JP2022014717A - 亜鉛電池の充電制御方法および電源システム - Google Patents

亜鉛電池の充電制御方法および電源システム Download PDF

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Abstract

Figure 2022014717000001
【課題】適した充電電圧を設定して電池を長寿命化すること。
【解決手段】この充電制御方法は、亜鉛電池10の充電を制御する方法であって、亜鉛電池10の周辺温度と、亜鉛電池10をフロート充電する際の充電電圧との関係を示すデータを保持する保持ステップと、亜鉛電池10の周辺温度を測定する測定ステップと、亜鉛電池10のフロート充電を制御する制御ステップと、を含み、制御ステップにおいて、測定した周辺温度を基にデータを参照して、当該周辺温度に対応する充電電圧の値を特定し、フロート充電の際の充電電圧を特定した充電電圧の値に設定する。
【選択図】図7

Description

本発明は、亜鉛電池の充電制御方法および電源システムに関する。
特許文献1には、鉛蓄電池の充電を制御する装置に関する技術が開示されている。この文献に記載された装置は、組電池を構成する複数個の鉛蓄電池の温度を測定し、最も高い鉛蓄電池の温度に応じて規定電圧を設定し、規定電圧まで定電流で充電した後、その後に定電圧で充電している。
特開2002-165375号公報
上述した従来の装置においては、鉛蓄電池の電圧と温度を監視して充電の制御をおこなうことによって、組電池本体を長寿命化しようとするものである。一方で、電池がフロート充電制御で運用されている電源システムにおいては、電池の内部温度の上昇により充電不足あるいは過充電が発生し、電池の寿命が短くなる場合がある。
そこで、電池の内部温度の変化に応じて電池を長寿命化できるようなフロート充電制御の実現が望まれている。本発明の一側面は、適した充電電圧を設定して電池を長寿命化することができる、亜鉛電池の充電制御方法及び亜鉛電池を備える電源システムを提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る亜鉛電池の充電制御方法は、亜鉛電池の充電を制御する方法であって、亜鉛電池の周辺温度と、亜鉛電池をフロート充電する際の充電電圧との関係を示すデータを保持する保持ステップと、亜鉛電池の周辺温度を測定する測定ステップと、亜鉛電池のフロート充電を制御する制御ステップと、を含み、制御ステップにおいて、測定した周辺温度を基にデータを参照して、当該周辺温度に対応する充電電圧の値を特定し、フロート充電の際の充電電圧を充電電圧の値に設定する。
本発明の一側面に係る電源システムは、亜鉛電池と、亜鉛電池の充電を制御する制御部と、を備え、制御部は、亜鉛電池の周辺温度と、亜鉛電池をフロート充電する際の充電電圧との関係を示すデータを保持し、亜鉛電池の周辺温度を測定し、測定した周辺温度を基にデータを参照して、当該周辺温度に対応する充電電圧の値を特定し、フロート充電の際の充電電圧を充電電圧の値に設定する。
これらの充電制御方法及び電源システムでは、亜鉛電池の周辺温度と亜鉛電池をフロート充電する際の充電電圧との関係を示すデータが予め保持され、測定した亜鉛電池の周辺温度を基にデータを参照することによって、充電電圧の値が特定され、その値で充電電圧を設定するようにフロート充電が制御される。これにより、周辺温度に最適な充電電圧でフロート充電されるので、亜鉛電池における過剰な電流あるいは充電不足を防止できる。その結果、亜鉛電池の長寿命化が実現できる。
ここで、データにおける充電電圧は、亜鉛電池の周辺温度がデータに設定される周辺温度である状態において、所定の時間間隔で放電させながらフロート充電を繰り返した際に、亜鉛電池の放電容量の維持率が所定値に維持される期間が比較的長くなるように設定された値であってよい。これにより、亜鉛電池が所定の時間間隔で放電させてフロート充電を繰り返した場合に放電容量の維持率が維持されるように充電電圧が設定されることとなる。その結果、亜鉛電池の長寿命化が確実に実現できる。
また、測定ステップでは、周辺温度を所定時間間隔で繰り返し測定し、制御ステップでは、所定時間間隔での周辺温度の測定に応じて、充電電圧の設定を繰り返してもよい。この場合、所定の時間間隔で周辺温度に最適な充電電圧が設定されるので、亜鉛電池の長寿命化が確実に実現できる。
また、制御ステップでは、測定ステップで測定された周辺温度が、所定の温度変化量を超えて変化したことを契機に、充電電圧の設定を実行してもよい。この場合、必要なタイミングで周辺温度に最適な充電電圧が設定されるので、亜鉛電池の長寿命化が確実に実現できる。
また、保持ステップでは、測定ステップにおける測定の箇所に応じた周辺温度に関するデータを複数種類保持し、制御ステップでは、複数種類のデータの中から、測定ステップにおける測定の箇所に応じたデータを選択し、選択したデータを基に充電電圧を設定してもよい。この場合、亜鉛電池の周辺温度の測定の箇所に対して最適なデータを基に、充電電圧が設定される。その結果、亜鉛電池における過剰な電流あるいは充電不足をより確実に防止できる。その結果、亜鉛電池の長寿命化がより確実に実現できる。
また、測定ステップでは、亜鉛電池の充電電流をさらに測定し、制御ステップでは、充電電流が所定の閾値を超えた場合には、充電電圧を充電電圧の値から減少させてもよい。こうすれば、亜鉛電池の劣化に伴う充電電流の増加を防止でき、亜鉛電池の長寿命化がより確実に実現できる。
本発明の一側面によれば、適した充電電圧を設定して電池を長寿命化することができる、亜鉛電池の充電制御方法及び電源システムを提供することができる。
電源システム及びその周辺の構成の一例を模式的に示す図である。 制御部のハードウェア構成例を示す図である。 運用中における亜鉛電池のSOCの時間変化を示すグラフである。 様々な周辺温度の環境下における亜鉛電池10のフロート充電の充電電圧と充電電荷量の割合(容量率)との関係を示すグラフである。 制御部のメモリ内に保持される充電電圧データが示す関係のグラフである。 データ設定時の亜鉛電池10の測定結果の一例を示す図表である。 本実施形態の亜鉛電池10の充電制御方法を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明による亜鉛電池の充電制御方法および電源システムの実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。以下の説明において、亜鉛電池とは、ニッケル亜鉛電池、空気亜鉛電池、及び銀亜鉛電池等、負極に亜鉛を用いる電池の概念である。本実施形態にかかる亜鉛電池には、ニッケル亜鉛電池を採用する。
図1は、電源システム1及びその周辺の構成の一例を模式的に示す図である。電源システム1は、蓄電池の充電状態を維持しつつ未使用状態で待機させ、必要に応じて蓄電池の電力を供給する。電源システム1が適用される場面は限定されず、例えば、電源システム1は固定物にも移動体にも適用可能である。固定物への適用の例として、電源システム1は、UPSとして家庭、オフィス、工場、農場等の様々な場所で利用され得る。
電源システム1は、電源システム1に電力を供給可能な供給要素2と、電源システム1から電力を受け取ることが可能な需要要素(負荷)4との間に設けられる。電源システム1と供給要素2とは交流電流が流れる配線6Aを介して電気的に接続され、需要要素4と電源システム1とは、交流電流が流れる配線6Bを介して電気的に接続される。供給要素2から出力された電力は、配線6Aを通じて電源システム1に蓄えられ、また配線6A,6Bを通じて需要要素4に供給される。電源システム1に蓄えられた電力は、配線6Bを通じて需要要素4に供給される。
供給要素2は、電源システム1に電力を供給可能な装置または設備である。供給要素2の種類は何ら限定されない。例えば、供給要素2は、再生可能エネルギを利用して発電を行う発電装置であってもよい。発電方法および発電装置の種類は何ら限定されず、例えば、発電装置は太陽光発電装置でもよいし風力発電機でもよい。あるいは、供給要素2は、発電、変電、送電、および配電を統合した商用電源の設備である外部の電力系統であってもよい。外部の電力系統は、例えば電力会社により提供される。
需要要素4は、電源システム1から電力を受け取ることが可能な負荷(装置または設備)である。需要要素4の種類も何ら限定されない。需要要素4は、電力を消費する1以上の機器または装置の集合である負荷であってもよい。負荷の例として、1以上の家庭用または業務用の様々な電気機器の集合と、任意の装置の任意の構成要素とが挙げられる。
電源システム1は、コンバータ7、インバータ8、亜鉛電池10、バッテリ・コントロール・ユニット(Battery Control Unit:BCU)12、温度センサ13、および制御部14を備える。コンバータ7の入力端は配線6Aを介して供給要素2と電気的に接続されており、コンバータ7の出力端は、直流電流が流れる配線6Cを介してインバータ8の入力端と電気的に接続されている。インバータ8の出力端は、配線6Bを介して需要要素4と電気的に接続されている。配線6Cの途中のノードNは、直流電流が流れる配線6Dを介して亜鉛電池10と電気的に接続されている。図1の例では電源システム1は1組の亜鉛電池10及びBCU12を備えるが、その組数は限定されず、2以上でもよい。複数の組が存在する場合に、亜鉛電池10の性能(例えば、定格容量、応答速度など)は統一されてもよいし、統一されなくてもよい。制御部14は、通信線を介してコンバータ7、インバータ8、及びBCU12と通信可能に接続される。
亜鉛電池10は、供給要素2から提供される電力を化学エネルギに変えて蓄える装置であり、充放電が可能である。亜鉛電池10は、直列に接続された複数のセルを含んで構成される。亜鉛電池10には制御機能としてのBCU(制御部)12が接続されている。BCU12は、亜鉛電池10に関するデータを制御部14に送信する。
温度センサ13は、亜鉛電池10の周辺温度をセンシング(測定)するセンサユニットである。温度センサ13は、例えば、亜鉛電池10の筐体の側面に設けられ、亜鉛電池10の周辺の温度をセンシングする。この温度センサ13は、亜鉛電池10が複数のセルを含んで構成されている場合には、いずれかのセルの周辺に設けられてもよいし、それぞれのセルの周辺に複数で設けられてもよい。また、温度センサ13は、亜鉛電池10の周辺の温度をセンシングできればよく、亜鉛電池10の筐体から離れて設けられていてもよい。温度センサ13の出力はBCU12に電気的に接続されている。
BCU12は、測定部を兼ねる。すなわち、BCU12は、亜鉛電池10の周辺温度を示すデータを、温度センサ13が出力する電気信号を基に取得する。BCU12が取得した周辺温度を示すデータは、他のデータとともに制御部14に送信される。このとき、温度センサ13が亜鉛電池10のセルごとに複数で設けられている場合には、BCU12は、複数の温度センサ13の出力が示す周辺温度からそれらを代表する周辺温度を示すデータを送信する。代表する周辺温度とは、複数の温度センサ13の検出した周辺温度を平均した周辺温度、あるいは、複数の温度センサ13の検出した周辺温度から1つを選択した周辺温度である。なお、温度センサ13の出力は制御部14に接続され、周辺温度を示すデータは、制御部14によって、温度センサ13の出力する電気信号を基に取得されてもよい。BCU12が制御部14に送信するデータとしては、亜鉛電池10における温度センサ13の設置個所を示すデータ、及び、亜鉛電池10においてセルの劣化が生じ始めているか否かの判断基準となる充電電流の閾値を示すデータを含む。
コンバータ7及びインバータ8は、亜鉛電池10の充放電を制御する。コンバータ7は、電力を交流から直流に変換する装置であり、インバータ8は、電力を直流から交流に変換する装置である。交流入力側の電源異常(停電、電圧低下等)が発生した場合、亜鉛電池10に充電された直流電力をインバータ8で逆変換し、交流出力の供給を継続する。本実施形態の制御部14は、コンバータ7及びインバータ8の動作を制御することにより、亜鉛電池10の充放電を制御する。電源システム1に複数の亜鉛電池10が設けられている場合には、コンバータ7及びインバータ8は、制御部14の動作制御により、亜鉛電池10毎に充放電を制御する。充電モードでは、供給要素2から出力された電力の一部を亜鉛電池10に蓄え、放電モードでは、亜鉛電池10を強制的に放電させて需要要素4に電力を供給する。
制御部14は、亜鉛電池10の充電及び放電を制御するコンピュータ(例えばマイクロコンピュータ)である。図2は、制御部14のハードウェア構成例を示す図である。この図に示すように、制御部14は、プロセッサ141、メモリ142、および通信インタフェース143を有する。プロセッサ141は例えばCPUであり、メモリ142は例えばフラッシュメモリで構成されるが、制御部14を構成するハードウェア装置の種類はこれらに限定されず、任意に選択されてよい。制御部14の各機能は、プロセッサ141が、メモリ142に格納されているプログラムを実行することで実現される。例えば、プロセッサ141は、メモリ142から読み出したデータまたは通信インタフェース143を介して受信したデータに対して所定の演算を実行し、その演算結果を他の装置に出力することで、該他の装置を制御する。あるいは、プロセッサ141は受信したデータまたは演算結果をメモリ142に格納する。制御部14は1台のコンピュータで構成されてもよいし、複数のコンピュータの集合(すなわち分散システム)で構成されてもよい。
例えばUPS等である電源システム1は、亜鉛電池10の電力を必要としない平常時においては、亜鉛電池10の充電状態を維持しつつ停電発生時まで待機させる(待機状態)。その際、制御部14は、亜鉛電池10を定電圧充電(フロート充電)によって充電させるように制御し、そのときの充電電圧を亜鉛電池10の周辺温度に対応して設定するように制御する。制御部14は、フロート充電の充電電圧をメモリ142内のデータに基づいて特定し、その特定結果を基に、コンバータ7に対して、充電電圧を設定するための指示信号を出力する。
ここで、上記の充電電圧制御の原理について詳細に説明する。図3は、運用中における亜鉛電池10の充電電荷量の変化を模式的に示すグラフである。同図において、横軸は時間を表し、縦軸は充電電荷量の割合(SOC:State Of Charge)を表す。SOCは、亜鉛電池10の放電容量に対する充電電荷量の割合を示す。図3に示されるように、電源システム1は、停電等の不定期(ランダム)な要因が発生したタイミングTd1,Td2,Td3,…における放電動作と、その放電動作の間の充電期間P,P,P,…における充電動作を交互に繰り返すように、制御部14によって制御される。充電期間P,P,Pでは、定電圧充電(フロート充電)によって亜鉛電池10を充電するよう制御部14がコンバータ7を制御する。充電期間P,P,Pでは、フロート充電によって、初期においてSOCが0%から100%まで上昇し、その後はSOCが100%の状態(満充電状態)が維持される。なお、充電とは、配線6C,6Dから亜鉛電池10へ電力を供給し、電荷を亜鉛電池10において蓄えることをいう。
図4は、様々な周辺温度の環境下における亜鉛電池10のフロート充電の充電電圧と充電電荷量の割合(容量率)との関係を示す。容量率は、24時間フロート充電した後に測定された放電電荷量を初期に電池を満充電の状態から放電した際の放電電荷量との相対比較値(百分率)で示した値である。このように、周辺温度が25°C、40°C、50°Cの環境下で異なる特性が示される。それぞれの周辺温度の環境下では、約1.82V~約1.84Vの間の所定の充電電圧を境に急激に容量率が変化しており、その所定の充電電圧を超えて過度に充電電圧を上昇させても容量率はそれほど変化していない。この容量率の変化の境目となる所定の充電電圧は、周辺温度によって異なり、周辺温度が上昇するに従って、所定の充電電圧は減少する。
制御部14は、上述したようなフロート充電による容量率特性を利用して、充電電圧制御を実行する。詳細には、制御部14は、予め、亜鉛電池の周辺温度と、亜鉛電池をフロート充電する際の充電電圧との関係を示すデータ(以下、「充電電圧データ」という。)をメモリ142内に保持している。
図5は、メモリ142内に保持される充電電圧データが示す関係のグラフの例である。充電電圧データは、亜鉛電池10の周辺温度(°C)と、フロート充電の充電電圧(フロート充電電圧)(V)との関係を示す。充電電圧データは、この関係を近似した関数を特定するデータを含んでいてもよいし、この関係を示すルックアップテーブル(LUT)のデータ構造を有していてもよい。例えば、図5に示す関係は、1次関数の関係であり、フロート充電電圧Vと周辺温度Tとの関係が、
(V)=1.83-0.00034×(T(°C)-25)
の関係を示している。充電電圧データは、上記関係式を表すデータとなっている。
充電電圧データは、亜鉛電池10自体の製造時に亜鉛電池10を対象に、あるいは亜鉛電池10と同種(同じ構成、同じ設計値)の亜鉛電池を対象に、予め測定されて設定されてからメモリ142内に記憶される。上記データ上で設定される充電電圧は、亜鉛電池10の周辺温度がデータにおける周辺温度となった状態において、所定の時間間隔で完全放電させながらフロート充電を繰り返した際に、亜鉛電池10の放電容量の維持率が所定値に維持される期間が比較的に長くなるような電圧に設定される。
図6は、データ設定時の亜鉛電池10の測定結果の一例を示す図表である。図6の図表においては、各列に周辺温度及び放電時間間隔を様々変更したケースの測定結果を示している。この測定結果は、測定時の亜鉛電池10の周辺温度を「試験温度(°C)」とし、亜鉛電池10を強制的に完全放電させる周期を「容量確認間隔(日)」とし、完全放電時に放電容量の維持率の測定をする際に流す放電電流を「容量確認電流(C)」とし、フロート充電の充電電圧を「フロート充電電圧(V)」とし、放電容量の維持率の確認の結果、維持率が80%を維持できる期間を「電池寿命日数(日)」として、測定したケースごとに示されている。測定する放電容量の維持率は、初期の放電容量と測定時の放電容量の比率であり、維持率の測定時の放電電流「容量確認電流(C)」は、1時間あたりに流す電荷量を放電容量の設計値(初期値)の単位で示す量である。例えば、容量確認電流が“4C”とは、放電容量の設計値が0.25時間で完全放電される電流値である。
この測定結果に示す“ケース1”、“ケース3”、“ケース4”、“ケース5”では、「容量確認間隔」が180日、「試験温度」が25°Cの条件下で、フロート充電電圧を1.83V、1.825V、1.84V、1.87Vと変更しながら繰り返し放電容量の維持率が測定されることにより、「電池寿命日数」が確認されている。その結果、“ケース1”における「電池寿命日数」の“1600日”が比較的長いケースであると判断されて、データ上において周辺温度“25°C”に対するフロート充電電圧は、“ケース1”に対応する“1.83V”と設定される。このような判断は、「試験温度」を様々な温度に変更した測定に対して繰り返される結果、図5に示すような複数の周辺温度と複数のフロート充電電圧との関係を示すデータが設定される。例えば、“ケース2”、“ケース6”、“ケース7”、“ケース8”、“ケース9”では、「容量確認間隔」が120日、「試験温度」が40°Cの条件下で、フロート充電電圧を1.825V、1.82V、1.83V、1.85V、1.87Vと変更しながら繰り返し放電容量の維持率が測定されることにより、「電池寿命日数」が確認されている。その結果、“ケース2”における「電池寿命日数」の“305日”が比較的長いケースであると判断されて、データ上において周辺温度“40°C”に対するフロート充電電圧は、“ケース2”に対応する“1.825V”と設定される。
ここで、メモリ142に保持する充電電圧データは、周辺温度とフロート充電電圧との1つの関係を示すものには限られない。すなわち、充電電圧データには、温度センサ13による亜鉛電池10の周辺温度の測定箇所に応じた複数の関係を示す複数のデータが含まれていてもよい。
制御部14は、上述したような充電電圧データをメモリ142から参照しながら充電電圧制御を実行する。すなわち、制御部14は、待機状態において随時(例えば、所定時間間隔で定期的に)、温度センサ13によってセンシングされた周辺温度を示すデータをBCU12から取得し、そのデータの示す周辺温度を基に充電電圧データを参照し、周辺温度に対応するフロート充電電圧の値を特定する。このとき、制御部14は、充電電圧データが関数を特定するデータである場合には、周辺温度の値をその関数に適用することによってフロート充電電圧の値を特定し、充電電圧データがLUTのデータ構造を有している場合には、周辺温度の値を基にLUTを検索し、周辺温度の値に近似される値に対応するフロート充電電圧の値を特定する。また、制御部14は、充電電圧データに亜鉛電池10の周辺温度の複数の測定箇所に応じた複数のデータが含まれる場合は、複数のデータのうちから、実際の測定箇所に対応する1つのデータを選択して、そのデータの示す関係を用いてフロート充電電圧の値を特定する。この選択は、予め電源システム1のユーザによる指定に基づいてなされてもよいし、複数のデータに対応する測定箇所に関するパラメータがメモリ142等に予め記憶され、制御部14により、実際の測定箇所に対応するデータが、そのパラメータとBCU12から受信された温度センサ13の設置個所を示すデータを基にその都度判別されてもよい。
そして、制御部14は、特定したフロート充電電圧の値に基づいて亜鉛電池10のフロート充電を行うようにコンバータ7を判断する。具体的には、制御部14は、コンバータ7に対して、亜鉛電池10のフロート充電電圧を指示する指示信号を出力する。これに対して、コンバータ7により、指示された指示信号の示すフロート充電電圧での亜鉛電池10のフロート充電が行われる。
ここで、電源システム1を用いた亜鉛電池10の充電制御方法について説明する。図7は、本実施形態の亜鉛電池10の充電制御方法を示すフローチャートである。この充電制御方法は、亜鉛電池10の周辺温度を監視しながら亜鉛電池10を長寿命化できるような充電電圧によるフロート充電を制御する方法である。この充電制御方法による処理は、電源システム1が起動された後に開始される。
まず、亜鉛電池10あるいは亜鉛電池10と同種の亜鉛電池を対象にして得られた測定値を基に、充電電圧データが設定されてメモリ142内に保持される(ステップS01)。このステップS01は、最初の充電制御方法の処理の時あるいはその処理前に実行されればよく、毎回の充電制御方法の処理毎に実行される必要はない。そして、制御部14により、温度センサ13によってセンシングされた周辺温度に関するデータが取得される(ステップS02)。
その後、制御部14によって、温度センサ13によってセンシングされた周辺温度の値と、メモリ142内の充電電圧データとを基に、周辺温度に対応するフロート充電電圧が特定される(ステップS03)。次に、制御部14によって、特定したフロート充電電圧でのフロート充電が制御され、コンバータ7による亜鉛電池10のフロート充電が制御される(ステップS04)。その後、所定の時間間隔が経過したか否かが判定され(ステップS05)、所定時間間隔が経過した場合(ステップS05;Yes)、ステップS02~ステップS04の処理が繰り返される。このような動作により、亜鉛電池10の周辺温度に応じたフロート充電電圧の制御が所定の時間間隔で繰り返される。
以上に説明した本実施形態の亜鉛電池10の充電制御方法及び電源システム1によって得られる効果について説明する。前述したように、充電制御方法及び電源システム1では、亜鉛電池10の周辺温度と亜鉛電池をフロート充電する際のフロート充電電圧との関係を示すデータが予めメモリ142に保持され、測定した亜鉛電池10の周辺温度を基にデータを参照することによって、フロート充電電圧の値が特定され、その値でフロート充電電圧を設定するようにフロート充電が制御される。これにより、周辺温度に最適な充電電圧でフロート充電されるので、亜鉛電池10における過剰な電流あるいは充電不足を防止できる。その結果、亜鉛電池10の長寿命化が実現できる。
ここで、メモリ142に保持されるデータにおけるフロート充電電圧は、亜鉛電池10の周辺温度がデータに設定される周辺温度である状態において、所定の時間間隔で放電させながらフロート充電を繰り返した際に、亜鉛電池10の放電容量の維持率が所定値に維持される期間が比較的長くなるように設定された値とされている。これにより、亜鉛電池10が所定の時間間隔で放電させてフロート充電を繰り返した場合に放電容量の維持率が維持されるようにフロート充電電圧が設定されることとなる。その結果、亜鉛電池10の長寿命化が確実に実現できる。
また、本実施形態の充電制御方法では、周辺温度が所定時間間隔で繰り返し測定され、所定時間間隔での周辺温度の測定に応じて、フロート充電電圧の設定が繰り返される。この場合、所定の時間間隔で周辺温度に最適な充電電圧が設定されるので、亜鉛電池10の長寿命化が確実に実現できる。
また、本実施形態の充電制御方法では、周辺温度の測定の箇所に応じた周辺温度に関するデータが複数通り保持され、充電電圧の制御時には、複数通りデータの中から、実際の周辺温度の測定の箇所に応じたデータが選択され、選択されたデータを基に充電電圧が設定される。この場合、亜鉛電池10の周辺温度の測定の箇所に対して最適なデータを基に、フロート充電電圧が設定される。その結果、亜鉛電池10における過剰な電流あるいは充電不足をより確実に防止できる。その結果、亜鉛電池10の長寿命化がより確実に実現できる。
本発明による亜鉛電池の充電制御方法及び電源システムは、上述した実施形態の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施形態の充電制御方法では、所定の時間間隔で周辺温度のセンシング及びフロート充電電圧の設定が行われているが、このような動作には限定されない。例えば、温度センサ13によって測定された周辺温度が、前回のフロート充電電圧の設定時に比較して所定の温度変化量を超えて変化したことを契機に、フロート充電電圧の特定及び設定が行われてもよい。この場合、必要なタイミングで周辺温度に最適な充電電圧が設定されるので、亜鉛電池10の長寿命化が確実に実現できる。
また、電源システム1には、亜鉛電池10の充電電流を測定可能な電流センサがさらに備えられてもよい。そして、制御部14は、フロート充電の制御時に測定される充電電流が所定の閾値を超えた場合には、フロート充電電圧を充電電圧データから特定した値から減少させて設定してもよい。このとき、制御部14は、BCU12が制御部14に送信するデータを基に、上記の所定の閾値を設定する。こうすれば、亜鉛電池10の劣化に伴う充電電流の増加を防止でき、亜鉛電池10の長寿命化がより確実に実現できる。
1…電源システム、2…供給要素、4…需要要素、6A~6D…配線、7…コンバータ、8…インバータ、10…亜鉛電池、12…BCU(制御部)、13…温度センサ、14…制御部、141…プロセッサ、142…メモリ、143…通信インタフェース、N…ノード。

Claims (7)

  1. 亜鉛電池の充電を制御する方法であって、
    前記亜鉛電池の周辺温度と、前記亜鉛電池をフロート充電する際の充電電圧との関係を示すデータを保持する保持ステップと、
    前記亜鉛電池の周辺温度を測定する測定ステップと、
    前記亜鉛電池のフロート充電を制御する制御ステップと、
    を含み、
    前記制御ステップにおいて、測定した前記周辺温度を基に前記データを参照して、当該周辺温度に対応する前記充電電圧の値を特定し、前記フロート充電の際の充電電圧を前記充電電圧の値に設定する、
    亜鉛電池の充電制御方法。
  2. 前記データにおける前記充電電圧は、前記亜鉛電池の周辺温度が前記周辺温度である状態において、所定の時間間隔で放電させながら前記フロート充電を繰り返した際に、前記亜鉛電池の放電容量の維持率が所定値に維持される期間が比較的長くなるように設定された値である、
    請求項1に記載の亜鉛電池の充電制御方法。
  3. 前記測定ステップでは、前記周辺温度を所定時間間隔で繰り返し測定し、
    前記制御ステップでは、前記所定時間間隔での周辺温度の測定に応じて、前記充電電圧の設定を繰り返す、
    請求項1又は2に記載の亜鉛電池の充電制御方法。
  4. 前記制御ステップでは、前記測定ステップで測定された前記周辺温度が、所定の温度変化量を超えて変化したことを契機に、前記充電電圧の設定を実行する、
    請求項1又は2に記載の亜鉛電池の充電制御方法。
  5. 前記保持ステップでは、前記測定ステップにおける測定の箇所に応じた前記周辺温度に関する前記データを複数種類保持し、
    前記制御ステップでは、複数種類の前記データの中から、前記測定ステップにおける測定の箇所に応じたデータを選択し、前記選択した前記データを基に前記充電電圧を設定する、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の亜鉛電池の充電制御方法。
  6. 前記測定ステップでは、前記亜鉛電池の充電電流をさらに測定し、
    前記制御ステップでは、前記充電電流が所定の閾値を超えた場合には、前記充電電圧を前記充電電圧の値から減少させる、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の亜鉛電池の充電制御方法。
  7. 亜鉛電池と、
    前記亜鉛電池の充電を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記亜鉛電池の周辺温度と、前記亜鉛電池をフロート充電する際の充電電圧との関係を示すデータを保持し、
    前記亜鉛電池の周辺温度を測定し、
    測定した前記周辺温度を基に前記データを参照して、当該周辺温度に対応する前記充電電圧の値を特定し、前記フロート充電の際の充電電圧を前記充電電圧の値に設定する、
    電源システム。
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