次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態:他の機器との相対的な位置関係に基づいて提供情報を決定する例]
[通信システムの構成例]
図1は、第1の実施の形態における通信システム1の構成例を簡略化して示す図である。図1では、電子機器100~106のそれぞれが無線通信機能を備え、電子機器100~106間で無線通信を行うことが可能な例を示す。また、電子機器100~104、106は、ユーザP0~P6により所持され、電子機器105は、固定されている例を示す。
通信システム1において、電子機器100は、他の機器(電子機器101~106)のそれぞれから出力された電波を受信することができる。例えば、電子機器100の近くに存在する電子機器103から出力された電波の強度(電子機器100における受信強度)は、他の機器(電子機器101、102、104~106)から出力された電波の強度よりも強くなることが想定される。一方、電子機器100との間に障害物2が存在する電子機器106から出力された電波の強度は、比較的弱くなることが想定される。
ここで、電子機器100~106のそれぞれは、無線通信として、例えば、無線LAN(Local Area Network)(例えば、Wi-Fi(Wireless Fidelity))、Bluetooth(登録商標)(IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.15.1)、ZigBee(IEEE802.15.4)、WiMax、赤外線通信などの各種の無線通信規格の無線通信のうちの少なくとも1つを行うことができるものとする。また、電子機器100~106のそれぞれは、無線通信として、例えば、公衆網(例えば、3G(3rd Generation)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、LTE(Long Term Evolution))を用いるようにしてもよい。なお、これらは、無線通信の一例であり、他の無線通信規格の無線通信などに各実施の形態を適用するようにしてもよい。
なお、第1の実施の形態では、説明を容易にするため、無線通信として、電子機器100~106のそれぞれが無線LAN(例えば、Wi-Fi)により無線通信を行う例を示す。また、第1の実施の形態では、電子機器100以外の他の機器(電子機器101~106)のそれぞれは、例えば、無線LANの親機となることが可能な機器であるものとする。無線LANの親機となることが可能な機器は、例えば、無線LANルーター、公衆アクセスポイント、モバイルルーター、テザリング機能を有する無線機器(例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウエアブル機器)である。また、無線LANの親機となることが可能な機器は、SSID(Service Set Identifier)を有する。なお、SSIDは、IEEE802.11規格で定められているアクセスポイントの識別子である。また、SSIDは、例えば、機器名、ユーザによって設定された名称、他の文字列などの識別子であり、他の機器に表示することが可能である。例えば、機器名、ユーザによって設定された名称、他の文字列などで、SSIDが表示される。このため、電子機器100は、他の機器(電子機器101~106)のそれぞれのSSID(例えば、機器名、ユーザによって設定された名称、他の文字列)を表示部150(図2に示す)に表示させることができる。これにより、電子機器100のユーザP0は、他の機器(電子機器101~106)のそれぞれのSSID(例えば、機器名、ユーザによって設定された名称、他の文字列)を視覚的に把握することができる。また、電子機器100の制御部120(図2に示す)は、他の機器(電子機器101~106)のそれぞれのSSID(例えば、機器名、ユーザによって設定された名称、他の文字列)を把握することができる。このため、電子機器100の制御部120は、他の機器(電子機器101~106)の機器名、ユーザによって設定された名称、他の文字列などを把握することができる。
また、第1の実施の形態では、電子機器100における電波強度(他の機器(電子機器101~106)のそれぞれから出力された電波の受信強度)を用いる例を示す。なお、電波強度(受信電波強度)の測定方法については、公知の測定方法を用いることができる。例えば、無線LAN(例えば、Wi-Fi)の無線通信機能を備える機器(例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、ウエアブル機器)には、他の機器から出力される電波の強度を測定し、その測定結果とSSIDとを機器毎に表示する機能(例えば、SSIDとともに、電波強度レベルを5段階で表示)を備えるものが存在する。この機能により、無線LAN環境の状況を容易に確認することができる。このような機能を用いて、他の機器の電波強度を取得することができる。なお、複数の規格の無線通信を行うことが可能な機器については、各無線通信機能により受信した各電波の測定を行うようにしてもよく、少なくとも1つの無線通信機能(例えば、Wi-Fiの無線通信機能)により受信した電波の測定を行うようにしてもよい。この場合には、提供情報の決定に用いる電波を受信するための無線通信機能(例えば、Wi-Fiの無線通信機能)を用いるようにする。また、第1の実施の形態では、5段階の電波強度レベルを用いる例を示すが、4段階以下、または、6段階以上の電波強度レベルを用いるようにしてもよい。
[電子機器の機能構成例]
図2は、第1の実施の形態における電子機器100の機能構成例を示すブロック図である。電子機器100は、例えば、スマートフォン、タブレット端末等の電子機器や情報処理装置である。
電子機器100は、通信部110と、制御部120と、記憶部130と、操作部140と、表示部150と、音声出力部160とを有する。なお、電子機器100は、バッテリを内蔵または装着してバッテリを電源として用いるようにしてもよく、バッテリを内蔵せずに外部からの電源を用いるようにしてもよい。
通信部110は、制御部120の制御に基づいて、他の機器との間で、有線回線または無線回線を介して、各種情報のやりとりを行うものである。例えば、無線通信を利用して各種情報のやりとりを行う場合には、通信部110は、アンテナ(図示せず)を介して、電波の送受信を行う。例えば、通信部110は、上述した各種の無線通信規格の無線通信のうちの少なくとも1つの無線通信を行うことができる。なお、通信部110は、所定範囲内に存在する通信機器との間で無線通信を行うとともに、携帯電話会社等の通信事業者が設置する基地局を介して所定のネットワーク(例えば、インターネット)に接続して無線通信を行うようにしてもよい。また、通信部110は、例えば、アンテナを備え、無線通信機能を備える通信モジュールや、有線通信機能を備える通信モジュールにより実現される。
制御部120は、記憶部130に記憶されている制御プログラムに基づいて電子機器100の各部を制御するものである。制御部120は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により実現される。なお、CPUは、制御装置(制御回路)及び演算装置(演算回路)からなる中央処理装置(電子機器)である。
記憶部130は、各種情報を記憶するメモリである。例えば、記憶部130には、電子機器100が各種処理を行うために必要となる各種情報(例えば、制御プログラム、提供対象となる情報を決定するための情報(例えば、図3、図9、図14、図19に示す判定情報)が記憶される。また、記憶部130には、その情報(例えば、図3、図9、図14、図19に示す判定情報)に基づいて提供される情報(提供情報)(例えば、図4、図15、図20、図24、図27、図30、図32、図35に示す提供情報)が記憶される。なお、記憶部130については、取り外し可能な記憶部とするようにしてもよく、電子機器100に内蔵される記憶部としてもよい。また、電子機器100には、取り外し可能な記憶部と、内蔵される記憶部との双方を設けるようにしてもよい。
操作部140は、電子機器100を操作するための操作入力を受け付けるものである。例えば、操作部140は、各種の操作部材(例えば、スイッチ、ボタン)やタッチパネル等のユーザインタフェースとすることができる。
表示部150は、制御部120の制御に基づいて各種情報を出力する表示部である。表示部150として、例えば、有機EL(Electro Luminescence)パネル、LCD(LiquidCrystal Display)パネル等の表示パネルを用いることができる。なお、操作部140及び表示部150については、使用者がその指を表示面に接触または近接することにより操作入力を行うことが可能なタッチパネルを用いて一体で構成することができる。ただし、操作部140及び表示部150については、別体で構成するようにしてもよく、操作部140については、操作部材により操作を受け付けるようにしてもよい。また、タッチパネル等のユーザインタフェースとは別体の操作部材を設け、この操作部材により操作を受け付けるようにしてもよい。また、操作部に相当する画像を壁等に投影して、その画像を利用(例えば、ユーザが指す)して操作を行うことが可能なユーザインタフェースとしてもよい。
音声出力部160は、制御部120の制御に基づいて、各種音声を出力する音声出力部(例えば、スピーカ)である。
[他の機器から出力される電波の強度を用いて提供情報を決定するための判定情報例]
図3は、第1の実施の形態における電子機器100における電波状況に基づいて提供情報を決定する場合に用いる判定情報(テーブル)の一例を示す図である。図3に示す判定情報は、電子機器100における電波状況と、提供情報OIとの対応関係を示す情報である。この判定情報は、記憶部130に記憶される。また、各実施の形態で示す電波強度は、電波を受信する機器(受信機器側)における電波強度(受信機器側で受信した電波の強度)を意味するものとする。
図3において、電波強度順位#1、…、#6は、電子機器100が受信する電波(他の機器から出力された電波)の強度のうち、電波強度の強い機器の順位を示す値である。また、図3に示す判定情報(テーブル)は、各機器の電波強度を電波強度順に並べた場合の複数のパターンと、提供情報OI(OI1~OIM(ただし、Mは正の整数))とが関連付けられている情報である。例えば、電子機器100が他の機器からの電波を全く受信していない場合には、電子機器100が受信した電波の強度は全て「0」であるため、提供情報OIとしてOI1が決定される。また、例えば、電子機器100が1台の機器からの電波のみを受信し、かつ、その受信した電波の強度が「1」である場合には、提供情報OIとしてOI2が決定される。また、例えば、電子機器100が6台以上の機器からの電波を受信し、かつ、少なくとも6台の機器からの電波が「5」である場合には、提供情報OIとしてOIM(ただし、Mは正の整数)が決定される。なお、各実施の形態で示す提供情報OIに付される文字と数字の組み合わせ(例えば、図3に示すOIX1~OIX3、図4に示すOIY1、OIY2)については、説明を容易にするため、提供情報OIを識別するために付す情報であり、これらの文字や数字により提供情報OIの順序等を規定するものではない。このように、図3に示す判定情報には、電波強度順位#1~#6と、各機器の電波強度0~5(ただし、0は受信していない場合を意味する)との全ての組み合わせ(パターン)が定義される。例えば、提供情報OI1には、全て「0」のパターン「0、0、0、0、0、0」が定義される。また、提供情報OI2には、1つが「1」で他が全て「0」のパターン「1、0、0、0、0、0」が定義される。また、提供情報OI3には、2つが「1」で他が全て「0」のパターン「1、1、0、0、0、0」が定義される。以降も同様に定義され、提供情報OIMには、全て「5」のパターン「5、5、5、5、5、5」が定義される。
なお、第1の実施の形態では、電波強度順位として6位までの順位(#1~#6)を使用する例を示すが、5位以上の順位、または、7位以下の順位を使用するようにしてもよい。また、電波強度順位の数については、予め設定しておくようにしてもよく、ユーザ操作によりユーザの好みの値を設定するようにしてもよい。
また、Mの値については、電波強度順位の数と、電波強度を表す値(第1の実施の形態では、1~5)とに基づいて決定される。例えば、電波強度順位の数が3であり、電波強度を表す値が1、2(機器が存在しない場合には0)の場合には、10に決定される。また、例えば、電波強度順位の数が3であり、電波強度を表す値が1~3(機器が存在しない場合には0)の場合には、20に決定される。また、電波強度順位の数が6であり、電波強度を表す値が1~5(機器が存在しない場合には0)の場合には、463に決定される。ただし、電波強度順位の数と、電波強度を表す値とによっては、Mの値が大きくなりすぎ、提供情報(例えば、図4に示す音声情報11及び画像情報12)を用意できないことも想定される。このため、Mの値が、提供情報(例えば、図4に示す音声情報11及び画像情報12)の数よりも多い場合には、同一の情報(音声情報11及び画像情報12)を、異なる情報(提供情報OI)に割り当てるようにしてもよい。
[提供情報例]
図4は、第1の実施の形態における電子機器100により提供される情報(提供情報)の一例を示す図である。具体的には、図3に示す判定情報を用いて決定された提供情報OIと、提供情報(音声情報11及び画像情報12)との対応関係の一例を示す。この提供情報は、記憶部130に記憶される。
例えば、提供情報OIとしてOI1が決定された場合には、サンタに関する情報(音声情報11、画像情報12)が提供対象となる。サンタに関する情報は、例えば、「あこがれのサンタの夢をみよう」の音声を出力するための情報(音声情報11)や、サンタの写真や図形化された画像を表示するための情報(画像情報12)である。なお、図4では、説明を容易にするため、音声出力の対象となる文字、表示対象となる画像を簡易的に示す。なお、これらの提供例については、図7を参照して説明する。また、図4では、提供情報として、音声情報11及び画像情報12を例にして説明するが、音声情報11及び画像情報12のうちの一方を提供情報としてもよい。また、音声情報や画像情報以外の情報(例えば、匂い情報、味覚情報、触覚情報)を提供情報としてもよい。また、ユーザに対して何らかの優遇を与える情報(例えば、クーポン、優待、ポイント)を提供情報としてもよい。
[他の機器から出力される電波の強度を用いて提供情報を決定する例]
図5、図6は、第1の実施の形態における電子機器100が他の機器から出力される電波の強度を用いて提供情報を決定する場合の例を示す図である。なお、図5、図6では、図1に示す電子機器101~106から出力される電波の強度を用いて提供情報を決定する例を示す。
図5(1)には、電子機器100が電子機器101~106から受信した電波の強度を電子機器101~106の順序で並べて示す。第1の実施の形態では、電波強度を5段階の数値に対応する棒グラフ(5つの棒のうち黒塗りの棒が強度(5が最強、1が最低)を示す)により示す。図5(1)では、上段に電子機器101~106の名称を示し、中段に各機器の電波強度を棒グラフで示し、下段に各機器の電波強度の順位を示す。
例えば、電子機器100が電子機器101から受信した電波の強度は「2」であり、電子機器100が電子機器102から受信した電波の強度は「4」であり、電子機器100が電子機器103から受信した電波の強度は「5」であり、電子機器100が電子機器104から受信した電波の強度は「3」であり、電子機器100が電子機器105から受信した電波の強度は「2」であり、電子機器100が電子機器106から受信した電波の強度は「1」である。この場合に、電波強度「5」の電子機器103が電波強度順位で1位(#1)となり、電波強度「4」の電子機器102が電波強度順位で2位(#2)となり、電波強度「3」の電子機器104が電波強度順位で3位(#3)となり、電波強度「2」の電子機器101、105が電波強度順位で4、5位(#4、5)となり、電波強度「1」の電子機器106が電波強度順位で6位(#6)となる。
図5(2)には、図5(1)の下段に示す電波強度順位の順序で並べた場合の電子機器101~106の電波強度を示す。なお、これ以降では、電子機器101~106を識別する情報を使用しないため、電子機器101~106を識別する符号等を省略して示す。
図5(3)には、図5(2)に示す電波強度(5、4、3、2、2、1)と一致する電波強度を図3に示す判定情報から抽出する場合の抽出例を示す。なお、図5(3)に示す判定情報は、図3に示す判定情報と同一であり、図5(3)では、図3に示す判定情報のうちの一部を省略して示す。また、図5(3)では、図5(2)に示す電波強度(5、4、3、2、2、1)と一致する電波強度を、破線の矩形13内に示す。
図6には、図5(3)に示す判定情報を用いて提供情報OIとして決定されたOIX1に関連付けられている音声情報11及び画像情報12を抽出する場合の抽出例を示す。なお、図6に示す提供情報は、図4に示す提供情報と同一である。また、図6では、OIX1に関連付けられている音声情報11及び画像情報12を、破線の矩形14内に示す。
ここで、電子機器100が、図6に示す音声情報11及び画像情報12(破線の矩形14内)を決定するまでの各処理について説明する。最初に、電子機器100の制御部120は、通信部110により受信された他の機器からの電波の強度(電波強度)を測定する。この場合に、電子機器100の制御部120は、自機器宛(電子機器100宛)の電波と、自機器宛(電子機器100宛)ではない電波との双方の電波強度を測定する。例えば、図5(1)に示すように、他の機器からの電波強度の測定結果(電波強度レベル)を5段階で把握することができる。そして、電子機器100の制御部120は、その電波強度レベル(5段階)を機器毎に保持する。次に、電子機器100の制御部120は、所定のタイミング(例えば、図8に示すステップS203の提供条件を満たすタイミング)で、複数の機器について電波強度レベル(5段階)の順位を決定する。例えば、図5(1)の下段に示すように、各電波強度の順位が決定される。なお、第1の実施の形態では、複数の電波(自機器宛(電子機器100宛)の電波、自機器宛(電子機器100宛)ではない電波)のうち、少なくとも、自機器宛(電子機器100宛)ではない電波を用いて、提供情報OIを決定する例を示す。例えば、電子機器100が電子機器105との間で無線通信をしている場合には、電子機器105から出力される電波(自機器宛の電波)とともに、他の電波(自機器宛ではない電波)を用いて、提供情報OIを決定することができる。また、例えば、電子機器100が他の機器と無線通信をしていない場合(例えば、電子機器100が待機状態である場合)には、受信可能な1または複数の電波(自機器宛ではない電波)を用いて、提供情報OIを決定することができる。また、自機器宛(電子機器100宛)の電波(1または複数)のみを用いて、提供情報OIを決定するようにしてもよい。
次に、電子機器100の制御部120は、各電波強度と、各電波強度の順位との関係に基づいて、提供情報OIを決定する。例えば、電子機器101~106の電波強度が、図5(1)(2)に示す電波強度レベルである場合には、電波強度(5、4、3、2、2、1)と一致する電波強度(図5(3)に示す破線の矩形13内)を、図5(3)に示す判定情報から抽出し、提供情報OIをOIX1と決定する。そして、電子機器100の制御部120は、提供情報OIとして決定されたOIX1に関連付けられている音声情報11及び画像情報12(図6に示す破線の矩形14内)を出力する。
例えば、電子機器100の制御部120は、提供情報OIとして決定されたOIX1に関連付けて記憶部130に記憶されている音声情報11に基づいて、音声出力部160から音声を出力させる。また、電子機器100の制御部120は、提供情報OIとして決定されたOIX1に関連付けて記憶部130に記憶されている画像情報12に基づいて、表示部150に表示させる。この音声情報及び画像情報の出力処理(コンテンツ出力処理)は、電子機器100の周囲に存在する機器から出力される電波(自機器宛ではない電波を含む1または複数の電波)に基づいて、当該電波に基づく無線通信に関する処理及び当該電波に基づく無線通信を利用した処理(例えば、相手機器との間でコンテンツをやりとりする処理、相手機器からの制御情報に基づいて各種動作を行う処理、相手機器に制御情報を送信して、その制御情報に基づいて相手機器に各種動作を実行させる処理)とは異なる複数の処理(複数のコンテンツの出力処理(相手機器との無線通信とは無関係の処理))のうちから少なくとも1つの処理(OIX1に対応するコンテンツの出力処理)を選択して実行される処理である。なお、この提供例については、図7に示す。
[電子機器からコンテンツを出力する例]
図7は、第1の実施の形態における電子機器100から提供情報(コンテンツ)を出力する場合の例を簡略化して示す図である。なお、図7に示す例は、図5、図6に示す例により決定された提供情報(コンテンツ)を出力する例を示す。
上述したように、電子機器100の制御部120は、OIX1に関連付けられている音声情報11(図6に示す破線の矩形14内)に基づいて、「雪だるまのようにじっくり待とう」の音声を音声出力部160から出力させる。また、電子機器100の制御部120は、OIX1に関連付けられている画像情報12(図6に示す破線の矩形14内)に基づいて、雪だるまの画像を表示部150に表示させる。
これにより、電子機器100を所持するユーザP0は、電子機器100とその周囲に存在する他の機器との関係に基づいて決定されるコンテンツの出力を楽しむことができる。また、例えば、ユーザP0が移動したり、他の機器を所持するユーザが移動したりした場合には、提供対象となるコンテンツが変わる可能性があり、意外性のあるコンテンツの出力を楽しむことができる。また、他の機器から受信する電波の強度のみを使用し、他の機器やその使用者を識別する情報を用いないため、他の機器を所持するユーザの個人情報などを用いる必要がない。このため、第1の実施の形態で示すサービスを利用し易くすることができる。
[情報を提供する動作例]
図8は、第1の実施の形態における電子機器100による情報提供出力処理の一例を示すフローチャートである。図8では、操作部140の操作により電子機器100の電源がオンされた後に、提供条件を満たした場合に情報を提供する動作例を示す。
最初に、電子機器100の制御部120は、通信部110により受信された電波を測定して各電波情報(例えば、電波強度)を取得する(ステップS201)。そして、電子機器100の制御部120は、取得した電波情報を機器毎に記憶部130に保持させる(ステップS202)。この電波情報の取得処理は、定期的に行うようにしてもよく、不定期に行うようにしてもよい。
次に、電子機器100の制御部120は、提供条件を満たすか否かを判断する(ステップS203)。そして、提供条件を満していない場合には、ステップS201に戻り、提供条件を満たす場合には、ステップS204に進む。
ここで、提供条件を満たすか否かを判断する判断基準として、例えば、所定時間が経過したか否か、所望の提供情報(例えば、所望のコンテンツ)が提供対象として決定可能となったか否か、所定のユーザ操作(例えば、コンテンツ出力ボタンの押下操作)が行われたか否かを用いることができる。なお、所定時間は、例えば、電子機器100の電源がオンされてからの経過時間や、電子機器100の電源がオンされた後に、直前の情報(提供情報)が提供されてからの経過時間に基づいて判断することができる。また、所定時間は、予め設定されている時間とするようにしてもよく、ユーザ操作によりユーザの好みに応じた時間を設定するようにしてもよい。
提供条件を満たす場合には(ステップS203)、電子機器100の制御部120は、記憶部130に保持されている電波情報に基づいて、提供対象となる情報を決定する(ステップS204)。例えば、電子機器100の制御部120は、記憶部130に保持されている各機器の電波強度に基づいて、提供対象となるコンテンツを決定する(ステップS204)。具体的には、例えば、電子機器100の制御部120は、各電波強度と、各電波強度の順位との関係に基づいて、提供情報OIを決定する。例えば、電子機器101~106の電波強度が、図5(1)(2)に示す電波強度レベルである場合には、電波強度(5、4、3、2、2、1)と一致する電波強度(図5(3)に示す破線の矩形13内)を、図5(3)に示す情報から抽出し、提供情報OIをOIX1と決定する。
次に、電子機器100の制御部120は、提供対象として決定した情報を提供する(ステップS205)。例えば、電子機器100の制御部120は、提供対象として決定したコンテンツを出力させる(ステップS205)。例えば、図7に示すように、電子機器100の制御部120は、提供情報OIとして決定されたOIX1に関連付けられている音声情報11及び画像情報12(図6に示す破線の矩形14内)を出力する。
このように、電子機器100(制御部120)は、周囲に存在する機器(例えば、電子機器101~106)から出力される電波(自機器宛ではない電波を含む1または複数の電波)に基づいて、複数のコンテンツのうちからユーザに提供する少なくとも1つのコンテンツを決定することができる。具体的には、電子機器100(制御部120)は、周囲に存在する機器(例えば、電子機器101~106)から出力される電波(自機器宛ではない電波を含む1または複数の電波)の受信強度に基づいて、複数のコンテンツのうちからユーザに提供する少なくとも1つのコンテンツを決定することができる。さらに、具体的には、電子機器100(制御部120)は、電子機器100が受信した電波の数と当該電波の受信強度との関係(例えば、各機器の電波強度を電波強度順に並べた場合の複数のパターン(例えば、図3に示す判定情報の電波強度順位のパターン))に基づいて、複数のコンテンツのうちからユーザに提供する少なくとも1つのコンテンツを決定することができる。
また、電子機器100(制御部120)は、周囲に存在する機器(例えば、電子機器101~106)から出力される電波(自機器宛ではない電波を含む1または複数の電波)に基づいて、当該電波に基づく無線通信に関する処理及び当該電波に基づく無線通信を利用した処理とは異なる複数の処理(例えば、提供情報OI1~OIMに対応するコンテンツの出力処理)のうちから少なくとも1つの処理(例えば、提供情報OIX1に対応するコンテンツの出力処理)を選択して実行することができる。具体的には、電子機器100(制御部120)は、周囲に存在する機器(例えば、電子機器101~106)から出力される電波(自機器宛ではない電波を含む1または複数の電波)の受信強度に基づいて、当該電波に基づく無線通信に関する処理及び当該電波に基づく無線通信を利用した処理とは異なる複数の処理のうちから少なくとも1つの処理を選択して実行することができる。さらに、具体的には、電子機器100(制御部120)は、電子機器100が受信した電波の数と当該電波の受信強度との関係(例えば、各機器の電波強度を電波強度順に並べた場合の複数のパターン(例えば、図3に示す判定情報の電波強度順位のパターン))に基づいて、当該電波に基づく無線通信に関する処理及び当該電波に基づく無線通信を利用した処理とは異なる複数の処理のうちから少なくとも1つの処理を選択して実行することができる。
また、電子機器100(制御部120)は、複数の他の機器(例えば、電子機器101~106)との相対的な関係(例えば、受信電波強度により推定される各機器との距離)に基づいて、複数のコンテンツのうちからユーザに提供する少なくとも1つのコンテンツを決定することができる。なお、受信電波強度に基づいて各機器との距離を推定する場合には、受信電波強度と距離との関係を示すテーブルを予め記憶しておき、このテーブルを用いて各機器との距離を推定することができる。
このように、電子機器100(制御部120)は、周囲に存在する複数の機器(例えば、電子機器101~106)から出力される電波に基づいて、複数の情報のうちから提供対象となる情報を決定することができる。また、電子機器100(制御部120)は、周囲に存在する複数の機器(例えば、電子機器101~106)から出力される電波に基づいて、複数の処理のうちから少なくとも1つの処理を選択して実行することができる。すなわち、電子機器100(制御部120)は、周囲に存在する複数の機器(例えば、電子機器101~106)から出力される電波の受信強度に基づいて、複数の情報のうちから提供対象となる情報を決定することができる。また、電子機器100(制御部120)は、周囲に存在する複数の機器(例えば、電子機器101~106)から出力される電波の受信強度に基づいて、複数の処理のうちから少なくとも1つの処理を選択して実行することができる。
また、電子機器100(制御部120)は、周囲に存在する複数の機器(例えば、電子機器101~106)から出力される電波(自機器宛の電波及び自機器宛ではない電波)のうちの少なくとも複数の受信強度に基づいて、複数の処理(例えば、提供情報OI1~OIMに対応するコンテンツの出力処理)のうちから少なくとも1つの処理(例えば、提供情報OIX1に対応するコンテンツの出力処理)を選択して実行することができる。
また、電子機器100(制御部120)は、周囲に存在する複数の機器(例えば、電子機器101~106)から出力される電波の受信強度に基づいて、当該電波に基づく無線通信によりやりとりされる情報とは無関係の処理(例えば、提供情報OI1~OIMに対応するコンテンツの出力処理)を行うことができる。
また、電子機器100(制御部120)は、周囲に存在する複数の機器(例えば、電子機器101~106)から出力される電波の受信強度に基づいて特定される電子機器100を基準とした場合における複数の機器との相対的な関係(例えば、受信電波強度により推定される各機器との距離)に基づいて、複数の処理(例えば、提供情報OI1~OIMに対応するコンテンツの出力処理)のうちから少なくとも1つの処理(例えば、提供情報OIX1に対応するコンテンツの出力処理)を選択して実行することができる。
[第2の実施の形態:他の機器の種別を用いて情報を提供する例]
第1の実施の形態では、他の機器の電波強度を用いて、提供情報を決定する例を示したが、電波強度以外の他の情報を用いることも可能である。そこで、第2の実施の形態では、他の機器の種別を用いて、提供情報を決定する例を示す。なお、第2の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、第1の実施の形態と共通する部分については、その説明の一部を省略する。
[他の機器の種別を用いて提供情報を決定するための判定情報の例]
図9は、第2の実施の形態における電子機器100により提供情報を決定する場合に用いられる判定情報の一例を示す図である。この判定情報は、記憶部130に記憶される。
図9では、電子機器100における電波状況と他の機器の種別とに基づいて提供情報を決定する場合に用いる判定情報(テーブル)の一例を示す。また、図9に示す判定情報は、電子機器100における電波状況と、他の機器の種別と、電子機器100からの提供情報OIとの対応関係を示す情報である。
図9に示す判定情報では、電波強度を表す数値の代わりに、他の機器の種別を用いる。なお、図9に示す判定情報のうち、電波強度順位#1、…、#6と、提供情報OIとについては、図3に示す例と共通する。すなわち、図9に示す判定情報(テーブル)は、各機器の種別を電波強度順に並べた場合の複数のパターンと、提供情報OI(OI1~OIM(ただし、Mは正の整数))とが関連付けられている情報である。
例えば、電子機器100が他の機器からの電波を全く受信していない場合には、電子機器100が受信した電波の強度は全て「0」であるため、提供情報OIとしてOI1が決定される。また、例えば、電子機器100が1台の機器からの電波のみを受信し、かつ、その電波を送信した機器が「スマートフォン(スマホ)」である場合には、提供情報OIとしてOI2が決定される。また、例えば、電子機器100が6台以上の機器からの電波を受信し、かつ、電波強度の強い上位6台の機器が「携帯(携帯電話)」である場合には、提供情報OIとしてOIMが決定される。このように、図9に示す判定情報には、電波強度順位#1~#6と、各機器の種別(ただし、0は受信可能な機器が存在しない場合を意味する)との全ての組み合わせ(パターン)が定義される。例えば、提供情報OI1には、全て「0」のパターン「0、0、0、0、0、0」が定義される。また、提供情報OI2には、1つが「スマートフォン」で他が全て「0」のパターン「スマートフォン、0、0、0、0、0」が定義される。また、提供情報OI3には、2つが「スマートフォン」で他が全て「0」のパターン「スマートフォン、スマートフォン、0、0、0、0」が定義される。以降も同様に定義され、提供情報OIMには、全て「携帯」のパターン「携帯、携帯、携帯、携帯、携帯、携帯」が定義される。
なお、第2の実施の形態では、電波強度順位として6位までの順位(#1~#6)を使用する例を示すが、5位以上の順位、または、7位以下の順位を使用するようにしてもよい。また、電波強度順位の数については、予め設定しておくようにしてもよく、ユーザ操作によりユーザの好みの値を設定するようにしてもよい。
ここで、機種の種別の取得方法については、公知の取得方法を用いることができる。上述したように、例えば、無線LAN(例えば、Wi-Fi)の無線通信機能を備える機器(例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、ウエアブル機器)には、他の機器から出力される電波の強度を測定し、その測定結果とSSIDとを機器毎に表示する機能(例えば、SSIDとともに、電波強度レベルを5段階で表示)を備えるものが存在する。このように取得された機器毎のSSIDに基づいて、各機器の機種(または、名称、メーカー名、型番)を取得することができる。例えば、SSID(例えば、機器名、ユーザによって設定された名称)に基づいて各機器の機種を特定することが可能な情報(例えば、機器名及び機種を紐付ける情報)を記憶部130に記憶しておく。そして、制御部120は、取得したSSID(例えば、機器名、ユーザによって設定された名称)に基づいて、そのSSIDに対応する機器の機種を特定することができる。
また、例えば、無線LAN(例えば、Wi-Fi)によりやりとりされる情報(例えば、MAC(Media Access Control)フレーム)には、送信元アドレス(例えば、送信元のMACアドレス)及び送信先(宛先)アドレス(例えば、送信先(宛先)のMACアドレス)が含まれる。なお、MACアドレスは、メーカーコード、製品番号、装置固有の値により構成される。このため、例えば、送信元のMACアドレスに基づいて、送信元の機器のメーカー、機種に関する情報を取得することができる。
また、機器の機種については、図9に示す「スマートフォン」、「携帯(携帯電話)」、「タブレット端末」、「AI(Artificial Intelligence)スピーカ」、「PC(パーソナルコンピュータ)」以外に、例えば、無線LANルーター、ターミナルアダプタ、ゲーム機器、各種の家電、各種のAV機器、フェムトセルなどを使用することができる。なお、機器の種別については、上述したような各機器の種別を全て使用してもよく、何らかの規則に基づいて分類して使用するようにしてもよい。例えば、携帯型の機器(例えば、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機器)、据え置き型の機器(例えば、ターミナルアダプタ、AIスピーカ、パーソナルコンピュータ、各種の家電、各種のAV機器、フェムトセル)に分類することができる。そして、機器の機種として、「携帯型の機器」、「据え置き型の機器」を使用することができる。
また、機器の機種については、受信した電波から特定可能な機器のみを把握すればよく、種別を特定することができない機器については、例えば、「その他」などのカテゴリーに分類して使用することができる。
なお、第2の実施の形態では、受信した電波に基づいて特定が可能な機器の種別を用いて提供情報を決定する例を示すが、受信した電波に基づいて特定が可能な他の情報を用いて提供情報を決定するようにしてもよい。例えば、受信した電波に基づいて、他の機器の名称、メーカー名(例えば、製造会社、販売会社)、型番などを特定することができる場合には、その各情報を使用することができる。また、例えば、受信した電波に基づいて、他の機器に関する複数の情報(例えば、名称、メーカー名(例えば、製造会社、販売会社)、型番などのうちの2以上)を特定することができる場合には、その各情報の組み合わせを使用することができる。
また、Mの値については、電波強度順位の数と、機器の機種の数とに基づいて決定される。例えば、電波強度順位の数が3であり、機器の機種の数が2(例えば、携帯型の機器、その他、機器が存在しない場合には0)の場合には、13に決定される。ただし、電波強度順位の数と、機器の機種の数とによっては、Mの値が大きくなりすぎ、提供情報(例えば、図4に示す音声情報11及び画像情報12)を用意できないことも想定される。このため、Mの値が、提供情報(例えば、図4に示す音声情報11及び画像情報12)の数よりも多い場合には、同一の情報(音声情報11及び画像情報12)を、異なる情報(提供情報OI)に割り当てるようにしてもよい。
[他の機器の種別を用いて提供情報を決定する例]
図10、図11は、第2の実施の形態における電子機器100が電波を受信した他の機器の種別を用いて提供情報を決定する場合の例を示す図である。なお、図10、図11に示す例では、電子機器101~106から出力される電波の強度は、図5、図6に示す例と同様であるものとする。
図10(1)には、電子機器100が電子機器101~106から受信した電波の強度及び各機器の機種を電子機器101~106の順序で並べて示す。なお、図10(1)に示す各情報のうち、最下段の「機種」以外の情報については、図5(1)に示す例と同様である。また、機器の機種を表す最下段の「機種」については、説明を容易にするため、各機器を表す文字により簡易的に示す。
例えば、電子機器101~103の機種は「スマートフォン」であり、電子機器104の機種は「タブレット端末」であり、電子機器105の機種は「AIスピーカ」であり、電子機器106の機種は「PC(パーソナルコンピュータ)」である。なお、電子機器101~106の電波強度は図5(1)に示す例と同様である。
図10(2)には、図10(1)に示す「電波強度順位」の順序で並べた場合の電子機器101~106の電波強度、機器の機種を示す。なお、図10(2)に示す各情報のうち、最下段の「機種」以外の情報については、図5(2)に示す例と同様である。また、これ以降では、電子機器101~106を識別する情報を使用しないため、電子機器101~106を識別する符号等を省略して示す。なお、電波強度が同一である機器が複数存在する場合には、所定規則(例えば、電波を受信したタイミングが早い順、電波強度の変化が少ない順)に基づいて、各機器の順位を決定することができる。図10に示す例では、電子機器101、105の電波強度が同一であるため、電子機器101を4位とし、電子機器105を5位とする。
図10(3)には、図10(2)に示す「電波強度順位」の順序で並べた場合の各機器の機種(スマートフォン、スマートフォン、タブレット端末、スマートフォン、AIスピーカ、PC)と一致する機種を図9に示す判定情報から抽出する場合の抽出例を示す。なお、図10(3)に示す判定情報は、図9に示す判定情報と同一であり、図10(3)では、図9に示す判定情報のうちの一部を省略して示す。また、図10(3)では、図9に示す判定情報のうち、図10(2)に示す「電波強度順位」の順序で並べた場合の各機器の機種(スマートフォン、スマートフォン、タブレット端末、スマートフォン、AIスピーカ、PC)と一致する各機器の並びを、破線の矩形15内に示す。
ここで、電子機器100が、図6に示す音声情報11及び画像情報12(破線の矩形14内)を決定するまでの各処理について説明する。最初に、電子機器100の制御部120は、通信部110により受信された他の機器からの電波の強度(電波強度)を測定する。例えば、図10(1)に示すように、他の機器からの電波強度の測定結果(電波強度レベル)を5段階で把握することができる。また、電子機器100の制御部120は、受信した電波に含まれる情報に基づいて、その電波を送信した機器の種別を取得する。そして、電子機器100の制御部120は、その電波強度レベル(5段階)と機器の種別とを機器毎に保持する。次に、電子機器100の制御部120は、複数の機器について電波強度レベル(5段階)の順位を決定する。
次に、電子機器100の制御部120は、各機器の種別と、各電波強度の順位との関係に基づいて、提供情報OIを決定する。例えば、電子機器101~106の電波強度及び種別が、図10(1)(2)に示す電波強度レベル及び種別である場合には、電波強度レベルの順番に並べた機種の種別(スマートフォン、スマートフォン、タブレット端末、スマートフォン、AIスピーカ、PC)と一致する機器の種別(図10(3)に示す破線の矩形15内)を、図10(3)に示す判定情報から抽出し、提供情報OIをOIY1と決定する。そして、電子機器100の制御部120は、提供情報OIとして決定されたOIY1に関連付けられている音声情報11及び画像情報12(図11に示す破線の矩形16内)を出力する。
例えば、電子機器100の制御部120は、提供情報OIとして決定されたOIY1に関連付けて記憶部130に記憶されている音声情報11に基づいて、音声出力部160から音声を出力させる。また、電子機器100の制御部120は、提供情報OIとして決定されたOIY1に関連付けて記憶部130に記憶されている画像情報12に基づいて、表示部150に表示させる。この提供例については、図12に示す。
[電子機器からコンテンツを出力する例]
図12は、第2の実施の形態における電子機器100から提供情報(コンテンツ)を出力する場合の例を簡略化して示す図である。なお、図12に示す例は、図10、図11に示す例により決定された提供情報(コンテンツ)を出力する例を示す。
上述したように、電子機器100の制御部120は、OIY1に関連付けられている音声情報11(図11に示す破線の矩形16内)に基づいて、「夏のスイカのような開放感」の音声を音声出力部160から出力させる。また、電子機器100の制御部120は、OIY1に関連付けられている画像情報12(図11に示す破線の矩形16内)に基づいて、スイカの画像を表示部150に表示させる。
このように、受信した電波に基づいて特定が可能な機器の種別を用いて提供情報を決定することができる。これにより、電子機器100を所持するユーザP0は、電子機器100とその周囲に存在する他の機器との関係に基づいて決定されるコンテンツの出力を楽しむことができる。また、コンテンツの決定には、周囲に存在する機器の種別を用いるため、電子機器100の周囲の機器の位置関係が同一の環境であっても、異なるコンテンツが出力される可能性があるため、周りの機器の機種に応じたコンテンツの出力を楽しむことができる。例えば、意外な機器が存在する場所にユーザP0が移動したり、意外な機器を所持するユーザが近づいたりした場合には、意外なるコンテンツが出力される可能性があり、意外性のあるコンテンツの出力を楽しむことができる。また、他の機器から受信する電波の強度と機器の機種のみを使用し、他の機器やその使用者を識別する情報を用いないため、他の機器を所持するユーザの個人情報などを用いる必要がない。このため、第2の実施の形態で示すサービスを利用し易くすることができる。
[機器の種別を用いて情報を提供する動作例]
第2の実施の形態における電子機器100による情報提供出力処理は、図8に示す情報提供出力処理に対応する。そこで、ここでは、図8を参照して、第2の実施の形態における電子機器100による情報提供出力処理の一例について説明する。
最初に、電子機器100の制御部120は、通信部110により受信された電波を測定して各電波情報(例えば、電波強度、機器の種別)を取得する(ステップS201)。そして、電子機器100の制御部120は、取得した電波情報を機器毎に記憶部130に保持させる(ステップS202)。この電波情報の取得処理は、定期的に行うようにしてもよく、不定期に行うようにしてもよい。
次に、電子機器100の制御部120は、提供条件を満たすか否かを判断する(ステップS203)。そして、提供条件を満していない場合には、ステップS201に戻り、提供条件を満たす場合には、ステップS204に進む。なお、提供条件を満たすか否かを判断する判断基準は、図8に示す例と同様とすることができる。
提供条件を満たす場合には(ステップS203)、電子機器100の制御部120は、記憶部130に保持されている電波情報に基づいて、提供対象となる情報を決定する(ステップS204)。例えば、電子機器100の制御部120は、記憶部130に保持されている各機器の電波強度と種別とに基づいて、提供対象となるコンテンツを決定する(ステップS204)。具体的には、例えば、電子機器100の制御部120は、各電波強度の順位と、各機器の種別との関係に基づいて、提供情報OIを決定する。例えば、電子機器101~106の電波強度が、図10(1)(2)に示す電波強度レベルであり、電子機器101~106の機種が、図10(1)(2)に示す機種である場合には、電波強度の順位に並べた機種(スマートフォン、スマートフォン、タブレット端末、スマートフォン、AIスピーカ、PC)と一致する機種群(図10(3)に示す破線の矩形15内)を、図10(3)に示す情報から抽出し、提供情報OIをOIY1と決定する。
次に、電子機器100の制御部120は、提供対象として決定した情報を提供する(ステップS205)。例えば、電子機器100の制御部120は、提供対象として決定したコンテンツを出力させる(ステップS205)。例えば、図12に示すように、電子機器100の制御部120は、提供情報OIとして決定されたOIY1に関連付けられている音声情報11及び画像情報12(図11に示す破線の矩形16内)を出力する。
[特定の場所に特定機器を設置してその場所に関連する情報を提供する例]
上述した技術を適用して、例えば、観光地や店などの場所において、その場所に関連する情報(例えば、コンテンツ、優遇)を提供することが考えられる。そこで、以下では、特定の場所において、その場所に関連する情報を提供する例を示す。
[山に特定機器を設置してその山に関連する情報を提供する例]
図13は、第2の実施の形態における電子機器301~305を山に設置した場合を簡略化して示す図である。電子機器(A山機器)301は、A山に設置される電子機器であり、電子機器(B山機器)302は、B山に設置される電子機器であり、電子機器(C山機器)303は、C山に設置される電子機器であり、電子機器(D山機器)304は、D山に設置される電子機器であり、電子機器(E山機器)305は、E山に設置される電子機器である。
電子機器301~305は、所定の電波(例えば、ビーコン)を送信する機器(特定機器)である。例えば、電子機器301~305は、山頂付近のみに電波を供給することができる程度の機器でよいため、消費電力が少ない電子機器(例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy))とすることができる。
[山に設置されている機器から出力される電波を用いてその山に関連する情報を提供するための判定情報と提供情報の例]
図14、図15は、第2の実施の形態における電子機器100により提供情報を決定する場合に用いられる各種情報の一例を示す図である。これらの各情報は、記憶部130に記憶される。また、これらの各情報は、登山が趣味のユーザによる手動操作により取得されるようにしてもよい。
図14では、電子機器100における電波状況と他の機器の種別とに基づいて提供情報を決定する場合に用いる判定情報(テーブル)の一例を示す。なお、図14に示す判定情報は、図9に示す判定情報において、図13に示す電子機器301~305の種別を追加したものであり、他の部分については、図9に示す判定情報と同様である。また、図14では、電子機器301~305の種別のうち、電子機器(A山機器)301の種別に関する一部のみを簡略化して示し、他の種別についての図示を省略する。
例えば、ユーザP0が1人でA山に登っているような場合には、電子機器100が電子機器(A山機器)301からの電波のみを受信することが想定される。この場合には、電子機器100が電子機器(A山機器)301からの電波のみを受信しているため、提供情報OIとしてOIA1が決定される。また、例えば、ユーザP0が1人でA山に登っているが、既に他の人物がA山の山頂付近にいるような場合には、電子機器100が電子機器(A山機器)301からの電波とともに、A山の山頂付近にいる人物が所持する機器からの電波を受信することが想定される。この場合に、例えば、電子機器(A山機器)301からの電波の強度よりも、A山の山頂付近にいる人物が所持する機器からの電波の強度が強い場合には、提供情報OIとしてOIAB1が決定される。この例を図16に示す。
図15には、図14に示す判定情報を用いて決定された提供情報OIと、提供情報(音声情報11及び画像情報12)との対応関係の一例を示す。例えば、提供情報OIとしてOIA1、OIAB1、OIAC1、OIAD1などが決定された場合には、A山に関する情報(音声情報11、画像情報12)が提供対象となる。A山に関する情報は、例えば、「お疲れさまでした。A山の山頂です。」などの音声を出力するための情報(音声情報11)や、A山に関する画像(例えば、A山を擬人化したキャラクタ、A山が存在する地域の特産物、A山を含む写真)を表示するための情報(画像情報12)である。なお、図15では、説明を容易にするため、音声出力の対象となる文字、表示対象となる画像の一部を簡易的に示す。例えば、図17に示すように、複数の表示画面、複数の音声情報を連続して出力するための情報を提供情報としてもよい。また、図15では、提供情報として、音声情報11及び画像情報12を例にして説明するが、音声情報11及び画像情報12のうちの一方を提供情報としてもよい。また、音声情報や画像情報以外の情報(例えば、匂い情報、味覚情報、触覚情報)を提供情報としてもよい。また、ユーザに対して何らかの優遇を与える情報(例えば、クーポン、優待、ポイント)を提供情報としてもよい。なお、これらの提供例については、図17を参照して説明する。
[山に設置されている機器の種別を用いて提供情報を決定する例]
図16は、第2の実施の形態における電子機器100が電波を受信した他の機器の種別を用いて提供情報を決定する場合の例を示す図である。なお、図16(2)に示す判定情報は、図14に示す判定情報に対応し、図16(3)に示す提供情報は、図15に示す提供情報に対応する。
図16(1)には、A山の山頂付近にユーザP7が存在する場合において、ユーザP0が1人でA山に登っている状態を示す。なお、図16(1)では、説明の容易のため、ユーザP0、P7が電子機器100、309を手に持っている状態を示すが、山での安全性を考慮して各電子機器を所持することが望ましい。
図16(1)では、A山の山頂付近にユーザP7が存在し、かつ、ユーザP7が所持する電子機器309が電子機器(A山機器)301よりも電子機器100側に存在する例を示す。なお、電子機器309は、スマートフォンであるものとする。このような場合には、電子機器100が電子機器(A山機器)301からの電波とともに、A山の山頂付近にいるユーザP7が所持する電子機器309からの電波を受信することが想定される。また、電子機器309が電子機器(A山機器)301よりも電子機器100側に存在するため、電子機器(A山機器)301からの電波の強度よりも、電子機器309からの電波の強度が強くなることが想定される。この場合には、図16(2)に示すように、提供情報OIとしてOIAB1(破線の矩形17内)が決定される。そして、電子機器100の制御部120は、提供情報OIとして決定されたOIAB1に関連付けられている音声情報11及び画像情報12(図16(3)に示す破線の矩形18内)を提供する。この提供例を、図17に示す。
[電子機器において情報を提供する例]
図17は、第2の実施の形態における電子機器100からコンテンツを出力する場合の例を簡略化して示す図である。なお、図17に示す例は、図16に示す例により決定されたコンテンツを出力する例を示す。
ここで、山登りをしているときには、安全性を考慮して、登山者は自己が所持する電子機器(例えば、スマートフォン)を常時見ることは少ないと考えられる。そこで、図17に示すように、複数の段階に分けてコンテンツを提供するようにしてもよい。
図17(1)には、電子機器100が電子機器(A山機器)301からの電波を受信してから提供条件を満たすタイミングで出力されるコンテンツ(表示画面及び音声情報)の一例を示す。
ここで、提供条件を満たすか否かを判断する判断基準として、例えば、電子機器100が電子機器(A山機器)301からの電波を受信してから所定時間が経過したか否か、所望のコンテンツが提供対象として決定されたか否か、所定のユーザ操作(例えば、画面表示操作)が行われたか否か、姿勢の変化が検出されたか否か(例えば、ユーザが電子機器を取り出す際の振動や加速度の検出)を用いることができる。なお、所定時間は、予め設定されている時間とするようにしてもよく、ユーザ操作によりユーザの好みに応じた時間を設定するようにしてもよい。
図17(1)に示すように、電子機器100の制御部120は、OIAB1に関連付けられている音声情報11(図示を省略)に基づいて、「A山の登頂記念のお宝を発見しました。拾いますか?」の音声を音声出力部160から出力させる。また、電子機器100の制御部120は、OIAB1に関連付けられている画像情報12(図示を省略)に基づいて、「A山の登頂記念のお宝を発見しました。拾いますか?」の文字と、「拾う」ボタン51と、「戻る」ボタン52とを表示部150に表示させる。
図17(1)に示すように、音声情報及び画像情報によりコンテンツを出力することができる旨をユーザP0に通知することができる。この通知をユーザP0が把握して、ユーザP0が「拾う」ボタン51を押下すると、図17(2)に示す表示画面が表示される。なお、「戻る」ボタン52が押下された場合には、元の画面に戻る。例えば、待機画面や再度のコンテンツ決定処理を行うための画面に戻ることができる。
図17(2)には、図17(1)に示す表示画面において、「拾う」ボタン51が押下された後に出力されるコンテンツ(表示画面及び音声情報)の一例を示す。
図17(2)に示すように、電子機器100の制御部120は、OIAB1に関連付けられている音声情報11(図16(3)に示す破線の矩形18内)に基づいて、「お疲れさまでした。A山の山頂です。登頂記念のA山麺マンです。」の音声を音声出力部160から出力させる。また、電子機器100の制御部120は、OIAB1に関連付けられている画像情報12(図16(3)に示す破線の矩形18内)に基づいて、「お疲れさまでした。A山の山頂です。登頂記念のA山麺マンです。」の文字と、A山に関する画像(A山を擬人化したキャラクタAが、A山が存在する地域の特産物「A山麺」を持つ画像)と、「もっと入手」ボタン53と、「終了」ボタン54とを表示部150に表示させる。
図17(2)に示すコンテンツの出力がされた後に、ユーザP0が「もっと入手」ボタン53を押下すると、図17(3)に示す表示画面が表示される。なお、「終了」ボタン54が押下された場合には、コンテンツ出力処理が終了し、通常の表示画面に戻る。
図17(3)には、図17(2)に示す表示画面において、「もっと入手」ボタン53が押下された後に出力されるコンテンツ(表示画面及び音声情報)の一例を示す。
図17(3)に示すように、電子機器100の制御部120は、OIAB1に関連付けられている音声情報11(図示を省略)に基づいて、「A山名物のA山麺の割引券です。」の音声を音声出力部160から出力させる。また、電子機器100の制御部120は、OIAB1に関連付けられている画像情報12(図示を省略)に基づいて、「A山名物のA山麺の割引券です。」の文字と、「○○店3割引き」ボタン55と、「△△店4割引き」ボタン56と、「保存」ボタン57と、「終了」ボタン58とを表示部150に表示させる。なお、「○○店3割引き」ボタン55は、A山が存在する地域の特産物「A山麺」を提供する○○店において優待(3割引き)を受けるための操作を開始するボタンである。また、「△△店4割引き」ボタン56は、A山が存在する地域の特産物「A山麺」を提供する△△店において優待(4割引き)を受けるための操作を開始するボタンである。
例えば、「○○店3割引き」ボタン55と、「△△店4割引き」ボタン56とのうちの少なくとも1つが押下されると、押下されたボタンが選択状態(例えば、ボタンの色が変化)となる。そして、その選択状態で、「保存」ボタン57が押下されると、選択状態のボタンに対応する店において優待を受けるための処理が開始される。例えば、○○店3割引きを示す画像や、△△店4割引きを示す画像が保存される。そして、ユーザP0は、A山を下山した後に、所望の店に行き、その保存された画像を見せることにより、各優待を受けることができる。また、例えば、選択状態のボタンに対応する店に、その旨の通知が送信されるようにしてもよい。
このように、ユーザP0がA山に登った場合には、A山に関連するコンテンツの提供を受けることができる。この場合に、ユーザP0がA山の山頂に着いたタイミングで、その山頂付近に存在する機器(例えば、図16(1)に示す電子機器309)によって、提供対象となる情報が変わる可能性があるため、意外性のあるコンテンツの出力を楽しむことができる。また、他の登山者も、異なるコンテンツの出力を楽しむことができる。また、複数人で登山をするような場合でも、各人物の位置によっては、人物毎に異なるコンテンツが出力される可能性が高いため、各人物のコンテンツを楽しむことができる。
[店に特定機器を設置してその店に関連する情報を提供する例]
図18は、第2の実施の形態における電子機器311~315を店に設置した場合を簡略化して示す図である。電子機器(A店機器)311は、A店に設置される電子機器であり、電子機器(B店機器)312は、B店に設置される電子機器であり、電子機器(C店機器)313は、C店に設置される電子機器であり、電子機器(D店機器)314は、D店に設置される電子機器であり、電子機器(E店機器)315は、E店に設置される電子機器である。
電子機器311~315は、所定の電波(例えば、ビーコン)を送信する機器(特定機器)である。例えば、電子機器311~315は、店内(または、店の周囲)のみに電波を供給することができる程度の機器でよいため、消費電力が少ない電子機器(例えば、BLE)とすることができる。
[店に設置されている機器から出力される電波を用いてその店に関連する情報を提供するための判定情報と提供情報の例]
図19、図20は、第2の実施の形態における電子機器100により提供情報を決定する場合に用いられる各種情報の一例を示す図である。これらの各情報は、記憶部130に記憶される。また、これらの各情報は、食べ歩きが趣味のユーザによる手動操作により取得されるようにしてもよい。
図19では、電子機器100における電波状況と他の機器の種別とに基づいて提供情報を決定する場合に用いる判定情報(テーブル)の一例を示す。なお、図19に示す判定情報は、図9に示す判定情報において、図18に示す電子機器311~315の種別を追加したものであり、他の部分については、図9に示す判定情報と同様である。また、図19では、電子機器311~315の種別のうち、電子機器(A店機器)311の種別に関する一部のみを簡略化して示し、他の種別についての図示を省略する。
例えば、ユーザP0が1人でA店にいるような場合には、電子機器100が電子機器(A店機器)311からの電波のみを受信することが想定される。この場合には、電子機器100が電子機器(A店機器)311からの電波のみを受信しているため、提供情報OIとしてOIAA1が決定される。また、例えば、ユーザP0と、他の人物がA店にいるような場合には、電子機器100が電子機器(A店機器)311からの電波とともに、A店にいる他の人物が所持する機器からの電波を受信することが想定される。この場合に、例えば、電子機器(A店機器)311からの電波の強度よりも、A店にいる他の人物が所持する機器からの電波の強度が強い場合には、提供情報OIとしてOIAAB1が決定される。
図20には、図19に示す判定情報を用いて決定された提供情報OIと、提供情報(音声情報11及び画像情報12)との対応関係の一例を示す。例えば、提供情報OIとしてOIAA1、OIAAB1、OIAAC1、OIAAD1などが決定された場合には、A店に関する情報(音声情報11、画像情報12)が提供対象となる。
ここで、A店が飲食店である場合を想定する。この場合に、A店に関する情報は、例えば、「いらっしゃいませ。」などの音声を出力するための情報(音声情報11)や、A店に関する画像(例えば、A店を擬人化したキャラクタ、A店が提供する飲食物の優待(例えば、割引、サービス品、ポイント)を表示するための情報)(画像情報12)である。なお、図20では、説明を容易にするため、音声出力の対象となる文字、表示対象となる画像の一部を簡易的に示す。例えば、図22に示すように、複数の表示画面、複数の音声情報を連続して出力するための情報を提供情報としてもよい。また、図20では、提供情報として、音声情報11及び画像情報12を例にして説明するが、音声情報11及び画像情報12のうちの一方を提供情報としてもよい。また、音声情報や画像情報以外の情報(例えば、匂い情報、味覚情報、触覚情報)を提供情報としてもよい。また、ユーザに対して何らかの優遇を与える情報(例えば、クーポン、優待、ポイント)を提供情報としてもよい。なお、これらの提供例については、図22を参照して説明する。
[店に設置されている機器の種別を用いて提供情報を決定する例]
図21は、第2の実施の形態における電子機器100が電波を受信した他の機器の種別を用いて提供情報を決定する場合の例を示す図である。なお、図21(2)に示す判定情報は、図19に示す判定情報に対応し、図21(3)に示す情報は、図20に示す提供情報に対応する。
図21(1)には、A店の店内にユーザP0、P8、P9が存在する状態を示す。なお、図21(1)では、説明の容易のため、ユーザP0、P8、P9が電子機器100、321、322を手に持っている状態を示すが、飲食店での飲食中のことを考慮して各電子機器を所持することが望ましい。
図21(1)では、A店の店内にユーザP0、P8、P9が存在し、かつ、ユーザP0が所持する電子機器100と電子機器(A店機器)311との間に、ユーザP8が所持する電子機器321と、ユーザP9が所持する電子機器322とが存在する例を示す。なお、電子機器321、322は、スマートフォンであるものとする。このような場合には、電子機器100が電子機器(A店機器)311からの電波とともに、A店の店内にいるユーザP8、P9が所持する電子機器321、322からの電波を受信することが想定される。また、電子機器100と電子機器(A店機器)311との間に、電子機器321及び電子機器322が存在するため、電子機器(A店機器)311からの電波の強度よりも、電子機器321、322からの電波の強度が強くなることが想定される。この場合には、図21(2)に示すように、提供情報OIとしてOIAAC1(破線の矩形19内)が決定される。そして、電子機器100の制御部120は、提供情報OIとして決定されたOIAAC1に関連付けられている音声情報11及び画像情報12(図21(3)に示す破線の矩形20内)を出力する。この提供例を、図22に示す。
[電子機器からコンテンツを出力する例]
図22は、第2の実施の形態における電子機器100からコンテンツを出力する場合の例を簡略化して示す図である。なお、図22に示す例は、図21に示す例により決定されたコンテンツを出力する例を示す。
ここで、飲食店に入る前には、自己の嗜好、予算、店のメニューなどを考慮して、入るか否かを決めることが多い。また、飲食店に入った後も同様に、自己の嗜好、予算、店のメニューなどを考慮して、どのメニューを注文するかを決めることが多い。そこで、各ユーザの好みに合うように、図22に示すように、複数の段階に分けてコンテンツを提供するようにしてもよい。
図22(1)には、電子機器100が電子機器(A店機器)311からの電波を受信してから提供条件を満たすタイミングで出力されるコンテンツ(表示画面及び音声情報)の一例を示す。
ここで、提供条件を満たすか否かを判断する判断基準として、例えば、電子機器100が電子機器(A店機器)311からの電波を受信してから所定時間が経過したか否か、所望のコンテンツが提供対象として決定されたか否か、所定のユーザ操作(例えば、画面表示操作)が行われたか否か、姿勢の変化が検出されたか否か(例えば、ユーザが電子機器100を取り出す際の振動や加速度の検出)を用いることができる。なお、所定時間は、予め設定されている時間とするようにしてもよく、ユーザ操作によりユーザの好みに応じた時間を設定するようにしてもよい。
図22(1)に示すように、電子機器100の制御部120は、OIAAC1に関連付けられている音声情報11(図示を省略)に基づいて、「いらっしゃいませ。本日の優待準備ができました。」の音声を音声出力部160から出力させる。また、電子機器100の制御部120は、OIAAC1に関連付けられている画像情報12(図示を省略)に基づいて、「いらっしゃいませ。本日の優待準備ができました。」の文字と、「優待出力」ボタン61と、「戻る」ボタン62とを表示部150に表示させる。
図22(1)に示すように、音声情報及び画像情報により優待(コンテンツ)を出力することができる旨をユーザP0に通知することができる。この通知をユーザP0が把握して、ユーザP0が「優待出力」ボタン61を押下すると、図22(2)に示す表示画面が表示される。なお、「戻る」ボタン62が押下された場合には、元の画面に戻る。例えば、待機画面や再度の優待決定処理を行うための画面に戻ることができる。
図22(2)には、図22(1)に示す表示画面において、「優待出力」ボタン61が押下された後に出力されるコンテンツ(表示画面及び音声情報)の一例を示す。
図22(2)に示すように、電子機器100の制御部120は、OIAAC1に関連付けられている音声情報11(図21(3)に示す破線の矩形20内)に基づいて、「いらっしゃいませ。本日はシラス丼が半額です。」の音声を音声出力部160から出力させる。また、電子機器100の制御部120は、OIAAC1に関連付けられている画像情報12(図21(3)に示す破線の矩形20内)に基づいて、「いらっしゃいませ。本日はシラス丼が半額です。」の文字と、A店に関する画像やA店のメニュー(シラスを示す画像)と、「もっと優待」ボタン63と、「終了」ボタン64とを表示部150に表示させる。
図22(2)に示すコンテンツの出力がされた後に、ユーザP0が「もっと優待」ボタン63を押下すると、図22(3)に示す表示画面が表示される。なお、「終了」ボタン64が押下された場合には、コンテンツ出力処理が終了し、通常の表示画面に戻る。
図22(3)には、図22(2)に示す表示画面において、「もっと優待」ボタン63が押下された後に出力されるコンテンツ(表示画面及び音声情報)の一例を示す。
図22(3)に示すように、電子機器100の制御部120は、OIAAC1に関連付けられている音声情報11(図示を省略)に基づいて、「A店名物の割引券です。」の音声を音声出力部160から出力させる。また、電子機器100の制御部120は、OIAAC1に関連付けられている画像情報12(図示を省略)に基づいて、「A店名物の割引券です。」の文字と、「セロリ漬け3割引き」ボタン65と、「エビカレー3割引き」ボタン66と、「保存」ボタン67と、「終了」ボタン68とを表示部150に表示させる。なお、「セロリ漬け3割引き」ボタン65は、A店が提供する飲食物「セロリ漬け」について優待(3割引き)を受けるための操作を開始するボタンである。また、「エビカレー3割引き」ボタン66は、A店が提供する飲食物「エビカレー」について優待(3割引き)を受けるための操作を開始するボタンである。
例えば、「セロリ漬け3割引き」ボタン65と、「エビカレー3割引き」ボタン66とのうちの少なくとも1つが押下されると、押下されたボタンが選択状態(例えば、ボタンの色が変化)となる。そして、その選択状態で、「保存」ボタン67が押下されると、選択状態のボタンに対応する飲食物について優待を受けるための処理が開始される。例えば、セロリ漬け3割引きを示す画像や、エビカレー3割引きを示す画像が保存される。そして、ユーザP0は、後日、A店に行き、その保存された画像を見せることにより、各優待を受けることができる。また、その場で各優待を受けることができるようにしてもよい。なお、「もっと優待」ボタン63の押下後に表示されるボタン(例えば、「セロリ漬け3割引き」ボタン65、「エビカレー3割引き」ボタン66)については、「もっと優待」ボタン63とともに表示されているコンテンツ(例えば、シラス丼に関するコンテンツ)に関連するもの(例えば、シラス丼とともに食べたい食材)でもよく、そのコンテンツとは無関係のもの(例えば、本日のおすすめ品)でもよい。また、「もっと優待」ボタン63の押下後に表示されるボタン(例えば、「セロリ漬け3割引き」ボタン65、「エビカレー3割引き」ボタン66)を表示させる情報についても提供情報として記憶されている。
このように、ユーザP0がA店に入った場合には、A店に関連するコンテンツの提供を受けることができる。この場合に、ユーザP0がA店に入る前(または、入った直後)のタイミングで、そのA店に存在する機器(例えば、図21(1)に示す電子機器321、322)によって、提供対象となる情報が変わる可能性があるため、意外性のあるコンテンツの出力を楽しむことができる。また、複数人でA店に入るような場合でも、各人物の位置によっては、人物毎に異なるコンテンツが出力される可能性が高いため、各人物のコンテンツを楽しむことができる。
なお、図17、図22では、3段階でコンテンツを出力する例を示したが、1または2段階でコンテンツを出力するようにしてもよく、4段階以上でコンテンツを出力するようにしてもよい。また、図17(3)、図22(3)では、選択対象となるボタンが2の場合を例にして説明したが、選択対象となるボタンの数はこれに限定されず、1でもよく、3以上でもよい。
このように、電子機器100(制御部120)は、周囲に存在する機器(例えば、電子機器101~106、301、309、311、321、322)から出力される電波(自機器宛ではない電波を含む1または複数の電波)に基づいて、複数のコンテンツのうちからユーザに提供する少なくとも1つのコンテンツを決定することができる。具体的には、電子機器100(制御部120)は、周囲に存在する機器(例えば、電子機器101~106、301、309、311、321、322)から出力される電波(自機器宛ではない電波を含む1または複数の電波)に基づいて特定可能な各機器に関する情報(周囲に存在する機器に関する情報(例えば、機器の種別、機器のメーカー、機器の型番、機器の固有情報、機器に付与された名称のうちの少なくとも1つ))に基づいて、複数のコンテンツのうちからユーザに提供する少なくとも1つのコンテンツを決定することができる。さらに、具体的には、電子機器100(制御部120)は、電子機器100が受信した電波の数と当該電波を出力した機器に関する情報(例えば、機器の種別、機器のメーカー、機器の型番、機器の固有情報、機器に付与された名称のうちの少なくとも1つ)との関係(例えば、各機器の種別を電波強度順に並べた場合の複数のパターン(例えば、図9、図14、図19に示す判定情報の機器の種別パターン))に基づいて、複数のコンテンツのうちからユーザに提供する少なくとも1つのコンテンツを決定することができる。
また、電子機器100(制御部120)は、周囲に存在する機器(例えば、電子機器101~106、301、309、311、321、322)から出力される電波(自機器宛ではない電波を含む1または複数の電波)に基づいて、当該電波に基づく無線通信に関する処理及び当該電波に基づく無線通信を利用した処理とは異なる複数の処理(例えば、提供情報OI1~OIMに対応するコンテンツの出力処理)のうちから少なくとも1つの処理(例えば、提供情報OIX1に対応するコンテンツの出力処理)を選択して実行することができる。具体的には、電子機器100(制御部120)は、周囲に存在する機器(例えば、電子機器101~106、301、309、311、321、322)から出力される電波(自機器宛ではない電波を含む1または複数の電波)に基づいて特定可能な各機器に関する情報(周囲に存在する機器に関する情報(例えば、機器の種別、機器のメーカー、機器の型番、機器の固有情報、機器に付与された名称のうちの少なくとも1つ))に基づいて、当該電波に基づく無線通信に関する処理及び当該電波に基づく無線通信を利用した処理とは異なる複数の処理のうちから少なくとも1つの処理を選択して実行することができる。さらに、具体的には、電子機器100(制御部120)は、電子機器100が受信した電波の数と当該電波を出力した機器に関する情報(例えば、機器の種別、機器のメーカー、機器の型番、機器の固有情報、機器に付与された名称のうちの少なくとも1つ)との関係(例えば、各機器の種別を電波強度順に並べた場合の複数のパターン(例えば、図9、図14、図19に示す判定情報の機器の種別パターン))に基づいて、当該電波に基づく無線通信に関する処理及び当該電波に基づく無線通信を利用した処理とは異なる複数の処理のうちから少なくとも1つの処理を選択して実行することができる。
[ゲームへの応用例]
上述した技術を適用して、例えば、ゲームを行う場合において、そのゲームに関連する各種情報を提供することが考えられる。そこで、以下では、ゲームを行う場合において、そのゲームに関連する各種情報を提供する例を示す。
[屋外に設置されている表示装置に表示されるキャラクタの対戦ゲームに関連する情報を提供する例]
図23は、第2の実施の形態における通信システム40の構成例を簡略化して示す図である。図23では、電子機器100、401~407、表示装置410間で無線通信を行う例を示す。また、電子機器100、401~404は、ユーザP0~P4により所持され、電子機器405~407、表示装置410は、固定して設置されている例を示す。
電子機器100、401~404は、表示装置410の表示部411にキャラクタを表示させ、ユーザ操作に基づいて、各キャラクタを制御することが可能な電子機器である。電子機器100、401~404は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機器である。また、電子機器100、401~404の機能構成は、図2に示す電子機器100の機能構成とほぼ同様である。
また、キャラクタAは、電子機器100により制御されるキャラクタであり、キャラクタBは、電子機器401により制御されるキャラクタであり、キャラクタCは、電子機器402により制御されるキャラクタであり、キャラクタDは、電子機器403により制御されるキャラクタであるものとする。なお、電子機器404により制御されるキャラクタは、まだ、表示装置410の表示部411に表示されていないものとする。
表示装置410は、無線通信が可能な通信部(図示せず)と、各部の制御を行う制御部(図示せず)と、表示部411とを備える表示装置(情報処理装置、電子機器)である。例えば、表示装置410の制御部(図示せず)は、電子機器100、401~404から送信される情報に基づいて、表示部411の表示制御を行う。具体的には、表示装置410の制御部(図示せず)は、電子機器100から送信される情報に基づいて、表示部411にキャラクタAを表示させ、電子機器401から送信される情報に基づいて、表示部411にキャラクタBを表示させ、電子機器402から送信される情報に基づいて、表示部411にキャラクタCを表示させ、電子機器403から送信される情報に基づいて、表示部411にキャラクタDを表示させる。また、表示装置410の制御部(図示せず)は、電子機器100から送信される情報に基づいて、表示部411におけるキャラクタAの動作制御を行い、電子機器401から送信される情報に基づいて、表示部411におけるキャラクタBの動作制御を行い、電子機器402から送信される情報に基づいて、表示部411におけるキャラクタCの動作制御を行い、電子機器403から送信される情報に基づいて、表示部411におけるキャラクタDの動作制御を行う。
また、表示装置410の制御部(図示せず)は、電子機器100、401~403から送信される情報に基づいて、表示部411におけるキャラクタA~Dに各種情報を付加して表示させる。例えば、表示装置410の制御部(図示せず)は、電子機器100から送信される情報に基づいて、表示部411におけるキャラクタAに道具71を付加して表示させ、電子機器401から送信される情報に基づいて、表示部411におけるキャラクタBに道具72を付加して表示させ、電子機器402から送信される情報に基づいて、表示部411におけるキャラクタCに道具73を付加して表示させ、電子機器403から送信される情報に基づいて、表示部411におけるキャラクタDに道具74を付加して表示させる。
電子機器405~407は、各種の情報を送信する機器である。なお、電子機器100、401~404が取得可能な道具(図24に示す提供情報421)が変化するように、電子機器405~407は、強弱の異なる電波を送信するようにしてもよく、電子機器405~407のそれぞれの種別が異なるようにしてもよい。
[対戦ゲームのキャラクタに提供する情報の例]
図24は、第2の実施の形態における電子機器100、401~404により判定情報を用いて決定された提供情報OIと、提供情報421との対応関係の一例を示す図である。なお、提供情報を決定する場合に用いる判定情報(テーブル)は、上述した各判定情報(図3、図9、図14、図19)を用いることができる。これらの各情報は、記憶部130に記憶される。
なお、図24では、提供情報として、各キャラクタが用いる道具を決定する例を示すが、他の情報(例えば、各キャラクタに付与する経験値、属性等)を決定するようにしてもよい。また、複数の情報を提供するようにしてもよい。
例えば、提供情報OIとしてOIXY1が決定された場合には、道具71(図23に示すキャラクタAが所持)が提供対象となる。また、提供情報OIとしてOIYY2が決定された場合には、道具74(図23に示すキャラクタDが所持)が提供対象となる。また、提供情報OIとしてOIYZ1が決定された場合には、道具72(図23に示すキャラクタBが所持)が提供対象となる。また、提供情報OIとしてOIZZ7が決定された場合には、道具73(図23に示すキャラクタCが所持)が提供対象となる。
[表示装置に表示されるキャラクタが道具を取得する場合の操作例]
図25は、第2の実施の形態における電子機器100を用いて表示装置410の表示部411に表示されるキャラクタAに道具75を追加表示させるための操作例を示す図である。
図25(1)には、新たな道具を取得することが可能である旨をユーザに通知するための通知情報を出力する場合の出力例を示す。電子機器100の表示部150には、新たな道具を取得することが可能である旨が表示されるとともに、音声出力部160から、新たな道具を取得することが可能である旨が音声出力される。また、電子機器100の表示部150には、操作ボタン群81及び「取得」ボタン82が表示される。
操作ボタン群81は、表示装置410の表示部411に表示されるキャラクタAを操作するためのボタン(○と△で示す)である。例えば、ユーザP0が操作ボタン群81のうちの所望のボタンの押下操作等を行うことにより、表示装置410の表示部411に表示されるキャラクタAに所定の動作(例えば、進む、下がる、攻撃、防御)をさせることができる。
「取得」ボタン82は、新たな道具を取得可能なタイミングで表示されるボタンである。ユーザP0により「取得」ボタン82が押下されると、図25(2)に示す表示画面が電子機器100の表示部150に表示される。
図25(2)には、新たな道具を取得した旨をユーザに通知するための通知情報を出力する場合の出力例を示す。電子機器100の表示部150には、新たな道具を取得した旨と、新たに取得された道具を示す画像とが表示されるとともに、音声出力部160から、新たな道具を取得した旨が音声出力される。また、電子機器100の表示部150には、操作ボタン群81及び「使用」ボタン83が表示される。
「使用」ボタン83は、「取得」ボタン82の押下操作により、新たな道具が取得された場合に表示されるボタンである。なお、新たに取得した道具については、すぐに使用するようにしてもよく、所望のタイミング(例えば、ゲームでの実際の使用時)で使用するようにしてもよい。
ユーザP0により「使用」ボタン83が押下されると、図25(3)に示すように、表示装置410の表示部411におけるキャラクタAに道具75が追加表示される。すなわち、電子機器100の制御部120は、「使用」ボタン83の押下操作に基づいて、取得した提供情報(道具75)に関する情報(表示装置410の表示部411に道具75を表示させ、キャラクタAが使用可能とするための情報)を表示装置410に送信する。そして、表示装置410の制御部は、電子機器100から受信した情報に基づいて、表示部411におけるキャラクタAに道具75を追加表示させる。
図25(3)に示すように、表示装置410の表示部411におけるキャラクタAに道具75が追加表示されることにより、キャラクタAは、道具71及び道具75を所持することができ、他のキャラクタとの対戦を有利にすることができる。なお、この例では、外部装置(表示装置410)にキャラクタが表示される例を示したが、各電子機器の表示部にキャラクタを表示させて、各電子機器のユーザにより行われるゲームについても同様に適用することができる。
[物語ゲームに関連する情報を提供する例]
図26は、第2の実施の形態における電子機器100の表示部150に表示される物語ゲームの一例を簡略化して示す図である。図26では、ユーザが、電子機器100の表示部150に物語ゲームを表示させ、物語ゲームを行う例を示す。
ここで、物語ゲームは、所定の目的を達成するため、所定の標識を用いて行うゲームである。例えば、物語ゲームは、各役割を演じるキャラクタ(所定の標識)が、各種の経験(例えば、冒険、探検、対戦)を行いながら、目的地まで進行するゲームである。図26では、キャラクタX(下部分に示す)が○○城(上部分に示す)を目的地として、各種の経験(例えば、他のキャラクタとの対戦、各道の進行)をしながら○○城まで進行するゲームを例にして説明する。なお、図26では、説明を容易にするため、電子機器100の表示部150の表示画面に物語ゲームの全体を表示する例を示すが、表示部150の表示画面よりも広い領域を物語ゲームの領域とするようにしてもよく、複数の画面(例えば、階層構造の画面)を用いて物語ゲームを行うようにしてもよい。このように、物語ゲームは、目的達成ゲーム、キャラクタ進行ゲーム、冒険ゲーム、探検ゲームなどと称することができる。
電子機器100の制御部120は、記憶部130に記憶されているプログラム(例えば、物語ゲームのアプリケーション)に基づいて、表示部150に物語ゲームを表示させる。また、電子機器100の制御部120は、ユーザ操作(例えば、操作部140におけるユーザ操作、ユーザの音声入力に基づくユーザ操作、電子機器100の姿勢の変化に基づく操作)に基づいて、キャラクタXの各種動作を制御する。
また、電子機器100の制御部120は、他の機器から出力される電波に基づいて、表示部150におけるキャラクタXに各種情報を付加して表示させる。例えば、電子機器100の制御部120は、複数の他の機器から出力される電波に基づいて、表示部150におけるキャラクタXに道具433、434(図28に示す)を付加して表示させる。
[物語ゲームのキャラクタに提供する情報の例]
図27は、第2の実施の形態における電子機器100により判定情報を用いて決定された提供情報OIと、提供情報441、442、443との対応関係の一例を示す図である。なお、提供情報を決定する場合に用いる判定情報(テーブル)は、上述した各判定情報(図3、図9、図14、図19)を用いることができる。これらの各情報は、電子機器100の記憶部130に記憶される。
なお、図27では、提供情報として3以上の情報を提供する例を示すが、1、2の情報を提供するようにしてもよい。
例えば、提供情報OIとしてOIJK1が決定された場合には、「道具(矩形状の道具)」と、「家108」と、「お金99」とが提供対象となる。また、提供情報OIとしてOIGT3が決定された場合には、「経験値89」と、「道具(T字型の道具)」と、「お金67」とが提供対象となる。また、提供情報OIとしてOIMU9が決定された場合には、「道具(剣型の道具)」と、「お金678」と、「経験値2」とが提供対象となる。また、提供情報OIとしてOIPO6が決定された場合には、「戦車7」と、「お金100」と、「道具(棒状の道具)」とが提供対象となる。
例えば、提供情報が道具の場合には、その道具がキャラクタXに提供され、キャラクタXは、その道具を用いることができる。また、例えば、提供情報が経験値の場合には、その経験値の数値の演算(例えば、加算)が順次行われ、キャラクタXは、その演算結果に基づく経験値に基づいて、各種動作を行うことができる。また、例えば、提供情報がお金の場合には、そのお金の数値の演算(例えば、加算)が順次行われ、キャラクタXは、その演算結果に基づく合計額に基づいて、各種の買い物等を行うことができる。また、例えば、提供情報が車、家、戦車、飛行機の場合には、その項目の数値の演算(例えば、加算)が順次行われ、キャラクタXは、その演算結果に基づく各項目の合計値に基づいて、各種の乗り物、物件等を用いることができる。
[提供情報の表示例]
図28は、第2の実施の形態における電子機器100の表示部150に提供情報を表示する場合の表示例を示す図である。図28では、電子機器100の表示部150における物語ゲームの画面において、所定期間に取得された提供情報を表示させる例を示す。
電子機器100の制御部120は、所定の出力タイミング(例えば、物語ゲームが起動された場合、ユーザ操作により指示された場合、所定の時刻になった場合)で、所定期間(例えば、前回の提供情報表示からの期間)に取得された提供情報を出力(例えば、音声出力、画像表示、他の機器への送信)させることができる。例えば、電子機器100の制御部120は、所定期間に取得された提供情報を記憶部130に順次記憶させる。そして、電子機器100の制御部120は、所定の出力タイミングになった場合に、所定期間に取得された提供情報の一覧を提供情報表示領域432に表示させることができる。例えば、経験値、お金、家、乗り物などについては、各項目とともに各演算結果(例えば、合計値)が表示される。また、道具については、道具を表す画像が表示される。
[育てるゲームに関連する情報を提供する例]
図29は、第2の実施の形態における電子機器100の表示部150に表示される育てるゲームの遷移例を簡略化して示す図である。図29では、電子機器100の表示部150に表示される魚を育てるゲームにおいて、その魚が育つ遷移を時系列で示す。
ここで、育てるゲームは、動物、植物等を育てるゲームである。例えば、育てるゲームは、動物、植物等のキャラクタ(所定の標識)が、各種の役割を担ったり、各種の経験(例えば、冒険、探検、対戦)を行ったりしながら、成長をしていくゲームである。図29では、魚が成長するゲームを示す。
図29(1)には、育てるゲームにおいて、生まれたばかりの魚(稚魚)が表示されている例を示す。また、図29(2)には、育てるゲームにおいて、少し成長した魚が表示されている例を示す。また、図29(3)には、育てるゲームにおいて、大きく成長した魚が表示されている例を示す。なお、図29では、説明を容易にするため、電子機器100の表示部150の表示画面に育てるゲームの全体を表示する例を示すが、育てるゲームのフィールドを表示部150の表示画面よりも広い領域とするようにしてもよく、複数の画面(例えば、階層構造の画面)を用いて育てるゲームを行うようにしてもよい。また、図29では、1匹の魚を育てるゲームの例を示すが、複数の魚を育てるようにしてもよく、複数種類の魚や、異なる種別の動物、植物などを育てるようにしてもよい。また、育てる途中で変位(例えば、魚から牛に変位)するようにしてもよい。このように、育てるゲームは、育成ゲーム、見守りゲーム、飼育ゲーム、ペットゲームなどと称することができる。
電子機器100の制御部120は、記憶部130に記憶されているプログラム(例えば、育てるゲームのアプリケーション)に基づいて、表示部150に育てるゲームを表示させる。また、電子機器100の制御部120は、ユーザ操作(例えば、操作部におけるユーザ操作、ユーザの音声入力に基づくユーザ操作、電子機器100の姿勢の変化に基づく操作)に基づいて、魚を育てるための各種動作を制御する。
また、電子機器100の制御部120は、他の機器から出力される電波に基づいて、表示部150における魚に各種情報を付加して表示させる。例えば、電子機器100の制御部120は、複数の他の機器から出力される電波に基づいて、表示部150における魚に餌や外敵を付加して表示させる。
[育てるゲームのキャラクタに提供する情報の例]
図30は、第2の実施の形態における電子機器100により判定情報を用いて決定された提供情報OIと、提供情報461、462、463との対応関係の一例を示す図である。なお、提供情報を決定する場合に用いる判定情報(テーブル)は、上述した各判定情報(図3、図9、図14、図19)を用いることができる。これらの各情報は、電子機器100の記憶部130に記憶される。
なお、図30では、提供情報として3以上の情報を提供する例を示すが、1、2の情報を提供するようにしてもよい。
例えば、提供情報OIとしてOIHH1が決定された場合には、「サメに襲われる」と、「釣られる」と、「タイヤキになる」とが提供対象となる。この場合には、3の提供情報のうちからユーザ操作により1または2の提供情報を選択するようにしてもよく、3の提供情報の全て(例えば、第1~第3の順番で)を魚に経験させるようにしてもよい。例えば、「サメに襲われる」の提供情報を魚に経験させる場合には、育てる対象の魚とともにサメを表示部150に表示させ、育てる対象の魚がサメから逃げる様子が順次表示させる。また、例えば、「釣られる」の提供情報を魚に経験させる場合には、育てる対象の魚が人に釣られる様子を表示部150に表示させ、育てる対象の魚が竿から逃げる様子が順次表示させる。また、例えば、「タイヤキになる」の提供情報を魚に経験させる場合には、育てる対象の魚がタイヤキになる様子を表示部150に表示させ、育てる対象の魚がタイヤキの夢から覚める様子が順次表示させる。
このように、魚を育てるゲームにおいて、提供情報に関連する画像が同時または順次表示される。または、魚を育てるゲームにおいて、提供情報に関連する音声情報を同時または順次出力するようにしてもよい。
例えば、育てるゲームは、ゲームを開始するためのユーザ操作が行われると、育てる対象の魚の卵または稚魚が表示部150に表示される。その後は、魚が大きくなるまで自動で育てることができる。例えば、ユーザが電子機器100を持ち歩くと、電子機器100の周囲の環境に応じて、提供情報が順次取得されていく。そして、ユーザが育てるゲームの表示指示操作を行うと、その取得された提供情報に基づいて成長した魚が表示部150に表示される。または、ユーザが育てるゲームの表示指示操作を行った後に、取得された提供情報に基づく魚の成長する遷移を表示部150に順次表示するようにしてもよい。また、ユーザ操作に基づいて、魚を成長させるようにしてもよい。
電子機器100の制御部120は、所定のタイミング(例えば、育てるゲームの表示指示操作が行われた場合、所定の時刻になった場合)で、所定期間(例えば、前回の育てるゲームの表示からの期間)に取得された提供情報に基づく処理(例えば、身長が伸びる、友達ができる)を行うことができる。例えば、電子機器100の制御部120は、所定期間に取得された提供情報を記憶部130に順次記憶させる。そして、電子機器100の制御部120は、所定の出力タイミングになった場合に、所定期間に取得された提供情報に基づく処理を行う。
[放浪ゲームに関連する情報を提供する例]
図31は、第2の実施の形態における電子機器100の表示部150に表示される放浪ゲームの遷移例を簡略化して示す図である。図31では、電子機器100の表示部150に表示される放浪ゲームにおいて、主役の羊が世界各地を旅する遷移を時系列で示す。
ここで、放浪ゲームは、動物、植物等を育てたり、移動させたりする様子をユーザが楽しむゲームである。例えば、放浪ゲームは、動物、植物等のキャラクタ(所定の標識)が、各種の役割(例えば、旅人)を担ったり、各種の経験(例えば、観光地での記念撮影、観光地での観光)を行ったりしながら、世界各地を旅するゲームである。図31では、羊が旅するゲームを示す。
図31(1)には、放浪ゲームにおいて、主人公の羊が表示されている例を示す。また、図31(2)(3)には、放浪ゲームにおいて、所定の場所に旅した後の羊が表示されている例を示す。なお、図31では、説明を容易にするため、電子機器100の表示部150の表示画面に放浪ゲームの全体を表示する例を示すが、放浪ゲームのフィールドを表示部150の表示画面よりも広い領域とするようにしてもよく、複数の画面(例えば、階層構造の画面)を用いて放浪ゲームを行うようにしてもよい。また、図31では、1頭の羊を放浪させるゲームの例を示すが、複数の羊を放浪させるようにしてもよく、複数種類の動物や、異なる種別の動物、植物などを育てるようにしてもよい。また、放浪の途中で変位(例えば、羊から牛に変位)するようにしてもよい。このように、放浪ゲームは、放置ゲームなどと称することができる。
電子機器100の制御部120は、記憶部130に記憶されているプログラム(例えば、放浪ゲームのアプリケーション)に基づいて、表示部150に放浪ゲームを表示させる。また、電子機器100の制御部120は、ユーザ操作(例えば、操作部におけるユーザ操作、ユーザの音声入力に基づくユーザ操作、電子機器100の姿勢の変化に基づく操作)に基づいて、羊を放浪させるための各種動作を制御する。
また、電子機器100の制御部120は、他の機器から出力される電波に基づいて、表示部150における羊に各種情報を付加して表示させる。例えば、電子機器100の制御部120は、複数の他の機器から出力される電波に基づいて、表示部150における羊に餌、旅支度、食料、放浪地での記念品、放浪地での写真を付加して表示させる。
[放浪ゲームのキャラクタに提供する情報の例]
図32は、第2の実施の形態における電子機器100により判定情報を用いて決定された提供情報OIと、提供情報471、472、473との対応関係の一例を示す図である。なお、提供情報を決定する場合に用いる判定情報(テーブル)は、上述した各判定情報(図3、図9、図14、図19)を用いることができる。これらの各情報は、電子機器100の記憶部130に記憶される。
なお、図32では、提供情報として3以上の情報を提供する例を示すが、1、2の情報を提供するようにしてもよい。
例えば、提供情報OIとしてOIHK9が決定された場合には、「カメラを獲得」と、「10kgの草を獲得」と、「毛の一部を刈られる」とが提供対象となる。この場合には、3の提供情報のうちからユーザ操作により1または2の提供情報を選択するようにしてもよく、3の提供情報の全て(例えば、第1~第3の順番で)を所定規則(例えば、第1提供情報→第2提供情報→第3提供情報)に基づいて羊に経験させるようにしてもよい。例えば、「カメラを獲得」の提供情報を羊に経験させる場合には、獲得したカメラを首にかけた羊を表示部150に表示させる。そして、これ以降に羊が旅に出る場合には、そのカメラにより撮影された写真を取得して帰るように設定することができる。また、例えば、「10kgの草を獲得」の提供情報を羊に経験させる場合には、獲得した草を家で羊が食べる様子を表示部150に表示させる。そして、残った草を旅の弁当にする選択をユーザにさせるようにしてもよい。また、例えば、「毛の一部を刈られる」の提供情報を羊に経験させる場合には、誰かに羊の毛が刈られる様子を表示部150に表示させ、これ以降、所定時間が経過するまでの間、毛の一部がない羊の様子が順次表示させる。
このように、放浪ゲームにおいて、提供情報に関連する画像が同時または順次表示される。または、放浪ゲームにおいて、提供情報に関連する音声情報を同時または順次出力するようにしてもよい。
例えば、放浪ゲームは、ゲームを開始するためのユーザ操作が行われると、主役の羊が表示部150に表示される。その後は、羊に付加される各種情報に基づいて、羊が自動で世界各地に放浪の旅にでることができる。例えば、ユーザが電子機器100を持ち歩くと、電子機器100の周囲の環境に応じて、提供情報が順次取得されていく。そして、ユーザが放浪ゲームの表示指示操作を行うと、その取得された提供情報に基づいて、放浪している地域での羊や自宅に戻った羊が表示部150に表示される。または、ユーザが放浪ゲームの表示指示操作を行った後に、取得された提供情報に基づいて羊が過去に移動した各地の履歴情報(例えば、観光地での記念撮影写真)を表示部150に順次表示するようにしてもよい。例えば、図31(2)(3)に示す「旅履歴」ボタン481の押下操作が行われた場合には、羊が過去に旅した履歴情報(例えば、旅をした場所(例えば、観光地名、地名、国名)、旅をした日時)が表示部150に表示される。また、例えば、図31(2)(3)に示す「旅写真」ボタン482の押下操作が行われた場合には、羊が過去に旅した場所における写真情報(例えば、旅をした場所での記念撮影写真)が表示部150に表示される。また、例えば、図31(2)(3)に示す「お土産」ボタン483の押下操作が行われた場合には、羊が過去に旅した場所におけるお土産情報(例えば、旅をした場所の特産物、名産等の画像、お土産の説明文)が表示部150に表示される。また、ユーザ操作に基づいて、羊を旅させるようにしてもよい。
電子機器100の制御部120は、所定のタイミング(例えば、放浪ゲームの表示指示操作が行われた場合、所定の時刻になった場合)で、所定期間(例えば、前回の放浪ゲームの表示からの期間)に取得された提供情報に基づく処理(例えば、群馬に旅する、沖縄に旅する)を行うことができる。例えば、電子機器100の制御部120は、所定期間に取得された提供情報を記憶部130に順次記憶させる。そして、電子機器100の制御部120は、所定の出力タイミングになった場合に、所定期間に取得された提供情報に基づく処理を行う。
[ゲームの動作例]
図33は、第2の実施の形態における電子機器100による提供情報決定処理の一例を示すフローチャートである。なお、図33は、図8の変形例であり、ステップS223~S226は、図8に示すステップS201~S204に対応する。このため、図33では、図8と異なる点を中心に説明する。
最初に、電子機器100の制御部120(図2に示す)は、ユーザ操作が行われたか否かを判断する(ステップS221)。例えば、図25(1)に示す操作ボタン群81の何れかの押下操作があった場合には、ユーザ操作が行われたと判断される。なお、ユーザ操作が行われない場合には、ステップS223に進む。
ユーザ操作が行われた場合には(ステップS221)、電子機器100の制御部120は、そのユーザ操作に基づく処理を行う(ステップS222)。例えば、図25(1)に示す操作ボタン群81の何れかの押下操作があった場合には、電子機器100の制御部120は、その押下操作されたボタンに対応する動作をキャラクタAにさせるための情報を表示装置410に送信する。
次に、電子機器100の制御部120は、通信部110により受信された電波を測定して各電波情報(例えば、電波強度、機器の種別)を取得する(ステップS223)。そして、電子機器100の制御部120は、取得した電波情報を機器毎に記憶部130に保持させる(ステップS224)。この電波情報の取得処理は、定期的に行うようにしてもよく、不定期に行うようにしてもよい。
次に、電子機器100の制御部120は、提供条件を満たすか否かを判断する(ステップS225)。そして、提供条件を満していない場合には、動作を終了し、提供条件を満たす場合には、ステップS226に進む。
ここで、提供条件を満たすか否かを判断する判断基準として、例えば、所定時間が経過したか否か、所望の提供情報(例えば、所望の道具、所望の経験)が提供対象として決定可能となったか否か、所定のユーザ操作(例えば、図25(1)に示す「取得」ボタン82の押下操作)が行われたか否か、新たな提供情報(例えば、所望の道具、所望の経験)を取得可能か否かを用いることができる。なお、所定時間は、例えば、電子機器100の電源がオンされてからの経過時間や、電子機器100の電源がオンされた後に、直前の情報(提供情報)が提供されてからの経過時間に基づいて判断することができる。また、所定時間は、予め設定されている時間とするようにしてもよく、ユーザ操作によりユーザの好みに応じた時間を設定するようにしてもよい。
提供条件を満たす場合には(ステップS225)、電子機器100の制御部120は、記憶部130に保持されている電波情報に基づいて、提供対象となる情報を決定する(ステップS226)。
次に、電子機器100の制御部120は、提供対象として決定した情報を記憶部130に記憶する(ステップS227)。このように、記憶部130に記憶した提供情報については、例えば、ユーザ操作に基づいて使用することが可能である。例えば、図25(2)に示す「使用」ボタン83の押下操作を行うことにより、取得した道具を使用することができる。
このように、電子機器100(制御部120)は、周囲に存在する機器から出力される電波(自機器宛ではない電波を含む1または複数の電波)に基づいて、複数のコンテンツ(例えば、対戦ゲームのキャラクタに付与する複数の情報、物語ゲームのキャラクタに付与する複数の情報、育てるゲームのキャラクタに付与する複数の情報、放浪ゲームのキャラクタに付与する複数の情報)のうちからユーザに提供する少なくとも1つのコンテンツを決定することができる。
また、電子機器100(制御部120)は、周囲に存在する機器から出力される電波(自機器宛ではない電波を含む1または複数の電波)に基づいて、当該電波に基づく無線通信に関する処理及び当該電波に基づく無線通信を利用した処理とは異なる複数の処理(例えば、ゲームを進行させる処理、ゲームのキャラクタに情報を付与する処理)のうちから少なくとも1つの処理を選択して実行することができる。なお、これらの各ゲームは、一例であり、他のゲームについても同様に適用することができる。
[第3の実施の形態:位置情報を用いて情報の提供を行う例]
第1、2の実施の形態では、他の機器から出力される電波を用いて各種情報の提供を行う例を示した。ただし、他の機器から出力される電波とともに、位置情報を用いて各種情報の提供を行うようにしてもよい。これにより、例えば、地域ごとの各種情報の提供を行うことができる。なお、第3の実施の形態は、第1、2の実施の形態の変形例であり、第1、2の実施の形態と共通する部分については、その説明の一部を省略する。
[電子機器の機能構成例]
図34は、第3の実施の形態における電子機器500の機能構成例を示すブロック図である。
電子機器500は、通信部501と、位置情報取得部502と、制御部503と、記憶部504と、操作部505と、表示部506と、音声出力部507とを有する。なお、電子機器500は、図2に示す電子機器100において位置情報取得部502を追加したものであり、他の部分は、図2に示す電子機器100に共通する。このため、ここでは、図2に示す電子機器100と異なる点を中心に説明する。
位置情報取得部502は、電子機器500が存在する位置に関する位置情報を取得するものであり、取得した位置情報を制御部503に出力する。位置情報取得部502は、例えば、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)信号を受信してそのGPS信号に基づいて位置情報を算出するGPS受信機により実現することができる。また、その算出された位置情報には、GPS信号の受信時における緯度、経度、高度等の位置に関する各データが含まれる。また、他の位置情報の取得方法により位置情報を取得する位置情報取得装置を用いるようにしてもよい。例えば、周囲に存在する無線LANによるアクセスポイント情報を用いて位置情報を導き出し、この位置情報を取得する位置情報取得装置を用いるようにしてもよい。また、例えば、通話や通信に利用する基地局の位置情報を用いて位置情報を導き出し、この位置情報を取得する位置情報取得装置を用いるようにしてもよい。また、例えば、ナビゲーション装置(例えば、カーナビゲーション装置)による位置推定技術を用いて位置情報を導き出し、この位置情報を取得する位置情報取得装置を用いるようにしてもよい。例えば、各種センサ(例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ)によるセンサ情報と、地図情報とに基づいて、自機器の位置を推定することができる。
[特定地域毎の提供情報例]
図35は、第3の実施の形態における電子機器500により提供情報を決定する際に用いられる特定地域511と、提供情報OI(512)と、提供情報(音声情報513及び画像情報514)との対応関係の一例を示す図である。
特定地域511は、特定のコンテンツを提供する地域である。例えば、国単位、県単位、市町村単位、公共施設単位(例えば、学校、公園)、商業施設単位(例えば、ショッピングセンター、遊園地、テーマパーク)などとすることができる。例えば、電子機器500の位置情報取得部502により取得された位置情報に基づいて特定される電子機器500の現在位置が、特定地域511に登録されている領域(例えば、地域A、地域B)に含まれる場合には、電子機器500の現在位置が含まれる領域(例えば、地域A、地域B)に関連付けられている提供情報の中から、提供対象となる情報が決定される。
例えば、電子機器500の現在位置が特定地域511に登録されている地域に含まれていない場合には、通常の提供情報(図35に示す特定地域511「―」に関連付けられている提供情報)の中から、提供対象となる情報が決定される。また、例えば、電子機器500の現在位置が特定地域511に登録されている地域Aに含まれる場合には、図35に示す特定地域511「地域A」に関連付けられている提供情報の中から、提供対象となる情報が決定される。また、例えば、電子機器500の現在位置が特定地域511に登録されている地域Bに含まれる場合には、図35に示す特定地域511「地域B」に関連付けられている提供情報の中から、提供対象となる情報が決定される。
例えば、特定地域が自然豊かな市町村である場合には、特定地域に関連付けられている提供情報(コンテンツ群)として、その市町村を紹介するコンテンツや、その市町村に関する特産物、その市町村に存在する各施設の割引券、優待券などが考えられる。また、例えば、特定地域がショッピングセンターである場合には、特定地域に関連付けられている提供情報(コンテンツ群)として、そのショッピングセンターにおける特売品を紹介するコンテンツや、そのショッピングセンターにおいて使用可能な各種情報(例えば、ポイント、クーポン、割引券、優待券)などが考えられる。
[位置情報を用いて提供情報を決定する動作例]
図36は、第3の実施の形態における電子機器500によるコンテンツ出力処理の一例を示すフローチャートである。なお、図36は、図8の変形例であり、ステップS241~S243、S247は、図8に示すステップS201~S203、S205に対応する。このため、図36では、図8と異なる点を中心に説明する。
提供条件を満たす場合には(ステップS243)、電子機器500の制御部503は、位置情報取得部502により取得された位置情報に基づいて電子機器500の現在位置を把握し、その現在位置が特定地域に含まれるか否かを判断する(ステップS244)。
例えば、特定地域511に登録されている各地域(例えば、図35に示す地域A)を特定するための領域情報(例えば、緯度及び経度により領域Aを特定するための情報)を記憶部504に記憶しておく。そして、電子機器500の制御部503は、位置情報取得部502により取得された位置情報に基づいて特定される現在位置(電子機器500が存在する位置の緯度及び経度)が、その領域情報に含まれるか否かを判断することにより、その現在位置が特定地域に含まれるか否かを判断することができる。また、地図情報を用いて、現在位置が特定地域に含まれるか否かを判断するようにしてもよい。
電子機器500の現在位置が特定地域に含まれない場合には(ステップS244)、電子機器500の制御部503は、通常の提供情報群の中から、記憶部504に保持されている各機器の電波情報に基づいて、提供対象となる情報を決定する(ステップS245)。
また、電子機器500の現在位置が特定地域に含まれる場合には(ステップS244)、電子機器500の制御部503は、電子機器500の現在位置が含まれる特定地域に関連付けられている提供情報群の中から、記憶部504に保持されている各機器の電波情報に基づいて、提供対象となる情報を決定する(ステップS246)。
例えば、電子機器500の現在位置が地域A(図35に示す)に含まれる場合には(ステップS244)、電子機器500の制御部503は、その地域Aに関連付けられている提供情報群(図35に示す地域Aに関連する各情報群)の中から、記憶部504に保持されている各機器の電波情報に基づいて、提供対象となる情報を決定する(ステップS246)。
[第4の実施の形態:外部の機器により取得された電波情報を用いて情報の提供を行う例]
第1~3の実施の形態では、自機器の周囲に存在する他の機器から出力される電波を用いて各種情報の提供を行う例を示した。ただし、自機器以外の外部の機器を用いて電波情報を取得し、その電波情報を用いて各種情報の提供を行うようにしてもよい。例えば、通信機能を備えるウエアラブル機器(例えば、スマートウォッチ、スマート眼鏡)の周囲に存在する他の機器から出力される電波情報をそのウエアラブル機器が取得し、その電波情報をスマートフォンに渡して(例えば、送信、転送)、スマートフォンがその電波情報を用いて各種情報の提供を行うことができる。これにより、例えば、ユーザが気軽に身に着けられる機器(例えば、ウエアラブル機器)を用いて電波情報の取得を行うことができ、ユーザインタフェースが充実している機器(例えば、スマートフォン)においてその電波情報を用いて各種情報の提供を行うことができる。なお、第4の実施の形態は、第1~3の実施の形態の変形例であり、第1~3の実施の形態と共通する部分については、その説明の一部を省略する。
[電子機器の機能構成例]
図37は、第4の実施の形態における電子機器550、560の機能構成例を示すブロック図である。
電子機器550は、通信部551と、制御部552と、記憶部553とを有する。なお、電子機器550は、図2に示す電子機器100において操作部140、表示部150、音声出力部160を省略したものであり、他の部分は、図2に示す電子機器100に共通する。このため、ここでは、図2に示す電子機器100と異なる点を中心に説明する。また、電子機器550は、携帯型の簡易的な機器(例えば、ウエアラブル機器(例えば、腕時計型の機器、眼鏡型の機器))とすることができる。また、電子機器550は、携帯型の情報処理装置として、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等とすることができる。また、電子機器550は、据え置き型の機器とすることができ、例えば、人工知能(AI(Artificial Intelligence))を搭載したAIスピーカ、無線通信機能を有するスピーカ等とすることができる。
通信部551は、制御部552の制御に基づいて、他の機器から出力される電波を受信するものである。そして、通信部551は、その受信した電波に関する各種情報を制御部552に出力する。なお、通信部551は、受信機能のみを有する簡易的な機器でもよく、送受信機能を備える機器でもよい。通信部551が送受信機能を備える場合には、制御部552は、通信部551から各種情報を他の機器(電子機器560)に無線送信することができる。
記憶部553は、各種情報を記憶するメモリである。例えば、記憶部553には、電子機器550が各種処理を行うために必要となる各種情報(例えば、制御プログラム)が記憶される。なお、記憶部553については、取り外し可能な記憶部とするようにしてもよく、内蔵される記憶部としてもよい。また、これらの双方としてもよい。
電子機器560は、通信部561と、制御部562と、記憶部563と、操作部564と、表示部565と、音声出力部566とを有する。なお、電子機器560は、図2に示す電子機器100に共通する。このため、ここでは、図2に示す電子機器100と異なる点を中心に説明する。
[他の機器により取得された電波情報を用いて情報を提供する場合の通信例]
図38は、第4の実施の形態における電子機器550及び電子機器560による通信処理例を示すフローチャートである。なお、図38に示すステップS251、S252、S256、S257は、図8に示すステップS201、S202、S204、S205に対応する。このため、ここでは、図8に示す例と異なる点を中心に説明する。また、電子機器550、560には、図38に示す各処理を実現するためのアプリケーション(プログラム)が予め設定されているものとする。
最初に、電子機器550の制御部552は、通信部551により受信された電波を測定して各電波情報(例えば、電波強度、機器の種別)を取得する(ステップS251)。そして、電子機器550の制御部552は、取得した電波情報を機器毎に記憶部553に記憶させる(ステップS252)。この電波情報の取得処理は、定期的に行うようにしてもよく、不定期に行うようにしてもよい。
次に、電子機器550の制御部552は、電波情報送信条件を満たすか否かを判断する(ステップS253)。そして、電波情報送信条件を満していない場合には、ステップS251に戻り、電波情報送信条件を満たす場合には、ステップS254に進む。
ここで、電波情報送信条件を満たすか否かを判断する判断基準として、例えば、電子機器560との通信(無線通信、有線通信)が可能な状態になったか否か、所定のユーザ操作(例えば、送信指示操作)が行われたか否かを用いることができる。
電波情報送信条件を満たす場合には(ステップS253)、電子機器550の制御部552は、記憶部553に保持されている電波情報を電子機器560に送信する(ステップS254)。なお、電子機器550が無線送信機能を備えない場合には、他の手段(例えば、有線通信、記録媒体を用いた移動、所定のネットワークを介した移動)により電波情報を移動させることができる。また、電子機器560に送信した電波情報については、記憶部553から消去するようにしてもよい。
電子機器550からの電波情報を受信した場合には、電子機器560の制御部562は、受信した電波情報を記憶部563に保持させる(ステップS255)。次に、電子機器560の制御部562は、受信した電波情報に基づいて、提供対象となる情報を決定する(ステップS256)。
次に、電子機器560の制御部562は、決定した情報を提供する(ステップS257)。
なお、以上では、判定情報(例えば、図3、図9、図14、図19に示す判定情報)と、提供情報(例えば、図4、図15、図20、図24、図27、図30、図32、図35に示す提供情報)とを電子機器100、500、560の記憶部130、504、563に予め記憶しておく例を示した。ただし、これらの各情報を外部から取得して用いるようにしてもよい。例えば、有線回線または無線回線を介して他の機器との通信が可能な通信部(通信部110、501、561)を外部機器(または、所定のネットワーク(例えば、インターネット))に接続し、その各情報の全部または一部を外部機器から取得するようにしてもよい。この場合に、電子機器において提供情報を決定する毎に、各情報を取得して用いるようにしてもよく、定期的または不定期に各情報を取得して用いるようにしてもよい。
また、例えば、特定の事業者(例えば、特定のコンテンツや割引クーポンを提供する会社)と提携し、提供情報を決定するようにしてもよい。例えば、特定の事業者から、判定情報の提供を受け、この判定情報に基づいて、特定の事業者から提供される情報(例えば、割引クーポン、特定コンテンツ)を、電子機器から出力するようにしてもよい。
また、ユーザが提供情報を登録しておき、登録されている提供情報の中から、提供情報を決定処理により決定するようにしてもよい。
このように、電子機器560(制御部562)は、電子機器550の周囲に存在する機器から出力される電波(電子機器550宛ではない電波を含む1または複数の電波)に基づいて、複数のコンテンツのうちからユーザに提供する少なくとも1つのコンテンツを決定することができる。
また、電子機器560(制御部562)は、電子機器550の周囲に存在する機器から出力される電波(電子機器550宛ではない電波を含む1または複数の電波)に基づいて、当該電波に基づく無線通信に関する処理及び当該電波に基づく無線通信を利用した処理とは異なる複数の処理のうちから少なくとも1つの処理を選択して実行することができる。
[第5の実施の形態:電子機器で行う処理の一部を他の機器で処理させる例]
第1~第4の実施の形態では、ユーザが所持する電子機器により電波情報を取得し、その電波情報を用いて提供情報を決定する例を示した。ここで、提供情報が多い場合には、記憶部の容量を確保することが困難であることも想定される。また、ユーザが所持する電子機器の中には、処理能力が低い機器も存在することも想定される。そこで、例えば、ユーザが所持する電子機器には、比較的少ない情報のみを保持させるとともに、比較的簡易的な処理のみを行わせ、他の情報の保持や他の処理については、記憶容量が大きく処理能力が高い他の機器に行わせることも考えられる。そこで、第5の実施の形態では、ユーザが所持する電子機器で行う処理の一部を他の機器で処理させる例を示す。
[通信システムの構成例]
図39は、第5の実施の形態における通信システム600のシステム機能構成例を示す図である。
通信システム600は、サーバ610と、ネットワーク620と、電子機器630とを有する。なお、通信システム600を構成する機器として、無線通信を行うための基地局やアクセスポイント等も想定されるが、ここでの図示及び説明を省略する。
サーバ610は、電子機器630から出力される電波情報に基づいて、電子機器630に各種情報(提供情報)を提供するサーバ(情報処理装置)である。
ネットワーク620は、公衆回線網、インターネット等のネットワークである。
電子機器630は、ユーザP0が所持する電子機器であり、周囲に存在する他の機器(図示せず)との間で無線通信を行う。
また、電子機器630は、通信部631(図40に示す)を有し、無線通信を利用してネットワーク620に接続(例えば、通信事業者が管理する基地局やアクセスポイントを介して接続)して各情報のやり取りを行うことができる。なお、電子機器630は、無線通信を利用して他の機器(例えば、無線LANルーター)を経由してネットワーク620に接続して各情報のやり取りを行うようにしてもよい。
[サーバ及び電子機器の機能構成例]
図40は、第5の実施の形態におけるサーバ610及び電子機器630の機能構成例を示すブロック図である。なお、電子機器630の機能構成については、図2に示す電子機器100と略同様であるため、ここでの説明を省略する。
サーバ610は、通信部611と、制御部612と、記憶部613とを有する。
通信部611は、制御部612の制御に基づいて、他の機器との間で、有線回線または無線回線を介して、各種情報のやりとりを行うものである。例えば、通信部611は、ネットワーク620を介して、電子機器630との間で各種情報のやりとりを行う。
制御部612は、記憶部613に記憶されている制御プログラムに基づいてサーバ610の各部を制御するものである。制御部612は、例えば、CPUにより実現される。
記憶部613は、各種情報を記憶するメモリである。例えば、記憶部613には、サーバ610が各種処理を行うために必要となる各種情報(例えば、制御プログラム)が記憶される。また、記憶部613には、ネットワーク620を介して、通信部611により取得された各情報(電子機器630から出力された電波情報)に基づいて提供対象となる情報を決定するための判定情報(例えば、図3、図9、図14、図19に示す判定情報)が記憶される。また、記憶部613には、ネットワーク620を介して接続される各電子機器(電子機器630)に提供する提供情報(例えば、図4、図15、図20、図24、図27、図30、図32、図35に示す提供情報)が記憶される。
電子機器630は、通信部631と、制御部632と、記憶部633と、操作部634と、表示部635と、音声出力部636とを有する。なお、電子機器630における通信部631は、所定範囲内に存在する電子機器との間で無線通信を行うとともに、携帯電話会社等の通信事業者が設置する基地局を介して所定のネットワーク(例えば、インターネット)に接続して通信をすることができる。
[サーバ610が情報を提供する場合の通信例]
図41は、第5の実施の形態におけるサーバ610及び電子機器630による通信処理例を示すフローチャートである。なお、図41に示すステップS261、S262、S266は、図8に示すステップS201、S202、S204に対応する。このため、ここでは、図8に示す例と異なる点を中心に説明する。また、サーバ610及び電子機器630には、図41に示す各処理を実現するためのアプリケーション(プログラム)が予め設定されているものとする。
最初に、電子機器630の制御部632は、通信部631により受信された電波を測定して各電波情報(例えば、電波強度、機器の種別)を取得する(ステップS261)。そして、電子機器630の制御部632は、取得した電波情報を機器毎に記憶部633に記憶させる(ステップS262)。この電波情報の取得処理は、定期的に行うようにしてもよく、不定期に行うようにしてもよい。
次に、電子機器630の制御部632は、提供条件を満たすか否かを判断する(ステップS263)。そして、提供条件を満していない場合には、ステップS261に戻り、提供条件を満たす場合には、ステップS264に進む。
なお、提供条件を満たすか否かを判断する判断基準は、例えば、図8に示す例と同様とすることができる。また、サーバ610との通信(無線通信、有線通信)が可能な状態になったか否か、所定のユーザ操作(例えば、送信指示操作)が行われたか否かを用いるようにしてもよい。
提供条件を満たす場合には(ステップS263)、電子機器630の制御部632は、記憶部633に保持されている電波情報をサーバ610に送信する(ステップS264)。
電子機器630からの電波情報を受信した場合には、サーバ610の制御部612は、受信した電波情報を記憶部613に保持させる(ステップS265)。次に、サーバ610の制御部612は、受信した電波情報に基づいて、提供対象となる情報を決定する(ステップS266)。
次に、サーバ610の制御部612は、その受信した電波情報を送信した電子機器630に、その受信した電波情報に基づいて決定した情報(提供情報)を送信する(ステップS267)。
サーバ610からの情報を受信した場合には、電子機器630の制御部632は、受信した提供情報を記憶部633に保持させる(ステップS268)。次に、電子機器630の制御部632は、受信した情報を用いた処理を行う(ステップS269)。例えば、電子機器630の制御部632は、受信した情報に基づいてコンテンツの出力処理を行う(ステップS269)。
このように、サーバ610(制御部612)は、電子機器630の周囲に存在する機器から出力される電波(電子機器630宛ではない電波を含む1または複数の電波)に基づいて、複数のコンテンツのうちから電子機器630に提供する少なくとも1つのコンテンツを決定することができる。
また、サーバ610(制御部612)は、電子機器630の周囲に存在する機器から出力される電波(電子機器630宛ではない電波を含む1または複数の電波)に基づいて、当該電波に基づく無線通信に関する処理及び当該電波に基づく無線通信を利用した処理とは異なる複数の処理のうちから少なくとも1つの処理を選択して電子機器630に実行させることができる。なお、第5の実施の形態では、サーバ610が1つの機器により構成される例を示したが、サーバ610の機能を実現するための各処理を複数の機器(情報処理システム)が行うようにしてもよい。すなわち、第1~第4の実施の形態で示した電子機器による各処理(提供情報を決定するための各処理)を複数の機器(情報処理システム)が行うようにしてもよい。
[第6の実施の形態:機器の登録情報及び位置情報を用いて情報を提供する例]
第1~第5の実施の形態では、ユーザが使用する電子機器の比較的近く(電波(例えば、無線LANの電波)が届く範囲)に1または複数の機器が存在する場合の例を示した。このような環境では、ユーザが使用する機器は、通信相手の機器との間では、その通信相手の機器から出力される電波を利用して各処理(例えば、コンテンツのやりとり)を行うことができる。また、そのような環境において、ユーザが使用する機器は、通信相手の機器以外の機器からの電波も受信している。そこで、第1~第5の実施の形態では、そのような環境において、通信相手の機器やそれ以外の機器からの電波を利用して、通信相手の機器との通信に基づく処理以外の処理を行い、ユーザが使用する機器の楽しみを増加させる例を示した。
ここで、例えば、ユーザが使用する電子機器の比較的近く(電波(例えば、無線LANの電波)が届く範囲)に他の機器が存在しないことも想定される。このような場合でも、自機器と他の機器との関係を用いて、各種情報の提供を行うことができれば、世界各地の多様な環境の中で、機器を使用する楽しみを提供することができると考えられる。すなわち、そのような環境(ユーザが使用する電子機器の比較的近く(電波(例えば、無線LANの電波)が届く範囲)に他の機器が存在しない環境)においても、自機器と他の機器との関係を用いて、通信相手の機器との通信に基づく処理以外の処理を行い、ユーザが使用する機器の楽しみを増加させることができると考えられる。
そこで、第6の実施の形態では、周囲に存在する他の機器との関係を利用して、ユーザが使用する機器の楽しみを提供することを目的とする。すなわち、第6の実施の形態では、所定のネットワークを利用して、自機器と他の機器との関係を把握して、その関係を用いて、各種情報の提供を行う例を示す。なお、第6の実施の形態は、第1~5の実施の形態の変形例であり、第1~5の実施の形態と共通する部分については、その説明の一部を省略する。
[通信システムの構成例]
図42は、第6の実施の形態における通信システム700のシステム機能構成例を示す図である。
通信システム700は、サーバ710と、ネットワーク720と、電子機器730、741~745とを有する。なお、通信システム700を構成する機器として、無線通信を行うための基地局やアクセスポイント、他の電子機器等も想定されるが、ここでの図示及び説明を省略する。
サーバ710は、複数の機器(例えば、電子機器730、741~745)に関する情報(登録情報)を管理するサーバ(情報処理装置)である。また、サーバ710は、複数の機器(例えば、電子機器730、741~745)から定期的または不定期に送信される位置情報を取得し、その位置情報を管理する。また、サーバ710は、その管理されている位置情報に基づいて、各機器(例えば、電子機器730、741~745)に各種情報(提供情報)を提供する。なお、サーバ710が管理する登録情報については、図44を参照して説明する。
ネットワーク720は、公衆回線網、インターネット等のネットワークである。
電子機器730、741~745は、無線通信または有線通信を利用してネットワーク720に接続(例えば、通信事業者が管理する基地局やアクセスポイントを介して接続)して各情報のやり取りを行う電子機器である。なお、電子機器730、741~745は、無線通信または有線通信を利用して他の機器(例えば、無線LANルーター)を経由してネットワーク720に接続して各情報のやり取りを行うようにしてもよい。また、電子機器730、741~745は、周囲に存在する他の機器との間で無線通信を行うようにしてもよい。
[サーバ及び電子機器の機能構成例]
図43は、第6の実施の形態におけるサーバ710及び電子機器730の機能構成例を示すブロック図である。なお、電子機器730の機能構成については、図34に示す電子機器500と略同様であるため、ここでの説明を省略する。また、電子機器741~745の機能構成についても、図34に示す電子機器500と略同様であるため、ここでの説明を省略する。
サーバ710は、通信部711と、制御部712と、記憶部713とを有する。
通信部711は、制御部712の制御に基づいて、他の機器との間で、有線回線または無線回線を介して、各種情報のやりとりを行うものである。例えば、通信部711は、ネットワーク720を介して、電子機器730との間で各種情報のやりとりを行う。
制御部712は、記憶部713に記憶されている制御プログラムに基づいてサーバ710の各部を制御するものである。制御部712は、例えば、CPUにより実現される。
記憶部713は、各種情報を記憶するメモリである。例えば、記憶部713には、サーバ710が各種処理を行うために必要となる各種情報(例えば、制御プログラム)が記憶される。また、記憶部713には、ネットワーク720を介して、通信部711により取得された各機器の登録情報(例えば、図44に示す登録情報)が記憶される。また、記憶部713には、ネットワーク720を介して、通信部711により取得された各機器の位置情報(例えば、電子機器730、741~745から出力された位置情報)が記憶される。また、記憶部713には、ネットワーク720を介して、通信部711により取得された各機器の位置情報(例えば、電子機器730、741~745から出力された位置情報)に基づいて提供対象となる情報を決定するための判定情報(例えば、図45に示す判定情報)が記憶される。また、記憶部713には、ネットワーク720を介して接続される各電子機器(例えば、電子機器730、741~745)に提供する提供情報(例えば、図4、図15、図20、図24、図27、図30、図32、図35に示す提供情報)が記憶される。
電子機器730は、通信部731と、位置情報取得部732と、制御部733と、記憶部734と、操作部735と、表示部736と、音声出力部737とを有する。なお、電子機器730における通信部731は、携帯電話会社等の通信事業者が設置する基地局、他の機器(例えば、無線LANルータ)、アクセスポイントなどを介して所定のネットワーク(例えば、インターネット)に接続して通信をすることができる。
[サーバ710が管理する登録情報例]
図44は、第6の実施の形態におけるサーバ710が管理する登録情報の一例を示す図である。この登録情報は、記憶部713に記憶される。また、この登録情報は、電子機器のユーザによる手動操作によりサーバ710に登録される。
サーバ710が管理する登録情報として、例えば、機器識別情報751と、位置情報752と、機器種別情報753と、識別情報754とが記憶される。
機器識別情報751は、各機器を識別することが可能な情報である。例えば、端末識別情報、MACアドレスなどの機器の固有の情報を登録することができる。なお、図44では、説明を容易にするため、電子機器730の機器種別情報751を「OT0730」とし、電子機器741~745の機器種別情報751を「OT0741」~「OT0745」とする例を示す。
位置情報752は、各機器から定期的または不定期に送信される位置情報である。例えば、各機器の位置を特定するための情報(例えば、緯度及び経度、地図上の地物の名称、地域名)が記憶される。
機器種別情報753は、電子機器のユーザによる手動操作により登録される情報である。この情報の登録は、必須ではなく、任意であるものとする。
識別情報754は、各機器に提供する情報を決定する際に用いる情報である。例えば、登録順にA、B、C、・・・、X、Y、Zが各機器に付与されるようにする。なお、A、B、C、・・・、X、Y、Zは、一例であり、他の情報(例えば、数値、記号、他の言語)を使用するようにしてもよい。また、識別情報754として、登録の順番を示す登録番号(1~M(ただし、Mは、正の整数))を使用するようにしてもよい。なお、図44では、説明を容易にするため、電子機器730の識別情報754を「A」とし、電子機器741~745の識別情報754を「B」~「F」とする例を示す。
[他の機器の位置情報を用いて提供情報を決定するための判定情報例]
図45は、第6の実施の形態における電子機器730と他の機器との位置関係に基づいて提供情報を決定する場合に用いる判定情報(テーブル)の一例を示す図である。図45に示す判定情報は、電子機器730から近い順に並べた機器の識別情報(図44に示す識別情報754)と、提供情報OIとの対応関係を示す情報である。この判定情報は、記憶部713に記憶される。
図45において、近さ順位#1、#2、#3は、電子機器730以外の他の機器のうち、電子機器730から近い位置に存在する機器の順位を示す値である。また、図45に示す判定情報(テーブル)は、各機器の識別情報(A~Z)を近さ順位に並べた場合の複数のパターンと、提供情報OI(OI1~OIM(ただし、Mは正の整数))とが関連付けられている情報である。例えば、電子機器730から一番近い位置に存在する他の機器の識別情報(図44に示す識別情報754)が「A」であり、電子機器730から二番目に近い位置に存在する他の機器の識別情報(図44に示す識別情報754)も「A」であり、電子機器730から三番目に近い位置に存在する他の機器の識別情報(図44に示す識別情報754)も「A」である場合には、提供情報OIとしてOI1が決定される。また、例えば、電子機器730から一番近い位置に存在する他の機器の識別情報(図44に示す識別情報754)が「A」であり、電子機器730から二番目に近い位置に存在する他の機器の識別情報(図44に示す識別情報754)も「A」であり、電子機器730から三番目に近い位置に存在する他の機器の識別情報(図44に示す識別情報754)が「D」である場合には、提供情報OIとしてOI4が決定される。また、例えば、電子機器730から一番近い位置に存在する他の機器の識別情報(図44に示す識別情報754)が「Z」であり、電子機器730から二番目に近い位置に存在する他の機器の識別情報(図44に示す識別情報754)も「Z」であり、電子機器730から三番目に近い位置に存在する他の機器の識別情報(図44に示す識別情報754)も「Z」である場合には、提供情報OIとしてOIM(ただし、Mは正の整数)が決定される。
なお、第6の実施の形態では、近い順位として3位までの順位(#1~#3)を使用する例を示すが、2位以上の順位、または、4位以下の順位を使用するようにしてもよい。また、近い順位の数については、予め設定しておくようにしてもよく、ユーザ操作によりユーザの好みの値を設定するようにしてもよい。また、2番目に近い順位と、4番目に近い順位と、6番目に近い順位とのように、近い順位は、連続した値ではなく、非連続の値を用いるようにしてもよい。
また、Mの値については、近い順位の数と、識別情報(第6の実施の形態では、A~Z)とに基づいて決定される。例えば、近い順位の数が3であり、識別情報がA~Z(26)の場合には、17576(=26×26×26)に決定される。ただし、近い順位の数と、識別情報の数とによっては、Mの値が大きくなりすぎ、提供情報(例えば、図4に示す音声情報11及び画像情報12)を用意できないことも想定される。このため、Mの値が、提供情報(例えば、図4に示す音声情報11及び画像情報12)の数よりも多い場合には、同一の情報(音声情報11及び画像情報12)を、異なる情報(提供情報OI)に割り当てるようにしてもよい。
[他の機器から出力される電波の強度を用いて提供情報を決定する例]
図46、図47は、第6の実施の形態におけるサーバ710が電子機器730と他の機器(電子機器741~745)との位置情報を用いて提供情報を決定する場合の例を示す図である。
図46には、電子機器730が存在する位置を基準とした場合の電子機器730と他の機器(電子機器741~745)との距離を簡略化して示す。なお、図46に示す破線の円31~33は、電子機器730が存在する位置を中心とする円である。
図46に示すように、電子機器730と電子機器741~745との距離(直線の距離)を破線の直線41~45で示す。また、この例では、電子機器730と電子機器742との距離(直線42)が一番短く、電子機器730と電子機器743との距離(直線43)が二番目に短く、電子機器730と電子機器741との距離(直線41)が三番目に短く、電子機器730と電子機器745との距離(直線45)が四番目に短く、電子機器730と電子機器744との距離(直線44)が五番目に短い(すなわち、一番長い)ものとする。
図47(1)には、電子機器730と電子機器741~745との各距離の順位と、電子機器741~745の識別情報とを電子機器741~745の順序で並べて示す。図47(1)では、上段に電子機器741~745の名称を示し、中段に各機器の識別情報を示し、下段に各機器の電子機器730との近さの順位を示す。
ここで、各機器間の距離の算出方法については、公知の算出方法を用いることができる。例えば、算出対象となる2つの機器の位置情報(例えば、緯度、経度)に基づいて、2つの機器間の距離を算出することができる。具体的には、算出対象となる2つの機器の位置情報(例えば、緯度、経度)に基づいて、2つの機器間の地上での直線距離を算出することができる。
また、サーバ710は、距離を算出する基準となる機器(対象機器)(例えば、電子機器730)について、登録情報に登録されている全ての機器(例えば、電子機器741~745)との距離を算出するようにしてもよい。また、サーバ710は、対象機器(例えば、電子機器730)について、登録情報に登録されている機器のうちの一部の機器との距離のみを算出するようにしてもよい。例えば、サーバ710は、対象機器(例えば、電子機器730)を基準とした場合に、その対象機器から所定範囲に存在する機器(例えば、半径1~10kmの範囲、同一の領域(例えば、同一の遊園地、同一のショッピングパーク)、同一の市町村、同一の国)との距離のみを算出することができる。図46に示す例では、サーバ710は、対象機器(例えば、電子機器730)を基準とした場合に、その対象機器から所定範囲(例えば、円33の範囲)に存在する機器(例えば、電子機器741~743、745)との距離のみを算出することができる。なお、対象機器から所定範囲に所定数(例えば、3)の機器が存在しない場合には、所定数の機器が存在するまで、その範囲を順次拡大するようにする。
例えば、図46に示すように、識別情報「C」の電子機器742が近さ順位で1位(#1)となり、識別情報「D」の電子機器743が近さ順位で2位(#2)となり、識別情報「B」の電子機器741が近さ順位で3位(#3)となり、識別情報「F」の電子機器745が近さ順位で4位(#4)となり、識別情報「E」の電子機器744が近さ順位で5位(#5)となる。
図47(2)には、図47(1)の下段に示す近さ順位の順序で並べた場合の電子機器741~745の識別情報を示す。なお、これ以降では、電子機器741~745を識別する情報を使用しないため、電子機器741~745を識別する符号等を省略して示す。
図47(3)には、図47(2)に示す情報のうち、上位3位の機器の識別情報(C、D、B)と一致する識別情報を図45に示す判定情報から抽出する場合の抽出例を示す。なお、図47(3)に示す判定情報は、図45に示す判定情報と同一であり、図47(3)では、図45に示す判定情報のうちの一部を省略して示す。また、図47(3)では、図47(2)に示す識別情報(C、D、B)と一致する識別情報を、破線の矩形21内に示す。
ここで、サーバ710が、図47に示す提供情報OI(破線の矩形21内)を決定するまでの各処理について説明する。
各機器(電子機器730、741~745)は、位置情報取得部により取得された位置情報を取得し、その位置情報をサーバ710に送信する。なお、この位置情報の送信処理は、定期的に行うようにしてもよく、不定期に行うようにしてもよい。
また、サーバ710の制御部712は、通信部711により受信された各機器からの位置情報を取得して記憶部713(図44に示す登録情報の位置情報752)に記憶する。例えば、図44に示すように、記憶部713には、各位置情報が機器毎に記憶される。
また、各機器(電子機器730、741~745)は、提供条件を満たす場合には、サーバ710からの情報提供を要求する要求情報をサーバ710に送信する。
サーバ710の制御部712は、各機器(電子機器730、741~745)からの要求情報を受信した場合には、登録情報(図44に示す)に登録されている各機器の位置情報に基づいて、提供対象となる情報(提供情報OI)を決定する。例えば、サーバ710の制御部712は、その要求情報を送信した機器(対象機器)を基準として、登録情報に登録されている各機器(例えば、全ての機器、所定範囲に存在する機器)との距離を算出する。そして、サーバ710の制御部712は、算出された各距離(対象機器と他の機器との距離)のうち、上位3位までの距離となる機器の識別情報と一致する識別情報を図45に示す判定情報から抽出し、提供情報OIを決定する。
次に、サーバ710の制御部712は、その受信した要求情報を送信した機器(対象機器)に、対象機器の位置情報に基づいて決定した情報(提供情報)を送信する。
要求情報を送信した機器(対象機器)は、サーバ710からの情報を受信した場合には、受信した提供情報を記憶部に保持させ、その受信した情報を用いた処理を行う。例えば、要求情報を送信した機器(対象機器)は、サーバ710から受信した情報に基づいてコンテンツの出力処理を行う。
[サーバ710が情報を提供する場合の通信例]
図48は、第6の実施の形態におけるサーバ710及び電子機器730による通信処理例を示すフローチャートである。なお、図48に示すステップS286、S290~S292は、図41に示すステップS263、S267~S269に対応する。このため、ここでは、図41に示す例と異なる点を中心に説明する。また、サーバ710及び電子機器730には、図48に示す各処理を実現するためのアプリケーション(プログラム)が予め設定されているものとする。
最初に、電子機器730の制御部733は、位置情報取得部732により取得された位置情報を取得する(ステップS281)。そして、電子機器730の制御部733は、取得した位置情報を記憶部734に記憶させる(ステップS282)。次に、電子機器730の制御部733は、その位置情報をサーバ710に送信する(ステップS283)。なお、この位置情報の送信処理は、定期的に行うようにしてもよく、不定期に行うようにしてもよい。
電子機器730からの位置情報を受信した場合には(ステップS284)、サーバ710の制御部712は、受信した位置情報を記憶部713に記憶させる(ステップS285)。例えば、サーバ710の制御部712は、受信した位置情報を図44に示す機器種別情報751「OT0730」に対応する位置情報752に格納する。
次に、電子機器730の制御部733は、提供条件を満たすか否かを判断する(ステップS286)。そして、提供条件を満していない場合には、ステップS281に戻り、提供条件を満たす場合には、ステップS287に進む。
なお、提供条件を満たすか否かを判断する判断基準は、例えば、図41に示す例と同様とすることができる。
提供条件を満たす場合には(ステップS286)、電子機器730の制御部733は、サーバ710からの情報提供を要求する要求情報をサーバ710に送信する(ステップS287)。なお、要求情報とともに、最新の位置情報を送信するようにしてもよい。この場合には、サーバ710の制御部712は、要求情報とともに受信した位置情報を記憶部713に記憶させ、その位置情報に基づいて提供情報の決定を行う(ステップS289)。
電子機器730からの要求情報を受信した場合には(ステップS288)、サーバ710の制御部712は、登録情報に登録されている各機器の位置情報に基づいて、提供対象となる情報を決定する(ステップS289)。例えば、サーバ710の制御部712は、その要求情報を送信した機器(電子機器730)を基準として、登録情報に登録されている各機器(例えば、全ての機器、所定範囲に存在する機器)との距離を算出する。そして、サーバ710の制御部712は、算出された各距離(電子機器730と各機器との距離)のうち、上位3位までの距離となる機器の識別情報と一致する識別情報を図45に示す判定情報から抽出し、提供情報OIを決定する(ステップS289)。
次に、サーバ710の制御部712は、その受信した要求情報を送信した電子機器730に、電子機器730の位置情報に基づいて決定した情報(提供情報)を送信する(ステップS290)。
サーバ710からの情報を受信した場合には、電子機器730の制御部733は、受信した提供情報を記憶部734に保持させる(ステップS291)。次に、電子機器730の制御部733は、受信した情報を用いた処理を行う(ステップS292)。例えば、電子機器730の制御部733は、受信した情報に基づいてコンテンツの出力処理を行う(ステップS292)。
なお、第6の実施の形態では、対象機器(基準となる機器)と他の機器との距離を算出し、その距離のうち、上位から所定数(例えば、3位まで)の機器を用いて提供情報を決定する例を示した。ただし、対象機器と他の機器との距離について異なる方法により提供情報を決定するようにしてもよい。例えば、対象機器と他の機器との距離を算出し、対象機器から所定範囲に存在する他の機器の距離の順序(ただし、他の機器の数が多い場合には所定の順位までの機器)と、他の機器の識別情報(図44に示す識別情報754)とを用いて提供情報を決定するようにしてもよい。
また、対象機器と他の機器との距離以外の情報を用いて提供情報を決定するようにしてもよい。例えば、対象機器から所定範囲に存在する他の機器の数を用いて提供情報を決定することができる。例えば、提供情報OIと他の機器の数とを関連付けた判定情報(例えば、図45に示す判定情報の「近さ順位」の代わりに「他の機器の数」を設定)を記憶部713に記憶しておく。そして、対象機器を中心にした場合の所定半径(例えば、1~10km)の円の範囲内に存在する他の機器の数を算出し、その数に対応する提供情報OIを抽出することにより、提供情報を決定することができる。
また、例えば、対象機器から所定範囲に存在する他の機器(または、対象機器からの距離が近い機器のうちの所定数(例えば、10位まで)の機器)により形成される形状(例えば、三角形、四角形、楕円形、円)を用いて提供情報を決定することができる。例えば、提供情報OIと形状(例えば、直線、複数の三角形、複数の四角形、複数の他の多角形、複数の楕円形、円)とを関連付けた判定情報(例えば、図45に示す判定情報の「近さ順位」の代わりに「形状」を設定)を記憶部713に記憶しておく。そして、他の機器の位置情報に基づいて、地図上における他の機器の位置を特定し、その各位置を結ぶ直線により形成される形状(例えば、他の機器の各位置を直線で結んだ場合に、各直線で形成される閉じた2次元空間(例えば、対象機器を含む閉じた空間)により特定される形状)を特定する。次に、その形状に対応する提供情報OIを抽出することにより、提供情報を決定することができる。例えば、対象機器から所定範囲に存在する他の機器が3であり、他の機器が対象機器を中心にして放射状に位置する場合には、他の機器により形成される形状が三角形(例えば、正三角形に近い形状、二等辺三角形に近い形状)となることが想定される。この場合には、その形状(三角形)に最も近い形状(三角形)の提供情報OIを抽出することにより、提供情報を決定することができる。
図46に示す例では、対象機器(電子機器730)から所定範囲(破線の円32)に存在する他の機器は、電子機器741~743の3である。また、電子機器741~743の各位置を結ぶ直線により形成される形状は、三角形である。この場合には、その三角形に対応する提供情報OIを抽出することにより、提供情報を決定することができる。また、図46に示す例では、対象機器(電子機器730)から所定範囲(破線の円33)に存在する他の機器は、電子機器741~743、745の4である。また、電子機器741~743、745の各位置を結ぶ直線により形成される形状は、四角形(平行四辺形のような形状)である。この場合には、その四角形に対応する提供情報OIを抽出することにより、提供情報を決定することができる。
また、これらの組み合わせ(対象機器と他の機器との距離、対象機器から所定範囲に存在する他の機器の数、他の機器により形成される形状、これらの各機器の識別情報(図44に示す識別情報754))を用いて提供情報を決定するようにしてもよい。
なお、第6の実施の形態では、コンテンツを出力する例を示したが、第1~第5の実施の形態で示した各処理(例えば、電波に基づく無線通信に関する処理及び電波に基づく無線通信を利用した処理とは異なる処理(例えば、ゲーム進行に関する処理、ゲームのキャラクターに何らかの情報を付与する処理))を行う場合についても、第6の実施の形態を適用することができる。
このように、電子機器730(制御部733)は、複数の他の機器(例えば、電子機器741~745)との相対的な関係(例えば、電子機器730と他の機器との距離)に基づいて、当該他の機器との無線通信に関する処理及び当該他の機器との無線通信を利用した処理とは異なる複数の処理(例えば、コンテンツを出力する各処理、ゲームに関する各処理)のうちから少なくとも1つの処理(例えば、1のコンテンツを表示する処理、1のゲーム(例えば、対戦ゲーム、育てるゲーム、放浪ゲーム)に関する処理)を選択して実行することができる。
また、サーバ710(制御部712)は、対象機器(例えば、電子機器730)と複数の他の機器(例えば、電子機器741~745)との相対的な関係に基づいて、複数の処理(対象機器と他の機器との無線通信に関する処理、及び、対象機器と他の機器との無線通信を利用した処理とは異なる)のうちから少なくとも1つの処理を選択し、その選択した1つの処理を対象機器に実行させることができる。なお、第6の実施の形態では、サーバ710が1つの機器により構成される例を示したが、サーバ710の機能を実現するための各処理を複数の機器(情報処理システム)が行うようにしてもよい。
なお、第1~第6の実施の形態で示した各提供情報は、代表的な例を示したものであり、他の情報を用いることができる。例えば、提供情報は、音声のみで構成されるコンテンツ、音声及び画像で構成されるコンテンツ、音声及び動画で構成されるコンテンツ、臭い、味覚、接触に関するコンテンツなどとすることができる。また、提供情報は、複数種類のキャラクタを有するアニメの各キャラクタ(例えば、キャラクタA、B、C、…、XYZ)とすることができる。この場合には、異なる電子機器には、同一のキャラクタが提供されないように、各キャラクタが重複して提供されないようにしてもよく、一部の電子機器には、同一のキャラクタが提供されるように、一部のキャラクタを重複して提供するようにしてもよい。
また、複数種類の映画情報(例えば、映画宣伝の動画、パンフレット)のうちの少なくとも1つの映画に関する情報を提供情報とするようにしてもよい。また、複数の音楽(例えば、歌手の動画、演奏会の動画)のうちの少なくとも1つの音楽に関する情報を提供情報とするようにしてもよい。また、複数の旅先情報(場所、名所、交通手段、割引券等)のうちの少なくとも1つの旅先(例えば、草津温泉、伊香保温泉)に関する情報を提供情報とするようにしてもよい。また、インターネット上で使用可能な複数の割引券、優待券、割引クーポンのうちの少なくとも1つを提供情報とするようにしてもよい。また、複数の店の割引券、優待券、割引クーポンのうちの少なくとも1つの店に関するものを提供情報とするようにしてもよい。また、1または複数の店で使用が可能なポイントに関する情報を提供情報とするようにしてもよい。また、占いに関する情報(例えば、今日の電波占い)を提供情報とするようにしてもよい。このように、提供情報は、アニメのキャラクタ、動物(例えば、映画の登場動物、旅先の遊園地)、人物(例えば、映画の登場人物、旅先の有名人)、植物(例えば、旅先の名産物、見どころの花)、地物(例えば、旅先の地図、旅先の建物、旅先の観光地)、音楽等のうちの1または複数に関する情報とすることができる。また、例えば、AR(Augmented Reality)(拡張現実)を適用して提供情報を提供するようにしてもよい。例えば、電子機器のカメラ(例えば、スマートフォンのカメラ)により生成された画像(写真)上に、各コンテンツを重ねて表示することができる。
また、人工知能(AI(Artificial Intelligence))を利用して、提供対象となるコンテンツの決定や、実行対象となる処理の決定をするようにしてもよい。例えば、電子機器が受信した電波のパターン(例えば、電波受信強度、機器の機種のパターン)と、その電波状況の環境(例えば、スマートフォン等の検索や移動履歴により判定)とについて機械学習を利用して判定情報や提供情報(または実行する処理の情報)を生成し、この生成された各情報を用いて、提供対象となるコンテンツの決定や、実行対象となる処理の決定をすることができる。
なお、第1~第6の実施の形態で示した各制御動作は、各処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムに基づいて実行されるため、その各制御動作は、プログラムの発明として把握することができる。すなわち、第1~第6の実施の形態で示した各制御動作に係るプログラムを電子機器、サーバ等の情報処理装置の記憶媒体に記憶させ、この記憶媒体からそのプログラムを読み出し、読み出したプログラムをその情報処理装置に実行させることにより、第1~第6の実施の形態で示した各制御動作を実現することができる。また、その情報処理装置の外部の記憶媒体(例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、メモリカード)等にそのプログラムに記憶させ、用いるようにしてもよい。
なお、第1~第6の実施の形態は、特許請求の範囲に記載の発明を実現するための一例を示したものであり、これらに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。