JP2017025167A - 発光体、光源装置および照明装置 - Google Patents

発光体、光源装置および照明装置 Download PDF

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一規 安念
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幸司 高橋
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宜幸 高平
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佳伸 川口
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Yosuke Maemura
要介 前村
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智洋 坂上
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Abstract

【課題】発光体への励起光の入射角度が可変である場合であっても、発光体から出射される出射光の色温度の変化を抑制する。
【解決手段】励起光の光軸が受光面に対して垂直になるときの光軸を基準線(P)としたとき、蛍光体層(2)における基準線の方向の厚みは、基準線から遠ざかるにつれて薄くなっている、または、蛍光体層における蛍光の発光に寄与する物質の濃度は、基準線(P)から遠ざかるにつれて低くなっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、蛍光体の発光を利用する発光体などに関する。
励起光源から出射した励起光により蛍光体を励起し、当該蛍光体から蛍光を発する構成を有する光源装置や照明装置などの開発が進められている。このような装置は、例えば、特許文献1から5に開示されている。
特許文献1では、固体光源と、該固体光源からの励起光により励起され蛍光を発光する蛍光体層とを備えている光源装置が開示されている。この光源装置では、蛍光体層に入射する励起光の蛍光体層入射面上でのビームの形状および断面積は、蛍光体層入射面全体の形状および面積とほぼ等しい。
また、特許文献2では、LED(light-emitting diode)と、LEDから出射された光を異なる色の光に波長変換する波長変換部材と、を備える発光装置が開示されている。この波長変換部材は光導出面側に凸の樋状に形成されている。
また、特許文献3では、発光素子をドーム状の波長変換部材に内包し、前記発光素子から放射された光を所望の波長に変換して出射するようにした発光装置が開示されている。
また、特許文献4では、セラミックス蛍光体を備えているレーザ照明モジュールが開示されている。該セラミックス蛍光体は青色レーザデバイスである半導体レーザから入射した光を反射して向きを変更するとともに当該光により励起されて黄色の蛍光を生成する。
また、特許文献5では、蛍光体層を備えた光源装置が開示されている。該蛍光体層は、固体光源からの励起光の照射の中心部分(照射スポット部分)STから周辺に向かうに従って蛍光の発光強度が弱まるような賦活剤濃度の異なる複数種類の蛍光体で構成されている。
特開2012−99222号公報(2012年5月24日公開) 特開2012−199497号公報(2012年10月18日公開) 特開2007−317952号公報(2007年12月6日公開) 特開2013−254889号公報(2013年12月19日公開) 特開2013−168602号公報(2013年8月29日公開)
しかしながら、上述のような従来技術には、蛍光体層に対して励起光の入射角度が可変である構成について開示されていない。そのため、上記の従来技術には、励起光の出射方向が可変な励起光源を用いて蛍光を発光させる場合、蛍光体層の受光面への入射角度が異なることによる問題については当然ながら開示されていない。
ここで、互いに異なる入射角度で蛍光体層に励起光を入射させた場合に生じる問題について、図11を用いて説明する。図11は、参考の形態に係る光源装置100の概略的な構成を示す図である。図11の(A)および(B)が示すように、光源装置100は、蛍光体層200および励起光源104を備えている。蛍光体層200は、平板状に形成されており、蛍光体粒子を均一の濃度で含んでいる。励起光源104の位置は蛍光体層200に対して固定された位置に設置されているが、励起光源104は励起光を出射する面の向きを変えることができる。そのため、励起光源104は、蛍光体層200の受光面に対して、互いに異なる入射角度で励起光を出射することができる。励起光源104から出射された入射光L111およびM111のそれぞれは、蛍光体層200に入射し、その後、入射光L111およびM111によって励起された蛍光とともに出射光L112およびM112のそれぞれとして、光源装置100から出射される。
図11の(A)は、励起光源104が蛍光体層200の受光面に対して垂直に励起光を出射する場合を示している。この場合の励起光の出射方向を示す光軸を基準線P100とする。図11の(B)は、励起光源104が励起光の光軸を基準線P100からθ傾けて、励起光を出射する場合を示している。図11の(A)および(B)に示すように、蛍光体層200は平板形状(厚みが一定)であるため、蛍光体層200内における基準線P100からθ傾けた光軸の入射光M111の光路長は、基準線P100と光軸が略一致する入射光L111の光路長に比べて長くなる。さらに、蛍光体層200内には均一の蛍光体粒子が含まれている。そのため、入射光M111は入射光L111よりも、多くの蛍光体粒子を励起することになる。例えば、上記θの値が大きくなるにつれて、入射光M111は、入射光L111よりも、より多くの蛍光体粒子を励起することになる。その結果、出射光M112に含まれる励起光の割合は、出射光L112に含まれる励起光の割合よりも低くなる。一方、出射光M112に含まれる蛍光の割合は出射光L112に含まれる蛍光の割合よりも高くなる。すなわち、出射光M112は、出射光L112よりも、励起光の色が弱くなり、蛍光体が発する蛍光の色が強くなった状態で出射される(励起光が青、蛍光体の発光が黄色の場合、色温度が低くなる)。したがって、出射光L112と出射光M112とでは色温度に変化が生じる。
このように、励起光の出射方向が可変な励起光源104を用いて蛍光を発光させる場合、蛍光体層200の受光面への入射角度が異なることにより、蛍光体層200の表面の各位置から出射される出射光の色温度が互いに異なってしまう。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、発光体への励起光の入射角度が可変である場合であっても、発光体から出射される出射光の色温度の変化を抑制することができる発光体を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る発光体は、発光体に照射される励起光の入射角度を可変に制御可能な光源装置において利用される上記発光体であって、蛍光体を含み、上記励起光を受光する受光面を有する蛍光体部を備え、上記励起光の光軸が上記受光面に対して垂直になるときの光軸を基準線としたとき、上記蛍光体部における上記基準線の方向の厚みは、当該基準線から遠ざかるにつれて薄くなっている、または、上記記蛍光体部における蛍光の発光に寄与する物質の濃度は、上記基準線から遠ざかるにつれて低くなっている。
本発明の一態様によれば、発光体への励起光の入射角度が可変である場合であっても、発光体から出射される出射光の色温度の変化を抑制することができるという効果を奏する。
(A)〜(D)は、本発明の実施形態1に係る光源装置の概略的な構成を示す図である。 (A)〜(D)は、本発明の実施形態2に係る光源装置の概略的な構成を示す図である。 (A)〜(D)は、本発明の実施形態2に係る発光体の作製工程を示す図である。 本発明の実施形態3に係る発光体の概略を示す図である。(A)は発光体の概略的な構成を示す断面図である。(B)〜(E)は発光体の作製工程を示す図である。 本発明の実施形態4に係る発光体の概略を示す図である。(A)は発光体の概略的な構成を示す断面図である。(B)〜(E)は発光体の作製工程を示す図である。 本発明の実施形態5に係る光源装置の概略を示す図である。(A)は光源装置が備えている発光体の概略的な構成を示す断面図である。(B)は発光体が備えている蛍光体層の受光面を示す図である。(C)は蛍光体層における励起光の光路を示す図である。(D)は発光体の作製工程を示す図である。 (A)および(B)は、本発明の実施形態5に係る蛍光体層の変形例の受光面を示す図である。 本発明の実施形態6に係る光源装置の概略的な構成を示す図である。 本発明の実施形態7に係る照明装置の概略的な構成を示す図である。 本発明の実施形態7に係る他の照明装置の概略的な構成を示す図である。 (A)および(B)は、参考の形態に係る光源装置を示す図である。
(概要)
本発明は、発光体に照射される励起光の入射角度を可変に制御可能な光源装置(例えば後述の光源装置10、10a、10b)において利用される発光体1〜1dに関するものである。発光体1〜1dは、蛍光体を含み、上記励起光を受光する受光面を有する蛍光体層(蛍光体部)2〜2bを備えている。そして、励起光の光軸が上記受光面に対して垂直になるときの光軸を基準線Pとしたとき、蛍光体層2〜2bにおける基準線Pの方向の厚みは、基準線Pから遠ざかるにつれて薄くなっている。または、蛍光体層2〜2bにおける蛍光の発光に寄与する物質(蛍光体粒子、賦活剤等)の濃度は、基準線Pから遠ざかるにつれて低くなっている。すなわち、蛍光体層2〜2bに含まれている当該物質の含有量は、基準線Pから遠ざかるにつれて少なくなっている。
上記の構成によれば、蛍光体層2および2aの受光面に対する入射角度が垂直となる励起光の光軸である基準線Pから遠ざかるにつれて、蛍光体層2および2aの上記厚みが薄くなっている。そのため、蛍光体層2への励起光の入射角度が可変であっても、蛍光体層2に入射する励起光の、蛍光体層2および2a内における、光路の長さを所定の範囲内とすることができる。あるいは、蛍光体層2bの受光面に対する入射角度が垂直となる励起光の光軸である基準線Pから遠ざかるにつれて、蛍光体層2bに含まれている蛍光の発光に寄与する物質(蛍光体の粒子のまたは賦活剤)の濃度が低くなっている。
そのため、蛍光体層2への励起光の入射角度が可変であっても、蛍光体層2に入射された励起光の光路上にある上記物質の量を、所定の範囲内とすることができる。よって、蛍光体層2への励起光の入射角度が可変であっても、蛍光体層2の表面の各位置から出射される出射光の光量を所定の範囲内にすることができる。したがって、蛍光体層2への励起光の入射角度が可変である場合であっても、蛍光体層2から出射される出射光の色温度の変化を抑制することができる。したがって、発光体1〜1dから出射される出射光の色温度の変化を抑制することができる。
そのため、励起光の出射方向、または、励起光源から出射された励起光の配光方向(例えば、実施形態6のミラー9における励起光の反射方向)を制御することで励起光および蛍光を含む出射光(照明光)を所望の方向に投光する照明装置の励起光源に、本発明に係る発光体1〜1dを適用することによって、出射光に色温度に変化が生じない照明装置を実現できる。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。但し、本実施形態およびその他の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
本発明に係る一実施形態について、図1を用いて説明する。
(光源装置10の構成)
図1の(A)は、本発明の一実施形態に係る光源装置10の概略的な構成を示す断面図である。光源装置10は、励起光を波長変換することで生成した蛍光とともに、励起光の一部を外部へ出射するものである。図1の(A)に示すように、光源装置10は、励起光源4および発光体1を備えている。発光体1は、光透過性基板3および蛍光体層2を備えている。
(励起光源4)
励起光源4は、発光体1に励起光を照射するものである。励起光源4の設置位置は発光体1に対して相対的に固定されて設置されている。詳細には、励起光源4は、発光体1に備わっている蛍光体層2の受光面の中心と垂直に交わる軸上に設置されている。励起光源4は、例えば、励起光源4を固定している固定軸4aを中心に回転できる。固定軸4aを中心に回転することによって、励起光源4は、蛍光体層2の受光面に対して、互いに異なる入射角度で励起光を入射させることができる(図1の(B)および(C)に示されている、入射光L1およびM1を参照)。すなわち、励起光源4の固定軸4aが発光体1に対して相対的に固定されており、励起光源4は、固定軸4aにおいて回動することで、蛍光体層2の受光面の任意の領域に、励起光を走査(スキャン)することが可能な構成となっている。さらに換言すれば、光源装置10は、発光体1に照射される励起光の入射角度を可変に制御可能な装置である。後述の光源装置10aも同様である。励起光源4のスキャンレートは、例えば60Hzに設定されている。なお、励起光源4の励起光の出射方向が可変な構成においては、蛍光体層2の受光面に対して、互いに異なる入射角度で励起光を入射させることができればよく、その構成については特に限定されない。例えば、励起光源4また、本実施形態では、励起光源4は、受光面の中心と垂直に交わる軸上に設置されているが、受光面と対向する位置に設置されていればよい。
例えば、励起光源4が照射する励起光のピーク波長は、420nm以上490nm以下の青色領域の波長であってもよい。なお、励起光源4の発光波長は、発光体1に含まれる蛍光体の種類に応じて適宜選択されればよく、青色とは異なる波長であってもよい。
励起光源4は、発光素子として、半導体レーザ、発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)などを備えていてもよい。該発光素子は、発光体1に含まれる蛍光体を励起可能な励起光を出射する発光素子であればよく、特に限定されない。
励起光源4から出射される励起光がレーザ光である場合には、発光体1に励起光が高密度に照射され、その照射領域が小さくなるため、発光体1の表面の小さい領域から明るい光が出射されることとなる。つまり、励起光がレーザ光である場合、発光体1から高輝度の光を出射させることが可能となる。
なお、励起光源4の個数は、適宜選択可能である。
(発光体1)
発光体1は、光透過性基板3および蛍光体層2を備えている。
発光体1は、励起光源4から出射された励起光を受けて蛍光を発する。また、発光体1は、励起光を蛍光に変換するため、波長変換素子であるとも言える。
(光透過性基板3)
光透過性基板3は、蛍光体層2が載置されている基板である。励起光源4から出射された励起光は、光透過性基板3を透過して蛍光体層2に入射される。光透過性基板3の材質としては、例えば、ガラス、サファイアなどであってもよい。特に、光透過性基板3の材質は、蛍光体層2の熱を放熱するために、サファイアなどの熱伝導率の高い材質が好ましい。光透過性基板3に熱伝導率の高い材質を用いることで、蛍光体層2における発光の効率が向上し、光源装置10が出射する出射光を明るくすることができる。
(蛍光体層2)
蛍光体層2は蛍光体を含んでおり、光透過性基板3と対向し、かつ励起光源4から出射された励起光を受光する受光面を備えている。図1の(A)には、蛍光体層2の受光面に対する入射角度が垂直となるときの励起光の光軸が基準線Pとして示されている。蛍光体層2は、基準線Pから遠ざかるに従い、基準線Pの方向の厚み(以降、単に「厚み」と称する)が薄くなっている。
詳細には、蛍光体層2は、蛍光体粒子を含む蛍光体膜21〜23が積層されてなる。各蛍光体膜は均一に蛍光体粒子および賦活剤を含んでいる。また、各蛍光体膜21〜23間においても、含まれる蛍光体粒子および賦活剤の濃度は均一である。蛍光体層2は、基準線Pから遠ざかるにつれて、積層された蛍光体膜21〜23の数が減少している。換言すると、蛍光体層2は、基準線Pから遠ざかるにつれて、光透過性基板3上の所定の体積を有する空間に含まれている蛍光体粒子の数および賦活剤の量が減少するように構成されている。例えば、図1の(A)に示すように、基準線Pを含む空間R1においては、蛍光体膜21〜23が存在しており、空間R1全体を蛍光体膜21〜23が満たしている。一方で、基準線Pから離れており、空間R1と同じ体積を有する空間R2内においては、蛍光体膜21のみが存在しており、蛍光体膜が存在していない空間が存在する。本実施形態においては、蛍光体膜21〜23に含まれる蛍光体粒子および賦活剤の濃度は均一である。そのため、基準線Pを含む空間R1に含まれている蛍光体粒子の数および賦活剤の量に比べ、基準線Pをから離れている空間R2に含まれている蛍光体粒子の数および賦活剤の量は少ない。
ここで、賦活剤について説明する。例えば、上記蛍光体膜が蛍光体粒子および封止材などから成る場合、蛍光体粒子の結晶中に、賦活剤がドープされている。また、上記蛍光体膜が蛍光体の単結晶板または多結晶板から成る場合も、上記蛍光体粒子と同様、結晶中に賦活剤がドープされている。次に、賦活剤が蛍光体に及ぼす影響について説明する。結晶に賦活剤がドープされていることで、上記蛍光体粒子、または上記蛍光体の単結晶板あるいは多結晶板は、励起光を吸収し発光することが出来るようになる。そのため、賦活剤の濃度によって、蛍光体粒子が発する蛍光の発光強度が決定する。賦活剤として、例えば、Ce(セリウム)等を用いることができる。
図1の(B)は、図1の(A)に示す蛍光体層2を上部(光透過性基板3と隣接している側を下部とする)から見た図である。蛍光体膜21〜23は、共通の中心点を有している。また、蛍光体膜21〜23は円形の平板形状であり、下部(受光面)に向かうにつれて蛍光体膜の半径が大きくなっている。すなわち、蛍光体膜21、22および23の順に、その半径が大きくなる。なお、本実施形態においては、受光面が円形の蛍光体層2について例示しているが、蛍光体層2の受光面は、特に、円形状に限定されない。
また、蛍光体層2は励起光源4から出射される励起光と蛍光体が発する蛍光とを混合した光として、例えば、白色光を出射する。なお、白色光とは、照射光の国際照明委員会(CIE)規格15.2.に定める色度座標(x、y)の下記の範囲内の色度を有する光を指す。該範囲は、以下のように規定されている。
すなわち、(1)緑の範囲との境界がW12:y=0.150+0.640xと、(2)黄緑の範囲との境界がW23:y=0.440と、(3)黄の範囲との境界がW34:x=0.500と、(4)赤紫の範囲との境界がW45:y=0.382と、(4)紫の範囲との境界がW56:y=0.050+0.750xと、(6)青の範囲との境界がW61:x=0.310と規定されている。そのため、上記境界の交点は以下のとおりとなる。W12とW61との交点がW1(0.310、0.348)であり、W12とW23との交点がW2(0.453、0.440)であり、W23とW34との交点がW3(0.500、0.440)であり、W34とW45との交点がW4(0.500、0.382)であり、W45とW56との交点がW5(0.443、0.382)であり、W61とW56との交点がW6(0.310、0.283)である。これらの交点W1,W2,W3,W4,W5およびW6のそれぞれが上記色度座標であり、交点W1,W2,W3,W4,W5およびW6を結ぶ線分の範囲が、上記白色光が有する色度の範囲として規定されている。
蛍光体膜の数(段数)、各蛍光体膜の大きさや厚み、蛍光体膜が含んでいる蛍光体粒子の濃度、Ceなどの賦活剤濃度は、蛍光体層2aから出射される出射光について許容できる色温度の変化の範囲を設定することで、適宜、変更できる。例えば、蛍光体層2の受光面の何れの場所に励起光が入射しても、発光体1から出射する出射光の色温度が、上述の白色光の範囲内になるように、蛍光体膜の数(段数)、各蛍光体膜の大きさや厚み、蛍光体膜が含んでいる蛍光体粒子の濃度、賦活剤濃度等を設定してもよい。
蛍光体の発光強度は、賦活剤の濃度を上げると増大し、ある賦活剤濃度で極大値を取った後、減少していく。本実施形態に関しては、賦活剤の濃度を上げると蛍光体の発光強度が増大する範囲の賦活剤の濃度を適用している。
また、励起光源4から出射される励起光の入射角度の範囲または蛍光体層2に対する照射領域を、発光体1から出射する光の色温度が上述の白色光の範囲内になるように設定してもよい。例えば、上記入射角度の範囲においては、互いに入射角度の異なる励起光(入射光)の、蛍光体層2内の光路長は略同一(当該光路長上に存在する蛍光体粒子または賦活剤の量が略同一とみなせる所定の範囲内)となる。
白色光を得るために、蛍光体層2に含まれる蛍光体は、励起光が青色である場合、次のように組み合わせることができる。蛍光体が1種類の場合は、黄色発光蛍光体を用いることができる。黄色発光蛍光体(560nmより大きく590nm以下の波長範囲にピーク波長を有する蛍光を発生する蛍光体)としては、セリウム(Ce)で賦活したイットリウム(Y)−アルミニウム(Al)−ガーネット(Garnet)蛍光体であるYAG:Ce蛍光体などが挙げられる。
また、蛍光体が2種類の場合は、緑色発光蛍光体、橙色発光蛍光体、赤色発光蛍光体および黄色発光蛍光体から選択された蛍光体を用いることができる。例えば、緑色発光蛍光体と橙色発光蛍光体とを組み合せてもよいし、緑色発光蛍光体と赤色発光蛍光体とを組み合せてもよいし、黄色発光蛍光体と赤色発光蛍光体とを組み合せてもよい。緑色発光蛍光体(510nm以上560nm以下の波長範囲にピーク波長を有する蛍光を発生する蛍光体)としては、酸窒化物系の蛍光体(サイアロン蛍光体)である、Eu2+がドープされたβ−SiAlON:Eu蛍光体、Ce3+がドープされたCaα−SiAlON:Ce蛍光体などが挙げられる。橙色発光蛍光体(560nmより大きく600nm以下の波長範囲にピーク波長を有する蛍光を発生する蛍光体)としては、酸窒化物系の蛍光体(サイアロン蛍光体)である、Eu2+がドープされたα−SiAlON、Eu2+がドープされたCaα−SiAlON:Eu蛍光体、Eu2+がドープされたSrSiO蛍光体などが挙げられる。赤色発光蛍光体(600nmより大きく680nm以下の波長範囲にピーク波長を有する蛍光を発生する蛍光体)としては、窒化物系の蛍光体である、Eu2+がドープされたCaAlSiN蛍光体(CASN:Eu蛍光体)、Eu2+がドープされたSrCaAlSiN蛍光体(SCASN:Eu蛍光体)などが挙げられる。
また、蛍光体が3種類の場合は、上述した緑色発光蛍光体と、上述した橙色発光蛍光体と、上述した赤色発光蛍光体とを組み合わせて用いることができる。
蛍光体層2は、蛍光体粒子が、封止材によって均一に封止されている構成であってもよい。封止材の材料は、シリコーン樹脂、アクリル樹脂(PMMA、PLMA等)、エポキシ樹脂等の樹脂、または、ガラス材など光学的に透明な物質等から適宜選択することができる。また、封止材は、光透過性(透明性、透光性)の高いものが好ましく、励起光が高出力の場合には、耐熱性の高いものが好ましい。
また、蛍光体層2は、YAG等の蛍光体の単結晶板、または、多結晶板で構成されてもよい。この場合においても、蛍光体層2はCeなどの賦活剤を含んでいる。
また、発光体1は、光透過性基板3と蛍光体層2との間に誘電体多層膜を備えている構成であってもよい。誘電体多層膜は、励起光が透過し、蛍光を反射するように設計されている。発光体1が誘電体多層膜を備えている場合、発光体1から出射される出射光に含まれる蛍光の量が増加する。そのため、発光体1から出射される出射光の明るさが向上する。
(蛍光体層2の作製方法)
蛍光体層2の作製方法としては、例えば、スクリーン印刷で蛍光体を光透過性基板3の上に塗り、焼成などで固形化することにより蛍光体膜21が作製される。その後、蛍光体膜21の作製方法と同様の方法で、蛍光体膜21の上に蛍光体膜22が作製される。同様に、蛍光体膜22の上に蛍光体膜23が作製される。
また、蛍光体膜21〜23が、多結晶板からなる場合は、原料(例えば、YAG:Ceパウダー)を焼結することによって作製されてもよい。各蛍光体膜のサイズに合わせて作製された各蛍光体膜と、光透過性基板3または他の蛍光体膜とを、透明接着剤を用いて貼り付けてもよい。
また、蛍光体膜21〜23が、蛍光体の単結晶板からなる場合は、インゴットから各蛍光体膜のサイズに合わせて切り出し、各蛍光体膜と、光透過性基板3または他の蛍光体膜とを、透明接着剤を用いて貼り付けてもよい。透明接着剤は、アクリル系、シリコーン系などの有機系のもの、シリカ、アルミナ、ジルコニア等から成る無機系の接着剤を用いることができる。または、蛍光体層2を上述した図1の(A)および(B)に示す1つの形状として切り出し、光透過性基板3と、上述の透明接着剤を用いて貼り合わせてもよい。
上記の構成によれば、蛍光体層2を平板状の蛍光体膜21〜23を重ねた積層構造とすることで、容易に、蛍光体層2を形成することができる。また、蛍光体層2の形状が破損し難い形状であるため、蛍光体層2を破損させることなく形成することができる。
(蛍光体層2aから出射される出射光)
次に、本実施形態に係る蛍光体層2から出射される出射光について図1の(C)および(D)を用いて説明する。図1の(C)および(D)は、励起光源4から発光体1に入射した励起光(入射光L1、M1)の光路を示す図である。図1の(C)は、蛍光体層2の受光面に対して垂直に励起光(入射光L1)を出射する場合を示している。この場合の励起光の出射方向を示す光軸を基準線Pとする。図1の(D)は、励起光の光軸を基準線Pからθ傾けて、励起光(入射光M1)を出射する場合を示している。図1の(C)および(D)に示すように、励起光源4から出射された入射光L1およびM1のそれぞれは、蛍光体層2に入射し、その後、入射光L1およびM1によって励起された蛍光とともに出射光L2およびM2のそれぞれとして、蛍光体層2から出射される。
蛍光体層2は基準線Pから遠ざかるにつれて、厚みが薄くなっている。そのため、基準線Pからθ傾けた光軸を有する入射光M1の蛍光体層2内における光路長と、基準線Pを光軸とする入射光L1の蛍光体層2内における光路長との差が小さい(例えば、厚みが一定の蛍光体層に比べて)。換言すると、互いに異なる入射角度で蛍光体層2内に入射した励起光の蛍光体層2内における光路長が所定の範囲内となる。また、蛍光体層2内には蛍光体粒子が均一に含まれている。そのため、入射光M1と入射光L1とは、同程度の量の蛍光体粒子を励起することになる。その結果、出射光M2の色温度と、出射光L2の色温度とが同程度になる(出射光M2の色温度と、出射光L2の色温度とが所定の範囲内に収まる)。
特に、蛍光体層が、蛍光体の単結晶板または多結晶板で構成されている場合、励起光に対する、ミー散乱における散乱効果(以降、単に「励起光に対する散乱効果」と称する)が小さい。そのため、蛍光体層への励起光の入射角度が可変である場合、蛍光体層から出射される出射光の色温度の変化が生じやすい。なお、蛍光体の単結晶の場合、散乱効果が無い。また、蛍光体の多結晶の場合、粒界が存在するため、散乱効果は少なからずあるが小さい。本実施形態の構成によれば、上述のように、蛍光体層2に互いに異なる入射角度で入射した励起光の光路長のそれぞれが所定の範囲内となる。そのため、蛍光体層2が、蛍光体の単結晶板または多結晶板で構成されている場合であっても、色温度の変化が生じにくい発光体を実現することができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図2および図3に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。また、本実施形態について、実施形態1と異なる点についてのみ説明し、実施形態1と同じ構成である場合は、その説明を省略する。
(光源装置10a)
図2の(A)および(B)は、本発明の一実施形態に係る光源装置10aの概略的な構成を示す断面図である。光源装置10aと、実施形態1の光源装置10との違いは、蛍光体層2aの形状である。
(励起光源4)
励起光源4については、実施形態1で詳細に説明したため、ここでの説明を省略する。なお、励起光源4から出射される励起光の入射角度の範囲を、発光体1から出射する出射光の色温度が実施形態1にて説明した白色光の範囲内になるように設定してもよい。
(蛍光体層2a)
図2の(A)は、励起光源4が、発光体1aに近い位置に設置された場合の光源装置10aを示している。また、図2の(B)は、励起光源4が、図2の(A)の構成に比べ、発光体1aから離れた位置に設置された場合の光源装置10aを示している。
図2の(A)および(B)に示すように、受光面に対する入射角度が垂直となるときの励起光の光軸である基準線Pから遠ざかるにつれて、蛍光体層2aの厚みが薄くなっている。また、蛍光体層2aは、球体を平面で切り欠いた外形形状(すなわち、その表面が球面である形状)を有している。換言すれば、蛍光体層2aは、一部が欠けた球状であり、上記受光面に垂直な断面が円弧状となっている。詳細に説明すると、蛍光体層2aは、励起光源4の固定軸4aを中心とした球形状の一部が欠けた形状となっている。すなわち、励起光源4の固定軸4aの位置が発光体1aに近付くほど、蛍光体層2aの形状は半球状に近づく。また、光透過性基板3における蛍光体層2aの設置領域の広さが限られている場合、励起光源4の固定軸4aの位置が発光体1aから離れるに従い、蛍光体層2aの厚みは薄くなる。すなわち、蛍光体層2aの形状は、励起光源4の設置位置に応じて適宜変更される。
蛍光体層2aの大きさや厚み、蛍光体層2aが含んでいる蛍光体粒子の濃度等は、蛍光体層2aから出射される出射光について許容できる色温度の変化の範囲を設定することで、適宜、変更できる。例えば、蛍光体層2aの受光面の何れの場所に励起光が入射しても、発光体1aから出射する光の色温度が,実施形態1にて説明した白色光の範囲内に納まるように、蛍光体層2aの大きさや厚み、蛍光体層2aが含んでいる蛍光体粒子の濃度等を設定してもよい。
(蛍光体層2aから出射される出射光)
次に、本実施形態に係る蛍光体層2aから出射される出射光について、図2の(C)および(D)を用いて説明する。
図2の(C)および(D)は、励起光源4から発光体1aに入射した励起光(入射光L3、M3)の光路を示す図である。図2の(C)は、励起光源4が、蛍光体層2aの受光面に対して垂直に励起光(入射光L3)を出射する場合を示している。この場合の励起光の出射方向を示す光軸を基準線Pとする。図2の(D)は、励起光源4が、励起光の光軸を基準線からθ傾けて、励起光(入射光M3)を出射する場合を示している。図2の(C)および(D)に示すように、励起光源4から出射された入射光L3およびM3のそれぞれは、蛍光体層2aに入射し、その後、入射光L3およびM3によって励起された蛍光とともに出射光L4およびM4のそれぞれとして、蛍光体層2aから出射される。
蛍光体層2aは、球体を平面で切り欠いた外形形状を有しており、蛍光体層2aは基準線Pから離れるにつれて、厚みが薄くなっている。そのため、基準線Pからθ傾けた光軸を有する入射光M3の蛍光体層2a内の光路長と、基準線Pを光軸とする入射光L3の蛍光体層2a内の光路長との差が小さい(例えば、厚みが一定の蛍光体層に比べて)。また、蛍光体層2内には蛍光体粒子が均一に含まれている。そのため、入射光M3と入射光L3とは、同程度の量の蛍光体粒子を励起することになる。その結果、出射光M4の色温度と、出射光L4の色温度とが同程度になる(それぞれの出射光の色温度が所定の範囲内に収まる)。
また、実施形態1にて述べたように、特に、蛍光体層が、蛍光体の単結晶板または多結晶板で構成されている場合、励起光に対する散乱効果が小さい。そのため、蛍光体層への励起光の入射角度が可変である場合において、蛍光体層から出射される出射光の色温度の変化が生じやすい。本実施形態の構成によれば、蛍光体層2aが、蛍光体の単結晶板または多結晶板で構成されている場合においても、色温度の変化が生じにくい発光体1aを実現することができる。
(発光体1aの作製方法)
次に、本実施形態に係る発光体1aの作製方法について、図3の(A)〜(D)を用いて説明する。図3の(A)〜(D)は、発光体1aの作製工程を示す図である。図3の(A)および(B)に示すように、発光体1aの形状に対応した凹部を備えている金型5に、蛍光体粒子と封止材とを流し込む。次に、図3の(C)に示すように、光透過性基板3を用いて蛍光体粒子と封止材とを流し込んだ凹部を覆うように蓋をする。その後、蛍光体粒子と封止材とを焼成して固形化することによって蛍光体層2aを作製する。最後に、図3の(D)に示すように、発光体1aを金型から外す。
蛍光体層2aを蛍光体の単結晶板で作製する場合は、インゴットから切り出し、研磨などで成形することによって作製される。次に、光透過性基板3と蛍光体層2aとの間に透明接着剤をつけて、光透過性基板3と蛍光体層2aとを貼り付ける。
また、蛍光体層2aを蛍光体の多結晶板で作製する場合は、原料(例えば、YAG:Ceパウダー)を焼結し、切削や研磨などで成形することによって作製してもよい。次に、光透過性基板3と蛍光体層2aとの間に透明接着剤をつけて、光透過性基板3と蛍光体層2aとを貼り付ける。
透明接着剤については、実施形態1の「蛍光体層2の作製方法」に記載したものと同様のものを用いることができる。ここでの詳細な説明を省略する。
上記の構成によれば、蛍光体層2aを容易に形成することができる。また、蛍光体層2の形状が破損し難い形状であるため、蛍光体層を破損させることなく形成することができる。
また、本実施形態では、蛍光体層2aの形状が球体の一部の形状である場合について例示したが、蛍光体層2aの形状については、特に、球体の一部の形状に限定されず、球体の一部の形状以外の形状(例えば、非球面を有する凸形状)であってもよい。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。また、本実施形態について、実施形態1と異なる点についてのみ説明し、実施形態1と同じ構成である場合は、その説明を省略する。
(発光体1bの構成)
図4の(A)は、本発明の一実施形態に係る発光体1bの概略的な構成を示す断面図である。発光体1bは、放熱補助層6(放熱部)を備えている点で、実施形態1の発光体1と異なる。
図4の(A)に示すように、発光体1bは、光透過性基板3および蛍光体層2を備えている。さらに、発光体1bは、蛍光体層2で発生した熱を放熱する放熱補助層6を備えている。放熱補助層6は、蛍光体層2における受光面と反対側の表面に接するように配されている。すなわち、放熱補助層6は、蛍光体層2の少なくとも上部に接するように配されている。光透過性基板3および蛍光体層2については、実施形態1で説明しているため、ここでの説明を省略する。
放熱補助層6は、蛍光体層2の熱を放熱するためのものである。放熱補助層6は、アクリル樹脂、シリコーン、ガラス、サファイアなどの透明部材から形成される。特に、放熱補助層6をサファイアなどの高熱伝導率の部材で形成することが好ましい。
一般的に蛍光体層2における上記反対側の表面(すなわち、蛍光体層2の上部)は、光透過性基板3から距離が離れているため、蛍光体層2の上部で発生した熱については、その逃げ場がなくなる。そのため、蛍光体層2における熱抵抗値が高くなる。上記の構成によれば、放熱補助層6が上記反対側の表面に接するように配されているので、蛍光体層2の当該表面近傍において発生した熱を、放熱補助層6を介して放熱することができる(例えば、蛍光体層2の上面および側面から)。したがって、蛍光体層2における上記反対側の表面近傍(特に、蛍光体層2の上部)の温度上昇を抑制することができる。よって、蛍光体層2が高温になることによる蛍光体層2における蛍光体の発光の効率の低下を抑制することができる。
(発光体1bの作製方法)
次に、本実施形態に係る発光体1bの作製方法について、図4の(B)〜(E)を用いて説明する。図4の(B)〜(E)は、発光体1bの作製工程を示す図である。図4の(B)に示すように、蛍光体層2の形状に対応した凹部を備えている放熱補助層6を、切削することによって、形成する。次に、図4の(C)に示すように、放熱補助層6に蛍光体粒子と封止材とを流し込む。次に、図4の(D)に示すように、光透過性基板3を用いて蛍光体粒子と封止材とを流し込んだ凹部を覆うように蓋をする。その後、蛍光体粒子と封止材とを焼成して固形化することによって蛍光体層2を作製する。最後に、図4の(E)に示すように、発光体1bの上下の位置を入れ替える。
蛍光体層2を蛍光体の単結晶板または多結晶板で作製する場合は、実施形態1で説明したように発光体1を作製し、蛍光体層2の形状に対応した凹部を備えている放熱補助層6を蛍光体層2に被せ、発光体1と放熱補助層6とを透明接着剤を用いて貼り付ける。透明接着剤として、実施形態1の「蛍光体層2の作製方法」で記載したものなどを利用することができる。
上記の構成によれば、発光体1bを容易に形成することができる。
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。また、本実施形態について、実施形態2と異なる点についてのみ説明し、実施形態2と同じ構成である場合は、その説明を省略する。
(発光体1cの構成)
図5の(A)は、本発明の一実施形態に係る発光体1cの概略的な構成を示す断面図である。発光体1cは、放熱補助層6a(放熱部)を備えている点で、実施形態2の発光体1aと異なる。
図5の(A)に示すように、発光体1cは光透過性基板3および蛍光体層2aを備えている。さらに、蛍光体層2aにおける受光面と反対側の表面に接するように配されている放熱補助層6aを備えている。
放熱補助層6aは、励起光の照射により蛍光体層2aで発生した熱を放熱するものである。放熱補助層6aの材質、および、放熱補助層6aの作用、効果等については、実施形態3にて説明した放熱補助層6と同様であるためここでの説明を省略する。
(発光体1cの作製方法)
次に、本実施形態に係る発光体1cの作製方法について、図5の(B)〜(E)を用いて説明する。図5の(B)〜(E)は、発光体1bの作製工程を示す図である。図5の(B)に示すように、蛍光体層2aの形状に対応した凹部を備えている放熱補助層6aを、切削することによって形成する。次に、図5の(C)に示すように、放熱補助層6aに蛍光体粒子と封止材とを流し込む。次に、図5の(D)に示すように、光透過性基板3を用いて蛍光体粒子と封止材とを流し込んだ凹部を覆うように蓋をする。その後、蛍光体粒子と封止材とを焼成して固形化することによって蛍光体層2aを作製する。最後に、図5の(E)に示すように、発光体1cの上下の位置を入れ替える。
蛍光体層2aを蛍光体の単結晶板または多結晶板で作製する場合は、実施形態2で説明したように発光体1aを作製し、蛍光体層2aの形状に対応した凹部を備えている放熱補助層6aを蛍光体層2aに被せ、発光体1aと放熱補助層6aとを透明接着剤を用いて貼り付ける。透明接着剤として、実施形態1の「蛍光体層2の作製方法」で記載したものなどを利用することができる。
上記の構成によれば、発光体1cを容易に形成することができる。
〔実施形態5〕
本発明の他の実施形態について、図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。また、本実施形態について、実施形態1と異なる点についてのみ説明し、実施形態1と同じ構成である場合は、その説明を省略する。
図6の(A)は、本発明の一実施形態に係る発光体1dの概略的な構成を示す断面図である。発光体1dは、実施形態1の発光体1と比べ、蛍光体層2bの構成が異なる。また、図6の(C)は、光源装置10cにおける励起光源4から発光体1dに入射した励起光(入射光L5、M5)の光路を示す図である。
(発光体1d)
図6の(A)および(C)に示すように、光源装置10cは、発光体1dおよび励起光源4を備えている。発光体1dは、光透過性基板3および蛍光体層2bを備えている。励起光源4および光透過性基板3については、実施形態1にて説明したため、ここでの説明は省略する。
(蛍光体層2b)
図6の(A)に示すように、発光体1dは、蛍光の発光に寄与する物質の濃度が互いに異なる複数の蛍光体膜25〜28を含んでいる蛍光体層2bを含んでいる。また、複数の蛍光体膜25〜28は同一基板上(すなわち、光透過性基板3上)に配置されており、基準線Pと複数の蛍光体膜25〜28との間の距離は、上記物質の濃度が低くなるにつれて大きくなっている。すなわち、励起光の入射角度が垂直となるときの励起光の光軸(図6の(A)では蛍光体層2bの中心)から遠ざかるにつれて、上記物質の濃度が低くなっている。蛍光の発光に寄与する物質とは、例えば、蛍光体粒子または賦活剤などである。
蛍光体層2bについて図6の(A)および(B)を参照して詳細に説明する。図6の(B)は、蛍光体層2bの受光面を示す図である。図6の(A)および(B)に示すように、蛍光体層2bは、蛍光体膜25〜28から形成されている。円柱形状の蛍光体膜25の側面の周囲に蛍光体膜26が配置されている。また、蛍光体膜26の側面の周囲に蛍光体膜27が配置されている。また、蛍光体膜27の側面の周囲に蛍光体膜28が配置されている。
例えば、蛍光体膜25〜28が、蛍光体粒子が封止材によって均一に封止されている構成である場合、蛍光体膜25〜28の蛍光体粒子の濃度は、蛍光体膜25、26、27、28の順に低くなっている。
または、蛍光体膜25〜28に含まれている蛍光体粒子中の賦活剤の濃度が、蛍光体膜25、26、27、28の順に低くなっている構成であってもよい。本実施形態に適用される賦活剤の濃度の範囲については、実施形態1にて説明したためここでの説明を省略する。
また、蛍光体膜25〜28が、蛍光体の単結晶板または多結晶版から成る構成である場合、蛍光体膜25〜28に含まれている賦活剤の濃度が、蛍光体膜25、26、27、28の順に低くなっている。
ここで、本実施形態では、複数の蛍光体膜25〜28の厚さは均一である。すなわち、蛍光体層2bは平板状に形成されている。しかしながら、上記厚さが均一である必要は必ずしもない。例えば、蛍光体層2bは、蛍光体膜25、26、27および28の順にその厚さが増すような構成であってもよい。すなわち、発光体1dは、基準線Pから遠ざかるにつれて上記物質の濃度が低くなっていることによって、蛍光体層2bの各位置から出射される出射光の色温度が所定の範囲内となるように制御できる構成であればよい。
蛍光体層2bの大きさや厚み、蛍光体層2bが含んでいる蛍光体粒子の濃度、または、賦活剤の濃度等は、蛍光体層2bから出射される出射光について許容できる色温度の変化の範囲を設定することで、適宜、変更できる。例えば、蛍光体層2bの受光面の何れの場所に励起光が入射しても、発光体1dから出射する光の色温度が,実施形態1にて説明した白色光の範囲内となるように、蛍光体層2bの大きさや厚み、蛍光体層2bが含んでいる蛍光体粒子または賦活剤の濃度等を設定してもよい。
(蛍光体層2bから出射される出射光)
次に、本実施形態に係る蛍光体層2bから出射される出射光について図6の(C)を用いて説明する。図6の(C)は、光源装置10cにおける励起光源4から発光体1dに入射した励起光(入射光L5、M5)の光路を示す図である。図6の(C)の左図は、励起光源4が、蛍光体層2の受光面に対して垂直に励起光(入射光L5)を出射する場合を示している。この場合の励起光の出射方向を示す光軸を基準線Pとする。図6の(C)の右図は、励起光の光軸を基準線からθ傾けて、励起光(入射光M5)を出射する場合を示している。図6の(C)に示すように、励起光源4から出射された入射光L5およびM5のそれぞれは、蛍光体層2bに入射し、その後、入射光L5およびM5によって励起された蛍光とともに出射光L6およびM6のそれぞれとして、蛍光体層2bから出射される。
蛍光体層2b内における基準線Pからθ傾けた光軸の入射光M5の光路長は、基準線Pと略一致する光軸を有する入射光L5の光路長よりも長い。しかし、蛍光体層2bの中心(蛍光体層2bにおける受光面に対する励起光の入射角度が垂直となる位置)から遠ざかるにつれて、蛍光体層2bの蛍光の発光に寄与する物質である蛍光体粒子または賦活剤の濃度が低くなっている。そのため、蛍光体層2bの中心を通過する入射光L5の光路上の蛍光体粒子の数または賦活剤数と、蛍光体層2bの中心から離れた場所を通過する入射光M5の光路上の蛍光体粒子の数または賦活剤数は所定の範囲内となる。したがって、入射光M5と入射光L5とによって励起される蛍光の発光量は、同程度となる。その結果、出射光M6の色温度と、出射光L6の色温度とが同程度になる(それぞれの出射光の色温度が所定の範囲内に収まる)。特に、蛍光体層が、蛍光体の単結晶板または多結晶板で構成されている場合、励起光に対する散乱効果が小さい。そのため、蛍光体層への励起光の入射角度が可変である場合において、蛍光体層から出射される出射光の色温度の変化が生じやすい。本実施形態の構成によれば、蛍光体層2bが蛍光体の単結晶板または多結晶板で構成されている場合においても、色温度の変化が生じにくい発光体を実現することができる。
(蛍光体層2bの作製方法)
次に、蛍光体層2bの作製方法について説明する。図6の(D)は、発光体1bの作製工程を示す図である。蛍光体層2bの作製方法としては、例えば、異なる濃度の蛍光体粒子を含んだ樹脂(ガラスなど)のそれぞれを、インクジェット法などを用いて光透過性基板3に滴下することで形成することができる。なお、図6の(D)では、簡略化のために、蛍光体膜25および26の滴下状態のみを示している。
また、蛍光体膜25〜28が、多結晶板からなる場合は、原料(例えば、YAG:Ceパウダー)を焼結することによって作製されてもよい。各蛍光体膜のサイズに合わせて作製された各蛍光体膜および光透過性基板3、並びに、他の蛍光体膜どうしを、透明接着剤を用いて貼り付けてもよい。
また、蛍光体膜25〜28が、蛍光体の単結晶板である場合は、インゴットから各蛍光体膜25〜28の形状を切り出し、各蛍光体膜および光透過性基板3、並びに、各蛍光体膜どうしを、透明接着剤を用いて貼り付けてもよい。透明接着剤として、実施形態1の「蛍光体層2の作製方法」で記載したものなどを利用することができる。上記の構成によれば、容易に、蛍光体層2bを形成することができる。
(変形例)
次に本実施形態に係る蛍光体層2bの変形例について、図7を用いて説明する。図7の(A)および(B)は本実施形態に係る蛍光体層2bの変形例における受光面を示す図である。図7の(A)および(B)に示すように、本変形例においては、蛍光体層2bの受光面が四角形である。図7の(A)においては、蛍光体層2bの受光面が正方形である例を示しており、図7の(B)においては、蛍光体層2bの受光面が長方形である例を示している。
なお、本実施形態に係る発光体1dにおいて、実施形態3および4と同様、蛍光体層2bで発生した熱を放熱する放熱補助部(放熱部)を、蛍光体層2bにおける受光面と反対側の表面に接するように蛍光体層2bに積層させてもよい。
〔実施形態6〕
本発明の他の実施形態について、図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
なお、本実施形態では、発光体として実施形態1にて説明した発光体1を備えている光源装置10bについて例示するが、発光体1の代わりに、他の実施形態で説明した発光体1a、1b、1cおよび1dの何れかを備えていてもよい。
(光源装置10b)
図8は、本発明の一実施形態に係る光源装置10bの概略的な構成を示す図である。光源装置10bは、発光体1、ミラー9、レンズ8、および、レーザ素子7(励起光源)を備えている。
レーザ素子7は、励起光である例えば青色レーザをレンズ8に向けて出射する。レーザ素子7は、例えば、レーザダイオード(LD)等を用いてもよく、特に限定はされない。レーザ素子7は、単数であっても複数であってもよい。レーザ素子7の数は、例えば、所望する出力に応じて変更することができる。
レンズ8は、レーザ素子7から出射された励起光を集光し、ミラー9に出射する。
ミラー9は、発光体1に対して相対的に固定された位置に配され、レンズ8によって集光された励起光(入射光M7)を反射し、発光体1の蛍光体層2に入射させる。ミラー9は、励起光(例えば、LD光)が当たる面を鏡面加工したアルミニウム(Al)基板、銀(Ag)基板等、または誘電体多層膜から構成される増反射ミラー加工されたものであってもよい。ミラー9の鏡面の向きは、可変である。そのため、蛍光体層2の受光面における励起光の入射角度(入射位置)が可変となっている。すなわち、ミラー9の回転軸が発光体1に対して相対的に固定されており、ミラー9は、当該回転軸において回動することで、レーザ素子7から出射された励起光を、蛍光体層2の受光面の任意の領域に走査(スキャン)することができる。さらに換言すれば、光源装置10bは、発光体1に照射される励起光の入射角度を可変に制御可能な装置である。例えば、ミラー9の駆動を、60Hzの周波数の回動運動とすることで、反射させる励起光の配光をちらつきがない疑似的な線状の配光とすることができる。また、ミラー9として、例えばポリゴンミラーを適用してもよい。発光体1は、出射光M8を出射する。
本実施形態に係る光源装置10bは、前述した実施形態1〜5に係る発光体1〜1dの何れかを適用しているため、蛍光体層の受光面に対する励起光の入射角度が変わっても、発光体から出射される出射光M8の色温度の変化を抑制することができる。よって、光源装置10bは、出射光の色温度の変化を抑制しながら、励起光の蛍光体層に対する入射角度を変えることによって出射光M8の向きを制御することができる。
また、光源装置10bが、前述の発光体1bまたは1cのような放熱補助部を備えた発光体を備えている場合、蛍光体層の上部の温度上昇を抑制することができる。よって、蛍光体層が高温になることによる蛍光体層における発光の効率の低下を抑制することができる。したがって、出射光M8の明るさを維持することができる。
〔実施形態7〕
本発明の他の実施形態について、図9および10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(照明装置11)
図9は、本発明の一実施形態に係る照明装置11の概略的な構成を示す図である。照明装置11は、例えば、スポットライト、車両のヘッドライトなどに用いられる。照明装置11は、光源装置10b、レンズ12および支持体13を備えている。光源装置10bについては、実施形態6で詳細を説明したため、ここでの説明は省略する。また、光源装置10bの代わりに、光源装置10、10aまたは10cを備えている構成であってもよい。
(レンズ12)
レンズ12は、光源装置10bから出射される出射光M8を集光し、照明装置11の外部に出射するものである。レンズ12は、非球面および球面レンズのどちらでもよく、照明装置11の用途に合わせて選定することができる。レンズ12の材質としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネイト、シリコーン、ホウケイ酸ガラス、BK7、石英等である。
(支持体13)
支持体13は、レンズ12および光源装置10bを支持する支持部材である。支持体13は、蛍光体層の放熱を考慮すれば、放熱性のよい材質で構成されることが好ましい。また、支持体13は、出射光M8の迷光を防止することを考慮すれば、黒色であることが好ましい。そのため、支持体13としては、例えば、アルミニウム製で黒アルマイト処理をしているものが好ましい。
(照明装置11a)
次に、本実施形態に係る他の照明装置11aについて説明する。図10は、本発明の一実施形態に係る照明装置11aの概略的な構成を示す図である。照明装置11aは、例えば、スポットライト、車両のヘッドライトなどに用いられる。照明装置11aは、光源装置10bおよびリフレクタ14を備えている。光源装置10bについては、実施形態6で詳細を説明したため、ここでの説明は省略する。また、照明装置11と同様、光源装置10bの代わりに、光源装置10、10aまたは10cを備えている構成であってもよい。
(リフレクタ14)
リフレクタ14は、光源装置10bから出射された出射光M8を反射し、所定の立体角内を進む光線束(照明光)を形成することにより、照明装置11aの外部に投光するものである。リフレクタ14は光源装置10bの周囲を取り囲むように配設されている。リフレクタ14の内周面は、鏡面加工されている。また、リフレクタ14の外周面は黒アルマイト処理されていてもよい。リフレクタ14の材質としては、例えば、アルミニウム、銀などが挙げられる。
本実施形態に係る照明装置11および11aは、他の実施形態で説明した発光体1、1a、1b、1cおよび1dの何れかを備えている光源装置10bを備えている。そのため、照明装置11および11aにおいては、発光体の蛍光体層の受光面に対する励起光の入射角度が変わっても、発光体から出射される出射光M8の色温度の変化を抑制することができる。よって、照明装置11および11aは、出射光の色温度の変化を抑制しながら、励起光の蛍光体層に対する入射角を変えることによって出射光M8の向きを制御することができる。また、光源装置10bが、前述の発光体1bまたは1cのような放熱補助部を備えた発光体を備えている場合、蛍光体層の上部の温度上昇を抑制することができる。よって、蛍光体層が高温になることによる蛍光体層における発光の効率の低下を抑制することができる。したがって、照明装置11および11aの出射光M8の明るさを維持することができる。
また、照明装置11および11aに、ミラー9の駆動を制御する駆動制御部などを組み合わせてもよい。この場合、照明装置11および11aの出射光M8の色温度の変化を抑制しながら、励起光の蛍光体層に対する入射角度を変えることによって出射光M8の向きを制御できる。さらに、照明装置11および11aの周囲の状況(すなわち、照明装置11および11aから出射された出射光M8が形成する投光領域内またはその付近に存在する物体の存在の有無)を示す周囲情報に応じた駆動制御部の駆動によって照明装置11および11aの照射パターン(例えば、投光領域の範囲)を変えることができるようになる。この組み合わせを用いることで、照明装置11および11aを車両のヘッドランプに適用した場合には、ヘッドランプの配向を最適にコントロールできるAdaptive Front−lighting System(AFS)等を実現することが可能となる。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る発光体(1〜1d)は、発光体に照射される励起光の入射角度を可変に制御可能な光源装置(10、10a、10b)において利用される上記発光体であって、蛍光体を含み、上記励起光を受光する受光面を有する蛍光体部(蛍光体層2、2aまたは2b)を備え、上記励起光の光軸が上記受光面に対して垂直になるときの光軸を基準線(P)としたとき、上記蛍光体部における上記基準線の方向の厚みは、当該基準線から遠ざかるにつれて薄くなっている、または、上記蛍光体部における蛍光の発光に寄与する物質の濃度は、上記基準線から遠ざかるにつれて低くなっている。
上記の構成によれば、発光体は、当該発光体に照射される励起光の入射角度を可変に制御可能な光源装置において利用されるものである。また、発光体では、蛍光体部における基準線の方向の厚みは、上記基準線から遠ざかるにつれて薄くなっている。そのため、蛍光体部への励起光の入射角度が可変であっても、蛍光体部に入射する励起光の、蛍光体部内における光路の長さを、所定の範囲内とすることができる。
あるいは、発光体では、蛍光体部における蛍光の発光に寄与する物質の濃度は、基準線から遠ざかるにつれて低くなっている。そのため、蛍光体部への励起光の入射角度が可変であっても、蛍光体部に入射された励起光の光路上にある上記物質の量を、所定の範囲内とすることができる。
よって、蛍光体部への励起光の入射角度が可変であっても、蛍光体部の表面の各位置から出射される出射光の光量を所定の範囲内にすることができる。したがって、発光体への励起光の入射角度が可変である場合であっても、発光体から出射される出射光の色温度の変化を抑制することができる。
本発明の態様2に係る発光体(1)は、上記態様1において、上記蛍光体部は、上記蛍光体を含む蛍光体膜(21〜23)が複数積層されてなり、上記基準線から遠ざかるにつれて、積層された上記蛍光体膜の数が減少することにより、上記蛍光体部(蛍光体層2)の厚みが薄くなっていてもよい。
上記の構成によれば、蛍光体膜を重ねることで、容易に、上記厚みが基準線から遠ざかるにつれて薄くなっている蛍光体部を形成することができる。また、蛍光体部の形状が破損し難い形状であるため、蛍光体部を破損させることなく形成することができる。
本発明の態様3に係る発光体1aは、上記態様1において、上記蛍光体部が球体を平面で切り欠いた外形形状を有していることにより、上記基準線から遠ざかるにつれて上記蛍光体部の厚みが薄くなっていてもよい。
上記の構成によれば、上記厚みが基準線から遠ざかるにつれて薄くなっている蛍光体部を、例えば、金型などを用いて、容易に形成することができる。また、蛍光体部の形状が破損し難い形状であるため、蛍光体部を破損させることなく形成することができる。
本発明の態様4に係る発光体(1d)は、上記態様1において、上記蛍光体部(蛍光体層2b)が、上記物質の濃度が互いに異なる複数の蛍光体膜(25〜28)を含んでおり、同一基板上に配置されており、上記基準線と上記複数の蛍光体膜との間の距離は、上記物質の濃度が低くなるにつれて大きくなっていてもよい。
上記の構成によれば、蛍光の発光に寄与する物質の濃度が基準線から遠ざかるにつれて低くなっている蛍光体部を実現することができる。また、例えば、互いに異なる濃度の蛍光体を含む樹脂を金型などに滴下することによって、蛍光体部を容易に形成することができる。すなわち、蛍光体部を容易に形成することができる。
本発明の態様5に係る発光体は、上記態様1から4のいずれかにおいて、上記蛍光体部で発生した熱を放熱する放熱部(放熱補助層6および6a)を備えており、上記放熱部は、上記蛍光体部における上記受光面と反対側の表面に接するように配されていてもよい。
一般的に蛍光体部における受光面と反対側の表面は、蛍光体部が載置されている基板から距離が離れているため、蛍光体部の上部で発生した熱については、その逃げ場がなくなる。そのため、蛍光体部における熱抵抗値が高くなる。上記の構成によれば、放熱部が蛍光体部における受光面と反対側の表面に接するように積層されているので、蛍光体部の熱を、放熱部を介して放熱することができる。したがって、蛍光体部における上記反対側の表面近傍の温度上昇を抑制することができる。よって、蛍光体部が高温になることによる蛍光体部における発光の効率の低下を抑制することができる。
本発明の態様6に係る発光体は、上記態様1から5のいずれかにおいて、上記蛍光体部が蛍光体の単結晶または蛍光体の多結晶から形成されていてもよい。
上記の構成によれば、励起光に対する散乱効果が小さい蛍光体の単結晶または蛍光体の多結晶で蛍光体部が構成されている場合であっても、出射光の色温度の変化が生じにくい発光体を実現することができる。
本発明の態様7に係る光源装置(10、10aおよび10b)は、上記態様1から6の何れか1つの発光体を備えていてもよい。
上記の構成によれば、光源装置は、出射光の色温度の変化を抑制しながら、励起光の蛍光体部に対する入射角度を変えることによって出射光の向きを制御することができる。
本発明の態様8に係る照明装置(11および11a)は、上記態様7の光源装置を備えていてもよい。
上記の構成によれば、照明装置は、出射光の色温度の変化を抑制しながら、励起光の蛍光体部に対する入射角度を変えることによって出射光の向きを制御することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1、1a、1b、1c、1d 発光体
2、2a、2b 蛍光体層(蛍光体部)
6、6a 放熱補助層(放熱部)
10、10a、10b 光源装置
11、11a 照明装置
21、22、23 蛍光体膜
P 基準線(光軸)

Claims (8)

  1. 発光体に照射される励起光の入射角度を可変に制御可能な光源装置において利用される上記発光体であって、
    蛍光体を含み、上記励起光を受光する受光面を有する蛍光体部を備え、
    上記励起光の光軸が上記受光面に対して垂直になるときの光軸を基準線としたとき、
    上記蛍光体部における上記基準線の方向の厚みは、当該基準線から遠ざかるにつれて薄くなっている、または、上記蛍光体部における蛍光の発光に寄与する物質の濃度は、上記基準線から遠ざかるにつれて低くなっていることを特徴とする発光体。
  2. 上記蛍光体部は、上記蛍光体を含む蛍光体膜が複数積層されてなり、
    上記基準線から遠ざかるにつれて、積層された上記蛍光体膜の数が減少することにより、上記蛍光体部の厚みが薄くなっていることを特徴とする請求項1に記載の発光体。
  3. 上記蛍光体部が球体を平面で切り欠いた外形形状を有していることにより、上記基準線から遠ざかるにつれて上記蛍光体部の厚みが薄くなっていることを特徴とする請求項1に記載の発光体。
  4. 上記蛍光体部は、上記物質の濃度が互いに異なる複数の蛍光体膜を含んでおり、
    上記複数の蛍光体膜は、同一基板上に配置されており、上記基準線と上記複数の蛍光体膜との間の距離は、上記物質の濃度が低くなるにつれて大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載の発光体。
  5. 上記蛍光体部で発生した熱を放熱する放熱部を備えており、
    上記放熱部は、上記蛍光体部における上記受光面と反対側の表面に接するように配されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の発光体。
  6. 上記蛍光体部が蛍光体の単結晶または蛍光体の多結晶から形成されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の発光体。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の発光体を備えていることを特徴とする光源装置。
  8. 請求項7に記載の光源装置を備えていることを特徴とする照明装置。
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