JP2022083254A - 剥離防止部材及びこれを備えた管路の内張構造 - Google Patents

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【課題】内面部材に、当該内面部材を剥がす方向に比較的大きな力が加わっても、内面部材が剥がれるのを抑制する。【解決手段】剥離防止部材50は、既設管路Pと内面部材2との間の裏込め充填空間Sに配置されている。また、剥離防止部材50は、内面部材2の2つの取付部21に係止可能な第1係止部61及び第2係止部71と、第1係止部61から外側に突出する第1アンカー部62と、第2係止部71から外側に突出する第2アンカー部72とを含む。第1アンカー部62は、周方向に延在する第1延在部62bを有する。第2アンカー部72は、周方向に延在する第2延在部72bを有する。【選択図】図3

Description

本発明は、既設管路を補強するための管路の内張構造に採用される剥離防止部材及びこれを備えた管路の内張構造に関する。
老朽化した水道管、下水道管、或いは農業用水管などの既設管路を補強する技術として、管路の内面を補強材で全面的に覆う技術が各種提案されている。例えば、管路内に人が入って作業可能な大口径の管路内面を被覆するのに適した管路の内張構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の管路の内張構造は、既設管路内面に沿って配置された中空骨組み状の補強材の内周側に、長手方向に延在する複数の内面部材を周方向に並べて取り付けることで構成される。各内面部材は、周方向の両端に設けられた取付部としての嵌合用凸部を、嵌合部材を介して補強材に取り付けられている。
特開2002-310378号公報
上記特許文献1に記載の管路の内張構造において、内面部材の端部、すなわち、管口は、通常、耐酸モルタルなどで管口処理が行われる。しかしながら、経年劣化などで耐酸モルタルが失われて、内面部材の端部が露出することがある。この場合、管路内を流れる水やこの水と一緒に流れる石などが内面部材の端部に衝突し、内面部材を剥がす方向の大きな力が内面部材に加えられることがある。各内面部材は嵌合部材を介して補強材に取り付けられているが、この内面部材を剥がす方向の大きな力によって、内面部材が剥がれるという問題が生じるおそれがある。
そこで、本発明の目的は、内面部材に、当該内面部材を剥がす方向に比較的大きな力が加わっても、内面部材が剥がれるのを抑制することが可能な剥離防止部材及びこれを備えた管路の内張構造を提供することである。
本発明の剥離防止部材は、管路内面に沿って配設される管路補強材の内周側に取り付けられ、周方向に沿って互いに離隔して配置され長手方向に延在する2つの取付部を有する内面部材と前記管路内面との間の裏込め充填空間に配置される剥離防止部材において、一方向に延在し、前記2つの取付部に係止可能な係止部と、前記係止部から前記一方向と直交する直交方向の一方側に突出するアンカー部とを備えている。そして、前記アンカー部は、前記一方向に延在する延在部を有している。
これによると、係止部を2つの取付部に係止させて裏込め充填空間(内面部材の外周側の空間)に剥離防止部材が配置されることで、裏込め充填空間に充填された自硬化性充填材(モルタルなどのセメント系材料など)中に剥離防止部材のアンカー部を含めた全体を埋めた状態で自硬化性充填材が硬化する。これにより、内面部材に、当該内面部材を剥がす方向(内側)に比較的大きな力が加わっても、剥離防止部材のアンカー部は硬化した自硬化性充填材と一体化しており、さらに剥離防止部材の係止部が2つの取付部に係止されているため、内面部材が剥がれるのを抑制することが可能となる。より詳細には、例えば、内面部材の端面と管路補強材との間(すなわち、内面部材の端部近傍)に剥離防止部材が配置されることで、内面部材の端部に内側への比較的大きな力が加えられても内面部材が端部から剥離しにくくなる。
本発明において、前記係止部は、一方の前記取付部に係止可能な第1係止部と、他方の前記取付部に係止可能な第2係止部とで構成されており、前記アンカー部は、前記第1係止部から前記一方側に突出する第1アンカー部と、前記第2係止部から前記一方側に突出する第2アンカー部とで構成されており、前記第1係止部と前記第1アンカー部とが一体的に形成された第1部材と、前記第1部材とは別部材であって、前記第2係止部と前記第2アンカー部とが一体的に形成された第2部材と、で構成されていることが好ましい。これにより、剥離防止部材が2つの部材(第1及び第2部材)から構成されるため、剥離防止部材を2つの取付部に係止させて裏込め充填空間に配置させやすくなる。
また、本発明において、前記第1部材と前記第2部材とを連結する連結部材をさらに備えていることが好ましい。これにより、第1部材と第2部材とを連結させることが可能となり、取付部への剥離防止部材の良好な配置作業性を確保しながら、内面部材が剥がれるのを効果的に抑制することが可能となる。
また、本発明において、前記第1アンカー部は、前記第1係止部から前記一方側に突出する第1突出部と、前記第1突出部から前記一方向に延在し前記延在部の一部を構成する第1延在部とを有しており、前記第2アンカー部は、前記第2係止部から前記一方側に突出する第2突出部と、前記第2突出部から前記一方向に延在し前記延在部の一部を構成する第2延在部とを有しており、前記連結部材は、前記第1突出部と前記第2突出部とを互いに近づけるように挟持するクリップ部材からなることが好ましい。これにより、連結部材としてクリップ部材を採用することが可能となり、剥離防止部材の構成が簡易になる。
また、本発明において、前記第1突出部は、前記直交方向に平行に延在する第1平行部と、前記直交方向及び前記一方向に交差する方向に延在し前記第1平行部と前記第1係止部とを繋ぐ第1繋ぎ部とを有しており、前記第1繋ぎ部は、前記第1平行部の前記第1係止部側の端部と、前記一方向において、前記第1係止部の前記一方の取付部から最も離れた端部とを繋ぐことが好ましい。これにより、第1係止部を一方の取付部に係合させつつ第1部材を回動させたときに、第2係止部を他方の取付部に係止させて配置された第2部材と接触しにくくなる。このため、剥離防止部材を2つの取付部に係止させて裏込め充填空間により配置させやすくなる。
また、本発明において、前記第2突出部は、前記直交方向に平行に延在する第2平行部と、前記直交方向及び前記一方向に交差する方向に延在し前記第2平行部と前記第2係止部とを繋ぐ第2繋ぎ部とを有しており、前記第2繋ぎ部は、前記第2平行部の前記第2係止部側の端部と、前記一方向において、前記第2係止部の前記他方の取付部から最も離れた端部とを繋ぐことが好ましい。これにより、第2係止部を他方の取付部に係合させつつ第2部材を回動させたときに、第1係止部を一方の取付部に係止させて配置された第1部材と接触しにくくなる。このため、剥離防止部材を2つの取付部に係止させて裏込め充填空間により一層配置させやすくなる。
本発明の管路の内張構造は、管路内面に沿って配設される管路補強材の内周側に取り付けるための、周方向に沿って互いに離隔して配置され長手方向に沿って延在する2つの取付部を有する内面部材であって、前記管路内面との間に裏込め充填空間を介して前記管路補強材に取り付けられた前記内面部材と、前記2つの取付部に係止させて、前記裏込め充填空間に配置される剥離防止部材とを備え、前記剥離防止部材は、前記周方向に延在し、前記2つの取付部に係止可能な係止部と、前記係止部から前記取付部よりも外側に突出するアンカー部とを備えている。そして、前記アンカー部は、前記周方向に延在する延在部を有している。
これによると、係止部を2つの取付部に係止させて裏込め充填空間(内面部材の外周側の空間)に剥離防止部材が配置されることで、裏込め充填空間に充填された自硬化性充填材中に剥離防止部材のアンカー部を含めた全体を埋めた状態で自硬化性充填材が硬化する。これにより、内面部材に、当該内面部材を剥がす方向(内側)に比較的大きな力が加わっても、剥離防止部材のアンカー部は硬化した自硬化性充填材と一体化しており、さらに剥離防止部材の係止部が2つの取付部に係止されているため、内面部材が剥がれるのを抑制することが可能となる。より詳細には、例えば、内面部材の端面と管路補強材との間(すなわち、内面部材の端部近傍)に剥離防止部材が配置されることで、内面部材の端部に内側への比較的大きな力が加えられても内面部材が端部から剥離しにくくなる。
また、本発明において、前記係止部は、一方の前記取付部に係止可能な第1係止部と、他方の前記取付部に係止可能な第2係止部とで構成されており、前記アンカー部は、前記第1係止部から外側に突出する第1アンカー部と、前記第2係止部から外側に突出する第2アンカー部とで構成されている。そして、前記剥離防止部材は、前記第1係止部と前記第1アンカー部とが一体的に形成された第1部材と、前記第1部材とは別部材であって、前記第2係止部と前記第2アンカー部とが一体的に形成された第2部材と、前記第1部材と前記第2部材とを連結する連結部材と、で構成されていることが好ましい。これにより、剥離防止部材が、第1部材、第2部材及び連結部材とから構成されるため、剥離防止部材を2つの取付部に係止させて裏込め充填空間に配置させやすくなる。また、第1部材と第2部材とを連結させることが可能となるため、内面部材が剥がれるのを効果的に抑制することが可能となる。
また、本発明において、前記第1アンカー部は、前記第1係止部から外側に突出する第1突出部と、前記第1突出部から前記周方向に延在し前記延在部の一部を構成する第1延在部とを有しており、前記第2アンカー部は、前記第2係止部から外側に突出する第2突出部と、前記第2突出部から前記周方向に延在し前記延在部の一部を構成する第2延在部とを有しており、前記連結部材は、前記第1突出部と前記第2突出部とを互いに近づけるように挟持するクリップ部材からなることが好ましい。これにより、連結部材としてクリップ部材を採用することが可能となり、剥離防止部材の構成が簡易になる。
本発明の剥離防止部材及びこれを備えた管路の内張構造によると、係止部を2つの取付部に係止させて裏込め充填空間(内面部材の外周側の空間)に剥離防止部材が配置されることで、裏込め充填空間に充填された自硬化性充填材(モルタルなどのセメント系材料など)中に剥離防止部材のアンカー部を含めた全体を埋めた状態で自硬化性充填材が硬化する。これにより、内面部材に、当該内面部材を剥がす方向(内側)に比較的大きな力が加わっても、剥離防止部材のアンカー部は硬化した自硬化性充填材と一体化しており、さらに剥離防止部材の係止部が2つの取付部に係止されているため、内面部材が剥がれるのを抑制することが可能となる。より詳細には、例えば、内面部材の端面と管路補強材との間(すなわち、内面部材の端部近傍)に剥離防止部材が配置されることで、内面部材の端部に内側への比較的大きな力が加えられても内面部材が端部から剥離しにくくなる。
本発明の一実施形態に係る管路の内張構造を示すための構造説明図であり、既設管路及び内張構造についてはその長手方向に沿った鉛直断面で切断して示す図である。 図1に示すA-A断面図である。 図2のB部拡大図である。 管路補強材のみを既設管路の内面に沿って配設した状態を示す、既設管路の長手方向に沿った断面図である。 図3に示す内面部材と剥離防止部材との取付状況を示す説明図である。 図3に示す剥離防止部材を示しており、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。 図6に示すクリップ部材の斜視図である。 既設管路の内面に沿って内面部材が配設される前の状態を示す既設管路の断面図である。 既設管路の内張構造が完了した状態を示す既設管路の断面図である。 本発明の他の実施形態に係る管路の内張構造を示すための概略構造説明図である。 本発明の変形例に係る剥離防止部材を示しており、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る剥離防止部材が採用された内張構造について、図面を参照しつつ以下に説明する。なお、本発明に係る管路の内張構造は、老朽化した水道管、下水道管、或いは農業用水管などの既設管路の内面を被覆して補強するのに適した管路の内張構造であるが、新設のこれら管路の内面被覆(二次覆工)をする際にも適用できる技術である。
図1は、本発明に係る管路の内張構造の一実施形態を示すための構造説明図であり、既設管路P及び内張構造についてはその長手方向に沿った鉛直断面で切断して示す図である。また、図2には図1のA-A断面図を、図3には図2におけるB部拡大図をそれぞれ示す。さらに、図4は、管路補強材を説明するための、管路補強材のみを既設管路の内面に沿って配設した状態を示す、既設管路の長手方向に沿った断面図である。なお、図1~図4には、既設管路Pの長手方向、当該長手方向に直交する方向であって既設管路Pの内面に沿った周方向、及び、長手方向と周方向とに直交する内外方向の少なくともいずれかの方向を適宜示す。また、後述するように、既設管路P内に内張構造100が構築された後に、裏込め充填空間Sに自硬化性充填材99が充填されるのであるが(図9参照)、図1~図3においては自硬化性充填材99が充填される前の状態を示している。
内張構造100は、図1~図3に示すように、既設管路Pの内面に沿って配設された中空骨組み状の管路補強材1と、管路補強材1の内周側に配置された複数の嵌合部材4と、複数の嵌合部材4を介して管路補強材1に取り付けられた複数の内面部材2と、各内面部材2の2つの取付部21(後述する)に係止されて取り付けられた複数の剥離防止部材50とで、既設管路Pの内面に沿った筒状に構成されている。剥離防止部材50は、内張構造100の管口近傍部分において、各内面部材2の端部と既設管路Pとの間(未硬化状態の自硬化性充填材が注入される裏込め充填空間S)に配置されている。
管路補強材1は、図2及び図4に示すように、既設管路Pの長手方向に沿って所定間隔をおいて配置された複数のリング状補強部材11と、これらリング状補強部材11を互いに連結する複数の連結部材12とで、中空円筒状に構成されている。リング状補強部材11の内周側には、嵌合部材4を嵌め込むための複数の嵌合部11aが既設管路Pの周方向に等間隔に形成されている。
連結部材12は、既設管路Pの長手方向において、隣接する2つのリング状補強部材11の間に配置されてスペーサの役割を担うパイプ材12cと、両端に雄ねじが形成された連結用ボルト12aと、その各雄ねじにねじ込まれるナット12bとで構成されている。連結部材12は、連結用ボルト12aを隣接する2つのリング状補強部材11の間に介在するパイプ材12cの内部に挿入し、その両端の雄ねじ部分にナット12bをねじ込むことによって、隣接する2つのリング状補強部材11を相互に連結・一体化している。なお、リング状補強部材11と既設管路Pとの隙間(裏込め充填空間S)には、後述するように施工最終段階において、未硬化状態の自硬化性充填材が注入される。リング状補強部材11の材質は、コスト面と強度面とから炭素鋼とすることが好ましいが、特に限定するものではなく、ステンレス鋼、合成樹脂等とすることも可能である。また、リング状補強部材11は、例えば、その周方向に複数分割された円弧状の部材を相互に連結させて形成してもよい。また、管路補強材1は、既設管路Pに曲りや段差があっても、パイプ材12cおよび連結用ボルト12aの長さを周方向に適宜変更することにより、それらに対処することが可能である。
次に、管路補強材1の内周側には、図2及び図3に示すように、複数の嵌合部材4が既設管路Pの長手方向に沿って互いに平行に取り付けられている。嵌合部材4は、図3に示すように、その断面形状が上述のリング状補強材11の嵌合部11aとほぼ同一の角張ったC字形をした一様断面の成形体である。また、嵌合部材4の長手方向の長さは、例えば、5m程度の一定の長さを有する。管路補強材1に対する取り付けは、嵌合部材4の開口部分が既設管路Pの中心側(すなわち内外方向の内側)を向くように、既設管路Pの長手方向に複数設けられているリング状補強材11の各嵌合部11a内に嵌め込むことによって行われる。また、一定の長さを有する嵌合部材4は、既設管路Pの長手方向に複数本が連結されることによって、補修長をカバーしている。すなわち、複数の嵌合部材4が、長手方向に隣接する端面どうしを互いに当接させた状態で、連結部材(不図示)によって連結されることにより、全体として既設管路Pの補修長に対応する長さとされ、その全体が管路補強材1に対して取り付けられている。この嵌合部材4の材質は、耐腐食性に優れ、軽量で施工性にも優れ、かつコストも安価なポリエチレン樹脂をはじめとするオレフィン系等の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂をはじめとする熱硬化性樹脂とすることが好ましいが、より強度の高い繊維強化プラスチック、難燃性を有する熱可塑性樹脂、ステンレスをはじめとする金属とすることもできる。
そして、管路補強材1の内周側において、既設管路Pの長手方向および周方向に装着された複数の嵌合部材4を介して、内面部材2が管路補強材1に取り付けられている。ここで、図5は、図3に示す内面部材と剥離防止部材との取付状況を示す説明図である。なお、図5においても、図2に示す周方向及び内外方向を反映して示す。
内面部材2は、既設管路Pの長手方向に沿って一定の長さ、例えば5m程度の長さを有する。また、一定の長さを有する内面部材2は、既設管路Pの長手方向に複数本が連結されることによって、補修長をカバーしている。すなわち、複数の内面部材2が、長手方向に隣接する端面どうしを互いに当接させた状態で、連結部材(不図示)によって連結されることにより、全体として既設管路Pの補修長に対応する長さとされ、その全体が嵌合部材4を介して管路補強材1に対して取り付けられている。
また、内面部材2は、図3及び図5に示すように、左右対称の一様断面の形態を有し、既設管路Pの長手方向に沿って既設管路Pの内面を被覆する側壁部22と、側壁部22の長手方向に直交する方向(既設管路Pの周方向)の両端部に設けられた2つの取付部21とを有している。これら2つの取付部21は、周方向に沿って互いに離隔して配置されている。
取付部21は、図5に示すように、側壁部22の周方向の端部から側壁部22の厚み方向(周方向と直交する直交方向)の一方側(図3において既設管路P側)に突出した突出部21aと、突出部21aの先端から側壁部22に近づくように傾斜して延在する傾斜部21bとを有する。また、取付部21は、内面部材2の長手方向に沿って連続して形成され、且つ突出部21aと傾斜部21bと側壁部22とによって囲まれた部分に凹部23を構成している。この凹部23は、内面部材2の長手方向に沿って連続して形成され、且つその凹部内寸法Hが、長手方向に沿って一様な大きさとなるように形成されている。
内面部材2は、図3に示すように、2つの内面部材2の取付部21同士(内面部材2の長手方向に沿う縁部同士であって一の内面部材2の既設管路Pの周方向の一端部と当該一の内面部材2に隣接する他の内面部材2の既設管路Pの周方向の他端部)が対の状態で、嵌合部材4の開口部分に挿入されることにより、取付部21の傾斜部21bの先端が嵌合部材4の開口部分に係止される。こうして、内面部材2が嵌合部材4を介して管路補強材1に確実に保持された状態となる。
この内面部材2の材質は、上述の嵌合部材4と同様、耐腐食性に優れ、軽量で施工性にも優れ、かつコストも安価なポリエチレン樹脂をはじめとするオレフィン系等の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂をはじめとする熱硬化性樹脂とすることが好ましいが、より強度の高い繊維強化プラスチック、難燃性を有する熱可塑性樹脂、ステンレスをはじめとする金属とすることもできる。
また、図3に示すように、各嵌合部材4と、各嵌合部材4に取り付けられた2つの内面部材2の相互に当接した取付部21との間に、例えば合成ゴムや水膨張性ゴム等からなるシール材5が配置されている。これにより、既設管路Pの周方向に隣接する内面部材2間の水密性を得ることができる。
本実施形態における剥離防止部材50は、内張構造100の管口近傍部分の裏込め充填空間Sにおいて、各内面部材2に対応して周方向に沿って複数配置されている。これら剥離防止部材50は、内面部材2の端面と、管路補強材1との間に配置されている。なお、図6においても、図1に示す長手方向、及び、図3に示す周方向及び内外方向を反映して示す。
剥離防止部材50は、図3及び図6に示すように、第1部材60と、第2部材70と、これら第1部材60と第2部材70とを連結する連結部材としてのクリップ部材80とを有している。
第1部材60は、図6に示すように、一枚の帯状の板部材が折り曲げられて構成されており、第1係止部61と、第1アンカー部62とを有する。つまり、第1係止部61と第1アンカー部62とが一体的に形成されている。第1係止部61は、第1底部61aと、第1側部61bとで構成されている。第1底部61aは、周方向(一方向)及び長手方向に延在する矩形の板状部からなる。第1側部61bは、第1底部61aの周方向の一端から内外方向の外側(第1底部61aの厚み方向の一方側)に突出して形成されている。第1側部61bは、内外方向及び長手方向に延在する矩形の板状部からなる。
第1アンカー部62は、図6に示すように、第1係止部61から内外方向の外側に突出する第1突出部62aと、第1延在部62bとを有する。第1延在部62bは、第1突出部62aの外側端部から第2部材70と離れるように周方向に沿って延在する。また、第1延在部62bも長手方向に沿って延在する矩形の板状部からなる。また、第1延在部62bは、図3に示すように、内外方向(第1底部61aの厚み方向)において、内面部材2の取付部21よりも外側に配置されている。これにより、第1延在部62bが、裏込め充填空間Sに充填され硬化した自硬化性充填材の内部の深い位置に配置されることとなる。剥離防止部材50が自硬化性充填材から脱落するのを効果的に防ぐことができる。
第1突出部62aは、図6に示すように、第1平行部62a1と、第1繋ぎ部62a2とを有する。第1平行部62a1は、内外方向に平行に延在する。第1繋ぎ部62a2は、内外方向及び周方向に交差する方向に延在し、第1平行部62a1の内側端部(図6(a)中下端であって第1係止部61側の端部)と第1係止部61の周方向の第2部材70側の端部(図6(a)中右端部であって、図3中第1係止部61を係止する一方の取付部21から最も離れた端部)とを繋ぐ。これら第1平行部62a1及び第1繋ぎ部62a2も長手方向に延在する矩形の板状部からなる。
第2部材70は、図6(a)に示すように、剥離防止部材50の周方向の中心を通る内外方向に平行な仮想直線Lに対して、第1部材60と線対称に形成されている。つまり、第2部材70も、図6に示すように、一枚の帯状の板部材が折り曲げられて構成されており、第2係止部71と、第2アンカー部72とを有する。つまり、第2係止部71と第2アンカー部72とが一体的に形成されている。
第2係止部71は、第2底部71aと、第2側部71bとで構成されている。第2底部71aは、第1底部61aと同様に矩形の板状部からなる。第2側部71bは、第2底部71aの周方向の一端から内外方向の外側(第2底部71aの厚み方向の一方側)に突出して形成されている。第2側部71bは、第1側部61bと同様に矩形の板状部からなる。
第2アンカー部72は、図6に示すように、第2係止部71から内外方向の外側に突出する第2突出部72aと、第2延在部72bとを有する。第2延在部72bは、第1突出部72aの外側端部から第1部材60と離れるように周方向に沿って延在する。また、第2延在部72bも長手方向に沿って延在する矩形の板状部からなる。また、第2延在部72bは、図3に示すように、内外方向(第2底部71aの厚み方向)において、内面部材2の取付部21よりも外側に配置されている。これにより、第2延在部72bが、裏込め充填空間Sに充填され硬化した自硬化性充填材の内部の深い位置に配置されることとなる。剥離防止部材50が自硬化性充填材から脱落するのをより効果的に防ぐことができる。
第2突出部72aは、図6に示すように、第2平行部72a1と、第2繋ぎ部72a2とを有する。第2平行部72a1は、内外方向に平行に延在する。第2繋ぎ部72a2は、内外方向及び周方向に交差する方向に延在し、第2平行部72a1の内側端部(図6(a)中下端であって第2係止部71側の端部)と第2係止部71の周方向の第1部材60側の端部(図6(a)中左端部であって、図3中第2係止部71を係止する他方の取付部21から最も離れた端部)とを繋ぐ。これら第2平行部72a1及び第2繋ぎ部72a2も長手方向に延在する矩形の板状部からなる。
このような第1部材60及び第2部材70を有する剥離防止部材50は、第1係止部61と第2係止部71とで、内面部材2の2つの取付部21に係止可能な1つの係止部を構成し、第1アンカー部62と第2アンカー部72とで1つのアンカー部を構成し、第1延在部62bと第2延在部72bとで1つの延在部を構成する。
クリップ部材80は、図6及び図7に示すように、一枚の帯状の板部材が折り曲げられて構成されており、一対の挟持部81と、一対の挟持部81を繋ぐ繋ぎ部82とを有する。一対の挟持部81は、挟持部81の延在方向において、繋ぎ部82から離れるに連れて互いに近づくようにして、繋ぎ部82に対して折り曲げられている。また、一対の挟持部81のそれぞれの先端部には、その延在方向に直交する方向(図6中内外方向)に拡大され、且つ先端が互いに離れるようにやや拡がった拡大部81aが形成されている。図6(a)に示すように、繋ぎ部82の周方向における幅は、第1平行部62a1、第2平行部72a1及び一対の挟持部81の厚みの合計よりもやや大きくなっている。一対の挟持部81のそれぞれの先端部は、図7に示すように、クリップ部材80が第1部材60及び第2部材70を挟持するように取り付けられていない状態において、互いに当接している。これにより、クリップ部材80を、図6に示すように、第1部材60の第1平行部62a1及び第2部材70の第2平行部72a1を挟持するように取り付けることで、第1部材60及び第2部材70を強固に連結することが可能となる。
続いて、既設管路P内に内張構造を構築する方法について説明する。図8は、既設管路P内面に沿って内面部材2が配設される前の状態を示す既設管路Pの断面図である。また、図9は、既設管路Pの内張構造が完了した状態を示す既設管路Pの断面図である。
まず、施工に際して、既設管路Pの上流側に例えば止水プラグ(不図示)を設置するなどの手法により、既設管路Pで人が作業できる環境を作る。そして、管路補強材1を既設管路Pの内面に沿って配設する。管路補強材1を構成するリング状補強材11は、通常、複数に分割された弧状部材を既設管路P内で組み立てることで形成される。そして、一部または全ての部材が組み立てられたリング状補強材11を、連結部材12により既設管路Pの長手方向に複数個結合して筒状の管路補強材1を得る。
管路補強材1の組立が完了した後、管路補強材1を構成するリング状補強材11の各嵌合部11aに嵌合部材4をそれぞれ嵌め込む。複数の嵌合部材4をリング状補強材11に嵌め込んだ状態を図8に断面図で示す。次いで、これら嵌合部材4に対して複数の内面部材2を対にして嵌合させる。なお、本実施形態においては、必ずしも嵌合部材4を用いる必要はなく、管路補強材1を構成するリング状補強材11に対して内面部材2を直接、嵌合により取り付けてもよい。
次に、複数の剥離防止部材50を裏込め充填空間Sに配置させて内面部材2のそれぞれに取り付ける。本実施形態における剥離防止部材50は、内張構造100の管口近傍部分の裏込め充填空間Sにおいて、各内面部材2に対応して周方向に沿って複数配置されている。また、剥離防止部材50は、各内面部材2の端面と、その奥に配置されている管路補強材1を構成するリング状補強部材11との間に配置される。
剥離防止部材50を内面部材2に取り付ける際は、まず、第1部材60を内面部材2に取り付ける。具体的には、図5中二点鎖線で示すように、第1係止部61の第1側部61bを左側(一方の)の凹部23内に挿入し、第1係止部61を一方の取付部21に係合させた状態で第1底部61aが内面部材2の側壁22に当接するように図中時計回りに回動させる。こうして、第1部材60を内面部材2上に配置させる。
次に、第2部材70を内面部材2に取り付ける。具体的には、図5中二点鎖線で示すように、第2係止部71の第2側部71bを右側(他方の)の凹部23内に挿入し、第2係止部71を他方の取付部21に係合させた状態で第2底部71aが内面部材2の側壁22に当接するように図中反時計回りに回動させる。こうして、第2部材70を内面部材2上に配置させる。
本実施形態においては、第1部材60及び第2部材70を内面部材2に設置した状態において、第1繋ぎ部62a2及び第2繋ぎ部72a2の両方が、内外方向及び周方向に交差する方向に延在しているため、これら第1部材60及び第2部材70を設置する際に上述のように回動させても、第1アンカー部62と第2アンカー部72とが互いに接触しにくくなる。このため、第1部材60及び第2部材70を2つの取付部21に係止させて裏込め充填空間Sに設置しやすくなる。本実施形態においては、第1繋ぎ部62a2及び第2繋ぎ部72a2の両方が内外方向及び周方向に交差する方向に延在していたが、いずれか一方のみ当該交差する方向に延在していてもよい。これにおいても、第1部材60及び第2部材70を上述のように設置しやすくなる。なお、図6に示すように、第1部材60及び第2部材70を予めクリップ部材80で挟持した状態の剥離防止部材50を内面部材2に設置する際は、第1繋ぎ部62a2及び第2繋ぎ部72a2は、内外方向に平行に延在していてもよい。
第1部材60及び第2部材70を内面部材2に設置した後、クリップ部材80を専用の取付工具を用いて、図3及び図6に示すように、第1部材60と第2部材70とを挟持するように取り付ける。より詳細には、クリップ部材80で、第1アンカー部62の第1平行部62a1と第2アンカー部72の第2平行部72a1とを互いに近づけるように挟持させる。このような剥離防止部材50の取付方法で、管口近傍に端面を有するすべての内面部材2に剥離防止部材50を取り付ける。
次に、嵌合部材4及び内面部材2の端部を切りそろえる。この後、管口近傍に異物がないかを確認し、清掃する。そして、耐酸モルタルを使用して管口近傍を間詰めする。このとき、耐酸モルタルに代えて妻型枠を用いてもよい。
この後、図1および図2に示すように、複数の内面部材2に複数の剥離防止部材50を取り付けた状態で、複数の内面部材2と既設管路Pとの間の裏込め充填空間Sに自硬化性充填材99を注入して硬化させる。自硬化性充填材99を注入した最終的な構造を、図9に断面図で示す。自硬化性充填材99としては、例えばセメントミルク、モルタル、コンクリート等のセメント系材料、あるいは不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂などを用いることができ、要求性能やコストによって適宜に選択される。自硬化性充填材99の注入に際しては、内面部材2に注入口を設けて注入してもよい。
そして、図1に示すように、耐酸モルタルを用いて管口の仕上げ、管口処理を行う。こうして、既設管路P内に内張構造の構築が完了する。
また、図10に示すような、既設管路Pの途中部位に取付管P1が接続された既設管路Pに内張構造を構築する際は、取付管P1に仮配管90を接続する。なお、図10においても、図を分かりやすくするために、裏込め充填空間Sに充填される自硬化性充填材99の図示を省略する。
次に、仮配管90の周囲に、上述と同様に、管路補強材1を組み立てて設置し、嵌合部材4を介して内面部材2を取り付ける。このとき内面部材2を設置する際、もしくは設置後に、剥離防止部材50を、仮配管90に隣接する内面部材2の端面(仮配管90と長手方向に対向する端面)と管路補強材1との間の裏込め充填空間Sに、上述と同様にして配置する。この後、仮配管90と内面部材2との間に間詰め材91を詰める。
次に、上述と同様に、複数の内面部材2と既設管路Pとの間の裏込め充填空間Sに自硬化性充填材99を注入して硬化させる。この後、仮配管90の突き出し部分を切断、もしくは仮配管90の撤去を行う。そして、耐酸モルタルを用いて取付管P1の管口の仕上げ、管口処理を行う。こうして、既設管路Pの途中部位に取付管P1が接続された既設管路P内においても、内張構造の構築が完了する。
以上に述べたように、本実施形態における剥離防止部材50及び内張構造100によると、係止部(第1係止部61及び第2係止部71)を2つの取付部21に係止させて裏込め充填空間S(内面部材2の外周側の空間)に剥離防止部材50が配置されることで、裏込め充填空間Sに充填された自硬化性充填材(モルタルなどのセメント系材料など)中に剥離防止部材50のアンカー部(第1アンカー部62及び第2アンカー部72)を埋めた状態で自硬化性充填材が硬化する。これにより、内面部材2に、当該内面部材2を剥がす方向(内側)に比較的大きな力が加わっても、剥離防止部材50のアンカー部は硬化した自硬化性充填材と一体化しており、さらに剥離防止部材50の係止部(第1係止部61及び第2係止部71)が2つの取付部21に係止されているため、内面部材2が剥がれるのを抑制することが可能となる。より詳細には、内面部材2の端面と管路補強材1との間(すなわち、内面部材の端部近傍)に剥離防止部材50が配置されることで、内面部材2の端部に内側への比較的大きな力が加えられても内面部材2が端部から剥離しにくくなる。
また、剥離防止部材50が2つの部材(第1部材60及び第2部材70)から構成されるため、剥離防止部材50を2つの取付部21に係止させて裏込め充填空間Sに配置させやすくなる。
また、剥離防止部材50が第1部材60と第2部材70とを連結するクリップ部材80を有していることで、第1部材60及び第2部材70を強固に連結することが可能となる。このため、第1部材60及び第2部材70の相互の係止力によって、内面部材2が剥がれるのを効果的に抑制することが可能となる。また、第1部材60と第2部材70とを連結する連結部材として、第1突出部62aと第2突出部72aとを互いに近づけるように挟持するクリップ部材80を採用しているため、剥離防止部材50の構成が簡易になる。
変形例として、剥離防止部材250が、第1部材260と、第2部材270と、連結部材280とで構成されていてもよい。なお、図11においても、図1に示す長手方向、及び、図3に示す周方向及び内外方向を反映して示す。
本変形例における第1部材260は、図11に示すように、一枚の帯状の板部材が折り曲げられて構成されており、第1係止部261と、第1アンカー部262とを有する。つまり、第1係止部261と第1アンカー部262とが一体的に形成されている。第1係止部261は、第1底部261aと、第1側部261bとで構成されている。第1底部261aは、周方向(一方向)及び長手方向に延在する矩形の板状部からなる。第1側部261bは、第1底部261aの周方向の一端から内外方向の外側(第1底部261aの厚み方向の一方側)に突出して形成されている。第1側部261bは、内外方向及び長手方向に延在する矩形の板状部からなる。
第1アンカー部262は、図11に示すように、第1係止部261から内外方向の外側に突出する第1突出部262aと、上述の実施形態の第1延在部62bと同様な第1延在部262bとを有する。第1延在部262bは、第1突出部262aの外側端部から第2部材270と離れるように周方向に沿って延在する。また、第1延在部262bも長手方向に沿って延在する矩形の板状部からなる。
第1突出部262aは、図11に示すように、内外方向に平行に延在し、第1延在部262bと第1係止部261とを繋ぐ。これら第1突出部262aも長手方向に延在する矩形の板状部からなる。また、第1突出部262aの内外方向の中央には、周方向に貫通した孔262a1が形成されている。
第2部材270は、図11(a)に示すように、剥離防止部材250の周方向の中心を通る内外方向に平行な仮想直線L1に対して、第1部材260と線対称に形成されている。つまり、第2部材270も、図11に示すように、一枚の帯状の板部材が折り曲げられて構成されており、第2係止部271と、第2アンカー部272とを有する。つまり、第2係止部271と第2アンカー部272とが一体的に形成されている。
第2係止部271は、第2底部271aと、第2側部271bとで構成されている。第2底部271aは、第1底部261aと同様に矩形の板状部からなる。第2側部271bは、第2底部271aの周方向の一端から内外方向の外側(第2底部271aの厚み方向の一方側)に突出して形成されている。第2側部271bは、第1側部261bと同様に矩形の板状部からなる。
第2アンカー部272は、図11に示すように、第2係止部271から内外方向の外側に突出する第2突出部272aと、上述の実施形態の第2延在部72bと同様な第2延在部272bとを有する。第2延在部272bは、第2突出部272aの外側端部から周方向の第1部材260から離れる方向に向かって延在する。また、第2延在部272bも長手方向に沿って延在する矩形の板状部からなる。
第2突出部272aは、図11に示すように、内外方向に平行に延在し、第2延在部272bと第2係止部271とを繋ぐ。これら第2突出部272aも長手方向に延在する矩形の板状部からなる。また、第2突出部272aの内外方向の中央には、周方向に貫通した孔272a1が形成されている。
このような第1部材260及び第2部材270を有する剥離防止部材250は、第1係止部261と第2係止部271とで、内面部材2の2つの取付部21に係止可能な1つの係止部を構成し、第1アンカー部262と第2アンカー部272とで1つのアンカー部を構成し、第1延在部262bと第2延在部272bとで1つの延在部を構成する。
本変形例における連結部材280は、図11に示すように、ボルト281と、ナット282とで構成されている。つまり、ボルト281が、第1部材260の第1突出部262aと第2部材270の第2突出部272aとを当接させた状態で、孔262a1と孔272a1とに挿入され、そのボルト281にナット282を取り付けることで、第1部材260と第2部材270とが強固に連結される。このような連結部材280においても、第1突出部262aと第2突出部272aとを挟持した状態で、第1部材260と第2部材270とを連結可能となる。このような剥離防止部材250においても、上述と同様な構成においては、同じ効果を得ることができる。また、本変形例における剥離防止部材250を内面部材2に取り付ける際は、予め第1部材260と第2部材270とを連結部材280で組み立て、剥離防止部材250の第1係止部261及び第2係止部271を、内面部材2の2つの取付部21の凹部23内に管口側から挿入して内面部材2上に配置させる。そして、上述の実施形態と同様な工程を経て、内張構造が構成される。これにおいても、上述と同様な構成においては、同じ効果を得ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、剥離防止部材50,250は、第1部材60,260と第2部材70,270とが一体的に形成されてなっていてもよいし、第1部材60と第2部材70とに互いに組み付けるための嵌合部と被嵌合部とを設けていてもよい。これらの場合、連結部材がなくてもよい。また、第1部材60,260と、第2部材70,270とが仮想直線L,L1に対して非対称であってもよい。
1 管路補強材
2 内面部材
21 取付部
50,250 剥離防止部材
61,261 第1係止部(係止部の一部)
62,262 第1アンカー部(アンカー部の一部)
62a,262a 第1突出部
62a1 第1平行部
62a2 第1繋ぎ部
62b,262b 第1延在部(延在部の一部)
71,271 第2係止部(係止部の一部)
72,272 第2アンカー部(アンカー部の一部)
72a,272a 第2突出部
72a1 第2平行部
72a2 第2繋ぎ部
72b,272b 第2延在部(延在部の一部)
80 クリップ部材(連結部材)
280 連結部材
P 既設管路
S 裏込め充填空間

Claims (9)

  1. 管路内面に沿って配設される管路補強材の内周側に取り付けられ、周方向に沿って互いに離隔して配置され長手方向に延在する2つの取付部を有する内面部材と前記管路内面との間の裏込め充填空間に配置される剥離防止部材において、
    一方向に延在し、前記2つの取付部に係止可能な係止部と、
    前記係止部から前記一方向と直交する直交方向の一方側に突出するアンカー部とを備えており、
    前記アンカー部は、前記一方向に延在する延在部を有していることを特徴とする剥離防止部材。
  2. 前記係止部は、一方の前記取付部に係止可能な第1係止部と、他方の前記取付部に係止可能な第2係止部とで構成されており、
    前記アンカー部は、前記第1係止部から前記一方側に突出する第1アンカー部と、前記第2係止部から前記一方側に突出する第2アンカー部とで構成されており、
    前記第1係止部と前記第1アンカー部とが一体的に形成された第1部材と、
    前記第1部材とは別部材であって、前記第2係止部と前記第2アンカー部とが一体的に形成された第2部材と、で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の剥離防止部材。
  3. 前記第1部材と前記第2部材とを連結する連結部材をさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載の剥離防止部材。
  4. 前記第1アンカー部は、前記第1係止部から前記一方側に突出する第1突出部と、前記第1突出部から前記一方向に延在し前記延在部の一部を構成する第1延在部とを有しており、
    前記第2アンカー部は、前記第2係止部から前記一方側に突出する第2突出部と、前記第2突出部から前記一方向に延在し前記延在部の一部を構成する第2延在部とを有しており、
    前記連結部材は、前記第1突出部と前記第2突出部とを互いに近づけるように挟持するクリップ部材からなることを特徴とする請求項3に記載の剥離防止部材。
  5. 前記第1突出部は、前記直交方向に平行に延在する第1平行部と、前記直交方向及び前記一方向に交差する方向に延在し前記第1平行部と前記第1係止部とを繋ぐ第1繋ぎ部とを有しており、
    前記第1繋ぎ部は、前記第1平行部の前記第1係止部側の端部と、前記一方向において、前記第1係止部の前記一方の取付部から最も離れた端部とを繋ぐことを特徴とする請求項4に記載の剥離防止部材。
  6. 前記第2突出部は、前記直交方向に平行に延在する第2平行部と、前記直交方向及び前記一方向に交差する方向に延在し前記第2平行部と前記第2係止部とを繋ぐ第2繋ぎ部とを有しており、
    前記第2繋ぎ部は、前記第2平行部の前記第2係止部側の端部と、前記一方向において、前記第2係止部の前記他方の取付部から最も離れた端部とを繋ぐことを特徴とする請求項5に記載の剥離防止部材。
  7. 管路内面に沿って配設される管路補強材の内周側に取り付けるための、周方向に沿って互いに離隔して配置され長手方向に沿って延在する2つの取付部を有する内面部材であって、前記管路内面との間に裏込め充填空間を介して前記管路補強材に取り付けられた前記内面部材と、
    前記2つの取付部に係止させて、前記裏込め充填空間に配置される剥離防止部材とを備え、
    前記剥離防止部材は、
    前記周方向に延在し、前記2つの取付部に係止可能な係止部と、
    前記係止部から前記取付部よりも外側に突出するアンカー部とを備えており、
    前記アンカー部は、前記周方向に延在する延在部を有していることを特徴とする管路の内張構造。
  8. 前記係止部は、一方の前記取付部に係止可能な第1係止部と、他方の前記取付部に係止可能な第2係止部とで構成されており、
    前記アンカー部は、前記第1係止部から外側に突出する第1アンカー部と、前記第2係止部から外側に突出する第2アンカー部とで構成されており、
    前記剥離防止部材は、
    前記第1係止部と前記第1アンカー部とが一体的に形成された第1部材と、
    前記第1部材とは別部材であって、前記第2係止部と前記第2アンカー部とが一体的に形成された第2部材と、
    前記第1部材と前記第2部材とを連結する連結部材と、で構成されていることを特徴とする請求項7に記載の管路の内張構造。
  9. 前記第1アンカー部は、前記第1係止部から外側に突出する第1突出部と、前記第1突出部から前記周方向に延在し前記延在部の一部を構成する第1延在部とを有しており、
    前記第2アンカー部は、前記第2係止部から外側に突出する第2突出部と、前記第2突出部から前記周方向に延在し前記延在部の一部を構成する第2延在部とを有しており、
    前記連結部材は、前記第1突出部と前記第2突出部とを互いに近づけるように挟持するクリップ部材からなることを特徴とする請求項8に記載の管路の内張構造。
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