JP2022106534A - 熱硬化性樹脂用デスミア液 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】5~40質量%のアルカノールアミン化合物及び15~45質量%のアルカリ金属水酸化物を含有する水溶液からなる熱硬化性樹脂用デスミア液であり、好ましくは、アルカノールアミンが、エタノールアミン、N-(β-アミノエチル)エタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン又はN-メチルジエタノールアミンであり、アルカリ金属水酸化物が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウムである。【効果】高いデスミア耐性を有する熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物のデスミア処理において、該樹脂組成物の溶解を抑えながら、デスミア処理をすることができる。【選択図】なし
Description
本発明は、熱硬化性樹脂用デスミア液に関する。
近年、電子機器の小型化、高性能化に伴って、プリント配線板は層の薄型化や回路の微細配線化、絶縁材料の熱膨張係数の低下が強く求められている。絶縁材料は、一般的に、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物からなる。また、該樹脂組成物は、好ましくは充填材を含んでいて、絶縁材料の低熱膨張係数化の手段として、充填材を高充填化する方法が知られている。さらに、耐湿性に優れた熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂等の使用が提案されている。これらの充填材及び熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物からなる絶縁材料は、絶縁性、耐熱性、誘電特性、機械強度、耐化学薬品性、耐湿性等に優れており、プリント配線板の外層表面に用いられるソルダーレジストや多層ビルドアップ配線板に用いられる層間絶縁材料として広く使用されている。
プリント配線板の製造方法としては、内層回路基板に絶縁層と導体層を交互に積み重ねるビルドアップ方式による製造方法が挙げられる。この製造方法では、絶縁層は、例えば樹脂組成物層を有する接着フィルム等を内層回路基板に積層した後、樹脂組成物層を熱硬化させることにより形成される。次いで、形成された絶縁層に穴あけ加工してビアホールを形成し、デスミア処理することによって、ビアホール内部の樹脂残渣(スミア)の除去が行われる(例えば、特許文献1参照)。
前記絶縁層への穴あけ加工の方法としては、ドリル、レーザー、プラズマ、ブラスト等の公知の方法により、また、必要に応じてこれらの方法を組み合わせて行うことができる。中でも、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー、UVレーザー、YAGレーザー等のレーザー光照射による穴あけ加工が最も一般的であり、レーザー光照射よって、樹脂組成物層の一部を除去し、スルーホール形成用の貫通孔やビアホール形成用の開口、半田パッド形成用の開口等の貫通孔や非貫通孔を形成できる(例えば、特許文献2参照)。
ビルドアップ方式によるプリント配線板の製造方法においては、デスミア処理の後に絶縁層の表面に導体層が形成される。このとき、デスミア処理後の凹凸が大きいと、微細配線化の妨げになることから、絶縁層表面の粗度は、導体層との十分な密着強度を実現し得る限りにおいて低く抑えることが望ましい。例えば、高いデスミア耐性を有する熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を使用して絶縁層を形成することによって、絶縁層表面の粗度は低く抑えられる。しかし、このような方法では、ビアホール内部(特にビアホール底部)のスミア除去性が低下した。
他方、スミア除去性を高めるべく、比較的樹脂組成物の溶解性が高いデスミア条件を採用すると、樹脂組成物が溶解することにより配線の形状が崩れ、微細配線の形成に不利となる。さらに、充填材含有量の高い樹脂組成物を使用して絶縁層を形成する場合には、充填材の脱離が過剰に起こり、絶縁層と導体層の密着強度が低下することがあった。
本発明の課題は、高いデスミア耐性を有する熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物のデスミア処理において、該樹脂組成物の溶解を抑えながら、デスミア処理をすることができる熱硬化性樹脂用デスミア液を提供することである。
本発明者らは、下記手段によって、上記課題を解決できることを見出した。
(1)5~40質量%のアルカノールアミン及び15~45質量%のアルカリ金属水酸化物を含む水溶液からなることを特徴とする熱硬化性樹脂用デスミア液。
(2)アルカノールアミン化合物が、エタノールアミン、N-(β-アミノエチル)エタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン及びN-エチルジエタノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である上記(1)に記載の熱硬化性樹脂用デスミア液。
(3)アルカリ金属水酸化物が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である上記(1)又は(2)に記載の熱硬化性樹脂用デスミア液。
(2)アルカノールアミン化合物が、エタノールアミン、N-(β-アミノエチル)エタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン及びN-エチルジエタノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である上記(1)に記載の熱硬化性樹脂用デスミア液。
(3)アルカリ金属水酸化物が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である上記(1)又は(2)に記載の熱硬化性樹脂用デスミア液。
本発明の熱硬化性樹脂用デスミア液により、高いデスミア耐性を有する熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物のデスミア処理において、該樹脂組成物の溶解を抑えながら、デスミア処理をすることができる。
以下に、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の熱硬化性樹脂用デスミア液は、高いデスミア耐性を有する熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物のデスミア処理に使用される熱硬化性樹脂用デスミア液である。本明細書において、「熱硬化性樹脂用デスミア液」を「デスミア液」と略記する場合がある。本発明のデスミア液は、5~40質量%のアルカノールアミン及び15~45質量%のアルカリ金属水酸化物を含む水溶液である。高いデスミア耐性を有する熱硬化性樹脂はアルカリ水溶液に溶解しない性質を有するため、本来アルカリ水溶液によってスミアを除去することはできない。しかし、本発明のデスミア液を使用することによって、高いデスミア耐性を有する熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物のスミアを除去することができる。これは、アルカリ金属水酸化物により熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物のスミアが膨潤し、アルカノールアミンによりデスミア液のスミアへの浸透が促進され、樹脂組成物の膨潤がさらに促進され、スミアの除去性が上がる。
アルカリ金属水酸化物の含有量が15質量%未満の場合、スミアの膨潤性が乏しく、アルカリ金属水酸化物の含有量が45質量%を超えると、アルカリ金属水酸化物の析出が起こりやすいことから、液の経時安定性に劣る。アルカリ金属水酸化物の含有量は、20~45質量%がより好ましく、25~40質量%がさらに好ましい。アルカノールアミン化合物の含有量が5質量%未満の場合、スミアへのデスミア液の浸透力が乏しく、また、スミアの膨潤性が乏しい。アルカノールアミン化合物の含有量が40質量%を超えると、水に対する相溶性が低下し、相分離が起こりやすいことから、デスミア液の経時安定性に劣る。アルカノールアミン化合物の含有量は、20~40質量%がより好ましく、25~35質量%がさらに好ましい。
上記アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化リチウムの群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好適に用いられる。アルカリ金属水酸化物は、これらの中の1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
上記アルカノールアミン化合物としては、第一級アミンであるエタノールアミン、第一級アミンと第二級アミンの混合物であるN-(β-アミノエチル)エタノールアミン、第二級アミンであるN-メチルエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、第三級アミンであるトリエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン及びN-メチルジエタノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好適に用いられる。エタノールアミン化合物は、これらの中の1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のデスミア液に、必要に応じて、カップリング剤、レベリング剤、着色剤、界面活性剤、消泡剤、有機溶媒等を適宜添加することもできる。有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類;セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチルピロリドン等のアミド系溶媒等が挙げられる。
本発明のデスミア液は、アルコール化合物及びカルボン酸化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を1~60質量%含有してもよい。アルコール化合物及びカルボン酸化合物としては、ポリオール化合物、多価カルボン酸化合物及びヒドロキシ酸化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好適に用いられる。
連続的にデスミア処理した際、空気中の炭酸ガスを吸収し、デスミア液に不溶な沈殿が発生する場合がある。その沈殿が樹脂組成物に付着し、均一なデスミア処理を妨げる不具合が発生する場合がある。しかし、スミア除去性に悪影響を及ぼさずにこの不溶な沈殿を溶解させる効果が、アルコール化合物及びカルボン酸化合物にあり、均一なデスミア処理ができ、ランニング性が良くなると考えられる。アルコール化合物及びカルボン酸化合物の含有量が1質量%未満であると、均一性改善効果がアルコール化合物及びカルボン酸化合物を含まないデスミア液に対して変わらないものとなる場合があり、60質量%を超えると、スミア除去性が不十分となる場合がある。アルコール化合物及びカルボン酸化合物の含有量は、より好ましくは10~40質量%である。
本発明のデスミア液は、50~90℃の範囲で使用することが好ましい。樹脂組成物の種類、樹脂組成物層の厚み、デスミア処理を施す孔や配線パターンの形状等により、最適温度が異なるが、デスミア液の温度は60~85℃がより好ましく、70~85℃がさらに好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂からなる群より選択される1種以上であることが好ましい。特に、エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスナフタレン型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド型エポキシ樹脂、アントラキノン型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ザイロック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、3官能フェノール型エポキシ樹脂、4官能フェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂、トリアジン骨格エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエステル、ブタジエン等の二重結合含有化合物の二重結合をエポキシ化した化合物、及び、水酸基含有シリコーン樹脂類とエピクロルヒドリンとの反応により得られる化合物等が挙げられる。エポキシ樹脂として、これらの中の1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
エポキシ樹脂としては、様々な構造の既製品が市販されており、それらを適宜入手して用いることができる。また、公知の種々の製法を用いて、エポキシ樹脂を製造してもよい。この製造の例としては、所望の骨格を有する水酸基含有化合物を入手又は合成し、当該水酸基を公知の手法により修飾してエポキシ化する方法が上げられる。
熱硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化する機能を有するものであれば特に限定されないが、好ましいものとしては、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル樹脂等が挙げられる。熱硬化剤として、これらの中の1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
上記硬化剤に加え、さらに硬化促進剤を含有することができる。硬化促進剤としては、例えば、有機ホスフィン化合物、有機ホスホニウム塩化合物、イミダゾール化合物、アミンアダクト化合物、第三級アミン化合物等が挙げられる。硬化促進剤として、これらの中の1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。なお、熱硬化剤としてシアネートエステル樹脂を使用する場合には、硬化時間を短縮する目的で、硬化触媒として用いられている有機金属化合物を添加してもよい。有機金属化合物としては、有機銅化合物、有機亜鉛化合物、有機コバルト化合物等が挙げられる。
マレイミド樹脂の原料となるマレイミド化合物としては、ビス(4-マレイミドフェニル)メタン、ポリフェニルメタンマレイミド、m-フェニレンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド(2,2′-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン)、3,3′-ジメチル-5,5′-ジエチル-4,4′-ジフェニルメタンビスマレイミド、4-メチル-1,3-フェニレンビスマレイミドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、マレイミド化合物を2種以上適宜混合して使用してもよい。
フェノール樹脂としては、特に限定はなく公知のものが使用でき、例えば、ビスフェノールA型フェノール樹脂、ビスフェノールF型フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、3官能フェノール樹脂、4官能フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、ナフトール型樹脂などが挙げられる。また、これらの一部を臭素化したフェノール樹脂も使用できる。また、これらのフェノール樹脂を2種以上適宜混合して使用することも可能である。
シアネート樹脂としては、特に限定はなく公知のものが使用でき、例えば、2,2′-ビス(4-シアネートフェニル)プロパン、2,2′-ビス(4-シアネートフェニル)エタン、2,2′-ビス(4-シアネート-3,5-メチルフェニル)エタン、アラルキル型シアネート、ノボラック型シアネートなどが挙げられる。これらのシアネート樹脂は1種又は2種以上を適宜混合して使用することも可能である。
本発明において、樹脂組成物は熱硬化性樹脂を含み、さらに、充填材を含むことが好ましい。充填材としては、無機充填材と有機充填材が挙げられるが、無機充填材が含まれることが好ましい。
無機充填材としては、例えば、シリカ、ガラス、クレー、雲母等のケイ酸塩;アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、シリカ等の酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛等のモリブデン化合物等が挙げられる。また、ホウ酸アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、酸化チタン、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛、タルク、マイカ、ガラス短繊維、中空ガラス、ウィスカ等が挙げられる。また、スチレン型、ブタジエン型、アクリル型などのゴムパウダー、コアシェル型のゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー、シリコーンゴムパウダー、シリコーン複合パウダー、フッ素樹脂パウダーなどの有機充填材を用いることもできる。充填材として、これらの中の1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物は加熱により、Aステージ(硬化反応の開始前)、Bステージ(硬化反応の中間段階)、Cステージ(硬化反応の終了段階)と硬化が進行する。通常、Cステージまで硬化が進行すると、スミアの溶解による除去が困難となる。本発明のデスミア液を使用したデスミア処理は、スミアを溶解させずに、膨潤を促進することで、A~Cのすべてのステージにおいて、スミアの除去が可能となる。
AステージからBステージへの熱硬化条件としては、100~160℃で10~60分であり、より好ましくは、100~130℃で10~60分であるが、これに限定されるものではない。また、160℃を超える高温で加熱することにより、Cステージまで硬化させることができる。好ましくは160℃超200℃以下で10~60分であるが、これに限定されるものではない。
スルーホール形成用の貫通孔やビアホール形成用の開口、半田パッド形成用の開口等の貫通孔や非貫通孔は、層間の電気接続のために設けられ、絶縁層の特性を考慮して、ドリル、レーザー、プラズマ等を用いる公知の方法により形成することができる。例えば、ビアホールの場合、孔径は、搭載する部品の微細度で選択されるが、トップ径40μm~500μmの範囲が好ましい。
レーザー光源としては、例えば、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー等が挙げられる。中でも、加工速度、コストの観点から、炭酸ガスレーザーが好ましい。
レーザー光源として炭酸ガスレーザー装置を使用する場合、一般に9.3μm~10.6μmの波長のレーザー光が使用される。また、ショット数は、形成すべき孔の深さ、孔径によっても異なるが、通常1~10ショットの範囲で選択される。加工速度を高めてプリント配線板の生産性を向上させる観点から、ショット数は少ない方が好ましく、1~5ショットの範囲であることが好ましく、1~3ショットの範囲であることがより好ましい。なお、ショット数が2ショット以上である場合、バーストモード、サイクルモードのいずれのモードでレーザー光を照射してもよい。
レーザー光源として炭酸ガスレーザー装置を使用する場合、レーザー光のエネルギーは、ショット数、孔の深さ、絶縁層の厚さにもよるが、好ましくは0.25mJ以上、より好ましくは0.5mJ以上、さらに好ましくは1mJ以上に設定される。レーザー光のエネルギーの上限は、好ましくは20mJ以下、より好ましくは15mJ以下、さらに好ましくは10mJ以下である。
穴あけ加工は、市販されているレーザー装置を用いて実施することができる。市販されている炭酸ガスレーザー装置としては、例えば、ビアメカニクス(株)製のLC-4NV252、三菱電機(株)製のML3015SR-32XP、パナソニックシステムソリューションズジャパン(株)製のレーザー発振器が挙げられる。
本発明のデスミア液を使用してスミアを除去する加工処理(デスミア処理)は、浸漬処理、パドル処理、スプレー処理、ブラッシング、スクレーピング等の方法を用いることができる。デスミア処理後、さらに、除去しきれなかった樹脂組成物や樹脂組成物の表面に残存付着したデスミア液を水洗処理によって洗浄する。水洗処理の方法としては、拡散速度と液供給の均一性の点からスプレー方式が好ましい。水洗水としては、水道水、工業用水、純水等を用いることができる。このうち純水を使用することが好ましい。純水は、一般的に工業用に用いられるものを使用することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
エポキシ化合物として、ビフェニルアラルキル型エポキシ化合物(商品名:NC-3000-FH、エポキシ当量:320g/eq.、日本化薬(株)製)のMEK溶液(不揮発分70質量%)85.7質量部(不揮発分換算で60質量部)、
エステル化合物として、α-ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物(シアネート当量:261g/eq.)のMEK溶液(不揮発分50質量%)60質量部(不揮発分換算で30質量部)、
無機充填材として、シリカのMEKスラリー(商品名:SC2050-MTX、(株)アドマテックス製、平均粒子径0.5μm、不揮発分70質量%)107.1質量部(不揮発分換算で75質量部)、
無機充填材として、酸化マグネシウムのMEKスラリー(商品名:SMO-0.4、堺化学工業(株)製、平均粒子径0.4μm、不揮発分70質量%)21.4質量部(不揮発分換算で15質量部)、
マレイミド化合物として、ノボラック型マレイミド化合物(商品名:BMI-2300、ケイ・アイ化成(株)製)5.0質量部及びビスマレイミド化合物(商品名:BMI-1000P、ケイ・アイ化成(株)製)5.0質量部、
硬化促進剤として、2,4,5-トリフェニルイミダゾール(富士フイルム和光純薬(株)製)のDMAc溶液(不揮発分20質量%)15質量部(不揮発分換算で3質量部)及びオクチル酸亜鉛のMEK溶液(不揮発分10質量%)0.8質量部(不揮発分換算で0.08質量部)
を混合し、濃度調整のためにMEKを添加した後、高速攪拌装置を用いて30分間攪拌して、ワニスを得た。
エポキシ化合物として、ビフェニルアラルキル型エポキシ化合物(商品名:NC-3000-FH、エポキシ当量:320g/eq.、日本化薬(株)製)のMEK溶液(不揮発分70質量%)85.7質量部(不揮発分換算で60質量部)、
エステル化合物として、α-ナフトールアラルキル型シアン酸エステル化合物(シアネート当量:261g/eq.)のMEK溶液(不揮発分50質量%)60質量部(不揮発分換算で30質量部)、
無機充填材として、シリカのMEKスラリー(商品名:SC2050-MTX、(株)アドマテックス製、平均粒子径0.5μm、不揮発分70質量%)107.1質量部(不揮発分換算で75質量部)、
無機充填材として、酸化マグネシウムのMEKスラリー(商品名:SMO-0.4、堺化学工業(株)製、平均粒子径0.4μm、不揮発分70質量%)21.4質量部(不揮発分換算で15質量部)、
マレイミド化合物として、ノボラック型マレイミド化合物(商品名:BMI-2300、ケイ・アイ化成(株)製)5.0質量部及びビスマレイミド化合物(商品名:BMI-1000P、ケイ・アイ化成(株)製)5.0質量部、
硬化促進剤として、2,4,5-トリフェニルイミダゾール(富士フイルム和光純薬(株)製)のDMAc溶液(不揮発分20質量%)15質量部(不揮発分換算で3質量部)及びオクチル酸亜鉛のMEK溶液(不揮発分10質量%)0.8質量部(不揮発分換算で0.08質量部)
を混合し、濃度調整のためにMEKを添加した後、高速攪拌装置を用いて30分間攪拌して、ワニスを得た。
次に、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み38μm)上に上記ワニスを塗布した後、100℃で5分間乾燥して溶媒を除去し、膜厚20μmのAステージの熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物からなる樹脂組成物層を形成した。
上記、樹脂組成物層をエポキシ樹脂ガラス布基材銅張積層板(銅箔厚み12μm、基材厚み0.1mm)上に、熱圧着式ラミネーターを使って、温度100℃、圧力0.4MPaで熱圧着し、銅箔上に転写させた後、120℃で30分間加熱してBステージの樹脂組成物層を形成した。
上記、Bステージの樹脂組成物層面を、マイクロエッチング剤(商品名:CZ8100、メック(株)製)にてエッチングして銅表面を粗面化した銅張積層板(銅箔厚さ18μm、基板厚み0.8mm)に配置し、真空ラミネーターを用いて30秒間真空引き(5.0MPa以下)を行った後、圧力10kgf/cm2、温度100℃で60秒間プレスした。プレス後、180℃で60分間加熱してCステージの樹脂組成物層である絶縁層を形成した。
次に、ビアメカニクス(株)製CO2レーザー加工機「LC-4NV252」を使用して、絶縁層に穴あけ加工し、ビアホールを形成した。絶縁層表面におけるビアホールのトップ径(直径)は50μmであった。なお、穴あけ加工の条件は、マスク径1.6mm、フォーカスオフセット値0.050、パルス幅25μs、エネルギー0.33mJ/ショット(出力0.66W、周波数2000Hz)、アパーチャー13、ショット数2、バーストモードであった。
上記、穴あけ加工後の絶縁層を表1に示すデスミア液に浸漬することにより、デスミア処理を行った。
デスミア処理において、開口底面のスミアを除去するのに要した時間を「デスミア性」として評価した。本例においては、生産性を考慮すると、デスミア時間は50分未満であることが好ましく、40分未満であることがより好ましく、30分未満であることがさらに好ましい。
デスミア性の評価基準を以下に示す。
〇:30分未満でスミア除去が可能
△:30分以上、50分未満でスミア除去が可能
×:スミア除去に50分以上要するか、又は除去できない
〇:30分未満でスミア除去が可能
△:30分以上、50分未満でスミア除去が可能
×:スミア除去に50分以上要するか、又は除去できない
デスミア処理において、絶縁層をデスミア液に浸漬させたときの減膜量を「溶解性」として評価した。80℃のデスミア液に、180℃で60分間加熱したCステージの樹脂組成物層である絶縁層を30分間浸漬させたときの減膜量を測定した。
溶解性の評価基準を以下に示す。
〇:減膜量が3μm未満
△:減膜量が3μm以上、5μm未満
×:減膜量が5μm以上
〇:減膜量が3μm未満
△:減膜量が3μm以上、5μm未満
×:減膜量が5μm以上
デスミア処理において、デスミア処理液の連続使用可能日数を「安定性」として評価した。本例において、生産性を考慮すると、連続使用可能日数が20日以上であることが好ましく、30日以上であることがさらに好ましい。連続使用可能日数とは、1日の稼働時間を8時間とし、デスミア処理液の分離が起こらないこと、及び、連続使用に伴い発生する沈殿がデスミア処理を阻害しないことを満たす日数を示す。連続使用及び蒸発により減少した液量は、同量のデスミア処理液を随時補充するものとする。
デスミア液の安定性の評価基準を以下に示す。
〇:20日連続使用後、デスミア処理液が分離しておらず、発生した沈殿が絶縁層に残存しない。
△:20日連続使用後、デスミア処理液が分離しておらず、発生した沈殿が絶縁層に残存するが、後工程で除去できる。
×:20日連続使用後、デスミア処理液が分離する、又は発生した沈殿が絶縁層に残存し、除去が困難である。
〇:20日連続使用後、デスミア処理液が分離しておらず、発生した沈殿が絶縁層に残存しない。
△:20日連続使用後、デスミア処理液が分離しておらず、発生した沈殿が絶縁層に残存するが、後工程で除去できる。
×:20日連続使用後、デスミア処理液が分離する、又は発生した沈殿が絶縁層に残存し、除去が困難である。
表1の結果からわかるように、本発明のデスミア処理液を使用すると、高いデスミア耐性を有する熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物のデスミア処理をすることができる。
本発明のデスミア液は、高いデスミア耐性を有する熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物のデスミア処理をすることができ、例えば、多層ビルドアップ配線板、部品内蔵モジュール基板、フリップチップパッケージ基板、パッケージ基板搭載用マザーボード等における絶縁樹脂の微細加工に適用できる。また、高いデスミア耐性を有する熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物のエッチング処理にも使用できる。
Claims (3)
- 5~40質量%のアルカノールアミン及び15~45質量%のアルカリ金属水酸化物を含む水溶液からなることを特徴とする熱硬化性樹脂用デスミア液。
- アルカノールアミン化合物が、エタノールアミン、N-(β-アミノエチル)エタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン及びN-エチルジエタノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1に記載の熱硬化性樹脂用デスミア液。
- アルカリ金属水酸化物が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である上記請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂用デスミア液。
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