の条件でT型剥離強度(単位:N/25mm)を測定した。測定は5つの試料について行い、その平均値を表4~7に示す。
実施例又は比較例で得た硬化性ウレタン組成物を、それぞれPETフィルム(膜厚50μm)に硬化後の厚みが50μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工し、100℃の循風乾燥機で5分乾燥した後、ロールを用いてPETフィルムを貼り合わせて、50℃のインキュベーターで3日間養生し、ラミネートフィルムを得た。
ラミネートフィルムを200mm×25mmの大きさに裁断し、引張試験機を用い、23℃で引っ張り速度300mm/分の条件でT型剥離強度(単位:N/25mm)を測定した。測定は5つの試料について行い、その平均値を表4~7に示す。
(3)耐湿熱性の評価方法
実施例又は比較例で得た硬化性ウレタン組成物を、それぞれPETフィルム(膜厚50μm)に硬化後の厚みが50μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工し、100℃の循風乾燥機で5分乾燥した後、ロールを用いてPETフィルムを貼り合わせて、50℃のインキュベーターで3日間養生した後、85℃、85%RHの恒温恒湿機で1週間静置し、ラミネートフィルムを得た。
ラミネートフィルムを200mm×25mmの大きさに裁断し、引張試験機を用い、23℃で引っ張り速度300mm/分の条件でT型剥離強度(単位:N/25mm)を測定した。測定は5つの試料について行い、その平均値を算出し、(2)で測定した基材接着力と比較して、耐湿熱性を以下の評価水準で評価した。結果を表4~7に示す。
◎:基材接着力の数値の95%以上
〇:基材接着力の数値の90%以上95%未満
△:基材接着力の数値の85%以上90%未満
×:基材接着力の数値の85%未満
実施例又は比較例で得た硬化性ウレタン組成物を、それぞれPETフィルム(膜厚50μm)に硬化後の厚みが50μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工し、100℃の循風乾燥機で5分乾燥した後、ロールを用いてPETフィルムを貼り合わせて、50℃のインキュベーターで3日間養生した後、85℃、85%RHの恒温恒湿機で1週間静置し、ラミネートフィルムを得た。
ラミネートフィルムを200mm×25mmの大きさに裁断し、引張試験機を用い、23℃で引っ張り速度300mm/分の条件でT型剥離強度(単位:N/25mm)を測定した。測定は5つの試料について行い、その平均値を算出し、(2)で測定した基材接着力と比較して、耐湿熱性を以下の評価水準で評価した。結果を表4~7に示す。
◎:基材接着力の数値の95%以上
〇:基材接着力の数値の90%以上95%未満
△:基材接着力の数値の85%以上90%未満
×:基材接着力の数値の85%未満
(4)無機フィラーの分散性の評価方法
表6~7においては、無機フィラーの分散性の評価を行った。具体的には、上記(2)において、PETフィルム(膜厚50μm)に硬化後の厚みが50μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工した後の外観を観察し、無機フィラーの分散性を以下の評価水準で評価した。結果を表6~7に示す。
<評価水準>
◎:塗工面にかすれが発生せず、無機フィラーの浮きもない。
〇:塗工面にかすれは発生しないものの、無機フィラーの浮きがわずかに確認できる。
△:塗工面にかすれがわずかに発生し、無機フィラーの浮きがある。
×:塗工面にかすれが発生し、無機フィラーの浮きが目立つ。
表6~7においては、無機フィラーの分散性の評価を行った。具体的には、上記(2)において、PETフィルム(膜厚50μm)に硬化後の厚みが50μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工した後の外観を観察し、無機フィラーの分散性を以下の評価水準で評価した。結果を表6~7に示す。
<評価水準>
◎:塗工面にかすれが発生せず、無機フィラーの浮きもない。
〇:塗工面にかすれは発生しないものの、無機フィラーの浮きがわずかに確認できる。
△:塗工面にかすれがわずかに発生し、無機フィラーの浮きがある。
×:塗工面にかすれが発生し、無機フィラーの浮きが目立つ。
表4~7の結果から、硬化性ウレタン組成物の硬化物中に化合物(S)を構成単量体として含む実施例の硬化性ウレタン組成物の硬化物は、硬化後の基材接着性が良好であることが分かる。さらに、硬化物の機械物性が高く、耐湿熱性も良好であり、無機フィラーを含む硬化性ウレタン組成物の硬化物は、無機フィラーの分散性が高いことが分かる。
一方、硬化性ウレタン組成物の硬化物中に化合物(S)を構成単量体として含まない比較例1~4は、硬化物の機械物性、硬化物の基材接着力も低く、比較例3及び4はフィラー分散性も低くなることが分かる。特に、化合物(S)を構成単量体として含む実施例36と、それ以外の条件はほぼ同じ比較例1を比較すると、比較例1は機械物性及び基材接着性が劣っていることが分かる。また、化合物(S)を構成単量体として含む実施例24~35と、それ以外の条件はほぼ同じ比較例2を比較すると、比較例2は機械物性、基材接着性及び耐湿熱性の全てにおいて劣っていることが分かる。また、化合物(S)を構成単量体として含む実施例85と、それ以外の条件はほぼ同じ比較例3を比較すると、比較例3はフィラー分散性、機械物性及び基材接着性が劣っていることが分かる。さらに、実施例73~84と水酸基価を有しない化合物(比S-1)を用いた比較例4との比較から、化合物(比S-1)を用いることでフィラー分散性は改善傾向が観られるものの、硬化物の機械物性、基材接着性及び耐湿熱性が極めて低くなることが分かる。
一方、硬化性ウレタン組成物の硬化物中に化合物(S)を構成単量体として含まない比較例1~4は、硬化物の機械物性、硬化物の基材接着力も低く、比較例3及び4はフィラー分散性も低くなることが分かる。特に、化合物(S)を構成単量体として含む実施例36と、それ以外の条件はほぼ同じ比較例1を比較すると、比較例1は機械物性及び基材接着性が劣っていることが分かる。また、化合物(S)を構成単量体として含む実施例24~35と、それ以外の条件はほぼ同じ比較例2を比較すると、比較例2は機械物性、基材接着性及び耐湿熱性の全てにおいて劣っていることが分かる。また、化合物(S)を構成単量体として含む実施例85と、それ以外の条件はほぼ同じ比較例3を比較すると、比較例3はフィラー分散性、機械物性及び基材接着性が劣っていることが分かる。さらに、実施例73~84と水酸基価を有しない化合物(比S-1)を用いた比較例4との比較から、化合物(比S-1)を用いることでフィラー分散性は改善傾向が観られるものの、硬化物の機械物性、基材接着性及び耐湿熱性が極めて低くなることが分かる。
本発明の硬化性ウレタン組成物は、硬化性ウレタン組成物の硬化物は基材接着性が優れ、さらに無機フィラーの分散性が良好であるので、バインダー、粘接着剤、封止材、塗料の用途(例えば、シーリング材、電磁波シールド用バインダー、電磁波吸収シート用バインダー、放熱ギャップフィラー、放熱粘着剤、遮熱塗料、導電性塗料等)に有用である。
Claims (8)
- 水酸基成分(A)及びイソシアネート成分(B)を含有する硬化性ウレタン組成物であって、以下の(i)~(iii)のうち少なくとも1つを満たす硬化性ウレタン組成物。
(i)前記水酸基成分(A)が下記一般式(1)で表される化合物(S)を含有する
(ii)前記水酸基成分(A)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端に水酸基を有するウレタンプレポリマーを含有する
(iii)前記イソシアネート成分(B)が前記化合物(S)を含む水酸基成分とイソシアネート成分とを反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する
- 前記硬化性ウレタン組成物が、前記水酸基成分(A)を含有する主剤と、イソシアネート成分(B)を含有する硬化剤とからなる2液硬化性ウレタン組成物である請求項1に記載の硬化性ウレタン組成物。
- 前記化合物(S)の水酸基価が25~190mgKOH/gである請求項1又は2に記載の硬化性ウレタン組成物。
- 前記水酸基成分(A)及び前記イソシアネート成分(B)の合計重量を基準とする前記化合物(S)のスルホン酸塩基の濃度が、0.01~0.9mmоl/gである請求項1~3のいずれか1項に記載の硬化性ウレタン組成物。
- さらに無機フィラー(C)を含有する請求項1~4のいずれか1項に記載の硬化性ウレタン組成物。
- 前記硬化性ウレタン組成物中の無機フィラー(C)の含有量が、硬化性ウレタン組成物の重量を基準として、50~95重量%である請求項5に記載の硬化性ウレタン組成物。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載の硬化性ウレタン組成物の硬化物。
- 前記硬化性ウレタン組成物の硬化物のウレタン基濃度が、硬化性ウレタン組成物中に含まれる前記水酸基成分(A)及び前記イソシアネート成分(B)の合計重量を基準として、0.02~4.5mmоl/gである請求項7に記載の硬化物。
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