JP2022131668A - 化学強化ガラスの製造方法 - Google Patents

化学強化ガラスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022131668A
JP2022131668A JP2021030727A JP2021030727A JP2022131668A JP 2022131668 A JP2022131668 A JP 2022131668A JP 2021030727 A JP2021030727 A JP 2021030727A JP 2021030727 A JP2021030727 A JP 2021030727A JP 2022131668 A JP2022131668 A JP 2022131668A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten salt
salt composition
chemically strengthened
ion exchange
strengthened glass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021030727A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7524797B2 (ja
Inventor
要 関谷
Yo Sekiya
出 鹿島
Izuru Kashima
広樹 高橋
Hiroki Takahashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2021030727A priority Critical patent/JP7524797B2/ja
Priority claimed from JP2021030727A external-priority patent/JP7524797B2/ja
Priority to CN202210181052.8A priority patent/CN114956601A/zh
Priority to US17/652,553 priority patent/US20220274868A1/en
Publication of JP2022131668A publication Critical patent/JP2022131668A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7524797B2 publication Critical patent/JP7524797B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C21/00Treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by diffusing ions or metals in the surface
    • C03C21/001Treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by diffusing ions or metals in the surface in liquid phase, e.g. molten salts, solutions
    • C03C21/002Treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by diffusing ions or metals in the surface in liquid phase, e.g. molten salts, solutions to perform ion-exchange between alkali ions
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/083Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/095Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing rare earths
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C2203/00Production processes
    • C03C2203/50After-treatment

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

【課題】高強度の化学強化ガラスを高効率で製造できる化学強化ガラスの製造方法を提供する。【解決手段】第1アルカリ金属イオンを含む化学強化用ガラスを、前記第1アルカリ金属イオンよりイオン半径の大きな第2アルカリ金属イオンを第1溶融塩組成物に浸漬させ第1イオン交換し、次に、前記第2アルカリ金属イオンよりもイオン半径の大きな第3アルカリ金属イオンおよび前記第1アルカリ金属イオンと、を含む第2溶融塩組成物に浸漬させ第2イオン交換後、更に前記第1溶融塩組成物を前記第1イオン交換に継続使用すること、および、前記第2溶融塩組成物を前記第2イオン交換に継続使用すること、を含む化学強化ガラスの製造方法であって、前記第2溶融塩組成物に前記第1アルカリ金属イオンを添加して前記第2溶融塩組成物の濃度を制御し、前記第2イオン交換に継続使用する、化学強化ガラスの製造方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、化学強化ガラスの製造方法に関する。
携帯端末のカバーガラス等には、化学強化ガラスが用いられている。化学強化ガラスは、ガラスを硝酸ナトリウムなどの溶融塩組成物に接触させて、ガラス中に含まれるアルカリ金属イオンと、溶融塩組成物に含まれるよりイオン半径の大きいアルカリ金属イオンとの間でイオン交換を生じさせ、ガラスの表面部分に圧縮応力層を形成したものである。
化学強化ガラスの強度は、ガラス表面からの深さを変数とする圧縮応力値(以下、CSとも略す。)で表される応力プロファイルに強く依存する。携帯端末等のカバーガラスは、落下した時などの変形によって割れることがある。このような破壊、すなわち曲げによる破壊を防ぐためには、ガラス表面における圧縮応力を大きくすることが有効である。
一方、携帯端末等のカバーガラスは、端末がアスファルトや砂の上に落下した際に、突起物との衝突によって割れることがある。このような破壊、すなわち衝撃による破壊を防ぐためには、圧縮応力層深さを大きくして、ガラスのより深い部分にまで圧縮応力層を形成して強度を向上することが有効である。
しかし、ガラス物品の表面部分に圧縮応力層を形成すると、ガラス物品中心部には、表面の圧縮応力に応じた引張応力(以下、CTとも略す。)が必然的に発生する。この引張応力値が大きくなりすぎると、ガラス物品が破壊する際に激しく割れて破片が飛散する。CTがその閾値(以下、CTリミットとも略す。)を超えると加傷時の破砕数が爆発的に増加する。したがって化学強化ガラスは、表面の圧縮応力を大きくし、より深い部分にまで圧縮応力層を形成する一方で、表層の圧縮応力の総量が大きくなりすぎないように設計される。例えば、特許文献1には、CTを特定範囲に制御した化学強化ガラスが開示されている。
特許文献2には、より高い衝撃耐性を有する化学強化ガラスの製造方法として、第1アルカリ金属イオンを含む強化用ガラスにイオン交換処理を施して、強化ガラスを得る強化ガラスの製造方法であって、強化用ガラスに、第1アルカリ金属イオンよりイオン半径の大きな第2アルカリ金属イオンを含む第1溶融塩を接触させ、強化用ガラスに第2アルカリ金属イオンを導入する第1イオン交換工程と、第1イオン交換工程の後、強化用ガラスに第2アルカリ金属イオンよりもイオン半径の大きな第3アルカリ金属イオンと、第1アルカリ金属イオンと、を含む第2溶融塩を接触させ、第2アルカリ金属イオンの少なくとも一部を強化用ガラスから離脱させるとともに、第3アルカリ金属イオンを強化用ガラスに導入する第2イオン交換工程と、を備える強化ガラスの製造方法が開示されている。
また、特許文献3には、表面および厚さTを有する強化ガラスの製造方法であって、LiOおよびNaOを含む強化用ガラスを、Naイオンを含む第1溶融塩に接触させ、強化用ガラスにNaイオンを導入する第1イオン交換工程と、第1イオン交換工程の後に、強化用ガラスを、LiイオンとKイオンを含む第2溶融塩に接触させ、Naイオンの少なくとも一部を強化用ガラスから離脱させるとともに、Kイオンを強化用ガラスに導入する第2イオン交換工程とを備え、圧縮応力を正の数、引張応力を負の数として、表面から深さ方向に応力を測定して得られる応力プロファイルが、表面から厚さTの半分の深さまでの間に、応力プロファイルの2次導関数がゼロとなる変曲点を有するように、第1イオン交換工程および第2イオン交換工程を行う強化ガラスの製造方法が開示されている。
特表2011-530470号公報 国際公開第2020/075708号 国際公開第2020/075709号
特許文献2及び特許文献3に記載されているように、第1アルカリ金属イオンを含む強化用ガラスに第1アルカリ金属イオンよりイオン半径の大きな第2アルカリ金属イオンを含む第1溶融塩組成物を接触させて第1イオン交換をした後に、第2アルカリ金属イオンよりもイオン半径の大きな第3アルカリ金属イオンと、第1アルカリ金属イオンとを含む第2溶融塩組成物を接触させて第2イオン交換を行うと、ガラス表面近傍に高い圧縮応力が形成された高強度の化学強化ガラスを製造できる。
しかしながら、前記した第1イオン交換及び第2イオン交換を含む化学強化ガラスの製造方法を、溶融塩組成物を繰り返し使用(以下、連続使用ともいう)する化学強化ガラスの製造方法に適用すると、得られる化学強化ガラスの表面近傍に形成される圧縮応力が徐々に低下する、という問題がある。
したがって、本発明は、従来と比して、高強度の化学強化ガラスを高効率で製造できる化学強化ガラスの製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、上記課題を検討したところ、上記した第1イオン交換及び第2イオン交換を含む化学強化ガラスの製造方法において溶融塩組成物を繰り返し用いると、第2溶融塩組成物と化学強化用ガラスとの累積処理面積が増加して、得られる化学強化ガラスの表面近傍に形成される圧縮応力が徐々に低下することを見出した。さらに、第2イオン交換後の第2溶融塩組成物に第1アルカリ金属イオンを添加して第2溶融塩組成物として継続使用することにより、当該圧縮応力の低下を抑制できることを見出した。これらの知見に基づき、本発明をなした。
本発明は、第1アルカリ金属イオンを含む化学強化用ガラスを、前記第1アルカリ金属イオンよりイオン半径の大きな第2アルカリ金属イオンを含む第1溶融塩組成物に浸漬させて第1イオン交換をすること、
前記第1イオン交換の後、前記化学強化用ガラスを、前記第2アルカリ金属イオンよりもイオン半径の大きな第3アルカリ金属イオンと、前記第1アルカリ金属イオンと、を含む第2溶融塩組成物に浸漬させて第2イオン交換をすること、
前記第1イオン交換後の前記第1溶融塩組成物を前記第1イオン交換に継続使用すること、および
前記第2イオン交換後の前記第2溶融塩組成物を前記第2イオン交換に継続使用すること、を含む化学強化ガラスの製造方法であって、
前記第2イオン交換後の前記第2溶融塩組成物に前記第1アルカリ金属イオンを添加して前記第2溶融塩組成物の濃度を制御し、前記第2イオン交換に継続使用する、化学強化ガラスの製造方法に関する。
本発明の化学強化ガラスの製造方法によれば、上記した第1イオン交換及び第2イオン交換を含む化学強化ガラスの製造において、第2イオン交換後の第2溶融塩組成物に第1アルカリ金属イオンを添加した上で第2イオン交換に継続使用することにより、第2溶融塩組成物の劣化に伴う化学強化ガラスの表面近傍における圧縮応力の低下を抑制できる。これにより、従来と比較して、良好な生産性で高強度の化学強化ガラスを製造できる。
図1(a)および(b)は、第1イオン交換工程及び第2イオン交換工程を含む化学強化ガラスの製造方法において、溶融塩組成物を繰り返し使用する場合の工程図の一例である。図1(a)は従来の製造方法の工程図の一例を示す。図1(b)は本発明の一実施形態の工程図を示す。 図2は、本発明の製造方法の一実施態様により得られる化学強化ガラスの応力プロファイルを示す図である。 図3(a)は、第2溶融塩組成物と化学強化用ガラスとの累積処理面積と、得られる化学強化ガラスの表層圧縮応力値(CS)との相関関係を示す図である。図3(b)は、当該累積処理面積と、得られる化学強化ガラスの表面からの深さ50μmにおける圧縮応力値との相関関係を示す図である。 図4(a)は、第2溶融塩組成物と化学強化用ガラスとの累積処理面積と、第2溶融塩組成物中のリチウムイオン濃度との相関関係を示す図である。図4(b)は、当該累積処理面積と、第2溶融塩組成物中のナトリウムイオン濃度との相関関係を示す図である。
本明細書において数値範囲を示す「~」とは、特段の定めがない限り、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。また、アルカリ金属イオンを添加する、とは、アルカリ金属イオンを含む無機塩源を意図的に所定量添加する、という意味で使用される。
応力プロファイルは、散乱光光弾性応力計を用いる方法で測定できる。散乱光光弾性応力計とは、レーザ光の偏光位相差を該レーザ光の波長に対して1波長以上可変する偏光位相差可変部材と、該偏光位相差を可変されたレーザ光が強化ガラスに入射されたことにより発する散乱光を所定の時間間隔で複数回撮像し複数の画像を取得する撮像素子と、該複数の画像を用いて前記散乱光の周期的な輝度変化を測定し該輝度変化の位相変化を算出し、該位相変化に基づき前記強化ガラスの表面からの深さ方向の応力分布を算出する演算部と、を有する応力測定装置である(国際公開第2018/056121号参照)。
散乱光光弾性応力計を用いる応力プロファイルの測定方法としては、国際公開第2018/056121号に記載の方法が挙げられる。散乱光光弾性応力計としては、例えば、折原製作所製のSLP-1000、SLP-2000が挙げられる。これらの散乱光光弾性応力計に付属ソフトウェアSlpIV(Ver.2019.01.10.001)を組み合わせると高精度の応力測定が可能である。
本明細書において、「化学強化ガラス」は、化学強化処理を施した後のガラスを指し、「化学強化用ガラス」は、化学強化処理を施す前のガラスを指す。本明細書において、「化学強化ガラスの母組成」とは、化学強化用ガラスのガラス組成であり、極端なイオン交換処理がされた場合を除いて、化学強化ガラスの圧縮応力層深さ(以下、DOLzeroとも略す。)より深い部分のガラス組成は化学強化ガラスの母組成とほぼ同じである。本明細書において、ガラス組成は、特に断らない限り酸化物基準のモル%表示で表し、モル%を単に「%」と表記する。
<化学強化ガラスの製造方法>
ガラス物品がアスファルト舗装道路や砂の上に落下した際には、砂等の突起物との衝突によってクラックが発生する。発生するクラックの長さは、ガラス物品が衝突した砂の大きさにより異なるが、ガラス表面からの深さ50μmにおける圧縮応力値CS50[MPa]の値を大きくすると、例えば深さ50μm付近に大きな圧縮応力値が形成されている応力プロファイルとなり、比較的大きい突起物に当たって破砕する破壊を防止できる。したがって、CS50は、落下時の衝撃による割れ耐性の向上に大きく寄与する値であり、落下時の衝撃による割れ耐性を向上するためには、CS50を高くすることが課題となる。
また、深さ90μmにおける応力値CS90も、落下時の衝撃による割れ耐性の向上に寄与する値である。散乱光光弾性応力計で測定される、ガラス表面からの深さ90μmにおける圧縮応力値CS90[MPa]の値を大きくすると、例えば深さ90μm付近に大きな圧縮応力値が形成されている応力プロファイルとなり、比較的大きい突起物に当たって破砕する破壊を防止できる。
化学強化処理は、大きなイオン半径の金属イオン(典型的には、ナトリウムイオンまたはカリウムイオン)を含む金属塩(例えば、硝酸カリウム)の融液に浸漬する等の方法で、ガラスを金属塩に接触させ、ガラス中の小さなイオン半径の金属イオン(典型的には、リチウムイオンまたはナトリウムイオン)と金属塩中の大きなイオン半径の金属イオン(典型的には、リチウムイオンに対してはナトリウムイオンまたはカリウムイオンであり、ナトリウムイオンに対してはカリウムイオン)とを置換させる処理である。
本発明の化学強化ガラスの製造方法(以下、本発明の製造方法とも略す。)は、下記の第1イオン交換工程及び第2イオン交換工程を含むことにより、強度に寄与しない余分な応力を緩和するとともに深層部の応力を向上できる。これにより、CS50およびCS90を大きくし、落下時の衝撃に対する割れ耐性を向上しつつ、圧縮応力層における圧縮応力の合計値を小さくでき、該合計値に応じて発生する引張応力層の応力値を抑制してCTリミットを回避できる。
(第1イオン交換工程)第1アルカリ金属イオンを含む化学強化用ガラスを、第1アルカリ金属イオンよりイオン半径の大きな第2アルカリ金属イオンを含む第1溶融塩組成物に浸漬させて第1イオン交換をする工程。
(第2イオン交換工程)第1イオン交換の後、化学強化用ガラスを、第2アルカリ金属イオンよりもイオン半径の大きな第3アルカリ金属イオンと、第1アルカリ金属イオンと、を含む第2溶融塩組成物に浸漬させて第2イオン交換をする工程。
第1イオン交換工程では、第1アルカリ金属イオンを含む化学強化用ガラスを、第1アルカリ金属イオンよりイオン半径の大きな第2アルカリ金属イオンを含む第1溶融塩組成物に浸漬させることにより、化学強化用ガラス中の第1アルカリ金属イオンと第1溶融塩組成物中の第2アルカリ金属イオンとが交換される「第1アルカリ金属イオン-第2アルカリ金属イオン交換」が生じる。これにより、化学強化用ガラスの深層部まで第2アルカリ金属イオンが導入され、深い圧縮応力層が形成される。
第2イオン交換工程では、第1イオン交換後の化学強化用ガラスを、第2アルカリ金属イオンよりもイオン半径の大きな第3アルカリ金属イオンと、第1アルカリ金属イオンと、を含む第2溶融塩組成物に浸漬させることにより、「第2アルカリ金属イオン-第1アルカリ金属イオン交換」と「第2アルカリ金属イオン-第3アルカリ金属イオン交換」とが生じる。
第2イオン交換工程における「第2アルカリ金属イオン-第1アルカリ金属イオン交換」は、化学強化用ガラスの表層部における第2アルカリ金属イオンと第2溶融塩組成物中の第1アルカリ金属イオンとの交換である。該「第2アルカリ金属イオン-第1アルカリ金属イオン交換」により、第1イオン交換で導入されたガラス表層部における第2アルカリ金属イオンは2方向(ガラス表層部からガラス表面への方向、ガラス表層部からガラス深層部への方向)に移動する。第2アルカリ金属イオンがガラス表層部からガラス表面へと移動して第1アルカリ金属イオンと交換されることにより、ガラス表層部における第2アルカリ金属イオンが減少し、第2アルカリ金属イオンに起因する圧縮応力が緩和する。一方で、第2アルカリ金属イオンはガラス表層部からガラス深層部へと拡散されて、深層における応力が付与される。
第2イオン交換工程における「第2アルカリ金属イオン-第3アルカリ金属イオン交換」は、化学強化用ガラス中の第2アルカリ金属イオンと第2溶融塩組成物中の第3アルカリ金属イオンとの交換である。第2イオン交換工程における「第2アルカリ金属イオン-第3アルカリ金属イオン交換」により、第1イオン交換で導入されたガラス表層部における第2アルカリ金属イオンは2方向(ガラス表層部からガラス表面への方向、ガラス表層部からガラス深層部への方向)に移動する。第2アルカリイオンがガラス表層部からガラス表面へと移動して第3アルカリ金属イオンと交換されることにより、ガラス表層部から数十μmの領域に第3アルカリ金属イオンが導入され、ガラス表層部における応力が付与される。一方で、第2アルカリ金属イオンはガラス表層部からガラス深層部へ移動して、ガラス深層部に拡散されることにより深層における応力が付与される。
上述した機構により、第1イオン交換工程及び第2イオン交換工程を含む化学強化ガラスの製造方法によれば、従来の2段強化した化学強化ガラスに比べ、CS50およびCS90が大きいことにより落下時の衝撃に対する割れ耐性に優れるとともに、引張応力層の応力値が抑制され、CTリミットを回避し得る化学強化ガラスを製造できる。
本発明の製造方法は、下記の濃度制御工程を含むことより、第1溶融塩組成物及び第2溶融塩組成物を継続使用して、化学強化ガラスを高効率で製造できる。
(第2溶融塩組成物の濃度制御工程)第2イオン交換後の第2溶融塩組成物を第2イオン交換における第2溶融塩組成物として濃度制御する工程。
本発明の製造方法は、前記した第2溶融塩組成物の継続使用工程において、第2溶融塩組成物として、第2イオン交換後の第2溶融塩組成物に第1アルカリ金属イオンを添加して濃度を制御することを含む。ここで、第2溶融塩組成物の濃度を制御するとは、第2溶融塩組成物に含まれる第1アルカリ金属イオン濃度を制御することをさす。
図1(a)及び(b)に第1イオン交換工程及び第2イオン交換工程を含む化学強化ガラスの製造方法において、溶融塩組成物を繰り返し使用して化学強化処理する場合の工程の概要を示す。図1(a)は従来の製造方法の一例、図1(b)は本発明の製造方法の一実施形態を示す。
図1(a)に示すように、従来の製造方法では、第1溶融塩組成物及び第2溶融塩組成物を継続使用するが、当該継続使用に伴い、得られる化学強化ガラスのCS50が徐々に低下する。本発明者らは、第1溶融塩組成物及び第2溶融塩組成物の継続使用により、得られる化学強化ガラスのCS50が徐々に低下するのは、第2溶融塩組成物と化学強化用ガラスとの累積処理面積の増加により、第2溶融塩組成物が劣化するためであることを見出した。
図1(b)は本発明の一実施形態の工程図を示す。本発明の製造方法は、図1(b)に示すように、第2イオン交換後の第2溶融塩組成物に第1アルカリ金属イオンを添加して濃度を制御した上で第2イオン交換に継続使用することにより、第2溶融塩組成物の劣化に伴うCS50の減少を抑制し、高強度の化学強化ガラスを従来よりも多く量産できる。
第2イオン交換後の第2溶融塩組成物に第1アルカリ金属イオンを添加する態様については、本発明の効果を奏する限り特に限定されない。例えば、第2イオン交換後の第2溶融塩組成物に予め第1アルカリ金属イオンを添加した上で、当該第2溶融塩組成物に化学強化用ガラスを浸漬させてもよい。また、例えば、第1イオン交換後の化学強化用ガラスを第2溶融塩組成物に浸漬させる際に、該第2溶融塩組成物に第1アルカリ金属イオンを同時に添加してもよい。
複数回の継続使用工程を行う場合、第2イオン交換後の第2溶融塩組成物に第1アルカリ金属イオンを添加するタイミングについては、本発明の効果を奏する限り、特に限定されない。化学強化用ガラスの組成、第1溶融塩組成物の組成、第2溶融塩組成物の組成等に応じて適宜設定できる。例えば、第2溶融塩組成物を継続使用の度に第1アルカリ金属イオンを添加してもよいし、2回以上の第2溶融塩組成物の継続使用につき1回のタイミングで第1アルカリ金属イオンを添加してもよい。
第2溶融塩組成物の濃度制御において、第2溶融塩組成物への第1アルカリ金属イオンの最適な添加量及び添加時期は、化学強化用ガラスの組成、化学強化の条件、第1溶融塩組成物の組成、第2溶融塩組成物の組成等によって変化するものであり、適宜設定できる。具体的には例えば、以下の(1)~(3)を指標として、第2溶融塩組成物への第1アルカリ金属イオンへの添加量及び添加時期を設定できる。
(1)第2溶融塩組成物による化学強化用ガラスの累積処理面積(m/kg)あたりの、第2溶融塩組成物中の第1アルカリ金属イオン濃度
(2)得られる化学強化ガラスのCS50の初期値に対するCS50の評価値の割合
(3)得られる化学強化ガラスの表面における圧縮応力値CS
(1)第2溶融塩組成物による化学強化用ガラスの累積処理面積(m/kg)あたりの、第2溶融塩組成物中の第1アルカリ金属イオン濃度
第2溶融塩組成物の濃度制御において、第2溶融塩組成物による化学強化用ガラスの累積処理面積(m/kg)が0~1.5m/kgの範囲において、第2溶融塩組成物中の第1アルカリ金属イオン濃度が、好ましくは400質量ppm/m/kg以上、より好ましくは600質量ppm/m/kg以上、さらに好ましくは800質量ppm/m/kg以上となるように、第2溶融塩組成物に第1アルカリ金属イオンを添加することが好ましい。第2溶融塩組成物に第1アルカリ金属イオンを添加することによって、第2溶融塩組成物中の第1アルカリ金属イオン濃度が一定の範囲となり、第2溶融塩組成物による化学強化用ガラスの表層圧縮応力CSの影響が緩和されるため、所定の範囲の表層圧縮応力値CSを有する化学強化ガラスを継続して生産できる。
第2溶融塩組成物による化学強化用ガラスの累積処理面積(m/kg)あたりの、第2溶融塩組成物中の第1アルカリ金属イオン濃度が前記範囲となるように、第2溶融塩組成物に第1アルカリ金属イオンを添加して第2溶融塩組成物を継続使用することにより、得られる化学強化ガラスのCS50を高く維持し、同一処理量に対する高強度品の割合を向上できる。この現象は得られる化学強化ガラスのCS90を高く維持する場合においても同様である。
第2溶融塩組成物の濃度制御において、第2溶融塩組成物による化学強化用ガラスの累積処理面積(m/kg)あたりの、第2溶融塩組成物中の第1アルカリ金属イオン濃度は、第2イオン交換に用いる第2溶融塩組成物に添加した第1アルカリイオンの総量を第2溶融塩組成物と接触させた化学強化用ガラスの累積処理面積で除すことにより算出できる。
(2)得られる化学強化ガラスのCS50の初期値に対するCS50の評価値の割合
第2溶融塩組成物の濃度制御において、下記CS50の初期値を100%とした場合に、下記CS50の評価値が、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上、最も好ましくは85%以上となるように、第2溶融塩組成物に第1アルカリ金属イオンを添加することが好ましい。
CS50の初期値:第1イオン交換と、第2イオン交換に供していない第2溶融塩組成物を用いる第2イオン交換と、により得られる化学強化ガラスの表面からの深さ50μmにおける圧縮応力値(MPa)
CS50の評価値:第1イオン交換と、継続使用後の第2溶融塩組成物を用いる第2イオン交換と、により得られる化学強化ガラスの表面からの深さ50μmにおける圧縮応力値(MPa)
得られる化学強化ガラスのCS50の初期値に対するCS50の評価値の割合が前記範囲となるように、第2溶融塩組成物に第1アルカリ金属イオンを添加して第2溶融塩組成物を濃度制御し、第2イオン交換に継続使用することにより、得られる化学強化ガラスのCS50を高く維持し、同一処理量に対する高強度品の割合を向上できる。この現象は得られる化学強化ガラスのCS90を高く維持する場合においても同様である。
本発明の製造方法において、CS50の初期値に対するCS50の評価値の割合を指標として、第2溶融塩組成物への第1アルカリ金属イオンの添加量および添加のタイミングを決定する場合、得られる化学強化ガラスのCS50の初期値を100%とした際にCS50の評価値が70%であるときの第2溶融塩組成物中の第2アルカリ金属イオン濃度を指標とし得る。この現象は得られる化学強化ガラスのCS90を高く維持する場合においても同様である。
具体的には例えば、連続使用によって第2溶融塩組成物中の第2アルカリ金属イオン濃度が高くなった状態を疑似的に作るために、第2アルカリ金属イオンを含む無機塩源を意図的に所定量添加する。第2アルカリ金属イオンを含む無機塩源の添加量と、化学強化処理後に得られるガラスのCS50の初期値に対する割合との関係式を導き、例えば直線近似により、CS50が初期値に対して30%低下した時の第2アルカリ金属イオンを含む無機塩源の添加量を算出する。当該第2アルカリ金属イオンを含む無機塩源の添加量から算出される第2アルカリ金属イオン濃度を、第2溶融塩組成物への第1アルカリ金属イオンを含む無機塩源の添加量および添加時期を決定するための基準値とし得る。例えば、第2溶融塩組成物中の第2アルカリ金属イオン濃度が当該基準値を上回ったときに、第2溶融塩組成物が劣化したと判断し、第2溶融塩組成物に第1アルカリ金属イオンを含む硝酸塩を添加することが好ましい。また、第1アルカリ金属イオンを含む無機塩源は前述の硝酸塩に限らず、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩であってもよい。
(3)得られる化学強化ガラスの表面における圧縮応力値CS
第2溶融塩組成物の継続使用において、得られる化学強化ガラスの表面における圧縮応力値CSが好ましくは700MPa以上、より好ましくは750MPa以上、さらに好ましくは800MPa以上となるように、第2溶融塩組成物に第1アルカリ金属イオンを添加することが好ましい。
得られる化学強化ガラスのCSが前記範囲となるように、第2溶融塩組成物に第1アルカリ金属イオンを添加して第2溶融塩組成物を濃度制御し、第2イオン交換に継続使用することにより、得られる化学強化ガラスのCS50を高く維持し、同一処理量に対する高強度品の割合を向上できる。この現象は得られる化学強化ガラスのCS90を高く維持する場合においても同様である。
<化学強化ガラスの製造方法の実施形態>
本発明の製造方法の一実施形態について説明する。本実施形態において、第1アルカリ金属イオンはリチウムイオンであることが好ましく、第2アルカリ金属イオンはナトリウムイオンであることが好ましく、第3アルカリ金属イオンはカリウムイオンであることが好ましい。
<<化学強化用ガラス>>
本実施形態における化学強化用ガラスとしては、リチウム含有ガラスが好ましく、リチウムアルミノシリケートガラスがより好ましい。
化学強化用ガラスの組成としては、より具体的には、酸化物基準のモル%表示で、
SiOを52~75%、
Alを8~20%、
LiOを5~16%、含有する組成が好ましい。
以下、好ましいガラス組成について説明する。
SiOはガラスの骨格を構成する成分である。また、化学的耐久性を上げる成分であり、ガラス表面に傷がついた時のクラックの発生を低減させる成分である。
SiOの含有量は、好ましくは52%以上、より好ましくは55%以上、さらに好ましくは60%以上、特に好ましくは65%以上である。一方、溶融性をよくする観点から、SiOの含有量は好ましくは75%以下、より好ましくは72%以下、さらに好ましくは70%以下、特に好ましくは68%以下である。
Alは化学強化の際のイオン交換性能を向上させ、強化後の表面圧縮応力を大きくする観点から有効な成分である。
Alの含有量は好ましくは8%以上、より好ましくは9%以上、さらに好ましくは10%以上、特に好ましくは11%以上、典型的には12%以上である。一方、Alの含有量が多すぎると溶融中に結晶が成長しやすくなり、失透欠点による歩留まり低下が生じやすい。また、ガラスの粘性が増大し溶融性が低下する。Alの含有量は、20%以下が好ましく、より好ましくは19%以下、さらに好ましくは18%以下である。
SiOとAlとは、いずれもガラスの構造を安定させる成分であり、脆性を低くするためには合計の含有量は好ましくは65%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは75%以上である。
LiOは、イオン交換により表面圧縮応力を形成させる成分であり、ガラスの溶融性を向上させる成分である。化学強化ガラスがLiOを含有することにより、ガラス表面のリチウムイオンをナトリウムイオンにイオン交換し、さらにナトリウムイオンをカリウムイオンにイオン交換する方法で、表面圧縮応力および圧縮応力層がともに大きな応力プロファイルが得られる。好ましい応力プロファイルを得やすい観点から、LiOの含有量は、好ましくは5%以上、より好ましくは7%以上、さらに好ましくは9%以上、特に好ましくは10%以上、最も好ましくは11%以上である。
一方、LiOの含有量が多すぎるとガラス成型時の結晶成長速度が大きくなり、失透欠点による歩留まり低下の問題が大きくなる。LiOの含有量は、好ましくは20%以下、より好ましくは16%以下、さらに好ましくは14%以下、特に好ましくは12%以下である。
NaOおよびKOは、いずれも必須ではないが、ガラスの溶融性を向上させ、ガラスの結晶成長速度を小さくする成分であり、イオン交換性能を向上させるために合計で2%以上含有することが好ましい。また、合計で好ましくは10%以下、好ましくは9%以下、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは7%以下、特に好ましくは5%以下である。
NaOは、カリウム塩を用いる化学強化処理において表面圧縮応力層を形成させる成分であり、またガラスの溶融性を向上させ得る成分である。その効果を得るために、NaOの含有量は、1%以上が好ましく、より好ましくは2%以上、さらに好ましくは3%以上、特に好ましくは4%以上である。一方、ナトリウム塩による強化処理において表面圧縮応力(CS)が低下するのを避ける観点、またCS50が高く、屈曲点の無い直線的プロファイルを実現する観点から、8%以下が好ましく、7%以下がより好ましく、6%以下がさらに好ましく、5%以下が特に好ましい。
Oは、イオン交換性能を向上させる等の目的で含有させてもよい。KOを含有させる場合の含有量は、0.1%以上が好ましく、より好ましくは0.15%以上、特に好ましくは0.2%以上である。失透をより防止するためには0.5%以上が好ましく、1.2%以上がより好ましい。一方、Kを多く含むことで脆性の低下や、強化時の逆交換による表層応力の低下の要因となることから、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましい。
MgOは、溶解時の粘性を下げる等のために含有してもよい。MgOの含有量は、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上、さらに好ましくは3%以上である。一方、MgOの含有量が多すぎると化学強化処理時に圧縮応力層を大きくしにくくなる。MgOの含有量は好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは8%以下であり、特に好ましくは6%以下である。
ZrOは含有させなくともよいが、化学強化ガラスの表面圧縮応力を増大させる観点から含有することが好ましい。ZrOの含有量は、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.15%以上、さらに好ましくは0.2%以上、特に好ましくは0.25%以上、典型的には0.3%以上である。一方、ZrOの含有量が多すぎると失透欠点が発生やすくなり、化学強化処理時に圧縮応力値を大きくしにくくなる。ZrOの含有量は好ましくは2%以下であり、より好ましくは1.5%以下であり、さらに好ましくは1%以下であり、特に好ましくは0.8%以下である。
の含有量は、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.2%以上、さらに好ましくは0.5%以上、特に好ましくは1%以上である。一方、多すぎると化学強化処理時に圧縮応力層を大きくしにくくなる。Yの含有量は好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下、特に好ましくは1.5%以下である。
化学強化用ガラスの組成は、以上のような組成を有することが好ましい。上記組成のガラスが得られるように、ガラス原料を適宜調合し、ガラス溶融窯で加熱溶融する。その後、バブリング、撹拌、清澄剤の添加等によりガラスを均質化し、所定の厚さのガラス板に成形し、徐冷する。またはブロック状に成形して徐冷した後に切断する方法で板状に成形してもよい。
板状に成形する方法としては、例えば、フロート法、プレス法、フュージョン法及びダウンドロー法が挙げられる。特に、大型のガラス板を製造する場合は、フロート法が好ましい。また、フロート法以外の連続成形法、たとえば、フュージョン法及びダウンドロー法も好ましい。
化学強化用ガラスは結晶化ガラスであってもよい。結晶化ガラスとしては、ケイ酸リチウム結晶、アルミノケイ酸リチウム結晶、リン酸リチウム結晶からなる群から選ばれる1以上の結晶を含有する結晶化ガラスが好ましい。ケイ酸リチウム結晶としては、メタケイ酸リチウム結晶、ジケイ酸リチウム結晶等が好ましい。リン酸リチウム結晶としては、オルトリン酸リチウム結晶等が好ましい。アルミノケイ酸リチウム結晶としては、β-スポジュメン結晶、ペタライト結晶等が好ましい。
本明細書において「非晶質ガラス」とは、粉末X線回折法によって、結晶を示す回折ピークが認められないガラスをいう。「結晶化ガラス」は、「非晶質ガラス」を加熱処理して、結晶を析出させたものであり、結晶を含有する。
非晶質ガラスの好ましい組成としては、例えば、酸化物基準のモル%表示でSiOを45~70%、Alを0.5~10%、LiOを20~40%、Pを0~6%、ZrOを0~8%、NaOを0~10%、KOを0~5%、Yを0~2%含有することが好ましい。
非晶質ガラスの好ましい組成としては、例えば、酸化物基準のモル%表示で、SiOを40~70%、LiOを10~35%、Alを1~15%、Pを0.5~5%、ZrOを0.5~5%、Bを0~10%、NaOを0~3%、KOを0~1%、SnOを0~4%、含有することが好ましい。
非晶質ガラスの好ましい組成としては、例えば、酸化物基準のモル%表示で、SiOを50~70%、LiOを15~30%、Alを1~10%、Pを0.5~5%、ZrOを0.5~8%、MgOを0.1~10%、Yを0~5%、Bを0~10%、NaOを0~3%、KOを0~1%、SnOを0~2%、含有することが好ましい。
非晶質ガラスの好ましい組成としては、例えば、酸化物基準のモル%表示で、SiOを60~72%、LiOを20~32%、Alを0~6%、Pを0.7~2.2%、ZrOを1.7~4.5%、Bを0~2%、NaOを0~2%、KOを0~2%、含有することが好ましい。
非晶質ガラスの好ましい組成としては、例えば、酸化物基準のモル%表示で、SiOを60~72%、LiOを20~32%、Alを0~6%、Pを0.7~2.2%、ZrOを1.7~4.5%、Bを0~2%、NaOを0~2%、KOを0~2%、含有し、さらにその他組成として、SnOを0.05~0.5%、Feを0~0.5%、MgOを0~1%、ZnOを0~1%、BaOを0~1%、SrOを0~1%、Laを0~1%、GeOを0~1%、Taを0~1%含有することが好ましい。
結晶化ガラスの結晶化率は、機械的強度を高くするために10%以上が好ましく、15%以上がより好ましく、20%以上がさらに好ましく、25%以上が特に好ましい。また、透明性を高くするために、70%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、50%以下が特に好ましい。結晶化率が小さいことは、加熱して曲げ成形等しやすい点でも優れている。結晶化率は、X線回折強度からリートベルト法で算出できる。リートベルト法については、日本結晶学会「結晶解析ハンドブック」編集委員会編、「結晶解析ハンドブック」(協立出版 1999年刊、p492~499)に記載されている。
結晶化ガラスの析出結晶の平均粒径は、透明性を高くするために300nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、150nm以下がさらに好ましく、100nm以下が特に好ましい。析出結晶の平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)像から求め得る。また、走査型電子顕微鏡(SEM)像から推定できる。
以下、第1アルカリ金属イオンをリチウムイオン、第2アルカリ金属イオンをナトリウムイオン、第3アルカリ金属イオンをカリウムイオンとして、第1イオン交換工程及び第2イオン交換工程について詳述する。
<<第1イオン交換工程>>
本実施形態において、第1イオン交換工程は、リチウムイオンを含む化学強化用ガラスを、リチウムイオンよりイオン半径の大きなナトリウムイオンを含む第1溶融塩組成物に浸漬させて、イオン交換をする工程である。
第1イオン交換では、化学強化用ガラスに含まれるリチウムイオンと第1溶融塩組成物に含まれるナトリウムイオンとの交換である「Li-Na交換」により化学強化用ガラスの表層部にナトリウムイオンが導入される。
本明細書において、「溶融塩組成物」とは、溶融塩を含有する組成物をさす。溶融塩組成物に含まれる溶融塩としては、例えば、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、塩化物などが挙げられる。硝酸塩としては、例えば、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸セシウム、硝酸ルビジウム、硝酸銀などが挙げられる。硫酸塩としては、例えば、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸セシウム、硫酸ルビジウム、硫酸銀などが挙げられる。塩化物としては、例えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、塩化ルビジウム、塩化銀などが挙げられる。これらの溶融塩は単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
溶融塩組成物としては、硝酸塩を母体とするものが好ましく、より好ましくは硝酸ナトリウム、硝酸カリウムを母体とするものが挙げられる。ここで「母体とする」とは溶融塩組成物における含有量が80質量%であることを指し、好ましくは硝酸ナトリウムと硝酸カリウムの合計量が90質量%以上であり、より好ましくは100質量%である。
本実施形態では、第1溶融塩組成物は、硝酸ナトリウムを含む溶融塩組成物を用いる。第1溶融塩組成物は、硝酸カリウムを含んでもよい。
第1溶融塩組成物に硝酸カリウムを添加する場合は、硝酸カリウム濃度は、10質量%超であることが好ましく、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上とすることで、次の第2イオン交換工程において表層部に応力を十分付与できる。第1溶融塩組成物に添加される硝酸カリウム濃度が10質量%超であると、続く第2イオン交換工程において、「Na-Li交換」により、ガラス表層のナトリウムイオンが過剰に減少し、CS50およびCS90が低下する現象を有意に抑制できる。
一方、第1溶融塩組成物における硝酸カリウム濃度は、80質量%以下が好ましく、より好ましくは70質量%以下である。第1溶融塩組成物における硝酸カリウム濃度が80質量%以下であると、ガラス内部にナトリウムイオンを十分に導入できる。
第1溶融塩組成物における硝酸ナトリウム濃度は、CS50を高く維持する場合、50質量%未満であることが好ましく、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。第1溶融塩組成物における硝酸ナトリウム濃度は、20質量%以上が好ましく、より好ましくは30%以上である。CS90を高く維持する場合、第1溶融塩組成物における硝酸ナトリウム濃度は硝酸カリウム濃度より大きいことが好ましい。硝酸カリウム濃度は、例えば、50質量%未満であることが好ましく、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。第1溶融塩組成物における硝酸ナトリウムが前記範囲であると、ガラス内部にナトリウムイオンを十分に導入できる。
第1イオン交換工程によりガラス内部に形成される応力プロファイルの最大引張応力値CTは、CTリミットより大きいことが好ましい。第1イオン交換後の最大引張応力値CTがCTリミットより大きいことで、第1イオン交換により圧縮応力が十分に導入され、続く第2イオン交換において、ガラス表層の応力値が低減された後も、CS50を高く保持できる。
本実施形態において、第1イオン交換後の化学強化ガラスの最大引張応力値CTが、19500/(t/2-DOL)より大きくなるようにイオン交換される。tは化学強化ガラスの板厚[mm]、DOLは圧縮応力層深さ[μm]を表す。最大引張応力値CTが、19500/(t/2-DOL/1000)より大きいことにより、CTリミットを超えて圧縮応力を導入できる。
本実施形態において、第1イオン交換工程における第1溶融塩組成物の温度は360℃以上であることが好ましく、より好ましくは421℃以上、さらに好ましくは430℃以上である。第1溶融塩組成物の温度が360℃以上であると、イオン交換が進行しやすく、CTリミットを超える範囲まで圧縮応力を導入できる。また、第1溶融塩組成物の温度は、蒸発による危険性、溶融塩の組成変化の観点から、通常450℃以下である。
表面圧縮応力を向上する観点から、第1イオン交換工程においては、化学強化用ガラスを第1溶融塩組成物に浸漬する時間は、0.5時間以上であることが好ましく、より好ましくは1時間以上である。浸漬時間が長すぎると、生産性が下がるだけでなく、緩和現象により圧縮応力が低下する場合がある。そのため、浸漬時間は通常8時間以下である。
<<第2イオン交換工程>>
本実施形態において、第2イオン交換工程は、第1イオン交換工程後の化学強化ガラスを、硝酸カリウム母体とし、且つ少量のリチウムイオンを含有する第2溶融塩組成物に浸漬させて、イオン交換をする工程である。
第2イオン交換では、ガラス中のナトリウムイオンをカリウムイオンと交換する「Na-K交換」が発生し、ガラス表層部数十μmの領域に、カリウムイオンが導入される。これと同時に、ガラス表層部のナトリウムイオンが、「Na-Li交換」(逆イオン交換)により減少することにより、ナトリウムに起因する圧縮応力が緩和する。
本実施形態において、第2イオン交換では、化学強化ガラスの圧縮応力は、CS50およびCS90を温存したまま緩和され、CTリミット以下になるよう調整されることが好ましい。なお、SLPにより測定される応力プロファイルには、カリウムイオンが導入されたガラス表層部の応力の影響は反映されない。従って、SLPにより測定される応力プロファイルを用いることで、ナトリウムイオンの減少による引張応力減少を確認できる。
本実施形態において、第2溶融塩組成物は硝酸リチウム及び硝酸カリウムを含有することが好ましい。第2溶融塩組成物における硝酸カリウム濃度は85質量%以上であることが好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。上限は特に制限されないが、通常99.9質量%以下である。
第2溶融塩組成物におけるナトリウムイオン/リチウムイオンは質量比で0以上15以下であることが好ましく、より好ましくは0.2以上10以下、さらに好ましくは0.4以上5以下である。第2溶融塩組成物におけるナトリウムイオン/リチウムイオンの質量比が前記範囲であることは、リチウムイオンが第2溶融塩組成物中に意図的に添加されていることを意味する。
例えば、第2溶融塩組成物に硝酸ナトリウムを添加した場合、ガラス中のリチウムイオンと第2溶融塩組成物中のナトリウムイオンとが交換されて(Li-Na交換)、第2溶融塩組成物中にリチウムイオンが混入する。この時混入するリチウムイオンの量は、第2溶融塩組成物中のナトリウムイオンの量に応じて増加する。
一方、ガラス中のナトリウムイオンと第2溶融塩組成物中に混入したリチウムイオンとの交換(Na-Li交換)は、第2溶融塩組成物中のナトリウムイオンによって抑制される。従って、硝酸ナトリウムの添加によって混入する量以上のリチウムイオンを意図的に添加することで、ガラス中のナトリウムイオンと第2溶融塩組成物中のリチウムイオンとの交換(Na-Li交換)を効果的に発生させ、第1イオン交換工程でガラス表層に発生した圧縮応力を減弱できる。
本実施形態において、第2溶融塩組成物におけるリチウムイオン濃度は、好ましくは100質量ppm以上10000質量ppm以下、より好ましくは200質量ppm以上5000質量ppm以下、さらに好ましくは300質量ppm以上2500質量ppm以下である。
第2溶融塩組成物におけるリチウムイオン濃度を前記範囲とすることにより、第1イオン交換工程で、ガラス表面付近に導入されたナトリウムイオンと第2溶融塩組成物中のリチウムイオンとの交換が、該ナトリウムイオンと第2溶融塩組成物中のカリウムイオンとの交換と平行して起こり、ガラス表面の応力を減弱できる。
本実施形態において、第2溶融塩組成物に硝酸リチウムを処理面積0.1m/kg毎に好ましくは0.01~0.2質量%、より好ましくは0.015~0.15質量%、さらに好ましくは0.02~0.1質量%添加することが好ましい。第2溶融塩組成物への硝酸リチウムの添加量を前記範囲とすることにより、ガラス中のナトリウムイオンと第2溶融塩組成物中のリチウムイオンとの交換(Na-Li交換)を効果的に発生させ、第1イオン交換工程でガラス表層に発生した圧縮応力を減弱できる。
本実施形態において、第2溶融塩組成物は硝酸ナトリウムを含有してもよい。硝酸ナトリウムを含有する場合、その濃度は好ましくは0質量%超、より好ましくは0.1質量%超であり、さらに好ましくは0.5質量%以上である。第2溶融塩組成物における硝酸ナトリウム濃度が前記範囲であると、CS50を上げる効果が向上する。第2溶融塩組成物中にナトリウムイオンが存在することによって、第2イオン交換工程においてもLi-Na交換が進むため、CS50が向上する。更に、第2溶融塩組成物における硝酸ナトリウム濃度が前記範囲であると、第2溶融塩組成物を交換せずに本発明の効果を発揮する期間を長くでき、ガラス処理量を多くできる。
第2溶融塩組成物における硝酸ナトリウム濃度は5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3質量%以下であると、更に好ましくは2質量%以下であり、最も好ましくは1質量%以下である。第2溶融塩組成物における硝酸ナトリウム濃度を5質量%以下とすることにより、CT値をCTリミット以内に抑制しやすい。
第2溶融塩組成物は更に、硝酸塩以外の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、ケイ酸や特定の無機塩などが挙げられる。第2溶融塩組成物が添加剤を有することで、FSMとSLPの合成後プロファイルにおけるCSを大きくできる。以下、詳細を説明する。
本実施形態において、第2溶融塩組成物は、添加剤としてケイ酸を含んでいてもよい。ケイ酸とは、化学式nSiO・xHOで表されるケイ素、水素、酸素からなる化合物を指す。ここで、n、xは自然数である。このようなケイ酸の一種としては、例えばメタケイ酸(SiO・HO)、メタ二ケイ酸(2SiO・HO)、オルトケイ酸(SiO・2HO)、ピロケイ酸(2SiO・3HO)、シリカゲル[SiO・mHO(mは0.1~1の実数)]等が挙げられる。
ケイ酸を含むことにより、ケイ酸がリチウムイオンを吸着し、カリウムイオンがガラスに入りやすくなるという理由で、CTを抑制したまま、FSMとSLPの合成後のプロファイルにおける表層数μmの応力を大きくすることが出来る。リチウムイオンは「Na-Li交換」によってナトリウムイオンと反応するため、「Na-K交換」の進行を抑制しうる。そこで、「Na-K交換」を促進するためにケイ酸を添加するとよい。
本実施形態において、第2溶融塩組成物にケイ酸を添加する場合、その濃度は0.1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.3質量%以上、最も好ましくは0.5質量%以上である。また、ケイ酸濃度は3質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2質量%以下、最も好ましくは1質量%以下である。
第2溶融塩組成物におけるケイ酸濃度が前記範囲であると、「Na-Li交換」によりSLP応力プロファイルにおける表層応力を有意に低減できる。すなわち、カリウムの導入による表層数μmでの合成後プロファイルにおける圧縮応力の立ち上がりと、ナトリウムの減少によるSLPプロファイルにおけるDOLまでの応力低減の効果を実現できる。
ケイ酸はシリカゲル[SiO・mHO(mは0.1~1の実数)]であることが好ましい。シリカゲルは二次粒子が比較的大きいため、溶融塩組成物に沈降しやすく、投入や回収がしやすいという利点がある。また、粉塵が舞う恐れがなく、作業者の安全を確保できる。更に、多孔体であり、一次粒子の表面に溶融塩が供給されやすいため、反応性に優れ、リチウムイオンを吸着する効果が大きい。
第2溶融塩組成物は、添加剤として特定の無機塩(以下、融剤と称する)含んでいてもよい。融剤としては、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、硫酸塩、水酸化物、塩化物が好ましく、KCO、NaCO、KHCO、NaHCO、KPO、NaPO、KSO、NaSO、KOH、NaOH、KCl、NaClからなる群より選ばれる少なくとも一種の塩を含有することが好ましく、特にKCO、NaCO、からなる群より選ばれる少なくとも一種の塩を含有することがより好ましく、KCOであることが更に好ましい。
本実施形態において、第2溶融塩組成物中のリチウムイオンは、「Na-Li交換」により、ガラス中のナトリウム由来の圧縮応力を減弱できる一方、「Na-K交換」を阻害しうる。「Na-K交換」が阻害されると、ガラス表層の数μmにカリウムを導入し、合成後プロファイルにおけるCSを増加させる効果が得られにくい。ここで第2溶融塩組成物中において、融剤から発生するアニオンとの相互エネルギーはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンの順に高い。第2溶融塩組成物が融剤を含有することにより、とアニオンがリチウムイオンを引き寄せるため、リチウムイオンによる「Na-K交換」阻害を抑制でき、ガラス中にカリウムを導入しやすくなる。一方、アニオンは「Na-Li交換」を抑制しないため、ガラス中のナトリウム由来の応力を減弱できる。これにより、SLPプロファイルにおけるガラス表層からDOLにおける圧縮応力の減弱の効果はそのままに、合成後プロファイルにおけるCSを大きくする効果が得られる。
融剤は好ましくは0.1質量%以上であると、CSを大きくする効果が得られやすい。一方、ガラス表面の性状が変化することを抑制するため、炭酸塩は2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
本実施形態において、第2溶融塩組成物は、ケイ酸または炭酸塩のどちらか一方を含有することが好ましい。より好ましくは、ケイ酸および炭酸塩を両方含有すると、CSを大きくする効果が特に得られやすい。
本実施形態において、第2イオン交換工程においては、化学強化用ガラスを好ましくは360℃以上の第2溶融塩組成物に浸漬させることが好ましい。第2溶融塩組成物の温度が360℃以上であると、イオン交換が進行しやすい。また、第2溶融塩組成物の温度は、蒸発による危険性、溶融塩の組成変化の観点から、通常450℃以下であり、「Na-Li交換」による応力の過度な減少を防ぐ観点から、400℃以下がより好ましい。
本実施形態において、第2イオン交換工程においては、第2溶融塩組成物に化学強化用ガラスを浸漬させる時間は、0.1時間以上であると、第1イオン交換工程でガラス表面付近に導入されたナトリウムイオンと第2溶融塩組成物中のリチウムイオンとの交換が十分に起こり、ガラス表面の応力を減弱させやすい。浸漬時間は、より好ましくは0.3時間以上である。浸漬時間は「Na-Li交換」による応力の過度な減少を防ぐ観点から、3時間以下であることが好ましい。
本実施形態において、第2溶融塩組成物の温度T(℃)に対し、化学強化用ガラスを前記第2溶融塩組成物に浸漬する時間t2(分)が、下記式を満たすことが好ましい。これにより、ガラス表面の応力を適度に減弱できる。
-0.35T+173<t2<-1.4T+720
t2(分)は(-0.38T+173)超であることが好ましく、より好ましくは(-0.36T+167)以上であり、さらに好ましくは(-0.35T+167)以上である。また、t2(分)は(-1.4T+720)未満であることが好ましく、より好ましくは(-1.3T+670)以下、さらに好ましくは(-1.2T+620)以下である。
第2イオン交換工程において、化学強化用ガラスを浸漬させる第2溶融塩組成物の温度と浸漬時間とを調整することが好ましい。本実施形態において、例えば、化学強化用ガラスを浸漬させる第2溶融塩組成物の温度が380℃である場合、浸漬時間は好ましくは10分間以上180分間以下である。化学強化用ガラスを浸漬させる第2溶融塩組成物の温度が400℃である場合、浸漬時間は好ましくは7分間以上150分間以下である。化学強化用ガラスを浸漬させる第2溶融塩組成物の温度が400℃である場合、浸漬時間は好ましくは5分間以上120分間以下である。化学強化用ガラスを浸漬させる第2溶融塩組成物の温度が400℃超である場合、浸漬時間は好ましくは110分間以下である。
上述したように、第2イオン交換は、第2イオン交換後の化学強化ガラスの最大圧縮応力値CTが、CTリミット以下になるように実施されることが好ましい。
本実施形態において、第2イオン交換後の化学強化ガラスの最大引張応力値CT[MPa]は、第1イオン交換後の化学強化ガラスの最大引張応力値CT[MPa]の50~93%の値になるように化学強化されることが好ましい。より好ましくは60%以上であり、更に好ましくは75%以上である。一方、好ましくは90%以下である。
本実施形態において、第2イオン交換後の最大引張応力値CT[MPa]は、19500/(t/2-DOL/1000)以下となるように化学強化されることが好ましい。ここで、tは化学強化ガラスの板厚[mm]、DOLは圧縮応力層深さ[μm]を表す。
<化学強化ガラス>
図2に、本発明の製造方法により得られる化学強化ガラスの応力プロファイルの一態様を示す。図2に示すように、本発明の製造方法により得られる化学強化ガラスの応力プロファイルは、同程度の圧縮応力層深さを示す従来の2段強化により得られる化学強化ガラスと比して、ガラス表面における圧縮応力CSが低い。これにより、同程度の圧縮応力層深さの応力プロファイルよりも圧縮応力値の積分面積が小さくなるが、ガラス表面からの深さ50μmと化学強化ガラスの圧縮応力層深さ(以下、DOLzeroとも略す。)との間の板厚範囲における圧縮応力は同等か大きくなる。
また、本発明の製造方法により得られる化学強化ガラスの応力プロファイルは、従来の2段強化により得られる化学強化ガラスの応力プロファイルと比して、圧縮応力層の積分面積はほぼ一定でも、CSが低く、ガラス表面からの深さ50μmとDOLzero(μm)との間の板厚範囲における圧縮応力が大きくなる。これにより、本発明の製造方法により得られる化学強化ガラスは、CTの値がCTリミットを超えず、優れた落下強度を示すとともに、衝撃モードによる破壊を抑制し得る。
本発明における化学強化ガラスの厚さt(mm)は強度を向上する点から、tは0.8mm以下が好ましく、0.7mm以下がより好ましく、0.65mm以下がさらに好ましく、0.6mm以下が特に好ましい。tが小さいほど強度が向上する。tは典型的には0.02mm以上である。
酸化物基準のモル百分率表示で示した下記組成となるようにガラス原料を調合し、ガラスとして400gになるように秤量した。ついで、混合した原料を白金るつぼに入れ、1500~1700℃の電気炉に投入して3時間程度溶融し、脱泡し、均質化した。
ガラス組成:SiO 68.9%、Al 12.4%、Y 1.3%、ZrO 0.3%、LiO 10.8%、NaO 4.8%、KO 1.2%、その他成分0.3%。
得られた溶融ガラスを金属型に流し込み、ガラス転移点より50℃程度高い温度に1時間保持した後、0.5℃/分の速度で室温まで冷却し、ガラスブロックを得た。得られたガラスブロックを切断、研削し、最後に両面を鏡面研磨して、厚さが0.65mmのガラス板を得た。
得られたガラス板を化学強化用ガラスとして用いて、下記に示す条件にて化学強化処理を施し、例1及び例2を実施した。例1は実施例、例2は比較例である。
[例1]
(1)第1イオン交換工程
化学強化用ガラスを第1溶融塩組成物(60質量%のKNO、40質量%のNaNOを含有)に420℃にて75分間浸漬し、第1イオン交換を行った。
(2)第2イオン交換工程
第1イオン交換工程後の化学強化用ガラスを第2溶融塩組成物(99.4質量%のKNO、0.6質量%のLiNOを含有)に420℃にて30分間浸漬し、第2イオン交換を行い、化学強化ガラスを作製した。
(3)第1溶融塩組成物の継続使用工程
第1イオン交換工程後の第1溶融塩組成物を第1イオン交換工程に継続使用し、第1溶融塩組成物として繰り返し使用した。
(4)第2溶融塩組成物の継続使用工程
第2イオン交換工程後の第2溶融塩組成物を第2イオン交換工程に継続使用し、第2溶融塩組成物として繰り返し使用した。
(5)第2溶融塩組成物の継続使用工程
リチウムイオンの第2溶融塩組成物への添加量が、第2溶融塩組成物による化学強化用ガラスの累積処理面積当たり、150質量ppm/0.1m/kgとなるように、第2溶融塩組成物に硝酸リチウムを添加して濃度制御し、前記(4)の第2溶融塩組成物の継続使用工程において継続使用した。
[例2]
(5)の第2溶融塩組成物の継続使用を行わなかったこと以外は、例1と同様にして、化学強化ガラスを作製した。
得られた化学強化ガラスを以下の方法により評価した。
[散乱光光弾性応力計による応力測定]
散乱光光弾性応力計(折原製作所製SLP-1000)を用いて、国際公開第2018/056121号に記載の方法により化学強化ガラスの応力を測定した。また、散乱光光弾性応力計(折原製作所製SLP-1000)の付属ソフト[SlpIV(Ver.2019.01.10.001)]を用いて、応力を算出した。
応力プロファイルを得るために使用した関数は σ(x)=(a*erfc(a*x)+a*erfc(a*x)+a) である。a=1~5)はフィッティングパラメータであり、erfcは相補誤差関数である。相補誤差関数は下記式によって定義される。
Figure 2022131668000002
本明細書における評価では、得られた生データと上記の関数の残差二乗和を最小化することで、フィッティングパラメータを最適化した。測定処理条件は単発とし、測定領域処理調整項目は表面でエッジ法を、内部表面端は6.0μmを、内部左右端は自動を、内部深部端は自動(サンプル膜厚中央)を、そして位相曲線のサンプル厚さ中央迄延長はフィッティング曲線を、それぞれ指定選択した。
また、同時に断面方向のアルカリ金属イオンの濃度分布(ナトリウムイオン及びカリウムイオン)の測定をSEM-EDX(EPMA)で行い、得られた応力プロファイルと矛盾がないことを確認した。
結果を図3(a)及び(b)、図4(a)及び(b)に示す。
図3(a)は、第2溶融塩組成物と化学強化用ガラスとの累積処理面積と、化学強化ガラスのCSとの相関関係を示す図である。図3(a)に示すように、第2溶融塩組成物による第1イオン交換後の化学強化用ガラスについての累積処理面積の増加に伴い、第2溶融塩組成物の継続使用工程を含まない例2では、得られる化学強化ガラスのCSが上昇した。一方で、第2溶融塩組成物の継続使用工程を含む例1では、得られる化学強化ガラスのCSは徐々に減少した。
図3(b)は、第2溶融塩組成物による化学強化用ガラスの累積処理面積と、化学強化ガラスのCS50との相関関係を示す図である。図3(b)に示すように、第2溶融塩組成物による第1イオン交換後の化学強化用ガラスについての累積処理面積の増加に伴い、第2溶融塩組成物の継続使用工程を含まない例2では、得られる化学強化ガラスのCS50が徐々に減少した。一方で、第2溶融塩組成物の継続使用工程を含む例1では、例2と比較して、得られる化学強化ガラスのCS50の減少傾向が緩やかであった。
図3(a)及び(b)の結果から、第2溶融塩組成物に第1アルカリ金属イオンを添加して継続使用することにより、当該添加をしないで継続使用する場合と比較して、得られる化学強化ガラスの表層のCS(CS)は低下傾向となるが、ガラス表面近傍の圧縮応力であるCS50の減少傾向は緩やかとなることがわかった。
図4(a)は、第2溶融塩組成物と化学強化用ガラスとの累積処理面積と、第2溶融塩組成物中のリチウムイオン濃度との相関関係を示す図である。図4(a)に示すように、第2溶融塩組成物による第1イオン交換後の化学強化用ガラスについての累積処理面積の増加に伴い、比較例である例2では、第2溶融塩組成物中のリチウムイオン濃度が徐々に低下した。一方で、実施例である例1では、第2溶融塩組成物中のリチウムイオン濃度が徐々に増加した。
図4(b)は、第2溶融塩組成物と化学強化用ガラスとの累積処理面積と、第2溶融塩組成物中のナトリウムイオン濃度との相関関係を示す図である。図4(b)に示すように、比較例である例2に対し、実施例である例1では第2溶融塩組成物中のナトリウムイオン濃度の増加速度が大きくなった。このことは、化学強化用ガラス中のナトリウムイオンと第2溶融塩組成物中のリチウムイオンの交換量が増加していることを示す。
図4(a)及び(b)の結果から、第2溶融塩組成物に第1アルカリ金属イオンを添加して継続使用することにより、当該添加をしない場合と比較して、第2イオン交換工程における化学強化用ガラス中のイオンと第2溶融塩組成物中のイオンとのイオン交換量を増加できることがわかった。

Claims (22)

  1. 第1アルカリ金属イオンを含む化学強化用ガラスを、前記第1アルカリ金属イオンよりイオン半径の大きな第2アルカリ金属イオンを含む第1溶融塩組成物に浸漬させて第1イオン交換をすること、
    前記第1イオン交換の後、前記化学強化用ガラスを、前記第2アルカリ金属イオンよりもイオン半径の大きな第3アルカリ金属イオンと、前記第1アルカリ金属イオンと、を含む第2溶融塩組成物に浸漬させて第2イオン交換をすること、
    前記第1イオン交換後の前記第1溶融塩組成物を前記第1イオン交換に継続使用すること、および
    前記第2イオン交換後の前記第2溶融塩組成物を前記第2イオン交換に継続使用すること、を含む化学強化ガラスの製造方法であって、
    前記第2イオン交換後の前記第2溶融塩組成物に前記第1アルカリ金属イオンを添加して前記第2溶融塩組成物の濃度を制御し、前記第2イオン交換に継続使用する、化学強化ガラスの製造方法。
  2. 前記第2溶融塩組成物における前記第1アルカリ金属イオン濃度が、100質量ppm以上となるように、前記第2溶融塩組成物に前記第1アルカリ金属イオンを添加して前記第2溶融塩組成物の濃度を制御する、請求項1に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  3. 下記CS50の初期値を100%とした場合に、下記CS50の評価値が70%以上となるように、前記第2溶融塩組成物に前記第1アルカリ金属イオンを添加して前記第2溶融塩組成物の濃度を制御する、請求項1または2に記載の化学強化ガラスの製造方法。
    CS50の初期値:前記第1イオン交換と、前記第2イオン交換に供していない前記第2溶融塩組成物を用いる前記第2イオン交換と、により得られる化学強化ガラスの表面からの深さ50μmにおける圧縮応力値(MPa)
    CS50の評価値:前記第1イオン交換と、前記継続使用後の前記第2溶融塩組成物を用いる前記第2イオン交換と、により得られる化学強化ガラスの表面からの深さ50μmにおける圧縮応力値(MPa)
  4. 下記CS90の初期値を100%とした場合に、下記CS90の評価値が70%以上となるように、前記第2溶融塩組成物に前記第1アルカリ金属イオンを添加して前記第2溶融塩組成物の濃度を制御する、請求項1または2に記載の化学強化ガラスの製造方法。
    CS90の初期値:前記第1イオン交換と、前記第2イオン交換に供していない前記第2溶融塩組成物を用いる前記第2イオン交換と、により得られる化学強化ガラスの表面からの深さ90μmにおける圧縮応力値(MPa)
    CS90の評価値:前記第1イオン交換と、前記継続使用後の前記第2溶融塩組成物を用いる前記第2イオン交換と、により得られる化学強化ガラスの表面からの深さ90μmにおける圧縮応力値(MPa)
  5. 得られる化学強化ガラスの表面における圧縮応力値CSが700MPa以上となるように、前記第2溶融塩組成物に前記第1アルカリ金属イオンを添加して前記第2溶融塩組成物の濃度を制御する、請求項1~4のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  6. 前記第1アルカリ金属イオンがリチウムイオンであり、
    前記第2アルカリ金属イオンがナトリウムイオンであり、
    前記第3アルカリ金属イオンがカリウムイオンである、請求項1~5のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  7. 前記第1溶融塩組成物は、硝酸ナトリウムを含み、
    前記第2溶融塩組成物は、硝酸リチウム及び硝酸カリウムを含み、
    前記第2溶融塩組成物における硝酸カリウム濃度が85質量%以上であり、ナトリウムイオン/リチウムイオンの質量比が0以上15以下である、請求項6に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  8. 前記第1溶融塩組成物は、硝酸カリウムおよび硝酸ナトリウムを含み、
    前記第1溶融塩組成物における硝酸カリウム濃度が硝酸ナトリウム濃度より大きく、
    前記第2溶融塩組成物は、硝酸リチウム及び硝酸カリウムを含み、
    前記第2溶融塩組成物における硝酸カリウム濃度が85質量%以上であり、ナトリウムイオン/リチウムイオンの質量比が0以上15以下である、請求項6に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  9. 前記第1溶融塩組成物における硝酸カリウム濃度が50質量%超である、請求項8に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  10. 前記第1溶融塩組成物は、硝酸カリウムおよび硝酸ナトリウムを含み、
    前記第1溶融塩組成物における硝酸カリウム濃度が硝酸ナトリウム濃度より小さく、
    前記第2溶融塩組成物は、硝酸リチウム及び硝酸カリウムを含み、
    前記第2溶融塩組成物における硝酸カリウム濃度が85質量%以上であり、ナトリウムイオン/リチウムイオンの質量比が0以上15以下である、請求項6に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  11. 前記第2溶融塩組成物における硝酸ナトリウム濃度が0質量%超5質量%以下である、請求項7~10のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  12. 前記第2溶融塩組成物におけるリチウムイオン濃度が100質量ppm以上10000質量ppm以下である請求項7~11のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  13. 前記第2溶融塩組成物に硝酸リチウムを処理面積0.1m/kg毎に0.01~0.2質量%添加する請求項7~12のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  14. 前記第1イオン交換において、前記第1溶融塩組成物の温度が360℃以上450℃以下である、請求項1~13のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  15. 前記第1イオン交換において、前記化学強化用ガラスを前記第1溶融塩組成物に浸漬させる時間が0.5時間以上12時間以下である、請求項14に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  16. 前記第2イオン交換において、前記第2溶融塩組成物の温度が360℃以上450℃以下である、請求項1~15のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  17. 前記第2イオン交換において、前記化学強化用ガラスの前記第2溶融塩組成物への浸漬時間t2[分]が前記第2溶融塩組成物の温度をT[℃]を用いて下記式を満たす、請求項16に記載の化学強化ガラスの製造方法。
    -0.38T+173<t2<-1.4T+720
  18. 前記第2イオン交換後の化学強化ガラスの引張応力値CT[MPa]が、前記第1イオン交換後の前記化学強化用ガラスの引張応力値CT[MPa]の50%~93%の値になるよう化学強化する、請求項1~17のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  19. 前記第1イオン交換後の化学強化ガラスの引張応力値CT[MPa]は、下記式で表される、請求項1~18のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
    CT>19500/(t/2-DOL/1000)
    前記式において、tは化学強化ガラスの厚さ[mm]、DOLは圧縮応力層深さ[μm]を表す。
  20. 前記化学強化用ガラスは、酸化物基準のモル%表示で、
    SiOを52~75%、
    Alを8~20%、
    LiOを5~16%
    含有する、請求項6~19のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  21. 前記第2溶融塩組成物がケイ酸を含有する、請求項1~20のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  22. 前記第2溶融塩組成物が炭酸塩を含有する、請求項1~21のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
JP2021030727A 2021-02-26 2021-02-26 化学強化ガラスの製造方法 Active JP7524797B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021030727A JP7524797B2 (ja) 2021-02-26 化学強化ガラスの製造方法
CN202210181052.8A CN114956601A (zh) 2021-02-26 2022-02-25 化学强化玻璃的制造方法
US17/652,553 US20220274868A1 (en) 2021-02-26 2022-02-25 Manufacturing method for chemically strengthened glass

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021030727A JP7524797B2 (ja) 2021-02-26 化学強化ガラスの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022131668A true JP2022131668A (ja) 2022-09-07
JP7524797B2 JP7524797B2 (ja) 2024-07-30

Family

ID=

Also Published As

Publication number Publication date
CN114956601A (zh) 2022-08-30
US20220274868A1 (en) 2022-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102638938B1 (ko) 결정화 유리 및 화학 강화 유리
US11814316B2 (en) Ion exchangeable Li-containing glass compositions for 3-D forming
WO2019022033A1 (ja) 化学強化用ガラス、化学強化ガラスおよび電子機器筐体
JP2022033356A (ja) 化学強化用ガラス、化学強化ガラスおよび化学強化ガラスの製造方法
WO2019022035A1 (ja) 化学強化ガラスおよびその製造方法
TWI692460B (zh) 具有低軟化點的快速可離子交換的無硼玻璃
JP7420152B2 (ja) 化学強化ガラス物品およびその製造方法
JP2020158340A (ja) 化学強化ガラスの製造方法、溶融塩組成物及び溶融塩組成物の寿命延長方法
CN114956602A (zh) 化学强化玻璃及其制造方法
JP6962512B1 (ja) 結晶化ガラスおよび化学強化ガラス
WO2022049823A1 (ja) 結晶化ガラスおよび化学強化ガラス
JP7327427B2 (ja) 化学強化ガラスおよびその製造方法
US20230068588A1 (en) Chemically strengthened glass, and method for manufacturing the same
CN114956601A (zh) 化学强化玻璃的制造方法
JP7524797B2 (ja) 化学強化ガラスの製造方法
WO2022181812A1 (ja) 化学強化ガラスの製造方法及び化学強化ガラス
JP2022054097A (ja) 結晶化ガラス
JP2021181388A (ja) 結晶化ガラス
JP2021042116A (ja) 結晶化ガラスおよび強化結晶化ガラス
JP2023124633A (ja) 化学強化ガラス及びその製造方法
JP2024080675A (ja) 化学強化ガラス及びその製造方法
JP2024080564A (ja) 化学強化ガラス及びその製造方法
CN116940538A (zh) 化学强化玻璃的制造方法和化学强化玻璃
CN115884947A (zh) 微晶玻璃
CN118125726A (zh) 化学强化玻璃及其制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230807

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240507

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240605

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240618