以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の一実施の形態における部品搭載装置1を示している。部品搭載装置1は、基板KBに部品BHを搭載する部品搭載作業を実行する装置であり、上流に設置されて基板KBに半田ペーストを印刷する印刷装置や下流に設置されて基板KBの検査を行う検査装置等とともに部品搭載ラインを構成している。
図1において、部品搭載装置1は、基台11、基板搬送部12、台車13、テープフィーダ14、搭載ヘッド15、ヘッド移動機構16、部品認識カメラ17および搭載装置制御部18を備えている。基板搬送部12は基台11上に設けられており、水平方向に延びた一対のコンベア12aによって、基板KBを下方から支持して搬送する。本実施の形態では、説明の便宜上、基板搬送部12による基板KBの搬送方向をX方向(横方向)とし、上下方向をZ方向とする。また、X方向とZ方向の双方に直交する方向をY方向(前後方向)とする。
図1において、台車13は基台11のY方向の端部に連結されている。台車13の上部にはフィーダベース13Fが設けられている。テープフィーダ14は、フィーダベース13FのX方向に複数並んで設けられている。フィーダベース13Fの下方には、部品BHを収納したキャリアテープCTが巻き付けられたリールRLが保持されている。
各テープフィーダ14はキャリアテープCTをリールRLから引き出しながらY方向のうち基板搬送部12に向かう方向(前方とする)に搬送する。キャリアテープCTは、図2に示すように、ベーステープBTの上面にトップテープTTが貼り付けられた構成を有する。ベーステープBTには下方に窪んだ形状の複数のポケットPKが長手方向に一列に並んで設けられており、ポケットPKの列と平行な位置には、複数の送り孔SHが一列に並んで設けられている。各ポケットPK内には部品BHが収納されており、各ポケットPK内の部品BHはトップテープTTによってポケットPK内に封入されている。テープフィーダ14がキャリアテープCTを下流方向(前方)に向けて搬送すると、キャリアテープCTに収納された部品BHが順次所定の部品供給位置14K(図1および図3)に位置する。
図1において、搭載ヘッド15は下方に延びた複数のノズル15Nを備えている。搭載ヘッド15はノズル15N内に真空圧を供給することで、ノズル15Nの下端に吸引力を発生させることができる。ヘッド移動機構16は例えばXYテーブル機構から構成されており、搭載ヘッド15を水平面内(XY面内)で移動させる。部品認識カメラ17は撮像光軸を上方に向けた姿勢で基台11に取り付けられている。
搭載装置制御部18は、予め記憶した部品搭載プログラムに基づいて部品搭載装置1の各部を作動させることで、基板KBに部品BHを搭載する部品搭載作業を実行する。部品搭載作業では、先ず、部品搭載装置1の上流に位置する他の装置(例えば印刷装置や他の部品搭載装置)から送られてきた基板KBを基板搬送部12が受け取って搬送し、所定の作業位置に位置決めする。基板搬送部12が基板KBを作業位置に位置決めしたら、ヘッド移動機構16が搭載ヘッド15に搭載ターンを繰り返し実行させる。
搭載ヘッド15が行う搭載ターンは、テープフィーダ14が部品供給位置14Kに供給する部品BHをノズル15Nによってピックアップする動作と、ピックアップした部品BHを保持したまま部品認識カメラ17の上方を通過し、部品BHを部品認識カメラ17に認識させてから基板KBの上方に移動する動作と、基板KBの上方からノズル15Nを下降させて基板KB上に設定せれた目標搭載位置に部品BHを搭載する動作から成る。搭載ヘッド15は、部品BHを目標搭載位置に搭載する際には、部品認識カメラ17が部品BHを撮像することによって得られた部品BHの認識情報に基づいて、ノズル15Nの位置補正を行う。
搭載ヘッド15が搭載ターンを繰り返し実行することによって、基板KBに搭載されるべき部品BHが全て基板KBに搭載されたら、基板搬送部12が作動して、部品搭載装置1の下流に位置する他の装置(例えば他の部品搭載装置や検査機、リフロー炉等)に基板KBを搬出する。これにより基板KBの1枚当たりの部品搭載作業が終了する。
このような構成の部品搭載装置1において、本実施の形態ではテープフィーダ14の構成について特徴があり、以下にその説明を行う。テープフィーダ14は図3に示すように、フレーム21、カバー部材22、ローディングスプロケット23、フィードスプロケット24、テープ処理部25および制御部26を備えている。
フレーム21は全体としてYZ面内に広がった薄厚の箱形状を有しており、フレーム21の下面には下方に突出したスライダ21Tが形成されている(図3)。作業者は、スライダ21Tをフィーダベース13Fの上面に設けられたスロット(図示せず)にスライドさせて挿入することで、テープフィーダ14をフィーダベース13Fに取り付けることができる。
図3において、フレーム21には、キャリアテープCTの搬送を案内する搬送路21Lが形成されている。搬送路21Lはフレーム21の後端部から前端部にかけて延びており、フレーム21の後端下部と前端上部のそれぞれに開口している。フレーム21の後端下部の開口は作業者によってキャリアテープCTが挿入されるテープ入口21Aであり、フレーム21の前端上部の開口はキャリアテープCTが排出されるテープ出口21Bである。
図3において、搬送路21Lはテープ入口21Aから下流に向けてほぼ水平に延びた後、フレーム21の中間部において上り坂となり、この上り坂が終わるところからほぼ水平に延びてテープ出口21Bに至る。搬送路21Lのうちテープ出口21Bの直前の一定の領域は、フレーム21の上方に開放された状態となっている。キャリアテープCTは搬送路21Lの上流に位置するテープ入口21Aから搬送路21Lに挿入され、搬送路21Lの下流に位置するテープ出口21Bへ搬送される。
図3において、カバー部材22はフレーム21の前端上部に設けられており、上方に開放された搬送路21Lの少なくとも一部を上方から覆っている。図4に示すように、カバー部材22には、部品供給位置14Kに位置したキャリアテープCTのポケットPKから部品BHを取り出すための部品取出口22Gが設けられている。搭載ヘッド15は、部品取出口22Gの上方に位置させたノズル15Nの下端に吸引力を発生させることで、ポケットPK内の部品BHをノズル15Nに吸着させることができる。
図3において、ローディングスプロケット23はフレーム21の後下部に設けられている。ローディングスプロケット23の近傍には、ローディングスプロケット23を回転駆動するローディングスプロケット駆動部23Kが設けられている。ローディングスプロケット駆動部23Kの動作は、制御部26によって制御される。
図3において、フィードスプロケット24はフレーム21の前上部に設けられている。フィードスプロケット24は、上流側に位置する上流側フィードスプロケット24Aと、下流側に位置する下流側フィードスプロケット24Bから成る。2つのフィードスプロケット24の近傍には、2つのフィードスプロケット24を同期状態で回転駆動するフィードスプロケット駆動部24Kが設けられている。フィードスプロケット駆動部24Kの動作は、制御部26によって制御される。
ローディングスプロケット23と2つのフィードスプロケット24(上流側フィードスプロケット24Aおよび下流側フィードスプロケット24B)はそれぞれ、外周部に複数の送りピン(図示せず)を備えている。ローディングスプロケット23は下端近傍の一部の送りピンを搬送路21L内に位置させており、2つのフィードスプロケット24はそれぞれ、上端近傍の一部の送りピンを搬送路21L内に位置させている。ローディングスプロケット23と2つのフィードスプロケット24はそれぞれ、搬送路21L内のキャリアテープCTの送り孔SHに送りピンを係合させた状態で回転することにより、キャリアテープCTを搬送する。
ローディングスプロケット23は、ローディングスプロケット駆動部23Kによって回転駆動されることで、作業者によって先頭部がテープ入口21Aに挿入されたキャリアテープCTを搬送路21L内に引き込んだ後(引込み動作)、そのキャリアテープCTの先頭部を所定のロード位置に位置させる(ローディング動作)。ここで「ロード位置」とは、フィードスプロケット24(詳細には上流側フィードスプロケット24A)がキャリアテープCTを受け取って搬送することができる位置である。
フィードスプロケット24は、ローディングスプロケット23によって先頭部がロード位置に搬送されたキャリアテープCTを受け取って搬送する。これによりキャリアテープCTはカバー部材22の下方を通って移動し、テープ出口21Bから排出される。
図3および図4において、テープ処理部25は、カバー部材22の下面側に取り付けられている。テープ処理部25は上流側フィードスプロケット24Aと下流側フィードスプロケット24Bの間の位置でトップテープTTを切り開くこと等によってポケットPK内の部品BHを露出させる処理を行う。トップテープTTがテープ処理部25によって処理されることで、部品供給位置14K(部品取出口22G)に位置したポケットPKは剥き出しの状態となり、搭載ヘッド15はノズル15Nによって部品取出口22Gから部品BHを取り出す(ピックアップする)ことが可能となる。
このように本実施の形態におけるテープフィーダ14は、キャリアテープCTの搬送路21Lが形成されたフレーム21と、搬送路21LへのキャリアテープCTの入口であるテープ入口21Aに挿入されたキャリアテープCTを搬送路21L内に引き込んでその先頭部を所定のロード位置に搬送するローディングスプロケット23と、ロード位置に搬送されたキャリアテープCTを受け取って搬送することにより、キャリアテープCTに収納された部品BHを部品供給位置14Kに供給するフィードスプロケット24を備えた構成となっている。
図3および図5において、ローディングスプロケット23の下方の搬送路21Lを挟む位置には、リフト部材31が昇降自在に設置されている。リフト部材31はばね部材31Sによって上方に付勢されており、ばね部材31SとともにキャリアテープCTを押し上げるテープ押上げ部となっている。リフト部材31の上面は搬送路21Lの一部を構成している。
図3および図5において、フレーム21内のローディングスプロケット23の前方、すなわちローディングスプロケット23から搬送路21Lに沿って下流へ離れた位置には、ストッパ32が設けられている。ストッパ32は全体としてY方向に延びた形状を有しており、フレーム21に取り付けられたストッパ支持軸32Jによって下流側の前端部が支持されている。ストッパ32の後端には下方に延びた接触部32Tが設けられており、前端にはストッパ操作部32Sが下方に突出して設けられている。
ストッパ32はストッパ支持軸32Jを中心に揺動自在であり、接触部32Tを跳ね上げた非規制位置(図5)と、接触部32Tを下ろした規制位置(図5中に一点鎖線で示すストッパ32参照)との間で移動できる。ストッパ32は、図示しない弾性部材によって図5において時計回り方向に付勢され、これによりストッパ操作部32Sは搬送路21L側に押さえつけられる。また、ストッパ操作部32Sはその真下を通過するキャリアテープCTによって押し上げられることでストッパ32を図5において反時計回り方向に揺動させる。従って、ストッパ32はストッパ操作部32Sの真下の搬送路21LにキャリアテープCTがない状態では非規制位置に位置し、キャリアテープCTが存在する状態では規制位置に位置するようになっている。
図3において、ローディングスプロケット23の近傍には回転検出センサ41が設けられている。回転検出センサ41はローディングスプロケット23の回転を検出し、その検出情報を制御部26に送信する(図6)。回転検出センサ41は、例えば、ローディングスプロケット23の回転に応じてパルス信号を出力するエンコーダから成る。
図3において、ストッパ32の近傍にはストッパ位置検出センサ42が設けられている。ストッパ位置検出センサ42はストッパ32が規制位置にあるか非規制位置にあるかを検出し、その検出情報を制御部26に送信する(図6)。ストッパ位置検出センサ42は、例えば、ストッパ32の位置に応じて検査光の遮断と非遮断が切り替わるフォトセンサから成る。
図3において、ストッパ32の近傍には接触検出センサ43が設けられている。接触検出センサ43は、ローディングスプロケット23によって搬送されたキャリアテープCTの先頭部がストッパ32による停止位置に到達したことを検出し、その検出情報を制御部26に送信する(図6)。接触検出センサ43は、例えば、ストッパ32とストッパ支持軸32Jとの間に設けられたロードセルであってもよい。ストッパ32の接触部32TにキャリアテープCTの先頭部が接触してストッパ32の全体が押圧力を受けたときに、その押圧力をロードセルが感知することで、キャリアテープCTの先頭部がストッパ32による停止位置に到達したことを検出する。或いはストッパ32にキャリアテープCTの先頭部で押されることで変位する検出部材とこの検出部材の変位を検出するセンサを組み合わせた構成でもよい。また、接触部32Tに設けた感圧センサやタッチセンサを接触検出センサ43として利用してもよい。
なお、接触検出センサ43は、フィードスプロケット24によって搬送されているキャリアテープCT(「カレントテープCTA」と称する)がローディングスプロケット23の下に存在する状態でテープ入口21Aから挿入された補充用のキャリアテープCT(「補充テープCTB」と称する)を検出する(詳細は後述)。
図3において、フレーム21の前後方向の中間部にはテープ検出センサ44が設けられている。テープ検出センサ44はストッパ32と上流側フィードスプロケット24Aとの間の検査位置において、キャリアテープCTの有無を検出するとともに、キャリアテープCTの先頭部または後尾部の通過を検出し、それらの検出情報を制御部26に送信する(図6)。テープ検出センサ44は、例えば、キャリアテープCTによって検査光の遮断と非遮断が切り替わるフォトセンサから成り、検査光の遮断と非遮断の切り替わりのパターンに基づいて、キャリアテープCTの先頭部と後尾部を識別して検出する。
搬送路21L内にキャリアテープCTがない状態、或いはカレントテープCTAの後尾部がローディングスプロケット23の下方を通過した状態から新規のキャリアテープCTの先頭部がテープ入口21Aに挿入されると、キャリアテープCTの送り孔SHはローディングスプロケット23の最下端に位置する送りピン(最下端送りピン23G)に係合し、ローディングスプロケット23はキャリアテープCTによって従動回転させられる(図7(a)中に示す矢印A1)。ローディングスプロケット23の下方に位置するキャリアテープCTはリフト部材31によって押し上げられるので、キャリアテープCTの送り孔SHはローディングスプロケット23の最下端送りピン23Gに確実に係合する。
テープ入口21AにキャリアテープCTが挿入されることによってローディングスプロケット23が従動回転させられると、これが回転検出センサ41によって検出され、制御部26はローディングスプロケット駆動部23Kを制御して、ローディングスプロケット23を回転させる(図7(b)中に示す矢印B1)。これによりキャリアテープCTは搬送路21Lの下流側に引き込まれていく(図7(b)中に示す矢印C1)。このため作業者は、テープ入口21AにキャリアテープCTを挿入するときの挿入量はその挿入するキャリアテープCTによってローディングスプロケット23が回転させられる程度でよく、キャリアテープCTの引き込みが開始された後は、キャリアテープCTから手を放すことができる。
図7(a)において、ストッパ32が非規制位置に位置している状態では、接触部32Tの下端と搬送路21Lとの間の距離DDは、キャリアテープCTの厚さ方向寸法よりも大きくなっている。このためストッパ32が非規制位置に位置している場合、ローディングスプロケット23によって搬送されて搬送路21L内を進行してきたキャリアテープCTは、ストッパ32の接触部32Tの下方を通過する(図7(b))。
上記のように、キャリアテープCTが非規制位置に位置したストッパ32の下方を通過するとき、キャリアテープCTの先頭部は、搬送路21L内に位置したストッパ操作部32Sを押し上げる。このためストッパ32は、ストッパ支持軸32Jを中心に接触部32Tを下げる方向に揺動し、規制位置に位置する(図7(a)→図7(b))。規制位置では、ストッパ32の接触部32TはキャリアテープCTの上面に接触するか、或いはキャリアテープCTの上面から上方にわずかに離間した状態に位置する(図7(b))。
ローディングスプロケット駆動部23Kは、キャリアテープCTの先頭部がストッパ32に到達(詳細にはストッパ操作部32Sに到達)し、これによりストッパ32が規制位置に移動した後もローディングスプロケット23の駆動を継続する。そして、キャリアテープCTの先頭部がロード位置に到達し、フィードスプロケット24がキャリアテープCTを受け取って搬送を開始したら、ローディングスプロケット駆動部23Kはローディングスプロケット23の駆動を停止する。
ローディングスプロケット駆動部23Kによる駆動が停止されたローディングスプロケット23は、外力の作用によって従動回転させられる状態となる。このためフィードスプロケット24によってキャリアテープCTが搬送されている間(図8(a),(b)中に示す矢印C2)、ローディングスプロケット23は、フィードスプロケット24によって搬送されるキャリアテープCTによって従動回転させられる(図8(a),(b)中に示す矢印A2)。
フィードスプロケット24によってキャリアテープCT(カレントテープCTA)が搬送されている状態において、作業者がそのカレントテープCTAに重ねて補充テープCTBをテープ入口21Aに挿入すると、その補充テープCTBはローディングスプロケット23の最下端送りピン23GとカレントテープCTAの間に入り込み(図8(b)→図9(a))、カレントテープCTAは補充テープCTBによって下方に押し除けられる(図9(a))。カレントテープCTAが補充テープCTBによって下方に押し除けられると、カレントテープCTAの送り孔SHはローディングスプロケット23の最下端送りピン23Gから外れ、ローディングスプロケット23の最下端送りピン23Gには補充テープCTBの送り孔SHのみが係合した状態となる(図8(b))。また、このときリフト部材31は補充テープCTBの厚み分、ばね部材31Sを押し縮めて下降した状態で(図9(a)中に示す矢印D1)、カレントテープCTAと補充テープCTBの双方をローディングスプロケット23に下方から押し付ける。
上記のように、ローディングスプロケット23の最下端送りピン23Gに補充テープCTBの送り孔SHのみが係合し、カレントテープCTAの送り孔SHがローディングスプロケット23の最下端送りピン23Gから外れた状態では、ローディングスプロケット23はフィードスプロケット24によって搬送されるキャリアテープCTから影響を受けない。よって、フィードスプロケット24がカレントテープCTAを搬送している状況であっても、テープ入口21Aに補充テープCTBが挿入された状態では、ローディングスプロケット23はカレントテープCTAによって従動回転させられない。
作業者が補充テープCTBをテープ入口21Aに挿入し、その挿入した補充テープCTBの送り孔SHがローディングスプロケット23の最下端送りピン23Gに係合すると、ローディングスプロケット23は補充テープCTBの押し込みによって従動回転させられ(図9(a)中に示す矢印A3))、このローディングスプロケット23の回転が回転検出センサ41によって検出される。制御部26は、後述するテープ挿入判定によって、そのローディングスプロケット23の回転がテープ入口21AにキャリアテープCTが挿入されたことによるものであると判断した場合には、ローディングスプロケット駆動部23Kを制御して、ローディングスプロケット23を回転させる(図9(b)中に示す矢印B2)。これによりキャリアテープCTは、搬送路21Lの下流側に引き込まれていく。このため作業者は、テープ入口21AにキャリアテープCTを挿入するときの挿入量はその挿入するキャリアテープCTによってローディングスプロケット23が回転させられる程度でよく、キャリアテープCTの引き込みが開始された後は、キャリアテープCTから手を放すことができる。
テープ入口21Aに補充テープCTBを挿入したら、その補充テープCTBは上記のようにして搬送路21Lの下流側に引き込まれていくが、前述したように、カレントテープCTAがストッパ32の下方を進行しているときにはストッパ32は規制位置に位置しているので、カレントテープCTAの上を進行してきた補充テープCTBの先頭部はストッパ32の接触部32Tに接触し、補充テープCTBの進行は規制される(図9(b))。補充テープCTBの先頭部がストッパ32の接触部32Tに当接したことは接触検出センサ43によって検出され、制御部26はローディングスプロケット駆動部23Kを制御してローディングスプロケット23の回転を停止させる。これにより補充テープCTBは先頭部がストッパ32に接触した位置(待機位置)に位置する待機状態となる。すなわち本実施の形態において、ストッパ32は、ローディングスプロケット23によって搬送路21Lに引き込まれた補充テープCTBの先頭部と接触してその補充テープCTBを待機位置に停止させるものとなっている。
フィードスプロケット24によるキャリアテープCT(カレントテープCTA)の搬送が進み、そのカレントテープCTAの後尾部がストッパ操作部32Sの下方を通過すると(図10(a)→図10(b))、カレントテープCTAによるストッパ操作部32Sの押上げがなくなる。このためストッパ32は規制位置から非規制位置に移動し(図10(a)→図10(b))、待機状態にあった補充テープCTBはストッパ32により移動が制限されていた状態から解放(待機状態が解除)される。また、リフト部材31は、通過したカレントテープCTAの厚み分、ばね部材31Sの付勢力によって上昇し(図10(a)中に示す矢印D2)、ローディングスプロケット23の最下端送りピン23Gは、補充テープCTBの送り孔SHと係合した状態となる(図10(a))。
上記のようにしてストッパ32が規制位置から非規制位置に位置して補充テープCTBの待機状態が解除されると、補充テープCTBはそれまでカレントテープCTAが位置していた搬送路21Lの位置(搬送路21Lの上面と接触する位置)に移動する。これにより補充テープCTBはストッパ32の下方を通過することが可能となる。
ストッパ32が規制位置から非規制位置に移動した状態はストッパ位置検出センサ42によって検出され、制御部26はその後、カレントテープCTAの後尾部が上流側フィードスプロケット24Aを通過したことを検知したときに、ローディングスプロケット駆動部23Kによるローディングスプロケット23の回転を再開させる。これにより補充テープCTBはロード位置に向けて搬送される。補充テープCTBの先頭部がロード位置に到達したら、制御部26はローディングスプロケット23の回転を停止させる。補充テープCTBの先頭部がロード位置に到達したら、フィードスプロケット24はその補充テープCTBを、以後、カレントテープCTAとして搬送する。
このように本実施の形態において、ローディングスプロケット23は、テープ入口21Aに挿入されたキャリアテープCTによって従動回転させられた後、駆動手段であるローディングスプロケット駆動部23Kによって回転駆動されてキャリアテープCTをロード位置に搬送する。そして、フィードスプロケット24がキャリアテープCT(カレントテープCTA)を搬送している間はローディングスプロケット駆動部23Kによる駆動が停止されて、補充テープCTBがテープ入口21Aに挿入されない限り、フィードスプロケット24が搬送するキャリアテープCTによって従動回転させられる(テープ入口21Aに補充テープCTBが挿入されるまでフィードスプロケット24が搬送するキャリアテープCTによって従動回転させられる)ようになっている。
図6において、制御部26は、回転検出部71、テープ引込み動作部72、記憶部73、ローディング動作部74、カレントテープ搬送部75および通信部76を備えている。回転検出部71は、回転検出センサ41からの出力を受信することでローディングスプロケット23の回転を検出する。更に、回転検出部71は、回転検出センサ41からの出力に基づいて、ローディングスプロケット23の回転状態を検出する。回転検出センサ41がローディングスプロケット23の従動回転を検出する場合としては、次の2つのケースがあり得る。
回転検出センサ41がローディングスプロケット23の従動回転を検出する第1のケースは、作業者がテープ入口21AにキャリアテープCTを挿入したことにより、そのキャリアテープCTによってローディングスプロケット23が従動回転させられた場合である。このケースは、新規にキャリアテープCTが挿入された場合(図7(a))と、フィードスプロケット24によって搬送されているキャリアテープCT(カレントテープCTA)の後尾部がまだローディングスプロケット23の下方を通過していない状態で補充テープCTBが挿入された場合(図9(a))とを含む。
回転検出センサ41がローディングスプロケット23の従動回転を検出する第2のケースは、フィードスプロケット24によって搬送されるキャリアテープCT(カレントテープCTA)によって従動回転させられる場合(図8(a),(b))である。具体的には、カレントテープCTAの送り孔SHとローディングスプロケット23の最下端送りピン23Gとが係合している状態(図8(a),(b))でフィードスプロケット24によってカレントテープCTAが搬送されるとフィードスプロケット24はカレントテープCTAに引っ張られて従動回転する。ローディングスプロケット23とカレントテープCTAとの間に補充テープCTBが挟まれている状態(図9(a),(b))ではカレントテープCTAの送り孔SHにローディングスプロケット23の最下端送りピン23Gは係合していないのでカレントテープCTAの搬送によってローディングスプロケット23が従動回転することはない。
第2のケースによるローディングスプロケット23の従動回転は、フィードスプロケット24の回転に同期したタイミングで発生し、従動回転の開始と終了のタイミングはフィードスプロケット24とほぼ一致する。また、ローディングスプロケット23の回転量はフィードスプロケット24の回転量に比例し、回転量をキャリアテープCTの送り量に換算するとフィードスプロケット24によるキャリアテープCTの送り量と一致する。これに対し、第1のケースによるローディングスプロケット23の従動回転は作業者の作業に由来するのでフィードスプロケット24の回転とは同期せず、回転量や回転速度もフィードスプロケット24によるものとは一致しない。このように、第1のケースと第2のケースによる従動回転は明確に異なっている。フィードスプロケット24の動作中に作業者によるキャリアテープCTの挿入作業が行われると第1のケースと第2のケースによる従動回転が同時もしくは連続して発生することも想定されるが、回転検出センサ41で検出されたローディングスプロケット23の回転に第1のケースによる従動回転の特徴を含むか否かを判定することでテープ入口21AにキャリアテープCTが挿入されたことを確実に検出することができる。
回転検出部71は、回転検出センサ41から出力されるパルス信号に基づいてローディングスプロケット23の回転状態を求める。具体的には、回転検出部71は、回転量(回転角度)、回転速度、連続回転時間等の数値データを求める。また、回転量と回転速度についてはキャリアテープCTの送り量と送り速度に換算する。
図6において、テープ引込み動作部72は判定部72aと引込み動作制御部72bを備えている。判定部72aは、回転検出部71によってローディングスプロケット23の回転が検出された場合に、そのローディングスプロケット23の回転がテープ入口21AにキャリアテープCTが挿入されたことによる従動回転であるか否かを判定する。以下、この判定を「テープ挿入判定」と称する。本実施の形態では、回転検出部71と判定部72aがテープ挿入判定部77として機能する。
判定部72aは、回転検出センサ41によってローディングスプロケット23の回転が検出された場合に、そのローディングスプロケット23の回転が、前述の第1のケースを含むか否かを判定することによってテープ挿入判定を行う。テープ挿入判定では、回転検出センサ41によって検出されるローディングスプロケット23の回転が前述の第1のケースに該当するか否か、すなわち、ローディングスプロケット23の回転が、テープ入口21AにキャリアテープCT(新規のキャリアテープCTまたは補充テープCTB)が挿入されることによって生じたものであるかどうかを判定する。この判定は、回転検出部71で求めた回転状態に基づいて判定する。記憶部73には、判定部72aがテープ挿入判定を行う際に必要となる判定基準値73aが記憶されており(図6)、判定部72aは回転状態を示す数値データを記憶部73に記憶された判定基準値73aと比較してテープ挿入判定を行う。テープ挿入判定の具体的な手順については後述する。
引込み動作制御部72bは、判定部72aにおいて、ローディングスプロケット23の回転が前述の第1のケース、すなわち、テープ入口21AにキャリアテープCTが挿入されたことによって生じたものであると判定された場合には、ローディングスプロケット駆動部23Kを制御してローディングスプロケット23を回転させ、キャリアテープCTを搬送路21Lに引き込む。そして、キャリアテープCTの先頭部がストッパ32に接触(新規のキャリアテープCTについてはストッパ操作部32Sに接触、補充テープCTBについては接触部32Tに接触)したところで、ローディングスプロケット23の作動を停止させる。
ローディング動作部74は、テープ引込み動作部72がローディングスプロケット23を作動させることによって、テープ入口21Aに挿入されたキャリアテープCTがストッパ32に到達するまで引き込まれたら、所定のタイミングでローディングスプロケット23によるキャリアテープCTの搬送を再開する。そして、キャリアテープCTの先頭部がロード位置に到達したタイミングで、ローディングスプロケット駆動部23Kを停止させる。
ここで、上記「所定のタイミング」は、テープ引込み動作部72によって引き込まれたキャリアテープCTが新規に挿入されたキャリアテープCTであった場合には、そのキャリアテープCTの先頭部がストッパ32に到達(ストッパ操作部32Sに到達)したときとなる。このときローディングスプロケット駆動部23Kは、キャリアテープCT(新規に挿入されたキャリアテープCT)の先頭部がストッパ32に到達する前後でローディングスプロケット23の回転を停止させる必要はなく、キャリアテープCTの引込み動作とローディング動作を連続して行う。
一方、テープ引込み動作部72によって引き込まれたキャリアテープCTが補充テープCTBであった場合には、上記「所定のタイミング」は、カレントテープCTAの後尾部が上流側フィードスプロケット24Aを通過したとき(すなわち、補充テープCTBを上流側フィードスプロケット24Aが受け取ることができる状況になったとき)となる。なお、上記「キャリアテープCTの先頭部がロード位置に到達したタイミング」は、そのキャリアテープCTの先頭部がテープ検出センサ44によって検出された後、キャリアテープCTの先頭部が上流側フィードスプロケット24Aに到達するまでのローディングスプロケット23の回転数を計測すること等によって検知することができる。
カレントテープ搬送部75は、ローディング動作部74によって搬送されるキャリアテープCTの先頭部がロード位置に到達した場合に、フィードスプロケット駆動部24Kを作動させ、2つのフィードスプロケット24(上流側フィードスプロケット24Aおよび下流側フィードスプロケット24B)を同期して回転させることによって、キャリアテープCTをカレントテープCTAとして搬送する。
このようにしてフィードスプロケット24によって搬送されるキャリアテープCT、すなわちカレントテープCTAの後尾部が上流側フィードスプロケット24Aを通過するタイミングは、テープ検出センサ44によってカレントテープCTAの後尾部の通過が検出された後、その後尾部が上流側フィードスプロケット24Aを通過し終えるまでの上流側フィードスプロケット24Aの回転数を計測することによって検知することができる。そして、そのようにして検知される「カレントテープCTAの後尾部が上流側フィードスプロケット24Aを通過するタイミング」は、上記の「引き込んだキャリアテープCTが補充テープCTBであった場合」の「所定のタイミング」として用いられる。
通信部76は、テープフィーダ14が装着される部品搭載装置1の制御部である搭載装置制御部18と管理装置KSとに繋がっている(図1、図3および図6)。ここで管理装置KSとは、部品搭載装置1のみならず部品搭載ラインを構成する他の装置(印刷装置や検査装置等)と繋がって部品搭載ラインの全体の作業管理を行う装置である。
前述のテープ検出センサ44によって検出されるキャリアテープCTの先頭部の位置情報および後尾部の位置情報等はテープフィーダ14における作業状況を詳細に示す情報であり、通信部76を通じて搭載装置制御部18と管理装置KSとに送信される。このため搭載装置制御部18あるいは管理装置KSは、部品搭載装置1が備える各テープフィーダ14の稼働状況を的確に把握することができ、必要な処置を適切なタイミングでとることができる。
ここで、前述した判定部72aが行うテープ挿入判定の具体例について説明する。判定部72aは、ローディングスプロケット23の回転状態を示す数値データを回転検出部71から取得する。そして、取得した数値データに基づいて、ローディングスプロケット23の回転が、テープ入口21AにキャリアテープCTが挿入されたことによって生じたものであるかどうかを判定する。
(1)連続回転時間による判定
ここで、「連続回転時間」とは、静止状態にあったローディングスプロケット23が回転を開始してからその回転を停止するまでの間の時間である。ローディングスプロケット23の連続回転時間は、第2のケースではフィードスプロケット24の連続回転時間と一致するのに対し第1のケースでは一致しないので、その違いに基づいてテープ挿入判定を行う。判定部72aは、回転検出部71から取得した連続回転時間がフィードスプロケット24の連続回転時間と一致しない場合は、ローディングスプロケット23の回転がテープ入口21AにキャリアテープCTが挿入されたことによって生じたものであると判定(テープ挿入判定)する。なお、判定基準となるフィードスプロケット24の連続回転時間は、フィードスプロケット駆動部24Kの作動時間を流用してもよい。或いは、記憶部73に判定基準値73aとして記憶された基準時間であってもよい。
(2)回転量と回転速度による判定
フィードスプロケット24によるカレントテープCTAの送り量と送り速度は既知である。またカレントテープCTAによって従動回転するローディングスプロケット23の回転量と回転速度もフィードスプロケット24による送り量や送り速度と一定の相関関係にあるので既知である。この既知の回転量と回転速度は、判定基準値73aとして記憶部73に記憶されている。判定部72aは、回転検出部71から取得したローディングスプロケット23の回転量と回転速度を判定基準値73aとして記憶部73に記憶されている回転量や回転速度と比較し、許容範囲内で一致する場合は第2のケースによる従動回転であると判定し、許容範囲から外れて相違する場合は第1のケース、すなわち、ローディングスプロケット23の回転がテープ入口21AにキャリアテープCTが挿入されたことによって生じたものであると判定(テープ挿入判定)する。なお、回転量や回転速度によるテープ挿入判定は、ローディングスプロケット23の回転量や回転速度をキャリアテープCTの送り量と送り速度に換算してから判定してもよい。この場合、フィードスプロケット駆動部24Kを駆動させるための設定値(キャリアテープCTの送り量や送り速度)を判定基準値73aとして記憶部73に記憶しておき、これと比較して判定する。
(3)フィードスプロケットの回転と同期するかどうかの判定
第2のケースでは、ローディングスプロケット23の従動回転とフィードスプロケット24の回転は同期するのに対し第1のケースでは同期しないので、同期の有無を確認することでテープ挿入判定を行う。回転検出部71は回転検出センサ41からパルス信号を受信することでローディングスプロケット23の従動回転を検出する。判定部72aは、ローディングスプロケット23の従動回転が回転検出センサ41で検出されたタイミングでフィードスプロケット24が回転しているかどうかを確認する。フィードスプロケット24が回転しているかどうかの確認は、フィードスプロケット駆動部24Kの駆動状況から確認する。そして、判定部72aは、ローディングスプロケット23の従動回転中にフィードスプロケット24も回転している場合は、ローディングスプロケット23の従動回転は第2のケースによるものと判定し、従動回転中にフィードスプロケット24が停止している場合は、第1のケース、すなわち、ローディングスプロケット23の回転がテープ入口21AにキャリアテープCTが挿入されたことによって生じたものであると判定(テープ挿入判定)する。この判定は、ローディングスプロケット23の従動回転が継続している期間中繰り返し実行される。
図11のフローチャートは、テープ引込み動作部72が実行するテープ引込み動作の流れ(テープフィーダ14の制御方法)を示している。このフローチャートに示すように、テープ引込み動作部72は先ず、回転検出センサ41の出力に基づいて、ローディングスプロケット23が回転したかどうかを検出する(ステップST1の回転検出工程)。そして、回転検出センサ41の出力に基づいてローディングスプロケット23の回転を検出した場合には、次いで、ストッパ位置検出センサ42からの検出情報に基づいて、ストッパ32が規制位置に位置しているか否かを判断する(ステップST2)。その結果、ストッパ32が規制位置に位置していると判断した場合には、判定部72aは、前述の要領によって、ローディングスプロケット23の回転が第1のケースによる従動回転であるか否か、すなわち、ローディングスプロケット23の回転が、テープ入口21AにキャリアテープCTが挿入されたことによる従動回転であるかどうかを判定する(ステップST3テープ挿入判定工程)。
テープ引込み動作部72は、判定部72aによるステップST3のテープ挿入判定の結果を参照し、ローディングスプロケット23の回転がキャリアテープCTの挿入による従動回転であるかどうかを判断する(ステップST4)。その結果、ローディングスプロケット23の回転がキャリアテープCTの挿入による従動回転でないと判断した場合には、ステップST1で検出されたローディングスプロケット23の従動回転は、フィードスプロケット24がカレントテープCTAを搬送することによって生じているものであるとし、ローディングスプロケット駆動部23Kによるローディングスプロケット23の回転駆動を行わずにステップST1に戻る。一方、テープ引込み動作部72は、ステップST4において、キャリアテープCTの挿入による従動回転であると判断した場合には、ステップST1で検出されたローディングスプロケット23の従動回転はテープ入口21Aから補充テープCTBが挿入されたことによって生じているものとし、次いで、接触検出センサ43の検出情報に基づいて、その補充テープCTBの先頭部がストッパ32に到達したかどうかを判断する(ステップST5の到達判断工程)。
テープ引込み動作部72は、ステップST5において、挿入された補充テープCTBの先頭部がストッパ32に到達していないと判断した場合には、ローディングスプロケット駆動部23Kを作動させて(ステップST6のローディングスプロケット駆動工程)、キャリアテープCTを搬送する。そして、ステップST5に戻って補充テープCTBの先頭部がストッパ32に到達したかどうかを監視し、補充テープCTBの先頭部がストッパ32に到達したと判断した場合には、ローディングスプロケット駆動部23Kの作動を停止させる(ステップST7のローディングスプロケット駆動停止工程)。これにより、テープ入口21Aに挿入されたキャリアテープCT(補充テープCTB)は、ストッパ32に到達するまで引き込まれる。
なお、作業者が、テープ入口21Aから挿入したキャリアテープCT(補充テープCTB)をそのままストッパ32に到達する位置まで押し込んだ場合には、その時点で補充テープCTBの先頭部がストッパ32に到達することになる。この場合には、上記のステップST5の判断から直接ステップST7に進むことになるので、ローディングスプロケット駆動工程(ステップST6)はスキップされる。
一方、前述のステップST2において、ストッパ32が規制位置に位置していないと判断した場合には、判定部72aは、ステップST1で検出されたローディングスプロケット23の従動回転はテープ入口21AからキャリアテープCTが新規に挿入されたことによって生じているものであるとし、ローディングスプロケット駆動部23Kを作動させて(ステップST8のローディングスプロケット駆動工程)、キャリアテープCTを搬送する。そして、ストッパ位置検出センサ42からの検出情報に基づいて、ストッパ32が規制位置に位置したか否かを判断する(ステップST9)。その結果、ストッパ32が規制位置に位置していないと判断した場合には、ステップST8に戻ってローディングスプロケット駆動部23Kの作動を継続し、ストッパ32が規制位置に位置したと判断した場合には、ローディングスプロケット駆動部23Kの作動を停止させる(ステップST7のローディングスプロケット駆動停止工程)。これにより、テープ入口21Aに新規に挿入されたキャリアテープCTは、ストッパ32が規制位置に移動するまで、引き込まれる。
このように、本実施の形態におけるテープフィーダ14は、ローディングスプロケットの回転を検出する回転検出センサ41によって検出されるローディングスプロケット23の回転がテープ入口21AにキャリアテープCTが挿入されたことによる従動回転であるか否かを判定部72aにおいて判定し、その結果、ローディングスプロケット23の回転がテープ入口21Aにキャリアテープが挿入されたことによる従動回転であると判定された場合には、引込み動作制御部72bがローディングスプロケット23を回転させてキャリアテープCTを搬送路21Lに引き込むようになっている。このため専用のセンサを必要とすることなく搬送路21LにキャリアテープCTが挿入された状態を検知してそのキャリアテープCTの引込み動作およびその後のローディング動作を行うことができる。
以上説明したように、本実施の形態における部品搭載装置1が備えるテープフィーダ14(およびテープフィーダ14の制御方法)では、回転検出センサ41によって検出されるローディングスプロケット23の回転が搬送路21LにキャリアテープCTが挿入されたことによる従動回転であるか否かを判定し、ローディングスプロケット23の回転が搬送路21LにキャリアテープCTが挿入されたことによる従動回転であると判定された場合にローディングスプロケット23を回転させてキャリアテープCTを搬送路21Lに引き込むようになっている。このため本実施の形態におけるテープフィーダ14によれば、搬送路21LにキャリアテープCTが挿入されたことを検出するための専用のセンサが不要であり、製造コストの低減を図ることができる。
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されず、種々の変形等が可能である。例えば、上述の実施の形態では、回転検出センサ41によって検出されるローディングスプロケット23の回転がテープ入口21AにキャリアテープCTが挿入されたことによる従動回転であるか否かを判定する判定部72aは、回転検出センサ41によって検出されるローディングスプロケット23の連続回転時間に基づいて、或いは、回転検出センサ41からの出力に基づいて求められるキャリアテープCTの送り量と送り速度に基づいてテープ挿入判定を行うようなっていたが、その他の方法によって判定してもよい。