JP2022030091A - 半導体装置の製造方法、並びにエキスパンドテープ及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法、並びにエキスパンドテープ及びその製造方法 Download PDF

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一尊 本田
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Abstract

【課題】半導体チップを小型化(例えば、1mm×1mm程度)した場合であっても、半導体チップにおけるエキスパンドテープに由来する糊残りが充分に抑制される半導体装置の製造方法を提供すること。【解決手段】半導体チップを有する半導体装置の製造方法が提供される。当該半導体装置の製造方法は、エキスパンドテープ1及びエキスパンドテープ1上に固定された複数の半導体チップ2を備える積層体であって、複数の半導体チップ2の間隔が拡幅されている積層体8を準備する準備工程と、キャリアに、複数の半導体チップ2の、エキスパンドテープ1上に固定された面とは反対側の面が固定化されるように転写する転写工程とを備える。エキスパンドテープ1のピール強度は0.45N/25mm以下であり、引張伸びは40%以上である。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置の製造方法、並びにエキスパンドテープ及びその製造方法に関する。
近年、半導体装置の小型化、高機能化、及び高集積化に伴い、半導体の多ピン化、高密度化、及び配線の狭ピッチ化が進展している。そのため、ピン又は配線の微細化又は低誘電率化を目的としたlow-K層のような脆弱層が適用され、これに伴い高信頼性化技術が求められている。
このような背景の中、高信頼性化、高生産化等が可能なウエハレベルパッケージ(Wafer Level Package:WLP)技術が進展している。WLP技術は、ウエハ状態のままで組立を行い、その最終工程でダイシングによってウエハを個片化することを特徴とする。ウエハレベルで一括に組立てる(封止を行う)ことから、高生産化及び高信頼性化が可能な技術である。WLP技術では、半導体チップの回路面の絶縁膜上にポリイミド、銅配線等で再配線パターンを形成した再配線層を形成し、その再配線上にメタルパッド、はんだボール等を搭載して、接続端子用バンプを構成する。
WLPには、WLCSP(Wafer Level Chip Scale Package)又はFI-WLP(Fan In Wafer Level Package)のような、半導体チップとパッケージ面積とが同程度の半導体パッケージと、FO-WLP(Fan Out Wafer Level Package)のような、パッケージ面積が半導体チップ面積よりも大きく、チップの外側まで端子を広げることができる半導体パッケージとがある。このような半導体パッケージでは、小型化及び薄型化が急速に進展しており、信頼性を確保するためにウエハレベルで封止が行われ、半導体チップ周辺を保護した後に、再配線層の形成、パッケージ毎の個片化等が行なわれる。
このような半導体パッケージでは、上記のようなウエハレベルでの封止が行われ、その後の二次実装等のハンドリングが行われることで信頼性を確保している。また、ディスクリート半導体のような単機能半導体の実装分野おいても、ハンドリングの際の半導体チップのクラック又はパッド周辺部にかかるストレス低減を目的に、ウエハレベルで封止が行われる。次いで、半導体チップ周辺が保護された後、パッケージ毎に個片化して次の工程(SMTプロセス等)が行われている。ディスクリート半導体は、システムLCIに比べて小型のものが多く、半導体チップをより高度に保護するため、半導体チップの5面又は6面封止が特に求められている。
このような半導体チップの側面を封止するためには、ウエハを個片化して半導体チップを作製した後に、半導体チップの間隔を広げる必要がある。例えば、特許文献1では、複数のチップをエキスパンドテープ上に固定し、当該エキスパンドテープを延伸することにより、半導体チップの間隔を広げ、その後半導体チップからエキスパンドテープを剥離する方法、及び当該方法に用いることができるエキスパンドテープが開示されている。
また、半導体チップの製造においては、エキスパンドテープからピックアップされ、別のエキスパンドテープ又はキャリアへ転写される工程が複数回必要となる場合がある。粘着層付きテープからピックアップされ、別の粘着層付きのテープへ転写される工程が複数回必要となる場合がある。例えば、特許文献2では、このような工程に用いられる基材に粘着剤層を積層してなる粘着シート(エキスパンドテープ)が開示されている。
国際公開第2018/216621号 国際公開第2014/200071号
上記のように、半導体チップの製造においては、エキスパンドテープからピックアップされ、別のエキスパンドテープ又はキャリアへ転写される工程が複数回必要となる場合、半導体チップにおいて、エキスパンドテープに由来する糊残りが問題となる。本発明者らの検討によると、半導体チップを小型化した場合に、従来のエキスパンドテープでは、半導体チップの糊残りの点で充分でないことが見出された。
そこで、本発明は、半導体チップを小型化(例えば、1mm×1mm程度)した場合であっても、半導体チップにおけるエキスパンドテープに由来する糊残りが充分に抑制される半導体装置の製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明者らが上記課題を解決すべく検討したところ、エキスパンドテープにおいて、転写性及び糊残りの低減がピール強度及び引張伸びに関連することを見出した。さらに検討したところ、ピール強度と引張伸びとがトレードオフの関係にあるということを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一側面は、半導体チップを有する半導体装置の製造方法に関する。当該半導体装置の製造方法は、エキスパンドテープ及びエキスパンドテープ上に固定された複数の半導体チップを備える積層体であって、複数の半導体チップの間隔が拡幅されている積層体を準備する準備工程と、キャリアに、複数の半導体チップの、エキスパンドテープ上に固定された面とは反対側の面が固定化されるように転写する転写工程とを備える。エキスパンドテープのピール強度は0.45N/25mm以下であり、引張伸びは40%以上である。このような半導体装置の製造方法によれば、半導体チップを小型化した場合であっても、半導体チップにおけるエキスパンドテープに由来する糊残りが充分に抑制された半導体装置を製造することができる。
積層体におけるエキスパンドテープは、基材フィルムと、紫外線硬化型粘着剤の硬化物を含む粘着層とを有していてもよい。
本発明の他の一側面は、エキスパンドテープに関する。当該エキスパンドテープのピール強度は0.45N/25mm以下であり、引張伸びは40%以上である。このようなエキスパンドテープによれば、小型化した半導体チップに適用した場合であっても、半導体チップにおけるエキスパンドテープに由来する糊残りを低減することが可能となる。
エキスパンドテープは、基材フィルムと、基材フィルム上に設けられた、紫外線硬化型粘着剤の硬化物を含む粘着層とを有していてもよい。
本発明の他の一側面は、エキスパンドテープの製造方法に関する。当該エキスパンドテープの製造方法は、基材フィルムと、基材フィルム上に設けられた、紫外線硬化型粘着剤を含む粘着層とを有する第1のエキスパンドテープに、紫外線を照射して、基材フィルムと、基材フィルム上に設けられた、紫外線硬化型粘着剤の硬化物を含む粘着層とを有する第2のエキスパンドテープを得る工程を備える。第1のエキスパンドテープのピール強度は3.0N/25mm以上であり、第2のエキスパンドテープのピール強度は0.45N/25mm以下であり、引張伸びは40%以上である。当該エキスパンドテープの製造方法によって得られるエキスパンドテープは、第2のエキスパンドテープであり得る。第1のエキスパンドテープは、第2のエキスパンドテープの前駆体ということもできる。
本発明の他の一側面は、上記エキスパンドテープの製造方法に用いられる第1のエキスパンドテープに関する。当該第1のエキスパンドテープのピール強度は3.0N/25mm以上である。第1のエキスパンドテープは、上記エキスパンドテープの製造方法によって得られる第2のエキスパンドテープの前駆体(原料)であり得る。
本発明によれば、半導体チップを小型化した場合であっても、半導体チップにおけるエキスパンドテープに由来する糊残りが充分に抑制される半導体装置の製造方法が提供される。また、本発明によれば、小型化した半導体チップに適用した場合であっても、半導体チップにおけるエキスパンドテープに由来する糊残りを低減することが可能なエキスパンドテープが提供される。さらに、本発明によれば、第1のエキスパンドテープから第2のエキスパンドテープを得る工程を備えるエキスパンドテープの製造方法及び第1のエキスパンドテープが提供される。
図1は、半導体装置の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図であり、図1(a)、図1(b)、及び図1(c)は各工程を示す図である。 図2は、半導体装置の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図であり、図2(a)、図2(b)、及び図2(c)は各工程を示す図である。 図3は、半導体装置の製造方法の他の実施形態を説明するための模式断面図であり、図3(a)、図3(b)、及び図3(c)は各工程を示す図である。 図4は、半導体装置の製造方法の他の実施形態を説明するための模式断面図であり、図4(a)、図4(b)、及び図4(c)は各工程を示す図である。
以下、図面を参照しながら本実施形態について詳細に説明する。以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[半導体装置の製造方法]
一実施形態の半導体装置の製造方法は、後述の所定のエキスパンドテープ及びエキスパンドテープ上に固定された複数の半導体チップを備える積層体であって、複数の半導体チップの間隔が拡幅されている積層体を準備する準備工程と、キャリアに、複数の半導体チップの、エキスパンドテープ上に固定された面とは反対側の面が固定化されるように転写する転写工程とを備える。
本実施形態の半導体装置の製造方法は、例えば、以下の工程を備えていてもよい。
・後述の所定のエキスパンドテープ及びエキスパンドテープ上に固定された複数の半導体チップを備える積層体であって、複数の半導体チップの間隔が拡幅されている積層体を準備する準備工程
・キャリアに、複数の半導体チップの、エキスパンドテープ上に固定された面とは反対側の面が固定化されるように転写する転写工程
・エキスパンドテープを半導体チップから剥離する剥離工程
準備工程は、例えば、以下の工程を含んでいてもよい。
・エキスパンドテープ及びエキスパンドテープ上に固定された複数の半導体チップを備える積層体前駆体を準備する前駆体準備工程
・エキスパンドテープを加熱しながら延伸することにより、エキスパンドテープ上に固定された複数の半導体チップの間隔を拡幅するテープエキスパンド工程
・延伸されたエキスパンドテープのテンションを保持するテンション保持工程
エキスパンドテープは、基材フィルムと、基材フィルム上に設けられた粘着層とを有する。粘着層は、例えば、感圧型粘着剤を含むものであってもよく、紫外線硬化型粘着剤を含むものであってもよい。粘着層は、感圧型粘着剤からなるものであってもよく、紫外線硬化型粘着剤からなるものであってよい。粘着層が紫外線硬化型粘着剤を含むものである場合、本実施形態の半導体装置の製造方法において、積層体前駆体におけるエキスパンドテープは、紫外線照射前の状態であり、紫外線硬化型粘着剤を含む粘着層を有するものであり、積層体におけるエキスパンドテープは、紫外線照射後の状態であり、紫外線硬化型粘着剤の硬化物を含む粘着層を有するものである。そのため、本実施形態の半導体装置の製造方法は、紫外線硬化型粘着剤を含む粘着層に対して、紫外線を照射する紫外線照射工程をさらに含む。紫外線照射工程は、任意の工程前後に含んでいてもよい。紫外線照射工程は、紫外線硬化型粘着剤の性状に依るが、準備工程におけるテンション保持工程の後に含んでいてもよく、準備工程における前駆体準備工程とテープエキスパンド工程との間に含んでいてもよい。
なお、本明細書では、エキスパンドテープにおいて、粘着層が紫外線硬化型粘着剤を含むものである場合、積層体前駆体におけるエキスパンドテープ(紫外線照射前のエキスパンドテープ)を「第1のエキスパンドテープ」と称する場合があり、積層体におけるエキスパンドテープ(紫外線照射後のエキスパンドテープ)を「第2のエキスパンドテープ」と称する場合がある。すなわち、「第1のエキスパンドテープ」は、基材フィルムと、基材フィルムに設けられた、紫外線硬化型粘着剤を含む粘着層とを有するものを意味し、「第2のエキスパンドテープ」は、基材フィルムと、基材フィルムに設けられた、紫外線硬化型粘着剤の硬化物を含む粘着層とを有するものを意味する。
図1及び図2は、半導体装置の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図であり、図3及び図4は、半導体装置の製造方法の他の実施形態を説明するための模式断面図である。
以下では、各工程の詳細について説明する。
前駆体準備工程では、エキスパンドテープ1及びエキスパンドテープ1上に固定された複数の半導体チップ2を備える積層体前駆体6を準備する。エキスパンドテープ1は、基材フィルム1bと、基材フィルム1b上に設けられた粘着層1aとを有し、粘着層1aが半導体チップ2と接している。また、半導体チップ2は、パッド(回路)3が設けられた回路面を有していてもよい。半導体チップ2は、回路面とは反対側の面がエキスパンドテープ1に固定されていてもよいし(図1(a))、回路面がエキスパンドテープ1に固定されていてもよい(図3(a))。
テープエキスパンド工程では、エキスパンドテープ1を加熱しながら延伸することにより、エキスパンドテープ1上に固定された複数の半導体チップ2の間隔を拡幅する(図1(b)又は図3(a))。
テンション保持工程では、延伸されたエキスパンドテープ1を、固定用ジグ4を用いて固定することにより、エキスパンドテープ1のテンションを保持する(図1(c)又は図3(c))。
積層体前駆体6の粘着層1aが紫外線硬化型粘着剤を含む場合、テンション保持工程の後に紫外線照射工程をさらに含んでいてもよい。紫外線照射工程は、任意に設定することができ、例えば、テンション保持工程の後に必要に応じて含んでいてもよい。紫外線照射工程では、延伸されたエキスパンドテープ1に紫外線を照射することにより、半導体チップ2に対するエキスパンドテープ1の粘着力(ピール強度)を低下させる(図2(a)又は図4(a))。紫外線照射工程は、テンション保持工程の後ではなく、準備工程における前駆体準備工程とテープエキスパンド工程との間に含んでいてもよい。
このようにして、積層体前駆体6から積層体8を準備することができる。エキスパンドテープ1の粘着層が感圧型粘着剤を含む場合、積層体前駆体6におけるエキスパンドテープと積層体8におけるエキスパンドテープとの間に粘着層に変化が少ないことが予想される。一方、エキスパンドテープ1の粘着層が紫外線硬化型粘着剤を含むものである場合、積層体前駆体6におけるエキスパンドテープは紫外線照射前の状態(すなわち、第1のエキスパンドテープ)であり、積層体8におけるエキスパンドテープは紫外線照射後の状態(すなわち、第2のエキスパンドテープ)であることから、粘着層の粘着力が低下していることが予想される。
転写工程では、キャリア5に、エキスパンドテープ1上に固定された面とは反対側の面が固定化されるように半導体チップ2を転写する。準備工程において、半導体チップ2の回路面とは反対側の面をエキスパンドテープ1に固定した場合には、上記転写により、回路面がキャリア5に固定され(図2(b))、半導体チップ2の回路面をエキスパンドテープ1に固定した場合には、上記転写により、回路面とは反対側の面がキャリア5に固定される(図4(b))。
剥離工程では、エキスパンドテープ1を半導体チップ2から剥離する。これによって、半導体チップ2を有する半導体装置10を得ることができる(図2(c)又は図4(c))。
(準備工程)
・前駆体準備工程
前駆体準備工程では、エキスパンドテープ(第1のエキスパンドテープ)及びエキスパンドテープ上に固定された複数の半導体チップを備える積層体前駆体を準備する。積層体前駆体は、例えば、ダイシングテープ等に半導体ウエハをラミネートした後、ブレード又はレーザーでダイシングして複数の個片化された半導体チップを作製し、これらをエキスパンドテープに転写することにより作製することができる。
ダイシングは、レーザーで脆弱層を形成してエキスパンドすることによって行ってもよい。また、生産性を向上させる観点から、積層体前駆体は、上述の転写を省略してエキスパンドテープに半導体ウエハを直接ラミネートして、上述の方法で半導体ウエハをダイシングして作製してもよい。
生産性向上及び低コスト化の観点から、初期の半導体チップの間隔(テープエキスパンド工程前の半導体チップ同士の間隔)は狭い方が好ましく、例えば、50μm以下である。ダイシングによる半導体ウエハの切削は、初期の半導体チップの間隔が広いと、半導体ウエハに無駄が生じることから、上記のように狭い方が低コスト化の観点で好ましい。半導体チップの間隔を拡幅する際に、半導体チップへのストレスを避ける観点から、初期の半導体チップの間隔は好ましくは10μm以上である。初期の半導体チップの間隔が10μmより小さいと複数の半導体チップの間のエキスパンドテープ領域が少なく拡幅し難い傾向にある。
半導体チップのサイズは、特に限定されないが、例えば、25(5×5)mm以下であり、好ましくは9(3×3)mm以下、より好ましくは1(1×1)mm以下である。
半導体チップの回路面上のパッドの種類は、半導体チップの回路面に形成され得るものであれば特に限定されず、銅バンプ、はんだバンプ等のバンプ(突起電極)であっても、Ni/Auめっきパッド等の比較的平坦な金属パッドであってもよい。
半導体チップは、外部から保護する樹脂部分、半導体素子を電気的に接続するための外部端子等が備えられていてもよい。
・テープエキスパンド工程
テープエキスパンド工程では、エキスパンドテープを延伸することにより、エキスパンドテープ上に固定された複数の半導体チップの間隔で拡幅する。
エキスパンドテープの延伸方法としては、例えば、突き上げ方式、引張り方式等が挙げられる。突き上げ方式は、エキスパンドテープを固定後、所定の形をしたステージが上昇することでエキスパンドテープが引き伸ばされる。引張り方式はエキスパンドテープを固定後、設置したエキスパンドテープ面と平行に所定の方向に引っ張ることで、エキスパンドテープが引き伸ばされる方式である。半導体チップの間隔を均一に引き伸ばせる点、及び必要な(占有する)装置面積が小さくてコンパクトである点から、好ましくは突き上げ方式の方である。
延伸条件は、エキスパンドテープの特性に応じて適宜設定することができる。例えば、突き上げ方式を採用した場合の突き上げ量(引張り量)は好ましくは10~150mm、より好ましくは10~120mmである。突き上げ量が10mm以上であると、複数の半導体チップの間隔を拡幅し易く、突き上げ量が150mm以下であると、半導体チップの飛散又は位置ずれが起こり難くなる。
延伸時の温度もエキスパンドテープ特性に応じて適宜設定することができる。延伸時の温度は、例えば、10~200℃であってよく、10~150℃又は20~100℃であってもよい。延伸時の温度が10℃以上であると、エキスパンドテープを延伸し易くなり、延伸時の温度が200℃以下であると、エキスパンドテープの熱膨張若しくは低弾性化による歪み又はたるみによる半導体チップの位置ずれ(エキスパンドテープと半導体チップ間の剥離)、半導体チップの飛散等をより高度に防止することができる。
突き上げ速度もエキスパンドテープ特性に応じて適宜設定することができる。突き上げ速度は、例えば、0.1~500mm/秒であってよく、0.1~300mm/秒又は0.1~200mm/秒であってもよい。突き上げ速度が0.1mm/秒以上であると、生産性をより向上させることができる。突き上げ速度が500mm/秒以下であると、半導体チップとエキスパンドテープ間での剥離が生じ難くなる。
テープエキスパンド工程後の複数の半導体チップの間隔は、半導体チップの領域外に再配線パターン及び接続端子用パッドを設けるために必要なスペースを確保することから、通常、100μm以上、好ましくは500μm以上である。高密度化及び高機能化された半導体パッケージでは、再配線層の総数も増えるため、半導体チップのより外側に接続端子用パッドを設ける必要がある。このため、半導体チップ間隔は広い方が好ましい。このような観点から、テープエキスパンド工程後の複数の半導体チップの間隔は、より好ましくは1mm以上、さらに好ましくは2mm以上である。テープエキスパンド工程後の複数の半導体チップの間隔の上限は、例えば、5mm以下とすることができる。
テープエキスパンド工程後の半導体チップの間隔は、100μm以上であればよいが、用途に応じて適切な間隔を選択することができる。
FO-WLP用途では、半導体チップの領域外に再配線パターン及び接続端子用パッドを設けるために必要なスペースを確保するため、テープエキスパンド工程後の半導体チップの間隔は、好ましくは500μm以上である。高密度化、高機能化半導体パッケージでは再配線層の総数も増えるため、半導体チップのより外側に接続端子用パッドを設ける必要がある。このため、半導体チップ間隔は広い方が好ましい。FO-WLP用途のテープエキスパンド工程後の複数の半導体チップの間隔は、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上である。テープエキスパンド工程後の複数の半導体チップの間隔の上限は、例えば、5mm以下とすることができる。
FI-WLP用途又はディスクリート半導体チップ実装用途では、半導体チップの側面を封止材により確実に保護する観点から、テープエキスパンド工程後の半導体チップの間隔は、好ましくは300μm以上であり、取り扱い性の観点から、より好ましくは500μm以上、さらに好ましくは1mm以上である。テープエキスパンド工程後の複数の半導体チップの間隔の上限は、例えば、5mm以下とすることができる。
・テンション保持工程
テンション保持工程では、延伸されたエキスパンドテープが元の状態に戻ることを防ぐために、エキスパンドテープのテンションを保持する。
エキスパンドテープのテンションを保持する方法は、テンションが保持され、半導体チップの間隔が元に戻らなければ特に制限はない。例えば、グリップリング(株式会社テクノビジョン製)等の固定用ジグを用いて固定する方法、エキスパンドテープの外周部を加熱して収縮させて(ヒートシュリンク)テンションを保持する方法等が挙げられる。
・紫外線照射工程
準備工程は、必要に応じて、紫外線照射工程をさらに含んでいてもよい。紫外線照射工程では、延伸されたエキスパンドテープに紫外線を照射することにより、半導体チップに対するエキスパンドテープの粘着力を低下させる。本実施形態においては、波長:200~400nmの紫外線を用いることが好ましく、その照射条件としては、照度:10~240mW/cmで照射量:200~500mJ/cmとなるように照射することが好ましい。
紫外線照射工程は、準備工程におけるテンション保持工程の後に含んでいてもよく、準備工程における前駆体準備工程とテープエキスパンド工程との間に含んでいてもよい。
このようにして、積層体前駆体から積層体を準備することができる。この工程において、積層体前駆体におけるエキスパンドテープ(第1のエキスパンドテープ)は、積層体におけるエキスパンドテープ(第2のエキスパンドテープ)となる。
(転写工程)
転写工程では、キャリアに、半導体チップが固定されるように転写(ラミネート)する。ラミネート方法は特に制限はないが、ロールラミネータ、ダイヤフラム式ラミネータ、真空ロールラミネータ、真空ダイヤフラム式ラミネータを採用することができる。
ラミネート条件は、エキスパンドテープ、半導体チップ及びキャリアの物性及び特性によって適宜設定すればよい。例えば、ロールラミネータであれば、25~200℃であってよく、好ましくは25~150℃、より好ましくは25~100℃である。25℃以上であると、半導体チップがキャリアに転写(ラミネート)し易くなり、200℃以下であると、エキスパンドテープの熱膨張若しくは低弾性化による歪み又はたるみによる半導体チップの位置ずれ(エキスパンドテープと半導体チップ間の剥離)、半導体チップの飛散等をより高度に防止することができる。ダイヤフラム式のラミネータであれば、温度条件に関しては、上記のロールラミネータと同様である。圧着時間は5~300秒であってよく、好ましくは5~200秒、より好ましくは5~100秒である。圧着時間が5秒以上であると、半導体チップがキャリアに転写(ラミネート)し易く、圧着時間が300秒以下であると、生産性を向上させることができる。圧着時の圧力は0.1~3MPaであってよく、好ましくは0.1~2MPa、より好ましくは0.1~1MPaである。圧着時の圧力が0.1MPa以上であると、半導体チップがキャリアに転写(ラミネート)し易く、圧着時の圧力が3MPa以下であると、半導体チップへのダメージが軽減される。
(剥離工程)
エキスパンドテープを複数の半導体チップから剥離(除去)する。これによって、半導体チップを有する半導体装置を得ることができる。
本実施形態の半導体装置の製造方法は、キャリア上の複数の半導体チップを封止材により封止する封止(モールド)工程、キャリアを封止材により封止された複数の半導体チップから剥離する第2の剥離工程、封止材により封止された複数の半導体チップを、半導体チップごとに個片化し、複数の半導体パッケージを形成する半導体パッケージ形成工程、個片化された半導体チップ又は個片化された半導体パッケージをピックアップする工程等をさらに備えていてもよい。
次に、各工程で用いられる材料について説明する。
[エキスパンドテープ]
エキスパンドテープは、基材フィルムと、基材フィルム上に設けられた粘着層とを有しする。エキスパンドテープは、エキスパンドテープ及びエキスパンドテープ上に固定された複数の半導体チップを備える積層体を準備する準備工程と、キャリアに、複数の半導体チップの、エキスパンドテープ上に固定された面とは反対側の面が固定化されるように転写する転写工程とを備える、半導体チップを有する半導体装置の製造方法に好適に用いられるものであってよい。
エキスパンドテープのピール強度は0.45N/25mm以下であり、引張伸びは40%以上である。ここで、ピール強度及び引張伸びは、積層体におけるエキスパンドテープのピール強度及び引張伸びを意味する。
なお、ここでいうピール強度とは、エキスパンドテープにステンレス鋼材(SUS)を貼着させた際の、SUSに対するエキスパンドテープのピール強度を意味する。具体的には、例えば、厚さ0.5mmのSUSに、ラミネータGK-13DX(株式会社ラミーコーポレーション製)を用いて、ラミネート温度40℃でエキスパンドテープを貼着した後に測定されたピール強度である。ピール強度の評価は、JIS C 5016(1994-導体の引きはがし強さ)に準拠して行うことができる。
引張伸びは、例えば、以下の方法で測定することができる。まず、厚さ0.5mmのSUSに、ラミネータGK-13DX(株式会社ラミーコーポレーション製)を用いて、幅25mm長さ50mmに切り取ったエキスパンドテープをラミネート温度40℃で貼り付け、ピンセットを用いてSUSから剥がしたものを引張伸び測定用サンプルとして用意する。次いで、引張伸び測定用サンプルを、床置形精密万能試験機AG-Xplus(株式会社島津製作所製)及び恒温試験装置TCLN系(株式会社島津製作所製)を用いて、チャック間20mm、測定温度50℃、及び引張速度1mm/sの条件にて引っ張り、以下の式に基づいて引張伸びを求める。
引張伸び(%)=粘着層が破断するまでの距離(mm)/チャック間距離(20mm)×100
粘着層は、例えば、感圧型粘着剤を含むものであってもよいし、紫外線硬化型粘着剤を含むものであってもよい。粘着層が紫外線硬化型粘着剤を含むものである場合、本実施形態の半導体装置の製造方法において、積層体前駆体におけるエキスパンドテープは、紫外線照射前の状態であり、紫外線硬化型粘着剤を含む粘着層を有するものである。一方、積層体におけるエキスパンドテープは、紫外線照射後の状態であり、紫外線硬化型粘着剤の硬化物を含む粘着層を有するものである。上記ピール強度及び上記引張伸びは、紫外線照射後のエキスパンドテープ(第2のエキスパンドテープ)を用いて測定されるものである。ここで、ピール強度及び引張伸びを測定する際の紫外線照射前のエキスパンドテープ(第1のエキスパンドテープ)に対する紫外線照射条件は、紫外線波長:365nm、照度:14mW/cm、露光量:300mJ/cmとすることができる。
エキスパンドテープ(粘着層が紫外線硬化型粘着剤を含むものである場合、紫外線照射後のエキスパンドテープ、すなわち、第2のエキスパンドテープ)のピール強度は、転写工程において、半導体チップの転写率を向上させることができる観点から、0.45N/25mm以下であり、好ましくは0.42N/25mm以下、より好ましくは0.40N/25mm以下、さらに好ましくは0.39N/25mm以下である。エキスパンドテープのピール強度の下限は、例えば、0.10N/25mm以上とすることができる。
粘着層が紫外線硬化型粘着剤を含むものである場合、紫外線照射前のエキスパンドテープ、すなわち、第1のエキスパンドテープのピール強度は、半導体チップをより充分に固定できる観点から、3.0N/25mm以上であり、好ましくは4.0N/25mm以上、より好ましくは4.5N/25mm以上、さらに好ましくは5.0N/25mm以上である。エキスパンドテープのピール強度の上限は、例えば、15N/25mm以下とすることができる。
エキスパンドテープ(粘着層が紫外線硬化型粘着剤を含むものである場合、紫外線照射後のエキスパンドテープ、すなわち、第2のエキスパンドテープ)の引張伸びは、転写工程において、半導体チップにおけるエキスパンドテープに由来する糊残りが充分に抑制される観点から、40%であり、好ましくは42%以上、より好ましくは45%以上である。エキスパンドテープの引張伸びの上限は、例えば、100%以下又は80%以下とすることができる。
エキスパンドテープのピール強度及び引張伸びの調整は、エキスパンドテープにおける粘着層の組成を調整することによって行うことができ、特に、粘着層に含まれ得る架橋剤及び光重合開始剤の含有量を調整することによって行うことができる。
(基材フィルム)
基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系フィルム;ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリビニルアセテートフィルム、ポリ-4-メチルペンテン-1等のα-オレフィンの単独重合体及びそれらの共重合体、これらの単独重合体又は共重合体のアイオノマーなどのポリオレフィン系フィルム;ポリ塩化ビニルフィルム;ポリイミドフィルム;ウレタン樹脂フィルムなどの各種プラスチックフィルムが挙げられる。基材フィルムは、単層のフィルムに限らず、プラスチックフィルムを2種以上又は同種のプラスチックフィルムを2つ以上組み合わせて得られる多層のフィルムであってもよい。
基材フィルムは、延伸性の観点から、好ましくはポリオレフィン系フィルム又はウレタン樹脂フィルムである。基材フィルムは、必要に応じて、ブロッキング防止剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
基材フィルムの厚さは、好ましくは50~500μmである。基材フィルムの厚さが50μmより薄いと、延伸性が低下し、500μmより大きいと、歪みが発生し易くなったり、取り扱い性が低下したりするといった不具合が生じるおそれがある。
基材フィルムの厚さは、作業性を損なわない範囲で適宜選択される。ただし、粘着層を構成する粘着剤として、高エネルギー線(中でも、紫外線)硬化型粘着剤を用いる場合は、その高エネルギー線の透過を阻害しない厚さにする必要がある。このような観点から、基材フィルムの厚さは、通常は10~500μmであってよく、好ましくは50~400μm、より好ましくは70~300μmである。
基材フィルムが多層のフィルムである場合、基材フィルム全体の厚さが上記範囲内となるように調整することが好ましい。基材フィルムは、粘着層との密着性を向上させるために、必要に応じて、化学的又は物理的に表面処理を施したものであってもよい。表面処理としては、例えば、コロナ処理、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等が挙げられる。
(粘着層)
積層体における粘着層は、例えば、感圧型粘着剤を含むものであってもよいし、紫外線硬化型粘着剤の硬化物を含むものであってもよいが、粘着力を調製し易いことから、紫外線硬化型粘着剤の硬化物を含むものであってよい。
積層体における粘着層が紫外線硬化型粘着剤の硬化物を含む場合、積層体前駆体における粘着剤層は、紫外線硬化型粘着剤を含む。積層体前駆体における粘着剤層(紫外線硬化型粘着剤)は、アクリル系共重合体(アクリル樹脂)と、架橋剤と、光重合開始剤とを含有することが好ましい。
アクリル系共重合体は、主鎖に対して、少なくとも放射線硬化性炭素-炭素二重結合含有基及び水酸基を有する。
アクリル系共重合体としてのアクリル系樹脂又はメタクリル系樹脂(以下、「(メタ)アクリル系樹脂」という。)は、側鎖に不飽和結合を含有し、かつ樹脂自体が粘着性を有するものであれば制限はない。具体的に例示するのであれば、ガラス転移温度が-40℃以下、水酸基価が20~150mgKOH/g、連鎖重合可能な官能基が0.3~1.5mmol/g含まれ、かつ酸価が実質検出されず、重量平均分子量が30万以上である樹脂が挙げられる。
このような特徴を有する(メタ)アクリル系樹脂は、既知の方法で合成することで得ることができる。(メタ)アクリル系樹脂の製造方法としては、例えば、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、塊状重合法、析出重合法、気相重合法、プラズマ重合法、超臨界重合法などが挙げられる。また、重合反応の種類としては、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、リビングラジカル重合、リビングカチオン重合、リビングアニオン重合、配位重合、イモータル重合などの他、ATRP又はRAFTといった手法が挙げられる。この中でも、溶液重合法を用いるラジカル重合は、経済性の良さ、反応率の高さ、重合制御の容易さ等の他、重合で得られた樹脂溶液をそのまま用いて配合できるといった配合の簡便さもあることから好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂を合成する際に用いられるモノマーは、一分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有するものであれば特に制限されない。このようなモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、モノ(2-(メタ)アクリロイロキシエチル)スクシネート等の脂肪族(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、モノ(2-(メタ)アクリロイロキシエチル)テトラヒドロフタレート、モノ(2-(メタ)アクリロイロキシエチル)ヘキサヒドロフタレート等の脂環式(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、o-ビフェニル(メタ)アクリレート、1-ナフチル(メタ)アクリレート、2-ナフチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p-クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、1-ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、2-ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(o-フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(1-ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(2-ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;2-テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-N-カルバゾール等の複素環式(メタ)アクリレート、これらのカプロラクトン変性体、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、α-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、α-プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、α-ブチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、α-エチル-6,7-エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル等のエチレン性不飽和基とエポキシ基を有する化合物;(2-エチル-2-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(2-メチル-2-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、2-(2-エチル-2-オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、2-(2-メチル-2-オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、3-(2-エチル-2-オキセタニル)プロピル(メタ)アクリレート、3-(2-メチル-2-オキセタニル)プロピル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基とオキセタニル基を有する化合物;2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のエチレン性不飽和基とイソシアネート基を有する化合物;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基とヒドロキシル基を有する化合物などが挙げられる。これは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル系樹脂を合成する際に用いられるモノマーは、必要に応じて、上記のモノマーと共重合可能なスチレン及びその誘導体、アルキルマレイミド、シクロアルキルマレイミド、アリールマレイミド等のマレイミド化合物などを用いることができる。
この中でも、C8~C23の脂肪族エステルである(メタ)アクリルエステルから選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。このようなモノマー成分を共重合して得られた(メタ)アクリル系樹脂はガラス転移温度が低いため、優れた粘着特性を示すため好ましい。
このような(メタ)アクリル系樹脂を得るために必要な重合開始剤は、30℃以上の加熱によりラジカルを発生する化合物であれば特に制限されない。重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、メチルシクロヘキサノンパーオキシド等のケトンパーオキシド;1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-2-メチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール;p-メンタンヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド;α、α’-ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキシド、t-ブチルクミルパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド;オクタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ステアリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド;ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ-2-エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ-3-メトキシブチルパーオキシカーボネート等のパーオキシカーボネート;t-ブチルパーオキシピバレート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシラウリレート、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエステル;2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2’-ジメチルバレロニトリル)などが挙げられる。これは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶液重合の際に用いられる反応溶媒は、(メタ)アクリル系樹脂を溶解し得るものであれば特に制限されない。反応溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン、p-シメン等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等の環状エーテル;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン等のエステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の多価アルコールアルキルエーテルアセテート;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等のアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに超臨界二酸化炭素等を溶媒として用いて重合することもできる。
(メタ)アクリル系樹脂に、紫外線、電子線、及び/又は可視光線の照射によって反応し得る官能基を化学的に結合させることによって、感光性を付与することができる。ここでいう、紫外線、電子線、及び/又は可視光線の照射によって反応し得る官能基とは、具体的に例示するのであれば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、グリシジル基、脂環式エポキシ基、オキセタニル基などが挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂に感光性を付与する方法としては、特に制限はないが、例えば上記の(メタ)アクリル系樹脂を合成する際に、前もって付加反応し得る官能基、例えば水酸基、カルボキシル基、無水マレイル基、グリシジル基、アミノ基等を有するモノマーと共重合することで(メタ)アクリル系樹脂に付加反応可能な官能基を導入し、そこに少なくとも1つのエチレン性不飽和基と、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等から選ばれる少なくとも1つの官能基を有する化合物を付加反応させて側鎖にエチレン性不飽和基を導入することで、(メタ)アクリル系樹脂に感光性を付与することができる。
このような付加反応させる化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、α-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、α-プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、α-ブチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、α-エチル-6,7-エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル等のエチレン性不飽和基とエポキシ基を有する化合物;(2-エチル-2-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(2-メチル-2-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、2-(2-エチル-2-オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、2-(2-メチル-2-オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、3-(2-エチル-2-オキセタニル)プロピル(メタ)アクリレート、3-(2-メチル-2-オキセタニル)プロピル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基とオキセタニル基を有する化合物;メタクリロイルイソシアネート、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート、m-イソプロペニル-α,α-ジメチルベンジルイソシアネート等のエチレン性不飽和基とイソシアネート基を有する化合物;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基とヒドロキシル基を有する化合物;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、コハク酸(2-(メタ)アクリロイロキシエチル)、2-フタロイルエチル(メタ)アクリレート、2-テトラヒドロフタロイルエチル(メタ)アクリレート、2-ヘキサヒドロフタロイルエチル(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、3-ビニル安息香酸、4-ビニル安息香酸等のエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する化合物などが挙げられる。
このような付加反応させる化合物の中でも、コスト及び/又は反応性の観点から、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、イソシアン酸エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、2-ヘキサヒドロフタロイルエチル(メタ)アクリレート等を用いて、(メタ)アクリル系樹脂と反応させ、感光性を付与することが好ましい。これらの化合物は、1種単独で又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。必要に応じて、付加反応を促進する触媒を添加、又は反応中の二重結合の開裂を避ける目的のために重合禁止剤を添加することもできる。また、感光性が付与された(メタ)アクリル系樹脂は、好ましくは、水酸基を含む(メタ)アクリル系樹脂と、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート及び2-アクリロイルオキシエチルイソシアネートから選ばれる少なくとも1種との反応物である。
積層体前駆体における粘着層に含有されるアクリル系共重合体の含有量は、粘着層を構成する組成物100質量部に対して50質量部を超えていることが好ましい。
架橋剤は、(メタ)アクリル系樹脂に導入された水酸基、グリシジル基、及びアミノ基等から選ばれる少なくとも1種と、これらの官能基と反応し得る官能基を2つ以上有する化合物であり、その構造には制限はない。このような架橋剤で形成される結合としては、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、及びウレア結合などが挙げられる。
架橋剤は、2つ以上のイソシアネート基を有すイソシアネート化合物が好ましい。このようなイソシアネート化合物を用いることによって、(メタ)アクリル系樹脂に導入された水酸基、グリシジル基、アミノ基などと容易に反応し、強固な架橋構造を形成し、紫外線照射後に粘着層が脆くなることを抑制することができる。
2つ以上のイソシアネート基を有する架橋剤としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート、3-メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-2,4’-ジイソシアネート、リジンイソシアネート等のイソシアネート化合物などが挙げられる。
架橋剤は、上記イソシアネート化合物と、2つ以上の水酸基を有する多価アルコール類を反応させることで得られるイソシアネート含有オリゴマーを用いることもできる。このようなオリゴマーを得る場合に用いられる多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール等が挙げられる。
これらの中でも、架橋剤は、2つ以上のイソシアネート基を有する多官能イソシアネートと、3つ以上の水酸基を有する多価アルコールの反応物であることがより好ましい。このようなイソシアネート基含有オリゴマーを用いることで、粘着層が緻密な架橋構造を形成し、紫外線照射後に粘着層が脆くなることを抑制することができる。
積層体前駆体における粘着層に含有される架橋剤の含有量は、アクリル系共重合体100質量部に対して0.05~1.5質量部であることが好ましい。架橋剤の含有量が0.05質量部未満であると、紫外線照射後における粘着層が脆くなる原因となり得る。他方、架橋剤の含有量が1.5質量部を超えると、紫外線照射前における粘着層の粘着力が弱くなる傾向にあり、半導体チップを固定する力が不充分になり易い傾向にある。
光重合開始剤は、紫外線、電子線、及び可視光線から選択される1種以上の光の照射によって、アクリル系共重合体の連鎖重合を生じさせ得る活性種を発生するものであれば特に制限されず、例えば、光ラジカル重合開始剤であっても、光カチオン重合開始剤であってもよい。連鎖重合可能な活性種としては、上記アクリル系共重合体の官能基と反応することで重合反応が開始されるものであれば特に制限されない。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン等のベンゾインケタール;1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン等のα-ヒドロキシケトン;2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、1,2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン等のα-アミノケトン;1-[(4-フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタジオン-2-(ベンゾイル)オキシム等のオキシムエステル;ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド;2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体;ベンゾフェノン、N,N,N’,N-テトラメチル-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N-テトラエチル-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、4-メトキシ-4’-ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;2-エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ベンズアントラキノン、2-フェニルアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-メチルアントラキノン、1,4-ナフトキノン、9,10-フェナントラキノン、2-メチル-1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルアントラキノン等のキノン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル化合物;9-フェニルアクリジン、1,7-ビス(9、9’-アクリジニルヘプタン)等のアクリジン化合物;N-フェニルグリシン、クマリンなどが挙げられる。
2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体において、2つのトリアリールイミダゾール部位のアリール基の置換基は、同一で対称な化合物を与えてもよく、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また。ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン化合物と3級アミンとを組み合わせてもよい。
光カチオン重合開始剤としては、例えば、p-メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート等のアリールジアゾニウム塩;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等のジアリールヨードニウム塩;トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル-4-チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル-4-チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル-4-チオフェノキシフェニルスルホニウムペンタフルオロヒドロキシアンチモネート等のトリアリールスルホニウム塩;トリフェニルセレノニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルセレノニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルセレノニウムヘキサフルオロアンチモネート等のトリアリールセレノニウム塩;ジメチルフェナシルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジエチルフェナシルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のジアルキルフェナシルスルホニウム塩;4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4-ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のジアルキル-4-ヒドロキシ塩;α-ヒドロキシメチルベンゾインスルホン酸エステル、N-ヒドロキシイミドスルホネート、α-スルホニロキシケトン、β-スルホニロキシケトン等のスルホン酸エステルなどが挙げられる。これらのカチオン重合開始剤は、1種を単独で又は2種類以上組み合わせて用いてもよい。また、適切な増感剤と組み合わせて用いてもよい。
粘着層に厳しい絶縁性及び絶縁信頼性が必要な場合、光重合開始剤は、光ラジカル開始剤を用いることが好ましい。これらの中でも、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン等のベンゾインケタール;1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン等のα-ヒドロキシケトン;ベンゾフェノン、2-エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ベンズアントラキノン、2-フェニルアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-メチルアントラキノン、1,4-ナフトキノン、9,10-フェナントラキノン、2-メチル-1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルアントラキノン等のキノン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル化合物;9-フェニルアクリジン、1,7-ビス(9、9’-アクリジニルヘプタン)等のアクリジン化合物;N-フェニルグリシン、クマリンなどは、エキスパンドテープの保存安定性に優れるのでより好ましい。さらに、一般の紫外線遮光型蛍光灯の元での取り扱いが可能であり、イエロールーム等の設備が必要でないことから、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、又はベンゾフェノンがさらに好ましい。
積層体前駆体における粘着層に含有される光重合開始剤の含有量は、目的とする粘着層の厚さ及び/又は用いる光源によって最適値は異なるが、0.5~1.5質量部であることが好ましい。光重合開始剤の含有量が0.5質量部未満であると、紫外線照射後における剥離力が充分に低下せず、ピックアップ時に突き上げ量が低い場合に不具合が発生し易い傾向にある。光重合開始剤の含有量が1.5質量部を超えると、特性において利点はなく、不経済となる。
積層体前駆体における粘着層の厚さは、通常1~100μmであり、好ましくは2~50μm、より好ましくは5~40μmである。粘着層の厚さが1μm以上であると、半導体チップとの充分な粘着力を確保することができるため、テープエキスパンド工程の際に半導体のチップの飛散をより高度に防止することができる。一方、粘着層の厚さが100μmを超えると、特性において利点はなく、不経済となる。
積層体前駆体における粘着層の厚さが10μm以上、好ましくは20~50μm、より好ましくは30~50μmであると、ダイシングテープを用いずに、エキスパンドテープ上で半導体ウエハをダイシングしても基材フィルムにダメージ(切り込み等)が入らないため、準備工程において、ダイシングテープ上で半導体ウエハをダイシングしてエキスパンドテープに転写する(貼り付ける)工程を省略することができる。
積層体前駆体における粘着層は、紫外線照射工程を経由して、積層体における粘着層を形成することができる。
(エキスパンドテープの作製方法)
エキスパンドテープは、当技術分野で周知の技術に沿って製造することができる。例えば、以下の方法に従って製造することができる。保護フィルムの上に、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等によって粘着剤成分及び溶媒を含むワニスを塗工し、溶媒を除去することによって粘着層を形成する。具体的には、50~200℃、0.1~90分間の加熱を行うことが好ましい。各工程でのボイド発生又は粘度調整に影響がなければ、溶媒が1.5%以下となるまで揮発する条件とすることが好ましい。次いで、作製した粘着層付保護フィルムと基材フィルムとを、25~60℃の温度条件下で、粘着層と基材フィルムとが対向するように積層する。
エキスパンドテープは、保護フィルムを剥がして使用する。
保護フィルムとしては、例えば、A-63(東洋紡フイルムソリューション株式会社製、離型処理剤:変性シリコーン系)、A-31(東洋紡フイルムソリューション株式会社製、離型処理剤:Pt系シリコーン系)等が挙げられる。
保護フィルムの厚さは、作業性を損なわない範囲で適宜選択され、通常は、経済的観点から100μm以下であることが好ましい。上記保護フィルムの厚さは、より好ましくは10~75μm、さらに好ましくは25~50μmである。保護フィルムの厚さが10μm以上であると、エキスパンドテープの作製時にフィルムが破れる等の不具合が起こり難い。また、保護フィルムの厚さが75μm以下であると、エキスパンドテープの使用時に保護フィルムを容易に剥離することができる。
(キャリア)
キャリアは、転写時の温度及び圧力に耐えられること(チップが破損しないこと、チップ間隔が変わらないこと)、また、封止時の温度及び圧力にも耐えられることができれば特に制限されない。例えば、封止温度が100~200℃の場合、その温度領域に耐え得る耐熱性を有していることが好ましい。また、熱膨張率は、好ましくは100ppm/℃以下、より好ましくは50ppm/℃以下、さらに好ましくは20ppm/℃以下である。熱膨張率が大きいと半導体チップの位置ずれ等の不具合が発生し易い傾向にある。また、熱膨張率は、半導体チップよりも熱膨張率が小さいと歪み又は反りが生じるため、3ppm/℃以上であることが好ましい。
キャリアの材質としては、特に制限はないが、シリコン(ウエハ)、ガラス、SUS、鉄、Cu等の板、ガラスエポキシ基板などが挙げられる。
キャリアの厚さは、100~5000μmであってよく、好ましくは100~4000μm、より好ましくは100~3000μmである。キャリアの厚さが100μm以上であると、取り扱い性が向上する。キャリアの厚さは、厚くても格段の取り扱い性向上が見込めるわけではないことから、経済面を考慮して5000μm以下であってよい。
キャリアは、複数の層から構成されていてもよい。耐熱性及び取り扱い性を担う層に加えて、密着力制御を付与する観点から、粘着層又は仮固定材をラミネートした層があってもよい。密着力は半導体チップ又はエキスパンドテープの密着力を考慮して、適宜設定することができる。複数の層から構成される場合、その厚さは特に制限されないが、例えば、1~300μmであってよく、好ましくは1~200μmである。厚さが1μm以上であると、半導体チップとの充分な粘着力を確保することができる。一方、厚さが300μmを超えると、特性において利点がないことから、不経済となる。
[エキスパンドテープの製造方法]
一実施形態のエキスパンドテープの製造方法は、基材フィルムと、紫外線硬化型粘着剤を含む粘着層とを有する第1のエキスパンドテープに、紫外線を照射して、基材フィルムと、紫外線硬化型粘着剤の硬化物を含む粘着層とを有する第2のエキスパンドテープを得る工程を備える。第1のエキスパンドテープのピール強度は3.0N/25mm以上であり、第2のエキスパンドテープのピール強度は0.45N/25mm以下であり、引張伸びは40%以上である。当該エキスパンドテープの製造方法によって得られるエキスパンドテープは、第2のエキスパンドテープであり得る。第1のエキスパンドテープは、第2のエキスパンドテープの前駆体ということもできる。
第1のエキスパンドテープのピール強度、並びに第2のエキスパンドテープのピール強度及び引張伸びは、上記半導体装置の製造方法におけるエキスパンドテープのピール強度及び引張伸びの好ましい範囲と同様である。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
(アクリル樹脂溶液の調製)
スリーワンモータ、撹拌翼、及び窒素導入管が備え付けられた容量4000mLのオートクレーブに酢酸エチル1000g、2-エチルヘキシルアクリレート650g、2-ヒドロキシエチルアクリレート350g、及びアゾビスイソブチロニトリル3.0gを配合し、均一になるまで撹拌後、流量100mL/分にて60分間窒素バブリングを実施し、系中の溶存酸素を脱気した。1時間かけて60℃まで昇温し、昇温後4時間重合させた。その後1時間かけて90℃まで昇温し、更に90℃にて1時間保持後、室温に冷却した。次に酢酸エチルを1000g加えて撹拌し希釈した。これに重合禁止剤としてメトキノンを0.1g、ウレタン化触媒として、ジオクチルスズジラウレートを0.05g添加した後、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズMOI(登録商標))を100g加えた。70℃で6時間反応させた後、室温に冷却した。その後、酢酸エチルを加え、アクリル樹脂溶液中の不揮発分含有量が35質量%となるよう調整し、連鎖重合可能な官能基を有するアクリル樹脂溶液を得た。
このアクリル樹脂の酸価及び水酸基価を、JIS K0070に従って測定したところ、酸価は検出されず、水酸基価は121mgKOH/gであった。また、得られたアクリル樹脂溶液を60℃で一晩真空乾燥し、得られた固形分を全自動元素分析装置(エレメンタール株式会社製、varioEL)にて元素分析した。測定された窒素含有量から、アクリル樹脂に導入された2-メタクリロキシエチルイソシアネートの含有量を算出したところ、0.59mmol/gであった。また、SD-8022/DP-8020/RI-8020(東ソー株式会社製)を使用し、カラムには、Gelpack GL-A150-S/GL-A160-S(日立化成株式会社製)を用い、溶離液にテトラヒドロフランを用いてGPC測定をした結果、ポリスチレン換算重量平均分子量は42万であった。
[実施例1]
<エキスパンドテープの作製>
上記アクリル樹脂溶液(固形分:100質量部)に対し、架橋剤として多官能イソシアネート(東ソー株式会社製、コロネートL、固形分75%)を固形分として1質量部、光重合開始剤として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF株式会社製、イルガキュア184)を1質量部、さらに総固形分含有量が25質量%となるように2-ブタノンを加え、10分間均一に撹拌した。その後、得られた溶液を、保護フィルム(ピューレックス A31B 帝人株式会社製、厚さ38μm)の上に塗工し、70℃で10分間乾燥して、粘着層を形成した。この際、乾燥時の粘着層厚さを10μmとした。次いで、基材フィルム(厚さ100μm)を準備し、基材フィルムに粘着層面をラミネートし、得られたテープを40℃で3日間エージングした。このようにして、実施例1のエキスパンドテープを得た。
なお、上記基材フィルムとしては、ハイミラン1706(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製、アイオノマー樹脂)、エチレン・1-ヘキセン共重合体及びブテン・α-オレフィン共重合体、並びにハイミラン1706がこの順で積層された三層の樹脂フィルムを用いた。
また、粘着層及び保護フィルムと基材フィルムとは、40℃のロールラミネータでラミネートし、保護フィルム/粘着層/基材フィルムの順の構成とした。エキスパンドテープとして使用する際は、保護フィルムを剥がして使用した。
<半導体チップの作製(工程1)>
12インチのダイシングリングに貼り付けたダイシングテープ(TRO-9515、ツカサトレーディング株式会社)に50mm×50mmのシリコンウエハ(厚み200μm)を40℃で、ラミネート装置(V130、ニッコー・マテリアルズ株式会社製)を用いてラミネートし、1mm×1mmのサイズにブレードでダイシング装置(DFD3360、株式会社ディスコ製)を用いてダイシングし、個片化された半導体チップを得た。その後、UV露光機(ML-320FSAT、ミカサ株式会社製)を用いて、UV(紫外線)を300mJ照射して、ダイシングテープの密着力を下げた。
<ダイシングテープからエキスパンドテープAへの転写工程(工程2)>
8インチのダイシングリングにエキスパンドテープA(実施例1のエキスパンドテープ)を貼り付けた。エキスパンドテープA上に、上記の個片化された半導体チップを、ハンドローラーを用いて40℃のホットプレート上で転写した。転写後にダイシングテープを剥がしたものを、転写検討用のサンプルとした。
<エキスパンドテープAへのUV照射工程(工程3)>
工程2で転写したサンプルに、UV露光機(ML-320FSAT、ミカサ株式会社製)を用いて、UV(紫外線)を300mJ照射した。
<エキスパンドテープAからエキスパンドテープBへの転写工程(工程4)>
25℃において8インチリングにエキスパンドテープB(エキスパンドテープAとは異なるエキスパンドテープ(ピール強度(25℃):1N/25mm))を貼り付けた。エキスパンドテープB上に、工程3でUV照射したサンプルを、ハンドローラーを用いて40℃のホットプレート上で転写した。なお、本試験では、簡略化のため、工程3でUV照射したサンプルにおいて、半導体チップの間隔を拡幅することを省略した。
<エキスパンドテープAの剥離工程(工程5)>
工程4における転写後、エキスパンドテープAのみを剥離し、エキスパンドテープBに半導体チップが配列した、エキスパンドテープAに由来する糊残りの観察用サンプルを得た。
[実施例2~5及び比較例1]
架橋剤及び光重合開始剤の含有量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2~5及び比較例1のエキスパンドテープを得た。実施例2~5及び比較例1のエキスパンドテープを用いて、実施例1と同様の工程1~5を実施した。
<評価方法>
(ピール強度評価)
実施例1~5及び比較例1のエキスパンドテープのSUSに対するピール強度を、UV照射前のサンプル及びUV照射後のサンプルを用いて、以下の方法で測定した。厚さ0.5mmのSUSに、ラミネータGK-13DX(株式会社ラミーコーポレーション製)を用いて、ラミネート温度40℃でエキスパンドテープを貼り付けたものを2つ用意した。その中の1つはUV照射前サンプルとしそのまま測定に用いた。もう1つは、UV露光機(ML-320FSAT、ミカサ株式会社製)を用いて、エキスパンドテープに、紫外線(紫外線波長:365nm、照度:14mW/cm、露光量:300mJ/cmの条件)を照射し、これをUV照射後サンプルとした。UV照射前サンプル及びUV照射後サンプルについて、それぞれJIS C 5016(1994-導体の引きはがし強さ)に準拠した方法でピール強度(測定温度:25℃)を測定した。結果を表1に示す。
(引張伸び評価)
実施例1~5及び比較例1のエキスパンドテープの引張伸びを、UV照射後のサンプルを用いて、以下の方法で測定した。厚さ0.5mmのSUSに、ラミネータGK-13DX(株式会社ラミーコーポレーション製)を用いて、幅25mm長さ50mmに切り取ったエキスパンドテープをラミネート温度40℃で貼り付けた。UV露光機(ML-320FSAT、ミカサ株式会社製)を用いて、エキスパンドテープに、紫外線(紫外線波長:365nm、照度:14mW/cm、露光量:300mJ/cmの条件)を照射し、ピンセットを用いてSUSから剥がしたものを引張伸び測定用サンプルとした。
引張伸び測定用サンプルを、床置形精密万能試験機AG-Xplus(株式会社島津製作所製)及び恒温試験装置TCLN系(株式会社島津製作所製)を用いて、チャック間20mm、測定温度50℃、及び引張速度1mm/sの条件にて引っ張り、以下の式に基づいて引張伸びを求めた。
引張伸び(%)=粘着層が破断するまでの距離(mm)/チャック間距離(20mm)×100
(ダイシングテープからエキスパンドテープAへの転写率の評価)
ダイシングテープから、エキスパンドテープA(実施例1~5及び比較例1のエキスパンドテープ)に転写した際の転写率は、上記工程2の後において、目視で転写残りの半導体チップを数えることで評価した。半導体チップが100%転写されていた場合を「A」、半導体チップの転写残りがあった場合を「B」と評価した。
(エキスパンドテープAからエキスパンドテープBへの転写率の評価)
エキスパンドテープA(実施例1~5及び比較例1のエキスパンドテープ)から、エキスパンドテープBに転写した際の転写率は、上記工程4の後において、目視で転写残りの半導体チップを数えることで評価した。半導体チップが100%転写されていた場合を「A」、半導体チップの転写残りがあった場合を「B」と評価した。
(エキスパンドテープ由来の糊残りの評価)
エキスパンドテープA(実施例1~5及び比較例1のエキスパンドテープ)の半導体チップへの糊残りは、上記工程5の後において、目視で糊残りの半導体チップを数えることで評価した。半導体チップに糊残りがなかった場合を「A」、半導体チップに糊残りがあった場合を「B」と評価した。
Figure 2022030091000002
表1に示すとおり、実施例1~5のエキスパンドテープを用いることによって、半導体チップにおけるエキスパンドテープに由来する糊残りが抑えられていた。これらの結果から、本発明の半導体装置の製造方法が、半導体チップを小型化した場合であっても、半導体チップにおけるエキスパンドテープに由来する糊残りが充分に抑制されることが確認された。
1…エキスパンドテープ、1a…粘着層、1b…基材フィルム、2…半導体チップ、3…パッド(回路)、4…固定用ジグ、5…キャリア、6…積層体前駆体、8…積層体、10…半導体装置。

Claims (6)

  1. 半導体チップを有する半導体装置の製造方法であって、
    エキスパンドテープ及び前記エキスパンドテープ上に固定された複数の半導体チップを備える積層体であって、複数の前記半導体チップの間隔が拡幅されている積層体を準備する準備工程と、
    キャリアに、複数の前記半導体チップの、前記エキスパンドテープ上に固定された面とは反対側の面が固定化されるように転写する転写工程と、
    を備え、
    前記エキスパンドテープのピール強度が0.45N/25mm以下であり、引張伸びが40%以上である、
    半導体装置の製造方法。
  2. 前記エキスパンドテープが、基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられた、紫外線硬化型粘着剤の硬化物を含む粘着層とを有する、
    請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. ピール強度が0.45N/25mm以下であり、引張伸びが40%以上である、
    エキスパンドテープ。
  4. 基材フィルムと、紫外線硬化型粘着剤の硬化物を含む粘着層とを有する、
    請求項3に記載のエキスパンドテープ。
  5. エキスパンドテープの製造方法であって、
    基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられた、紫外線硬化型粘着剤を含む粘着層とを有する第1のエキスパンドテープに、紫外線を照射して、基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられた、紫外線硬化型粘着剤の硬化物を含む粘着層とを有する第2のエキスパンドテープを得る工程を備え、
    第1のエキスパンドテープのピール強度が3.0N/25mm以上であり、
    第2のエキスパンドテープのピール強度が0.45N/25mm以下であり、引張伸びが40%以上である、
    エキスパンドテープの製造方法。
  6. 請求項5に記載のエキスパンドテープの製造方法に用いられる第1のエキスパンドテープであって、
    ピール強度が3.0N/25mm以上である、
    第1のエキスパンドテープ。
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