JP2022057476A - 研磨パッド - Google Patents

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立馬 松岡
Ryuma Matsuoka
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さつき 鳴島
Satsuki Narushima
大和 ▲高▼見沢
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【課題】研磨層の物性・気泡構造を変更することなく、端部ダレの改善を可能とする研磨パッドを提供する。【解決手段】被研磨物を研磨加工するための研磨面を有する研磨層4を備える研磨パッド3であって、前記研磨面には、スラリーを保持するための形状からなるスラリー保持溝と、スラリーを排出するための形状からなるスラリー排出溝とが設けられており、前記スラリー保持溝の体積と、前記スラリー排出溝の体積の比(排出溝体積/保持溝体積)が、0.5~1.0である、研磨パッド。【選択図】図1

Description

本発明は研磨パッドに関する。詳細には、本発明は、光学材料、半導体ウエハ、半導体デバイス、ハードディスク用基板等の研磨に好適に用いることができる研磨パッドに関する。
光学材料、半導体ウエハ、半導体デバイス、ハードディスク用基板の表面を平坦化するための研磨法として、化学機械研磨(chemical mechanical polishing,CMP)法が一般的に用いられている。
CMP法について、図1を用いて説明する。図1のように、CMP法を実施する研磨装置1には、研磨パッド3が備えられ、当該研磨パッド3は、保持定盤16に保持された被研磨物8に当接するとともに、研磨を行う層である研磨層4と研磨層4を支持するクッション層6を含む。研磨パッド3は、被研磨物8が押圧された状態で回転駆動され、被研磨物8を研磨する。その際、研磨パッド3と被研磨物8との間には、スラリー9が供給される。スラリー9は、水と各種化学成分や硬質の微細な砥粒の混合物(分散液)であり、その中の化学成分や砥粒が流されながら、被研磨物8との相対運動により、研磨効果を増大させるものである。スラリー9は溝又は孔を介して研磨面に供給され、排出される。
ところで、上記研磨パッド3としては、研磨層4に発泡ポリウレタンを用いたものが従来用いられているが、研磨層4が研磨中に被研磨物8のエッジの形状に追従し、図2に示すような被研磨物8のエッジが中央部より大きく研磨される「端部ダレ」(図2における8a)という過研磨現象が発生する。また、「端部ダレ」を解消するために、リテーナリングの圧力を調整することが行われ得るが、この際に研磨パッド3の圧力応答性が問題となる。すなわち、圧力応答性の低い研磨パッド3を用いた場合、エッジの研磨レートの調整ができないこととなる。従来技術の研磨パッドにより研磨した被研磨物について、縦軸を研磨レート(R.R.)にし、横軸を被研磨物8の中心を通る直線における距離(横軸の「0」は被研磨物の中心である)として示した図4では、両端部分の研磨レートが他の部分より大きく、端部ダレが発生していることがわかる。この端部ダレについては、特に被研磨物の最エッジ部(外周部分)の研磨レートが、被研磨物の他の部分に比べ1.5倍以上となる場合、半導体研磨(特に酸化膜研磨のプロセス)において問題となることがある。
このような端部ダレという過研磨現象に対して、特許文献1は、発泡体中の気泡の構造を特定なものとすることにより、研磨層の硬度を一定の範囲におさえて研磨傷の発生を抑制しつつ端部ダレを防ぐ研磨パッドが開示されている。
特許文献2には、研磨層の硬度と引裂強度を所定範囲とすることで端部ダレの問題がない研磨パッドが開示されている。
特開2012-714号公報 特開2016-190313号公報
しかしながら、上記特許文献1、2に記載の研磨パッドは、研磨層の物性や気泡構造を特定のものとする必要があり、端部ダレの改善ができたとしても他の研磨性能に劣る場合があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、研磨層の物性・気泡構造を変更することなく、端部ダレの改善を可能とする研磨パッドを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究の結果、研磨層に特定の溝を設けることにより、端部ダレの改善を可能とする研磨パッドを見出した。すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] 被研磨物を研磨加工するための研磨面を有する研磨層を備える研磨パッドであって、
前記研磨面には、スラリーを保持するための形状からなるスラリー保持溝と、スラリーを排出するための形状からなるスラリー排出溝とが設けられており、
前記スラリー保持溝の体積と、前記スラリー排出溝の体積の比(排出溝体積/保持溝体積)が、0.5~1.0である、研磨パッド。
[2] 前記スラリー保持溝とスラリー排出溝との溝幅の比(排出/保持)が1.5~7.5である、[1]に記載の研磨パッド。
[3] 前記スラリー保持溝とスラリー排出溝との溝ピッチの比(排出/保持)が4.5~15である[1]又は[2]に記載の研磨パッド。
[4] 前記研磨面には、中空微小球体が分散されている、[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の研磨パッド。
本発明の研磨パッドによれば、研磨層の物性・気泡構造を変更することなく、端部ダレが抑制され、安定した研磨を実施することができる。
図1は、研磨装置1の斜視図である。 図2は、端部ダレを示す、被研磨物8の側面図である。 図3は、本発明の研磨パッド3の斜視図(a)及び断面図(b)である。 図4は、従来技術(比較例1の研磨パッド)によって研磨した被研磨物8の中心を通る直線における被研磨物全体の研磨レートのプロファイルを示す。 図5は、従来技術(比較例1の研磨パッド)によって研磨した被研磨物8のエッジ部分の圧力応答性を示す。 図6は、スラリー保持溝の例である同心円状溝(図6の(a))と、パーフォレーション(図6(b))を示す。 図7は、スラリー排出溝の例である格子状溝(図7の(c))と、放射状溝(図7(d))、と渦巻状溝(図7(e))を示す。 図8は、研磨層3の研磨面部分付近の断面図であり、(a)は断面が四角形の溝の場合、(b)は断面がV字形の溝の場合である。 図9は、溝10における距離を示すものであり、αは溝のランド幅、βを溝幅、γをピッチ幅である。 図10は、実施例1の研磨パッドを用いて研磨した被研磨物8の中心を通る直線における被研磨物全体の研磨レートのプロファイルを示す。 図11は、実施例1の研磨パッドによって研磨した被研磨物8のエッジ部分の圧力応答性を示す。
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、発明を実施するための形態に限定されるものではない。
<<研磨パッド>>
研磨パッド3の構造について図3を用いて説明する。研磨パッド3は、図3のように、研磨層4と、クッション層6とを含む。研磨パッド3の形状は円盤状が好ましいが、特に限定されるものではなく、また、大きさ(径)も、研磨パッド3を備える研磨装置1のサイズ等に応じて適宜決定することができ、例えば、直径10cm~2m程度とすることができる。
なお、本発明の研磨パッド3は、好ましくは図3にしめすように、研磨層4がクッション層6に接着層7を介して接着されている。
研磨パッド3は、クッション層6に配設された両面テープ等によって研磨装置1の研磨定盤10に貼付される。研磨パッド3は、研磨装置1によって被研磨物8を押圧した状態で回転駆動され、被研磨物8を研磨する。
<研磨層>
(構成)
研磨パッド3は、被研磨物8を研磨するための層である研磨層4を備える。研磨層4を構成する材料は、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、及びポリウレタンポリウレア樹脂を好適に用いることができ、より好ましくはポリウレタン樹脂を用いることができる。
研磨層4の大きさ(径)は、研磨パッド3と同様であり、直径10cm~2m程度とすることができ、研磨層4の厚みは、通常1~5mm程度とすることができる。
研磨層4は、研磨装置1の研磨定盤10と共に回転され、その上にスラリー9を流しながら、スラリー9の中に含まれる化学成分や砥粒を、被研磨物8と一緒に相対運動させることにより、被研磨物8を研磨する。
研磨層4は、中空微小球体4A(発泡)が分散されている。中空微小球体4Aが分散されていることで、ショアD硬度を適切な値にすることができる点で好ましい。また、中空微小球体4Aが分散されていることにより、研磨層4が摩耗されると中空微小球体4Aが研磨面に露出され研磨面に微少な空隙が生じる。この微少な空隙がスラリーを保持することで被研磨物8の研磨をより進行させることができる。
(溝)
本発明の研磨層4の被研磨物8側の表面には、溝5を溝加工により設ける。本発明は、研磨層の研磨面に、スラリー保持溝5A及びスラリー排出溝5Bのいずれも備えることが特徴である。以下、それぞれについて説明する。
スラリー保持溝5Aとは、スラリーを保持するための溝であり、端部が研磨層の端に接続せず、独立した溝となっている。例えば、図6(a)に示す同心円状溝、図6(b)に示すパーフォレーション(貫通孔)などが挙げられる。スラリー保持溝5Aは、スラリーを保持し、研磨性能を高めることを目的としたものであり、スラリー保持溝5Aを設けることで、研磨パッド1と被研磨物8との間のスラリーの保持する能力を向上させることができる。
また、スラリー排出溝5Bは、スラリーを排出するための溝であり、各溝が、研磨層8の端に接続しており、端部が開放された溝となっている。例えば、図7(c)に示す格子状溝、図7(d)に示す放射状溝、図7(e)に示す渦巻状溝などが挙げられる。スラリー排出溝5Bは、スラリーを排出することを目的とするものであり、スラリー排出溝5Bを設けることで、常に新しいスラリーで研磨することが可能となる。
本発明において、スラリー保持溝5Aの体積と、スラリー排出溝5Bの体積の比(スラリー排出溝体積/スラリー保持溝体積)は、0.5~1.0であることが特徴の一つである。体積の計算は、図8(a)の断面が四角形の溝であれば、その断面の四角形の面積と、溝の長さとの積が1つの溝体積であり、研磨層3のスラリー保持溝の体積は、研磨層3に設けられたスラリー保持溝の体積の合計の値である。スラリー排出溝についても同様に考える。なお、図8(b)のように、溝の断面がV時の場合は、当該三角形の面積と溝の長さとの積が1つの溝体積となる。図8において、断面積は、図8(a)であれば、X,X,Xの面積であり、図8(b)であれば、Y、Y、Yの面積である。断面の形状は、その他の形状(例えば、U字状、半円状)にも適用できる。
上記のように、スラリー排出溝体積/スラリー保持溝体積を特定の値に設定することにより、端部ダレの発生を抑制することができるようになる。
さらに、スラリー保持溝の溝幅と、スラリー排出溝の溝幅との比(スラリー排出溝の溝幅/スラリー保持溝の溝幅)を、1.5~7.5に設定することが好ましく、2.5~6.5に設定するとさらに好ましい。また、スラリー保持溝の溝ピッチと、スラリー排出溝の溝ピッチとの比(スラリー排出溝の溝ピッチ/スラリー保持溝の溝ピッチ)を、4.5~15に設定することが好ましく、5.5~12.5にするとさらに好ましい。スラリー排出溝の溝幅/スラリー保持溝の溝幅を1.5~7.5の範囲にあること、及び/又はスラリー保持溝の溝ピッチと、スラリー排出溝の溝ピッチ/スラリー保持溝の溝ピッチを4.5~12.5に範囲にあることで、より端部ダレが生じにくくなる。
なお、溝幅とは、溝の幅を意味し、図9では、βである。また、溝ピッチとは、溝の端部から元隣の溝の同じ側の端部までの距離を意味し、図9ではγである。なお、αは、溝を除いた部分の幅で、ランド幅と呼ばれる部分である。
(ショアD硬度)
本発明の研磨層4のショアD硬度は、特に限定されるものではないが、例えば、20~100であり、好ましくは30~80であり、さらに好ましくは40~70である。ショアD硬度が小さい場合には、低圧研磨加工で微細な凹凸を平坦化することが難しくなる。また、端部ダレに影響がでる場合もある。ショアD硬度が高すぎると、被研磨物8になどが強く擦りつけられ被研磨物8の加工面にスクラッチが発生する可能性がある。
研磨層4は、後述する中空微小球体を混合したイソシアネート基含有化合物と、硬化剤(鎖伸長剤)と、を混合した混合液を注型し硬化させた発泡体をスライスすることで形成されている。すなわち、研磨層4は、乾式成型されている。
本発明の研磨パッドにおいては、中空微小球体4Aを用いて、ポリウレタン樹脂成形体内部に気泡を内包させる。中空微小球体とは、空隙を有する微小球体を意味する。中空微小球体には、球状、楕円状、及びこれらに近い形状のものが含まれる。例としては、既膨張タイプのもの、及び、未膨張の加熱膨張性微小球状体を加熱膨張させたものが挙げられる。
研磨層4のショアD硬度等の物性は、研磨層4の組成、中空微小球体4Aの数や大きさ等を調整することで所望の数値範囲にすることができる。
<クッション層>
(構成)
本発明の研磨パッド3は、クッション層6を有する。クッション層6は、研磨層4の被研磨物8への当接をより均一にすることが望ましい。クッション層6の材料としては、樹脂を含浸させた含浸不織布、合成樹脂やゴム等の可撓性を有する材料、気泡構造を有する発泡体等のいずれから構成されていてもよい。例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリブタジエン、シリコーン等の樹脂や天然ゴム、ニトリルゴム、ポリウレタンゴム等のゴムなどが挙げられる。密度及び圧縮弾性率の調整の観点で、可撓性合成樹脂が好ましく、材料にポリウレタンを用いることが好ましい。
<接着層>
接着層7は、クッション層6と研磨層4を接着させるための層であり、通常、両面テープ又は接着剤から構成される。両面テープ又は接着剤は、当技術分野において公知のもの(例えば、接着シート)を使用することができる。
研磨パッド3およびクッション層6は、接着層7で貼り合わされている。接着層7は、例えば、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系から選択される少なくとも1種の粘着剤で形成することができる。本例では、アクリル系粘着剤が用いられ、厚みが0.1mmに設定されている。
<<研磨パッドの製造方法>>
本発明の研磨パッド3の製造方法について説明する。
<研磨層の材料>
研磨層の材料としては、特に限定されるものではないが、一般的に使用される材料、すなわち、主成分としてはポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、及びポリウレタンポリウレア樹脂の材料が好ましく、ポリウレタン樹脂がより好ましい。具体的な主成分の材料としては、例えば、ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物と硬化剤とを反応させて得られる材料を挙げることができる。
以下、研磨層4の材料の製造方法については、ウレタン結合含有イソシアネート化合物、ポリオール化合物と硬化剤を用いた例を用いて説明する。
ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物と硬化剤とを用いた研磨層4の製造方法としては、例えば、少なくともウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物、添加剤、硬化剤を準備する材料準備工程;少なくとも、前記ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物、添加剤、硬化剤を混合して成形体成形用の混合液を得る混合工程;前記成形体成形用混合液から研磨層を成形する硬化工程、を含む製造方法が挙げられる。
以下、材料準備工程、混合工程、成形工程に分けて、それぞれ説明する。
<材料準備工程>
本発明の研磨層4の製造のために、ポリウレタン樹脂成形体(硬化樹脂)の原料として、ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物、硬化剤を準備する。ここで、ウレタン結合含有ポリイソシアネートは、ポリウレタン樹脂成形体を形成するための、ウレタンプレポリマーである。研磨層4をポリウレア樹脂成型体やポリウレタンポリウレア樹脂成形体にする場合は、それに応じたプレポリマーを用いる。
以下、各成分について説明する。
(ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物)
ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物(ウレタンプレポリマー)は、下記ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを、通常用いられる条件で反応させることにより得られる化合物であり、ウレタン結合とイソシアネート基を分子内に含むものである。また、本発明の効果を損なわない範囲内で、他の成分がウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物に含まれていてもよい。
ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物としては、市販されているものを用いてもよく、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて合成したものを用いてもよい。前記反応に特に制限はなく、ポリウレタン樹脂の製造において公知の方法及び条件を用いて付加重合反応すればよい。例えば、40℃に加温したポリオール化合物に、窒素雰囲気にて撹拌しながら50℃に加温したポリイソシアネート化合物を添加し、30分後に80℃まで昇温させ更に80℃にて60分間反応させるといった方法で製造することができる。
(ポリイソシアネート化合物)
本明細書において、ポリイソシアネート化合物とは、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物を意味する。
ポリイソシアネート化合物としては、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有していれば特に制限されるものではない。例えば、分子内に2つのイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物としては、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、ナフタレン-1,4-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネー卜(MDI)、4,4’-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、キシリレン-1、4-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン-1,2-ジイソシアネート、ブチレン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,4-ジイソシアネート、p-フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン-1,4-ジイソチオシアネート、エチリジンジイソチオシアネート等を挙げることができる。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、複数のポリイソシアネート化合物を組み合わせて用いてもよい。
ポリイソシアネート化合物としては、2,4-TDI及び/又は2,6-TDIを含むことが好ましく、2,4-TDI及び2,6-TDIを含むことがより好ましい。2,4-TDI及び2,6-TDIのみからなることがさらにより好ましい。2,4-TDI対2,6-TDIの質量比は、100:0~50:50であることが好ましく、90:10~60:40であることがより好ましく、90:10~70:30であることがさらにより好ましく80:20であることがさらにより好ましい。
(プレポリマーの原料としてのポリオール化合物)
本明細書において、ポリオール化合物とは、分子内に2つ以上の水酸基(OH)を有する化合物を意味する。
プレポリマーとしてのウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物の合成に用いられるポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、ブチレングリコール等のジオール化合物、トリオール化合物等;ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(又はポリテトラメチレンエーテルグリコール)(PTMG)等のポリエーテルポリオール化合物を挙げることができる。これらの中でも、PTMGが好ましい。PTMGの数平均分子量(Mn)は、500~2000であることが好ましく、600~1300であることがより好ましく、650~1000であることがさらにより好ましい。数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)により測定することができる。なお、ポリウレタン樹脂からポリオール化合物の数平均分子量を測定する場合は、アミン分解等の常法により各成分を分解した後、GPCによって推定することもできる。
上記ポリオール化合物は単独で用いてもよく、複数のポリオール化合物を組み合わせて用いてもよい。
(添加剤)
上記したように、研磨層4の材料として、酸化剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。
(硬化剤)
本発明の研磨層4の製造方法では、混合工程において硬化剤(鎖伸長剤ともいう)をウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物などと混合させる。硬化剤を加えることにより、その後の成形体成形工程において、ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物の主鎖末端が硬化剤と結合してポリマー鎖を形成し、硬化する。
硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジアミン、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(MOCA)、4-メチル-2,6-ビス(メチルチオ)-1,3-ベンゼンジアミン、2-メチル-4,6-ビス(メチルチオ)-1,3-ベンゼンジアミン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス[3-(イソプロピルアミノ)-4-ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2-ビス[3-(1-メチルプロピルアミノ)-4-ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2-ビス[3-(1-メチルペンチルアミノ)-4-ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2-ビス(3,5-ジアミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,6-ジアミノ-4-メチルフェノール、トリメチルエチレンビス-4-アミノベンゾネート、及びポリテトラメチレンオキサイド-di-p-アミノベンゾネート等の多価アミン化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、3-メチル-1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、2,3-ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3-メチル-4,3-ペンタンジオール、3-メチル-4,5-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメチロールメタン、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール等の多価アルコール化合物が挙げられる。また、多価アミン化合物が水酸基を有していてもよく、このようなアミン系化合物として、例えば、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等を挙げることができる。多価アミン化合物としては、ジアミン化合物が好ましく、例えば、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(メチレンビス-o-クロロアニリン)(以下、MOCAと略記する。)を用いることがさらに好ましい。
研磨層4は、外殻を有し、内部が中空状である中空微小球体4Aを、材料を用いることにより成形することができる。中空微小球体4Aの材料は、市販のものを使用してもよく、常法により合成することにより得られたものを使用してもよい。中空微小球体4Aの外殻の材質としては、特に制限されないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエーテルアクリライト、マレイン酸共重合体、ポリエチレンオキシド、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル及び有機シリコーン系樹脂、並びにそれらの樹脂を構成する単量体を2種以上組み合わせた共重合体が挙げられる。また、市販品の中空微小球体としては、以下に限定されないが、例えば、エクスパンセルシリーズ(アクゾ・ノーベル社製商品名)、マツモトマイクロスフェア(松本油脂(株)社製商品名)などが挙げられる。
中空微小球体4Aの形状は特に限定されず、例えば、球状及び略球状であってもよい。中空微小球体4Aの平均粒径は、特に制限されないが、好ましくは5~200μmであり、より好ましくは5~80μmであり、さらに好ましくは5~50μmであり、特に好ましくは5~35μmである。なお、平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えばスペクトリス(株)製、マスターサイザ-2000)により測定することができる。
中空微小球体4Aの材料は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、好ましくは0.1~10質量部、より好ましくは1~5質量部、さらにより好ましくは1~3質量部となるように添加する。
また、上記の成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、従来使用されている発泡剤を、中空微小球体4Aと併用してもよく、下記混合工程中に前記各成分に対して非反応性の気体を吹き込んでもよい。該発泡剤としては、水の他、炭素数5又は6の炭化水素を主成分とする発泡剤が挙げられる。該炭化水素としては、例えば、n-ペンタン、n-ヘキサンなどの鎖状炭化水素や、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素が挙げられる。
<混合工程>
混合工程では、前記準備工程で得られた、ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物(ウレタンプレポリマー)、添加剤、硬化剤を混合機内に供給して攪拌・混合する。混合工程は、上記各成分の流動性を確保できる温度に加温した状態で行われる。
<成形工程>
成形体成形工程では、前記混合工程で調製された成形体成形用混合液を30~100℃に予熱した棒状の型枠内に流し込み一次硬化させた後、100~150℃程度で10分~5時間程度加熱して二次硬化させることにより硬化したポリウレタン樹脂(ポリウレタン樹脂成形体)を成形する。このとき、ウレタンプレポリマー、硬化剤が反応してポリウレタン樹脂を形成することにより該混合液は硬化する。
ウレタンプレポリマーは、粘度が高すぎると、流動性が悪くなり混合時に略均一に混合することが難しくなる。温度を上昇させて粘度を低くするとポットライフが短くなり、却って混合斑が生じて得られる発泡体に形成される、中空微小球体4Aの大きさにバラツキが生じる。反対に粘度が低すぎると混合液中で気泡が移動してしまい、得られる発泡体に略均等に分散した、中空微小球体4Aを形成することが難しくなる。このため、プレポリマーは、温度50~80℃における粘度を500~4000mPa・sの範囲に設定することが好ましい。このことは、例えば、プレポリマーの分子量(重合度)を変えることで粘度を設定することができる。プレポリマーは、50~80℃程度に加熱され流動可能な状態とされる。
成形工程では、必要により注型された混合液を型枠内で反応させ発泡体を形成させる。このとき、プレポリマーと硬化剤との反応によりプレポリマーが架橋硬化する。この架橋硬化の進行と同時に、プレポリマーのイソシアネート基と分散液に分散希釈された水とが反応することで、二酸化炭素が発生する。架橋硬化が進行しているため、発生した二酸化炭素が外部に抜け出すことなく、中空微小球体4Aを形成する。
成形体を得た後、シート状にスライスして複数枚の研磨層4を形成する。スライスには、一般的なスライス機を使用することができる。スライス時には研磨層4の下層部分を保持し、上層部から順に所定厚さにスライスされる。スライスする厚さは、例えば、1.3~2.5mmの範囲に設定されている。厚さが50mmの型枠で成型した発泡体では、例えば、発泡体の上層部および下層部の約10mm分をキズ等の関係から使用せず、中央部の約30mm分から10~25枚の研磨層4が形成される。硬化成型工程で内部に中空微小球体4Aが略均等に形成された発泡体が得られる。
得られた研磨層4の研磨面に、スラリー保持溝と、スラリー排出溝とを形成する。研磨面に対して所要のカッターを用いて切削加工等を行うことで、任意のピッチ、幅、深さを有する溝を形成することができる。
このようにして得られた研磨層4は、その後、研磨層4の研磨面とは反対側の面に両面テープが貼り付けられる。両面テープに特に制限はなく、当技術分野において公知の両面テープの中から任意に選択して使用することが出来る。
<クッション層6の製造方法>
クッション層6は、樹脂を含浸してなる含浸不織布で構成することが好ましい。樹脂としては、好ましくは、ポリウレタン及びポリウレタンポリウレア等のポリウレタン系、ポリアクリレート及びポリアクリロニトリル等のアクリル系、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル及びポリフッ化ビニリデン等のビニル系、ポリサルホン及びポリエーテルサルホン等のポリサルホン系、アセチル化セルロース及びブチリル化セルロース等のアシル化セルロース系、ポリアミド系並びにポリスチレン系などが挙げられる。不織布の密度は、樹脂含浸前の状態(ウェッブの状態)で、好ましくは0.3g/cm以下であり、より好ましくは0.1~0.25g/cmである。また、樹脂含浸後の不織布の密度は、好ましくは0.7g/cm以下であり、より好ましくは0.25~0.5g/cmである。樹脂含浸前及び樹脂含浸後の不織布の密度が上記上限以下であることにより、加工精度が向上する。また、樹脂含浸前及び樹脂含浸後の不織布の密度が上記下限以上であることにより、基材層103に研磨スラリーが浸透することを低減することができる。不織布に対する樹脂の付着率は、不織布の重量に対する付着させた樹脂の重量で表され、好ましくは40重量%以上であり、より好ましくは50~100重量%である。不織布に対する樹脂の付着率が上記上限以下であることにより、所望のクッション性を有することができる。
<接合工程>
接合工程では、形成された研磨層4およびクッション層6を接着層7で貼り合わせる(接合する)。接着層7には、例えば、アクリル系粘着剤を用い、厚さが0.1mmとなるように接着層7を形成する。すなわち、研磨層4の研磨面と反対側の面にアクリル系粘着剤を略均一の厚さに塗布する。研磨層4の研磨面と反対側の面と、クッション層6の表面と、を塗布された粘着剤を介して圧接させて、研磨層4およびクッション層6を接着層7で貼り合わせる。そして、円形等の所望の形状に裁断した後、汚れや異物等の付着が無いことを確認する等の検査を行い、研磨パッド3を完成させる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
各実施例及び比較例において、特段の指定のない限り、「部」とは「質量部」を意味するものとする。
また、NCO当量とは、“(ポリイソシアネート化合物の質量(部)+ポリオール化合物の質量(部))/[(ポリイソシアネート化合物1分子当たりの官能基数×ポリイソシアネート化合物の質量(部)/ポリイソシアネート化合物の分子量)-(ポリオール化合物1分子当たりの官能基数×ポリオール化合物の質量(部)/ポリオール化合物の分子量)]”で求められるNCO基1個当たりのプレポリマー(PP)の分子量を示す数値である。
(研磨層について)
2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG)及びジエチレングリコール(DEG)を反応させてなるNCO当量460のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー100部に、殻部分がアクリロニトリル-塩化ビニリデン共重合体からなり、殻内にイソブタンガスが内包された未膨張タイプの中空体2.6部を添加混合し、混合液を得た。得られた混合液を第1液タンクに仕込み、保温した。次に、第1液とは別途に、硬化剤としてMOCA25.5部及びポリプロピレングリコール(PPG)8.5部を添加混合し、第2液タンク内で保温した。第1液タンク、第2液タンクの夫々の液体を、注入口を2つ具備した混合機に夫々の注入口からプレポリマー中の末端イソシアネート基に対する硬化剤に存在するアミノ基及び水酸基の当量比を表わすR値が0.90となるように注入した。注入した2液を混合攪拌しながら予熱した成形機の金型へ注入した後、型締めをし、30分間、加熱し一次硬化させた。一次硬化させた成形物を脱型後、オーブンにて110℃で4時間二次硬化し、ウレタン成形物を得た。得られたウレタン成形物を25℃まで放冷した後に、再度オーブンにて120℃で5時間加熱してから1.3mmの厚みにスライスし、研磨層を得た。
(クッション層について)
ポリエステル繊維からなる不織布(密度:0.216g/cm)をウレタン樹脂溶液(DIC社製、商品名「C1367」)に浸漬した。浸漬後、1対のローラ間を加圧可能なマングルローラを用いて樹脂溶液を絞り落として、不織布に樹脂溶液を略均一に含浸させた。次いで、室温の水からなる凝固液中に浸漬することにより、含浸樹脂を凝固再生させて樹脂含浸不織布を得た。その後、樹脂含浸不織布を凝固液から取り出し、さらに水からなる洗浄液に浸漬して、樹脂中のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を除去した後、乾燥させた。乾燥後、バフィング処理により表面のスキン層を除去しクッション層を作製した。クッション層の樹脂の付着率は55%、厚さは1.30mmであった。
(物性評価)
研磨パッドに用いた研磨層、クッション層について各物性値を測定した。
ショアD硬度は、日本工業規格(JIS K 6253)に従い、バネを介して試験片表面へ押し付けられた押針の押し込み深さから求めた。同様に、ショアA硬度は、日本工業規格(JIS K 7311)に従い、バネを介して試験片表面へ押し付けられた押針の押し込み深さから求めた。圧縮弾性率は、日本工業規格(JIS L 1021)に従い、ショッパー型厚さ測定器(加圧面:直径1cmの円形)を使用して求めた。具体的には、初荷重で30秒間加圧した後の厚さt0を測定し、次に最終圧力のもとで5分間放置後の厚さt1を測定した。全ての荷重を除き、5分間放置後、再び初荷重で30秒間加圧した後の厚さt0’を測定した。圧縮弾性率は、圧縮弾性率(%)=(t0’-t1)/(t0-t1)×100で算出した。このとき、初荷重は100g/cm、最終圧力は1120g/cmであった。
使用した研磨層及びクッション層の各物性について、表1及び表2に記す。
Figure 2022057476000002
Figure 2022057476000003
(実施例及び比較例)
研磨層およびクッション層を厚さ0.1mmの両面テープ(PET基材の両面にアクリル系樹脂からなる接着層を備えるもの)で接合し、クッション層と接着層の反対側の面に両面テープを貼り合わせて研磨パッドを製造した。このようにして得られた研磨パッドの研磨面に、表3に示すスラリー排出溝とスラリー保持溝の複合溝を形成したものを、実施例1~4及び比較例1~3とした。
ここで、各溝の溝ピッチは図9のγを、溝幅は図9のβをそれぞれ示し、溝深さは図8における研磨面から溝の底面までの最も深い部分の深さを、断面形状は図8の様な溝断面の形状をそれぞれ示している。
また、溝面積率は、研磨面の面積における溝が占める面積割合を示しており、下記に示す式により求めた。
格子溝の場合:(1-ランド幅/溝ピッチ)×100
同心円溝の場合:溝幅/溝ピッチ
貫通孔の場合:(1cmあたりの貫通孔の個数)×(貫通孔の面積(cm))×100
(なお、比較例1では貫通孔は5個/cmで、各貫通孔の直径は2mmのため、溝面積率は15.7%であった。)
さらに、溝体積比(排出/保持)は、上記で求めた面積率と溝深さ及び断面形状から、スラリー排出溝とスラリー保持溝の体積比を求めたものである。
Figure 2022057476000004

(研磨性能評価)
実施例及び比較例の研磨パッドについて、下記研磨条件について、研磨を実施した。研磨実施の際に直径121点において、研磨レート(RR)を測定した。比較例1の被研磨物全体の研磨レートのプロファイルを図4、比較例1の被研磨物8のエッジ部分の圧力応答性を図5、実施例1の被研磨物全体の研磨レートのプロファイルを図10、実施例1の被研磨物のエッジ部分の圧力応答性を図11に記載する。なお、半径140mmより内側は2.5mmピッチで測定、外側は1mmピッチで測定した。また、圧力応答性は、リテーナリングにかける圧力を通常の10%及び20%大きくしたときにエッジレートの比(エッジ部(被研磨物の中心から145mm~149mm)の研磨レートを、被研磨物の中心から100mm~140mmの部分の研磨レートの平均で割った値で、図5・図11の縦軸に示す)の変化率で表した。
(研磨条件)
使用研磨機:F-REX300(荏原製作所社製)
研磨剤温度:20℃
研磨定盤回転数:70rpm
研磨ヘッド回転数:71rpm
研磨圧力:3.5psi
研磨スラリー:キャボットマイクロエレクトロニクスコーポレーション製、商品名:SS25
研磨スラリー流量:200ml/min
研磨時間:60秒
被研磨物:TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)付きシリコンウエハ
実施例及び比較例の各研磨パッドの研磨結果を表4に示す。なお、研磨結果の「最エッジレートは」、被研磨物の最エッジ部(中心から149mmの部分)の研磨レートを中心から100~140mmの部分の研磨レートの平均で割った値で算出した。また、圧力応答は、リテーナリングにかける圧力を通常(図5、図11におけるRefに相当)より10%及び20%大きくした際の最エッジレートの変化率で示している。
Figure 2022057476000005
図4~5及び表4に示す通り、溝体積比(排出/保持)が0.193と低い比較例1の研磨パッドでは、最エッジ部のレートが1.68と大きくなり端部ダレが確認されると共に、リテーナリングの圧力を10%・20%と上げた際の応答性が、それぞれ4.2%・8.3%と低いものであり、リテーナリングの圧力上昇によるエッジプロファイルの調整が難しい。溝体積比(排出/保持)が0.389と低い比較例2でも同様の傾向であった。また、溝体積比(排出/保持)が1.203と高い比較例2ではスラリー排出溝の割合が大きすぎるため被研磨物全体の研磨レートが不十分という結果に終わった。
一方、図6~7及び表3に示す通り、溝体積比(排出/保持)が0.777とした実施例1の研磨パッドでは、最エッジ部のレートが1.28と端部ダレを抑えることができると共に、リテーナリングの圧力を10%・20%と上げた際の応答性が、それぞれ9.4%・17.2%と高く、リテーナリングの圧力上昇によりさらに端部ダレを抑えエッジプロファイルの調整が可能となった。溝体積比(排出/保持)・溝幅の比(排出/保持)・溝ピッチの比(排出/保持)を所定範囲内とした他の実施例においても、最エッジ部の研磨レートの上昇(端部ダレ)を抑えるとともに、高い圧力応答性を示し、良好なエッジプロフィルを得ることができた。
本発明は、研磨層の物性・気泡構造を変更することなく、端部ダレの改善を可能とする研磨パッドを提供するものであるため、研磨パッドの製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
符号の説明
1 研磨装置
3 研磨パッド
4 研磨層
4A 中空微小球体
5 溝
5A スラリー保持溝
5B スラリー排出溝
6 クッション層
7 接着層
8 被研磨物
8a 端部ダレ
9 スラリー
10 研磨定盤
11 基盤
16 保持定盤

Claims (4)

  1. 被研磨物を研磨加工するための研磨面を有する研磨層を備える研磨パッドであって、
    前記研磨面には、スラリーを保持するための形状からなるスラリー保持溝と、スラリーを排出するための形状からなるスラリー排出溝とが設けられており、
    前記スラリー保持溝の体積と、前記スラリー排出溝の体積の比(排出溝体積/保持溝体積)が、0.5~1.0である、研磨パッド。
  2. 前記スラリー保持溝とスラリー排出溝との溝幅の比(排出/保持)が1.5~7.5である、請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 前記スラリー保持溝とスラリー排出溝との溝ピッチの比(排出/保持)が4.5~15である請求項1又は2に記載の研磨パッド。
  4. 前記研磨面には、中空微小球体が分散されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の研磨パッド。
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