JP2022035406A - スタビライザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成により車両のロール剛性を変更可能なスタビライザ装置を提供する。【解決手段】車幅方向に離間した両端部を有し左右のサスペンション装置1のストローク差に応じて捩じられる中間部111、及び、中間部の両端部から車幅方向とは異なった方向に突出したリンク接続部112を有するスタビライザバー110と、左右のサスペンション装置と左右のリンク接続部とをそれぞれ連結するスタビライザリンク120と、スタビライザバーの中間部を弾性体220を介して車体に取り付けるクランプブッシュ200とを備えるスタビライザ装置を、弾性体の内部に車幅方向に並べて配置されるとともに流体が封入された第1流体室221及び第2流体室222と、第1流体室と第2流体室との間で流体を通流させる連通流路230と、連通流路の途中に設けられ開度を変更可能な弁240とを備える構成とする。【選択図】図3

Description

本発明は、車両に設けられる可変剛性のスタビライザ装置に関する。
自動車等の車両には、ロール剛性を向上して操縦安定性を高めるため、左右のサスペンション装置のストローク差に応じて反力(復元力)を発生するスタビライザ装置が設けられる。
このようなスタビライザ装置は、ばね鋼などの弾性材料からなる棒材により形成され、車幅方向に沿って配置された中間部を有し、左右のサスペンション装置のストローク差に応じて捩じられるトーションバースプリングとして機能するスタビライザバーを備えている。
しかし、スタビライザ装置によってロール剛性を向上した場合、例えば悪路で路面の凹凸による車体の揺れが増大し、乗心地を悪化させてしまう場合がある。
これに対し、剛性を可変として必要な場合にのみロール剛性を向上できる可変剛性のスタビライザ装置が提案されている。
可変剛性のスタビライザ装置に関する従来技術として、例えば特許文献1には、左右のトーションバーが連結されるアクチュエータが設けられ、アクチュエータにおいては円筒状のシリンダの内部でオリフィスを有するベーンが回動するとともに、オリフィスを通過する磁気粘性流体の流量をコイルへの通電によって制御することが記載されている。
特許文献2には、スタビライザバーの中間部に、外部から油圧を供給されて作動するロータリアクチュエータを設けることが記載されている。
特許文献3には、油圧式パワーステアリング装置の発生油圧を利用して、左右のスタビライザバーを連結するスプライン係合部の係合状態を変化させ、スタビライザの捩じり剛性を可変とすることが記載されている。
特開2010- 23528号公報 特開2004-136814号公報 特開2006-290110号公報
上述した従来技術は、いずれもスタビライザ装置の剛性を可変とするために、スタビライザバーを左右に分割して中間部にアクチュエータ等の剛性可変装置を設けるものであり、装置の構成が大型かつ複雑となる。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、簡単な構成により車両のロール剛性を変更可能なスタビライザ装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、車幅方向に離間した両端部を有し左右のサスペンション装置のストローク差に応じて捩じられる中間部、及び、前記中間部の前記両端部から車幅方向とは異なった方向に突出したリンク接続部を有するスタビライザバーと、左右の前記サスペンション装置と左右の前記リンク接続部とをそれぞれ連結するスタビライザリンクと、前記スタビライザバーの前記中間部を弾性体を介して車体に取り付けるクランプブッシュとを備えるスタビライザ装置であって、前記弾性体の内部に車幅方向に並べて配置されるとともに流体が封入された第1流体室及び第2流体室と、前記第1流体室と前記第2流体室との間で前記流体を通流させる連通流路と、前記連通流路の途中に設けられ開度を変更可能な弁とを備えることを特徴とするスタビライザ装置である。
一般に、サスペンション装置がストロークした場合には、スタビライザリンクの軸線(両端部の揺動中心を結んだ線)が車両前面視においてほとんどの場合鉛直方向に対して傾斜していることから、スタビライザリンクからスタビライザバーに対して、車幅方向の力を作用させる。
特に、車両のロール時のように、左右のサスペンション装置が逆方向にストロークした場合には、左右のスタビライザリンクから左右同一方向への力がスタビライザバーに入力され、スタビライザバーは弾性体が変形することにより車体に対して車幅方向に相対変位する。
本発明によれば、車体に対してスタビライザバーが車幅方向に変位した場合、弾性体の変形に伴って第1流体室と第2流体室の一方は引張されて容積を拡大し、他方は圧縮されて容積を縮小するよう入力を受ける。
このとき、弁の開度を大きくした場合には、第1流体室と第2流体室との間で流体の行き来が促進されることにより、弾性体の剛性が低下し、スタビライザバーが車幅方向に変位しやすい状態となる。
一方、弁の開度を小さくした場合には、第1流体室と第2流体室との間で流体が行き来しにくくなり、弾性体の剛性が向上し、スタビライザバーが車幅方向に変位しにくい状態となる。
この場合、仮に左右のサスペンション装置のストローク差(車両のロール角に対応する)が同等である場合、スタビライザバーの捻じれ角が増加することによってスタビライザ装置の効率が向上し、ロール剛性向上効果を促進することができる。
また、本発明は、剛性非可変の既存のスタビライザ装置における弾性体を交換することにより適用が可能であり、構成が簡素かつコンパクトで車両への実装が容易である。
請求項2に係る発明は、前記車体に取り付ける部材に設けられ少なくとも一部が前記第1流体室と前記第2流体室との間で前記弾性体に挿入された張出部を有することを特徴とする請求項1に記載のスタビライザ装置である。
これによれば、スタビライザバーが車体に対して車幅方向に変位した場合に、弁を開状態としたときの第1流体室及び第2流体室の容積変化を促進し、スタビライザ装置の剛性をより確実に低下させ、弁の開閉状態や開度に応じた剛性可変効果を高めることができる。
請求項3に係る発明は、前記弁は、前記流体の通流を許容する開状態と、前記流体を遮断する閉状態との切替えが可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスタビライザ装置である。
これによれば、閉状態においては第1流体室と第2流体室との間の流体の行き来を完全に停止することにより、第1流体室と第2流体室の容積変化が防止され、弾性体の車幅方向における変形を効果的に規制してスタビライザ装置の効率を向上し、ロール剛性を向上することができる。
請求項4に係る発明は、前記弁は、前記開状態であるときに、複数の異なった開度で保持可能であることを特徴とする請求項3に記載のスタビライザ装置である。
これによれば、車両のロール剛性を多段階に可変させることが可能となり、操縦安定性、乗り心地をよりきめ細かくチューニングすることが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、簡単な構成により車両のロール剛性を変更可能なスタビライザ装置を提供することができる。
本発明を適用したスタビライザ装置の実施形態を有するサスペンション装置の模式的外観斜視図である。 実施形態のスタビライザ装置におけるクランプブッシュの構成を示す模式図である。 図2のクランプブッシュにおいてスタビライザバーが車幅方向に変位した際の状態を示す模式図である。
以下、本発明を適用したスタビライザ装置の実施形態について説明する。
実施形態のスタビライザ装置は、例えば乗用車等の4輪の自動車のフロントサスペンションに設けられるものである。
図1は、実施形態のスタビライザ装置を有するサスペンション装置の模式的外観斜視図である。
図1は、サスペンション装置を斜め前方から見た状態を示している。
サスペンション装置1は、一例として、マクファーソンストラット式のものである。
サスペンション装置1は、ハブ10、ハウジング20、ストラット30等を有する。
ハブ10は、前輪FWのリムのディスク部が締結される回転体である。
ハウジング20は、ハブ10を回転可能に支持するハブベアリングを収容する部材である。
ハブ10は、ハウジング20に対して、車軸回りに回転可能に支持されている。
ハウジング20は、ボールジョイント21、ストラット取付部22を有する。
ボールジョイント21は、ハウジング20の下端部に設けられ、図示しないトランスバースリンク(ロワアーム)の車幅方向外側の端部が揺動可能に連結されるものである。
トランスバースリンクの車幅方向内側の端部は、車体に対して、車両前後方向にほぼ沿った軸回りに揺動可能に取り付けられる。
ストラット取付部22は、ハウジング20の本体部から上方側へ突出して形成され、ストラット30のブラケット32と締結されるものである。
また、ハウジング20には、図示しないタイロッドを介してステアリングギアボックスと連結され、前輪FWのトー方向の位置決めや操向を可能とするナックルアームが形成されている。
ストラット30は、減衰要素として機能する油圧緩衝器であるショックアブソーバと、ばね要素であるスプリングとをユニット化して構成されるとともに、図示しないトランスバースリンク、タイロッドと協働してハウジング20の位置決め機能を有する部品である。
ストラット30は、シェルケース31、ブラケット32、トップマウント33、ロワスプリングシート34、アッパスプリングシート35、スプリング36、ダストブーツ37、ブラケット38等を備えている。
シェルケース31は、ストラット30の下半部を構成する円筒状の部材である。
シェルケース31の内径側には、ショックアブソーバのシリンダ部が設けられている。
ショックアブソーバの図示しないロッド部は、シェルケース31の上端部から上方側へ突出するとともに、その突出量はサスペンション装置1のストロークに応じて変化する。
ブラケット32は、ハウジング20のストラット取付部22と締結されることにより、ハウジング20とシェルケース31とを結合する部分である。
ブラケット32は、シェルケース31の下端部付近における外周面から車幅方向外側に突出して形成されている。
トップマウント33は、ストラット30の上端部に設けられ、図示しない車体に設けられるストラット上部取付部に締結される部分である。
トップマウント33は、前輪FWの転舵時に、ストラット30を車体に対して仮想キングピン軸回りに回動させるベアリングを備えている。
このようなマクファーソンストラット式のサスペンションでは、サスペンションブッシュの微小な撓みなどを無視すると、トップマウント33のベアリングの中心と、ハウジング20のボールジョイント21の中心とを結んだ直線が仮想キングピン軸となる。
ロワスプリングシート34は、スプリング36の下端部を保持する部分である。
ロワスプリングシート34は、シェルケース31の外周面から外径側につば状に張り出して形成されている。
アッパスプリングシート35は、スプリング36の上端部を保持する部分である。
アッパスプリングシート35は、トップマウント33の下部に設けられている。
スプリング36は、サスペンション装置1におけるばね要素として機能する圧縮コイルばねである。
ショックアブソーバのロッド部、及び、シェルケース31の上部は、スプリング36の内径側に挿入されている。
スプリング36は上下方向にほぼ沿って配置され、下端部、上端部は、それぞれロワスプリングシート34、アッパスプリングシート35に保持されている。
スプリング36は、サスペンション装置1のストロークに応じて、ショックアブソーバとともに伸縮する。
ダストブーツ37は、ショックアブソーバのロッド等へのダスト等の異物付着を防止するため、スプリング36の内径側に設けられた円筒状の保護部材である。
ブラケット38は、後述するスタビライザリンク120の上端部122が揺動可能に連結される部分である。
ブラケット38は、ロワスプリングシート34の下方においてシェルケース31の外周面から突出して形成されている。
スタビライザ装置100は、左右のサスペンション装置1のストローク差に応じた反力を発生することにより、車両のロール剛性を向上するアンチロール装置である。
スタビライザ装置100は、スタビライザバー110、スタビライザリンク120、クランプブッシュ200等を有する。
スタビライザバー110は、例えばばね鋼などの弾性を有する材料からなる丸棒状の線材(棒材)を曲げ加工して構成されている。
スタビライザバー110は、中間部111、アーム部112等を有する。
中間部111は、他部品との干渉回避のための屈曲部分等を除き、長手方向を車幅方向にほぼ沿わせて配置されている。
中間部111は、車幅方向に離間した2箇所において、クランプブッシュ200を介して図示しない車体に取り付けられている。
中間部111は、車両のロール時に捩じられ、捩じり角に応じた反力を発生するトーションバースプリングとして機能する。
アーム部112は、中間部111の左右両端部から、それぞれ車両前方側又は後方側(図1に示す例においては前方側)に突出して形成されている。
アーム部112は、その突端部にスタビライザリンク120が連結されるリンク接続部である。
アーム部112は、スタビライザリンク120から上下方向の入力を受けた際に、中間部111をその長手方向軸回りに回動させるモーメントを発生させる。
スタビライザリンク120は、スタビライザバー110とストラット30とを連結し、サスペンション装置1の動きをスタビライザ装置100に伝達する部材である。
スタビライザリンク120は、例えばロッド状に形成され、その両端部を上下方向に離間させて配置されている。
スタビライザリンク120の下端部121は、スタビライザバー110のアーム部112の先端部に、ボールジョイント(スフェリカルベアリング)を介して揺動可能に連結されている。
スタビライザリンク120の上端部122は、ストラット30のブラケット38に、ボールジョイントを介して揺動可能に連結されている。
スタビライザリンク120の下端部121は、上端部122に対して、車幅方向内側となるように配置されている。
スタビライザリンク120が鉛直方向に対して傾斜を有することにより、軸力(引張力又は圧縮力)が作用した場合に、水平方向の分力をスタビライザバー110に作用させることになる。この点については、後に詳しく説明する。
クランプブッシュ200は、スタビライザバー110の中間部111を、弾性体を介して図示しない車体に取り付ける弾性体マウントである。
図2は、実施形態のスタビライザ装置におけるクランプブッシュの構成を示す模式図である。
図2(a)は、スタビライザバー110の中間部111の中心軸を含む面で切って見た断面図である。
図2(b)は、図2(a)のb-b部矢視断面図である。
クランプブッシュ200は、外筒210、弾性体220、連通流路230、ソレノイドバルブ240等を有する。
外筒210は、例えば鋼などの弾性体220に対して高硬度の材料によって円筒状に形成されている。
外筒210の外周面部は、図示しないクランプ部材によって保持され、図示しない車体に締結され固定される。
スタビライザバー110の中間部111は、外筒210の内径側に挿入される。
外筒210の内周面には、張出部211が形成されている。
張出部211は、外筒210の筒軸方向における中央部付近に設けられ、内径側に突出している。
張出部211の突端部は、スタビライザバー110の中間部111の外周面と間隔を有して配置されるとともに、後述する第1液室221と第2液室222との間において、弾性体220の内部に挿入されている。
張出部211の突端部と中間部111の外周面との間は、弾性体220の一部によって実質的に隙間が生じないよう埋められている。
弾性体220は、例えばゴム系などの弾性、可撓性を有する材料によって形成され、外筒210の内周面とスタビライザバー110の中間部111の外周面との間にわたして設けられている。
弾性体220は、外筒210の内周面に例えば加硫接着などにより接合されるとともに、材料の弾性力によってスタビライザバー110の外周面に圧着、密着するよう構成されている。
弾性体220の内部には、第1液室221、第2液室222が形成されている。
第1液室221、第2液室222は、弾性体220の内部に空洞部として形成され、内部に液体などの流体が封入される流体室である。
第1液室221、第2液室222は、スタビライザバー110の中間部111の中心軸方向に離間し、外筒210の張出部211を挟んだ両側にそれぞれ形成されている。
第1液室221、第2液室222は、例えば、図2(b)に示すように、スタビライザバー110を径方向に挟んだ両側(図2(b)の場合には上下)に分散して設ける構成とすることができる。
例えば図2(b)に示すように、第1液室221を、スタビライザバー110を挟んだ2箇所に分散して設ける場合には、例えば、スタビライザバー110の内部に形成された連通孔113を介して、各部分が相互に連通可能な構成とする。
また、第2液室222も、図2(a)に示すように、スタビライザバー110を挟んだ両側に形成され、連通孔114を介して連通する。
第1液室221、第2液室222の内部には、例えばシリコン系オイルなどの流体(典型的には液体)が封入される。
外筒210及び弾性体220は、スタビライザバー110への取付を容易とするために、図示しない分割部において複数の部品に分割した構成とすることもできる。
連通流路230は、第1液室221、第2液室222の内部を連通させ、これらの間で流体の通流を可能とする管路である。
連通流路230は、例えば、外筒210の外周面に隣接して設けられ、外筒210に形成された開口から第1液室221、第2液室222の内部へそれぞれ連通可能な状態で挿入されたパイプを有する構成とすることができる。
ソレノイドバルブ240は、連通流路230の途中に設けられ、第1液室221と、第2液室222とを連通させ流体の通過を可能とする開状態と、流体の通過を遮断する閉状態とを切り替える制御弁である。
また、ソレノイドバルブ240は、開状態において、異なった複数の開度において保持可能な構成としてもよい。
ソレノイドバルブ240の開閉、及び、開状態における開度は、例えば、ドライバ等のユーザによる選択操作に応じて切り替えられる構成とすることができる。
また、ソレノイドバルブ240の開閉、及び、開状態における開度は、例えば車両の走行状態や、路面の状態等に応じて、自動的に切り替えられるようにしてもよい。
ソレノイドバルブ240の状態変化に応じたスタビライザ装置100の性能の変化については、後に詳しく説明する。
以上説明したスタビライザ装置100において、車両のロール時のように、左右のサスペンション装置1が逆方向にストロークした場合には、スタビライザバー110には、捩じり方向の力とともに、車幅方向における一方側への横力が作用する。
スタビライザリンク120の下端部121が、上端部122に対して車幅方向内側に配置されている場合、例えば図1のように右前輪(図1に向かって左側の前輪FW)がリバウンド方向(ストラット30が伸びる方向)にストロークすると、右側のスタビライザリンク120には圧縮方向の軸力が作用する。
この圧縮力は、スタビライザバー110のアーム部112の先端部を押し下げる方向の鉛直方向力成分Fzrと、アーム部112の先端部を車幅方向左側に押す方向の水平方向力成分Fyrとを含む。
一方、左前輪がバンプ方向(ストラット30が縮む方向)にストロークすると、左側のスタビライザリンク120には引張方向の軸力が作用する。
この引張力は、スタビライザバー110のアーム部112の先端部を引き上げる方向の鉛直方向力成分Fzlと、アーム部112の先端部を車幅方向左側に引く方向の水平方向力成分Fylとを含む。
これらの水平方向成分Fyr,Fylによって、スタビライザバー110は、クランプブッシュ200の弾性体の変形により、車体に対して車幅方向左側への相対変位を示す。
上述したようにスタビライザバー110が車体に対して車幅方向に変位する際における本実施形態の機能、動作について、以下説明する。
図3は、図2のクランプブッシュにおいてスタビライザバーが車幅方向に変位した際の状態を示す模式図である。
図3は、図2(a)に相当する断面を示している。
図3においては、例えば、ソレノイドバルブ240が開状態であり、スタビライザバー110が、車体に対して、図3に向かって左側に変位した状態を示している。
図3に示すように、クランプブッシュ200の弾性体220はスタビライザバー110と外筒210との相対変位を吸収するよう弾性変形するが、このとき第1液室221は、弾性体220の端面220a(図3における左側の端面)が張出部211に対して引張されて容積が増す方向の入力を受ける。
一方、第2液室222は、弾性体220の端面220b(図3における右側の端面)が張出部211側に圧縮されて容積が減る方向の入力を受ける。
このとき、第2液室222内の流体の一部は、連通流路230を介して第1液室221側(図3に破線矢印で示す方向)へ移動することにより、第1液室221の拡大、第2液室222の縮小は阻害されにくくなっている。
これに対し、ソレノイドバルブ240を閉状態とし、連通流路230内を流体が通過しない遮断状態とすると、上述したような流体の移動が生じないため、第1液室221、第2液室222の容積変化は抑制され、特に流体が非圧縮性の液体である場合には、実質的に容積変化が生じないことになる。
このため、弾性体220の変形量が低減して外筒210(車体)に対するスタビライザバー110の車幅方向の支持剛性が向上し、仮に車体のロール角(左右のサスペンション装置1のストローク差)が同じである場合には、ソレノイドバルブ240を開状態とした場合に対して、スタビライザバー110の中間部111の捻じれ角が大きくなって反力が増大し、スタビライザ装置100の効率、剛性が向上する。
また、ソレノイドバルブ240を開状態として、その開度を変化させた場合、開度が小さくなるのに応じて、スタビライザ装置100の効率が向上する(閉状態に近づく)。
そこで、本実施形態のスタビライザ装置100においては、例えばドライバ等のユーザによる操作に応じて、車両が良路を走行する際には、ソレノイドバルブ240を閉状態とし、あるいは、開状態における小開度として、スタビライザ装置100の効率を向上し、車両のロール剛性を高めて操縦安定性を改善することができる。
一方、例えば悪路走行時などには、ソレノイドバルブ240を閉状態から開状態とし、あるいは、開状態における小開度から大開度として、スタビライザ装置100の効率を低下させ、車両のロール剛性を低くして振動乗心地の改善を図ったり、左右車輪のストローク差が著大な領域における接地性の向上を図ることができる。
このようなソレノイドバルブ240の切替は、このようなドライバ等による手動に限らず、例えば車両の走行状態や走行中の道路に関する情報等に応じて、自動的に行うようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)クランプブッシュ200の第1液室221、第2液室222の連通状態をソレノイドバルブ240で切り替えることにより、簡単な構成によってスタビライザ装置100の効率、車両のロール剛性を変化させることができる。
例えば、クランプブッシュを既存のものから本発明のものに置換することにより、非可変剛性の既存のスタビライザ装置を有する車両であっても、容易に適用することが可能である。
(2)クランプブッシュ200の外筒210の内周面から突き出して、第1液室221と第2液室222との間で弾性体220に挿入される張出部211を設けたことにより、スタビライザバー110が車体に対して車幅方向に変位した場合に、ソレノイドバルブ240を開状態としたときの第1液室221及び第2液室222の容積変化を促進し、スタビライザ装置100の剛性をより確実に低下させることができる。
(3)ソレノイドバルブ240が開状態と閉状態とを切替可能な構成としたことにより、閉状態においては第1液室221と第2液室222との間の流体の行き来を完全に停止することができ、第1液室221と第2液室222の容積変化が防止され、弾性体220の車幅方向における変形を効果的に規制してスタビライザ装置100の効率を向上し、車両のロール剛性を向上することができる。
(4)ソレノイドバルブ240が開状態において複数の開度において保持可能な構成としたことにより、車両のロール剛性を多段階に可変させることが可能となり、操縦安定性、乗り心地をよりきめ細かくチューニングすることが可能となる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)スタビライザ装置、サスペンション装置、車両の構成は、上述した実施形態に限定されることなく適宜変更することができる。
例えば、実施形態はマクファーソンストラット式のフロントサスペンションにスタビライザ装置を設けているが、本発明は後輪を支持するリアサスペンションにも適用することが可能であり、サスペンション形式も特に限定されない。
(2)実施形態における第1流体室(液室)、第2流体室(液室)の形状、配置等は一例であって、適宜変更することができる。
また、各流体室に封入される流体も液体には限定されない。例えば、気液混合流体や気体であってもよい。
(3)実施形態において、連通流路及び弁はクランプブッシュの外径側に張り出して配置しているが、これらをクランプブッシュの外筒の内径側に収容してもよい。
1 サスペンション装置 FW 前輪
10 ハブ 20 ハウジング
21 ボールジョイント 22 ストラット取付部
30 ストラット 31 シェルケース
32 ブラケット 33 トップマウント
34 ロワスプリングシート 35 アッパスプリングシート
36 スプリング 37 ダストブーツ
38 ブラケット
100 スタビライザ装置 110 スタビライザバー
111 中間部 112 アーム部
113 連通孔 114 連通孔
120 スタビライザリンク
121 下端部 122 上端部
200 クランプブッシュ 210 外筒
211 張出部 220 弾性体
220a,220b 端面
221 第1液室 222 第2液室
230 連通流路 240 ソレノイドバルブ

Claims (4)

  1. 車幅方向に離間した両端部を有し左右のサスペンション装置のストローク差に応じて捩じられる中間部、及び、前記中間部の前記両端部から車幅方向とは異なった方向に突出したリンク接続部を有するスタビライザバーと、
    左右の前記サスペンション装置と左右の前記リンク接続部とをそれぞれ連結するスタビライザリンクと、
    前記スタビライザバーの前記中間部を弾性体を介して車体に取り付けるクランプブッシュと
    を備えるスタビライザ装置であって、
    前記弾性体の内部に車幅方向に並べて配置されるとともに流体が封入された第1流体室及び第2流体室と、
    前記第1流体室と前記第2流体室との間で前記流体を通流させる連通流路と、
    前記連通流路の途中に設けられ開度を変更可能な弁と
    を備えることを特徴とするスタビライザ装置。
  2. 前記車体に取り付ける部材に設けられ少なくとも一部が前記第1流体室と前記第2流体室との間で前記弾性体に挿入された張出部を有すること
    を特徴とする請求項1に記載のスタビライザ装置。
  3. 前記弁は、前記流体の通流を許容する開状態と、前記流体を遮断する閉状態との切替えが可能であること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスタビライザ装置。
  4. 前記弁は、前記開状態であるときに、複数の異なった開度で保持可能であること
    を特徴とする請求項3に記載のスタビライザ装置。
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