JP2022083364A - 広域常時監視方法および広域常時監視システム - Google Patents

広域常時監視方法および広域常時監視システム Download PDF

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Abstract

Figure 2022083364000001
【課題】 水上および成層圏下部に定在自立型の常時監視装置を設置し、水上、陸上および空域の統合的な常時監視を可能とする、広域常時監視システムを提供する。
【解決手段】 水上環境から得られる風力と太陽光を利用して、水上で定位置を維持しながら常時監視と情報通信を行う水上常時監視装置と、成層圏下部環境における風況と太陽光および太陽熱を利用して、空中で定位置を維持しながら常時監視と情報通信を行う空中常時監視装置を分散設置し、各装置から得られる監視情報を、通信ネットワークを介して収集統合する。
【選択図】図5

Description

本発明は、可視光監視カメラや赤外線監視カメラ、レーダ探知装置やセンサー等の監視装置を利用して、水上や地上および空域等の状況を常時監視する常時監視システムに関するもので、特に監視装置の定在化と監視情報の収集処理および無線送信と制御指令の無線受信に係わる全ての消費エネルギーを、監視装置の設置環境から得られる再生可能エネルギーで賄う自立型の常時監視装置と、前記装置を広域に分散設置し、通信ネットワークを介して統合運用することで、水上および空域を統合的に広域常時監視可能とする、広域常時監視システムに関するものである。
近年、領海や領空等における安全保障や排他的経済水域における資源管理等の観点から、これら領域の常時監視に対する必要性が高まっており、特に船舶による領海侵入や低軌道を超音速飛行する飛翔体の飛来対策については、遠方の広域常時監視による異常の早期検知や、異常検知後の早期捕捉対処が極めて重要となっている。
このため、沿岸に設置した監視カメラの映像から水上の船舶侵入等を検知する水上監視技術(特許文献1)や、海上において監視エリアに侵入してきた船舶等を、波の影響を受けることなく検知する技術が知られている(特許文献2)。
特許6336693号公報 特開2013-181795号公報
また防空システムについては、センサを搭載した飛行船と気象レーダや航空管制レーダ等の各種レーダ情報を連携させて防空システムを構築する技術(特許文献3)や、地上高度約1,200kmの低軌道に複数の小型人工衛星を投入し、これらの人工衛星から得られる監視情報によって地上や洋上、空域を常時監視する、低軌道衛星コンステレーション技術が検討されているほか、前述の低軌道人工衛星群による監視システムの課題解決につながる技術として、地上高度約20kmの成層圏下部に通信基地局機能を備えた気球や無人航空機を飛行させる、成層圏通信プラットフォーム技術の開発が進展している。
特開2008-224195号公報
前記の通り、特許文献1、2および3に示された従来技術によれば、水上や空域の常時監視が可能となるが、本技術には以下に示す5つの課題がある。
第一に、当該技術の稼働や運用に必要となる電力等のエネルギー供給が、設置場所で得られる再生可能エネルギーを利用した自立型となっていないため、常時、外部からの電力供給や燃料供給といったエネルギー供給を必要とし、停電や燃料切れが発生した場合には監視不能となるほか、こうした状況を回避するために常時電力供給や燃料補給が必要となって、運用者の負担が増加するという課題がある。
また、特許文献1のように沿岸に監視カメラを設置して監視する方法では、沿岸から22km以上離れた領海境界や370km以上離れた排他的経済水域の境界付近の状況を常時監視することが不可能であったり、監視装置から得られる情報が限定的で、対象物の位置や形状、特徴の把握が困難となって誤認や誤差を生じやすくなる課題があるほか、特許文献3の方法であっても、レーダ機器の設置場所や搭載航空機等の航路、およびレーダの探索範囲や探索周期の制限から、地上から遠く離れた領空や排他的経済水域の境界付近などにおける異常に関する詳細映像の常時取得や分析が困難であったり、検知範囲の制限や遅延によって即応性が低下するという課題がある。
さらに、低軌道衛星コンステレーション技術を用いる監視方法では、洋上や空域での異常を早期検知し、高解像度カメラ等によって位置や形状、特徴を把握できる膨大な情報が得られる場合であっても、低軌道から地上局までの通信距離が長く情報通信に時間を要するため、解像度重視の多量情報送信の場合には通信遅延が生じて監視情報の分析と対処までに時間を要し、即応性重視の少量情報送信の場合には、情報の解像度が低下して誤認や誤差が生じやすくなるといった課題がある。
一方、成層圏下部における通信プラットフォーム技術を応用して、高解像度の監視カメラ等を搭載した無人の気球や飛行船、航空機等を領空境界付近上空の成層圏下部に滞在させておくことで、高解像度の常時監視映像を低軌道よりも短い通信距離で送信できることが期待できるが、成層圏下部は空気の密度が低く浮力が地上の14分の1程度しか得られないことや、最大風速40~60m/s程度の偏西風がほぼ常時吹き続け、周囲環境の気温がマイナス50℃程度の低温である一方、日射を受ける時間帯では常に赤外線と紫外線の照射を受けるといった過酷環境であり、こうした成層圏下部の定位置に監視装置を長期定在させながら常時監視を行い、異常検知と異常検知時の情報通信を行う常時監視装置が確立していないという課題がある。
また、洋上等を常時監視する水上監視装置と、陸上や水上および空域等を成層圏下部から常時監視する成層圏下部監視装置の情報を、それぞれの装置に搭載した全地球測位システムの情報によって相互補完や関係づけを行いながら統合分析することで、陸上、水上および空域を統合的に広域常時監視する技術が確立していないという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、洋上などの水上と成層圏下部、それぞれの環境から得られる太陽光、太陽熱および風力の再生可能エネルギーを用いて監視装置を所定の位置に定在させながら、周囲の常時監視と収集情報のオンサイト解析処理および解析処理結果の情報通信を、全て前記の再生可能エネルギーを用いて自立的に行う自立分散型の常時監視装置を提供するとともに、これら水上および成層圏下部の常時監視装置をそれぞれ境界領域に複数分散配置し、各監視装置から得られる常時監視情報を全地球測位システムの情報によって統合処理することで、水上および空域の境界領域を、常時広域監視する方法と、その具体的な常時広域監視システムを提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
浮上躯体の天面に設置された太陽光発電システムと、前記発電システムの発電電力を充放電利用するために浮上躯体内部に搭載された蓄電システムと、前記蓄電システムから供給される電力で稼働する監視情報収集装置、監視情報分析処理装置、全地球測位装置、監視装置位置制御装置、および監視情報通信装置が搭載され、水上の設置場所における太陽光と風力を利用して、監視指令拠点からの監視制御指示に基づいた監視位置を保ちながら、周囲の常時監視と収集情報の分析処理および収集分析情報の送信を行うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の水上常時監視装置の定在維持方法として、監視指令拠点から受信した監視位置指示情報と、装置に搭載された全地球測位装置の測位情報に基づき、浮上躯体上に設置されたマスト機構と浮上躯体水面下に設置された方向舵付モータスクリュー機構を用い、洋上風力の利用と洋上太陽光発電の電力によって、指定された監視位置への移動と定在維持を行うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、
成層圏下部の定常風から得られる揚力と自重が均衡するように設計された気嚢内蔵型の翼型躯体と、前記翼型躯体の天面に設置された太陽光発電システムと、前記発電システムから得られた発電電力を充放電利用できるようにするため、翼型内部に搭載された蓄電システムと、前記蓄電システムから供給される電力で稼働する監視情報収集装置、監視情報分析処理装置、高度計付全地球測位装置、監視装置位置制御装置、監視情報通信装置で構成され、成層圏下部における定常風を利用して躯体の垂直位置を一定に保ちつつ、太陽光を利用して得られる電力を利用して、地上の監視指令拠点から受信した監視位置指示情報に基づいて成層圏下部での監視位置を保ちながら、地上、水上および空域の常時監視と収集情報の分析処理、および収集分析情報の送信を行うことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、
請求項3に記載の空中常時監視装置の定在維持方法として、監視指令拠点から受信した監視位置指示情報と、装置に搭載された高度計付全地球測位装置の測位情報に基づき、翼型躯体後方に設置された補助翼機構と翼型躯体に接続された電動プロペラを用い、成層圏下部の風力と太陽光発電から得られた電力によるプロペラ推進力によって、指定された監視位置への移動と定在維持を行うことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、
請求項3に記載の太陽光発電システムを構成する太陽光発電パネル背面に熱電発電素子を密着させるとともに、熱電発電素子の反対面を翼型躯体底面と伝熱材料で接続し、太陽光発電パネルの背面と翼型躯体底面との温度差によって熱電発電を行いながら太陽光パネルの加熱を防止する、熱電発電システムをさらに搭載していることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、
請求項1および2に記載の水上常時監視装置と、請求項3~5に記載の空中常時監視装置を、それぞれ所定の位置に複数分散配置するとともに、それぞれの監視装置から得られる監視情報を、各装置の位置情報とともに通信ネットワークを介して収集統合することで、陸上、水上および空域を統合的に常時監視することを特徴とする。
本発明によれば、地上から遠く離れた水上や空中における境界領域の常時監視と情報送信および常時監視装置自体の所定位置における定在維持を、定在位置で得られる再生可能エネルギーで自立運用できるようにすることで、停電や燃料欠乏による監視停止を回避できるとともに、常時監視の継続に要する電力や燃料の継続供給に係わる手間とコストを大幅に削減することができる。
さらに、エネルギーと監視情報の収集処理が自立実施できる水上監視装置を監視境界域に複数台、分散配置することで、沿岸から遠く離れた境界付近の最新状況を隙間なく常時監視することが可能となり、異常の早期発見と早期対処が可能となる。
また、過酷環境の成層圏下部において、遠隔監視と情報処理を自立実施できる空中監視装置を常時定在させることが可能となり、成層圏下部の遠方境界域に複数台、分散して定在配置することで、地上や洋上および空域の状況を遠方から隙間なく常時監視することが可能となり、異常の早期発見と早期対処が可能となる。
さらに、遠方の水上と空中で常時定在監視を行う複数の監視装置から得られる遠隔監視情報を、各装置の全地球測位置情報とともに常時収集して統合分析できるようになることで、水上および空中の遠方境界領域から周辺の地上、水上および空中の常時監視が可能となり、異常の早期発見と早期対処が可能となる。
また、監視情報の収集処理を自立実施できる複数の監視装置を分散して定在させることで、各監視装置の相互補完による多重の常時監視が可能となり、一部の監視装置が故障等によって機能不全や滅失した場合でも、他の監視装置が監視域を補完することによって、常時監視の強靭性や継続性を高めることも可能となる。
本発明に係る第1実施形態である、水上常時監視装置の断面模式図である。 本発明に係る第1実施形態である、水上常時監視装置を天面から見た模式図である。 本発明に係る第2実施形態である、空中常時監視装置の断面模式図である。 本発明に係る第2実施形態である、空中常時監視装置を天面から見た模式図である。 本発明に係る第3実施形態である、広域統合常時監視システムの模式図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本発明の範囲は特許請求の範囲記載のものであって、本実施形態に限定されるものではない。
(第1実施形態)
まず本発明の第1実施形態に係る、水上常時監視装置について、図1に基づいて説明する。
なお、図2は同じ水上常時監視装置を天面から見た模式図である。
図1に示すように、本発明の水上常時監視装置1は、上下左右に回転することで周囲状況を撮影できる監視カメラ2と、撮影した監視映像を処理または分析する映像処理装置3と、全地球測位衛星から測位情報を受信して装置1の位置情報を収集する全地球測位装置4と、陸上に整備された監視指令拠点との間で映像情報の送信や監視制御指令の受信を行う情報送受信装置5が、水面から1~10m程度上部に配置されるよう構成されている。
なお、前記の監視装置が常時浮上した状態で、監視指令拠点から指示された定位置を維持すべく、本装置は天面に太陽光発電パネル6と底部に蓄電池システム7が配置され、これらの間に浮力維持用の気嚢8が配置された強化樹脂筐体9の中央に無線通信アンテナ10や電力および通信制御線を内側に配置させた監視装置支持円柱11が構成され、この円柱上に監視装置等が接続配置されるとともに、円柱下部には電力の充放電制御を行う電力制御装置12と、周囲の風や潮流によって装置が移動した際に元の位置に復帰し、または風や潮流がある状況下でも指定位置に定在し続けるための位置制御装置13が内蔵されている。
また本装置には、全地球測位装置から得られる位置情報と、監視指令拠点からの指令位置情報の差分情報に基づき、配置場所で定常監視が行えるよう、支持円柱11の周囲にマスト機構14が配置され、マスト制御モーター15の巻き上げ機構によって帆の受風面積を制御するとともに、筐体内部の方向制御モータ16によって360度摺動できる機構となっている方向舵付モータスクリュー17の回転数と方向舵制御によって、ヨットの帆行方法とモータスクリューを用いた航法によって、指示位置への移動や指示位置での定在維持動作を行う。
例えば監視装置の周囲が無風で大幅な位置補正の必要が無い場合や強風時には、マストを下ろしてモータスクリューの制御のみで微調整を行う一方、指示位置から大幅にずれた状況で周囲に風が吹いている場合には、マストを上げて風を受け、モータスクリューと併せて制御を行うことで、早期に所定位置への復帰移動を行い、戻った際には定位置での滞在に対応したマストやモータスクリューの運転制御を行って定位置滞在を維持する。このように、装置の移動や定位置維持にあたっては、常時監視にも使用する電力の消費を最小限に抑えるため、周囲の風を優先的かつ最大限に利用し、電動モータスクリューの運転は最小限に留めることで、常時監視と情報通信を長期継続させることが可能となる。
一方、装置周囲の常時監視と監視映像の送信にあたっては、太陽光発電で発電し、蓄電池に充電された電力を利用して監視装置を駆動し、得られた監視映像を映像処理装置により補正し、無線通信アンテナ10を介して位置情報とともに監視指令拠点に常時送信することで、水上における常時監視を可能とする。
なお、監視映像の処理と分析に基づく異常判定では、監視カメラで撮影した映像を監視指令拠点に常時送信し、拠点内で映像情報を常時分析処理して異常判定を行う方法もあるが、常時監視装置内の映像処理装置3でオンサイト解析処理(常時エッジ処理)を行い、得られた解析結果に基づいて異常が検知された場合にのみ、異常検知情報と根拠情報を監視指令拠点に送信することで、監視映像の常時送信に伴う電力消費を削減して長期安定的に常時監視を行えるようにするとともに、監視指令拠点に多数の監視装置から同時に多量の映像情報が送信され、これを常時高速処理で分析するための負担を軽減することも可能である。
また、この常時監視装置を水上に多数、分散配置し、相互補完的に常時監視を行う多重監視体制としておくことで、一部の装置が故障したり滅失するような場合であっても、他の監視装置が同じ領域や周囲を監視して相互補完することが可能となり、監視の時間的および空間的欠落を低減できるようになる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る、空中常時監視装置について、図2に基づいて説明する。なお、図3は同じ空中常時監視装置を天面から見た模式図である。
図2に示すように、本発明の空中常時監視装置18は、上下左右に回転することで周囲状況を撮影できる監視カメラ19と、撮影した監視映像を処理または分析する映像処理装置20と、全地球測位衛星から測位情報を受信するとともに装置16の高度と位置情報を収集する高度計付全地球測位装置21と、陸上に整備された監視指令拠点との間で映像情報の送信や監視制御指令の受信を行う情報送受信装置22が、成層圏下部における定常飛行に適した翼型筐体の下部に、地上にむけて情報通信できるよう構成されている。
なお、前記の監視装置は、浮力を得られにくい一方、高速の定常偏西風が吹く成層圏下部まで上昇した後、成層圏下部の定常偏西風を活用して得られる揚力で定在飛行できるよう、断面翼型が低抵抗層流翼型か反転キャンバ翼型となっている軽量高強度の躯体で構成され、翼型躯体の天面には太陽光発電パネル23が配置されるとともに、パネルの背面には熱電発電素子24が接合され、躯体内部には太陽光パネルと熱電発電素子で発電した電力が充電され、監視カメラや情報処理装置および情報送受信装置に電力を供給する蓄電池システム25と、機体を成層圏下部の高高度まで浮上させ、定在を補助するための水素を充填した水素充填気嚢26が内蔵されている。
また、翼型上流側の中央部には、前記蓄電システムから供給される電力で駆動するモータで回転する電動プロペラ推進機構27が備えられるとともに、下流側の両端部には、同じく蓄電システムからの供給電力でモータ機構により制御駆動される位置姿勢制御電動補助翼28が備えられ、機体の上昇および下降と水平左右方向への移動による位置の制御と、定在位置での飛行姿勢が常時制御されることで、成層圏下部において、監視指令拠点からの指示情報に基づく監視位置で定常飛行を行うことができるようになっている。
なお、この機***置制御や姿勢制御についても、水上監視装置と同様、装置の移動や定在維持にあたっては、電力消費を最小限に抑えるため、補助翼の制御利用によって成層圏下部の定常風を優先的かつ最大限に利用した滑空移動を主として、電動プロペラ推進機構の利用は最小限に留めることが望ましい。
一方、装置周囲の常時監視と監視映像の送信にあたっては、太陽光発電と熱電発電で発電し、蓄電池に充電された電力を利用して監視装置を駆動し、得られた監視映像を映像処理装置により補正し、無線通信アンテナ29を介して位置情報とともに監視指令拠点に常時送信することで、空中における常時監視を可能とする。
ここで、成層圏下部の周囲環境はマイナス50℃程度の低温である一方、雲がないために日射を受ける際には赤外線や紫外線の直射を受けて太陽光発電パネルの温度が上昇し、発電効率が低下してしまうが、本発明ではパネルの背面に熱電発電素子を接着し、熱電発電素子の反対面は、飛行体底面部の放熱板30と熱伝導性の高い材料で構成された伝熱帯31によって接続し、太陽光パネル背面の高温部と飛行体底面の低温部との温度差で熱電発電も行うことで、太陽光発電の効率低下による出力減少を熱電発電により得られる電力で補い、受光中により多くの電力を得られるようにしている。
このようにすることで、強風が吹き続ける低温過酷環境の成層圏下部において、定位置での長期間定常飛行を継続しながら、空中から地上や水上および空域の広域監視を行い、監視映像を地上の監視指令拠点に常時送信することが可能となる。
なお、監視映像の処理と分析に基づく異常判定では、水上監視装置と同様、空中監視装置においても装置内の映像処理装置で常時オンサイト解析処理(エッジ処理)を行うようにすることで、機体での常時映像送信に伴う電力消費と、監視指令拠点に集中する多量の映像情報を高速処理する負担を軽減することも可能である。
また、この常時監視装置を成層圏下部に多数、分散配置し、相互補完的に常時監視を行う多重監視体制としておくことで、一部の装置が故障したり滅失するような場合であっても、他の監視装置が同じ領域や周囲を監視して相互補完することが可能となり、監視の時間的および空間的欠落を低減できるようになる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る広域常時監視システムについて、図3に基づいて説明する。
図3は、図1で示した水上監視装置1を、監視境界線の内側に、監視範囲や通信可能領域が重複するよう、一定間隔で定在配置させるとともに、図2で示した空中監視装置18を、空域境界の内側に、監視範囲や通信可能領域が重複するよう一定間隔で定在滞空配置させ、全地球測位衛星32によって測位された各監視装置の位置情報と各監視装置が収集した監視情報が監視指令拠点33に集約管理される、広域常時監視システムが構築されている。
このように、水上と空中に常時監視装置を複数台、広域分散配置し、各装置から得られる情報を全地球測位情報に基づいて統合的に集中管理することで、各装置からの監視映像を監視指令拠点で集中受信管理し、水上監視装置から得られる陸上、水上および周囲空域に関する情報と、空中監視装置から得られる広範囲の陸上、水上および空域情報とを統合補完して分析処理することで、水平方向と垂直方向の両面で、広域に渡る常時監視を行うことが可能となる。
なお、水上に設置された常時監視装置は、強風や波浪、潮流変化等の外乱によって、指定位置から離れた場所に移動してしまうことが考えられ、空中に配置された常時監視装置も、成層圏下部偏西風の風況変化等によって指定位置から離れた場所に移動することが考えられるが、こうした位置ズレが起こった場合においても、全地球測位情報を用いて収集した監視情報や領域の境界情報を補正することで、位置が所定の位置から外れた状態であったり、所定位置に復旧するための移動中であっても、常時監視を継続することが可能である。
なお本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、例えば図1および図2の実施形態に記載する監視システムは、監視カメラに限らず各種センサやレーダー探知装置としても良く、監視範囲や通信範囲に距離の制約がある場合には、境界領域に設置した監視装置からの送信情報を中継する、水上および空中の中継局を構成して配置し、情報の多段階送受信を行うことで、遠方の境界領域の情報が監視指令拠点に到達できるように常時監視システムを構築することも可能である。
このように、前記の実施形態は例示であり、本発明の特許請求範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1・・・・水上常時監視装置
2・・・・監視カメラ
3・・・・映像処理装置
4・・・・全地球測位装置
5・・・・情報送受信装置
6・・・・太陽光発電パネル
7・・・・蓄電池システム
8・・・・浮力維持用気嚢
9・・・・軽量強化樹脂筐体
10・・・無線通信アンテナ
11・・・監視装置支持円柱
12・・・電力制御装置
13・・・位置制御装置
14・・・マスト機構
15・・・マスト制御モータ
16・・・方向舵付モータ
17・・・方向舵付モータスクリュー
18・・・空中常時監視装置
19・・・監視カメラ
20・・・映像処理装置
21・・・高度計付全地球測位装置
22・・・情報送受信装置
23・・・太陽光発電パネル
24・・・熱電発電素子
25・・・蓄電池システム
26・・・高高度浮上用水素充填気嚢
27・・・電動プロペラ推進機構
28・・・位置姿勢制御用電動補助翼
29・・・無線通信アンテナ
30・・・飛行体底面部放熱板
31・・・伝熱帯
32・・・全地球測位衛星
33・・・監視指令拠点

Claims (6)

  1. 浮上躯体の天面に設置された太陽光発電システムと、前記発電システムの発電電力を充放電利用するために浮上躯体内部に搭載された蓄電システムと、前記蓄電システムから供給される電力で稼働する監視情報収集装置、監視情報分析処理装置、全地球測位装置、監視装置位置制御装置、および監視情報通信装置が搭載され、水上の設置場所における太陽光と風力を利用して、監視指令拠点からの監視制御指示に基づいた監視位置を保ちながら、周囲の常時監視と収集情報の分析処理および収集分析情報の送信を行うことを特徴とする、水上常時監視装置
  2. 請求項1に記載の水上常時監視装置の定在維持方法として、監視指令拠点から受信した監視位置指示情報と、装置に搭載された全地球測位装置の測位情報に基づき、浮上躯体上に設置されたマスト機構と浮上躯体水面下に設置された方向舵付モータスクリュー機構を用い、洋上風力の利用と洋上太陽光発電の電力によって、指定された監視位置への移動と定在維持を行うことを特徴とする、水上常時監視装置の定在維持方法
  3. 成層圏下部の定常風から得られる揚力と自重が均衡するように設計された気嚢内蔵型の翼型躯体と、前記翼型躯体の天面に設置された太陽光発電システムと、前記発電システムから得られた発電電力を充放電利用できるようにするため、翼型内部に搭載された蓄電システムと、前記蓄電システムから供給される電力で稼働する監視情報収集装置、監視情報分析処理装置、高度計付全地球測位装置、監視装置位置制御装置、監視情報通信装置で構成され、成層圏下部における定常風を利用して躯体の垂直位置を一定に保ちつつ、太陽光を利用して得られる電力を利用して、地上の監視指令拠点から受信した監視位置指示情報に基づいて成層圏下部での監視位置を保ちながら、地上、水上および空域の常時監視と収集情報の分析処理、および収集分析情報の送信を行うことを特徴とする、空中常時監視装置
  4. 請求項3に記載の空中常時監視装置の定在維持方法として、監視指令拠点から受信した監視位置指示情報と、装置に搭載された高度計付全地球測位装置の測位情報に基づき、翼型躯体後方に設置された補助翼機構と翼型躯体に接続された電動プロペラを用い、成層圏下部の風力と太陽光発電から得られた電力によるプロペラ推進力によって、指定された監視位置への移動と定在維持を行うことを特徴とする、空中常時監視装置の定在維持方法
  5. 請求項3に記載の太陽光発電システムを構成する太陽光発電パネル背面に熱電発電素子を密着させるとともに、熱電発電素子の反対面を翼型躯体底面と伝熱材料で接続し、太陽光発電パネルの背面と翼型躯体底面との温度差によって熱電発電を行いながら太陽光パネルの加熱を防止する、熱電発電システムをさらに搭載していることを特徴とする、空中常時監視装置の駆動電力取得方法
  6. 請求項1および2に記載の水上常時監視装置と、請求項3~5に記載の空中常時監視装置を、それぞれ所定の位置に複数分散配置するとともに、それぞれの監視装置から得られる監視情報を、各装置の位置情報とともに通信ネットワークを介して収集統合することで、陸上、水上および空域を統合的に常時監視することを特徴とする、広域常時監視システム
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