JP2022076956A - リチウムイオン二次電池及びその負極材料 - Google Patents

リチウムイオン二次電池及びその負極材料 Download PDF

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章 平川
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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池の負極材料を提供する。【解決手段】リチウムイオン二次電池の負極材料は、ケイ素粒子を含む負極活物質と、黒鉛を機械的な粉砕処理により剥離して作製された薄層黒鉛シートであって、その結晶面におけるc面/a面の面積比が2倍以上の前記薄層黒鉛シートを含む導電助剤とを備え、薄層黒鉛シートは、ケイ素粒子間にまたがってケイ素粒子と接触して配置され、且つ薄層黒鉛シートは互いに間隔をあけて分散して配置される。薄層黒鉛シートの結晶軸におけるc面の大きさは、ケイ素粒子の平均粒径の1~1.5倍の長さを有する。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和2年7月16日にhttps://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2020a/sessions/classlist/17-2 および https://confit.atlas.jp/guide/event/jsap2020a/subject/9p-Z29-11/classlist にて発表。 (2)令和2年8月26日に第81回応用物理学会秋季学術講演会講演予稿集 15-035頁にて発表。 (3)令和2年9月9日に第81回応用物理学会秋季学術講演会(オンライン開催)にて発表。
本発明は、リチウムイオン二次電池、及びリチウムイオン二次電池の負極材料に関する。
現在、リチウムイオン二次電池の負極活物質には、それ自体が比較的導電性の高い黒鉛が使われているため、導電性を補助するための導電助剤としてアセチレンブラックやケッチェンブラック(登録商標)等の導電性カーボンが使用されている。
一方、次世代リチウムイオン二次電池の候補として、負極活物質に黒鉛の代わりケイ素(シリコン)を用いることが提案されている(特許文献1、2)。ケイ素は天然に豊富に存在し、ケイ素の理論容量(4,200mAh/g)が黒鉛の理論容量(370mAh/g)の10倍以上もあることから高容量化も期待されている。しかしながら、バルクの電気抵抗は、ケイ素(3.97×103Ωm)に対し、黒鉛(1.64×10-5Ωm)と108倍の違いがあり、ケイ素の負極材料として用いるためには、大量の導電助剤が必要となることが予想されている。負極活物質をケイ素とする場合、導電助剤として導電性カーボンを使用すると、黒鉛の場合と比較して大量の導電性カーボンが必要となり、電池容量の低下を招くとともに、導電性カーボンに含まれる不純物に起因する導電性の劣化も懸念される。
特開2020-74295号公報 特開2015-118924号公報 特開2020-75201号公報 特開2020-16284号公報
本願発明者は、黒鉛のような積層状物質を機械的に粉砕剥離し薄片化する薄片製造方法を開発するとともに(特許文献3、4)、ケイ素を負極活物質とするリチウムイオン二次電池において、機械剥離によって作製された薄層黒鉛シートを導電助剤として用いる新規な負極材料を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、機械剥離によって作製された薄層黒鉛シートを導電助剤として用いて導電性の劣化を抑制することができる新たな負極材料の開発に成功し、本発明を完成するに至った。
そこで、本発明の目的は、リチウムイオン二次電池に用いる新規の負極材料を提供することにある。また、本発明の目的は、特にケイ素(シリコン)を負極活物質とするリチウムイオン二次電池の負極材料において、導電性に優れた導電助剤を用いた負極材料及びそれを含むリチウムイオン二次電池を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のリチウムイオン二次電池の負極材料は、ケイ素粒子を含む負極活物質と、黒鉛を機械的な粉砕処理により剥離して作製された薄層黒鉛シートであって、その結晶面におけるc面/a面の面積比が2倍以上の前記薄層黒鉛シートを含む導電助剤とを備え、薄層黒鉛シートは、ケイ素粒子間にまたがってケイ素粒子と接触して配置され、且つ薄層黒鉛シートは互いに間隔をあけて分散して配置されることを特徴とする。
好ましくは、薄層黒鉛シートの結晶面におけるc面の大きさは、ケイ素粒子の平均粒径の1~1.5倍の長さを有する。
球体容器内に、ボールと黒鉛とを入れ、回転ボールミル装置を用い、第1軸周り及び第1軸の軸心方向とは垂直方向に軸心方向を有する第2軸周りに球体容器を二軸回転させ、黒鉛を粉砕して剥離することにより薄層黒鉛シートが作製される。
本発明のリチウムイオン電池は、正極と負極とを有し、その負極は、ケイ素粒子を含む負極活物質と、黒鉛を機械的に粉砕処理することにより黒鉛から剥離された薄層黒鉛シートを含む導電助剤とを備えることを特徴とする。
本発明により、高い導電性を確保したリチウムイオン二次電池の負極材料が実現される。黒鉛を機械的粉砕処理により剥離して作製された薄層黒鉛シートであって、その結晶面におけるc面/a面の面積比が2倍以上の薄層黒鉛シートを負極の導電助剤として用いることで、薄層黒鉛シートがケイ素粒子間にまたがるようにケイ素粒子と接触して配置され且つ薄層黒鉛シートは互いに間隔をあけて分散して配置され、これにより、ケイ素を負極活物質として採用した負極の導電性を向上させるとともに、充放電時の負極の膨張・収縮を抑制し、さらにそれによる導電パスの変化を抑制し、また、不純物由来の副生成物の反応を抑制する作用も奏する。
本発明の実施の形態におけるリチウムイオン二次電池の負極の構造モデルを示す図である。 黒鉛の結晶構造を示す図である。 黒鉛を機械的に粉砕処理するのに用いる回転ボールミル装置の構成を示す図である。 装置本体の斜視図である。 容器保持構造の概略斜視図である。 回転ボールミル装置で作製された薄層黒鉛シートを示すSEM写真である。 電極サンプルにおける薄層黒鉛シートの分布を示す画像である。 コイン電池の交流インピーダンス評価結果を示す図である。 試作したコイン電池の充放電サイクル特性を示す図である。 充放電サイクル特性の評価後の負極電極を新たにコイン電池に組み込んだコイン電池の交流インピーダンスの評価結果を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の実施の形態について、具体的な図に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態におけるリチウムイオン二次電池の負極の構造モデルを示す図である。リチウムイオン二次電池の負極は、集電体100と、その上に設けられる負極活物質の層を形成するケイ素粒子200と、ケイ素粒子200間にまたがって配置される導電助剤300とを備えて構成される。導電助剤300は、互いに間隔をあけて分散して配置される。
集電体100は例えば銅箔で構成されるが、他の導電性の高い金属で形成することも可能である。負極活物質は、本実施の形態では、ケイ素(シリコン:Si)粒子200である。ケイ素の理論容量は4,200mAh/gであり、従来より負極活物質として採用されている黒鉛の理論容量370mAh/gの10倍以上もあり、リチウムイオン二次電池の電極として用いる場合の高容量化が期待されている。一方、ケイ素の電気抵抗は3.97×103Ωmに対し、黒鉛の電気抵抗は1.64×10-5Ωmとケイ素の108倍の違いがあり、ケイ素を負極電極として利用するために、本発明では、高い導電性を確保することができる導電助剤を用いることが提案される。
本実施の形態における導電助剤300は、黒鉛を機械的に粉砕処理することにより黒鉛から剥離されて作製された薄層黒鉛シートが用いられる。この機械剥離により生成される薄層黒鉛シートは、負極活物質であるケイ素粒子200にまたがるように配置されて構成することにより、負極の導電性を向上させるとともに、充放電時の負極の膨張・収縮を抑制し、さらにそれによる導電パスの変化を抑制し、また、不純物由来の副生成物の反応を抑制する作用も奏する。また、薄層黒鉛シートは、互いに間隔をあけて分散して配置される。これにより、リチウムイオンは、薄層黒鉛シート間の隙間を移動可能となり、リチウムイオンの移動は阻害されず、高い導電性を維持できる。
薄層黒鉛シート(又は黒鉛)は、共有結合された炭素原子からなる蜂の巣のような六角形格子構造を形成する箔状の単層黒鉛が層状に積層された構造を有する。
図2は、薄層黒鉛シート(又は黒鉛)の結晶構造を示す図である。薄層黒鉛シートは、単層黒鉛が積層した層状物質であり、薄層黒鉛シートの面内(c面)は強い共有結合で炭素間がつながっているが、層と層の間(a面)は比較的弱いファンデルワールス力で結合しており、導電性についても、面(c面)内の電気抵抗は1.64×10-7Ωm、層間(a面)の電気抵抗は2.0×10-3Ωmであり、リチウムイオン二次電池の負極において、薄層黒鉛シートのc面が、シリコン粒子200に接触し、ケイ素粒子200間にまたがるようにして配置され且つ薄層黒鉛シートが互いに間隔をあけて分散配置されることで、高い導電性を確保できる。後述するように、本発明における薄層黒鉛シートの平面サイズ(c面)の長さ寸法は、負極活物質であるケイ素粒子の粒径のおおよそ1~1.5倍の範囲内であることが好ましい。
本実施の形態では、回転ボールミル装置を用いて黒鉛を機械的に粉砕処理することにより黒鉛から剥離された薄層黒鉛シートを生成する。
図3は、黒鉛を機械的に粉砕処理するのに用いる回転ボールミル装置の構成を示す図であり、図3(a)は斜視図、図3(b)は断面図である。回転ボールミル装置は、装置本体と筺体と回転駆動装置であるモータ1,4と支持盤とから構成される。図4は、装置本体の斜視図である。
装置本体は、第1水平軸2と、外側回転枠3と、第2水平軸5と、主動円板6と、直交軸7と、内側回転枠8と、従動円板9と、非接触伝達機構10と、制御装置30とを備える。
電動モータ1の出力軸はプーリを介して第1水平軸2に結合されている。また、第1水平軸2は、外側回転枠3に結合されている。すなわち、電動モータ1の駆動により、外側回転枠3は第1水平軸2回り(軸心X-Xラインの回り)で回転する。
電動モータ4の出力軸はプーリを介して第2水平軸5に結合されている。第2水平軸5は、第1水平軸2と反対側に設けられ、外側回転枠3の一側面を貫通する。第2水平軸5と外側回転枠3との間には、ボールベアリングが設けられている。また、第2水平軸5は、主動円板6に結合されている。主動円板6は第2水平軸5に垂直な方向に板面を有する。
すなわち、電動モータ4の駆動により、主動円板6は第2水平軸5回り(X-Xラインの回り)で回転する。一方で、第2水平軸5は外側回転枠3と縁がきれているため、電動モータ4の駆動力は外側回転枠3に直接伝達されない。
直交軸7、7は外側回転枠3に設けられる。直交軸7、7と外側回転枠3との間には、ボールベアリングが設けられている。直交軸7、7は、第1水平軸2および第2水平軸5の軸芯方向とは直交方向に軸芯方向を有する。また、直交軸7、7は、内側回転枠8に結合されている。
すなわち、内側回転枠8は外側回転枠3の内側に配置され、外側回転枠3内において直交軸7回り(Z-Zライン)に回転自在となっている。
さらに、直交軸7は、従動円板9に結合されている。すなわち、従動円板9の直交軸7回りの回転に伴い、内側回転枠8も直交軸7回り(Z-Zライン)で回転する。なお、内側回転枠8および従動円板9が直交軸7回りで回転しても、この回転力は外側回転枠3に直接伝達されない。
非接触伝達機構10は、主動円板6の周端面が従動円板9の板面外周部に対向した状態で、主動円板6の回転力を従動円板9に伝達する。
図5は、容器保持構造の概略斜視図である。球体容器22は、容器保持板21,21を介して内側回転枠8の内部に設けられている。球体容器22の中心は、回転装置の回転中心(すなわちX-XラインとZ-Zラインとの交点)と一致する。
容器保持板21には球体容器22サイズに対応する開口が設けられている。2枚の容器保持板21により球体容器22を挟み込み、容器保持板21を内側回転枠8に取付ける。これにより、球体容器22が保持される。
回転ボールミル装置のさらなる詳細は、例えば、特開2020-16284号公報に開示されている。
制御装置30は、電動モータ1および電動モータ4の出力を個別に制御可能である。
電動モータ1を駆動させると、第1水平軸2を介して、外側回転枠3はX-Xラインの回りで回転する。
外側回転枠3の回転に伴い、外側回転枠3に設けられた直交軸7、7もX-Xラインの回りで回転する。さらに直交軸7、7を介して内側回転枠8および従動円板9も、同様に、X-Xラインの回りで回転する。
電動モータ4を駆動させると、第2水平軸5を介して、主動円板6はX-Xラインの回りで回転する。
主動円板6と従動円板9は個別にX-Xラインの回りで回転し、回転速度差が発生する。X-Xラインの回りの回転速度差は非接触伝達機構10を介して従動円板9に伝達され、従動円板9が直交軸7の回り(Z-Zラインの回り)で回転し、内側回転枠8もZ-Zラインの回りで回転する。
すなわち、内側回転枠8および球体容器22は、X-Xラインの回りで回転するとともに、Z-Zラインの回りでも回転する。言い換えると、2軸回転(3次元回転)する。
このような回転ボールミル装置により純度の高い黒鉛を機械的に粉砕処理することにより、導電性の高い薄層黒鉛シートを大量且つ効率よく作製することができる。
回転ボールミル装置を用いた薄層黒鉛シートの作製方法のさらなる詳細は、例えば、特開2020-75201号公報に開示されている。
なお、機械的に剥離された薄層黒鉛シートは、不純物がその原料の黒鉛粉末と同等に少なく、不純物の影響がほとんどない。一方、機械的な剥離処理により作製されたものではない薄層黒鉛シート、例えば酸化黒鉛を還元処理して得られる薄層黒鉛シートのような化学的処理により作製された薄層黒鉛シートは、黒鉛の二重結合が切れて、酸素など他の物質を含むなどの構造欠陥を有し、純粋な黒鉛とは異なり、リチウムイオン二次電池の導電助剤として用いる場合において、導電性などさまざまな特性において、機械的に剥離された薄層黒鉛シートと異なる物質と考えられる。
図6は、回転ボールミル装置で作製された薄層黒鉛シートを示すSEM写真である。図6(a)に示す粉砕処理前の黒鉛粉末を回転ボールミル装置による粉砕処理により、図6(b)に示す機械剥離された薄層黒鉛シートが作製される。本発明において、回転ボールミル装置により作製された薄層黒鉛シートは、平面(c面)サイズ(長さ寸法)が2.5μm~10μm程度、また、その厚さが数nm~10nm程度であり、その結晶面におけるc面/a面の面積比が2倍以上のものである。
<実施例>
回転ボールミル装置を用いて黒鉛から機械的粉砕処理により剥離された薄層黒鉛シートを作製し、この薄層黒鉛シートを導電助剤として含む負極及びこの負極を有するリチウムイオン二次電池を試作した。
(1)薄層黒鉛シートの作製と分散
上記した回転ボールミル装置(TDMM-X、株式会社亀山鉄工所製)を用いて黒鉛から薄層黒鉛シートを作製した。回転ボールミル装置のステンレス製球体容器に黒鉛の微粉末(伊藤黒鉛工業(株)製)、純水、ステンレス製ボールを添加した。回転ボールミル装置の第1軸周り及びそれに垂直な第2軸周りに球体容器を二軸回転させる。球体容器の回転数を1~300rpmの間で任意に変化させ、さらに反転を繰り返すことにより、黒鉛から剥離した薄層黒鉛シートを作製する。作製した薄層黒鉛シート含有水溶液中の水を有機溶媒(N-メチル-2-ピロリドン、以下NMPと称する)に置換した後、粉末ケイ素(シリコン)とバインダーを混合して負極材料となる塗料を作製した。
(2)電極の作製
ポリプロピレン製の容器に薄層黒鉛シートの溶液をNMPと混合し、ホモジナイザとジェットミルを用いて粉砕物を分散させた。この分散液に粉末ケイ素(株式会社高純度化学研究所製)を添加し、ヘラで撹拌する。手動撹拌後、ポリアミドイミド系バインダー溶剤(UワニスA、宇部興産(株)製)及び更に粘度調整用NMPを添加し、遊星型延伸ミキサ(THINKI(株)製)で混練を繰り返し、塗料を調整した。調整した塗料を厚さ50mmの銅箔上に塗布し、乾燥後、直径14mmに打ち抜き、管状炉で真空焼成した(650℃、3時間)。電極材料の組成が表1に示される。
Figure 2022076956000002
作製した負極の表面形態及び分散状態の評価は、電解電子放出型電子顕微鏡(FE-SEM、日立ハイテクノロジーズ社製)及びエネルギー分散型X線分光器(EDX、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、電極中の粉末ケイ素及び導電助剤の分散状態を観察した。
(3)電池試作
充放電試験は、ステンレス製容器にスペーサとバネを挿入した2032型コイン電池を用いて行った。コイン電池の正極には直径14mmに打ち抜いた金属リチウム箔を使用し、負極には本実施例で試作した電極を使用した。さらに、正極と負極が物理的に接触しないようにポリプロピレン製のセパレータ(セルガード)を使用した。これらの積層体を、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)を2:5:2:1v/v%の体積比で混合した溶液に1molのLiPF6塩を含む電解液に浸漬した。露点が-40℃以下になるようにアルゴンガスを循環させたグローブボックス内でコイン電池を組立てた。
(4)交流インピーダンス測定と充放電試験
交流インピーダンス測定は、周波数応答アナライザ(R600+、GARMY製)を用いて行った。コイン電池の測定は、0.1-1MHzの周波数域且つ10mVの振幅で走査して行った。
また、充放電試験は、充放電試験機(HJ1001SDS、北斗電工(株)製)を用いて、遮断電圧0.02-3.5Vの条件で行った。定電流-定電圧(CCCV)の条件で、満充電、満放電(充電、放電深さがともに100%)を繰り返した。充放電の間には10分間の休息時間を設けた。24℃の恒温槽中で0.3Cのレート特性且つ30サイクルの充放電繰り返し評価を行った。
(5)結果
図7は、電極サンプルにおける薄層黒鉛シートの分布を示す画像であり、図7(a)は、薄層黒鉛シート、粉末ケイ素及びバインダーを混練して形成した電極サンプルのSEM写真であり、図7(b)は、図7(a)の状態に対応するEDXより得られた薄層黒鉛シートの分布を表す画像である。図7(a)に示される点線囲み部分が薄層黒鉛シートの存在を示し、図7(b)の薄色部分が、図7(a)の画像に対応する薄層黒鉛シートの分布を示す。図7から、薄層黒鉛シートと粉末ケイ素が分散して接触し、薄層黒鉛シートが粉末ケイ素間にまたがって面接触していることが確認できる。また、薄層黒鉛シート同士は互いに間隔をあけて分散して配置されている。試作に用いた粉末ケイ素の平均粒径はおおよそ5μmであり、薄層黒鉛シートの平面サイズ(c面)の長さ寸法は、ケイ素の粒径のおおよそ1~1.5倍の範囲内である。
図8は、コイン電池の交流インピーダンス評価結果を示す図である。図の半円弧が抵抗値の大きさを示し、図8(a)は、薄層黒鉛シートを用いた負極を有するコイン電池の交流インピーダンスであり、その抵抗値はおおよそ6,000Ω付近である。また、図8(b)は、薄層黒鉛シートを添加しない粉末ケイ素単体の比較例の交流インピーダンスの測定結果であり、その値はおおよそ52,000Ωであり、これと比較すると、試作したコイン電池の負極の交流インピーダンスは1/9程度に小さい。図8(c)は、図8(a)と図8(b)のグラフを同一座標上で表し、モデル化した図である。
図9は、試作したコイン電池の充放電サイクル特性を示す図である。導電助剤として、薄層黒鉛シート(黒鉛を機械的粉砕処理して剥離された薄層黒鉛シート)、導電性カーボン(ケッチェンブラック(登録商標))、黒鉛(機械的粉砕処理されていないもの)を用いたものが比較される。初期充放電におけるクーロン効率は、薄層黒鉛シートが82%、導電性カーボンが84%、黒鉛が79%であり、粉末ケイ素が負極活物質として機能することが確認できた。
コイン電池に流す電流値を0.01mA(0.3Cレート)とし、サイクル特性を評価した。0.3Cレートでは、30サイクルの電池容量は、薄層黒鉛シートが1500mAh/g、導電性カーボンが460mAh/g、黒鉛が200mAh/gであった。サイクル特性は劣化する傾向にあるが、薄層黒鉛シートは、導電性カーボン及び黒鉛と比較して、その勾配は急激に低下せず比較的小さいものと評価できる。
図10は、充放電サイクル特性の評価後の負極電極を新たにコイン電池に組み込んだコイン電池の交流インピーダンスの評価結果を示す図である。導電助剤として、薄層黒鉛シート(黒鉛を機械的粉砕処理して剥離された薄層黒鉛シート)、導電性カーボン(ケッチェンブラック(登録商標))、黒鉛(機械的粉砕処理されていないもの)を用いたものが比較される。白抜きプロットは充放電30回繰り返した負極の抵抗値を示し、塗りつぶしプロットは充放電サイクル特性評価前の交流インピーダンスの値(図8のデータと同じ)を示す。導電性カーボン及び黒鉛については、充放電を30回繰り返した後の交流インピーダンスが、充放電前の交流インピーダンスから顕著に大きくなったが、薄層黒鉛シートについては、充放電を30回繰り返した後の交流インピーダンスが、充放電前の交流インピーダンスとほぼ変わらない結果が確認された。
充放電時のリチウムイオンのケイ素への挿入・脱離によるケイ素の急激な体積膨張・収縮による電極の体積変化は、充放電サイクル特性の急激な劣化の主因であるが、電極の体積変化によっても、薄層黒鉛シートが負極活物質であるケイ素にまたがって接触したままであり、すなわち、薄層黒鉛シートはケイ素の急激な体積変化にも追随して物理的接触を保ち、さらに、薄層黒鉛シート同士が互いに間隔をあけて配置されていることにより、高い導電性が維持されているものと推測される。これは、多少のばらつきはあるものの、機械的粉砕処理による作製された薄層黒鉛シートの平面(c面)サイズが、ケイ素の粒径の1~1.5倍程度の大きさに揃っていることが要因の一つと考えられるが、さらなる負極表面のメカニズムの解析、特性の分析を進めていくことが予定されている。
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
100:集電体、200:ケイ素粒子、300:導電助剤(薄層黒鉛シート)

Claims (4)

  1. リチウムイオン二次電池の負極に用いられる負極材料であって、
    ケイ素粒子を含む負極活物質と、
    黒鉛を機械的な粉砕処理により剥離して作製された薄層黒鉛シートであって、その結晶面におけるc面/a面の面積比が2倍以上の前記薄層黒鉛シートを含む導電助剤とを備え、
    前記薄層黒鉛シートは、前記ケイ素粒子間にまたがって前記ケイ素粒子と接触して配置され、且つ前記薄層黒鉛シートは互いに間隔をあけて分散して配置されることを特徴とする負極材料。
  2. 前記薄層黒鉛シートの結晶面におけるc面の大きさは、前記ケイ素粒子の平均粒径の1~1.5倍の長さを有することを特徴とする請求項1に記載の負極材料。
  3. 球体容器内に、ボールと黒鉛とを入れ、回転ボールミル装置を用い、第1軸周り及び前記第1軸の軸心方向とは垂直方向に軸心方向を有する第2軸周りに前記球体容器を二軸回転させ、前記黒鉛を粉砕して剥離することにより前記薄層黒鉛シートが作製されることを特徴とする請求項1又は2に記載の負極材料。
  4. 正極と負極とを有するリチウムイオン二次電池であって、
    前記負極は、請求項1乃至3のいずれかに記載の負極材料を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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Citations (4)

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