JP2022126265A - クランクシャフト - Google Patents

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Akihiro Yoshino
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Abstract

【課題】クランクシャフトの振れを抑制する。【解決手段】エンジンに設けられるクランクシャフト10であって、回転中心CRに位置する複数のクランクジャーナルJ1~J5と、クランクジャーナルJ1~J5に対して偏心する複数のクランクピンP1~P4と、クランクジャーナルJ1~J5およびクランクピンP1~P4を互いに連結する複数のクランクウェブW1~W8と、を有し、複数のクランクウェブW1~W8として、複数の薄型ウェブW2,W3,W6,W7と、薄型ウェブよりも厚み寸法の大きな複数の厚型ウェブW1,W4,W5,W8と、がある。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンに設けられるクランクシャフトに関する。
エンジンに設けられるクランクシャフトは、回転中心に位置するクランクジャーナルと、回転中心に対して偏心するクランクピンと、を有している。また、クランクピンにはコネクティングロッドを介してピストンが連結されており、クランクシャフト回転時にはクランクピンに対して慣性力や遠心力等の荷重が作用している。このため、クランクジャーナルとクランクピンとを連結するクランクウェブにはカウンタウェイトが設けられており、このカウンタウェイトの遠心力によってクランクピンに作用する荷重が打ち消されている。このように、クランクシャフトに対してカウンタウェイトを設けることにより、クランクピンに作用する荷重を打ち消すことができ、クランクシャフトの振れを抑制することができる(特許文献1~3参照)。
特許第6443546号公報 特開2010-144804号公報 特開2005-42837号公報
ところで、エンジンの小型化を達成するため、クランクシャフトを軸方向に短縮することが求められている。しかしながら、クランクシャフトを軸方向に短縮することは、カウンタウェイトが形成されるクランクウェブの薄型化を招く要因であり、カウンタウェイトの小型軽量化を招く要因となっていた。このように、クランクシャフトを軸方向に短縮した場合には、カウンタウェイトに発生する遠心力が減少するため、クランクピンに作用する荷重を十分に打ち消すことが困難であり、クランクシャフトの振れを抑制することが困難となっていた。
本発明の目的は、クランクシャフトの振れを抑制することにある。
本発明の一実施形態のクランクシャフトは、エンジンに設けられるクランクシャフトであって、回転中心に位置する複数のクランクジャーナルと、前記クランクジャーナルに対して偏心する複数のクランクピンと、前記クランクジャーナルおよび前記クランクピンを互いに連結する複数のクランクウェブと、を有し、前記複数のクランクウェブとして、複数の薄型ウェブと、前記薄型ウェブよりも厚み寸法の大きな複数の厚型ウェブと、がある。
本発明によれば、複数のクランクウェブとして、複数の薄型ウェブと、薄型ウェブよりも厚み寸法の大きな複数の厚型ウェブと、を設けるようにしたので、クランクシャフトに作用する荷重の多くを打ち消すことができ、クランクシャフトの振れを抑制することができる。
本発明の一実施の形態であるクランクシャフトを備えたエンジンを示す概略図である。 図1のA-A線に沿ってエンジンのシリンダブロックおよびクランクシャフトを示す断面図である。 本発明の一実施の形態であるクランクシャフトを示す図である。 クランクシャフトに作用する荷重を示す図である。 比較例のクランクシャフトを示す図である。 比較例のクランクシャフトに作用する荷重を示す図である。 クランクジャーナルの摩擦損失とエンジン回転数との関係を示す図である。 改善効果値とエンジン回転数との関係を示す図である。 実施例のクランクシャフトおよび比較例のクランクシャフトを並べて示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[エンジン構造]
図1は本発明の一実施の形態であるクランクシャフト10を備えたエンジン11を示す概略図である。図2は図1のA-A線に沿ってエンジン11のシリンダブロック14,16およびクランクシャフト10を示す断面図である。
図1および図2に示すように、水平対向エンジンであるエンジン11は、一対のシリンダバンク12,13を備えている。一方のシリンダバンク12には、シリンダブロック14およびシリンダヘッド15が設けられており、他方のシリンダバンク13には、シリンダブロック16およびシリンダヘッド17が設けられている。また、エンジン11は、一対のシリンダブロック14,16によって回転自在に支持されるクランクシャフト10を有している。クランクシャフト10は、回転中心CRに設けられる複数のクランクジャーナルJ1~J5と、回転中心CRに対して偏心する複数のクランクピンP1~P4と、を有している。
図2に示すように、一対のシリンダブロック14,16には軸受メタル20を備えた半円状のジャーナルボア21が形成されており、互いに対向するジャーナルボア21によってクランクシャフト10のクランクジャーナルJ1~J5が回転自在に支持されている。また、シリンダブロックにはシリンダボアB1~B4が形成されており、シリンダボアB1~B4にはピストンPi1~Pi4が往復動自在に収容されている。そして、クランクシャフト10のクランクピンP1~P4には、コネクティングロッド22を介してピストンPi1~Pi4が連結されている。なお、図1に示すように、クランクピンP1,P4とクランクピンP2,P3とは、互いに180°ずれた位置に取り付けられている。
[クランクシャフト構造]
図3は本発明の一実施の形態であるクランクシャフト10を示す図である。図3に示すように、クランクシャフト10の一端部には、補機駆動軸23が設けられており、クランクシャフト10の他端部には、出力フランジ24が設けられている。なお、動力源としてエンジン11が車両に搭載される場合には、補機駆動軸23に対して図示しないクランクプーリ等が連結され、出力フランジ24に対して図示しないトルクコンバータ等が連結される。
前述したように、クランクシャフト10は、回転中心CRに位置する複数のクランクジャーナルJ1~J5を有している。これらのクランクジャーナルJ1~J5として、クランクシャフト10には、軸方向の一端部から他端部にかけて配置される順に、クランクジャーナル(第1ジャーナル)J1、クランクジャーナル(第2ジャーナル)J2、クランクジャーナル(第3ジャーナル)J3、クランクジャーナル(第4ジャーナル)J4、およびクランクジャーナル(第5ジャーナル)J5が設けられている。
また、クランクシャフト10は、クランクジャーナルJ1~J5に対して偏心する複数のクランクピンP1~P4を有している。これらのクランクピンP1~P4として、クランクシャフト10には、クランクジャーナルJ1,J2間に配置されるクランクピンP1、クランクジャーナルJ2,J3間に配置されるクランクピンP2、クランクジャーナルJ3,J4間に配置されるクランクピンP3、およびクランクジャーナルJ4,J5間に配置されるクランクピンP4が設けられている。
さらに、クランクシャフト10は、クランクジャーナルJ1~J5とクランクピンP1~P4とを互いに連結する複数のクランクウェブW1~W8を有している。これらのクランクウェブW1~W8として、クランクシャフト10には、クランクジャーナルJ1に連結されるクランクウェブW1、クランクジャーナルJ2に連結されるクランクウェブW2,W3、クランクジャーナルJ3に連結されるクランクウェブW4,W5、クランクジャーナルJ4に連結されるクランクウェブW6,W7、およびクランクジャーナルJ5に連結されるクランクウェブW8が設けられている。
また、各クランクウェブW1~W8は、クランクジャーナルJ1~J5とクランクピンP1~P4とを互いに連結するクランクアーム(アーム部)1a~8aと、クランクアーム1a~8aに連なるとともにクランクピンP1~P4の反対側に延びるカウンタウェイト(ウェイト部)1b~8bと、を備えている。さらに、クランクウェブW1~W8として、クランクシャフト10には、厚み寸法が「T1」に形成される複数の薄型ウェブが設けられており、厚み寸法が「T1」よりも大きな「T2」に形成される複数の厚型ウェブが設けられている。
つまり、クランクシャフト10には、複数の薄型ウェブとして、クランクジャーナルJ2,J4に連結されるクランクウェブW2,W3,W6,W7が設けられている。また、クランクシャフト10には、複数の厚型ウェブとして、クランクジャーナルJ1,J3.J5に連結されるクランクウェブW1,W4,W5,W8が設けられている。このように、クランクシャフト10には、厚み寸法の互いに異なる厚型ウェブW1,W4,W5,W8および薄型ウェブW2,W3,W6,W7が設けられており、厚型ウェブW1,W4,W5,W8のカウンタウェイト1b,4b,5b,8bは、薄型ウェブW2,W3,W6,W7のカウンタウェイト2b,3b,6b,7bよりも重くなっている。
[クランクシャフトに作用する荷重]
続いて、回転するクランクシャフト10に作用する荷重について説明する。図4はクランクシャフト10に作用する荷重を示す図である。前述したように、クランクシャフト10には、回転中心CRから離れた位置にクランクピンP1~P4が設けられるとともに、このクランクピンP1~P4にはコネクティングロッド22を介してピストンが連結されている。これにより、クランクシャフト10が回転する際には、各クランクピンP1~P4に対して遠心力や慣性力等の荷重が作用することになる。つまり、クランクピンP1には荷重L1a,L1bが作用しており、クランクピンP2には荷重L2a,L2bが作用しており、クランクピンP3には荷重L3a,L3bが作用しており、クランクピンP4には荷重L4a,L4bが作用している。なお、図4に示した例では、発明の理解を容易にするため、クランクピンP1~P4のそれぞれに作用する荷重を、便宜的に2つに分けて記載している。
また、クランクシャフト10には、回転中心CRから離れた位置にカウンタウェイト1b~8bが設けられている。これにより、クランクシャフト10が回転する際には、各カウンタウェイト1b~8bに対して遠心力等の荷重が作用することになる。また、前述したように、厚型ウェブW1,W4,W5,W8のカウンタウェイト1b,4b,5b,8bは、薄型ウェブW2,W3,W6,W7のカウンタウェイト2b,3b,6b,7bよりも重くなっている。このため、カウンタウェイト1b,4b,5b,8bに作用する荷重Lw1,Lw4,Lw5,Lw8は、カウンタウェイト2b,3b,6b,7bに作用する荷重Lw2,Lw3,Lw6,Lw7よりも大きくなっている。
図4にハッチングの矢印で示すように、各クランクピンP1~P4のうち、両端に位置するクランクピンP1,P4には、矢印D1方向に、荷重L1a,L1b,L4a,L4bが作用する一方、中央に位置するクランクピンP2,P3には、矢印D1方向とは逆向きの矢印D2方向に、荷重L2a,L2b,L3a,L3bが作用する。このため、クランクピンP1,P2間に位置するクランクジャーナルJ2については、クランクピンP1,P2に作用する荷重が互いに打ち消し合うことから、クランクジャーナルJ2が振れ難くなっている。同様に、クランクピンP3,P4間に位置するクランクジャーナルJ4についても、クランクピンP3,P4に作用する荷重が互いに打ち消し合うことから、クランクジャーナルJ4が振れ難くなっている。
一方、クランクピンP1と補機駆動軸23との間に位置するクランクジャーナルJ1については、主にクランクピンP1の荷重が一方向に作用するため、クランクジャーナルJ1が振れ易くなっている。同様に、クランクピンP4と出力フランジ24との間に位置するクランクジャーナルJ5についても、主にクランクピンP4の荷重が一方向に作用するため、クランクジャーナルJ5が振れ易くなっている。さらに、クランクピンP2,P3間に位置するクランクジャーナルJ3については、クランクピンP2,P3に荷重が一方向に作用するため、クランクジャーナルJ3が振れ易くなっている。
このように、クランクシャフト10の構造は、クランクジャーナルJ2,J4が振れ難い構造である一方、クランクジャーナルJ1,J3,J5が振れ易い構造である。そこで、前述したように、振れ難いクランクジャーナルJ2,J4には、軽いカウンタウェイト2b,3b,6b,7bを備えた薄型ウェブW2,W3,W6,W7が連結される一方、振れ易いクランクジャーナルJ1,J3,J5には、重いカウンタウェイト1b,4b,5b,8bを備えた厚型ウェブW1,W4,W5,W8が連結されている。これにより、振れ易いクランクジャーナルJ1,J3,J5については、カウンタウェイト1b,4b,5b,8bの遠心力を大きくすることができ、クランクジャーナルJ1,J3,J5の振れを抑制することができる。
すなわち、クランクジャーナルJ1については、クランクピンP1に作用する荷重L1aを打ち消すように、カウンタウェイト1bに作用する荷重Lw1が増やされている。また、クランクジャーナルJ5については、クランクピンP4に作用する荷重L4aを打ち消すように、カウンタウェイト8bに作用する荷重Lw8が増やされている。さらに、符号X3で示すように、クランクジャーナルJ3については、クランクピンP2,P3に作用する荷重L2a,L3aを打ち消すように、カウンタウェイト4b,5bに作用する荷重Lw4,Lw5が増やされている。これにより、クランクジャーナルJ1,J3,J5に作用する荷重の多くを減少させることができ、クランクジャーナルJ1,J3,J5の振れを抑制することができる。
なお、クランクジャーナルJ2については、符号X2で示すように、クランクピンP1に作用する荷重L1bおよびカウンタウェイト3bに作用する荷重Lw3と、クランクピンP2に作用する荷重L2bおよびカウンタウェイト2bに作用する荷重Lw2と、を互いに打ち消すことができる。また、クランクジャーナルJ4については、符号X4で示すように、クランクピンP4に作用する荷重L4bおよびカウンタウェイト6bに作用する荷重Lw6と、クランクピンP3に作用する荷重L3bおよびカウンタウェイト7bに作用する荷重Lw7と、を互いに打ち消すことができる。これにより、クランクジャーナルJ2,J4に作用する荷重の多くを減少させることができ、クランクジャーナルJ2,J4の振れを抑制することができる。
これまで説明したように、クランクウェブW1~W8として厚型ウェブおよび薄型ウェブを設けることにより、クランクシャフト10に作用する荷重の多くを打ち消すことができる。これにより、各クランクジャーナルJ1~J5の振れを抑えることができるため、各クランクジャーナルJ1~J5と軸受メタル20との間の摩擦損失を減少させることができる。しかも、振れ難いクランクジャーナルJ2,J4については、薄いクランクウェブW2,W3,W6,W7を連結するようにしたので、各クランクジャーナルJ1~J5の振れを抑えながらクランクシャフト10の全長を短くすることができる。
[比較例]
続いて、比較例のクランクシャフト100に作用する荷重について説明する。図5は比較例のクランクシャフト100を示す図であり、図6は比較例のクランクシャフト100に作用する荷重を示す図である。なお、図5および図6において、図3および図4に示した部位や荷重と同様の部位や荷重については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、比較例のクランクシャフト100は、厚み寸法が共通の「T3」に形成された複数のクランクウェブW1x~W8xを有している。このように、クランクウェブW1x~W8xの厚み寸法が互いに共通であった場合には、クランクウェブW1x~W8xが備えるカウンタウェイト1bx~8bxの質量も互いに共通である。このため、図6に示すように、各カウンタウェイト1bx~8bxには、ほぼ同じ大きさの荷重Lw1x~Lw8xが作用している。なお、実施例のクランクシャフト10と比較例のクランクシャフト100との相違点は、クランクウェブW1~W8,W1x~W8xの厚み寸法のみである。また、実施例のクランクシャフト10と比較例のクランクシャフト100とにおいて、各クランクジャーナルJ1~J5の位置は互いに一致している。
前述したように、各カウンタウェイト1bx~8bxに対して共通の荷重Lw1x~Lw8xが作用していた場合には、カウンタウェイト1bx,4bx,5bx,8bxの遠心力を十分に高めることができずに、クランクジャーナルJ1,J3,J5の振れを抑制することが困難である。すなわち、クランクジャーナルJ1については、カウンタウェイト1bxに作用する荷重Lw1xを増やすことが困難であるため、クランクピンP1に作用する荷重L1aを十分に打ち消すことが不可能である。つまり、クランクピンP1の荷重L1aが残ることから、クランクジャーナルJ1には矢印α1方向に荷重が作用することになる。また、クランクジャーナルJ5については、カウンタウェイト8bxに作用する荷重Lw8xを増やすことが困難であるため、クランクピンP4に作用する荷重L4aを十分に打ち消すことが不可能である。つまり、クランクピンP4の荷重L4aが残ることから、クランクジャーナルJ5には矢印α5方向に荷重が作用することになる。さらに、クランクジャーナルJ3については、符号X3で示すように、カウンタウェイト4bx,5bxに作用する荷重Lw4x,Lw5xを増やすことが困難であるため、クランクピンP2,P3に作用する荷重L2a,L3aを十分に打ち消すことが不可能である。つまり、クランクピンP2,P3の荷重L2a,L3aが残ることから、クランクジャーナルJ3には矢印α3方向に荷重が作用することになる。
このように、クランクウェブW1x~W8xの厚み寸法が互いに共通であった場合には、クランクジャーナルJ1には矢印α1方向に荷重が作用し、クランクジャーナルJ3には矢印α3方向に荷重が作用し、クランクジャーナルJ5には矢印α5方向に荷重が作用することになる。これにより、比較例のクランクシャフト100においては、クランクジャーナルJ1~J5の振れを抑制することが困難であり、各クランクジャーナルJ1~J5と軸受メタル20との間の摩擦損失を減少させることが困難である。これに対し、実施例のクランクシャフト10においては、クランクウェブW1~W8として厚型ウェブおよび薄型ウェブを設けるようにしたので、クランクシャフト10に作用する荷重の多くを打ち消すことができる。これにより、各クランクジャーナルJ1~J5の振れを抑えることができ、各クランクジャーナルJ1~J5と軸受メタル20との間の摩擦損失を減少させることができる。
ここで、図7Aはクランクジャーナルの摩擦損失とエンジン回転数との関係を示す図であり、図7Bは改善効果値とエンジン回転数との関係を示す図である。前述したように、実施例のクランクシャフト10を用いた場合には、クランクシャフト10が振れ難くなる一方、比較例のクランクシャフト100を用いた場合には、クランクシャフト100が振れ易くなる。このため、図7Aに示すように、実施例のクランクシャフト10を用いた場合には、比較例のクランクシャフト100を用いた場合に比べて、クランクジャーナルJ1~J5と軸受メタル20との間の摩擦損失を減少させることができる。図7Aに符号Xで示すように、実施例のクランクシャフト10を用いた場合の摩擦損失と、比較例のクランクシャフト100を用いた場合の摩擦損失とは、エンジン回転数が高くなる程に乖離している。つまり、図7Bに示すように、実施例のクランクシャフト10においては、エンジン回転数が高くなる程に摩擦損失の改善効果値が高められている。なお、図7Bに示した改善効果値とは、比較例のクランクシャフト100を用いた場合の摩擦損失から、実施例のクランクシャフト10を用いた場合の摩擦損失を減算した値である。
[エンジンの小型化]
実施例のクランクシャフト10を用いることにより、エンジン11のバンクオフセットを縮めることができ、エンジン11の小型化を達成することができる。以下、エンジン11の小型化について説明する。ここで、図8は実施例のクランクシャフト10および比較例のクランクシャフト100を並べて示す図である。
まず、図2に示すように、一方のシリンダブロック14には、2つのシリンダボアB1,B3が形成されている。シリンダボアB1にはピストンPi1が収容されており、このピストンPi1にはクランクピンP1が連結されている。また、シリンダボアB3にはピストンPi3が収容されており、このピストンPi3はクランクピンP3に連結されている。このため、シリンダボアB1,B3の中心軸間距離であるシリンダピッチSpは、クランクピンP1,P3の間隔、つまりクランクピンP1,P3の中心を通過する中心線C1,C3の間隔に相当している。
同様に、他方のシリンダブロック16には、2つのシリンダボアB2,B4が形成されている。シリンダボアB2にはピストンPi2が収容されており、このピストンPi2はクランクピンP2に連結されている。また、シリンダボアB4にはピストンPi4が収容されており、このピストンPi4はクランクピンP4に連結されている。このため、シリンダボアB2,B4の中心軸間距離であるシリンダピッチSpは、クランクピンP2,P4の間隔、つまりクランクピンP2,P4の中心を通過する中心線C2,C4の間隔に相当している。
図8に示すように、実施例のクランクシャフト10と比較例のクランクシャフト100とを比較すると、クランクジャーナルJ1とクランクジャーナルJ5との間隔は互いに一致している。また、実施例のクランクシャフト10には、クランクジャーナルJ1,J3,J5に対し、厚み寸法が「T2」に形成されたクランクウェブである厚型ウェブW1,W4,W5,W8が連結されている。一方、比較例のクランクシャフト100には、クランクジャーナルJ1,J3,J5に対し、厚み寸法が「T2」よりも小さな「T3」に形成されたクランクウェブW1x,W4x,W5x,W8xが連結されている。
このように、実施例のクランクシャフト10においては、クランクジャーナルJ1とクランクピンP1との間に厚型ウェブW1が設けられおり、クランクジャーナルJ3とクランクピンP3との間に厚型ウェブW5が設けられている。このため、実施例のクランクシャフト10においては、比較例のクランクシャフト100と比べて、クランクピンP1,P3が矢印D3方向に所定距離g1でずれている。また、実施例のクランクシャフト10においては、クランクジャーナルJ3とクランクピンP2との間に厚型ウェブW4が設けられおり、クランクジャーナルJ5とクランクピンP4との間に厚型ウェブW8が設けられている。このため、実施例のクランクシャフト10においては、比較例のクランクシャフト100と比べて、クランクピンP2,P4が矢印D4方向に所定距離g1でずれている。
前述したように、実施例のクランクシャフト10においては、クランクピンP1,P3が矢印D3方向に所定距離g1でずれることから、図2に示すように、シリンダブロック14を矢印D3方向に所定距離g1でずらすことができる。また、クランクピンP2,P4が矢印D4方向に所定距離g1でずれることから、図2に示すように、シリンダブロック16を矢印D4方向に所定距離g1でずらすことができる。すなわち、実施例のクランクシャフト10を用いることにより、シリンダブロック14,16のバンクオフセットを縮めることができるため、エンジン11の小型化を達成することができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。前述の説明では、全ての薄型ウェブW2,W3,W6,W7の厚み寸法が「T1」に形成されており、全ての厚型ウェブW1,W4,W5,W8の厚み寸法が「T2」に形成されているが、これに限られることはない。例えば、薄型ウェブW2,W3,W6,W7の厚み寸法が互いに相違しても良く、厚型ウェブW1,W4,W5,W8の厚み寸法が互いに相違しても良い。このように、厚み寸法が互いに相違する場合であっても、各厚型ウェブW1,W4,W5,W8の厚み寸法は、全ての薄型ウェブW2,W3,W6,W7の厚み寸法よりも大きく設定される。
前述の説明では、エンジン11として4気筒の水平対向エンジンが例示されているが、これに限られることはない。例えば、一対のシリンダバンクを備えるV型エンジンに対し、本発明のクランクシャフトを組み込んでも良い。また、図示する例では、一定の厚み寸法を維持したままクランクアーム1a~8aを形成しているが、これに限られることはなく、クランクシャフト10に要求される剛性を確保することが可能であれば、クランクアーム1a~8aの端部に面取り加工を施しても良い。
10 クランクシャフト
11 エンジン(水平対向エンジン)
12,13 シリンダバンク
J1 クランクジャーナル(第1ジャーナル)
J2 クランクジャーナル(第2ジャーナル)
J3 クランクジャーナル(第3ジャーナル)
J4 クランクジャーナル(第4ジャーナル)
J5 クランクジャーナル(第5ジャーナル)
P1~P4 クランクピン
W1,W4,W5,W8 クランクウェブ(厚型ウェブ)
W2,W3,W6,W7 クランクウェブ(薄型ウェブ)
1a~8a クランクアーム(アーム部)
1b~8b カウンタウェイト(ウェイト部)

Claims (5)

  1. エンジンに設けられるクランクシャフトであって、
    回転中心に位置する複数のクランクジャーナルと、
    前記クランクジャーナルに対して偏心する複数のクランクピンと、
    前記クランクジャーナルおよび前記クランクピンを互いに連結する複数のクランクウェブと、
    を有し、
    前記複数のクランクウェブとして、複数の薄型ウェブと、前記薄型ウェブよりも厚み寸法の大きな複数の厚型ウェブと、がある、
    クランクシャフト。
  2. 請求項1に記載のクランクシャフトにおいて、
    前記複数のクランクジャーナルとして、軸方向に配置される順に、第1ジャーナル、第2ジャーナル、第3ジャーナル、第4ジャーナルおよび第5ジャーナルがあり、
    前記薄型ウェブは、前記第2ジャーナルおよび前記第4ジャーナルに連結され、
    前記厚型ウェブは、前記第1ジャーナル、前記第3ジャーナルおよび前記第5ジャーナルに連結される、
    クランクシャフト。
  3. 請求項1または2に記載のクランクシャフトにおいて、
    前記薄型ウェブおよび前記厚型ウェブは、前記クランクジャーナルおよび前記クランクピンを互いに連結するアーム部と、前記アーム部に連なるウェイト部と、を備える、
    クランクシャフト。
  4. 請求項1~3の何れか1項に記載のクランクシャフトにおいて、
    前記エンジンは、一対のシリンダバンクを備える、
    クランクシャフト。
  5. 請求項1~4の何れか1項に記載のクランクシャフトにおいて、
    前記エンジンは、水平対向エンジンである、
    クランクシャフト。
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