JP2022042200A - 摩擦部材、摩擦材組成物、摩擦材及び車両 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022042200000001
【課題】銅の含有量が0.5質量%未満、かつ、スチール繊維の含有量が25質量%以下であっても、フェード時の摩擦係数と高温高速制動時の耐摩耗性が良好な摩擦材を有する摩擦部材、前記摩擦材を提供し得る摩擦材組成物、前記摩擦材、及び前記摩擦部材又は前記摩擦材を搭載した車両を提供する。
【解決手段】摩擦材及び裏金を有する摩擦部材であって、前記摩擦材は、銅の含有量が、前記摩擦材全量に対して0.5質量%未満、かつ、スチール繊維の含有量が、前記摩擦材全量に対して25質量%以下であり、硫酸カルシウム繊維を、前記摩擦材全量に対して、1~20質量%含有する、摩擦部材、前記摩擦材を提供し得る摩擦材組成物、前記摩擦材、及び前記摩擦部材又は前記摩擦材を搭載した車両に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、摩擦部材、摩擦材組成物、摩擦材及び車両に関する。
自動車等には、その制動のためにディスクブレーキパッド、ブレーキライニング等の摩擦材が使用されている。摩擦材は、ディスクロータ、ブレーキドラム等の対面材と摩擦することにより、制動の役割を果たす。そのため、摩擦材には、良好な摩擦係数、耐摩耗性(摩擦材の寿命が長いこと)等が要求される。
摩擦材は繊維基材としてスチール繊維を30~60質量%含有するセミメタリック材と、スチール繊維を30質量%未満含有するロースチール材と、スチール繊維を含有しないNAО(Non Asbestos Organic)材に大別される。ロースチール材、NAO材等のスチール繊維の含有量が低い摩擦材は、相手材であるディスクロータへの攻撃性が低いため、ディスクロータの摩耗を抑制し、ブレーキ鳴きの発生を抑制できるという特徴を有する。一方、ロースチール材、NAO材等は、スチール繊維の含有量が低いため、制動性能を十分に確保することが難しく、それを補うために、高温高速制動時の摩擦係数の低下抑制に高い効果を発揮する銅粉末、銅繊維等が使用されてきた。
しかしながら、近年では、銅、銅合金等を含有する摩擦材は、制動時に発生する摩耗粉中に銅を含むため、河川、湖等を汚染する可能性が示唆されている。銅は、繊維、粉末等の形態で摩擦材に配合され、熱伝導率の付与に有効な成分である。銅を含有しない組成においては、熱伝導率が低下するため、高温での制動時に摩擦界面の熱が拡散せずに摩擦材の摩耗量が増大したり、制動時における分解ガスの量が多くなり耐フェード性が悪化したりするという問題が生じていた。
耐フェード性を向上させた摩擦材として、基材としてのロックウールを多めに含有させて気孔率を確保した摩擦材(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
また、銅を含有しない組成において、高温高負荷での制動における耐摩耗性、摩擦係数の安定性を向上させた摩擦材として、鱗片状、柱状又は板状のトンネル状結晶構造のチタン酸塩と層状結晶構造のチタン酸塩とを併用した摩擦材(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
特開2001-158904号公報 特開2019-48989号公報
特許文献1に記載の技術は耐フェード性の向上、特許文献2に記載の技術は銅を含有しない組成において、高温高速制動時の耐摩耗性、摩擦係数の安定性の向上を図ったものである。しかしながら、これらの摩擦材においても、耐フェード性と高温高速制動時の耐摩耗性との両立は未だ十分とは言えない。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、銅の含有量が0.5質量%未満、かつ、スチール繊維の含有量が25質量%以下であっても、フェード時の摩擦係数と高温高速制動時の耐摩耗性が良好な摩擦材を有する摩擦部材、前記摩擦材を提供し得る摩擦材組成物、前記摩擦材、及び前記摩擦部材又は前記摩擦材を搭載した車両を提供することを課題とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記の本発明により当該課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は、下記[1]~[15]に関する。
[1]摩擦材及び裏金を有する摩擦部材であって、
前記摩擦材は、銅の含有量が、前記摩擦材全量に対して0.5質量%未満、かつ、スチール繊維の含有量が、前記摩擦材全量に対して25質量%以下であり、硫酸カルシウム繊維を、前記摩擦材全量に対して、1~20質量%含有する、摩擦部材。
[2]前記硫酸カルシウム繊維の平均繊維長が、1~200μmである、上記[1]に記載の摩擦部材。
[3]前記硫酸カルシウム繊維の平均繊維径が、0.1~20μmである、上記[1]又は[2]に記載の摩擦部材。
[4]前記硫酸カルシウム繊維の平均アスペクト比(繊維長/繊維径)が、5~200である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の摩擦部材。
[5]前記硫酸カルシウム繊維が、II型無水石膏からなる繊維である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の摩擦部材。
[6]前記摩擦材が、さらに、チタン酸塩を、前記摩擦材全量に対して、2~40質量%含有する、上記[1]~[5]のいずれかに記載の摩擦部材。
[7]上記[1]~[6]のいずれかに記載の摩擦部材を搭載した車両。
[8]銅の含有量が0.5質量%未満、かつ、スチール繊維の含有量が25質量%以下である摩擦材組成物であって、硫酸カルシウム繊維を、1~20質量%含有する、摩擦材組成物。
[9]前記硫酸カルシウム繊維の平均繊維長が、1~200μmである、上記[8]に記載の摩擦材組成物。
[10]前記硫酸カルシウム繊維の平均繊維径が、0.1~20μmである、上記[8]又は[9]に記載の摩擦材組成物。
[11]前記硫酸カルシウム繊維の平均アスペクト比(繊維長/繊維径)が、5~200である、上記[8]~[10]のいずれかに記載の摩擦材組成物。
[12]前記硫酸カルシウム繊維が、II型無水石膏からなる繊維である、上記[8]~[11]のいずれかに記載の摩擦材組成物。
[13]さらに、チタン酸塩を、2~40質量%含有する、上記[8]~[12]のいずれかに記載の摩擦材組成物。
[14]上記[8]~[13]のいずれかに記載の摩擦材組成物を含有してなる摩擦材。
[15]上記[14]に記載の摩擦材を搭載した車両。
本発明によれば、銅の含有量が0.5質量%未満、かつ、スチール繊維の含有量が25質量%以下であっても、フェード時の摩擦係数と高温高速制動時の耐摩耗性が良好な摩擦材を有する摩擦部材、前記摩擦材を提供し得る摩擦材組成物、前記摩擦材、及び前記摩擦部材又は前記摩擦材を搭載した車両を提供することができる。
バックプレートの一方の面に摩擦材(上張り材)が下張り材を介して配置された摩擦部材(ディスクブレーキパッド)の断面の模式図である。
以下、本発明の実施形態に係る摩擦部材、摩擦材組成物、摩擦材及び車両について詳細に説明する。但し、以下の実施形態において、その構成要素は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。さらに、本明細書において、摩擦材及び摩擦材組成物中の各成分の含有率は、各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、摩擦材及び摩擦材組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率を意味する。
本明細書における記載事項を任意に組み合わせた態様も本発明に含まれる。
[摩擦部材、摩擦材、摩擦材組成物]
本実施形態に係る摩擦部材は、摩擦材及び裏金を有する摩擦部材であって、前記摩擦材は、銅の含有量が、前記摩擦材全量に対して0.5質量%未満、かつ、スチール繊維の含有量が、前記摩擦材全量に対して25質量%以下であり、硫酸カルシウム繊維を、前記摩擦材全量に対して、1~20質量%含有するものである。
本実施形態に係る摩擦材組成物は、銅の含有量が0.5質量%未満、かつ、スチール繊維の含有量が25質量%以下である摩擦材組成物であって、硫酸カルシウム繊維を1~20質量%含有するものであり、本実施形態の摩擦材は、本実施形態の摩擦材組成物を含有してなる摩擦材である。
以下、本実施形態の摩擦部材が有する摩擦材、及び本実施形態の摩擦材組成物を含有してなる摩擦材(以下の説明においては、両者を「本実施形態の摩擦材」と称する。)について詳細に説明する。なお、本実施形態の摩擦材組成物に含有される各成分の種類、及びその製造方法は、下記の本実施形態の摩擦材と同様に説明されるものであり、その好適な態様もすべて同じである。摩擦材組成物中における各成分の含有量の好適範囲は、本実施形態の摩擦材で説明される好適範囲と同じであるが、含有量の基準は「摩擦材組成物全量」とする。
<銅>
本実施形態の摩擦材は、銅の含有量が、摩擦材全量に対して、0.5質量%未満である。
なお、本明細書において、「銅の含有量が、摩擦材全量に対して、0.5質量%未満」であるとは、銅の含有量が0質量%である場合も含む。
なお、上記の「銅」とは、例えば、繊維状、粉末状等の銅;銅合金、銅化合物などに含まれる銅元素である。
本実施形態の摩擦材が銅を含有する場合、その含有量は、摩擦材全量に対して、0.3質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0.05質量%以下がさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材は銅を含有しないものであってもよい。但し、本明細書において、銅を「含有しない」とは、銅を意図的に配合することを除外する規定であって、意図せずに銅が含まれる場合までを排除する規定ではない。
<スチール繊維>
本実施形態の摩擦材は、スチール繊維の含有量を低くすることで、ディスクロータへの攻撃性及びブレーキ鳴きの発生が抑制された組成を前提とし、当該組成において銅を使用せずとも十分な制動性能が得られる組成を見出した発明である。
そのため、本実施形態の摩擦材は、スチール繊維の含有量が、摩擦材全量に対して、25質量%以下である。
なお、本明細書において、「スチール繊維の含有量が25質量%以下」であるとは、スチール繊維の含有量が0質量%である場合も含む。
本実施形態の摩擦材がスチール繊維を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、ディスクロータの耐摩耗性及びブレーキ鳴きの発生を抑制するという観点から、摩擦材全量に対して、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。本実施形態の摩擦材はスチール繊維を含有しないものであってもよい。
<硫酸カルシウム繊維>
本実施形態の摩擦材は、硫酸カルシウム繊維を含有することで、フェード時の摩擦係数と高温高速制動時の耐摩耗性とを両立したものとなる。その原因は定かではないが次のように推測される。
硫酸カルシウム繊維は、摩擦材において補強作用を示す繊維形状を有する化合物であると共に、有機繊維と比べて強度に優れるため、摩擦材の機械強度を高めることができる。更に、硫酸カルシウム繊維は、高温に晒されても有機繊維より分解又は燃焼し難いため、高温高速制動時のような過酷な環境下でも、摩擦材に対する補強効果が失われず、ブレーキパッドの摩耗を抑制できたと考えられる。一方で、硫酸カルシウム繊維はモース硬度が高い材料ではないため、摩擦係数を含む他の物性に対して悪影響を及ぼすことなく、フェード時の摩擦係数と高温高速制動時の耐摩耗性とのバランスを向上できたものと考えられる。
本明細書における「硫酸カルシウム繊維」とは、最小長さに対する最大長さの比(アスペクト比)が5以上である硫酸カルシウムを意味する。
硫酸カルシウムは、結晶水の存在形態に応じて、二水石膏(硫酸カルシウム二水和物)、半水石膏(硫酸カルシウム半水和物)及び無水石膏(硫酸カルシウム無水物)に大別され、硫酸カルシウム無水物は、更に、結晶系の違いによりI型、II型、III型に分類される。これらの中でも、本実施形態の摩擦材に含有される硫酸カルシウム繊維は、無水石膏(硫酸カルシウム無水物)からなる繊維であることが好ましく、吸水による摩擦係数の変動や体積変化に伴う摩擦材の膨張収縮を抑制する観点から、II型無水石膏からなる繊維であることがより好ましい。
硫酸カルシウム繊維を構成する硫酸カルシウムの種類は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(繊維長)
硫酸カルシウム繊維の平均繊維長は、特に限定されないが、硫酸カルシウム繊維の分散性及びブレーキパッドの耐摩耗性の観点から、1~200μmが好ましく、3~100μmがより好ましく、5~50μmがさらに好ましく、10~20μmが特に好ましい。
硫酸カルシウム繊維の最小繊維長は、0.1μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましく、0.5μm以上がさらに好ましく、1μm以上が特に好ましい。
硫酸カルシウム繊維の最大繊維長は、1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましく、200μm以下がさらに好ましく、100μm以下が特に好ましい。
硫酸カルシウム繊維の平均繊維長は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)等によって、任意の50本の硫酸カルシウム繊維を観察して繊維長を測定し、それらの平均値として算出することができる。また、硫酸カルシウム繊維の最大繊維長及び最小繊維長は、平均繊維長の測定で観察した任意の50本の硫酸カルシウム繊維のうちの最大繊維長及び最小繊維長を意味する。
(繊維径)
硫酸カルシウム繊維の平均繊維径は、特に限定されないが、硫酸カルシウム繊維の分散性及びブレーキパッドの耐摩耗性の観点から、0.1~20μmが好ましく、0.2~10μmがより好ましく、0.3~5μmがさらに好ましく、0.5~2μmが特に好ましい。
硫酸カルシウム繊維の最小繊維径は、0.02μm以上が好ましく、0.04μm以上がより好ましく、0.07μm以上がさらに好ましく、0.1μm以上が特に好ましい。
硫酸カルシウム繊維の最大繊維径は、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましく、10μm以下が特に好ましい。
硫酸カルシウム繊維の平均繊維径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)等によって、任意の50本の硫酸カルシウム繊維を観察して繊維径を測定し、それらの平均値として算出することができる。また、硫酸カルシウム繊維の最大繊維径及び最小繊維径は、平均繊維径の測定で観察した任意の50本の硫酸カルシウム繊維のうちの最大繊維径及び最小繊維径を意味する。
(アスペクト比)
硫酸カルシウム繊維の平均アスペクト比(繊維長/繊維径)は、特に限定されないが、硫酸カルシウム繊維の分散性及びブレーキパッドの耐摩耗性の観点から、5~200が好ましく、6~100がより好ましく、8~50がさらに好ましく、10~20が特に好ましい。
硫酸カルシウム繊維の平均アスペクト比(繊維長/繊維径)は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)等によって、任意の50本の硫酸カルシウム繊維のアスペクト比を測定し、それらの平均値として算出することができる。
本実施形態の摩擦材における硫酸カルシウム繊維の含有量は、特に限定されないが、フェード時の摩擦係数と高温高速制動時の耐摩耗性とを両立させる観点から、摩擦材全量に対して、1~20質量%が好ましく、2~15質量%がより好ましく、3~10質量%がさらに好ましい。
<無機充填材、有機充填材、繊維基材、結合材>
本実施形態の摩擦材は、無機充填材、有機充填材、上記硫酸カルシウム繊維を含む繊維基材及び結合材を含有するものであることが好ましい。
なお、本明細書において、硫酸カルシウム繊維以外の繊維基材を「他の繊維基材」と称する場合がある。単に「繊維基材」と称する場合、これは硫酸カルシウム繊維及び他の繊維基材を含む繊維基材全体を意味するものとする。
以下、各成分について、さらに詳細に説明する。
<無機充填材>
無機充填材は、摩擦材の耐熱性、耐摩耗性、摩擦係数等を調整する摩擦調整材としての機能を発現し得るものを、目的に応じて適宜選択すればよい。なお、本実施形態においては「無機充填材」の定義に、繊維形状のもの(つまり、無機繊維)は含めない。
無機充填材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機充填材としては、例えば、チタン酸カリウム(6-チタン酸カリウム、8-チタン酸カリウム)、チタン酸リチウムカリウム、チタン酸マグネシウムカリウム、チタン酸ナトリウム等のチタン酸塩;硫化錫、硫化鉄、硫化ビスマス、硫化モリブデン、硫化亜鉛、硫化アンチモン、硫化タングステン、硫化マンガン等の金属硫化物;天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛;酸化鉄(III)、四酸化三鉄、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ビスマス、二酸化ケイ素等の金属酸化物又は非金属酸化物;鉄粉、錫粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、これらの合金粉等の金属粉;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の金属硫酸塩;水酸化カルシウム等の金属水酸化物;ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム等の金属ケイ酸塩;炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸塩;コークス;マイカ、ドロマイト、バーミキュライト、タルク、クレー、ムライト、クロマイト、ゼオライト等の鉱物などが挙げられる。これらの中でも、チタン酸塩、金属硫化物、黒鉛、金属酸化物、非金属酸化物、金属ケイ酸塩、金属粉、硫酸バリウム及び水酸化カルシウムからなる群から選択される1種以上を含有することが好ましい。
無機充填材の平均粒子径(D50)は、材質に応じて適宜選択すればよいが、通常は、0.1~100μmの範囲で選択され、0.5~50μmであってもよく、1~30μmであってもよい。
なお、本明細書において、平均粒子径(D50)は、レーザー回折粒度分布測定の方法を用いて測定したD50の値(体積分布のメジアン径、累積中央値)を意味する。平均粒子径(D50)は、例えば、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置、商品名:LA-920(株式会社堀場製作所製)を用いて測定することができる。
以下、本実施形態の摩擦材が含有することが好ましい無機充填材について、より詳細に説明する。
(チタン酸)
チタン酸塩としては、上記で挙げたものの中でも、摩擦係数の観点から6-チタン酸カリウム、8-チタン酸カリウムが好ましい。チタン酸塩は、非針状であることが好ましい。非針状のチタン酸塩とは、多角形、円、楕円等の形状を呈する板状チタン酸塩、不定形状のチタン酸塩等である。
本実施形態の摩擦材がチタン酸塩を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、摩擦材全量に対して、2~40質量%が好ましく、10~35質量%がより好ましく、15~30質量%がさらに好ましい。
(金属硫化物)
金属硫化物としては、上記で挙げたものの中でも、通常制動時の摩擦係数の安定性の観点から、硫化アンチモン、硫化錫、硫化鉄、硫化ビスマス、硫化モリブデン、硫化亜鉛が好ましく、硫化アンチモンがより好ましい。
本実施形態の摩擦材が金属硫化物を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、耐摩耗性及び摩擦係数の観点から、摩擦材全量に対して、0.5~10質量%が好ましく、1~7質量%がより好ましく、2~5質量%がさらに好ましい。
(黒鉛)
本実施形態の摩擦材が黒鉛を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、耐摩耗性及び摩擦係数の観点から、摩擦材全量に対して、1~15質量%が好ましく、2~10質量%がより好ましく、3~8質量%がさらに好ましい。
(金属酸化物、非金属酸化物、金属ケイ酸塩)
金属酸化物、非金属酸化物及び金属ケイ酸塩としては、上記で挙げたものの中でも、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、酸化アルミニウムが好ましく、酸化ジルコニウムがより好ましい。
本実施形態の摩擦材が、金属酸化物、非金属酸化物及び金属ケイ酸塩からなる群から選択される1種以上を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、耐摩耗性及び摩擦係数の観点から、摩擦材全量に対して、17~40質量%が好ましく、20~35質量%がより好ましく、25~32質量%がさらに好ましい。
(金属粉)
金属粉としては、上記で挙げたものの中でも、亜鉛粉が好ましい。
本実施形態の摩擦材が金属粉を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、防錆性、耐摩耗性及び摩擦係数の観点から、摩擦材全量に対して、0.1~10質量%が好ましく、0.5~5質量%がより好ましく、1~4質量%がさらに好ましい。
(硫酸バリウム)
硫酸バリウムは摩擦材の体積を調整するための単なる充填材としての役割を果たすものである。つまり、硫酸バリウムの含有量は、他の成分の含有量に依存し、摩擦材を所定量とするための残部を硫酸バリウムで補充することができる。
(水酸化カルシウム)
本実施形態の摩擦材が水酸化カルシウムを含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、pHを適度に調整する観点から、摩擦材全量に対して、0.5~10質量%が好ましく、1~8質量%がより好ましく、2~5質量%がさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材における無機充填材の合計含有量は、特に限定されないが、耐摩耗性及び摩擦係数の観点から、摩擦材全量に対して、40~90質量%が好ましく、50~85質量%がより好ましく、60~75質量%がさらに好ましい。
<有機充填材>
有機充填材は、摩擦材の音振性能、耐摩耗性等を向上させるための摩擦調整材として含有されるものである。ここで、本実施形態においては、有機充填材の定義に、繊維形状のもの(つまり後述の有機繊維)は含めない。
有機充填材としては、例えば、カシューダスト、ゴム成分等が挙げられ、カシューダストとゴム成分とを併用することが好ましい。
有機充填材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(カシューダスト)
カシューダストとしては、例えば、カシューナッツシェルオイルを重合及び硬化させたものを粉砕したものが挙げられる。カシューダストは、未変性のカシューダストであることが好ましい。
カシューダストは、一般的に、硬化反応に使用する硬化剤の種類に応じて、例えば、茶系、茶黒系、黒系等に分類される。
カシューダストの平均粒子径(D50)は、特に限定されないが、分散性等の観点から、10~700μmが好ましく、20~500μmがより好ましく、30~350μmがさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材がカシューダストを含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、音振性能の観点から、摩擦材全量に対して、1~15質量%が好ましく、2~10質量%がより好ましく、4~8質量%がさらに好ましい。
(ゴム成分)
ゴム成分としては、摩擦材に使用されている公知のものを使用することができ、例えば、天然ゴム、合成ゴム等が挙げられる。合成ゴムとしては、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム、イソプレンゴム、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、タイヤトレッドゴムの粉砕粉(ゴム粉と称することがある。)、ブチルゴム等が挙げられる。
本実施形態の摩擦材がゴム成分を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、摩擦材の弾性率、制振性、耐熱性、強度等の観点から、摩擦材全量に対して、0.1~15質量%が好ましく、0.2~10質量%がより好ましく、0.3~5質量%がさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材における有機充填材の合計含有量は、特に限定されないが、音振性能、耐熱性及び摩擦材強度の観点から、摩擦材全量に対して、2~20質量%が好ましく、4~15質量%がより好ましく、6~12質量%がさらに好ましい。
<他の繊維基材>
他の繊維基材としては、例えば、有機繊維、硫酸カルシウム繊維以外の無機繊維等が挙げられる。他の繊維基材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
-有機繊維-
本実施形態の摩擦材は、有機繊維を含有することが好ましい。有機繊維とは、有機物を主成分とする繊維状の材料である。
有機繊維としては、例えば、麻、木綿、アラミド繊維、セルロース繊維、アクリル繊維、フェノール樹脂繊維(架橋構造を有する)等が挙げられる。
有機繊維としては、耐熱性の観点から、アラミド繊維が好ましい。
本実施形態の摩擦材が有機繊維を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、摩擦材のせん断強度、耐クラック性、耐摩耗性等の観点から、摩擦材全量に対して、0.1~10質量%が好ましく、0.5~6質量%がより好ましく、1~4質量%がさらに好ましい。
-硫酸カルシウム繊維以外の無機繊維-
硫酸カルシウム繊維以外の無機繊維としては、例えば、鉱物繊維、ガラス繊維、金属繊維、セラミック繊維、生分解性セラミック繊維、セピオライト(α型セピオライト及びβ型セピオライト)、アタパルジャイト、チタン酸カリウム繊維、シリカアルミナ繊維、耐炎化繊維等が挙げられる。これらの中でも、鉱物繊維が好ましい。
鉱物繊維は、スラグウール等の高炉スラグ;バサルトファイバー等の玄武岩;その他の天然岩石などを主成分として溶融紡糸した人造無機繊維である。
鉱物繊維としては、例えば、SiO、Al、CaO、MgO、FeO、NaO、これらの化合物を1種以上含有する鉱物繊維等が挙げられる。鉱物繊維としては、アルミニウム元素を含む鉱物繊維が好ましく、Alを含有する鉱物繊維がより好ましく、AlとSiOとを含有する鉱物繊維がさらに好ましい。鉱物繊維は表面処理されていてもよいし、表面処理されていなくてもよく、表面処理された鉱物繊維と表面処理されていない鉱物繊維とを併用してもよい。
鉱物繊維の平均繊維長は、500μm以下が好ましく、100~400μmがより好ましく、120~340μmがさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材が硫酸カルシウム繊維以外の無機繊維を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、摩擦材全量に対して、0.1~15質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましく、3~7質量%がさらに好ましい。
本実施形態の摩擦材における繊維基材の合計含有量は、特に限定されないが、耐摩耗性及び摩擦係数の観点から、摩擦材全量に対して、2~30質量%が好ましく、4~25質量%がより好ましく、6~20質量%がさらに好ましい。
<結合材>
結合材は、摩擦材に含有される有機充填材、繊維基材等を一体化して、強度を与えるものである。
結合材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
結合材としては、通常、摩擦材に用いられる熱硬化性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、アクリルゴム変性フェノール樹脂、シリコーン変性フェノール樹脂、カシュー変性フェノール樹脂、エポキシ変性フェノール樹脂、アルキルベンゼン変性フェノール樹脂等の各種変性フェノール樹脂などが挙げられる。これらの中でも、フェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂としては、例えば、ストレートノボラックフェノール樹脂等が好ましく挙げられる。
本実施形態の摩擦材における結合材の含有量は、特に限定されないが、摩擦材強度及び音振性能の観点から、摩擦材全量に対して、2~20質量%が好ましく、4~15質量%がより好ましく、6~12質量%がさらに好ましい。
<その他の成分>
本実施形態の摩擦材は、必要に応じて、上記各成分以外のその他の材料を含有していてもよいし、含有していなくてもよい。
本実施形態の摩擦材が上記その他の材料を含有する場合、その含有量としては、摩擦材全量に対して、それぞれ、例えば、0.01~10質量%であってもよく、0.1~5質量%であってもよい。
<摩擦部材、摩擦材及び摩擦材組成物の製造方法>
本実施形態の摩擦部材、摩擦材及び摩擦材組成物は、公知の方法により製造することができる。
具体的には、例えば、上記各成分をレーディゲ(登録商標)ミキサー、加圧ニーダー、アイリッヒ(登録商標)ミキサー等の混合機を用いて均一に混合して摩擦材組成物を得ることができる。そして、得られた摩擦材組成物を、成形金型にて必要に応じて予備成形した後、例えば、成形温度130~160℃、成形圧力20~50MPa、成形時間3~10分間の条件で成形し、得られた成形物を180~230℃で3~5時間熱処理する方法により、摩擦材及び摩擦部材を得ることができる。なお、必要に応じて塗装、スコーチ処理、研磨処理等を行ってもよい。
本実施形態の摩擦材は、例えば、下記(1)~(3)の態様で用いられる。
(1)摩擦材のみの構成。
(2)裏金と、該裏金の上に形成させた、摩擦面となる本実施形態の摩擦材とを有する摩擦部材。
(3)上記(2)の構成において、裏金と摩擦部材との間に、裏金の接着効果を高めるための表面改質を目的としたプライマー層、裏金と摩擦部材の接着を目的とした接着層をさらに介在させた構成。
これらの中でも、上記(2)又は(3)のように摩擦部材として用いられることが好ましい。
裏金は、摩擦部材の機械的強度の向上のために用いるものであり、その材質としては、鉄、ステンレス等の金属;無機繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチック等の繊維強化プラスチックなどが挙げられる。
プライマー層及び接着層としては、通常、ブレーキシュー等の摩擦部材に用いられるものであればよい。
図1を参照して本実施形態の摩擦部材の一実施態様について具体的に説明する。本実施形態の摩擦部材は、バックプレート1、本実施形態の摩擦材(図1の場合は上張り材とも称する。)2及び下張り材3から構成され、バックプレート1の摩擦材が配置される面11(ここではバックプレート1の上面)に、下張り材3を介して摩擦材(上張り材)2が固着されたものである。本実施形態の摩擦材は、上記「上張り材」として用いることもできるし、上記「下張り材」として用いることもできるが、「上張り材」として用いることが好ましい。なお、「上張り材」とは、摩擦部材の摩擦面となる摩擦材であり、「下張り材」とは、摩擦部材の摩擦面となる摩擦材と裏金との間に介在する、摩擦材と裏金との接着部付近の剪断強度、耐クラック性向上を目的として配される層のことである。
本実施形態の摩擦材及び摩擦部材は、自動車等のディスクブレーキパッド、ブレーキライニングなどの摩擦材及び摩擦部材として好適である。
また、本実施形態の摩擦材は、目的形状に成形、加工、貼り付け等の工程を施すことにより、クラッチフェーシング、電磁ブレーキ、保持ブレーキ等の摩擦材としても使用することができる。
[車両]
本発明は、本実施形態の摩擦材又は摩擦部材を搭載した車両も提供する。例えば、本実施形態の摩擦部材を、ディスクブレーキパッド、ブレーキライニング、クラッチフェーシング、電磁ブレーキ、保持ブレーキ等に用いた車両などが挙げられる。車両としては、例えば、大型自動車、中型自動車、普通自動車、大型特殊自動車、小型特殊自動車、大型自動二輪車、普通自動二輪車等の、自動四輪車及び自動二輪車を含む各種自動車が挙げられる。
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[ディスクブレーキパッドの作製]
<実施例1~4及び比較例1~4>
表1に示す配合比率(質量%)に従って材料を配合し、各摩擦材組成物を得た。
次に、この摩擦材組成物をレーディゲミキサー(株式会社マツボー製、商品名:レーディゲ(登録商標)ミキサーM20)で混合し、得られた混合物を、成形プレス(株式会社テクノマルシチ製)を用いて鉄製の裏金(厚さ6mm)と共に加熱加圧成形した。得られた成形品を、200℃で3.5時間熱処理し、ロータリー研磨機を用いて研磨し、500℃で3分間のスコーチ処理を行って、
厚さ10mm、投影面積50cmの摩擦材を有するディスクブレーキパッドを得た。
実施例で用いた硫酸カルシウム繊維の詳細は以下の通りである。
(繊維長)
・平均繊維長:16.2μm
・最大繊維長:85.4μm
・最小繊維長:2.9μm
(繊維径)
・平均繊維径:1.1μm
・最大繊維径:5.4μm
・最小繊維径:0.15μm
(アスペクト比)
・平均アスペクト比:16.2
(結晶構造)
・結晶構造:II型無水石膏(不溶性無水石膏)
なお、上記の硫酸カルシウム繊維の平均繊維長、平均繊維径及び平均アスペクト比は、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、型番:JSM-6010PLUS/LA)によって、任意の50本の硫酸カルシウム繊維を観察し、各々について、繊維長、繊維径及びアスペクト比を測定し、それらの平均値として算出した。
また、硫酸カルシウム繊維の最大繊維長、最小繊維長、最大繊維径及び最小繊維径は、平均繊維長及び平均繊維径の測定で観察した任意の50本の硫酸カルシウム繊維のうちの最大繊維長、最小繊維長、最大繊維径及び最小繊維径とした。
各実施例及び比較例で共通して使用されている上記以外の成分については、全ての実施例及び比較例で同じ材料を使用した。
[一般性能試験]
一般性能試験は、JASO C406(一般性能試験)に準拠して実施した。具体的には、1/5スケールテスター(慣性3.0kg・m)と上記ディスクブレーキパッドから切り出した19mm×44mmのテストピースを用い、第一フェード試験の平均摩擦係数μの最小値と第二フェード試験の平均摩擦係数μの最小値を求めた。結果を表1に示す。
[高温高速制動試験]
上記一般性能試験を実施した後に、ローターの温度を50℃以下まで冷却し、昇温制動後に150km/hから50km/hまで減速度0.4Gで40秒間隔の制動を15回行い、試験後のブレーキパッド摩耗量を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2022042200000002
表1から、硫酸カルシウム繊維を含有しない比較例1の摩擦材は、フェード試験における平均摩擦係数μの最小値が比較的良好であるが、高温高速制動時のブレーキパッド摩耗量が不十分であった。
比較例1の摩擦材を基準として、硫酸バリウムの一部をアラミド繊維に置換した比較例2の摩擦材は、高温高速制動時のブレーキパッド摩耗量は良好であるが、フェード試験における平均摩擦係数μの最小値が不十分であった。
また、比較例1の摩擦材を基準として、硫酸バリウムの一部を鉱物繊維に置換した比較例3の摩擦材は、フェード試験における平均摩擦係数μの最小値は比較的良好であるが、高温高速制動時のブレーキパッド摩耗量に劣っていた。
また、比較例1の摩擦材を基準として、チタン酸カリウムの一部を硫酸バリウムに置換した比較例4の摩擦材は、高温高速制動時のブレーキパッド摩耗量が著しく悪かった。
これに対して、比較例1の摩擦材を基準として、硫酸バリウムの一部を硫酸カルシウム繊維に置換した実施例1及び2、鉱物繊維を硫酸カルシウム繊維に置換した実施例3、チタン酸カリウムの一部を硫酸カルシウム繊維に置換した実施例4は、フェード試験における平均摩擦係数μの最小値、高温高速制動試験のブレーキパッド摩耗量が全て良好であり、これらを両立できていることが分かる。
1 バックプレート
11 バックプレートの摩擦材が配置される面
12 バックプレートの他方の面
2 摩擦材(上張り材)
3 下張り材

Claims (15)

  1. 摩擦材及び裏金を有する摩擦部材であって、
    前記摩擦材は、銅の含有量が、前記摩擦材全量に対して0.5質量%未満、かつ、スチール繊維の含有量が、前記摩擦材全量に対して25質量%以下であり、硫酸カルシウム繊維を、前記摩擦材全量に対して、1~20質量%含有する、摩擦部材。
  2. 前記硫酸カルシウム繊維の平均繊維長が、1~200μmである、請求項1に記載の摩擦部材。
  3. 前記硫酸カルシウム繊維の平均繊維径が、0.1~20μmである、請求項1又は2に記載の摩擦部材。
  4. 前記硫酸カルシウム繊維の平均アスペクト比(繊維長/繊維径)が、5~200である、請求項1~3のいずれか1項に記載の摩擦部材。
  5. 前記硫酸カルシウム繊維が、II型無水石膏からなる繊維である、請求項1~4のいずれか1項に記載の摩擦部材。
  6. 前記摩擦材が、さらに、チタン酸塩を、前記摩擦材全量に対して、2~40質量%含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の摩擦部材。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の摩擦部材を搭載した車両。
  8. 銅の含有量が0.5質量%未満、かつ、スチール繊維の含有量が25質量%以下であり、硫酸カルシウム繊維を、1~20質量%含有する、摩擦材組成物。
  9. 前記硫酸カルシウム繊維の平均繊維長が、1~200μmである、請求項8に記載の摩擦材組成物。
  10. 前記硫酸カルシウム繊維の平均繊維径が、0.1~20μmである、請求項8又は9に記載の摩擦材組成物。
  11. 前記硫酸カルシウム繊維の平均アスペクト比(繊維長/繊維径)が、5~200である、請求項8~10のいずれか1項に記載の摩擦材組成物。
  12. 前記硫酸カルシウム繊維が、II型無水石膏からなる繊維である、請求項8~11のいずれか1項に記載の摩擦材組成物。
  13. さらに、チタン酸塩を、2~40質量%含有する、請求項8~12のいずれか1項に記載の摩擦材組成物。
  14. 請求項8~13のいずれか1項に記載の摩擦材組成物を含有してなる摩擦材。
  15. 請求項14に記載の摩擦材を搭載した車両。
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