JP2022100338A - グラファイト付着ガラス繊維ファブリック、及びこれを利用した集塵フィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、250℃を超える雰囲気温度においても耐折性に優れ、集塵フィルターとして好適に使用できるガラス繊維ファブリックを提供することである。【解決手段】ガラス繊維ファブリックと、グラファイトを含む皮膜とを有し、該皮膜が、該ガラス繊維ファブリックを構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆しており、該ガラス繊維を構成するガラス組成物が、SiO2を60.0~66.0質量%、Al2O3を18.0~26.0質量%、及びMgOを8.0~20.0質量%含有する、グラファイト付着ガラス繊維ファブリック。【選択図】なし

Description

本発明は、250℃を超える雰囲気温度における耐折性が優れ、集塵フィルターとして好適に使用されるグラファイト付着ガラス繊維ファブリックに関する。また、本発明は、該グラファイト付着ガラス繊維ファブリックを利用した集塵フィルターに関する。
都市ゴミ焼却炉、産業廃棄物焼却炉、石炭専焼ボイラー、金属溶融炉等において発生する排ガス中のダスト(飛灰)を捕捉するための集塵機に使用されるフィルター材としてガラス繊維ファブリックが使用されている。
一般的に、都市ゴミの焼却炉の排ガスのろ過には、バグフィルター方式が採用されている。具体的には、バグフィルター方式は、ガラス繊維ファブリックを用い、バグ(例えば、直径120~170mm、長さ4~7mの円筒状)を縫製し、該バグを集塵装置内に多数本設置する。そして、バグの外側面から含塵排気ガス(通常、ガス温度は130~280℃)が流入し、ガス中のダストがバグの外側面で集塵され、排気ガスのみがバグ内側面から流出して行く。この場合、バグは、焼却炉の稼働時間の経過とともに圧損が大きくなり、ろ過性能に悪影響を及ぼすことから、バグの外側面に集積したダストを随時払い落とす必要がある。ダストの払い落としの方法としては、振動式、逆洗式、パルス式が一般的である。例えば、パルス式の場合、バグ上部のノズルからバグの内部に圧搾空気を瞬間的(例えば約0.1~0.3秒)噴射しバグの外側面のダストを払い落とす。この場合の噴射空気圧は、例えば5~7kg/平方cmと高く、一定時間(例えば1~3min)毎に噴射される。これらのダストの払い落としの際、バグフィルターを構成するガラス繊維ファブリックは、繰り返し屈曲される。従って、該ガラス繊維ファブリックは、折り曲げに対する耐性、即ち耐折性が求められる。
従来、バクフィルター用クロスとして、例えば、経糸がガラス繊維のフラットヤーン、緯糸がガラス繊維のバルキーヤーンで構成される表裏とも綾組織の二重織クロスであり、表裏ともバルキー率KBが30%以上であり、かつ少なくとも片面のバルキー率KBが85%以下であるバグフィルター用クロスが知られている(例えば、特許文献1参照)。該クロスによれば、集塵効率を維持しつつ、ダストの剥離性を向上させることができるとされている。
特開平4-327237号公報
特許文献1では、具体的に、実施例において、ガラス繊維を構成するガラス材料として、Eガラスを使用すること、及び、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂の水エマルジョンで含浸処理することが開示されている。
しかしながら、本発明者が検討したところ、上記特許文献1で開示されたクロスは、250℃を超える雰囲気温度、例えば、400℃に熱暴露した場合、耐折性が大きく低下する場合があるという問題があることを知得した。
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決し、250℃を超える雰囲気温度においても耐折性に優れ、集塵フィルターとして好適に使用できるガラス繊維ファブリックを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討を重ねたところ、耐折性向上の目的で、例えば、従来、帯電防止剤として含有され、耐折性の向上に直接寄与するとは考えられなかった、グラファイトに着目した。そして、ガラス繊維ファブリックを構成するガラス繊維として、特定のガラス組成のものを採用し、かつガラス繊維ファブリックを構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を、グラファイトを含有する皮膜で被覆することにより、250℃を超える雰囲気温度における耐折性が、飛躍的に向上することを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. ガラス繊維ファブリックと、
グラファイトを含む皮膜と、を有し、
前記皮膜が、前記ガラス繊維ファブリックを構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆しており、
前記ガラス繊維を構成するガラス組成物が、SiO2を60.0~66.0質量%、Al23を18.0~26.0質量%、及びMgOを8.0~20.0質量%含有する、
グラファイト付着ガラス繊維ファブリック。
項2. 前記ガラス繊維を構成するガラス組成物が、SiO2を64.0~66.0質量%、Al23を24.0~26.0質量%、MgOを9.0~11.0%、その他成分を3質量%以下(0質量%を含む。)含有する、項1に記載のグラファイト付着ガラス繊維ファブリック。
項3. 前記皮膜が、分子構造内に側鎖及び分岐のない熱可塑性樹脂及び/又はシリコーンオイルを含む、項1又は2に記載のグラファイト付着ガラス繊維ファブリック。
項4. 前記皮膜が、カルボキシメチルセルロースを含む、項1~3のいずれかに記載のグラファイト付着ガラス繊維ファブリック。
項5. 前記ガラス繊維ファブリックが織物であり、且つ、
前記織物を構成する緯糸が、マルチフィラメント糸からなるバルキー加工糸とマルチフィラメント糸からなるヤーンとの合撚糸である、
項1~4のいずれかに記載のグラファイト付着ガラス繊維ファブリック。
項6. 前記皮膜100質量部当たり、前記グラファイトが30質量部以上含まれる、項1~5のいずれかに記載のグラファイト付着ガラス繊維ファブリック。
項7. 項1~6のいずれかに記載のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックを含む集塵フィルター。
項8. バグフィルターである、項7に記載の集塵フィルター。
項9. 項1~6のいずれかに記載のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックの、集塵フィルターとしての使用。
本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックは、250℃を超える雰囲気温度における耐折性が、飛躍的に向上しており、都市ゴミ焼却炉、産業廃棄物焼却炉、石炭専焼ボイラー、金属溶融炉等において発生する排ガス中のダストを捕捉するための集塵フィルターとしての要求性能を満たすことができる。
本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックの一例について、その表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。
本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックは、ガラス繊維ファブリックと、グラファイトを含む皮膜とを有し、該皮膜が、該ガラス繊維ファブリックを構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆しており、該ガラス繊維を構成するガラス組成物が、SiO2を60.0~66.0質量%、Al23を18.0~26.0質量%、及びMgOを8.0~20.0質量%含有することを特徴とする。以下、本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックについて詳細に説明する。
[ガラス繊維ファブリック]
本発明において、「ガラス繊維ファブリック」とは、構成繊維がガラス繊維からなるファブリックである。
本発明において、ガラス繊維ファブリックに使用されるガラス繊維を構成するガラス組成物は、SiO2の含有量が60.0~66.0質量%、Al23の含有量が18.0~26.0質量%、MgOの含有量が8.0~20.0質量%(好ましくは8~16質量%)である。このような特定の組成のガラス組成物からなるガラス繊維を採用し、該ガラス繊維を後述する特定皮膜で被覆することによって、250℃を超える雰囲気温度においても、優れた耐折性を備えることが可能になる。
ガラス繊維を構成するガラス組成物の好適な例として、SiO2の含有量が64.0~66.0質量%、Al23の含有量が24.0~26.0質量%、MgOの含有量が9.0~11.0質量%、その他成分の含有量が3質量%以下(0質量%を含む。)であるものが挙げられる。
また、ガラス繊維を構成するガラス組成物の一態様として、SiO2の含有量が60.0~64.0質量%、Al23の含有量が18.0~22.0質量%、及びMgOの含有量が14~18質量%であって、SiO2の含有量、Al23の含有量及びMgOの含有量の合計が94質量%以上であるものが挙げられる。
本発明において、ガラス繊維は長繊維又は短繊維のいずれでもよい。ガラス繊維ファブリックの引張強さ等の機械的特性をより一層優れたものとする観点からは、長繊維が好ましい。長繊維としては、1本の連続した単繊維からなるモノフィラメント糸、複数の連続した単繊維からなるマルチフィラメント糸が挙げられる。これらの長繊維の中でも、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した場合に、耐折性がより優れたものとするという観点から、マルチフィラメント糸が好ましい。
ガラス繊維ファブリックを構成するガラス繊維として上記長繊維を使用する場合、ガラス繊維ファブリックの形態としては、織物、編物、不織布(フェルトを含む。)、又はこれらを組み合わせたものとすることができる。250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に、耐折性がより優れたものとするという観点から、ガラス繊維ファブリックの好ましい形態として、織物が挙げられる。
ガラス繊維ファブリックが織物の形態である場合、使用する経糸と緯糸の物性等については、特に制限されないが、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に、耐折性をより一層優れたものにするという観点から、緯糸としてマルチフィラメント糸からなるバルキー加工糸とマルチフィラメント糸からなるヤーンとの合撚糸(以下、「合撚糸A」と表記することもある)を使用することが好ましい。
上記合撚糸Aの撚り数としては、特に制限されないが、例えば、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に、耐折性がより一層優れたものとするという観点から、上撚りで2~5回/25mm、好ましくは3.0~4.5回/25mmが挙げられる。
また、上記合撚糸A全体の番手としては、特に制限されないが、例えば、30~600texが挙げられ、機械的特性と、集塵性とをより高める観点から、50~500texがより好ましく、機械的特性と、集塵性とをより高めつつ、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に、耐折性が一層優れたものとするという観点から、200~400texがより好ましい。
また、上記合撚糸Aにおいて、バルキー加工糸とヤーンとの単位長さあたりの質量比(バルキー加工糸の単位長さあたりの質量(tex)/ヤーンの単位長さあたりの質量(tex))については、特に制限されないが、機械的特性と、集塵性とをより高めつつ、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した場合に、耐折性が一層優れたものとするという観点から、3~20が好ましく、5~15がより好ましく、8~12が特に好ましい。
ガラス繊維ファブリックが織物の形態である場合、機械的特性と、集塵性とをより高める観点から、好適な一態様として、経糸としてマルチフィラメント糸であるヤーンを使用し、且つ緯糸としてマルチフィラメント糸からなるバルキー加工糸(嵩高加工糸)を使用した織物(以下、「態様X」と表記することもある)が挙げられる。
また、ガラス繊維ファブリックが織物の形態である場合、機械的特性と、集塵性とをより高めつつ、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に、緯方向における耐折性がより一層優れたものとするという観点から、他の好適な一態様として、経糸としてマルチフィラメント糸であるヤーンを使用し、且つ緯糸として上記合撚糸Aを使用した織物(以下、「態様Y」と表記することもある)が挙げられる。
上記態様X及びYの織物において、経糸として使用されるヤーンとしては、単糸、合撚糸等が挙げられ、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した場合に、耐折性がより優れたものとするという観点から、合撚糸が好ましい。合撚糸の構成について特に限定されないが、例えば、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に、耐折性がより一層優れたものとするという観点から、単糸ヤーン4~8本をS方向又はZ方向に下撚りされ1本とされたもの2~4本を、下撚りと反対方向に上撚りされた合撚糸とすることが好ましく挙げられる。
上記態様X及びYの織物において、経糸として使用されるヤーンの撚り数としては、特に制限されないが、例えば、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に、耐折性がより一層優れたものとするという観点から、上撚りで2~5回/25mmが好ましく、3.0~4.5回/25mmがより好ましい。
上記態様X及びYの織物において、経糸として使用されるヤーンのフィラメント直径(単繊維径)としては、特に制限されないが、例えば、4~9μmが挙げられ、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に、耐折性がより優れたものとするという観点から、4~7μmがより好ましく、4.5~5.5μmが特に好ましい。
上記態様X及びYの織物において、経糸として使用されるヤーンの番手としては、特に制限されないが、例えば、30~600texが挙げられ、機械的特性と、集塵性とをより高める観点から、50~450texがより好ましく、機械的特性と、集塵性とをより高めつつ、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した場合に、耐折性が一層優れたものとするという観点から、100~200texがより好ましい。
上記態様Xの織物において、緯糸として使用されるバルキー加工糸のフィラメント直径(単繊維径)特に制限されないが、例えば、4~9μmが挙げられ、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した場合に、耐折性がより優れたものとするという観点から、4~7μmがより好ましく、4.5~5.5μmが特に好ましい。
上記態様Xの織物において、緯糸として使用されるバルキー加工糸の番手としては、特に制限されないが、例えば、30~600texが挙げられ、機械的特性と、集塵性とをより高める観点から、50~500texがより好ましく、機械的特性と、集塵性とをより高めつつ、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した場合に、耐折性が一層優れたものとするという観点から、200~400texがより好ましい。
上記態様Yの織物において、緯糸として使用される合撚糸Aについては、前記の通りである。
上記態様Xの織物の場合、経糸と緯糸との番手の比(経糸/緯糸)については、特に制限されないが、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した場合に、耐折性が一層優れたものとするという観点から、1/4~1/1が好ましく、2/5~1/2がより好ましい。
また、上記態様Yの織物の場合、経糸と緯糸との番手の比(経糸/緯糸)については、特に制限されないが、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した場合に、耐折性が一層優れたものとするという観点から、1/5~1/1が好ましく、1/4~1/2がより好ましい。
ガラス繊維ファブリックが織物である場合、その織組織としては、特に限定されず、例えば、平織、朱子織、綾織、斜子織、畦織、二重織(経二重織、緯二重織、経緯二重織等)が挙げられる。250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した場合に、耐折性がより優れたものとするという観点から、二重織組織が好ましく、当該耐折性と集塵性をより両立させるという観点から緯二重織がより好ましい。
ガラス繊維ファブリックが織物である場合、その織密度としては、特に限定されないが、例えば、上記態様Xの織物の場合であれば、経糸(ヤーン)が20~80本/25mmが好ましく、40~60本がより好ましく;緯糸(バルキー糸)は、20~80本/25mmが好ましく、30~60本/25mmがより好ましい。また、上記態様Yの織物の場合であれば、経糸(ヤーン)が20~80本/25mmが好ましく、40~60本がより好ましく;緯糸(合撚糸)は、20~80本/25mmが好ましく、30~60本/25mmがより好ましい。
本発明において、ガラス繊維ファブリック(皮膜の重量を除く。)の質量(g/m2)としては、特に制限されないが、例えば、500~1500g/m2が挙げられ、700~1100g/m2が好ましい。
また、本発明において、ガラス繊維ファブリック自体(皮膜の重量を除く。)の厚さ(mm)としては、特に制限されないが、例えば、0.3~1.5mmが挙げられ、0.6~1.2mmが好ましい。
[皮膜]
本発明では、ガラス繊維ファブリックを構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部が、グラファイトを含有する皮膜によって被覆されている。ガラス繊維を構成するガラス組成物が前述した特定の組成を具備し、かつ、該ガラス繊維の表面の少なくとも一部がグラファイトを含有する皮膜で被覆されていることによって、250℃を超える雰囲気温度における耐折性を飛躍的に向上させることが可能になる。
皮膜に含まれるグラファイトの形態や大きさについては、特に制限されない。グラファイトの形態としては、例えば、鱗片状、土状等が挙げられる。また、グラファイトの大きさとしては、例えば、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所社製の商品名LA-920)を用いて測定された、グラファイトの粒度分布における積算値が50%になる粒度(d50)として、0.1~100μm、好ましくは1~50μmが挙げられる。
皮膜中のグラファイトの含有量については、ガラス繊維ファブリックにおける皮膜の被覆量等に応じて適宜設定すればよいが、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に、より一層耐折性がより一層優れたものとするという観点から、例えば、皮膜の総量100質量部当たり、グラファイトが30質量部以上、好ましくは30~50質量部、より好ましくは30~45質量部が挙げられる。
また、本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックにおけるグラファイトの含有量については、皮膜におけるグラファイトの含有量、皮膜の被覆量等に応じて定まるが、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に、より一層耐折性がより一層優れたものとするという観点から、例えば、本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックの総量(ガラス繊維ファブリックと皮膜の合計量)当たり、グラファイトが0.1~3質量%、好ましくは0.5~2.5質量%、より好ましくは1.0~2.0質量%が挙げられる。
また、皮膜には、グラファイトを保持し、皮膜を形成させる成分として、熱可塑性樹脂が含まれていることが好ましい。熱可塑性樹脂の種類については、グラファイトを保持しつつガラス繊維の表面に皮膜を形成できることを限度として特に制限されないが、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に、耐折性がより優れたものとしつつ、本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックをバグフィルターとする場合に、ガラス繊維ファブリックをバグとする際に縫製をよりし易くするという観点から、好ましくは分子構造内に側鎖及び分岐のない熱可塑性樹脂が挙げられる。即ち、皮膜に上記熱可塑性樹脂及び/又はシリコーンオイルを含有させることにより、縫製時の針通し性をより向上させつつ、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に、耐折性がより優れたものとすることが可能になる。
分子構造内に側鎖及び分岐のない熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ナイロン6樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。これらの中でも、ナイロン6樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレンがより好ましく、ポリテトラフルオロエチレンが特に好ましい。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
皮膜に前記熱可塑性樹脂を含有させる場合、前記熱可塑性樹脂とグラファイトの質量比については、特に制限されないが、例えば、グラファイト100質量部当たり、前記熱可塑性樹脂が100~1500質量部、好ましくは100~500質量部、更に好ましくは100~200質量部が挙げられる。
また、皮膜に前記熱可塑性樹脂を含有させる場合、皮膜中の前記熱可塑性樹脂の含有量については、ガラス繊維ファブリックにおける皮膜の被覆量、皮膜におけるグラファイトの含有量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、縫製時の針通し性を良好に備えさせつつ、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に、より一層耐折性がより一層優れたものとするという観点から、皮膜の総量100質量部当たり、前記熱可塑性樹脂が30~95質量部、好ましくは30~70質量部、より好ましくは45~70質量部が挙げられる。
また、皮膜には、シリコーンオイルが含まれていてもよい。皮膜にシリコーンオイルが含まれている場合には、縫製時の針との動摩擦係数をより減少させ、針通し性をより向上させることが可能になる。
シリコーンオイルとしては、具体的には、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル等が挙げられる。これらのシリコーンオイルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
皮膜にシリコーンオイルを含有させる場合、シリコーンオイルとグラファイトの質量比については、特に制限されないが、例えば、グラファイト100質量部当たり、シリコーンオイルが10~500質量部、好ましくは10~100質量部が挙げられる。
また、皮膜にシリコーンオイルを含有させる場合、皮膜中のシリコーンオイルの含有量については、ガラス繊維ファブリックにおける皮膜の被覆量、皮膜におけるグラファイトの含有量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、縫製時の針通し性を良好に備えさせつつ、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に、より一層耐折性がより一層優れたものとするという観点から、皮膜の総量100質量部当たり、シリコーンオイルが1~15質量部、好ましくは3~12質量部、より好ましくは5~10質量部が挙げられる。
更に、皮膜には、ガラス繊維への定着性をより一層向上しつつ、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に耐折性がより優れたものとするという観点から、カルボキシメチルセルロースが含有されていることが好ましい。
皮膜にカルボキシメチルセルロースを含有させる場合、カルボキシメチルセルロースとグラファイトの質量比については、特に制限されないが、例えば、グラファイト100質量部当たり、カルボキシメチルセルロースが10~60質量部、好ましくは15~55質量部が挙げられる。
また、皮膜にカルボキシメチルセルロースを含有させる場合、皮膜中のカルボキシメチルセルロースの含有量については、ガラス繊維ファブリックにおける皮膜の被覆量、皮膜におけるグラファイトの含有量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、ガラス繊維への定着性をより一層向上させつつ、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に耐折性がより優れたものという観点から、皮膜の総量100質量部当たり、カルボキシメチルセルロースが1~25質量部、好ましくは2~20質量部、より好ましくは3~18質量部が挙げられる。
また、皮膜には、ガラス繊維への定着性をより一層向上させるために、必要に応じて、アクリル樹脂が含まれていてもよい。
皮膜にアクリル樹脂を含有させる場合、アクリル樹脂とグラファイトの質量比については、特に制限されないが、例えば、グラファイト100質量部当たり、アクリル樹脂が20~40質量部、好ましくは25~35質量部が挙げられる。
また、皮膜にアクリル樹脂を含有させる場合、皮膜中のアクリル樹脂の含有量については、ガラス繊維ファブリックにおける皮膜の被覆量、皮膜におけるグラファイトの含有量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、ガラス繊維への定着性をより一層向上させつつ、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に耐折性がより優れたものという観点から、皮膜の総量100質量部当たり、アクリル樹脂が1~8質量部、好ましくは2~6質量部、より好ましくは3~5質量部が挙げられる。
皮膜には、必要に応じて、シリコーン樹脂が含まれていてもよい。
皮膜にシリコーン樹脂を含有させる場合、シリコーン樹脂とグラファイトの質量比については、特に制限されないが、例えば、グラファイト100質量部当たり、シリコーン樹脂が0.3~3質量部、好ましくは1~2質量部が挙げられる。
皮膜にシリコーン樹脂を含有させる場合、皮膜におけるシリコーン樹脂の含有量として、皮膜中のシリコーン樹脂の含有量については、ガラス繊維ファブリックにおける皮膜の被覆量、皮膜におけるグラファイトの含有量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、皮膜の総量100質量部当たり、シリコーン樹脂が0.1~1質量部、好ましくは0.1~0.5質量部が挙げられる。
更に、皮膜には、必要に応じて、シランカップリング剤、その加水分解物、及び該加水分解物の脱水縮合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物(以下、「シラン化合物」と表記することもある)含むことができる。シラン化合物が含まれている皮膜では、シラン化合物が皮膜の表面のみならず皮膜の内部にも存在することにより、皮膜全体の物性を向上できるので、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に、耐折性をより一層向上させることが可能になる。
本発明で使用されるシランカップリング剤の種類については、特に制限されないが、例えば、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-グリシドキシエトキシトリメトキシシラン、2-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
皮膜にシラン化合物を含有させる場合、シラン化合物とグラファイトの質量比については、特に制限されないが、例えば、グラファイト100質量部当たり、シラン化合物が10~200質量部、好ましくは50~100質量部が挙げられる。
また、皮膜にシラン化合物を含有させる場合、皮膜におけるシラン化合物の含有量として、皮膜中のシラン化合物の含有量については、ガラス繊維ファブリックにおける皮膜の被覆量、皮膜におけるグラファイトの含有量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に耐折性がより優れたものという観点から、皮膜の総量100質量部当たり、シラン化合物が3~15質量部、好ましくは5~12質量部、より好ましくは8~12質量部が挙げられる。
更に、皮膜には、必要に応じて、ジエチレングリコールが含まれていてもよい。
皮膜にジエチレングリコールを含有させる場合、ジエチレングリコールとグラファイトの質量比については、特に制限されないが、例えば、グラファイト100質量部当たり、ジエチレングリコールが20~40質量部、好ましくは25~35質量部が挙げられる。
また、皮膜にジエチレングリコールを含有させる場合、皮膜中のジエチレングリコールの含有量については、ガラス繊維ファブリックにおける皮膜の被覆量、皮膜におけるグラファイトの含有量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、皮膜の総量100質量部当たり、ジエチレングリコールが6~20質量部、好ましくは7.5~16質量部が挙げられる。
本発明において、グラファイト以外の皮膜の構成成分の含有量については、皮膜におけるグラファイトの含有量、皮膜の被覆量等に応じて定まるが、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に、より一層耐折性がより一層優れたものとするという観点から、例えば、本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックの総量(ガラス繊維ファブリックと皮膜の合計量)当たり、グラファイト以外の皮膜の構成成分の総量が0.1~5.0質量%、好ましくは0.5~4.0質量%、より好ましくは1.0~3.0質量%が挙げられる。
本発明において、ガラス繊維ファブリックに対する皮膜の被覆量については、特に制限されないが、例えば、本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックの総量(ガラス繊維ファブリックと皮膜の合計重量)当たり、皮膜が1.0~10質量%、好ましくは1.0~7.0質量%、より好ましくは1.0~5.0質量%が挙げられる。
本発明において、皮膜は、ガラス繊維ファブリックを構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆していればよいが、250℃を超える雰囲気温度の条件下に熱暴露した際に、より一層耐折性がより一層優れたものとするという観点から、皮膜は、ガラス繊維ファブリックを構成するガラス繊維の表面の全体を被覆していることが好ましい。図1は、本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックの表面形状について、走査型電子顕微鏡で観察した結果の一例を示す。図1に示すグラファイト付着ガラス繊維ファブリックでは、ガラス繊維ファブリックを構成するガラス繊維の表面の全体が、グラファイトを含有する皮膜によって被覆されている。また、図1に示すグラファイト付着ガラス繊維ファブリックでは、グラファイトを含有する皮膜が、ガラス繊維ファブリックの表面及び内部に存在するガラス繊維を被覆している。
[触媒の担持]
本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックは、必要に応じて、ガス状ダイオキシン類やNOx等を分解し、ガスを浄化するための触媒を担持していてもよい。該触媒としては、例えば、五酸化バナジウム等が挙げられる。また、上記触媒を担持する担体も公知のものを使用することができる。触媒の、本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックへの担持方法も、公知の方法を採用することができる。
[物性及び特定]
本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックの単位面積当たりの質量(g/m2)としては、特に制限されないが、例えば、500~1500g/m2、好ましくは700~1100g/m2が挙げられる。
また、本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックの厚さ(mm)としては、特に制限されないが、例えば、0.3~1.5mm、好ましくは0.6~1.2mmが挙げられる。
本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックの通気度については、集塵フィルターとして許容できる範囲であればよいが、集塵フィルターとして使用した際にガス通過性と集塵性とを両立させるという観点から、例えば、3~20(cc/cm2/s)、好ましくは5~15(cc/cm2/s)が挙げられる。本発明において、「通気度」は、フラジール形試験機を用いて測定される値であり、具体的には、日本工業規格JIS R 3420:2013「ガラス繊維一般試験方法」の7.13「クロスの通気性」に規定されている方法に準拠して測定される値である。
本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックの引張強さについては、集塵フィルターとして許容できる範囲であればよいが、例えば、ガラス繊維ファブリックが織物の場合であれば、経糸と並行方向の引張強さが1300N/25mm以上、且つ緯糸と並行方向の引張強さが800N/25mm以上;好ましくは経糸と並行方向の引張強さが2000~6000N/25mm、且つ緯糸と並行方向の引張強さが2000~6000N/25mmが挙げられる。本発明において、「引張強さ」は、測定対象となるグラファイト付着ガラス繊維ファブリックを長さ250mm、幅25mmの試験片にして、引張試験機を使用し、つかみ間隔15mm、及び引張速度200mm/分に設定して速荷重形引張試験を行い、破断時の引張強さを求めることにより得られる値である。当該引張強さ、具体的には、日本工業規格JIS R 3420:2013「ガラス繊維一般試験方法」の7.4「引張強さ」に規定されている方法に準拠して測定される。
本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックは、250℃を超える雰囲気温度、例えば雰囲気温度400℃の条件下に熱暴露した際に、優れた耐折性を有している。本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックにおいて、ガラス繊維ファブリックが織物である場合、その耐折性としては、具体的には、以下に示す評価方法1により測定される往復折り曲げ回数が、経糸と並行方向で20000回以上、緯糸と並行方向で20000回以上;好ましくは、経糸と並行方向で20000回以上、緯糸と並行方向で30000回以上;より好ましくは、経糸と並行方向で20000回以上、緯糸と並行方向で40000回以上が挙げられる。
(評価方法1)
(1)測定対象となるグラファイト付着ガラス繊維ファブリックを、測定方向の長さ(すなわち、経糸と並行方向の耐折性を測定するときは、経糸と並行方向)が32cm、測定方向と異なる方向の長さ(すなわち、経糸と並行方向の耐折性を測定するときは、経糸と並行方向)が23cmの大きさに切り出し、試験片とする。当該試験片を10枚準備する。
(2)試験片を10枚重ねた状態で、マッフル炉に入れて、400℃で、24時間熱暴露した後に、自然冷却する。
(3)自然冷却後に、10枚重ねた試験片の上から5枚目を取り出し、MIT耐折試験機を用いて、荷重9.8N、折り曲げ装置の折り曲げ面の曲率半径0.38mm、折り曲げ速度175±10回/分に設定して、試験片が切れるまでの往復折り曲げ回数を計測する。当該往復折り曲げ回数の計測は、日本工業規格JIS R 3420:2013「ガラス繊維一般試験方法」の7.14「クロスの耐折強さ」に規定されている方法に準拠して行うことができる。
また、本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックにおいて、ガラス繊維ファブリックが織物である場合、その耐折性の他の好適な例として、以下に示す評価方法2により測定される往復折り曲げ回数が、経糸と並行方向で300回以上、緯糸と並行方向で300回以上;好ましくは、経糸と並行方向で350回以上、緯糸と並行方向で400回以上;より好ましくは、経糸と並行方向で400回以上、緯糸と並行方向で500回以上が挙げられる。
(評価方法2)
(1)測定対象となるグラファイト付着ガラス繊維ファブリックを、測定方向の長さ(すなわち、経糸と並行方向の耐折性を測定するときは、経糸と並行方向)が32cm、測定方向と異なる方向の長さ(すなわち、経糸と並行方向の耐折性を測定するときは、経糸と並行方向)が23cmの大きさに切り出し、試験片とする。
(2)試験片1枚を熱風循環式高温炉に入れて、400℃で、24時間熱暴露した後に、自然冷却する。
(3)自然冷却後の試験片について、MIT耐折試験機を用いて、荷重9.8N、折り曲げ装置の折り曲げ面の曲率半径0.38mm、折り曲げ速度175±10回/分に設定して、試験片が切れるまでの往復折り曲げ回数を計測する。当該往復折り曲げ回数の計測は、日本工業規格JIS R 3420:2013「ガラス繊維一般試験方法」の7.14「クロスの耐折強さ」に規定されている方法に準拠して行うことができる。
[用途]
本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックの用途については、特に制限されないが、集塵フィルターとして好適に使用される。特に、本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックは、250℃を超える雰囲気温度、例えば雰囲気温度400℃の条件下に熱暴露しても、優れた耐折性を有しているので、高温の含塵排気ガスからダストを補足するための集塵機に使用される集塵フィルターとして特に好適に使用される。高温の含塵排気ガスからダストを補足するための集塵機としては、例えば、都市ゴミ焼却炉、産業廃棄物焼却炉、石炭専焼ボイラー、金属溶融炉等において発生する排ガス中のダストを捕捉するために設置される集塵機が挙げられる。
また、本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックを集塵フィルターとして使用する場合、バグ(例えば、直径120~170mm、長さ4~7mの円筒状)に縫製して、バグフィルターとして使用することができる。
更に、本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックが、ガス状ダイオキシン類やNOx等を分解する触媒を担持している場合には、脱硝に好ましい温度域である300℃以上400℃以下の温度範囲で、含塵排気ガスの集塵フィルターとして使用すれば、集塵後に触媒脱硝工程における排ガス再加熱が不要となり、CO2削減に大きく寄与することも可能となる。
[製造方法]
本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックの製造方法は特に限定されない。例えば、まず、ガラス繊維ファブリックを準備する。別途、皮膜に含有させる成分を、水、有機溶剤等の溶媒に、分散又は溶解させた皮膜形成用液を準備する。該皮膜形成用液における固形分(皮膜に含有させる成分の総量)としては、例えば、20~60質量%程度、好ましくは30~55質量%程度に設定すればよい。そして、前記で準備したガラス繊維ファブリックに対して、皮膜形成用液をスプレー法、ディップ法等公知の手法により付着させる。その後、乾燥し、皮膜形成用液に由来する溶媒を除去することにより、本発明のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックが得られる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
1.評価方法
各実施例及び比較例につき、以下の方法により評価をおこなった。
(1)ガラス繊維を構成するガラス組成物の組成及び質量比(質量%)
アルカリ融解-ICP発光分光分析法及び原子吸光光度法により測定した。
(2)ガラス繊維のフィラメント径(μm)
日本工業規格JIS R 3420:2013「ガラス繊維一般試験方法」の7.6「単繊維直径」に規定されているA法に準拠して測定した。
(3)ガラス糸(ヤーン、バルキー加工糸、及び、ヤーンとバルキー加工糸との合撚糸)の番手(tex)
日本工業規格JIS R 3420:2013「ガラス繊維一般試験方法」の7.1「番手」に規定されている方法に準拠して測定した。なお、ヤーンとバルキー加工糸との合撚糸を構成するバルキー加工糸とヤーンとの単位長さあたりの質量比については、該合撚糸を1m採取し、該採取した合撚糸を解撚させてバルキー加工糸とヤーンに分離し、分離したバルキー加工糸とヤーンの質量について、日本工業規格JIS R 3420:2013「ガラス繊維一般試験方法」の7.1「番手」に規定されている方法に準拠して測定し、得られたそれぞれの値から前記質量比を求めた。
(4)ヤーン、及び、ヤーンとバルキー加工糸との合撚糸、の撚り数(回/25mm)
日本工業規格JIS R 3420:2013「ガラス繊維一般試験方法」の7.5「より数」に規定されている方法に準拠して測定した。
(5)ガラス繊維織物の織密度(本/25mm)
得られたガラス繊維織物について、日本工業規格JIS R 3420:2013「ガラス繊維一般試験方法」の7.9「密度(織り密度)」に規定されている方法に準拠して、経糸及び緯糸の織密度を測定した。
(6)ガラス繊維織物の厚さ(μm)
日本工業規格JIS R 3420:2013「ガラス繊維一般試験方法」の7.10.1「クロスの厚さ」に規定されているA法に準拠して、マイクロメータを用いて0.001mm(1μm)の桁まで測定した。これを5か所についておこない、該5か所の平均値を、日本工業規格JIS Z 8401:1999「数値の丸め方」に規定されている規則Bに従って、数値を丸め、0.001mm(1μm)の桁まで算出した。
(7)ガラス繊維織物の質量(g/m2
日本工業規格JIS R 3420:2013「ガラス繊維一般試験方法」の7.2の「クロス及びマットの質量(質量)」に規定されている方法に準拠して測定した。
(8)皮膜の付着量(質量%)、各組成比(質量部)
ガラス繊維を被覆している皮膜の各組成比については、後述する皮膜形成用液における各成分の固形分濃度から求めた。また、皮膜の被覆量について、まず、ガラス繊維を被覆している皮膜について、グラファイト以外の他の成分の量を、日本工業規格JIS R 3420:2013「ガラス繊維一般試験方法」の7.3.2「強熱減量」に規定されている方法に準拠して算出した。そして、得られたグラファイト以外の他の成分の量と、上記求めた各組成比から、ガラス繊維を被覆している皮膜の被覆量、及びグラファイト量を算出した。
(9)グラファイト付着ガラス繊維織物の通気度(cc/cm2/s)
フラジール形試験機(株式会社東洋精機製作所社製 フラジールパーミヤメータ(フラジール形通気度試験機 型番:FP-2))を用いて、日本工業規格JIS R 3420:2013「ガラス繊維一般試験方法」の7.13「クロスの通気性」に規定されている方法に準拠して、グラファイト付着ガラス繊維織物の通気度を測定した。
(10)グラファイト付着ガラス繊維織物又はガラス繊維織物の耐折性I(回)
前述した評価方法1(熱処理試験I)に従って、往復折り曲げ回数を測定した。なお、本測定において、マッフル炉は、(ADVANTEC)社製の(KL-600)を使用し、MIT耐折試験機は、(株式会社東洋精機製作所)社製の(D型)を使用した。
(11)グラファイト付着ガラス繊維織物又はガラス繊維織物の耐折性II(回)
前述した評価方法2(熱処理試験II)に従って、往復折り曲げ回数を測定した。なお、本測定において、熱風循環式高温炉は、ハイテンプオーブン(旭科学株式会社製商品名HP80)を使用し、MIT耐折試験機は、(株式会社東洋精機製作所)社製の(D型)を使用した。
(12)グラファイト付着ガラス繊維織物又はガラス繊維織物の引張強さ(N/25mm)
測定対象となるグラファイト付着ガラス繊維織物又はガラス繊維織物から、長さ250mm、幅25mmの試験片を準備した。該試験片について、日本工業規格JIS R 3420:2013「ガラス繊維一般試験方法」の7.4「引張強さ」に規定されている定速荷重形引張試験法によって、グラファイト付着ガラス繊維織物又はガラス繊維織物の引張強さを測定した。なお、本測定において、引張試験機として株式会社オリエンテック製商品名RTC-1310Aを用い、つかみ間隔を150mm、引張速度を200mm/分に設定した。また、引張強さは、上記(10)及び(11)の評価における熱暴露の前後のグラファイト付着ガラス繊維織物又はガラス繊維織物について測定した。
2.使用したガラス繊維を構成するガラス組成物
使用したガラス繊維を構成するガラス組成物を前記方法で測定したところ、以下の組成であることが確認された。なお、ガラス組成物CはEガラスであり、ガラス組成物Cに関する下記組成は、Eガラスの一般的な組成を示している。
(1)ガラス組成物A:SiO2が65.0質量%、Al23が25.0質量%、MgOが10.0質量%であるガラス組成物
(2)ガラス組成物B:SiO2が61.9質量%、Al23が19.4質量%、MgOが15.3質量%、残部がN2O、K2O、Fe23、CaO及びB23であるガラス組成物
(3)ガラス組成物C:Eガラス組成物(SiO2が52~56質量%、Al23が12~16質量%、CaOが15~25質量%、MgOが0~6質量%、B23が5~13質量%、残部Na23及びK23であるガラス組成物)
3.グラファイト付着ガラス繊維織物、及び皮膜を有していないガラス繊維織物の製造
(実施例1)
経糸として、ユニチカ株式会社製商品名D450 6/2 3.8S(D450 1/0 1Zを6本下撚りしたものを2本上撚りした合撚糸、上撚り数3.8回/25mm、フィラメント径5.0μm、番手134.4tex)、緯糸として、ユニチカ株式会社製商品名STD410(バルキー加工糸、フィラメント径5.0μm、番手410.0tex)を用いた。なお、経糸及び緯糸は、共に、ガラス繊維を構成するガラス組成物は上記ガラス組成物Aである。
上記経糸、及び緯糸を用い、緯二重織組織で製織(経糸密度48本/25mm、緯糸密度38本/25mm)し、温度680℃、時間30秒の条件でキャラメライジング処理を行い、ガラス繊維織物を得た。
次に、皮膜形成用液を準備した。皮膜形成用液は、グラファイト分散液(グラファイト22.5質量%、カルボキシメチルセルロース(以下、「CMC」と略することがある。)7.5質量%を含む水分散液)100質量部と、ポリテトラフロオロエチレン(以下、「PTFE」と略することがある。)溶液(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製商品名PTFE 31-JR、PTFEの濃度60質量%)50質量部と、を混合することにより得た。
得られたガラス繊維織物を、上記皮膜形成用液中に含浸し、ニップロールにてニップ圧を1kgf/cm2として絞り、2段階の乾燥(1段目:温度210℃、時間15分、2段目:温度250℃、時間15分)にて乾燥させ、グラファイト付着ガラス繊維織物を得た。得られたグラファイト付着ガラス繊維織物を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図1に示すように、グラファイトを含む皮膜は、少なくとも一部のガラス繊維上に、該ガラス繊維を覆っている状態で存在していた。また、グラファイトを含む皮膜は、ガラス繊維織物の表面及び内部のガラス繊維を被覆していた。ガラス繊維を被覆している皮膜100質量部当たり、グラファイトは37.5質量部含まれていた。
(実施例2)
皮膜形成用液を、グラファイト分散液(グラファイト固形分濃度20質量%、CMC固形分濃度10質量%、を含む水分散液)100質量部と、PTFE溶液(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製商品名PTFE 31-JR、PTFEの固形分濃度60質量%)50質量部と、を混合することにより得たこと以外は、実施例1と同様の条件で、グラファイト付着ガラス繊維織物を得た。得られたグラファイト付着ガラス繊維織物を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図1と同様に、グラファイトを含む皮膜は、少なくとも一部のガラス繊維上に、該ガラス繊維を覆っている状態で存在していた。また、グラファイトを含む皮膜は、ガラス繊維織物の表面及び内部のガラス繊維上に含まれていた。ガラス繊維を被覆している皮膜100質量部当たり、グラファイトは33.4質量部含まれていた。
(実施例3)
皮膜形成用液を、グラファイト分散液(グラファイト濃度25質量%、CMC濃度5質量%、を含む水分散液)100質量部と、PTFE溶液(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製商品名PTFE 31-JR、PTFE濃度60質量%)50質量部と、を混合することにより得たこと以外は、実施例1と同様の条件で、グラファイト付着ガラス繊維織物を得た。得られたグラファイト付着ガラス繊維織物を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図1と同様に、グラファイトを含む皮膜は、少なくとも一部のガラス繊維上に、該ガラス繊維を覆っている状態で存在していた。また、グラファイトを含む皮膜は、ガラス繊維織物の表面及び内部のガラス繊維上に含まれていた。ガラス繊維を被覆している皮膜100質量部当たり、グラファイトは41.7質量部含まれていた。
(実施例4)
経糸として、ユニチカ株式会社製商品名D450 6/2 3.8S(D450 1/0 1Zを6本下撚りしたものを2本上撚りした合撚糸、上撚り数3.8回/25mm、フィラメント径5.0μm、番手134.4tex)、緯糸として、ユニチカ株式会社製商品名STD300(バルキー加工糸、フィラメント径5.0μm、番手302.0tex)1本と、ユニチカ株式会社製商品名D450 3/0(フィラメント径5.0μm、番手33.6tex)1本とを合撚した糸(撚り数2.0S、番手335.6tex)を用いた。なお、経糸及び緯糸は、共に、ガラス繊維を構成するガラス組成物は上記ガラス組成物Aである。
上記経糸及び緯糸を用い、緯二重織組織で製織(経糸密度48本/25mm、緯糸密度47本/25mm)し、温度680℃、時間30秒の条件でキャラメライジング処理をおこない、ガラス繊維織物を得た。
次に、皮膜形成用液を準備した。皮膜形成用液は、グラファイト分散液(グラファイト22.5質量%、CMC7.5質量%、を含む水分散液)100質量部と、PTFE溶液(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製商品名PTFE 31-JR、PTFE濃度60質量%)50質量部と、を混合することにより得た。
得られたガラス繊維織物を、上記皮膜形成用液中に含浸し、ニップロールにてニップ圧を1kgf/cm2として絞り、2段階の乾燥(1段目:温度210℃、時間15分、2段目:温度250℃、時間15分)にて乾燥させ、グラファイト付着ガラス繊維織物を得た。得られたグラファイト付着ガラス繊維織物を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図1と同様に、グラファイトを含む皮膜は、少なくとも一部のガラス繊維上に、該ガラス繊維を覆っている状態で存在していた。また、グラファイトを含む皮膜は、ガラス繊維織物の表面及び内部のガラス繊維上に含まれていた。ガラス繊維を被覆している皮膜100質量部当たり、グラファイトは37.5質量部含まれていた。
(実施例5)
経糸として、ユニチカ株式会社製商品名D450 6/2 3.8S(D450 1/0 1Zを6本下撚りしたものを2本上撚りした合撚糸、上撚り数3.8回/25mm、フィラメント径5.0μm、番手134.4tex)、緯糸として、ユニチカ株式会社製商品名STD410(バルキー加工糸、フィラメント径5.0μm、番手410.0tex)を用いた。なお、経糸及び緯糸は、共に、ガラス繊維を構成するガラス組成物は上記ガラス組成物Aである。
上記経糸及び緯糸を用い、緯二重織組織で製織(経糸密度48本/25mm、緯糸密度38本/25mm)し、温度680℃、時間30秒の条件でキャラメライジング処理をおこない、ガラス繊維織物を得た。
次に、皮膜形成用液を準備した。皮膜形成用液は、グラファイト分散液(グラファイト22.5質量%、CMC7.5質量%、を含む水分散液)25質量部と、PTFE溶液(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製商品名PTFE 31-JR、PTFE濃度60質量%)50質量部と、を混合することにより得た。
得られたガラス繊維織物を、上記皮膜形成用液中に含浸し、ニップロールにてニップ圧を1kgf/cm2として絞り、2段階の乾燥(1段目:温度210℃、時間15分、2段目:温度250℃、時間15分)にて乾燥させ、グラファイト付着ガラス繊維織物を得た。得られたグラファイト付着ガラス繊維織物を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図1と同様に、グラファイトを含む皮膜は、少なくとも一部のガラス繊維上に、該ガラス繊維を覆っている状態で存在していた。また、グラファイトを含む皮膜は、ガラス繊維織物の表面及び内部のガラス繊維上に含まれていた。ガラス繊維を被覆している皮膜100質量部当たり、グラファイトは15.0質量部含まれていた。
(実施例6)
経糸として、ユニチカ株式会社製商品名D450 6/2 3.8S(D450 1/0 1Zを6本下撚りしたものを2本上撚りした合撚糸、上撚り数3.8回/25mm、フィラメント径5.0μm、番手134.4tex)、緯糸として、ユニチカ株式会社製商品名STD410(バルキー加工糸、フィラメント径5.0μm、番手410.0tex)を用いた。なお、経糸及び緯糸は、共に、ガラス繊維を構成するガラス組成物は上記ガラス組成物Aである。
上記経糸及び緯糸を用い、緯二重織組織で製織(経糸密度48本/25mm、緯糸密度38本/25mm)し、温度680℃、時間30秒の条件でキャラメライジング処理をおこない、ガラス繊維織物を得た。
次に、皮膜形成用液を準備した。皮膜形成用液は、グラファイト分散液(グラファイト22.5質量%、CMC7.5質量%、を含む水分散液)10質量部と、PTFE溶液(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製商品名PTFE 31-JR、PTFE濃度60質量%)50質量部と、を混合することにより得た。
得られたガラス繊維織物を、上記皮膜形成用液中に含浸し、ニップロールにてニップ圧を1kgf/cm2として絞り、2段階の乾燥(1段目:温度210℃、時間15分、2段目:温度250℃、時間15分)にて乾燥させ、グラファイト付着ガラス繊維織物を得た。得られたグラファイト付着ガラス繊維織物を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図1と同様に、グラファイトを含む皮膜は、少なくとも一部のガラス繊維上に、該ガラス繊維を覆っている状態で存在していた。また、グラファイトを含む皮膜は、ガラス繊維織物の表面及び内部のガラス繊維上に含まれていた。ガラス繊維を被覆している皮膜100質量部当たり、グラファイトは6.8質量部含まれていた。
(実施例7)
経糸として、ユニチカ株式会社製商品名D450 6/2 3.8S(D450 1/0 1Zを6本下撚りしたものを2本上撚りした合撚糸、上撚り数3.8回/25mm、フィラメント径5.0μm、番手134.4tex)、緯糸として、ユニチカ株式会社製商品名STD410(バルキー加工糸、フィラメント径5.0μm、番手410.0tex)を用いた。なお、経糸及び緯糸は、共に、ガラス繊維を構成するガラス組成物は上記ガラス組成物Aである。
上記経糸及び緯糸を用い、緯二重織組織で製織(経糸密度48本/25mm、緯糸密度38本/25mm)し、温度680℃、時間30秒の条件でキャラメライジング処理をおこない、ガラス繊維織物を得た。
次に、皮膜形成用液を準備した。皮膜形成用液は、グラファイト分散液(グラファイト濃度22.5質量%、CMC濃度7.5質量%、を含む水分散液)50質量部と、シランカップリング剤(JNC株式会社製商品名サイラエース(登録商標)S330、不揮発分0%)5質量部と、25%アンモニア水溶液を0.2質量部と、シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製商品名KM-9739(不揮発分30質量%))12質量部と、シリコーン樹脂(DIC北日本ポリマ株式会社製商品名ディックシリコンソフナー500(不揮発分15質量%)0.6質量部と、アクリル樹脂(DIC株式会社製商品名DICNAL(登録商標) E-8410WH(不揮発分40質量%))5質量部と、湿潤浸透剤(花王株式会社商品名ペレックス(登録商標)OT-P(有効成分70質量%))1.5質量部とを混合することにより得た。
得られたガラス繊維織物を、上記皮膜形成用液中に含浸し、ニップロールにてニップ圧を1kgf/cm2として絞り、2段階の乾燥(1段目:温度210℃、時間15分、2段目:温度250℃、時間15分)にて乾燥させ、グラファイト付着ガラス繊維織物を得た。得られたグラファイト付着ガラス繊維織物を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図1と同様に、グラファイトを含む皮膜は、少なくとも一部のガラス繊維上に、該ガラス繊維を覆っている状態で存在していた。また、グラファイトを含む皮膜は、ガラス繊維織物の表面及び内部のガラス繊維上に含まれていた。ガラス繊維を被覆している皮膜100質量部当たり、グラファイトは12.6質量部含まれていた。
(実施例8)
経糸として、ユニチカ株式会社製商品名D450 6/2 3.8S(D450 1/0 1Zを6本下撚りしたものを2本上撚りした合撚糸、上撚り数3.8回/25mm、フィラメント径5.0μm、番手134.4tex)、緯糸として、ユニチカ株式会社製商品名STD410(バルキー加工糸、フィラメント径5.0μm、番手410.0tex)を用いた。なお、経糸及び緯糸は、共に、ガラス繊維を構成するガラス組成物は上記ガラス組成物Aである。
上記経糸及び緯糸を用い、緯二重織組織で製織(経糸密度48本/25mm、緯糸密度38本/25mm)し、温度680℃、時間30秒の条件でキャラメライジング処理をおこない、ガラス繊維織物を得た。
次に、皮膜形成用液を準備した。皮膜形成用液は、グラファイト分散液(グラファイト濃度22.5質量%、CMC濃度7.5質量%、を含む水分散液)50質量部と、25%アンモニア水溶液を0.2質量部と、シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製商品名KM-9739(不揮発分30質量%))12質量部と、シリコーン樹脂(DIC北日本ポリマ株式会社製商品名ディックシリコンソフナー500(不揮発分15質量%)0.6質量部と、アクリル樹脂(DIC株式会社製商品名DICNAL(登録商標) E-8410WH(不揮発分40質量%))5質量部と、湿潤浸透剤(花王株式会社商品名ペレックス(登録商標)OT-P(有効成分70質量%))1.5質量部とを混合することにより得た。
得られたガラス繊維織物を、上記皮膜形成用液中に含浸し、ニップロールにてニップ圧を1kgf/cm2として絞り、2段階の乾燥(1段目:温度210℃、時間15分、2段目:温度250℃、時間15分)にて乾燥させ、グラファイト付着ガラス繊維織物を得た。得られたグラファイト付着ガラス繊維織物を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図1と同様に、グラファイトを含む皮膜は、少なくとも一部のガラス繊維上に、該ガラス繊維を覆っている状態で存在していた。また、グラファイトを含む皮膜は、ガラス繊維織物の表面及び内部のガラス繊維上に含まれていた。ガラス繊維を被覆している皮膜100質量部当たり、グラファイトは13.9質量部含まれていた。
(実施例9)
経糸として、ユニチカ株式会社製商品名D450 6/2 3.8S(D450 1/0 1Zを6本下撚りしたものを2本上撚りした合撚糸、上撚り数3.8回/25mm、フィラメント径5.0μm、番手134.4tex)、緯糸として、ユニチカ株式会社製商品名UTD410(バルキー加工糸、フィラメント径5.0μm、番手410.0tex)を用いた。なお、経糸及び緯糸は、共に、ガラス繊維を構成するガラス組成物は上記ガラス組成物Bである。
上記経糸及び緯糸を用い、緯二重織組織で製織(経糸密度48本/25mm、緯糸密度38本/25mm)し、温度680℃、時間30秒の条件でキャラメライジング処理をおこない、ガラス繊維織物を得た。
次に、皮膜形成用液を準備した。皮膜形成用液は、グラファイト分散液(グラファイト固形分22.5質量%、CMC固形分7.5質量%を含む水分散液)100質量部と、PTFE溶液(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製商品名PTFE 31-JR、PTFEの固形分濃度60質量%)50質量部と、を混合することにより得た。
得られたガラス繊維織物を、上記皮膜形成用液中に含浸し、ニップロールにてニップ圧を1kgf/cm2として絞り、2段階の乾燥(1段目:温度210℃、時間15分、2段目:温度250℃、時間15分)にて乾燥させ、グラファイト付着ガラス繊維織物を得た。得られたグラファイト付着ガラス繊維織物を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図1と同様に、グラファイトを含む皮膜は、少なくとも一部のガラス繊維上に、該ガラス繊維を覆っている状態で存在していた。また、グラファイトを含む皮膜は、ガラス繊維織物の表面及び内部のガラス繊維上に含まれていた。ガラス繊維を被覆している皮膜100質量部当たり、グラファイトは37.5質量部含まれていた。
(比較例1)
経糸として、ユニチカ株式会社製商品名D450 6/2 3.8S(D450 1/0 1Zを6本下撚りしたものを2本上撚りした合撚糸、上撚り数3.8回/25mm、フィラメント径5.0μm、番手134.4tex)、緯糸として、ユニチカ株式会社製商品名STD410(バルキー加工糸、フィラメント径5.0μm、番手410.0tex)を用いた。なお、経糸及び緯糸は、共に、ガラス繊維を構成するガラス組成物は上記ガラス組成物Aである。
上記経糸及び緯糸を用い、緯二重織組織で製織(経糸密度48本/25mm、緯糸密度38本/25mm)し、温度680℃、時間30秒の条件でキャラメライジング処理をおこない、ガラス繊維織物を得た。該ガラス繊維織物の質量は876.5g/m2であった。
(比較例2)
経糸として、ユニチカ株式会社製商品名D450 6/2 3.8S(D450 1/0 1Zを6本下撚りしたものを2本上撚りした合撚糸、上撚り数3.8回/25mm、フィラメント径5.0μm、番手134.4tex)、緯糸として、ユニチカ株式会社製商品名STD300(バルキー加工糸、フィラメント径5.0μm、番手302.0tex)1本と、ユニチカ株式会社製商品名D450 3/0(フィラメント径5.0μm、番手33.6tex)1本とを合撚した糸(撚り数2.0S、番手335.6tex)を用いた。なお、経糸及び緯糸は、共に、ガラス繊維を構成するガラス組成物は上記ガラス組成物Aである。
上記経糸及び緯糸を用い、緯二重織組織で製織(経糸密度48本/25mm、緯糸密度47本/25mm)し、温度680℃、時間30秒の条件でキャラメライジング処理をおこない、ガラス繊維織物を得た。該ガラス繊維織物の質量は839g/m2であった。
(比較例3)
経糸として、ユニチカ株式会社製商品名D450 6/2 3.8S(D450 1/0 1Zを6本下撚りしたものを2本上撚りした合撚糸、上撚り数3.8回/25mm、フィラメント径5.0μm、番手134.4tex)、緯糸として、ユニチカ株式会社製商品名STD300(バルキー加工糸、フィラメント径5.0μm、番手302.0tex)を用いた。なお、経糸及び緯糸は、共に、ガラス繊維を構成するガラス組成物は上記ガラス組成物Bである。
上記経糸、及び緯糸を用い、緯二重織組織で製織(経糸密度48本/25mm、緯糸密度47本/25mm)し、温度680℃、時間30秒の条件でキャラメライジング処理をおこない、ガラス繊維織物を得た。該ガラス繊維織物の質量は815.9g/m2であった。
(比較例4)
経糸として、ユニチカ株式会社製商品名D450 6/2 3.8S(D450 1/0 1Zを6本下撚りしたものを2本上撚りした合撚糸、上撚り数3.8回/25mm、フィラメント径5.0μm、番手134.4tex)、緯糸として、ユニチカ株式会社製商品名TDE300(バルキー加工糸、フィラメント径6.0μm、番手302.0tex)を用いた。なお、経糸及び緯糸は、共に、ガラス繊維を構成するガラス組成物は上記ガラス組成物Cである。
上記経糸及び緯糸を用い、緯二重織組織で製織(経糸密度48本/25mm、緯糸密度38本/25mm)し、ガラス繊維織物を得た。
次に、皮膜形成用液を準備した。皮膜形成用液は、グラファイト分散液(グラファイト濃度22.5質量%、CMC濃度7.5質量%、を含む水分散液)28質量部と、シランカップリング剤(JNC株式会社製商品名サイラエース(登録商標)S330、不揮発分0%)5質量部と、25%アンモニア水溶液を0.2質量部と、シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製商品名KM-9739(不揮発分30質量%))12質量部と、シリコーン樹脂(DIC北日本ポリマ株式会社製商品名ディックシリコンソフナー500(不揮発分15質量%)0.6質量部と、アクリル樹脂(DIC株式会社製商品名DICNAL(登録商標) E-8410WH(不揮発分40質量%))5質量部と、湿潤浸透剤(花王株式会社商品名ペレックス(登録商標)OT-P(有効成分70質量%))とを混合することにより得た。
得られたガラス繊維織物を、上記皮膜形成用液中に含浸し、ニップロールにてニップ圧を1kgf/cm2として絞り、2段階の乾燥(1段目:温度210℃、時間15分、2段目:温度250℃、時間15分)にて乾燥させ、グラファイト付着ガラス繊維織物を得た。得られたグラファイト付着ガラス繊維織物を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図1と同様に、グラファイトを含む皮膜は、少なくとも一部のガラス繊維上に、該ガラス繊維を覆っている状態で存在していた。また、グラファイトを含む皮膜は、ガラス繊維織物の表面及び内部のガラス繊維上に含まれていた。ガラス繊維を被覆している皮膜100質量部当たり、グラファイトは31.2質量部含まれていた。
(比較例5)
経糸として、ユニチカ株式会社製商品名D450 6/2 3.8S(D450 1/0 1Zを6本下撚りしたものを2本上撚りした合撚糸、上撚り数3.8回/25mm、フィラメント径5.0μm、番手134.4tex)、緯糸として、ユニチカ株式会社製商品名TDE300(バルキー加工糸、フィラメント径6.0μm、番手302.0tex)を用いた。なお、経糸及び緯糸は、共に、ガラス繊維を構成するガラス組成物は上記ガラス組成物Cである。
上記経糸及び緯糸を用い、緯二重織組織で製織(経糸密度48本/25mm、緯糸密度38本/25mm)し、ガラス繊維織物を得た。
次に、処理液を準備した。処理液は、グラファイト分散液(グラファイト固形分濃度20質量%、CMC固形分濃度10質量%、を含む水分散液)50質量部と、シランカップリング剤(JNC株式会社製商品名サイラエース(登録商標)S330、不揮発分0%)5質量部と、25%アンモニア水溶液を0.2質量部と、シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製商品名KM-9739(不揮発分30質量%))12質量部と、シリコーン樹脂(DIC北日本ポリマ株式会社製商品名ディックシリコンソフナー500(不揮発分15質量%)0.6質量部と、アクリル樹脂(DIC株式会社製商品名DICNAL(登録商標) E-8410WH(不揮発分40質量%))5質量部と、湿潤浸透剤(花王株式会社商品名ペレックス(登録商標)OT-P(有効成分70質量%))とを混合することにより得た。
得られたガラス繊維織物を、上記皮膜形成用液中に含浸し、ニップロールにてニップ圧を1kgf/cm2として絞り、2段階の乾燥(1段目:温度210℃、時間15分、2段目:温度250℃、時間15分)にて乾燥させ、グラファイト付着ガラス繊維織物を得た。得られたグラファイト付着ガラス繊維織物を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図1と同様に、グラファイトを含む皮膜は、少なくとも一部のガラス繊維上に、該ガラス繊維を覆っている状態で存在していた。また、グラファイトを含む皮膜は、ガラス繊維織物の表面及び内部のガラス繊維上に含まれていた。ガラス繊維を被覆している皮膜100質量部当たり、グラファイトは42.0質量部含まれていた。
4.評価結果
得られたグラファイト付着ガラス繊維織物の評価結果を表1に示す。
Figure 2022100338000001

ガラス繊維織物を構成するガラス繊維の組成が、SiO2が60.0~66.0質量%、Al23が18.0~26.0質量%、MgOが8.0~20.0%を満たし、且つ該ガラス繊維の表面の少なくとも一部がグラファイトを含む皮膜で被覆されている場合には、400℃の熱に暴露されても、優れた耐折性を維持できていた(実施例1~9)。特に、ガラス繊維織物を構成する緯糸として、マルチフィラメント糸からなるバルキー加工糸とマルチフィラメント糸からなるヤーンとの合撚糸を使用した場合には、緯方向における耐折性がより一層優れたものであった(実施例4)。また、実施例1~9では、グラファイトを含む皮膜において、バインダー成分として、分子構造内に側鎖及び分岐のない熱可塑性樹脂であるPTFE樹脂を使用しているので、縫製時の針通し性が特に良好であった。更に、実施例1~9では、集塵フィルターとして使用した際の集塵性も良好であった。
一方、グラファイトを含む皮膜でガラス繊維が被覆されていないガラス繊維織物では、400℃の熱暴露後の耐折性が不十分であった(比較例1~3)。更に、比較例1~3は、縫製時の針通し性に劣るものであった。また、グラファイトを含む皮膜でガラス繊維を被覆しても、該ガラス繊維がEガラスによって形成されている場合でも、400℃の熱暴露後の耐折性が不十分であった。

Claims (9)

  1. ガラス繊維ファブリックと、
    グラファイトを含む皮膜と、を有し、
    前記皮膜が、前記ガラス繊維ファブリックを構成するガラス繊維の表面の少なくとも一部を被覆しており、
    前記ガラス繊維を構成するガラス組成物が、SiO2を60.0~66.0質量%、Al23を18.0~26.0質量%、及びMgOを8.0~20.0質量%含有する、
    グラファイト付着ガラス繊維ファブリック。
  2. 前記ガラス繊維を構成するガラス組成物が、SiO2を64.0~66.0質量%、Al23を24.0~26.0質量%、MgOを9.0~11.0%、その他成分を3質量%以下(0質量%を含む。)含有する、請求項1に記載のグラファイト付着ガラス繊維ファブリック。
  3. 前記皮膜が、分子構造内に側鎖及び分岐のない熱可塑性樹脂及び/又はシリコーンオイルを含む、請求項1又は2に記載のグラファイト付着ガラス繊維ファブリック。
  4. 前記皮膜が、カルボキシメチルセルロースを含む、請求項1~3のいずれかに記載のグラファイト付着ガラス繊維ファブリック。
  5. 前記ガラス繊維ファブリックが織物であり、且つ、
    前記織物を構成する緯糸が、マルチフィラメント糸からなるバルキー加工糸とマルチフィラメント糸からなるヤーンとの合撚糸である、
    請求項1~4のいずれかに記載のグラファイト付着ガラス繊維ファブリック。
  6. 前記皮膜100質量部当たり、前記グラファイトが30質量部以上含まれる、請求項1~5のいずれかに記載のグラファイト付着ガラス繊維ファブリック。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックを含む集塵フィルター。
  8. バグフィルターである、請求項7に記載の集塵フィルター。
  9. 請求項1~6のいずれかに記載のグラファイト付着ガラス繊維ファブリックの、集塵フィルターとしての使用。
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