JP2022081449A - 塗布具 - Google Patents

塗布具 Download PDF

Info

Publication number
JP2022081449A
JP2022081449A JP2021186731A JP2021186731A JP2022081449A JP 2022081449 A JP2022081449 A JP 2022081449A JP 2021186731 A JP2021186731 A JP 2021186731A JP 2021186731 A JP2021186731 A JP 2021186731A JP 2022081449 A JP2022081449 A JP 2022081449A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating liquid
coating
barrel
diameter portion
storage body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021186731A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7251600B2 (ja
Inventor
康介 横田
Kosuke Yokota
悠加 大広
Yuka Ohiro
生 遠藤
Iku Endo
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentel Co Ltd
Original Assignee
Pentel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pentel Co Ltd filed Critical Pentel Co Ltd
Publication of JP2022081449A publication Critical patent/JP2022081449A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7251600B2 publication Critical patent/JP7251600B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)

Abstract

【課題】塗布具を塗布先側から落下させてしまう等、塗布具に不意の衝撃が加わると、塗布液吸蔵体が塗布先側へ移動する、又は、塗布液吸蔵体の一部が塗布液吸蔵体の前端面から飛び出すことによって通気路を塞ぎ十分な空気交換ができなくなってしまい、塗布液の漏れや吐出不良を起こしてしまうことがあった。本発明は、塗布液吸蔵体が塗布先側へ移動、又は、塗布液吸蔵体の一部が飛び出してしまっても、通気路を塞ぐことのない塗布具を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、塗布先に向かって縮径した縮径部2aを設けた軸筒2の内部に塗布液吸蔵体3を収納した塗布具1であって、前記軸筒の内壁に縮径部と非縮径部2bに連通する通気路2cを軸方向に延在して設けると共に、通気路に対する塗布液吸蔵体の侵入防止リブ2dを縮径部に設けた塗布具を要旨とする。【選択図】図1

Description

本発明は、軸筒内部に、塗布液を含浸させた塗布液吸蔵体を収納した塗布具に関するものである。
従来より下記の特許文献等に、軸筒内部に収納した塗布液吸蔵体から塗布液を塗布先へ供給する塗布具が開示されており、塗布液の消費に伴う軸筒内部と外部との空気交換を可能にする通気路を確保する構造が検討されている。
特許文献1(特開平7-1883号公報)には、軸筒内壁と塗布液吸蔵体との間に、軸筒の軸方向に延びる棒状体を配置することで通気路を形成した構造が開示されている。
特許文献2(特許4596489号公報)には、軸筒内壁に軸筒の軸方向に延び、塗布液吸蔵体の外壁に当接する一対のリブを設け、そのリブ間に通気路を形成した構造が開示されている。
特開平7-1883号公報 特許4596489号公報
塗布具の軸筒は、塗布先付近の視認性向上や、軸筒に塗布先を保持する構造の設計の都合上、外形上塗布先側に向かって縮径させた縮径部を設けた構造を採用することがある。この場合、縮径部範囲内では、塗布液吸蔵体の外径に対して軸筒内部の空間が小さくなっている。従来の通気路の構造では、例えば塗布具を塗布先側から落下させてしまう等、塗布具に不意の衝撃が加わると、塗布液吸蔵体が塗布先側へ移動する、又は、塗布液吸蔵体の一部が塗布液吸蔵体の前端面から飛び出すことによって通気路を塞ぎ十分な空気交換ができなくなってしまい、塗布液の漏れや吐出不良を起こしてしまうことがあった。特に、上述の通り、縮径されている軸筒内部の空間に塗布液吸蔵体やその一部が侵入することで、通気路を塞ぐリスクが問題となる懸念があった。
本発明は、塗布液吸蔵体が塗布先側へ移動、又は、塗布液吸蔵体の一部が塗布液吸蔵体の前端面からが飛び出してしまっても、通気路を塞ぐことなく、良好な通気状態を確保し、塗布品質を低下させる懸念が極力抑制された塗布具を提供することを目的とする。
本発明は、塗布先に向かって縮径した縮径部を設けた軸筒の内部に塗布液吸蔵体を収納した塗布具であって、前記軸筒の内壁に外気と連通すると共に縮径部と非縮径部に連通する通気路を軸方向に延在して設けると共に、通気路に対する塗布液吸蔵体の侵入防止リブを縮径部に設けた塗布具を第1の要旨とする。
また、前記侵入防止リブが形成されている位置における横断面の最大内接円の半径が、同横断面における軸心と侵入防止リブとの距離より長い塗布具を第2の要旨とする。
本発明の第1の要旨においては、塗布具に塗布先側へ不意な衝撃が加わる等により塗布液吸蔵体が塗布先側へ移動、又は、塗布液吸蔵体の一部が塗布液吸蔵体の前端面から飛び出して縮径部を設けた範囲内に入っても、通気路に対する塗布液吸蔵体の侵入防止リブを設けたことにより、外気と連通する通気路が塞がることがないため、良好な空気交換を維持することができる。
また本発明の第2の要旨においては、塗布液吸蔵体が塗布先側へ移動、又は、塗布液吸蔵体の一部が塗布液吸蔵体の前端面から飛び出すと、塗布液吸蔵体は軸方向には縮径部に移動し、同時に径方向には初期位置から最も大きな空間が存在する方向へと向かう。この径方向における最も大きな空間が存在しているのは、縮径部の横断面の最大内接円を描くことができる方向である。縮径部には侵入防止リブが存在し、侵入防止リブが形成されている位置における横断面の最大内接円の半径を、同横断面における軸心と侵入防止リブとの距離より長いものとしたことによって同最大内接円の内心と軸心が重ならず、塗布液吸蔵体は径方向に偏りながら移動することとなるため、外気と連通する通気路を塞ぎにくく、より良好な空気交換を維持することができる。
塗布具1の縦断面 図1の塗布先4のみを変更した図 図1のA-A’横断面斜視図 図3の侵入防止リブ2dのみを変更した図 図1のA-A’横断面矢視図 サインペン7の縦断面 図6のE-E’横断面斜視図 図6のE-E’横断面矢視図
図1に本発明の一実施形態である塗布具1の縦断面を示す。本発明の塗布具1は、主に軸筒2と、塗布液吸蔵体3と、塗布先4とで構成されている。その他、塗布先4を保護するキャップ5や、軸筒2の塗布先4とは反対側の一端に尾栓6等の部品を適宜採用することができる。塗布具1の未使用時に塗布先4を保護し、汚れや乾燥を防ぐ手段は本実施形態のようなキャップ式以外にも、塗布先4を軸筒2内部に出没自在にした出没式等も選択可能である。
軸筒2は、内部に塗布液吸蔵体3を収納する中空筒状の部材である。軸筒2は、本実施形態のように一部材で構成する他、前軸と後軸とを螺子螺合等の方法により連結して構成しても良い。軸筒2の材質は、成型性や塗布液との反応性等を考慮して適宜選択可能であり、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、シリコーン樹脂、エラストマー、またはこれらの樹脂を含む複合材等を例示することができる。
塗布液吸蔵体3は、塗布液を含浸吸蔵している部材である。塗布液吸蔵体3は、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維などを束ねた繊維収束体や、ウレタンやスポンジ等の多孔質体のように、塗布液を一定量保持することができるものであれば良く、材質は適宜選択可能である。
また、塗布液吸蔵体3の外周に樹脂製のフィルムを巻回して、液漏れ、蒸発、塗布液吸蔵体3のほつれ等を防ぐための外皮としても良い。この外皮は、塗布液を液体や気体の状態で実質的に透過させず、塗布液に対して膨潤や溶解等の反応を起こさない材質が好ましく適宜選択可能である。
塗布先4は、軸筒2の開口端部に配置され、軸筒2内部の塗布液吸蔵体3から導通された塗布液を被塗布面へと吐出する部材である。塗布先4の軸筒2への取り付け方は、本実施形態のように固定管4aを介して軸筒2の開口端に取り付ける他、軸筒2の開口端に直接取り付けても良い。塗布先4の後端は、本実施形態のように塗布液吸蔵体3に挿入することで塗布液を導通可能とする他、塗布先4と塗布液吸蔵体3の間に塗布液を中継する芯体を配置しても良い。塗布先4の材質は、成型性や乾燥性、書き味等を考慮して適宜選択可能であり、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなど)繊維、ポリウレタン繊維、ポリアクリロニトリル繊維等の合成繊維や、ヤギ、羊、馬、リスなどの天然獣毛等を適宜選択可能である。また、ポリオキシメチレンやポリエーテルエーテルケトンなどの合成樹脂やポリエステルエラストマーなどを組み合わせて押出成形するなどして塗布液の通過する連通孔を形成したペン先とすることもでき、例えば図2に示したものは、図1の塗布具1の塗布先4を、ポリエステルエラストマーの押し出し成型物にポリオキシメチレンを被覆した後に先端を傾斜状に研磨して連通孔を外露させた形態であり、所謂エラストマーの柔軟性を発揮させたプラスチックペン先である。
軸筒2には塗布先4に向かって外径及び内径が縮径した縮径部2aを設けている。これにより軸筒2を把持しやすくなり、塗布先4近傍の視認性も向上するため、使用者は塗布跡を形成しやすくなるものである。軸筒2内部における縮径部2aを設けた範囲内は必ずしもなだらかに縮径するテーパー形状である必要はなく、中腹に段になる部分があっても良い。
軸筒2には縮径部2aの後方から尾栓6側にかけて非縮径部2bを設けている。非縮径部2bは、軸方向に沿って外径内径共に長さに大きな変化がない部分であるが、一切の変化を生じないことを意味するものではなく、成型性や使用感に応じて微差を生じさせても良い。
軸筒2の内壁には、塗布液吸蔵体3の外壁との間に、縮径部2aと非縮径部2bに連通する通気路2cを設けている。通気路2cは空間として通気口2fに連通しており、外気と連通している。縮径部2aと非縮径部2bに連通するとは、通気路2cを複数の部品で構成した軸筒で形成することを除くものではなく、結果的に軸筒2を構成した際に、空気交換用の空間として機能する路が形成されれば良い。通気路2cは本実施形態のように軸方向に延びる一対のリブによって形成する他、軸筒2の内壁に軸方向に延びる溝や棒状体を配置することで形成しても良い。
塗布具1は通気路2cのみで軸筒2の内部と外部との空気交換を可能とする状態を構成するために、縮径部2aの途中で軸筒2aの内部と外部に貫通する通気口2fを設け、通気路2cと連通させることで空気交換を可能としているが、通気路2cを軸筒2の開口端部まで延在させても良く、通気路2cは少なくとも外気と連通しつつ縮径部2aと非縮径部2bに連通さえしていれば良い。
図3は、図1のA-A’線横断面斜視図である。なおキャップ5は図示していない。
軸筒2の内壁には、通気路2cに対する塗布液吸蔵体3の侵入防止リブ2dを設けている。侵入防止リブ2dは、通気路2cに沿って軸方向に延在して設けられており、通気路2cに対して周方向に十分近く、なおかつ径方向に十分高いリブである。侵入防止リブ2dが塗布液吸蔵体3の外壁や、塗布液吸蔵体3の前端面から飛び出し径方向に広がってしまった塗布液吸蔵体3の一部と接触することによって、通気路2cへの侵入を防止することができ好ましい。ここで侵入防止とは、通気路2cへの塗布液吸蔵体3の一切の侵入を防止する形態のみを意味するものではなく、塗布液の消費に伴う軸筒2の内部と外部との空気交換が十分に維持される程度であれば通気路2cへ塗布液吸蔵体3が多少侵入するのを許容するものである。侵入防止リブ2dを設けたことにより通気路2cを必要以上に狭く形成したり、通気路2cを形成する一対のリブを必要以上に径方向に高く形成する必要がないため好ましい。
これらの目的を達することができれば侵入防止リブ2dは他の形態をとることもでき、図4はその一例である。図3の形態では侵入防止リブ2dは軸筒2の軸心に向かってはおらず、通気路2cを形成する一対のリブに対して径方向に略平行に形成しているが、図4の形態では、通気路2cの周方向の両側に設けた侵入防止リブ2cを軸筒2の軸心に向かって形成している。この形態では侵入防止リブ2dの径方向の頂点同士が接近するため、通気路2cに対する塗布液吸蔵体3の侵入防止効果が高く好ましい。また、侵入防止リブ2dと通気路2cに対する周方向位置も適宜設計可能であるが、侵入防止リブ2d、軸心、通気路2cのなす角が、1°以上90°以下の範囲内に位置させると、侵入防止の効果が高まるため好ましく、さらに1°以上45°以下の範囲内であるとさらに好ましい。
図3及び図4の各形態では、侵入防止リブ2dの他に、軸筒2の内壁から径方向に突出し軸方向に延びるリブ2eを本形成している。侵入防止リブ2dとリブ2eは6か所で周方向に一定の間隔で設けられている。リブ2dの後端面は通常時において塗布液吸蔵体3の前端面と当接しており、重力や塗布時の振動等で軸筒2内部で塗布液吸蔵体3が塗布先4側へ移動してしまうのを防いでいる。侵入防止リブ2dとリブ2eは、周方向に一定の間隔に設ける他、部分的に周方向に近接して設けられていても良く、侵入防止リブ2dと隣り合うリブ2eとが、他のリブ2e間よりも近接して設けられることで、塗布液吸蔵体3の通気路2cへの侵入防止効果が高まり、より好ましい。
侵入防止リブ2dやリブ2の後端面や、各リブの径方向の頂点から軸方向に延びる天面等は、所謂ヘアライン加工や梨地加工等を施しても良い。塗布液吸蔵体3と接触する各表面に適度に粗さがあることで、各表面と塗布液吸蔵体3との間に空気交換のための空間を生じさせることができたり、塗布液吸蔵体3が密着してしまうのを防いだりすることができ、好ましい。表面粗さRaは、1μm以上15μm以下であると好ましい。
各リブの径方向の頂点から軸方向に延びる天面に、軸方向に沿った溝を設けても良く、通気路2c以外にも空気流通のための路とすることができ好ましい。
図5は図1の図1のA-A’線横断面矢視図である。
塗布液吸蔵体3が塗布先4側へ移動、又は、塗布液吸蔵体3の一部が塗布液吸蔵体3の前端面から飛び出すと、塗布液吸蔵体3は初期位置から塗布先4側にある侵入防止リブ2dやリブ2e等の様々な構造物間の中で最も大きな空間に向かうことになる。この最も大きな空間は、縮径部2aの横断面の最大の内接円Bを描くことができる方向に形成されている。縮径部2aには先述の通り侵入防止リブ2dが存在する。ここで、侵入防止リブ2dが形成されている位置における横断面の最大内接円Bの半径を、同横断面における軸筒2の軸心Cと侵入防止リブ2dとの距離より長いものとすると、同最大内接円の内心Dと軸心Cが重なるような内部構造ではなくなる。これにより、塗布液吸蔵体3の少なくとも後方部分は非縮径部2b内に存在し、前方部分から徐々に縮径部2a内に移動して際に、塗布液吸蔵体3は径方向に偏りを生じながら(換言するとストレートな外形を維持することなく)移動することとなる。これにより塗布液吸蔵体3と軸筒2の内壁との間に空間が生じやすくなるため、より良好な空気交換を維持することができ好ましい。侵入防止リブ2dが形成されている位置における横断面の最大内接円Bの半径を、同横断面における軸筒2の軸心Cと侵入防止リブ2dとの距離より長いものであれば、どのような内部構造によってそれを達成しても良く、例えば本実施形態のように最大内接円Bが侵入防止リブ2dと接点を持つ構造であれば、塗布液吸蔵体3は通気路2cから径方向に遠ざかる方向に移動するため好ましい。
本発明の塗布具に用いることのできる塗布液としては、従来公知の筆記具用インキ、描画材、修正液、化粧料に使用される水性組成物、油性組成物を適宜使用することができ、基本的には着色材として染料及び/または顔料と水及び/または溶剤とより少なくともなるものである。
本発明の塗布具には、水やアルコールを溶剤とする塗布液を好ましく使用することができる。これらの塗布液は、着色剤である染料を溶剤に溶解し、または、着色剤である顔料を溶剤に分散させたものである。鮮やかな発色、調色の容易性には染料が好ましく使用され、筆跡の良好な耐光性、耐候性には顔料が好ましく使用される。また染料と顔料を組み合わせて使用することもできる。塗布液に使用される染料としては、従来公知の酸性染料、塩基性染料、直接染料、スピリット染料、アルコール可溶性染料、油溶性染料等を一種または複数種混合して使用することができ、発色や溶解安定性の点から酸性染料や直接染料が好ましく使用できる。安全性が高いものとして食用染料、化粧品用染料、天然染料などを用いることもでき、その添加量は必要な色調により適宜調整可能であり0.1重量%以上50重量%以下が好ましい。インキに使用される顔料としてはファーネストブラック、コンタクトブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モリブデートオレンジ、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタン等の無機顔料、金粉、銀粉、銅粉、アルミニウム粉、真鍮粉、錫粉等の金属粉顔料、雲母系顔料の他に、従来公知の各種の有機顔料が好ましく使用でき、一種または複数種を混合して使用することもできる。また顔料はあらかじめ分散媒に界面活性剤や分散樹脂を用いて分散した顔料分散体を使用することもできる。その添加量は必要な色調により適宜調整可能であり0.1重量%以上40重量%以下が好ましい。
また、所望の隠蔽性や分散安定性、光輝性、発色・消色性を塗布液や塗布跡に加えるために、従来公知の、酸化チタン、シリカなどの白色顔料、珪酸アルミニウム、炭酸カルシウムなどの体質顔料、ワックスエマルション、白色樹脂球、蛍光染料、蛍光顔料、金属粉顔料、雲母やガラスや樹脂フィルムなどの基板となる材料に金属、染料、顔料などの表面処理を行ったメタリック顔料や偏光顔料などの光輝性顔料、樹脂粉体に染料や顔料で着色した所謂プラスチックピグメントやマイクロカプセル顔料等も使用でき、従来公知の熱変色・熱消色性を持つ着色材や、pHにより変色・消色する着色材を用いることもできる。
溶剤としては、染料を溶解し、顔料を分散し、塗布液としての流動性を与える液体を用いる。水性の塗布液の場合、主溶剤として水を用いることができ、精製水や純水、イオン交換水を用いることが好ましい。油性の塗布液の場合、主溶剤としてアルコール系、グリコール系、炭化水素系など従来公知の溶剤を使用できる。主溶剤の他に染料の溶解性や発色性、顔料の分散安定性や塗布液の粘度、表面張力、塗布先の耐乾燥性や筆跡乾燥性、洩れ性、凍結防止などインキに必要な性能に応じて併用する溶剤も適宜選択し、一種または複数種を混合して使用することができる。具体的には水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ-ル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、1,5-ペンタンジオ-ル、グリセリン、ヘキシレングリコール、ベンジルグリコール、ベンジルジグリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノフェニルエーテル、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、等のグリコールエーテル類、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、ベンジルアルコール、α-メチルベンジルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソドデシルアルコール、イソトリデシルアルコール等のアルコール系溶剤やプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミドエチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、キシレン、トルエン、MIBK(メチルイソブチルケトン)等が挙げられる。その添加量は溶剤全体で20重量%以上99重量%以下が好ましい。
顔料を分散するために公知の水溶性樹脂分散剤や各種界面活性剤などを選択し使用することができる。水溶性樹脂分散剤としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸又はそのアルキルエステルや、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等のモノマー群より選択して重合した合成高分子や、前記モノマー群より2種以上を選択して共重合した合成高分子を、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩の形態で使用するものやアラビアガム、ロジン等の天然樹脂やその誘導体、ヒドロキシセルロースやその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
特にスチレンおよび/またはαメチルスチレンとアクリル酸および/またはメタクリル酸との共重合物の水溶性塩が顔料の分散性に優れるため好ましい。市販品としては星光PMC(株)製のハイロスシリーズや、東亞合成(株)製のARUFONの他にジョンクリル52J、同57J、同60J、同61J、同62(以上、BASFジャパン(株)製)などが挙げられその使用量は顔料分に対して10~50重量%が好ましい。
また、染料の溶解性、溶解安定性向上、顔料の分散安定性向上、潤滑性向上、塗布跡のカスレ防止、塗布先の乾燥防止、気泡の制御、表面張力の制御、モレ・ボタ落ちの制御などの目的で従来公知の界面活性剤を使用することができ、各種界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤として、ポリカルボン酸型界面活性剤、アルキル硫酸塩の高級脂肪酸アミドのアルキル化スルフォン酸塩、アルキルアリルスルフォン酸塩等、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N-アシルアミノ酸塩、N-アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などが使用できる。なかでもデモールEP、ホモゲノールL-18、ポイズ520、同530(以上、花王(株)製)などのポリカルボン酸型界面活性剤や、デモールN(花王(株)製)などのナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物型界面活性剤などが好ましく使用できる。ノニオン系界面活性剤として、例えば、ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル、多価アルコールの高級脂肪酸エステル及びその誘導体、糖の高級脂肪酸エステル等、具体的には、グリセリンの脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物などが使用でき、なかでもサーフィノールTG、同104E(以上、日信化学工業(株)製)などのアセチレングリコール型活性剤や、ペグノールO-6(東邦化学工業(株)製)、ノイゲンET、ノイゲンP(第一工業製薬(株)製)などのポリオキシエチレンアルキルエーテル型界面活性剤や、ノナール210、同212(以上、東邦化学工業(株)製)などのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型界面活性剤なども好ましく使用でき、特にエマルゲンA-60、同A-90(以上、花王(株)製)などのポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル型界面活性剤やノイゲンPなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル型界面活性剤が塗布液の起泡性が低く、かつ顔料の分散安定性や染料の溶解安定性に優れていることと浸透性が低めであるため色沈みしにくく、かつにじみにくい界面活性剤として好適である。これらの界面活性剤は、単独あるいは複数混合して使用できる。また、顔料を分散する水溶性樹脂分散剤と併用することもでき、その使用量は、水性の塗布液全量に対して0.01重量%以上20重量%以下添加することが好ましい。塗布液の表面張力が15mN/m以上60mN/m以下になるように界面活性剤の種類と量を適宜調節すると吐出安定性が良好になりマーキングペン用インキとしてさらに好ましい。
着色剤を定着させるためや、耐擦過性の向上、コート紙や非吸収面への塗布筆記性の向上、発色性の向上、塗布跡の耐水性の向上のために各種樹脂を使用することもできる。例えば、セラック、スチレン-マレイン酸共重合体及びその塩、スチレン-アクリル酸共重合体及びその塩、α-メチルスチレン-アクリル酸共重合体及びその塩、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン-インデン樹脂、ロジン系樹脂やその水素添加物、ケトン樹脂、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物などが挙げられ、樹脂を水または溶剤に溶解した状態でも、エマルションの状態でも使用できる。
これらの樹脂は、単独或いは複数混合して使用でき、筆記面への定着性を付与するために添加する場合、その使用量は塗布液全量に対し0.1以上10.0重量%以下が好ましく、顔料分散樹脂を定着剤としても兼用することもできる。
水性の塗布液の場合水性組成物としての適切な流動特性を得るために水溶性高分子化合物を用いることができる。例えば、アラビアガム、トラガカントガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、カゼイン、キサンテンガム、デキストラン、ウェランガム、ラムザンガム、アルカガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ヒドロキシプロピ化グァーガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、アクリル樹脂塩、アクリル酸とアルキルメタクリレートの共重合体又はそれらの塩を使用することができ、顔料分散樹脂と兼用とすることもできる。
上記各種樹脂と水溶性高分子化合物、顔料分散剤、界面活性剤の量と種類を適宜調整して、インキ組成物の粘度を25℃において1.0mPa・s以上50mPa・s未満に調整するとマーキングペン用インキとして安定した吐出が得られるため、より鮮明な筆跡が得られ好適である。
黴の発生を防止するために、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン、安息香酸ナトリウム、α-フェニルフェノラート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、モルホリン、モルホリン誘導体、ナトリウムオマジン、オマジン系などの防腐防黴剤を適宜加えることもできる。
塗布液のpHを調整するために、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、アミノメチルプロパンジオールなどの塩基性物質や従来公知の酸性物質を使用することができ、これらの調整剤によりインキ組成物のpHを5.0以上10.0以下に調整することで塗布液の経時安定性や塗布具の防錆性がさらに向上するため好適である。
さらに、尿素、エチレン尿素、チオ尿素、ソルビトール、ソルビタンなどの湿潤剤や染料溶解助剤、ベンゾトリアゾールなどの防錆剤、シリコーン系エマルジョン等の消泡剤、アスコルビン酸、ハイドロキノンスルホン酸塩などの脱気泡剤、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミノ五酢酸(DTPA)、N-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(HEIDA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、カルボキシメチルタルトロン酸(CMT)、カルボキシメチルコハク酸(CMOS)、トリエチレンテトラヘキサ酢酸(TTHA)、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸(HIDA)、及びそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及びアミン塩などの金属イオン封鎖剤といった種々の添加剤を必要に応じて使用することもできる。
水性の塗布液の製造方法としては従来知られている種々の方法が採用できる。例えば、ボールミル、ビーズミル、ロールミル、ヘンシェルミキサー、プロペラ撹拌機、ホモジナイザー、ニーダー等の装置を使用して作ることが出来る。濾過や遠心分離を行い粗大粒子や気体を除いても良い。製造時に加熱や冷却や加圧や減圧や不活性ガス置換をしても良い。動力は電気でも加圧空気でも良い。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、組み合わせて使用しても良い。
特に、塗布液の粘度を25℃において1.0mPa・s以上50mPa・s未満とし、pHが6.0以上10.0以下でありかつ表面張力が20mN/m以上60mN/m以下に調整したインキは本願発明の塗布具に使用すると経時安定性や吐出の安定性から特に好適である。
以下の表にそのほか使用できるインキ組成物の例を示す。
Figure 2022081449000002
Figure 2022081449000003
以降、本発明の一実施例について説明する。
図6は、本発明に係る塗布具の一実施例であるサインペン7の縦断面図である。サインペン7は、ポリプロピレン樹脂製の軸筒8の内部に、塗布液吸蔵体として中綿9を収納している。軸筒8の開口端部に塗布先としてペン先10を配置し、キャップ11で保護している。軸筒8のペン先10側と反対側の開口端部は、有底筒状の尾栓12の筒状部分を挿入し閉栓している。
中綿9は、ポリエステル繊維の収束体の側壁にセルロースをフィルム状にした外皮を巻回した円柱状の部材である。
中綿9には塗布液として筆記具用の水性インキ組成物を含浸させている。その水性インキ組成物の配合及びは以下の通りである。
イオン交換水 63.1重量部
エチレングリコール 15.0重量部
尿素 10.0重量部
ノイゲンP(約25%のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含む水溶液、
第一工業製薬(株)製) 0.2重量部
ソディウム o-フェニルフェノラート 0.2重量部
ベンゾトリアゾール 0.5重量部
WATER BLACK R510(C.I.Acid Black 2、
オリエント化学工業(株)製) 7.5重量部
WATER BLUE 9(C.I.Acid Blue 9、
オリエント化学工業(株)製) 1.0重量部
WATER YELLOW 2(C.I.Food Yellow 3、
オリエント化学工業(株)製) 2.0重量部
WATER VIOLET 7(C.I.Acid Violet 17、
オリエント化学工業(株)製) 0.5重量部
上記配合にて室温でプロペラ攪拌機で3時間攪拌して、粘度3.0mPa・s、
pH9.0、表面張力39.0mN/mの黒色のインキ組成物を得た。
ペン先10は、アクリル繊維の収束体をメラミン樹脂の接着剤で固めた繊維芯である。ペン先10は、軸筒8の開口端部に真鍮製の固定管10aを介して配置され、固定管10aからその先端を露出させ筆記部としている。軸筒8内部にあるペン先10の後端は中綿9に挿入されており、塗布液を導通可能としている。
キャップ11はペン先10を保護するための、ポリプロピレン樹脂からなる有底筒状の部材である。キャップ11の内壁開口部付近には、周方向に一定の間隔で4つの嵌合突起が設けられている。これらの嵌合突起が軸筒8の外壁であって、縮径部8aよりやや尾栓12側に設けた周状突起を乗り越えることで嵌合状態を形成し、キャップ11を軸筒8に取り付けることができる。周状突起の縦断面は、軸方向に沿って略台形となっている。台形の上底に相当する、周状突起の最も外径が大きくなる平面と、台形の脚に相当し、その平面から尾栓12側に向かって徐々に外径が小さくなる面との境界に、金型の合わせ位置であるパーティングラインが位置するようにしている。これにより、嵌合突起と周状突起が互い乗り越える際に、嵌合突起がパーティングラインに触れにくくなり使用者が違和感を覚えることがなく、さらに周状突起の最大外径など嵌合力に影響する設計に対して、より正確な数値での成型が可能となり好ましい。
軸筒8内壁には、中綿9との間に、縮径部8aと非縮径部8bに連通する通気路8cを設けている。通気路8cは空間として通気口8fに連通しており、外気と連通している。通気路8cは一対のリブによって形成しており、中綿9の外壁との間に空間ができることによって、中綿9に含浸させた塗布液の消費に伴い軸筒8の内部と外部とで空気交換が可能となっている。通気路8cの前端は縮径部8aの範囲内に達している。
図7は、図6のE-E’横断面斜視図である。なお、キャップ11は図示していない。
軸筒8内壁には、通気路8cに対する中綿9の侵入防止リブ8dを設けている。侵入防止リブ8dは通気路8cに沿って設けられている。
軸筒8の内壁には、侵入防止リブ8dの他に、軸筒8の内壁から径方向に突出し軸方向に延びるリブ8eを4本形成している。侵入防止リブ8dとリブ8eは6か所で周方向に一定の間隔で設けられている。侵入防止リブ8d及びリブ8eの後端面は通常時において中綿9の前端面と当接しており、重力や塗布時の振動等によって、軸筒8内部で中綿9がペン先10側へ移動してしまうのを防いでいる。
中綿9の前端面が、侵入防止リブ8d及びリブ8eの後端面と当接し、中綿9が軸筒8内で所定の位置に保持されている状態から、サインペン1をペン先10側から落下させてしまう等の不意な衝撃が加わると、中綿9が侵入防止リブ8d及びリブ8eの後端面を乗り越え、所定の位置からペン先10側へ移動したり、中綿9の一部が中綿9の前端面から飛び出し、外皮によって保たれていた中綿9の外径の範囲を超えて広がってしまうことがある。軸筒8内部の、軸方向の少なくとも縮径部8aを設けた範囲内は、ペン先10側に向かって内径が小さくなっていくため、中綿9がペン先10側へ移動するにつれて、中綿9と軸筒8内壁が近づくことになるが、侵入防止リブ8dによって中綿9が通気路8cに侵入するのを防ぐことができる。よって、通気路8cが塞がることがなく、良好な空気交換を維持することができる。
2本の侵入防止リブ8dは、軸心に対して放射状の角度では形成されておらず、互いの側壁が通気路8cを形成している一対のリブに対して略平行に設けられている。これによって、通気路8cを形成している一対のリブの外側にさらに大きな空間を設けることができる。そのため、インキ吸蔵体9が軸方向の縮径部8aを設けた範囲内に侵入してもより容易に良好な空気交換を維持できるだけでなく、ペン先10に導通される前に中綿9に保持されなくなってしまった塗布液を、通気路8cの周方向外側にも一時的に貯留できるため、通気路8cを塗布液が塞ぎにくくなり好ましい。さらに、当該各リブを成形する際に隣り合うリブとの間に十分なスペースが設けられる設計のため、金型が薄くなりすぎず、所謂クラックが生じにくくなり好ましい。
図8は、図6のE-E’横断面矢視図である。
中綿9が軸方向の縮径部8aを設けた範囲内に侵入すると、縮径部8aの径方向において最も大きな空間のある方向へ向かおうとする。中綿9が軸筒8内で保持されている所定の位置からペン先10側にある最も大きな空間は、縮径部8aの横断面の最大の内接円Fを描くことができる方向に形成されている。縮径部8aには侵入防止リブ8dが存在し、侵入防止リブ8dが形成されている位置における横断面の最大内接円Fの半径を、同横断面における軸筒8の軸心Gと侵入防止リブ8dとの距離より長いものとすると、同最大内接円Fの内心Hと軸心Gが重なるような内部構造ではなくなる。これにより中綿9は径方向に偏りを生じながら移動することとなり、軸筒8の内壁との間に空間が生じやすくなるため、より良好な空気交換を維持することができ好ましい。最大内接円Fは2本の侵入防止リブ8dと接点を持つ構造のため、中綿9は、周方向に侵入防止リブ8d間に位置する通気路8cから、径方向に遠ざかる方向に移動することとなり好ましい。
侵入防止リブ8dの径方向を向いた軸方向に延びる部分は平面となっているため、中綿9に対して食い込んだりしにくく、より容易に中綿9の通気路8cに対する侵入を防止することができ好ましい。また、侵入防止リブ8dの後端面と径方向を向いた軸方向に延びる平面との間に、ペン先10側に向かって拡径する傾斜面を設けている。これによって、中綿9が通気路8cから離れる方向により案内されやすくなり好ましい。
1 塗布具
2 軸筒
2a 縮径部
2b 非縮径部
2c 通気路
2d 侵入防止リブ
2e リブ
2f 通気口
3 塗布液吸蔵体
4 塗布先
4a 固定菅
5 キャップ
6 尾栓
7 サインペン
8 軸筒
8a 縮径部
8b 非縮径部
8c 通気路
8d 侵入防止リブ
8e リブ
8f 通気口
9 中綿
10 ペン先
10a 固定菅
11 キャップ
12 尾栓
B 最大内接円
C 軸心
D 内心
F 最大内接円
G 軸心
H 内心

Claims (2)

  1. 塗布先に向かって縮径した縮径部を設けた軸筒の内部に塗布液吸蔵体を収納した塗布具であって、前記軸筒の内壁に縮径部と非縮径部に連通する通気路を軸方向に延在して設けると共に、通気路に対する塗布液吸蔵体の侵入防止リブを縮径部に設けた塗布具。
  2. 前記侵入防止リブが形成されている位置における横断面の最大内接円の半径が、同横断面における軸心と侵入防止リブとの距離より長い請求項1に記載の塗布具。
JP2021186731A 2020-11-19 2021-11-17 塗布具 Active JP7251600B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020192803 2020-11-19
JP2020192803 2020-11-19

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022081449A true JP2022081449A (ja) 2022-05-31
JP7251600B2 JP7251600B2 (ja) 2023-04-04

Family

ID=81799565

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021186731A Active JP7251600B2 (ja) 2020-11-19 2021-11-17 塗布具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7251600B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4217639Y1 (ja) * 1965-02-27 1967-10-12
JPH09323498A (ja) * 1996-06-06 1997-12-16 Zebra Pen Corp 筆記具
JP2008183896A (ja) * 2006-03-09 2008-08-14 Pilot Ink Co Ltd 直液式筆記具

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4217639Y1 (ja) * 1965-02-27 1967-10-12
JPH09323498A (ja) * 1996-06-06 1997-12-16 Zebra Pen Corp 筆記具
JP2008183896A (ja) * 2006-03-09 2008-08-14 Pilot Ink Co Ltd 直液式筆記具

Also Published As

Publication number Publication date
JP7251600B2 (ja) 2023-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6037391A (en) Water based dye ink composition for free ink rollerball pen
WO2011111681A1 (ja) ボールペンチップ、ボールペンリフィル及びボールペン
JP2005220296A (ja) インクジェット用インクとそれを用いたインクジェット記録方法
JP2022107786A (ja) 筆記具
JP2023120452A (ja) 筆記具
JP2006265520A (ja) 直液式筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した直液式筆記具
US7345100B2 (en) Water-based ink composition for ball-point pen
JP2022081449A (ja) 塗布具
JP7219578B2 (ja) 筆記具
JP2004027081A (ja) 中芯式多色マーキングペンとそのためのインク
JP7145605B2 (ja) 筆記具
JP2017214540A (ja) 筆記具用水性インク組成物
JP2008266503A (ja) マーキングペン用水性インキ組成物
EP1457537A1 (en) Aqueous ink composition for ball-point pen
JP4841127B2 (ja) 水性インキ組成物
WO2017204259A1 (ja) 筆記具用水性インク組成物
JPS63243179A (ja) 水性インキ
JP5114948B2 (ja) ボールペン用水性インキ組成物
JP2022012779A (ja) 筆記具
JP4618697B2 (ja) ボールペンリフィール
JP7503456B2 (ja) 筆記具
JP4979182B2 (ja) ミニチュア模型用水性塗装液塗布具セット及びミニチュア模型用水性塗装液描線の調整方法
JP7441762B2 (ja) 筆記具
WO2024048331A1 (ja) 多芯筆記具
JP2000072995A (ja) 筆記具用インキ組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230306

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7251600

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150