JP2022045302A - 積層板 - Google Patents

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昌宏 林
Masahiro Hayashi
浩佑 川本
Kosuke Kawamoto
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Abstract

【課題】低誘電特性を有し、且つ高密度配線に資する積層板を提供する。【解決手段】本発明の積層板は、少なくとも1層以上のガラス板と、少なくとも1層以上の樹脂層と、を含み、ガラス板の25℃、周波数2.45GHzにおける比誘電率が5以下であり、ガラス板の25℃、周波数2.45GHzにおける誘電正接が0.003以下であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は積層板に関し、具体的には高周波通信対応の多層配線板に好適な積層板に関する。
現在、第五世代移動通信システム(5G)への対応に向けた開発が進められており、システムの高速化、高伝送容量化、低遅延化のための技術検討がなされている。この用途に用いられる多層配線板についても、高周波通信で伝送損失を低減することが求められている。
近年、電子機器の高機能化に伴い、多層配線板の配線は微細になってきている。これに対応するために、多層配線板には、表面の平坦度が良好で寸法安定性に優れたコア層が必要になるが、現状のガラスクロスに樹脂を含浸させた樹脂層では、表面平滑性と寸法安定性が不十分である。
本発明は、上記事情に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、低誘電特性を有し、且つ高密度配線に資する積層板を提供することである。
本発明者等は、種々の実験を繰り返した結果、低誘電特性を有するガラス板と樹脂層とを積層することにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の積層板は、少なくとも1層以上のガラス板と、少なくとも1層以上の樹脂層と、を含み、ガラス板の25℃、周波数2.45GHzにおける比誘電率が5以下であり、ガラス板の25℃、周波数2.45GHzにおける誘電正接が0.003以下であることを特徴とする。これにより、高周波デバイスに電気信号が伝わった際に伝送損失を低減することができる。ここで、「25℃、周波数2.45GHzにおける比誘電率」は、例えば、周知の空洞共振器法で測定可能である。「25℃、周波数2.45GHzにおける誘電正接」は、例えば、周知の空洞共振器法で測定可能である。
本発明の積層板は、少なくとも1層以上のガラス板を備える。ガラス板は、多層配線板のコア層として好適であり、ガラス板を備えると、以下の効果を奏する。ガラス板の熱膨張係数は樹脂よりも低いため、ガラス板と半導体チップの材料であるシリコンとの熱膨張係数の差を小さくすることができる。これにより、チップ実装時における接続部へのストレスが小さくなり、接続信頼性を高めることができる。また、ガラス板は、樹脂よりも平坦性が高いため、微細配線の形成に有利である。更にガラス板は、樹脂よりも熱や吸湿による伸縮が小さく、寸法安定性に優れる。これにより、フォトリソやビア形成時におけるパターンの位置ずれが小さなり、微細配線の形成に有利である。
本発明の積層板は、少なくとも1層以上のガラス板と、少なくとも1層以上の樹脂層と、を含む。これにより、ガラス板がコア層とし、更に樹脂層を積層させることで、多層配線板の高密度配線が可能になる。
本発明の積層板において、ガラス板の25℃、周波数2.45GHzにおける比誘電率は5以下であり、ガラス板の25℃、周波数2.45GHzにおける誘電正接は0.003以下である。これにより、高周波通信で伝送損失を低減することができる。
また、本発明の積層板では、樹脂層が、ガラスクロスに樹脂を含浸させたプリプレグであることが好ましい。
また、本発明の積層板では、ガラス板の表面及び/又は内部に金属層が形成されていることが好ましい。
また、本発明の積層板では、金属層が、銅、銀、金、アルミニウム、モリブデン、タングステン、ニッケル、スズ及びこれらの合金の何れか1種以上を含むことが好ましい。
また、本発明の積層板では、ガラス板の厚みが5~50μmであることが好ましい。積層板の誘電損失を小さくするためには、積層板の比誘電率や誘電正接が低くする必要がある。また、電気信号の伝搬速度はV = C/√εで計算されるが、積層板の信号線幅や絶縁物の厚み等により比誘電率は変化する。そこで、ガラス板の厚みを小さくすると、グランドと信号線の距離が小さくなり、実効比誘電率を低くすることができる。結果として、電気信号の伝搬速度を高めることができる。更にガラス板に貫通孔を形成し易くなり、多層配線板の高密度配線が可能になる。
また、本発明の積層板では、ガラス板が、ガラス組成として、モル%で、SiO 60~90%、Al 1~15%、B 5~30%、MgO+CaO+SrO+BaO 0~8%、MgO 0~8%、CaO 0~8%を含有することが好ましい。「MgO+CaO+SrO+BaO」は、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量を指す。
また、本発明の積層板では、ガラス板の厚み方向に貫通孔が形成されていることが好ましい。これにより、ガラス板の両表面間に導通を取るための配線構造を形成し得るため、高周波デバイスに適用し易くなる。
また、本発明の積層板では、ガラス板に形成された貫通孔の内径が200μm以下であることが好ましい。これにより、ガラス板の両表面間に導通を取るための配線構造を高密度化し易くなる。
また、本発明の積層板では、ガラス板に形成された貫通孔の内径の最大値と最小値の差が100μm以下であることが好ましい。これにより、ガラス板の両表面間に導通を取るための配線が不当に長くなる事態を防止し得るため、伝送損失を低減することができる。
また、本発明の積層板では、ガラス板に形成された貫通孔の内周面に金属層が形成されていることが好ましい。
また、本発明の積層板は、多層配線板に用いることが好ましい。
本発明の積層板は、少なくとも1層以上のガラス板と、少なくとも1層以上の樹脂層と、を含む。これにより、ガラス板がコア層とし、更に樹脂層を積層させることで、多層配線板の高密度配線が可能になる。ガラス板は、多層配線板のコア層として好適であり、ガラス板を備えると、以下の効果を奏する。ガラス板の熱膨張係数は樹脂よりも低いため、ガラス板と半導体チップの材料であるシリコンとの熱膨張係数の差を小さくすることができる。これにより、チップ実装時における接続部へのストレスが小さくなり、接続信頼性を高めることができる。また、ガラス板は、樹脂よりも平坦性が高いため、微細配線の形成に有利である。更にガラス板は、樹脂よりも熱や吸湿による伸縮が小さく、寸法安定性に優れる。これにより、フォトリソやビア形成時におけるパターンの位置ずれが小さなり、微細配線の形成に有利である。
ガラス板の層数は1層以上であり、好ましくは2層以上、特に3~20層であり、樹脂層の層数は1層以上であり、好ましくは3層以上、特に5~30層である。層数が多い程、多層配線板の高密度化を達成することができる。
本発明の積層板において、ガラス板の表面及び/又は内部に金属層が形成されていることが好ましい。金属層は、配線として利用可能である。金属層は、抵抗率の低さ、コスト、入手し易さを考慮すると、銅、銀、金、アルミニウム、モリブデン、タングステン、ニッケル、スズ及びこれらの合金の何れか1種以上を含むことが好ましく、特に銅又は銅を含む合金を含むことが好ましい。
本発明の積層板において、ガラス板は、ガラス組成として、モル%で、SiO 60~90%、Al 1~15%、B 5~30%、MgO+CaO+SrO+BaO 0~8%、MgO 0~8%、CaO 0~8%を含有することが好ましい。上記のように、各成分の含有量を限定した理由を以下に示す。なお、以下の%表示は、特に断りがある場合を除き、モル%を指す。
SiOの好適な下限含有量は60%、61%、62%、63%、64%、65%、特に66%であり、好適な上限含有量は90%、85%、80%、75%、73%、71%、70%、特に69%である。SiOの含有量が少な過ぎると、比誘電率、誘電正接、密度が高くなり易い。また耐湿性が低下し易くなる。一方、SiOの含有量が多過ぎると、高温粘度が高くなって、溶融性が低下することに加えて、成形時にクリストバライト等の失透結晶が析出し易くなる。
Alは、ヤング率を高める成分であり、また分相を抑制して、耐候性を顕著に高める成分である。よって、Alの好適な下限含有量は1%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、特に4.5%である。一方、Alの含有量が多過ぎると、液相温度が高くなって、耐失透性が低下し易くなる。よって、Alの好適な上限含有量は15%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、特に7%である。
は、比誘電率や誘電正接を低下させる成分であるが、ヤング率や密度を低下させる成分である。また耐湿性を低下させる成分である。しかし、Bの含有量が少な過ぎると、低誘電特性を確保し難くなることに加えて、融剤としての働きが不十分になって、高温粘性が高くなり、泡品位が低下し易くなる。更に低密度化を図り難くなる。よって、Bの好適な下限含有量は5%、10%、15%、18%、20%、21%、22%、23%、特に24%である。一方、Bの含有量が多過ぎると、耐熱性や化学的耐久性が低下し易くなったり、分相により耐湿性が低下し易くなったりする。よって、B含有量の好適な上限含有量は30%、29%、28%、27%、特に26%である。
-Alの含有量は、好ましくは14%以上、15%以上、16%以上、17%以上、18%以上、19%以上、20%以上、21%以上、22%以上、23%以上、特に24%以上である。B-Alの含有量が少な過ぎると、低誘電特性を確保し難くなる。なお、「B-Al」は、Bの含有量からAlの含有量を減じたものである。
アルカリ土類金属酸化物は、液相温度を下げて、ガラス中に失透結晶を発生させ難くする成分であり、また溶融性や成形性を高める成分である。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が少な過ぎると、耐失透性が低下し易くなることに加えて、融剤としての働きを十分に発揮できず、溶融性が低下し易くなる。一方、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が多過ぎると、比誘電率及び誘電正接が高くなったり、密度が上昇して、ガラスの軽量化を図り難くなることに加えて、熱膨張係数が不当に高くなって、耐熱衝撃性が低下し易くなる。MgO+CaO+SrO+BaOの好適な下限含有量は0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、特に3%であり、好適な上限含有量は6%、5.5%、5%、4.8%、4.6%、4.4%、4.2%、特に4%である。
MgOは、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であり、またアルカリ土類金属酸化物の中では最も密度を上昇させ難い成分である。またアルカリ土類金属の中では、特に耐湿性を高める成分である。しかし、MgOの含有量が多過ぎると、液相温度が上昇して、耐失透性が低下し易くなる。またガラスが分相して、透明性が低下し易くなる。MgOの好適な下限含有量は0%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、特に1%であり、好適な上限含有量は8%、5%、4%、3%、2.5%、特に2%である。
CaOは、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高める成分であると共に、本発明に係るガラス組成系において、耐失透性を高める効果が大きい成分である。またアルカリ土類金属の中では、耐湿性を高める成分でもある。よって、CaOの好適な下限含有量は0%、0.5%、1%。1.5%、2%、特に2.5%であり、好適な上限含有量は8%、5%、4.5%、4%、3.5%、特に3%である。
SrOは、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であるが、SrOの含有量が多過ぎると、液相粘度が低下し易くなる。よって、SrO含有量は、好ましくは0~5%、0~4%、0~3%、0~2%、0~1.5%、0~1%、0~0.5%、特に0~0.1%である。
BaOは、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であるが、BaOの含有量が多過ぎると、液相粘度が低下し易くなる。よって、BaOの含有量は、好ましくは0~5%、0~4%、0~3%、0~2%、0~1.5%、0~1%、0~0.5%、特に0~0.1%未満である。
上記成分以外にも、以下の成分をガラス組成中に導入してもよい。
アルカリ金属酸化物は、溶融性や成形性を高める成分であるが、その含有量が多過ぎると、密度が高くなったり、耐水性が低下したり、熱膨張係数が不当に高くなって、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなったりする。よって、LiO、NaO及びKOの合量は0~3%であり、好ましくは0~2%、0~1%、0~0.5%、0~0.2%、0~0.1%、特に0.001~0.05%未満である。LiO、NaO及びKOのそれぞれの含有量は、好ましくは0~3%、0~2%、0~1%、0~0.5%、0~0.2%、0~0.1%、特に0.001~0.01%未満である。
ZnOは、溶融性を高める成分であるが、ガラス組成中に多量に含有させると、ガラスが失透し易くなり、また密度も上昇し易くなる。よって、ZnOの含有量は、好ましくは0~5%、0~3%、0~0.5%、0~0.3%、特に0~0.1%である。
ZrOは、ヤング率を高める成分である。ZrOの含有量は、好ましくは0~5%、0~3%、0~0.5%、0~0.2%、0~0.16%、0~0.1%、特に0~0.02%である。ZrOの含有量が多過ぎると、液相温度が上昇して、ジルコンの失透結晶が析出し易くなる。
TiOは、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であると共に、ソラリゼーションを抑制する成分であるが、ガラス組成中に多く含有させると、ガラスが着色して、透過率が低下し易くなる。よって、TiOの含有量は、好ましくは0~5%、0~3%、0~1%、0~0.1%、特に0~0.02%である。
は、耐失透性を高める成分であるが、ガラス組成中に多量に含有させると、ガラスが分相して、乳白化し易くなり、また耐水性が顕著に低下する虞がある。よって、Pの含有量は、好ましくは0~5%、0~1%、0~0.5%、特に0~0.1%である。
Feは、不純物成分、或いは清澄剤成分として導入し得る成分である。しかし、Feの含有量が多過ぎると、紫外線透過率が低下する虞がある。よって、Feの含有量は、好ましくは0.05%以下、0.03%以下、特に0.02%以下である。ここで、本発明でいう「Fe」は、2価の酸化鉄と3価の酸化鉄を含み、2価の酸化鉄は、Feに換算して、取り扱うものとする。なお、他の酸化物についても、同様にして、表記の酸化物を基準にして取り扱うものとする。
SnOは、高温域で良好な清澄作用を有する成分であると共に、高温粘性を低下させる成分である。SnOの含有量は、好ましくは0~1%、0.01~0.5%、特に0.05~0.2%である。SnOの含有量が多過ぎると、SnOの失透結晶がガラス中に析出し易くなる。
清澄剤として、SnOの添加が好適であるが、ガラス特性を損なわない限り、清澄剤として、CeO、SO、C、金属粉末(例えばAl、Si等)を1%まで添加してもよい。
As、Sb、F、Clも清澄剤として有効に作用し、本発明では、これらの成分の含有を排除するものではないが、環境的観点から、これらの成分の含有量はそれぞれ0.1%未満、特に0.05%未満が好ましい。
本発明に係るガラス板は、以下の特性を有することが好ましい。
25℃、周波数28GHzにおける比誘電率は、好ましくは5以下、4.9以下、4.8以下、4.7以下、4.6以下、特に4.5以下である。25℃、周波数28GHzにおける比誘電率が高過ぎると、高周波デバイスに電気信号が伝わった時の伝送損失が大きくなり易い。
25℃、周波数28GHzにおける誘電正接は、好ましくは0.01以下、0.009以下、0.008以下、0.007以下、0.006以下、0.005以下、0.004以下、特に0.003以下である。25℃、周波数28GHzにおける誘電正接が高過ぎると、高周波デバイスに電気信号が伝わった時の伝送損失が大きくなり易い。
25℃、周波数2.45GHzにおける比誘電率は、好ましくは5以下、4.9以下、4.8以下、4.7以下、4.6以下、特に4.5以下である。25℃、周波数2.45GHzにおける比誘電率が高過ぎると、高周波デバイスに電気信号が伝わった時の伝送損失が大きくなり易い。
25℃、周波数2.45GHzにおける誘電正接は、好ましくは0.003以下、0.002以下、0.001以下、0.0009以下、0.0008以下、特に0.0007以下である。25℃、周波数2.45GHzにおける誘電正接が高過ぎると、高周波デバイスに電気信号が伝わった時の伝送損失が大きくなり易い。
30~380℃の温度範囲における熱膨張係数は、好ましくは20×10-7~50×10-7/℃、22×10-7~48×10-7/℃、23×10-7~47×10-7/℃、25×10-7~46×10-7/℃、28×10-7~45×10-7/℃、30×10-7~43×10-7/℃、32×10-7~41×10-7/℃、特に35×10-7~39×10-7/℃である。30~380℃の温度範囲における熱膨張係数が上記範囲外になると、半導体チップの材料であるシリコンとの熱膨張差が大きくなるため、チップ実装時における接続部へのストレスが大きくなり、接続信頼性が低下し易くなる。
歪点は、好ましくは530℃以上、540℃以上、550℃以上、560℃以上、570℃以上、580℃以上、特に590℃以上である。歪点が低過ぎると、多層配線板の作製時の熱処理工程において、ガラス板が熱収縮し易くなるため、多層配線板の作製時に配線不良が発生し易くなる。
液相粘度は、好ましくは104.0dPa・s以上、104.2dPa・s以上、104.6dPa・s以上、104.8dPa・s以上、105.0dPa・s以上、特に105.2dPa・s以上である。液相粘度が低過ぎると、成形時にガラスが失透し易くなる。
ヤング率は、好ましくは40GPa以上、41GPa以上、43GPa以上、45GPa以上、47GPa以上、50GPa以上、51GPa以上、52GPa以上、53GPa以上、54GPa以上、特に55GPa以上である。ヤング率が低過ぎると、ガラス板が撓み易くなるため、多層配線板の作製時に配線不良が発生し易くなる。
β-OH値は、好ましくは1.1mm-1以下、0.6mm-1以下、0.55mm-1以下、0.5mm-1以下、0.45mm-1以下、0.4mm-1以下、0.35mm-1以下、0.3mm-1以下、0.25mm-1以下、0.2mm-1以下、0.15mm-1以下、特に0.1mm-1以下である。β-OH値が大き過ぎると、低誘電特性を確保し難くなる。なお、「β-OH値」は、FT-IRを用いて下記数式により算出した値である。
β-OH値 = (1/X)log(T/T
X:板厚(mm)
:参照波長3846cm-1における透過率(%)
:水酸基吸収波長3600cm-1付近における最小透過率(%)
本発明のガラス板は、板厚方向に貫通孔が形成されていることが好ましい。また貫通孔の内径は、配線密度を高める観点から、好ましくは200μm以下、180μm以下、150μm以下、130μm以下、120μm以下、100μm以下、50μm以下、特に30μm以下である。しかし、貫通孔の平均内径が小さ過ぎると、ガラス板の両表面間に導通を取るための配線構造を形成し難くなる。よって、貫通孔の内径は、好ましくは1μm以上、3μm以上、5μm以上、7μm以上、特に10μm以上である。
ガラス板に小さい貫通孔を形成する方法として、種々の方法を採択可能であるが、小さな貫通孔を効率よく形成する観点から、レーザーでガラス板に改質部を形成した後、改質部をエッチングして、貫通孔を形成する方法が好ましく、ガラス板に微細な貫通孔を形成した後、エッチングにより、この貫通孔の開口領域を拡大する方法も好ましい。
貫通孔の内径の最大値と最小値の差は、好ましくは100μm以下、80μm以下、70μm以下、60μm以下、50μm以下、45μm以下、40μm以下、35μm以下、30μm以下、特に25μm以下である。貫通孔の内径の最大値と最小値の差が大き過ぎると、ガラス板の両表面間に導通を取るための配線の長さが不必要に長くなり、伝送損失を低減し難くなる。
本発明に係るガラス板において、板厚は、好ましくは0.5mm以下、1~100μm、5~50μm、特に10~30μmである。板厚が大き過ぎると、グランドと信号線の距離が大きくなり、実効比誘電率が上昇してしまう。更にガラス板に貫通孔を形成し難くなり、多層配線板の高密度配線が困難になる。なお、板厚が小さ過ぎると、ガラス板の取り扱いが困難になる。
本発明に係るガラス板は、オーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。このようにすれば、未研磨で表面品位が良好なガラス板を効率良く得ることができる。オーバーフローダウンドロー法以外にも、種々の成形方法を採択することができる。例えば、スロットダウン法、フロート法、ロールアウト法等の成形方法を採択することができる。
配線の微細化を達成する観点では、ガラス板の表面の算術平均粗さRaは、好ましくは10nm以下、5nm以下、2nm以下、1nm以下、0.5nm以下、特に0.2nm以下である。ガラス板の表面の算術平均粗さRaが大き過ぎると、配線の微細化を達成し難くなる。またガラス板の表面に形成される配線の算術平均粗さRaが大きくなるため、高周波デバイスの配線に電流を流した時に発生する、所謂、表皮効果による抵抗損失が過剰になる。またガラス板の強度が低下して、破損し易くなる。なお、「算術平均粗さRa」は、触針式表面粗さ計又は原子間力顕微鏡(AFM)により測定可能である。
樹脂層は、ガラスクロスに樹脂を含浸させたプリプレグであることが好ましい。ガラスクロスに樹脂を含浸させたプリプレグであれば、ガラスクロスのガラス組成や織り方、含浸する樹脂の組成や配合量によって、伸縮性、強度、耐熱性、低誘電特性等を調整し易くなる。更に、銅箔等の金属層の上下にこのプリプレグを重ね、更に金属層で挟んだ状態で加熱・加圧処理を行うと、プリプレグの半硬化状態の樹脂が再溶融することで接着剤の役割を果たすこともできる。なお、ガラスクロスに含浸させる樹脂には、エポキシ樹脂が一般的に使用される。
本発明の積層板において、25℃、周波数28GHzにおける樹脂層の比誘電率は、好ましくは5以下、4.9以下、4.8以下、4.7以下、4.6以下、特に4.5以下である。25℃、周波数28GHzにおける比誘電率が高過ぎると、高周波デバイスに電気信号が伝わった時の伝送損失が大きくなり易い。
本発明の積層板において、25℃、周波数28GHzにおける樹脂層の誘電正接は、好ましくは0.01以下、0.009以下、0.008以下、0.007以下、0.006以下、0.005以下、0.004以下、特に0.003以下である。25℃、周波数28GHzにおける誘電正接が高過ぎると、高周波デバイスに電気信号が伝わった時の伝送損失が大きくなり易い。
本発明の積層板において、25℃、周波数2.45GHzにおける樹脂層の比誘電率は、好ましくは5以下、4.9以下、4.8以下、4.7以下、4.6以下、特に4.5以下である。25℃、周波数2.45GHzにおける比誘電率が高過ぎると、高周波デバイスに電気信号が伝わった時の伝送損失が大きくなり易い。
本発明の積層板において、25℃、周波数2.45GHzにおける樹脂層の誘電正接は、好ましくは0.01以下、0.009以下、0.008以下、0.007以下、0.006以下、0.005以下、0.004以下、0.003以下、0.002以下、0.001以下、0.0009以下、0.0008以下、特に0.0007以下である。25℃、周波数2.45GHzにおける誘電正接が高過ぎると、高周波デバイスに電気信号が伝わった時の伝送損失が大きくなり易い。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は、単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1~3は、本発明の実施例(試料No.1~22、24~32)及び比較例(試料No.23)を示している。
Figure 2022045302000001
Figure 2022045302000002
Figure 2022045302000003
次のようにして、試料No.1~32を作製した。まず表中のガラス組成になるように調合したガラス原料を白金坩堝に入れ、1600℃で24時間溶融した後、カーボン板上に流し出して平形板状に成形した。次に、得られた各試料について、25℃、周波数2.45GHzにおける比誘電率、25℃、周波数2.45GHzにおける誘電正接、25℃、周波数28GHzにおける比誘電率、25℃、周波数28GHzにおける誘電正接、密度、熱膨張係数、歪点、徐冷点、軟化点、104.0dPa・sにおける温度、103.0dPa・sにおける温度、102.5dPa・sにおける温度、液相温度、液相粘度、ヤング率、剛性率、ポアソン比、β-OH値を評価した。
25℃、周波数2.45GHzにおける比誘電率、誘電正接及び25℃、周波数28GHzにおける比誘電率、誘電正接は、周知の空洞共振器法で測定した値を指す。
密度は、周知のアルキメデス法で測定した値である。
熱膨張係数は、ディラトメーターで測定した値であり、30~380℃の温度範囲における平均値である。
歪点、徐冷点及び軟化点は、ASTM C336、C338の方法に基づいて測定した値である。
104.0dPa・sにおける温度、103.0dPa・sにおける温度及び102.5dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。
液相温度は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶の析出する温度を測定した値である。
液相粘度は、液相温度におけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値である。
ヤング率と剛性率は、共振法で測定した値である。ポアソン比はヤング率と剛性率から計算した値である。
β-OH値は、上記の方法で測定した値である。
表から分かるように、試料No.1~22、24~32は、低誘電特性を有しており、高周波デバイスに好適であるが、試料No.23は、低誘電特性を有しておらず、高周波デバイスに不適であった。
表1~3に記載の試料No.1~22、24~32のガラス組成になるガラスバッチを試験溶融炉で溶融して、溶融ガラスを得た後、オーバーフローダウンドロー法で成形、切断して、板厚50μmのガラス板をそれぞれ成形した。なお、ガラス板の成形に際し、引っ張りローラーの速度、冷却ローラーの速度、加熱装置の温度分布、溶融ガラスの温度、溶融ガラスの流量、板引き速度、攪拌スターラーの回転数等を適宜調整することで、ガラス板の表面粗さ等を調節した。得られたガラス板の表面の算術平均粗さRaを原子間力顕微鏡(AFM)で測定したところ、0.2nmであった。次に、ガラス板に複数の貫通孔を形成した。貫通孔は、市販のピコ秒レーザーをガラス板の表面に照射して、改質層を形成した後、その改質層をエッチングで除去することにより作製した。表に記載の試料No.7、14に係る貫通孔の内径をそれぞれ測定したところ、何れも最大値が85μm、最小値が62μm、内径の最大値と最小値の差が23μmであった。
次に、表1~3に記載の試料No.1~22、24~32に係るガラス板の貫通孔の内周面に対して、セミアディティブ法により、導体回路層を形成した。具体的には、スパッタ法によるシード金属層の作製、無電解めっき法による金属層の形成、レジストパターンの形成、配線のための銅めっきの形成を順次行い、導体回路層を形成した。
続いて、試料No.1~22、24~32に係るガラス板の両表面上に、接着材層を介してガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグを配置した後、熱圧着により積層一体化し、樹脂層、ガラス板、樹脂層の3層構造の積層板を作製した。なお、プリプレグには、複数の貫通孔の内周面に銅の金属層からなる配線が形成されている共に、貫通孔の内周面、樹脂層の表面のメッキにより、内層と外層が接続された後、最外層に表面パターンが形成されている。次に、積層板の厚み方向に機械的に貫通孔を開け、その内周面に銅の金属層からなる配線を形成した上で表面にメッキをして、内層と外層を接続した後、最外層に対して、ソルダーレジスト層を形成した。最後に、フォトリソグラフィーで外部接続端子部を露出させて、メッキをした後、はんだボールを形成することで、多層配線板をそれぞれ得た。
本発明の積層板は、高周波対応の多層配線板に好適であるが、それ以外にも、低誘電特性が求められる高周波フィルタ(ダイプレクサ)、高密度半導体パッケージ板としても好適である。

Claims (11)

  1. 少なくとも1層以上のガラス板と、少なくとも1層以上の樹脂層と、を含み、
    ガラス板の25℃、周波数2.45GHzにおける比誘電率が5以下であり、且つガラス板の25℃、周波数2.45GHzにおける誘電正接が0.003以下である、積層板。
  2. 樹脂層が、ガラスクロスに樹脂を含浸させたプリプレグである、請求項1に記載の積層板。
  3. ガラス板の表面及び/又は内部に金属層が形成されている、請求項1又は2に記載の積層板。
  4. 金属層が、銅、銀、金、アルミニウム、モリブデン、タングステン、ニッケル、スズ及びこれらの合金の何れか1種以上を含む、請求項3に記載の多層基板。
  5. ガラス板の厚みが5~50μmである、請求項1~4の何れかに記載の積層板。
  6. ガラス板が、ガラス組成として、モル%で、SiO 60~90%、Al 1~15%、B 5~30%、MgO+CaO+SrO+BaO 0~8%、MgO 0~8%、CaO 0~8%を含有する、請求項1~5の何れかに記載の積層板。
  7. ガラス板の厚み方向に貫通孔が形成されている、請求項1~6の何れかに記載の積層板。
  8. ガラス板に形成された貫通孔の内径が200μm以下である、請求項7に記載の積層板。
  9. ガラス板に形成された貫通孔の内径の最大値と最小値の差が100μm以下である、請求項7又は8に記載の積層板。
  10. ガラス板に形成された貫通孔の内周面に金属層が形成されている、請求項7~9の何れかに記載の積層板。
  11. 多層配線板に用いる、請求項1~10の何れかに記載の積層板。
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