JP2022061428A - 非接触式セルフ検温・顔認証システム - Google Patents
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Abstract
【課題】小型軽量の専用の検温端末により非接触で被検温者を検温するとともに、被検温者を特定する顔認証を行い、さらに、一定の集団における複数の被検温者の体温データを有効に活用することができる非接触式セルフ検温・顔認証システムを提供する。【解決手段】管理コンピュータと、非接触型の検温端末と、が公衆通信回線網で相互に通信可能に接続された非接触式セルフ検温・顔認証システムであって、検温端末は、撮像手段と、検温手段と、表示手段と、認証手段と、被検温者の体温の異常を報知する報知手段と、を備え、管理コンピュータは、検温端末で特定した一定の集団に属する被検温者の出退勤を管理するとともに、被検温者の体温の変動をそれぞれ記憶して分析し、一定の集団における体温の異常の発生率から一定の集団におけるクラスターの発生を検出する非接触式セルフ検温・顔認証システムとした。【選択図】図5
Description
本発明は、非接触で被検温者の検温及び顔認証を行うことができる非接触式セルフ検温・顔認証システムに関する。
近年、インフルエンザや新型コロナウィルス(以下、感染症ともいう)の蔓延により、一定の集団(例えば、学校、会社、工場等)を構成する学生や従業員(以下、被検温者という)の体温を測定(以下、検温ともいう)し、異常(例えば、37.1℃以上の発熱)を検出して、速やかに被検温者に体調の変調(発熱)を報知するとともに、帰宅を促したり通院を促したりすることが行われている。
また、被検温者の顔表面(例えば、おでこ)の温度を非接触で測定できる高機能(軽量小型、検温時間の短縮や精度の向上等)の非接触体温計が開発され、短時間で多数の被検温者の体温を測定するために好適に用いられる。しかしながら、被検温者の体温を精度よく測定するためには、被検温者とは別の検温者が被検温者の正確な測定位置に合わせて、非接触体温計で被検温者の体温を測定する必要がある。
このように、被検温者の体温を測定するために第三者の検温者を必要とすると、検温者が被検温者に接近する必要があり、被検温者が感染症(インフルエンザや新型コロナウィルス等)に罹患していた場合に、検温者も罹患する可能性がある。このため、検温者を必要とせずに被検温者の体温を測定できる装置が必要とされている。
そこで、可視カメラ、温度カメラ、カードリーダ、スピーカ、モニタ等と備えた体温検査装置を用いて、被検温者が体温検査装置の前に立ち、可視カメラで撮像した自身の顔をモニタで確認し、モニタ内の所定の位置に自身の顔を収めることで、精度よく温度カメラで被検温者の体温を測定することで、被検温者自身で体温の測定ができるとともに、被検温者の体温の正常・異常を判定し、異常のある被検温者に対して、入場や出社を拒否する等の処置をする体温検査装置が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。
特許文献1に開示されている体温検査装置は、第三者の検温者を必要とせず、被検温者が自身の体温の測定を可能とし、被検温者の体温の正常・異常を判定し、異常のある被検温者に対して、入場や出社を拒否するだけのものである。そして、被検温者を特定するためのカードリーダ等も付設されており、装置が大型となりそれなりの設置スペースが必要となる。また、折角測定した被検温者の体温データの変化を有効に活用しているとは言えない。
さらに、近年では、被検温者を撮像するカメラ(例えば、CMOS)の性能の向上や撮像した画像から被検温者を特定する顔認証の技術の精度が著しく向上し、小型の携帯端末(例えば、スマートフォン等)においても、上述した高性能なカメラや顔認証を行うことができる機能を備えたものが普及している。このため、被検温者を特定するための顔認証を行うとともに、設置スペースを必要としない小型軽量の非接触型の検温装置を用い、一定の集団における複数の被検温者の体温データを有効に活用(例えば、集団における感染症の拡大(所謂クラスター)の検出)することができる非接触式セルフ検温・顔認証システムの開発が望まれている。
本発明は、上述した課題を解決するために、小型軽量の専用の検温端末により非接触で被検温者を検温するとともに、被検温者を特定する顔認証を行い、さらに、一定の集団における複数の被検温者の体温データを有効に活用することができる非接触式セルフ検温・顔認証システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、システムを管理運用する管理コンピュータと、一定の集団に属する被検温者の体温を非接触で測定する検温端末と、が公衆通信回線網で相互に通信可能に接続された非接触式セルフ検温・顔認証システムであって、前記検温端末は、前記被検温者の顔を撮像する撮像手段と、前記被検温者の顔の表面の体温を測定する検温手段と、前記被検温者の顔を表示する表示手段と、前記被検温者の顔を顔認証して当該被検温者を特定する認証手段と、前記被検温者の体温の正常又は異常を報知する報知手段と、を備え、前記管理コンピュータは、前記検温端末で特定した一定の集団に属する前記被検温者の出退勤を管理するとともに、当該被検温者の体温の変動をそれぞれ記憶して分析し、一定の集団における体温の異常の発生率から一定の集団におけるクラスターの発生を検出することを特徴とする非接触式セルフ検温・顔認証システムとした。
また、前記検温端末は、前記表示手段における所定の範囲に前記被検温者の顔があるときに、前記撮像手段により前記被検温者の顔を撮像するとともに、前記検温手段により前記被検温者の顔の表面の体温を測定することを特徴とする。
また、前記検温端末は、所定の検温場所において、机上へ載置して設置、壁掛けによる設置、床面上に設置、セキュリティゲートに設置するという複数の設置手段を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、被検温者の出退勤時に、検温端末により被検温者自身が非接触で精度よく被検温者の体温を測定することができ、さらに、検温端末が備える被検温者を特定する認証手段(顔認証機能)を精度良く行うことができる。そして、出退勤時に検温端末により被検温者の体温や測定日時を管理コンピュータで管理することで、測定日時から被検温者の出退勤を管理することができる。また、測定した被検温者の体温の変動をそれぞれ被検温者毎に記憶して分析することで、一定の集団における体温の異常の発生率から一定の集団におけるクラスターの発生を検知する非接触式セルフ検温・顔認証システムを提供することができる。
本発明は、システムを管理運用する管理コンピュータと、一定の集団に属する被検温者の体温を非接触で測定する検温端末と、が公衆通信回線網で相互に通信可能に接続された非接触式セルフ検温・顔認証システムであって、前記検温端末は、前記被検温者の顔を撮像する撮像手段と、前記被検温者の顔の表面の体温を測定する検温手段と、前記被検温者の顔を表示する表示手段と、前記被検温者の顔を顔認証して当該被検温者を特定する認証手段と、前記被検温者の体温の正常又は異常を報知する報知手段と、を備え、前記管理コンピュータは、前記検温端末で特定した一定の集団に属する前記被検温者の出退勤を管理するとともに、当該被検温者の体温の変動をそれぞれ記憶して分析し、一定の集団における体温の異常の発生率から一定の集団におけるクラスターの発生を検出することを特徴とする非接触式セルフ検温・顔認証システムに関するものである。
以下、本実施形態に係る非接触式セルフ検温・顔認証システムの一例について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の非接触式セルフ検温・顔認証システムの構成を示す図である。図2は、本実施形態の非接触式セルフ検温・顔認証システムの管理コンピュータの電気的構成を示すブロック図である。図3は、本実施形態の非接触式セルフ検温・顔認証システムの検温端末の電気的構成を示すブロック図である。図4は、本実施形態の非接触式セルフ検温・顔認証システムの検温端末の構成を説明する正面図である。図5は、本実施形態の非接触式セルフ検温・顔認証システムの動作の概要を説明する図である。図6~8は、本実施形態の非接触式セルフ検温・顔認証システムの検温端末の設置状態を説明する図である。図9は、本実施形態の非接触式セルフ検温・顔認証システムの検温端末の表示手段における各種表示態様を説明する図である。図10は、本実施形態の非接触式セルフ検温・顔認証システムの検温端末の表示手段における測定結果を説明する図である。
なお、以下の説明では、複数の従業員(以下、被検温者という)で構成された事業所等において、複数の被検温者の出退勤時に被検温者を検温(体温の測定)する場合を一例として説明する。
[1.非接触式セルフ検温・顔認証システムの構成]
図1に示すように、非接触式セルフ検温・顔認証システム1は、この非接触式セルフ検温・顔認証システム1の管理者100が管理する管理コンピュータ10と、非接触式セルフ検温・顔認証システム1の複数の検温場所200にそれぞれ設置されている検温端末20とにより構成され、管理コンピュータ10と検温端末20は、公衆通信回線網60を介してそれぞれ相互に通信可能に接続されている。
図1に示すように、非接触式セルフ検温・顔認証システム1は、この非接触式セルフ検温・顔認証システム1の管理者100が管理する管理コンピュータ10と、非接触式セルフ検温・顔認証システム1の複数の検温場所200にそれぞれ設置されている検温端末20とにより構成され、管理コンピュータ10と検温端末20は、公衆通信回線網60を介してそれぞれ相互に通信可能に接続されている。
管理コンピュータ10としては、周知のコンピュータが好適に用いられる。なお、周知のコンピュータとしては、据え置き型のデスクトップパソコン等が好適に用いられるが、公衆通信回線網60を介して相互に通信可能な機能を備えたものであればよい。また、検温端末20は、大きさはスマートフォンサイズの本実施形態における専用の端末である。公衆通信回線網60は、周知のインターネット回線、携帯電話通信回線、電話回線、通信衛星回線、近距離無線通信(Wi-Hi(登録商標)、Bluetooth(登録商標))等である。
管理者100は、一定の集団(以下、母集団)における非接触式セルフ検温・顔認証システム1の管理者(責任者)である。また、管理者100は、本実施形態における検温端末20の各種設定情報の変更や、顔認証を実行して被検温者を特定するための顔認証データの登録・削除等を管理する。
検温場所200は、非接触式セルフ検温・顔認証システム1の検温端末20が設置されている場所であり、例えば、被検温者が出退勤するときに必ず通行する場所である。検温場所200としては、設置される検温端末20に雨風が直接当たらない室内が好適であり、近くに高温を発する熱干渉源が無く、直射やガラス越しの太陽光が照射しない場所が望ましい。また、近距離の光源から所定距離(例えば、2m)以上離れ、出入口や窓から一定距離(例えば、3m)以上離れた場所がさらに好適である。つまり、安定した温湿度の室内であり、なおかつ、設置される検温端末20により安定して被検温者の顔を撮像できるとともに、被検温者の顔の表面を検温(体温の測定)できる場所であればよい。
上記構成において、本実施形態においては、被検温者は、出退勤時に検温場所200に設置された検温端末20に自身の顔を所定の位置(例えば、検温端末20の表示手段(例えば、液晶表示装置等)に表示された所定の範囲)に収めることで、自動的に非接触で被検温者の顔が撮像手段(例えば、CMOSカメラ)で撮像されるとともに、被検温者の顔の表面の体温が同時に検温手段(例えば、赤外線熱感知センサ)で測定される。
検温端末20は、測定した被検温者の体温と測定日時を検温端末20の表示手段により被検温者に表示する。さらに、撮像した被検温者の顔の画像を顔認証して被検温者を特定する。ここで顔認証された被検温者の特定情報(社員ID,氏名、部署等)は、測定した被検温者の体温及び測定日時とともに、検温端末20から管理コンピュータ10に送信される。また、測定した被検温者の体温の正常(例えば、35度~37度)又は異常(例えば、37.1℃以上)であることを検温端末20の表示手段により被検温者に報知する。そして、体温が異常であることを報知した被検温者に対して帰宅や通院を促す。
管理コンピュータ10は、検温端末20から受信した被検温者の特定情報(社員ID,氏名、部署等)に紐づけて、測定した被検温者の体温の測定日時を記憶する。ここで記憶された被検温者の体温の測定日時は、被検温者の出退勤データとして管理される。具体的には、被検温者の体温の測定日時が始業時間前であれば出社時間として記憶し、終業時間後であれば退社時間として、複数の被検温者毎に管理する。この被検温者の出退勤データは、従来のタイムカード等の代わりに給与計算等に利用されることになる。
管理コンピュータ10は、検温端末20から受信した測定した複数の被検温者の体温データを被検温者毎に記憶する。ここで記憶された被検温者の体温の変動は、上記出退勤データと併せて定期的に分析され、母集団における体温の異常の発生率から母集団における感染率等を演算して、母集団におけるクラスターの発生を検出する。例えば、被検温者がインフルエンザや新型コロナウィルス等の感染症に罹患していると認識され、感染率が所定の割合を超えた場合は、クラスターの発生と判断してそれに応じた対処(事業所の閉鎖や消毒、在宅勤務への移行)を行う。
上述してきた非接触式セルフ検温・顔認証システム1によれば、検温端末20により被検温者の体温を被検温者自身が非接触で測定することができ、さらに、検温端末20が備える被検温者を特定する認証手段(顔認証機能)により被検温者を特定して、出社や退社時における被検温者の体温の測定日時を管理コンピュータ10で管理することで被検温者の出退勤を管理することができる。また、複数の被検温者の体温の変動をそれぞれ被検温者毎に記憶して分析することで、母集団における体温の異常の発生率から一定の集団における感染症等のクラスターの発生を検出することができ、それに迅速に対処することができる。
[2.管理コンピュータの電気的構成]
以下、図2を参照して、本実施形態の非接触式セルフ検温・顔認証システム1における管理コンピュータ10の電気的構成を説明する。図2に示すように、管理コンピュータ10は、記憶部11、入出力制御部12、制御部13、外部通信制御部14などから構成されている。
以下、図2を参照して、本実施形態の非接触式セルフ検温・顔認証システム1における管理コンピュータ10の電気的構成を説明する。図2に示すように、管理コンピュータ10は、記憶部11、入出力制御部12、制御部13、外部通信制御部14などから構成されている。
記憶部11は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の大容量記憶装置により構成されている。この記憶部11には、上述した検温場所200で検温した被検温者毎の体温データや検温日時である出退勤データ等の各種情報が記憶されている。
入出力制御部12は、管理コンピュータ10に接続されている図示しない液晶表示装置、キーボード又はマウスなどの外部入出力装置との通信を制御する。
制御部13は、図示しないCPU(中央演算装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどで構成されている。また、この制御部13のCPUは、ROM又は記憶部11に予め記憶されている各種プログラムを実行することにより、本実施形態における各種手段(検温データ分析処理、出退勤時間管理処理)として機能することになる。
外部通信制御部14は、外部の公衆通信回線網60と接続され、制御部13の指示に基づいて、非接触式セルフ検温・顔認証システム1における複数の検温端末20との通信を制御する。
[3.検温端末の電気的構成]
以下、図3を参照して、本実施形態の非接触式セルフ検温・顔認証システム1における検温端末20の電気的構成を説明する。図3に示すように、検温端末20は、記憶部21、入出力制御部22、制御部23、外部通信制御部24などから構成されている。
以下、図3を参照して、本実施形態の非接触式セルフ検温・顔認証システム1における検温端末20の電気的構成を説明する。図3に示すように、検温端末20は、記憶部21、入出力制御部22、制御部23、外部通信制御部24などから構成されている。
記憶部21は、フラッシュメモリ等の大容量記憶装置により構成されている。この記憶部21には、検温端末20の各種設定情報や顔認証を実行して被検温者を特定するための顔認証データ等が記憶されている。
入出力制御部22は、検温端末20に接続されている各種入出力装置との通信を制御する。検温端末20に接続されている各種入出力装置としては、撮像手段としてのカメラ201、検温手段としての赤外線熱感知センサ202、表示手段としての液晶ディスプレイ203、光補償ライト204、赤外線発光部205、スピーカ208、USBマウスMが接続されている。入出力制御部22は、これら検温端末20を構成する各種入出力装置を制御部23の指示に基づいて制御する。
制御部23は、図示しないCPU(中央演算装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどで構成されている。また、この制御部23のCPUは、ROM又は記憶部21に予め記憶されている各種プログラムを実行することにより、本実施形態における各種手段(顔認証処理)として機能することになる。
外部通信制御部24は、外部の公衆通信回線網60と接続され、制御部23の指示に基づいて、非接触式セルフ検温・顔認証システム1における管理コンピュータ10との通信を制御する。
[4.検温端末の構成の概要]
以下、図4を参照して、本実施形態の検温端末20の構成の概要を説明する。図4に示すように、検温端末20の前面には、撮像手段としてのカメラ201、検温手段としての赤外線熱感知センサ202、表示手段としての液晶ディスプレイ203、光補償ライト204、赤外線発光部205、スピーカ208を備えて構成されている。検温端末20の一側面下部にはUSBポート206(図7(a)参照)が設けられておりUSBマウスMが接続される。検温端末20の他側面下部には電源入力端子207(図7(a)参照)が設けられておりAC電源アダブターAが接続される。検温端末20の下部中央には三脚に取付けるための所定径(例えば、6mm)の雌ネジ209(図7(a)参照)が形成されており、市販の三脚に着脱自在としている。
以下、図4を参照して、本実施形態の検温端末20の構成の概要を説明する。図4に示すように、検温端末20の前面には、撮像手段としてのカメラ201、検温手段としての赤外線熱感知センサ202、表示手段としての液晶ディスプレイ203、光補償ライト204、赤外線発光部205、スピーカ208を備えて構成されている。検温端末20の一側面下部にはUSBポート206(図7(a)参照)が設けられておりUSBマウスMが接続される。検温端末20の他側面下部には電源入力端子207(図7(a)参照)が設けられておりAC電源アダブターAが接続される。検温端末20の下部中央には三脚に取付けるための所定径(例えば、6mm)の雌ネジ209(図7(a)参照)が形成されており、市販の三脚に着脱自在としている。
カメラ201は、周知のCMOSカメラが好適に用いられ、被検温者の顔の画像を撮像する。カメラ201は、本実施形態の被検温者の顔の画像を撮像する撮像手段である。また、本実施形態においては、図4に示すように、高機能な撮像を実現可能とするために、水平に二つのカメラ201を配設(所謂、デュアルカメラ)としているが、カメラ201の数は限定されるものではなく、一つでも三つ以上でも構わない。
赤外線熱感知センサ202は、中央の赤外線受光部202aにより被検温者の顔の赤外線の量を感知して温度に変換して測定する。赤外線熱感知センサ202は、被検温者の顔の表面の体温を測定する検温手段である。
液晶ディスプレイ203は、7インチの液晶型のディスプレイが好適に用いられ、被検温者が検温端末20の前面に立つと、自動的にカメラ201を介して被検温者の顔を表示する。さらに、赤外線熱感知センサ202による測定結果(測定した体温及び測定日時)を被検温者に表示して報知する。液晶ディスプレイ203は、本実施形態の検温者の顔を表示する表示手段であるとともに、被検温者の体温の正常又は異常を報知する報知手段である。
光補償ライト204は、カメラ201で撮像する際の被検温者の顔の明度が不足していた場合に、被検温者の顔に照射して明度を撮像に適した明るさにする。つまり、カメラ201で撮像する際の明度は、所定の明度(100ルクス以上)が望ましく、この所定の明度に達していないと検温端末20が判断すると、光補償ライト204を自動的に点灯して被検温者の顔に照射する。
赤外線発光部205は、赤外線を被検温者の顔に照射するためのものであり、赤外線熱感知センサ202の中央の赤外線受光部202aは、この赤外線発光部205により被検温者の顔に照射された赤外線を感知して、自動的に温度に変換して被検温者の体温とする。
スピーカ208は、上述した赤外線熱感知センサ202による被検温者の体温の測定結果を被検温者に報知する場合に、例えば、正常時と異常時とでは異なる音量、パターンで、特に異常時には被検温者の注意を引くように所定の音を出音する。スピーカ208は、被検温者の体温の正常又は異常を報知する報知手段である。
USBマウスMは、市販の有線型のUSBマウスが好適に用いられる。本実施形態においては、検温端末20の記憶部21に記憶されている各種設定情報の変更や顔認証データの登録・削除を管理者100のみが行えるようにしている。管理者100は、USBマウスMを使用して管理者権限により所定の操作を行うことで、検温端末20の記憶部21に記憶されている各種設定情報の変更や顔認証データの登録・削除を行う。なお、この管理者100による検温端末20の記憶部21に記憶されている各種設定情報の変更や顔認証データの登録・削除は、管理者100が管理コンピュータ10を使用して管理者権限により所定の操作を行うことで、管理コンピュータ10と検温端末20との通信により行うこともできる。
AC電源アダブターAは、検温端末20が動作するのに必要な通電(例えば、12V、2A)を行うための周知の変換アダブターが好適に用いられる。本実施形態の検温端末20には、電源のON/OFFスイッチは設けられておらず、AC電源アダブターAによる通電が開始されるとシステムが自動的に立ち上がり被検温者の顔認証と温度を測定する温度測定モードに移行する。
検温端末20は、検温場所200に複数の設置手段で設置することができる。以下、図6、図7、図8を参照して、検温端末20の検温場所200への設置を説明する。図6に示すように、検温端末20は、検温端末20の下部中央に設けられている雌ネジ209(図7(a)参照)に市販の三脚30の上部を取り付けて検温場所200に設置される。検温端末20の高さは、好適な高さ、例えば、床面から1.2m~1.5mになるように三脚30の高さを調節する。このとき、検温場所200にテーブルと椅子が配置されている場合は、図4に示すスマートフォン用の小型の三脚30を用いて、椅子に腰かけた被検温者の顔の高さに合わせた好適な高さにテーブル上に設置することもできる。
図7に示すように、検温端末20を壁面に掛ける壁掛け部40を検温端末20の背面に設けることもできる。そして、検温場所200の壁面Bにこの壁掛け部40を介して、好適な高さである床面から垂直上方情報1.2m~1.5mの高さに検温端末20を取付ける。このとき、検温端末20の横には、「検温してください。」等のメッセージM0を添付し、被検温者の出退勤時の検温及び顔認証を促す。
図8に示すように、検温場所200として従来の事務所等の入退出時にIDカードを読み取らせるセキュリティゲートGの上面に、検温端末20を垂直に設置するための専用の取付金具50を立設して、床面から垂直上方情報1.2m~1.5mの高さに検温端末20を取付けることもできる。この場合も、検温端末20の背面の壁掛け部40を介して取付金具50を検温端末20の背面に取付ける。一般にセキュリティゲートGは被検温者の出退勤時の通過ゲートとして設置されているので、このセキュリティゲートGの上面に、検温端末20を設置することで、被検温者の検温及び顔認証をスムーズに行うことができる。
[5.管理コンピュータと検温端末とによる被検温者の検温の概要]
以下、図5、図9及び図10を参照して、本実施形態の管理コンピュータ10と検温端末20による被検温者の検温及び顔認証の流れを説明する。この処理は、管理コンピュータ10の制御部13及び検温端末20の制御部23でそれぞれ実行される処理であるが、便宜上、管理コンピュータ10と検温端末20が行うことに表現を統一している。
以下、図5、図9及び図10を参照して、本実施形態の管理コンピュータ10と検温端末20による被検温者の検温及び顔認証の流れを説明する。この処理は、管理コンピュータ10の制御部13及び検温端末20の制御部23でそれぞれ実行される処理であるが、便宜上、管理コンピュータ10と検温端末20が行うことに表現を統一している。
ここで、前提条件として、検温端末20は、被検温者が出退勤するときに必ず通行する場所である検温場所200に、予め管理者100により少なくとも検温開始の10分前に電源が投入された状態とする。また、検温端末20は、好適な高さ(床面から1.2m~1.5m)に設置されるとともに、身長の異なる被検温者の顔に所定範囲(20cm~70cmが好適)近づけるように所定角度(10度~20度)上向きに調整可能に設置されていることが望ましい。
被検温者は、出退勤時に検温場所200に設置された検温端末20の前面に向かい合ように立つ(ステップS1)。検温端末20は、被検温者の検温を行っていない状態では、液晶ディスプレイ203の画像表示を節電のためOFFにしている。つまり、検温端末20の液晶ディスプレイ203には、図9(a)に示すように、被検温者の顔を収める位置を示す枠Wと「枠に顔を合わせて検温してください」というメッセージM1が表示されている。
そして、被検温者が検温端末20の前面に立つと、検温端末20のカメラ201が起動して、液晶ディスプレイ203に被検温者の顔が表示される。このとき、図9(b)に示すように、液晶ディスプレイ203には、カメラ201で撮像した被検温者の顔Fと、被検温者の顔を収めるための枠Wが同時に表示されている。このとき、検温端末20は被検温者の顔が枠W内に収まっていない場合は、「もっと近づいて下さい!」等のメッセージM2を液晶ディスプレイ203に表示して、検温端末20と被検温者の顔との位置(つまり、立ち位置)の修正を促す。このメッセージM2は、スピーカ208から出音することで、被検温者の立ち位置の修正を促してもよい。
本実施形態においては、被検温者の顔と検温端末20との測定距離が所定距離(例えば、20cm~70cm)の収まっているときしか検温及び顔認証を行わない。つまり、被検温者の顔と検温端末20との測定距離が所定範囲よりも近くても遠くても、被検温者の検温及び顔認証は可能であるが測定値にばらつきが多く精度が安定しない。これでは、被検温者に測定した検温及び顔認証の精度に不安を与えることになる。これを解消するため、カメラ201で撮像した被検温者の顔Fを液晶ディスプレイ203に表示している枠Wに収めることで、被検温者の顔と検温端末20とが確実に所定距離となり、検温及び顔認証が精度よく確実に実施できるようにしている。
液晶ディスプレイ203の枠W内に被検温者の顔が収まったことを所定時間(例えば、0.1秒)検出すると、検温端末20は自動的に被検温者の顔認証と検温を実行する。つまり、撮像した被検温者の顔の画像と記憶部21に予め記憶されている顔認証データを参照して認証手段としての顔認証処理をして被検温者を特定する特定情報(社員ID、氏名、部署等)を生成する(ステップS2)。ここで特定された被検温者の特定情報(社員ID、氏名、部署等)は、記憶部21に一時記憶される。
検温端末20は被検温者の顔認証を行うと同時に、赤外線熱感知センサ202により被検温者の顔の表面の体温を測定する(ステップS3)。このとき、検温者の顔の表面の体温が均一でない場合は、最も高い体温を測定値として測定日時とともに記憶部21に一時記憶する。
上記ステップ2及びステップ3を実行中は、図9(c)に示すように、液晶ディスプレイ203には、カメラ201で撮像した被検温者の顔Fと枠Wが表示されるとともに、「測定中…」のメッセージM3が液晶ディスプレイ203に表示される。これは、検温及び顔認証を行う場合に被検温者の動き(顔の動き)により検温及び顔認証に時間がかかったり、測定値の誤差が大きくなったりする可能性を防ぐためである。つまり、本実施形態においては、検温端末20は、被検温者の顔を認識した時点で液晶ディスプレイ203に「測定中…」と表示する。これは、人間の心理を利用し、「測定中…」と表示することにより被検温者に検温及び顔認証中であることを認識させて動いては行けないと思わせる効果を狙ったものである。これにより、検温及び顔認証における被検温者の動作を規制することができ、検温及び顔認証の測定精度の向上と測定時間の短縮を図ることが可能となる。
検温端末20は、測定した被検温者の顔の表面の体温が正常であるか否かを判断する(ステップS4)。この正常か否かの判断は、検温端末20の記憶部21に予め設定情報として設定されている体温を異常と判断する規定値(例えば、37.1℃)と被検温者の体温とを比較して判別されるものである。この規定値は、所定範囲(35℃~42℃)において0.1℃単位で、任意に管理者100により設定変更可能としている。
検温端末20は、測定した被検温者の顔の表面の体温が正常であると判別した場合(ステップS4:Yes)は、検温端末20の液晶ディスプレイ203に、測定した体温と測定日時を表示するとともに、スピーカ208から正常を示す効果音を出音して被検温者に報知する(ステップS5)。具体的には、図10(a)に示すように、液晶ディスプレイ203に、上から順にOKの文字、「体温正常です!」のメッセージM4、測定値T(36.3℃)、測定日時K(2020/07/16 AM7:50)が表示される。スピーカ208からは正常を報知するパターンの効果音(例えば、ピー)が出音される。
一方、検温端末20は、測定した被検温者の顔の表面の体温が正常ではない(つまり、異常)と判別した場合(ステップS4:No)は、検温端末20の液晶ディスプレイ203に、測定した体温と測定日時を表示するとともに、スピーカ208から異常を示す効果音を出音して被検温者に報知する(ステップS6)。具体的には、図10(b)に示すように、液晶ディスプレイ203に、上から順に進入禁止の記号、「体温異常です!」のメッセージM4、測定値T(37.5℃)、測定日時K(2020/07/16 AM7:50)が表示される。スピーカ208からは異常を報知するパターンの効果音(例えば、ピッ、ピッ、ピッ)が出音される。この後、検温端末20の液晶ディスプレイ203には、被検温者の帰宅や通院を促すメッセージが表示され、スピーカ208からは同様なメッセ―ジを出音してもよい。
検温端末20は、被検温者の顔認証と検温が終了すると、記憶部21に一時記憶している被検温者の特定情報(社員ID、氏名、部署等)、体温及び測定日時を管理コンピュータ10に送信する(ステップS7)。
検温端末20から被検温者の特定情報、体温及び測定日時を受信した管理コンピュータ10は、被検温者の特定情報に紐づけて、被験者毎に測定した体温と測定日時を出退勤データとして記憶部11に記憶する(ステップS8)。
管理コンピュータ10は、被験者毎の出退勤データを用いて出退勤時間管理処理を行う(ステップS9)。この出退勤時間管理処理においては、被検温者の体温の測定日時が始業時間前であれば出社時間として記憶し、終業時間後であれば退社時間として、複数の被検温者の特定情報(社員ID、氏名、部署等)に紐づけて管理する。そして、月締めの給与計算時に、出社時間及び退社時間、及び欠勤、遅刻、早退、残業時間の算出として利用されることになる。
管理コンピュータ10は、検温端末20から受信した測定した複数の被検温者の体温データを複数の被検温者の特定情報(社員ID、氏名、部署等)に紐づけて検温データとして記憶部11に記憶している。管理コンピュータ10は、ここで記憶された被検温者毎の検温データの変動を、定期的に検温データ分析処理する(ステップS10)。この検温データ分析処理では、母集団における体温の異常の発生率から母集団における感染率等を演算して、母集団におけるクラスターの発生を検知する。例えば、被検温者がインフルエンザや新型コロナウィルス等の感染症に罹患していると認識された感染率が所定の割合(例えば、30%)を超えた場合は、クラスターの発生と判断してそれに応じた対処(事業所の閉鎖や消毒、在宅勤務への移行)が行われることになる。
また、管理コンピュータ10において、母集団の検温データの変化から感染症に罹患した可能性を分析することで、例えば、過去に感染症に罹患した人の検温データの変化と照合することで、罹患した感染症を特定することもできる。さらに、測定した被検温者の体温が異常(つまり、発熱)であった場合に、付随する症状(くしゃみ、せき、呼吸状態、嗅覚異常、味覚異常)を、管理者100が被検温者から聴取して、管理コンピュータ10で入力できるように構成し、この付随する症状と検温データの変化を併せて、一定期間毎に管理コンピュータ10の検温データ分析処理で分析することで、さらに、罹患した感染症がインフルエンザなのか新型のコロナウィルスなのかを高確率で特定できる可能性がある。
さらに、新型コロナウィルスやインフルエンザ等の集団感染を検出した場合は、地図アプリ等と併せて、地域別に集団感染のマップ等を表示して警告できるようなシステムすることもできる。これにより、集団感染の拡大の防止にもつながり、例えば、近接した地域で集団感染が発生した場合に、速やかに対処(休業、通勤経路や出社時間の変更等)することができる。
上述してきた実施形態では、複数の被検温者で母集団を構成した事業所等において、複数の被検温者の出退勤時に検温する構成を一例として説明したが、これに限らず、一定の母集団で構成される学校、幼稚園、保育園、工場、事務所等の様々な場所で、本実施形態の非接触式セルフ検温・顔認証システム1を用いることができる。
以上、上記実施形態を通して本発明を説明してきたが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、上述した各効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 非接触式セルフ検温・顔認証システム
10 管理コンピュータ
20 検温端末
60 公衆通信回線網
100 管理者
200 設置場所
201 カメラ
202 赤外線熱感知センサ
203 液晶ディスプレイ
204 光補償ライト
205 赤外線発光部
206 USBポート
207 電源入力端子
208 スピーカ
209 雌ネジ
A ACアダプタ
M USBマウス
10 管理コンピュータ
20 検温端末
60 公衆通信回線網
100 管理者
200 設置場所
201 カメラ
202 赤外線熱感知センサ
203 液晶ディスプレイ
204 光補償ライト
205 赤外線発光部
206 USBポート
207 電源入力端子
208 スピーカ
209 雌ネジ
A ACアダプタ
M USBマウス
Claims (3)
- システムを管理運用する管理コンピュータと、
一定の集団に属する被検温者の体温を非接触で測定する検温端末と、
が公衆通信回線網で相互に通信可能に接続された非接触式セルフ検温・顔認証システムであって、
前記検温端末は、
前記被検温者の顔を撮像する撮像手段と、
前記被検温者の顔の表面の体温を測定する検温手段と、
前記被検温者の顔を表示する表示手段と、
前記被検温者の顔を顔認証して当該被検温者を特定する認証手段と、
前記被検温者の体温の正常又は異常を報知する報知手段と、
を備え、
前記管理コンピュータは、
前記検温端末で特定した一定の集団に属する前記被検温者の出退勤を管理するとともに、当該被検温者の体温の変動をそれぞれ記憶して分析し、一定の集団における体温の異常の発生率から一定の集団におけるクラスターの発生を検知することを特徴とする非接触式セルフ検温・顔認証システム。 - 前記検温端末は、前記表示手段における所定の範囲に前記被検温者の顔があるときに、前記撮像手段により前記被検温者の顔を撮像するとともに、前記検温手段により前記被検温者の顔の表面の体温を測定することを特徴とする請求項1に記載の非接触式セルフ検温・顔認証システム。
- 前記検温端末は、所定の検温場所において、机上へ載置して設置、壁掛けによる設置、床面上に設置、セキュリティゲートに設置するという複数の設置手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非接触式セルフ検温・顔認証システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020169427A JP2022061428A (ja) | 2020-10-06 | 2020-10-06 | 非接触式セルフ検温・顔認証システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020169427A JP2022061428A (ja) | 2020-10-06 | 2020-10-06 | 非接触式セルフ検温・顔認証システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022061428A true JP2022061428A (ja) | 2022-04-18 |
Family
ID=81206742
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020169427A Pending JP2022061428A (ja) | 2020-10-06 | 2020-10-06 | 非接触式セルフ検温・顔認証システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022061428A (ja) |
-
2020
- 2020-10-06 JP JP2020169427A patent/JP2022061428A/ja active Pending
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