JP2022014883A - 光ファイバ母材 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型化した光ファイバ母材において、コア部堆積用バーナのセット位置を調整することで、二酸化ゲルマニウムのようなドーパント原料の揮散を抑制して屈折率分布を好適にし、ゼロ分散波長などの光学特性を改善した光ファイバを提供する。【解決手段】光ファイバ母材のうち、屈折率の相対的に高いコア部と屈折率の相対的に低いクラッド部とを有する光ファイバ母材であって、前記コア部の中心と前記クラッド部との屈折率差の45%の値を持つ位置を前記コア部と前記クラッド部との境界rcore(mm)とし、前記クラッド部との屈折率差が最大値を与える半径位置rをrside(mm)としたとき、rside/rcoreが0.745~1.00となる。【選択図】 図3

Description

本発明は、線引きされることで光ファイバとなる光ファイバ母材に関する。
近年、データ通信量の増加に伴い光ファイバの需要が高まっており、増大する需要に応えるために光ファイバ母材の大型化が求められている。
通常の通信用の光ファイバは、屈折率の高いコア部とその外周に相対的に屈折率の低いクラッド部とからなっている。
光ファイバ用ガラス母材をVAD法によって製造する場合、コア部を堆積形成するためのコア部堆積用バーナと、コア部の外側にクラッド部を堆積形成するためのクラッド部堆積用バーナを用いて製造される。各バーナには、火炎形成用の可燃性ガスとともにガラス原料を供給し、バーナから噴出する火炎中で生成したガラス微粒子を堆積して光ファイバ用多孔質ガラス母材を製造する。作製した多孔質ガラス母材を塩素含有ガス雰囲気中で約1200℃に加熱することによって、そこに含まれる水分やOH基を除去し(脱水と称する)、更に不活性ガス雰囲気中で約1500℃に加熱することによって透明ガラス化して、光ファイバ用ガラス母材とされる。こうして作製した光ファイバ用ガラス母材を約2000℃に加熱して軟化させ、細径に延伸(線引きと称する)することによって、光ファイバを得ることができる。
光ファイバ母材の製造方法として、コア部とクラッド部の一部で構成されるコアガラスロッドを製造し、その外側に残りのクラッド部を付与して最終的な光ファイバ母材とする2段階で製造する方法が一般的である。
コアガラスロッドの製造方法の一つであるVAD法では、コア部を堆積形成するコア部堆積用バーナと、同時にその外側にクラッド部を堆積形成するクラッド部堆積用バーナを用いて製造される。各バーナには、火炎形成用の可燃性ガスとともにガラス原料を供給し、バーナから噴出する火炎中で生成したガラス微粒子を堆積してコアスート体を作製する。このとき、コア堆積用バーナにはドーパント原料も供給することによって、コア堆積用バーナから噴出する火炎ではドーパントを含んだガラス微粒子が生成する。
このコアスート体を、ヒータにより加熱処理することで不純物の除去および透明ガラス化が行われる。ここで、不純物の除去は、コアスート体を1000~1200℃程度の温度で加熱しながら塩素原子を含むガスを雰囲気ガス中に流すことで、不純物の金属元素や水酸基(OH基)が除去される。その後、ヒータ設定温度を1400~1500℃程度に上げて加熱処理を施し、コアスート体を透明ガラス化して透明なコアガラスロッドとされる。
その後、コアガラスロッドの外周に残りのクラッド部を付与して最終的な光ファイバ母材を作製する。この光ファイバ母材を約2000℃に加熱して軟化させ、細径に延伸すること(「線引き」と称する)によって光ファイバを得ることが出来る。なお、コアスート体を熱処理した際に、金属元素不純物や水酸基(OH基)が除去されずに残留していると、光ファイバの伝送損失増大の原因となる。
大型の光ファイバ母材を作製するには、VAD法で製造されるコアガラスロッドの大型化が図られる。コアガラスロッドの大型化の方法の1つは、コア堆積用バーナおよびクラッド堆積用バーナに供給する原料や可燃性ガスの流量を増加させることである。しかし、コアスート体の大型化、特に大径化によって、コアスート体の表面とコアスート体の中心部との距離が大きくなり、熱処理を行ったときにコアスート体の中心部の加熱が不十分になりやすい。コアスート体の中心部まで十分な加熱が施されないと、金属不純物やOH基の除去が不十分となり、光ファイバの伝送損失が増大する。
コアスート体の中心部まで十分な加熱を施すには、加熱時間を長くしたりヒータ設定温度を高めたりする必要がある。しかしながら、加熱時間を長くすると生産性が低下する。また、ヒータ設定温度を高くし過ぎると、処理中に、コア部の屈折率を上げるために添加した二酸化ゲルマニウムが揮散し易くなり、その結果、コア部とクラッド部の屈折率差が小さくなることで、目的とする光ファイバのゼロ分散波長などの光学特性が悪化する。
本発明はこの様な問題に鑑み、大型化した光ファイバ母材において、コア部堆積用バーナのセット位置を調整することで、二酸化ゲルマニウムのようなドーパント原料の揮散を抑制して屈折率分布を好適にし、ゼロ分散波長などの光学特性を改善した光ファイバを提供することを目的としている。
本発明はこのような問題点を解決した光ファイバ母材に関するもので、光ファイバ母材のうち、屈折率の相対的に高いコア部と屈折率の相対的に低いクラッド部とを有する光ファイバ母材であって、屈折率が相対的に高いコア部と相対的に低いクラッド部とを有し、コア部中心とクラッド部との屈折率差が45%の値を持つ位置をコア部とクラッド部との境界rcore(mm)とし、コア部のうち半径位置rが0.5rcoreから1.0rcoreの領域にある前記屈折率差が最大値を与える半径位置rをrside(mm)としたとき、rside/rcoreが0.745以上となることを特徴としている。
本発明による光ファイバ母材は、rside/rcoreが0.745以上であり、該母材を線引きして得られる光ファイバのゼロ分散波長を改善することができる。
合計3本のバーナでガラス微粒子堆積体を製造する様子を模式的に示した概略図である。 第1クラッド部堆積用バーナおよび第2クラッド部堆積用バーナの断面構造を示す概略図である。 光ファイバ母材の屈折率分布の屈折率差の基準を、実施例1を用いて説明する図である。
本発明は、鋭意研究の結果、キャリアガスと四塩化ケイ素の流量比を0.79未満、好ましくは0.39~0.73に調整し、シールガスと四塩化ケイ素の流量を2.7未満、好ましくは1.5~2.5に調整することにより、コア部中心とクラッド部との屈折率差が45%の値を持つ位置をコア部とクラッド部との境界rcore(mm)とし、コア部のうち半径位置rが0.5rcoreから1.0rcoreの領域にある前記屈折率差が最大値を与える半径位置rをrside(mm)とした場合に、rside/rcoreが0.745以上のとき、該母材を線引きして得られる光ファイバの光学特性が好ましいものとなることを見出してなるものである。なお、rside/rcoreの値が0.745未満では、ゼロ分散波長が1318.9nm以上となるため好ましくない。
なお、rside、rcoreは、以下の通りに定義している。
光ファイバ母材の外径の47.5%の位置のクラッド部の屈折率を屈折率差の基準(0.0)とし、さらにコア部中心でのクラッド部との屈折率差を屈折率比1.0とする。このとき屈折率比が0.45となる半径位置をコア部とクラッド部の境界と考え、この位置をコア半径rcore(mm)と定義する。また、コア部のうち半径位置rが0.5rcoreから1.0rcoreの範囲での最大値を与えるコア半径位置rをrside(mm)と定義している(図3参照)。
以下、図面に基づいて本発明の実施例、比較例を通して本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、様々な態様が可能である。
図1は、ガラス微粒子堆積体の製造中の様子を概略的に示している。最下方に描かれたコア部堆積用バーナ13には、四塩化ケイ素の他に四塩化ゲルマニウムなどのドーパント原料を同伴させるため、クラッド部堆積用バーナ14、15とは独立して設けられており、全体として複数のバーナを配置して、スートを製造することが多い。中心に位置する出発材にコア部を堆積させたのち、その上方に配置したクラッド部堆積用バーナでコア部の外側から覆うようにクラッド部を形成する。
[実施例1]
実施例1では、コア部堆積用バーナ13および、図2にその断面形状を示したバーナ20を第1クラッド部堆積用バーナ14と第2クラッド部堆積用バーナ15とする合計3本のバーナを用いて、以下の条件でコアスート体を製造した。
コア部堆積用バーナには同心円状の4重管バーナを用い、中心管に四塩化ケイ素0.32 L/分と四塩化ゲルマニウム15mL/分、およびキヤリアガスとしてアルゴン0.19L/分を流した。中心から2管目には水素6.2L/分を、3管目にはシールガスとしてアルゴン0.75L/分を、最外管には酸素10.2L/分を流した。ここで、キャリアガスとしてのアルゴンと四塩化ケイ素の流量比は0.59、シールガスとしてのアルゴンと四塩化ケイ素の流量比は2.3である。また、後述する比較例1と比べて、コア部堆積用バーナのスートからの水平方向の距離を1.0mm大きくしている。
第1クラッド部堆積用バーナのノズル21aには、四塩化ケイ素0.80L/分および酸素0.66L/分を流した。また、ノズル21dには水素32L/分、ノズル21fには酸素18L/分、小口径ノズル群21cには合計で酸素1.5L/分を流した。
一方、第2クラッド部堆積用バーナのノズル21aには、四塩化ケイ素4.8L/分および酸素3.6L/分の設定で、ノズル21dには水素65L/分、ノズル21fには酸素31L/分、小口径ノズル群21cには合計で酸素6.2L/分を流した。
製造したコアスート体の外径は230mmであった。これを、塩素ガスを含む炉心管内にて1200℃前後に加熱し、脱水処理を行った後、ヘリウムガスを含む炉心管内にて1550℃前後に加熱し透明ガラス化した。得られたコアガラスロッドの外径は108mmであった。
得られたコアガラスロッドを使用して製造した光ファイバ母材の屈折率分布をプリフォーム・アナライザで測定した結果、得られたrside/rcoreの値は0.745であった。なお、rside/rcoreの値は以下に従って算出した。
まず、図3に示すように、光ファイバ母材の外径の47.5%の位置のクラッド部の屈折率を屈折率差の基準(0.0)とし、さらにコア部中心でのクラッド部との屈折率差を屈折率比1.0とする。このとき屈折率比が0.45となる半径位置をコア部とクラッド部の境界と考え、コア半径rcore(mm)と定義する。また、コア部のうち半径位置rが0.5rcoreから1.0rcoreの範囲での最大値を与える半径位置rをrside(mm)と定義し、比rside/rcoreを得た。
また、この母材を線引きして得られた光ファイバのモードフィールド径は9.13μm、ゼロ分散波長は1318.1nmであった。
[実施例2]
実施例1と同様に合計3本のバーナを用いた以下の条件でコアスート体を製造した。
すなわち、コア部堆積用バーナには同心円状の4重管バーナを用い、中心管に四塩化ケイ素0.40L/分と四塩化ゲルマニウム17.5mL/分、およびキヤリアガスとしてアルゴン0.29L/分を流した。中心から2管目には水素7.0L/分を、3管目にはシールガスとしてアルゴン1.0L/分を、最外管には酸素10.2L/分を流した。ここで、キャリアガスとしてのアルゴンと四塩化ケイ素の流量比は0.73、シールガスとしてのアルゴンと四塩化ケイ素の流量比は2.5である。また、後述する比較例1と比べて、コア部堆積用バーナのスートからの水平方向の距離を1.0 mm大きくしている。
第1クラッド部堆積用バーナのノズル21aには、四塩化ケイ素0.77L/分および酸素0.65L/分を流した。また、ノズル21dには水素33L/分、ノズル21fには酸素19L/分、小口径ノズル群21cには合計で酸素1.5L/分を流した。
一方、第2クラッド部堆積用バーナのノズル21aには、四塩化ケイ素5.0L/分および酸素3.7L/分の設定で、ノズル21dには水素69L/分、ノズル21fには酸素30L/分、小口径ノズル群21cには合計で酸素6.5L/分を流した。
製造したコアスート体の外径は235mmであった。これを、塩素ガスを含む炉心管内にて1200℃前後に加熱し、脱水処理を行った後、ヘリウムガスを含む炉心管内にて1550℃前後に加熱し透明ガラス化した。得られたコアガラスロッドの外径は110mmであった。
上記の条件で製造した光ファイバ母材の屈折率分布をプリフォーム・アナライザで測定した結果、rside/rcoreの値は0.831であった。また、この母材を線引きして作製した光ファイバのモードフィールド径は9.15μm、ゼロ分散波長は1317.8nmであった。
[実施例3]
実施例1と同様に合計3本のバーナを用いた以下の条件でコアスート体を製造した。
すなわち、コア部堆積用バーナには同心円状の4重管バーナを用い、中心管に四塩化ケイ素0.49L/分と四塩化ゲルマニウム18.0mL/分、およびキヤリアガスとしてアルゴン0.19L/分を流した。中心から2管目には水素6.7L/分を、3管目にはシールガスとしてアルゴン0.73L/分を、最外管には酸素10.2L/分を流した。ここで、キャリアガスとしてのアルゴンと四塩化ケイ素の流量比は0.39、シールガスとしてのアルゴンと四塩化ケイ素の流量比は1.5である。また、コア部堆積用バーナのスートからの距離は後述する比較例1と同じである。
第1クラッド部堆積用バーナのノズル21aには、四塩化ケイ素0.77L/分および酸素0.65L/分を流した。また、ノズル21dには水素31L/分、ノズル21fには酸素17.5L/分、小口径ノズル群21cには合計で酸素1.4L/分を流した。
一方、第2クラッド部堆積用バーナのノズル21aには、四塩化ケイ素5.3L/分および酸素3.6L/分の設定で、ノズル21dには水素72L/分、ノズル21fには酸素28L/分、小口径ノズル群21cには合計で酸素6.9L/分を流した。
製造したコアスート体の外径は225mmであった。これを、塩素ガスを含む炉心管内にて1200℃前後に加熱し、脱水処理を行った後、ヘリウムガスを含む炉心管内にて1550℃前後に加熱し透明ガラス化した。得られたコアガラスロッドの外径は104mmであった。
上記の条件で製造した光ファイバ母材の屈折率分布をプリフォーム・アナライザで測定した結果、rside/rcoreの値は0.767であった。また、この母材を線引きして作製した光ファイバのモードフィールド径は9.17μm、ゼロ分散波長は1318.3nmであった。
[実施例4]
実施例1と同様に合計3本のバーナを用いた以下の条件でコアスート体を製造した。
コア部堆積用バーナの四塩化ケイ素流量を0.44L/分、四塩化ゲルマニウム20.0mL/分、キヤリアガスとしてのアルゴン流量を0.19L/分とし、シールガスとしてアルゴン0.70L/分とした。ここで、キャリアガスとしてのアルゴンと四塩化ケイ素の流量比は0.43、シールガスとしてのアルゴンと四塩化ケイ素の流量比は1.6である。また、後述する比較例1と比べて、コア部堆積用バーナのスートからの水平方向の距離を2.0mm大きくしている。そのほかの条件は実施例1と同様である。
上記の条件で製造した光ファイバ母材の屈折率分布をプリフォーム・アナライザで測定した結果、rside/rcoreの値は0.809であった。また、この母材を線引きして作製した光ファイバのモードフィールド径は9.09μm、ゼロ分散波長は1317.5nmであった。
[比較例1]
比較例1として、コア部堆積用バーナ13、およびバーナ20を第1クラッド部堆積用バーナ14と第2クラッド部堆積用バーナ15として採用した合計3本のバーナを用いて、以下の条件でコアスート体を製造した。
すなわち、コア部堆積用バーナには同心円状の4重管バーナを用い、中心管に四塩化ケイ素0.48L/分と四塩化ゲルマニウム19mL/分、およびキヤリアガスとしてアルゴン0.38L/分を流した。中心から2管目には水素6.8L/分を、3管目にはシールガスとしてアルゴン1.3L/分を、最外管には酸素10.1L/分を流した。ここで、キャリアガスとしてのアルゴンと四塩化ケイ素の流量比は0.79、シールガスとしてのアルゴンと四塩化ケイ素の流量比は2.7である。 第1クラッド部堆積用バーナのノズル21aには、四塩化ケイ素0.80L/分および酸素0.66L/分を流した。また、ノズル21dには水素30L/分、ノズル21fには酸素18L/分、小口径ノズル群21cには合計で酸素1.5L/分を流した。一方、第2クラッド部堆積用バーナのノズル21aには、四塩化ケイ素4.8L/分および酸素3.6L/分の設定で、ノズル21dには水素65L/分、ノズル21fには酸素31L/分、小口径ノズル群21cには合計で酸素6.2L/分を流した。
製造したコアスート体の外径は229mmであった。これを、塩素ガスを含む炉心管内にて1200℃前後に加熱し、脱水処理を行った後、ヘリウムガスを含む炉心管内にて1550℃前後に加熱し透明ガラス化した。得られたコアガラスロッドの外径は107mmであった。
上記の条件で製造した光ファイバ母材の屈折率分布をプリフォーム・アナライザで測定した結果、rside/rcoreの値は0.660であった。また、この母材を線引きして作製した光ファイバのモードフィールド径は9.12μm、ゼロ分散波長は1319.1nmであった。
[比較例2]
比較例2として、コア部堆積用バーナ13および、図2にその断面形状を示したバーナ20を第1クラッド部堆積用バーナ14と第2クラッド部堆積用バーナ15としてそれぞれ採用し、合計3本のバーナを用いた以下の条件でコアスート体を製造した。
すなわち、コア部堆積用バーナには同心円状の4重管バーナを用い、中心管に四塩化ケイ素0.22L/分と四塩化ゲルマニウム13mL/分、およびキヤリアガスとしてアルゴン0.18L/分を流した。中心から2管目には水素4.5L/分を、3管目にはシールガスとしてアルゴン1.3L/分を、最外管には酸素9.5L/分を流した。ここで、キャリアガスとしてのアルゴンと四塩化ケイ素の流量比は0.82、シールガスとしてのアルゴンと四塩化ケイ素の流量比は5.9である。また、前述する比較例1と比べて、コア部堆積用バーナのスートからの水平方向の距離を0.5mm小さくしている。
第1クラッド部堆積用バーナのノズル21aには四塩化ケイ素0.80L/分および酸素0.66L/分を流した。また、ノズル21dには水素30L/分、ノズル21fには酸素18L/分、小口径ノズル群21cには合計で酸素1.5L/分を流した。一方、第2クラッド部堆積用バーナのノズル21aには四塩化ケイ素4.8L/分および酸素3.6L/分の設定で、ノズル21dには水素65L/分、ノズル21fには酸素31L/分、小口径ノズル群21cには合計で酸素6.2L/分を流した。
製造したコアスート体の外径は230mmであった。これを、塩素ガスを含む炉心管内にて1200℃前後に加熱し、脱水処理を行った後、ヘリウムガスを含む炉心管内にて1550℃前後に加熱し透明ガラス化した。得られたコアガラスロッドの外径は110mmであった。
上記の条件で製造した光ファイバ母材の屈折率分布をプリフォーム・アナライザで測定した結果、rside/rcoreの値は0.703であった。また、この母材を線引きして作製した光ファイバのモードフィールド径は9.11μm、ゼロ分散波長は1318.9nmであった。
上述の実施例1~4及び比較例1、2の結果を、表1に示した。
表1によれば、コア部堆積用バーナに流したキャリアガスとしてのアルゴンと四塩化ケイ素の流量比が0.79未満であり、シールガスとしてのアルゴンと四塩化ケイ素の流量比が2.7未満である実施例1~4の光ファイバ母材のrside/rcoreの値は、0.745以上となった。実施例1~4の光ファイバ母材から得られた光ファイバのゼロ分散波長は、1318.9nm未満であり、光学特性において優れていた。一方、コア部堆積用バーナに流したキャリアガスとしてのアルゴンと四塩化ケイ素の流量比が0.79以上であり、シールガスとしてのアルゴンと四塩化ケイ素の流量比が2.7以上である比較例1~4の光ファイバ母材のrside/rcoreの値は、0.745を下回った。比較例1、2の光ファイバ母材から得られた光ファイバのゼロ分散波長は1318.9nm以上であり、実施例1~4と比べて光学特性が劣っていることが分かる。
Figure 2022014883000002
11…出発材
12…ガラス微粒子堆積体
13…コア堆積用バーナ
14…第1クラッド部堆積用バーナ
15…第2クラッド部堆積用バーナ
20…バーナ
21a…最も内側のガス噴出口
21b…内側から2番目のガス噴出口
21c…内側から3番目のガス噴出領域内の小口径ノズル口
21d…最も内側から3番目のガス噴出口
21e…内側から4番目のガス噴出口
21f…内側から5番目のガスI噴出口

Claims (10)

  1. 光ファイバ母材のうち、屈折率の相対的に高いコア部と屈折率の相対的に低いクラッド部とを有する光ファイバ母材であって、前記コア部の中心と前記クラッド部との屈折率差の45%の値を持つ位置を前記コア部と前記クラッド部との境界rcore(mm)とし、前記クラッド部との屈折率差が最大値を与える半径位置rをrside(mm)としたとき、rside/rcoreが0.745~1となる光ファイバ母材。
  2. 外径が103mm以上である請求項1に記載の光ファイバ母材。
  3. 前記中心と前記クラッド部の屈折率差と、rsideと前記クラッド部の屈折率差との差が、前記中心と前記クラッド部の屈折率差の4.6%以下である請求項1または2に記載の光ファイバ母材。
  4. 前記クラッド部の屈折率は、前記光ファイバ母材の外径の47.5%の位置での屈折率である請求項1~3のいずれか一項に記載の光ファイバ母材。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の光ファイバ母材を線引きしてなる光ファイバ。
  6. ゼロ分散波長が1318.9nm未満である請求項5に記載の光ファイバ。
  7. コア部堆積用バーナで、四塩化ケイ素とドーパント原料を含む材料を出発材に堆積させて、コア部を形成する工程と、
    前記コア部堆積用バーナより上方に配置されたクラッド部堆積用バーナで、四塩化ケイ素を含む材料を、前記コア部を覆うように堆積させて、クラッド部を形成する工程と、と含む光ファイバ母材の製造方法であって、
    前記コア部堆積用バーナに流すキャリアガスと四塩化ケイ素の流量比を0.39~0.73に調整し、シールガスと四塩化ケイ素の流量比を1.5~2.5に調整する光ファイバ母材の製造方法。
  8. 前記光ファイバ母材を外径が107mm以上になるように形成する請求項7に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  9. 請求項7または8に記載の光ファイバ母材の製造方法で製造された光ファイバ母材を線引きして光ファイバを形成する光ファイバの製造方法。
  10. ゼロ分散波長が1318.9nm未満になるように前記光ファイバを形成する、請求項9に記載の光ファイバの製造方法。
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