JP2022086988A - 透光性部材及びその製造方法、光学部材、発光装置 - Google Patents

透光性部材及びその製造方法、光学部材、発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】色度の調整された光を出射可能な透光性部材や発光装置などを提供する。【解決手段】本透光性部材は、光が出射される出射面を備えた光透過部と、前記出射面の上に形成され、膜厚が1nm以上10nm以下である膜状の金属領域、あるいは、前記出射面に垂直な方向の最大長が1nm以上100nm以下である粒子状の金属が散布する金属領域と、を有する。【選択図】図1

Description

本開示は、透光性部材及びその製造方法、光学部材、発光装置に関する。
蛍光体を含有する光透過部の一部に金属が形成された透光性部材が知られている。例えば特許文献1には、金属のプラズモン(近接場)効果を利用するために、蛍光体の表面に金属を密着させた蛍光複合体についての技術開示がされている。
特開2013-209570号公報
本開示は、色度の調整された光を出射可能な透光性部材や発光装置などを提供することを目的とする。
本開示の一実施形態に係る透光性部材は、光が出射される出射面を備えた光透過部と、前記出射面の上に形成され、膜厚が1nm以上10nm以下である膜状の金属領域、あるいは、前記出射面に垂直な方向の最大長が1nm以上100nm以下である粒子状の金属が散布する金属領域と、を有する。
また、本開示の一実施形態に係る光学部材は、本開示の一実施形態に係る透光性部材と、前記光透過部の入射面側に配置される透光性の板状部材と、を有する。
また、本開示の一実施形態に係る発光装置は、本開示の一実施形態に係る透光性部材、あるいは、本開示の一実施形態に係る光学部材、を有し、前記透光性部材は、前記発光素子から出射された光を、前記出射面から前記金属領域を通して出射させる。
また、本開示の一実施形態に係る透光性部材の製造方法は、光が出射される出射面を備えた光透過部を準備する工程と、前記出射面に膜厚が1nm以上10nm以下の金属膜を設ける工程と、前記出射面に成膜された金属膜を加熱し、加熱によって粒子化された金属を含む金属領域を形成する工程と、を有する。
本開示の一実施形態によれば、色度の調整された光を出射可能な透光性部材、光学部材、または、発光装置を提供できる。
第1実施形態に係る透光性部材を例示する斜視図である。 第1実施形態に係る透光性部材を例示する、図1のII-II線における断面図である。 第1実施形態に係る透光性部材の製造方法を例示する図(その1)である。 第1実施形態に係る透光性部材の製造方法を例示する図(その2)である。 膜厚1[nm]で成膜した金属膜の加熱前のSEM写真である。 膜厚1[nm]で成膜した金属膜の加熱前の別のSEM写真である。 膜厚1[nm]で成膜した金属膜の加熱後のSEM写真である。 膜厚1[nm]で成膜した金属膜の加熱後の別のSEM写真である。 膜厚2[nm]で成膜した金属膜の加熱後のSEM写真である。 膜厚2[nm]で成膜した金属膜の加熱後の別のSEM写真である。 膜厚3[nm]で成膜した金属膜の加熱後のSEM写真である。 膜厚3[nm]で成膜した金属膜の加熱後の別のSEM写真である。 膜厚5[nm]で成膜した金属膜の加熱後のSEM写真である。 膜厚5[nm]で成膜した金属膜の加熱後の別のSEM写真である。 膜厚1[nm]の金属膜の加熱前後での直線透過率の変化を例示する図である。 膜厚2[nm]の金属膜の加熱前後での直線透過率の変化を例示する図である。 膜厚3[nm]の金属膜の加熱前後での直線透過率の変化を例示する図である。 膜厚5[nm]の金属膜の加熱前後での直線透過率の変化を例示する図である。 第1実施形態の変形例1に係る透光性部材を例示する断面図である。 膜厚1[nm]の金属膜上に保護膜を形成した場合の、加熱前後での直線透過率の変化を例示する図である。 膜厚2[nm]の金属膜上に保護膜を形成した場合の、加熱前後での直線透過率の変化を例示する図である。 第1実施形態の変形例2に係る透光性部材を例示する断面図である。 第2実施形態に係る光学部材を例示する斜視図である。 第2実施形態に係る光学部材を例示する、図18のXIX-XIX線における断面図である。 第3実施形態に係る発光装置を例示する斜視図である。 第3実施形態に係る発光装置を例示する、図20のXXI-XXI線における断面図である。 第3実施形態に係る発光装置から更に光学部材を除いた状態の斜視図である。 第3実施形態に係る発光装置から更に光学部材を除いた状態の平面図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
また、本開示において、三角形や四角形等の多角形に関しては、多角形の隅に角丸め、面取り、角取り、丸取り等の加工が施された形状も含めて、多角形と呼ぶものとする。また、隅(辺の端)に限らず、辺の中間部分に加工が施された形状も同様に、多角形と呼ぶものとする。つまり、多角形をベースに残しつつ、部分的な加工が施された形状は、本開示で記載される"多角形"の解釈に含まれるものとする。
また、多角形に限らず、台形や円形や凹凸等、特定の形状を表す言葉についても同様である。また、その形状を形成する各辺を扱う場合も同様である。つまり、ある辺において、隅や中間部分に加工が施されていたとしても、"辺"の解釈には加工された部分も含まれる。なお、部分的な加工のない"多角形"や"辺"を、加工された形状と区別する場合は"厳密な"を付して、例えば、"厳密な四角形"等と記載するものとする。
さらに、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための透光性部材等を例示するものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施形態において説明する内容の一部または全部は、他の実施形態や変形例にも適用可能である。少なくとも、一の実施形態において説明された内容が、他の実施形態や変形例に係る図面に表れている場合、他の実施形態や変形例にも適用可能であることを示している。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。さらに、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略した模式図を用いたり、断面図として切断面のみを示す端面図を用いたりすることがある。
〈第1実施形態〉
図1は、第1実施形態に係る透光性部材を例示する斜視図である。図2は、第1実施形態に係る透光性部材を例示する、図1のII-II線における断面図である。
図1及び図2に示すように、透光性部材10は、複合部材13と、金属領域15とを有する。
透光性部材10の各構成要素について説明する。
(複合部材13)
複合部材13は、光透過部11と、光反射部12とを有する。ただし、光反射部12は必須の構成要素ではなく、必要に応じて設けられる。例えば、図1において、光反射部12が設けられている部分を、光透過部11と同様の、あるいは、光透過部11とは別の、光透過部としてもよい。
光透過部11は、上面11aと、上面11aの反対側の面である下面11bと、上面11a及び下面11bと交わる1または複数の側面11cとを有する。1または複数の側面11cは、上面11aの外縁と下面11bの外縁とを接続する。光透過部11は、例えば、直方体又は立方体である。この場合、光透過部11の上面11a及び下面11bは何れも矩形であり、光透過部11は4つの矩形の側面11cを有する。ここでいう矩形とは、長方形又は正方形である。
ただし、光透過部11は、直方体や立方体には限定されない。例えば、光透過部11の平面形状は矩形には限定されず、円形、楕円形、多角形等の任意の形状とすることが可能である。円柱形状の光透過部11の場合、光透過部11の上面11a及び下面11bは何れも円形であり、光透過部11は円周に沿った1つの筒状の側面11cを有する。なお、光透過部11の上面11aの法線方向から対象物を見ることを平面視と称する場合があり、光透過部11の上面11aの法線方向から対象物を視た形状を平面形状と称する場合がある。
光透過部11は、例えば、下面11bから上面11aに亘って光を透過する。下面11bから入射して上方に進行する光を上面11aから出射させることができる。下面11bは光が入射する入射面となることができ、上面11aは光が出射される出射面となることができる。なお、上面11aが、光が入射する入射面であり、かつ、光が出射される出射面であってもよい。光透過部11は、光を透過する透光性を有する。光透過部11は、例えば、400nm以上760nm以下の波長範囲の光に対して透光性を有してもよい。本願において「光に対して透光性を有する」とは、当該光に対する透過率が80%以上であることを指す。また、当該光が、ある波長範囲に亘った光である場合には、少なくとも当該光のピーク波長に対する透過率が80%以上であることを指す。
光透過部11には、光が照射されるため、光透過部11の母材は、光の照射により分解されにくい無機材料を主材料に用いて形成することが好ましい。主材料は、例えば、セラミックスである。主材料に用いられるセラミックスとしては、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、又は酸化マグネシウムが挙げられる。セラミックスの主材料は、光透過部11に熱による変形や変色等の変質が生じないように、融点が1300℃~2500℃の材料を選択することが好ましい。光透過部11は、例えば、セラミックスを主材料として形成された焼結体である。なお、主材料とは、その構成要素において、重量比または体積比で、最も多くの割合を占める材料である。また、主材料には、他の材料が含まれない、つまり、主材料のみでその構成要素を形成することも含み得る。
光透過部11は、蛍光体を有する波長変換部であってもよい。光透過部11が波長変換部である場合、光透過部11は、例えば、入射面から入射した光を異なる波長の光に変換し、変換された光を出射面から出射させることができる。光透過部11は、入射した光の一部を出射してもよい。光透過部11は、入射した光をすべて異なる波長の光に変換してもよい。この場合、光透過部11に入射した光は、光透過部11から出射されない。
光透過部11が波長変換部である場合、光透過部11は、例えば、蛍光体と酸化アルミニウム等の透光性材料とを焼結させて形成できる。蛍光体の含有量は、セラミックスの総体積に対して0.05体積%~50体積%とすることができる。また、例えば、蛍光体の紛体を焼結させた、実質的に蛍光体のみからなるセラミックスを用いてもよい。また、光透過部11は、蛍光体の単結晶で形成されてもよい。
蛍光体としては、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG)、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)SiO)、αサイアロン蛍光体、βサイアロン蛍光体等が挙げられる。なかでも、YAG蛍光体やLAG蛍光体などのガーネット系蛍光体は、耐熱性が良好である。
例えば、光透過部11がYAG蛍光体を有し、光透過部11に青色の光を入射させる利用形態があり得る。この場合、青色の励起光が入射すると、青色の励起光と蛍光とが混同して白色光を出射させることができる。
光反射部12は、例えば、矩形状の開口を有する枠状部材である。光反射部12は、上面12aと、上面12aの反対面である下面12bと、上面12aの内縁と下面12bの内縁とを接続する1または複数の内側面12cと、上面12aの外縁と下面12bの外縁とを接続する1または複数の外側面12dとを有する。上面12aの外縁及び内縁と、下面12bの外縁及び内縁の外形は、例えば、矩形である。この場合、光反射部12は、4つの矩形の内側面12cと、4つの矩形の外側面12dとを有する。なお、上面12aの外縁及び内縁と、下面12bの外縁及び内縁の外形は、矩形には限定されず、円形、楕円形、多角形等の任意の形状とすることが可能である。
光反射部12は、例えば、セラミックスを主材料として形成された焼結体である。主材料に用いられるセラミックスとしては、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。酸化アルミニウムは、後述する光反射部12の形成方法との関係で、好ましい材料の一つであるといえる。なお、光反射部12は、セラミックスを主材料としなくてもよい。光反射部12は、例えば、金属や、セラミックスと金属の複合体等を用いて形成されてもよい。
複合部材13において、光反射部12の内側面12cは、光透過部11の側面11cと接続する。複合部材13は、平板形状であり、例えば、直方体である。なお、複合部材13の形状はこれに限定されず、例えば、円柱の平板形状であってもよく、また例えば、光透過部11が光反射部12よりも窪んだ形状などであってもよい。
光透過部11の上面11aと光反射部12の上面12aは、連続する1つの平面を形成し得る。光透過部11の下面11bと光反射部12の下面12bは、連続する1つの平面を形成し得る。あるいは、複合部材13は、光透過部11の上面11a及び/又は下面11bが、光反射部12の上面12a及び/又は下面12bよりも突出した形状などであってもよい。この場合は、光透過部11の側面11cの一部が、光反射部12の内側面12cと接続する。
光透過部11と光反射部12とは、例えば、別体に用意され、これらを接合して形成されてもよい。また例えば、光透過部11と光反射部12とを一体に形成してもよい。光透過部11と光反射部12とは、例えば、一体的な焼結体で形成することができる。光透過部11及び光反射部12において、空隙率を調整することも可能である。空隙率は、焼結条件(焼結温度、焼結時間、昇温速度)、材料の粒径、焼結助剤の濃度等により調整できる。
光反射部12は、1または複数の内側面12cまたはその近傍において、光を反射する2次元または3次元の反射領域を有する。例えば、セラミックスを主材料として光反射部12を形成するときに、1または複数の内側面12cの近傍に空隙を有するように形成することで、反射領域を有する光反射部12を形成することができる。なお、1または複数の内側面12cの近傍のみに空隙を有していなくてもよく、光反射部12が全体的に内部に空隙を有して形成されていてもよい。酸化アルミニウムを主材料にして形成された光反射部12は、空隙を有することで高反射率の反射領域を設けることができ、光反射部12の好ましい材料の一つといえる。
複合部材13において、光反射部12の空隙率は光透過部11の空隙率よりも大きい。つまり、光反射部12が光透過部11よりも多くの空隙を含むように複合部材13を形成する。光反射部12の空隙率が10%程度となるように、焼結条件を調整することが好ましい。これにより、光透過部11の側面11cと光反射部12の内側面12cとの境界に空気による反射領域が形成され、光透過部11側から光反射部12の内側面12cに当たる光を光透過部11側に反射させることができる。光透過部11の空隙率が20%以下となるように、焼結条件を調整することが好ましい。これにより、光反射部12の十分な強度を得ることができる。
(金属領域15)
金属領域15は、膜厚が1nm以上10nm以下の金属膜である。あるいは、金属領域15は、厚さ方向の最大長が1nm以上100nm以下である粒状の金属が散布する領域である。金属領域15を構成する粒状の金属は、例えば、1nm以上10nm以下の膜厚で成膜された金属膜を加熱処理することで形成することができる。金属膜は、1nm以上であれば成膜可能であり、10nm以下であれば400nm以上760nm以下の波長範囲において一定以上の透過率が得られる。以下、粒状の金属が散布した状態にある金属領域15を粒状分布金属と呼ぶものとする。
金属領域15は、400nm以上760nm以下の波長範囲において、透過率ボトム波長を有する。ここで、透過率ボトム波長とは、金属領域15に入射する400nm以上760nm以下の波長範囲の光に対して、金属領域15の直線透過率が最小となる波長である。金属領域15の透過率ボトム波長は、金属領域15の吸収ピーク波長と一致する。そのため、400nm以上760nm以下の波長範囲における金属領域15の直線透過率を測定し、直線透過率が最小値となる透過率ボトム波長を求めれば、400nm以上760nm以下の波長範囲における金属領域15の吸収ピーク波長を知ることができる。また、金属領域15に入射する400nm以上760nm以下の波長範囲の光に対して、金属領域15の直線透過率が最大となる波長を透過率ピーク波長とする。
本願において、金属領域15の直線透過率は、以下のようにして測定した。まず、一方の面及びその反対面である他方の面が鏡面加工された厚さ400μm程度の板状のサファイア(金属領域15は形成されていない)を準備する。なお、サファイアは、金属膜が成膜される被成膜部材であり、金属領域15が形成される被形成部材ということもできる。そして、この板状のサファイアの他方の面に垂直に入射した光に対する、一方の面から垂直に出射した光の割合を測定し、測定結果を直線透過率S(%)とする。次に、この板状のサファイアの一方の面に金属領域15を形成し、この板状のサファイアの他方の面に垂直に入射した光に対する、金属領域15から垂直に出射した光の割合を測定し、測定結果を直線透過率M(%)とする。なお、板状のサファイアの他方の面に入射する光は、少なくとも400nm以上760nm以下の波長範囲を含むものとする。
ここで、直線透過率M/直線透過率Sの値を、金属領域15の直線透過率(%)というものとする。また、直線透過率S-直線透過率Mを、金属領域15の透過減少率(%)というものとする。透過減少率とは、被成膜部材のみによる場合よりもどの程度光が透過しなくなるかを、入射した光に対する割合で示したパラメータといえる。また、100-直線透過率S+直線透過率Mの値を金属領域15の擬似直線透過率(%)というものとする。擬似直線透過率は、100%から透過減少率を引いた値であり、透過する光の減少する割合の観点に代えて、透過する光の割合で示したパラメータといえる。
また、透過率ボトム波長における金属領域15の直線透過率をボトム透過率(%)とする。また、直線透過率が(ボトム透過率(%)+100(%))/2となる透過率、つまり、透過率の減少がボトム透過率の半値となる透過率を基準に、この透過率となる2つの波長の幅を、ボトム透過率の半値全幅とする。なお、基準の透過率となる2つの波長のうちの一方は、透過率がボトム透過率からプラスの波長方向に進むにつれて単調に増加する波長範囲内にあり、他方は、透過率がボトム透過率からマイナスの波長方向に進むにつれて単調に増加する波長範囲内にある。また、この条件を満たす2つの波長がない場合、ボトム透過率とこの基準の透過率とに基づき半値となる透過率を、基準の透過率にするものとする。つまり、(ボトム透過率(%)+((ボトム透過率(%)+100(%))/2))/2となる透過率を基準に、上述の波長範囲内にあり、かつ、この透過率となる2つの波長の幅を、ボトム透過率の擬似的な半値全幅とみなす。ここで、前者の基準となる透過率と後者の基準となる透過率を区別する場合、前者を第一次基準透過率とし、後者を第二次基準透過率というものとする。第二次基準透過率においても条件を満たす2つの波長がない場合は、同様にして、さらに半値となる透過率を基準にするものとする。この透過率は、第三次基準透過率ということになり、第三次以降も、同様の規則性により第N次基準透過率を定めることができる。
以降では、ある条件で生成された一つの金属領域15におけるボトム透過率の半値全幅について述べることがある。この場合は、Nが最小となる第N次基準透過率におけるボトム透過率の半値全幅に基づき述べられているものとする。つまり、擬似的なボトム透過率の半値全幅に基づき述べられている場合もあり得る。また、異なる条件で生成された2つ以上の金属領域15におけるボトム透過率の半値全幅を比較して述べることがある。この場合は、2つの金属領域15の双方で2つの波長があり、かつ、Nが最小となる第N次基準透過率におけるボトム透過率の半値全幅に基づき述べられているものとする。なお、比較対象によっては、このようなNが存在しない場合もあり得る。以降では、このような第N次基準透過率を、単に「基準透過率」と呼ぶものとする。
同様に、透過率ボトム波長における金属領域15の擬似直線透過率を擬似ボトム透過率(%)とする。擬似ボトム透過率の半値全幅についてもボトム透過率の半値全幅と同様の算出原理で、擬似直線透過率に基づき求めることができる。第N次基準擬似透過率も同様に定めることができる。
金属領域15のボトム透過率は、45%以上98%以下である。また、光量と色度調整とのバランスを図ると、一形態において、金属領域15のボトム透過率は、70%以上95%以下であることが好ましい。また、400nm以上760nm以下の波長範囲における金属領域15の最大透過率とボトム透過率の差(透過率ギャップ)は、5%以上30%以下である。また、色度調整を効果的に得る観点から、一形態において、透過率ギャップは、5%以上20%以下であることが好ましい。
金属領域15が400nm以上760nm以下の波長範囲に少なくとも1つの透過率ボトム波長(=吸収ピーク波長)を有することで、金属領域15から出射される光の色度点を、金属領域15に入射する400nm以上760nm以下の波長範囲の光の色度点に対して、シフトさせることができる。
また、金属領域15の擬似ボトム透過率は、50%以上95%以下である。また、光量と色度調整とのバランスを図ると、一形態において、金属領域15の擬似ボトム透過率は、80%以上95%以下であることが好ましい。また、400nm以上760nm以下の波長範囲における金属領域15の最大擬似透過率と擬似ボトム透過率の差(擬似透過率ギャップ)は、5%以上30%以下である。また、色度調整を効果的に得る観点から、一形態において、擬似透過率ギャップは、5%以上20%以下であることが好ましい。
金属領域15は、粒子状の金属を含んで形成することができる。ここで、粒子状とは、金属が連続的に形成されていなくてよく、独立した粒子を含んだ状態を指す。ただし、一部の粒子同士が繋がっていてもよい。粒子の形状は、球状、扁平状、星形形状、不定形状等を含む任意の形状であってかまわない。粒子の大きさは一定でなくてよく、大きな粒と小さな粒が混在してもかまわない。金属領域15は、粒子のみから形成されてもよい。
なお、金属の粒子化は、ナノメートルオーダーの薄い金属膜を成膜し、これを加熱処理することで形成することができるが、この場合、粒子化された金属の大きさは、成膜したときの膜厚とは異なる。よって、金属膜が粒子化されている場合、金属膜の膜厚が1nm以上10nm以下であっても、粒子化された金属の粒子径は膜厚より大きくなり得る。また、粒子化された金属の膜厚と同じ方向(この場合は、成膜面に垂直な方向)の最大長は、金属膜の膜厚よりも大きくなり得る。
金属領域15に粒子状の金属を含ませるときの条件を調整することで、金属領域15に入射する400nm以上760nm以下の波長範囲の光に対する、金属領域15の透過率ボトム波長を調整することができる。条件の調整とは、金属領域15に粒子状の金属を含ませるか否かの調整に限らず、粒子状の金属の分布や大きさなどの形成状態を調整することも含み得る。条件を変えることで金属領域15の透過率ボトム波長を変化させることができる。また、条件を変えることで金属領域15の透過率ボトム波長における透過率を変化させることができる。また、条件を変えることで金属領域15に入射する400nm以上760nm以下の波長範囲の光に対する、金属領域15のボトム透過率の半値全幅を狭くすることができる。
粒子状の金属を含む金属領域15は、粒子状の金属を含まない金属領域15(例えば金属膜)と比較して、金属領域15の透過率ボトム波長が短波側へシフトする傾向にある。また、基準透過率におけるボトム透過率の半値全幅は、粒子状の金属を含む金属領域15の方が、粒子状の金属を含まない金属領域15よりも小さくなる傾向にある。透過率ボトム波長やボトム透過率の半値全幅を調整できることで、特定の波長範囲の光を、他の波長範囲の光に比して、透過させないようにすることができる。
ボトム透過率の半値全幅が狭くなるように調整したい場合、金属領域15は、金属領域15が形成される領域内において、当該領域の面積に対し粒子状の金属が占める割合を10%以上60%以下とすることが好ましい。この割合を満たすことで、粒子状の金属を含まない金属領域15と比較して、ボトム透過率の半値全幅を狭くする効果が十分に得られる。または、透過率ボトム波長以外の波長の透過率を高くすることができる。なお、金属領域15が形成される領域内において、当該領域の面積に対し粒子状の金属が占める割合は、金属領域15のSEM写真(走査電子顕微鏡写真)を画像処理することで測定可能である。
金属領域15が粒子状の金属を含む場合、金属の粒子径は200nm以下とすることが好ましく、50nm以下とすることがより好ましい。金属領域15が粒子状の金属を含む場合、金属の粒子径は、金属領域15のボトム透過率の半値全福の波長範囲に含まれる波長の3分の1以下とすることが好ましく、10分の1以下とすることがより好ましい。金属領域15が粒子状の金属を含む場合、金属の粒子径は、金属領域15の透過率ボトム波長の3分の1以下とすることが好ましく、10分の1以下とすることがより好ましい。金属の粒子径をこのようにすることで、特定の波長範囲の光を吸収し、他の波長範囲の光の吸収を抑制できる。例えば、ボトム透過率の半値全幅を狭くし、透過率ボトム波長以外の波長の透過率を高くすることができる。その結果、金属領域15から出射される光の量(発光効率)の低下を抑制できる。
金属領域15が粒子状の金属を含む場合、金属領域15が設けられる面に垂直な方向の最大長が1nm以上100nm以下である粒子状の金属とすることが好ましく、40nm以上60nm以下である粒子状の金属とすることがより好ましい。金属の粒子径をこのようにすることで、特定の波長範囲の光を吸収し、他の波長範囲の光の吸収を抑制できる。例えば、ボトム透過率の半値全幅を狭くし、透過率ボトム波長以外の波長の透過率を高くすることができる。その結果、金属領域15から出射される光の量(発光効率)の低下を抑制できる。
金属領域15を形成する金属は、金属に固有の吸収ピーク波長を考慮して、適宜選択することができる。吸収ピーク波長が、所望の透過率ボトム波長よりも長波にある材料を選択することで、粒子状の金属を含ませる割合を調整し、金属領域15の吸収ピーク波長を所望の透過率ボトム波長に合わせることができる。
例えば、材料に金を用いて、透過率ボトム波長が500nm以上600nm以下の波長範囲にあり、かつ、基準透過率におけるボトム透過率の半値全幅が20nm以上130nm以下である金属領域15を形成できる。また例えば、材料に金を用いて、透過率ボトム波長が520nm以上580nm以下の波長範囲にあり、かつ、基準透過率におけるボトム透過率の半値全幅が20nm以上100nm以下である金属領域15を形成できる。また例えば、材料に金を用いて、透過率ボトム波長が520nm以上550nm以下の波長範囲にあり、かつ、基準透過率におけるボトム透過率の半値全幅が20nm以上80nm以下である金属領域15を形成できる。
(透光性部材10)
金属領域15は、少なくとも出射面である光透過部11の上面11aに形成される。金属領域15は、光透過部11の上面11aから光反射部12の上面12aに延伸してもよい。金属領域15は、光透過部11の上面11a及び光反射部12の上面12aの全面(すなわち、複合部材13の上面の全面)に形成されてもよい。
透光性部材10において、金属領域15が形成された光透過部11の上面11a側が光の出射側となり、光透過部11の下面11b側が光の入射側となる。すなわち、光透過部11に入射した光は、金属領域15を経由して出射される。なお、光反射部12の下面12bにも光の一部が入射する場合がある。
光反射部12は、光透過部11から光反射部12に向かう光を内側面12cで反射する。光透過部11から光反射部12に向かう光とは、光透過部11に入射した光である。光透過部11が蛍光体を有する波長変換部である場合は、光反射部12は、光透過部11に入射した光、又は、光透過部11によって波長変換された光を、内側面12cで反射する。光反射部12は、光透過部11による熱を排熱する高熱伝導率の材料で形成することが好ましい。光反射部12は、例えば、高熱伝導率を有するセラミックス材料である酸化アルミニウム(Al)により形成できる。
透光性部材10において、光透過部11に400nm以上760nm以下の波長範囲の光が入射する場合、金属領域15は、例えば、入射光のうち500nm以上600nm以下の波長の光を吸収する。すなわち、金属領域15が形成された光透過部11は、少なくとも500nm以上600nm以下の波長を含んだ光が、金属領域15が除去された光透過部11を通過する場合と比較して、400nm以上760nm以下の波長範囲の光全体における500nm以上600nm以下の波長範囲の光の割合を低下させる。
なお、透光性部材10は、金属領域15以外の膜を有してもよい。例えば、光反射部12の上面12aに形成された金属領域15上に、金属等から遮光膜を形成してもよい。遮光膜は、例えば、50nm以上500nm以下の範囲の膜厚で形成できる。遮光膜を設けることで、出射面となる光透過部11の上面11aに形成された金属領域15以外からの光の漏れを抑制できる。また、遮光膜の上に金属領域15を設けてもよい。
(透光性部材10の製造方法)
図3及び図4は、第1実施形態に係る透光性部材の製造方法を例示する図である。まず、図3に示すように、光透過部11及び光反射部12を有数する複合部材13を準備する。複合部材13は、例えば、光透過部11及び光反射部12から製造することで準備できる。あるいは、複合部材13を製造する代わりに、複合部材13を調達することで準備してもよい。
複合部材13を製造する場合、複合部材13は、例えば、光透過部11の側面11cと光反射部12の内側面12cとを接着剤で接合することで製造できる。あるいは、複合部材13は、例えば、光透過部11と光反射部12とを一体焼結することで形成できる。この場合、例えば、焼結体の光透過部11と光反射部12を形成する粉粒の材料を一体的に成形して焼結し形成できる。焼結には、例えば、常圧焼結法、放電プラズマ焼結法(SPS法)、ホットプレス焼結法(HP法)等を使用できる。
次に、図4に示すように、少なくとも光透過部11の上面11aに、金属領域15が形成される。金属領域15を形成するために、膜厚が1nm以上10nm以下の金属膜を形成する。金属領域15は、金属膜、あるいは、粒状分布金属であり得る。金属膜を形成する金属は、例えば、金である。なお、いずれの金属を選択するかは、どの波長範囲の透過率を他の波長範囲よりも小さくしたいかと、その金属の透過率特性と、に基づいて適宜選択されればよい。ここでの金属の透過率特性とは、その金属単体の薄膜についての透過率特性のみに限らず、この金属に加熱処理を行ったときの透過率特性も含めて、適当な金属が選択されればよい。金属膜は、光透過部11の上面11a及び光反射部12の上面12aの全面に形成してもよい。金属膜は、例えば、スパッタリング法によって形成できる。この時点では、金属膜は粒子状ではなく連続的に形成される。金属膜を形成後、金属膜を加熱する。金属膜を加熱する工程により、金属膜に含まれる金属が粒子化される。つまり、金属膜を加熱する工程により、粒子化された金属を含む金属領域15が形成される。金属膜を加熱する工程により、金属膜に含まれる金属が粒子化されて、例えば、金属領域15が形成される領域内において、当該領域の面積に対し粒子状の物質が占める割合が10%以上60%以下となる。これにより、透光性部材10が完成する。
金属膜に含まれる金属を粒子化する場合、500℃以上1100℃以下の温度で金属膜を加熱する。また、400nm以上760nm以下の波長範囲における全体的な透過率を高くする観点からは、900℃以上1100℃以下の温度で金属膜を加熱することが好ましい。また、加熱処理は、大気雰囲気で行うことが好ましい。また、加熱処理は、1時間程度行うことが好ましい。また、加熱処理は、大気雰囲気で10時間を超えないことが好ましい。これにより、良好な粒子化の状態を作り上げることができる。なお、ここで挙げた加熱温度は、大気圧における温度条件である。
なお、図3の工程で光透過部11のみを準備し、図4の工程で光透過部11の上面11aに金属膜を形成後、金属膜を加熱する工程としてもよい。この場合は、光透過部11と金属領域15とを有し、光反射部12を有しない透光性部材10が作製される。
(金属領域15の光吸収)
図5A~図9Bは、金属領域を形成する金属の粒子化に関するSEM写真である。ここでは、金属膜を形成する金属が金である場合の例を示す。図5A及び図5Bは、膜厚1[nm]で成膜した金属膜の加熱前のSEM写真である。図6A及び図6Bは、膜厚1[nm]で成膜した金属膜の加熱後のSEM写真である。図7A及び図7Bは、膜厚2[nm]で成膜した金属膜の加熱後のSEM写真である。図8A及び図8Bは、膜厚3[nm]で成膜した金属膜の加熱後のSEM写真である。図9A及び図9Bは、膜厚5[nm]で成膜した金属膜の加熱後のSEM写真である。なお、図5A、図6A、図7A、図8A、乃至、図9Aは成膜される面の様子を示しており、図5B、図6B、図7B、図8B、乃至、図9Bは断面の様子を示している。また、図6A~図9Bに示す金属膜における加熱条件は、大気雰囲気及び大気圧下で1000℃1h(1時間)である。
図5Aより、加熱前の金属膜は、粒子状ではなく連続的に形成されることが確認できる。つまり、加熱前は、膜状の金属領域となっている。また、図6A~図9Aに示すように、大気雰囲気及び大気圧下で1000℃1h加熱することで、金属膜を形成する金属(この場合は、金)が粒子化する。また、成膜時の金属膜の膜厚が厚い程、粒子の個数が増える。また、成膜時の金属膜の膜厚が3μm以上になると、粒子の大きさが大きくなる傾向にある。なお、加熱温度は1000℃でなくてもよく、900℃以上1100℃以下の温度で金属膜を加熱することで、金属領域を形成する金属を粒子化できる。
図10~図13は、膜厚の異なる金属膜の加熱前後での直線透過率の変化を例示する図である。ここでは、金属膜を形成する金属が金である場合の例を示す。図10は、膜厚1[nm]の金属膜の加熱前後での直線透過率の変化を例示する図である。図11は、膜厚2[nm]の金属膜の加熱前後での直線透過率の変化を例示する図である。図12は、膜厚3[nm]の金属膜の加熱前後での直線透過率の変化を例示する図である。図13は、膜厚5[nm]の金属膜の加熱前後での直線透過率の変化を例示する図である。
図10~図13において、測定サンプルは、両面が鏡面加工された厚さ400μm程度の板状のサファイアの一方の面に、所定膜厚(1nm、2nm、3nm、5nm)の金属膜(金膜)を形成したものである。そして、金属膜の膜厚が異なる各サンプルについて、加熱前後における直線透過率を測定し、図10~図13に示した。図10~図13において、『サファイア』は金属膜を成膜していないサファイアの直線透過率、『成膜後』は加熱前のサンプルの直線透過率を示している。なお、加熱条件は、大気雰囲気及び大気圧下で1000℃1hである。
図10~13に示すように、1nm、2nm、3nm、5nmの何れの膜厚においても、加熱後の金属領域(粒状分布金属)は、加熱前の金属領域(膜状の金属)に比べて透過率ボトム波長が短波側へシフトし、透過率ボトム波長が500nm~600nmの波長範囲に入っている。加熱前後における金属領域の透過率ボトム波長の短波側へのシフト量は、加熱前の金属膜の膜厚が厚いほど大きくなる傾向にある。
例えば、加熱前の金属膜の膜厚が1nmである場合、図10のBより、加熱前の金属領域の透過率ボトム波長は約580nmであり、図10のCより、加熱後の金属領域の透過率ボトム波長は約530nmであり、透過率ボトム波長の短波側へのシフト量は約50nmである。また、加熱前の金属膜の膜厚が2nmである場合、図11のBより、加熱前の金属領域の透過率ボトム波長は約620nmであり、図11のCより、加熱後の金属領域の透過率ボトム波長は約530nmであり、透過率ボトム波長の短波側へのシフト量は約90nmである。また、加熱前の金属膜の膜厚が3nmである場合、図12のBより、加熱前の金属領域の透過率ボトム波長は約700nmであり、図12のCより、加熱後の金属領域の透過率ボトム波長は約540nmであり、透過率ボトム波長の短波側へのシフト量は約160nmである。また、加熱前の金属膜の膜厚が5nmである場合、図13のBより、加熱前の金属領域の透過率ボトム波長は800nm以上であり、図13のCより、加熱後の金属領域の透過率ボトム波長は約580nmであり、透過率ボトム波長の短波側へのシフト量は220nm以上である。
また、加熱後の金属領域の透過率ボトム波長における直線透過率、すなわちボトム透過率は、加熱前の金属領域の膜厚が厚いほど下がる傾向にある。例えば、図10のAより、サファイアの直線透過率は約85%であり、図10のA及びCより、加熱前の金属膜の膜厚が1nmである場合の加熱後の金属領域が成膜されたサファイアのボトム透過率は約79%であるから、加熱後の金属領域のボトム透過率は約93%であり、擬似ボトム透過率は約94%である。また、図11のA及びCより、加熱前の金属膜の膜厚が2nmである場合の加熱後の金属領域が成膜されたサファイアのボトム透過率は約73%であるから、加熱後の金属領域のボトム透過率は約86%であり、擬似ボトム透過率は約88%である。また、図12のA及びCより、加熱前の金属膜の膜厚が3nmである場合の加熱後の金属領域が成膜されたサファイアのボトム透過率は約66%であるから、加熱後の金属領域のボトム透過率は約78%であり、擬似ボトム透過率は約81%である。また、図13のA及びCより、加熱前の金属膜の膜厚が5nmである場合の加熱後の金属領域が成膜されたサファイアのボトム透過率は約40%であるから、加熱後の金属領域のボトム透過率は約47%であり、擬似ボトム透過率は約55%である。
また、ボトム透過率の半値全幅は、加熱前の金属膜の膜厚が厚いほど広がる傾向にある。例えば、図10のA及びCより、加熱前の金属膜の膜厚が1nmである場合、加熱後の金属領域のボトム透過率または擬似ボトム透過率の半値全幅は約70nmである。また、図11のA及びCより、加熱前の金属膜の膜厚が2nmである場合、加熱後の金属領域のボトム透過率または擬似ボトム透過率の半値全幅は約70nmである。また、図12のA及びCより、加熱前の金属膜の膜厚が3nmである場合、加熱後の金属領域のボトム透過率または擬似ボトム透過率の半値全幅は約80nmである。また、図13のA及びCより、加熱前の金属膜の膜厚が5nmである場合、加熱後の金属領域のボトム透過率または擬似ボトム透過率の半値全幅は約140nmである。
このように、金属膜を加熱することで、金属領域を形成する金属が粒子化し、加熱後の金属領域は、加熱前の金属領域に比べて透過率ボトム波長が短波側へシフトし、加熱後の金属領域の透過率ボトム波長を所定の波長範囲に入れることができる。また、透過率ボトム波長の短波側へのシフト量や、ボトム透過率の半値全幅は、加熱前の金属膜の膜厚により選択することができる。この特性を利用することで、以下に記すように、透光性部材10の出射面から出射される光の色度点をシフトすることができる。
例えば、図1等に示す透光性部材10において、金属領域15を形成する金属が金である場合、加熱工程を経ることで金が粒子化し、透過率ボトム波長が500nm~600nmの波長範囲に入る。この場合、光透過部11の下面11b側から400nm以上760nm以下の波長範囲の光が入射すると、入射光に含まれる500nm~600nmの波長範囲の光が主に吸収される。
これにより、400nm以上760nm以下の波長範囲の光全体における500nm以上600nm以下の波長範囲の光の割合が低下する。そのため、透光性部材10の出射面から出射される光の色度点を、金属領域15が形成されていない場合に対して長波側にシフトすることができる。すなわち、透光性部材10は、色度の調整された光を出射可能である。
また、図1等に示す透光性部材10において、光透過部11が蛍光体としてYAGを有する波長変換部であり、光透過部11の下面11b側から発光ピーク波長が420nm以上480nm以下の範囲のレーザ光が入射する場合がある。この場合、金属領域15の入射面には白色光が入射し(あるいは、金属領域15が形成される面からは白色光が出射し)、金属領域15が入射光に含まれる500nm~600nmの波長範囲の光(緑色成分)を主に吸収する。一方で青色成分及び赤色成分の多くは金属領域15を透過するため、白色光における緑色成分が減少し、透光性部材10の出射面(あるいは、金属領域15の出射面)から出射される光を赤みの強い光に調整することができる。
特に、金属膜の膜厚が1nm以上3nm以下である場合、加熱による透過率ボトム波長の短波側へのシフト量が多く、ボトム透過率の半値全幅も適切な値となり、500nm~600nmの波長範囲の光が多く吸収される。そのため、金属膜の膜厚を1nm以上3nm以下とすることは、赤みの強い白色光を得るのに好適である。
また、加熱前の金属膜の膜厚により、透過率ボトム波長やボトム透過率の半値全幅が変わるので、加熱前の金属膜の膜厚を変えることで、透光性部材10の出射面(金属領域15の出射面)から出射される光の色味を変えることができる。
なお、光透過部11が蛍光体を有する波長変換部であり、光透過部11にレーザ光が入射する場合、透光性部材10から出射される光の色度点は、色度図上においてレーザ光の色度点と蛍光体の発光色の色度点とを結んだ直線上で調整可能である。これに、金属領域15の光吸収による色度点の調整を追加することで、上記の直線から外れた部分でも色度調整が可能となり、色度点の調整の自由度を向上できる。
光透過部11を焼結体で形成する場合、加熱処理があるため、熱に弱い蛍光体を用いずに形成することが考えられる。例えば、光透過部11に用いる蛍光体がYAGのみである場合、色度点を長波側にシフトする方法として、蛍光体に含まれるCeの量やGdの量を増やすことも考えられる。一方で、蛍光体に含まれるCeの量やGdの量を増やす方法の場合、波長変換部の温度特性の線形性が損なわれることがある。例えば、低温領域では線形であった温度特性が高温領域になると線形でなくなる。このように特性が変わると、出力の制御が難しくなる。これに対して、金属領域15の吸収を利用して色度点を長波側にシフトする方法では、波長変換部の温度特性の線形性を損なわずに、色度点の調整をすることが可能となる。
また、金属領域15を形成する金属が粒子化されている場合、粒子化された金属が入射するレーザ光を散乱する。そのため、透光性部材10の出射面(金属領域15の出射面)から出射される光において、レーザ光の色(例えば、青色)が強い部分が弱まり、出射面から出射される光の色ムラ及び/又は輝度ムラが低減される。
なお、金属領域15の形成において、金属膜を加熱して粒子化することは必須ではない。例えば、図10や図11においては、加熱前の金属膜も所定波長に透過率ボトム波長を有し、また、所定のボトム透過率の半値全幅を有している。従って、図10や図11に示す加熱前の金属膜を用いても、所定の波長範囲の光の割合を低下させ、透光性部材10の出射面から出射される光の色度点を、金属膜が形成されていない場合に対してシフトすることができる。透過率ボトム波長を短波側にシフトしたり、ボトム透過率の半値全幅を狭くしたりする要求がある場合には、金属膜を加熱して粒子化することが有効である。
〈第1実施形態の変形例1〉
第1実施形態の変形例1では、金属膜を被覆する透光性の保護膜を有する透光性部材の例を示す。なお、第1実施形態の変形例1において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図14は、第1実施形態の変形例1に係る透光性部材を例示する断面図である。図14に示すように、透光性部材10Aは、複合部材13と、金属領域15と、保護膜16とを有する。すなわち、透光性部材10Aは、金属領域15の出射面側に保護膜16が形成された点が、透光性部材10(図1、図2等参照)と相違する。
(保護膜16)
保護膜16は、透光性の膜である。すなわち、保護膜16は、入射光に対する透過率が80%以上である。保護膜16は、入射光に対する透過率が90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。保護膜16は、例えば、膜厚が10nm以上100nm以下である。保護膜16は、膜厚が10nm以上であれば、対象物を十分に保護できる。保護膜16は、膜厚が100nm以下であれば、入射光に対する透過率を十分に高くできる。
保護膜16は、例えば、ケイ素酸化膜である。保護膜16として、ケイ素酸化膜に代えて、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等を用いてもよい。
(透光性部材10A)
透光性部材10Aにおいて、保護膜16は、金属領域15の出射面に形成される。保護膜16の膜厚は、金属領域15の膜厚、あるいは、出射面に垂直な方向の最大長よりも厚いことが好ましい。透光性部材10Aにおいて、金属領域15及び保護膜16が形成された光透過部11の上面11a側が光の出射側となり、光透過部11の下面11b側が光の入射側となる。すなわち、光透過部11に入射した光は、金属領域15及び保護膜16を経由して出射される。
保護膜16を形成するには、例えば、第1実施形態の金属膜を形成する工程において、光透過部11の出射面に設けられた金属の上にさらに保護膜を形成して加熱する。保護膜16が、例えば、ケイ素酸化膜である場合、保護膜16を形成する工程では、保護膜16としてケイ素膜を形成し、加熱する。ケイ素膜は、加熱中に大気中の酸素と反応し、透光性のケイ素酸化膜になる。
図15及び図16は、膜厚の異なる保護膜の加熱前後での直線透過率の変化を例示する図である。ここでは、金属膜を形成する金属が金であり、加熱後の保護膜がケイ素酸化膜である場合の例を示す。図15は、膜厚1[nm]の金属膜上に保護膜を形成した場合の、加熱前後での直線透過率の変化を例示する図である。図16は、膜厚2[nm]の金属膜上に保護膜を形成した場合の、加熱前後での直線透過率の変化を例示する図である。なお、図15及び図16では、加熱前に金属膜上に成膜する保護膜は、膜厚50nmまたは100nmのケイ素である。
図15及び図16において、測定サンプルは、両面が鏡面加工された厚さ400μm程度の板状のサファイアの一方の面に、所定膜厚(1nm、2nmm)の金属膜(金膜)を形成し、さらに金属膜上に、所定膜厚(50nm、100nmm)の保護膜(ケイ素膜)を形成したものである。そして、金属膜及び保護膜の膜厚が異なる各サンプルについて、金属膜及び保護膜の加熱前後における直線透過率を測定し、図15及び図16に示した。なお、加熱条件は、大気雰囲気及び大気圧下で1000℃1hである。
図15及び図16に示すように、金属膜の膜厚にかかわらず、加熱前の金属膜及び保護膜は直線透過率が低いが、加熱後は、図10及び図11に示す保護膜がない場合の直線透過率とほぼ同等になっている。これは、保護膜を形成するケイ素膜が、加熱中に大気中の酸素と反応し、透光性のケイ素酸化膜になり、屈折率がサファイアよりも低くなったためである。図15及び図16と図10及び図11とを比較すると。保護膜であるケイ素酸化膜の直線透過率は95%以上であることがわかる。
なお、金属膜上に保護膜として加熱前からケイ素酸化膜を成膜することも考えられるが、この場合、加熱によりケイ素酸化膜の割れや剥がれが生じるおそれがある。保護膜としてケイ素膜を金属膜上に成膜し、加熱によりケイ素酸化膜とすることで、このような問題を回避できる。
また、金属膜上にケイ素膜を成膜して加熱することで、意図的にケイ素膜内に金属を拡散させることができる。これにより、金属領域内で粒子化される金属の粒子サイズの均一性が向上する効果が得られる。
このように、透光性部材10Aは、金属領域15を被覆する透光性の保護膜16を有することで、透光性部材10Aの透光性を損なうことなく、金属領域15を保護し、金属領域15が複合部材13から剥離したり、金属領域15が傷ついたりすることを防止できる。
〈第1実施形態の変形例2〉
第1実施形態の変形例2では、第1実施形態とは構造の異なる透光性部材の例を示す。なお、第1実施形態の変形例2において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図17は、第1実施形態の変形例2に係る透光性部材を例示する断面図である。図17に示すように、透光性部材10Bは、複合部材13Bと、金属領域15と、第2光透過部19とを有する。
(複合部材13B)
複合部材13Bは、光透過部17と、光反射部18とを有する。ただし、光反射部18は必須の構成要素ではなく、必要に応じて設けられる。
光透過部17は、光透過部11と材料や機能は同様であるが、光透過部11とは形状が異なる。光透過部17は、上面17aと、上面17aの反対面である下面17bと、上面17a及び下面17bと交わる側面17cとを有する。側面17cは、上面17aの外縁と下面17bの外縁とを接続する。
光透過部17は、例えば、逆円錐台状である。この場合、光透過部17の上面17aは円形であり、下面17bは上面17aよりも小径の円形であり、側面17cは湾曲する1つの面である。
光反射部18は、光反射部12と材料や機能は同様であるが、光反射部12とは形状が異なる。光反射部18は、例えば、開口を有する枠状部材である。光反射部18は、上面18aと、上面18aの反対面である下面18bと、上面18aの内縁と下面18bの内縁とを接続する内側面18cと、上面18aの外縁と下面18bの外縁とを接続する外側面18dとを有する。
光反射部18の開口は、例えば、逆円錐台状の貫通孔である。この場合、光反射部18の上面18aの内縁は円形であり、下面18bの内縁は上面18aの内縁よりも小径の円形であり、内側面18cは湾曲する1つの面である。光反射部18の上面18a及び下面18bの外縁は、例えば、矩形である。この場合、光反射部18は、4つの矩形の外側面18dを有する。
複合部材13Bにおいて、光反射部18は光透過部17よりも厚く、光透過部17は、光反射部18の開口内の厚さ方向の中央付近に配置されている。光透過部17は、例えば、透光性の接着剤により光反射部18の内側面18cに固定されている。透光性の接着剤としては、例えば、ガラスを用いることができる。光反射部18の開口内において、光透過部17の下側には、空間18xが形成されている。
(第2光透過部19)
第2光透過部19は、上面19aと、上面19aの反対面である下面19bと、上面19a及び下面19bと交わる側面19cとを有する。側面19cは、上面19aの外縁と下面19bの外縁とを接続する。
第2光透過部19は、例えば、逆円錐台状である。この場合、第2光透過部19の上面19aは円形であり、下面19bは上面19aよりも小径の円形であり、側面19cは湾曲する1つの面である。第2光透過部は、透光性の材料から形成されている。第2光透過部の材料は、例えば、ガラスである。
(透光性部材10B)
透光性部材10Bは、透光性部材10と機能は同様であるが、透光性部材10とは形状が異なる。金属領域15は、光透過部17の上面17a、及び光反射部18の内側面18cのうち、光透過部17よりも上側に位置する部分に形成される。また、金属領域15は、第2光透過部19の下面19b及び側面19cと接する。
透光性部材10Bにおいて、金属領域15が形成された光透過部17の上面17a側が光の出射側となり、光透過部17の下面17b側が光の入射側となる。光透過部17に入射した光は、金属領域15を経由し、さらに第2光透過部19を経由して出射される。なお、光反射部18の下面18bにも光の一部が入射する場合がある。第2光透過部19は、透光性部材10Bの強度を向上する機能を有する。
光反射部18は、光透過部17から光反射部18に向かう光を内側面18cで反射する。光透過部17から光反射部18に向かう光とは、光透過部17に入射した光である。光透過部17が蛍光体を有する波長変換部である場合は、光反射部18は、光透過部17に入射した光、又は、光透過部17によって波長変換された光を、内側面18cで反射する。
(透光性部材10Bの製造方法)
透光性部材10Bを製造するには、まず、複合部材13Bを準備する。複合部材13Bは、例えば、光透過部11及び光反射部12から製造することで準備できる。具体的には、例えば、円錐台状の開口を有する光反射部18を準備し、光反射部18の内側面18cに透光性の接着剤を介して、光透過部17の側面17cを接着する。例えば、透光性の接着剤としてガラスを用い、光反射部18の内側面18cに光透過部17の側面17cを融着する。あるいは、複合部材13Bを製造する代わりに、複合部材13Bを調達することで準備してもよい。
次に、光透過部17の上面17a、光反射部18の内側面18cのうち、光透過部17よりも上側に位置する部分、及び光反射部18の上面18aに、金属膜を形成する。金属膜を形成する金属は、例えば、金である。金属膜は、例えば、スパッタリング法によって形成できる。この時点では、金属膜は粒子状ではなく連続的に形成される。
金属膜を形成後、金属膜を加熱する。金属膜を加熱する工程により、金属膜に含まれる金属が粒子化される。つまり、金属膜を加熱する工程により、粒子化された金属を含む金属領域15が形成される。金属膜を加熱する工程により、金属膜に含まれる金属が粒子化されて、例えば、金属領域15が形成される領域内において、当該領域の面積に対し粒子状の物質が占める割合が10%以上60%以下となる。
次に、光反射部18の開口内に位置する金属領域15上に、第2光透過部19となる透光性の材料(例えば、ガラス)を配置する。そして、透光性の材料を加熱して溶融させ、その後硬化させて、第2光透過部19を形成する。この時点では、第2光透過部19は、光反射部18の上面18aを被覆する金属領域15から上方に突出する。
次に、光反射部18の上面18aを被覆する金属領域15から上方に突出する第2光透過部19、及び光反射部18の上面18aを被覆する金属領域15を研磨して除去し、光反射部18の上面18a側を平坦な面とする。光反射部18の上面18aは、例えば、第2光透過部19の上面と同一平面となる。これにより、透光性部材10Bが完成する。
透光性部材10Bにおいても、金属膜を加熱することで、金属膜を形成する金属が粒子化し、加熱後の金属領域は、加熱前の金属領域に比べて透過率ボトム波長が短波側へシフトし、加熱後の金属領域の透過率ボトム波長を所定の波長範囲に入れることができる。また、透過率ボトム波長の短波側へのシフト量や、ボトム透過率の半値全幅は、加熱前の金属膜の膜厚により選択することができる。この特性を利用することで、透光性部材10と同様に、透光性部材10Bの出射面から出射される光の色度点をシフトすることができる。なお、透光性部材10Bでは、光反射部18の上面18aには金属領域15が形成されていないため、第2光透過部19の部分のみにおいて、色度点をシフトした光を出射することができる。
〈第2実施形態〉
第2実施形態では、第1実施形態に係る透光性部材を用いた光学部材の例を示す。なお、第2実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図18は、第2実施形態に係る光学部材を例示する斜視図である。図19は、第2実施形態に係る光学部材を例示する、図18のXIX-XIX線における断面図である。図18及び図19に示すように、光学部材20は、透光性部材10と、板状部材21とを有する。
光学部材20の各構成要素について説明する。
(板状部材21)
板状部材21は、透光性の部材である。板状部材21は、上面21aと、上面21aの反対面である下面21bと、上面21a及び下面21bと交わる側面21cとを有する。側面21cは上面21aの外縁と下面21bの外縁とを接続する。板状部材21は、例えば、直方体又は立方体である。この場合、板状部材21の上面21a及び下面21bは何れも矩形であり、板状部材21は4つの矩形の側面21cを有する。
ただし、板状部材21は、直方体や立方体には限定されない。すなわち、板状部材21の平面形状は矩形には限定されず、円形、楕円形、多角形等の任意の形状とすることが可能である。
板状部材21は、サファイアを主材料に用いて形成できる。サファイアは、比較的透過率が高く、比較的強度も高い材料である。なお、主材料には、サファイアの他に、例えば、石英、炭化ケイ素、又は、ガラス等を含む透光性の材料を用いてもよい。
(光学部材20)
光学部材20において、板状部材21の上面21aには、透光性部材10の金属領域15が形成されていない側の面が接合される。つまり、板状部材21は、光透過部11の下面11b側及び光反射部12の下面12b側に配置される。板状部材21の母材がサファイアである場合、サファイアは、比較的熱伝導率が高い材料であるため、透光性部材10で生じる熱を発散できる。
板状部材21は透光性であるため、板状部材21の下面21b側から入射した光は、光透過部11を経由して金属領域15に達し、金属領域15側から出射する。そのため、金属領域15が特定の波長範囲の光を吸収することにより、光学部材20から出射される光の色度点を、金属領域15が形成されていない場合に対して長波側にシフトすることができる。すなわち、光学部材20は、色度の調整された光を出射可能である。
〈第3実施形態〉
第3実施形態では、第2実施形態に係る光学部材を用いた発光装置の例を示す。なお、第3実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図20は、第3実施形態に係る発光装置を例示する斜視図である。図21は、第3実施形態に係る発光装置を例示する、図20のXXI-XXI線における断面図である。図22は、第3実施形態に係る発光装置から更に光学部材を除いた状態の斜視図である。図23は、第3実施形態に係る発光装置から更に光学部材を除いた状態の平面図である。
図20~図23に示すように、発光装置200は、光学部材20と、基部210と、発光素子220と、サブマウント230と、光反射部材240と、保護素子250と、温度測定素子260と、配線270と、遮光部材280とを有する。発光装置200は、少なくとも、光学部材20と、基部210と、発光素子220とを有していればよい。また、発光装置200は、光学部材20に代えて透光性部材10を有してもよい。
発光装置200の各構成要素について説明する。
(基部210)
基部210は、上面210a、下面210b、複数の内側面210c、1又は複数の外側面210d、及び底面210eを有している。基部210は、上面210aから下面210bの方向に窪んだ凹形状を有する。また、基部210は、平面視で外形が矩形であり、窪みはこの外形の内側に形成される。
また、平面視で、上面210aに交わる1又は複数の内側面210cによって枠が形成される。すなわち、基部210は、底面210e、及び底面210eよりも上方にまで達する内側面210cを形成する枠を備えている。基部210の底面210eを含む窪みはこの枠に囲まれる。
また、基部210は、枠の内側において、1又は複数の段差部216を有する。なお、段差部216は、上面、及び、上面と交わり下方に進む側面のみから構成される。1又は複数の内側面210cには、基部210の上面210aと交わる側面と、段差部216の側面とが含まれる。
基部210は、例えば、セラミックスを主材料として形成できる。例えば、セラミックスとして、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、又は炭化ケイ素を用いることができる。なお、基部210は、セラミックスに限らず、絶縁性を有する他の材料を主材料に用いて形成してもよい。
また、基部210の底面210eには、1又は複数の金属膜が設けられる。また、基部210の上面210aには1又は複数の金属膜が設けられる。また、底面210eに設けられる1又は複数の金属膜には、上面210aに設けられた金属膜と電気的に接続する金属膜が含まれる。
なお、基部210の枠は、底面210eと同じ平面上に設けられなくてもよい。例えば、基部210の枠は、底面210eよりも窪んだ平面上に設けられてもよい。また、基部210は一体に形成されたものでなく、例えば、板状部材の上に枠を接合したものであってもよい。
(発光素子220)
発光素子220は、光を発する素子であれば特に限定されず、例えば、半導体レーザ素子、発光ダイオード(LED)、又は有機発光ダイオード(OLED)を使用できる。本実施形態では、一例として、発光素子220として半導体レーザ素子を使用する例を示す。つまり、以降の説明における発光素子220は、半導体レーザ素子である。
発光素子220は、例えば、平面視で長方形の外形を有する。また、長方形の2つの短辺のうちの一辺と交わる側面が、発光素子220から放射される光の出射端面となる。また、発光素子220の上面及び下面は、出射端面よりも面積が大きい。
なお、発光素子220から放射される光(レーザ光)は拡がりを有し、光の出射端面と平行な面において楕円形状のファーフィールドパターン(以下「FFP」という。)を形成する。ここで、FFPとは、出射端面から離れた位置における出射光の形状や光強度分布を示す。
発光素子220から出射される光は、光の出射端面と平行な平面において、活性層を含む複数の半導体層の層方向を短径とし、それに垂直な積層方向を長径とする楕円形状のFFPを形成する。短径に対応する層方向をFFPの水平方向、長径に対応する積層方向をFFPの垂直方向というものとする。
また、発光素子220のFFPの光強度分布に基づいて、ピーク強度値に対する1/e以上の強度を有する光を、主要部分の光と呼ぶものとする。また、この光強度分布の半値全幅に相当する角度を拡がり角と呼ぶものとする。FFPの垂直方向における拡がり角は垂直方向の拡がり角と呼び、FFPの水平方向における拡がり角は水平方向の拡がり角と呼ぶものとする。
発光素子220には、発光素子220から出射される光の発光ピーク波長が、320nm以上495nm以下の範囲、典型的には、420nm~480nmの範囲にあるものを用いることができる。このような発光素子220としては、窒化物半導体を含む半導体レーザ素子が挙げられる。窒化物半導体としては、例えば、GaN、InGaN、又はAlGaNを用いることができる。なお、発光素子220から出射される光の波長は、これに限らなくてよい。
(サブマウント230)
サブマウント230は、例えば、直方体の形状で構成され、下面、上面、及び、側面を有する。また、サブマウント230は上下方向の幅が最も小さい。なお、形状は直方体に限らなくてよい。サブマウント230は、例えば、窒化アルミニウム、又は炭化ケイ素を用いて形成されるが、他の材料を用いてもよい。また、サブマウント230の上面には金属膜が設けられている。
(光反射部材240)
光反射部材240は、光を反射する光反射面241を有する。光反射面には、例えば、照射された光のピーク波長に対する光反射率が90%以上となる面が設けられる。ここでの光反射率は100%であってもよいし、100%未満であってもよい。
また、光反射部材240は、複数の光反射面241を有する。複数の光反射面241には、何れも平面形状で、下面に対して傾斜しており、互いに下面に対する傾斜角が異なる2つの光反射面241が含まれる。この2つの光反射面241は何れも、下面に対する配置関係が垂直でも平行でもない。また、2つの光反射面241は連続して繋がっており、一体的な1つの反射領域を形成する。なお、光反射面241の形状は、平面形状に限らず、例えば、曲面形状であってもよい。
光反射部材240は、主材料に熱に強い材料を選択することが好ましく、例えば、石英又はBK7(硼珪酸ガラス)等のガラス、アルミニウム等の金属、又はSiを用いることができる。また、光反射面は、例えば、Ag、Al等の金属やTa/SiO、TiO/SiO、又はNb/SiOの誘電体多層膜を用いて形成できる。なお、A/Bは、Aの膜とBの膜が順番に積層された多層膜を示す。
(保護素子250)
保護素子250は、発光素子等の特定の素子に過剰な電流が流れて破壊されることを防ぐためのものである。保護素子250としては、例えば、Siで形成されたツェナーダイオードを使用できる。
(温度測定素子260)
温度測定素子260は、周辺の温度を測定するための温度センサとして利用される素子である。温度測定素子260としては、例えば、サーミスタを使用できる。
(配線270)
配線270は、2つの構成要素間の電気的な接続に用いられる。配線270としては、例えば、金属のワイヤを用いることができる。
(遮光部材280)
遮光部材280は、例えば、遮光性を有する樹脂によって形成できる。ここで、遮光性とは、光を透過しない性質を示し、光を遮る性質の他、光を吸収する性質や反射する性質等を利用して、遮光性を実現してもよい。遮光部材280は、例えば、樹脂に、光拡散材及び/又は光吸収材等のフィラーを含有させることで形成できる。
遮光部材280を形成する樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、BTレジン等が挙げられる。また、遮光部材280に含有される光吸収性のフィラーとしては、カーボンブラック等の暗色系の顔料等が挙げられる。
(発光装置200)
発光装置200において、基部210の底面210eには、2つの光反射部材240が配置されている。2つの光反射部材240の下面が基部210の底面210eに接合されている。また、2つの光反射部材240は、例えば、点SP(図23参照)に対して点対称に配置されている。また、2つの光反射部材240は、平面視で、光反射面241の上端が、基部210の内側面210c又は外側面210dと平行あるいは垂直である。なお、ここでの平行あるいは垂直は、±5度以内の差を許容する。
基部210の底面210eには、保護素子250と温度測定素子260とが配置されている。保護素子250は、2つの光反射部材240のうちの一方が配置されている金属膜に配置され、接合される。温度測定素子260は、2つの光反射部材240が配置された金属膜とは異なる金属膜の上に配置され、接合される。
基部210の底面210eには、2つのサブマウント230が配置されている。2つのサブマウント230は、それぞれ異なる金属膜の上に配置され、その下面が基部210の底面210eに接合されている。
発光素子220は、基部210の底面210eに配置される。具体的には、発光素子220は、サブマウント230に配置されている。図示される発光装置200の例では、2つの発光素子220が、それぞれ異なるサブマウント230の上面に配置され、サブマウント230の下面が基部210の底面210eに接合されている。また、2つの発光素子220は、点SPに対して点対称に配置されている。つまり、2つの発光素子220が対称となる点と、2つの光反射部材240が対称となる点とは同じ位置にある。以降の説明では、この点SPを、対称点と呼ぶものとする。
2つの発光素子220は、平面視で、出射端面が、基部210の内側面210c又は外側面210dと平行及び垂直にならない。そのため、出射端面は、光反射面241の上端とも、平行及び垂直にならない。つまり、発光素子220は、平面視で、基部210の内側面210c及び外側面210d、又は、光反射面241の上端、に対して出射端面が斜めになるように配置される。
2つの発光素子220のそれぞれで、出射端面から出射された光は、対応する光反射部材240に照射される。少なくとも主要部分の光が光反射面241に照射されるように、発光素子220は配置される。
また、対応する発光素子220と光反射部材240との間で、光反射部材240よりも発光素子220の方が対称点から遠い位置にある。したがって、発光素子220から出射された光は、対称点に近付く方向に進む。
発光素子220、保護素子250、及び温度測定素子260は、対応する配線270を介して基部210の底面210eに設けられた金属膜と電気的に接続されている。これらの素子と外部電源との電気的な接続には、基部210の底面210eに設けられた金属膜を利用する。これにより、基部210の上面210aの金属膜を介して、これらの素子と外部電源とを電気的に接続できる。
光学部材20の板状部材21は、基部210の上面側に配置されている。詳細には、板状部材21の下面21bの外周部は、基部210の段差部216の上面と接合されている。板状部材21が基部210に接合されることで、発光素子220が配された閉空間が形成される。このように、発光装置200では、板状部材21は蓋部材としての役割を果たすことができる。また、この閉空間は気密封止された状態で形成される。気密封止されることで、発光素子220の光の出射端面に有機物等が集塵することを抑制できる。
なお、光学部材20に代えて透光性部材10を用いる場合には、例えば、透光性部材10の光反射部12を適切な大きさとし、光反射部12の下面12bの外周部を基部210の段差部216の上面と接合すればよい。
発光素子220によって出射された光の主要部分は、光反射部材240の光反射面241で反射されて板状部材21に入射する。板状部材21は、発光素子220によって出射された光に対して透光性を有する。また、光の主要部分は、板状部材21を透過した後に、光学部材20を構成する透光性部材10の光透過部11に入射する。
透光性部材10は、その下面において、主要部分の光が入射する光入射領域と、その周辺領域と、を有する。また、透光性部材10において、光透過部11が光入射領域を形成する。透光性部材10において、光透過部11が蛍光体を有する波長変換部である場合、光透過部11は、発光素子220から出射された第1の光を異なる波長の光に変換した第2の光を出射する。
発光素子220から出射された第1の光、又は光透過部11で波長変換された第2の光は、光透過部11の上面11aに形成された金属領域15を介して発光装置200の外部に出射される。つまり、光透過部11の上面11aに形成された金属領域15の上面が、発光装置200の出射面となる。透光性部材10において、光透過部11が蛍光体を有する波長変換部である場合、金属領域15は、金属領域15が形成されない状態と比べ、第1の光の出射量を減少させ、第2の光の出射量を増加させる。
遮光部材280は、基部210の上面210aによる枠の内側に形成されている。遮光部材280は、基部210と透光性部材10との隙間を埋めるようにして形成される。遮光部材280は、例えば、熱硬化性の樹脂を流し込み、これを熱で硬化させることで形成できる。遮光部材280を設けることで光の漏れを抑制する。
発光装置200において、例えば、透光性部材10の光透過部11がYAG蛍光体を有し、発光素子220が発光ピーク波長420nm以上480nm以下の範囲の青色光を発する半導体レーザ素子である場合がある。
発光装置200は、特定の波長範囲に透過率ボトム波長を有する金属領域15を備えた透光性部材10を搭載し、金属領域15に達した特定の波長範囲の光を吸収し、発光装置200から出射される光の色度点を変更することができる。例えば、金属領域15が入射光に含まれる500nm~600nmの波長範囲の光(緑色成分)を主に吸収する場合は、主にYAG蛍光体による蛍光の緑色成分が減少し、発光装置200からの出射光は相対的に赤みを増した光となる。このように、全体の透過性を大きく損なうことなく部分的に特定波長の光を吸収することで、所望の色度に調整された光を出射することが可能である。
発光装置200は、例えば、車載ヘッドライトに利用できる。また、発光装置200は、これに限らず、照明、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイ、その他ディスプレイのバックライト等の光源に利用できる。
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、前述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、前述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
10、10A、10B 透光性部材
11、17 光透過部
11a、12a、17a、18a、21a、210a 上面
11b、12b、17b、18b、21b、210b 下面
11c、17c、21c 側面
12、18 光反射部
12c、18c、210c 内側面
12d、18d、210d 外側面
13、13B 複合部材
15 金属領域
16 保護膜
18x 空間
19 第2光透過部
20 光学部材
21 板状部材
200 発光装置
210 基部
216 段差部
220 発光素子
230 サブマウント
240 光反射部材
241 光反射面
250 保護素子
260 温度測定素子
270 配線
280 遮光部材

Claims (18)

  1. 光が出射される出射面を備えた光透過部と、
    前記出射面の上に形成され、膜厚が1nm以上10nm以下である膜状の金属領域、あるいは、前記出射面に垂直な方向の最大長が1nm以上100nm以下である粒子状の金属が散布する金属領域と、を有する、透光性部材。
  2. 前記光透過部は、光が入射する入射面をさらに備え、
    前記金属領域は、前記入射面及び前記出射面のうち、前記出射面の上にのみ形成される、請求項1に記載の透光性部材。
  3. 前記入射面は、前記出射面の反対側の面である、請求項2に記載の透光性部材。
  4. 前記光透過部は、400nm以上760nm以下の波長範囲の光に対して透光性を有し、
    前記金属領域が形成された前記光透過部は、少なくとも500nm以上600nm以下の波長を含んだ光が当該金属領域が除去された当該光透過部を通過する場合と比較して、400nm以上760nm以下の波長範囲の光全体における500nm以上600nm以下の波長範囲の光の割合を低下させる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の透光性部材。
  5. 前記金属領域を形成する金属は、金である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の透光性部材。
  6. 前記光透過部は蛍光体を有し、
    前記蛍光体は、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネットである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の透光性部材。
  7. 前記金属領域は、前記出射面に垂直な方向の最大長が40nm以上60nm以下である粒子状の金属が散布する金属領域である、請求項6に記載の透光性部材。
  8. 前記金属領域を被覆する透光性の保護膜を有する、請求項1乃至7の何れか一項に記載の透光性部材。
  9. 前記保護膜の膜厚は、前記金属領域の膜厚、あるいは、前記出射面に垂直な方向の最大長よりも厚い、請求項8に記載の透光性部材。
  10. 前記保護膜は、ケイ素酸化膜である、請求項8又は9に記載の透光性部材。
  11. 請求項1乃至10の何れか一項に記載の透光性部材と、
    前記光透過部の入射面側に配置される透光性の板状部材と、を有する、光学部材。
  12. 発光素子と、
    請求項1乃至10の何れか一項に記載の透光性部材、あるいは、請求項11に記載の光学部材、を有し、
    前記透光性部材は、前記発光素子から出射された光を、前記出射面から前記金属領域を通して出射させる、発光装置。
  13. 前記発光素子は、発光ピーク波長が320nm以上495nm以下の範囲である、請求項12に記載の発光装置。
  14. 光が出射される出射面を備えた光透過部を準備する工程と、
    前記出射面に膜厚が1nm以上10nm以下の金属膜を設ける工程と、
    前記出射面に成膜された金属膜を加熱し、加熱によって粒子化された金属を含む金属領域を形成する工程と、を有する透光性部材の製造方法。
  15. 前記金属領域を形成する工程において、900℃以上1100℃以下の温度で前記金属膜を加熱する、請求項14に記載の透光性部材の製造方法。
  16. 前記金属は、金である、請求項14又は15に記載の透光性部材の製造方法。
  17. 前記金属膜を設ける工程において、前記出射面に設けられた金属の上にさらに保護膜を形成してから、前記金属領域を形成する工程において前記金属膜を加熱する、請求項14乃至16の何れか一項に記載の透光性部材の製造方法。
  18. 前記金属膜を設ける工程において形成される前記保護膜はケイ素膜であり、
    前記金属領域を形成する工程により、前記保護膜は、前記ケイ素膜が加熱によって酸化されたケイ素酸化膜となる、請求項17に記載の透光性部材の製造方法。
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