JP2022112698A - アピキサバン含有医薬組成物 - Google Patents

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将之 安田
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築 松田
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Abstract

【課題】本発明は、薬効成分としてアピキサバンを含有するものであるが、粒子径を制御しなくても、胃におけるアピキサバンの溶出性に優れた医薬組成物、その製法、及び薬効成分としてアピキサバンを含む医薬組成物からのアピキサバンの胃中溶出性を改善する方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係るアピキサバン含有医薬組成物は、アミノアルキルメタクリレートコポリマーで被覆されたアピキサバンを含有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、薬効成分としてアピキサバンを含有するものであり、胃におけるアピキサバンの溶出性に優れた医薬組成物、その製法、及び薬効成分としてアピキサバンを含む医薬組成物からのアピキサバンの胃中溶出性を改善する方法に関するものである。
アピキサバン(化学名:1-(4-メトキシフェニル)-7-オキソ-6-[4-(2-オキソピペリジン-1-イル)フェニル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-カルボキサミド)は、外因性および内因性の血液凝固経路の収束点である第Xa因子を阻害することにより、その下流のプロトロンビンからトロンビンへの変換を抑制し、直接的な抗血液凝固作用および間接的な抗血小板作用を示す薬剤である(非特許文献1)。
アピキサバンは、水にほとんど溶けないため(非特許文献1)、その溶出性を制御するための技術が種々開発されている。例えば特許文献1には、非晶質のアピキサバンと、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択されるポリマーを含む固体非晶質分散物である製剤形であって、投与後2時間以上かけて70重量%のアピキサバンを放出するものが開示されている。特許文献2~5には、D90が89μm以下である結晶形アピキサバン粒子を含み、一貫したインビボ溶解などにより治療効果に一貫性がもたらされた錠剤またはカプセル剤と、良好かつ安定したバイオアベイラビリティを示す医薬組成物、及び医薬組成物の製造方法が開示されている。
特許第5775071号公報 特許第5846647号公報 特許第6033945号公報 特許第6192078号公報 特許第6577980号公報
「エリキュース(登録商標)錠2.5mg エリキュース(登録商標)錠5mg」添付文書
上述したように、薬効成分としてアピキサバンを含有する製剤は種々開発されているが、その結晶性や粒子径を制御するものが多い。
また、製剤の経口投与後において、胃での薬効成分の溶出性が高いとその効率的な吸収が可能になるところ、アピキサバンは低pHで比較的高い安定性を示す化学構造を有するため、胃などにおける低pH環境下での薬効成分溶出性に優れるアピキサバン含有医薬組成物が求められている。
そこで本発明は、薬効成分としてアピキサバンを含有するものであるが、粒子径を制御しなくても、胃におけるアピキサバンの溶出性に優れた医薬組成物、その製法、及び薬効成分としてアピキサバンを含む医薬組成物からのアピキサバンの胃中溶出性を改善する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、特定の高分子化合物で薬効成分であるアピキサバンを被覆して製剤化すれば、低pH環境下におけるアピキサバンの溶出性が改善されることを見出して、本発明を完成した。
以下、本発明を示す。
[1] アミノアルキルメタクリレートコポリマーで被覆されたアピキサバンを含有することを特徴とするアピキサバン含有医薬組成物。
[2] 前記アミノアルキルメタクリレートコポリマーが、アミノアルキルメタクリレート単位に加えて、アルキル(メタ)アクリレート単位を含む前記[1]に記載のアピキサバン含有医薬組成物。
[3] 前記アルキル(メタ)アクリレート単位に含まれるアルキル基がC1-6アルキル基である前記[2]に記載のアピキサバン含有医薬組成物。
[4] 前記アミノアルキルメタクリレートコポリマーにおける前記アミノアルキルメタクリレート単位に対する前記アルキル(メタ)アクリレート単位のモル比が0.5以上、1.5以下である前記[2]または[3]に記載のアピキサバン含有医薬組成物。
[5] 前記アミノアルキルメタクリレートコポリマーで被覆されたアピキサバンを含む顆粒、迅速崩壊性顆粒、及び滑沢剤含有混合物を含有する圧縮成形体である前記[1]~[4]のいずれかに記載のアピキサバン含有医薬組成物。
[6] 薬効成分としてアピキサバンを含有する医薬組成物を製造するための方法であって、
アミノアルキルメタクリレートコポリマー溶液中にアピキサバンを分散させた後、乾燥することにより、アミノアルキルメタクリレートコポリマーでアピキサバンを被覆する工程を含むことを特徴とする方法。
[7] 薬効成分としてアピキサバンを含有する医薬組成物からアピキサバンの胃中溶出性を改善する方法であって、
前記アピキサバンをアミノアルキルメタクリレートコポリマーで被覆する工程を含むことを特徴とする方法。
本発明に係るアピキサバン含有医薬組成物は、胃内などの低pH環境下での薬効成分アピキサバンの溶出性に優れているため、消化管からのアピキサバンの有効な吸収が可能になる。よって本発明に係るアピキサバン含有医薬組成物は、有効成分としてアピキサバンを含有する製剤の一つの形態として、産業上非常に優れている。
比較例1、比較例2、及び実施例1のアピキサバン錠剤の溶出性を比較した結果を示すグラフである。 比較例1、実施例1、及び実施例2のアピキサバン錠剤の溶出性を比較した結果を示すグラフである。 比較例1、実施例1、及び実施例3のアピキサバン錠剤の溶出性を比較した結果を示すグラフである。
本発明に係るアピキサバン含有医薬組成物は、アピキサバンを薬効成分として含有する。アピキサバンの化学名は1-(4-メトキシフェニル)-7-オキソ-6-[4-(2-オキソピペリジン-1-イル)フェニル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-カルボキサミドであり、アピキサバンは以下の化学構造を有し、外因性および内因性の血液凝固経路の収束点である第Xa因子を阻害することにより、その下流のプロトロンビンからトロンビンへの変換を抑制し、直接的な抗血液凝固作用および間接的な抗血小板作用を示す。
Figure 2022112698000001
原料であるアピキサバンの大きさは、適宜調整すればよい。例えば、体積基準の累積50%粒子径(D50)を1μm以上、300μm以下とすることができ、3μm以上、100μm以下が好ましい。また、体積基準の累積90%粒子径(D90)は、50μm以上、500μm以下とすることができ、90μm以上、200μm以下が好ましい。アピキサバンの粒子径が小さいほど体内吸収が促進されるといえるが、原料としてのアピキサバンの過剰な粉砕は生産性を損なうおそれがある。しかしながら、本発明では胃内などの低pH環境下でのアピキサバンの溶出性が改善されているため、比較的大きいアピキサバン粒子を原料として用いることが可能になる。なお、本開示において体積基準の累積50%粒子径(D50)や体積基準の累積90%粒子径(D90)は、レーザー回折式粒度分布測定装置により体積基準で測定するものとする。
本発明に係る口腔内崩壊錠におけるアピキサバンの量や割合は、アピキサバンがその作用効果を発揮可能な範囲で適宜調整すればよい。例えば、1錠など1製剤あたりのアピキサバンの量としては、1mg以上、100mg以下とすることができ、2mg以上が好ましく、5mg以上がより好ましく、また、50mg以下が好ましく、20mg以下がより好ましく、15mg以下または10mg以下がより更に好ましい。また、1製剤あたりのアピキサバンの割合は、0.5質量%以上、20質量%以下とすることができ、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、また、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がより更に好ましい。
本発明に係るアピキサバン含有医薬組成物において、薬効成分であるアピキサバンは、アミノアルキルメタクリレートコポリマーで被覆されている。
アミノアルキルメタクリレートコポリマーは、以下のアミノアルキルメタクリレート単位(I)と、その他のアルキル(メタ)アクリレート単位(II)を含む共重合体である。アルキル(メタ)アクリレート単位(II)としては、アルキルメタクリレート単位が好ましい。
Figure 2022112698000002
[式中、
1はC1-6アルカンジイル基を示し、
2とR3は、独立して、HまたはC1-6アルキル基を示し、
4は、HまたはC1-6アルキル基を示し、
5はC1-6アルキル基を示す。]
「C1-6アルカンジイル基」は、炭素数1以上、6以下の直鎖状または分枝鎖状の二価飽和脂肪族炭化水素基をいう。例えば、メタンジイル、エタンジイル、メチルメタンジイル、n-プロパンジイル、メチルエタンジイル、n-ブタンジイル、メチルプロパンジイル、ジメチルエタンジイル、n-ペンタンジイル、n-ヘキサンジイル等である。好ましくはC1-4アルカンジイル基であり、より好ましくはC1-2アルカンジイル基であり、最も好ましくはエタンジイルである。
「C1-6アルキル基」は、炭素数1以上、6以下の直鎖状または分枝鎖状の一価飽和脂肪族炭化水素基をいう。例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル等である。R2~R4として好ましくはC1-4アルキル基であり、より好ましくはC1-2アルキル基であり、最も好ましくはメチルである。
アミノアルキルメタクリレートコポリマーは、アルキル(メタ)アクリレート単位(II)を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。当該数としては、5種以下が好ましく、3種以下がより好ましく、2種がより更に好ましい。
アミノアルキルメタクリレートコポリマーは、R1~R5の炭素数の違いや組み合わせにより、pH依存的な溶解性を調整することが可能である。例えば、アルキル(メタ)アクリレート単位(II)として、R5がC1-2アルキル基などの短鎖アルキル基である短鎖アルキル(メタ)アクリレート単位(II)と、R5がC3-6アルキル基などの中鎖アルキル基である中鎖アルキル(メタ)アクリレート単位(II)との組み合わせを用いてもよい。
アミノアルキルメタクリレート単位(I)とアルキル(メタ)アクリレート単位(II)との比は、アミノアルキルメタクリレートコポリマーが低pH環境下で良好に溶解するよう適宜調整すればよいが、例えば、アミノアルキルメタクリレート単位(I)に対するアルキル(メタ)アクリレート単位(II)のモル比を0.5以上、1.5以下に調整することが好ましい。また、2種以上のアルキル(メタ)アクリレート単位(II)を用いる場合における各アルキル(メタ)アクリレート単位(II)の割合も、アミノアルキルメタクリレートコポリマーが低pH環境下で良好に溶解するよう適宜調整すればよい。例えば、2種のアルキル(メタ)アクリレート単位(II)を用いる場合、一方のアルキル(メタ)アクリレート単位(II)に対する他方のアルキル(メタ)アクリレート単位(II)のモル比を0.5以上、1.5以下に調整することが好ましい。なお、各単位のモル比は、全てのアミノアルキルメタクリレートコポリマー分子で同一である可能性は低いため、アミノアルキルメタクリレートコポリマー試料を1H NMRやマススペクトルで分析し、R2、R3、R5のピーク強度比から決定すればよい。
アミノアルキルメタクリレートコポリマーは、ブロックコポリマーであってもよいし、ランダムコポリマーであってもよい。
アミノアルキルメタクリレートコポリマーの分子量も、低pH環境下で良好に溶解するよう適宜調整すればよいが、例えば、平均モル質量を10000g/モル以上、100000g/モル以下に調整することができる。当該平均モル質量としては、20000g/モル以上が好ましく、40000g/モル以上がより好ましく、また、80000g/モル以下が好ましく、60000g/モル以下がより好ましい。なお、アミノアルキルメタクリレートコポリマーのモル質量は、使用するアミノアルキルメタクリレートコポリマー製品のカタログ値があればそれを参照すればよいし、カタログ値が無い場合には、サイズ排除クロマトグラフィーで測定すればよい。
アミノアルキルメタクリレートコポリマーの使用量は、低pH環境下でアピキサバンを良好に放出できるよう適宜調整すればよいが、例えば、アピキサバンに対して0.5質量倍以上、10質量倍以下とすることができる。当該割合としては、1質量倍以上が好ましく、また、5質量倍以下が好ましい。
アミノアルキルメタクリレートコポリマーによるアピキサバンの被覆方法としては、常法を用いればよい。例えば、アピキサバンはエタノールに極めて溶け難く、水にほとんど溶けないため、溶媒として99.5%エタノール水などの高濃度エタノール水を用い、アミノアルキルメタクリレートコポリマーを溶解し、得られた溶液にアピキサバンを分散させて得られた分散液を乾燥すればよい。
本発明に係るアピキサバン含有医薬組成物は、医薬製剤に配合される一般的な添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、流動化剤、界面活性剤、甘味料、香料などが挙げられる。
賦形剤は、製剤の成形性や服用し易さの向上のために薬効成分を希釈したり製剤を増量したりするために配合される添加剤である。賦形剤としては、例えば、乳糖、結晶セルロース、エチルセルロース、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、デキストリン、白糖などが挙げられる。賦形剤の量は適宜調整すればよいが、例えば、製剤全体に対して60質量%以上、95質量%以下とすることができ、70質量%以上が好ましく、また、90質量%以下が好ましい。
崩壊剤は、水分を取り込んで錠剤の崩壊を促進させ、薬効成分が放出され易くするために配合される成分である。崩壊剤としては、特に制限されないが、例えばクロスカルメロースナトリウム、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース(カルボキシメチルセルロース)、カルボキシメチルセルロースカルシウム、軽質無水ケイ酸、クロスポビドン(架橋ポリビニルピロリドン)等が挙げられる。崩壊剤の量は、製剤が服用後に良好に崩壊して薬効成分を放出できる範囲で適宜調整すればよい。例えば、製剤全体に対して1質量%以上、30質量%以下とすることができ、2質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、また、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
結合剤は、各成分を結合し、顆粒や錠剤の強度を増すために加えられる成分である。結合剤としては、特に制限されないが、例えば、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ヒドロキシプロピルセルロースポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース等を用いることができる。製剤における結合剤の量や割合は、所望の製剤強度や顆粒強度などに応じて適宜調整すればよい。例えば、製剤全体に対して0.1質量%以上、10質量%以下とすることができる。当該割合としては、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がより更に好ましく、また、5質量%以下が好ましい。
滑沢剤は、各成分の表面に付着してその流動性を高めたり、各成分の装置への付着を抑制したりするために加えられる成分である。滑沢剤としては、特に制限されないが、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等を用いることができ、ステアリン酸マグネシウムが好ましい。滑沢剤の量や割合は、例えば各成分の混合や打錠が良好に行える範囲で適宜調整すればよい。例えば、製剤全体に対して0.05質量%以上、5質量%以下とすることができる。当該割合としては、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、また、4質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。
流動化剤は、各成分の流動性を高めて各成分の均一な混合を促進する成分であり、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。流動化剤の量や割合は、例えば各成分の混合や打錠が良好に行える範囲で適宜調整すればよく、例えば製剤全体に対して0.05質量%以上、5質量%以下とすることができる。当該割合としては、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、また、4質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。
界面活性剤は、例えばアミノアルキルメタクリレートコポリマーでアピキサバンを被覆する際に、難溶性のアピキサバンの溶媒に対する親和性を改善するために用いられる。界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられ、ラウリル硫酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤が好ましい。製剤における界面活性剤の量や割合は、製剤の製造条件などに応じて適宜調整すればよいが、例えば、薬効成分含有顆粒全体に対して0.01質量%以上、5質量%以下とすることができる。当該割合としては、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、また、2質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましい。
甘味料や香料は、各成分、特に薬効成分であるアピキサバンの作用効果が阻害されない範囲で、それぞれの作用効果が発揮される範囲で微量配合すればよい。
本発明に係るアピキサバン含有医薬組成物の剤形は特に制限されないが、例えば錠剤、細粒剤、ドライシロップ剤が挙げられる。錠剤としては、薬効成分であるアピキサバンを含む顆粒と、滑沢剤などの他の成分を混合して打錠することにより製造される一般的な錠剤の他、薬効成分含有顆粒、迅速崩壊性顆粒、及び滑沢剤含有混合物を含有する圧縮成形体である口腔内崩壊錠が挙げられる。細粒剤は、アミノアルキルメタクリレートコポリマーで被覆されたアピキサバンを含む顆粒を主成分とする。なお、ドライシロップは、水に分散して服用されるものであるが、アミノアルキルメタクリレートコポリマーで被覆されたアピキサバンは水には溶解せず、アミノアルキルメタクリレートコポリマーは胃内などの低pH環境下で溶解され、アピキサバンが放出されると考えられる。
本発明に係る口腔内崩壊錠に含まれる薬効成分含有顆粒は、薬効成分であるアピキサバンの他、賦形剤、崩壊剤、結合剤、界面活性剤などを含んでもよい。薬効成分含有顆粒の大きさは、適宜調整すればよい。例えば体積基準の累積50%粒子径(D50)を30μm以上、300μm以下とすることができ、50μm以上、200μm以下が好ましい。
本発明に係る口腔内崩壊錠に含まれる迅速崩壊性顆粒は、口腔内で水分を吸収して本発明に係る口腔内崩壊錠の崩壊を迅速に促進し、薬効成分であるアピキサバンの放出を速めるための顆粒である。迅速崩壊性顆粒は、少なくとも賦形剤と崩壊剤を含む。
本発明に係る口腔内崩壊錠に含まれる滑沢剤含有混合物は、滑沢剤を含み、薬効成分含有顆粒と迅速崩壊性顆粒との良好な混合を促進し、これらの混合物の打錠を容易にするものである。滑沢剤含有混合物は少なくとも滑沢剤を含み、その他、賦形剤、流動化剤、甘味料、香料などを含んでもよい。
本発明に係るアピキサバン含有医薬組成物の水分量は特に制限されないが、例えば、2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。当該水分含量の下限は特に制限されず、0質量%でもよいが、当該水分含量は例えば0.2質量%以上とすることができる。当該水分含量は、例えばカールフィッシャー法により測定することができる。
本発明に係るアピキサバン含有医薬組成物が、口腔内崩壊錠などの錠剤である場合、その硬度は特に制限されないが、例えば、当該硬度としては40N以上、200N以下が好ましく、45N以上、150N以下が好ましい。当該硬度は、例えば、打錠圧により調整することができる。
本発明に係るアピキサバン含有医薬組成物が口腔内崩壊錠である場合、その崩壊時間は特に制限されないが、例えば、90秒以下であることが好ましく、60秒以下であることがより好ましい。
本発明に係るアピキサバン含有医薬組成物は、その剤形に応じて一般的な方法により製造することができる。例えば、アミノアルキルメタクリレートコポリマー溶液中にアピキサバンを分散させた後、乾燥することにより、アミノアルキルメタクリレートコポリマーでアピキサバンを被覆する工程を含む製法により製造することができる。
アミノアルキルメタクリレートコポリマーを溶解するための溶媒としては、例えば、99.5%エタノール水など、エタノール濃度が90質量%以上の高濃度エタノール水を用いる。アピキサバンはエタノールに極めて溶け難く、水にほとんど溶けないため、高濃度エタノールはアピキサバンを溶解せず良好に分散させ得る一方で、アミノアルキルメタクリレートを良好に溶解することができる。
アピキサバンの分散液には、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、溶媒、アピキサバンの他、界面活性剤や賦形剤を配合してもよい。
アピキサバン分散液を乾燥することにより、アミノアルキルメタクリレートコポリマーに被覆されたアピキサバン顆粒が得られる。アピキサバン顆粒は、20メッシュ以上、40メッシュ以下程度の篩を用い、425μm以上、850μm以下に整粒してもよい。
口腔内崩壊錠などの錠剤の場合、錠剤の大きさは適宜調整すればよい。例えば錠剤の形状は経口で服用し易い円盤形やレンズ形などとし、その直径を4mm以上、10mm以下、厚さを2mm以上、5mm以下、1錠あたりの重さを50mg以上、300mg以下程度とすることができる。
本発明に係るアピキサバン含有医薬組成物の投与量は、患者の症状、重篤度、年齢、性別などに応じて適宜調整すればよいが、例えば、アピキサバンの投与量に換算して、1日あたり1mg以上、20mg以下を1回以上、3回以下、5日間以上、10日間以下にわたって投与すればよい。特に、80歳以上の患者、体重が60kg以下の患者、血清クレアチニン値が1.5mg/dL以上の患者には、投与量を比較的低くし、例えば一日あたりアピキサバン2.5mgを1日2回投与することが好ましい。
前述したように、従来のアピキサバン含有医薬組成物では、溶出性の改善のためにアピキサバンの粒径が調整されていた。それに対して本発明では、アピキサバンの粒径を調整しなくても、アミノアルキルメタクリレートコポリマーで被覆することにより、アピキサバンの胃中溶出性を改善することが可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
比較例1: 単純混合錠
表1に示す各成分を混合し、打錠することにより、単純混合アピキサバン錠剤を製造した。
比較例2: 単純混合錠
表1に示す各成分を混合し、打錠することにより、単純混合アピキサバン錠剤を製造した。なお、アミノアルキルメタクリレートコポリマー(「オイドラギット(R)E100」Evonik社製)は配合されているが、溶媒を用いていないため、アミノアルキルメタクリレートコポリマーは単純混合されているのみであり、アピキサバンを被覆していない。
実施例1: アピキサバン素錠
表1に示す処方で、アミノアルキルメタクリレートコポリマーに被覆されているアピキサバンを含む素錠を製造した。
詳しくは、アミノアルキルメタクリレートコポリマー(「オイドラギット(R)E100」Evonik社製)を99.5%エタノール水に溶解し、得られた溶液にアピキサバン粉末(D50:36.9μm,D90:106μm)を投入し、分散させた。続いて無水乳糖とラウリル硫酸ナトリウムを投入し、練合した後に乾燥し、更に30M篩を使って整粒することにより、アピキサバン含有顆粒を得た。
別途、無水乳糖、結晶セルロース、及びクロスカルメロースナトリウムを混合し、更にステアリン酸マグネシウムを混合することにより、滑沢剤含有混合物を得た。
アピキサバン含有顆粒と滑沢剤含有混合物をそれぞれ処方分量量り取り、打錠することにより、アピキサバン素錠を製造した。
実施例2: アピキサバン素錠
表1に示す組成の通り、アピキサバン含有顆粒中の無水乳糖の割合を低減し、その代わりアミノアルキルメタクリレートコポリマーを増量した以外は実施例1と同様にして、アピキサバン素錠を製造した。
実施例3: アピキサバン口腔内崩壊錠
表1に示す処方で、アミノアルキルメタクリレートコポリマーに被覆されているアピキサバンを含む口腔内崩壊錠を製造した。
詳しくは、アミノアルキルメタクリレートコポリマー(「オイドラギット(R)E100」Evonik社製)を99.5%エタノール水に溶解し、得られた溶液にアピキサバン粉末(D50:36.9μm,D90:106μm)を投入し、分散させた。続いて無水乳糖とラウリル硫酸ナトリウムを投入し、練合した後に乾燥し、更に30M篩を使って整粒することにより、アピキサバン含有顆粒を得た。
別途、流動層造粒乾燥機に、乳糖水和物、エチルセルロース、軽質無水ケイ酸、及びデンプングリコール酸ナトリウムを投入し、混合した。また、トウモロコシデンプンを精製水に分散させることにより、造粒液を得た。流動層造粒乾燥機中、前記混合物に前記造粒液を噴霧して乾燥することにより、迅速崩壊性顆粒を得た。
得られた迅速崩壊性顆粒と軽質無水ケイ酸を混合し、更にステアリン酸マグネシウムを混合した後、処方分量アピキサバン含有顆粒を量り取って混合し打錠することにより、アピキサバン口腔内崩壊錠を製造した。
Figure 2022112698000003
試験例1: 溶出試験
パドル法により、比較例1,2及び実施例1~3の薬剤溶出性を試験した。
具体的には、溶出試験機に溶出試験第1液(pH1.2,関東化学社製)の10倍希釈液(900mL)を入れ、試験液の温度を37±0.5℃に調整し、50rpmで撹拌しつつ、各錠剤1錠を加えた。錠剤の添加から、5,15,30,60,及び120分後に溶出液20mLを採取し、口径0.45μm以下のメンブランフィルターで濾過した。濾液のうち最初の10mLは除き、次の濾液を試料溶液とした。
別途、定量用アピキサバン約20mgを正確に量り、試験液を加えて正確に200mLとし、標準溶液とした。試料溶液と標準溶液を30μLずつ正確に量りとり、以下の条件の液体クロマトグラフィーで各液のアピキサバンピーク面積ATとAsを測定し、下記式により溶出率を算出した。測定は各錠剤につき6回ずつ行い、平均を算出した。結果を図1~3に示す。
[液体クロマトグラフィーの条件]
カラム: 内径4.6mm×長さ10cmのステンレス管に3μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填したもの
カラム温度: 40℃付近の一定温度
移動相: リン酸水素二ナトリウム3.6gを水1000mLに溶解し、リン酸を加えてpHを7.0に調整し、得られた溶液650mLにアセトニトリル350mLを混和したもの
流量: アピキサバンの保持時間が約4.5分になるよう調整
Figure 2022112698000004
図1は、比較例1、比較例2、及び実施例1のアピキサバン錠剤の溶出性を比較した結果を示すグラフである。アミノアルキルメタクリレートコポリマーを単純に混合したのみの比較例2の錠剤の溶出性は、アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含まない比較例1と変わらないが、アミノアルキルメタクリレートコポリマーで被覆されたアピキサバンを含む実施例1の錠剤の溶出性は、明らかに改善されていることが分かる。
図2は、比較例1、実施例1、及び実施例2のアピキサバン錠剤の溶出性を比較した結果を示すグラフである。アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含まない比較例1の錠剤に比べて、アミノアルキルメタクリレートコポリマーで被覆されたアピキサバンを含む実施例1と実施例2の錠剤の溶出性は明らかに改善されており、アミノアルキルメタクリレートコポリマーの含量の多い実施例2の錠剤の方が溶出性により優れていることが分かる。
図3は、比較例1、実施例1、及び実施例3のアピキサバン錠剤の溶出性を比較した結果を示すグラフである。アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含まない比較例1の錠剤に比べて、アミノアルキルメタクリレートコポリマーで被覆されたアピキサバンを含む実施例1と実施例3の錠剤の溶出性は明らかに改善されており、口腔内崩壊錠である実施例3の錠剤は、その優れた崩壊性から速やかに崩壊し、特に初期においてアピキサバンを良好に溶出できることが分かる。

Claims (7)

  1. アミノアルキルメタクリレートコポリマーで被覆されたアピキサバンを含有することを特徴とするアピキサバン含有医薬組成物。
  2. 前記アミノアルキルメタクリレートコポリマーが、アミノアルキルメタクリレート単位に加えて、アルキル(メタ)アクリレート単位を含む請求項1に記載のアピキサバン含有医薬組成物。
  3. 前記アルキル(メタ)アクリレート単位に含まれるアルキル基がC1-6アルキル基である請求項2に記載のアピキサバン含有医薬組成物。
  4. 前記アミノアルキルメタクリレートコポリマーにおける前記アミノアルキルメタクリレート単位に対する前記アルキル(メタ)アクリレート単位のモル比が0.5以上、1.5以下である請求項2または3に記載のアピキサバン含有医薬組成物。
  5. 前記アミノアルキルメタクリレートコポリマーで被覆されたアピキサバンを含む顆粒、迅速崩壊性顆粒、及び滑沢剤含有混合物を含有する圧縮成形体である請求項1~4のいずれかに記載のアピキサバン含有医薬組成物。
  6. 薬効成分としてアピキサバンを含有する医薬組成物を製造するための方法であって、
    アミノアルキルメタクリレートコポリマー溶液中にアピキサバンを分散させた後、乾燥することにより、アミノアルキルメタクリレートコポリマーでアピキサバンを被覆する工程を含むことを特徴とする方法。
  7. 薬効成分としてアピキサバンを含有する医薬組成物からアピキサバンの胃中溶出性を改善する方法であって、
    前記アピキサバンをアミノアルキルメタクリレートコポリマーで被覆する工程を含むことを特徴とする方法。
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