JP2022083972A - シート排出装置、シート処理装置及び画像形成システム - Google Patents

シート排出装置、シート処理装置及び画像形成システム Download PDF

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Abstract

【課題】生産性を維持しつつ、排出されるシートの積載性を向上させる。【解決手段】シート排出装置の制御手段は、第2搬送手段に第1搬送手段から受け取った第1シートを反転させて第3搬送手段に受け渡させ、第1シートに後続して搬送される第2シートに応じて検知手段が検知信号を発したことに基づいて、第3搬送手段に第1シートを第2搬送手段へ向けて搬送させ、第1シート及び第2シートの搬送方向における端部を揃えて第1シート及び第2シートを重ねた状態で、第2搬送手段により第1シート及び第2シートを積載部に排出させる、排出動作を実行するように構成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、シートを排出するシート排出装置、シートに処理を施すシート処理装置、及び、シートに画像を形成する画像形成システムに関する。
電子写真複写機やレーザビームプリンタなどの画像形成装置のオプションとして、画像形成済みのシートに対し、ソート処理、綴じ処理、整合処理等の処理を施すシート処理装置(フィニッシャとも呼ばれる)を備えた画像形成システムが知られている。シート処理装置が複数部のシート束に連続して処理を施す場合に、先行するシート束の処理が終わるのを待つために画像形成装置からのシートの受け入れを一時停止する構成では、画像形成システムの生産性(スループット)が低下することになる。
そこで、シート束の処理中は画像形成装置から受け取ったシートをシート処理装置内部で重ね合わせながら一時的に保持(バッファ)し、シート束の処理が終了した後にシート束として処理トレイに積載する方法が知られている。特許文献1には、フィニッシャ内部で分岐した2つの搬送パスを用いて画像形成装置から受け取ったシートを保持し、2枚のシートを重ね合わせて処理トレイに積載する構成が記載されている。
特公平06-099070号公報
ところで、画像形成システムの更なる生産性向上を図るためにシートの搬送速度を速くすると、画像形成装置又はシート処理装置からシートが勢いよく排出され、排出トレイ等の排出先に排出されたシートの積載位置が乱れやすくなる傾向があった。
そこで、本発明は、生産性を維持しつつ、排出されるシートの積載性を向上可能なシート排出装置、シート処理装置及び画像形成システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、シートが積載される積載部と、前記積載部に向かって延びる第1搬送路上に配置され、シートを前記積載部へ向けて搬送する第1搬送手段と、前記第1搬送路を通過するシートに応じた検知信号を発する検知手段と、前記第1搬送路上に前記第1搬送手段の下流に配置された第2搬送手段であって、前記第1搬送手段から受け取ったシートの搬送方向を反転させて、前記第1搬送手段と第2搬送手段との間で前記第1搬送路から分岐した第2搬送路に搬送する第2搬送手段と、前記第2搬送路上に配置された第3搬送手段であって、シートの搬送方向を反転させて搬送する第3搬送手段と、前記第1搬送手段、前記第2搬送手段及び前記第3搬送手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記第2搬送手段に前記第1搬送手段から受け取った第1シートを反転させて前記第3搬送手段に受け渡させ、前記第1シートに後続して搬送される第2シートに応じて前記検知手段が前記検知信号を発したことに基づいて、前記第3搬送手段に前記第1シートを前記第2搬送手段へ向けて搬送させ、前記第1シート及び前記第2シートの前記搬送方向における端部を揃えて前記第1シート及び前記第2シートを重ねた状態で、前記第2搬送手段により前記第1シート及び前記第2シートを前記積載部に排出させる、排出動作を実行するように構成されていることを特徴とするシート排出装置である。
本発明によれば、生産性を維持しつつ、排出されるシートの積載性を向上させることができる。
本開示の実施形態1に係る画像形成システムの概略図。 実施形態1に係る重畳処理部の断面図。 実施形態1に係る画像形成システムのハードウェア構成図。 実施形態1に係る画像形成システムの機能ブロック図。 実施形態1に係る重畳処理部の動作を説明するための図(a~g)。 実施形態1に係る重畳処理部の制御例を表すフローチャート。 実施形態1に係る重畳処理部によりシート間の突出量を制御する方法について説明するための図(a~c)。 実施形態2に係る重畳処理部によりシート間の突出量を制御する方法について説明するための図(a~d)。 実施形態2に係る画像形成システムの機能ブロック図。
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
図1は実施形態1に係る画像形成システム1Sを正面側から見た概略図である。画像形成システムは、シートに画像を形成する画像形成装置1と、画像形成装置1によって画像形成されたシートに処理を施すシート処理装置4と、画像形成装置1からシート処理装置4にシートを搬送する中継ユニット14と、画像読取装置2と、を備える。なお、記録媒体であるシートとしては、普通紙及び厚紙等の紙、プラスチックフィルム、布、コート紙のような表面処理が施されたシート材、封筒やインデックス紙等の特殊形状のシート材等、サイズ及び材質の異なる多様なシートを使用可能である。以下、画像形成システム1Sを構成する各装置の簡単な動作を説明したのち、シート処理装置4の動作について詳細な説明を行う。
画像形成装置1は、画像形成手段としての電子写真式の画像形成部8と、画像形成部8にシートを1枚ずつ給送する給送装置6と、を有する。画像形成部8は、像担持体(電子写真感光体)である感光ドラム9と、感光ドラム9に作用することで電子写真プロセスを実行するための帯電器や現像器とが一体に構成されたカートリッジである。画像形成部8の上方には露光手段としてのスキャナーユニット15が配置され、感光ドラム9に対向する位置には転写手段としての転写ローラ10が配置されている。転写ローラ10の上方には定着装置11、排出ローラ12a及び反転ローラ12bが配置されている。定着装置11は熱定着方式の構成を有し、例えば筒状のフィルム、ヒータを有しフィルムの内側に配置されるヒータユニット、フィルムを介してヒータに圧接された加圧ローラからなる。
画像形成部8の下方には、シートを給送する給送装置6が複数配置されている。各給送装置6は、複数のシートを収納する収納部(収納庫、収納手段)としてのカセット6aと、カセット6aから1枚ずつシートを給送する給送ユニット6bと、を有する。
画像形成装置1が画像形成動作を実行する場合、画像形成部8では感光ドラム9の表面が帯電器によって一様に帯電され、スキャナーユニット15が画像情報に基づいて感光ドラム9の表面にレーザ光を照射して静電潜像を書き込む。この静電潜像は、現像器から供給される現像剤としてのトナーによって現像(可視化)され、感光ドラム9の表面にトナー像が形成される。
画像形成部8の動作に並行して、いずれかの給送装置6においてカセット6aから給送ユニット6bによって1枚ずつシートが給送され、レジストレーションローラ7に向けて搬送される。レジストレーションローラ7はシートの斜行を補正した後、画像形成部8によるトナー像の形成に同期したタイミングで、シートを感光ドラム9と転写ローラ10との間の転写部に送り込む。そして、転写部において感光ドラム9からシートにトナー像が転写される。
転写部を通過したシートは定着装置11に送られる。定着装置において、シートがフィルムと加圧ローラに挟持されて定着ニップ(ヒータユニットと加圧ローラのニップ部)を通過する間にシート上のトナーが加熱及び加圧されることで、トナー像がシートに定着する。
片面印刷の場合、定着装置11を通過したシートは排出ローラ12aによって画像形成装置1から排出され、中継ユニット14によって受け取られる。両面印刷の場合、第1面にトナー像を形成されて定着装置11を通過したシートは反転ローラ12に案内され、反転ローラ12によってスイッチバック搬送され、再搬送路13を介して再びレジストレーションローラ7に搬送される。そして、転写部及び定着装置11を通過することで第1面とは反対の第2面に画像を形成された後、シートは排出ローラ12aによって中継ユニット14に受け渡される。
画像形成装置1の上部には画像読取装置2が取り付けられている。画像読取装置2は、原稿シートから画像情報を読み取る読取センサ2sと、原稿シートを読取センサ2sに1枚ずつ搬送する原稿搬送部と、を有する。画像形成装置1は、画像読取装置2によって取得した画像情報に基づいて画像形成を行う複写動作、及び、外部から受信した画像情報に基づいて画像形成を行う印刷動作のいずれも実行可能である。
本実施形態において、中継ユニット14は上下方向(画像形成システム1Sが水平面に設置された場合の鉛直方向)において画像形成装置1と画像読取装置2の間の空間(胴内排出空間とも呼ばれる)に配置されている。中継ユニット14は、画像形成装置1から排出されるシートを、画像形成装置1と共通の設置面上に画像形成装置1と並んで設置されるシート処理装置4に向けて、正面側から見て略水平方向に搬送する。中継ユニット14には、シートの通過を検知する検知手段としてシートセンサ52が配置されている。シートセンサ52は、例えば搬送路内に赤外光を照射し、搬送路を通過するシートによる反射光を検出してシートの有無を判定する反射式フォトセンサである。なお、ここでは中継ユニット14を有する画像形成システム1Sを例示したが、画像形成装置1からシート処理装置4に直接シートを受け渡す構成とすることもできる。
また、画像形成装置1には画像形成システム1Sのユーザインタフェースとなる表示部5(操作部、操作表示部)が設けられている。表示部5は、ジャムや故障といったシステムの動作状況や、装置内の消耗品の交換、ジャムシートの除去などのユーザが必要な操作を表示する機能を有する。また、ユーザは表示部5のディスプレイのタッチパネル機能やテンキー等を操作して画像形成システム1Sに対して各種の設定や指示を行うことができる。
なお、画像形成装置の構成は図1に図示した直接転写方式のものに限らず、画像形成部で形成したトナー像を中間転写体を介してシートに転写する中間転写方式であってもよく、複数の画像形成部を用いるカラー画像形成装置であってもよい。また、画像形成機構は電子写真方式に限らず、例えばインクジェット方式の印刷ユニットやオフセット印刷機構を採用してもよい。
(シート処理装置)
シート処理装置4は、シートに処理を施すシート処理部71を有し、画像形成装置1から受け取ったシートに処理を施したものを成果物として排出する機能を有する。また、シート処理装置4は、画像形成装置1から受け取ったシートに綴じ処理を施さずに成果物として排出することもできる。
シート処理装置4には、シートを搬送する搬送路として受入パス81、内排出パス82、第1排出パス83及び第2排出パス84が設けられている。また、シート処理装置4には、シートを排出する排出先として、装置本体4A(内部に受入パス81、内排出パス82、第1排出パス83及び第2排出パス84が設けられた筐体)から外部に突出した上排出トレイ25及び下排出トレイ37が設けられている。受入パス81は画像形成装置1からシートを受け取って搬送する搬送路であり、内排出パス82はシート処理部71へ向けてシートを搬送する搬送路である。第1排出パス83はシートを上排出トレイ25に排出する搬送路であり、第2排出パス84はシートを下排出トレイ37に排出する搬送路である。このように、本実施形態においては、受入パス81及び第1排出パス83によって積載部(第1積載部)としての上排出トレイ25に向かう第1搬送路が形成され、第1搬送路から分岐した第2搬送路として内排出パス82が設けられている。また、シート処理部71から第2積載部としての下排出トレイ37に向かう第3搬送路として第2排出パス84が設けられている。
受入パス81には、入口ローラ21、分岐前ローラ22及び入口センサ27が配置されている。第1排出パス83には反転搬送ユニットである排出反転ローラ24が配置されている。内排出パス82には、内排出ローラ26、中間搬送ローラ28、蹴り出しローラ29及び中間積載前センサ38が配置されている。第2排出パス84には束排出ローラ36が配置されている。分岐前ローラ22は本実施形態の第1搬送手段であり、排出反転ローラ24は本実施形態の第2搬送手段であり、内排出ローラ26は本実施形態の第3搬送手段である。入口ローラ21、分岐前ローラ22、排出反転ローラ24、内排出ローラ26、中間搬送ローラ28、蹴り出しローラ29及び束排出ローラ36は、外周面において互いに当接してシートを挟持搬送するニップ部を形成するローラ対である。
入口センサ27及び中間積載前センサ38は、いずれも、シート処理装置内の搬送路における所定の検知位置でシートの通過を検知する(即ち、シートの通過に応じて検知信号を出力する)検知手段の例である。入口センサ27及び中間積載前センサ38としては、例えば、搬送路内に赤外光を照射し、搬送路を通過するシートによる反射光を検出してシートの有無を判定する反射式フォトセンサを用いることができる。シート検知手段として、搬送路内に突出するフラグを配置し、シートに当接されてフラグが回動したことをフォトインタラプタ等の光電センサで検出する構成を用いてもよい。
以下、シート処理装置4におけるシートの搬送経路を説明する。画像形成装置1から中継ユニット14を介して搬送されてきたシートは、シート処理装置4の入口ローラ21によって受け取られ、受入パス81を通って分岐前ローラ22に搬送される。入口センサ27は、入口ローラ21と分岐前ローラ22との間の検知位置においてシートを検知する。分岐前ローラ22は、入口ローラ21から受け取ったシートを第1排出パス83へ向けて搬送する。
なお、入口センサ27がシートの後端の通過を検知した後の所定のタイミングで、分岐前ローラ22はシートの搬送速度を中継ユニット14における搬送速度より速い速度まで加速する。また、入口ローラ21によるシートの搬送速度を中継ユニット14よりも大きく設定し、分岐前ローラ22よりも上流の入口ローラ21で搬送速度を加速してもよい。この場合、中継ユニット14の搬送ローラとこれを駆動するモータとの間にワンウェイクラッチを設置し、入口ローラ21によってシートが引っ張られたとしても搬送ローラが空転するように構成すると好適である。
シートの排出先が上排出トレイ25の場合、排出反転ローラ24は分岐前ローラ22から受け取ったシートを上排出トレイ25に排出する。この場合、シート後端が分岐前ローラ22を通過した後の所定のタイミングで排出反転ローラ24は所定の排出速度まで減速する。
シートの排出先が下排出トレイ37の場合、排出反転ローラ24は分岐前ローラ22から受け取ったシートのスイッチバック搬送を行ってシートを内排出パス82に搬送する。即ち、排出反転ローラ24は、シートをシート処理装置4の外部に向けて排出方向に搬送し、排出方向におけるシートの後端が排出反転ローラ24を抜ける前に回転方向を逆転してシートを反対方向に搬送する。排出方向において排出反転ローラ24の上流側で内排出パス82が受入パス81及び第1排出パス83から分岐する分岐部(分岐前ローラ22と排出反転ローラ24の間)には、逆流防止弁23が配置されている。逆流防止弁23は、排出反転ローラ24によってスイッチバックされたシートが受入パス81に逆流することを規制するガイド(規制部材)としての機能を有する。言い換えると、排出反転ローラ24は排出方向におけるシートの後端が逆流防止弁23を通過した後にシートの搬送方向を反転させることでスイッチバック搬送を行う。
内排出パス82に配置された内排出ローラ26、中間搬送ローラ28及び蹴り出しローラ29は、排出反転ローラ24から受け取ったシートを順に受け渡しながらシート処理部71へ向けて搬送する。中間積載前センサ38は、中間搬送ローラ28と蹴り出しローラ29との間でシートを検知する。中間積載前センサ38は、例えば搬送路内に赤外光を照射し、搬送路を通過するシートによる反射光を検出してシートの有無を判定する反射式フォトセンサである。
ここで、シート処理装置4は、排出反転ローラ24及び内排出ローラ26を含む重畳処理部4Bを有し、画像形成装置1から1枚ずつ搬送されてくる複数枚のシートを重畳処理部4Bによって重ね合わせる動作を実行可能である。本実施形態の重畳処理部4Bは、受入パス81を搬送されてきた1枚目のシートを、排出反転ローラ24及び内排出ローラ26によって内排出パス82に保持した後、続いて受入パス81を搬送されてくる2枚目のシートと重ね合わせる動作を行う。重畳処理部4Bは、重ね合わせたシートを上排出トレイ25に排出する機能(重畳排出)、及び、重ね合わせたシートをシート処理部71に搬送する機能(バッファ機能)を兼ね備えている。重畳処理部4Bの詳細な構成及び動作については後述する。
シート処理部71は、内排出パス82から受け取った複数枚のシートを整合した後、シート束の所定位置を綴じ処理を実行する。シート処理部71は、処理手段としてのステイプラ50と、処理対象のシートが積載される中間積載部(処理トレイ)を構成する中間積載上ガイド31及び中間積載下ガイド32と、を有する。
蹴り出しローラ29の搬送方向においてシート処理部71の最下流部には基準部材としての縦整合基準板39が配置され、これに搬送方向のシート端部を突き当てることによりシート束の縦方向(搬送方向)の位置が整合される。押さえガイド56の下流には、中間積載上ガイド31に回転自在に支持される半月ローラ33が設けられている。
半月ローラ33は、蹴り出しローラ29を抜けたシートを縦整合基準板に突き当てるための移動部材(パドル部材、搬送部材)である。シート後端が中間積載前センサ38を通過した後、半月ローラ33は所定のタイミングで縦整合基準板39に向けてシートを搬送する。半月ローラ33のシートに対する当接圧は、縦整合基準板39へシートが当接した状態ではシート上をスリップする程度に調整されている。なお、中間積載上ガイド31には可撓性の押さえガイド56が固定されており、所定の加圧力にてシート処理部71内のシートを下方に押圧してシートの浮き上がりを規制している。また、蹴り出しローラ29の下流にはシート処理部71に既に積載されたシート後端と蹴り出しローラ29によって排出される後続シートの先端が干渉しないようにシート後端の持ち上がりを抑制する束押さえフラグ30が回転自在に支持されている。
中間積載部上で所定枚数のシート(処理後に一部の成果物となる複数枚のシート)の整合が終了すると、ステイプラ50により綴じ動作が行われる。そして、ガイド駆動部35によって駆動される押出部材としての束排出ガイド34が図1の待機位置から束排出ローラ36に向かう方向(束排出方向)に向かって移動することで、中間積載部からシート束を押し出す。束排出方向は、蹴り出しローラ29による中間積載部へのシート排出方向とは反対側の方向である。束排出方向のシート束先端が束排出ローラ36に到達した段階で束排出ガイド34は停止し、再び待機位置へ帰還する。排出手段(第4搬送手段)としての束排出ローラ36は束排出ガイド34より受け取ったシート束を下排出トレイ37に排出する。
上排出トレイ25及び下排出トレイ37は、いずれもシート処理装置4の筐体に対して上下に移動可能である。上排出トレイ25及び下排出トレイ37のそれぞれに、トレイ上のシートの有無を検知するシート有無センサ51,53が配置されている。シート有無センサ51,53は、例えばトレイ積載面の上方に赤外光を照射してシートからの反射光を検出することでシートの有無を判定する反射式フォトセンサである。また、シート処理装置4は、上排出トレイ25及び下排出トレイ37におけるシートの上面位置(シートの積載高さ)を検知するシート面検知センサを備えている。
シート面検知センサがシートを検知すると、対応する上排出トレイ25又は下排出トレイ37トレイがA2,B2方向に下降する。また、上排出トレイ25又は下排出トレイ37のシートが取り除かれたことをシート有無センサ51,53によって検知すると、そのトレイをA1,B1方向に上昇させる。上排出トレイ25及び下排出トレイ37は、積載されたシートの上面が排出反転ローラ24又は束排出ローラ36より鉛直方向の下方側に位置するように、シートの積載量に応じて昇降制御される。本実施形態において、第1の積載部としての上排出トレイ25及び第2の積載部としての下排出トレイ37は、それぞれモータ駆動により昇降制御されるものとするが、例えばバネ等の付勢手段により昇降可能な構成としてもよい。
なお、上記ステイプラ50は処理手段の一例であり、例えばシートをソート処理するソート機構や複数枚のシートを中折り製本する中折り処理部を設けてもよい。
(重畳処理部)
図2は重畳処理部4Bの拡大図を示している。入口ローラ21と分岐前ローラ22との間のシート搬送路(受入パス81)は、入口上ガイド40及び入口下ガイド41によって形成される。内排出ローラ26と中間搬送ローラ28との間のシート搬送路(内排出パス82)は、内排出上ガイド46及び内排出下ガイド47によって形成される。分岐前ローラ22と排出反転ローラ24との間で、入口上ガイド40と同じ側からシートを案内する搬送ガイドを反転上ガイド42とする。また、排出反転ローラ24と内排出ローラ26との間で、内排出下ガイド47と同じ側からシートを案内する搬送ガイドを反転下ガイド43とする。第1排出パス83は、反転上ガイド42と反転下ガイド43によって形成される。
入口ローラ21が搬送するシートは、入口上ガイド40及び入口下ガイド41によって分岐前ローラ22に案内される。入口上ガイド40には入口センサ27が配置されている。入口センサ27としては、受入パス81へ向けて赤外光を照射し、シートからの反射光を検出することで検知位置におけるシートの有無を判定する反射式フォトセンサを用いることができる。この場合、入口下ガイド41の入口センサ27に対向する部分には、シートが通過していない場合に赤外光が反射しないように、入口センサ27のスポット光の直径以上の大きさの穴を設ける。
分岐前ローラ22の下流であって、第1排出パス83に対して受入パス81及び内排出パス82が分岐する部分には、逆流防止弁23が配置されている。逆流防止弁23は、内排出上ガイド46に対して回転軸23aを介して回転可能に支持されている。また、逆流防止弁23は、不図示のバネにより、回転軸23aの軸方向(シートの幅方向)から見て逆流防止弁23の先端部が反転上ガイド42と重なる位置(図2の位置)へ向けてC2方向(図中時計回り方向)に常時付勢されている。また、上記のバネのバネ定数は、分岐前ローラ22から送り出されるシートが逆流防止弁23に当接した際に、バネの付勢力に抗して逆流防止弁23がC1方向(図中反時計回り方向)に回動する程度の大きさに設定されている。従って、逆流防止弁23は、分岐前ローラ22から排出反転ローラ24へ向かって搬送されるシートの通過を許容する。また、受入パス81におけるシートの後端が逆流防止弁23を通過すると、逆流防止弁23はC2方向に回動して、排出反転ローラ24から分岐前ローラ22にシートが逆流することを規制する。
排出反転ローラ24は、上ローラ24a及び下ローラ24bによって構成される。本実施形態では、上ローラ24a及び下ローラ24bの両方に駆動力が入力され、また、上ローラ24a及び下ローラ24bの回転は常時同期している。
排出反転ローラ24は、プランジャソレノイド45によって当接(閉じ動作)及び離間(開放動作)を行うことが可能に構成されている。具体的には、上ローラ24aのローラ軸に離間レバー44の一端が接続され、離間レバー44は反転上ガイド42に対してレバー支点軸44aを中心に回転可能に支持されている。離間レバー44の他端に設けられたソレノイド接続軸44bは、プランジャソレノイド45のプランジャに連結されている。
プランジャソレノイド45が通電されると、磁力によってプランジャがD1方向に引き付けられて離間レバー44がE1方向に回転し、排出反転ローラ24は離間状態(ローラ対のニップ部が開いた状態)となる。プランジャソレノイド45への通電が停止すると、上ローラ24aのローラ軸に接続された加圧バネ48の付勢力によって上ローラ24aが下ローラ24bに当接し、排出反転ローラ24は当接状態(ニップ部が閉じた状態)となる。このとき、上ローラ24aの移動に伴って離間レバー44はE2方向に回転し、プランジャソレノイド45のプランジャはD2方向へ移動する。なお、排出反転ローラ24を開閉させる機構は、例えばモータの駆動力によって回転するカムによって離間レバー44を揺動させるものであってもよい。
内排出ローラ26は、内排出パス82におけるシートの搬送方向において排出反転ローラ24に隣り合うローラ対であって、正転及び逆転が可能なローラ対である。つまり、内排出ローラ26は、排出反転ローラ24からシート処理部71に向かう方向(以下、G1方向とする)、及び、シート処理部71から排出反転ローラ24に向かう方向(以下、G2方向とする)のいずれにもシートを搬送可能である。
(ハードウェア構成)
次に、本実施形態に係る画像形成システム1Sのハードウェア構成について、図3を用いて説明する。図3は画像形成システム1Sにおけるハードウェア構成のうち、主にシート処理装置4の構成に関する部分を示した図である。ビデオコントローラ601は、画像形成装置1及びシート処理装置4を含む画像形成システム1Sの全体統括し、エンジン制御部602は画像形成装置1を制御する。
主制御部603はシート処理装置4を制御する。信号線604はビデオコントローラ601からエンジン制御部602へ、信号線605はビデオコントローラ601から主制御部603へ、それぞれ命令をシリアル通信で送信するシリアルコマンド送信用の信号線である。信号線606はコマンドに応えてエンジン制御部602からビデオコントローラ601へ、信号線607は主制御部603からビデオコントローラ601へ、それぞれシリアル通信でステータスデータを送信するシリアルステータス送信用の信号線である。画像形成動作を行うにあたり、ビデオコントローラ601は、エンジン制御部602、主制御部603に対し、シリアルコマンドを送信するとともに、エンジン制御部602、主制御部603からのステータスデータを受信することで制御を行っている。このように、複数の装置が接続され画像形成システム1Sが動作する場合は、ビデオコントローラ601が各装置の制御や状態を管理し、各装置間の動作の整合性を保つ。
主制御部603は、シート処理装置4の各種動作を制御するCPU608と、シート処理装置4の動作に必要となる制御データを一時的に記憶するRAM609と、を有する。主制御部603は、プログラムやシート処理装置4の動作に必要となる制御テーブルを記憶する不揮発性のROM610と、をさらに有する。主制御部603は、ビデオコントローラ601との交信処理を行う通信手段611と、各種制御に必要なタイミングを生成するシステムタイマ612と、シート処理装置4内の各種ユニットへの制御信号を入出力するI/Oポート613と、をさらに有する。主制御部603は、これらの要素がバス614を介して接続された制御ICである。
入口センサ27、上排出トレイ25及び下排出トレイ37のシート有無センサ51,53からの入力信号は、入力回路615,626,628を介して主制御部603に伝達される。また、主制御部603からの制御信号は、駆動回路618,619,620,621,623を介して入口モータ641、分岐前モータ642、排出反転モータ643、内排出モータ644、又はプランジャソレノイド45に伝達される。これにより、各アクチュエータの駆動が制御される。
(機能ブロック)
次に、本実施形態の機能ブロックについて図4を用いて説明する。図4の主制御部603は、シート処理装置4のシート搬送動作を実行する機能を有している。主制御部603は、少なくとも、通信手段611、システムタイマ612、シート搬送制御手段701、センサ制御手段720、モータ制御手段721、及びソレノイド制御手段722の各機能を有する。
センサ制御手段720は、入口センサ27及び上排出トレイ25のシート有無センサ51からの信号をシート搬送制御手段701に入力する手段である。シート搬送制御手段701は、重畳搬送制御手段711、枚数制御手段712で構成される。シート搬送制御手段701は、センサ制御手段720の入力に基づき、モータ制御手段721及びソレノイド制御手段722を制御することで、重畳処理部4B、上排出トレイ25、下排出トレイ37の動作を実現する。重畳搬送制御手段711は、主にセンサ制御手段720の入力に基づき、シートの位置を管理しつつ、重畳処理部4Bと上排出トレイ25へのシート搬送制御を行うものである。
枚数制御手段712は、複数枚のシートに連続的に画像を形成するジョブを実行する場合に、重畳処理部4Bにおいて重ね合わせるシートの枚数を管理する。枚数制御手段712は、重畳処理部4Bが重ね合わせることが可能な最大枚数(重畳可能枚数)、現在の重ね合わされたシート枚数、及びシートの情報に基づき、重ね合わせたシートを上排出トレイ25又はシート処理部71に向けて搬送するか、引き続き後続シートの重ね合わせを行うかを判断する。
なお、入口モータ641の駆動対象は、入口ローラ21であり、分岐前モータ642の駆動対象は、分岐前ローラ22であり、排出反転モータ643の駆動対象は、排出反転ローラ24である。また、内排出モータ644の駆動対象は、内排出ローラ26であり、プランジャソレノイド45の駆動対象は、離間レバー44である。これらの駆動対象の動作についての詳細は後述する。
(重畳排出動作)
図5(a)~(f)を用いて重畳搬送制御手段711が重畳処理部4Bによって複数のシートを重ね合わせて排出する動作(重畳排出動作)の概要を説明する。以下、重畳排出動作の対象となるシートの内、画像形成装置1からシート処理装置4に1枚目に搬送されてくるもの(第1シート)をシートS1とし、2枚目に搬送されてくるもの(第2シート)をシートS2とする。また、分岐前ローラ22、排出反転ローラ24、内排出ローラ26の加速前の搬送速度(中継ユニット14での搬送速度)をV1とし、加速後の搬送速度をV2とする。
大まかに説明すると、重畳排出動作では、排出反転ローラ24(第2搬送部)に分岐前ローラ22(第1搬送部)から受け取ったシートS1を反転させて内排出ローラ26(第3搬送部)に受け渡させる(図5(a)~(d))。次に、シートS1に後続して搬送されるシートS2に応じて入口センサ27(検知部)が検知信号を発したことに基づいて、内排出ローラ26(第3搬送部)にシートS1を排出反転ローラ24(第2搬送部)へ向けて搬送させる(図5(e))。そして、シートS1及びシートS2の搬送方向における端部を揃えてシートS1及びシートS2を重ねた状態で、排出反転ローラ24(第2搬送部)によりシートS1及びシートS2を上排出トレイ25(積載部)に排出させる(図5(f))。
図5(a):先行するシートS1の後端が入口センサ27を通過したタイミングで分岐前ローラ22、排出反転ローラ24を速度V1から速度V2まで加速させる。シートS1の搬送速度を加速することで、画像形成装置1が高いスループットを有する高性能機である場合でも、スイッチバックに必要なシート間隔をシートS1と後続のシートS2との間に確保することができる。ただし、シートS1,S2の衝突が生じない場合は入口センサ27での搬送速度の加速は行わない構成としてもよく、その場合は重畳処理部4Bにおける搬送速度をV1で統一してもよい。また、図5(a)の時点では排出反転ローラ24はF2方向にシートS1を搬送している。
図5(b):シートS1の後端が入口センサ27を通過してから所定距離移動して逆流防止弁23を抜けたタイミングで、シートS1の搬送を一時停止する。「所定距離」は、F2方向におけるシートS1の後端が逆流防止弁23を通過し、かつ、当該後端が排出反転ローラ24のニップ部に到達していない状態となる距離である。
図5(c):排出反転ローラ24は回転方向を変え、F1方向に速度V2でシートS1を搬送する。F1方向におけるシートS1の先端が内排出ローラ26に到達する前に内排出ローラ26の駆動が開始されており、内排出ローラ26はシートS1をさらにG1方向に搬送する。
図5(d):シートS1が内排出ローラ26に挟持され、G1方向(F1方向)におけるシートS1の先端が内排出ローラ26を通過して所定量搬送された位置で、シートS1の搬送を停止する。「所定量」は、シートS1の先端が中間搬送ローラ28に到達する距離より短いものとする。また、排出反転ローラ24の上ローラ24aは、シートS1が内排出ローラ26に挟持されたタイミングで離間レバー44によりE1方向に移動し、下ローラ24bから離間する。なお、排出反転ローラ24は、後続のシートS2の先端が排出反転ローラ24に到達する前に離間するように駆動される。
図5(e):後続のシートS2の後端が入口センサ27を通過した後、先行シートのシートS1と同様に分岐前ローラ22及び排出反転ローラ24を速度V2まで加速する。シートS2の後端が入口センサ27を通過し、所定時間T_waitが経過した時点で内排出ローラ26は再び排出反転ローラ24に向けて回転を開始し、シートS1がG2方向に搬送される。なお、所定時間T_waitについては後ほど説明する。シートS1とシートS2の相対速度が等しくなったタイミングで排出反転ローラ24の上ローラ24aはE2方向に駆動されて下ローラ24bと当接し、排出反転ローラ24はシートS1及びシートS2を同時に挟持する。この時点で、F2方向におけるシートS1の先端とシートS2の先端は揃っている。また、排出反転ローラ24の回転速度は、シートS1及びシートS2を挟持する前までにシートS1及びシートS2の搬送速度である速度V2と等しくなるように速度調整が行われている。
図5(f):シートS2の後端が逆流防止弁23を通過すると、シートS1とシートS2はF2方向における先端及び後端の位置が揃ったシート束S´となる。シート束S´の排出先が上排出トレイ25に設定されている場合、シート束S´は速度V2を保ったまま、排出反転ローラ24によって上排出トレイ25へ排出される。
図5(g):一方、シート束S´の排出先が下排出トレイ37に設定されている場合は、最後にシート束S´に加えられたシート(ここではシートS2)の後端が逆流防止弁23を通過した時点で排出反転ローラ24が一時停止する。その後、排出反転ローラ24によりシート束S´は速度V2でシート処理部71へ向けて搬送される。
これにより、2枚のシートS1,S2を重畳処理部4Bにおいて位置合わせしながら重ね合わせて排出する排出する動作(重畳排出動作)が完了する。多数のシートに連続的に画像形成動作が行われる場合、以上の重畳排出動作を繰り返すことで2枚のシート束が上排出トレイ25に積載されていく。
ここで、重畳排出動作を行わずに1枚ずつシートS1,S2を排出する場合と比較して本実施形態の利点を説明する。1枚ずつシートS1,S2を排出する場合、排出反転ローラ24を抜けたシートS1,S2が上排出トレイ25の上面又は上排出トレイ25上のシートの上面に着地するまでに位置や姿勢が乱れる可能性がある。これは、シートS1,S2が空気抵抗を受けて上方から見て前後左右に動きながら落下するためである。
これに対し本実施形態では、シートS1,S2が予めシート搬送方向の位置を揃えて重ね合わされた状態で排出されるため、シートS1,S2の位置や姿勢が乱れにくくなる。重畳排出動作によって排出されるシート束と1枚ずつ排出されるシートを比較すると、上方から見たシート(束)の投影面積は同等である一方で、シート束の重量は1枚のシートの2倍になっており、空気抵抗の影響を受けにくいからである。従って、画像形成システム1Sの生産性及びシート処理装置4の生産性向上を図るために排出反転ローラ24によるシートの排出速度が速い場合であっても、シートの積載性が低下することを抑制できる。つまり、本実施形態によれば、生産性を維持しながら、上排出トレイ25におけるシートの積載性を向上させることが可能である。また、本実施形態では、例えばシート処理部71のような中間積載部を用意してシートを重ね合わせて整列させた後に排出する方法に比べて、簡素かつコンパクト構成でシート同士を重ね合わせて排出することができる。
なお、本実施形態では、積載部としての上排出トレイ25が装置本体4Aの外部に突出しており、排出反転ローラ24により上排出トレイ25の上方に排出されたシートは、排出反転ローラ24以外の搬送部に搬送されることなく重力によって上排出トレイ25に落下する。このような空気抵抗の影響を比較的受けやすい構成でも、重畳排出動作を実行することにより、上排出トレイ25におけるシートの積載性を向上させることが可能である。
(3枚以上の重畳排出動作)
上記では2枚のシート搬送について説明したが、本実施形態のシート処理装置4は、重畳処理部4Bにおいて3枚以上のシートを位置揃えしながら互いに重ね合わせて上排出トレイ25に排出する重畳排出動作を行うことができる。
3枚のシートを対象として重畳排出動作を行う場合、まず、図5(a)~(f)を用いて上述した手順で2枚のシートS1,S2を重ね合わせた後、図5(f)の状態から再び排出反転ローラ24を逆転させてシート束S´をG1方向に搬送する。そして、図5(c)~(f)においてシートS1に対して行われた動作をシート束S´に対して行いつつ、図5(c)~(f)においてシートS2に対して行われた動作を3枚目のシートS3(第3シート)に対して行う。
これにより、シート束S´が内排出パス82の内排出ローラ26に保持された状態で一時停止した後、入口センサ27による3枚目のシートS3の後端検知から所定時間T_waitが経過した時点で内排出ローラ26がG2方向にシート束S´を搬送する。その後、開放されていた排出反転ローラ24が閉じることで、排出反転ローラ24に3枚のシートS1,S2,S3が同時に挟持される。シートS3の後端が逆流防止弁23を通過すると、3枚のシートS1,S2,S3の先端及び後端の位置が揃ったシート束が形成される。
重畳排出動作のシート枚数が3枚の場合には、このシート束は排出反転ローラ24によってそのままG2方向に排出され、上排出トレイ25に積載される。重畳排出動作のシート枚数が4枚以上の場合、排出反転ローラ24が再びG1方向にシート束を搬送して図5(c)~(f)と同様の動作を繰り返し行うことで、重ね合わせるシートの枚数を増やすことができる。
枚数制御手段712は、重畳処理部4Bの重畳可能枚数と搬送されるシートの情報に基づき、重畳処理部4Bで重ね合わせるシートの枚数を管理する。即ち、枚数制御手段712により、重畳処理部4Bに搬送されてきたシートを直ちに上排出トレイ25又はシート処理部71に向けて搬送(排出)するか、後続シートと重ね合わせるかが判断される。
判断方法の例として、重畳処理部4Bの重畳可能枚数をN枚とするとき、枚数制御手段712はN-1枚のシート束を作成して上排出トレイ25に排出する。つまり、本実施形態の制御手段は、複数枚のシートを積載部に排出するジョブを実行する場合、前記複数枚のシートを予め設定された枚数毎に重ねた状態で積載部に排出するように、排出動作としての重畳排出動作を繰り返し実行する。さらに、N枚目がジョブ中の最終シートだと判断した場合には、重ね合わせるシートの枚数をN枚にすることで、N枚目が1枚で上排出トレイ25に排出することを回避している。
具体的な例として、本実施形態の構成例において重畳処理部4Bの重畳可能枚数は5枚である。この場合、枚数制御手段712は、4枚のシートを対象に重畳排出動作を繰り返し実行し、4枚のシートからなるシート束を上排出トレイ25に積載していく。ここで、5枚目のシートが最終シートとなり、4枚ごとの重畳排出動作を最後まで行うと最終シートが1枚で排出されると判断した場合、最終シートを含むように5枚の重畳排出動作によって上排出トレイ25にシートを排出する。4枚ごとの重畳排出動作を最後までいっても最終シートが他のシートと重ね合わされる場合には、最終シートを含むシート束が形成された時点で上排出トレイ25にシート束が排出される。
言い換えると、枚数制御手段712は、所定枚数のシートを上排出トレイ25に排出するジョブを実行する場合において、所定枚数のシートの各々が、常に重畳排出動作によって形成された2枚以上のシートからなるシート束に含まれている状態で上排出トレイ25に排出されるように、所定枚数の値に応じて、重畳排出動作で形成されるシート束の枚数を変更する。さらに言い換えると、本実施形態の制御手段は、ジョブ中に排出する複数枚のシートの各々が他のいずれかのシートと重ねられた状態で積載部に排出されるように、前記ジョブにより排出するシートの枚数に応じて、重畳排出動作で重ねるシートの枚数を変更する。これにより、上排出トレイ25に単独でシートが排出されることでシートの積載性が低下することを抑制できる。なお、単独でシートが排出されることを避けられる方法であれば、重畳排出動作の枚数の制御方法はこれに限らず、例えば上記の例で重畳排出動作の枚数を4枚、・・・、4枚、3枚、2枚のようにしてもよい。
(T_waitの求め方)
ここで、重畳処理部4BにおけるシートS1、S2のシート先端を揃えるために、重畳搬送制御手段711が行うタイミング管理(前述のT_waitの求め方)について説明する。
図7(a)は入口センサ27にてシートS2の後端を検知した瞬間のシートS1とシートS2の位置関係を示している。距離L1は、入口センサ27の検知位置から排出反転ローラ24のニップ位置までの距離(受入パス81及び第1排出パス83に沿って測った長さ)である。距離L2は、反転後のシートS1の先端が内排出ローラ26を通過した後、所定距離d1だけ移動して停止した位置から、排出反転ローラ24のニップ部までの距離(第1排出パス83及び内排出パス82に沿って測った長さ)である。
また、図7(b)は、図7(a)の状態からシートS1がF2方向(G2方向)に向かって搬送を開始され、シートS1の搬送速度がシートS2の搬送速度と等しくなったタイミングにおけるシートS1,S2の位置関係を示している。この時点で、F2方向におけるシートS1,S2の後端は突出量Ktだけずれていると仮定する。
図7(c)は、図7(a)、(b)に表した動作におけるシートS1,S2の速度の推移を表している。図中Aは、図7(a)に示すように入口センサ27がシートS2の後端を検知し、分岐前ローラ22を速度V1から速度V2に等加速度で加速を開始した瞬間を示している。図中Bは、シートS2が速度V2に加速完了したタイミングを示している。図中Cは、入口センサ27がシートS2の後端を検知して所定時間T_waitが経過したタイミング、つまり内排出ローラ26によってシートS1をG2方向に搬送開始するタイミングを示している。図中Dは、図7(b)に示すようにシートS1とシートS2の相対速度(速度差)がゼロになったタイミングを示している。
以下、AからDまでの経過時間をT_Mergeとする。時間T1は、分岐前ローラ22が速度V1から速度V2に加速するまでの所要時間(AからBまでの経過時間)を表す。時間T2は、分岐前ローラ22が速度V2に加速した後、内排出ローラ26が回転開始するまでの時間(BからCまでの経過時間)を表す。T1,T2,T_waitの定義から、T_wait=T1+T2である。時間T3は、シートS1が停止した状態から等加速度で加速し、速度V2に到達するまでに要する時間(CからDまでの経過時間)を表している。
上記の説明より、図7(a)の状態から図7(b)の状態となるまでにシートS1が進む距離X2は、図7(c)におけるCからDまでにシートS1が進む距離となり、以下の式(1)により表せる。
X2=(V2×T3)/2 (1)
また、図7(a)の状態から図7(b)の状態となるまでにシートS2が進む距離X1は、図7(c)におけるAからDまでにシートS2が進む距離となり、以下の式(2)により表せる。
X1=(V1+V2)×T1/2+V2×(T2+T3) (2)
図7(b)のタイミングにおけるシートS1とS2との位置関係より、以下の式(3)の関係が成り立つ。
L1-X1=L2-X2-Kt (3)
式(3)に式(1)及び式(2)を代入し、展開して整理すると以下の式(4)となる。
L1-L2+Kt
=(T1/2)×V1+(T1/2+T2+T3/2)×V2 (4)
上記式(4)にT_wait=T1+T2を代入して整理すると、突出量Ktに対し、シートS2の後端が入口センサ27を通過してから内排出ローラ26によりシートS1の搬送を開始するまでの待ち時間T_waitは、以下の式(5)で求められる。
T_wait=(L1-L2+Kt)/V2
-(T1/2)×V1/V2+(T1-T3)/2 (5)
シートS1,S2の先端及び後端を揃えて重ね合わせるには、上記式(5)においてKt=0として待ち時間T_waitを算出すればよい。算出されたT_waitに基づいて内排出ローラ26によるシートS1の搬送を開始することにより、シートS1,S2の先端及び後端が揃った状態のシート束S´を形成することが可能となる。つまり、入口センサ27によるシートS2の検知から内排出ローラ26によりシートS1の搬送を開始させるまでの所定時間(T_wait)は、排出反転ローラ24においてシートS1,S2の搬送方向における端部が揃うように予め設定されている。また、3枚以上のシートを重ね合わせる場合も同じ値のT_waitを用いることで、各シートの先端及び後端が揃った状態のシート束を形成することが可能となる。
(制御例)
次に、図5(a~f)を用いて説明した重畳排出動作を実現するシート処理装置4の制御方法の例について、図6のフローチャートを用いて説明する。本フローは、シート処理装置の主制御部603が、画像形成装置1から1枚のシートが排出される旨の通知をビデオコントローラ601から受信する度に実行される。本フローの各ステップは、特に断らない限り、図4の重畳搬送制御手段711によって実行されるものとする。
以下の説明において、「1枚目のシート」とは、重畳処理部4Bにおいて重ね合わせられるシート束を構成するシートの内で最初にシート処理装置4に搬送されてきたシートである。例えばシートを4枚ずつ重ね合わせて上排出トレイ25に排出する場合に、前のシート束の最後のシートの次にシート処理装置4に搬送されてくるシート(4n+1枚目のシート)のことである。また、「最終シート」とは、重畳処理部4Bにおいて重ね合わせられるシート束を構成するシートの内で最後にシート処理装置4に搬送されてきたシート(上記の例で4n枚目のシート)である。
ステップS101:入口ローラ21及び分岐前ローラ22を速度V1で回転開始させる。S102へ遷移する。既に入口ローラ21及び分岐前ローラ22が速度V1で回転している場合は回転を継続する。
ステップS102:今回のシートが1枚目のシートか否かを判断する。Yesの場合はS103へ、Noの場合はS106へ遷移する。
ステップS103:排出反転ローラ24を当接させ、上排出トレイ25に向かって1枚目のシートを搬送する方向(G2方向)に速度V1で回転開始させる(図5(a)のシートS1参照)。S104へ遷移する。
ステップS104:1枚目のシートの後端が入口センサ27を通過したか判断する。Yesの場合はS105、Noの場合はS104へ遷移する。
ステップS105:分岐前ローラ22及び排出反転ローラ24を速度V2まで加速させる(図5(a)のシートS1参照)。S111へ遷移する。
ステップS106:今回のシート(2枚目以降のシート)の後端が入口センサ27を通過したか判断する。Yesの場合はS107、Noの場合はS106へ遷移する。
ステップS107:分岐前ローラ22及び排出反転ローラ24を速度V2まで加速する。これにより、今回のシートが速度V1からV2まで搬送速度が加速される(図5(d)のシートS2参照)。S108へ遷移する。
ステップS108:今回のシートの後端が入口センサ27を通過したタイミングから所定時間T_waitが経過したか判断する。Yesの場合はS109、Noの場合はS108へ遷移する。
ステップS109:内排出ローラ26を、再び排出反転ローラ24に向けてシートを搬送する方向(F2方向)に速度V2で回転開始させる(図5(d)のシートS1参照)。S110へ遷移する。
ステップS110:内排出ローラ26に搬送されるシート(束)と今回のシートの搬送速度が等しくなったタイミングで、排出反転ローラ24の上ローラ24aをE2方向に移動させて下ローラ24bに当接させる(図5(e)参照)。これにより、内排出ローラ26によって搬送されるシート(束)と今回のシートとが同時に排出反転ローラ24に挟持される(図5(e)参照)。S111へ遷移する。
ステップS111:今回のシートが最終シートであるかを判断する。Yesの場合はS112、Noの場合はS115へ遷移する。
ステップS112:最終シートを含むシート束を上排出トレイ25に排出する(図5(f)参照)。即ち、S107,S109で開始された排出反転ローラ24及び内排出ローラ26によるシートの搬送を継続し、今回のシートと共に、シートの先端及び後端が揃った所定枚数のシート束として上排出トレイ25に排出する。
ステップS113:シート束の後端が排出反転ローラ24を通過したか判断する。Yesの場合はS114、Noの場合はS113へ遷移する。
ステップS114:分岐前ローラ22を速度V1まで減速し、排出反転ローラ24及び内排出ローラ26を停止させ、本フローを終了する。なお、今回のシートがジョブ中の最後のシートでもある場合(画像形成装置1からこれ以上シートが搬送されてこない場合)には、S114で入口ローラ21及び分岐前ローラ22も停止する。
ステップS115:今回のシート(最終シート以外のシート)の後端が逆流防止弁23を抜けたか判断する。Yesの場合はS116、Noの場合はS115へ遷移する。
ステップS116:排出反転ローラ24及び内排出ローラ26を一時停止させる(図5(b)のシートS1参照)。S117に遷移する。
ステップS117:排出反転ローラ24及び内排出ローラ26を、速度V2で、シート(束)を反転後の方向(F1方向、G1方向)に搬送するための回転方向に回転開始する(図5(c)のシートS1参照)。S118に遷移する。
ステップS118:シート(束)の先端が内排出ローラ26を通過したか判断する。Yesの場合はS119、Noの場合はS118へ遷移する。
ステップS119:排出反転ローラ24の上ローラ24aを下ローラ24bから離間させる。S120に遷移する。
ステップS120:シート(束)の先端が内排出ローラ26を通過してから所定量搬送された位置で、分岐前ローラ22を速度V1まで減速し、排出反転ローラ24及び内排出ローラ26を停止させ、本フローを終了する。これにより、重畳排出動作の対象であって、まだ他のシートと重ね合わせられるシート(束)が、内排出ローラ26に挟持された状態で保持される(図5(d)のシートS1参照)。なお、ステップS109,S113,S115,S118等のタイミングは、システムタイマ612(図6)のタイミング信号に基づいて決定することができる。例えば、シートS1の後端が入口センサ27によって検知された時点からの排出反転ローラ24及び内排出ローラ26の動作履歴に基づいて決定する。
以上説明したように本実施形態によれば、連続して搬送される複数のシートを積載部に排出する場合において、重畳処理部4Bにおいて複数枚のシートの端部を揃えて重ね合わせた状態で排出することが可能となる。これにより、生産性を維持しながら、積載部におけるシートの積載性を向上させることが可能である。また、上排出トレイ25にシートを重ね合わせて排出する目的では、シートの整合機能を備えた中間トレイをシート処理装置内に配置する必要がないため、装置の大型化及び大型化に起因するコスト増加を回避することが可能となる。
なお、本実施形態の構成例では、重畳処理部4Bが重ね合わせることが可能なシートの最大枚数(重畳可能枚数)を5枚として説明したが、重畳処理部4Bの具体的な構成や求められる性能に応じて重畳可能枚数は適宜変更可能である。
(シート処理部で処理を行う場合のバッファ動作)
本実施形態の重畳処理部4Bは、シート処理部71においてシートに処理を施す場合に、処理の実行中に画像形成装置1から受け取ったシートを重ね合わせて保持するバッファ部としても動作可能である。バッファ動作を行うことにより、画像形成装置1の生産性を落とすことなくシート処理部71におけるシートの衝突が回避されるため、画像形成システム1Sとしての生産性が向上する。
バッファ動作を行う場合、重ね合わせたシート束を内排出パス82を介してシート処理部71に搬送する点を除いて、重畳処理部4Bの動作は重畳排出動作と基本的に共通である。即ち、図5(a)~(f)に示した動作において、図5(f)のように重ね合わされたシート束は、上排出トレイ25に排出されるのではなく、内排出ローラ26等を介してシート処理部71に搬送される。また、バッファ動作によってシート束をシート処理部71に搬送した後、バッファする必要のない後続シートは1枚ずつ排出反転ローラ24でスイッチバックされてシート処理部71に搬送される。
なお、バッファ動作においては、重ね合わせたシートの先端同士(端部同士)が所定距離でずれるように突出量Kt(図7(b))を設定してもよい。その場合、シート処理部71において下側に位置するシート(図7(b)のシートS1)が、シート処理部71に向かうシート搬送方向でより下流側に突出するように突出量Ktを設定すると好適である。これにより、バッファ動作によって重ねられたシート束の各シートに半月ローラ33を接触させて効果的に整合動作を行うことができる。特に、突出量Ktは、半月ローラ33のシートに対する接触位置から縦整合基準板39までの距離より大きいと好適である。
このように本実施形態の重畳処理部4Bは、シート処理部71で処理を施さずにシート処理装置4の外部にシートを排出する際に重畳排出動作を行う機能と、シート処理部71で処理を施すシートをバッファする機能とを兼ね備えている。これにより、それぞれの機能を実現するためにシートを重ね合わせる機構を2つ配置する構成に比べて、装置の小型化及び低コスト化が可能である。
<第2の実施形態>
実施形態1では、シートを重ね合わせて排出する重畳排出動作によって、積載性を向上させる方法について説明した。実施形態2では、実施形態1で説明した重畳排出動作において、シートの搬送方向長さに応じて、重ね合わせるシートの待機位置を変更する。以下、実施形態1と共通の符号を付した要素は、実施形態1と実質的に同一の構成及び作用を有するものとし、説明を省略する。
実施形態1で説明した束排出動作において、図5(a)から図5(d)に至る動作により、先行するシートS1の搬送方向を反転させた後、どの位置でシートS1を停止(図5(d))させるかを考える。以下、シートS1の搬送方向長さをLsとする。排出反転ローラ24のニップ位置からG1方向側(内排出ローラ26側)のシートS1の端部S1aまでのシートS1の長さをL2とする。排出反転ローラ24のニップ位置から、ニップ位置に対してシート処理装置4の外側に突出している端部S1bまでのシートS1の長さをL3とする。Ls,L2,L3の間には、Ls=L2+L3の関係が成り立つ。
図8(a、b)に示すように、搬送方向長さが長いシート(例えば、長辺送り方向のA4シート)の長さLsをLs1とし、搬送方向長さが短いシート(例えば、長辺送り方向のA5シート)の長さLsをLs2とする。Ls1は第1の長さの例であり、Ls2は第2の長さの例である。
本実施形態では、シートS1の長さLsがLs1,Ls2のいずれであっても、排出反転ローラ24に対してシートS1の端部S1bが突出する長さL3がLmax以下(所定値以下)となるようにする。なお、所定値であるLmaxは、排出反転ローラ24のニップ位置に対してLmaxの長さで突出したシートS1(又はシート束)の端部S1bが、図8(c)に示すように上排出トレイ25にもたれかからないように、予め検討された値が設定される。一時停止したシートS1の端部S1bがもたれかかると、後にシートS1が排出されるときに上排出トレイ25上の積載シートStと擦れて積載シートStの位置が乱れる可能性があるからである。
なお、排出反転ローラ24は、シートを挟持した際に、挟持されたシートをシート排出方向の下流側に見た状態で、シート幅方向に沿ってシートの断面形状がわずかに湾曲する(又は波打つ)ような形状に設計されている。例えば、上ローラ24aのシートに接する部分(コロ)と、下ローラ24bのシートに接する部分(コロ)とをシート幅方向に互い違いに、かつ、シート幅方向に見て両者の外周面が部分的に重なるように配置した、所謂櫛歯ローラとする。
上記のように排出反転ローラ24がシートに湾曲形状を持たせながら搬送することにより、図8(d)に示すように、重畳排出動作によって重ね合わせられたシート束S´は端部S1bが垂れ下がることなく略真っ直ぐな姿勢を維持したまま排出される。そのため、シート束S´が上排出トレイ25上に積載されている積載シートStの上面と擦れて積載シートStの積載性を乱す可能性を低減できる。
図9は本実施形態に係る画像形成システム1Sの機能ブロック図を表している。図4に示す実施形態1と比較して、重畳搬送制御手段711が枚数制御手段712に加えて停止位置制御手段713を備える点が異なっている。停止位置制御手段は、重畳処理部4Bで複数枚のシートを重ね合わせる際に、先行シートを一時停止させる位置を制御する手段である。
停止位置制御手段713は、通信手段611を介してビデオコントローラ601から取得したシートの搬送方向長さLsに基づいて、次の式(6)によりL2を定める。
L2=Ls-Lmax (6)
シート処理装置4の制御方法は、図6を用いて説明した実施形態1の方法と基本的に同様である。ここで、実施形態1では、ステップS120において、シートS1の先端が内排出ローラ26を通過してから所定量(図7(b)の所定距離d1)搬送された位置で、排出反転ローラ24及び内排出ローラ26を停止させていた。これに代えて、本実施形態では、シートS1の先端が内排出ローラ26を通過してから、上記の式(6)で求めたL2に対応する距離d2だけシートS1が搬送された時点で排出反転ローラ24及び内排出ローラ26を停止させる。この距離d2は、排出反転ローラ24のニップ位置から内排出ローラ26までの距離をd4とすればd2=L2-d4であり、シートの長さLsに応じて値が変わる変数である。また、シートS1の先端が内排出ローラ26を通過してから距離d2だけ搬送されたタイミングは、システムタイマ612(図6)のタイミング信号に基づいて決定することができる。例えば、シートS1の後端が入口センサ27によって検知された時点からの排出反転ローラ24及び内排出ローラ26の動作履歴に基づいて決定する。その他の重畳搬送制御手段711が行うタイミング管理(前述のT_waitの求め方等)は、実施形態1と同様である。
以上説明した方法により、シートの長さLsに応じてシートS1を一時停止させる待機位置を変更することで、一時停止した時点におけるシートS1の突出長さL3を所定値Lmax以下とすることが可能となる。これにより、重畳処理部4BにおいてシートS1,S2を重ね合わせる過程で、後続のシートS2を待機するために一時停止したシートS1の端部S1bが垂れ下がり、上排出トレイ25に既に積載されている積載シートStと擦れることを抑制できる。その結果、後にシートS1,S2が排出されるときにシートS1が積載シートStを引きずって移動することで積載シートStの位置ずれが生じる可能性を低減できる。その結果、様々なサイズのシートについて、排出されたシートの積載性を向上させることが可能となる。また、シートS1にカール(湾曲のクセ)がある場合でも、一時停止したシートS1が排出反転ローラ24の外側で大きくカールすることが起こりにくく、シートS1,S2が排出されるときに端部S1bが丸まった状態となる可能性を低減できる。
なお、装置の構成によってはL2の値の範囲に制限をかける場合がある。例えば、シートS1の端部S1aが内排出ローラ26に挟持された後にシートS1の搬送が一時停止されるように、L2の長さに下限を設定する場合がある。その場合のL2の下限は、排出反転ローラ24のニップ位置から内排出ローラ26のニップ位置までの距離に、端部S1aをより確実に内排出ローラ26に挟持させるためのマージンを加えた値とすることができる。
また、シートS1の端部S1aが内排出ローラ26を通過した後、更に中間搬送ローラ28(図1)まで到達した後にシートS1の搬送が一時停止されたとする。この場合、シートS1,S2を重ね合わせるには中間搬送ローラ28まで内排出ローラ26に同期して搬送方向を逆転させて駆動する必要がある。中間搬送ローラ28を一方向にのみ駆動する簡素な構成に留めるには、L2に上限を設定する。その場合のL2の上限は、排出反転ローラ24のニップ位置から中間搬送ローラ28のニップ位置までの距離から、端部S1aの中間搬送ローラ28への接触をより確実に防ぐためのマージンを差し引いた値とすることができる。
また、本実施形態で説明したシートの搬送方向長さに応じた待機位置の変更は、シートの排出先が上排出トレイ25である場合にのみ実施すればよい。シートの排出先が下排出トレイ37である場合は、最終的には重畳処理部4Bからシート処理部71の方向へとシート束S´が排出され、上排出トレイ25に積載されたシートとは干渉しにくいからである。従って、排出先が下排出トレイである場合は、反転後に内排出ローラ26を通過後に停止するまでの距離はシートの搬送方向長さによらず決定してよい。
(変形例)
なお、実施形態1、2では第2搬送路としての内排出パス82がシート処理部71に連通しているものとして説明したが、第2搬送路が、シート処理部71以外の排出先に連通している構成でもよい。例えば、シート処理部71を省略し、内排出パス82を介して搬送されるシートが処理を受けずに下排出トレイ37に排出される構成でもよい。また、第2搬送路がシート処理装置4の外部に連通していない行き止まりの構成でもよい。
また、実施形態1、2では画像形成装置1とは別個に設けられたシート処理装置4のシート排出装置について説明したが、本技術は、画像形成装置1又はシートを扱う他の装置からシートを排出するシート排出装置にも適用可能である。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1…画像形成装置/1S…画像形成システム/4…シート処理装置/22…第1搬送手段(分岐前ローラ)/24…第2搬送手段(排出反転ローラ)/25…積載部(上排出トレイ)/26…第3搬送手段(内排出ローラ)/27…検知手段(入口センサ)/71…シート処理部/81,83…第1搬送路(受入パス、第1排出パス)/82…第2搬送路(内排出パス)/603…制御手段(主制御部)

Claims (15)

  1. シートが積載される積載部と、
    前記積載部に向かって延びる第1搬送路上に配置され、シートを前記積載部へ向けて搬送する第1搬送手段と、
    前記第1搬送路を通過するシートに応じた検知信号を発する検知手段と、
    前記第1搬送路上に前記第1搬送手段の下流に配置された第2搬送手段であって、前記第1搬送手段から受け取ったシートの搬送方向を反転させて、前記第1搬送手段と第2搬送手段との間で前記第1搬送路から分岐した第2搬送路に搬送する第2搬送手段と、
    前記第2搬送路上に配置された第3搬送手段であって、シートの搬送方向を反転させて搬送する第3搬送手段と、
    前記第1搬送手段、前記第2搬送手段及び前記第3搬送手段を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記第2搬送手段に前記第1搬送手段から受け取った第1シートを反転させて前記第3搬送手段に受け渡させ、
    前記第1シートに後続して搬送される第2シートに応じて前記検知手段が前記検知信号を発したことに基づいて、前記第3搬送手段に前記第1シートを前記第2搬送手段へ向けて搬送させ、
    前記第1シート及び前記第2シートの前記搬送方向における端部を揃えて前記第1シート及び前記第2シートを重ねた状態で、前記第2搬送手段により前記第1シート及び前記第2シートを前記積載部に排出させる、
    排出動作を実行するように構成されていることを特徴とするシート排出装置。
  2. 前記制御手段は、前記排出動作において、前記第2シートに応じて前記検知手段が前記検知信号を発してから所定時間が経過したタイミングで、前記第3搬送手段に前記第1シートを前記第2搬送手段へ向けて搬送させるように構成され、
    前記所定時間は、前記第2搬送手段において前記第1シート及び前記第2シートの前記搬送方向における端部が揃うように予め設定されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート排出装置。
  3. 前記積載部は、前記シート排出装置の装置本体の外側に突出しており、
    前記第2搬送手段により前記積載部の上方に排出されたシートは、前記第2搬送手段以外の搬送手段に搬送されることなく重力によって前記積載部に落下する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシート排出装置。
  4. 前記制御手段は、前記排出動作において、前記第1シート及び前記第2シートを含む3枚以上のシートによってシート束を形成し、前記第2搬送手段により前記シート束を前記積載部に排出することが可能である、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート排出装置。
  5. 前記制御手段は、複数枚のシートを前記積載部に排出するジョブを実行する場合、前記複数枚のシートを予め設定された枚数毎に重ねた状態で前記積載部に排出するように、前記排出動作を繰り返し実行する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート排出装置。
  6. 前記制御手段は、前記複数枚のシートの各々が他のいずれかのシートと重ねられた状態で前記積載部に排出されるように、前記ジョブにより排出するシートの枚数に応じて、前記排出動作で重ねるシートの枚数を前記ジョブ中に変更する、
    ことを特徴とする請求項5に記載のシート排出装置。
  7. 前記制御手段は、前記第1シートが前記第3搬送手段に受け渡された後に前記第3搬送手段による前記第1シートの搬送を停止させる時の、前記第2搬送手段から前記第3搬送手段に向かう方向における前記第1シートの先端の停止位置を、シート搬送方向における前記第1シートの長さに応じて変更する、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシート排出装置。
  8. 前記制御手段は、前記第1シートが第1の長さである場合の前記第3搬送手段から前記停止位置までの距離が、前記第1シートが前記第1の長さより短い第2の長さである場合の前記第3搬送手段から前記停止位置までの距離より長くなるように、前記停止位置を変更する、
    ことを特徴とする請求項7に記載のシート排出装置。
  9. 前記制御手段は、前記第3搬送手段による前記第1シートの搬送を停止させた状態において、前記第2搬送手段に対して前記積載部の側に向かって突出する前記第1シートの長さが、前記第1シートの長さに関わらず所定値以下となるように、前記停止位置を設定する、
    ことを特徴とする請求項7に記載のシート排出装置。
  10. 前記積載部を第1積載部として、前記第2搬送路を介して搬送されるシートが積載される第2積載部を更に有し、
    前記制御手段は、前記第1シート及び前記第2シートを前記第1積載部に排出する場合に前記第1シートの前記停止位置を変更する制御を実行し、前記第1シート及び前記第2シートを前記第2積載部に排出する場合に前記第1シートの前記停止位置を変更する制御を実行しない、
    ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載のシート排出装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシート排出装置と、
    前記第2搬送路を介して搬送されるシートを処理するシート処理部と、
    を備えることを特徴とするシート処理装置。
  12. 前記制御手段は、前記排出動作に代えて、前記シート処理部においてシートに処理を施している間に前記シート処理装置の外部から前記第1搬送路に搬送されてきた複数枚のシートを前記第1搬送手段、前記第2搬送手段及び前記第3搬送手段によって重ね合わせた後、前記シート処理部における前記処理の後に前記シート処理部に搬送するバッファ動作を実行可能である、
    ことを特徴とする請求項11に記載のシート処理装置。
  13. 前記制御手段は、前記バッファ動作によって重ねられたシートの前記搬送方向の端部同士が互いにずれるように、前記バッファ動作を制御する、
    ことを特徴とする請求項12に記載のシート処理装置。
  14. 前記シート処理部は、前記シート処理装置の装置本体内に配置された中間積載部と、前記第2搬送路から前記中間積載部へのシートの排出方向において前記中間積載部の下流側に設けられた基準部材と、前記中間積載部に排出されたシートを前記基準部材に向けて移動させて整合する移動部材と、前記シート処理部における処理が施されたシートを前記排出方向とは反対側に押し出す押出部材と、を備え、
    前記積載部を第1積載部として、前記第1積載部の下方に設けられた第2積載部と、
    前記第1搬送路の下方において、前記中間積載部から前記第2積載部に向かって延びる第3搬送路と、をさらに有し、
    前記シート処理部において処理を施されたシートは、前記2積載部に積載される、
    ことを特徴とする請求項12に記載のシート処理装置。
  15. シートに画像を形成する画像形成装置と、
    請求項11乃至14のいずれか1項に記載のシート処理装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成システム。
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