JP2022072267A - 偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐湿熱性を有する偏光板であって、偏光板と板状の光学要素との積層体において、長時間加熱後における反り量が低減されている、偏光板を提供する。【解決手段】保護フィルム(A)110と、偏光子120と、保護フィルム(B)130とをこの順で含み、保護フィルム(A)が、環状オレフィン系重合体を含み、条件(a):0≦Rab≦0.15%かつ0≦Rtr≦0.15%、及び条件(b):|Rtr-Rab|≦0.08%を満たし、Rabは、保護フィルム(A)を85℃の環境中に500時間置いたときの、前記偏光子の吸収軸と平行な方向における寸法変化率(%)、Rtrは、偏光子の吸収軸と垂直な方向における保護フィルム(A)の寸法変化率(%)を表し、保護フィルム(B)は、JIS Z0208に従い25℃及び90%RHの条件で測定された透湿度が、20g/m2・24hr以下である、偏光板。【選択図】図1

Description

本発明は、偏光板及び液晶表示装置に関する。
液晶表示装置を構成する光学要素の一つとして、偏光子が挙げられる。偏光子を紫外線、水分などから保護するために、偏光子の少なくとも一方の面に、樹脂からなる保護フィルムが設けられる場合がある(特許文献1、2)。
特開2020-091494号公報 特開2009-205135号公報
偏光子と保護フィルムとを含む偏光板と、液晶パネルなどの板状の光学要素との積層体は、長時間加熱されると、反りを生じることがある。また、空気中に存在する湿気により偏光子が劣化して、偏光板の品質が低下することがある。積層体の反り、偏光板の品質低下といった変化は、例えば偏光板を用いた液晶表示装置において、画質の低下を生じさせうる。
したがって、耐湿熱性を有する偏光板であって、偏光板と板状の光学要素との積層体において、長時間加熱後における反り量が低減されている、偏光板;それを含む液晶表示装置;が求められる。
本発明者は、前記課題を解決するべく、鋭意検討した結果、偏光子及び特定の保護フィルムを含む偏光板により、前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下を提供する。
[1] 保護フィルム(A)と、偏光子と、保護フィルム(B)とをこの順で含み、
前記保護フィルム(A)が、環状オレフィン系重合体を含み、
前記保護フィルム(A)が、下記条件(a)及び(b)を満たし:
0≦Rab≦0.15% かつ 0≦Rtr≦0.15% (a)
|Rtr-Rab|≦0.08% (b)
(前記条件(a)及び(b)において、
abは、前記保護フィルム(A)を85℃の環境中に500時間置いたときの、前記保護フィルム(A)の面内方向であって前記偏光子の吸収軸と平行な方向における前記保護フィルム(A)の寸法変化率(%)を表し、
trは、前記保護フィルム(A)を85℃の環境中に500時間置いたときの、前記保護フィルム(A)の面内方向であって前記偏光子の吸収軸と垂直な方向における前記保護フィルム(A)の寸法変化率(%)を表す。)、
前記保護フィルム(B)は、JIS Z0208に従い25℃及び90%RHの条件で測定された透湿度が、20g/m・24hr以下である、偏光板。
[2] 前記保護フィルム(A)に含まれる環状オレフィン系重合体のガラス転移温度TgAが、130℃以上である、[1]に記載の偏光板。
[3] 前記保護フィルム(A)は、JIS Z0208に従い25℃及び90%RHの条件で測定された透湿度が、10g/m・24hr以下である、[1]又は[2]に記載の偏光板。
[4] 前記保護フィルム(A)の厚みが、20μm以上50μm以下である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の偏光板。
[5] 前記保護フィルム(A)の測定波長590nmにおける面内レターデーションReAが、10nm以下である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の偏光板。
[6] 前記保護フィルム(B)の測定波長590nmにおける面内レターデーションReBが、40nm以上80nm以下である、[1]~[5]のいずれか一項に記載の偏光板。
[7] [1]~[6]のいずれか一項に記載の偏光板と、液晶パネルとを含み、
前記液晶パネルと前記偏光子との間に、前記保護フィルム(B)が配置されている、液晶表示装置。
本発明によれば、耐湿熱性を有する偏光板であって、偏光板と板状の光学要素との積層体において、長時間加熱後における反り量が低減されている、偏光板;それを含む液晶表示装置;を提供できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る偏光板を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る偏光板を模式的に示す分解斜視図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置を模式的に示す断面図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、フィルム又は層の面内レターデーションReは、別に断らない限り、Re=(nx-ny)×dで表される値である。ここで、nxは、フィルム又は層の厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表す。nyは、フィルム又は層の前記面内方向であってnxの方向に直交する方向の屈折率を表す。dは、フィルム又は層の厚みを表す。測定波長は、別に断らない限り、590nmである。
以下の説明において、要素の方向が「平行」、「垂直」及び「直交」とは、別に断らない限り、本発明の効果を損ねない範囲内、例えば±3°、±2°又は±1°の範囲内での誤差を含んでいてもよい。
フィルム又は層の搬送方向(MD)は、通常長尺であるフィルム又は層の長手方向と一致する。
フィルム又は層の幅方向(TD)は、通常搬送方向と直交する方向であり、通常長尺であるフィルム又は層の短手方向と一致する。
以下の説明において、「長尺」のフィルムとは、幅に対して、5倍以上の長さを有するフィルムをいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻き取られて保管又は運搬される程度の長さを有するフィルムをいう。フィルムの長さの上限は、特に制限は無く、例えば、幅に対して10万倍以下としうる。
[1.偏光板]
本発明の一実施形態に係る偏光板は、保護フィルム(A)と、偏光子と、保護フィルム(B)とをこの順で含む。
図1は、本発明の一実施形態に係る偏光板を模式的に示す断面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る偏光板を模式的に示す分解斜視図である。
偏光板100は、保護フィルム(A)としての保護フィルム110と、偏光子120と、保護フィルム(B)としての保護フィルム130とをこの順で備える。本実施形態では、保護フィルム110と偏光子120とが、直接しており、保護フィルム130と偏光子120とが、直接している。別の実施形態では、保護フィルム110と偏光子120とが、接着剤層を介して積層されていてもよい。また別の実施形態では、保護フィルム130と偏光子120とが、接着剤層を介して積層されていてもよい。
偏光板100は長尺であってもよく、枚葉の形態であってもよい。
偏光子120は、直線偏光子であり、図2に示すとおり、本実施形態では、偏光子120の吸収軸Aaは、偏光板100の長手方向と平行である。偏光子120の透過軸Atは、偏光板100の厚み方向から見て、吸収軸Aaに垂直であり、偏光板100の長手方向と垂直である。
方向Daは、保護フィルム(A)としての保護フィルム110の面内方向であって、偏光子120の吸収軸Aaと平行な方向である。方向Dtは、保護フィルム(A)としての保護フィルム110の面内方向であって、偏光板100の厚み方向から見て、偏光子120の吸収軸Aaと垂直な方向である。したがって、偏光板100の厚み方向から見て、保護フィルム110の面内における方向Daは、偏光板100の長手方向と平行であり、保護フィルム110の面内における方向Dtは、偏光板100の長手方向と垂直な方向である。
[1.1.保護フィルム(A)]
(加熱試験における寸法変化率)
保護フィルム(A)は、通常、加熱試験後の寸法変化率が、下記条件(a)及び(b)を満たすフィルムである。加熱試験は、保護フィルム(A)を単独で85℃の環境中に500時間置く条件で行われる。以下、本条件における加熱試験を、単に加熱試験ともいう。
0≦Rab≦0.15% かつ 0≦Rtr≦0.15% (a)
|Rtr-Rab|≦0.08% (b)
ここで、Rabは、前記保護フィルム(A)を85℃の環境中に500時間置いたときの、前記保護フィルム(A)の面内方向であって前記偏光子の吸収軸と平行な方向における前記保護フィルム(A)の寸法変化率(%)を表し、Rtrは、前記保護フィルム(A)を85℃の環境中に500時間置いたときの、前記保護フィルム(A)の面内方向であって前記偏光子の吸収軸と垂直な方向における前記保護フィルム(A)の寸法変化率(%)を表す。
加熱試験後の寸法変化率(%)は、下記に従い算出される。
85℃の環境中に置く前の、保護フィルム(A)の所定の方向における寸法をL0とし、85℃の環境中に500時間置いた後の、保護フィルムの所定の方向における寸法をL500とすると、所定の方向における保護フィルム(A)の寸法変化率R(%)は、下記の式に従い算出される。加熱試験により保護フィルム(A)が収縮した場合に、寸法変化率Rは正の値となる。
R(%)=(L0-L500)/L0×100
本実施形態においては、保護フィルム(A)としての保護フィルム110の面内における方向Daにおける加熱試験後の寸法変化率が、寸法変化率Rabに相当し、保護フィルム110の面内における方向Dtにおける加熱試験後の寸法変化率が、寸法変化率Rtrに相当する。
寸法変化率が、前記条件(a)及び(b)を満たすことによって、偏光板を液晶パネルなどの板状物と積層した場合の、板状物の反りを低減できる。
条件(a)において、Rabの値は、好ましくは0.10%以下であり、通常0.00%以上であり、0.00%であってもよい。またRtrの値は、好ましくは0.10%以下であり、通常0.00%以上であり、0.00%であってもよい。
条件(b)において、|Rtr-Rab|の値は、好ましくは0.05%以下であり、通常0.00%以上であり、0.00%以上であってもよい。
前記の条件(a)及び(b)を満たす保護フィルム(A)は、例えば、保護フィルム(A)を環状オレフィン系重合体を含む樹脂から製造する際の条件を調整することにより、製造されうる。
例えば、溶融押出法により環状オレフィン系重合体を含む樹脂をフィルム状に成形する際の条件を、下記のように調整することにより、保護フィルム(A)を条件(a)及び(b)を満たすフィルムとしうる。
冷却ドラムの温度は、好ましくは(Tg-30℃)以上、より好ましくは(Tg-25℃)以上であり、好ましくは(Tg-10℃)以下、より好ましくは(Tg-15℃)以下である。ここで、Tgは、樹脂に含まれる環状オレフィン系重合体のガラス転移温度である。フィルムを形成する樹脂に、複数種の環状オレフィン系重合体が含まれている場合は、複数種の環状オレフィン系重合体のうち、最も含有割合の多い環状オレフィン系重合体のガラス転移温度である。
これにより、製造されるフィルムに残留するひずみを低減して、保護フィルム(A)を加熱した際の寸法変化率を、小さくでき、ひいては保護フィルム(A)が条件(a)及び条件(b)を満たしうる。
ダイリップの開度の、製造されるフィルムの厚みに対する倍率(引き落とし倍率)は、小さいことが好ましく、引き落とし倍率をより小さくすることにより、製造されるフィルムに残留するひずみを低減して、保護フィルム(A)を加熱した際の寸法変化率を、小さくでき、ひいては保護フィルム(A)が条件(a)及び条件(b)を満たしうる。
フィルムの引き取り張力は、小さいことが好ましく、引き取り張力をより小さくすることにより、製造されるフィルムに残留するひずみを低減して、保護フィルム(A)を加熱した際の寸法変化率を、小さくでき、ひいては保護フィルム(A)が条件(a)及び条件(b)を満たしうる。
(保護フィルム(A)の構成)
保護フィルム(A)は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
また、保護フィルム(A)は、その表面に、コロナ処理などの表面処理が施されていてもよい。
保護フィルム(A)は、通常環状オレフィン系重合体を含む。通常、保護フィルム(A)は、環状オレフィン系重合体を含む樹脂により形成される。ここで、環状オレフィン系重合体とは、環状オレフィン又はその誘導体を重合して得られる構成単位を含む重合体、及びその水素化物を意味する。以下、環状オレフィン又はその誘導体を重合して得られる構成単位を、環状オレフィン系単位ともいう。環状オレフィンの誘導体の例としては、環に置換基を有するものが挙げられる。
保護フィルム(A)は、環状オレフィン系重合体を1種単独で含んでいてもよく、2種以上の組み合わせで含んでいてもよい。
環状オレフィンは、単環であってもよく、多環であってもよい。
環状オレフィン系単位を構成する炭素原子数は、好ましくは4個以上、より好ましくは5個以上であり、好ましくは30個以下、より好ましくは20個以下、特に好ましくは15個以下の範囲である。環状オレフィン系単位を構成する炭素原子数をこの範囲にすることにより、環状オレフィン系重合体を含む樹脂の機械的強度、耐熱性及び成形性が高度にバランスされる。
環状オレフィン系重合体において、環状オレフィン系単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択しうる。環状オレフィン系重合体における環状オレフィン系単位の割合は、好ましくは55重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上であり、100重量%以下としうる。環状オレフィン系重合体における環状オレフィン系単位の割合がこの範囲にあると、環状オレフィン系重合体を含む樹脂の透明性及び耐熱性が良好となる。
環状オレフィン系重合体の例としては、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、及びこれらの水素化物が挙げられる。これらの中でも、透明性及び成形性が良好であるので、ノルボルネン系重合体が好ましい。
ノルボルネン系重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体及びその水素化物;ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体及びその水素化物が挙げられる。また、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する1種類の単量体の開環単独重合体、ノルボルネン構造を有する2種類以上の単量体の開環共重合体、並びに、ノルボルネン構造を有する単量体及びこれと共重合しうる任意の単量体の開環共重合体が挙げられる。さらに、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する1種類の単量体の付加単独重合体、ノルボルネン構造を有する2種類以上の単量体の付加共重合体、並びに、ノルボルネン構造を有する単量体及びこれと共重合しうる任意の単量体の付加共重合体が挙げられる。
これらの中で、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体の水素化物、ノルボルネン構造を有する単量体とα-オレフィンとの付加共重合体、及びノルボルネン構造を有する単量体とα-オレフィンとの付加共重合体の水素化物が好ましく、ノルボルネン構造を有する2種以上の単量体の開環共重合体の水素化物、ノルボルネン構造を有する単量体とα-オレフィンとの付加共重合体、及びノルボルネン構造を有する単量体とα-オレフィンとの付加共重合体の水素化物がより好ましい。
ノルボルネン構造を有する単量体としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン(慣用名:ノルボルネン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3,7-ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、7,8-ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3-エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、及びこれらの化合物の誘導体(例えば、環に置換基を有するもの)などを挙げることができる。ここで、置換基としては、例えばアルキル基、アルキレン基、極性基などを挙げることができる。これらの置換基は、同一又は相異なって、複数個が環に結合していてもよい。ノルボルネン構造を有する単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
極性基の種類としては、例えば、ヘテロ原子、又はヘテロ原子を有する原子団などが挙げられる。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、ハロゲン原子などが挙げられる。極性基の具体例としては、カルボキシル基、カルボニルオキシカルボニル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、オキシ基、エステル基、シラノール基、シリル基、アミノ基、ニトリル基、スルホン酸基などが挙げられる。
ノルボルネン構造を有する単量体と開環共重合可能な単量体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等のモノ環状オレフィン類及びその誘導体;シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン等の環状共役ジエン及びその誘導体;などが挙げられる。ノルボルネン構造を有する単量体と開環共重合可能な単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体は、例えば、単量体を開環重合触媒の存在下に重合又は共重合することにより製造しうる。
ノルボルネン構造を有する単量体とα-オレフィンとの付加共重合体において、α-オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン等の炭素原子数2~20のα-オレフィン及びこれらの誘導体が挙げられる。これらのなかでも、エチレンが好ましい。α-オレフィンは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体は、例えば、単量体を付加重合触媒の存在下に重合又は共重合することにより製造しうる。
上述した開環重合体及び付加重合体の水素化物は、例えば、開環重合体及び付加重合体の溶液において、ニッケル、パラジウム等の遷移金属を含む水素化触媒の存在下で、炭素-炭素不飽和結合を、好ましくは90%以上水素化することによって製造しうる。
保護フィルム(A)に含まれる環状オレフィン系重合体のガラス転移温度TgAは、熱による寸法変化率をより低減する観点から、好ましくは130℃以上、より好ましくは150℃以上であり、フィルム成形加工を容易とする観点から、好ましくは180℃以下である。
保護フィルム(A)に含まれる環状オレフィン系重合体の重量平均分子量Mwは、好ましくは10,000以上、より好ましくは15,000以上、特に好ましくは20,000以上であり、好ましくは100,000以下、より好ましくは80,000以下、特に好ましくは50,000以下である。重量平均分子量がこのような範囲にあるときに、保護フィルム(A)の機械的強度及び成形性が高度にバランスされる。
保護フィルム(A)に含まれる環状オレフィン系重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上、特に好ましくは1.8以上であり、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、特に好ましくは2.7以下である。ここで、Mnは、数平均分子量を表す。分子量分布を前記範囲の下限値以上にすることにより、重合体の生産性を高め、製造コストを抑制できる。また、上限値以下にすることにより、低分子成分の量が小さくなる。その結果、保護フィルム(A)の安定性を高めることができる。
前記の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定しうる。GPCで用いる溶媒としては、シクロヘキサン、トルエン、テトラヒドロフランが挙げられる。GPCを用いた場合、重量平均分子量は、例えばポリイソプレン換算又はポリスチレン換算の相対分子量として測定される。
保護フィルム(A)は、環状オレフィン系重合体の他に、環状オレフィン系重合体以外の重合体;アンチブロッキング材;紫外線吸収剤;光安定剤;などの、任意の成分を含んでいてもよい。
保護フィルム(A)は、前記のとおり、多層構造を有していてもよい。したがって、保護フィルム(A)は、環状オレフィン系重合体及びアンチブロッキング材を含む易滑層、環状オレフィン系重合体及び紫外線吸収剤を含む紫外線吸収層などの、互いに異なる層を含む、多層構造であってもよい。
保護フィルム(A)は、易滑層を含んでいてもよい。
易滑層は、環状オレフィン系重合体の他に、通常アンチブロッキング材を含む。アンチブロッキング材の例としては、シリカ粒子などの無機粒子;有機重合体粒子などの有機粒子;が挙げられる。
有機粒子としては、易滑層の屈折率の調整を容易とする観点から、アクリル-スチレン系共重合体の架橋体粒子が好ましい。好ましい有機粒子の具体例としては、積水化成品工業社製「テクポリマー(登録商標)」が挙げられる。
アンチブロッキング材の平均粒子径は、保護フィルム(A)に所望の滑り性を付与するために適宜調整してよく、好ましくは、0.05μm~0.5μmの範囲としうる。
易滑層における、アンチブロッキング材の含有割合は、特に限定されない。
保護フィルム(A)におけるアンチブロッキング材の含有割合は、例えば、0.01重量%~2重量%の範囲としうる。
易滑層は、通常、保護フィルム(A)の最も外側に配置される。易滑層の算術平均粗さRaは、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上である。これにより、保護フィルム(A)をロールの形態として保管する際のアンチブロッキング性を向上させうる。また、易滑層の算術平均粗さRaは、好ましくは60nm以下、より好ましくは50nm以下である。これにより、保護フィルム(A)の外部ヘイズを低くして、保護フィルム(A)を含む偏光板を備えた画像表示装置の視認性を向上させうる。
易滑層の滑り性は、摩擦試験機を用いて、JIS K7125に準拠し、荷重を1kgとして易滑層の静摩擦係数を求めることにより評価できる。易滑層の静摩擦係数は、好ましくは0.4以上であり、好ましくは0.8以下であり、より好ましくは0.7以下である。
保護フィルム(A)は、紫外線吸収層を含んでいてもよい。保護フィルム(A)が紫外線吸収層を含むことにより、保護フィルム(A)により偏光子に入射する紫外線を低減して、偏光板の品質低下を抑制しうる。
紫外線吸収層は、環状オレフィン系重合体の他に、通常紫外線吸収剤を含む。紫外線吸収剤の例としては、特に限定されず、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びトリアジン系紫外線吸収剤が挙げられる。紫外線吸収剤の市販品の例としては、ADEKA社製「アデカスタブシリーズ」(例、アデカスタブLA-31RG)が挙げられる。
紫外線吸収層における、紫外線吸収剤の含有割合は、特に限定されない。
保護フィルム(A)における紫外線吸収剤の含有割合は、例えば、0.01重量%~10重量%の範囲としうる。
保護フィルム(A)は、環状オレフィン系重合体の他に、光安定剤を含んでいてもよい。保護フィルム(A)が、光安定剤を含むことにより、紫外線などの光による保護フィルム(A)の変色を低減しうる。光安定剤としては、例えば、BASF社製「チヌビン(登録商標)シリーズ」(例、チヌビン144)が挙げられ、環状オレフィン系重合体の変色を効果的に低減できることから、チヌビン144が好ましい。
保護フィルム(A)における光安定剤の含有割合は、例えば、0.01重量%~5重量%の範囲としうる。
保護フィルム(A)の厚みは、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上である。これにより、保護フィルム(A)のハンドリング性が向上する。保護フィルム(A)の厚みは、好ましくは50μm以下、より好ましくは45μm以下である。これにより、保護フィルム(A)を含む偏光板を備えた画像表示装置の視認性を向上させうる。また、保護フィルム(A)を含む偏光板を液晶パネルなどの板状物と積層した場合の、板状物の反りを効果的に低減させうる。
保護フィルム(A)の透湿度は、低いことが好ましい。具体的には、保護フィルム(A)は、JIS Z0208に従い25℃及び90%RHの条件で測定された透湿度が、好ましくは10g/m・24hr以下であり、より好ましくは4g/m・24hr以下であり、通常0g/m・24hr以上であり、0g/m・24hrであってもよい。
保護フィルム(A)の透湿度が低いことにより、吸湿による偏光子の品質低下(例えば、偏光度の低下)を効果的に低減しうる。
保護フィルム(A)は、面内レターデーションが小さいことが好ましい。具体的には、保護フィルム(A)の測定波長590nmにおける面内レターデーションReAは、好ましくは10nm以下、より好ましくは8nm以下であり、通常0nm以上であり、0nmであってもよい。
[1.2.偏光子]
本実施形態に係る偏光子として、任意の偏光子を用いうる。偏光子は、通常直線偏光子である。
偏光子の例としては、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着させる工程を含む製造方法により製造されうる、直線偏光子が挙げられる。
かかる直線偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びホウ酸水溶液による処理後に二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水洗する工程を含む方法により製造されうる。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化して得られる樹脂を用いうる。ポリ酢酸ビニル系樹脂は、酢酸ビニルの単独重合体であってもよく、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。
酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体の例としては、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、及びアンモニウム基を有するアクリルアミド類が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常、85~100mol%程度であり、好ましくは98mol%以上であり、通常100mol%以下であり、100mol%であってもよい。
ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性された、ポリビニルホルマール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂などの、変性ポリビニルアルコール樹脂であってもよい。
ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常、1,000~10,000程度であり、好ましくは1,500~5,000程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程は、二色性色素による染色工程の前に行ってもよく、染色工程と同時に行ってもよく、染色工程の後に行ってもよく、ホウ酸水溶液による処理工程の前に行ってもよく、ホウ酸水溶液による処理工程と同時に行ってもよい。また、一軸延伸の工程は、これらの複数の段階で行ってもよい。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程では、任意の延伸方法を用いうる。例えば、周速の異なる二本以上のロールで搬送しながら一軸延伸する方法、熱ロールを用いて一軸延伸する方法が挙げられる。さらに、一軸延伸は、乾式延伸であってもよく、湿式延伸であってもよい。乾式延伸では、通常大気中で延伸を行う。湿式延伸では、通常溶剤を用い、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う。
一軸延伸における延伸倍率は、通常、3~8倍程度としうる。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色する方法の例としては、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素を含有する水溶液に浸漬する方法が挙げられる。二色性色素の例としては、ヨウ素及び二色性染料が挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂フィルムには、染色処理の前に水に浸漬する浸漬処理を施すことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合、染色は、通常ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬することにより行われる。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、通常、水100重量部あたり0.01~1重量部程度である。また、ヨウ化カリウムの含有量は、通常、水100重量部あたり0.5~20重量部程度である。染色に用いる水溶液の温度は、通常、20~40℃程度である。
水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常、20~1,800秒程度である。
二色性色素として二色性染料を用いる場合、染色は、通常水溶性二色性染料を含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬することにより行われる。この水溶液における二色性染料の含有量は、通常、水100重量部あたり1×10-4~10重量部程度であり、好ましくは1×10-3~1重量部程度である。この水溶液は、硫酸ナトリウム等の無機塩を染色助剤として含有していてもよい。染色に用いる水溶液の温度は、通常、20~80℃程度である。
水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常、10~1,800秒程度である。
二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程は、通常、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬することにより行いうる。
ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の量は、通常、水100重量部あたり、2~15重量部程度であり、好ましくは5~12重量部である。二色性色素としてヨウ素を用いる場合には、ホウ酸含有水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、通常、水100重量部あたり、0.1~15重量部程度であり、好ましくは5~12重量部程度である。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は、通常、60~1,200秒程度であり、好ましくは150~600秒程度であり、より好ましくは200~400秒程度である。ホウ酸含有水溶液の温度は、通常、50℃以上であり、好ましくは50~85℃であり、より好ましくは60~80℃である。
ホウ酸水溶液により処理する工程の後、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することにより行いうる。水洗処理における水の温度は、通常、5~40℃程度である。水への浸漬時間は、通常、1~120秒程度である。
水洗処理後に、通常乾燥処理が施されて、偏光子が得られうる。乾燥処理は、任意の方法により行ってよく、例えば、熱風乾燥機、遠赤外線ヒーターなどの装置を用いて行いうる。乾燥処理の温度は、通常、30~100℃程度であり、好ましくは50~80℃である。乾燥処理の時間は、通常、60~600秒程度であり、好ましくは120~600秒である。
乾燥処理によって、通常偏光子の水分率は実用可能な程度にまで低減される。乾燥処理後における偏光子の水分率は、通常、5~20重量%であり、好ましくは8~15重量%である。水分率が前記下限値以上であることにより、偏光子の可撓性が通常良好となり、乾燥後の偏光子が損傷又は破断することを抑制しうる。水分率が前記上限値以下であることにより、偏光子の熱安定性を通常向上させうる。
偏光子の厚みは、例えば5μm~35μmとしうる。
[1.3.保護フィルム(B)]
(保護フィルム(B)の透湿度)
保護フィルム(B)は、JIS Z0208に従い25℃及び90%RHの条件で測定された透湿度が、通常20g/m・24hr以下、好ましくは10g/m・24hr以下、より好ましくは5g/m・24hr以下であり、通常0g/m・24hr以上であり、0g/m・24hrであってもよい。
保護フィルム(B)の透湿度が、前記上限値以下であることにより、保護フィルム(B)の側面からの透湿を低減し、また保護フィルム(A)の主面から透過する湿気が偏光子に到達することを抑制して、偏光板の品質低下(例、偏光度の変化)を抑制しうる。
(保護フィルム(B)の構成)
保護フィルム(B)は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
また、保護フィルム(B)は、その表面に、コロナ処理などの表面処理が施されていてもよい。
保護フィルム(B)を形成する材料の例としては、重合体を含む樹脂が挙げられる。保護フィルム(B)を形成する材料に含まれうる重合体の例としては、環状オレフィン系重合体:ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系重合体;及び、ポリカーボネートが挙げられる。これら重合体は、単独重合体であってもよく、共重合体であってもよい。また、保護フィルム(B)は、重合体を1種単独で含んでいてもよく、2種以上の組み合わせで含んでいてもよい。
保護フィルム(B)は、重合体の他に、アンチブロッキング材;紫外線吸収剤;光安定剤;などの、任意の成分を含んでいてもよい。
保護フィルム(B)は、前記のとおり、多層構造を有していてもよい。したがって、保護フィルム(B)は、重合体及びアンチブロッキング材を含む易滑層、重合体及び紫外線吸収剤を含む紫外線吸収層などの、互いに異なる層を含む、多層構造であってもよい。
保護フィルム(B)は、易滑層を含んでいてもよい。易滑層は、通常、保護フィルム(B)の最も外側に配置される。保護フィルム(B)に含まれうる易滑層の算術平均粗さRaは、保護フィルム(A)の説明において例示した好ましい範囲と同様の範囲としうる。
保護フィルム(B)の易滑層に含まれうるアンチブロッキング材の好ましい例については、保護フィルム(A)に含まれうるアンチブロッキング材と同様の例が挙げられる。アンチブロッキング材の好ましい平均粒子径、アンチブロッキング材の好ましい含有割合は、保護フィルム(A)の説明において例示した範囲と同様の範囲としうる。これにより、保護フィルム(A)に含まれうる易滑層による効果と同様の効果を得うる。
保護フィルム(B)に含まれうる易滑層の静摩擦係数は、保護フィルム(A)の説明において例示した範囲と同様の範囲としうる。
保護フィルム(B)は、紫外線吸収層を含んでいてもよい。紫外線吸収層は、重合体の他に、通常紫外線吸収剤を含む。保護フィルム(B)の紫外線吸収層に含まれうる紫外線吸収剤の好ましい例については、保護フィルム(A)の紫外線吸収層に含まれうる紫外線吸収剤と同様の例が挙げられる、保護フィルム(A)における紫外線吸収剤の含有割合は、保護フィルム(A)の説明において例示した範囲と同様の範囲としうる。これにより、保護フィルム(A)に含まれうる紫外線吸収層による効果と同様の効果を得うる。
保護フィルム(B)は、重合体の他に、光安定剤を含んでいてもよい。保護フィルム(B)が、光安定剤を含むことにより、紫外線などの光による保護フィルム(B)の変色を低減しうる。光安定剤の例としては、保護フィルム(A)に含まれうる光安定剤と同様の例が挙げられる。光安定剤の含有割合は、保護フィルム(A)の説明において例示した範囲と同様の範囲としうる。
保護フィルム(B)の厚みは、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上である。これにより、保護フィルム(B)のハンドリング性が向上する。保護フィルム(B)の厚みは、好ましくは70μm以下、より好ましくは60μm以下である。これにより、保護フィルム(B)を含む偏光板を備えた画像表示装置の視認性を向上させうる。また、保護フィルム(B)を含む偏光板を液晶パネルなどの板状物と積層した場合の、板状物の反りを効果的に低減させうる。
保護フィルム(B)の有するレターデーションの値は、偏光板と組み合わせて使用する光学素子の特性(例えば、液晶パネルと組み合わせて用いる場合の、液晶パネルの表示方式)に応じて、任意の値としうる。
例えば、一実施形態において、保護フィルム(B)の測定波長590nmにおける面内レターデーションReBは、好ましくは10nm以下であり、より好ましくは8nm以下であり、通常0nm以上であり、0nmであってもよい。
例えば、別の実施形態において、保護フィルム(B)の測定波長590nmにおける面内レターデーションReBは、好ましくは40nm以上、より好ましくは50nm以上であり、好ましくは80nm以下であり、より好ましくは70nm以下である。
[1.4.任意の層]
偏光板は、前記の保護フィルム(A)、偏光子、保護フィルム(B)に加えて、任意の層を含みうる。
例えば、偏光板は、保護フィルム(A)と偏光子との間に、接着剤の層である接着剤層を含んでいてもよい。例えば、偏光板は、保護フィルム(B)と偏光子との間に、接着剤の層である接着剤層を含んでいてもよい。
例えば、偏光板は、保護フィルム(B)の面上に、粘着剤(感圧性接着剤)の層である、粘着剤層を含んでいてもよい。
例えば、偏光板は、保護フィルム(A)の面上に、ハードコート層を含んでいてもよい。
(接着剤層)
偏光板は、例えば偏光子と保護フィルム(A)とを接着するための接着剤層を含んでいてもよい。また偏光板は、例えば偏光子と保護フィルム(B)とを接着するための接着剤層を含んでいてもよい。
接着剤層を形成する接着剤としては、任意の接着剤を用いうる。接着剤の例としては、水に成分が分散又は溶解している水系接着剤、有機溶剤に成分が分散又は溶解している溶剤系接着剤、及び無溶剤系接着剤が挙げられる。
偏光板の側面からの透湿を低減し、偏光板の耐湿性を向上させる観点から、接着剤層を形成する接着剤は、好ましくは、溶剤系接着剤又は無溶剤系接着剤であり、生産性の向上の観点から、好ましくは、紫外線硬化型接着剤である。
接着剤層の厚みは、好ましくは1μm以上であり、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下である。
保護フィルム(A)と偏光子との間に含まれうる接着剤層及び保護フィルム(B)と偏光子との間に含まれうる接着剤層は、互いに同一の接着剤から形成されていてもよく、異なる接着剤から形成されていてもよい。また、これら接着剤層は、互いに同一の厚みを有していてもよく、異なる厚みを有していてもよい。
(粘着剤層)
偏光板は、例えば偏光板を液晶パネルなどの光学素子と貼り合わせるための粘着剤層を含んでいてもよい。粘着剤層は、例えば保護フィルム(B)の面上に設けられる。
粘着剤層を形成する粘着剤(感圧性接着剤)としては、任意の粘着剤を用いうる。粘着剤は、通常ベースポリマーを含む。粘着剤に含まれうるベースポリマーの例としては、アクリル系重合体;シリコーン系ポリマー;ポリエステル;ポリウレタン;ポリアミド;ポリビニルエーテル;酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー;変性ポリオレフィン;エポキシ系ポリマー;フッ素樹脂系ポリマー;天然ゴム、合成ゴム等のゴム系ポリマーが挙げられる。粘着剤は、ベースポリマーを、1種単独で含んでいてもよく、2種以上の組み合わせで含んでいてもよい。粘着剤には、ベースポリマーに加えて、シランカップリング剤などの添加剤が含まれていてもよい。
粘着剤としては、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性、凝集性、接着性などの粘着特性に優れ、耐候性及び耐熱性に優れる観点から、好ましくは、ベースポリマーとしてアクリル系重合体が含まれる粘着剤であり、更に好ましくはアクリレート又はウレタンアクリレートが含まれる粘着剤である。
粘着剤層は、その貯蔵弾性率が23℃において0.01~0.1MPaであることが好ましく、0.02~0.06MPaであることがより好ましい。
(ハードコート層)
偏光板は、例えば偏光板の表面に耐擦傷性を付与するためのハードコート層を含んでいてもよい。ハードコート層は、例えば保護フィルム(A)の面上に設けられる。
ハードコート層として、アンチグレア機能を備えた層を用いてもよい。また、反射防止(AR)機能又は低反射(LR)機能を備えた層を用いてもよい。
偏光板が、アンチグレア機能を備えたハードコート層を含む場合、ハードコート層のヘイズは、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下であり、通常0%以上である。このようにハードコート層が低ヘイズであることにより、偏光板を用いた画像表示装置の視認性を向上させうる。
ハードコート層を形成する材料の例としては、重合性単量体を含み、紫外線などの活性エネルギー線の照射により重合しうる組成物が挙げられる。重合性単量体としては、ハードコート層の鉛筆硬度を大きくする観点から、アクリロイル基を含む単量体が好ましい。 ハードコート層を形成する材料として、市販品を使用しうる。
ハードコート層の鉛筆硬度は、JIS K5600-5-4に規定される鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましい。
ハードコート層を設ける保護フィルム(A)などの層の面には、アンカー処理、コロナ処理、プラズマ処理などの表面処理を施してもよい。
[1.5.偏光板の製造方法]
前記の偏光板は、任意の方法で製造されうる。例えば、偏光板は、保護フィルム(A)と保護フィルム(B)とを、偏光子に貼り合わせることで製造しうる。貼り合わせには、接着剤を用いうる。
長尺の偏光板は、長尺の偏光子と、長尺の保護フィルム(A)と、長尺の保護フィルム(B)とを、それぞれの長手方向が互いに平行となるようにロール・トゥ・ロールの方法により貼り合わせることで製造しうる。貼り合わせには接着剤を用いうる。
[2.液晶表示装置]
本発明の一実施形態に係る液晶表示装置は、前記偏光板と、液晶パネルとを含み、液晶パネルと偏光子との間に、保護フィルム(B)が配置されている。
図3は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置を模式的に示す断面図である。
液晶表示装置1000は、偏光板200と、液晶パネル10と、偏光板300と、バックライト20とをこの順で含む。
液晶パネル10としては、例えば、インプレーンスイッチング(IPS)モード、VA(バーティカルアライメント)モードなどの、任意のモードの液晶パネルを用いうる。
偏光板200は、ハードコート層260、保護フィルム(A)としての保護フィルム210、接着剤層240a、偏光子220、接着剤層240b、保護フィルム(B)としての保護フィルム230、粘着剤層250をこの順で備える。偏光板200は、液晶パネル10と偏光子220との間に保護フィルム(B)としての保護フィルム230が配置されるように、偏光板200が備える粘着剤層250により液晶パネル10の一方の面と貼り合わされている。
偏光板300は、保護フィルム(A)としての保護フィルム310と、接着剤層340aと、偏光子320と、接着剤層340bと、保護フィルム(B)としての保護フィルム330と、粘着剤層350とをこの順で備える。偏光板300は、液晶パネル10と偏光子320との間に保護フィルム(B)としての保護フィルム330が配置されるように、偏光板300が備える粘着剤層350により液晶パネル10の他方の面と貼り合わされている。偏光板300の保護フィルム(A)としての保護フィルム310は、バックライト20と接している。
偏光板200を構成する、保護フィルム(A)としての保護フィルム210、偏光子220、保護フィルム(B)としての保護フィルム230は、偏光板100を構成する、保護フィルム(A)としての保護フィルム110、偏光子120、保護フィルム(B)としての保護フィルム130とそれぞれ同様の構成を有しているので説明を省略する。
偏光板300を構成する、保護フィルム(A)としての保護フィルム310、偏光子320、保護フィルム(B)としての保護フィルム330は、偏光板100を構成する、保護フィルム(A)としての保護フィルム110、偏光子120、保護フィルム(B)としての保護フィルム130とそれぞれ同様の構成を有しているので説明を省略する。
偏光板200を構成するハードコート層260、接着剤層240a,240b、粘着剤層250は、項目[1.偏光板]において説明されたハードコート層、接着剤層、粘着剤層の好ましい例とそれぞれ同様の構成としうる。
偏光板300を構成する接着剤層340a,340b、粘着剤層350は、項目[1.偏光板]において説明された接着剤層、粘着剤層の好ましい例とそれぞれ同様の構成としうる。
液晶表示装置1000が備える偏光子220の吸収軸(図示せず)と偏光子320の吸収軸(図示せず)とは、液晶表示装置1000の厚み方向から見て、直交している。本実施形態では、液晶表示装置1000が備える液晶パネル10は、長方形であり、偏光子220の吸収軸は、液晶パネル10の長辺と平行であり、偏光子320の吸収軸は、液晶パネルの短辺と平行である。
液晶表示装置1000が、偏光板200を備えることにより、液晶パネル10の反りを低減しうるとともに、偏光子220の品質低下による画像表示性能の劣化を低減しうる。
液晶表示装置1000が、偏光板300を備えることにより、液晶パネル10の反りを低減しうるとともに、偏光子320の品質低下による画像表示性能の劣化を低減しうる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り、重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温及び常圧の条件において行った。
[評価方法]
(保護フィルム(A)の寸法変化率)
保護フィルム(A)を150×150mmの大きさの正方形に切り出してサンプルを得た。切り出しは、正方形の対向する一組の辺が、保護フィルム(A)の長手方向と平行となるように行った。
次いで、切り出した正方形の隣り合う辺からの距離がそれぞれ25mmである4つの位置に印をつけた。4つの印は、100mm×100mmの大きさの正方形の4つの頂点に当たる。正方形の辺の長さ(すなわち、頂点間の距離)L0は、100mmである。
印をつけたサンプルを、オーブン中、乾燥した85℃の条件で500時間加熱した。オーブンとして、エスペック株式会社製「PR3KPH」を使用した。
前記の条件で加熱されたサンプルを、オーブンから取り出し、室温中で冷却した。
冷却後、サンプルの4つの印を頂点とする四角形の各辺の長さを、Nikon社製「Profileprojector V-12B」により測定した。得られた各辺の長さから、対向する一組の辺の長さの平均値L500を求めた。
L0及びL500から、下記式に従い、寸法変化率R(%)を算出した。
R(%)=(L0-L500)/L0×100
保護フィルム(A)の面内方向であって、長手方向と平行な方向における保護フィルム(A)の寸法変化率R(MD)(%)を、保護フィルム(A)の長手方向と平行である、一組の辺の長さの平均値L500を用いて求めた。保護フィルム(A)の面内方向であって、保護フィルム(A)の長手方向と垂直な方向における保護フィルム(A)の寸法変化率R(TD)(%)を、保護フィルム(A)の長手方向と垂直である、一組の辺の長さの平均値L500を用いて求めた。
また、寸法変化率R(TD)(%)と寸法変化率R(MD)(%)との差の絶対値(|R(TD)-R(MD)|)を算出した。
(透湿度)
JIS Z0208(カップ法)に従い、保護フィルム(A)及び保護フィルム(B)の透湿度を測定した。透湿カップに封入する吸湿剤は、無水塩化カルシウムとした。試験条件は、25℃、95%RHとした。透湿カップを24時間毎に秤量する操作を繰り返し、透湿カップの重量増加量に基づき、透湿度を算出した。
(フィルムの面内レターデーションRe)
保護フィルム(A)及び保護フィルム(B)の面内方向におけるレターデーション(面内レターデーションRe)を、AXOMETRICS社製「AXOSCAN」を用いて測定した。
(偏光板の各層の厚み)
保護フィルム(A)、保護フィルム(B)、偏光子の厚みを、ミツトヨ社製シックネスゲージにより測定した。その他の層の厚みについては、偏光板を直接ミクロトーム(大和光機社製「RV-240」)を用いて0.05μm厚にスライスし顕微鏡下で断面観察を行い、層の厚みを測定した。
(ガラス転移温度Tg)
樹脂のガラス転移温度を、示差走査熱量測定法により、日立製作所製「DSC7020」を用いて測定した。測定は窒素雰囲気下で行い、昇温速度20℃/min、保持時間30minで行った。
(積層体の反り)
液晶パネルに偏光板を貼り付けて得られる積層体の反り低減の効果を評価するために、ガラス板の両面に偏光板を貼り付けて得られた積層体を加熱し、積層体の反りを測定した。
厚みが0.4mm、長辺の長さが200mm、短辺の長さが110mmである、長方形のガラス板を用意した。実施例又は比較例で得られた偏光板を、ガラス板の大きさと同様の大きさの長方形に切断して、2枚の偏光板サンプルを得た。切断は、偏光板に含まれる偏光子の吸収軸が長手方向又は短手方向と平行となるようにして行った。これにより、偏光子の吸収軸が長手方向と平行である、偏光板サンプル1と、偏光子の吸収軸が短手方向と平行である、偏光板サンプル2を得た。
偏光板サンプル1を、ガラス板の一方の面に、偏光板サンプル2を、ガラス板の他方の面に、それぞれ感圧性接着剤(粘着剤)(日東電工社製「LUCIACS CS98610US」)を用いて貼り付けて、反り評価用の積層体を得た。粘着剤の層(粘着剤層)の厚みは、25μmとなるようにした。
得られた積層体を、オーブン中、乾燥した85℃の条件で、500時間加熱した。オーブンとして、エスペック株式会社製「PR3KPH」を使用した。
前記の条件で加熱された積層体を、オーブンから取り出し、室温中で冷却した。冷却後の積層体を、貼り付けられた偏光板サンプル1が上となるように台上に置いた。台から、積層体の四角までの距離をそれぞれ金尺で測定した。四角について測定された距離の算術平均値を、積層体の反り量とした。
下記の実施例及び比較例に係る、加熱された積層体は、偏光板サンプル1の側が凹となるように反っていた。
(偏光度の変化)
偏光板を、ガラス板の片面に貼り合わせて偏光度測定用のサンプルを作成した。サンプルの偏光度を測定し、P0(%)とした。
次いで、サンプルを60℃90%RHの条件のオーブン中に500時間置く、耐湿熱性試験を行った。オーブンとして、エスペック社製「PR3KPH」を用いた。500時間の耐湿熱性試験の後、サンプルの偏光度を測定し、P500(%)とした。
偏光度の測定は、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光社製「V7200」)及び偏光フィルム測定装置(日本分光社製「VAP7070」)を用いて実施した。耐湿熱性試験前の偏光度と当該試験後の偏光度との差(P0-P500)(%)を算出して、以下の基準で、偏光度の変化を評価した。
良好:偏光度の差が0%以上0.01%以下である。
不良:偏光度の差が0.01%より大きく0.05%以下である。
悪い:偏光度の差が0.05%より大きい。
[実施例1]
(保護フィルム(A)の製造)
環状オレフィン系重合体(ノルボルネン系重合体の水素化物)としての、シクロオレフィンポリマー(日本ゼオン社製「ZEONOR1600」、ガラス転移温度Tg:160℃)に、アクリル-スチレン系共重合体の架橋体粒子(積水化成品工業社製「テクポリマー」、平均粒子径0.38μm)を樹脂の総重量に対して5重量%となるように配合して、樹脂Aを製造した。
環状オレフィン系重合体(ノルボルネン系重合体の水素化物)としての、シクロオレフィンポリマー(日本ゼオン社製「ZEONOR1600」、ガラス転移温度Tg:160℃)に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製「アデカスタブLA-31RG」)を樹脂の総重量に対して5重量%となるように配合して、樹脂Bを製造した。
(樹脂Aの層1)/(樹脂Bの層2)/(樹脂Aの層3)の層構成を有する、2種の樹脂からなる3層のフィルムが得られるように、押出機のフィードブロックに樹脂A及び樹脂Bを供給し、溶融押出法により保護フィルム(A)としての多層フィルムを長尺のフィルムとして製造した。
押出機として、Tダイを備えるTダイ成形押出機(Labtech社製)を用いた。ダイスとして、幅350mmのものを用いた。ダイスの幅方向における平均リップ開度は、400μmとした。冷却ドラムの温度は、140℃とした。樹脂Aの層1及び樹脂Aの層3の厚みは、いずれも5μmであった。樹脂Bの層2の厚みは、30μmであった。層1~層3を合わせた保護フィルム(A)の総厚みは、40μmであった。保護フィルム(A)の幅は、250mmであった。
得られた保護フィルム(A)について、前記の方法により寸法変化率、透湿度、面内レターデーションReAを測定した。
(偏光子の製造)
ポリビニルアルコールフィルム(クラレ社製「ポバール」)を長手方向に搬送しながら、ヨウ化カリウムを含む溶液中で染色し、ホウ酸水溶液中で処理し、染色及びホウ酸水溶液中の処理と同時に、搬送方向への一軸延伸を行った。延伸倍率は、5.8倍とした。
延伸したフィルムを乾燥して、厚み25μmの偏光子を得た。得られた偏光子の吸収軸は、長手方向(搬送方向)と平行である。
(保護フィルム(B)の用意)
保護フィルム(B)として、環状オレフィン系重合体(ノルボルネン系重合体の水素化物)を含むフィルムである、シクロオレフィンポリマーフィルム(日本ゼオン社製:ゼオノアフィルムZB、厚み52μm)を用意した。保護フィルム(B)について、前記の方法で透湿度、面内レターデーションReBを測定した。
(偏光板の製造)
製造された保護フィルム(A)の片面に、コロナ処理を施した。用意した保護フィルム(B)の片面に、コロナ処理を施した。
偏光子の一方の面に、保護フィルム(A)を貼り合わせた。その際、偏光子の長手方向(吸収軸の方向)と、保護フィルム(A)の長手方向とが平行となるようにした。また、保護フィルム(A)のコロナ処理を施した面が、偏光子側となるようにした。偏光子と保護フィルム(A)との貼り合わせには、紫外線硬化型接着剤(ADEKA社製「ハードロック」)を用いた。
次いで、偏光子の他方の面に保護フィルム(B)を貼り合わせた。その際、偏光子の長手方向(吸収軸の方向)と、保護フィルム(B)の長手方向が平行となるようにした。また、保護フィルム(B)のコロナ処理を施した面が、偏光子側となるようにした。偏光子と保護フィルム(B)との貼り合わせには、紫外線硬化型接着剤(ADEKA社製「ハードロック」)を用いた。
以上の操作により、保護フィルム(A)/接着剤の層/偏光子/接着剤の層/保護フィルム(B)の層構成を有するフィルムを得て、フィルムに紫外線を照射してフィルムに含まれる接着剤の層を硬化させ、偏光板を得た。
得られた偏光板を用いて、前記方法により偏光度の変化及び積層体の反りを評価した。
[比較例1]
保護フィルム(A)として、アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート)フィルム(大倉工業社製:OXIS、厚み40μm)を用いた。
以上の事項以外は実施例1と同様に操作して偏光板を得た。得られた偏光板を用いて、前記方法により偏光度の変化及び積層体の反りを評価した。
[比較例2]
保護フィルム(A)として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製:コスモシャインSRF、厚み80μm)を用いた。
以上の事項以外は実施例1と同様に操作して偏光板を得た。得られた偏光板を用いて、前記方法により偏光度の変化及び積層体の反りを評価した。
[比較例3]
保護フィルム(B)として、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(コニカミノルタ社製:VA-TACフィルム、厚み40μm)を用いた。
以上の事項以外は実施例1と同様に操作して偏光板を得た。得られた偏光板を用いて、前記方法により偏光度の変化及び積層体の反りを評価した。
[比較例4]
保護フィルム(A)として、アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート)フィルム(大倉工業社製:OXIS、厚み40μm)を用いた。
保護フィルム(B)として、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(コニカミノルタ社製:VA-TACフィルム、厚み40μm)を用いた。
以上の事項以外は実施例1と同様に操作して偏光板を得た。得られた偏光板を用いて、前記方法により偏光度の変化及び積層体の反りを評価した。
[比較例5]
保護フィルム(A)として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製:コスモシャインSRF、厚み80μm)を用いた。
保護フィルム(B)として、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(コニカミノルタ社製:VA-TACフィルム、厚み40μm)を用いた。
以上の事項以外は実施例1と同様に操作して偏光板を得た。得られた偏光板を用いて、前記方法により偏光度の変化及び積層体の反りを評価した。
[比較例6]
保護フィルム(A)として、TACフィルム(富士フイルム社製:0-TAC、厚み40μm)を用いた。
保護フィルム(B)として、TACフィルム(富士フイルム社製:0-TAC、厚み40μm)を用いた。
偏光子と保護フィルム(A)又は保護フィルム(B)との貼り合わせに用いる接着剤を、水系接着剤(三菱化学社製「ゴーセノール(商標)Z200」及び三菱化学社製「Sefelink(商標)SPM-01」を含む変性ポリビニルアルコール系接着剤)に変更した。フィルムに紫外線を照射して接着剤の層を硬化させる工程を行わなかった。
以上の事項以外は実施例1と同様に操作して偏光板を得た。得られた偏光板を用いて、前記方法により偏光度の変化及び積層体の反りを評価した。
[比較例7]
保護フィルム(B)として、TACフィルム(富士フイルム社製:0-TAC、厚み40μm)を用いた。
偏光子と保護フィルム(A)又は保護フィルム(B)との貼り合わせに用いる接着剤を水系接着剤(三菱化学社製「ゴーセノール(商標)Z200」及び三菱化学社製「Sefelink(商標)SPM-01」を含む変性ポリビニルアルコール系接着剤)に変更した。フィルムに紫外線を照射して接着剤の層を硬化させる工程を行わなかった。
以上の事項以外は実施例1と同様に操作して偏光板を得た。得られた偏光板を用いて、前記方法により偏光度の変化及び積層体の反りを評価した。
[比較例8]
保護フィルム(A)として、アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート)フィルム(大倉工業社製:OXIS、厚み40μm)を用いた。
保護フィルム(B)として、TACフィルム(富士フイルム社製:0-TAC、厚み40μm)を用いた。
偏光子と保護フィルム(A)又は保護フィルム(B)との貼り合わせに用いる接着剤を、水系接着剤(三菱化学社製「ゴーセノール(商標)Z200」及び三菱化学社製「Sefelink(商標)SPM-01」を含む変性ポリビニルアルコール系接着剤)に変更した。フィルムに紫外線を照射して接着剤の層を硬化させる工程を行わなかった。
以上の事項以外は実施例1と同様に操作して偏光板を得た。得られた偏光板を用いて、前記方法により偏光度の変化及び積層体の反りを評価した。
[比較例9]
保護フィルム(A)として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製:コスモシャインSRF、厚み80μm)を用いた。
保護フィルム(B)として、TACフィルム(富士フイルム社製:0-TAC、厚み40μm)を用いた。
偏光子と保護フィルム(A)又は保護フィルム(B)との貼り合わせに用いる接着剤を、水系接着剤(三菱化学社製「ゴーセノール(商標)Z200」及び三菱化学社製「Sefelink(商標)SPM-01」を含む変性ポリビニルアルコール系接着剤)に変更した。フィルムに紫外線を照射して接着剤の層を硬化させる工程を行わなかった。
以上の事項以外は実施例1と同様に操作して偏光板を得た。得られた偏光板を用いて、前記方法により偏光度の変化及び積層体の反りを評価した。
[比較例10]
保護フィルム(A)として、環状オレフィン系重合体(ノルボルネン系重合体の水素化物)を含むフィルム(日本ゼオン社製:ゼオノアフィルムZF14-023、厚み23μm)を用いた。
以上の事項以外は実施例1と同様に操作して偏光板を得た。得られた偏光板を用いて、前記方法により偏光度の変化及び積層体の反りを評価した。
実施例及び比較例で得られた偏光板の構成を表1及び表2に示す。
表1及び表2において、略号は以下の意味を表す。
「COP1」:(樹脂Aの層1)/(樹脂Bの層2)/(樹脂Aの層3)の層構成を有する環状オレフィン系重合体を含む保護フィルム
「COP-ZF」:環状オレフィン系重合体を含むフィルム(日本ゼオン社製:ゼオノアフィルムZF14-023)
「COP-ZB」:環状オレフィン系重合体を含むフィルム(日本ゼオン社製:ゼオノアフィルムZB)
「PMMA」:ポリメチルメタクリレートフィルム(大倉工業社製:OXIS)
「PET」:ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製:コスモシャインSRF)
「0-TAC」:トリアセチルセルロースフィルム(富士フイルム社製:0-TAC)
「VA-TAC」:トリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタ社製:VA-TACフィルム)
「UV」:紫外線硬化型接着剤(ADEKA社製「ハードロック」)
「水系」:水系接着剤(三菱化学社製「ゴーセノールZ200」及び三菱化学社製「SefelinkSPM-01」を含む変性ポリビニルアルコール系接着剤)
「ReA」:保護フィルム(A)の面内レターデーション
「ReB」:保護フィルム(B)の面内レターデーション
Figure 2022072267000002
Figure 2022072267000003
実施例及び比較例のいずれにおいても、保護フィルム(A)の長手方向と、偏光子の長手方向とが平行となるように貼り合わせて偏光板を得ている。偏光子の吸収軸の方向は、偏光子の長手方向と平行であるため、保護フィルム(A)の長手方向(搬送方向)は、偏光板における偏光子の吸収軸と平行な方向である。また、保護フィルム(A)の短手方向(幅方向)は、偏光板における偏光子の吸収軸と垂直な方向である。
したがって、保護フィルム(A)の寸法変化率R(TD)は、保護フィルム(A)の面内方向であって偏光子の吸収軸と垂直な方向における前記保護フィルム(A)の寸法変化率Rtr(%)に相当する。また、保護フィルム(A)の寸法変化率R(MD)は、保護フィルムの面内方向であって前記偏光子の吸収軸と平行な方向における前記保護フィルム(A)の寸法変化率Rab(%)に相当する。|R(TD)-R(MD)|の値は、|Rtr-Rab|の値に相当する。
[結果]
結果を表3及び表4に示す。
表3及び表4において、「測定不能」とは、偏光度が測定できないほど著しく偏光板の偏光透過性が悪化したことを意味する。
Figure 2022072267000004
Figure 2022072267000005
以上の結果より、保護フィルム(A)が環状オレフィン系重合体を含み、かつ前記の条件(a)及び(b)を満たし、かつ保護フィルム(B)の透湿度が20g/m・24hr以下である実施例1に係る偏光板は、耐湿熱性試験後において、偏光度の変化が小さく、0.01%以下である。かつ、実施例1に係る偏光板とガラス板との積層体は、加熱試験後の反り量が小さく、0.4mm以下である。
一方、保護フィルム(A)が前記の条件(a)及び(b)を満たさない、比較例1、2、4~6、及び8~10に係る偏光板とガラス板との積層体は、加熱試験後の反り量が大きい。
また、保護フィルム(B)の透湿度が、20g/m・24hrよりも大きい比較例3~9に係る偏光板は、耐湿熱性試験後において、偏光度の変化が大きい。
以上の結果は、本発明に係る偏光板が、耐湿熱性試験後においても偏光度の変化が小さく、かつ、偏光板と板状の光学要素との積層体において、長時間加熱後における反り量を低減できることを示す。
100、200、300:偏光板
110、210、310:保護フィルム(保護フィルム(A))
120、220、320:偏光子
130、230、330:保護フィルム(保護フィルム(B))
240a,240b,340a,340b:接着剤層
250、350:粘着剤層
260:ハードコート層
1000:液晶表示装置
10:液晶パネル
20:バックライト

Claims (7)

  1. 保護フィルム(A)と、偏光子と、保護フィルム(B)とをこの順で含み、
    前記保護フィルム(A)が、環状オレフィン系重合体を含み、
    前記保護フィルム(A)が、下記条件(a)及び(b)を満たし:
    0≦Rab≦0.15% かつ 0≦Rtr≦0.15% (a)
    |Rtr-Rab|≦0.08% (b)
    (前記条件(a)及び(b)において、
    abは、前記保護フィルム(A)を85℃の環境中に500時間置いたときの、前記保護フィルム(A)の面内方向であって前記偏光子の吸収軸と平行な方向における前記保護フィルム(A)の寸法変化率(%)を表し、
    trは、前記保護フィルム(A)を85℃の環境中に500時間置いたときの、前記保護フィルム(A)の面内方向であって前記偏光子の吸収軸と垂直な方向における前記保護フィルム(A)の寸法変化率(%)を表す。)、
    前記保護フィルム(B)は、JIS Z0208に従い25℃及び90%RHの条件で測定された透湿度が、20g/m・24hr以下である、偏光板。
  2. 前記保護フィルム(A)に含まれる環状オレフィン系重合体のガラス転移温度TgAが、130℃以上である、請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記保護フィルム(A)は、JIS Z0208に従い25℃及び90%RHの条件で測定された透湿度が、10g/m・24hr以下である、請求項1又は2に記載の偏光板。
  4. 前記保護フィルム(A)の厚みが、20μm以上50μm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の偏光板。
  5. 前記保護フィルム(A)の測定波長590nmにおける面内レターデーションReAが、10nm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の偏光板。
  6. 前記保護フィルム(B)の測定波長590nmにおける面内レターデーションReBが、40nm以上80nm以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の偏光板。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の偏光板と、液晶パネルとを含み、
    前記液晶パネルと前記偏光子との間に、前記保護フィルム(B)が配置されている、液晶表示装置。
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