JP2022044774A - 空調用放射パネル及びこれを備えた天井放射型空調システム - Google Patents

空調用放射パネル及びこれを備えた天井放射型空調システム Download PDF

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Kiyoshi Ito
満博 ▲高▼橋
Mitsuhiro Takahashi
誠 ▲蔵▼品
Makoto Kurashina
雅彦 竹内
Masahiko Takeuchi
裕樹 堤
Hiroki Tsutsumi
宏次 村上
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Abstract

【課題】従来と比較し、汎用性の向上、コストの低減を可能にする空調用放射パネル及び天井放射型空調システムを提供する。【解決手段】冷温媒が流通する冷温媒配管4と、高伝熱材料を用いて形成されるとともに、冷温媒配管4を嵌合させて保持する嵌合保持部11、及び嵌合保持部11と一体に繋がって天井面を形成する放熱部12を有する放射パネル本体13とを備えて空調用放熱パネル10を構成する。また、この空調用放射パネル10を天井部の一部に組み込んで天井放射型空調システムを構成する。【選択図】図2

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 公開日 平成29年7月20日 公開した場所 2017年度日本建築学会大会(中国) 学術講演梗概集 建築デザイン発表梗概集を収録したDVDを一般社団法人日本建築学会により発行、配布
本発明は、空調用放射パネル及びこれを備えた天井放射型空調システムに関する。
従来、中央熱源機によって調製された冷水又は温水を大容量のポンプにより建物全体に分配供給するセントラル方式の空調システムや、比較的小規模の空調機を各所に分散配置した個別方式の空調システムがオフィスビルなどに多用されている。
一方、互いに第1冷温媒配管で接続された室外機と室内機を有する個別方式の空冷ヒートポンプパッケージ型の空調機(エアコン)と、第1冷温媒配管に接続された熱交換器ユニットと、熱交換器ユニットと第2冷温媒配管で接続された天井放射パネルとを備えた空調システムが提案、実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
この天井放射型の空調システムでは、熱交換器ユニットで、第1冷媒配管内を流通する冷温媒と第2冷温媒配管内を流通する冷温媒とを熱交換し、第2冷温媒配管の冷温媒が冷脚又は加温され、調製された冷温媒が第2冷温媒配管内を流通して天井放射パネルに供給される。これにより、空調機から冷風又は温風が居室部等に給気され、天井輻射パネルによって輻射冷暖房を行うことができる。
このような空調システムは、高い省エネルギー性を有し、ZEB(ゼブ:ゼロ・エネルギー・ビル)実現のために必要な技術として認知され、また、快適な空間を提供できることからオフィスビルなどに適用することで生産性等の向上に貢献するなど、大きな期待を集めている。
特開2014-152971号公報
しかしながら、上記従来の天井放射型の空調システムにおいては、例えば、放射パネルが配管、天井パネル、天井パネルと配管内の冷温媒との伝熱を促進させるためのヒートシンクからなり、天井部全体を形成するように放射パネルを敷設して構成されている。このため、テナントオフィスビルなどに適用する場合には、間仕切への対応など居室部の設えの可変性に柔軟に対応することが難しい。
また、従来の放射パネルは高価である上、例えば冷却能力が60~80W/m(室温:26℃、冷温媒(冷水)温度:17℃)程度であり、大きなパネルでないと高負荷への対応が困難であった。
このため、汎用性の向上、コストの低減を図り、例えば、グリッド天井相当の性能にして天井輻射冷暖房を行えるようにすることが強く望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑み、従来と比較し、汎用性の向上、コストの低減を可能にする空調用放射パネル及び天井放射型空調システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の空調用放射パネルは、冷温媒が流通する冷温媒配管と、高伝熱材料を用いて形成されるとともに、前記冷温媒配管を嵌合させて保持する嵌合保持部、及び前記嵌合保持部と一体に繋がって天井面を形成する放熱部を有する放射パネル本体とを備えていることを特徴とする。
本発明の空調用放射パネルにおいては、前記放射パネル本体が、前記嵌合保持部及び前記放熱部を有する複数の放射パネル片と、前記複数の放射パネル片を一体に連結して保持するための連結保持部材とを備え、隣り合う前記放射パネル片の間に隙間を設けて構成されていることが望ましい。
本発明の空調用放射パネルにおいては、前記隙間の大きさが5mm以上であることがより望ましい。
本発明の天井放射型空調システムは、上記のいずれかの空調用放射パネルを天井部の一部に組み込んで構成されていることを特徴とする。
本発明の空調用放射パネル及びこれを備えた天井放射型空調システムにおいては、放射パネル本体(天井パネル)に直接冷温媒配管を取り付け、従来の放射パネルのヒートシンクを不要にしている。これにより、冷温媒配管を流通する冷温媒と放射パネル本体の間で効率的に熱交換が行われ、放射パネルの伝熱性能を向上させることができる。
また、比較的小さなパネルとしても放射パネル本体と接触する冷温媒配管の長さを確保することができ、確実に伝熱性能を向上させることができ、空調システムの負荷処理能力を向上させることが可能になる。
従来のヒートシンクを省略した形で放射パネルが構成されているため、材料削減によるコストダウンを図ることも可能になる。
さらに、隣り合う放射パネル片の間に隙間を設けた状態で、複数の放射パネル片を連結保持部材で一体に連結保持して形成することにより、冷温媒配管が配設される側の天井裏空間と居室部側の空間を放射パネルの隙間で連通させることができ、例えば、天井裏空間の冷気を放射パネルの隙間から居室部等に導入することができる。すなわち、熱交換、熱放射する表面積を大きくすることができ、対流熱伝達の促進を図ることが可能になる。よって、さらに確実に放射パネルの伝熱性能を向上させることができ、空調システムの負荷処理能力を向上させることが可能になる。
したがって、本発明の空調用放射パネル及びこれを備えた天井放射型空調システムによれば、従来と比較し、汎用性を向上させることができるとともに、コストを低減することが可能になる。
また、本発明の空調用放射パネル及びこれを備えた天井放射型空調システムにおいては、従来のグリッド天井(吊り天井)に対応させることができるとともに、一般的なグリッド天井とほぼ同程度の施工性を確保できる。
本発明の一実施形態に係る天井放射型空調システムを示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る空調用放射パネルを示す平面図である。 図2のX1-X1線矢視図である。 図2のX2-X2線矢視図である。 建築モジュールを示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る空調用放射パネルを備えた天井部の構成パターンを示す図である。 実証実験における天井条件を示す平面図である。 実証実験における天井条件を示す断面図である。 実証実験における空間温度測定点配置を示す平面図である。 実証実験の結果であり、鉛直温度分布を示す図である。 実証実験の結果であり、試験室の形状の違いによる鉛直温度分布を示す図である。 実証実験の結果であり、放射パネルのスリット(隙間)の有無による鉛直温度分布を示す図である。 実証実験の結果であり、気流分布を示す図である。 実証実験の結果であり、パネル近傍の空気温度を示す図である。 実証実験の結果であり、放射パネルの能力線を示す図である。 実証実験の結果であり、対流熱伝達量を示す図である。 本発明の一実施形態に係る天井放射型空調システムのスリット幅の影響を確認するために用いた解析モデルを示す図であり、(a)が平面図、(b)が断面図である。 本発明の一実施形態に係る天井放射型空調システムのスリット幅の影響を確認するために行った解析結果を示す図である。
以下、図1から図18を参照し、本発明の一実施形態に係る空調用放射パネル及びこれを備えた天井放射型空調システムについて説明する。
本実施形態の天井放射型空調システム1は、例えば、図1に示すように、熱交換器ユニット(熱交換器)3と、グリッド天井などの天井部5の一部を形成するように設けられた放射パネル(空調用放射パネル)10と、熱源(例えば、空冷ヒートポンプ)に接続された第1冷温水配管2と、熱交換ユニット3を介して放射パネル10に接続される第2冷温媒配管(冷温媒配管)4とを備えて構成されている。
この天井放射型の空調システム1では、熱交換器ユニット3で第1冷温媒配管2内を流通する冷温媒の水と第2冷温媒配管4内を流通する冷温媒の水とで熱交換を行い、第2冷温媒配管4の冷温媒が所定の温度に調製される。
一方、本実施形態の放射パネル10は、図2から図4(図1)に示すように、アルミニウムなどの高伝熱材料を用いて形成されるとともに、アルミニウム三層管などの第2冷温媒配管4をその外周面が面接触するように嵌合させて保持する嵌合保持部11、及び嵌合保持部11と一体に繋がって天井面を形成する放熱部12を有する放射パネル本体13とを備えて構成されている。
また、本実施形態の放射パネル10は、放射パネル本体13が嵌合保持部11及び放熱部12を有する平面視矩形状で同形同大の複数の放射パネル片14を、嵌合保持部11の延設方向に沿う長手方向を同方向に合わせ、且つ長手方向の一端部同士、他端部同士の位置を合わせて並設し、これら複数の放射パネル片14を連結保持部材15で一体に連結保持して形成されている。
さらに、隣り合う放射パネル片14の間に例えば10mmの隙間Hを設けて放射パネル10が形成されている。
そして、本実施形態の天井放射型空調システム1の具体例としては、図1及び図5に示すように、最も一般的な3.6m×3.6mの複数の建築モジュール16で天井部5を構成し、各建築モジュール16に本実施形態の放射パネル10を組み込み、天井部5全体に対する放射パネル10の敷設率を約30%とする。建築モジュール16/天井部5の他の部分は岩綿吸音板などの従来の天井材17とする。また、一般的なオフィスの実負荷である26W/m(人体:6W/m、OA機器:10W/m、照明18:10W/mを放射パネル10で処理し、放射パネル10の能力を90W/mと設定する。すなわち、この一例では、本実施形態の放射パネル10の能力(伝熱性能)が従来の放射パネルよりも10%程度高くする必要がある。
これに対し、本実施形態の放射パネル10は、放射パネル本体(天井パネル)13に直接第2冷温媒配管4を取り付け、従来の放射パネルのヒートシンクを不要にしている。これにより、第2冷温媒配管4を流通する冷温媒と放射パネル本体13の間で効率的に熱交換が行われ、放射パネル10の伝熱性能を向上させることができる。
また、比較的小さなパネルとしても放射パネル本体13と接触する第2冷温媒配管4の長さを確保することができ、確実に伝熱性能を向上させることができ、空調システム1の負荷処理能力を向上させることが可能になる。
従来のヒートシンクを省略した形で放射パネル10が構成されているため、材料削減によるコストダウンを図ることも可能になる。
さらに、本実施形態の放射パネル10は、隣り合う放射パネル片14の間に例えば5mmの隙間(スリット)Hを設けた状態で、複数の放射パネル片14を連結保持部材15で一体に連結保持して形成されている。これにより、第2冷温媒配管4が配設される側の天井裏空間と居室部側の空間を放射パネル10の隙間Hで連通させることができ、例えば、天井裏空間の冷気を放射パネル10の隙間Hから居室部等に導入できる。よって、天井裏空間の冷気の移流(気流)よって対流熱伝達の促進を図ることが可能になり、さらに確実に放射パネル10の伝熱性能を向上させることができ、空調システム1の負荷処理能力を向上させることが可能になる。
[実施例]
ここで、本実施形態の放射パネル10の能力、優位性を確認するために行った実証実験について説明する。
本実証実験における実験施設は、図6に示すように、天井高さが2.8m、天井裏高さ(天井懐)が1.2mである。環境試験室を2つの試験室に分割し、放射パネル10以外の部分の天井材17を試験室Iはガラス繊維パルプ混抄シート(ガラス繊維シート)17a、試験室IIは岩綿吸音板(岩吸板)17bとした。これらの天井材17は取外し可能であり、放射パネル10のみを設置した条件(スケルトン)とすることもできる。
放射パネル10の敷設率は33%とした。放射パネル10への冷温媒給排系統は4枚連結の系統と6枚連結の系統とし、試験室Iは4系統、試験室IIは2系統としている。
表1に実験条件を示す。
Figure 2022044774000002
各放射パネル系統における流量を固定し、試験室内のFL+1.1mでの空気温度が26℃となるように模擬負荷の発熱量を調整した。冷温媒の冷水の送水温度はいずれのパターンも16℃である。
実験のパラメータは天井条件(図8)とした。
[天井条件の影響]
天井条件として、図8に示す5つの条件を設定した。
ガラス繊維シートは岩吸板に対して熱貫流率が2倍であり、天井裏と居室の伝熱による天井裏の冷熱利用が促進され、負荷処理能力が向上すると考えられる。
放射パネル10以外の天井材17を岩吸板としたパターンに関しては、スリットHを閉塞した条件(スリット無)とパネル上部に断熱材19を設置した条件(上部断熱)についても確認した。スリット無ではスリットHの効果(天井裏冷熱利用と対流熱伝達促進)が阻害されるため、放射パネル10の負荷処理能力が低下すると考えられる。また、パネル上部断熱で放射パネル10の天井裏への放熱が阻害され、放射パネル10の負荷処理能力が低下すると考えられる。
スケルトンに関しては、天井裏と居室空間を区切らないため、放射パネル10の天井裏への放熱が居室側の負荷処理に寄与して、負荷処理能力が向上すると考えられる。
次に、本実証実験において、図1に放射パネル10に接続する配管、放射パネル表面の測定点配置図を示す。これらにより、放射パネル10の処理熱量、放射パネル10の放熱量を測定・推定することが可能である。図9に空気温度、壁面温度、気流(風向・風速)の測定点配置図を示す。これらにより、試験室の空気温度分布の把握が可能になる。その他、サーモカメラにより、放射パネルの表面温度分布等の把握も行った。
以下、実験結果について説明する。
[鉛直温度分布]
図10に、放射パネル10以外の天井材17をガラス繊維シートとし、負荷位置を照明ライン18とした場合の鉛直温度分布を示す。測定点A、B、C、Dの位置は、試験室の全体の温度を確認できるように適宜分散させて設定した。また、代表パターンとして1系統当たりの冷水流量を3.0L/minとした結果を示す。温度分布はいずれも1系統当たりの流量は3.0L/minである。
図11に、スケルトンとし、試験室の面積が大きい場合と小さい場合の鉛直温度分布を示す。両者に大きな違いは見られなかった。いずれもパネル近傍の温度が低く、パネルにより冷却された空気が下降していることが確認された。
図12に天井材17を岩吸板とし、スリット有とスリット無の場合の鉛直温度分布を示す。スリット有の方が天井裏(FL+3.4m)の温度が0.3℃高く、スリットHを経由して居室と天井裏空気が循環し、スリットHが天井裏の冷熱利用に寄与していることが確認された。
図10から図12の結果に関し、天井条件の違いに着目し、天井裏の空気温度を比較すると岩吸板+上部断熱、スケルトン、ガラス繊維シート、岩吸板(スリット有)、岩吸板(スリット無)の順番で温度が低い。岩吸板+上部断熱が他のパターンよりも高いのは放射パネル10の天井裏への放熱が阻害されたためである。その他の条件に関しては、天井裏と居室の通気性や熱貫流率が関係し、このような結果になったと考えられる。
[気流分布]
図13に超音波風速計により測定した気流分布を示す。
天井の条件をスケルトンとすると、パネル下での気流が見られる(図13(c))。スケルトン以外では模擬負荷の上昇気流が放射パネル10の方向へ左右に分かれ、負荷の無い箇所及び壁面近傍で下降気流が形成された。また、スリット有のほうが無よりも全体的な気流が大きくなることが確認された。スリットHを設け、天井裏と居室の通気がある状態とすることで、放射パネル10の対流が促進されることが確認された。風速に関してはいずれの場合もFL+1.7m以下の居住域では0.1m/s以下で、静穏な環境となっている。
[パネル近傍温度]
図14に天井近傍(FL+2.75m)の空気温度の測定結果を示す。この図では室温(FL+1.1mでの平均温度)との温度差で値を示している。また、値が正であれば室温よりも温度が高く、負であれば室温よりも温度が低い。
スケルトンではパネル直下で温度が低くなった。パネル裏に熱気を導入し、直接スリットから冷気が下降している現象が起きたためであると考えられる(図14(c))。
スケルトン以外では模擬負荷による熱気が天井付近(各グラフの中央)でとどまり、放射パネルの表面と天井裏の冷気と熱交換され、負荷から離れたパネルの端部で温度が低くなった。気流分布とパネル近傍温度の測定結果より、模擬負荷から発生する熱気とパネルとの対流熱伝達により冷却されている状況が確認できた。
次に、種々の条件が放射パネル10の能力に及ぼす影響について分析するとともに、対流熱伝達を促進させることをねらいとした放射パネルがねらい通りに負荷を処理できているかどうかを検証した結果を示す。
図15にEN14240に基づいた放射パネル10の能力線図、表2に能力線図から求めた回帰直線から△T=9.0℃での処理熱量を示す。
Figure 2022044774000003
[天井条件の違い]
処理熱量は、天井条件に関して、岩吸板+上部断熱<岩吸板+スリット無<岩吸板≒ガラス繊維シート<スケルトンの順番で大きくなっている。
天井材17の違いに関しては、負荷位置が照明ライン18とした場合において、ガラス繊維シートよりも岩吸板の方が大きくなった。また、負荷位置をパネル直下とした場合においては、顕著な差は見られなかった。このように天井材17の熱貫流率による負荷処理能力への影響は見られなかった。スリットHの効果に関しては、スリット有の方が、スリット無よりも処理熱量が大きくなり、スリットHを設けることにより天井裏の冷熱利用と対流促進効果の両作用効果を合わせて奏功可能であることが確認された。
放射パネル10上に断熱を施すと、処理熱量が低下することが示された。天井裏への放熱が阻害されることが影響していると考えられた。設定した実験条件の中でスケルトンの処理熱量が一番大きく、天井裏への放熱が居室の負荷処理に寄与したものと言える。
[対流熱伝達率]
図16に居室側の対流熱伝達量をy軸に、空気温度(FL+1.1m)とパネル表面温度との温度差をx軸にプロットした散布図を示す。表3は実験条件ごとに算出した対流熱伝達率(図16においてy切片を0として、1次式で回帰した近似式の傾き)を示している。
Figure 2022044774000004
対流熱伝達率は、前述の処理熱量の順番と対応しており、岩吸板+スリット無<岩吸板≒ガラス繊維シート<スケルトンの順番で大きく、放射パネルの対流熱伝達の促進が負荷処理能力向上に大きく寄与することが確認された。
スリットの有無に関しては、有の方が1.5倍程度大きくなっており、スリットによる対流促進効果が実証された。
したがって、以上の実証実験結果から、本実施形態の天井放射型空調システム1においては、本実施形態の空調用放射パネル10を備えることによって対流熱伝達の促進を図れることが実証された。
ここで、本実施形態の空調用放射パネル(及びこれを備えた天井放射型空調システム)、上記実証実験では、以下に示すように、スリットHの幅を変え、CFD(computational fluid dynamics)を用いた熱流体解析による検討の結果に基づいて、スリット幅を10mmとした。
スリットHに関する検討では、図17(a)、図17(b)に示すように放射パネル10を設けるとともに、居室に306Wの発熱体20を配置した。また、放射パネル10の表面温度を19.8℃で固定条件とした。そして、スリットHの幅を0mm、5mm、10mm、15mm、25mmと段階的に変化させ、居室の温度を計算した。
図18は、スリット幅の影響を確認した結果であり、スリット幅と室温の関係を示している。この図から、スリットHがない場合の空気温度(26.4℃)と比較して、スリット幅が5mmでは0.4℃、10mmでは1.6°、15mmでは2.1℃、25mmでは2.2℃低下しており、各々のケースで冷却効果が見込めることが確認された。また、10mm以上では冷却効果が同等とみなすことができ、本実施形態の空調用放射パネル(天井放射型空調システム)、上記実証実験ではスリット幅を10mmとした。
以上、本発明に係る空調用放射パネル及びこれを備えた天井放射型空調システムの一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 天井放射型空調システム
2 第1冷温媒配管
3 熱交換器ユニット
4 第2冷温媒配管(冷温媒配管)
5 天井部
10 放射パネル(空調用放射パネル)
11 嵌合保持部
12 放熱部
13 放射パネル本体
14 放射パネル片
15 連結保持部材
16 建築モジュール
17 天井材
17a ガラス繊維パルプ混抄シート(ガラス繊維シート)
17b 岩綿吸音板(岩吸板)
18 照明
19 断熱材
20 発熱体
H 隙間(スリット)
本発明の空調用放射パネルは、高伝熱材料からなる放射パネル片を第1の方向へ複数配列した空調用放射パネルであって、前記放射パネル片は、前記第1の方向に沿って延びる放熱部と、前記放熱部と一体的に形成され、冷温媒が流れる冷温媒配管と嵌合する嵌合保持部と、を備え、複数の前記放射パネル片は、前記第1の方向において、5mm以上の間隔を隔てて、前記放熱部どうしが隣り合う
本発明の天井放射型空調システムは、上記の空調用放射パネルを天井部の一部に組み込んで構成されている。
本発明の空調用放射パネルでは、前記複数の放射パネル片を連結して保持するための連結保持部材を備えていてもよい。
本発明の空調用放射パネルでは、前記放射パネル片は、前記連結保持部材と係合する係合部を複数有していてもよい。
本発明の空調用放射パネルでは、前記第1方向に隣り合う前記放熱部の間隔は、10mm以上25mm以下としてもよい。
本実施形態の天井放射型空調システム1は、例えば、図1に示すように、熱交換器ユニット(熱交換器)3と、グリッド天井などの天井部5の一部を形成するように設けられた放射パネル(空調用放射パネル)10と、熱源(例えば、空冷ヒートポンプ)に接続された第1冷温配管2と、熱交換ユニット3を介して放射パネル10に接続される第2冷温媒配管(冷温媒配管)4とを備えて構成されている。
この天井放射型空調システム1では、熱交換器ユニット3で第1冷温媒配管2内を流通する冷温媒の水と第2冷温媒配管4内を流通する冷温媒の水とで熱交換を行い、第2冷温媒配管4の冷温媒が所定の温度に調製される。
また、比較的小さなパネルとしても放射パネル本体13と接触する第2冷温媒配管4の長さを確保することができ、確実に伝熱性能を向上させることができ、天井放射型空調システム1の負荷処理能力を向上させることが可能になる。
さらに、本実施形態の放射パネル10は、隣り合う放射パネル片14の間に例えば5mmの隙間(スリット)Hを設けた状態で、複数の放射パネル片14を連結保持部材15で一体に連結保持して形成されている。これにより、第2冷温媒配管4が配設される側の天井裏空間と居室部側の空間を放射パネル10の隙間Hで連通させることができ、例えば、天井裏空間の冷気を放射パネル10の隙間Hから居室部等に導入できる。よって、天井裏空間の冷気の移流(気流)よって対流熱伝達の促進を図ることが可能になり、さらに確実に放射パネル10の伝熱性能を向上させることができ、天井放射型空調システム1の負荷処理能力を向上させることが可能になる。

Claims (4)

  1. 冷温媒が流通する冷温媒配管と、
    高伝熱材料を用いて形成されるとともに、前記冷温媒配管を嵌合させて保持する嵌合保持部、及び前記嵌合保持部と一体に繋がって天井面を形成する放熱部を有する放射パネル本体とを備えていることを特徴とする空調用放射パネル。
  2. 請求項1記載の空調用放射パネルにおいて、
    前記放射パネル本体が、前記嵌合保持部及び前記放熱部を有する複数の放射パネル片と、前記複数の放射パネル片を一体に連結して保持するための連結保持部材とを備え、
    隣り合う前記放射パネル片の間に隙間を設けて構成されていることを特徴とする空調用放射パネル。
  3. 請求項2記載の空調用放射パネルにおいて、
    前記隙間の大きさが5mm以上であることを特徴とする空調用放射パネル。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空調用放射パネルを天井部の一部に組み込んで構成されていることを特徴とする天井放射型空調システム。
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