JP2022039472A - ダイヤフラム弁 - Google Patents

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起美仁 笹尾
Kimihito Sasao
広宣 松沢
Hironobu Matsuzawa
伸之 藤川
Nobuyuki Fujikawa
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Abstract

【課題】本発明は、以上のようなことに対処するため、ダイヤフラムと環状補強板との間に対するレーザー溶接に工夫を凝らし、少なくとも液体室内の液体に対するパーティクルの混入による液体の汚れを未然に防止するに適したダイヤフラム弁を提供する。【解決手段】環状補強板200bは、ダイヤフラム200aの外周部210の上側に位置するように、外周部210と共に、隔壁130の外周下端環状部133と下側周壁120の内周壁部位122の延出端部122aとの間に挟持されている。ここで、環状補強板200bは、その半径方向幅にて、内周壁部位122の内径よりもその内周側へ拡大し拡大環状補強板として形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体製造装置において高純度薬液や超純水等の液体を流動させるダイヤフラム弁に採用するに適したダイヤフラム弁に関する。
従来、この種のダイヤフラム弁においては、下記特許文献1にて示すようなダイヤフラム弁が開示されている。
当該ダイヤフラム弁は、ハウジングと、当該ハウジング内に組み付けられるダイヤフラム部材及び駆動機構とを備えている。ハウジングは、上下両側ハウジング部材からなるもので、当該上側ハウジング部材は、上側壁の外周部から上側周壁を延出して構成されており、一方、下側ハウジング部材は、下側周壁の外周部から下側周壁を上側周壁に向けて延出して構成されている。
ここで、上側ハウジング部材は、その上側周壁の延出端開口部にて、隔壁の隔壁本体の外周部に形成してなる環状フランジを介して、下側ハウジング部材の下側周壁の延出端開口部に係合されて、上述のハウジングを構成している。
ダイヤフラム部材は、ダイヤフラム、補強用環状体及び弁体でもって構成されている。ダイヤフラムは、その外周部にて、補強用環状体を介し下側ハウジング部材の下側壁と隔壁の隔壁本体との間に挟持されて、下側壁側及び隔壁側に液体室及び空気室を区画形成している。ここで、ダイヤフラムは、その外周部にて、補強用環状体にレーザー溶接により溶着されて、補強用環状体とともに下側ハウジング部材の下側壁の外周部と隔壁の隔壁本体の外周部との間に挟持されている。
弁体は、その基部にて、ダイヤフラムに形成してなる中央穴部に液体室側からレーザー溶接により溶着されており、当該弁体は、その基部から下側壁に形成してなる環状弁座に向けて延出している。
駆動機構は、ハウジング内に上側壁と隔壁本体との間にて収容されており、当該駆動機構は、その駆動軸にて、隔壁本体を介し軸動可能に空気室内に延出している。ここで、当該駆動機構は、その駆動軸の延出端部にて、ダイヤフラムの中央穴部を介し弁体の基部に連結されている。
特開第2020-26847号公報
ところで、上述のような構成を有するダイヤフラム弁においては、ダイヤフラムは、上述のごとく、その外周部にて、環状補強板とレーザー溶接により溶着されている。
ここで、環状補強板の内周部及び当該内周部に対するダイヤフラムの外周部の対応環状部位に対してまで、レーザー光の照射を行うと、レーザー光が環状補強板の内周側に漏洩してダイヤフラムに直接入射し当該ダイヤフラムのレーザー光の入射部位に損傷を招くおそれが生ずる。このため、環状補強板の内周部と当該内周部に対するダイヤフラムの外周部の対応環状部位との間には、通常、レーザー光の照射による溶接は行われない。
しかしながら、ダイヤフラムの外周部が、補強用環状板の下側に位置するように、下側ハウジング部材の下側壁の外周部と隔壁の隔壁本体の外周部との間に挟持されている場合において、ダイヤフラムが繰り返し湾曲変位すると、当該ダイヤフラムは、その半径方向に繰り返し伸縮する。これに伴い、ダイヤフラムは、下側周壁の外周部の内周側端部との間にて、ダイヤフラムの伸縮に応じ、摩擦接触により擦り合う。
その結果、ダイヤフラムが、その下側周壁の外周部の内周側端部と擦り合う部位にて、擦り取られて細かいゴミのようなパーティクルを液体室Ra内に発生してしまう。このようなパーティクルが、液体室内で流動する液体に混入すると、当該液体を清浄には維持できないという予測もしなかった不具合を招く。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、ダイヤフラムと環状補強板との間に対するレーザー溶接に工夫を凝らし、少なくとも液体室内の液体に対するパーティクルの混入による当該液体の汚れを未然に防止するに適したダイヤフラム弁を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明に係るダイヤフラム弁は、請求項1の記載によれば、
開弁したとき高純度薬液や超純水等の液体を流入側から流出側へ流動させ、また、閉弁したときに前記液体の前記流動を遮断する弁部(V)を備える。
当該ダイヤフラム弁において、
筒状周壁(120、140)と、互いに対向するように筒状周壁の一側及び他側の開口端部にそれぞれ設けられる一側及び他側の対向壁(110a、150)とを有するハウジング(100)と、
筒状周壁の軸方向中間部位に設けられて、当該筒状周壁の内部を、一側対向壁内に形成してなる流入路(111)及び流出路(112)に連通可能な一側中空部(123)と、他側対向壁内に形成してなる連通路(152)に連通する他側中空部(141)とに、区画形成する隔壁(130)と、
上記他側中空部の内部に組み付けられて当該内部から隔壁に形成してなる貫通穴部(134)を通り筒状周壁の上記一側中空部内に軸動可能に延出する駆動軸(320)を有する駆動手段(300)と、
フッ素樹脂でもってそれぞれ形成してなるフィルム状ダイヤフラム(200a)、環状補強板(200b)及び弁体(200c)を具備して筒状周壁の上記一側中空部内に組み付けられるダイヤフラム部材(200)とを備えており、
一側対向壁は、その中央部にて、駆動手段の駆動軸に対向するように筒状周壁の上記一側中空部内に開口する環状弁座(110d)を形成してなり、
筒状周壁の上記一側中空部は、その周壁部にて、外周壁部位(121)と、当該外周壁部位からその内周側に向け隔壁と一側対向壁との間に沿い突出する形成してなる内周壁部位(122)とを有しており、
ダイヤフラム部材において、
ダイヤフラムは、その外周部にて、上記一側中空部の上記内周壁部位と隔壁の上記外周部との間に介装されて、上記一側中空部の内部を、流入路、流出路及び環状弁座に連通可能な液体室(Ra)と、隔壁及び筒状周壁の少なくとも一方を介し外部に連通可能な空気室(Rb)とに、一側対向壁側及び隔壁側にて区画形成してなり、
環状補強板は、空気室内にてダイヤフラムと隔壁との間に介装されており、
弁体は、その基部(260)にて、液体室側からダイヤフラムに形成してなる中央穴部(230a)にレーザー溶接により同軸的に溶着されて、環状弁座と共に上記弁部を構成するように環状弁座に向けて上記基部から頭部(250)を弁体部として延出してなり、
駆動手段は、駆動軸の延出端部にて、ダイヤフラムの上記中央穴部を介し弁体の上記基部に同軸的に連結されており、
環状補強板は、その半径方向幅にて、筒状周壁の上記一側中空部の上記内周壁部位の上記隔壁側端部(122a)よりもその内周側へ所定の半径方向幅(E)だけ広くなるように拡大環状補強板として拡大形成されており、
ダイヤフラムは、その外周部及び上記拡大環状補強板の上記所定の半径方向幅に対する対応環状部の双方を、レーザー溶接により上記拡大環状補強板に溶着して、上記外周部にて、上記拡大環状補強板のうちの上記所定の半径方向幅に相当する環状部位を除く環状補強板部位と共に、隔壁の上記外周部と一側周壁の上記一側中空部の上記内周壁部位との間に挟持されていることを特徴とする。
このような構成によれば、本請求項1に記載の発明に係るダイヤフラム弁が閉弁状態にあるとき、ダイヤフラムが駆動手段の駆動軸による押動のもとに液体室側へ湾曲状に変位するとともに、弁体がその弁体部にて環状弁座に着座している。
このようなダイヤフラム弁の閉弁状態において、駆動手段がその駆動軸を他側対向壁側へ軸動させると、ダイヤフラムが、その中央部にて、駆動軸に連動する弁体とともに当該駆動軸により引っ張られて、空気室側へ湾曲状に変位する。これに伴い、弁体が、その弁体部にて、環状弁座から離れる。これにより、ダイヤフラム弁が開弁状態になる。このような状態において、液体が、ダイヤフラム弁の流入路及び環状弁座を通り液体室内に流入すると、当該液体は、流出路を通りダイヤフラム弁から流出する。
以上述べたようなダイヤフラム弁の閉弁状態及び開弁状態が繰り返されると、ダイヤフラムは、液体室側及び空気室側へ交互に湾曲変位を繰り返す。このようなダイヤフラムの湾曲変位の繰り返し過程においては、当該ダイヤフラムが、その半径方向への伸縮を繰り返すことになる。
然るに、環状補強板は、その半径方向幅にて、筒状周壁の一側中空部の内周壁部位の隔壁側端部よりもその内周側へ所定の半径方向幅だけ広くなるように拡大環状補強板として拡大形成されている。
このような構成のもと、ダイヤフラムは、その外周部及び拡大環状補強板の所定の半径方向幅に対する対応環状部の双方を、レーザー溶接により拡大環状補強板に溶着して、外周部にて、拡大環状補強板のうちの所定の半径方向幅に相当する環状部位を除く環状補強板部位と共に、隔壁の外周部と一側周壁の一側中空部の内周壁部位との間に挟持されている。
このため、ダイヤフラムのうちの少なくとも一側中空部の内側周壁部位に対応する外周部は、その全体に亘り、拡大環状補強板との間にてレーザー溶接による溶着が強固になされ得る。また、ダイヤフラムの中央穴部は、弁体の基部との間でレーザー溶接による溶着されている。これに伴い、ダイヤフラムの伸縮可能領域は、拡大環状補強板の内周側であって弁体の基部と溶着されているダイヤフラムの中央穴部の外周側に位置する環状部位に限られる。
このため、ダイヤフラムが上述のように伸縮しても、ダイヤフラムの外周部は、その全体に亘り伸縮することなく静止状態にある。従って、当該ダイヤフラムの外周部は、内側周壁部位の延出端部の内周角部との間において摩擦接触により擦り合ってパーティクルを発生し液体室や環状弁座内の液体を汚すという事態の発生が未然に防止され得る。
また、本発明に係るダイヤフラム弁は、請求項2の記載によれば、
開弁したとき高純度薬液や超純水等の液体を流入側から流出側へ流動させ、また、閉弁したときに上記液体の前記流動を遮断する弁部(V)を備える。
当該ダイヤフラム弁において、
筒状周壁(120、140)と、互いに対向するように筒状周壁の一側及び他側の開口端部にそれぞれ設けられる一側及び他側の対向壁(110a、150)とを有するハウジング(100)と、
筒状周壁の軸方向中間部位に設けられて、当該筒状周壁の内部を、一側対向壁内に形成してなる流入路(111)及び流出路(112)に連通可能な一側中空部(123)と、他側対向壁内に形成してなる連通路(152)に連通する他側中空部(141)とに、区画形成する隔壁(130)と、
上記他側中空部の内部に組み付けられて当該内部から隔壁に形成してなる貫通穴部(134)を通り筒状周壁の上記一側中空部内に軸動可能に延出する駆動軸(320)を有する駆動手段(300)と、
中央穴部(230a)を有する中央部(230)、外周部(210)及び上記中央部と上記外周部との間に形成される環状湾曲変位部(220)をフッ素樹脂でもって一体的に形成してなるフィルム状ダイヤフラム(200d)と、フッ素樹脂からなる環状補強板(200b)と、フッ素樹脂からなる弁体(200c)とを具備して、筒状周壁の上記一側中空部内に組み付けられるダイヤフラム部材(200)とを備えており、
一側対向壁は、その中央部にて、駆動手段の駆動軸に対向するように筒状周壁の上記一側中空部内に開口する環状弁座(110d)を形成してなり、
筒状周壁の上記一側中空部は、その周壁部にて、外周壁部位(121)と、当該外周壁部位からその内周側に向け隔壁と一側対向壁との間に沿い突出する形成してなる内周壁部位(122)とを有しており、
ダイヤフラム部材において、
ダイヤフラムは、上記中央部にて、その中心側に向け凸な湾曲形状となるように一側対向壁側へ湾曲状に延出して、上記中央穴部を有する湾曲中央部(270)として形成され、また、上記外周部にて、上記一側中空部の上記内周壁部位と隔壁の上記外周部との間に介装されて、上記一側中空部の内部を、流入路(111)、流出路(112)及び環状弁座(110d)に連通可能な液体室(Ra)と、隔壁及び筒状周壁の少なくとも一方を介し外部に連通可能な空気室(Rb)とに、一側対向壁側及び隔壁側にて区画形成してなり、
環状補強板は、空気室内にてダイヤフラムと隔壁との間に介装されており、
弁体は、頭部(250)と、当該頭部から同軸的に延出する軸状基部(260a、262a)とを具備して、駆動手段の駆動軸に向けて上記軸状基部からダイヤフラムの上記中央穴部に挿通されて上記軸状基部の軸方向中間部位にてダイヤフラムの上記中央穴部にレーザー溶接により溶着されて、上記頭部にて弁体部として環状弁座と共に弁部を構成してなり、
駆動手段は、駆動軸の延出端部にて、弁体の上記軸状基部に同軸的に連結しており、
環状補強板は、その半径方向幅にて、一側周壁の上記一側中空部の上記内周壁部位の上記隔壁側端部よりもその内周側へ所定の半径方向幅だけ広くなるように拡大環状補強板として拡大形成されており、
ダイヤフラムは、その外周部及び上記拡大環状補強板の上記所定の半径方向幅に対する対応環状部の双方を、レーザー溶接により上記拡大環状補強板に溶着して、上記外周部にて、上記拡大環状補強板のうちの上記所定の半径方向幅に相当する環状部位を除く環状補強板部位と共に、隔壁の上記外周部と筒状周壁の上記一側中空部の上記内周壁部位との間に挟持されていることを特徴とする。
このような構成によれば、本請求項2に係るダイヤフラム弁が閉弁状態にあるとき、ダイヤフラムが駆動手段によるその駆動軸の押動のもとに液体室側へ湾曲状に変位するとともに、弁体がその弁体部にて環状弁座に着座している。
このようなダイヤフラム弁の閉弁状態において、駆動手段がその駆動軸を他側対向壁側へ軸動させると、ダイヤフラムが、その中央部にて、駆動軸に連動する弁体とともに当該駆動軸により引っ張られて、空気室側へ湾曲状に変位する。すこれに伴い、弁体が、その弁体部にて、環状弁座から離れる。これにより、ダイヤフラム弁が開弁状態になる。このような状態において、液体が、ダイヤフラム弁の流入路及び環状弁座を通り液体室内に流入すると、当該液体は、流出路を通りダイヤフラム弁から流出する。
以上述べたようなダイヤフラム弁の閉弁状態及び開弁状態が繰り返されると、ダイヤフラムは、液体室側及び空気室側へ交互に湾曲変位を繰り返す。このようなダイヤフラムの湾曲変位の繰り返し過程においては、当該ダイヤフラムが、その半径方向への伸縮を繰り返すことになる。
然るに、環状補強板は、その半径方向幅にて、一側周壁の一側中空部の内周壁部位の隔壁側端部よりもその内周側へ所定の半径方向幅だけ広くなるように拡大環状補強板として拡大形成されている。
このような構成のもと、ダイヤフラムは、その外周部及び拡大環状補強板の所定の半径方向幅に対する対応環状部の双方を、レーザー溶接により拡大環状補強板に溶着して、外周部にて、拡大環状補強板のうちの所定の半径方向幅に相当する環状部位を除く環状補強板部位と共に、隔壁の上記外周部と一側周壁の上記一側中空部の上記内周壁部位との間に挟持されている。
このため、ダイヤフラム200aのうちの少なくとも一側中空部のの内側周壁部位に対応する外周部は、その全体に亘り、上記拡大環状補強板との間にてレーザー溶接による溶着が強固になされ得る。また、ダイヤフラムの中央穴部は、弁体の基部との間でレーザー溶接による溶着されている。これに伴い、ダイヤフラムの伸縮可能領域は、上記拡大環状補強板の内周側であって弁体の基部と溶着されているダイヤフラムの中央穴部の外周側に位置する環状部位に限られる。
その結果、ダイヤフラムが上述のように伸縮しても、ダイヤフラムの外周部は、その全体に亘り伸縮することなく静止状態にあって、内側周壁部位の延出端部の内周角部との間において摩擦接触により擦り合ってパーティクルを発生し液体室や環状弁座内の液体を汚すという事態の発生が未然に防止され得る。
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項1または2に記載のダイヤフラム弁において、
一側周壁の上記一側中空部の上記内側周壁部位の内径をDaとし、駆動軸の外径をDbとしたとき、上記所定の半径方向幅をEとすると、当該Eは、次の不等式(1)
0.4mm≦E<(Da-Db)/2 ・・・(1)
を満たすことを特徴とする。
これによれば、所定の半径方向幅Eの下限値が0.4mmに設定されている。このように下限値を設定するのは、ダイヤフラムの外周部のうちの一側周壁の内側外周壁部の延出端部の内周部に対する対応内周部位と一側周壁の内側外周壁部の延出端部の内周部との間のレーザー溶接による溶着を良好に維持し得るように増強するためである。一方、所定の半径方向幅Eの上限値が(Da-Db)/2未満と設定されているのは、環状補強板が、その内周部にて、駆動軸の外周部と干渉し合わないようにするためである。
また、本発明は、請求項4の記載によれば、請求項1~3のいずれか1つに記載のダイヤフラム弁において、
駆動手段は、
筒状周壁の上記他側中空部の内部に軸動可能に嵌装されて上記他側中空部を他側対向壁側及び隔壁側にて一側室(141a)及び他側室(141b)に区画形成するピストン(310)と、
当該ピストンを他側室及び一側室のいずれか一方の室に向けて付勢する付勢手段(330)とを具備して、
駆動軸は、ピストンに一側室側にて同軸的に形成されて隔壁の上記貫通穴部内に延出するピストン軸(320)からなり、
弁体は、その軸状基部にて、ピストン軸に同軸的に連結されていることを特徴とする。
このように駆動手段を構成しても、請求項1~3のいずれか1つに記載の発明の作用効果と実質的に同様の作用効果を達成することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す。
本発明が適用されるダイヤフラム弁の第1実施形態を示す縦断面図である。 図1のダイヤフラム弁の部分的拡大断面図である。 上記第1実施形態におけるダイヤフラム部材のダイヤフラムの中央穴部を弁体とレーザー溶接する工程を示す工程図である。 上記第1実施形態におけるダイヤフラムの中央穴部の弁体に対するレーザー溶接を説明するための断面図である。 上記第1実施形態におけるダイヤフラム部材のダイヤフラムの外周部を補強用環状体とレーザー溶接する工程を示す工程図である。 上記第1実施形態におけるダイヤフラムの外周部に対する補強用環状体のレーザー溶接を説明するための断面図である。 本発明が適用されるダイヤフラム弁の第2実施形態の要部を示す部分縦断断面図である。 上記第2実施形態におけるダイヤフラムの外周部に対する補強用環状体のレーザー溶接を説明するための断面図である。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明を適用してなるダイヤフラム弁の第1実施形態を示す。当該ダイヤフラム弁としては、半導体素子を製造する半導体製造装置に適用される空気作動形ダイヤフラム弁が採用されている。
当該ダイヤフラム弁は、上記半導体製造装置の配管系統内に介装されて、当該配管系統を流れる液体をその上流側から下流側へ流動させるように構成されている。本第1実施形態において、上記液体は、高純度薬液や超純水等の液体をいい、上記半導体製造装置の液体供給源から上記配管系統に供給されるようになっている。また、当該液体には、上記半導体製造装置としての性格上、清浄であることが要請される。
当該ダイヤフラム弁は、図1にて示すごとく、ハウジング100と、当該ハウジング100内に組み付けられるダイヤフラム部材200及び空気作動形駆動機構300とを備えて、常閉型ダイヤフラム弁として構成されている。なお、本第1実施形態において、空気作動形駆動機構300は、以下、駆動機構300ともいう。
ハウジング100は、下側ハウジング部材100a及び上側ハウジング部材100bにより構成されている。下側ハウジング部材100aは、図1にて示すごとく、底壁110と、下側周壁120と、隔壁130とを備えており、底壁110は、縦断面矩形状に形成してなる底壁本体110a、流入ポート110b、流出ポート110c及び環状弁座110dでもって構成されている。
底壁本体110aは、流入路111及び流出路112を有している。流入路111は、底壁本体110a内にて、当該底壁本体110aの上面113の中央部から図1にて図示下方へ延出するとともに図示左方へL字状に延出しており、当該流入路111の延出基端開口部111a(内端開口部111a)は、底壁本体110aの上面113にて、下側周壁120内に開口している。
一方、流出路112は、下側周壁120の下側部位内に図1にて図示右側へ開口するように形成されており、当該流出路112は、その内端開口部112aにて、下側周壁120内の液体室Ra(後述する)内に開口している。
流入ポート110bは、底壁本体110aの外周壁のうち流入路111の延出端開口部に対する対応部位から外方へ延出しており、当該流入ポート110bは、流入路111を上記配管系統の上流側に連通させる役割を果たす。一方、流出ポート110cは、下側周壁120の流出路112の延出端開口部から外方へ延出しており、当該流出ポート110bは、流出路112を上記配管系統の下流側に連通させる役割を果たす。
環状弁座110dは、図1にて示すごとく、底壁本体110aの上面113の中央部である流入路111の内端開口部111aでもって構成されている。このように環状弁座110dは、流入路111の内端開口部111aでもって構成されていることから、当該環状弁座110dの中空部は、内端開口部111aの内周側部でもって構成される。
本第1実施形態において、流入路111の内端開口部111aは、その内周面部にて、底壁本体110aの上面113と直交するように形成されている。このことは、内端開口部111aは、その内周面部の上面113との直交部にて。環状隅角部を形成することを意味する。従って、環状弁座110dの中空部は、上面113との直交部にて、環状隅角部を形成する。
下側周壁120は、図1にて示すごとく、外周壁部位121及び内周壁部位122でもって構成されている。外周壁部位121は、底壁本体110aの外周部から図1にて図示上方へ同軸的に延出されており、当該外周壁部位121は、その延出端部121aにて、隔壁130の環状フランジ130b(後述する)をその下方から受承している。内周壁部位122は、外周壁部位121の内周側にてその延出端部121aを除く壁部位と一体的に形成されているもので、当該内周壁部位122は、底壁本体110aの上面113から外周壁部位121に沿い延出している。これにより、隔壁130の隔壁本体130aの外周下端環状部133(後述する)と内周壁部位122の延出端部122aとの間には、ダイヤフラム200aの外周部210(後述する)及び環状補強板200bを介装するに要する環状空間部U(図2参照)が形成されている。
隔壁130は、図1にて示すごとく、隔壁本体130a及び環状フランジ130bを有しており、隔壁本体130aは、その下端部にて、底壁本体110aの下側周壁120の外周壁部位121の内周側に嵌装されて、環状補強板200b(後述する)及びダイヤフラム200aを介し内周壁部位122の延出端部122a上に着座している。
これにより、下側周壁120の内周側には隔壁本体130aと底壁本体110aとの間にて中空部123(以下、下側中空部123ともいう)が形成されている。なお、外周下端環状部133は、隔壁本体130aの下端部をその外周下端環状部133を除く部位にて切除することで形成されている。
また、環状フランジ130bは、隔壁本体130aの軸方向中間部位から径方向に沿い外方へ環状に突出するように形成されており、当該環状フランジ130bは、上述した隔壁本体130aの下端部を下側周壁120の外周壁部位121の内周側へ嵌装することにあわせて、外周壁部位121の延出端部121a上に同軸的に着座している。このようにして、隔壁130は、ダイヤフラム200a及び環状補強板200bを介して、底壁本体110aにその上方から同軸的に組み付けられている。
また、当該隔壁130は、連通路131を有しており、当該連通路131は、隔壁130内にて図1にて示すごとくL字状に形成されている。ここで、当該連通路131は、その外端開口部にて、隔壁130の外部に開放されており、当該連通路131の内端開口部131aは、ダイヤフラム200aと隔壁本体130aとの間に形成される空気室Rb(後述する)内に開口している(図1参照)。
上側ハウジング部材100bは、縦断面矩形状に形成されており、当該上側ハウジング部材100bは、周壁140(以下、上側周壁140ともいう)と、上壁150とでもって、構成されている。上側周壁140は、上壁150の外周部から下方に向け同軸的にかつ筒状に延出してなるもので、当該上側周壁140の中空部141(以下、上側中空部141ともいう)は、その内周面にて、横断面円形状に形成されている。本第1実施形態では、当該上側中空部141及び上述した下側中空部123は、ハウジング100の筒状周壁の中空部を構成する。
また、当該上側周壁140は、その延出端開口部にて、隔壁130の隔壁本体130aにその上方からOリング132を介し同軸的にかつ気密的に嵌装されて、環状フランジ130b上に着座するようにして、隔壁130に組み付けられている。
ダイヤフラム部材200は、図1にて示すごとく、ダイヤフラム200a、環状補強板200b及び弁体200cでもって構成されている。ダイヤフラム200aは、所定のフッ素樹脂でもって、円板状かつフィルム状のダイヤフラムとして形成されており、当該ダイヤフラム200aは、外周部210、湾曲変位部220及び中央部230でもって一体的に構成されている。ここで、湾曲変位部220は、当該ダイヤフラム200aの外周部210と中央部230との間のフィルム状部位をいうもので、当該湾曲変位部220は、外周部210の内周縁部から中央部230の外周縁部にかけて延出されている。
しかして、ダイヤフラム200aは、下側中空部123を底壁本体110a側及び隔壁本体130a側から液体室Raと空気室Rbとに区画形成している。ここで、液体室Raには、上記半導体製造装置の配管系統の上流側からの液体が流入ポート110b、底壁110の流入路111及び環状弁座110dの中空部を通り流入する。これにより、当該液体が液体室Ra内にてダイヤフラム200aの下面240a(図2参照)に作用する液圧を発生する。一方、空気室Rbには、外気が隔壁130の連通路131を通りその内端開口部131aから流入する。これにより、当該外気が空気室Rb内にてダイヤフラム200aの上面240b(図2参照)に作用する空圧(大気圧)を発生する。
本第1実施形態において、ダイヤフラム200aは、ダイヤフラム弁としての構成上、強酸・強アルカリ等の腐食性の高い薬液等の高純度薬液と接触するから、当該ダイヤフラム200aは、耐酸性や耐アルカリ性等の耐薬品性に優れることが望ましい。
また、ダイヤフラム弁のダイヤフラム200aやその他の構成部材からの金属成分や有機物成分の溶出は許されないことから、少なくともダイヤフラムの形成材料としては、低溶出性を有するフッ素樹脂を採用することが望ましい。
また、ダイヤフラム200aは、ダイヤフラム弁の開閉毎に湾曲変位を繰り返すことから、少なくとも屈曲性や長寿命性に優れることが望ましい。
そこで、本第1実施形態では、上記所定のフッ素樹脂として、耐薬品性、低溶出性、耐熱性や耐食性に優れ、かつ、屈曲性や長寿命性を確保し得るテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が採用されている。なお、本第1実施形態においては、ハウジング100及び隔壁120の各形成材料としても、PFAが採用されている。
また、当該ダイヤフラム200aは、フィルム状のダイヤフラムとして、所定の厚さ範囲以内の厚さ、例えば、0.5(mm)を有するようにPFAでもって形成されている。本第1実施形態において、上記所定の厚さ範囲は、0.1(mm)以上で0.5(mm)以下の厚さ範囲をいう。
ここで、0.1(mm)以上としたのは、0.1(mm)未満では、ダイヤフラム200aが薄過ぎて破れ易いためである。また、0.5(mm)以下としたのは、ダイヤフラム200aは、0.5(mm)よりも厚いと、厚過ぎて曲がりにくいためである。
当該ダイヤフラム部材200において、環状補強板200bは、後述のごとく、ダイヤフラム200aの外周部210にレーザー溶接により溶着されている。また、弁体200cは、ダイヤフラム200aの中央部230に後述のごとくレーザー溶接により溶着されている。
ダイヤフラム200aの外周部210及び環状補強板200bは、隔壁本体130aの外周下端環状部133と下側周壁120の内周壁部位122の延出端部122aとの間に挟持されている。
ここで、環状補強板200bは、ダイヤフラム200aの外周部210の図1にて図示上側に位置するように、外周部210と共に、外周下端環状部133と下側周壁120の内周壁部位122の延出端部122aとの間に挟持されている。
換言すれば、ダイヤフラム200aの外周部210は、その上面部にて、環状補強板200bを介し隔壁本体130aの外周下端環状部133(図1参照)に対向しており、当該外周部210の下面部は、底壁本体110aの下側周壁120のうちの内周壁部位122の延出端部122aに当接している。なお、本第1実施形態では、ダイヤフラム200aの外周部210は、下側周壁120の内周壁部位122の延出端部122aの半径方向幅と同一の半径方向幅を有する。
以上のような構成を有するダイヤフラム200aは、PFAを用いた押し出し成形でもって形成されている。当該押し出し成形は、例えば、次のようにしてなされる。予め準備したペレット状のPFAを、押し出し成形機により、加熱溶融する。然る後、加熱溶融したPFAを、型(図示しない)内のフィルム形状のキャビテイ内に圧入して徐々に冷却しながらフィルム状に成形する。このように成形した成形品からダイヤフラム200aに相当する円板形状体を打ち抜く。これにより、当該円板形状体でもって、ダイヤフラム200aが、フィルム状のダイヤフラムとして形成される。
ここで、上述のようにダイヤフラム200aの形成にあたり、PFAを用いた押し出し成形を採用したのは、以下の根拠に基づく。例えば、PFAからなる材料を切削加工することでダイヤフラムを形成すると、当該ダイヤフラムの面には切削痕が形成される。従って、このような切削加工によるダイヤフラムがダイヤフラム弁の液体室Ra内で流動する液体と接触する場合、ダイヤフラムの切削痕に起因して、パーティクル、例えば、数nmサイズの微小なパーティクル等が微少ではあるがダイヤフラムから剥がれて発塵し液体内に混入すると、当該液体は清浄には維持され得ない。
これでは、半導体製造装置による製造品、例えば、配線ピッチが10nm以下であるようなシリコンウエハの品質不良を招く。このため、ダイヤフラム弁内の液体に対するパーティクルの混入、例えば、数nmサイズのパーティクルの液体に対する混入さえも、確実に防止することが必要である。
また、ダイヤフラムをPFAの射出成形でフィルム状に形成することは、当該ダイヤフラムが薄すぎて困難であるのは勿論のこと、仮にフィルム状に形成できたとしても、屈曲性に優れた長寿命のダイヤフラムを形成することは困難である。
そこで、本第1実施形態においては、ダイヤフラム200aをPFAの押し出し成形でもってフィルム状に形成することとした。これにより、押し出し成形機により押し出し成形されたフィルム状のダイヤフラムは、その各面にて、非常に良好な平滑面、所謂、つるつるの滑らかな面を有するように形成された数nmサイズのパーティクルの発塵をも最少に抑制し得るダイヤフラムであって、耐薬品性、低溶出性や屈曲性に優れた長寿命を有するダイヤフラムとして形成され得る。 従って、ダイヤフラム弁が作動状態にあっても、数nmサイズの微小なパーティクルの液体内への混入さえも最少(最小限)に抑制し得る。
以上のように構成してなるダイヤフラム200aは、その中央部230にて、環状弁座110dに対向する弁体部(以下、弁体部230ともいう)としての役割を果たす。このことは、弁体部230が、環状弁座110dと共に、ダイヤフラム弁の弁部V(図3参照)を構成することを意味する。従って、弁体部230が、その下面部にて、環状弁座110dの環状着座部位114aに着座することで、当該弁部Vは、閉弁し、弁体部230が、その下面部にて、環状弁座110dの環状着座部位114aから分離することで、当該弁部Vは、開弁する。
環状補強板200bは、フィルム状のダイヤフラム200aを補強するためのもので、当該環状補強板200bは、ダイヤフラム200aの外周部210にレーザー光により溶接(レーザー溶接)により溶着されている。これにより、環状補強板200bは、ダイヤフラム200aの外周部210と一体的に構成されている。
ここで、環状補強板200bの構成について詳細に説明すると、当該環状補強板200bは、PFAを用いて円柱状に射出成形した後環状に切削することで、形成されている。当該環状補強板200bは、ダイヤフラム200aの外径に等しい外径を有するものの、当該環状補強板200bのその他の形状寸法は、後述のように、当該環状補強板200bのダイヤフラム200aとのレーザー溶接による溶着強度を考慮して設定されている。
ちなみに、当該溶着強度は、ダイヤフラム200aがその湾曲変位により伸縮しようとしても、当該ダイヤフラム200aの外周部210が、環状補強板200bと下側周壁120の内周壁部位122の延出端部122aとの間において、伸縮し得ないような環状補強板200bとの溶着強度をいう。このような溶着強度は、後述する所定の半径径方向幅Eに対応する。
本第1実施形態では、環状補強板200bが、その内径にて、下側周壁120の内周壁部位122の内径よりも、所定の半径径方向幅Eだけ、小さくなるように設定されている。このことは,環状補強板200bの半径方向幅が、その内径方向において、内周壁部位122の内径よりも外周壁部位121の径方向中心側へ拡大し広くなっていることを意味する。
ここで、当該環状補強板200bの内径をD1とし、下側周壁120の内周壁部位122の内径をD2とすると、上述の所定の半径径方向幅Eは、次の等式(1)により表される。なお、D1、D2の各単位は、共に、mmである。
E=(D2-D1)/2 ・・・ (1)
また、ピストン軸320の外径をD3とすると、所定の半径径方向幅Eは、次の不等式(2)を満たすことを要請される。なお、D3の単位は、mmである。
4mm≦E<{(D2-D3)/2}・・・ (2)
ここで、本実施形態において、上述の等式(1)及び不等式(2)を導入する根拠について説明する。
1.等式(1)の導入根拠
上述のごとく、環状補強板200bにレーザー溶接により溶着されるダイヤフラム200aは、その外周部210にて、環状補強板200bと共に、隔壁本体130aの外周下端環状部133と下側周壁120の内周壁部位122の延出端部122aとの間に挟持されている。
しかしながら、環状補強板200cの内周部及び当該内周部に対するダイヤフラム200aの外周部210の対応環状部位に対してまで、レーザー光の照射による溶接を行うと、レーザー光が環状補強板200cの内周側に漏洩してダイヤフラム200aに直接入射し当該ダイヤフラム200aのレーザー光の入射部位に損傷を招くおそれが生ずる。このため、環状補強板200cの内周部と当該内周部に対するダイヤフラム200aの外周部210の対応環状部位との間には、通常、レーザー光の照射による溶接は行わない。
従って、仮に環状補強板200cが、その内径にて、下側周壁120の内周壁部位122の内径と一致するような形状を有するものとすると、環状補強板200cの内周部は、当該内周部に対するダイヤフラム200aの外周部210の対応環状部位と下側周壁120の内周壁部位122の延出端部122aの内周部との双方の間に単に挟まれているのみの状態にある。
このような状態において、ダイヤフラム200aがその厚さ方向に繰り返し湾曲変位すると、当該ダイヤフラム200aは、その半径方向に繰り返し伸縮するという事態が発生する。ここで、ダイヤフラム200aが下側周壁120の内周壁部位122側への湾曲変位を繰り返すと、ダイヤフラム200aの下面240aが、下側周壁120の内周壁部位122の延出端部122aの内周部との間にて、ダイヤフラム200aの伸縮に応じ、摩擦接触により擦り合う。
その結果、ダイヤフラム200aが、その下面240a側から内周壁部位122の内周部により削り取られて細かいゴミのようなパーティクルを液体室Ra内に発生してしまう。このようなパーティクルが、液体室Ra内で流動する液体に混入すると、当該液体を清浄には維持できないという予測もしなかった不具合を招く。
そこで、本第1実施形態においては、上述のごとく、環状補強板200cが、その半径方向幅にて、上述の等式(1)により特定される所定の半径径方向幅Eだけ、内周壁部位122の内径よりも外周壁部位121の径方向中心側へ拡大して広くなるように拡大環状補強板として形成されている。
これに伴い、レーザー光の照射による溶接は、ダイヤフラム200aの外周部210及び当該ダイヤフラム200aのうちの所定の半径径方向幅Eに対応する環状部位の双方に亘り、拡大した環状補強板200c(拡大環状補強板)との間にて行われる。これにより、ダイヤフラム200aの外周部210と拡大した環状補強板200cとの間のレーザー溶接による溶着強度が、上述した当該外周部210の伸縮を未然に防止し得るような溶着強度として確保維持され得る。
2.不等式(2)の導入根拠
(1)0.4(mm)≦Eの導入根拠について
環状補強板200bが、上述のごとく、その半径方向幅にて、内周壁部位122の内径よりも外周壁部位121の径方向中心側へ拡大するように、所定の半径径方向幅Eを設定するにあたっては、ダイヤフラム200aが液体室Ra側への湾曲変位を繰り返すことで伸縮を繰り返しても、内周壁部位122の延出端部122aとこの延出端部122aに当接した状態にあるダイヤフラム200aの外周部210との双方が、その全体に亘り、伸縮し得ないように、ダイヤフラム200aが環状補強板200bに対しレーザー溶接により溶着されることが必要である。これは、ダイヤフラム200bの液体室Ra側への伸縮が繰り返されても、ダイヤフラム200bの外周部210と内周壁部位122の延出端部122aの内周角部との間の摩擦接触を未然に防止するためである。
本第1実施形態では、ダイヤフラム200aの外周部210をその全体に亘り環状補強板200bと良好に溶着するに十分な所定の半径径方向幅Eの下限値として、0.4mmと設定してある。
(2)E<{(D2-D3)/2}の導入根拠
環状補強板200bの半径方向幅は、駆動軸320に達しない程度の拡大範囲に抑える必要がある。そこで、本第1実施形態では、所定の半径径方向幅Eの上限値を、{(D2-D3)/2}未満と設定した。
次に、弁体200cの構成について説明すると、弁体200cは、頭部250及び頸部260を一体的に有するように、PFAを用いて射出成形により形成されているもので、弁体200cは、頭部250にて、環状弁座11dとともにダイヤフラム弁の弁部Vを構成する弁体部(以下、弁体部250ともいう)としての役割を果たす。なお、頸部260は、弁体200cにおいて、後述のようにピストン軸320に連結される基部としての役割を果たす。
弁体部250は、円柱状のもので、当該弁体部250は、その軸方向先端部にて、その外周部に沿い、傾斜状に切除されて、着座部251として形成されている。頸部260は、頭部260の着座部251とは反対側端部から同軸的に延出するように形成されている。また、当該頸部260は、雌ねじ孔部261を有しており、当該雌ねじ孔部261は、頸部260内にその延出端部262側から雌ねじ孔状に形成されている。これにより、雌ねじ孔部261は、その開口端部にて、頸部260の延出端部262を構成している。なお、以下、当該延出端部262は、開口端部262ともいう。
このように構成してなる弁体200cにおいては、頸部260が、その開口端部262にて、ダイヤフラム200aの中央部230に形成してなる中央穴部230aにレーザー溶接により溶着されており、当該頸部260の雌ねじ孔部261には、後述のごとく、ピストン軸320の軸状雄ねじ部320bがダイヤフラム200aの中央穴部230aを通り締着されている。これに伴い、弁体部250は、その着座部251にて、環状弁座110dに同軸的に着座可能に対向する。このことは、弁体200cが、環状弁座110dに着座可能に対向し、上述のごとく、当該環状弁座110dと共に当該ダイヤフラム弁の弁部Vを構成することを意味する。
以上のように構成してなるダイヤフラム部材200は、ダイヤフラム200a、環状補強板200b(拡大環状補強板)及び弁体200cでもって、一体的に形成されている。しかして、弁体200cが、後述のようにコイルスプリング330の付勢力のもとにピストン軸320により液体室Ra側へ押動されたとき、ダイヤフラム200を、その湾曲変位部220にて、環状弁座110dに向け湾曲状に変位させながら、傾斜状着座部251にて、環状弁座110dに着座することで、弁部Vを閉じる。このことは、ダイヤフラム弁が閉弁することを意味する。
一方、弁体200cが、後述のように液体室Ra内の液体圧に応じてコイルスプリング330(後述する)の付勢力に抗して摺動するピストン軸320に連動して、ダイヤフラム200aを隔壁120側へ湾曲状に変位させながら、着座部251にて環状弁座110dから離れることで、弁部Vを開く。このことは、ダイヤフラム弁が開弁することを意味する。
駆動機構300は、図1にて示すごとく、ハウジング100の内部に組み付けられており、当該駆動機構300は、ピストン310と、ピストン軸320と、コイルスプリング330とにより構成されている。
ピストン310は、上側ハウジング部材100bの上側周壁140の中空部141内にOリング311を介し、気密的に摺動可能に嵌装されており、当該ピストン310は、その軸方向両側にて、上側周壁140の中空部141を上側室141a及び下側室141bに区画形成している。本第1実施形態では、ピストン310は、ピストン軸320とともに、PFAでもって形成されている。
ここで、上側室141aは、上側ハウジング部材100bの上壁150に形成してなる環状溝部151、連通路152及び開口部153を通り上側ハウジング部材100bの外部に開放されている。
なお、環状溝部151は、上壁150に上側室141aの内部から同軸的に環状に形成されている。開口部153は、上壁150の外周部内に形成されており、連通路152は、環状溝部151を開口部153に連通させるように、上壁150の内部に形成されている。
一方、下側室141bは、上側周壁140に形成してなる連通路部143及び開口部144を介し圧縮空気流供給源(図示しない)に接続されている。これにより、下側室141bの内部には、上記圧縮空気流供給源からの圧縮空気流が開口部144及び連通路部143を通り供給されるようになっている。
なお、開口部144は、開口部153の下方にて、連通路部143を通り下側室141b内に連通するように上側周壁140の一部に形成されている。連通路部143は、開口部144を下側室141bの内部に連通させるように上側周壁140の一部に形成されている。
ピストン軸320は、ピストン310から同軸的にかつ一体的に延出するように形成されている。当該ピストン軸320は、図1にて示すごとく、軸本体部320aと、軸状雄ねじ部320bとを備えており、軸本体部320aは、ピストン310から同軸的に下側室141bを通り延出して隔壁本体130aの貫通穴部134内にOリング321を介し摺動可能に嵌装されている。
軸状雄ねじ部320bは、軸本体部320aの延出端部から同軸的にかつ一体的に延出されており、当該軸状雄ねじ部320bは、ダイヤフラム200aの中央穴部230aを通して弁体200cの頸部260の雌ねじ孔部261内に締着されている。これにより、ピストン軸320は、軸状雄ねじ部320bにて、ダイヤフラム200aを介し弁体200cと同軸的に連結されている。
コイルスプリング330は、図1にて示すごとく、上壁150の環状溝部151内に嵌装されており、当該コイルスプリング330は、環状溝部151の底部とピストン310との間に挟持されて、ピストン310を下側室141bに向けて付勢している。
このように構成した駆動機構300においては、上記圧縮空気供給源からの圧縮空気流による空気圧が下側室141b内に発生していない場合には、ピストン310が、コイルスプリング330の付勢力により下側室141b側へ摺動されて、ピストン軸320が、ダイヤフラム200aを湾曲状に変位させながら、弁体200cを環状弁座110d側へ押動することで、弁体200cをその傾斜状着座部251にて環状弁座110dに着座させる。
一方、上記圧縮空気供給源からの圧縮空気流が開口部144及び連通路部143を通り下側室141b内に供給されると、ピストン310が、下側室141b内の圧縮空気による空気圧に応じてコイルスプリング330の付勢力に抗して上側室141a内の空気を環状溝部151、連通路152及び開口部153から外部へ排出しながら当該上側室141a側へ摺動し、ピストン軸320が、ピストン310の摺動方向と同一方向に連動して、ダイヤフラム200aを湾曲状に変位させながら弁体200cを環状弁座110dから分離する。
次に、以上のように構成したダイヤフラム弁の製造にあたり、ダイヤフラム部材200におけるダイヤフラム200aと環状補強板200b(拡大環状補強板)とのレーザー溶接及び当該ダイヤフラム200aと弁体200cとのレーザー溶接について説明する。
ダイヤフラム200aと環状補強板200b(拡大環状補強板)とのレーザー溶接及びダイヤフラム200aと弁体200cとのレーザー溶接にあたっては、上述のように押し出し成形により形成してなるダイヤフラム200a、環状補強板200b及び弁体200cを、それぞれ、単独の別部品として準備する。
まず、弁体200cとダイヤフラム200aの中央穴部230aとのレーザー溶接について説明する。当該レーザー溶接は、次のようにして行う。
まず、図3にて示す弁体の載置工程S1において、弁体200cを、図4にて示すごとく、雌ねじ孔部260を上側に向けて開口させるように、作業台Bの上面B1上に載置する。このとき、作業台Bの上面B1は水平面内にあることから、雌ねじ孔部260はその軸にて鉛直状に位置する。
然る後、ダイヤフラムの載置工程S2において、ダイヤフラム200aが、その中央穴部230aにて、弁体200cの頸部260の雌ねじ孔部261上に位置するように、弁体200cに載置される(図4参照)。このとき、ダイヤフラム200aの中央穴部230aが、頸部260の雌ねじ孔部261の開孔端部262上に同軸的に位置するように載置される。
ついで、押さえ板の載置工程S3において、押さえ板Qが、ダイヤフラム200aの中央穴部230aを介し弁体200cの基部260の開口端部262に同軸的に対向するように中央穴部230a上に載置される。
ここで、押さえ板Qは、円板状のもので、当該押さえ板Qは、レーザー光を透過し易いガラスでもって、所定の厚さ及び所定の外径を有するように形成されている。当該レーザー光を透過し易いガラスは、高熱伝導性を有する。なお、押さえ板Qは、一般的には、光透過性及び熱伝導性を有する押え部材であればよく、また、当該押さえ部材は、板状であるか否かは問わず、どのような形状であってもよい。
上述のように、押さえ板Qはレーザー光を透過し易いガラスであることから、当該押さえ板Qは、レーザー光を吸収し難い。また、当該押さえ板Qを形成する上述のガラスは、高熱伝導性を有することから、ダイヤフラム200aの中央穴部230aに対する載置状態において当該ダイヤフラム200aの中央穴部230aの熱を吸収し易い。なお、本第1実施形態において、押さえ板Qの外径は、弁体200cの頸部260の延出端部262の外径よりも大きく選定されている。
また、押さえ板Qの所定の厚さは、次のように選定されている。押さえ板Qを、上述のごとく、ダイヤフラム200aの中央穴部230a上に載置した状態において、レーザー光を、後述のように、押さえ板Qを通しダイヤフラム200aの中央穴部230aと弁体200cの頸部260との境界面の近傍に収束させたとき、当該レーザー光が押さえ板Qを良好に透過するとともに、押さえ板Qが、レーザー光に起因してダイヤフラム200aの中央穴部230aに生ずる熱を吸収することで、当該ダイヤフラム220の中央穴部230aの温度上昇を良好に抑制するように選定されている。
上述のように押さえ板Qがダイヤフラム200aの中央穴部230a上に載置された後、次の押さえ板に対する押え付け工程S4において、押さえ板Qが、その上方から、適宜なプレス機(図示しない)により、図4にて矢印Pにより示すごとく、ダイヤフラム200aの中央穴部230aに向けて押し付けられる。このとき、押さえ板Qは、その下面にて、ダイヤフラム200aの中央穴部230aの上面に、一様な押圧力でもって、押え付けられる。
このような押え付け状態のまま、次のレーザー光照射工程S5において、レーザー光が、レーザー装置L(図4参照)により、次のようにして、押さえ板Qを通してダイヤフラム200aの中央穴部230aに向けてビーム状に照射される。
ところで、ダイヤフラム200aの形成材料としては、上述のごとく、PFAが採用されている。PFAは、上述のごとくダイヤフラム200aに要請される性能を満たす点でダイヤフラムの形成材料としては優れているものの、当該PFAはフッ素樹脂の1種であることから、レーザー溶接には適さない難溶着樹脂であることに変わりはない。これは、フッ素樹脂はレーザー光を強く吸収するために、ダイヤフラムにおけるレーザー光の照射面が高温となって、当該照射面を通してダイヤフラムに熱損傷が起こることで、レーザー溶接による溶着が困難になるためである。従って、当該PFAからなるダイヤフラムを他の樹脂部品とレーザー溶接することは、極めて困難であるといわざるを得ない。
これに対し、ダイヤフラムにおけるレーザー光の照射面を介する当該ダイヤフラムの熱損傷に対する対策を種々検討した結果、レーザー光を透過するとともに当該レーザー光の照射によりダイヤフラムに生ずる熱を吸収して放熱するという性能を有する放熱体(ヒートシンク)を、ダイヤフラムにおけるレーザー光の照射面上に、配置して、ダイヤフラムのレーザー光の照射部位の温度上昇を伝熱的に制御し、ダイヤフラムの照射面を介する熱損傷の発生を防止するようにした溶着方法を採用することで、ダイヤフラムの他の樹脂部品との溶着が可能となることが分かった。
そこで、放熱体として押さえ板Qを採用することで、ダイヤフラム200aの中央穴部230aと弁体200cとのレーザー溶接による溶着を行うようにした。
次に、上述のようなレーザー光の照射にあたり、レーザー装置Lの構成について説明すると、当該レーザー装置Lは、レーザーからのレーザー光L1を、レンズ系(図示しない)を介し、出射部からビーム状に出射するように構成されている(図4参照)。
ここで、当該レーザー装置Lは、その旋回軸を中心として旋回しながら、ビーム状のレーザー光L1の照射を行うようになっている。また、当該レーザー装置Lは、そのレーザー光L1の照射を、上記旋回軸の外周側から当該旋回軸の中心(旋回中心)に向け所定の移動間隔ずつ移動するごとに行うようになっている。なお、ビーム状のレーザー光L1とは、レーザー光という光束とすれば、上述の所定の移動間隔は、ビーム状のレーザー光L1という光束の外径以下の値に相当する。これにより、レーザー光L1による照射漏れ部位を無くすことができる。
また、当該レーザー装置Lは、その出射部からのビーム状のレーザー光L1の出射強度を調整し得るように構成されている。なお、当該レーザー装置Lは、その出射強度にて、照射温度をPFAの融点よりも幾分高く維持するように、設定されている。
このような構成のもと、レーザー装置Lによりレーザー光を押さえ板Qを通してビーム状に照射するにあたっては、レーザー装置Lは、上記所定移動間隔ごとに、旋回軸の周りに沿い旋回しながら、レーザー光L1を、照射する。
まず、レーザー装置Lは、上記所定移動間隔ごとに旋回軸の周りに沿い旋回しながら、レーザー光L1を、押さえ板Qを通して、ダイヤフラム200aの中央穴部230a及び弁体200cの基部260に中央穴部230aの外周側から内周側にかけて照射する。このようなレーザー光L1の照射によって、ダイヤフラム200aの中央穴部230aと弁体200cの基部260との間のレーザー溶接による溶着がなされる。
以上のようなレーザー光の照射の後、レーザー装置Lからのレーザー光L1の出射を停止することで、弁体200cの基部260及びダイヤフラム200aの中央穴部230aは、自然冷却を経て硬化していく。
然る後、図3の押さえ板除去工程S6において、押さえ板Qが、ダイヤフラム200aの中央穴部230aから除去される。これにより、弁体200c及びダイヤフラム200aの中央穴部230aが、相互に溶着硬化した状態にて、弁体200cとダイヤフラム200aとのレーザー溶接による一体的な接合による連結構成が形成される。
また、ダイヤフラム200aの外周部210と環状補強板200bとのレーザー溶接による溶着は、次のようにして行う。
上述のように弁体200cの基部260とダイヤフラム200aの中央穴部230aとのレーザー溶接による一体的連結構成が形成された後、図5にて示す環状補強板の載置工程Z1において、環状補強板200cが、その中空部にて、作業台Cの凹所C1の開口部に対応するように、上面C2上に載置される(図6参照)。なお、作業台Cは、図6にて示すごとく、その中央部に上面C2から凹所C1を凹状に形成して構成されている。
然る後、ダイヤフラムの載置工程Z2において、上述のように弁体200cを中央穴部230aにレーザー溶接により溶着してなるダイヤフラム200aが、その外周部210にて、環状補強板200b上に載置される(図6参照)。このとき、弁体200cがダイヤフラム200cの中央穴部230aから上方へ延出するように、ダイヤフラム200aが、環状補強板200b上に載置される。なお、図6においては、底壁本体110a及び環状弁座110dのダイヤフラム200aに対する位置関係が2点鎖線により示されている。
ついで、環状押さえ板の載置工程Z3において、環状押さえ板Q1が、ダイヤフラム200aを介し環状補強板200bに同軸的に対向するように、ダイヤフラム200aの環状補強板200bに対する対応環状部位上に載置される(図6参照)。本実施形態では、環状補強板200bが、その半径方向幅にて、上述のごとく、底壁本体110aの内周壁部位122の内周面よりも当該内周壁部位122の中心側へ拡大されて拡大環状補強板として形成されている。このため、上述したダイヤフラム200aの対応環状部位は、ダイヤフラム200aの外周部210とその内周側の湾曲変位部220のうち上記拡大環状補強板のうちの半径方向幅の拡大幅分との双方に対応する。
ここで、環状押さえ板Q1は、上述した押さえ板Qの形成材料と同一の材料でもって環状に形成されている。このため、環状押さえ板Q1は、押さえ板Qと同様の特性、即ち、光透過性及び高熱伝導性を有する。
従って、当該環状押さえ板Q1は、その光透過性に起因して、ビーム状レーザー光L1を吸収し難い。また、当該環状押さえ板Q1は、その高熱伝導性に起因して、ダイヤフラム200aの外周部210に対する載置状態において当該ダイヤフラム200aの外周部210の熱を吸収し易い。なお、環状押さえ板Q1の外径はダイヤフラム200a及び上記拡大環状補強板の各外径よりも大きく、一方、当該環状押さえ板Q1の内径は、上述のように幅広に形成してなる環状補強板200b、即ち上記拡大環状補強板の内径よりも小さい。また、当該押さえ板Q1の板厚は、上述した押さえ板Qと同様に高熱伝導性を適正に発揮し得る値となっている。
上述のように環状押さえ板Q1がダイヤフラム200aの上記対応環状部位上に載置された後、次の環状押さえ板に対する押え付け工程Z4において、環状押さえ板Q1が、その上方から、適宜なプレス機(図示しない)により、図6にて矢印P1により示すごとく、ダイヤフラム200aの上記対応環状部位に向けて押し付けられる。このとき、環状押さえ板Q1は、その下面にて、ダイヤフラム200aの上記対応環状部位の上面の全面に亘り、一様な押圧力でもって、押え付けられる。
このような押え付け状態のまま、次のレーザー光照射工程Z5において、ビーム状のレーザー光L1が、上述のレーザー装置L(図6参照)により、次のようにして、環状押さえ板Q1に向けて照射される。
レーザー装置Lによりレーザー光L1を押さえ板Qを通してビーム状に照射するにあたっては、レーザー装置Lは、レーザー光L1を、ダイヤフラム200aの上記対応環状部位の外周側から内周側にかけて照射するように上述の所定の移動間隔の移動ごとに旋回される。
しかして、レーザー光L1は、上述のようなレーザー装置Lの旋回のもと、環状押さえ板Q1を通して、ダイヤフラム200aの上記対応環状部位の外周部から内周部にかけて当該対応環状部位の外周部及びこれに対応する上記拡大環状補強板に照射される。このようなレーザー光L1の照射によって、ダイヤフラム200aの上記対応環状部位と上記拡大環状補強板との間のレーザー溶接による溶着がなされる。なお、上記対応環状部位の内周部と環状補強板200bの内周部との間のレーザー光の照射による溶接は、上述したことから明らかなように、レーザー光L1の上記対応環状部位の内周側への漏洩を防止するため、なされない。
しかしながら、環状補強板200bは、その半径方向幅において、ダイヤフラム200aの外周部210の内周部位及び底壁本体110aの内側周壁部位122の内周部位よりも、上述したごとく、少なくとも4mmだけ、拡大されて、拡大環状補強板として形成されている。しかも、ビーム状レーザー光L1の外径は4mmよりも小さい。
従って、ダイヤフラム200aの外周部210は、その半径方向全体に亘り、当該外周部210に対する環状補強板200bの対応環状部位(拡大環状補強板の半径方向幅のうち上記拡大幅部位を除く環状部位)のその半径方向全体に対し、レーザー光L1の照射によるレーザー溶接でもって、強固な溶着がなされ得る。
このような強固な溶着のもと、拡大環状補強板としての環状補強板200b及びダイヤフラム200aの上記対応環状部位が、相互に溶着硬化した状態にて、環状補強板200bとダイヤフラム200aとのレーザー溶接による溶着でもって一体的な接合構成が形成される。なお、然る後、図6の環状押さえ板除去工程Z6において、環状押さえ板Q1が、ダイヤフラム200aの上記対応環状部位から除去される。
以上のように構成した本第1実施形態において、当該空気作動形ダイヤフラム弁が閉弁状態にあるものとする。このとき、当該空気作動形ダイヤフラム弁においては、ピストン310が、コイルスプリング330による付勢力に基づき、上側ハウジング部材100b内において、下方へ摺動している。これに伴い、ピストン軸320が、ダイヤフラム200aの中央穴部230aを介して弁体200cをその傾斜状着座部251にて環状弁座110dに着座させている。
このようなダイヤフラム弁の閉弁状態において、圧縮空気流が上記圧縮空気流供給源から上側ハウジング部材100bの開口部143及び連通路部142を通り下側室141b内に供給されると、ピストン310が、ピストン軸320と共に、下側室141b内の圧縮空気流の圧力に基づきコイルスプリング330の付勢力に抗して上側ハウジング部材100bの上側室141a側へ摺動する。
これに伴い、ダイヤフラム200aが、その中央穴部230aにて、ピストン軸320に連動する弁体200cとともに引っ張られて、空気室Rb側へ湾曲状に変位する。すると、弁体200cが、その傾斜状着座部251にて、環状弁座110dから離れる。これにより、ダイヤフラム弁が開弁状態になる。
このような状態において、液体が上記液体供給源から上記配管系統の上流部に供給されると、当該液体が、流入ポート110b、連通路111及び環状弁座110dを通り液体室Ra内に流入する。このように液体室Ra内に流入する液体は、連通路112及び流出ポート110cを通り上記配管系統の下流部内に流出する。
このような液体の流動過程においては、上述のように液体室Ra内に流入する液体が、その液圧の変動に応じて、ダイヤフラム200aを空気室Rb側或いは液体室Raへ湾曲変位させつつ、液体室Raから連通路部113を介し流出ポート110c内に流動する。
以上述べたようなダイヤフラム弁の閉弁状態及び開弁状態が繰り返されると、ダイヤフラム200aは、液体室Ra側及び空気室Rb側へ交互に湾曲変位を繰り返す。このようなダイヤフラム200aの湾曲変位の繰り返し過程においては、当該ダイヤフラム200aが、その半径方向への伸縮を繰り返すことになる。
しかしながら、本実施形態においては、環状補強板200bが、上述したごとく、その半径方向幅にて、底壁本体110aの内側周壁部位122の内周面よりも当該内側周壁部位122の中心側へ所定の半径方向幅E(等式(1)参照)だけ広くなるように拡大環状補強板として拡大形成されている。これに伴い、当該拡大環状補強板とこれに対するダイヤフラム200aの対応環状部位(外周部210及び湾曲変位部220のうち上記拡大環状補強板のうちの半径方向拡大幅部位に対応する環状部位)とが、レーザー光L1の照射による溶接でもって、強固に溶着されている。
このため、ダイヤフラム200aのうち少なくとも底壁本体110aの内側周壁部位122に対応する外周部210は、その全体に亘り、上記拡大環状補強板との間にてレーザー溶接による溶着が強固になされ得る。このことは、ダイヤフラム200aの外周部210は、その内側周壁部位122の延出端部122aの内周角部に対する対応内周部位にて、当該対応内周部位に対する上記拡大環状補強板の対応環状部位との間において強固に溶着され得ることを意味する。
また、ダイヤフラム200aの中央穴部230aは、弁体200cの基部260との間でレーザー溶接による溶着されている。これに伴い、ダイヤフラム200aの伸縮可能領域は、上記拡大環状補強板の内周側であって弁体200cの基部260と溶着されているダイヤフラム200cの中央穴部230aの外周側に位置する環状部位に限られる。
このため、ダイヤフラム200aが上述のように伸縮しても、ダイヤフラム200aの外周部210は、その全体に亘り伸縮することなく静止状態にある。その結果、ダイヤフラム200aの外周部210は、内側周壁部位122の延出端部122aの内周角部との間において摩擦接触により擦り合ってパーティクルを発生し液体室Raや環状弁座110d内の液体を汚すという事態を未然に防止し得る。
(第2実施形態)
図7は、本発明に係るダイヤフラム弁の第2実施形態の要部を示している。当該第2実施形態では、ダイヤフラム部材が、上記第1実施形態にて述べたダイヤフラム部材200に代えて、採用されている。本第2実施形態にいうダイヤフラム部材も、上記第1実施形態にて述べたダイヤフラム部材200と同様に、符号200により示す。
本第2実施形態にいうダイヤフラム部材200は、上記第1実施形態にて述べたダイヤフラム200a及び弁体200cに代えて、ダイヤフラム200d及び弁体(本第2実施形態でも、上記第1実施形態にいう弁体200cと同様に符号200cにて示す。)を備えるとともに、上記第1実施形態にて述べた環状補強板200bを備える。
ダイヤフラム200dは、上記第1実施形態にいうダイヤフラム200aと同様に、PFAを押し出し成形することにより、フィルム状に形成されている。従って、ダイヤフラム200dは、ダイヤフラム200aと同様の性能を有する。
ダイヤフラム200dは、ダイヤフラム200aと同様に、外周部210、湾曲変位部220及び中央部230を有している。当該ダイヤフラム200dは、その中央部230にて、上記第1実施形態にて述べた中央穴部230aを有している。ここで、当該ダイヤフラム200dの中央部230は、図7にて示すごとく、当該ダイヤフラム200dの中心側に向け凸な湾曲形状となるように、下面240a側へ湾曲状に延出して湾曲中央部270として形成されている。換言すれば、当該ダイヤフラム200dは、その中央部230にて、中央穴部230aを中心に有する湾曲中央部270として形成されている。
本第2実施形態にいう弁体200cは、上記第1実施形態にて述べた弁体200cの雌ねじ孔部261に代えて、軸状雄ねじ部262aaを設けてなり、当該軸状雄ねじ部262aは、頸部260aの延出端部から同軸的に延出されている。本第2実施形態において、頸部260a及び軸状雄ねじ部262aは、弁体200cの軸状基部ともいう。なお、本第2実施形態では、頸部260aは、上記第1実施形態にて述べた頸部260よりも長軸を有するように形成されている。
しかして、弁体200cは、軸状雄ねじ部262aからダイヤフラム200dの湾曲中央部270の中央穴部230aに同軸的に挿通されて、頸部260aの軸方向中間部位263にて中央穴部230aにレーザー溶接により溶着することで連結されている(図7参照)。
また、環状補強板200bは、上記第1実施形態と同様に拡大環状補強板として、ダイヤフラム200dの上記拡大環状補強板に対する対応環状部位にダイヤフラム200dの上面240b側から、上記第1実施形態と同様にレーザー溶接により溶着されている。
このように構成してなるダイヤフラム部材200においては、ダイヤフラム200dが、上記第1実施形態に述べたダイヤフラム200aに代えて、その上記拡大環状補強板に対する対応環状部位にて、底壁本体110aの内周壁部位122の延出端部122aと隔壁130の隔壁本体130aの外周下端環状部133との間に上記拡大環状補強板とともに挟持されている。このような構成のもと、当該ダイヤフラム200dは、上記第1実施形態と同様に、液体室Ra及び空気室Rbを区画形成する。ここで、上記挟持は、拡大環状補強板をダイヤフラム200dの上側に位置させるようになされている。
ここで、弁体200cとダイヤフラム200dの湾曲中央部270とのレーザー溶接は、次のようにして行われている。上記第1実施形態と同様に弁体の載置工程S1の処理を行った後、ダイヤフラムの載置工程S2では、ダイヤフラム200aの載置に代えて、ダイヤフラム200dの湾曲中央部270の中央穴部230aに、図8にて示すごとく、ダイヤフラム200cの下面240a側から、弁体200cが、その軸状雄ねじ部262aから頸部260aの軸方向中間部位263まで同軸的に挿入される。これに伴い、湾曲中央部270の中央穴部230aは、その内周面部にて、弁体200cの頸部260aの軸方向中間部位263の外周面部に一様に当接する。
然る後、押さえ板の載置工程S3において、上記第1実施形態にて述べた押さえ板Qに代えて、一対のハーフリングQ3が、湾曲中央部270の中央穴部230aをその左右両側から挟持するように当該中央穴部230aに載置される。
ここで、一対のハーフリングQ3は、上記第1実施形態にて述べた押さえ板Qと同様の形成材料により形成されている。なお、一対のハーフリングQ3は、その各対向端部にて係合したとき、円環を形成するもので、一対のハーフリングQ3の各幅方向上端部が頸部260aの軸方向中間部位263よりも上側に位置し、当該一対のハーフリングQ3の各幅方向下端部が湾曲中央部270の中央穴部230aよりも下側に位置するように、各ハーフリングQ3の幅が設定されている。
ついで、押さえ板に対する押え付け工程S4において、押さえ板Qに代えて、一対のハーフリングQ3が、その各対向端部にて係合するように、ダイヤフラム200dの湾曲中央部270に向けて左右両側から押し付けられる。このとき、一対のハーフリングQ3は、その各内面にて、ダイヤフラム200dの湾曲中央部270の外周面に、一様な押圧力でもって、左右両側から押え付けられる。
このような押え付け状態のまま、レーザー光照射工程S5において、レーザー光が、レーザー装置Lにより、図8にて符号L1により示すごとく、一対のハーフリングQ3を通してダイヤフラム200dの湾曲中央部270とこれに対する弁体200cの頸部260aの軸方向中間部位263に向けてビーム状に照射される。このようなレーザー光L1の照射によって、ダイヤフラム200dの湾曲中央部270とこれに対する弁体200cの頸部260aの軸方向中間部位263との間のレーザー溶接による溶着がなされる。
その後、レーザー装置Lからのレーザー光の出射を停止することで、弁体200cの頸部260aのうち軸方向中間部位263及びダイヤフラム200dの湾曲中央部270は、自然冷却を経て硬化していく。
然る後、図2の押さえ板除去工程S6において、押さえ板Qに代えて、一対のハーフリングQ3が、ダイヤフラム200dの湾曲中央部270から左右方向に除去される。これにより、弁体200cの頸部260a及びダイヤフラム200dの湾曲中央部270が、相互に溶着硬化した状態にて、弁体200cの頸部260aとダイヤフラム200dの湾曲中央部270とのレーザー溶接による一体的な溶着による連結構成が形成される。以上のようにして、本第2実施形態にいうダイヤフラム部材200は、ダイヤフラム200d、上記拡大環状補強板及び弁体200cでもって、一体的に形成される。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
以上のように構成した本第2実施形態においては、弁体200cの構造及びダイヤフラム200dの弁体200cとの溶接構造が、上記第1実施形態とは異なるものの、環状補強板200bの拡大環状補強板としての拡大構成は、上記第1実施形態と同様の構成である。
従って、本第2実施形態においては、上記第1実施形態とは異なる弁体200cの構造及びダイヤフラム200dの弁体200cとの溶接構造のもとでも、上記第1実施形態と同様に、ダイヤフラム200dが上述のように伸縮しても、ダイヤフラム200dの外周部210は、その全体に亘り伸縮することなく静止状態にある。その結果、ダイヤフラム200dの外周部210は、内側周壁部位122の延出端部122aの内周角部との間において摩擦接触により擦り合ってパーティクルを発生し液体室Raや環状弁座110d内の液体を汚すという事態を未然に防止し得る。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)本発明の実施にあたり、上記第1或いは第2の実施形態にて述べた駆動機構300は、図1において、コイルスプリング330を、上記実施形態とは異なり、下側室141b内にて、ピストン310を隔壁120とは反対方向に付勢するように構成してもよい。このことは、ダイヤフラム弁が常開型ダイヤフラム弁として機能することを意味する。
このように、上記第1或いは第2の実施形態にて述べたダイヤフラム弁が、常開型ダイヤフラム弁として作動するようにしても、上記第1或いは第2の実施形態と実質的に同様の作用効果が達成され得る。
(2)本発明の実施にあたり、上記実施形態にて述べた駆動機構300は、ハウジング100の他側中空部内にその軸方向に沿い嵌装されるソレノイドと、当該ソレノイド内に駆動軸として軸動可能に挿入されて隔壁側に向けて延出するプランジャーと、当該プランジャーを隔壁に向け或いはその逆方向に付勢する付勢手段とを具備して、プランジャーは、その延出端部にて、ダイヤフラム部材の補助軸の延出端部に同軸的に連結されるように構成してもよい。これによっても、上記実施形態と同様の作用効果が達成され得る。
(3)本発明の実施にあたり、押さえ板Qは、一般的には、光透過性及び熱伝導性を有する押え部材であればよく、また、当該押さえ部材は、板状であるか否かは問わず、どのような形状であってもよい。
(4)本発明の実施にあたり、隔壁130は、上記実施形態にて説明したように、一側ハウジング部材100aの一構成部品として把握してもよく、また、一側ハウジング部材100aの構成部品とは別の部品として把握してもよい。
(5)本発明の実施にあたり、ダイヤフラム200aの形成材料は、上記実施形態にて述べたPFAに限ることなく、PTFE等のフッ素樹脂であってもよい。
100…ハウジング、100a…下側ハウジング部材、
100b…上側ハウジング部材、110…底壁、111…流入路、
112…流出路、110a…底壁本体、111d…環状弁座、120…下側周壁、
123…下側中空部、130…隔壁、134…貫通穴部、141a…上側室、
141b…下側室、140…上側周壁、141…中空部、150…上壁、
152…連通路、200…ダイヤフラム部材、
200a、200d…ダイヤフラム、210…外周部、220…環状湾曲変位部、
230…中央部、200b…環状補強板、200c…弁体、230a…中央穴部、
250…頭部、260、260a…頸部、262a…軸状雌ねじ部、
270…湾曲中央部、300…駆動機構、310…ピストン、
320…ピストン軸、330…コイルスプリング、Ra…液体室、Rb…空気室、
V…弁部。

Claims (4)

  1. 開弁したとき高純度薬液や超純水等の液体を流入側から流出側へ流動させ、また、閉弁したときに前記液体の前記流動を遮断する弁部を備えるダイヤフラム弁において、
    筒状周壁と、互いに対向するように前記筒状周壁の一側及び他側の開口端部にそれぞれ設けられる一側及び他側の対向壁とを有するハウジングと、
    前記筒状周壁の軸方向中間部位に設けられて、当該筒状周壁の内部を、前記一側対向壁内に形成してなる流入路及び流出路に連通可能な一側中空部と、前記他側対向壁内に形成してなる連通路に連通する他側中空部とに、区画形成する隔壁と、
    前記他側中空部の内部に組み付けられて当該内部から前記隔壁に形成してなる貫通穴部を通り前記筒状周壁の前記一側中空部内に軸動可能に延出する駆動軸を有する駆動手段と、
    フッ素樹脂でもってそれぞれ形成してなるフィルム状ダイヤフラム、環状補強板及び弁体を具備して前記筒状周壁の前記一側中空部内に組み付けられるダイヤフラム部材とを備えており、
    前記一側対向壁は、その中央部にて、前記駆動手段の前記駆動軸に対向するように前記筒状周壁の前記一側中空部内に開口する環状弁座を形成してなり、
    前記筒状周壁の前記一側中空部は、その周壁部にて、外周壁部位と、当該外周壁部位からその内周側に向け前記隔壁と前記一側対向壁との間に沿い突出する形成してなる内周壁部位とを有しており、
    前記ダイヤフラム部材において、
    前記ダイヤフラムは、その外周部にて、前記一側中空部の前記内周壁部位と前記隔壁の前記外周部との間に介装されて、前記一側中空部の内部を、前記流入路、前記流出路及び前記環状弁座に連通可能な液体室と、前記隔壁及び前記筒状周壁の少なくとも一方を介し外部に連通可能な空気室とに、前記一側対向壁側及び前記隔壁側にて区画形成してなり、
    前記環状補強板は、前記空気室内にて前記ダイヤフラムと前記隔壁との間に介装されており、
    前記弁体は、その基部にて、前記液体室側から前記ダイヤフラムに形成してなる中央穴部にレーザー溶接により同軸的に溶着されて、前記一側対向壁の前記環状弁座と共に前記弁部を構成するように前記環状弁座に向けて前記基部から頭部を弁体部として延出してなり、
    前記駆動手段は、前記駆動軸の延出端部にて、前記ダイヤフラムの前記中央開穴部を介し前記弁体の前記基部に同軸的に連結されており、
    前記環状補強板は、その半径方向幅にて、前記筒状周壁内の前記一側中空部の前記内周壁部位の前記隔壁側端部よりもその内周側へ所定の半径方向幅(E)だけ広くなるように拡大環状補強板として拡大形成されており、
    前記ダイヤフラムは、その外周部及び前記拡大環状補強板の前記所定の半径方向幅に対する対応環状部の双方を、レーザー溶接により前記拡大環状補強板に溶着して、前記外周部にて、前記拡大環状補強板のうちの前記所定の半径方向幅に相当する環状部位を除く環状補強板部位と共に、前記隔壁の前記外周部と前記一側周壁の前記一側中空部の前記内周壁部位との間に挟持されていることを特徴とするダイヤフラム弁。
  2. 開弁したとき高純度薬液や超純水等の液体を流入側から流出側へ流動させ、また、閉弁したときに前記液体の前記流動を遮断する弁部を備えるダイヤフラム弁において、
    筒状周壁と、互いに対向するように前記筒状周壁の一側及び他側の開口端部にそれぞれ設けられる一側及び他側の対向壁とを有するハウジングと、
    前記筒状周壁の軸方向中間部位に設けられて、当該筒状周壁の内部を、前記一側対向壁内に形成してなる流入路及び流出路に連通可能な一側中空部と前記他側対向壁内に形成してなる連通路に連通する他側中空部とに区画形成する隔壁と、
    前記他側中空部の内部に組み付けられて当該内部から前記隔壁に形成してなる貫通穴部を通り前記筒状周壁の前記一側中空部内に軸動可能に延出する駆動軸を有する駆動手段と、
    中央穴部を有する中央部、外周部及び前記中央部と前記外周部との間に形成される環状湾曲変位部をフッ素樹脂でもって一体的に形成してなるフィルム状ダイヤフラムと、フッ素樹脂からなる環状補強板と、フッ素樹脂からなる弁体とを具備して、前記筒状周壁の前記一側中空部内に組み付けられるダイヤフラム部材とを備えており、
    前記一側対向壁は、その中央部にて、前記駆動手段の前記駆動軸に対向するように前記筒状周壁の前記一側中空部内に開口する環状弁座を形成してなり、
    前記筒状周壁の前記一側中空部は、その周壁部にて、外周壁部位と、当該外周壁部位からその内周側に向け前記隔壁と前記一側対向壁との間に沿い突出する形成してなる内周壁部位とを有しており、
    前記ダイヤフラム部材において、
    前記ダイヤフラムは、前記中央部にて、その中心側に向け凸な湾曲形状となるように前記一側対向壁側へ湾曲状に延出して、前記中央穴部を有する湾曲中央部として形成され、また、前記外周部にて、前記一側中空部の前記内周壁部位と前記隔壁の前記外周部との間に介装されて、前記一側中空部の内部を、前記流入路、前記流出路及び前記環状弁座に連通可能な液体室と、前記隔壁及び前記筒状周壁の少なくとも一方を介し外部に連通可能な空気室とに、前記一側対向壁側及び前記隔壁側にて区画形成してなり、
    前記環状補強板は、前記空気室内にて前記ダイヤフラムと前記隔壁との間に介装されており、
    前記弁体は、頭部と、当該頭部から同軸的に延出する軸状基部を具備して、前記駆動手段の前記駆動軸に向けて前記軸状基部から前記ダイヤフラムの前記中央穴部に挿通されて前記軸状基部の軸方向中間部位にて前記ダイヤフラムの前記中央穴部にレーザー溶接により溶着されて、前記頭部にて前記環状弁座と共に前記弁部を構成してなり、
    前記駆動手段は、前記駆動軸の延出端部にて、前記弁体の前記軸状基部に同軸的に連結しており、
    前記環状補強板は、その半径方向幅にて、前記一側周壁の前記一側中空部の前記内周壁部位の前記隔壁側端部よりもその内周側へ所定の半径方向幅だけ広くなるように拡大環状補強板として拡大形成されており、
    前記ダイヤフラムは、その外周部及び前記拡大環状補強板の前記所定の半径方向幅に対する対応環状部の双方を、レーザー溶接により前記拡大環状補強板に溶着して、前記外周部にて、前記拡大環状補強板のうちの前記所定の半径方向幅に相当する環状部位を除く環状補強板部位と共に、前記隔壁の前記外周部と前記一側周壁の前記一側中空部の前記内周壁部位との間に挟持されていることを特徴とするダイヤフラム弁。
  3. 前記一側周壁の前記一側中空部の前記内側周壁部位の内径をDaとし、前記駆動軸の外径をDbとしたとき、前記所定の半径方向幅をEとすると、当該Eは、次の不等式(1)
    0.4mm≦E<(Da-Db)/2 ・・・(1)
    を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のダイヤフラム弁。
  4. 前記駆動手段は、
    前記筒状周壁の前記他側中空部の内部に軸動可能に嵌装されて前記他側中空部を前記他側対向壁側及び前記隔壁側にて一側室及び他側室に区画形成するピストンと、
    当該ピストンを前記他側室及び前記一側室のいずれか一方の室に向けて付勢する付勢手段とを具備して、
    前記駆動軸は、前記ピストンに前記一側室側にて同軸的に形成されて前記隔壁の前記貫通穴部内に延出するピストン軸からなり、
    前記補助軸は、前記ピストン軸に同軸的に連結されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載のダイヤフラム弁。
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