JP2022063158A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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隆志 向野
Takashi Kohno
健 藤本
Takeshi Fujimoto
晋一 笹出
Shinichi Sasaide
宏真 達城
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Abstract

【課題】駆動力源としてエンジンおよび回転電機と、駆動力源と駆動輪との間の動力伝達経路上に設けられている変速機とを備えるハイブリッド車両において、油圧学習の油圧学習値の精度を向上させることができる制御装置を提供する。【解決手段】トルク補償制御が実施される実施領域でトルク補償制御が行われなかった場合、および、トルク補償制御が実施されない非実施領域でトルク補償制御が行われた場合には、学習値の更新が禁止されるため、トルク補償制御の実施の有無に応じた油圧学習値の更新が適切な条件で行われることとなり、油圧学習の学習値の精度を向上させることができる。その結果、有段変速機20の変速過渡期に発生する変速ショックを効率良く低減することができる。【選択図】図8

Description

本発明は、エンジンおよび回転電機を駆動力源とするハイブリッド車両の学習に関する。
特許文献1には、走行用の駆動力源としてのエンジンおよび回転電機と、駆動力源(エンジン、回転電機)と駆動輪との間の動力伝達経路上に設けられる変速機と、を備えるハイブリッド車両において、変速機の変速中における回転電機の電流に応じて、変速中のトルク補償の有無を判断し、2通りの変速機の油圧式係合装置の油圧学習を行う技術が開示されている。
特開2006-327508号公報
ところで、特許文献1のように変速機の変速過渡期にトルク補償を実行するものにおいて、トルク補償の有無に拘わらず全ての領域で油圧式係合装置の油圧学習が行われると、実際には油圧学習が適切に行えない領域でも油圧学習が行われてしまい、学習値の精度が低下する虞がある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、走行用の駆動力源としてのエンジンおよび回転電機と、駆動力源と駆動輪との間の動力伝達経路上に設けられている変速機とを備えるハイブリッド車両において、油圧学習の油圧学習値の精度を向上させることができる制御装置を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、(a)エンジンと、回転電機と、前記エンジンおよび前記回転電機と駆動輪との間の動力伝達経路上に設けられ、内部に備えられる複数個の油圧式係合装置の係合状態が切り替えられることにより複数のギヤ段に変速される変速機と、を備えるハイブリッド車両に適用され、前記変速機の変速過渡期において、前記回転電機の出力トルクによって前記変速機への出力軸トルクの減少分を補償するトルク補償制御を実行するトルク補償制御部と、前記変速機の変速時における前記油圧式係合装置の係合圧の油圧学習を実行する油圧学習部と、を有するハイブリッド車両の制御装置において、(b)前記油圧学習部は、前記油圧式係合装置の係合圧の油圧学習を、前記回転電機によるトルク補償制御を行う場合と、前記トルク補償制御を行わない場合とで、別々に油圧学習を行うものであり、予め定められた前記トルク補償制御が実施される実施領域で前記トルク補償制御が行われなかった場合、および、予め定められた前記トルク補償制御が実施されない非実施領域で前記トルク補償制御が行われた場合には、油圧学習値の更新を禁止することを特徴とする。
第1発明のハイブリッド車両の制御装置によれば、トルク補償制御が実施される実施領域でトルク補償制御が行われなかった場合、および、トルク補償制御が実施されない非実施領域でトルク補償制御が行われた場合には、学習値の更新が禁止されるため、トルク補償制御の実施の有無に応じた油圧学習値の更新が適切な条件で行われることとなり、油圧学習の学習値の精度を向上させることができる。
本発明が適用されるハイブリッド車両に備えられた車両用駆動装置の概略構成を説明する図であると共に、ハイブリッド車両における各種制御の為の制御系統の要部を説明する図である。 図1の有段変速機の各ギヤ段を成立させるための係合状態を示す係合作動表である。 図1の無段変速機と有段変速機とにおける各回転要素の回転速度の相対的関係を表す共線図である。 AT入力軸回転速度によって区分される、係合側係合装置および解放側係合装置の指示圧の学習マップの一態様である。 トルク補償制御が実施される領域が規定される領域マップの一態様である。 AT入力軸トルクによって区分される、係合側係合装置および解放側係合装置の指示圧の学習マップの一態様である。 トルク補償制御が実施される領域が規定される領域マップの一態様である。 電子制御装置の制御作動の要部すなわち有段変速機のアップシフトが実行されたときに学習される学習値のばらつきをなくして学習値の精度を向上させることができる制御作動を説明するためのフローチャートである。 本発明の他の実施例に対応するハイブリッド車両の他の態様を示す骨子図である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用されるハイブリッド車両10(以下、車両10)に備えられた車両用駆動装置12の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両用駆動装置12は、エンジン14と、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース16(以下、ケース16という)内において共通の軸心上に配設され、エンジン14に直接或いは図示しないダンパーなどを介して間接的に連結された電気式無段変速機18(以下、無段変速機18という)と、無段変速機18の出力側に連結された有段変速機20とを直列に備えている。また、車両用駆動装置12は、有段変速機20の出力回転部材である出力軸22に連結された差動歯車装置24、差動歯車装置24に連結された一対の車軸26等を備えている。車両用駆動装置12において、エンジン14や後述する第2回転電機MG2から出力される動力(特に区別しない場合にはトルクや力も同義)は、有段変速機20へ伝達され、その有段変速機20から差動歯車装置24等を介して車両10が備える駆動輪28へ伝達される。車両用駆動装置12は、例えば車両10において縦置きされるFR(フロントエンジン・リヤドライブ)型車両に好適に用いられるものである。なお、無段変速機18や有段変速機20等はエンジン14などの回転軸心(上記共通の軸心)に対して略対称的に構成されており、図1ではその回転軸心の下半分が省略されている。
エンジン14は、車両10の走行用の動力源であり、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の公知の内燃機関である。このエンジン14は、後述する電子制御装置80によってスロットル弁開度或いは吸入空気量、燃料供給量、点火時期等の運転状態が制御されることによりエンジントルクTeが制御される。本実施例では、エンジン14は、トルクコンバータやフルードカップリング等の流体式伝動装置を介することなく無段変速機18に連結されている。
無段変速機18は、第1回転電機MG1と、エンジン14の動力を第1回転電機MG1および無段変速機18の出力回転部材である中間伝達部材30に機械的に分割する動力分割機構としての差動機構32と、中間伝達部材30に動力伝達可能に連結された第2回転電機MG2とを備えている。無段変速機18は、第1回転電機MG1の運転状態が制御されることにより差動機構32の差動状態が制御される電気式無段変速機である。第1回転電機MG1は、差動用回転電機に相当し、また、第2回転電機MG2は、走行用の駆動力源として機能する回転電機であって、走行用回転電機に相当する。従って、車両10は、走行用の駆動力源として、エンジン14および第2回転電機MG2を備えたハイブリッド車両である。
第1回転電機MG1および第2回転電機MG2は、電動機(モータ)としての機能および発電機(ジェネレータ)としての機能を有する回転電気機械であって、所謂モータジェネレータである。第1回転電機MG1および第2回転電機MG2は、各々、車両10に備えられたインバータ50を介して、車両10に備えられた蓄電装置としてのバッテリ52に接続されており、電子制御装置80によってインバータ50が制御されることにより、第1回転電機MG1および第2回転電機MG2の各々の出力トルク(力行トルクまたは回生トルク)であるMG1トルクTgおよびMG2トルクTmが制御される。バッテリ52は、第1回転電機MG1および第2回転電機MG2の各々に対して電力を授受する蓄電装置である。なお、第2回転電機MG2が、本発明の回転電機に対応している。
差動機構32は、シングルピニオン型の遊星歯車装置にて構成されており、サンギヤS0、キャリアCA0、およびリングギヤR0を備えている。キャリアCA0には連結軸34を介してエンジン14が動力伝達可能に連結され、サンギヤS0には第1回転電機MG1が動力伝達可能に連結され、リングギヤR0には第2回転電機MG2が動力伝達可能に連結されている。差動機構32において、キャリアCA0は入力要素として機能し、サンギヤS0は反力要素として機能し、リングギヤR0は出力要素として機能する。
有段変速機20は、エンジン14および第2回転電機MG2と駆動輪28との間の動力伝達経路上に設けられ、前記動力伝達経路の一部を構成する有段変速機である。中間伝達部材30は、有段変速機20の入力軸としても機能する。中間伝達部材30には第2回転電機MG2が一体回転するように連結されているので、有段変速機20は、第2回転電機MG2と駆動輪28との間の動力伝達経路の一部を構成する有段変速機である。有段変速機20は、例えば第1遊星歯車装置36および第2遊星歯車装置38の複数組の遊星歯車装置と、クラッチC1、クラッチC2、ブレーキB1、ブレーキB2の複数個の油圧式係合装置(以下、特に区別しない場合は単に油圧式係合装置CBという)と、を内部に備えている、公知の遊星歯車式の自動変速機である。なお、有段変速機20が、本発明の変速機に対応している。
油圧式係合装置CBは、油圧アクチュエータにより押圧される多板式或いは単板式ののクラッチやブレーキ、油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成される、油圧式の摩擦係合装置である。油圧式係合装置CBは、車両10に備えられた油圧制御回路54内のソレノイドバルブSL1-SL4等から各々出力される調圧された各係合油圧Pcbによりそれぞれのトルク容量(係合トルク、クラッチトルク)Tcbが変化させられることで、それぞれ作動状態(係合や解放などの状態)が切り替えられる。油圧式係合装置CBを滑らすことなく(すなわち油圧式係合装置CBに差回転速度を生じさせることなく)中間伝達部材30と出力軸22との間でトルク(例えば有段変速機20に入力される入力トルクであるAT入力軸トルクTi)を伝達する為には、そのトルクに対して油圧式係合装置CBの各々にて受け持つ必要がある伝達トルク分(すなわち油圧式係合装置CBの分担トルク)が得られる係合トルクTcbが必要になる。但し、伝達トルク分が得られる係合トルクTcbにおいては、係合トルクTcbを増加させても伝達トルクは増加しない。つまり、係合トルクTcbは、油圧式係合装置CBが伝達できる最大のトルクに相当し、伝達トルクは、油圧式係合装置CBが実際に伝達するトルクに相当する。なお、係合トルクTcb(或いは伝達トルク)と係合油圧Pcbとは、例えば油圧式係合装置CBのパック詰めに必要な係合油圧Pcbを供給する領域を除けば、略比例関係にある。
有段変速機20は、第1遊星歯車装置36および第2遊星歯車装置38の各回転要素(サンギヤS1,S2、キャリアCA1,CA2、リングギヤR1,R2)が、直接的に或いは油圧式係合装置CBやワンウェイクラッチF1を介して間接的(或いは選択的)に、一部が互いに連結されたり、中間伝達部材30、ケース16、或いは出力軸22に連結されている。
有段変速機20は、油圧式係合装置CBのうちの所定の油圧式係合装置の係合によって、変速比(ギヤ比)γat(=AT入力軸回転速度ωi/AT出力軸回転速度ωo)が異なる複数の変速段(ギヤ段)のうちの何れかのギヤ段が形成される。本実施例では、有段変速機20にて形成されるギヤ段をATギヤ段と称す。AT入力軸回転速度ωiは、有段変速機20の入力回転部材の回転速度(角速度)である有段変速機20の入力軸回転速度であって、中間伝達部材30の回転速度と同値であり、また、第2回転電機MG2の回転速度であるMG2回転速度ωmと同値である。すなわち、AT入力軸回転速度ωiは、MG2回転速度ωmで表すことができる。出力軸回転速度ωoは、有段変速機20の出力回転部材である出力軸22の回転速度であって、無段変速機18と有段変速機20とを合わせた全体の変速機構40の出力軸回転速度でもある。
有段変速機20は、例えば図2の係合作動表に示すように、複数のATギヤ段として、AT1速ギヤ段(図中の「1st」)-AT4速ギヤ段(図中の「4th」)の4段の前進用のATギヤ段が形成される。AT1速ギヤ段の変速比γatが最も大きく、高車速側(ハイ側のAT4速ギヤ段側)程、変速比γatが小さくなる。図2に示すように油圧式係合装置CBの係合状態が切り替えられることにより、4段のATギヤ段に変速される。図2の係合作動表は、各ATギヤ段と油圧式係合装置CBの各作動状態(各ATギヤ段において各々係合される油圧式係合装置である所定の油圧式係合装置)との関係をまとめたものであり、「○」は係合、「△」はエンジンブレーキ時や有段変速機20のコーストダウンシフト時に係合、空欄は解放をそれぞれ表している。AT1速ギヤ段を成立させるブレーキB2には並列にワンウェイクラッチF1が設けられているので、発進時(加速時)にはブレーキB2を係合させる必要は無い。有段変速機20のコーストダウンシフトは、駆動要求量(例えばアクセル開度θacc)の減少やアクセルオフ(アクセル開度θaccがゼロまたは略ゼロ)による減速走行中の車速関連値(例えば車速V)の低下によってダウンシフトが判断(要求)されたパワーオフダウンシフトのうちで、アクセルオフの減速走行状態のままで要求されたダウンシフトである。なお、油圧式係合装置CBが何れも解放されることにより、有段変速機20は、何れのギヤ段も形成されないニュートラル状態(すなわち動力伝達を遮断するニュートラル状態)とされる。
有段変速機20は、後述する電子制御装置80によって、運転者のアクセル操作や車速V等に応じて油圧式係合装置CBのうちの解放側係合装置の解放と、油圧式係合装置CBのうちの係合側係合装置の係合とが制御されることで、ATギヤ段が切り替えられる(すなわち複数のATギヤ段が選択的に形成される)。つまり、有段変速機20の変速制御においては、例えば油圧式係合装置CBの何れかの掴み替えにより(すなわち係合側係合装置の係合および解放側係合装置の解放により)変速が実行される、所謂クラッチツゥクラッチ変速が実行される。例えば、AT2速ギヤ段からAT3速ギヤ段へのアップシフトでは、図2の係合作動表に示すように、解放側係合装置となるブレーキB1が解放されると共に、係合側係合装置となるクラッチC2が係合させられる。この際、ブレーキB1の解放過渡油圧やクラッチC2の係合過渡油圧が予め定められた変化パターンなどに従って調圧制御される。
図3は、無段変速機18と有段変速機20とにおける各回転要素の回転速度の相対的関係を表す共線図である。図3において、無段変速機18を構成する差動機構32の3つの回転要素に対応する3本の縦線Y1、Y2、Y3は、左側から順に第2回転要素RE2に対応するサンギヤS0の回転速度を表すg軸であり、第1回転要素RE1に対応するキャリアCA0の回転速度を表すe軸であり、第3回転要素RE3に対応するリングギヤR0の回転速度(すなわち有段変速機20の入力軸回転速度)を表すm軸である。また、有段変速機20の4本の縦線Y4、Y5、Y6、Y7は、左から順に、第4回転要素RE4に対応するサンギヤS2の回転速度、第5回転要素RE5に対応する相互に連結されたリングギヤR1およびキャリアCA2の回転速度(すなわち出力軸22の回転速度)、第6回転要素RE6に対応する相互に連結されたキャリアCA1およびリングギヤR2の回転速度、第7回転要素RE7に対応するサンギヤS1の回転速度をそれぞれ表す軸である。縦線Y1、Y2、Y3の相互の間隔は、差動機構32のギヤ比(歯車比)ρ0に応じて定められている。また、縦線Y4、Y5、Y6、Y7の相互の間隔は、第1、第2遊星歯車装置36,38の各歯車比ρ1,ρ2に応じて定められている。共線図の縦軸間の関係においてサンギヤとキャリアとの間が「1」に対応する間隔とされるとキャリアとリングギヤとの間が遊星歯車装置の歯車比ρ(=サンギヤの歯数Zs/リングギヤの歯数Zr)に対応する間隔とされる。
図3の共線図を用いて表現すれば、無段変速機18の差動機構32において、第1回転要素RE1にエンジン14(図中の「ENG」参照)が連結され、第2回転要素RE2に第1回転電機MG1(図中の「MG1」参照)が連結され、中間伝達部材30と一体回転する第3回転要素RE3に第2回転電機MG2(図中の「MG2」参照)が連結されて、エンジン14の回転を中間伝達部材30を介して有段変速機20へ伝達するように構成されている。無段変速機18では、縦線Y2を横切る各直線L0,L0Rにより、サンギヤS0の回転速度とリングギヤR0の回転速度との関係が示される。
また、有段変速機20において、第4回転要素RE4はクラッチC1を介して中間伝達部材30に選択的に連結され、第5回転要素RE5は出力軸22に連結され、第6回転要素RE6はクラッチC2を介して中間伝達部材30に選択的に連結されると共にブレーキB2を介してケース16に選択的に連結され、第7回転要素RE7はブレーキB1を介してケース16に選択的に連結されている。有段変速機20では、油圧式係合装置CBの係合解放制御によって縦線Y5を横切る各直線L1,L2,L3,L4,LRにより、出力軸22における「1st」,「2nd」,「3rd」,「4th」,「Rev」の各回転速度が示される。
図3中の実線で示す、直線L0および直線L1,L2,L3,L4は、少なくともエンジン14を動力源として走行するエンジン走行が可能なハイブリッド走行モードでの前進走行における各回転要素の相対速度を示している。このハイブリッド走行モードでは、差動機構32において、キャリアCA0に入力されるエンジントルクTeに対して、第1回転電機MG1による負トルクである反力トルクが正回転にてサンギヤS0に入力されると、リングギヤR0には正回転にて正トルクとなるエンジン直達トルクTd(=Te/(1+ρ)=-(1/ρ)×Tg)が現れる。そして、要求駆動力に応じて、エンジン直達トルクTdとMG2トルクTmとの合算トルクが車両10の前進方向の駆動トルクとして、AT1速ギヤ段-AT4速ギヤ段のうちの何れかのATギヤ段が形成された有段変速機20を介して駆動輪28へ伝達される。このとき、第1回転電機MG1は正回転にて負トルクを発生する発電機として機能する。第1回転電機MG1の発電電力Wgは、バッテリ52に充電されたり、第2回転電機MG2にて消費される。第2回転電機MG2は、発電電力Wgの全部または一部を用いて、或いは発電電力Wgに加えてバッテリ52からの電力を用いて、MG2トルクTmを出力する。
図3に図示はしていないが、エンジン14を停止させると共に第2回転電機MG2を駆動力源として走行するモータ走行が可能なモータ走行モードでの共線図では、差動機構32において、キャリアCA0はゼロ回転とされ、リングギヤR0には正回転にて正トルクとなるMG2トルクTmが入力される。このとき、サンギヤS0に連結された第1回転電機MG1は、無負荷状態とされて負回転にて空転させられる。つまり、モータ走行モードでは、エンジン14は駆動されず、エンジン14の回転速度であるエンジン回転速度ωeはゼロとされ、MG2トルクTm(ここでは正回転の力行トルク)が車両10の前進方向の駆動トルクとして、AT1速ギヤ段-AT4速ギヤ段のうちの何れかのATギヤ段が形成された有段変速機20を介して駆動輪28へ伝達される。
図3中の破線で示す、直線L0Rおよび直線LRは、モータ走行モードでの後進走行における各回転要素の相対速度を示している。このモータ走行モードでの後進走行では、リングギヤR0には負回転にて負トルクとなるMG2トルクTmが入力され、そのMG2トルクTmが車両10の後進方向の駆動トルクとして、AT1速ギヤ段が形成された有段変速機20を介して駆動輪28へ伝達される。電子制御装置80は、AT1速ギヤ段-AT4速ギヤ段のうちの前進用の低車速側(ロー側)ギヤ段としてのAT1速ギヤ段を形成した状態で、前進用のトルクである前進用のMG2トルクTmとは正負が反対となる後進用のトルクである後進用のMG2トルクTmを第2回転電機MG2から出力させることで後進走行を行うことができる。このように、本実施例の車両10では、前進用のATギヤ段(つまり前進走行を行うときと同じATギヤ段)を用いて、MG2トルクTmの正負を反転させることで後進走行を行う。有段変速機20では、有段変速機20内で入力軸回転を反転して出力する、後進走行専用のATギヤ段は形成されない。なお、ハイブリッド走行モードにおいても、直線L0Rのように第2回転電機MG2を負回転とすることが可能であるので、モータ走行モードと同様に後進走行を行うことが可能である。
車両用駆動装置12では、エンジン14が動力伝達可能に連結された第1回転要素RE1としてのキャリアCA0と差動用回転電機としての第1回転電機MG1が動力伝達可能に連結された第2回転要素RE2としてのサンギヤS0と走行駆動用回転電機としての第2回転電機MG2が動力伝達可能に連結された第3回転要素RE3としてのリングギヤR0との3つの回転要素を有する差動機構32を備え、第1回転電機MG1の運転状態が制御されることにより差動機構32の差動状態が制御される電気式変速機構(電気式差動機構)としての無段変速機18が構成される。つまり、エンジン14が動力伝達可能に連結された差動機構32と差動機構32に動力伝達可能に連結された第1回転電機MG1とを有して、第1回転電機MG1の運転状態が制御されることにより差動機構32の差動状態が制御される無段変速機18が構成される。無段変速機18は、中間伝達部材30の回転速度であるMG2回転速度ωmに対する連結軸34の回転速度(すなわちエンジン回転速度ωe)の変速比γ0(=ωe/ωm)が変化させられる電気的な無段変速機として作動させられる。
例えば、ハイブリッド走行モードにおいては、有段変速機20にてATギヤ段が形成されたことで駆動輪28の回転に拘束されるリングギヤR0の回転速度に対して、第1回転電機MG1の回転速度を制御することによってサンギヤS0の回転速度が上昇或いは下降させられると、キャリアCA0の回転速度(すなわちエンジン回転速度ωe)が上昇或いは下降させられる。従って、エンジン走行では、エンジン14を効率の良い運転点にて作動させることが可能である。つまり、ATギヤ段が形成された有段変速機20と無段変速機として作動させられる無段変速機18とで、変速機構40全体として無段変速機を構成することができる。
または、無段変速機18を有段変速機のように変速させることも可能であるため、ATギヤ段が形成される有段変速機20と有段変速機のように変速させる無段変速機18とで、変速機構40全体として有段変速機のように変速させることができる。つまり、変速機構40において、出力軸回転速度ωoに対するエンジン回転速度ωeの変速比γt(=ωe/ωo)が異なる複数のギヤ段(模擬ギヤ段と称する)を選択的に成立させるように、有段変速機20と無段変速機18とを制御することが可能である。変速比γtは、直列に配置された、無段変速機18と有段変速機20とで形成されるトータル変速比であって、無段変速機18の変速比γ0と有段変速機20の変速比γatとを乗算した値(γt=γ0×γat)となる。模擬ギヤ段は、例えば有段変速機20の各ATギヤ段と1または複数種類の無段変速機18の変速比γ0との組合せによって、有段変速機20の各ATギヤ段に対してそれぞれ1または複数種類を成立させるように割り当てられる。
図1に戻り、車両10は、さらに、エンジン14、無段変速機18、および有段変速機20などの制御に関連する車両10の制御装置を含むコントローラとしての電子制御装置80を備えている。よって、図1は、電子制御装置80の入出力系統を示す図であり、また、電子制御装置80による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。電子制御装置80は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。電子制御装置80は、必要に応じてエンジン制御用、変速制御用等に分けて構成される。
電子制御装置80には、車両10に備えられた各種センサ等(例えばエンジン回転速度センサ60、MG1回転速度センサ62、MG2回転速度センサ64、出力軸回転速度センサ66、アクセル開度センサ68、スロットル弁開度センサ70、Gセンサ72、シフトポジションセンサ74、バッテリセンサ76、AT油温センサ78など)による検出値に基づく各種信号等(例えばエンジン回転速度ωe、第1回転電機MG1の回転速度であるMG1回転速度ωg、AT入力軸回転速度ωiであるMG2回転速度ωm、車速Vに対応する出力軸回転速度ωo、運転者の加速操作の大きさを表す運転者の加速操作量(すなわちアクセルペダルの操作量)であるアクセル開度θacc、電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θth、車両10の前後加速度G、車両10に備えられたシフト操作部材としてのシフトレバー56の操作位置(操作ポジション)POSsh、バッテリ52のバッテリ温度THbatやバッテリ充放電電流Ibatやバッテリ電圧Vbat、油圧式係合装置CBに供給される作動油の油温Toilなど)が、それぞれ供給される。
また、電子制御装置80からは、車両10に備えられた各装置(例えばスロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置等のエンジン制御装置58、インバータ50、油圧制御回路54など)に各種指令信号(例えばエンジン14を制御する為のエンジン制御指令信号Se、第1回転電機MG1および第2回転電機MG2を制御する為の回転電機制御指令信号Smg、油圧式係合装置CBの作動状態を制御する為の(すなわち有段変速機20の変速を制御する為の)油圧制御指令信号Satなど)が、それぞれ出力される。この油圧制御指令信号Satは、例えば油圧式係合装置CBの各々の油圧アクチュエータへ供給される各係合油圧Pcbを調圧する各ソレノイドバルブSL1-SL4等を駆動する為の指令信号(駆動電流)であり、油圧制御回路54へ出力される。なお、電子制御装置80は、各油圧アクチュエータへ供給される各係合油圧Pcbの値に対応する油圧指令値(指示圧)を設定し、その油圧指令値に応じた駆動電流を出力する。
シフトレバー56の操作ポジションPOSshは、例えばP,R,N,D操作ポジションである。P操作ポジションは、変速機構40がニュートラル状態とされ(例えば油圧式係合装置CBの何れもの解放によって有段変速機20が動力伝達不能なニュートラル状態とされ)且つ機械的に出力軸22の回転が阻止(ロック)された、変速機構40のパーキングポジション(Pポジション)を選択するパーキング操作ポジションである。R操作ポジションは、有段変速機20のAT1速ギヤ段が形成された状態で第2回転電機MG2による車両10の後進走行を可能とする、変速機構40の後進走行ポジション(Rポジション)を選択する後進走行操作ポジションである。N操作ポジションは、変速機構40がニュートラル状態とされた、変速機構40のニュートラルポジション(Nポジション)を選択するニュートラル操作ポジションである。D操作ポジションは、有段変速機20のAT1速ギヤ段-AT4速ギヤ段の総てのATギヤ段を用いて自動変速制御を実行して前進走行を可能とする、変速機構40の前進走行ポジション(Dポジション)を選択する前進走行操作ポジションである。
電子制御装置80は、例えばバッテリ充放電電流Ibatおよびバッテリ電圧Vbatなどに基づいてバッテリ52の充電状態(充電容量)SOCを算出する。また、電子制御装置80は、例えばバッテリ温度THbatおよびバッテリ52の充電容量SOCに基づいて、バッテリ52の入力電力の制限を規定する充電可能電力(入力可能電力)Win、およびバッテリ52の出力電力の制限を規定する放電可能電力(出力可能電力)Woutを算出する。充放電可能電力Win,Woutは、例えばバッテリ温度THbatが常用域より低い低温域ではバッテリ温度THbatが低い程低くされ、また、バッテリ温度THbatが常用域より高い高温域ではバッテリ温度THbatが高い程低くされる。また、充電可能電力Winは、例えば充電容量SOCが大きな領域では充電容量SOCが大きい程小さくされる。また、放電可能電力Woutは、例えば充電容量SOCが小さな領域では充電容量SOCが小さい程小さくされる。
電子制御装置80は、車両10における各種制御を実現する為に、AT変速制御手段すなわちAT変速制御部82、ハイブリッド制御手段すなわちハイブリッド制御部84、トルク補償制御手段すなわちトルク補償制御部86、および油圧学習手段すなわち油圧学習部88を、機能的に備えている。
AT変速制御部82は、予め実験的にあるいは設計的に求められて記憶された(すなわち予め定められた)関係(例えばATギヤ段変速マップ)を用いて有段変速機20の変速判断を行い、必要に応じて有段変速機20の変速制御を実行して有段変速機20のATギヤ段を自動的に切り替えるように、ソレノイドバルブSL1-SL4により油圧式係合装置CBの係合および解放を切り替える為の油圧制御指令信号Satを油圧制御回路54へ出力する。上記ATギヤ段変速マップは、例えば出力軸回転速度ωo(ここでは車速Vなども同意)およびアクセル開度θacc(ここでは要求駆動トルクTdemやスロットル弁開度θthなども同意)を変数とする二次元座標上に、有段変速機20の変速が判断される為の変速線(アップシフト線およびダウンシフト線)を有する所定の関係である。
ハイブリッド制御部84は、エンジン14の作動を制御するエンジン制御手段すなわちエンジン制御部としての機能と、インバータ50を介して第1回転電機MG1および第2回転電機MG2の作動を制御する回転電機制御手段すなわち回転電機制御部としての機能を含んでおり、それら制御機能によりエンジン14、第1回転電機MG1、および第2回転電機MG2によるハイブリッド駆動制御等を実行する。
ハイブリッド制御部84は、予め定められた関係(例えば駆動力マップ)にアクセル開度θaccおよび車速Vを適用することで要求駆動パワーPdem(見方を換えれば、そのときの車速Vにおける要求駆動トルクTdem)を算出する。ハイブリッド制御部84は、バッテリ52の充放電可能電力Win,Wout等を考慮して、要求駆動パワーPdemを実現するように、エンジン14、第1回転電機MG1、および第2回転電機MG2を制御する指令信号(エンジン制御指令信号Seおよび回転電機制御指令信号Smg)を出力する。エンジン制御指令信号Seは、例えばそのときのエンジン回転速度ωeにおけるエンジントルクTeを出力するエンジンパワーPeの指令値である。回転電機制御指令信号Smgは、例えばエンジントルクTeの反力トルク(そのときのMG1回転速度ωgにおけるMG1トルクTg)を出力する第1回転電機MG1の発電電力Wgの指令値であり、また、そのときのMG2回転速度ωmにおけるMG2トルクTmを出力する第2回転電機MG2の消費電力Wmの指令値である。
ハイブリッド制御部84は、例えば無段変速機18を無段変速機として作動させて変速機構40全体として無段変速機として作動させる場合、エンジン最適燃費点等を考慮して、要求駆動パワーPdemを実現するエンジンパワーPeが得られるエンジン回転速度ωeとエンジントルクTeとなるように、エンジン14を制御すると共に第1回転電機MG1の発電電力Wgを制御することで、無段変速機18の無段変速制御を実行して無段変速機18の変速比γ0を変化させる。この制御の結果として、無段変速機18を無段変速機として作動させる場合の変速機構40の変速比γtが制御される。
ハイブリッド制御部84は、走行モードとして、モータ走行モード或いはハイブリッド走行モードを走行状態に応じて選択的に成立させる。例えば、ハイブリッド制御部84は、要求駆動パワーPdemが予め定められた閾値よりも小さなモータ走行領域にある場合には、モータ走行モードを成立させる一方で、要求駆動パワーPdemが予め定められた閾値以上となるエンジン走行領域にある場合には、ハイブリッド走行モードを成立させる。また、ハイブリッド制御部84は、要求駆動パワーPdemがモータ走行領域にあるときであっても、バッテリ52の充電容量SOCが予め定められた閾値未満となる場合には、ハイブリッド走行モードを成立させる。
ところで、運転者がアクセルペダルを踏み込んだ状態での有段変速機20のアップシフトでは、AT変速制御部82が油圧式係合装置CBの掴み替えを行うトルク相で、有段変速機20から出力されるAT出力軸トルクToの落ち込みが発生し、変速ショック等の変速フィーリングの悪化を招く虞があった。そのため、ハイブリッド制御部84は、有段変速機20のアップシフト中にトルク相に入ると、第2回転電機MG2のMG2トルクTmを増加して、トルク相中のAT出力軸トルクToの落ち込みを抑制する、すなわちAT出力軸トルクToの減少分を補償するトルク補償制御を実行する、トルク補償制御手段すなわちトルク補償制御部86を機能的に備えている。トルク補償制御部86は、例えば前後加速度Gの変化などに基づいてトルク相の切り替わりを判断すると、第2回転電機MG2のMG2トルクTmを予め設定されているトルクアップ量だけ増加させることで、トルク相におけるAT出力軸トルクToの落ち込み(減少)分をMG2トルクTmによって補償する。上記トルク補償制御が実行されることで、AT入力軸トルクTiが増加するに伴い、トルク相中でのAT出力軸トルクToの落ち込みが抑制される。
トルク補償制御によるMG2トルクTmのトルクアップ量は、トルク相開始時点でのAT入力軸トルクTi、作動油の油温Toil、車速V、ATギヤ段等に基づいて決定される。また、トルク補償制御は、有段変速機20のアップシフトにおいて一律に実施される訳ではなく、予め設定されている条件が成立した場合に実施される。例えば、有段変速機20のトルク相中においてAT出力軸トルクToの落ち込みが顕著となる、予め設定された走行領域においてトルク補償制御が実施される。具体的には、AT入力軸トルクTi、または、AT入力軸回転速度ωiなどで規定される、トルク補償制御が実施される走行領域にあるとき、トルク補償制御が実施される。一方で、被駆動走行時、AT入力軸トルクTiが予め設定されている低トルク閾値未満となる低トルク領域、AT出力軸回転速度ωoが予め設定されている低車速閾値未満となる低車速領域、AT出力軸回転速度ωoが予め設定されている高車速閾値以上となる高車速領域、バッテリ52の放電可能電力Woutが大幅に制限される放電制限領域などでは、トルク補償制御が実施不可となる。
油圧学習部88は、有段変速機20の変速時に係合される係合側係合装置の変速過渡期の指示圧、および、変速時に解放される解放側係合装置の変速過渡期における指示圧の油圧学習を実行する。油圧学習部88は、有段変速機20の変速過渡期において、例えば有段変速機20のAT入力軸回転速度ωiが予め設定されている変化速度dωi/dtで変化するように、係合側係合装置の指示圧および解放側係合装置の指示圧を学習する。なお、係合側係合装置の指示圧および解放側係合装置の指示圧が、本発明の油圧学習される油圧式係合装置の係合圧に対応する。
油圧学習部88は、予め設定されているAT入力軸回転速度ωiの変化速度dωi/dtの基準値αと、変速過渡期に算出される実際の変化速度dωi/dt(以下、実変化速度dωi/dt)とを比較し、基準値αと実変化速度dωi/dtとの差分に応じて、係合側係合装置の指示圧および解放側係合装置の指示圧を、加算側または減少側に補正する。
例えば、実変化速度dωi/dtが基準値αよりも大きかった場合には、係合側係合装置の指示圧が減少側に補正され、解放側係合装置の指示圧が増加側に補正される。また、実変化速度dωi/dtが基準値αよりも小さかった場合には、係合側係合装置の指示圧が増加側に補正され、解放側係合装置の指示圧が減少側に補正される。なお、基準値αは、予め実験的または設計的に求められて記憶され、有段変速機20の変速過渡期に発生する変速ショックを抑えつつ、変速の遅れによる違和感を運転者に与えない範囲の値に設定されている。
油圧学習部88は、変速パターン(アップシフト、ダウンシフト、ATギヤ段など)毎に複数個の油圧値の学習マップを記憶している。また、各学習マップは、例えばAT入力軸回転速度ωiによって複数の領域に区分され、その領域毎に学習値としての指示圧が記憶されている。油圧学習部88は、有段変速機20の変速が実行される毎に、対応する学習マップの同じ領域における指示圧を学習された新たな値に更新する。
図4は、AT入力軸回転速度ωiによって区分される学習マップの一態様である。学習マップは、変速ギヤ段毎に設定され、さらに変速パターン毎(アップシフト、ダウンシフト、パワーオン、パワーオフなど)にも設定されている。図4は、例えばアップシフト時の学習マップを示している。学習マップは、各ギヤ段毎にそれぞれ6つの領域(0番~5番)に区分され、各領域毎にAT入力軸回転速度ωiの範囲が規定されている。例えば、1速ギヤ段から2速ギヤ段へのアップシフトの学習マップにおいて、0番の領域は、AT入力軸回転速度ωiが1500rpm未満の範囲に規定され、この領域における係合側係合装置(B1)の指示圧Pb110(学習値)、および、解放側係合装置(B2)の指示圧Pb2210(学習値)が格納されている。有段変速機20のアップシフトが実行されると、対応する領域における指示圧が学習され、新たな指示圧(学習値)として更新される。
ところで、有段変速機20のアップシフトにあっては、トルク補償制御を実施する条件が成立した場合に、トルク相中においてトルク補償制御が実施される。これより、学習マップの同じ領域においてトルク補償制御が実施される場合と実施されない場合とが存在し、トルク補償制御の実施の有無を考慮することなく油圧学習が実施された場合には、トルク補償制御の実施に有無によって学習値にばらつきが生じ、学習値の精度が低下する虞がある。
これに対して、油圧学習部88は、トルク補償制御が実施される領域が規定される予め定められた領域マップを記憶しており、領域マップにおいてトルク補償制御を実施する実施領域でトルク補償制御が行われた場合、そのとき学習された指示圧を新たな学習値として更新する。また、油圧学習部88は、領域マップにおいてトルク補償制御を実施しない非実施領域でトルク補償制御が行われなかった場合、そのとき学習された指示圧を新たな学習値として更新する。言い換えれば、油圧学習部88は、トルク補償制御を実施する実施領域でトルク補償制御が行われなかった場合、および、トルク補償制御を実施しない非実施領域でトルク補償制御が行われた場合、学習値の更新を禁止する。
図5は、トルク補償制御が実施される領域が規定される領域マップの一態様である。図5に示すように、領域マップは、変速ギヤ段毎に設定され、図4に対応するように入力軸回転速度ωiによって区分されている。領域マップは、図4と同様に各ギヤ段毎にそれぞれ6つの領域(0番領域~5番領域)に区分され、各領域毎にAT入力軸回転速度ωiの範囲が規定されている。各ギヤ段毎の各領域(0番領域~5番領域)のAT入力軸回転速度ωiの範囲は、何れも前述した図4の学習マップの範囲と同じ範囲に設定されている。例えば、図4の学習マップにおいて、1速ギヤ段から2速ギヤ段へのアップシフトにおける0番領域では、AT入力軸回転速度ωiの範囲が1500rpm未満であるのに対して、図5の領域マップにおいて、1速ギヤ段から2速ギヤ段へのアップシフトにおける0番領域のAT入力軸回転速度ωiの範囲についても1500rpm未満とされている。
図5において、各領域(0番領域~5番領域)毎に設定されている「OFF」および「ON」は、トルク補償制御が実施される領域であるか否かを示している。図5において「OFF」がトルク補償制御が実施されない非実施領域を示し、「ON」がトルク補償制御が実施される実施領域を示している。図5に示すように、1速ギヤ段から2速ギヤ段へのアップシフトにおける1番領域および2番領域、および、2速ギヤ段から3速ギヤ段へのアップシフトにおける1番領域および2番領域が、トルク補償制御の実施領域に設定されている。領域マップは、予め実験的または設計的に求められ、図5において「ON」に設定されている領域が、トルク補償制御が専ら実施される領域になる。
油圧学習部88は、有段変速機20のアップシフトが実施されると、トルク補償制御の実施の有無、および、アップシフトされた走行領域がトルク補償制御の実施領域および非実施領域の何れであるかを図5の領域マップに基づいて判定する。次いで、油圧学習部88は、トルク補償制御が実施され、且つ、アップシフトされた走行領域がトルク補償制御を実施する実施領域にあった場合、または、トルク補償制御が実施されず、且つ、アップシフトされた走行領域がトルク補償制御を実施しない非実施領域であった場合、油圧学習の実施を許可、すなわち学習値の更新を許可する。
一方、油圧学習部88は、トルク補償制御が実施され、且つ、アップシフトされた走行領域がトルク補償制御を実施しない非実施領域であった場合、または、トルク補償制御が実施されず、且つ、アップシフトされた走行領域がトルク補償制御を実施する実施領域であった場合、油圧学習の実施を不許可、すなわち学習値の更新を禁止する。
このように、トルク補償制御を実施する実施領域でトルク補償制御が行われた場合のみ学習値が更新され、且つ、トルク補償制御を実施しない非実施領域でトルク補償制御が行われない場合のみ学習値が更新されることで、各領域毎の学習値がトルク補償制御の実施される場合および実施されない場合の何れかに統一され、同じ領域でトルク補償制御が実施される場合および実施されない場合の両方が混在することがなくなる。従って、同じ領域でトルク補償制御の実施の有無に拘わらず学習値が更新されることで学習値にばらつきが生じることが抑制される。言い換えれば、油圧学習が、トルク補償制御を行う場合とトルク補償制御を行わない場合とで、実質的に別々に行われることになるため、油圧学習の学習値の精度が向上する。
上述した態様は、学習マップがAT入力軸回転速度ωiによって区分されるものであったが、車両によってはAT入力軸トルクTiによって区分されるものも存在する。この場合であっても、学習マップが入力軸回転速度ωiによって区分される場合と同様に制御される。以下、学習マップがAT入力軸トルクTiによって区分される場合について説明する。
図6は、AT入力軸トルクTiによって区分される学習マップの一態様である。学習マップは、変速ギヤ段毎に設定され、さらに変速パターン毎にも設定されている。図6は、例えばアップシフト時の学習マップを示している。学習マップは、各ギヤ段毎にそれぞれ6つの領域(0番領域~5番領域)に区分され、各領域毎にAT入力軸トルクTiの範囲が規定されている。例えば1速ギヤ段から2速ギヤ段へのアップシフトの学習マップにおいて、0番領域は、AT入力軸トルクTiが75(Nm)未満の範囲に規定され、この領域における係合側係合装置(B1)の指示圧Pb110(学習値)、および、解放側係合装置(B2)の指示圧Pb210(学習値)が格納されている。有段変速機20のアップシフトが実行される毎に、対応する領域における指示圧が学習された新たな値に更新される。
図7は、トルク補償制御が実施される領域が規定される領域マップの一態様である。図7に示すように、領域マップは、各ギヤ段毎に設定され、図6に対応するようにAT入力軸トルクTiによって区分されている。また、領域マップは、各ギヤ段毎にそれぞれ6つの領域(0番領域~5番領域)に区分され、各領域毎にAT入力軸トルクTiの範囲が規定されている。各ギヤ段毎の各領域(0番領域~5番領域)のAT入力軸トルクTiの範囲は、何れも図6の学習マップの範囲と同じに設定されている。例えば、図6の学習マップにおいて、1速ギヤ段から2速ギヤ段へのアップシフトにおける0番領域では、AT入力軸トルクTiの範囲が75(Nm)未満であるのに対して、図7の領域マップにおいて、1速ギヤ段から2速ギヤ段へのアップシフトにおける0番領域のAT入力軸トルクTiの範囲についても75(Nm)未満とされている。
図7において、各領域(0番領域~5番領域)毎に設定されている「OFF」および「ON」は、トルク補償制御が実施される領域であるか否かを示している。図7において、「OFF」がトルク補償制御が実施されない非実施領域を示し、「ON」がトルク補償制御が実施される実施領域を示している。図7に示すように、1速ギヤ段から2速ギヤ段へのアップシフトにおける1番領域および2番領域、および、2速ギヤ段から3速ギヤ段へのアップシフトにおける1番領域および2番領域が、トルク補償制御の実施領域に設定されている。領域マップは、予め実験的または設計的に求められ、図5において「ON」の領域が、トルク補償制御が専ら実施される領域になる。
学習マップおよび領域マップがAT入力軸トルクTiによって区分されている場合においても、油圧学習部88は、有段変速機20がアップシフトされると、トルク相中におけるトルク補償制御の実施の有無、および、アップシフトされた走行領域がトルク補償制御の実施領域および非実施領域の何れであるかを図7の領域マップに基づいて判定する。次いで、油圧学習部88は、トルク補償制御が実施され、且つ、アップシフトされた走行領域がトルク補償制御の実施領域にあった場合、または、トルク補償制御が実施されず、且つ、アップシフトされた走行領域がトルク補償制御の非実施領域であった場合、油圧学習の実施を許可、すなわち学習値の更新を許可する。
一方、油圧学習部88は、トルク補償制御が実施され、且つ、アップシフトされた走行領域がトルク補償制御の行われない非実施領域であった場合、または、トルク補償制御が実施されず、且つ、アップシフトされた走行領域がトルク補償制御の行われる実施領域であった場合、油圧学習の実施を不許可、すなわち学習値の更新を禁止する。
これより、トルク補償制御が実施される実施領域でトルク補償制御が実施された場合のみ学習値が更新されるとともに、トルク補償制御が実施されない非実施領域でトルク補償制御が実施されない場合のみ学習値が更新されることで、各領域毎の学習値がトルク補償制御が実施される場合および実施されない場合の何れかに統一されるため、トルク補償制御の実施の有無に拘わらず学習値が更新されることで学習値にばらつきが生じることが抑制される。
図8は、電子制御装置80の制御作動の要部すなわち有段変速機20のアップシフトが実行されたときに学習される学習値(指示圧)のばらつきをなくして学習値の精度を向上させることができる制御作動を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、有段変速機20のアップシフトが実施される毎に実行される。
先ず、AT変速制御部82の制御機能に対応するステップST1(以下、ステップを省略)では、有段変速機20のアップシフトが判断されることでアップシフトが実施される。次いで、油圧学習部88の制御機能に対応するST2では、アップシフトにおいてトルク補償制御が実施されたかが判定される。トルク補償制御が実施された場合にはST2が肯定されてST3に進み、トルク補償制御が実施されない場合にはST2が否定されてST6に進む。
ST2が肯定された場合に実行される、油圧学習部88の制御機能に対応するST3では、アップシフトの実施された領域が、トルク補償制御の実施領域であるかが判定される。ST3が肯定される場合、油圧学習部88の制御機能に対応するST4において、トルク補償制御が実施され、且つ、トルク補償制御が実施される実施領域であるため、油圧学習の実施が許可される。すなわち学習値の更新が許可される。なお、ST4における油圧学習は、トルク補償制御を行う場合の油圧学習に対応し、後述するST7における油圧学習とは異なるものである。一方、ST3が否定される場合、油圧学習部88の制御機能に対応するST5において、トルク補償制御が実施され、且つ、トルク補償制御が実施されない非実施領域であるため、油圧学習の実施が許可されない。すなわち、学習値の更新が禁止される。
ST2が否定された場合に実行される、油圧学習部88の制御機能に対応するST6では、アップシフトの実施されなかった領域が、トルク補償制御の非実施領域であるかが判定される。ST6が肯定される場合、油圧学習部88の制御機能に対応するST7において、トルク補償制御が実施されず、且つ、トルク補償制御が実施されない非実施領域であるため、油圧学習の実施が許可される。すなわち、学習値の更新が許可される。なお、ST7における油圧学習は、トルク補償制御を行わない場合の油圧学習に対応し、上記ST4の油圧学習とは異なるものである。一方、ST6が否定される場合、油圧学習部88の制御機能に対応するST8において、トルク補償制御が実施されず、且つ、トルク補償制御が実施される実施領域であるため、油圧学習の実施が許可されない。すなわち、学習値の更新が禁止される。
上述のように、本実施例によれば、トルク補償制御が実施される実施領域でトルク補償制御が行われなかった場合、および、トルク補償制御が実施されない非実施領域でトルク補償制御が行われた場合には、学習値の更新が禁止されるため、トルク補償制御の実施の有無に応じた油圧学習値の更新が適切な条件で行われることとなり、油圧学習の学習値の精度を向上させることができる。その結果、有段変速機20の変速過渡期に発生する変速ショックを効率良く低減することができる。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図9は、本発明が適用されるハイブリッド車両100(以下、車両100)の概略構成を説明する図である。車両100は、前述の実施例1の車両10とは別の実施例である。
図9において、車両100の電気式無段変速機102は、車両10の無段変速機18と比べて、更に、ブレーキB0とクラッチC0とを備えている。ブレーキB0はサンギヤS0とケース16との間に設けられ、クラッチC0はサンギヤS0とキャリアCA0との間に設けられている。
電気式無段変速機102(以下、無段変速機102)は、クラッチC0及びブレーキB0が共に解放されると、無段変速機18と同様に、電気式無段変速機とされる。一方で、無段変速機102は、クラッチC0又はブレーキB0が係合されると、差動作用が不能な非差動状態とされる。クラッチC0が係合される非差動状態では、無段変速機102は変速比γ0が「1」に固定された変速機として機能する有段変速状態とされる。ブレーキB0が係合される非差動状態では、無段変速機102は変速比γ0が「1」より小さい値に固定された増速変速機として機能する有段変速状態とされる。
車両100の有段変速機104は、車両10の有段変速機20と同様に、複数組の遊星歯車装置と複数の係合装置とを備えた、公知の遊星歯車式の自動変速機である。
無段変速機102と有段変速機104とを合わせた全体の変速機である変速機構106は、車両10の変速機構40と同様に、エンジン14と駆動輪28との間の動力伝達経路の一部を構成する自動変速機である。変速機構106では、クラッチC0及びブレーキB0の何れも係合させないことで、変速機構40と同様の作動をさせることができる。変速機構106では、クラッチC0及びブレーキB0の何れかを係合させることで、変速機構106全体の変速比γtが異なる複数のギヤ段が形成される有段変速機として作動をさせることができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、有段変速機20のトルク相においてトルク補償制御が実行されるものであったが、本発明は、必ずしもトルク相に限定されない。例えば、イナーシャ相においてトルク補償が実行される場合であっても、イナーシャ相中にトルク補償制御が実施される領域、およびトルク補償制御が実施されない領域を設定することで、本発明を適用することができる。すなわち、有段変速機20の変速過渡期にトルク補償制御を実施するものであれば、本発明を適宜適用することができる。
また、前述の実施例では、有段変速機20のアップシフト時にトルク補償が実行されるものであったが、本発明は、必ずしもアップシフトに限定されず、ダウンシフト時にトルク補償が実行される態様においても適用することができる。
また、前述の実施例では、有段変速機20のアップシフトが実施されると、係合側係合装置の指示圧、および、解放側係合装置の指示圧の両方の油圧が学習されるものであったが、係合側係合装置および解放側係合装置の何れか一方の指示圧が学習されるものであっても構わない。
また、前述の実施例では、ハイブリッド車両10は、無段変速機18を含んで構成されていたが、無段変速機18は必ずしも必要なく無段変速機18を備えないものであっても構わない。例えば、駆動力源としてのエンジンおよび回転電機が直接接続され、エンジンおよび回転電機と駆動輪との間の動力伝達経路上に有段変速機が設けられるものであっても構わない。また、エンジンおよび回転電機と有段変速機との間にクラッチ或いはトルクコンバータが介挿されていても構わない。
また、前述の実施例では、図4、図5に示すマップは、それぞれAT入力軸回転速度ωiによって6つの領域に区分されていたが、領域の数は必ずしも6つに限定されず、適宜変更することができる。また、前述の実施例では、図6、図7に示すマップは、それぞれAT入力軸トルクTiによって6つの領域に区分されていたが、領域の数は必ずしも6つに限定されず、適宜変更することができる。
また、前述の実施例の有段変速機20、104の構造は一態様であって、必ずしもこれらの構成に限定されない。すなわち、複数個の油圧式係合装置を含んで構成され、有段変速可能な変速機であれば、本発明を適宜適用することができる。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10、100:ハイブリッド車両
14:エンジン
20、106:有段変速機(変速機)
28:駆動輪
80:電子制御装置(制御装置)
86:トルク補償制御部
88:油圧学習部
MG2:第2回転電機(回転電機)
C1、C2:クラッチ(油圧式係合装置)
B1、B2:ブレーキ(油圧式係合装置)

Claims (1)

  1. エンジンと、回転電機と、前記エンジンおよび前記回転電機と駆動輪との間の動力伝達経路上に設けられ、内部に備えられる複数個の油圧式係合装置の係合状態が切り替えられることにより複数のギヤ段に変速される変速機と、を備えるハイブリッド車両に適用され、前記変速機の変速過渡期において、前記回転電機のトルクによって前記変速機の出力軸トルクの減少分を補償するトルク補償制御を実行するトルク補償制御部と、前記変速機の変速時における前記油圧式係合装置の係合圧の油圧学習を実行する油圧学習部と、を有するハイブリッド車両の制御装置において、
    前記油圧学習部は、前記油圧式係合装置の係合圧の油圧学習を、前記回転電機によるトルク補償制御を行う場合と、前記トルク補償制御を行わない場合とで、別々に油圧学習を行うものであり、予め定められた前記トルク補償制御を実施する実施領域で前記トルク補償制御が行われなかった場合、および、予め定められた前記トルク補償制御を実施しない非実施領域で前記トルク補償制御が行われた場合には、油圧学習値の更新を禁止する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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