JP2022129063A - 放射線撮像装置、放射線撮像装置の製造方法、および放射線撮像システム - Google Patents

放射線撮像装置、放射線撮像装置の製造方法、および放射線撮像システム Download PDF

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Abstract

【課題】 基板からのシンチレータ層の剥離を抑制しつつ、画像の生成に用いない画素領域上に形成されるシンチレータ層の領域を小さくした放射線撮像装置およびその製造方法を提供する。【解決手段】 シンチレータ層は、前記シンチレータ層の外周部に前記シンチレータ層の端部に向かって膜厚が減少する減膜部を有し、前記減膜部は、前記端部を含む第1減膜部と前記第1減膜部に隣接し少なくとも一部が画像の生成に用いる画素の領域上に配置される第2減膜部と、を有し、前記第1減膜部と前記第2減膜部との境界が画像の生成を行わない画素の領域上に配置され、前記第1減膜部の傾斜と基板がなす角をθ1、前記第2減膜部の傾斜と基板がなす角をθ2、とした場合に、θ1<θ2であることを特徴とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、放射線撮像装置、放射線撮像装置の製造方法、および放射線撮像システムに関する。
現在、放射線による医療画像診断や非破壊検査に用いる放射線撮像装置が普及している。放射線撮像装置は、例えば医療画像診断においては、一般撮影のような静止画撮影や、透視撮影のような動画撮影が可能なデジタル撮像装置として、放射線撮像システムに用いられている。
このような放射線撮像装置には、光電変換素子が二次元アレイ状に形成された画素アレイを基板上に有するセンサパネルと、放射線を光に変換するシンチレータと、を組み合わせたものが用いられる。シンチレータは、蒸着等の成膜技術を用いて、画素アレイの上にシンチレータ層として形成される。
シンチレータ層は、画像の生成に用いる画素が形成された領域(有効画素領域)の上には、均一に形成されていることが望ましい。一方、有効画素領域より外側の領域の上に形成されるシンチレータ層は、放射線検出器の小型化のために、その領域を可能な限り小さくすることが望ましい。
特許文献1には、有効画素領域を被覆するシンチレータ層を形成した後、有効画素領域より外側の領域の上に形成されたシンチレータ層を除去する技術が開示されている。また特許文献2には、有効画素領域の外側の画像の生成に用いない画素が形成された領域(非有効画素領域)の上に形成されるシンチレータ層の膜厚を漸減させる技術が開示されている。
特開2014-37984号公報 特開2019-158841号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、基板の面に対してシンチレータ層の端部が略垂直に立ち上がる構造となる。放射線撮像装置は撮影に用いる際、被写体の下に配置するなどして荷重がかかる場面がある。その際、放射線撮像装置の内部に配置されている基板には荷重による反りが発生する。シンチレータ層の端部が基板に対して略垂直に立ち上がる構造では、基板に反りが発生した際、シンチレータ層が形成されている箇所と形成されていない箇所の間で応力差が大きくなるため、シンチレータ層と基板の剥離が起こりやすいという課題がある。
また、特許文献2の方法では、非有効画素領域の上にシンチレータ層の膜厚を漸減する領域を設けている。そのため、有効画素領域の外側に形成されるシンチレータ層の領域を十分に小さくすることができず、放射線撮像装置の小型化をする際に不利であるという課題がある。
上記の課題は、各々が光電変換素子を有する複数の画素が配列されたセンサパネルと、前記センサパネルに配置された放射線を前記光電変換素子が感知可能な光に変換するシンチレータ層と、を有する放射線撮像装置であって、前記センサパネルは、前記複数の画素のうち前記放射線に基づく画像の生成に用いられる画素が複数配列された第1領域と、前記複数の画素のうち前記画像の生成に用いられない画素が前記第1領域の外縁と前記センサパネルの端部との間に複数配列された第2領域と、を含み、前記シンチレータ層は、前記シンチレータ層の端部に向かって膜厚が減少する減膜部を有し、前記減膜部は、前記シンチレータ層の端部から前記シンチレータ層の中心に向かって、第1減膜部と、前記第1減膜部に隣接し少なくとも一部が前記第1領域上に配置される第2減膜部と、をこの順に有し、前記第1減膜部と前記第2減膜部との境界が前記第2領域の上に位置しており、前記第1減膜部の傾斜と基板がなす角をθ1、前記第2減膜部の傾斜と基板がなす角をθ2、とした場合に、θ1<θ2である、ことを特徴とする放射線撮像装置によって解決される。
本発明により、シンチレータ層の端部における基板との剥離を抑制しつつ、有効画素領域の外側に形成されるシンチレータ層の領域を小さくする技術が提供される。
本発明に係るセンサパネルおよびシンチレータ層を説明するための概略図である。 本発明に係るセンサパネルおよびシンチレータ層の端部の断面構造を示す概略図である。 本発明に係るセンサパネルおよびシンチレータ層の端部の断面構造を示す概略図である。 本発明に係る比較例を説明するための、センサパネルおよびシンチレータ層の断面構造を示す概略図である。 本発明に係る放射線撮像装置の製造方法を示す概略図である。 本発明に係る放射線撮像装置の製造方法における、保持部、センサパネル、および蒸発源の位置関係を説明するための概略図である。 本発明に係る実施例および比較例における有効画素領域端部の発光量を比較したグラフである。 本発明に係る放射線撮像装置を、放射線検出システムに応用した例を示す概略図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明についてその例示的な実施形態を通して説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。また、放射線という用語は、典型的にはX線であるが、その他、α線、β線、γ線、粒子線、宇宙線を含みうる。
図1は、本発明の放射線撮像装置100に搭載されるセンサパネル101およびシンチレータ層102の上面図である。また図2には、本発明に係る放射線撮像装置のセンサパネルおよびシンチレータ層の端部の断面構造を示す概略図として、図1のA-A´断面図を示す。
センサパネル101は、ガラスやプラスチック等の基板205の上に、各々が光電変換素子を有する複数の画素を二次元アレイ状に設けた画素アレイ103を形成したものである。画素アレイ103は、画像の生成に用いる画素が複数配列されて形成された領域(有効画素領域)である第1領域106と、画像の生成に用いられない画素が複数配列されて形成された領域(非有効画素領域)である第2領域107を含む。第2領域107は第1領域106に隣接し、かつ第1領域よりセンサパネル101の外縁側に形成される。
第2領域107の外側には、センサパネル101を不図示の外部回路へと接続するための接続部104と、画素アレイ103と接続部104を電気的に接続するための、配線105と、接着部108と、電極109と、が設けられる。接着部108には異方性導電膜(ACF)が好適に用いられる。第1領域106の光電変換素子により発生した放射線に基づく電気信号は接続部104を介して外部回路へと転送され、外部回路にて画像として生成される。
センサパネル101上に占める、画像の生成に用いる領域、すなわち第1領域106以外の領域は、放射線撮像装置100を小型化する観点から、小さいほうが好ましい。
センサパネル101上には、放射線撮像装置100に照射された放射線を第1領域106の光電変換素子が感知可能な波長の光に変換する為、シンチレータ層102が配置される。シンチレータ層102は少なくとも第1領域106を覆うように配置される。
シンチレータ層102は、シンチレータ層102の中心部分に形成された平坦な領域である平坦部203と、シンチレータ層102の膜厚がシンチレータ層102の端部に向かって減少する領域(減膜部)とで構成される。減膜部は第1減膜部201と、第1減膜部201に隣接し第1減膜部201の内側に設けられた第2減膜部202と、からなる。すなわち、シンチレータ層102は、端部から中心に向かって、第1減膜部201と、第2減膜部202と、平坦部203と、をこの順に有する。
画素の保護を目的として、保護膜204がセンサパネル101上に配置されていても良い。保護膜204の材質は、ポリイミドが好適に用いられるが、目的に応じ種々の有機または無機材料から選定可能である。
図3は、本実施形態における放射線撮像装置100のセンサパネル101およびシンチレータ層102の断面構造を説明する概略図である。
第1減膜部201と第2減膜部202の第1境界301は、第2領域107上となるように配置される。また、シンチレータ層端部303は、第2領域107の外縁と、センサパネル101の端部と、の間に位置するように配置される。
この配置により、有効画素領域である第1領域上に膜厚増加率の高い第2減膜部202のうちの少なくとも一部が配置されるため、第1領域106の端部での出力を確保できる。また、シンチレータ層102で覆われる第1領域106の外周の領域が小さくなる。第1領域の外縁からセンサパネルの端部との間は、放射線撮像装置100の外形の寸法を小さくすることを目的として、7mm以下であることが望ましい。この条件を満たすことで、十分な有効画素領域を確保しつつ、放射線撮像装置100の外形の寸法を小さくすることができる。
本発明の放射線撮像装置100に係る具体的なサイズの例としては、以下の通りである。センサパネル101は、およそ400×400mmのサイズを有する。また、センサパネル101が放射線撮像装置100に組み込まれた際、第1領域106の端から放射線撮像装置100の外装の端までは、およそ17mmである。画素の大きさは、画像の生成に用いる画素も、画像の生成に用いられない画素も、いずれも0.125×0.125mmのサイズを有する。また、第1領域106の外縁からセンサパネル101の端までの距離は6.5mmである。また、第2領域107の幅は0.5mmである。
本発明における減膜部の形状は、図3に示すように、第1減膜部201と基板205表面のなす角をθ1、第2減膜部202と基板205のなす角をθ2とした場合、「θ1<θ2」の関係となる。すなわち、第1減膜部201は、第2減膜部202より基板205表面とのなす角が小さい。
放射線撮像装置100は撮影に用いる際、被写体の下に配置するなどして荷重がかかる場面がある。その際、放射線撮像装置100の内部に配置されているセンサパネル101には反りが発生する。この時、「θ1>θ2」である場合には、反りによる応力印加の際の第1減膜部201の変形量が小さくなる。その為、センサパネル101の変形にシンチレータ層102が追従できない場合、センサパネル101とシンチレータ層102との間で界面剥離が発生する可能性がある。
本発明におけるシンチレータ層102は「θ1<θ2」の関係であるので、センサパネル101の反りによりシンチレータ層102に加わる応力を、「θ1<θ2」の場合と比較して、第1減膜部201の変形により緩和しやすい構造となっている。その結果、センサパネル101とシンチレータ層102との界面で発生する界面剥離を抑制することができる。
θ1おとびθ2は、tanθ1≧0.09、かつtanθ2≧0.31の関係を満たすことが好ましい。また、θ1<θ2の関係を維持しつつ、tanθ1およびtanθ2をできるだけ大きくすることが好ましい。
ここで、h0をシンチレータ層端部303の膜厚、h1をシンチレータ層端部303から第1境界301までの膜厚、h2を境界301から第2減膜部202/平坦部203の第2境界302のまでの膜厚とする。また、d1をシンチレータ層端部303から第1境界301までの距離、d2をシンチレータ層端部303から第2減膜部202/平坦部203の第2境界302までの距離とする。この場合、tanθ1=(h1-h0)/d1およびtanθ2=(h2-h1)/(d2-d1)となる。
d1およびd2を小さくした場合、シンチレータ層102の第2領域107を覆う領域が小さく、かつ第1領域106端部のシンチレータ層厚を確保できるので発光量を向上することができる。また、h1、h2を大きくすると、シンチレータ層102の端部領域での発光量が向上する。
比較例と各実施例におけるθ1、θ2、d1、d2、h0、h1、h2、および端部発光量について表1に記載する。比較例と各実施例の詳細については後述する。
Figure 2022129063000002
ここで端部発光量の評価方法について図7に示すグラフを用いて説明する。図7は、本発明に係る実施例および比較例の有効領域端部における発光量を比較したグラフである。
図7のグラフの横軸は第2領域107に配置された画像の生成に用いない画素を含む画素端からの画素数を示し、縦軸は、放射線が照射された際の画素の暗電流成分を除いた画素の出力値の、全画素の平均出力との比である。画素の出力値は、画素端から平坦部203に向かう方向と直交する方向の100個の画素の平均値を用いて算出している。
本発明の比較例、実施例ともに、画素端から4画素は第2領域107の画像の生成に用いない画素である(図7で不図示の実施例2、4および5も同様)ので、画素端から5画素目から出力が得られるグラフとなっている。
次に、端部出力の判定基準について説明する。表1では端部出力について3段階の評価を行っており、端部から5~9画素の平均値が全画素の平均出力の60%未満の場合には△、60%以上の場合には〇、85%以上の場合に◎と記載している。tanθ1、tanθ2が前述の関係を満たす場合、(d1+d2)が小さい、すなわち第2領域107上に形成されるシンチレータ層102の領域が小さく、かつ第1領域106上において十分な発光量を維持することができる。
次に、放射線撮像装置100の製造方法について説明する。
シンチレータ層102を形成する際には、気相成長により成膜を行う。本発明の比較例および実施例では、物理気相成長による成膜を行っている。これにより、複数のシンチレータの結晶からなるシンチレータ層102が蒸着により形成される。
シンチレータ層102の材質としては、ハロゲン化アルカリ金属を主成分としたものが用いられ、特にヨウ化セシウムが好適に用いられる。その際、シンチレータ層102に形成される結晶は柱状結晶となる。また、添加材としてタリウムなどが用いられてもよい。
シンチレータ層102の保護を目的として、シンチレータ層上にシンチレータ保護層が形成されてもよい。更に、シンチレータ保護層が放射線を反射する反射層の機能を有していても良い。シンチレータ保護層は、目的に応じ種々の有機または無機材料から選定可能である。保護膜204は、例えば、パリレン、フッ素樹脂およびオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)膜などを、スプレー、塗布、化学気相成長(CVD)などの各種コーティング手段で形成することが可能である。
特にシンチレータ層102としてヨウ化セシウム等のハロゲン化アルカリ金属のシンチレータの結晶を用いる場合、使用環境中の湿度によりシンチレータの結晶が潮解して結晶間の融着が起こり、シンチレータ層の分解能が劣化することがある。潮解の抑制のためには、防湿性能の高いシンチレータ保護層でシンチレータ層を被覆する構成とすることが好ましい。本発明によるシンチレータ層102の構造によれば、第1領域106より外側に形成されるシンチレータ層102の領域を縮小することが可能となるので、結果として、封止構造の形成に必要な領域を確保できる。
成膜によりシンチレータ層102を形成する際に、図5に示すように、センサパネル101を成膜装置内に固定するために保持部502を使用する。保持部502は、開口を有し、センサパネル101におけるシンチレータ層102を形成する箇所を露出する機能を有する。具体的には、蒸発源501から放出された粒子を、センサパネル101におけるシンチレータ層102を蒸着したい領域に合わせて設定した保持部502の開口を通じてセンサパネル101へ堆積させ、シンチレータ層102を形成する。
次に、保持部502の開口の端の拡大図を図6に示す。図6は、図5で示した点線部分と、蒸発源501を示した図である。本発明の製造方法で使用する保持部502の開口の端は、第1面601、第2面602、およびワーク(センサパネル101)と接触する接触部603からなる。図6に示すように、第1面601はワークとの接触面(接触部603)に対して略垂直である。また、第2面602は、第1面601および接触部603と接する面であり、かつ開口が形成されていない側に傾斜する形状を有する。この傾斜による、第2面602と接触部603の垂線とがなす角をφとする。
φは30°~60°が好ましく、さらに好ましくは40°~50°である。この範囲に設定することで、第1減膜部201および第二の減膜部202にθ1<θ2となる角度を有するシンチレータ層をセンサパネル上に形成することができる。
図6に図示するように、蒸発源501の中心と第1面601の端部Pとを結ぶ直線のセンサパネルの蒸着面との交点を交点Qとする。本発明においては、交点Qがセンサパネル101の第1領域と第2領域との境界から、第2領域の外縁からセンサパネルの端に向かって1.0mmまでの領域を通過するように配置し、保持部502にて固定する。さらに好ましくは、蒸発源501の中心と、第1面601の端部Pとを結ぶ直線は、第2領域を通過するように配置する。
このような配置となるように、蒸発源501、保持部502、センサパネル101を配置する。この位置関係で配置を行うことにより、前述のθ1、θ2の関係を満たしつつ、第1減膜部201と第2減膜部202の第1境界301を、センサパネル101における第1領域106より外側の領域に設定したシンチレータ層102を形成することができる。
以下、表1における比較例および実施例1~5の詳細について説明する。
<実施例1>
本発明の実施例1について説明する。本実施例においては、蒸着によりセンサパネル101上にヨウ化セシウムを成膜しシンチレータ層102を形成して放射線撮像装置100を製造する例を示す。
センサパネル101を保持部502にセットする。保持部502を、図6に示す配置となるよう、蒸発源501、保持部502、およびセンサパネル101を配置する。
次に蒸着によりセンサパネル101上に、ヨウ化セシウムシンチレータ層を形成し、シンチレータ層102を形成する。本実施例の製造方法で作製した形状確認サンプルの断面構造を、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscopy)で観察した。形状確認サンプルで確認したシンチレータ層102の端部形状の各パラメータは、h0=160μm、h1=240μm、h2=440μm、d1=650μm、d2=1100μm、θ1=6.8°、θ2=23.7°となっていた。
また、同様に上面からの構造確認により、第1減膜部201と第2減膜部202の第1境界301が、センサパネル101上の第2領域107上に配置されていることが確認された。
上記のシンチレータ層102上にシンチレータ保護層を形成し、センサパネル101の外縁の領域におけるシンチレータ層102の形成されていない箇所で封止処理を行う。その後、信号処理を行う部品を接続し、外装を設置することで放射線撮像装置100が製造される。
本実施例で製造した放射線撮像装置100は、表1に示すように、被検査体を設置せずに放射線を照射し撮影した場合の端部発光量が、同条件での撮影における全画素の平均発光量の74%となり、後述する比較例より良好な発光量が得られることが確認された。
<比較例>
本比較例は、使用する保持部502の形状以外は、実施例1と同様の方法で放射線撮像装置100を製造した例である。本比較例で使用する保持部は、図6に示す点Qが、第1領域106上に配置される位置関係となるものである。
シンチレータ層102の端部形状の各パラメータは、h0=130μm、h1=200μm、h2=370μm、d1=1200μm、d2=1750μm、θ1=3.4°、θ2=17.2°となっていた。また、端部形状を確認すると、図4のように第1減膜部201と第2減膜部202との第1境界301が、第1領域106上に配置された形状が確認された。
本比較例で製造した放射線撮像装置100は、表1に示すように、被検査体を設置せずに放射線を照射し撮影した場合の端部発光量が、同条件での撮影における全画素の平均発光量の57%となり、いずれの実施例と比較しても発光量の低下が確認された。
<実施例2>
本実施例は、実施例1からシンチレータ層102の膜厚を変更した例である。
本実施例においては、蒸着時間を調整してシンチレータ層102の膜厚を実施例1より小さく設定する。シンチレータ層102の端部形状の各パラメータは、h0=140μm、h1=210μm、h2=390μm、d1=650μm、d2=1100μm、θ1=6.3°、θ2=21.8°となっていた。また、第1減膜部201と第2減膜部202の第1境界301が、センサパネル101上の第2領域107上に配置されていることが確認された。
本実施例で製造した放射線撮像装置100は、表1に示すように、被検査体を設置せずに放射線を照射し撮影した場合の端部発光量が、同条件での撮影における全画素の平均発光量の72%となり、比較例より良好な発光量が得られることが確認された。
<実施例3>
本実施例は、実施例1からシンチレータ層102の膜厚を変更した例である。
本実施例においては、実施例2とは逆にシンチレータ層102の膜厚を実施例1より大きく設定する。シンチレータ層102の端部形状の各パラメータは、h0=180μm、h1=270μm、h2=510μm、d1=650μm、d2=1100μm、θ1=8.0°、θ2=27.9°となっていた。また、第1減膜部201と第2減膜部202の第1境界301が、センサパネル101上の第2領域107上に配置されていることが確認された。
本実施例で製造した放射線撮像装置100は、表1に示すように、被検査体を設置せずに放射線を照射し撮影した場合の端部発光量が、同条件での撮影時の全画素の平均発光量の86%となり、実施例1よりも更に良好な発光量を得られることが確認された。
<実施例4>
本実施例は、実施例1から保持部502の形状を変更した例である。
シンチレータ層102の端部形状の各パラメータは、h0=160μm、h1=240μm、h2=440μm、d1=300μm、d2=750μm、θ1=15.1°、θ2=23.7°となっていた。また、第1減膜部201と第2減膜部202の第1境界301が、センサパネル101上の第2領域107上に配置されていることが確認された。
本実施例で製造した放射線撮像装置100は、表1に示すように、被検査体を設置せずに放射線を照射し撮影した場合の端部発光量が、同条件での撮影における全画素の平均発光量の72%となり、比較例より良好な発光量を得られることが確認された。
<実施例5>
本実施例は、実施例4からシンチレータ層102の膜厚を変更した例である。
シンチレータ層102の端部形状の各パラメータは、h0=180μm、h1=270μm、h2=510μm、d1=300μm、d2=750μm、θ1=16.7°、θ2=27.9°となっていた。また、第1減膜部201と第2減膜部202の第1境界301が、センサパネル101上の第2領域107上に配置されていることが確認された。
本実施例で製造した放射線撮像装置100は、表1に示すように、被検査体を設置せずに放射線を照射し撮影した場合の端部発光量が、同条件での撮影における全画素の平均発光量の87%となり、他の実施例より更に良好な発光量を得られることが確認された。
<その他の実施形態>
以下、図8を参照しながら放射線撮像装置100を放射線撮像システムに応用した例を説明する。放射線発生装置であるX線チューブ6050は、前述の放射線撮像装置100に代表される放射線撮像装置6040にX線6060を照射する。X線6060は、患者あるいは被験者6061の胸部6062を透過し、放射線撮像装置6040に入射する。この入射したX線6060には被験者6061の体内部の情報が含まれている。
X線6060の入射に対応してシンチレータ層102は発光し、これを画素アレイ103の光電変換素子で光電変換して、電気的情報を得る。この情報はデジタルに変換され信号処理部となるイメージプロセッサ6070により画像処理され制御室の表示部となるディスプレイ6080で観察できる。
また、この情報は電話回線6090等の伝送処理部により遠隔地へ転送でき、別の場所(ドクタールームなど)で表示部となるディスプレイ6081に表示もしくは光ディスク等の記録部に保存することができ、遠隔地の医師が診断することも可能である。また記録部となるフィルムプロセッサ6100により記録媒体となるフィルム6110に記録することもできる。
また本発明の放射線撮像装置100は、非破壊検査装置等の放射線を利用した医療用以外の分析・検査用途の装置およびその製造への応用が可能である。
100 放射線撮像装置
101 センサパネル
102 シンチレータ層
106 第1領域
107 第2領域
201 第1減膜部
202 第2減膜部
301 第1境界

Claims (16)

  1. 各々が光電変換素子を有する複数の画素が配列されたセンサパネルと、
    前記センサパネルに配置された放射線を前記光電変換素子が感知可能な光に変換するシンチレータ層と、
    を有する放射線撮像装置であって、
    前記センサパネルは、前記複数の画素のうち前記放射線に基づく画像の生成に用いられる画素が複数配列された第1領域と、前記複数の画素のうち前記画像の生成に用いられない画素が前記第1領域の外縁と前記センサパネルの端部との間に複数配列された第2領域と、を含み、
    前記シンチレータ層は、前記シンチレータ層の端部に向かって膜厚が減少する減膜部を有し、
    前記減膜部は、前記シンチレータ層の端部から前記シンチレータ層の中心に向かって、第1減膜部と、前記第1減膜部に隣接し少なくとも一部が前記第1領域上に配置される第2減膜部と、をこの順に有し、
    前記第1減膜部と前記第2減膜部との境界が前記第2領域の上に位置しており、前記第1減膜部の傾斜と基板がなす角をθ1、前記第2減膜部の傾斜と基板がなす角をθ2、とした場合に、θ1<θ2である、
    ことを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 前記シンチレータ層の端部は、前記第2領域の外縁と前記センサパネルの端部との間に位置していることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  3. 前記第1領域の外縁から前記センサパネルの端部との間は、7mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線撮像装置。
  4. 前記θ1がtanθ1≧0.09であり、かつ前記θ2がtanθ2≧0.31であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の放射線撮像装置。
  5. 前記シンチレータ層は、複数の柱状結晶からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の放射線撮像装置。
  6. 前記シンチレータ層は、ハロゲン化アルカリ金属を主成分とすることを特徴とする請求項5に記載の放射線撮像装置。
  7. 前記ハロゲン化アルカリ金属は、ヨウ化セシウムであることを特徴とする請求項6に記載の放射線撮像装置。
  8. 前記シンチレータ層を保護するシンチレータ保護層を更に有し、
    前記シンチレータ保護層は、前記シンチレータ層上に配置されていること
    を特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の放射線撮像装置。
  9. 前記シンチレータ保護層は、前記放射線を反射する機能を有することを特徴とする請求項8に記載の放射線撮像装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の放射線撮像装置と、
    前記放射線撮像装置に放射線を照射する放射線発生装置と、を有すること
    を特徴とする放射線撮像システム。
  11. 各々が光電変換素子を有する複数の画素が配列されたセンサパネルに放射線を光に変換するシンチレータの結晶からなるシンチレータ層の形成を行う放射線撮像装置の製造方法であって、
    前記複数の画素のうち前記放射線に基づく画像の生成に用いられる画素が複数配列された第1領域と、前記複数の画素のうち前記画像の生成に用いられない画素が前記第1領域の外縁と前記センサパネルの端部との間に複数配列された第2領域と、を有する前記センサパネルと、前記センサパネルを保持するともに開口により前記センサパネルに前記シンチレータ層を形成する箇所を露出する保持部と、前記シンチレータを蒸発させて放出する蒸発源と、を、前記シンチレータ層の端部から前記シンチレータ層の中心に向かって、第1減膜部と、前記第1減膜部に隣接し少なくとも一部が前記第1領域上に配置される第2減膜部と、をこの順に有する前記シンチレータ層を、前記第1減膜部と前記第2減膜部との境界が前記第2領域の上に位置しており、前記第1減膜部の傾斜と基板がなす角をθ1、前記第2減膜部の傾斜と基板がなす角をθ2、とした場合に、θ1<θ2となるように配置する工程と、
    前記蒸発源から放出された前記シンチレータを前記センサパネルに堆積させることで前記シンチレータ層を形成する工程と、を行う
    ことを特徴とする放射線撮像装置の製造方法。
  12. 前記配置する工程は、前記開口に前記センサパネルとの接触面と略垂直に設けられた第1面と前記第1面と前記接触面に接し前記開口が形成されていない側に傾斜した第2面とを有する前記保持部を用いて行うことを特徴とする請求項11に記載の放射線撮像装置の製造方法。
  13. 前記配置する工程は、前記第1面の前記第2面と接しない側の端部と前記蒸発源の中心とを結ぶ直線が前記センサパネルの前記第2領域を通過するように行うことを特徴とする請求項11または12に記載の放射線撮像装置の製造方法。
  14. 前記配置する工程は、前記直線が前記センサパネルの前記第1領域と前記第2領域との境界から前記第2領域の外縁から前記センサパネルの端に向かって1.0mmまでの領域を通過するように行うことを特徴とする請求項13に記載の放射線撮像装置の製造方法。
  15. 前記保持部は、前記第2面と前記接触面の垂線とがなす角が30°~60°の範囲となっていることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか一項に記載の放射線撮像装置の製造方法。
  16. 前記シンチレータ層の形成は、気相成長にて行われることを特徴とする請求項11乃至15のいずれか一項に記載の放射線撮像装置の製造方法。
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