JP2022096293A - 天井下地構造、天井下地構造の施工方法及び耐震接続部材 - Google Patents

天井下地構造、天井下地構造の施工方法及び耐震接続部材 Download PDF

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Figure 2022096293000001
【課題】天井スラブから垂下される全ネジ等の吊下部材の設置数を削減し、また天井裏空間における設備配管等の配設が容易な天井下地構造を提供する。
【解決手段】天井スラブCから吊下される複数の吊下部材10と、それぞれの吊下部材10に接続される耐震接続部材20と、隣接する耐震接続部材20の間に架設される複数の架橋部材30と、耐震接続部材20の下部に接続され、天井パネル42が取り付けられるパネル用枠体41と、を有する天井下地構造1であって、天井スラブC、吊下部材10及び架橋部材30に囲まれて成る第1の空間S1において、架橋部材30又は吊下部材10に固定して天井裏設備Pを配設する。
【選択図】図1

Description

本発明は、天井裏空間に設けられる天井下地構造、当該天井下地構造の施工方法及び当該天井下地構造が備える耐震接続部材に関するものである。
建築構造物の居室の天井を構成する天井パネルの裏側、いわゆる天井裏空間には、例えば空調用ダクト、空調用配管、ガス配管や電装配線などを含む種々の設備配管等が配設されている。これらの設備配管等は、建築構造物の天井スラブから吊下するように配設される場合がある。
具体的には、例えば特許文献1には、懸垂物体である空調用ダクトを常磁性の固定物体に吊り下げ支持することが開示されている。特許文献1に記載の吊り下げ支持方法によれば、吊り金具を磁力によって前記固定物体に固着し、当該吊り金具にワイヤ及びバンドを用いて空調ダクトを吊り下げ支持する。
また特許文献2には、天井等に所定間隔で設けられたフックに掛けられた吊り紐と、廃気用ダクトに固定された掛け金具とをつなぐことで、ダクト装置の廃気用ダクトを天井等から吊下固定することが開示されている。
更に特許文献3には、天井スラブ等の取付面に吊下固定される吊りボルトに、タンバックルの如き吊下耐震接続部材を介して配管を抱持する円環状のバンド抱持部が接続された、配管吊下支持具が開示されている。
特開平8-338569号公報 特開2002-013771号公報 特開2020-153477号公報
しかしながら、上述のように天井スラブに吊下固定される設備配管等は、その目的に応じて天井裏空間の内部でそれぞれが独立して配設されることが一般的であり、各々の設備配管等の配設経路の取り合い、すなわち空間的制約を考慮することが困難であった。
具体的には、従来の設備配管等の配設方法においては、それぞれの設備配管等が独立して配設されるため、それぞれの設備配管等を吊下するための吊下部材(例えばワイヤや全ネジ等)を独立して天井スラブから垂下する必要があった。これにより、天井スラブから垂下する当該吊下部材の設置数が膨大になり、天井裏空間に設備配管等を配設する場合の空間的制約が特に大きかった。
また、一般的に天井スラブから吊下部材を垂下する場合、当該吊下部材は天井スラブに埋設されるインサートに挿通して設けられる。このため、例えば設備配管等に設計変更が生じた場合、天井スラブに新たなインサートを埋設し、吊下部材を垂下し、更に他の設備配管等を考慮して施工を行う必要があり、設計変更にかかる設備配管等の施工に多大な労力とコストを要する場合があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、天井スラブから垂下される全ネジ等の吊下部材の設置数を削減し、また天井裏空間における設備配管等の配設が容易な天井下地構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するため、本発明は、天井下地構造であって、天井スラブから吊下される複数の吊下部材と、それぞれの前記吊下部材に接続される耐震接続部材と、隣接する前記耐震接続部材の間に架設される複数の架橋部材と、前記耐震接続部材の下部に接続され、天井パネルが取り付けられるパネル用枠体と、を有し、前記天井スラブ、前記吊下部材及び前記架橋部材に囲まれて成る第1の空間と、前記第1の空間の下方で、前記架橋部材、前記耐震接続部材及び前記パネル用枠体に囲まれて成る第2の空間と、が形成され、天井裏設備が、前記第1の空間において前記架橋部材又は前記吊下部材に固定して配設されることを特徴としている。
本発明によれば、建築構造物の天井スラブと、居室の天井面を構成する天井パネルと、の間に第1の空間と第2の空間とを形成し、上述した空調用ダクト、空調用配管、水配管、スプリンクラー配管、ガス配管、電装配線、信号配線、ルータ、アンテナ、循環ファンや各種センサなどを含む種々の天井裏設備等は、第1の空間において前記架橋部材又は前記吊下部材に固定して配設される。これにより、天井裏設備等を天井スラブから吊下することなく配設することが可能になるため、従来のように天井スラブから垂下する吊下部材の数を大幅に削減し、天井裏設備の施工を容易におこなうことができる。
また、このように第1の空間においては吊り金具を用いることなく吊下部材や架橋部材に固定して天井裏設備等が配設され、当該第1の空間の下方には、設備配管等が配設されない第2の空間が形成される。このため、例えば天井裏設備等に設計変更が生じた場合であっても新たな吊下部材を追加して設置する必要がなく、第2の空間を利用して容易に設計変更に対応することが可能である。
かかる場合、端部に位置する前記架橋部材が建築躯体に当接して設けられることが好ましい。このように、天井スラブに加えて建築躯体に対して天井下地構造を固定することで、天井下地構造の水平方向に対する揺動を抑制して、当該天井下地構造の耐震性を向上できる。
またこのとき、前記架橋部材の建築躯体側の端部には、前記建築躯体に対向して設けられる支持材と、弾性部材とを、前記架橋部材の端部側からこの順で設けることが好ましい。このように弾性部材を設けることにより、建築躯体に建築上の誤差がある場合や、複数の架橋部材のそれぞれの長さに誤差がある場合に、これら誤差に起因する天井下地構造の変位を吸収できる。また、このように建築躯体に対向して支持体を設けることにより、建築躯体に被覆して設けられる防耐火被覆材に、架橋部材の接触に起因して損傷を与えることを抑制できる。
なお、弾性部材の端部に前記支持体を設けることに代え、当該弾性部材の端部に非鋭利化処理を施すことによっても、同様に、防耐火被覆材に損傷を与えることを抑制できる。ここで弾性部材の端部を非鋭利化処理するとは、例えば弾性部材の先端部に対する面取り加工、ゴムの取り付け又は面部材の取り付け等を行うことにより、弾性部材の端部に鋭利な部分をなくすことを言う。
複数の前記架橋部材は格子状に配置され、前記耐震接続部材は、前記架橋部材が直交配置で接続される接続部と、前記架橋部材の接続方向に沿って、前記接続部の下方に延伸して設けられる耐震プレートと、を有していてもよい。かかる場合、前記耐震プレートは、前記接続部と接続される上辺が、前記パネル用枠体と接続される下辺よりも長く形成されることが望ましい。このように耐震プレートが設けられた耐震接続部材により前記架橋部材を相互に接続することにより、天井下地構造の耐震性を更に向上できる。
また1つの架橋部材により相互に接続される2つの耐震接続部材は、前記耐震プレートの向きが互いに交差するように設けられることが望ましい。耐震接続部材は、耐震プレートの面方向により抵抗力の作用する方向が決定されるが、このように隣接する耐震接続部材の耐震プレートの向きを交差させることで、天井下地構造の耐震性を更に向上できる。
なお、本発明にかかる天井下地構造においては、建築構造物の居室内に空気を供給する空調システムの室内機を前記第2の空間に配置してもよい。かかる場合、当該室内機は前記第1の空間に配設される前記天井裏設備であるダクトと接続される。これにより室内機の本体が天井裏設備と干渉することが適切に抑制される。また、例えば当該室内機の位置を変更する必要が生じた場合であっても、天井裏設備と室内機とを接続する接続用配管の長さを変更することのみによって、容易に第2の空間の内部で室内機の位置を変更できる。
別の観点にかかる本発明は、天井下地構造の施工方法であって、天井スラブから複数の吊下部材を吊下し、それぞれの前記吊下部材に耐震接続部材を接続し、隣接する前記耐震接続部材の間に架橋部材を架設し、前記天井スラブ、前記吊下部材及び前記架橋部材に囲まれて成る第1の空間において、前記架橋部材又は前記吊下部材に固定して天井裏設備を配設し、前記耐震接続部材の下部にパネル用枠体を接続し、前記パネル用枠体に天井パネルを取り付けることを特徴としている。
本発明によれば、天井下地構造を構成する吊下部材又は架橋部材に天井裏設備を固定するため、天井スラブから垂下して設けられる吊下部材を、当該天井下地構造を構成する吊下部材のみにできる。すなわち、天井スラブから垂下する吊下部材を従来と比較して大幅に削減できるため、容易に天井裏設備配管を施工することができる。
更に別の観点にかかる本発明は、天井下地構造の構成部材を接続する耐震接続部材であって、前記構成部材は、天井スラブから吊下される複数の吊下部材と、前記吊下部材の下部で水平方向に架設される複数の架橋部材と、を含み、前記耐震接続部材は、上面に前記吊下部材が接続されるとともに、平面視において前記架橋部材が直交配置で接続される接続部と、前記架橋部材の接続方向に沿って、前記接続部の下方に延伸して設けられる耐震プレートと、を有し、前記耐震プレートは、前記接続部と接続される上辺が、対向する下辺よりも長いことを特徴としている。
なお、前記耐震接続部材は、4本の前記架橋部材が接続され得る接続口をなす筒状部材と、前記筒状部材を挟み込むように対向して配置される板状部材と、を有していてもよい。かかる場合、前記板状部材は略矩形形状を有することが好ましく、4本の前記筒状部材は、それぞれ前記板状部材の頂部に対応して配置されることが望ましい。このように架橋部材が接続され得る筒状部材を板状部材で挟み込むことにより、耐震接続部材の構造的強度を向上できる。
前記耐震プレートは、前記上辺及び前記下辺が折り曲げられていることが好ましい。また、前記接続部と接続される前記上辺の折り曲げ部分と、前記下辺の折り曲げ部分とを接続する縦材を更に有することが更に好ましい。このように耐震プレートの下端に折り曲げ部分を形成し、更に縦材を設けることにより、耐震接続部材の構造的強度を更に向上できる。なお、前記縦材としては、例えば全ネジ等を使用できる。
本発明によれば、天井スラブから垂下される全ネジ等の吊下部材の設置数を削減し、また天井裏空間において設備配管等を容易に配設できる。
実施の形態にかかる天井下地構造の構成の概略を模式的に示す斜視図である。 実施の形態にかかる天井下地構造の構成の概略を模式的に示す平面図である。 実施の形態にかかる天井下地構造の構成の概略を模式的に示す側面図である。 実施の形態にかかる耐震接続部材の構成の概略を模式的に示す斜視図である。 実施の形態にかかる耐震接続部材の構成の概略を模式的に示す正面図である。 実施の形態にかかる耐震接続部材の構成の概略を模式的に示す側面図である。 耐震接続部材に設けられる筒状部材の配置例を模式的に示す横断面図である。 耐震接続部材に設けられる筒状部材の他の配置例を模式的に示す横断面図である。 実施の形態にかかる耐震接続部材の架橋部材の配置例を模式的に示す平面図である。 実施の形態にかかる耐震接続部材の架橋部材の配置例を模式的に示す側面図である。 実施の形態にかかる耐震接続部材の架橋部材の他の配置例を模式的に示す側面図である。 実施の形態にかかる天井下地構造に対する設備配管の施工例を模式的に示す側面図である。 実施の形態にかかる天井下地構造に対する設備器具の施工例を模式的に示す側面図である。 実施の形態にかかる天井下地構造に対する設備器具の施工例を模式的に示す側面図である。 風量調整機構の構成の概略を示す説明図である。 実施の形態にかかる天井下地構造における設備器具の配置替えにかかる施工方法の一例を模式的に示す側面図である。 他の実施の形態にかかる天井下地構造の構成の概略を模式的に示す側面図である。 実施の形態にかかる天井下地構造の施工方法の概略を模式的に示す説明図である。 実施の形態にかかる天井下地構造の施工方法の概略を模式的に示す説明図である。 実施の形態にかかる天井下地構造の施工方法の概略を模式的に示す説明図である。
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。図1~図3は、それぞれ実施の形態にかかる天井下地構造1の構成の概略を示す斜視図、平面図及び側面図である。なお、以下の説明において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
天井下地構造1は、建築構造物における居室Rの天井裏空間Sを画成する構造体であり、居室Rの仕上げ天井として機能する後述の天井パネル42が下面に取り付けられる。天井裏空間Sは、かかる天井パネル42と建築構造物の天井スラブCとの間に形成される空間である。
天井下地構造1は、建築構造物の天井スラブCから吊下される複数の吊下部材10と、それぞれの吊下部材10の下部に接続される耐震接続部材20と、隣接する耐震接続部材20の間を接続するように架設される架橋部材30と、耐震接続部材20の下部に接続される仕上天井ユニット40と、を有している。
吊下部材10は、建築構造物の天井スラブCに所定間隔で埋設されたインサート11から垂下して設けられ、天井下地構造1及び当該天井下地構造1に配設される天井裏設備Pを天井スラブCから吊下して固定する。吊下部材10としては、例えばインサート11に接続される全ネジ(図示参照)や、例えばインサート11に接続されたフック等に引っ掛けて支持されるワイヤ等(図示省略)を採用できる。
吊下部材10(インサート11)は、平面視において後述の架橋部材30を格子状に配置できるように、天井スラブCに対して等間隔で設置される。吊下部材10の設置間隔は、例えば後述の天井裏設備Pに規定される支持間隔よりも小さく設定される。
耐震接続部材20は、天井スラブCから垂下される複数の吊下部材10と、水平方向に架設される後述の架橋部材30とを接続するための部材である。天井下地構造1においては、このように耐震接続部材20により吊下部材10と架橋部材30とを接続して、後述の仕上天井ユニット40が設置される枠体を形成する。
図4~図6は、耐震接続部材20の構成の概略を示す斜視図、正面図及び側面図である。
耐震接続部材20は、架橋部材30が接続され得る接続口をなす筒状部材21と、筒状部材21を挟み込むようにして固定する上板状部材22a及び下板状部材22b(以下、これらを併せて単に「板状部材22」という場合がある。)と、下板状部材22bの下面から下方に延伸して設けられる耐震プレート23と、を有している。
筒状部材21は、上述したように平面視において後述の架橋部材30が格子状に配置されるように、平面視において複数の架橋部材30を直交して接続可能に配置されている。具体的には、例えば図7に示すように、4本の架橋部材30がそれぞれの交差角度が90°となるように接続可能に構成される。また例えば、図8に示すように、1本の架橋部材30を貫通して設けるとともに、貫通して設けられた架橋部材30と直交するように2本の架橋部材30を接続可能に構成されていてもよい。
なお、筒状部材21は架橋部材30を挿通して接続可能な断面形状を有している。すなわち、例えば架橋部材30が角パイプである場合には断面形状が四角形状で形成され(図示参照)、例えば架橋部材30が管部材である場合には断面形状が円環形状で形成される(図示省略)。
上板状部材22a及び下板状部材22bは筒状部材21を上下方向から挟み込むように対向して配置され、筒状部材21の位置関係(接続される架橋部材30の延伸方向)を固定する。また、上板状部材22aには貫通孔24が形成され、当該貫通孔24に吊下部材10を例えば螺合することにより、吊下部材10に耐震接続部材20を固定可能に構成されている。
なお、板状部材22は平面視において矩形状や円形状等、任意の形状により形成することができるが、例えば図示のように板状部材22を矩形状に形成する場合、筒状部材21の設置方向(架橋部材30の延伸方向)を当該板状部材22の頂部に対応させることにより、耐震接続部材20の構造的な強度を向上できる。
耐震プレート23は、地震等による天井下地構造1の揺動、より具体的には耐震接続部材20の下方に設けられる仕上天井ユニット40の揺動を吸収するための板状の部材であり、下板状部材22bから下方に延伸して設けられる。耐震プレート23は、例えば上辺23aが下辺23bと比較して長く形成された、正面視において略台形に形成される。耐震プレート23は、長辺である上辺23aを水平方向に折り曲げることで、当該折り曲げ部分が下板状部材22bの下面に固定される。また耐震プレート23は、短辺である下辺23bを水平方向に折り曲げることで、当該折り曲げ部分が後述の仕上天井ユニット40のパネル用枠体41と接続される。
耐震プレート23は、このように上辺23a及び下辺23bに折り曲げ部分が形成されることで、当該耐震プレート23の構造的な強度を向上できる。
また耐震プレート23は、図示のように上辺23aが架橋部材30の延伸方向と一致するように、換言すれば架橋部材30により形成される格子形状に沿うように、下板状部材22bの下面に固定される。天井下地構造1は、格子形状を構成する架橋部材30の延伸方向に対する揺動が特に懸念されるが、このように耐震プレート23を格子形状に沿って設けることで、天井下地構造1で懸念される揺動を適切に減衰できる。
また本実施の形態にかかる天井下地構造1においては、図示のように、1つの架橋部材30により接続される、2つの耐震接続部材20を、それぞれの耐震プレート23の面方向が互いに交差(望ましくは直交)するように交差配置で設置する。これにより、架橋部材30の延伸方向(直交方向)のそれぞれに対する天井下地構造1の揺動を適切に吸収でき、当該天井下地構造1の耐震性を向上できる。
なお、図示は省略するが、このように架橋部材30の延伸方向(直交方向)のそれぞれに対する天井下地構造1の揺動を吸収する観点から、耐震接続部材20の耐震プレート23は、架橋部材30の延伸方向に沿って、平面視において十字状に配置されていてもよい。
なお、図示は省略するが、天井下地構造1の耐震性を向上させる観点からは、下板状部材22bの下面に設けられる耐震プレート23に加えて、上板状部材22aの上面から上方に延伸するように、更に耐震プレート23が設けられていてもよい。このとき、上板状部材22aの上面側に設けられる耐震プレート23を、平面視において下板状部材22bの下面側に設けられる耐震プレート23と交差して設けることで、天井下地構造1の耐震性を更に適切に向上できる。
また耐震接続部材20には、図6に示すように、上辺23aの折り曲げ部分と下辺23bの折り曲げ部分とを接続するように縦材25が設けられていてもよい。縦材25は、このように上辺23aと下辺23bとを接続するように、耐震プレート23の板面と並行して設けられる。そして、このように縦材25が設けられることにより、耐震プレート23の構造的な強度を向上できる。縦材25としては、例えば全ネジ(図示参照)やワイヤ等(図示省略)を採用できる。また、縦材25として全ネジを用いる場合には、天井スラブCから吊下される吊下部材10と縦材25を一体に構成してもよい。すなわち、板状部材22を貫通させ、耐震プレート23の下辺23bに吊下部材10を接続するようにしてもよい。
なお、実施の形態においては筒状部材21に対して架橋部材30を挿通して接続したが、例えば筒状部材21の端部と架橋部材30の端部を相互に嵌め込んで接続されるように、筒状部材21を構成してもよい。
図1~図3を参照した天井下地構造1の説明に戻る。
架橋部材30は、吊下部材10の下部において、水平方向に延伸するように配設される部材であって、2つの耐震接続部材20の間を接続するように架設されることで、建築構造物の天井スラブCから吊下される。架橋部材30としては、例えばステンレスやアルミニウム等から成る角パイプや管部材等を採用できる。架橋部材30は、耐震接続部材20の筒状部材21と接続されることで、上述したように平面視において格子形状を形成する。
また、天井下地構造1の端部に配置される架橋部材30は、図9及び図10に示すように、その先端部が建築構造物の天井スラブCに形成された大梁Bに当接して設けられることで、建築構造物に対して固定されることが望ましい。端部に配置される架橋部材30の長さは、例えば所定長さの架橋部材30を切断することにより調整してもよいし、また例えば架橋部材30を長手方向に伸縮自在に構成することにより調整してもよい。換言すれば、このように架橋部材30の長さを適宜調整することにより、架橋部材30の端部位置を任意に調整できる。
本実施形態においては、このように、架橋部材30を大梁Bに対して当接させることで、天井下地構造1が水平方向に固定、すなわち、例えば地震等による天井下地構造1の水平方向の揺動が抑制され、当該天井下地構造1の耐震性が向上する。なお、大梁Bには、その表面を被覆するように防耐火被覆材Fが設けられる場合があるが、本発明にかかる技術においては、かかる防耐火被覆材Fを含めて「大梁」と呼称する場合があるものとする。
なお、以下の説明においては、このように架橋部材30を建築躯体としての大梁Bに当接させることで、天井下地構造1を建築構造物に対して固定する場合を例に説明を行うが、架橋部材30が当接されるのは大梁Bでなくてもよい。具体的には、天井下地構造1を建築構造物に対して固定できれば、架橋部材30は建築躯体としての横梁や支柱等に当接されていてもよい。なお、前述の防耐火被覆材Fが、本発明の技術にかかる「建築躯体」に含まれる場合があるものとする。
なお、例えば大梁Bに当接して設けられる複数の架橋部材30の間で長さに誤差がある場合や、大梁Bに建築上の誤差が生じている場合、又は防耐火被覆材Fの厚みに誤差がある場合、地震等による天井下地構造1の揺動に際して、大梁B(防耐火被覆材F)と適切に当接する架橋部材30と、適切に当接されない架橋部材30と、が発生する場合がある。このように一部の架橋部材30のみが大梁Bに当接する場合、地震等での揺動に際しての大梁Bに作用する荷重に偏りが生じ、天井下地構造1に損傷が生じるおそれがある。
そこで本実施の形態にかかる架橋部材30の端部には、地震等での揺動に際して発生する荷重を吸収するための弾性部材31が設けられることが好ましい。弾性部材31としては、例えばバネやゴム等を採用できる。これにより、架橋部材30と大梁Bとの接触にかかる変位を弾性部材31で吸収でき、すなわち架橋部材30にかかる荷重を軽減して天井下地構造1の損傷を抑制できる。
また、架橋部材30(弾性部材31)の端部に鋭利な部分が形成されている場合、これにより防耐火被覆材Fを剥離してしまうおそれがある。かかる防耐火被覆材Fの剥離を抑制するため、防耐火被覆材Fに当接される架橋部材30(弾性部材31)の端部には、大梁Bに面して支持材32が配置されることが好ましい。支持材32は、例えば図示のように大梁Bに面した平面を備えることが好ましい。このように支持材32を配置することで、防耐火被覆材Fの剥離を抑制できるとともに、上述した地震等での揺動に際して架橋部材30にかかる荷重分散させて軽減できる。
なお、防耐火被覆材Fの剥離を抑制するという観点からは、架橋部材30(弾性部材31)の端部の鋭利な部分を無くすように非鋭利化処理を施してもよい。非鋭利化処理としては、例えば架橋部材30(弾性部材31)の端部に対する面取り加工(丸み加工)、弾性部材(例えばゴム等)の取り付け、又は面部材の取り付け等が挙げられる。このように架橋部材30(弾性部材31)の端部に鋭利な部分を無くすことにより、防耐火被覆材Fに損傷を与えることを抑制できる。
なお、図9及び図10に示した実施の形態においては大梁Bの表面に設けられた防耐火被覆材Fに架橋部材30(支持材32)を当接させることにより天井下地構造1を固定したが、図11に示すように、大梁Bに対して直接的に架橋部材30(支持材32)を当接させてもよい。
また、図9~図11に示した例においては、架橋部材30(支持材32)を大梁Bに対して常時当接させたが、架橋部材30は、例えば地震等による天井下地構造1の揺動時にのみ大梁B(建築躯体)に対して当接されてもよい。かかる場合、通常時において架橋部材30の端部は大梁Bから所定の間隔をあけて配置される。
仕上天井ユニット40は、耐震接続部材20の下方に吊下されるパネル用枠体41と、当該パネル用枠体41の下面に取り付けられる天井パネル42と、を有している。
パネル用枠体41は、耐震プレート23の下辺23bの折り曲げ部分に接続されることで天井スラブCから吊下される部材であり、平面視において複数の天井パネル42を並べて取り付けられるように構成される。
天井パネル42は、居室Rの仕上げ天井面を形成する板状の部材であり、例えば石膏ボード等により形成される。そして、このように天井パネル42が施工されることにより、当該天井パネル42と天井スラブCとの間に天井裏空間Sが形成される。
なお、上述したように大梁Bに対して架橋部材30の長さ(端部の位置)が調整された場合、このように長さが調整された架橋部材30と対応する位置における仕上天井ユニット40(パネル用枠体41及び天井パネル42)についても、その長さが適宜調整可能である。すなわち、パネル用枠体41及び天井パネル42は、例えば切断により長さ(幅)が調整されてもよいし、伸縮可能に構成されていてもよい。また仕上天井ユニット40は、例えばこのように架橋部材30の長さに合わせて設置するため、端部幅の異なる仕上天井ユニット40が、予め各種用意されていてもよい。
また、本実施の形態にかかる天井下地構造1においては、側面視において、天井スラブC、吊下部材10及び架橋部材30に囲まれてなる第1の空間S1と、耐震接続部材20、架橋部材30及びパネル用枠体41に囲まれてなる第2の空間S2とが形成される。すなわち、本実施形態にかかる天井裏空間Sにおいては、第1の空間S1と第2の空間S2とが、上方(天井スラブC側)からこの順に形成されている。
第1の空間S1には、図1~図3に示したように、天井裏設備P等が配設される。換言すれば第1の空間S1は、天井裏設備P等の配設用空間として作用する。天井裏設備Pは、例えば第1の空間S1を画成する吊下部材10や架橋部材30に対して、固定部材50を用いて固定されている。固定部材50としては、例えばU字金具やサドルバンド、又は蝶番式バンド等の任意の固定部材を採用できる。
なお、第1の空間S1に配設される天井裏設備Pとしては、例えば空調用ダクト、空調用配管、循環ファン、排水配管や給水配管等の水配管、スプリンクラー配管、通気配管、ガス配管、電装配線、信号配線、電話配線、テレビアンテナ配線、ルータ、アンテナ、LANケーブル、又は各種センサ等、天井裏空間Sに配設され得る種々の設備等が任意に選択され得る。
このように実施の形態にかかる天井下地構造1においては、従来のように天井裏設備P等を天井スラブCに対して吊下固定することに代え、天井下地構造1を構成する吊下部材10や架橋部材30に対して固定部材50を用いて固定する。このように、実施の形態にかかる天井下地構造1は天井パネル42が設置される下地材としての機能と、天井裏設備Pを固定する支持材としての機能を兼用する。これにより、本実施の形態においては天井下地構造1を構成する吊下部材10のみを天井スラブCから垂下させればよいため、天井スラブCに埋設されるインサート及び垂下される吊下部材の設置数を従来と比較して大幅に削減できる。
このとき、天井スラブCに対するインサート11の埋設位置は、それぞれの天井裏設備Pの配管経路に対応させて決定する必要がなく、天井下地構造1を構成する吊下部材10を垂下するための所定間隔で決定されればよい。すなわち、天井裏設備P等の配管経路に依らず、所定間隔ごとに機械的にインサート11の埋設位置を決定できるため、天井下地構造1の施工にかかる時間を適切に削減できる。
また、このように天井下地構造1から垂下される吊下部材10の数が削減されるため、当該吊下部材10と天井裏設備Pの配設経路との干渉が抑制され、天井裏空間Sにおける天井裏設備Pの配管経路設計、及び施工が極めて容易になる。
また更に、例えば天井裏設備Pの配管経路に設計変更が生じた場合であっても、天井裏設備Pは架橋部材30等に固定することのみによって配設されるため、従来のように天井スラブCに対して新たなインサート11を埋設する必要がなく、吊下部材10を新たに用意する必要もない。これにより、設計変更にかかる天井裏設備Pの施工にかかるコストや労力を大幅に削減できる。
また本実施の形態によれば、天井裏設備Pは天井スラブC及び大梁Bに対して固定された天井下地構造1に対して直接的に固定される。これにより、天井裏設備Pは天井下地構造1と一体に構成されるため、天井スラブCに対して独立して天井裏設備Pが吊下される場合と比較して、容易に当該天井裏設備Pの耐震性能を担保することができる。
更に本実施の形態によれば、吊下部材10(インサート11)の設置間隔は、上述のように天井下地構造1に配設される天井裏設備Pに規定される支持間隔よりも小さく設定される。このため、配管経路中に存在する吊下部材10や架橋部材30毎に天井裏設備Pを固定することで、適切に施工基準を満たした支持間隔で天井裏設備Pの配設を行うことができる。
なお、天井裏設備Pは、その種類によって所定の勾配をつけて配設する必要がある。かかる場合、例えば図12に示すように、架橋部材30と天井裏設備Pとの間にスペーサ51を介在させることにより、当該天井裏設備Pに勾配をつけることが可能である。スペーサ51の材料は特に限定されるものではないが、天井裏設備Pと架橋部材30との間における熱伝導を抑制するため、断熱性を有する材料により構成されることが好ましい。または、例えば天井裏設備Pとスペーサ51との間に、更に断熱部材(図示せず)を介在させてもよい。
第2の空間S2は、例えば第1の空間S1に対する天井裏設備Pの配設作業等を実施するための作業用空間として作用する。本実施の形態においては、上述のように天井裏設備Pは第1の空間S1に配設され、第2の空間S2には配設されないため、適切に天井裏設備Pの施工にかかる作業用空間を確保することが容易である。
なお、例えば居室Rに対して空気を供給する空調システムの室内機60や、居室Rの調光を行う照明器具61を天井裏空間Sに設ける必要がある場合、これら室内機60や照明器具61は、図13に示すように、第2の空間S2に設置されてもよい。かかる場合、当該室内機60及び照明器具61は、接続用配管62を介して第1の空間S1に配設された天井裏設備Pと接続される。
また、天井裏空間Sに面する天井パネル42の裏面側には、居室Rと天井裏空間Sとの間における熱伝達を抑制して、居室Rにおける空調効率を向上させるための放射パネル(図示せず)が設置されていてもよい。放射パネルの内部には冷媒流路が形成され、当該冷媒流路の内部に冷媒(例えば冷温水)が通流される。かかる場合、冷媒流路は、接続用配管(放射パネル用の接続用配管の図示は省略)を介して第1の空間S1に配設された天井裏設備Pと接続される。
また更に、天井裏空間Sに面する天井パネル42の裏面側には、図14に示すように、居室Rに送風される空気の流量を個別に設定可能な可変風量装置70が設置されていてもよい。可変風量装置70は、例えば接続用配管62を介して第1の空間S1に配設された天井裏設備Pとしてのダクトと接続される。
可変風量装置70は、接続用配管62から供給される空気の風速を測定する風速測定センサ71と、居室Rに供給する空気風量を制御する風量調整機構72と、風量調整機構72の動作を制御するコントローラ73と、を有している。
風量調整機構72は、図15に示すように、パンチング孔が形成された2枚のパンチング板72a、72bを備えている。風量調整機構72は、2枚のパンチング板72a、72bのうち、一方(図示の例ではパンチング板72a)が固定配置され、他方(図示の例ではパンチング板72b)をスライド自在に配置されている。また、パンチング孔はパンチング板72bのスライド方向に対して四角形、より具体的には菱形形状に形成されている。
そして可変風量装置70においては、図15に示すようにパンチング板72bをパンチング板72aに対して相対的に移動させることにより、天井裏設備Pとしてのダクトから供給される空気を適切な流量で居室Rへと導入できる。また、このように天井裏設備Pとしてのダクトから供給される空気を、第2の空間S2に設置される可変風量装置70毎に独立して制御できるため、図14に示したように、居室Rにおいて間仕切壁Wの位置が変更になった場合であっても、天井裏設備Pとしてのダクトに通流する空気の流量や流速を変えることなく、可変風量装置70の制御により適切に居室Rに対する風量を変更できる。
従来、このような居室Rにおける間仕切壁Wの位置の変更に対応する場合、天井裏設備Pとしてのダクトの配置の増減や変更、ダクト内の風量調整弁の開度の変更等の設計変更が必要となり、居室Rにおける間仕切壁Wの位置変更への対応には多大な労力やコストを要していた。しかしながら、上述したように第2の空間S2に可変風量装置70を配置することにより、ダクトと吹出口の位置関係等の変更が不要であり、すなわち居室Rにおける間仕切壁Wの位置変更への対応が極めて容易であるとともに、コストを大幅に削減できる。また、それぞれの可変風量装置70に風量調整機構72が設けられているため、居室Rに対する空気の供給量の調整も極めて容易に行うことができる。
また、本実施の形態においては、パンチング孔がパンチング板72bのスライド方向に対して菱形形状で形成されているため、パンチング板72bのスライド量に対して指数関数的に居室Rに対する空気の供給量を制御できる。換言すれば、居室Rに対する空気の供給量を瞬時に制御できる。
なお、風量調整機構72の動作は、例えば風速測定センサ71による測定結果に基づいてコントローラ73により自動制御されてもよいし、例えば居室R側から手動により制御されてもよい。
また、図15においてはパンチング板72a、72bに形成されたパンチング孔が四角形である場合を例に図示を行ったが、パンチング孔の形状はこれに限定されず、例えば円形状であってもよい。このようにパンチング孔を円形状で形成することにより、居室Rに対する空気の供給量を瞬時に制御できる。
また、図15においてはスライド方向に対して菱形形状を有する四角形によりパンチング孔を形成したが、スライド方向に対して矩形状の四角形によりパンチング孔を形成してもよい。かかる場合、パンチング板72bのスライド量に比例して居室Rに対する空気の供給量を制御できる。
このように本実施の形態においては、室内機60、照明器具61、放射パネル又は可変風量装置70のような設備器具の本体と、設備器具に対して動力等を供給する天井裏設備Pとをそれぞれ第1の空間S1と第2の空間S2に設けることで、設備器具が天井裏設備Pと干渉することがない。すなわち、天井裏空間Sに対して極めて容易に設備器具の本体を設置することが可能である。
また例えば、居室Rにおいて配置替えが行われ、設備器具の設置位置を変更する必要が生じた場合であっても、当該設備器具と、変更先に位置する天井パネル42との位置を交換することのみによって、容易に設備器具の設置位置を変更することが可能である。このとき、当該設備器具は接続用配管62を介して天井裏設備Pと接続されるため、例えば図16に示すように、天井裏設備Pの配管経路を変更することなく接続用配管62の配廻しを変更することのみによって、極めて容易に設備器具の位置を変更できる。
実施の形態にかかる天井下地構造1は、以上のように構成されている。
なお、以上の実施の形態においては天井裏空間Sに第1の空間S1及び第2の空間S2を形成するように天井下地構造1を構成し、第1の空間S1に対して天井裏設備Pを配設した。しかしながら、天井下地構造1の構成はこれに限定されるものではなく、例えば図17に示すように、天井裏設備Pを配設するための第1の空間S1が複数段(図示の例においては2段)に形成されてもよい。このように第1の空間S1を複数段に分けて構成することで、天井裏設備Pを設置可能なスペースを更に適切に確保できるとともに、天井下地構造1の耐震性を更に向上できる。
次に実施の形態にかかる天井下地構造1の施工方法について、図面を参照しながら説明する。
天井下地構造1の施工に際しては、先ず、図18(a)に示すように天井スラブCに対して所定間隔でインサート11を埋設する。インサート11を埋設タイミングは特に限定されるものではなく、例えば天井スラブCの打設前に予め設置されてもよいし、天井スラブCの打設後に打ち込まれてもよい。
次に、図18(b)に示すように、天井スラブCに埋設されたインサート11に対して吊下部材10(実施の形態においては全ネジ)を垂下させる。
次に、図18(c)に示すように、それぞれの吊下部材10の下部に耐震接続部材20を固定する。具体的には、耐震接続部材20の上板状部材22aに形成された貫通孔24に吊下部材10を螺合させることにより、耐震接続部材20を吊下部材10に固定する。このとき、それぞれの吊下部材10に固定される耐震接続部材20は、少なくとも架橋部材30の接続口をなす筒状部材21が対向して配置されるように、それぞれの高さ位置及び向きが調整される。またこのとき、上述したように架橋部材30により接続される2つの耐震接続部材20の間で、耐震プレート23が直交して配置されるように、向きが決定される。
次に、図19(a)に示すように、吊下部材10の下部に固定された耐震接続部材20を相互に接続するように架橋部材30を架設する。架橋部材30は、例えば筒状部材21に挿通されることにより耐震接続部材20に接続される。このように架橋部材30が架設されると、天井スラブC、吊下部材10及び架橋部材30に囲まれてなる第1の空間のS1が形成される。
次に、図19(b)に示すように、第1の空間S1に対して天井裏設備Pを配設する。天井裏設備Pは、独立して天井スラブCに吊下されることなく、例えば吊下部材10や架橋部材30に対して固定部材50により固定される。このとき、例えば天井裏設備Pに勾配を設ける必要がある場合には、図12に示したように架橋部材30と天井裏設備Pとの間にスペーサ51が設けられる。
次に、図19(c)に示すように、耐震接続部材20の耐震プレート23の下辺23bにパネル用枠体41を接続する。このようにパネル用枠体41が接続されると、耐震接続部材20、架橋部材30及びパネル用枠体41に囲まれてなる第2の空間のS2が形成される。
次に、例えば室内機60や照明器具61等の設備器具を配置する必要がある場合には、図20(a)に示すように、第2の空間のS2に対して当該設備器具が更に配置される。かかる場合、図20(b)に示すように設備器具と天井裏設備Pとが接続用配管62により接続される。
その後、図20(c)に示すように、パネル用枠体41に対して天井パネル42が取り付けられることにより、一連の天井下地構造1の施工が完了する。
実施の形態にかかる天井下地構造1は、以上のようにして施工される。
なお、以上の実施の形態においては、図19(b)に示したように第1の空間S1に天井裏設備Pを配設した後、図19(c)に示したようにパネル用枠体41を接続した。しかしながら、天井下地構造1の施工手順はこれに限定されるものではなく、パネル用枠体41を耐震接続部材20の耐震プレート23の下辺23bに接続した後、天井パネル42の取付前に天井裏設備Pを配設するようにしてもよい。
また、以上の実施の形態においては天井スラブCに埋設されたインサート11に対して、順次、天井下地構造1を構成する各種部材を接続した。しかしながら、例えば、予め外部で組み立てられた天井下地構造1をインサート11に接続してもよい。
本発明は、建築構造物、特に商用大型施設等における天井裏設備配管の配設に有用である。
1 天井下地構造
10 吊下部材
11 インサート
20 耐震接続部材
21 筒状部材
22 板状部材
23 耐震プレート
24 貫通孔
25 縦材
30 架橋部材
31 弾性部材
32 支持材
40 仕上天井ユニット
41 パネル用枠体
42 天井パネル
50 固定部材
51 スペーサ
60 室内機
61 照明器具
62 接続用配管
B 大梁
C 天井スラブ
F 防耐火被覆材
S 天井裏空間
S1 第1の空間
S2 第2の空間
P 天井裏設備
R 居室

Claims (12)

  1. 天井スラブから吊下される複数の吊下部材と、
    それぞれの前記吊下部材に接続される耐震接続部材と、
    隣接する前記耐震接続部材の間に架設される複数の架橋部材と、
    前記耐震接続部材の下部に接続され、天井パネルが取り付けられるパネル用枠体と、を有し、
    前記天井スラブ、前記吊下部材及び前記架橋部材に囲まれて成る第1の空間と、
    前記第1の空間の下方で、前記架橋部材、前記耐震接続部材及び前記パネル用枠体に囲まれて成る第2の空間と、が形成され、
    天井裏設備が、前記第1の空間において前記架橋部材又は前記吊下部材に固定して配設されることを特徴とする、天井下地構造。
  2. 端部に位置する前記架橋部材が建築躯体に当接されることを特徴とする、請求項1に記載の天井下地構造。
  3. 前記架橋部材の建築躯体側の端部には、当該建築躯体に対向して設けられる支持材と、弾性部材とが、前記架橋部材の端部側からこの順で設けられることを特徴とする、請求項2に記載の天井下地構造。
  4. 前記架橋部材の建築躯体側の端部には弾性部材が設けられ、
    前記弾性部材の端部には非鋭利化処理がされていることを特徴とする、請求項2に記載の天井下地構造。
  5. 複数の前記架橋部材は格子状に配置され、
    前記耐震接続部材は、
    前記架橋部材が直交配置で接続される接続部と、
    前記架橋部材の接続方向に沿って、前記接続部の下方に延伸して設けられる耐震プレートと、を有し、
    前記耐震プレートは、前記接続部と接続される上辺が、前記パネル用枠体と接続される対向する下辺よりも長いことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の天井下地構造。
  6. 1つの前記架橋部材により相互に接続される2つの前記耐震接続部材は、
    前記耐震プレートの向きが互いに交差するように配置されることを特徴とする、請求項5に記載の天井下地構造。
  7. 居室内に空気を供給する空調システムの室内機が前記第2の空間に配置され、
    前記室内機は、前記第1の空間に配設される前記天井裏設備であるダクトと接続されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の天井下地構造。
  8. 天井下地構造の施工方法であって、
    天井スラブから複数の吊下部材を吊下し、
    それぞれの前記吊下部材に耐震接続部材を接続し、
    隣接する前記耐震接続部材の間に架橋部材を架設し、
    前記天井スラブ、前記吊下部材及び前記架橋部材に囲まれて成る第1の空間において、前記架橋部材又は前記吊下部材に固定して天井裏設備を配設し、
    前記耐震接続部材の下部にパネル用枠体を接続し、
    前記パネル用枠体に天井パネルを取り付けることを特徴とする、天井下地構造の施工方法。
  9. 天井下地構造の構成部材を接続する耐震接続部材であって、
    前記構成部材は、
    天井スラブから吊下される複数の吊下部材と、
    前記吊下部材の下部で水平方向に架設される複数の架橋部材と、を含み、
    前記耐震接続部材は、
    上面に前記吊下部材が接続されるとともに、平面視において前記架橋部材が直交配置で接続される接続部と、
    前記架橋部材の接続方向に沿って、前記接続部の下方に延伸して設けられる耐震プレートと、を有し、
    前記耐震プレートは、前記接続部と接続される上辺が、対向する下辺よりも長いことを特徴とする、耐震接続部材。
  10. 前記接続部は、
    4本の前記架橋部材が接続され得る接続口をなす筒状部材と、
    前記筒状部材を挟み込むように対向して配置される板状部材と、を有し、
    前記板状部材は略矩形形状を有し、
    4本の前記筒状部材は、それぞれ前記板状部材の頂部に対応して配置されることを特徴とする、請求項9に記載の耐震接続部材。
  11. 前記耐震プレートは、前記上辺及び前記下辺が折り曲げられていることを特徴とする、請求項9又は10に記載の耐震接続部材。
  12. 前記接続部と接続される前記上辺の折り曲げ部分と、前記下辺の折り曲げ部分とを接続する縦材を更に有することを特徴とする、請求項11に記載の耐震接続部材。

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