以下、図面を参照しながら、本実施形態に係る自動分析装置を説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行うこととする。
〔第1実施形態〕
(自動分析装置)
図1は、本実施形態に係る自動分析装置1の機能構成の例を示すブロック図である。図1に示される自動分析装置1は、例えば、分析機構2と、解析回路3と、駆動機構4と、入力インターフェース5と、出力インターフェース6と、通信インターフェース7と、記憶回路8と、制御回路9とを備えて構成されている。
自動分析装置1は、例えば、ラテックス凝集法を用いて試料等の濃度を測定する装置であり、試薬に添加する不溶性の担体としては、各種の担体粒子が利用可能である。担体粒子としては、例えば、ラテックス粒子、ポリスチレン、ポリスチレンラテックス、シリカ粒子等を用いることができる。無論、自動分析装置1において試料等の濃度を測定する手法は、これに限られるものではない。
分析機構2は、標準試料、又は、被検試料等の試料に、この試料に設定される各検査項目で用いられる試薬を添加する。分析機構2は、試料に試薬を添加して得られる反応液を測定し、例えば、標準データ、及び、被検データを生成する。本実施形態においては、標準データは、含まれる検出対象の濃度が既知の標準試料についての吸光度の測定データを表す。また、被検データは、被検試料についての吸光度の測定データを表す。
解析回路3は、分析機構2により生成される標準データ及び被検データを解析し、検量データ及び分析データ等を生成するプロセッサである。検量データは、例えば、標準データに基づいて生成された検量線に関する情報を含んでいる。また、分析データは、被検データを検量データに基づいて分析することで得られる、例えば、被検試料に含まれる検出対象の濃度に関する情報を含んでいる。
解析回路3は、記憶回路8に記憶されている動作プログラムを実行し、この動作プログラムに対応する機能を実現することで、検量データ及び分析データ等を生成する。例えば、解析回路3は、1)吸光度が既知で濃度が0の標準試料と、濃度が既知である1又は複数の標準試料とについて得られた標準データと、2)これらの標準試料について予め設定された濃度と、3)予め設定された測光タイミング等に基づき、検量線を生成し、この検量線に関する情報を含む検量データを算出する。また、解析回路3は、被検データと、この被検データに対応する検査項目の検量線を含む検量データと、予め設定された測光タイミング等に基づき、分析データを生成する。解析回路3は生成した検量データ及び分析データ等を制御回路9へ出力する。
駆動機構4は、制御回路9の制御に従い、分析機構2を駆動させる。例えば、駆動機構4は、ギア、ステッピングモータ、ベルトコンベア、及びリードスクリュー等により実現される。
入力インターフェース5は、例えば、ユーザから又は病院内ネットワークNWを介して、測定を依頼された試料に係る各検査項目の分析パラメータ等の設定を受け付ける。入力インターフェース5は、例えば、マウス、キーボード、及び、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチパッド等により実現される。入力インターフェース5は、制御回路9に接続され、ユーザから入力される操作指示を電気信号へ変換し、この電気信号を制御回路9へ出力する。なお、本実施形態においては、入力インターフェース5は、マウス、及びキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、自動分析装置1とは別体に設けられた外部の入力機器から入力される操作指示に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路9へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース5の例に含まれる。
出力インターフェース6は、制御回路9に接続され、制御回路9から供給される信号を出力する。出力インターフェース6は、例えば、表示回路、及び印刷回路等により実現される。表示回路には、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、及びプラズマディスプレイ等が含まれる。なお、本実施形態においては、表示対象を表すデータをビデオ信号に変換し、ビデオ信号を外部へ出力する処理回路も表示回路に含まれる。印刷回路は、例えば、プリンタ等を含む。なお、本実施形態においては、印刷対象を表すデータを外部へ出力する出力回路も印刷回路に含まれる。
通信インターフェース7は、例えば、病院内ネットワークNWに接続されており、自動分析装置1を病院内ネットワークNWに接続する。通信インターフェース7は、病院内ネットワークNWを介してHIS(Hospital Information System)とデータ通信を行う。なお、通信インターフェース7は、病院内ネットワークNWと接続する検査部門システム(Laboratory Information System:LIS)を介してHISとデータ通信を行っても構わない。
記憶回路8は、磁気的、若しくは、光学的記録媒体、又は、半導体メモリ等の、プロセッサにより読み取り可能な記録媒体等により構成されている。なお、記憶回路8は、必ずしも単一の記憶装置により実現される必要は無い。例えば、記憶回路8は、複数の記憶装置により実現することもできる。
また、記憶回路8は、解析回路3で実行される動作プログラム、及び、制御回路9で実行される動作プログラムを記憶している。記憶回路8は、分析機構2内に保持されている試薬に関する検量線に関する情報を記憶する。詳しくは後述するが、分析機構2で使用される試薬に関する検量線は、自動分析装置1にて生成され、検量データとして、記憶回路8に記憶される。また、記憶回路8に記憶される検量データには、例えば、試薬について予め設定された測光タイミングに関するデータも、検査項目毎に含まれている。
測光タイミングは、検量線を含む検量データを生成する際に用いる吸光度等の情報を取得する時点を表す。すなわち、測光タイミングは、例えば、検出対象と結合する成分が固定化された不溶性担体である担体粒子が含まれる試薬を標準試料に添加してからの経過時間を表している。また、測光タイミングは、分析データを生成する際に用いる吸光度等の情報を取得する時点を表す。すなわち、測光タイミングは、例えば、不溶性担体の粒子が含まれる試薬を被検試料に添加してからの経過時間を表している。
すなわち、記憶回路8は、解析回路3により生成される検量データを、検査項目毎に記憶する。また、記憶回路8は、解析回路3により生成される分析データを、被検試料毎に記憶する。
制御回路9は、自動分析装置1の中枢として機能するプロセッサである。制御回路9は、記憶回路8に記憶されている動作プログラムを実行することで、この動作プログラムに対応する機能を実現する。なお、制御回路9は、記憶回路8で記憶されているデータの少なくとも一部を記憶する記憶領域を備えていてもよい。
図2は、図1に示す分析機構2の構成の一例を示す模式図である。この図2に示すように、本実施形態に係る自動分析装置1の分析機構2は、反応ディスク201と、恒温部202と、サンプルディスク203と、第1試薬庫204と、第2試薬庫205とを備えて構成されている。
反応ディスク201は、反応容器2011を所定の経路に沿って搬送する。具体的には、反応ディスク201は、複数の反応容器2011を、環状に配列させて保持する。このため、反応ディスク201は、本実施形態における保持部を構成する。反応ディスク201は、駆動機構4により、既定の時間間隔で回動と停止とが交互に繰り返される。
反応容器2011は、例えば、ガラスにより形成されている。反応容器2011は、四角柱状をなしており、上部に開口部を有している。四角柱を形成する第1乃至第4側壁のうち、第1側壁の外面からは、測光ユニット214に設けられる光源から照射される光が入射される。第1乃至第4側壁のうち、第1側壁と対向する第2側壁の外面からは、第1側壁の外面から入射された光が出射される。
恒温部202は、所定の温度に設定された熱媒体を貯留する。恒温部202は、貯留する熱媒体に反応容器2011を浸漬させることで、反応容器2011に収容される反応液を所定の温度まで昇温し保温する。
サンプルディスク203は、試料を収容する試料容器を複数保持する。サンプルディスク203は、駆動機構4により回動される。本実施形態においては、検出対象の成分を含む試料を適宜、被検試料と言う。
第1試薬庫204は、標準試料及び被検試料に含まれる所定の成分と反応する第1試薬を収容する試薬容器を複数保冷する。第1試薬は、例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)等を含む緩衝液である。試薬容器には、試薬ラベルが貼付されている。試薬ラベルには、試薬情報を表す光学式マークが印刷されている。光学式マークには、例えば、1次元画素コード及び2次元画素コード等、任意の画素コードが用いられる。試薬情報は、試薬容器に収容される試薬に関する情報であり、例えば、試薬名、試薬メーカコード、試薬項目コード、ボトル種類、ボトルサイズ、容量、製造ロット番号、及び、有効期間等を含んでいる。
また、第1試薬庫204は、標準試料を収容する標準試料容器を複数保冷する。複数の標準試料容器のそれぞれには、濃度が異なる同一の成分の標準試料が収容されている。なお、標準試料容器は、サンプルディスク203に保持されていても構わない。
第1試薬庫204内には、試薬ラック2041が回転自在に設けられている。試薬ラック2041は、複数の試薬容器及び複数の標準試料容器を、円環状に配列して保持する。試薬ラック2041は、駆動機構4により回動される。また、第1試薬庫204内には、試薬容器に貼付されている試薬ラベルから試薬情報を読み取るリーダ(図示せず)が設けられている。読み取られた試薬情報は、記憶回路8で記憶される。
第1試薬庫204上の所定の位置には、第1試薬吸引位置が設定されている。第1試薬吸引位置は、例えば、第1試薬分注プローブ209の回動軌道と、試薬ラック2041に円環状に配列される試薬容器及び標準試料容器の開口部の移動軌道とが、交差する位置に設けられる。
第2試薬庫205は、2試薬系の第1試薬と対をなす第2試薬を収容する試薬容器を複数保冷する。第2試薬は、試料に含まれる所定の抗原又は抗体と、特異的抗原抗体反応により結合又は乖離する抗原又は抗体が固定化された不溶性担体、例えば、担体粒子を含む溶液である。特異的反応により結合又は乖離するものとして酵素、基質、アプタマー、受容体であっても良い。第2試薬庫205内には、試薬ラック2051が回転自在に設けられている。
試薬ラック2051は、複数の試薬容器を円環状に配列して保持する。なお、第2試薬庫205において、標準試料を収容する標準試料容器が保冷されていてもよい。試薬ラック2051は、駆動機構4により回動される。また、第2試薬庫205内には、試薬容器に貼付されている試薬ラベルから試薬情報を読み取るリーダ(図示せず)が設けられている。読み取られた試薬情報は、記憶回路8で記憶される。
第2試薬庫205上の所定の位置には、第2試薬吸引位置が設定されている。第2試薬吸引位置は、例えば、第2試薬分注プローブ211の回動軌道と、試薬ラック2051に円環状に配列される試薬容器の開口部の移動軌道とが、交差する位置に設けられる。
また、図2に示す自動分析装置1の分析機構2は、さらに、サンプル分注アーム206と、サンプル分注プローブ207と、第1試薬分注アーム208と、第1試薬分注プローブ209と、第2試薬分注アーム210と、第2試薬分注プローブ211と、第1攪拌装置212と、第2攪拌装置213と、測光ユニット214と、洗浄ユニット215を備えて構成されている。
サンプル分注アーム206は、反応ディスク201とサンプルディスク203との間に設けられている。サンプル分注アーム206は、駆動機構4により、鉛直方向に上下動自在、かつ、水平方向に回動自在に設けられている。サンプル分注アーム206は、一端にサンプル分注プローブ207を保持する。
サンプル分注プローブ207は、サンプル分注アーム206の回動に伴い、円弧状の回動軌道に沿って回動する。この回動軌道上には、サンプルディスク203で保持される試料容器の開口部が位置するようになっている。また、サンプル分注プローブ207の回動軌道上には、サンプル分注プローブ207が吸引した試料を反応容器2011へ吐出するためのサンプル吐出位置が設けられている。サンプル吐出位置は、サンプル分注プローブ207の回動軌道と、反応ディスク201に保持されている反応容器2011の移動軌道とが、交差する位置に設けられる。
サンプル分注プローブ207は、駆動機構4によって駆動され、サンプルディスク203で保持される試料容器の開口部の直上、又は、サンプル吐出位置において上下方向に移動する。また、サンプル分注プローブ207は、制御回路9の制御に従い、直下に位置する試料容器から試料を吸引する。また、サンプル分注プローブ207は、制御回路9の制御に従い、吸引した試料を、サンプル吐出位置の直下に位置する反応容器2011へ吐出する。このことから分かるように、サンプル分注アーム206とサンプル分注プローブ207とにより、本実施形態に係る試料分注装置が構成されている。
第1試薬分注アーム208は、第1試薬庫204の外周近傍に設けられている。第1試薬分注アーム208は、駆動機構4により、鉛直方向に上下動自在、かつ、水平方向に回動自在に設けられている。第1試薬分注アーム208は、一端に第1試薬分注プローブ209を保持している。
第1試薬分注プローブ209は、第1試薬分注アーム208の回動に伴い、円弧状の回動軌道に沿って回動する。この回動軌道上には、第1試薬吸引位置が設けられている。また、第1試薬分注プローブ209の回動軌道上には、第1試薬分注プローブ209が吸引した第1試薬又は標準試料を反応容器2011へ吐出するための第1試薬吐出位置が設定されている。第1試薬吐出位置は、第1試薬分注プローブ209の回動軌道と、反応ディスク201に保持されている反応容器2011の移動軌道とが、交差する位置に設けられる。
第1試薬分注プローブ209は、駆動機構4によって駆動され、回動軌道上の第1試薬吸引位置又は第1試薬吐出位置において上下方向に移動する。また、第1試薬分注プローブ209は、制御回路9の制御に従い、第1試薬吸引位置の直下に位置する試薬容器から第1試薬又は標準試料を吸引する。また、第1試薬分注プローブ209は、制御回路9の制御に従い、吸引した第1試薬又は標準試料を、第1試薬吐出位置の直下に位置する反応容器2011へ吐出する。このことから分かるように、第1試薬分注アーム208と第1試薬分注プローブ209とにより、本実施形態に係る第1試薬分注装置が構成されている。
第2試薬分注アーム210は、第1試薬庫204の外周近傍に設けられている。第2試薬分注アーム210は、駆動機構4により、鉛直方向に上下動自在、かつ、水平方向に回動自在に設けられている。第2試薬分注アーム210は、一端に第2試薬分注プローブ211を保持している。
第2試薬分注プローブ211は、第2試薬分注アーム210の回動に伴い、円弧状の回動軌道に沿って回動する。この回動軌道上には、第2試薬吸引位置が設けられている。また、第2試薬分注プローブ211の回動軌道上には、第2試薬分注プローブ211が吸引した第2試薬を反応容器2011へ吐出するための第2試薬吐出位置が設定されている。第2試薬吐出位置は、第2試薬分注プローブ211の回動軌道と、反応ディスク201に保持されている反応容器2011の移動軌道とが、交点する位置に設けられる。
第2試薬分注プローブ211は、駆動機構4によって駆動され、回動軌道上の第2試薬吸引位置、又は第2試薬吐出位置において上下方向に移動する。また、第2試薬分注プローブ211は、制御回路9の制御に従い、第2試薬吸引位置の直下に位置する試薬容器から第2試薬を吸引する。また、第2試薬分注プローブ211は、制御回路9の制御に従い、吸引した第2試薬を、第2試薬吐出位置の直下に位置する反応容器2011へ吐出する。このことから分かるように、第2試薬分注アーム210と第2試薬分注プローブ211とにより、本実施形態に係る第2試薬分注装置が構成されている。
第1攪拌装置212は、反応ディスク201の外周近傍に設けられている。第1攪拌装置212は、第1攪拌アーム2121を有し、また、この第1攪拌アーム2121の先端に設けられる第1攪拌子を有する。第1攪拌装置212は、第1攪拌子により、反応ディスク201上の第1攪拌位置に位置する反応容器2011内に収容されている標準試料と第1試薬との混合液を攪拌する。また、第1攪拌装置212は、第1攪拌子により、反応ディスク201上の第1攪拌位置に位置する反応容器2011内に収容されている被検試料と第1試薬との混合液を攪拌する。
第2攪拌装置213は、反応ディスク201の外周近傍に設けられている。第2攪拌装置213は、第2攪拌アーム2131を有し、また、この第2攪拌アーム2131の先端に設けられる第2攪拌子を有する。第2攪拌装置213は、第2攪拌子により、反応ディスク201上の第2攪拌位置に位置する反応容器2011内に収容されている標準試料、第1試薬、及び第2試薬の混合液を攪拌する。また、第2攪拌装置213は、第2攪拌子により、第2攪拌位置に位置する反応容器2011内に収容されている被検試料、第1試薬、及び第2試薬の混合液を攪拌する。
測光ユニット214は、反応容器2011内に吐出された試料、第1試薬、及び第2試薬の反応液を光学的に測定する。測光ユニット214は、光源、及び、光検出器を有する。測光ユニット214は、制御回路9の制御に従い、光源から光を照射する。照射された光は、反応容器2011の第1側壁から入射され、第1側壁と対向する第2側壁から出射される。測光ユニット214は、反応容器2011から出射された光を、光検出器により検出する。
具体的には、例えば、光検出器は、光源から反応容器2011に照射される光の光軸上の位置に配置されている。光検出器は、反応容器2011内の標準試料、第1試薬、及び第2試薬の反応液を透過した光を検出し、検出した光の強度に基づき、吸光度により表される標準データを生成する。また、光検出器は、反応容器2011内の被検試料、第1試薬、及び第2試薬の反応液を透過した光を検出し、検出した光の強度に基づき、吸光度により表される被検データを生成する。測光ユニット214は、生成した標準データ及び被検データを測定結果として解析回路3へ出力する。
洗浄ユニット215は、測光ユニット214で反応液の測定が終了した反応容器2011の内部を洗浄する。
図1に示すように、制御回路9は、記憶回路8に記憶されている動作プログラムを実行することで、当該プログラムに対応する機能を実現する。例えば、制御回路9は、動作プログラムを実行することで、システム制御機能91、校正制御機能92、及び測定制御機能93を実現する。なお、本実施形態では、単一のプロセッサによってシステム制御機能91、校正制御機能92、及び測定制御機能93が実現される場合を説明するが、これに限定されない。例えば、複数の独立したプロセッサを組み合わせて制御回路を構成し、各プロセッサが動作プログラムを実行することによりシステム制御機能91、校正制御機能92、及び測定制御機能93を実現するようにしてもよい。
システム制御機能91は、入力インターフェース5から入力される入力情報に基づき、自動分析装置1における各部を統括して制御する機能である。
校正制御機能92は、標準データを生成するように、分析機構2及び駆動機構4を制御する機能である。具体的には、制御回路9は、所定のタイミングで校正制御機能92を実行する。所定のタイミングとは、例えば、初期設定時、装置起動時、メンテナンス時、及びユーザから校正動作開始の指示が入力された際等である。
校正制御機能92を実行すると制御回路9は、分析機構2及び駆動機構4を制御する。分析機構2及び駆動機構4が制御されることで、分析機構2では、標準データが生成される。具体的には、例えば、駆動機構4により駆動されることで、分析機構2の第1試薬分注プローブ209は、標準試料を第1試薬庫204から吸引し、吸引した標準試料を反応容器2011へ吐出する。続いて、第1試薬分注プローブ209は、第1試薬を第1試薬庫204から吸引し、吸引した第1試薬を、標準試料が吐出された反応容器2011へ吐出する。続いて、第1攪拌装置212は、標準試料に第1試薬が添加された溶液を攪拌する。
次に、第2試薬分注プローブ211は、第2試薬を第2試薬庫205から吸引し、吸引した第2試薬を、標準試料と第1試薬とが混合された混合液へ吐出する。続いて、第2攪拌装置213は、混合液に第2試薬が添加された溶液を攪拌する。測光ユニット214は、標準試料、第1試薬、及び第2試薬が攪拌されてなる反応液を光学的に測定することで、標準データを生成する。測光ユニット214は、生成した標準データを解析回路3へ出力する。測光ユニット214は、予め設定された周期で予め設定された回数、反応液の測定を繰り返し、生成した標準データを解析回路3へ出力する。分析機構2は、予め設定した複数の濃度の標準試料について上記動作を繰り返し、生成した標準データを解析回路3へ出力する。
測定制御機能93は、被検データを生成するように、分析機構2及び駆動機構4を制御する機能である。具体的には、制御回路9は、所定の指示に応じて測定制御機能93を実行する。所定の指示とは、例えば、ユーザから入力される測定動作開始の指示、及び予め設定した時刻に到達したことを表す指示等である。
測定制御機能93を実行すると制御回路9は、分析機構2及び駆動機構4を制御する。分析機構2及び駆動機構4が制御されることで、分析機構2では、被検データが生成される。具体的には、駆動機構4により駆動されることで、分析機構2のサンプル分注プローブ207は、被検試料をサンプルディスク203から吸引し、吸引した被検試料を反応容器2011へ吐出する。続いて、第1試薬分注プローブ209は、第1試薬を第1試薬庫204から吸引し、吸引した第1試薬を、被検試料が吐出された反応容器2011へ吐出する。続いて、第1攪拌装置212は、被検試料に第1試薬が添加された溶液を攪拌する。
次に、第2試薬分注プローブ211は、第2試薬を第2試薬庫205から吸引し、吸引した第2試薬を、被検試料と第1試薬とが混合された混合液へ吐出する。続いて、第2攪拌装置213は、混合液に第2試薬が添加された溶液を攪拌する。続いて、測光ユニット214は、被検試料、第1試薬、及び第2試薬が攪拌されてなる反応液を光学的に測定することで、被検データを生成する。測光ユニット214は、生成した被検データを解析回路3へ出力する。測光ユニット214は、予め設定された周期で予め設定された回数、反応液の測定を繰り返し、生成した被検データを解析回路3へ出力する。
また、図1に示される解析回路3は、記憶回路8に記憶されている動作プログラムを実行することで、当該プログラムに対応する機能を実現する。例えば、解析回路3は、動作プログラムを実行することで、検量データ生成機能31及び分析データ生成機能32を実現する。なお、本実施形態では、単一のプロセッサによって検量データ生成機能31、及び分析データ生成機能32が実現される場合を説明するが、これに限定されない。例えば、複数の独立したプロセッサを組み合わせて解析回路を構成し、各プロセッサが動作プログラムを実行することにより検量データ生成機能31、及び分析データ生成機能32を実現するようにしてもよい。
検量データ生成機能31は、分析機構2で生成された標準データに基づいて検量データを生成する機能である。具体的には、解析回路3は、分析機構2で生成された標準データを受信すると、検量データ生成機能31を実行する。検量データ生成機能31を実行すると解析回路3は、異なる複数の濃度の標準試料に関する吸光度を含む測定データである標準データに基づいて、検量線を生成する。この生成された検量線は、検量データとして記憶回路8に記憶される。
分析データ生成機能32は、分析機構2で生成された被検データを解析することで分析データを生成する機能である。具体的には、解析回路3は、分析機構2で生成された被検データを受信すると、分析データ生成機能32を実行する。分析データ生成機能32を実行すると解析回路3は、検量線に関する情報を含む検量データを記憶回路8から読み出す。解析回路3は、これら被検データ及び検量データに基づき、被検試料の検出対象の濃度に関する情報を含む分析データを生成する。
(攪拌装置)
次に、本実施形態に係る自動分析装置1が備える第1攪拌装置212及び第2攪拌装置213による攪拌動作について、詳しく説明する。図3は、第1攪拌装置212の攪拌原理を説明する模式的な斜視図である。以下においては、第1攪拌装置212の攪拌原理や動作を中心として説明をするが、第2攪拌装置213の攪拌原理や動作も、この第1攪拌装置212と同様である。
この図3に示すように、本実施形態においては、第1攪拌装置212は、第1攪拌子2122が圧電素子などの振動部材により構成されている。例えば、この圧電素子に、駆動信号として、特定の周波数の交流電圧を印加することにより、圧電素子は振動し、試料と試薬の混合液を攪拌することができる。本実施形態においては、例えば、制御回路9による制御の下、圧電素子などの振動部材に駆動信号が、所定のタイミングで印加される。
圧電素子に駆動信号が印加されると、圧電素子は左右に振り子のような往復運動を繰り返す。すなわち、反応容器に試料と試薬の混合液が収容されている状態で、第1攪拌子2122である圧電素子を混合液に挿入し、圧電素子に駆動信号を印加すると、圧電素子が図3に示すような往復運動をし、混合液の攪拌をすることができる。本実施形態においては、この圧電素子の振り子のような往復運動を、検出装置300で検出する。なお、圧電素子は、試料と試薬の混合液を攪拌するために振動する振動部材の一例であり、駆動信号により振動する他の部材を用いて、本実施形態における第1攪拌子2122を構成するようにしてもよい。
検出装置300は、発生部301と受信部302とを備えて構成されている。発生部301は、検出信号DSを受信部302に向けて発信する。検出信号DSは、例えば、検出用の光または超音波を発する。受信部302は、発生部301が発信した検出信号DSを受信する。発生部301と受信部302との間に、障害物がない場合、つまり、第1攪拌子2122である圧電素子がない場合には、検出信号DSが受信部302で受信される。この状態を、例えば、検出装置300がオフの状態とする。一方、発生部301と受信部302との間に、障害物がある場合、つまり、第1攪拌子2122である圧電素子がある場合には、検出信号DSが圧電素子で遮られ、受信部302で受信されない。この状態を、例えば、検出装置300がオンの状態とする。このため、第1攪拌子2122である圧電素子が振動する場合、この振動を検出装置300で検出することができる。
図4は、第1攪拌子2122の攪拌位置が設計上の位置である適正位置からずれていない場合における、検出装置300が生成する検出結果信号のオン/オフ状態を示す図である。この図4に示すように、本実施形態においては、検出装置300における発生部301が発信する検出信号DSは、第1攪拌子2122である圧電素子の往復運動の中心部を通るように設定される。つまり、第1攪拌子2122である圧電素子が振動した場合、圧電素子が真下に延びる位置に来たときに、発生部301が発信する検出信号DSが圧電素子により遮られるように、検出装置300の発生部301と受信部302とを配置する。これが、第1攪拌子2122が攪拌を行うべき、設計上の適正位置である。
このため、第1攪拌子2122である圧電素子が振動して攪拌を行う位置である攪拌位置が、設計通りの位置である場合には、検出装置300の生成する検出結果信号が規則的にオンの状態となる。すなわち、第1攪拌子2122である圧電素子の振幅の中心が検出装置300の検出信号DSが遮られる位置と等しくなり、検出装置300が生成する検出結果信号のパターンは、検出装置300が等間隔でオンの状態となる。
図5は、第1攪拌子2122である圧電素子が攪拌を行う位置である攪拌位置が設計上の位置である適正位置からずれている場合における、検出装置300が生成する検出結果信号のオン/オフ状態を示す図である。このような場合、図5に示すように、検出装置300における発生部301が発信する検出信号DSは、第1攪拌子2122である圧電素子の往復運動の中心部を通らない。つまり、第1攪拌子2122である圧電素子が振動した場合、圧電素子が真下に延びる位置からずれた位置に来たときに、発生部301が発信する検出信号DSが圧電素子により遮られる。このため、検出装置300の生成する検出結果信号がオンの状態となるタイミングに、偏りが生じる。すなわち、検出装置300の検出信号DSの遮られる位置が圧電素子の振幅の中からずれた位置となり、検出装置300が生成する検出結果信号のパターンは、偏りのある周期で検出装置300がオンの状態となる。
これら図4及び図5を用いて説明したところから分かるように、本実施形態においては、検出装置300の検出結果信号は、発生部301から発信された検出信号DSが、第1攪拌子2122である圧電素子により遮られるタイミング信号として表されている。つまり、検出結果信号は、第1攪拌子2122である圧電素子が検出信号DSを遮ったタイミングでオンになるタイミング信号となる。
第1攪拌子2122により攪拌が行われる攪拌位置の適正位置に対するずれ量は、図1に示す制御回路9におけるずれ量算出機能94により算出される。すなわち、ずれ量算出機能94は、検出装置300が生成した検出結果信号に基づいて、実際に攪拌が行われた攪拌位置と設計上の適正位置との間のずれ量を、演算により算出する。
例えば、本実施形態においては、制御回路9におけるずれ量算出機能94には、予め、検出結果信号の周期性のパターンと、攪拌が行われた攪拌位置の適正位置に対するずれ量との関係が登録されている。例えば、攪拌位置が適正位置にある場合の検出結果信号のパターン、適正位置から右に1mmずれている場合の検出結果信号のパターン、適正位置から右に2mmずれている場合の検出結果信号のパターン、・・・といったように、ずれ量ごとに、検出結果信号のパターンが、登録パターンとして予め登録されている。
ずれ量算出機能94は、実際に測定された検出結果信号の周期性のパターンと、予め登録されている登録パターンとを比較して、第1攪拌子2122である圧電素子により攪拌が行われた攪拌位置の適正位置に対するずれ量を決定する。つまり、検出結果信号のパターンと、登録されている登録パターンとのパターンマッチングを行い、最も近似している登録パターンが表しているずれ量を、適正位置からのずれ量として決定する。
或いは、ずれ量算出機能94は、検出結果信号のパターンの同相性から、攪拌位置のずれ量を演算により算出してもよい。すなわち、ずれ量算出機能94は、検出装置300が生成した検出結果信号のパターンにおける周期性の偏りの程度に基づいて、攪拌が行われた攪拌位置の適正位置に対するずれ量を算出する。具体的には、攪拌が行われた攪拌位置が、第1攪拌子2122である圧電素子の振動振幅の中心である場合には、検出結果信号がオンになる周期の偏りはゼロである。しかし、攪拌が行われた攪拌位置のずれ量が大きくなるにしたがって、検出結果信号がオンになる周期の偏りも大きくなる。そこで、例えば、ずれ量算出機能94は、検出結果信号がオンになる周期における長い方の周期に関する時間の長さと短い方の周期に関する時間の長さとの差分を求め、この差分が大きくなるほど、攪拌位置のずれ量が大きくなったと判定する。
図6は、反応容器2011が反応ディスク201に収容されている状態における、反応容器2011と検出装置300の位置関係を説明する図である。この図6に示す例においては、試料と試薬の混合液に浸漬している部分の第1攪拌子2122の振動を、検出装置300が検出する。このため、検出装置300の発生部301と受信部302は、反応ディスク201の内部に設けられている。
発生部301が発信した検出信号DSは、反応ディスク201における恒温部202内の熱媒体や、反応容器2011内の混合液を通過し、受信部302で受信される。その間、第1攪拌子2122である圧電素子が、この検出信号を遮ると、受信部302で検出信号が受信されなくなり、検出装置300が生成する検出結果信号がオンの状態となる。
図7は、検出装置300の配置位置の別の例を示す図である。この図7においては、試料と試薬の混合液に浸漬していない部分の第1攪拌子2122の振動を、検出装置300が検出する。このため、検出装置300の発生部301と受信部302は、反応ディスク201の外部に設けられている。
発生部301が発信した検出信号DSは、大気中を通過し、受信部302で受信される。その間、第1攪拌子2122である圧電素子が、この検出信号を遮ると、受信部302で検出信号が受信されなくなり、検出装置300が生成する検出結果信号がオンの状態となる。
この検出装置300を用いた攪拌位置のずれ量の算出は、例えば、この自動分析装置1が患者の血液等の被検試料について分析を実際に行っている際に、定常的に実行させることができる。これにより、自動分析装置1が稼働している間、定常的に第1攪拌子2122が攪拌をする攪拌位置を監視できる。
また、検出装置300を用いた攪拌位置のずれ量の算出は、例えば、自動分析装置1の動作検査中に行うこともできる。この場合、例えば標準試料を用いて自動分析装置1を動作させ、標準試料と試薬の混合液の攪拌を第1攪拌装置212に行わせることにより、攪拌位置の検査をすることができる。これにより、自動分析装置1が実際の分析動作を開始する前に、第1攪拌子2122が攪拌をする攪拌位置を点検することができる。
次に、図8に基づいて、制御回路9におけるずれ量算出機能94が実行するずれ量算出処理について説明する。このずれ量算出処理は、例えば、自動分析装置1が患者から採取した被検試料について分析動作を行っている間に定常的に実行されている処理である。以下においても、第1攪拌装置212に関して実行されるずれ量算出処理を説明するが、本実施形態に係る自動分析装置1においては、第2攪拌装置213についても同様の処理が実行される。
この図8に示すように、制御回路9のずれ量算出機能94は、まず、第1攪拌装置212による攪拌が行われたか否かを判断する(ステップS10)。すなわち、自動分析装置1の分析動作中は、反応容器2011が反応ディスク201上を環状に配列されて、既定の時間間隔で回動と停止とが交互に繰り返されている。そして、反応容器2011が第1攪拌装置212の動作位置に停止した場合に、第1攪拌子2122による混合液の攪拌が行われる。
この第1攪拌子2122による攪拌が行われていない場合(ステップS10:No)には、制御回路9におけるずれ量算出機能94は、攪拌が実際に行われるまで待機する。一方、第1攪拌子2122による攪拌が行われた場合(ステップS10:Yes)には、制御回路9におけるずれ量算出機能94は、検出装置300を用いて、攪拌位置のずれ量を検出して算出する(ステップS12)。すなわち、上述した手法で、検出装置300が生成した検出結果信に基づいて、第1攪拌子2122による攪拌が行われた攪拌位置の適正位置からのずれ量を算出する。
次に、制御回路9におけるずれ量算出機能94は、ステップS12で算出したずれ量が、所定値以上であるか否かを判断する(ステップS14)。例えば、所定値は、0.5mmや1mmといった数値である。この所定値は、この制御回路9におけるずれ量算出機能94に予め登録されており、この登録されている所定値と、ステップS12で算出されたずれ量とを比較する。ステップS12で算出したずれ量が所定値以上でない場合(ステップS14:No)には、上述したステップS10に戻り、次の反応容器2011についての第1攪拌装置212による攪拌を待つ。
一方、ステップS12で算出したずれ量が所定値以上である場合(ステップS14:Yes)には、制御回路9におけるずれ量算出機能94は、自動分析装置1のユーザに警告を発する(ステップS16)。この警告は、例えば、出力インターフェース6のディスプレイに、警告を文字表示出力することにより、行うことができる。また、出力インターフェース6に音声出力機能がある場合には、警告を音声出力することにより、行うことができる。この警告に基づいて、自動分析装置1のユーザは、自動分析装置1の点検をしたり、調整をしたりすることができる。そして、上述したステップS10に戻り、次の反応容器2011についての第1攪拌装置212による攪拌を待つ。
なお、ステップS12で算出された攪拌位置のずれ量は、その数値を出力するようにしてもよい。例えば、ステップS12において、算出されたずれ量を、0.5mm、1mmといった具合に、出力インターフェース6のディスプレイに表示出力することもできる。また、ステップS16の警告において、この警告とともに、攪拌位置のずれ量を、数値として出力するようにしてもよい。例えば、攪拌位置のずれ量を、1mm、1.5mmといった具合に、出力インターフェース6のディスプレイに表示出力してもよいし、或いは、1mm、1.5mmといった数値を、警告とともに音声出力してもよい。
以上述べたように、本実施形態に係る自動分析装置1は、検出装置300が検出した検出結果信号に基づいて、第1攪拌子2122により攪拌が行われる攪拌位置の適正位置に対するずれ量を算出することができるので、ユーザは、この算出されたずれ量に基づいて、攪拌が適正位置で行われているか否かを判断することができる。また、攪拌位置の適正位置に対するずれ量の大きさから、動作中の自動分析装置1の分析を継続すべきか、何らかの調整をすべきかを判断することができる。また、自動分析装置1の点検作業中である場合には、攪拌位置の適正位置に対するずれ量に基づいて、第1攪拌装置212及び第1攪拌子2122の位置調整や、反応容器2011を収容する反応容器2011の位置調整をすることもできる。
なお、既に述べたように、本実施形態に係る自動分析装置1においては、第2攪拌装置213に関する構成や動作は、第1攪拌装置212に関する構成や動作と同等である。このため、第1攪拌装置212について説明した内容は、そのまま、第2攪拌装置213についても当てはまる。
〔第2実施形態〕
上述した第1実施形態に係る自動分析装置1においては、攪拌子が圧電素子などの振動部材で構成されていたが、第2実施形態に係る自動分析装置1においては、攪拌子が、回転する攪拌棒と、この攪拌棒に取り付けられた攪拌板である回転部材により構成されている点で相違する。以下、第2実施形態に係る自動分析装置1について、上述した第1実施形態と異なる点を説明する。
図9は、第2実施形態に係る自動分析装置1の第1攪拌装置212における第1攪拌子2122の構造を説明する図である。以下においても、第1攪拌装置212の構造や動作を中心に説明をするが、第2攪拌装置213の構造や動作も、第1攪拌装置212と同様である。
この図9に示すように、本実施形態においては、第1攪拌装置212の第1攪拌子2122は、第1攪拌棒2123と、この第1攪拌棒2123の先端部に設けられた攪拌板の第1回転部材2124により構成されている。第1攪拌棒2123は、試料と試薬の混合液に挿入され、第1攪拌棒2123の長さ方向の中心軸を中心に回転する。第1攪拌棒2123が回転すると、第1攪拌棒2123に取り付けられた攪拌板である第1回転部材2124も付随して回転し、混合液の攪拌が行われる。第1攪拌棒2123の回転動作は、第1攪拌装置212の動作制御の下、実行される。
第1回転部材2124の攪拌板の形状は、混合液を攪拌するという目的が達成される限り、任意である。例えば、攪拌板は、へら状の形状をなしていてもよいし、或いは、角板状の形状をなしていてもよい。また、第1回転部材2124の攪拌板の枚数も任意であり、2枚でなくとも、1枚でも、3枚でも、4枚でもよい。
第1攪拌棒2123の上部には、第1カット板2125が設けられている。第1攪拌棒2123が回転すると、第1攪拌棒2123に取り付けられた第1カット板2125も付随して回転する。例えば、第1攪拌棒2123及び第1回転部材2124は、上方から見て、時計回り方向への回転と、反時計回り方向への回転とを、交互に繰り返す。そして、本実施形態においては、この第1カット板2125の回転を検出装置300により検出して、第1攪拌子2122により攪拌が行われる攪拌位置の適正位置に対するずれ量を算出する。
図9に例示した第1攪拌子2122における第1カット板2125は、反応容器2011に収容された試料と試薬の混合液を攪拌する際に、混合液には浸漬されないが、この第1カット板2125が混合液に浸漬されるようにしてもよい。この場合、図10に示すように、第1カット板2125の第1攪拌棒2123における取付位置は、下方に移動する。すなわち、第1カット板2125が第1回転部材2124とともに、試料と試薬の混合液の中で回転する。このため、第1カット板2125が試料と試薬の混合液に浸漬される場合には、第1カット板2125も、この混合液の攪拌に寄与するともいえる。
図11は、第1カット板2125を上方から見た平面図を表している。この図11からも分かるように、第1カット板2125は第1攪拌棒2123の回転とともに回転をする。本実施形態においては、この第1カット板2125に、検出装置300の発生部301が検出信号DSを発信し、受信部302で受信できるか否かで検出結果信号のオン/オフを切り替える。
図12及び図13は、第1カット板2125と検出装置300とを上方から見た位置関係を模式的に示す図である。そして、図12は、検出装置300の発生部301から発信された検出信号DSを、第1カット板2125が遮る場合を図示しており、図13は、検出装置300の発生部301から発信された検出信号DSを、第1カット板2125が遮らずに受信部302で受信される場合を図示している。
これら図12及び図13から分かるように、第1カット板2125が回転すると、図12に示すような、検出信号DSが第1カット板2125に遮られて、受信部302で受信できない状態と、図13に示すような、検出信号DSが第1カット板2125で遮られることなく、受信部302で受信できる状態とが、交互に繰り返される。
また、図11から分かるように、第1カット板2125が回転する位置に依存して、発生部301から発信された検出信号DSが、第1カット板2125により遮られる時間(期間)に違いが生じる。例えば、発生部301から発信された検出信号DSが、第1カット板2125の外周部により遮られる場合は、第1カット板2125により検出信号DSが遮られる時間が短い。一方、発生部301から発信された検出信号DSが、第1カット板2125の内周部により遮られる場合は、第1カット板2125により検出信号DSが遮られる時間が長い。本実施形態においては、この特性を利用して、第1攪拌棒2123のずれ量、つまり、第1攪拌子2122の攪拌位置の適正位置に対するずれ量を検出する。
本実施形態においては、例えば、第1攪拌子2122の攪拌位置が適正位置である場合には、検出信号DSが第1カット板2125により遮られて、検出装置300がオンの状態となる時間と、検出信号DSが受信部302で受信されて、検出装置300がオフの状態となる時間とが、等しくなるように設定する。この場合、図14に示すように、検出装置300が生成する検出結果信号は、オンの時間とオフの時間とが等しくなり、両者の周期が揃う。
一方、第1攪拌子2122の攪拌位置が適正位置から、第1カット板2125の回転方向における外周部の方へずれている場合は、図15に示すように、検出装置300が生成する検出結果信号におけるオンの時間は、オフの時間より短くなる。また、攪拌位置がより外周部の方向にずれるに従って、検出結果信号におけるオンの時間は、より短くなる。
これに対して、第1攪拌子2122の攪拌位置が適正位置から、第1カット板2125の回転方向における内周部の方へずれている場合は、図16に示すように、検出装置300が生成する検出結果信号におけるオンの時間は、オフの時間より長くなる。また、攪拌位置がより内周部の方向にずれるに従って、検出結果信号におけるオンの時間は、より長くなる。
このため、本実施形態に係る自動分析装置1の制御回路9におけるずれ量算出機能94は、この検出装置300が生成する検出結果信号の1周期における、オンの時間とオフの時間の割合に基づいて、第1攪拌子2122が攪拌を行う攪拌位置の適正位置からのずれ量を算出する。
上述した第1実施形態と同様に、例えば、制御回路9におけるずれ量算出機能94には、予め、検出結果信号のパターンと、攪拌が行われた攪拌位置の適正位置に対するずれ量との関係が登録されている。例えば、攪拌位置が適正位置にある場合の検出結果信号のパターン、適正位置から右に1mmずれている場合の検出結果信号のパターン、適正位置から右に2mmずれている場合の検出結果信号のパターン、・・・といったように、ずれ量ごとに、検出結果信号のパターンが、登録パターンとして予め登録されている。
ずれ量算出機能94は、実際に測定された検出結果信号のパターンと、予め登録されている登録パターンとを比較して、第1攪拌子2122の第1回転部材2124により攪拌が行われた攪拌位置の適正位置に対するずれ量を決定する。つまり、検出結果信号のパターンと、登録されている登録パターンとのパターンマッチングを行い、最も近似している登録パターンが表しているずれ量を、適正位置からのずれ量として決定する。
或いは、ずれ量算出機能94は、検出結果信号におけるオンの時間とオフの時間の割合から、攪拌位置のずれ量を演算により算出してもよい。換言すれば、1周期におけるオンの時間が占める割合に基づいて、第1攪拌子2122が攪拌を行う攪拌位置のずれ量を推定する。
例えば、ずれ量算出機能94は、検出装置300が生成した検出結果信号のパターンにおけるオンの時間の増加量に比例して、攪拌が行われた攪拌位置が適正位置から内周側にずれているとして、ずれ量を算出する。逆に、検出装置300が生成した検出結果信号のパターンにおけるオンの時間の減少量に比例して、攪拌が行われた攪拌位置が適正位置から外周側にずれているとして、ずれ量を算出する。
本実施形態に係る自動分析装置1の制御回路9におけるずれ量算出機能94が実行するずれ量算出処理は、上述した第1実施形態と同様である。すなわち、本実施形態における自動分析装置1も、図8に示すずれ量算出処理を実行する。但し、ステップS12における、攪拌位置の適正位置に対するずれ量の算出の仕方が、上述したような構成と動作になる。このずれ量算出処理が実行されることにより、ユーザは、攪拌が行われた攪拌位置の適正位置からのずれ量を知ることができ、或いは、所定値以上のずれ量が生じた場合には警告を受けることができる。
なお、本実施形態においては、第1攪拌子2122に第1回転部材2124に加えて第1カット板2125を設け、この第1カット板2125に向けて検出信号DSを発信することとしたが、この第1カット板2125を追加的に設けずに、第1回転部材2124に向けて検出信号DSを発信するようにしてもよい。つまり、第1カット板2125を省略してもよい。この場合、第1回転部材2124の回転に基づいて検出される検出結果信号を用いて、第1攪拌子2122により攪拌が行われる攪拌位置の適正位置に対するずれ量を算出する。このように、撹拌を行う第1回転部材2124を第1カット板2125の代わりに用いることも可能である。
以上述べたように、第1攪拌子2122が混合液の中で回転をする第1回転部材2124で構成されている自動分析装置1でも、検出装置300が検出した検出結果信号に基づいて、第1攪拌子2122により攪拌が行われる攪拌位置の適正位置に対するずれ量を算出することができるので、ユーザは、算出されたずれ量に基づいて、攪拌が適正位置で行われているか否かを判断することができる。また、攪拌位置の適正位置に対するずれ量の大きさから、動作中の自動分析装置1の分析を継続すべきか、何らかの調整をすべきかを判断することができる。また、自動分析装置1の検査中である場合には、攪拌位置の適正位置に対するずれ量に基づいて、第1攪拌装置212及び第1攪拌子2122の位置調整や、反応容器2011を収容する反応容器2011の位置調整をすることもできる。
なお、既に述べたように、本実施形態に係る自動分析装置1においては、第2攪拌装置213に関する構成や動作は、第1攪拌装置212に関する構成や動作と同等である。このため、第1攪拌装置212について説明した内容は、そのまま、第2攪拌装置213についても当てはまる。
〔第3実施形態〕
第3実施形態に係る自動分析装置1においては、上述した第1実施形態及び第2実施形態に係る自動分析装置1に、第1攪拌装置212及び第2攪拌装置213が攪拌を行う攪拌位置を調整する攪拌位置調整機能を追加的に設けている。以下、上述した第1実施形態及び第2実施形態と異なる部分を説明する。
図17は、第3実施形態に係る自動分析装置1の機能構成の例を示すブロック図であり、上述した図1に対応する図である。この図17に示すように、本実施形態に係る自動分析装置1は、上述した第1実施形態及び第2実施形態に係る自動分析装置1の制御回路9に、攪拌位置調整機能95を追加することにより構成されている。
この攪拌位置調整機能95は、入力インターフェース5を介して入力されたユーザからの攪拌位置調整指示に基づいて、実行される機能である。例えば、ユーザが朝、この自動分析装置1を起動する際に、自動分析装置1に攪拌位置調整機能95を実行させ、第1攪拌装置212及び第2攪拌装置213の攪拌位置の調整を行う。或いは、自動分析装置1の点検作業において、ユーザは、自動分析装置1に攪拌位置調整機能95を実行させ、第1攪拌装置212及び第2攪拌装置213の攪拌位置の調整を行う。この攪拌位置調整機能95が、本実施形態における攪拌位置調整部を構成する。
図18は、本実施形態に係る自動分析装置1の制御回路9が実行する攪拌位置調整処理の内容を説明するフローチャートを示す図である。以下においては、第1攪拌装置212の動作を中心に説明するが、第2攪拌装置213の動作も第1攪拌装置212と同様である。具体的には、この図18に基づいて、第1攪拌装置212に対して実行される攪拌位置調整処理を説明するが、第2攪拌装置213に対しても同様の攪拌位置調整処理が実行される。
図18に示すように、攪拌位置調整処理が開始されると、まず、制御回路9における攪拌位置調整機能95は、この攪拌位置調整指示を受けた攪拌位置で第1攪拌装置212を駆動させて、攪拌を行う(ステップS30)。すなわち、第1攪拌子2122を動作させて試料と試薬の混合液の攪拌を行い、検出装置300を用いて検出結果信号を生成する。
次に、制御回路9における攪拌位置調整機能95は、ステップS30で生成された検出結果信号に基づいて、第1攪拌子2122により攪拌が行われる攪拌位置の適正位置に対するずれ量を算出する(ステップS32)。このずれ量の算出手法は、上述した第1実施形態及び第2実施形態のいずれの手法でもよい。
次に、制御回路9における攪拌位置調整機能95は、これらステップS30及びステップS32を所定回数実行して、所定回数分のずれ量を取得したか否かを判断する(ステップS34)。ここで、所定回数とは、例えば、4回、6回、9回といった複数の回数である。
所定回数分の攪拌位置のずれ量を取得していない場合(ステップS34:No)には、制御回路9における攪拌位置調整機能95は、第1攪拌子2122の攪拌位置の変更を行う(ステップS36)。すなわち、これまでと異なる攪拌位置に第1攪拌装置212における第1攪拌子2122の攪拌位置を変更する。
どのような位置に攪拌位置を移動するかは任意である。例えば、ランダムに攪拌位置を移動するようにしてもよい。或いは、図19に示すように、最初の攪拌位置P1を中心に、周囲8箇所の攪拌位置P2~P9でそれぞれ攪拌位置のずれ量を取得するように、順番に攪拌位置を変更してもよい。この場合、ステップS34における所定回数は、9回となる。
また、図20に示すように、最初の攪拌位置P1を中心に、周囲4箇所の攪拌位置P2~P5でそれぞれ攪拌位置のずれ量を取得するように、順番に攪拌位置を変更してもよい。この場合、ステップS34における所定回数は、5回となる。
次に、図18に示すように、制御回路9における攪拌位置調整機能95は、上述したステップS30に戻り、ステップS36で変更された攪拌位置において、その適正位置からのずれ量を算出する。すなわち、この攪拌位置調整処理では、異なる攪拌位置で、それぞれの適正位置からのずれ量が、算出される。
一方、ステップS34において、所定回数分の攪拌位置のずれ量を取得したと判断された場合(ステップS34:Yes)には、制御回路9における攪拌位置調整機能95は、最適な攪拌位置を決定して記憶する(ステップS38)。例えば、本実施形態においては、ずれ量の最も小さい攪拌位置を、最適な攪拌位置として決定し、システム制御機能91に記憶する。システム制御機能91は、その後は、この新たに記憶された攪拌位置において、第1攪拌子2122の第1攪拌子2122による攪拌が行われるように、第1攪拌装置212を制御する。これにより、第1攪拌装置212に対する攪拌位置調整処理が終了する。
なお、既に述べたように、本実施形態に係る自動分析装置1においては、第2攪拌装置213に関する構成や動作は、第1攪拌装置212に関する構成や動作と同等である。このため、第1攪拌装置212について説明した内容は、そのまま、第2攪拌装置213についても当てはまる。
以上述べたように、本実施形態に係る自動分析装置1においては、攪拌位置調整機能95が追加的に設けられているので、ユーザは、第1攪拌装置212及び第2攪拌装置213の攪拌位置の調整を自動分析装置1に自動的に行わせることができる。これにより、第1攪拌装置212及び第2攪拌装置213の攪拌位置のずれ量を可及的に小さくして、試料と試薬の混合液の攪拌精度を向上させることができる。
〔第4実施形態〕
第4実施形態に係る自動分析装置1においては、上述した第1実施形態乃至第3実施形態に係る自動分析装置1に、第1攪拌装置212及び第2攪拌装置213による混合液の攪拌が適正に行われているか否かを判定する、攪拌動作判定機能を追加的に設けている。以下においては、上述した第3実施形態と異なる部分を追加的に説明するが、第4実施形態は、上述した第1実施形態及び第2実施形態についても同様に適用することができる。
図21は、第4実施形態に係る自動分析装置1の機能構成の例を示すブロック図であり、上述した図1や図17に対応する図である。この図21に示すように、本実施形態に係る自動分析装置1は、上述した第3実施形態に係る自動分析装置1の制御回路9に、攪拌動作判定機能96を追加することにより構成されている。
この攪拌動作判定機能96は、ずれ量算出機能94と同様に、自動分析装置1が患者から採取した被検試料について分析動作を行っている間に、第1攪拌装置212及び第2攪拌装置213が攪拌動作を適正に行っているか否かを判定するために定常的に実行されている。或いは、自動分析装置1の点検作業において、ユーザが、自動分析装置1に攪拌動作判定機能96を実行させ、第1攪拌装置212及び第2攪拌装置213の攪拌動作が適正に行われているか否かを判定させてもよい。この攪拌動作判定機能96が、本実施形態における攪拌動作判定部を構成する。
図22は、本実施形態に係る自動分析装置1の制御回路9が実行する攪拌動作判定処理の内容を説明するフローチャートを示す図である。以下においては、第1攪拌装置212の動作を中心に説明をするが、第2攪拌装置213の動作も第1攪拌装置212と同様である。具体的には、図22に基づいて、第1攪拌装置212に対して実行される攪拌動作判定処理を説明するが、第2攪拌装置213に対しても同様の攪拌動作判定処理が実行される。
この図22に示すように、攪拌動作判定処理においては、まず、制御回路9における攪拌動作判定機能96は、第1攪拌装置212による攪拌が行われたか否かを判断する(ステップS10)。すなわち、自動分析装置1の分析動作中は、反応容器2011が反応ディスク201上を環状に配列されて、既定の時間間隔で回動と停止とが交互に繰り返されている。そして、反応容器2011が第1攪拌装置212の動作位置に停止した場合に、第1攪拌子2122による混合液の攪拌が行われる。
この第1攪拌子2122による攪拌が行われていない場合(ステップS50:No)には、制御回路9における攪拌動作判定機能96は、攪拌が実際に行われるまで待機する。一方、第1攪拌子2122による攪拌が行われた場合(ステップS50:Yes)には、制御回路9における攪拌動作判定機能96は、検出装置300から検出結果信号を取得する(ステップS52)。すなわち、検出装置300が第1攪拌装置212の第1攪拌子2122の攪拌位置を検出するために、定常的に、検出信号DSを発信し、検出結果信号を生成している。この検出結果信号を、攪拌動作判定機能96は取得する。
次に、制御回路9における攪拌動作判定機能96は、ステップS52で取得した検出結果信号に基づいて、第1攪拌子2122による攪拌が適正に行われているか否かを判定する(ステップS54)。すなわち、検出装置300が生成する検出結果信号は、第1攪拌子2122による攪拌動作の挙動を、検出結果信号のパターンとして表している。このため、本実施形態においては、この検出結果信号のパターンを解析することにより、第1攪拌子2122による攪拌が適正に行われているか否かを判定する。
例えば、検出結果信号のパターンを解析して、規定時間内におけるオンの回数が所定閾値よりも少ない場合、攪拌動作判定機能96は、第1攪拌子2122による攪拌動作が適正に行われていないと判断する。或いは、規定時間内に、検出結果信号がまったくオンの状態にならない場合も、攪拌動作判定機能96は、第1攪拌子2122による攪拌動作が適正に行われていないと判断する。これらは、例えば、第1攪拌子2122が折れて欠損している場合や、曲がってしまっている場合に起こり得る。このような状態を、本実施形態に係る自動分析装置1おいては、検出装置300が生成した検出結果信号に基づいて検出することができる。
このステップS54において、第1攪拌子2122による攪拌動作が適正に行われていると判定した場合(ステップS54:Yes)には、制御回路9における攪拌動作判定機能96は、上述したステップS50に戻り、次の第1攪拌装置212による攪拌まで待機する。
一方、第1攪拌子2122による攪拌動作が適正に行われていないと判定した場合(ステップS54:No)には、制御回路9における攪拌動作判定機能96は、自動分析装置1のユーザに警告を発する(ステップS56)。この警告は、例えば、出力インターフェース6のディスプレイに、警告を文字表示出力することにより、行うことができる。また、出力インターフェース6に音声出力機能がある場合には、警告を音声出力することにより、行うことができる。この警告に基づいて、自動分析装置1のユーザは、第1攪拌装置212の点検をしたり、調整をしたりすることができる。そして、上述したステップS50に戻り、次の反応容器2011についての第1攪拌装置212による攪拌を待つ。
なお、既に述べたように、本実施形態に係る自動分析装置1においては、第2攪拌装置213に関する構成や動作は、第1攪拌装置212に関する構成や動作と同等である。このため、第1攪拌装置212について説明した内容は、そのまま、第2攪拌装置213についても当てはまる。
以上述べたように、本実施形態に係る自動分析装置1においては、攪拌動作判定機能96が追加的に設けられているので、第1攪拌装置212及び第2攪拌装置213の攪拌動作に不具合が発生した場合でも、これを速やかに検出することができる。このため、第1攪拌装置212及び第2攪拌装置213による攪拌動作の信頼性を、より向上させることができる。
上記説明では、「プロセッサ」が各機能に対応するプログラムを記憶回路8から読み出して実行する例を説明したが、実施形態はこれに限定されない。「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(central processing unit)、GPU (Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路8に保存されたプログラムを読み出して実行することで機能を実現する。一方、プロセッサが例えばASICである場合、プログラムが記憶回路8に保存される代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。