JP2022045741A - 液体取扱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体導入部の底部の壁面に溝を有する場合であっても、当該溝における液残りを抑制することができる液体取扱装置を提供すること。【解決手段】本発明の液体取扱装置は、液体導入部と、前記液体導入部の底面を取り囲むように、前記液体導入部の底部の壁面に配置された溝と、前記溝の壁面に開口し、前記液体導入部から導入された液体を流通させるための流路と、前記溝の壁面に開口し、前記溝に残った前記液体を取り除くための気体を前記溝に供給するための気体流路とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、液体取扱装置に関する。
近年、タンパク質や核酸などの微量な物質の分析を高精度かつ高速に行うために、マイクロ流路チップが使用されている。マイクロ流路チップは、分析に必要な試薬および試料の量が少なくてよいという利点を有しており、臨床検査や食物検査、環境検査などの様々な用途での使用が期待されている。そこで、複雑な構造を持つ、様々な形状のマイクロ流路チップが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
図1は、特許文献1のマイクロ流路チップ1を示す部分断面図である。図1に示されるように、マイクロ流路チップ1は、(液体導入路2の)開口部3、筒状領域4、外周領域5、および流路6を有する。
特開2019-32233号公報
このようなマイクロ流路チップ1では、外周領域5の壁面は、筒状領域4の壁面よりも凹んでいる。すなわち、外周領域5は、液体導入部の底部の壁面に溝を形成している。そのような溝には、毛細管現象などにより液体が入り込みやすいが、溝に入った液体が抜けにくい場合がある。そのような溝を有するマイクロ流路チップ1であっても、流路6に液体を導入させた後に、当該溝に液体ができるだけ残らないようにすること(液残りを抑制すること)が、これまで以上に望まれている。
そこで、本発明の目的は、液体導入部の底部の壁面に溝を有する場合であっても、当該溝における液残りを抑制することができる液体取扱装置を提供することである。
本発明の液体取扱装置は、液体導入部と、前記液体導入部の底面を取り囲むように、前記液体導入部の底部の壁面に配置された溝と、前記溝の壁面に開口し、前記液体導入部から導入された液体を流通させるための流路と、前記溝の壁面に開口し、前記溝に残った前記液体を取り除くための気体を前記溝に供給するための気体流路とを有する。
本発明によれば、液体導入部の底部の壁面に溝を有する場合であっても、当該溝における液残りを抑制することができる液体取扱装置を提供することができる。
図1は、特許文献1のマイクロ流路チップの構成を示す部分断面図である。 図2A~Cは、実施の形態1に係るマイクロ流路チップの構成を示す図である。 図3Aは、図2Bの液体導入部付近の拡大図であり、図3Bは、図3Aの部分拡大図であり、図3Cは、図2Cの液体導入部付近の拡大図である。 図4A~Cは、比較用のマイクロ流路チップの動作を示す図である。 図5A~Cは、実施の形態1に係るマイクロ流路チップの動作を示す図である。 図6A~Cは、実施の形態2に係るマイクロ流路チップの構成を示す図である。 図7Aは、図6Bの液体導入部付近の拡大図であり、図7Bは、図6Cの液体導入部付近の拡大図である。 図8A~Cは、実施の形態2にマイクロ流路チップの動作を示す断面図である。 図9A~Cは、変形例に係るマイクロ流路チップの構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明においては、液体取扱装置の代表例として、マイクロ流路チップについて説明する。
[実施の形態1]
(マイクロ流路チップの構成)
図2A~Cは、実施の形態1に係るマイクロ流路チップ100の構成を示す図である。このうち、図2Aは、マイクロ流路チップ100の平面図であり、図2Bは、マイクロ流路チップ100の2B-2B線の断面図であり、図2Cは、マイクロ流路チップ100の底面図である。図3Aは、図2Bの液体導入部130付近の拡大図であり、図3Bは、図3Aの部分拡大図であり、図3Cは、図2Cの液体導入部130付近の拡大図である。
図2A~C、3AおよびBに示されるように、本実施の形態に係るマイクロ流路チップ100は、基板110と、フィルム120とを有する。
基板110は、第1貫通孔111、第2貫通孔112、第3貫通孔113、第1溝(凹部)114、第2溝(凹部)115および第3溝(凹部)116を有する(図2B参照)。第1溝114、第2溝115および第3溝116は、基板110の一方の面(底面)に形成されている。このうち、第1溝114および第2溝115は、第1貫通孔111および第2貫通孔112の底部の縁に沿ってそれぞれ形成されている。第3溝116は、第1溝114および第2溝115を連通している。
基板110の厚みtは、特に限定されない(図2B参照)。例えば、基板110の厚みtは、1~10mmである。基板110の、第1貫通孔111、第2貫通孔112および第3貫通孔113が形成される部分の厚みは、他の部分よりも厚くてもよいし、他の部分と同じ厚みであってもよい。本実施の形態では、基板110の、第1貫通孔111、第2貫通孔112および第3貫通孔113が形成される部分の厚みが、他の部分よりも厚くなっている。基板110の材料も、特に限定されない。例えば、基板110の材料は、公知の樹脂およびガラスから適宜選択されうる。基板110の材料の例には、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリスチレン、シリコーン樹脂およびエラストマーが含まれる。
フィルム120は、基板110に形成された貫通孔や溝の開口部を塞ぐように、基板110の一方の面(底面)に接合されている。
フィルム120の厚みは、特に限定されないが、例えば30~300μmでありうる。また、フィルム120の材料も、特に限定されず、公知の樹脂から適宜選択されうる。フィルム120の材料の例には、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリスチレン、およびシリコーン樹脂が含まれる。フィルム120は、例えば熱溶着やレーザ溶着、接着剤などにより基板110に接合される。
フィルム120により塞がれた基板110の第1貫通孔111および第2貫通孔112は、液体導入部130および液体取出部150となり、第3貫通孔113は、気体流路160となる(図2B参照)。第1溝114および第2溝115は、円周溝131(液体導入部130の壁面の底部に配置された溝)および151となり、第3溝116は、液体試料を流すための流路140(送液流路)となる(図2B参照)。
すなわち、図2A~Cに示されるように、マイクロ流路チップ100は、液体導入部130、流路140および液体取出部150を有する。液体導入部130の底部には円周溝131、液体取出部150の底部には円周溝151がそれぞれ形成されており、これらは流路140を介して連通している。そして、マイクロ流路チップ100は、円周溝131の壁面に開口し、気体を供給するための気体流路160をさらに有する。
液体導入部130は、液体を流路140に導入するための導入口であり、具体的には、流路140に導入するための液体を収容する凹部である(図3A参照)。液体導入部130の形状および大きさは、外部から液体導入部130に液体を導入することができれば、特に限定されないが、気体流路160を形成しやすい観点から、基板110の厚み方向(または凹部の深さ方向)において、液体導入部130の底部に向かうにつれて内径(円相当径)が小さくなる形状であることが好ましい。そのような液体導入部130の形状の例には、円錐台形状が含まれる(図3A参照)。
円周溝131は、液体導入部130の底部の壁面に、液体導入部130の底面を取り囲むように配置されている(図3A参照)。具体的には、円周溝131は、上記の通り、基板110に配置された第1溝114(本実施の形態ではL字溝)の開口部の一部がフィルム120で塞がれることで形成される溝であり、液体導入部130の壁面の下端のみが、壁面全体に対して凹むように配置されている(図3A参照)。このような円周溝131は、基板110を金型成形で成形する際に用いられる金型部材であるランディングパッドに起因して形成されてもよい。
マイクロ流路チップ100を平面視したとき、円周溝131の外縁で囲まれる領域の円相当径d2は、液体導入部130のうち円周溝131と隣接する底部の内径(円相当径)d1よりも大きい(図3B参照)。具体的には、液体導入部130の円周溝131と隣接する底部の内径をd1としたとき、円周溝131の外縁で囲まれる領域の円相当径d2は、d1+50μm~d1+200μm程度でありうる。
円周溝131の幅w(基板110の厚み方向の高さ)は、特に制限されないが、例えば10~150μm程度でありうる(図3B参照)。
流路140は、液体導入部130の底部にある円周溝131の壁面に開口している(図3AおよびB参照)。本実施の形態では、流路140の一端が、液体導入部130の底部の円周溝131に開口し、他端が、液体取出部150の底部の円周溝151に開口している(図2B参照)。それにより、流路140は、液体導入部130に導入された液体を、液体取出部150まで移動させる。
流路140の断面形状および断面積は、液体を液体導入部130から液体取出部150に移動させることができれば特に限定されない。例えば、流路140の断面形状は、略矩形でありうる。流路140の断面積は、後述する気体流路160の断面積よりも小さいことが好ましい。例えば、流路140の幅は、10~500μmであることが好ましく、深さは10~500μmであることが好ましい。なお、本明細書において、「流路の断面」とは、液体(または気体)の流れ方向に直交する流路の断面を意味する。
液体取出部150は、流路140から導入された液体を取り出すための取出口であり、具体的には、流路140から導入された液体を収容する凹部である。液体取出部150の形状および大きさは、特に制限されず、液体導入部130の形状および大きさとそれぞれ同じであってもよいし、異なってもよい。本実施の形態では、液体取出部150の形状および大きさは、液体導入部130の形状および大きさとそれぞれ同じである。
円周溝151は、液体取出部150の底部の壁面に、液体導入部130の底面を取り囲むように配置されている(図2B参照)。液体取出部150における円周溝151の形状や大きさは、液体導入部130における円周溝131の形状および大きさと同じであってもよいし、異なってもよい。本実施の形態では、液体取出部150における円周溝151の形状および大きさは、液体導入部130における円周溝131の形状および大きさと同じである。
これらの構成により、液体導入部130に導入された液体は、流路140に導入され、液体取出部150に取り出される。本発明では、上記の通り、液体導入部130の円周溝131に残った液体を除去するための気体流路160を有する。
気体流路160は、液体導入部130の円周溝131の壁面に開口しており、円周溝131に気体を供給できるようになっている。それにより、気体流路160から供給された気体によって、円周溝131に残った液体を押し出し、取り除くことができる。
気体流路160は、上記の通り、円周溝131に気体を供給できるように構成されていればよく、特に制限されないが、例えば液体導入部130の壁面に開口し、そこから気体を取り込めるように形成された流路(または孔)であってもよいし(図3A参照)、液体導入部130とは別の気体導入部(例えば後述の気体導入部170)から気体を取り込めるように形成された流路であってもよい(後述の図7および8参照)。本実施の形態では、気体流路160は、液体導入部130の壁面に開口し、そこから気体を取り込めるように形成された、鉛直方向に延びた流路である(図3A参照)。すなわち、気体流路160は、一端が液体導入部130の壁面に開口し、他端が円周溝131の壁面に開口している。
気体流路160の開口部は、円周溝131の壁面の任意の位置に配置されうる。中でも、円周溝131のうち、流路140の開口部から離れた位置で液残りが生じやすいことから、気体流路160の開口部は、流路140の開口部から離れた位置に配置されることが好ましい。具体的には、マイクロ流路チップ100を平面視したときに、(円周溝131の壁面における)気体流路160の開口部は、液体導入部130の底面の重心を挟んで、(円周溝131の壁面における)流路140の開口部と対向するように配置されることが好ましい(図3C参照)。それにより、液体を流路140に導入した後に、円周溝131に残りやすい液体も、気体流路160から供給される気体によって取り除くことができる。本実施の形態では、液体導入部130の底面の重心は、液体導入部130の底面の中心である。
また、本実施の形態のように、円周溝131が複数の壁面(上壁面131A、側壁面131B)で構成されている場合、気体流路160は、円周溝131の上壁面131Aに開口していてもよいし、側壁面131Bに開口していてもよい。本実施の形態では、気体流路160は、円周溝131の側壁面131Bに開口している(図3AおよびB参照)。
気体流路160の断面形状および断面積は、気体を円周溝131に導入または供給することができれば特に限定されない。例えば、気体流路160の断面形状は、円形であってもよい(図3C参照)。
気体流路160の断面積は、流路140の断面積よりも大きいことが好ましい。具体的には、気体流路160の断面の円相当径は、流路140の断面の円相当径の150~200%程度としうる。気体流路160の断面積を相対的に大きくすることで、気体を導入しやすく、円周溝131に供給しやすくなるからである。本実施の形態では、気体流路160の断面積の円相当径は、例えば200~1000μmでありうる。なお、気体流路160の断面形状は、略矩形(例えば長辺の長さが200~1000μm、短辺の長さが10~500μmの略矩形)であってもよい。
気体流路160の数は、特に制限されず、1つだけであってもよいし、複数あってもよい。本実施の形態では、気体流路160の数は、1つである(図2および3参照)。
(マイクロ流路チップの動作)
本実施の形態に係るマイクロ流路チップ100の動作について、図面を参照しながら説明する。
図4A~Cは、比較用のマイクロ流路チップ10の動作を示す模式図である。比較用のマイクロ流路チップ10は、気体流路160を有しない以外は本実施の形態に係るマイクロ流路チップ100と同様に構成されている。図5A~Cは、本実施の形態に係るマイクロ流路チップ100の動作を示す模式図である。なお、これらの図では、マイクロ流路チップにおける液体導入部130の周辺部分のみを拡大して示している。
なお、液体導入部130に導入される液体Sの種類は、特に限定されない。液体Sの種類の例には、試薬や液体試料などが含まれる。また、液体Sの粘度は、流路140の中を液体が移動可能であれば特に限定されない。流路140中の液体の移動(送液)は、液体導入部130の加圧やシリンジポンプなどによる送液により行ってもよいし、毛細管現象を利用して行ってもよい。
図4A~Cに示される比較用のマイクロ流路チップ10では、液体導入部130に液体Sが導入され、加圧される(図4A参照)。導入された液体Sは、流路140を満たしつつ、流路140の下流端に向かって液体取出部(不図示)まで移動する(図4B参照)。このとき、液体導入部130の底面上にあった液体Sは、その底面の中心から周辺に向かって集まるようになり、液体導入部130の加圧を続けても、円周溝131に液体Sが溜まったまま残りやすい(図4C参照)。
これに対し、図5A~Cに示される本実施の形態に係るマイクロ流路チップ100では、液体導入部130に液体Sが導入され、加圧される。導入された液体Sは、流路140を満たしつつ、流路140の下流端に向かって液体取出部150まで移動する。このとき、液体導入部130の底面上にあった液体Sは、底面の中心から周辺に向かって集まるようになるが、液体導入部130を加圧することで、気体流路160にも気体が供給される(図5C参照)。それにより、円周溝131に溜まった液体Sが、供給された気体によって円周溝131外へと押し出されるため、円周溝131に残った液体Sを取り除くことができる(図5C参照)。
(効果)
以上のように、本実施の形態に係るマイクロ流路チップ(液体取扱装置)100では、円周溝131に残った液体を確実に取り除くことができる。
[実施の形態2]
(マイクロ流路チップの構成)
実施の形態2に係るマイクロ流路チップ100は、気体流路160の構成が異なる以外は実施の形態1に係るマイクロ流路チップ100と同様に構成される。以下、実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図6A~Cは、実施の形態2に係るマイクロ流路チップ100の構成を示す図である。このうち、図6Aは、マイクロ流路チップ100の平面図であり、図6Bは、マイクロ流路チップ100の6B-6B線の断面図であり、図6Cは、マイクロ流路チップ100の底面図である。図7Aは、図6Bの液体導入部付近の拡大図であり、図7Bは、図6Cの液体導入部付近の拡大図である。
図6A~Cおよび7Aに示されるように、本実施の形態に係るマイクロ流路チップ100は、基板110と、フィルム120とを有する。そして、基板110は、第3貫通孔113に代えて、第4溝(凹部)117、第4貫通孔118および第5溝(凹部)119を有する以外は、実施の形態1に係る基板110と同様に構成される(図5B参照)。第1溝114、第2溝115、第3溝116、第4溝117および第5溝119は、基板110の一方の面(底面)に形成されている。このうち、第5溝(凹部)119は、第4貫通孔118の底部の縁に沿って形成されている。第4溝118は、第1貫通孔111と第5溝119とを連通している。
そして、フィルム120を、基板110に形成された貫通孔や溝の開口部を塞ぐように、基板110の一方の面(底面)に接合する。それにより、フィルム120により塞がれた基板110の第4貫通孔118は、気体導入部170となり、第5溝119は、円周溝171となり、第4溝117は、気体流路160となる。
すなわち、本実施の形態に係るマイクロ流路チップ100は、気体流路160が、基板110の表面(底面)に沿って延びるように配置され、かつ気体流路160と連通する気体導入部170をさらに有する以外は実施の形態1に係るマイクロ流路チップ100と同様に構成される。
気体流路160は、液体導入部130の円周溝131の壁面に開口し、かつ基板110の表面(底面)に沿って延びるように配置されている(図6B、7A参照)。具体的には、気体流路160の一端は、液体導入部130の底部にある円周溝131の壁面に開口し、他端は、気体導入部170の底部にある円周溝171の壁面に開口している(図7A参照)。それにより、気体導入部170から円周溝131に気体を供給できるようになっている。
上記実施の形態1と同様に、気体流路160の断面積は、流路140の断面積よりも大きいことが好ましい。気体流路160の断面積を相対的に大きくすることで、気体を導入しやすいだけでなく、毛細管現象によって気体流路160に液体が導入されないようにしうる(逆流を抑制しうる)からである。気体流路160の断面の円相当径の、流路140の断面の円相当径に対する比率は、上記実施の形態1と同様の範囲であってもよいし、それよりも大きい範囲であってもよい。
気体導入部170は、気体流路160に気体を導入するための導入口であり、具体的には、凹部である。気体導入部170の形状および大きさは、特に制限されず、液体導入部130の形状および大きさとそれぞれ同じであってもよいし、異なってもよい。本実施の形態では、気体導入部170の形状および大きさは、液体導入部130の形状および大きさと同じである。
円周溝171は、気体導入部170の底部の壁面に、気体導入部170の底面を取り囲むように配置されている。気体導入部170における円周溝171の形状や大きさは、液体導入部130における円周溝131の形状および大きさと同じであってもよいし、異なってもよい。本実施の形態では、気体導入部170における円周溝171の形状および大きさは、液体導入部130における円周溝131の形状および大きさと同じである。
本実施の形態に係るマイクロ流路チップ100は、気体導入部170を密閉するための栓180(密閉部材)をさらに有してもよい(後述の図8参照)。液体導入部130に液体を導入する際に、気体導入部170を栓180で密閉しておくことで、液体導入部130に導入した液体が気体流路160に流れ込まないようにすることができる。
(マイクロ流路チップの動作)
本実施の形態に係るマイクロ流路チップ100の動作について説明する。
図8A~Cは、本実施の形態に係るマイクロ流路チップ100の動作を示す模式図である。これらの図では、マイクロ流路チップ100における液体導入部130の周辺部分のみを拡大して示している。
本実施の形態に係るマイクロ流路チップ100では、まず、気体導入部170に栓180をした状態で、液体導入部130に液体Sが導入される(図8A参照)。このとき、気体導入部170は、栓180で密閉されているため、液体導入部130に導入された液体Sが気体流路160に入り込まないようにすることができる。
次いで、気体導入部170の栓180を外して、液体導入部130および気体導入部170を加圧する(図8B参照)。それにより、液体導入部130に導入された液体Sは、流路140を満たしつつ、液体取出部(不図示)へ向かって移動する(図8B参照)。このとき、気体導入部170から気体が供給されるため、液体導入部130に導入された液体Sを、気体流路160に逆流させないようにすることができる。
その後、液体導入部130の底面上や円周溝131に溜まった液体Sは、気体導入部170から供給される気体によって押し出される(図8C参照)。それにより、円周溝131に残った液体Sを、円周溝131から確実に取り除くことができる。
(効果)
以上のように、本実施の形態に係るマイクロ流路チップ(液体取扱装置)100では、円周溝131に残った液体を確実に取り除くことができる。
[変形例]
なお、上記実施の形態1および2では、製造効率の観点から、液体導入部130だけでなく、液体取出部150および気体導入部170にも円周溝151および171がそれぞれ形成される例を示したが、これに限定されず、液体導入部130のみに円周溝131が形成されてもよい。
また、上記実施の形態1および2では、1つの円周溝131に対して1つの気体流路160を配置する例を示したが、これに限定されず、1つの円周溝131に対して複数の気体流路160を配置してもよい。
図9A~Cは、変形例に係るマイクロ流路チップ100の構成を示す図である。このうち、図9Aは、マイクロ流路チップ100の平面図であり、図9Bは、マイクロ流路チップ100の9B-9B線の断面図であり、図9Cは、マイクロ流路チップ100の底面図である。このマイクロ流路チップ100は、気体流路160が複数配置された以外は実施の形態1と同様に構成されている。これらの図では、マイクロ流路チップ100における液体導入部130の周辺部分のみを拡大して示している。
図9A~Cに示されるように、円周溝131の壁面に開口する気体流路160が複数配置されてもよい。複数の気体流路160は、任意の位置に配置されうる。複数の気体流路160の断面積は、同じであってもよいし、異なってもよい。例えば、流路140の開口部からの位置が離れるにつれて、気体流路160の断面積を大きくしてもよい。それにより、円周溝131の位置に関係なく、残った液体を取り除きやすくすることができる。
また、上記実施の形態2では、液体導入部130の形状が円錐台形状である例を示したが、これに限定されず、円柱状などであってもよい。
本発明に係る液体取扱装置は、例えば科学分野や医学分野などにおいて使用されるマイクロ流路チップとして有用である。
100 マイクロ流路チップ
110 基板
111 第1貫通孔
112 第2貫通孔
113 第3貫通孔
114 第1溝
115 第2溝
116 第3溝
117 第4溝
118 第4貫通孔
119 第5溝
120 フィルム
130 液体導入部
131、151、171 円周溝
140 流路
150 液体取出部
160 気体流路
170 気体導入部
180 栓(密閉部材)

Claims (7)

  1. 液体導入部と、
    前記液体導入部の底面を取り囲むように、前記液体導入部の底部の壁面に配置された溝と、
    前記溝の壁面に開口し、前記液体導入部から導入された液体を流通させるための流路と、
    前記溝の壁面に開口し、前記溝に残った前記液体を取り除くための気体を前記溝に供給するための気体流路と、
    を有する、
    液体取扱装置。
  2. 前記気体流路の一端は、前記溝の壁面に開口しており、他端は、前記液体導入部の壁面に開口している、
    請求項1に記載の液体取扱装置。
  3. 前記気体流路は、複数配置されている、
    請求項1または2に記載の液体取扱装置。
  4. 前記気体流路と連通する気体導入部をさらに有する、
    請求項1に記載の液体取扱装置。
  5. 前記気体流路の断面積は、前記流路の断面積よりも大きい、
    請求項4に記載の液体取扱装置。
  6. 前記液体導入部に液体を導入する時に前記気体導入部を密閉するための密閉部材をさらに有する、
    請求項4または5に記載の液体取扱装置。
  7. 平面視したときに、
    前記気体流路の前記溝の壁面における開口部は、前記液体導入部の前記底面の重心を挟んで、前記流路の前記溝の壁面における開口部と対向している、
    請求項1~6のいずれか一項に記載の液体取扱装置。
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