JP2022024901A - ワイヤハーネス - Google Patents

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雄治 岡本
Yuji Okamoto
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Abstract

【課題】水切り部の変形を抑制できるワイヤハーネスを提供する。【解決手段】ワイヤハーネス10は、コネクタ11を保持した筐体12と、一方の端部がコネクタ11に電気的に接続された電線13f~13iとを備えている。電線13f~13iは、電線13f~13iが折り返された折り返し点P6~P9を有する。ワイヤハーネス10は、各電線13f~13iにおける折り返し点P6~P9よりも電線13f~13iの中心軸線に沿ってコネクタ11から離れた部分に電線13f~13iに対して相対移動不能に装着され、かつ筐体12に固定された固定部材50を備えている。【選択図】図4

Description

本開示は、ワイヤハーネスに関するものである。
従来、ワイヤハーネスには、コネクタを保持する筐体と、一端部が当該コネクタに電気的に接続された電線とを備えたものがある。このようなワイヤハーネスは、例えば自動車等の車両において電線の表面に水滴が付着する場所に配置されることがある。そのため、当該ワイヤハーネスは、例えば特許文献1に記載されているように、水滴が電線を伝ってコネクタに至ることを抑制するための水切り部を備えることがある。
特許文献1に記載されたワイヤハーネスは、コネクタを保持する筐体と、電線側コネクタが一方の端部に電気的に接続された電線とを備えている。電線は、電線側コネクタがコネクタに電気的に接続されることにより、電線側コネクタを介してコネクタに電気的に接続される。筐体は、電線が引っ掛けられるフック部を有する。フック部は、環状の一部が途切れた形状をなしている。コネクタに電気的に接続された電線側コネクタから延びる電線は、コネクタよりも下方に位置するフック部に1度引っ掛けられた後に、フック部よりも下方で上方に向けて折り返され、更に、再度同フック部に引っ掛けられている。これによりフック部の下方に形成された電線の輪が、水切り部として機能する。電線の表面に付着した水滴は、電線の表面を伝って水切り部に至った後、同水切り部における最下点から落下する。従って、電線に付着した水滴がコネクタに至ることが抑制されるため、コネクタと電線側コネクタとの電気的な接続部分の腐食などが抑制される。
特開2016-174516号公報
ところで、特許文献1に記載されたワイヤハーネスにおいては、水切り部は、電線をフック部に2回引っ掛けることにより形成された電線の輪の部分である。このため、ワイヤハーネスの運搬時や、ワイヤハーネスを車体に組み付ける際に、水切り部が周囲の物体に引っ掛かると、フック部から電線が外れるおそれがある。すると、水切り部が変形してしまうため、水切り性能を十分に発揮できなくなることが懸念される。
本開示の目的は、水切り部の変形を抑制できるワイヤハーネスを提供することにある。
本開示のワイヤハーネスは、コネクタを保持した筐体と、一方の端部が前記コネクタに電気的に接続された電線と、を備えたワイヤハーネスであって、前記電線は、当該電線が折り返された折り返し点を有し、前記電線における前記折り返し点よりも当該電線の中心軸線に沿って前記コネクタから離れた部分に当該電線に対して相対移動不能に装着され、かつ前記筐体に固定された固定部材を備えたワイヤハーネスである。
本開示のワイヤハーネスによれば、水切り部の変形を抑制できる。
図1は、一実施形態におけるワイヤハーネスの斜視図である。 図2は、一実施形態におけるワイヤハーネスの分解斜視図である。 図3は、一実施形態におけるワイヤハーネスの分解斜視図である。 図4は、一実施形態におけるワイヤハーネスの正面図である。 図5は、一実施形態におけるワイヤハーネスの背面図である。 図6は、一実施形態におけるワイヤハーネスの断面図である。 図7は、一実施形態におけるワイヤハーネスの分解斜視図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のワイヤハーネスは、
[1]コネクタを保持した筐体と、一方の端部が前記コネクタに電気的に接続された電線と、を備えたワイヤハーネスであって、前記電線は、当該電線が折り返された折り返し点を有し、前記電線における前記折り返し点よりも当該電線の中心軸線に沿って前記コネクタから離れた部分に当該電線に対して相対移動不能に装着され、かつ前記筐体に固定された固定部材を備えたワイヤハーネスである。
この構成によれば、折り返し点が、当該折り返し点を有する電線が電気的に接続されたコネクタよりも鉛直方向において下方に位置するようにワイヤハーネスが配置されると、当該電線の表面に付着した水滴は、当該電線の表面上を伝って下方に移動していく。そして、当該水滴は、当該電線における折り返し点付近で当該電線から離れて落下する。このように、電線におけるコネクタと固定部材との間の部分が、電線に付着した水滴がコネクタに至ることを抑制する水切り部として機能する。
そして、電線に装着された固定部材は、当該電線と相対移動不能である。更に、固定部材は、筐体に固定されているため、筐体に対する相対移動が抑制されている。このため、ワイヤハーネスの運搬時や、ワイヤハーネスを車体に組み付ける際に、電線におけるコネクタと固定部材との間の部分、即ち水切り部に周囲の物体が引っ掛かったとしても、電線における水切り部を構成する部分の長さが変化したり、電線における筐体に固定される部分が筐体に対して相対移動したりすることが抑制される。従って、水切り部の変形を抑制できる。
[2]前記筐体は、前記コネクタを複数保持しており、それぞれ異なる前記コネクタに一方の端部が電気的に接続された複数の前記電線と、前記複数の電線のうち少なくとも2本の前記電線を一括して囲む環状の外装部材と、を備え、前記外装部材に囲まれた複数の前記電線のうち少なくとも2本の前記電線は、前記折り返し点をそれぞれ有し、前記固定部材は、前記外装部材の上から前記外装部材の内側に位置する前記電線に装着されていることが好ましい。
この構成によれば、外装部材の上から固定部材を装着することにより、外装部材の内側に位置し折り返し点を有する複数本の電線を一括して筐体に固定できる。そして、当該固定部材が筐体に固定されることにより、折り返し点を有する複数本の電線について水切り部の変形を一括して抑制できる。従って、折り返し点を有する電線の各々に固定部材を装着してそれら固定部材を筐体に固定する場合に比べて、部品点数を低減できるとともに、ワイヤハーネスの製造を容易にできる。
[3]前記外装部材は、複数の前記電線が前記外装部材の内側から外側に出て分岐する導出口を有し、前記外装部材に囲まれた複数の前記電線は、各前記電線における前記導出口から各前記電線に対応する前記コネクタの方へ延びる部分に、前記折り返し点をそれぞれ有することが好ましい。
この構成によれば、外装部材に囲まれた全ての電線について、水切り部の変形を一括して抑制できる。また、外装部材に囲まれた複数の電線は、各電線における外装部材の外側に位置する部分であって複数の電線が分岐した部分に折り返し点を有する。そのため、外装部材に囲まれた複数の電線が、各電線における外装部材の内側に位置する部分に折り返し点を有する場合に比べて、各電線における折り返し点付近の部分を曲げやすい。その結果、外装部材に囲まれた複数の電線の各々に水切り部を容易に設けることができるとともに、固定部材を筐体に固定しやすくなる。
[4]前記電線における前記一方の端部から前記折り返し点までの部分は、前記固定部材の外側に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、電線におけるコネクタ側の一方の端部から折り返し点までの部分に、当該電線における折り返し点から固定部材までの部分が接触するように、当該電線を曲げなくてもよい。従って、電線に水切り部を形成するために当該電線を変形させる際に要する力を小さく抑えることができる。その結果、電線に水切り部をより容易に設けることができるとともに、固定部材を筐体により固定しやすくなる。
[5]前記複数の電線のうちの少なくとも2本の電線を束ねた電線束を複数有し、前記固定部材は、複数の前記電線束のうち1つの電線束を構成する前記電線に装着され、複数の前記電線束は、前記電線の中心軸線に沿った前記コネクタからの距離が、前記電線の中心軸線に沿った前記コネクタから前記固定部材までの距離よりも長い位置で一括して束ねられていることが好ましい。
この構成によれば、複数の電線束のうち1つの電線束が固定部材によって筐体に固定されることにより、他の電線束を構成する電線も筐体に対して相対移動し難くなる。従って、他の電線束を構成する電線が水切り部を有する場合、当該水切り部の変形も抑制できる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以下、ワイヤハーネスの一実施形態について説明する。
図1に示すように、ワイヤハーネス10は、コネクタ11を保持した筐体12と、コネクタ11に電気的に接続された電線13を有する電線部14とを備えている。ワイヤハーネス10は、車両に搭載された電気機器同士を電気的に接続するためのものである。
なお、各図に示される座標軸において、Z方向は、筐体12の高さ方向を示す。本実施形態では、便宜的に、順Z方向を上方向、逆Z方向を下方向とする。X方向は、筐体12の高さ方向と垂直をなす同筐体12の幅方向を示す。また、Y方向は、Z方向及びX方向と垂直に交差する方向を示す。本実施形態では、便宜的にY方向を前後方向とする。そして、順Y方向が前方向、逆Y方向が後方向を示す。また、筐体12をY方向に見た場合の左方向が順X方向に該当するとともに、同場合の右方向が逆X方向に該当する。因みに、Z方向、Y方向、及びX方向は、本実施形態の方向に限られるものではなく、ワイヤハーネス10の仕様や車体に対するワイヤハーネス10の姿勢などにより適宜変更される。また、各図における各種寸法は、模式的に示されたものであり、適宜変更され得る。
(筐体12)
図2及び図3に示すように、筐体12は、筒状をなす外枠部21と、外枠部21の内側に設けられた複数の収容部22とを有する。外枠部21は、Y方向に延びる四角筒状をなしている。外枠部21の内側には、外枠部21の内側の空間を複数に仕切る隔壁23が設けられている。隔壁23は、Y方向に延びる板状をなしている。本実施形態では、隔壁23によって、外枠部21の内側に7個の収容部22が形成されている。各収容部22は、Y方向の両端が開口している。
(コネクタ11)
本実施形態では、筐体12は、9個のコネクタ11を保持している。各収容部22に、9個のコネクタ11のうちの1個もしくは複数個のコネクタが配置されている。ここで、順Z方向における筐体12の端部に位置する3つの収容部22を、逆X方向に沿って順に収容部22a,22b,22cとする。また、収容部22b,22cの下方に位置する収容部22を収容部22dとする。更に、収容部22a,22dの下方であって逆Z方向における筐体12の端部に位置する3つの収容部22を、逆X方向に沿って順に収容部22e,22f,22gとする。
9個のコネクタ11を、コネクタ11a~11iとする。収容部22aには、コネクタ11aが収容されている。収容部22bには、コネクタ11bが収容されている。収容部22cには、コネクタ11cが収容されている。収容部22dには、コネクタ11d及びコネクタ11eが収容されている。収容部22eには、コネクタ11fが収容されている。収容部22fには、コネクタ11gが収容されている。収容部22gには、コネクタ11hが収容されている。コネクタ11a~11hは、各々が収容される収容部22に対し順Y方向に沿って挿入されている。
また、コネクタ11iは、外枠部21の外周面に固定されている。外枠部21における逆Z方向の端部の外側面には、コネクタ固定部24が設けられている。コネクタ11iは、このコネクタ固定部24に固定されている。
各コネクタ11a~11iには、対応する相手側コネクタ31a~31iが電気的に接続される。コネクタ11aには、相手側コネクタ31aが逆Y方向から接続される。コネクタ11aは、図示しない接続端子を有するとともに、相手側コネクタ31aは、図示しない接続端子を有する。コネクタ11aに相手側コネクタ31aが差し込まれることにより接続されると、コネクタ11aの接続端子と相手側コネクタ31aの接続端子とが電気的に接続される。即ち、コネクタ11aと相手側コネクタ31aとが電気的に接続される。コネクタ11bと相手側コネクタ31b、コネクタ11cと相手側コネクタ31c、コネクタ11dと相手側コネクタ31d、コネクタ11eと相手側コネクタ31e、コネクタ11fと相手側コネクタ31fについても同様にして電気的に接続される。更に、コネクタ11gと相手側コネクタ31g、コネクタ11hと相手側コネクタ31h、コネクタ11iと相手側コネクタ31iについても同様にして電気的に接続される。なお、各相手側コネクタ31a~31iは、それぞれ異なる図示しない電線の一方の端部に電気的に接続されるものである。当該電線の他方の端部は、車両に搭載される各種電気機器や電気接続箱に電気的に接続される。
(電線部14)
図1及び図2に示すように、電線部14は、本実施形態では9本の電線13を有する。各電線13は、本実施形態では、導電性の芯線と、同芯線の外周を被覆する絶縁被膜とを有する被覆電線である。9本の電線13のうち電線13aの一方の端部は、コネクタ11aに電気的に接続されている。ここで、9本の電線13を、電線13a~13iとする。例えば、電線13aの芯線が、電線13aの一方の端部において、コネクタ11aの接続端子に電気的に接続されることにより、電線13aの一方の端部がコネクタ11aに電気的に接続されている。そして、電線13aは、コネクタ11aにおける逆Y方向側の端部から引き出されている。9本の電線13のうち残りの電線13b~13iについても同様にして対応するコネクタ11b~11iに電気的に接続されている。本実施形態では、電線13a~13iは、Y方向には、筐体12に対して逆Y方向側に位置する。なお、電線13a~13iの他方の端部は、車両に搭載される各種電気機器や電気接続箱に電気的に接続される。
9本の電線13のうち、コネクタ11a~11eに電気的に接続された電線13a~13eは、第1電線束41として束ねられている。また、コネクタ11a~11eの下方に位置するコネクタ11f~11iに電気的に接続された電線13f~13iは、第2電線束42として束ねられている。即ち、本実施形態の電線部14は、第1電線束41と第2電線束42とを有する。
第2電線束42は、第1外装部材43によって1つに束ねられている。第1外装部材43として、例えば、粘着テープを用いることができる。第1外装部材43は、電線13f~13iにおけるコネクタ11f~11iに接続された一方の端部から他方の端部側に離れた位置から、同電線13f~13iにおける他方の端部側の所定の位置にわたって電線13f~13iの外周を囲む筒状をなしている。第1外装部材43は、同第1外装部材43の一端に導出口44を有する。なお、第1外装部材43の一端は、同第1外装部材43の両端のうち、電線13f~13iの一方の端部に近い方の端である。電線13f~13iは、導出口44において第1外装部材43の内側から外側に出て分岐している。そして、電線13f~13iは、導出口44で分岐したのち、各電線13f~13iに対応するコネクタ11f~11i、即ち各電線13f~13iが接続されるコネクタ11f~11iまで別々に延びている。
電線部14は、第1電線束41と第2電線束42とを束ねる第2外装部材45を有する。第2外装部材45としては、例えば粘着テープを用いることができる。第2外装部材45は、第2電線束42における第1外装部材43が装着された部分と、電線13a~13eにおけるコネクタ11a~11eに接続された一方の端部から他方の端部側に離れた部分とを囲む筒状をなしている。因みに、電線13a~13eは、第2外装部材45によって束ねられて第1電線束41を構成している。第2外装部材45の一端は、電線13a~13eの一方の端部から他方の端部側に離れた位置に位置する。なお、第2外装部材45の一端は、同第2外装部材45の両端のうち、電線13a~13iの一方の端部に近い方の端である。第2外装部材45の一端は、導出口44よりも電線13f~13iの他端側に位置する。
第1外装部材43にて束ねられた第1電線束41と第2電線束42とは、第2外装部材45の一端で分岐している。かつ、第1電線束41は、第2外装部材45の一端で、電線13a~13eが分岐している。電線13a~13eは、第2外装部材45の一端で分岐したのち、各電線13a~13eが接続されるコネクタ11a~11eまで別々に延びている。
また、電線部14は、電線13a~13eの一部を第2電線束42に対して固定する第3外装部材46を有する。第3外装部材46として、例えば、粘着テープを用いることができる。第3外装部材46は、第1外装部材43の一端と第2外装部材45の一端との間で、電線13a~13e及び第2電線束42を囲む環状をなしている。なお、各電線13a~13iにおける第3外装部材46よりも順Z方向側の部分は、Z方向に沿って延びている。
図1及び図5に示すように、電線13a~13eの各々は、第3外装部材46によって第2電線束42に対して固定されることにより、各電線13a~13eにおける第3外装部材46よりも一方の端部側の部分がU字状、もしくはJ字状、もしくはV字状に折り返された形状に維持されている。電線13aに着目すると、同電線13aは、第2外装部材45の一端から逆Z方向に沿って第3外装部材46まで延びている。更に、電線13aは、逆X方向に見て(即ち図5に図示した状態)、第3外装部材46から順Y方向側に変位しつつ逆Z方向に延びている。即ち、図5においては、電線13aは、第3外装部材46から左斜め下方に延びている。その後、電線13aは、順Z方向側に折り返されてコネクタ11aまで延びている。このため、電線13aは、同電線13aにおける第3外装部材46からコネクタ11aまでの部分に、Z方向における電線13aの延びる向きが逆Z方向から順Z方向に変わる折り返し点P1を有する。即ち、折り返し点P1は、電線13aにおいて同電線13aがZ方向に折り返される位置である。電線13aにおいては、同電線13aにおけるコネクタ11aに電気的に接続された一方の端部から第3外装部材46までの間のU字状をなす部分が、水切り部15aである。
第1電線束41に含まれる残りの電線13b~13eについても同様に、順Y方向に変位しつつ、第3外装部材46から逆Z方向に延びた後に順Z方向に折り返されて対応するコネクタ11b~11eまで延びている。そして、電線13b~13eは、各々がZ方向に折り返された折り返し点P2~P5を有する。各電線13b~13eにおいては、各電線13b~13eにおける対応するコネクタ11b~11eに接続された一方の端部から第3外装部材46までの間のU字状、もしくはJ字状、もしくはV字状をなす部分が、水切り部15b~15eである。
(固定部材50及び被固定部61)
図4、図6及び図7に示すように、ワイヤハーネス10は、第2電線束42を筐体12に固定する固定部材50を有する。筐体12は、固定部材50が固定される被固定部61を有する。なお、固定部材50の説明をする上で、Z方向、Y方向、X方向と述べた場合には、固定部材50が筐体12に固定された状態におけるZ方向、Y方向、X方向を意味する。
被固定部61は、外枠部21における逆X方向の端部に一体に設けられている。被固定部61は、外枠部21における逆X方向の端部から逆Y方向に延出されている。被固定部61は、外枠部21における逆X方向の端部から逆Y方向に延出された板状をなす第1支持部62と、第1支持部62における逆Z方向の端部に一体に設けられた第2支持部63とを有する。第2支持部63は、第1支持部62よりもX方向の厚さが厚い。そして、第2支持部63は、第1支持部62よりも逆X方向に突出している。
第1支持部62は、同第1支持部62の先端から順Y方向に切り欠かれた挿入凹部64を有する。挿入凹部64は、第1支持部62をX方向に貫通するとともに、逆Y方向に開口している。挿入凹部64の底面には、Y方向と垂直な平面状をなす位置決め面65が設けられている。また、被固定部61は、挿入凹部64を跨ぐように設けられた抜け止め部66を有する。抜け止め部66は、第1支持部62の先端部から逆X方向に突出した後、屈曲して第2支持部63まで逆Z方向に沿って延びている。そして、Z方向における挿入凹部64の両側で、第1支持部62と抜け止め部66とがX方向に対向して重なっている。抜け止め部66は、弾性変形可能である。
固定部材50は、被固定部61に固定される固定部51と、固定部51を第2電線束42に装着する装着部52とを有する。固定部51及び装着部52は、絶縁性の樹脂材料よりなる。本実施形態では、固定部51と装着部52とは一体に形成されている。
固定部51は、直方体状をなす基部53を有する。基部53における順X方向側の側面には、固定筒部54が設けられている。固定筒部54は、基部53に一体に設けられている。固定筒部54は、同固定筒部54をX方向に貫通した貫通孔55を有する。
固定筒部54における順X方向側の側面から装着部52が帯状に延びている。装着部52は、第1外装部材43における導出口44と第3外装部材46との間の部分に巻き付けられている。装着部52は、第1外装部材43の外周を一回りした後に、貫通孔55を順Y方向に貫通している。固定筒部54は、貫通孔55の内周面から同貫通孔55の内側に突出した固定片56を有する。貫通孔55の内部に位置する装着部52は、固定片56に引っ掛かっている。固定片56は、貫通孔55の内部で装着部52が順Y方向に移動することを許容する一方、貫通孔55の内部で装着部52が逆Y方向に移動することを阻止する。即ち、固定片56は、装着部52による第2電線束42の締め付けを強める方向の装着部52の移動を許容する一方、装着部52による第2電線束42の締め付けを弱める方向の装着部52の移動を阻止する。固定部材50は、装着部52が第2電線束42の外周に巻き付けられることにより第2電線束42に固定されている。更に、固定部材50は、第1外装部材43の上から電線13f~13iに対して相対移動不能に固定されている。
なお、図5に示すように、第1電線束41と第2電線束42とは、電線13a~13iの中心軸線L1~L9に沿ったコネクタ11a~11iからの距離が、電線13a~13iの中心軸線L1~L9に沿ったコネクタ11a~11iから装着部52までの距離よりも長い位置で、第2外装部材45によって一括して束ねられている。図5においては、紙面手前側の電線13に隠れた紙面奥側の電線13aの中心軸線L1は、二点鎖線で図示している。
ワイヤハーネス10を製造する際には、固定部材50を、第2電線束42における固定部材50を装着する装着位置に案内する治具が用いられる。固定部材50は、治具に案内された位置で第2電線束42に装着されることにより、予め設定された装着位置に装着される。
図4、図6及び図7に示すように、基部53における逆X方向側の側面には、同側面から逆X方向に突出した規制凸部57が設けられている。規制凸部57は、基部53における逆X方向側の側面上で、当該側面の順Y方向の端部に沿ってZ方向に延びている。規制凸部57の突出方向の高さ、即ち逆X方向の高さは、逆Y方向に向かうほど高くなっている。本実施形態では、規制凸部57は、Z方向から見ると、逆Y方向側の端に向かうほど基部53における逆X方向側の側面からの突出量が多くなる三角形状をなしている。規制凸部57における逆Y方向側の側面には、Z方向と平行をなすとともに、Z方向から見てX方向に沿った平面状をなす抜け止め面58が設けられている。また、基部53における順Y方向側の側面には、Y方向と垂直をなす当接面59が設けられている。
固定部材50を被固定部61に固定するときには、抜け止め面58が被固定部61と反対側を向いた状態で、順Y方向に沿って挿入凹部64に固定筒部54を挿入しつつ、第1支持部62と抜け止め部66との間に基部53を順Y方向に沿って挿入する。このとき、規制凸部57は、抜け止め部66を弾性変形させながら順Y方向に移動される。Y方向において、規制凸部57が、抜け止め部66と位置決め面65との間に配置されると、抜け止め部66が原形に復帰するとともに、抜け止め面58が抜け止め部66とY方向に対向する。これにより、固定部材50は、被固定部61、即ち筐体12に固定される。
被固定部61に固定部51が固定された状態においては、当接面59と位置決め面65とが、被固定部61への固定部51の挿入方向に当接可能に対向している。当接面59が位置決め面65に当接することにより、被固定部61への固定部51の挿入方向に固定部51がそれ以上移動することが阻止される。また、抜け止め面58が抜け止め部66に当接することにより、被固定部61から固定部51が抜け出ることが抑制される。また、同状態においては、第1支持部62と抜け止め部66との間に基部53が挟持されている。このため、第1支持部62と抜け止め部66とによって、被固定部61に対する固定部51のX方向の移動が規制される。
図1及び図5に示すように、第2電線束42に装着された固定部材50が筐体12に固定されることにより、電線13f~13iは、各電線13f~13iにおける固定部材50よりも一方の端部側の部分がU字状、もしくはJ字状、もしくはV字状に折り返された形状に維持されている。電線13fに着目すると、同電線13fは、第1外装部材43の内部を装着部52から導出口44まで逆Z方向に沿って延びている。更に、電線13fは、X方向から見て、導出口44から第1外装部材43の外側に出て順Y方向側に変位しつつ逆Z方向に延びている。即ち、図5においては、電線13fは、導出口44から左斜め下方に延びている。その後、電線13fは、順Z方向側に折り返されてコネクタ11fまで延びている。このため、電線13fは、同電線13fにおける固定部材50の装着部52からコネクタ11fまでの部分に、Z方向における電線13fの延びる向きが逆Z方向から順Z方向に変わる折り返し点P6を有する。即ち、折り返し点P6は、電線13fにおいて同電線13fがZ方向に折り返される位置である。本実施形態では、電線13fは、電線13fにおける導出口44から当該電線13fに対応するコネクタ11fの方へ延びる部分に、折り返し点P6を有する。そして、固定部材50は、電線13fにおける折り返し点P6よりも当該電線13fの中心軸線L6に沿ってコネクタ11fから離れた部分に当該電線13fに対して相対移動不能に装着されている。電線13fにおいては、同電線13fにおけるコネクタ11fに電気的に接続された一方の端部から固定部材50までの間のU字状をなす部分が、水切り部15fである。そして、電線13fにおけるコネクタ11f側の一方の端部から折り返し点P6までの部分は、固定部材50の外側、即ち装着部52の外側に配置されている。更に、本実施形態では、電線13fにおけるコネクタ11f側の一方の端部から折り返し点P6までの部分は、装着部52から離れた位置に配置されている。
第2電線束42に含まれる残りの電線13g~13iについても同様に、順Y方向に変位しつつ、導出口44から逆Z方向に延びた後に順Z方向に折り返されて対応するコネクタ11g~11iまで延びている。そして、電線13g~13iは、各電線13g~13iがZ方向に折り返された折り返し点P7~P9を有する。本実施形態では、電線13g~13iの各々は、各電線13g~13iにおける導出口44から対応するコネクタ11g~11iの方へ延びる部分に、折り返し点P7~P9を有する。固定部材50は、電線13g~13iにおける折り返し点P7~P9よりも各電線13g~13iの中心軸線L7~L9に沿ってコネクタ11g~11iから離れた部分に各電線13g~13iに対して相対移動不能に装着されている。図5においては、紙面手前側の電線13に隠れた紙面奥側の電線13hの中心軸線L8は、二点鎖線で図示している。各電線13g~13iにおいては、各電線13g~13iにおける対応するコネクタ11g~11iに接続された一端から固定部材50までの間のU字状、もしくはJ字状、もしくはV字状をなす部分が、水切り部15g~15iである。そして、各電線13g~13iにおけるコネクタ11g~11i側の一方の端部から折り返し点P7~P9までの部分は、固定部材50の外側、即ち装着部52の外側に配置されている。更に、本実施形態では、各電線13g~13iにおけるコネクタ11g~11i側の一方の端部から折り返し点P7~P9までの部分は、装着部52から離れた位置に配置されている。
本実施形態の作用について説明する。
ワイヤハーネス10は、コネクタ11fよりも折り返し点P6が車両の上下方向において下方に位置するように車体に組み付けられる。同様に、ワイヤハーネス10は、電線13a~13e,13g~13iの各々において、折り返し点P1~P5,P7~P9が、折り返し点P1~P5,P7~P9を有する電線13a~13e,13g~13iがそれぞれ接続されたコネクタ11a~11e,11g~11iよりも車両の上下方向において下方に位置するように車体に組み付けられる。例えば、順Z方向が車両の上方向に沿うとともに逆Z方向が車両の下方向に沿うようにワイヤハーネス10が同車両の車体に組み付けられると、同車両が水平面に停車している場合、Z方向が鉛直方向に概ね一致する。この場合、順Z方向は鉛直方向上向きに概ね一致するとともに、逆Z方向は鉛直下向きに概ね一致する。そして、ワイヤハーネス10が車体に組み付けられた状態では、水切り部15a~15iは、下方に向けて突出するように湾曲した状態になる。
電線部14に雨水等の液体がかかったり、電線13a~13iの表面などに結露したりすることにより、電線13a~13iの表面に水滴が付着することがある。第2電線束42においては、各電線13f~13iや第1外装部材43に付着した水滴は、各電線13f~13iの表面上を伝って下方に移動する。例えば、電線13fの表面に付着した水滴は、電線13fにおける折り返し点P6から同電線13fの一方の端部側の部分においても、電線13fにおける折り返し点P6から他方の端部側の部分においても、電線13fの表面上を伝って下方の折り返し点P6付近まで移動する。その後、当該水滴は、電線13fにおける折り返し点P6付近で電線13fから落下する。そのため、電線13fの表面に付着した水滴は、電線13fの表面上を伝ってコネクタ11fに至ることが抑制される。電線13g~13iの表面に水滴が付着した場合も同様に、各電線13g~13iの表面に付着した水滴は、各電線13g~13iの表面を伝って下方に移動した後、各電線13g~13iにおいて折り返し点P7~P9付近から落下する。このように、水切り部15f~15iにおいて、水切り機能が発揮される。
また、第1電線束41においても同様に、各電線13a~13eの表面に付着した水滴は、各電線13a~13eの表面上を伝って下方に移動する。そして、各電線13a~13eの表面に付着した水滴は、各電線13a~13eの表面を伝って下方に移動した後、各電線13a~13eにおいて折り返し点P1~P5付近から落下する。このように、水切り部15a~15eにおいて、水切り機能が発揮される。
また、ワイヤハーネス10においては、電線13f~13iを筐体12に固定する固定部材50は、抜け止め部66によって被固定部61から抜け出ることが抑制されている。更に、固定部材50は、固定部51が被固定部61に固定されることにより、筐体12に対して相対移動することが抑制されている。また、第2電線束42に装着された装着部52は、第2電線束42の外周を囲んだ状態で先端部が固定部51に固定されている。そして、装着部52は、装着部52による第2電線束42の締め付けを弱める方向の移動が固定部51によって阻止されている。このため、固定部材50は、第2電線束42に対して相対移動不能に装着されている。これらのことから、ワイヤハーネス10の運搬時や、ワイヤハーネス10を車体に組み付ける際に、水切り部15f~15iが周囲の物体に引っ掛かったとしても、電線13f~13iにおける水切り部15f~15iを構成する部分の長さが変わることが抑制される。
本実施形態の効果について説明する。
(1)ワイヤハーネス10は、コネクタ11f~11iを保持した筐体12と、一方の端部が対応するコネクタ11f~11iに電気的に接続された電線13f~13iとを備えている。電線13f~13iは、電線13f~13iが折り返された折り返し点P6~P9を有する。ワイヤハーネス10は、電線13f~13iにおける折り返し点P6~P9よりも電線13f~13iの中心軸線L6~L9に沿ってコネクタ11f~11iから離れた部分に当該電線13f~13iに対して相対移動不能に装着され、かつ筐体12に固定された固定部材50を備えている。
この構成によれば、折り返し点P6~P9が、当該折り返し点P6~P9を有する各電線13f~13iが電気的に接続されたコネクタ11f~11iよりも鉛直方向において下方に位置するようにワイヤハーネス10が配置されると、電線13f~13iの表面に付着した水滴は、電線13f~13iの表面上を伝って下方に移動する。そして、当該水滴は、当該電線13f~13iにおける折り返し点P6~P9付近で当該電線13f~13iから離れて落下する。このように、電線13f~13iにおけるコネクタ11f~11iと固定部材50との間の部分が、電線13f~13iに付着した水滴がコネクタ11f~11iに至ることを抑制する水切り部15f~15iになる。
そして、電線13f~13iに装着された固定部材50は、当該電線13f~13iと相対移動不能である。更に、固定部材50は、筐体12に固定されているため、筐体12に対する相対移動が抑制されている。このため、ワイヤハーネス10の運搬時や、ワイヤハーネス10を車体に組み付ける際に、電線13f~13iにおけるコネクタ11f~11iと固定部材50との間の部分、即ち水切り部15f~15iに周囲の物体が引っ掛かったとしても、電線13f~13iにおける水切り部15f~15iを構成する部分の長さが変化したり、電線13f~13iにおける筐体12に固定される部分が筐体12に対して相対移動したりすることが抑制される。従って、水切り部15f~15iの変形を抑制できる。その結果、水切り部15f~15iにおける水切り機能が損なわれることを抑制できる。
(2)筐体12は、複数のコネクタ11f~11iを保持している。ワイヤハーネス10は、それぞれ異なるコネクタ11f~11iに一方の端部が電気的に接続された複数の電線13f~13iと、電線13f~13iを一括して囲む環状の第1外装部材43と、を備えている。第1外装部材43に囲まれた電線13f~13iは、電線13f~13iが折り返された折り返し点P6~P9を有する。固定部材50は、第1外装部材43の上から第1外装部材43の内側に位置する電線に装着されている。
この構成によれば、第1外装部材43の上から固定部材50を装着することにより、第1外装部材43の内側に位置し折り返し点P6~P9を有する複数本の電線13f~13iを一括して筐体12に固定できる。そして、当該固定部材50が筐体12に固定されることにより、折り返し点P6~P9を有する複数本の電線13f~13iについて水切り部15f~15iの変形を一括して抑制できる。従って、折り返し点P6~P9を有する電線13f~13iの各々に固定部材50を装着してそれら固定部材50を筐体12に固定する場合に比べて、部品点数を低減できるとともに、ワイヤハーネス10の製造を容易にできる。
(3)第1外装部材43は、複数の電線13f~13iが第1外装部材43の内側から外側に出て分岐する導出口44を有する。第1外装部材43に囲まれた電線13f~13iの各々は、各電線13f~13iにおける導出口44から各電線13f~13iに対応するコネクタ11f~11iの方へ延びる部分に、折り返し点P6~P9を有する。
この構成によれば、第1外装部材43に囲まれた全ての電線13f~13iについて、水切り部15f~15iの変形を一括して抑制できる。また、第1外装部材43に囲まれた電線13f~13iは、各電線13f~13iにおける第1外装部材43の外側に位置する部分であって電線13f~13iが分岐した部分に折り返し点P6~P9を有する。そのため、第1外装部材43に囲まれた電線13f~13iが、各電線13f~13iにおける第1外装部材43の内側に位置する部分に折り返し点P6~P9を有する場合に比べて、各電線13f~13iにおける折り返し点P6~P9付近の部分を曲げやすい。その結果、第1外装部材43に囲まれた電線13f~13iの各々に水切り部15f~15iを容易に設けることができるとともに、固定部材50を筐体12に固定しやすくなる。
(4)各電線13f~13iにおけるコネクタ11f~11i側の一方の端部から折り返し点P6~P9までの部分は、固定部材50の外側に配置されている。
この構成によれば、各電線13f~13iにおけるコネクタ11f~11i側の一方の端部から折り返し点P6~P9までの部分に、電線13f~13iにおける折り返し点P6~P9から固定部材50までの部分が接触するように、電線13f~13iを曲げなくてもよい。従って、電線13f~13iに水切り部15f~15iを形成するために当該電線13f~13iを変形させる際に要する力を小さく抑えることができる。その結果、電線13f~13iに水切り部15f~15iをより容易に設けることができるとともに、固定部材50を筐体12により固定しやすくなる。
また、従来のワイヤハーネスのようにフック部に電線を2回引っ掛けることにより輪状の水切り部を設ける場合、電線の剛性を考慮して、電線においてフック部の下方で輪になる部分の長さをある程度長く確保することになる。すると、ワイヤハーネスの運搬時や、ワイヤハーネスを車体に組み付ける際に、水切り部が周囲の物体に引っ掛かりやすくなる。また、水切り部を形成するために電線を180°折り返して粘着テープで固定することも考えられる。この場合には、電線の剛性によって粘着テープが伸びてしまうことがあるため、更に結束バンドなどで電線における水切り部になる部分を固定することになる。そのため、水切り部の形成が煩雑になってしまう。しかしながら、本実施形態のワイヤハーネス10では、各電線13f~13iにおけるコネクタ11f~11i側の一方の端部から折り返し点P6~P9までの部分は、固定部材50の外側に配置されている。そのため、水切り部15f~15iは輪状にならない。従って、従来のような輪状の水切り部や、電線を180°折り返して形成される水切り部に比べて、各電線13f~13iにおける水切り部15f~15iを構成する部分の長さを短くできる。そのため、ワイヤハーネス10の運搬時や、ワイヤハーネス10を車体に組み付ける際に、水切り部15f~15iが周囲の物体に引っ掛かることを抑制できる。また、水切り部15f~15iを構成する電線13f~13iの部分に粘着テープ及び結束バンドを装着しなくてもよいため、ワイヤハーネス10の製造が煩雑になることを抑制できる。
(5)ワイヤハーネス10は、電線13a~13eを束ねた第1電線束41、及び電線13f~13iを束ねた第2電線束42の2つの電線束を有する。固定部材50は、2つの電線束のうち1つの第2電線束42を構成する電線13f~13iに装着されている。第1電線束41及び第2電線束42は、電線13a~13iの中心軸線L1~L9に沿ったコネクタ11a~11iからの距離が、電線13a~13iの中心軸線L1~L9に沿ったコネクタ11a~11iから固定部材50までの距離よりも長い位置で一括して束ねられている。
この構成によれば、2つの電線束41,42のうち1つの第2電線束42が固定部材50によって筐体12に固定されることにより、他の第1電線束41を構成する電線13a~13eも筐体12に対して相対移動し難くなる。従って、他の第1電線束41を構成する電線13a~13eが有する水切り部15a~15eの変形も抑制できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、第1電線束41を構成する全ての電線13a~13eが、折り返し点P1~P5を有する。更に、第2電線束42を構成する全ての電線13f~13iが、折り返し点P6~P9を有する。しかしながら、第1電線束41を構成する電線13a~13eは、必ずしも折り返し点P1~P5を備えなくてもよい。また、第2電線束42を構成する電線13f~13iのうち、少なくとも1本の電線13が折り返し点を有していればよい。
・第1電線束41を構成する電線13の本数、及び第2電線束42を構成する電線13の本数は、上記実施形態の本数に限らず、適宜変更してよい。
・上記実施形態では、第2電線束42を構成する電線13f~13iは、各電線13f~13iにおける導出口44から第1外装部材43の外側に出た部分に折り返し点P6~P9を有する。しかしながら、電線13f~13iは、第1外装部材43の内側に配置された部分に折り返し点P6~P9を備えてもよい。
・ワイヤハーネス10は、必ずしも第1外装部材43を備えなくてもよい。この場合、固定部材50は、例えば、装着部52が直接電線13f~13iに巻き付けられる。また、ワイヤハーネス10は、必ずしも第2外装部材45及び第3外装部材46を備えなくてもよい。
・上記実施形態では、ワイヤハーネス10は、9本の電線13を備えている。しかしながら、ワイヤハーネス10が備える電線13の本数は、筐体12に保持されるコネクタ11の数等に応じて適宜変更してよい。具体的には、ワイヤハーネス10は、少なくとも1本の電線13を備えていればよい。ワイヤハーネス10が電線13を1本のみ備える場合には、当該1本の電線13は、固定部材50が装着されるとともに、折り返し点及び水切り部を有する。また、ワイヤハーネス10が複数の電線13を備える場合には、複数の電線13のうちの少なくとも1本の電線13に固定部材50が装着されるとともに、固定部材50が装着された当該少なくとも1本の電線が折り返し点及び水切り部を有していればよい。
・固定部材50の形状は、上記実施形態の形状に限らない。固定部材50は、筐体12に固定される固定部と、同固定部を電線13に装着する装着部とを備えていればよい。また、固定部材50を筐体12に固定する方法は、上記実施形態の方法に限らない。例えば、固定部材50は、粘着テープよりなる装着部と、当該装着部によって電線13に固定される固定部とを有するものであってもよい。また例えば、固定部材50は、固定部として、筐体12に設けられた孔にスナップフィット係合されるピンを有するものであってもよい。また例えば、固定部材50は、固定部として、筐体12に設けられた孔に挿通されるとともに先端部がかしめられるピンを有するものであってもよい。また例えば、固定部材50は、孔を備えた固定部を有するものであってもよい。この場合、筐体12は、当該孔に挿通されて固定部に固定されるピンを有する。
・筐体12の形状は、上記実施形態の形状に限らない。筐体12の形状は、コネクタ11の数や、固定部材50の形状に応じて適宜変更してよい。
・上記実施形態のワイヤハーネス10においては、各電線13は、筐体12が保持するコネクタ11に直接電気的に接続されている。しかしながら、各電線13は、各電線13の一方の端部に電気的に接続された電線側コネクタが、筐体12に保持されたコネクタ11に電気的に接続されることにより、電線側コネクタを介してコネクタ11に電気的に接続されるものであってもよい。
10 ワイヤハーネス
11 コネクタ
11a~11i コネクタ
12 筐体
13 電線
13a~13i 電線
14 電線部
15a~15i 水切り部
21 外枠部
22 収容部
22a~22g 収容部
23 隔壁
24 コネクタ固定部
31a~31i 相手側コネクタ
41 第1電線束(電線束)
42 第2電線束(電線束)
43 第1外装部材(外装部材)
44 導出口
45 第2外装部材
46 第3外装部材
50 固定部材
51 固定部
52 装着部
53 基部
54 固定筒部
55 貫通孔
56 固定片
57 規制凸部
58 抜け止め面
59 当接面
61 被固定部
62 第1支持部
63 第2支持部
64 挿入凹部
65 位置決め面
66 抜け止め部
L1~L9 中心軸線
P1~P9 折り返し点

Claims (5)

  1. コネクタを保持した筐体と、
    一方の端部が前記コネクタに電気的に接続された電線と、を備えたワイヤハーネスであって、
    前記電線は、当該電線が折り返された折り返し点を有し、
    前記電線における前記折り返し点よりも当該電線の中心軸線に沿って前記コネクタから離れた部分に当該電線に対して相対移動不能に装着され、かつ前記筐体に固定された固定部材を備えたワイヤハーネス。
  2. 前記筐体は、前記コネクタを複数保持しており、
    それぞれ異なる前記コネクタに一方の端部が電気的に接続された複数の前記電線と、前記複数の電線のうち少なくとも2本の前記電線を一括して囲む環状の外装部材と、を備え、
    前記外装部材に囲まれた複数の前記電線のうち少なくとも2本の前記電線は、前記折り返し点をそれぞれ有し、
    前記固定部材は、前記外装部材の上から前記外装部材の内側に位置する前記電線に装着されている請求項1に記載のワイヤハーネス。
  3. 前記外装部材は、複数の前記電線が前記外装部材の内側から外側に出て分岐する導出口を有し、
    前記外装部材に囲まれた複数の前記電線は、各前記電線における前記導出口から各前記電線に対応する前記コネクタの方へ延びる部分に、前記折り返し点をそれぞれ有する請求項2に記載のワイヤハーネス。
  4. 前記電線における前記一方の端部から前記折り返し点までの部分は、前記固定部材の外側に配置されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネス。
  5. 前記複数の電線のうちの少なくとも2本の電線を束ねた電線束を複数有し、
    前記固定部材は、複数の前記電線束のうち1つの電線束を構成する前記電線に装着され、
    複数の前記電線束は、前記電線の中心軸線に沿った前記コネクタからの距離が、前記電線の中心軸線に沿った前記コネクタから前記固定部材までの距離よりも長い位置で一括して束ねられている請求項2、請求項3、及び、請求項2又は請求項3に従属する請求項4のいずれか1項に記載のワイヤハーネス。
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